説明

フィルタ検出方法、及びフィルタ検出装置

【課題】フィルタの装着の有無を検出し、フィルタの帯域幅の種類を判別する。
【解決手段】フィルタ検出装置は、所定の帯域幅の第1フィルタと第1フィルタより広い帯域幅の第2フィルタの何れか1つを装着し得るオプションフィルタ装着部を備え、オプションフィルタ装着部に装着されたフィルタを通過した信号を増幅する増幅部と、増幅された信号の信号レベルを検出するレベル検出部とを備えた増幅回路におけるフィルタ検出装置であって、第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を増幅部に入力する第1信号入力手段と、第1周波数の信号が入力されたときにレベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより小さいときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、検出された信号レベルが、所定の基準信号レベル以上のときには第2フィルタが装着されていると判定する判定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数ヘテロダイン方式の無線通信機における中間周波数信号(以後、単に「IF信号」という。)を濾波する中間周波フィルタ(以後、単に「IFフィルタ」という。)やルーフィングフィルタ等の各種のフィルタ(以後、単に「フィルタ」という。)の状態や特性等を自動的に認識する機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のIFフィルタはDSPによって構成されているので、以前のように標準装備のフィルタ以外に、使用者が装着し得る構成のフィルタ、オプションフィルタが用いられることは少なくなってきている。
以前のオプションフィルタとしては、CWナローフィルタ等が用いられていたが、それらのオプションフィルタを実装した場合は、実装した使用者が、無線通信機の設定機能を用いて、どんな特性のフィルタを装着したかということを、当該フィルタの製品名などで設定し、設定された情報に基づいて無線通信機の設定機能によって、受信モードとフィルタ設定(ナローあるいはワイドなど。)から適切なフィルタが選択されるように構成されていた。
その後、DSPで形成されるIFフィルタではなく、ルーフィングフィルタと呼ばれる中間周波増幅段(以後、単に「IF段」という。)のフィルタで数種類の帯域幅のフィルタを実装する高級機が登場した。そこで、中級機においては、数種類の帯域幅のフィルタを実装する代りに挟帯域のフィルタを追加できるオプション機能を備える構成が可能である。
そのようなオプション機能を備えた中級機においては、オプションで追加挟帯域のフィルタを装着したことを当該無線通信機の設定機能などを用いて設定する操作が必要となる。
【0003】
一方、DSPを用いていない従前の機種で標準実装されたIFフィルタの特性ズレを補正するためにフィルタキャリブレーションという技術があった。(例えば特許文献1参照。)この技術は、フィルタの帯域幅を検出するものであるが、目的は、中心周波数を正確に測定することであり、帯域幅付近の多くのポイントでレベルを検出している。そのため、帯域幅付近で周波数を一定のピッチで変更しつつ、その都度信号強度を検出する等、精密な検出を行っている。
なお、フィルタキャリブレーションでは、BFO周波数を変化させながら送信レベルで測定する構成と、受信機においては受信信号を入力して受信レベルで測定する構成が知られている。
【0004】
【特許文献1】特許第3652821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した特許文献1に記載の技術では、装着され得るフィルタの帯域幅の種類が予め解っている条件において、フィルタの装着の有無を検出し、フィルタの帯域幅の種類を判別することを目的とする場合には、必要以上の負荷を要することとなった。
【0006】
そこで、本発明は、装着され得るフィルタの帯域幅の種類が予め解っている条件において、フィルタの装着の有無を検出し、フィルタの帯域幅の種類を判別することを目的とするものであり、特に、装着され得るフィルタの帯域の種類が予め想定できるという条件を生かして、必要最低限の負荷で、効率よく実現することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる請求項1のフィルタ検出方法は、
所定の帯域幅の第1フィルタと第1フィルタより広い帯域幅の第2フィルタの何れか1つを装着し得るオプションフィルタ装着部を備え、前記オプションフィルタ装着部に装着されたフィルタを通過した信号を増幅する増幅部と、前記増幅された信号の信号レベルを検出するレベル検出部とを備えた増幅回路におけるフィルタ検出方法であって、
第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を前記増幅部に入力し、
前記第1周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第2フィルタが装着されていると判定することを特徴としている。
本発明にかかる請求項2のフィルタ検出装置においては、
所定の帯域幅の第1フィルタと第1フィルタより広い帯域幅の第2フィルタの何れか1つを装着し得るオプションフィルタ装着部を備え、前記オプションフィルタ装着部に装着されたフィルタを通過した信号を増幅する増幅部と、前記増幅された信号の信号レベルを検出するレベル検出部とを備えた増幅回路におけるフィルタ検出装置であって、
第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を前記増幅部に入力する第1信号入力手段と、
前記第1周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより小さいときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の基準信号レベル以上のときには前記第2フィルタが装着されていると判定する判定手段と、
を備えていることを特徴とする。
請求項3では、さらに、
第1フィルタの帯域幅内の第2周波数の信号を前記増幅部に入力する第2信号入力手段と、
前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第2基準信号レベルより小さいときには前記第1、第2フィルタの何れも装着されていないと判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第2基準信号レベル以上のときには前記第1、第2フィルタの何れかが装着されていると判定する第2判定手段と、
を備えている。
なお、前記第1周波数の信号もしくは第2周波数の信号の何れかを択一的に切り換えて入力可能な信号入力手段を備えてもよい。
請求項4では、前記増幅回路は、周波数変換部を備えた中間周波回路であり、前記増幅部は、中心周波増幅部である。
請求項5では、前記第1基準信号レベルは、前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルから所定の値を減じた値である。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる請求項1のフィルタ検出方法によれば、
第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を前記増幅部に入力して、前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより小さいときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の基準信号レベル以上のときには前記第2フィルタが装着されていると判定できるので、何れかのフィルタが装着されている場合に、いずれのフィルタかを簡単な処理で判定することができる。
本発明にかかる請求項2のフィルタ検出装置によれば、
第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を前記増幅部に入力して、前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより小さいときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の基準信号レベル以上のときには前記第2フィルタが装着されていると判定できるので、何れかのフィルタが装着されている場合に、いずれのフィルタかを簡単な処理で判定することができる。
請求項3では、さらに、
第1フィルタの帯域幅内の第2周波数の信号を前記増幅部に入力し、前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第2基準信号レベルより小さいときには前記第1、第2フィルタの何れも装着されていないと判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第2基準信号レベル以上のときには前記第1、第2フィルタの何れかが装着されていると判定できるので、第1もしくは第2のフィルタの何れかが装着されているか否かが不明な場合であっても、何れかが装着されているか否かを、簡単な処理で判定することができる。
さらに、第1周波数の信号を入力することによって、いずれのフィルタが装着されているかを簡単な処理で判定することができる。
請求項4では、前記増幅回路は、周波数変換部を備えた中間周波回路であり、前記増幅部は、中心周波増幅部であるので、周波数ヘテロダイン方式の無線通信機に採用して、前記効果を得ることができる。
請求項5では、前記第1基準信号レベルを、前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルから所定の値を減じた値としたので、第1、第2のフィルタに関する識別能力が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明にかかるフィルタ検出装置を、その実施の形態を示した図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に係るフィルタ検出装置を採用した実施例1としての無線通信機Mの要部のブロック図である。
図1において、
1はアンテナ、2は周波数変換部、3は前記周波数変換部2に入力する局発信号を生成する局発部、4は前記周波数変換部2から出力されるIF信号を濾波するルーフィングフィルタ段、5は前記ルーフィングフィルタ段4から出力されるIF信号を復調するDSPを含む復調回路である。
前記ルーフィングフィルタ段4には、標準実装された帯域幅が15kHzの標準フィルタ40と、オプションフィルタを装着し得る第1のオプションフィルタ装着部41と、第2のオプションフィルタ装着部42と、中間周波増幅部43とを備えている。また、前記標準フィルタ40もしくは、前記第1のオプションフィルタ装着部41に装着されたフィルタ、もしくは第2のオプションフィルタ装着部42に装着されたフィルタの何れかを択一的に選択するフィルタ選択手段44を備えている。
【0011】
前記復調回路5には、前記ルーフィングフィルタ段4から出力されるIF信号の信号レベルを検出するSメータレベル検出部51を備えている。この復調回路5はDSPで構成されているため、入力される周波数の帯域を制限することが好ましく、そのためのルーフィングフィルタとして前記ルーフィングフィルタ段4には帯域幅が15kHzの標準フィルタ40が備えられている。さらに、ユーザの好みで選択できるようにオプションフィルタ装着部を2つ備えている。このオプションフィルタ装着部には、帯域幅が3kHzの第1フィルタと、帯域幅が6kHzの第2フィルタとの何れかを装着することができる。ここで、第1フィルタ及び第2フィルタの中心周波数は標準フィルタの中心周波数と同一である。
ルーフィングフィルタとしては、帯域幅が狭いほどインバンドIMDが改善されるが、DSPに入力される信号に与える減衰量が増えるため、受信感度が落ちることになる。また、FM受信モードでは15kHz以上、AM受信モードでは6kHz以上というように、各通信モードに応じて最低限必要な帯域幅が解っているので、ユーザは、好みに応じたオプションフィルタを前記オプションフィルタ装着部に装着して使用することができる。
【0012】
6はマーカー信号発生手段であり、例えば100Hz,200Hz,300Hz,・・・・等、複数の周波数成分を有する信号を発生させる。ここでは、100Hz刻みの周波数成分を有する信号をマーカー信号として発生させ、無線通信機と有線接続された状態でマーカー信号を無線通信機に入力する。なお、別途備えたSG(標準信号発生器)から入力された受信信号をマーカー信号として使用することや、無線通信機内でマーカー信号を発生させる構成を備えることも可能である。
【0013】
7はCPUを内蔵した制御回路であり、通常受信モードと設定モードの何れかのモードがユーザによって選択指定されるとそれに応じて前記ルーフィングフィルタ段4及び前記復調回路5を制御する。
電源投入後には通常受信モードが自動的に選択指定され、このモードでは、標準フィルタ40が選択されて通常の受信動作が行われる。
ユーザが、設定ボタンを操作したり、特殊な操作を行うことによって設定モードが選択指定されると、前記制御回路7は、後述する制御フローチャートに沿ってオプションフィルタの装着の有無の判定と、装着されたオプションフィルタの種類の判定を自動的に行い、判定されたオプションフィルタの種類に応じた受信動作を行う。
ここでは、前記2つのオプションフィルタ装着部41、42へ装着され得るフィルタとして帯域幅が3kHzの第1フィルタと、帯域幅が6kHzの第2フィルタの何れかが、前記制御回路7には設定登録されている。
なお、前記ルーフィングフィルタ段4と前記中間周波増幅部43と前記復調回路5とで特許請求の範囲に記載された増幅回路を構成し、前記中間周波増幅部43は特許請求の範囲に記載された増幅部を構成している。
そして、前記周波数変換部2及び前記局発部3は、特許請求の範囲に記載された第1信号入力手段、第2信号入力手段に相当し、前記制御回路7は、特許請求の範囲に記載された判定手段及び第2判定手段に相当し、前記Sメータレベル検出部51は、特許請求の範囲に記載されたレベル検出部に相当する構成である。
【0014】
図2、3、4は、前記制御回路7における制御フローチャートである。
図2、3、4において、
ユーザが、設定ボタンを操作したり、特殊な操作を行うことによって設定モードが選択指定されると、まず、ステップS1において、初期設定が行われる。この初期設定では、表示周波数が第2周波数として、標準フィルタ通過帯域の中心周波数(=第1フィルタの中心周波数=第2フィルタの中心周波数)に設定される。ここで、標準フィルタ通過帯域の中心周波数を例えば14.100MHzとする。この表示周波数は、当該無線通信機のディスプレイに表示される周波数であり、標準受信モードでは受信周波数である。つまり、ここで表示周波数として設定された値に応じて前記局発部2が生成する局発信号の発振周波数が決定される。
また、受信モードがFM受信モードに設定される。また、マーカー機能がオンに設定され、アンテナ1からの受信信号が遮断され、マーカー信号発生手段6からのマーカー信号のみが入力されるので、マーカー信号以外の受信信号の影響を防ぐことができる。
ここでは、フィルタ選択手段44を制御して、IFフィルタとしては標準フィルタ40が選択される。
【0015】
ステップS2では、前記Sメータレベル検出部51にて検出される信号レベルSlevelを標準レベルScとして取得する。
ステップS3では、前記標準レベルScが所定のしきい値S3より大きいことを確認する。もし、前記標準レベルScが所定のしきい値S3以下の場合は何らかのエラーとして終了する。
ステップS4では、オプションフィルタの装着の有無を確認するために、前記フィルタ選択手段44を制御して、第1のオプションフィルタ装着部41が選択される。
ステップS5では、前記Sメータレベル検出部51にて検出される信号レベルSlevelを第1検出レベルSopt1として取得する。
ステップS6では、前記第1検出レベルSopt1が第2基準信号レベル(=Sc−6dB)より大きいか否かを判定する。
Sopt1>Sc−6dBの場合は、ステップS7へ進み、そうでない場合は、ステップS8へ進む。ステップS8では、第1のオプションフィルタ装着部41には有効なフィルタが装着されていないと判断して、ステップS13へ進み、第2のオプションフィルタ装着部42へのフィルタの装着の有無を判定する。
【0016】
ステップS7では、第1のオプションフィルタ装着部41には何らかの有効なフィルタが装着されていると判断できるので、設定変更を行い、局発部3の発振周波数を変更して、表示周波数を第1周波数として第2周波数から3kHzずらした14.103MHzが設定される。ここで、第1周波数(=14.103MHz)は第1フィルタの帯域外で、且つ第2フィルタの帯域内の周波数である。
ステップS9では、前記Sメータレベル検出部51にて検出される信号レベルSlevelを第2検出レベルSopt1'として取得する。
【0017】
ステップS6では、前記第2検出レベルSopt1'が第1基準信号レベル(=Sopt1−6dB)より大きいか否かを判定する。
Sopt1'>Sopt1−6dBの場合は、ステップS11へ進み、そうでない場合は、ステップS12へ進む。ステップS12では、第1のオプションフィルタ装着部41には帯域幅3kHzの第1フィルタが装着されていると判断できる。
ステップS11では、第1のオプションフィルタ装着部41には帯域幅6kHzの第2フィルタが装着されていると判断できる。
このようにして、第1のオプションフィルタ装着部41に装着されているフィルタの種類が第1フィルタであるか第2フィルタであるかを判断することができるのである。
ここで、前記第1基準信号レベルは、前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベル(=Sopt1)から所定の値(=6dB)を減じた値となっている。
【0018】
次に、ステップS13以降では、第2のオプションフィルタ装着部42に装着されているフィルタの有無とその種類を判断する。
ステップS13では、前記フィルタ選択手段44を制御して、第2のオプションフィルタ装着部42が選択される。
ステップS14では、設定変更により、局発部3の発振周波数が変更されて、表示周波数が14.100MHzに設定される。
ステップS15では、前記Sメータレベル検出部51にて検出される信号レベルSlevelを第3検出レベルSopt2として取得する。
ステップS16では、前記第3検出レベルSopt2が、前記第2基準信号レベル(=Sc−6dB)より大きいか否かを判定する。Sopt2>Sc−6dBの場合は、ステップS17へ進み、そうでない場合は、ステップS18へ進む。ステップS18では、第2のオプションフィルタ装着部42には有効なフィルタが装着されていないと判断して終了する。
【0019】
ステップS17では、第2のオプションフィルタ装着部42には何らかの有効なフィルタが装着されていると判断できるので、設定変更を行い、局発部3の発振周波数を変更して、表示周波数を3KHzずらすと14.103MHzが設定される。
ステップS19では、前記Sメータレベル検出部51にて検出される信号レベルSlevelを第4検出レベルSopt2'として取得する。
【0020】
ステップS20では、前記第2検出レベルSopt2'が、前記第1基準信号レベル(=Sopt2−6dB)より大きいか否かを判定する。Sopt2'>Sopt2−6dBの場合は、ステップS21へ進み、そうでない場合は、ステップS22へ進む。ステップS22では、第2のオプションフィルタ装着部42には帯域幅3kHzの第1フィルタが装着されていると判断できる。
ステップS21では、第2のオプションフィルタ装着部42には帯域幅6kHzの第2フィルタが装着されていると判断できる。
このようにして、第2のオプションフィルタ装着部42に装着されているフィルタの種類が第1フィルタであるか第2フィルタであるかを判断することができるのである。
【0021】
以上のようにして、本発明によれば、オプションフィルタ装着部にフィルタが装着されているか否かを自動的に判定できるとともに、装着されていると判定した場合には、装着されているフィルタが帯域幅が狭い方のフィルタか広い方のフィルタかを自動的に判定することができる。
したがって、前記制御回路7は、以上のようにして判定されたフィルタの種類に応じて前記復調回路5の動作を適切な動作に制御する。
【0022】
実施例1では、前記復調回路5をDSPで構成し、第1基準信号レベルをSopt2−6dBとし、第2基準信号レベルをSopt1−6dBとしたが、前記第1基準信号レベル、第2基準信号レベルは、以上のレベルに限定されるものではなく、実験や経験により決定することができる。
また、実施例1では、オプションフィルタとしては、第1、第2フィルタの2種類のフィルタを用いる例を示したが、予め帯域幅が解っていれば、2種類に限らず3種類以上のフィルタを自動的に検出することもできる。
その場合には、各フィルタを判別するために、例えば第1、2、3、4、・・・フィルタの各フィルタの帯域幅がB1,B2(>B1),B3(>B2),B4(>B3),B5(>B4),・・・・の場合で何れかのフィルタが装着されている場合、
周波数がB1とB2の間の周波数の信号を第1周波数の信号として入力して、
レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには判定手段では、前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第2フィルタ以降の何れかが装着されていると判定し、
周波数がB2とB3の間の周波数の信号を第2周波数の信号として入力して、
レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには判定手段では、前記第2フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第3フィルタ以降の何れかが装着されていると判定し、
周波数がB3とB4の間の周波数の信号を第3周波数の信号として入力して、
レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには判定手段では、前記第2フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第3フィルタ以降の何れかが装着されていると判定し、
周波数がB4とB5の間の周波数の信号を第4周波数の信号として入力して、
レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには判定手段では、前記第3フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第4フィルタ以降の何れかが装着されていると判定し、以下同様に、そのフィルタが装着されているかを判定することができる。
そして、標準フィルタ及び各オプションフィルタの中心周波数が異なる場合でも、各オプションフィルタの通過帯域が予め解っていれば、どのフィルタが装着されているのかを判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明にかかるフィルタ検出装置を採用した無線通信機の実施の形態のブロック図である。
【図2】前記無線通信機におけるフローチャート(一部)である。
【図3】前記無線通信機におけるフローチャート(一部)である。
【図4】前記無線通信機におけるフローチャート(一部)である。
【符号の説明】
【0024】
M 無線通信機
1 アンテナ
2 周波数変換部
3 局発部
4 ルーフィングフィルタ段
5 復調回路
40 標準フィルタ
41 第1のオプションフィルタ装着部
42 第2のオプションフィルタ装着部
43 中間周波増幅部
44 フィルタ選択手段
51 Sメータレベル検出部
6 マーカー信号発生手段
7 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の帯域幅の第1フィルタと第1フィルタより広い帯域幅の第2フィルタの何れか1つを装着し得るオプションフィルタ装着部を備え、前記オプションフィルタ装着部に装着されたフィルタを通過した信号を増幅する増幅部と、前記増幅された信号の信号レベルを検出するレベル検出部とを備えた増幅回路におけるフィルタ検出方法であって、
第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を前記増幅部に入力し、
前記第1周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第2フィルタが装着されていると判定することを特徴とするフィルタ検出方法。
【請求項2】
所定の帯域幅の第1フィルタと第1フィルタより広い帯域幅の第2フィルタの何れか1つを装着し得るオプションフィルタ装着部を備え、前記オプションフィルタ装着部に装着されたフィルタを通過した信号を増幅する増幅部と、前記増幅された信号の信号レベルを検出するレベル検出部とを備えた増幅回路におけるフィルタ検出装置であって、
第1フィルタの帯域幅外であって且つ第2フィルタの帯域内の第1周波数の信号を前記増幅部に入力する第1信号入力手段と、
前記第1周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベル以下のときには前記第1フィルタが装着されていると判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第1基準信号レベルより大きいときには前記第2フィルタが装着されていると判定する判定手段と、
を備えていることを特徴とするフィルタ検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載のフィルタ検出装置に、さらに、
第1フィルタの帯域幅内の第2周波数の信号を前記増幅部に入力する第2信号入力手段と、
前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルが、所定の第2基準信号レベルより小さいときには前記第1、第2フィルタの何れも装着されていないと判定し、前記検出された信号レベルが、所定の第2基準信号レベル以上のときには前記第1、第2フィルタの何れかが装着されていると判定する第2判定手段と、
を備えていることを特徴とするフィルタ検出装置。
【請求項4】
前記増幅回路は、周波数変換部を備えた中間周波回路であり、
前記増幅部は、中間周波増幅部であることを特徴とする請求項2、3の何れか1項に記載のフィルタ検出装置。
【請求項5】
前記第1基準信号レベルは、前記第2周波数の信号が入力されたときに前記レベル検出部で検出された信号レベルから所定の値を減じた値であることを特徴とする請求項3、4の何れか1項に記載のフィルタ検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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