説明

フィルタ装置

本発明は、2つの収容部分(31、35)の間に配置されたフィルタ媒体(27)と、下方の収容部分(35)に設けられ、流体装置、特に液体タンク(1)と流体接続するための接続装置とを備えた、少なくとも1つのフィルタ部材(11)と、接続装置に配置され、上方の収容部分(31)から離れる方向へ移動させる第1のエネルギ蓄積装置(43)の作用によって、接続装置を遮断する閉鎖位置へ付勢されている閉鎖部分(45)と、下方の収容部分(35)と装置の終端部分(17)の間に相対移動を発生させる他の第2のエネルギ蓄積装置(49)と、終端部分と下方の収容部分(35)とが第2のエネルギ蓄積装置(49)の作用を受けて互いに接触するとすぐに、下方の収容部分(35)と終端部分(17)との間をシールするシール装置(55)と、を有するフィルタ装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの収容部分の間に配置されたフィルタ媒体と、下方の収容部分に設けられ、流体装置、特に液体タンクと流体接続するための接続手段とを有するフィルタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルタ装置は、多数の構造および仕様形態において市場で容易に入手できる。その場合にそれらは、特に、油圧オイルのような流体内の汚れを流体から濾過するために用いられる。油圧オイルの汚染は、それぞれの油圧設備を取り付ける際および駆動開始する際に発生する。さらに、この初期汚染の他に、駆動の間にも、例えば、タンク換気、配管、ピストンロッドシール等々が十分でないことによる油圧タンクの汚れの侵入によって、汚染がもたらされることがある。土砂運搬機械、パワーショベルなどのような作業機械の油圧設備において、油圧タンク内に貯蔵された液体内部に汚染がもたらされる場合、例えばフィルタ装置を直接タンク内へ組み込むことによって、油圧タンクの近傍で直接、濾過を行わせることが効果的な場合がある。その場合にタンク内容物から取り出される油圧オイルは、汚れを濾過するために、例えば容器の形式のハウジング内に収容されたフィルタ部材へ直接供給され、その後、濾過された液体は、接続手段を介してタンクユニットへ戻される。この種の装置の駆動中にフィルタ媒体が消耗されて、例えば容器形状のハウジングを、新しいフィルタ媒体を含むハウジングと交換することが必要な場合、フィルタハウジングの接続領域における液体接続を遮断することが好ましいことがある。それによって、ハウジングを取り外す場合に、液体の残量が、ある種の漏れ流れとしてフィルタハウジングから流出して周囲に汚染問題をもたらすという危険が回避される。
【0003】
この問題に関し、特許文献1には、油圧タンク内に組み込まれたフィルタ装置のための解決策が開示されており、そこには回転スライド弁の回転によって操作される遮断装置が設けられている。回転スライド弁は、油圧タンク内に設けられた接続プレートに回転可能に軸支され、かつ解放回転位置において、液体入口を解放し、この液体入口を介して、浄化すべき液体がフィルタハウジングの流入開口部を介して汚れ側へ移動するとともに、接続プレートの流出開口部を解放し、この流出開口部を介して浄化された液体がフィルタのクリーン側からフィルタハウジングの流出開口部を通って流出する。フィルタハウジングの流入開口部にも流出開口部にも、閉鎖位置へ付勢されたディスク弁が設けられており、そのディスク弁は、回転スライド弁の回転解放位置において、回転スライド弁から突出する制御突片によってそれぞれの解放位置へ制御可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許公報第102004014149号
【発明の概要】
【0005】
この従来技術から進んで、本発明の目的は、特に簡単な構造と使いやすさを特徴とする、上述した種類のフィルタ装置を提供することである。
【0006】
本発明によれば、この目的は、全体として特許請求の範囲の請求項1の特徴を有するフィルタ装置によって解決される。
【0007】
それによれば、従来技術とは異なり、フィルタ部材の接続部分における流体接続を中断可能にする遮断手段のすべてのコンポーネントが、構造的に、液体タンクの下方の収容分部に対応づけられており、かつ、それに対応づけられたエネルギ蓄積装置の作用によって自動的に遮断するように設計されている。液体タンクのような流体装置に設けられた回転スライド弁を有する上述した既知の解決と比較して、コスト的に好ましく形成することができる簡便な構造が利点として得られるだけでなく、関係する流体装置上で移動可能な上述した解決策における回転スライド弁のような制御部分とは独立して機能するので、流体装置についても、簡略化された構造が得られ、かつ操作が簡単かつ使いやすい。
【0008】
特に好ましい実施形態においては、装置のフィルタ部材は、下方の収容部分を終端部分に対して移動させるために、シェル内で摺動可能であって、そのシェルは、上方の収容部分の近傍に、閉鎖された端部を有し、下方の端部においては、シェルの一部を形成する終端部分によって閉鎖され、終端部分と下方の収容部分とが互いにシールするように接触すると、フィルタ媒体の外側とシェルとの間にある空間を液密とする容器が形成される。従ってフィルタ部材が、ある種のフィルタ容器を形成し、そのフィルタ容器は、消耗されたフィルタ媒体を交換するために全体として簡単かつ便利に取り外し、かつ組み込むことができる。
【0009】
第2のエネルギ蓄積装置は、シェルの閉鎖された端部と上方の収容部分との間に介装された、圧縮ばねによって、効果的に形成することができる。
【0010】
この種の装置において大部分がそうであるように、フィルタ媒体が、内側のフィルタ中空室を定める流体透過可能な支持パイプを包囲する場合に、ばねハウジングは、接続手段の構成部分を形成する下方の収容部分の中央の開口部から支持パイプ内へ延びるように配置され、その場合にばねハウジングに、第1のエネルギ蓄積装置として用いられる圧縮ばねが支持され、その圧縮ばねの他方の端部は、ばねハウジング内で移動可能に案内されている閉鎖部分をその、中央の開口部の開口端縁に接触する閉鎖位置へ付勢する。従って、閉鎖部分を有する遮断手段は、付属のエネルギ蓄積装置を含めてフィルタ中空室内に統合されており、それによってフィルタ部材のコンパクトな構造が得られる。
【0011】
その場合に好ましくは、接続手段と協働して流体接続を形成するために設けられた、流体装置の対応する接続部材は、下方の収容部分の中央の開口部内へ進入可能であり、接続部材の端縁側には、その進入動作の間に閉鎖部分に支持される少なくとも1つの制御部分が設けられるように配置される。
【0012】
その場合に、第1のエネルギ蓄積装置として用いられるばねが第2のエネルギ蓄積装置を形成する圧縮ばねよりも硬い特性を有するように、圧縮ばねが設計されていると、接続部材の制御部分が閉鎖部分と接触していて、第2のエネルギ蓄積装置を形成する圧縮ばねの付勢によってシェルを移動することができ、下方の収容部分と終端ユニットとのシール状態の接触が終了する。それは、操作者が新しいフィルタ部材を組み込む場合に、シェルを押圧してフィルタ部材を押し込むことによって、容易に行うことができる。制御部分が閉鎖部分と接触する位置を越えて、第2のエネルギ蓄積装置を形成する圧縮ばねが完全に圧縮されるまで、押し込みまたは進入の動作が続行されると、接続部材が接続手段の中央の開口部内へさらに進入し、その場合に閉鎖部分は、その閉鎖部分に接触する接続部材の制御部分によって、第1のエネルギ蓄積装置を形成する圧縮ばねの作用に抗して、閉鎖位置から移動することができる。従って1方向に行われるフィルタ部材の押し込みまたは進入の動きの過程で、フィルタ部材における2つの遮断手段が自動的に、特に収容部分と終端部分との間および閉鎖部分と下方の収容部分に設けられた接続手段との間のシールを無効にすることによって、解放位置へ押し付けられる。
【0013】
液体タンクのような流体装置へのフィルタ装置の対応付けに関して、シェルは、接続部材が移動不能に固定された装置の外側ハウジングの内壁に沿って挿脱されるように、終端部分の外周面に摺動可能に案内されるように好ましくは配置される。また、内壁は、第1の摺動部分を有し、第1の摺動部分が、移行箇所において、摺動経路の端部の第2のシール部分へと移行し、その第2のシール部分における内径は、終端部分に設けられたラジアルシールと協働してシールを構成すべく減少するように好ましくは配置される。従って、摺動部分の内部において低摩擦の摺動運動が可能であり、それによって、フィルタ部材の組込みと取出しが、特に簡単かつ簡便に行うことができ、摺動経路の端部の移行箇所を通過した後には、終端部分の外周面の良好なシールが保証される。
【0014】
特に好ましい実施例において、外側ハウジングは、液体タンク内へ組み込み可能であって、外側ハウジングは接続部材を介し、かつフィルタ容器の終端部分へ通じる流体通路を介して、液体タンクの内部空間と機能的に接続されている。
【0015】
特許請求の範囲の請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィルタ装置を有する流体装置、特に油圧タンクも、本発明の対象である。
【0016】
以下、図面に示す一実施形態を用いて本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】フィルタ装置の一実施形態を簡略化して示す縦断面図であって、液体タンク内に組み込むためのいわゆるイン−タンク装置を形成するためのフィルタ部材が設けられており、そのうちの、組込み開口部を通して挿入された、装置の外側ハウジングを有する上方のタンク壁部分のみが見られ、フィルタ部材は、組込み工程の開始時において、それが外側ハウジング内へ進入移動し始める状態で示されている。
【図2】図1に対応する断面表示であって、フィルタ部材は進入移動をさらに続行するが、まだ完全には組み込まれていない。
【図3】図1と図2に対応する断面表示であって、組込み工程がいまだ完全ではない、さらなる進入移動が示されている。
【図4】同様な断面表示であって、組込み工程の終了後に達成された機能状態が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、フィルタ装置がいわゆるイン−タンクフィルタ装置を形成する一例を用いて、本発明が説明される。フィルタ部材は、液体タンクの形式の液体装置と接続されている。図では、液体タンクのうち、組込み開口部3を備えたその上方のタンク壁1の一部のみが示されており、その組込み開口部を介して外側ハウジング5がタンクに組み込まれ、外側ハウジングは、タンク壁開口部3において開放している。外側ハウジング5は、その下方の端部において、ハウジング長手軸に対して同心の接続部材(接続短管)7と他の液体通路9とを介して液体タンクの内容物と接続されている。円筒形状の外側ハウジング5は、その内壁によって、図1に全体を符号11で示すフィルタ部材を挿入し、かつ引き出すための滑りガイドを形成している。このフィルタ部材は、いわゆるフィルタ容器として、全体として交換可能なユニットを形成している。このフィルタ容器は、中空円筒の形式のシェル13を有し、その中空円筒は図面内で上に位置する端部15において、湾曲した終端面を形成しながら閉鎖されている。シェル13は、反対側の下方の端部において、プラスチックからプレス成形されたリングボディの形状の終端部分17を有する。終端部分の外周面には、シェル13の外側において軸方向に突出する環状端縁19が形成され、その環状端縁の内壁には、シェル13の端部との固定的な結合がクリンピング21によって形成されている。環状端縁19の外周面に、滑り面が形成され、その滑り面においてフィルタ部材11が、外側ハウジング5の内壁に摺動可能に案内されて、終端部分17に設けられたラジアルシール23によってシール(密閉部)が形成されている。軸方向に突出する環状端縁19の内側には、シェル13に対してシールする他のシール部材25が設けられている。
【0019】
このように形成されたフィルタ容器の内部には、流体透過可能な支持パイプ29を包囲するフィルタマットの形式のフィルタ媒体27が配置されている。支持パイプ29の対応する端部を有するフィルタ媒体27の上端部は、上方の収容部分31によって包囲され、その上方の収容部分は、支持パイプ29の内部に位置する内側のフィルタ中空室33を上方の端部において閉鎖しており、かつプラスチックからプレス成形されている。フィルタ媒体27と支持パイプ29は、下方の端部において下方の収容部分35によって包囲されている。その下方の収容部分は、プラスチックからプレス成形された環状ボディによって形成されている。中央の開口部37を有するこの収容部分35が、接続手段を形成し、その接続手段は、後述する図4に示す装置の機能状態において、接続短管7との、すなわち液体タンクとの流体接続を形成する。開口部37の内壁にはシール部材39が配置され、流体接続をシールする。支持パイプ29の内側と開口部37を包囲する壁との間の環状空間から始まって、ばねハウジング41が内側のフィルタ中空室33内へ延びている。図面には図示されていない複数の壁開口を有するばねハウジング41内には、ここで第1のエネルギ蓄積装置と称される圧縮ばね43が配置され、その圧縮ばねは、一方でばねハウジング41の上端部に支持され、他方では閉鎖部分45に支持されている。その閉鎖部分は、ばねハウジング41内で圧縮ばね43の作用に抗して軸方向に移動可能であり、その圧縮ばねは通常、閉鎖部分45を遮断位置へ付勢している。その遮断位置において接続手段は、開口部37の開口端縁に接続する円盤状の閉鎖プレート47を有する閉鎖部分45によって、閉鎖されている。この状況が、図1〜図3に示されている。プラスチックからプレス成形された環状ボディの代わりに、環状ボディは、他の適切な材料、例えばアルミニウムダイカスト部品またはプラスチック射出成形部品によって形成することもできる。
【0020】
フィルタ部材11の上端部において、第2のエネルギ蓄積装置と称される圧縮ばね49が、上方の収容部分31とシェル13の閉鎖された端部15との間に介装されている。それによって、収容部分31と35との間に形成されるユニットが、通常、下方の収容部分35を終端部分17に接触させるようにシェル13の内部で付勢されている。この状態が、図1と図2に示されている。終端部分17には、中央の開口部51が設けられ、この開口部51を介して接続部材7が延在することができる。また、終端部分17には、径方向にさらに外側に位置する複数の通路53が設けられており、それらは、圧縮ばね49の力が下方の収容部分35を終端部分17へ圧接させた場合に、遮断される。この接触時において、通路53をシール(密閉)するために、下方の収容部分35の下側に、フラットリングガスケット55が設けられている。
【0021】
フィルタ部材11を組み込むために、外周面を有する終端部分17が、外側ハウジング5の内壁に案内されながら、外側ハウジング5内へシェル13が押し込まれる。この内壁は、挿入動作の最初の部分のために摺動部分57を有しており、この摺動部分には、移行箇所59において、内径の減少したシール部分61が接続されている。進入または押し込み動作の途中に、シール部分に達すると、終端部分17のラジアルシール23により確実なシールがなされる。この状態は、図3と図4に示されている。
【0022】
特に図1から明らかなように、接続部材7は、上端部において内側の環状段部63を有しており、その環状段部によって端縁側の環状部65が形成されている。環状部65の中に、挿入動作の途中で、下側へ放射状に突出する閉鎖部分45のリブ67が進入する。図2が、この状態を示している。
【0023】
図3に示すように、フィルタ部材11がさらに押し込まれると、下方の収容部分35は、図2に示すのと同じ位置に留まり、その場合に接続部材7と内側のフィルタ中空室33との間に、収容部分35に設けられた中央の開口部37を介して、密閉された流体接続が形成される。従って収容部分35は、その軸方向位置に留まる。というのは、上端部にある圧縮ばね49よりも強い圧縮ばね43が、閉鎖部分45を開口部37の端縁の阻止位置に保持し、それにより収容部分35を支持するからである。このようにして進入動作がさらに続行されると、終端部分17が、図3に示すように外側ハウジング5内のシール部分61の領域内へ押し込まれ、その場合に通路53は、フラットガスケット55が持ち上がることによって解放されて、上方の圧縮ばね49が圧縮される。
【0024】
この状態から始まって、フィルタ部材11がさらに外側ハウジング5内へ押し込まれると、シェル13の上端部15に隣接する上方の収容部分31により、圧縮ばね43の力作用が克服される。従って、上端縁69を有する接続部材7が、そのリブ67を介して閉鎖部分45に作用する制御部分として働き、その制御部分が閉鎖部分45を圧縮ばね43の作用に抗してばねハウジング41内へ摺動させる。それによって図4に示す機能状態が達成され、その機能状態において、解放された通路53を介して流体がフィルタ媒体27の外側へ進行すると共に、浄化された流体が、解放位置へ位置された閉鎖部分45を通過して内側のフィルタ中空室33から接続部材7内に進行し、それにより液体タンクの内部へ進行する。2つの圧縮ばね43と49に張力が付加されているこの機能状態において、フィルタ部材11は、図4に図式的にのみ示されるカバー71によって組込み位置に固定されている。濾過プロセスの間の機能状態における主流の流体流れが、図4に、番号を持たない流れ矢印で示されている。
【0025】
装置が、特に良好な使いやすさを特徴としていることは、明らかである。消耗されたフィルタ媒体27を有するフィルタ部材11を交換するプロセスにとって、カバー71を外すだけでよい。2つの張力が付加された圧縮ばね43と49の作用によって、フィルタ部材11が自動的に図4に示す機能位置から、まず、図3に示す中間位置へと移動する。その後、上方の圧縮ばね49が弛緩されながらさらに図2に示す位置へと自動的に退出し、その位置においてフィルタ容器は外側ハウジング5から、快適に把持できる距離だけ突出している。同時に、内側のフィルタ中空室33が、阻止位置にある閉鎖部分45によって閉鎖され、フィルタ媒体27の外側の空間は、フラットガスケット55が圧縮ばね49によって終端部分17の通路53との接触を保持されているので、終端部分17において同様に閉鎖されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ装置であって、
2つの収容部分(31、35)の間に配置されたフィルタ媒体(27)と、下方の収容部分(35)に設けられ、流体装置、特に液体タンク(1)と流体接続するための接続手段とを有する少なくとも1つのフィルタ部材(11)と、
前記接続手段に配置され、上方の収容部分(31)から離れる方向へ移動させる第1のエネルギ蓄積装置(43)の作用によって、前記接続手段を遮断する閉鎖位置へ付勢される閉鎖部分(45)と、
下方の収容部分(35)と前記装置の終端部分(17)の間の相対移動を発生させる他の第2のエネルギ蓄積装置(49)と、 前記終端部分と下方の収容部分(35)とが第2のエネルギ蓄積装置(49)の作用を受けて互いに接触するとすぐに、下方の収容部分(35)と終端部分(17)との間をシールするように作用するシール手段(55)と、
を備えるフィルタ装置。
【請求項2】
前記装置のフィルタ部材(11)は、下方の収容部分(35)を移動させるために、シェル(13)内を終端部分(17)に対して移動可能であり、前記シェルは、上方の収容部分(31)の近傍に、閉鎖された端部(15)を有し、下方の端部においては、シェル(13)の一部を形成する終端部分(17)によって閉鎖され、前記終端部分と下方の収容部分(35)とが互いにシールするように接触すると、フィルタ媒体(27)の外側とシェル(13)との間にある空間を液密とする容器が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ装置。
【請求項3】
前記第2のエネルギ蓄積装置が、圧縮ばね(49)の形式で、シェル(13)の閉鎖された端部(15)と上方の収容部分(31)との間に介装されている、ことを特徴とする請求項2に記載のフィルタ装置。
【請求項4】
フィルタ媒体(27)が、内側のフィルタ中空室(33)を定める流体透過可能な支持パイプ(29)を包囲し、前記接続手段の構成部分を形成する下方の収容部分(35)の中央の穴(37)から前記支持パイプ内へばねハウジング(41)が延在しており、該ばねハウジングに、第1のエネルギ蓄積装置として用いられる圧縮ばね(43)が支持され、該圧縮ばねの他方の端部が、ばねハウジング(41)内で移動可能に案内される閉鎖部分(45)を、中央の穴(37)の開口端縁に接触する閉鎖位置へ付勢する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項5】
前記接続手段と協働して流体接続を形成するために設けられた、前記流体装置の対応する接続部材(7)は、下方の収容部分(35)の中央の開口部(37)内へ進入可能であり、接続部材の端縁側には、その進入動作の間に閉鎖部分(45)に支持される少なくとも1つの制御部分(63、69)が設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載のフィルタ装置。
【請求項6】
シェル(13)は、接続部材(7)の制御部分(63、69)が閉鎖部分(45)に接触しながら、終端部分(17)と下方の収容部分(35)とのシール接触を終了するように、前記第2のエネルギ蓄積装置を形成する圧縮ばね(49)の付勢によって移動可能である、ことを特徴とする請求項5に記載のフィルタ装置。
【請求項7】
接続部材(7)が、閉鎖部分(45)との接触位置を越えて前記接続手段の中央の開口部(37)内へ進入されると、閉鎖部分(45)は、その閉鎖部分に接触する接続部材(7)の制御部分(63、69)によって、前記第1のエネルギ蓄積装置を形成する圧縮ばね(43)の作用に抗して、閉鎖位置から移動可能である、ことを特徴とする請求項6に記載のフィルタ装置。
【請求項8】
シェル(13)は、接続部材(7)が移動不能に固定された前記装置の外側ハウジング(5)の内壁に沿って挿脱されるように、終端部分(17)の外周面に摺動可能に案内され、前記内壁は、第1の摺動部分(57)を有し、前記第1の摺動部分が、移行箇所(59)において、摺動経路の端部の第2のシール部分(61)へと移行し、前記第2のシール部分における内径は、終端部分(17)に設けられたラジアルシール(23)と協働してシールするように減少されている、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のフィルタ装置。
【請求項9】
外側ハウジング(5)は、液体タンク(1)内へ組み込み可能であり、接続部材(7)を介し、かつフィルタ容器の終端部分(17)へ通じる流体通路(9)を介して、前記液体タンクの内部空間と流体接続されている、ことを特徴とする請求項8に記載のフィルタ装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のフィルタ装置を有する、流体装置、特に液体タンク(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−516765(P2012−516765A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548534(P2011−548534)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/007854
【国際公開番号】WO2010/088938
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(511004689)ハイダック フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (21)
【Fターム(参考)】