説明

フィルタ取付け構造体

【課題】 フィルタをフィルタケーシングに押し付けて取付ける際に、容易に操作が可能なフィルタ取付け構造体を提供する。
【解決手段】 スライド体と、スライド体をスライド可能に規制する固定部材と、フィルタ押し付け部材と、これらの部材を連結する第1の連結部材と、スライド体の外部に設けた支点を軸として回動する回動部材と、スライド体の端部と回動部材を連結する第2の連結部材とからなり、スライド体は斜め方向が長手の第1の長穴を備え、フィルタ押し付け部材は押し付け方向が長手の第2の長穴を備え、第1の連結部材は第1の長穴と第2の長穴とに挿入され且つ固定部材に固定されており、回動部材が回動することによりフィルタ押し付け部材がフィルタケーシングの空気流入側又は流出側の方向に移動して、フィルタをフィルタケーシングに押し付けることが可能となっているフィルタ取付け構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル空調、工場空調、病院空調などの空調設備において、エアフィルタをフィルタケーシングに取付けるためのフィルタ取付け構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル空調、工場空調、病院空調などの空調設備には、外気中の塵埃を除去するためエアフィルタが用いられており、このようなエアフィルタは目詰まりして圧力損失が上昇した時に、新しいエアフィルタと交換できるように着脱自在にフィルタケーシングに取付けられている。従来からこの取付け作業は煩雑で多大な時間を要するという問題があり、その解決方法として例えば特許文献1のエアフィルタ取付け部材が知られている。
【0003】
このエアフィルタ取付け部材は、図12に示すように、フィルタ押し付け材110とベース材120との間に、フィルタ押え方向と略同方向のスライド穴131を有するフィルタ押え材130を、ベース材の固定軸121を該スライド穴131に貫入することにより一体化しており、ネジ機構によりフィルタ押付け材110が矢印(ロ)及び(ハ)の方向に移動すると、これに伴ってフィルタ押え材130も、矢印(ハ)の方向に移動し、フィルタを締めつけて固定するようになっている。
【0004】
しかし、このようなエアフィルタ取付け部材にあっては、ネジ機構によりフィルタ押付け材110が矢印(ロ)及び(ハ)の方向に移動するため、それに伴いネジ機構自体も(ハ)の方向に移動することになる。詳細にはベース材120の端部に開けられた長穴122に貫入したボルトの頭を、スパナなどを用いて回転させると、ボルトの頭がこの長穴に押し付けられながら長穴に沿って(ハ)の方向に移動することになる。このため操作しづらいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭63−185429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決して、フィルタをフィルタケーシングに押し付けて取付ける際に、容易に操作が可能なフィルタ取付け構造体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明では、フィルタをフィルタケーシングに押し付けて取付けるためのフィルタ取付け構造体であって、スライド体と、前記スライド体をスライド可能に規制する固定部材と、フィルタ押し付け部材と、前記スライド体と前記固定部材と前記フィルタ押し付け部材とを連結する第1の連結部材と、前記スライド体の外部に設けた支点を軸として回動する回動部材と、前記スライド体の端部と前記回動部材を連結する第2の連結部材とからなり、前記スライド体はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっている第1の長穴を備えており、
(A)前記フィルタ押し付け部材はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴を備えており、第1の連結部材は第1の長穴と第2の長穴とに挿入され且つ前記固定部材に固定されており、又は
(B)前記固定部材はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴を備えており、第1の連結部材は第1の長穴と第2の長穴とに挿入され且つ前記フィルタ押し付け部材に固定されており、
前記回動部材が回動することにより前記スライド体が前記固定部材によって規制されながらスライドし、このスライドに伴いフィルタ押し付け部材がフィルタケーシングの空気流入側又は空気流出側の方向に移動して、フィルタをフィルタケーシングに押し付けることが可能となっていることを特徴とするフィルタ取付け構造体をその解決手段とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によって、フィルタをフィルタケーシングに押し付けて取付ける際に、容易に操作が可能なフィルタ取付け構造体を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のフィルタ取付け構造体の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明のフィルタ取付け構造体の一例の断面図である。(a)はフィルタをフィルタケーシングに押し付けた状態を示す図であり、(b)はフィルタケーシングへの押し付けからフィルタを開放した状態を示す図である。
【図3】本発明のフィルタ取付け構造体の組み立ての一例を示す斜視図である。
【図4】本発明のフィルタ取付け構造体の一例の部分拡大を示す斜視図である。
【図5】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例の部分拡大を示す斜視図である。
【図6】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例を示す斜視図である。
【図7】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例の断面図である。(a)はフィルタをフィルタケーシングに押し付けた状態を示す図であり、(b)はフィルタケーシングへの押し付けからフィルタを開放した状態を示す図である。
【図8】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例の組み立てを示す斜視図である。
【図9】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例の部分拡大を示す斜視図である。
【図10】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例の部分拡大を示す斜視図である。
【図11】本発明のフィルタ取付け構造体の別の例を示す断面図である。
【図12】従来のフィルタ取付け構造体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係るフィルタ取付け構造体の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明のフィルタ取付け構造体30は、図1〜図4又は図6〜図9に例示するように、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けて取付けるためのフィルタ取付け構造体30であって、スライド体40と、前記スライド体40をスライド可能に規制する固定部材50と、フィルタ押し付け部材70と、前記スライド体40と前記固定部材50と前記フィルタ押し付け部材70とを連結する第1の連結部材60と、前記スライド体40の外部に設けた支点25を軸として回動する回動部材80と、前記スライド体40の端部42と前記回動部材80を連結する第2の連結部材82とからなり、前記スライド体40はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっている第1の長穴41を備えており、
(A)図2〜図3に示すように、前記フィルタ押し付け部材70はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴75を備えており、第1の連結部材60は第1の長穴41と第2の長穴75とに挿入され且つ前記固定部材50に固定されており、又は
(B)図7〜図8に示すように、前記固定部材50はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴51を備えており、第1の連結部材60は第1の長穴41と第2の長穴51とに挿入され且つ前記フィルタ押し付け部材70に固定されており、
前記回動部材80が回動することにより前記スライド体40が前記固定部材50によって規制されながらスライドし、このスライドに伴いフィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング20の空気流入側又は空気流出側の方向(図1、図6ではフィルタケーシング20の空気流入側の方向)に移動して、フィルタ10をフィルタケーシングに押し付けることが可能となっている。なお、ここでいう「フィルタケーシング20の空気流入側又は空気流出側」とは、フィルタ10がフィルタケーシング20に押し付けられる部分における「フィルタケーシング20の空気流入側又は空気流出側」を意味している。したがって、例えば図1、図6においてフィルタケーシングの前方にもフィルタケーシングが延設されており、その延設部分の上方から空気を取り入れるような場合、その空気の取り入れ口を意味していない。
【0012】
前記フィルタケーシング20は、図1に例示するようにフィルタ10を押し付けて取付けることが可能なように、空気の流れ方向に対して交差する方向にフレームを組み立てて形成された構造体として空調設備に設置されている。本発明では、フィルタ10を押し付ける方向は空気の流れに対して同方向であることも、逆の方向であることも可能である。したがって、フィルタ10を押し付ける方向が空気の流れに対して同方向である場合は、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング20の空気流出側の方向に移動する構造となり、フィルタ10を押し付ける方向が空気の流れに対して逆の方向である場合は、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング20の空気流入側の方向に移動する構造となる。図1、図6の例では空気の流れに対して逆の方向にフィルタ10を押し付ける構造となっており、この場合、フィルタ取付け構造体30を構成する各部材に塵埃が付着せずメンテナンスが容易になるという利点がある。また、図1、図6においてフィルタ10を押し付ける方向が空気の流れに対して同方向である場合は、フィルタ取付け構造体30を構成する各部材から発生する錆や磨耗粉などが下流側に流れる恐れがないという利点があり、中高性能のフィルタを使用する場合に適している。
【0013】
また図1ではフィルタケーシング20は断面コ字形のチャンネル材や中空の鉄骨を組み合わせて形成されている。また、図1に示すように、フィルタケーシング20はフィルタ10が接する箇所に受け板21を有していることが好ましく、フィルタ10とフィルタケーシング20の間のシールを確実にすることができる。
【0014】
前記フィルタ10としては、例えば不織布等からなる平板状のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠11に収納されている形態のものや、不織布等からなるシート状のエアフィルタ用濾材が一定間隔で折り曲げられてプリーツが形成されたフィルタエレメントがフィルタ枠11に収納されている形態のものが適用される。またフィルタ枠11にはフィルタケーシング20に接する面にパッキン12が固着していることが好ましく、パッキン12の固着によって、フィルタ10とフィルタケーシング20の間のシールを確実にすることができる。また、パッキンはフィルタケーシング20側に固着することも可能であるが、パッキンの消耗により取り替える必要があり、その手間を考慮するとフィルタ枠に固着することが好ましい。
【0015】
図1の例では、フィルタ10はフィルタケーシング20の上段に3個、下段に3個がそれぞれ連結した状態で、フィルタケーシング20の側方から挿入されている。フィルタ10の連結はフィルタ枠11の左右が互いに連結可能なようにソケット形状になっており、フィルタ10の設置時に一方のソケットの雄型を他の雌型に指し込むことで容易に連結できるようになっている。
【0016】
本発明のフィルタ取付け構造体は、図3及び図8に例示するように、スライド体40と、前記スライド体40をスライド可能に規制する固定部材50と、フィルタ押し付け部材70と、前記スライド体40と前記固定部材50と前記フィルタ押し付け部材70とを連結する第1の連結部材60を有しており、前記スライド体40はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっている第1の長穴41を備えている。
【0017】
本発明では、スライド体40と固定部材50とフィルタ押し付け部材70との組合せ方が異なる2種類の構造を採用することが可能であり、図1〜図5に示すように第1の連結部材60がスライド体40、フィルタ押し付け部材70、固定部材50の順に連結する構造と、図6〜図11に示すように第1の連結部材60がスライド体40、固定部材50、フィルタ押し付け部材70の順に連結する構造とを採用することが可能である。そして前者のフィルタ取付け構造体30では(A)図2〜図3に示すように、前記フィルタ押し付け部材70はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴75を備えており、第1の連結部材60は第1の長穴41と第2の長穴75とに挿入され且つ前記固定部材50に固定されており、後者のフィルタ取付け構造体30では(B)図7〜図8に示すように、前記固定部材50はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴51を備えており、第1の連結部材60は第1の長穴41と第2の長穴51とに挿入され且つ前記フィルタ押し付け部材70に固定されている。以下、前者のフィルタ取付け構造体を(A)構造体と称し、後者のフィルタ取付け構造体を(B)構造体と称して詳細に説明する。
【0018】
(A)構造体および(B)構造体において、前記スライド体40としては図3または図8に示すように、フィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっている第1の長穴41を備えており、固定部材50によって規制されながらスライド可能である限り、その形状は特に限定されず、例えば図3または図8のように中空の4角柱からなる筒状であることも、中空の多角柱であることも、中実の多角柱であることも、断面コ字形のチャンネル状の部材であることも可能である。また、上流側から下流側へ空気が流れないように気密性が保たれる限り、スライド体40の任意の面において穴が空いた構造であることも可能である。このスライド体40はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっている第1の長穴41を備えていることを必要とする。第1の長穴41の長手方向とフィルタの押し付け方向とのなす角度αは、理論的には0度を超え90度未満であればよいが、実際にはスライド体40の移動距離、フィルタ押し付け部材70の移動距離などとの関係から60度〜85度の範囲にあることが好ましく、65度〜75度の範囲にあることがより好ましい。スライド体40の移動距離を一定とした場合、角度αが大きいほどフィルタ押し付け部材70の移動距離は短く、フィルタ押し付け部材70の移動に要する力は小さくなる。
【0019】
(A)構造体においては、図3に示すように、前記固定部材50としては、スライド体40と固定部材50との間にフィルタ押し付け部材70が配置されており、スライド体40をスライド可能に規制し、且つスライド体40をスライドすることによりフィルタ押し付け部材70をフィルタケーシング方向に移動可能である限り、その形状は特に限定されず、例えば図2、図3のようにスライド体40を収納または載置可能な断面L字形のチャンネル状の部材で、且つその開放端部にフィルタ10の下面を支持する車輪24を取付けることが可能な板状の支持部50aを有するようになっており、全体として断面Z字形の形状をしていることも可能である。また、上流側から下流側へ空気が流れないように気密性が保たれる限り、固定部材50の任意の面において穴が空いた構造であることも可能である。
【0020】
前記フィルタ押し付け部材70としては、フィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴75を備えており、スライド体40と固定部材50との間に配置されており、スライド体40をスライドすることによりフィルタケーシング方向に移動可能である限り、その形状は特に限定されず、例えば図3のように固定部材50の表面を摺動可能な断面コ字状の部材であり、前記スライド体40を収納可能な形状であることが可能である。
【0021】
このフィルタ押し付け部材70はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴75を備えていることを必要とする。第2の長穴75の長手方向とフィルタの押し付け方向とは一致していることが好ましい。一致しない場合は、固定部材50の面に配置されたフィルタ押し付け部材70がフィルタの押し付け方向に移動すると同時にフィルタの押し付け方向と直角の方向にも移動することとなり、フィルタ10とフィルタケーシング20の間のシールを確実にすることができなくなる場合がある。このため、第2の長穴75の長手方向とフィルタの押し付け方向とのなす角度βは、0度〜5度であることが好ましく、0度であることが最も好ましい。
【0022】
図1には、このフィルタ押し付け部材70によって、フィルタ10が奥行きの長いフィルタ、すなわち空気の入口から出口までの距離の長いフィルタをフィルタケーシング20に押し付けて取付ける場合の一例が示されている。図1、図2に示すようにフィルタ10の入口側の下方はフィルタケーシング20に取付けた受け板21に設けた車輪23によって支えるようにしている。またフィルタ10の出口側の下方は断面L字形のチャンネル状の固定部材50に延設した板状の支持部50aに設けた車輪24によって支えるようにしており、これらの車輪によってフィルタ10をフィルタケーシングの側方から滑らせて、所定の位置に収納してから、フィルタケーシング20に取付ける構造となっている。
【0023】
前記連結部材60としては、スライド体40とフィルタ押し付け部材70と固定部材50とをこの順に連結しており、スライド体40の第1の長穴41と、フィルタ押し付け部材70の第2の長穴75とに挿入され且つ固定部材50に固定されている限り、その形態は特に限定されず、例えば図3のように長ボルト61とワッシャー62、63とナット64とからなる構造によって、スライド体40とフィルタ押し付け部材70と固定部材50とをこの順に連結し、且つ固定部材50に固定することが可能である。なお、本発明では、スライド体40とフィルタ押し付け部材70と固定部材50とをこの順に連結しているが、もちろん固定部材50とフィルタ押し付け部材70とスライド体40とをこの順に連結している形態であることも可能である。
【0024】
図3では、スライド体40及びフィルタ押し付け部材70は断面コ字状の部材となっており、スライド体40は第1の長穴41を備えており、フィルタ押し付け部材70は第2の長穴75を備えており、固定部材50には長ボルト61が貫通する丸孔55が設けられている。ここで、長ボルト61を、ワッシャー62、スライド体40の長穴41、フィルタ押し付け部材70の長穴75、固定部材50の丸孔55、ワッシャー63の順に貫通させ、その後ナット64をねじ込むことによって、これらの部材を連結し且つ固定部材50に長ボルト61を固定することができる。
【0025】
連結部材60としては前述の長ボルト61の替わりにリベット(図示しない)を用いることも可能であり、この場合リベットの軸が固定部材50の丸穴55に嵌合するので、固定部材50の上面にフィルタ押し付け材70とスライド体40とを締め付けて固定する必要がない。そのため固定部材50の上面をフィルタ押し付け部材70が摺動し易くなる利点がある。また固定部材50の上面に長ボルト61に契合するソケット(図示しない)を設けておき、このソケットをフィルタ押し付け部材70の長穴75、スライド体40の長穴41の順に貫通させ、その後長ボルト61を、ワッシャー62を介してねじ込むことによって、これらの部材を連結し且つ固定部材50に長ボルト61を固定することができる。
【0026】
(A)構造体においては、以上説明した各部材を組み立てることによって、スライド体40を固定部材50によって規制しつつスライドさせることにより、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることが可能となっている。図3には、組み立て図の右横に各部材の移動方向が矢印で示されており、各部材が(イ)の列の方向で移動することにより、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることができる。また、各部材が(ロ)の列の方向で移動することにより、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング方向と反対方向に移動して、フィルタケーシング20に押し付けられたフィルタ10をフィルタケーシング20から引き離すことができる。あるいはフィルタケーシング20に押し付けられたフィルタ10を押し付け状態から開放することができる。
【0027】
図3において各部材が(イ)の列の方向で移動する場合について説明すると、断面コ字形のスライド体40を、固定部材50の上面に配置されている断面コ字形のフィルタ押し付け部材70の中で押し込むようにして左側にスライドすると、固定部材50に規制されながら(すなわち、スライド体の下面がフィルタ押し付け部材70の下面を介して固定部材50の上面に支持された状態で)固定部材50に固定された長ボルト61を固定軸として、スライド体40が第1の長穴41に沿って左側の方向と手前の方向(フィルタケーシング方向)に移動し、この移動に伴いフィルタ押し付け部材70が第2の長穴75に沿って手前の方向(フィルタケーシング方向)に移動する。次に各部材が(イ)の列の方向と反対側の方向の(ロ)の列の方向で移動する場合は、断面コ字形のスライド体40をフィルタ押し付け部材70の中から引き出すようにして右側にスライドすると、固定部材50に規制されながら長ボルト61を固定軸として、スライド体40が第1の長穴41に沿って右側の方向と奥の方向(フィルタケーシング方向と反対方向)に移動し、この移動に伴いフィルタ押し付け部材70が第2の長穴75に沿って奥の方向(フィルタケーシング方向と反対方向)に移動する。
【0028】
なお、図3ではスライド体40の第1の長穴41はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっているが、この斜めの方向として左側が前方になり右側が後方になるようになっている。これに対して、この斜めの方向として右側が前方になり左側が後方になるように第1の長穴41を配置することによって、スライド体40をフィルタ押し付け部材70の中で押し込むようにして左側にスライドすると、フィルタ押し付け部材70が奥の方向(フィルタケーシング方向と反対方向)に移動するように設定することも可能である。
【0029】
また、図1に示すようにフィルタケーシング20にフィルタ10を取り付ける場合には、(A)構造体をフィルタ10の上部と下部にそれぞれ配置することが好ましい。
【0030】
次に(B)構造体においては、図8に示すように、前記固定部材50としては、フィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴51を備えており、スライド体40をスライド可能に規制する限り、その形状は特に限定されず、例えば図8のようにスライド体40を収納可能な中空の4角柱からなる筒状であることも、断面コ字形のチャンネル状の部材で且つ開口部の一部分にずれ防止のガイド板が設けられておりその部分で筒状になっていることも可能である。また、上流側から下流側へ空気が流れないように気密性が保たれる限り、固定部材50の任意の面において穴が空いた構造であることも可能である。また、図8に示すように中空の4角柱であれば、上面と下面にそれぞれ、第2の長穴51を設けると共にフィルタ押し付け部材70を配置することが可能となる。このため、図6に示すようにフィルタケーシング20の上段と下段にフィルタ10を取り付ける場合には、フィルタケーシング20の上段に取り付けるフィルタ10の下部と、フィルタケーシング20の下段に取り付けるフィルタ10の上部とを同時にフィルタケーシング方向に移動して、上下のフィルタ10をフィルタケーシング20に取付けることが可能となり、操作に手間がかからず、且つ部品数を少なくすることができるという利点がある。また、図6に示す形態の固定部材50をフィルタケーシング20の受け板21に固定するにあたり、固定部材50の一方の端部の受け板21に接する平板部分を受け板21の一方の端部に設けた断面コ字形のスリット部材の間隙に指し込むようにすると共に、固定部材50の他方の端部の受け板21に接する平板部分を、ボルトやリベット等で受け板21の他方の端部に固定するようにすれば、溶接によらずとも固定部材50をフィルタケーシング20にワンタッチで容易に固定することが可能である。
【0031】
この固定部材50はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴51を備えている。第2の長穴51の長手方向とフィルタの押し付け方向とは一致していることが好ましい。一致しない場合は、固定部材50の面に配置されたフィルタ押し付け部材70がフィルタの押し付け方向に移動すると同時にフィルタの押し付け方向と直角の方向にも移動することとなり、フィルタ10とフィルタケーシング20の間のシールを確実にすることができなくなる場合がある。このため、第2の長穴51の長手方向とフィルタの押し付け方向とのなす角度βは、0度〜5度であることが好ましく、0度であることが最も好ましい。
【0032】
前記フィルタ押し付け部材70としては、スライド体40と固定部材50とフィルタ押し付け部材70の順に、固定部材50に隣接して配置されており、且つフィルタケーシング方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることが可能な構造である限り、その形状は特に限定されず、例えば図8のように固定部材50の表面を摺動可能な平板状の部材で、断面コ字状のレール71が設けられていることが可能である。図8では、このレール71によってフィルタケーシング20の側方からフィルタ10を滑らせてレール71内にフィルタ10を収納した後に、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることが可能となっている。
【0033】
また、例えば図11に例示するように、フィルタ10が奥行きの長いフィルタ、すなわち空気の入口から出口までの距離の長いフィルタである場合には、フィルタ押し付け部材70に断面L字状のレール72を配置しておき、この断面L字状のレール72の立設部分をフィルタの出口側の下方の角にあてて、フィルタ10をフィルタケーシング方向に移動してフィルタケーシング20に押し付ける構造とすることも可能である。なお、図11ではフィルタ10の入口側の下方はフィルタケーシング20に設けた受け板21に取付けた支持部材22によって支えるようにしている。また、この支持部材22に車輪23を設け更に固定部材50にも車輪24を設け、これらの車輪によってフィルタ10をレール72に沿ってフィルタケーシングの側方から滑らせて、所定の位置に収納してから、フィルタケーシング20に取付ける構造となっている。
【0034】
前記連結部材60としては、スライド体40と固定部材50とフィルタ押し付け部材70とをこの順に連結しており、スライド体40の第1の長穴41と、固定部材50の第2の長穴51とに挿入され且つフィルタ押し付け部材70に固定されている限り、その形態は特に限定されず、例えば図8のように長ボルト61とワッシャー62、63とナット64とからなる構造によって、スライド体40と固定部材50とフィルタ押し付け部材70とをこの順に連結し、且つフィルタ押し付け部材70に固定することが可能である。なお、本発明では、スライド体40と固定部材50とフィルタ押し付け部材70とをこの順に連結しているが、もちろんフィルタ押し付け部材70と固定部材50とスライド体40とをこの順に連結している形態であることも可能である。
【0035】
図8では、スライド体40及び固定部材50は上面と下面を有する中空の4角柱からなる筒状であり、スライド体40の上面と下面にそれぞれ同位置に同形状の第1の長穴41を備えており、固定部材50の上面と下面にそれぞれ同位置に同形状の第2の長穴51を備えており、さらに、固定部材50の上面と下面にそれぞれフィルタ押し付け部材70が摺動可能に配置されており、このフィルタ押し付け部材70には長ボルト61が貫通する丸孔72が設けられている。ここで、長ボルト61を、ワッシャー62、フィルタ押し付け部材70の丸孔72、固定部材50の上面の第2の長穴51、スライド体40の上面の長穴41、スライド体40の下面の長穴41、固定部材50の下面の第2の長穴51、フィルタ押し付け部材70の丸孔72、ワッシャー63の順に貫通させ、その後ナット64をねじ込むことによって、これらの部材を連結し且つフィルタ押し付け部材70に長ボルト61を固定することができる。
【0036】
なお、図6では、中央に設けたフィルタ取付け構造体30は図8の形態をしており、上部に設けたフィルタ取付け構造体30は固定部材50の上面にはフィルタ押し付け部材70は配置されておらず、固定部材50の下面のみにフィルタ押し付け部材70が配置されている。また、下部に設けたフィルタ取付け構造体30は固定部材50の下面にはフィルタ押し付け部材70は配置されておらず、固定部材50の上面のみにフィルタ押し付け部材70が配置されている。
【0037】
連結部材60としては前述の長ボルト61の替わりにリベット(図示しない)を用いることも可能であり、この場合リベットの軸がフィルタ押し付け部材70の丸穴72に嵌合するので、固定部材50の上面にフィルタ押し付け材70を締め付けて固定する必要がない。そのため固定部材50の上面をフィルタ押し付け部材70が摺動し易くなる利点がある。またリベットの頭部は高さが低いため、リベットの頭部の上にレール71を配することも可能となり、この場合スライド体40と固定部材50とフィルタ押し付け部材70とをそれぞれコンパクトな形態にすることができる利点がある。なおリベットの頭部の上にレール71を配置するには、リベットの頭部の高さに相当する厚さの薄板を準備してその薄板にリベットの頭部が当たる部分に穴を空けた上で、この薄板をフィルタ押し付け部材70とフィルタ押し付け部材70の間に介在させることが望ましい。
【0038】
(B)構造体においては、以上説明した各部材を組み立てることによって、スライド体40を固定部材50によって規制しつつスライドさせることにより、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることが可能となっている。図8には、組み立て図の右横に各部材の移動方向が矢印で示されており、各部材が(イ)の列の方向で移動することにより、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることができる。また、各部材が(ロ)の列の方向で移動することにより、フィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング方向と反対方向に移動して、フィルタケーシング20に押し付けられたフィルタ10をフィルタケーシング20から引き離すことができる。あるいはフィルタケーシング20に押し付けられたフィルタ10を押し付け状態から開放することができる。
【0039】
図8において各部材が(イ)の列の方向で移動する場合について説明すると、中空の4角柱からなる筒状のスライド体40を、中空の4角柱からなる筒状の固定部材50の中で固定部材50の中に押し込むようにして左側にスライドすると、スライド体40の第1の長穴41及び固定部材50の第2の長穴に沿って長ボルト61が前方に移動し、この移動に伴い長ボルト61に固定されたフィルタ押し付け部材70、レール71及びフィルタ10も前方に移動する。次に各部材が(イ)の列の方向と反対側の方向の(ロ)の列の方向で移動する場合は、中空の4角柱からなる筒状のスライド体40を、中空の4角柱からなる筒状の固定部材50の中で固定部材50の中から引き出すようにして右側にスライドすると、スライド体40の第1の長穴41及び固定部材50の第2の長穴に沿って長ボルト61が後方に移動し、この移動に伴い長ボルト61に固定されたフィルタ押し付け部材70、レール71及びフィルタ10も後方に移動する。
【0040】
なお、図8ではスライド体40の第1の長穴41はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっているが、この斜めの方向として右側が前方になり左側が後方になるようになっている。これに対して、この斜めの方向として左側が前方になり右側が後方になるように第1の長穴41を配置することによって、スライド体40を固定部材50の中から引き出すようにして右側にスライドすると、フィルタ10は前方に移動し、スライド体40を固定部材50の中に押し込むようにして左側にスライドすると、フィルタ10は後方に移動するように設定することも可能である。
【0041】
また(B)構造体の利点を挙げると、粗塵用フィルタやプレフィルタなどの奥行きの少ないフィルタを連結させて取り付ける場合、図8に示すようにフィルタ押し付け部材70に断面コ字状のレール71を設けることが可能であり、それゆえレール71に連結させたフィルタ10を揃えて収納した上で、連結させたフィルタ10に均一に荷重をかけながらフィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けて取付けることができるという利点がある。また前述したように、図6に示すようにフィルタケーシング20の上段と下段の両方にフィルタ10を取り付ける場合には、フィルタケーシング20の上段に取り付けるフィルタ10の下部と、フィルタケーシング20の下段に取り付けるフィルタ10の上部とを同時にフィルタケーシング方向に移動して、上下のフィルタ10をフィルタケーシング20に取付けることが可能となり、操作に手間がかからず、且つ部品数を少なくすることができるという利点がある。
【0042】
本発明ではフィルタをフィルタケーシングに押し付けて取付ける際に、前述のようにスライド体40を固定部材50によって規制しながら一方向にスライドさせるだけでフィルタ押し付け部材70を前後に移動させることが可能である。そこで、図1、図2、図4〜図7、図9、図10に例示するように、前記スライド体40の外部に設けた支点25を軸として回動する回動部材80と、前記スライド体40の端部42と前記回動部材80を連結する第2の連結部材82とを設けることによって、前記回動部材80が回動することにより前記スライド体40が前記固定部材50によって規制されながらスライドし、このスライドに伴いフィルタ押し付け部材70がフィルタケーシング20の空気流入側又は空気流出側の方向(図1、図6、図11ではフィルタケーシング20の空気流入側の方向)に移動して、フィルタ10をフィルタケーシングに押し付けることが可能となっている。
【0043】
なお、回動部材とは支点を軸として360度以内の角度の範囲で回動する部材のことを意味し、360度を超える角度の範囲で回転する部材、すなわち1回転を超える回転数で回転する回転部材とは異なるものである。図2、図7に示すフィルタ取付け構造体30の場合、回動部材の回動角度は120度以下であることが好ましい。
【0044】
図2(または図7)は図1(または図6)の中央部分に示すフィルタ取付け構造体30の断面図であり、(a)はフィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けた状態の横断面と縦断面を示す図であり、(b)はフィルタケーシング20への押し付けた状態からフィルタ10を引き離して開放した状態の横断面と縦断面を示す図である。図2(a)(または図7(a))に例示するフィルタ取付け構造体30においては、図3(または図8)に示すように、スライド体40と、固定部材50と、フィルタ押し付け部材70と、これらの部材を連結する連結部材60とが組み合わされており、さらにスライド体40の外部に設けた支点25を軸として回動する回動部材80と、スライド体40の端部42と回動部材80を連結する第2の連結部材82とを備えている。そして回動部材80が支点25を軸として図の矢印の方向に回動することにより、スライド体40が固定部材50によって規制されながら矢印で示すように押し込む方向にスライドし、このスライドに伴いフィルタ押し付け部材70が矢印で示すようにフィルタケーシング方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20に押し付けることが可能となっている。また図2(b)(または図7(b))においては、回動部材80が図の矢印の方向に回動することにより、スライド体40が固定部材50によって規制されながら矢印で示すように引き出す方向にスライドし、このスライドに伴いフィルタ押し付け部材70が矢印で示す方向に移動して、フィルタ10をフィルタケーシング20へ押し付けた状態からフィルタ10を引き離して開放することが可能となっている。
【0045】
回動部材80としては、スライド体40の外部に設けた支点25を軸として回動する機能を有する部材である限り、その形態は特に限定されず、図2(または図7)に例示する回動部材を一例として挙げることができる。図2(または図7)では支点25をフィルタケーシング20の側部に設けており、側部で回動操作ができるようになっている。したがって、図2(または図7)においては図1(または図6))及びその部分拡大図の図4(または図9)で示すように、フィルタケーシング20の側面をカバーする扉81と兼用することも可能である。図1〜4(または図6〜9)では扉81を閉める操作に連動してフィルタ10をフィルタケーシング20へ押し付けることが可能であり、逆に扉81を開ける操作に連動してフィルタ10をフィルタケーシング20から引き離して開放することが可能である。なお、この回動部材80は図5(または図10)に例示するように、軸25を回動軸として回動するハンドル83であることも可能である。またハンドル83を扉81と連動させることも可能である。
【0046】
図2(または図7)では、スライド体40の端部42は平板状の部材からなっており、この平板状の部材には棒状の第2の連結部材82の一端部に形成された突起部82a及び82bが通過しない大きさの穴43が開けられており、回動部材80には第2の連結部材82の他端部に開けられた穴を回動可能に軸支する軸部84が設けられている。具体的には棒状の第2の連結部材82はアイボルト82からなっており、突起部82a及び82bはこのアイボルトにねじ込まれたナット82a及び82bからなっており、これらのナットは所定の間隔をおいて配置されている。そしてスライド体40の端部42に穴43を開けておき、この穴43にアイボルトのネジ部を通過させた後に、ナット82a及び82bの間にこの穴43を配置しておき、さらに回動部材80の軸部84が有する回動軸84aをアイボルト82の端部の穴82cに挿入することで、アイボルト82によってスライド体40の端部42と回動部材80を連結する。
【0047】
そこで、図2(a)(または図7(a))に示すように回動部材80が支点25を軸として図の矢印の方向に回動すると、アイボルト82は、回動部材80の軸部84が有する回動軸84aにアイボルト82の他端の穴82cが軸支された状態で、且つアイボルト82のネジ部はスライド体40の端部42の穴43によって可動範囲が規制された状態で、この回動軸84aを中心として右方向に旋回しながら、アイボルト82のナット82bがスライド体40の端部42の穴43周囲を矢印の方向に押し込み、それに伴ってスライド体40も矢印の方向にスライドすることになる。また、図2(b)(または図7(b))では回動部材80が支点25を軸として図の矢印の方向に回動すると、アイボルト82は、回動部材80の軸部84が有する回動軸84aにアイボルト82の他端の穴82cが軸支された状態で、且つアイボルト82のネジ部はスライド体40の端部42の穴43によって可動範囲が規制された状態で、この回動軸84aを中心として左方向に旋回しながら、アイボルト82のナット82aがスライド体40の端部42の穴43周囲を矢印の方向に引き出すように引張り、それに伴ってスライド体40も矢印の方向にスライドすることになる。なお、スライド体40のスライド距離を所定の長さに合わせるには、ナット82aと82bの間を調整することで容易に達成することができる。また必要に応じてスライド体40の端部42の穴43を横方向が長手方向となっている長穴とすることで、第2の連結部材82の左右のゆれに対応することも可能である。
【0048】
ここで、図2(または図7)に示す本発明と図12に示す特許文献1で開示される従来技術を比較するため、本発明のスライド体40をエアフィルタ取付け部材のフィルタ押付け材110に、固定部材50をベース材120に、フィルタ押し付け部材70をフィルタ押え材130に、連結部材60を固定軸121にそれぞれ対応させた場合、従来技術によればベース材120の端部に開けられた長穴122に貫入したボルトの頭を、スパナなどを用いて回転させると、ボルトの頭がこの長穴に押し付けられながら長穴に沿って(ハ)の方向に移動するため、操作しづらいという問題があった。これに対して、本発明ではスライド体40の外部に設けた支点25を軸として回動する回動部材80を回動するだけで、フィルタ10をフィルタケーシングに押し付けることが可能であり、フィルタ取付け操作が極めて容易になったのである。
【符号の説明】
【0049】
10 フィルタ
11 フィルタ枠
12 パッキン
20 フィルタケーシング
21 受け板
23、24 車輪
25 支点、軸、回動軸
30 フィルタ取付け構造体
40 スライド体
41 第1の長穴
42 スライド体40の端部
43 穴
50 固定部材
50a 支持部
51 第2の長穴
52 固定部材の端部
60 連結部材
61 長ボルト
62、63 ワッシャー
64 とナット
70 フィルタ押し付け部材
71、72 レール
75 第2の長穴
80 回動部材
81 扉
82 第2の連結部材、アイボルト
82a 突起部、ナット
82b 突起部、ナット
82c アイボルトの端部の穴
83 ハンドル
84 軸部
84a 回動軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタをフィルタケーシングに押し付けて取付けるためのフィルタ取付け構造体であって、スライド体と、前記スライド体をスライド可能に規制する固定部材と、フィルタ押し付け部材と、前記スライド体と前記固定部材と前記フィルタ押し付け部材とを連結する第1の連結部材と、前記スライド体の外部に設けた支点を軸として回動する回動部材と、前記スライド体の端部と前記回動部材を連結する第2の連結部材とからなり、前記スライド体はフィルタの押し付け方向に対して斜めの方向が長手方向となっている第1の長穴を備えており、
(A)前記フィルタ押し付け部材はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴を備えており、第1の連結部材は第1の長穴と第2の長穴とに挿入され且つ前記固定部材に固定されており、又は
(B)前記固定部材はフィルタの押し付け方向が長手方向となっている第2の長穴を備えており、第1の連結部材は第1の長穴と第2の長穴とに挿入され且つ前記フィルタ押し付け部材に固定されており、
前記回動部材が回動することにより前記スライド体が前記固定部材によって規制されながらスライドし、このスライドに伴いフィルタ押し付け部材がフィルタケーシングの空気流入側又は空気流出側の方向に移動して、フィルタをフィルタケーシングに押し付けることが可能となっていることを特徴とするフィルタ取付け構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−161721(P2012−161721A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22513(P2011−22513)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000229542)日本バイリーン株式会社 (378)
【Fターム(参考)】