フィールドゲームシステム、ゲーム装置およびそのユーザ端末
【課題】現実のフィールドで得られる指示情報に基づいてユーザがゲームを進行させるフィールドゲームシステムにおいて、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることを課題とする。
【解決手段】フィールドゲームシステム100において、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300からユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報が伝送され、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。これにより、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることができる。
【解決手段】フィールドゲームシステム100において、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300からユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報が伝送され、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。これにより、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム技術に関し、特に現実のフィールドで得られる指示情報に基づいてユーザがゲームを進行させるフィールドゲームシステム技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されているが、図13は、このようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ700は、それぞれトランシーバ900を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に、手足の先端で触れられるように壁や床に設けられたトランシーバ900a、900bとケーブルとを介して外部に設けられたパソコン(PC)と通信を行うようになっている。
【0003】
そして、このようなウェアラブルコンピュータ700間、およびウェアラブルコンピュータ700とPC800とのデータ通信に使用されるトランシーバ900は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体であるユーザの身体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行っている。最近では、このような電界通信を利用して、歩行者に対して進路方向に応じた指示情報を提供し道案内を行う歩行案内技術システムに関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、従来、ユーザに次の行動に関する指示情報を提供するシステムとしては、ユーザが専用のユーザ端末を用いて表示装置に表示された画面上のゲームの主人公を操作し、仮想的に展開された世界で得られる指示情報に基づいて主人公に様々な冒険を経験させつつ最終的な目標(例えばお姫様の救出)を達成させるロールプレイングゲーム(以下、RPGと称する)がある。一般に、このようなゲームシステムは画面上の限られたフィールドで実行されるため、今一つ臨場感に欠けてしまう。また、ゲームの進行はユーザ端末を介して行われるため、操作が煩雑となる場合がある。
【0005】
一方で、山野などの現実のフィールドにおいて、予め決められた形式・方法などの指示情報に基づいて、地図やコンパスなどを用いて設定された地点を経由し、できるだけ短時間でゴールを目指すオリエンテーリングなどのフィールドゲームがある。一般に、フィールドゲームでは、参加者(ユーザ)は様々な状況を実際に体験することができるので、臨場感が得られるとともにゴールした際の達成感は大きいものとなる。
【特許文献1】特開2004−355527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフィールドゲームでは、地図やコンパスなどの必要な道具を携行する必要があるとともに、それらを用いて次の地点までの距離や最適な経路などを決定するといった複雑な手続きを行う必要があるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、現実のフィールドで得られる指示情報に基づいてユーザがゲームを進行させるフィールドゲームシステムにおいて、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係るフィールドゲームシステムは、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムであって、ゲーム装置は、ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する第1の電界受信手段と、第1の電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた指示情報に基づく電界をユーザの身体に誘起させる第1の電界送信手段とを備え、ユーザ端末は、履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して指示情報を受信する第2の電界受信手段と、第2の電界受信手段が指示情報を受信した場合に履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界をユーザの身体に誘起させる第2の電界送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
尚、本発明における電界伝達媒体とは、電界を伝達可能な媒体を指し、例えば金属などの導電性の高い部材、人間の身体、誘電体などが含まれる。
【0010】
本発明にあっては、ユーザ端末を保持したユーザがゲーム装置に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末からユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置から履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報が伝送され、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0011】
上記フィールドゲームシステムは、ゲーム装置とユーザ端末の少なくとも一方は、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、ゲーム装置とユーザ端末の少なくとも一方に、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えたことで、指示情報出力手段により出力された指示情報を基にしてユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0013】
上記フィールドゲームシステムにおける指示情報は、複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、指示情報を、複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されるようにしたことで、ユーザは自分の意思に基づいて適当な指示情報を選択して行動することができる。
【0015】
上記フィールドゲームシステムにおけるユーザ端末は、時間情報を管理する管理手段を更に備え、履歴情報更新手段は、時間情報に関連付けて履歴情報を更新することを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、ユーザ端末に時間情報を管理する管理手段を更に備え、履歴情報更新手段により、時間情報に関連付けて履歴情報を更新するようにしたことで、各ゲーム装置を経由した時間情報を記憶しておくことができ、例えばゲーム終了までの時間を計測するとともに、ゲーム終了までの制限時間を予め設定してことが可能となる。
【0017】
第2の本発明に係るゲーム装置は、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるゲーム装置であって、ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する電界受信手段と、電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた指示情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、ユーザ端末を保持したユーザがゲーム装置に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、電界受信手段によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を受信するとともに、履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報を電界送信手段によりユーザの身体に誘起させることができるので、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0019】
第3の本発明に係るユーザ端末は、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるユーザ端末であって、履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して指示情報を受信する電界受信手段と、界受信手段が指示情報を受信した場合に履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界をユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、ユーザ端末を保持したユーザがゲーム装置に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、電界受信手段により次のゲームの進行を指示するための指示情報を受信して、受信した指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。一方で、指示情報を受信した場合には履歴情報更新手段によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を更新することで、更新された履歴情報を基にしてユーザは次に経由するゲーム装置から指示情報を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフィールドゲームシステムによれば、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るフィールドゲームシステムの構成を概略的に示す図である。同図に示すように、フィールドゲームシステム100は、フィールド内に設置され、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置200a、200b、200c、200dとユーザにより保持されたユーザ端末300とを有する。ここでゲーム装置200aはA地点に、ゲーム装置200bはB地点に、ゲーム装置200cはC地点に、ゲーム装置200dはゴール地点にそれぞれ設置される。ユーザ端末300は、腕時計型の端末としてユーザの腕に装着されている。このようなフィールドゲームシステム100においてはユーザ端末300を保持したユーザが、各地点に設置されたゲーム装置200を経由し、そこで得られる指示情報を基にゲームを進行する。
【0024】
次に、フィールド内に設置されたゲーム装置200の構成について図2のブロック図を用いて説明する。同図に示すように、ゲーム装置200は、指示情報記憶部201と、電界伝達媒体としてのタッチパネル210に接続されたトランシーバ900と、指示情報抽出部202と、指示情報出力部203とを備える。
【0025】
指示情報記憶部201は、ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく。トランシーバ900は、ユーザの身体に誘起された電界を、タッチパネル210を介して検出して履歴情報を受信する電界受信手段として機能するとともに、電界受信手段として受信した履歴情報に関連付けられた指示情報に基づく電界を、タッチパネル210を介してユーザの身体に誘起させる電界送信手段として機能する。指示情報抽出部202は、トランシーバ900が履歴情報を受信した場合に指示情報記憶部201から履歴情報に関連付けられた指示情報を抽出して、抽出した指示情報を指示情報出力部203に出力する。指示情報出力部203は、モニタおよびスピーカを通じて指示情報をユーザに対して出力するとともにトランシーバ900に指示情報を出力する。
【0026】
このような構成としたことで、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立する。これにより、ゲーム装置200側ではトランシーバ900によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を受信するとともに、履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報をトランシーバ900によりユーザの身体に誘起させて、指示情報をユーザ端末300側に伝送する。ここでは指示情報がゲーム装置200の指示情報出力部203によりモニタおよびスピーカを通じて出力されるので、出力された指示情報を基にしてユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0027】
次に、ユーザが保持するユーザ端末300の構成について図3のブロック図を用いて説明する。同図に示すように、ユーザ端末300は、履歴情報記憶部301と、ユーザの腕に装着される電界伝達媒体としての腕バンド310に接続されたトランシーバ900と、履歴情報更新部302と、指示情報出力部303とを備える。
【0028】
履歴情報記憶部301はユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を記憶しておく。トランシーバ900は、ユーザの身体に誘起された電界を、腕バンド310を介して検出して指示情報を受信する電界受信手段として機能するとともに、履歴情報更新部302が更新した履歴情報に基づく電界を、腕バンド310を介してユーザの身体に誘起させる電界送信手段として機能する。
【0029】
履歴情報更新部302は、トランシーバ900が指示情報を受信した場合に指示情報出力部303から通知を受けて、履歴情報を更新する。指示情報出力部303は、トランシーバ900が指示情報を受信した場合にモニタおよびスピーカを通じて指示情報をユーザに対して出力するとともに履歴情報更新部302に指示情報が受信されたことを通知する。
【0030】
このような構成としたことで、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立する。これにより、ユーザ端末300側ではトランシーバ900により次のゲームの進行を指示するための指示情報を受信する。ここでは受信した指示情報は指示情報出力部303によりモニタおよびスピーカを通じて出力されるので、出力された指示情報を基にしてユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。一方で、指示情報を受信した場合には履歴情報更新部302によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を更新する。これにより、更新された履歴情報を基にしてユーザは次に経由するゲーム装置から指示情報を得ることができる。
【0031】
次に、ゲーム装置200およびユーザ端末300が備えるトランシーバ900について図4のブロック図を用いて説明する。同図に示すように、トランシーバ900は、受信時において、ユーザの身体に誘起されて伝達されてくる電界を、電界通信用の送受信電極902で検出し、この電界を電界検出部903に結合して電気信号に変換する。ここで電界検出部903は、例えばレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により電界を検出する。そして、この電気信号は、信号処理回路904で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、入出力(I/O)回路905を介してコンピュータ側に出力される。
【0032】
また、送信時において、コンピュータ側からの送信データを入出力(I/O)回路905を介して受け取ると、この送信データを、送信部906を介して電界通信用の送受信電極902に出力し、送受信電極902を介してユーザの身体に電界を誘起させ、この電界を伝達させる。送受信電極902には導電性の高い金属が使用される。送受信電極902は、同じく電界伝達媒体である誘電体膜901で覆われた構成とし、ユーザの身体に直接電流が流れるのを防止する。このような構成により、トランシーバ900は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体としてのユーザの身体に誘起させるとともに誘起された電界を検出して情報の送受信を行うことが可能となる。
【0033】
次に、フィールドゲームシステム100において行われるフィールドゲームについて図5〜図8を用いて説明する。ここでフィールドゲームは例えばRPGとし、ユーザ端末300を装着したユーザが主人公となり、フィールド内の様々な地点(ゲーム装置:200a〜200d)で得られる指示情報に基づいて冒険を経験しつつ最終的な目標として、怪物に捕らえられたお姫様を救出するというストーリーが展開されるものとする。
【0034】
図5の説明図に示すように、フィールドゲームにおいて、スタート地点はゲームの世界のお城、A地点は町の教会、B地点は町のお店、C地点は怪物のアジト、ゴール地点はお姫様が幽閉されている北の塔に設定される。スタート地点ではお城の王様、A地点では教会の神父、C地点では怪物、ゴール地点ではお姫様がゲームのキャラクターとして登場し、主人公に指示情報を提供する。ここで各キャラクターはそれぞれの地点に設置されたゲーム装置200およびユーザ端末300のモニタに表示され、指示情報はスピーカを通じて出力される。
【0035】
また、同図において括弧内に示した数字は、ユーザが経由した地点(ゲーム装置200:200a〜200d)の履歴を示す履歴情報である。ユーザがスタート地点を出発した直後には、ユーザ端末300の履歴情報記憶部301において、図6のチャート図に示すように履歴情報として初期状態を示す「1」が、経由した地点として「スタート地点」が記憶されている。ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300から履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された指示情報が伝送される。このときユーザ端末300において履歴情報記憶部301に記憶された履歴情報は履歴情報更新部302により更新される。例えばA地点においては履歴情報が「1」から「2」へ更新され、B地点においては履歴情報が「2」から「3」へ更新され、B地点を経由した後に到達したA地点においては履歴情報が「3」から「4」へ更新され、C地点においては履歴情報が「4」から「5」へ更新される。履歴情報の更新時には経由した地点も更新される。
【0036】
次に具体的なゲームの進行について説明する。図5に示すように、スタート地点(お城)からゲームが開始される。ここではユーザ(主人公)はお城の王様からゲームの最終目標として「怪物に捕らえられた姫の救出」を依頼され、例えば旅に必要な費用として金貨を受け取る。更に、王様から次のゲームの進行を指示するための最初の指示情報「町の教会(A地点)で旅に必要な情報が得られるであろう」が通知される。これによりユーザは次に経由すべき場所(A地点)を認識してゲームを進行する。
【0037】
A地点(町の教会)に到達したユーザ(主人公)は教会の神父から旅に必要な情報を収集する。ここで設置されているゲーム装置200aの指示情報記憶部201には、図7(a)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200aのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「1」が記憶されている場合には、教会の神父から次の指示情報「町のお店(B地点)で旅に必要なものが買えます」および「東の方角に怪物のアジト(C地点)があります」が通知される。ここでは、指示情報が次に経由すべき地点を指示するための2つの選択肢で構成されているので、ユーザは自分の意思に基づいて2つの選択肢のうちどちらかの指示情報を選択して行動することが可能となる。このときユーザ端末300においては伝送された指示情報を基に履歴情報が「1」から「2」へ更新される。
【0038】
ユーザ端末300に履歴情報「3」が記憶されている場合には、すでにB地点(町のお店)を経由しているので、教会の神父からの次の指示情報「あなたは強い!怪物を倒してください(C地点)」が通知される。このときユーザ端末300においては伝送された指示情報を元に履歴情報が「3」から「4」へ更新される。履歴情報が「1」、「3」以外の場合には前回の履歴情報と同じメッセージもしくは状況に応じて予め用意されたメッセージが通知され、ユーザ端末300において履歴情報は更新されない。
【0039】
B地点(町のお店)に到達したユーザ(主人公)は旅に必要なもの(例えば武器など)を購入するとともに、お店の主人から旅に必要な情報を収集する。ここでもゲーム装置200bの指示情報記憶部201には、図7(b)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200bのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「2」が記憶されている場合には、お店の主人から次の指示情報「町の教会(A地点)に行けば体力がアップするでしょう」が通知される。このときユーザ端末300において履歴情報が「2」から「3」へ更新される。履歴情報が「2」以外の場合には、前回の履歴情報と同じメッセージもしくは状況に応じて予め用意されたメッセージが通知され、ユーザ端末300において履歴情報は更新されない。
【0040】
C地点(怪物のアジト)に到達したユーザ(主人公)は怪物との戦闘を行うとともに、戦闘に勝利した場合には怪物からお姫様の救出に必要な情報を収集する。ここでもゲーム装置200cの指示情報記憶部201には、図8(c)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200cのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「4」が記憶されている場合には、すでにA地点(教会)やB地点(お店)を経由して怪物との戦闘に勝利する力を十分に備えているものとし、怪物に勝利することができる。そして怪物から次の指示情報「やられた・・・姫は北の塔(ゴール地点)にいる」が通知される。このときユーザ端末300において履歴情報が「4」から「5」へ更新される。履歴情報が「4」以外の場合には、前回の履歴情報と同じメッセージもしくは状況に応じて予め用意されたメッセージが通知され、ユーザ端末300において履歴情報は更新されない。
【0041】
ゴール地点(北の塔)に到達したユーザ(主人公)は、無事にお姫様を救出することができるので、最終目標が達成されたとしてゲームが終了する。ここでもゲーム装置200dの指示情報記憶部201には、図8(d)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200dのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「5」が記憶されている場合には、すでにC地点(怪物のアジト)を経由して怪物との戦闘に勝利しているので、お姫様から最終メッセージとして指示情報「助けてくれてありがとう」が通知される。これによりゲームが終了する。ここで履歴情報が「5」以外の場合には予め用意されたメッセージが通知される。
【0042】
したがって、第1の実施の形態によれば、フィールドゲームシステム100において、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300からユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報が伝送され、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。これにより、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、ゲーム装置200およびユーザ端末300に、モニタやスピーカを通じて指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力部203、303を更に備えたことで、ユーザは出力された指示情報を基にして次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0044】
さらに、本実施の形態によれば、指示情報を、複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されるようにしたことで、ゲームの複雑なストーリー展開を可能とし、ユーザは自分の意思に基づいて適当な指示情報を選択して行動することができる。
【0045】
尚、本実施の形態においては、ゲーム装置およびユーザ端末の両方に、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力部を備える構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、ゲーム装置とユーザ端末のどちらか一方に、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力部を備えるような構成としても、ユーザは指示情報出力部により出力された指示情報を基にして次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るフィールドゲームシステムの構成は、第1の実施の形態で説明したものと基本的な構成は同様である。以下では、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
第1の実施の形態と異なる点は、図9のブロック図に示すように、ユーザ端末300が、時間情報を管理する時間情報管理部304を更に備え、履歴情報更新部302により時間情報に関連付けて履歴情報を更新する点である。ここで行われるフィールドゲームは、第1の実施の形態で説明したRPGではなく、例えばユーザ端末300を装着したユーザが、予め設定された地点(ゲーム装置:200a〜200d)で得られる指示情報に基づいた経路を通って、できるだけ短時間で全ての地点を経由しゴールを目指すオリエンテーリングとする。
【0048】
図10の説明図に示すように、ここではユーザはスタート地点をスタートし、A地点、B地点、C地点と順番に経由してゴール地点を目指す。スタート地点、A地点、B地点、C地点では、次のゲームの進行を指示するための指示情報が提供される。ここで指示情報は次の地点までの地図情報とする。地図情報はそれぞれの地点に設置されたゲーム装置およびユーザ端末のモニタに表示される。
【0049】
また、同図において括弧内に示した数字は、ユーザが経由した地点(ゲーム装置:200a〜200d)の履歴を示す履歴情報である。各地点においてユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300から履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された指示情報が伝送される。このときユーザ端末300において履歴情報記憶部301に記憶された履歴情報は履歴情報更新部302により更新される。例えばA地点の到達時においては履歴情報が「1」から「2」へ更新され、B地点の到達時においては履歴情報が「2」から「3」へ更新され、C地点の到達時においては履歴情報が「3」から「4」へ更新される。
【0050】
図11のチャート図に示すように、ユーザ端末300において履歴情報を更新する際に、履歴情報は時間情報を管理する時間情報管理部304により時間情報に関連付けて記憶される。ここでは予めスタート地点における履歴情報「1」に対応してスタート時の時刻「12:00」が記憶されている。A地点に到達して履歴情報が「1」から「2」へ更新された場合にはその時点での時間情報を基に通過時刻「12:30」が記憶される。B地点に到達して履歴情報が「2」から「3」へ更新された場合にはその時点での通過時刻「13:00」が記憶される。同図の例ではユーザはC地点へ向かう途中であるので履歴情報は「3」から「4」へは更新されていない。このようにして、ゲーム終了までの時間を計測するとともに、ゲーム終了までの制限時間を予め設定しておくことが可能となる。
【0051】
図12(a)〜(d)は、ゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。同図に示すように、A地点からC地点に設置されたゲーム装置200a〜200cには、履歴情報に応じて次の指示情報として次の地点までの地図情報が記憶され、ユーザに画像情報が提供される。最終的なゴール地点に設置されたゲーム装置200dには最終メッセージとして指示情報「おめでとうございます、ゴールです」が記憶され、ユーザにゲームの終了が通知される。また各ゲーム装置においてユーザの履歴情報が一致しない場合には予め記憶された「正しくありません」のメッセージがユーザに通知される。
【0052】
したがって、第2の実施の形態によれば、ユーザ端末300において時間情報を管理する時間情報管理部304を更に備え、履歴情報更新部302により、時間情報に関連付けて履歴情報を更新するようにしたことで、各ゲーム装置を経由した時間情報を記憶しておくことができ、第1の実施の形態に係る効果に加えて、ゲーム終了までの時間を計測するとともに、ゲーム終了までの制限時間を予め設定してことが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態においては、フィールドゲームシステム100において実行されるゲームは、ユーザ端末300における時間情報管理部304が管理する時間情報を利用して全ての地点を通過してゴールするまでの制限時間を設定したオリエンテーリングとしたが、これに限られるものではなく、時間情報管理部304が管理する時間情報を利用してゴールまでの時間を競う宝探しゲームとしてもよい。このような場合は、指示情報を例えば各地点で獲得した金貨の数とし、ゴールまでに獲得した金貨の総数を競うようにする。
【0054】
なお、上記の各実施の形態においては、フィールドゲームに参加するユーザは一人としたが、これに限られるものではなく、フィールドゲームシステムにおいて複数のユーザID情報を管理して、複数のユーザがゲームに参加できるようにしてもよい。
【0055】
また、上記の各実施の形態においては、ユーザが経由すべきゲーム装置は4台設置したが、これに限られるものではなく、より多くの数のゲーム装置を設置することで、フィールドゲームをより複雑且つ娯楽性の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態に係るフィールドゲームシステムの構成を概略的に示す図である。
【図2】上記フィールドゲームシステムにおけるゲーム装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】上記フィールドゲームシステムにおけるユーザ端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】上記ゲーム装置およびユーザ端末が備えるトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図5】上記フィールドゲームシステムにおけるゲームの進行を説明するための概略図である。
【図6】上記ユーザ端末に記憶しておく履歴情報の一例を示すチャート図である。
【図7】A地点およびB地点のゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。
【図8】C地点およびゴール地点のゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。
【図9】第2の実施の形態に係るフィールドゲームシステムにおけるユーザ端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】上記フィールドゲームシステムによるゲームの進行を説明するための概略図である。
【図11】上記フィールドゲームシステムにおけるユーザ端末に記憶しておく履歴情報の一例を示すチャート図である。
【図12】上記フィールドゲームシステムにおけるゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。
【図13】トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
100…フィールドゲームシステム
200…ゲーム装置
200a…ゲーム装置(A地点)
200b…ゲーム装置(B地点)
200c…ゲーム装置(C地点)
200d…ゲーム装置(ゴール地点)
201…指示情報記憶部
202…指示情報抽出部
203…指示情報出力部(モニタ、スピーカ)
210…タッチパネル
300…ユーザ端末
301…履歴情報記憶部
302…履歴情報更新部
303…指示情報出力部(モニタ、スピーカ)
304…時間情報管理部
310…腕バンド
700…ウェアラブルコンピュータ
800…パソコン(PC)
900…トランシーバ
901…誘電体膜
902…送受信電極
903…電界検出部
904…信号処理回路
905…I/O回路
906…送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム技術に関し、特に現実のフィールドで得られる指示情報に基づいてユーザがゲームを進行させるフィールドゲームシステム技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末の小型化および高性能化によりウェアラブルコンピュータが注目されているが、図13は、このようなウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示している。同図に示すように、ウェアラブルコンピュータ700は、それぞれトランシーバ900を介して人間の腕、肩、胴体などに装着されて互いにデータの送受信を行うとともに、更に、手足の先端で触れられるように壁や床に設けられたトランシーバ900a、900bとケーブルとを介して外部に設けられたパソコン(PC)と通信を行うようになっている。
【0003】
そして、このようなウェアラブルコンピュータ700間、およびウェアラブルコンピュータ700とPC800とのデータ通信に使用されるトランシーバ900は、レーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法による信号検出技術を利用していて、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体であるユーザの身体に誘起させ、この誘起した電界を用いて情報の送受信を行っている。最近では、このような電界通信を利用して、歩行者に対して進路方向に応じた指示情報を提供し道案内を行う歩行案内技術システムに関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、従来、ユーザに次の行動に関する指示情報を提供するシステムとしては、ユーザが専用のユーザ端末を用いて表示装置に表示された画面上のゲームの主人公を操作し、仮想的に展開された世界で得られる指示情報に基づいて主人公に様々な冒険を経験させつつ最終的な目標(例えばお姫様の救出)を達成させるロールプレイングゲーム(以下、RPGと称する)がある。一般に、このようなゲームシステムは画面上の限られたフィールドで実行されるため、今一つ臨場感に欠けてしまう。また、ゲームの進行はユーザ端末を介して行われるため、操作が煩雑となる場合がある。
【0005】
一方で、山野などの現実のフィールドにおいて、予め決められた形式・方法などの指示情報に基づいて、地図やコンパスなどを用いて設定された地点を経由し、できるだけ短時間でゴールを目指すオリエンテーリングなどのフィールドゲームがある。一般に、フィールドゲームでは、参加者(ユーザ)は様々な状況を実際に体験することができるので、臨場感が得られるとともにゴールした際の達成感は大きいものとなる。
【特許文献1】特開2004−355527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のフィールドゲームでは、地図やコンパスなどの必要な道具を携行する必要があるとともに、それらを用いて次の地点までの距離や最適な経路などを決定するといった複雑な手続きを行う必要があるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、現実のフィールドで得られる指示情報に基づいてユーザがゲームを進行させるフィールドゲームシステムにおいて、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明に係るフィールドゲームシステムは、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムであって、ゲーム装置は、ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する第1の電界受信手段と、第1の電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた指示情報に基づく電界をユーザの身体に誘起させる第1の電界送信手段とを備え、ユーザ端末は、履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して指示情報を受信する第2の電界受信手段と、第2の電界受信手段が指示情報を受信した場合に履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界をユーザの身体に誘起させる第2の電界送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
尚、本発明における電界伝達媒体とは、電界を伝達可能な媒体を指し、例えば金属などの導電性の高い部材、人間の身体、誘電体などが含まれる。
【0010】
本発明にあっては、ユーザ端末を保持したユーザがゲーム装置に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末からユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置から履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報が伝送され、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0011】
上記フィールドゲームシステムは、ゲーム装置とユーザ端末の少なくとも一方は、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、ゲーム装置とユーザ端末の少なくとも一方に、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えたことで、指示情報出力手段により出力された指示情報を基にしてユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0013】
上記フィールドゲームシステムにおける指示情報は、複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、指示情報を、複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されるようにしたことで、ユーザは自分の意思に基づいて適当な指示情報を選択して行動することができる。
【0015】
上記フィールドゲームシステムにおけるユーザ端末は、時間情報を管理する管理手段を更に備え、履歴情報更新手段は、時間情報に関連付けて履歴情報を更新することを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、ユーザ端末に時間情報を管理する管理手段を更に備え、履歴情報更新手段により、時間情報に関連付けて履歴情報を更新するようにしたことで、各ゲーム装置を経由した時間情報を記憶しておくことができ、例えばゲーム終了までの時間を計測するとともに、ゲーム終了までの制限時間を予め設定してことが可能となる。
【0017】
第2の本発明に係るゲーム装置は、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるゲーム装置であって、ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する電界受信手段と、電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた指示情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、ユーザ端末を保持したユーザがゲーム装置に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、電界受信手段によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を受信するとともに、履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報を電界送信手段によりユーザの身体に誘起させることができるので、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0019】
第3の本発明に係るユーザ端末は、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるユーザ端末であって、履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、ユーザの身体に誘起された電界を検出して指示情報を受信する電界受信手段と、界受信手段が指示情報を受信した場合に履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界をユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、ユーザ端末を保持したユーザがゲーム装置に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、電界受信手段により次のゲームの進行を指示するための指示情報を受信して、受信した指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。一方で、指示情報を受信した場合には履歴情報更新手段によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を更新することで、更新された履歴情報を基にしてユーザは次に経由するゲーム装置から指示情報を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のフィールドゲームシステムによれば、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係るフィールドゲームシステムの構成を概略的に示す図である。同図に示すように、フィールドゲームシステム100は、フィールド内に設置され、電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置200a、200b、200c、200dとユーザにより保持されたユーザ端末300とを有する。ここでゲーム装置200aはA地点に、ゲーム装置200bはB地点に、ゲーム装置200cはC地点に、ゲーム装置200dはゴール地点にそれぞれ設置される。ユーザ端末300は、腕時計型の端末としてユーザの腕に装着されている。このようなフィールドゲームシステム100においてはユーザ端末300を保持したユーザが、各地点に設置されたゲーム装置200を経由し、そこで得られる指示情報を基にゲームを進行する。
【0024】
次に、フィールド内に設置されたゲーム装置200の構成について図2のブロック図を用いて説明する。同図に示すように、ゲーム装置200は、指示情報記憶部201と、電界伝達媒体としてのタッチパネル210に接続されたトランシーバ900と、指示情報抽出部202と、指示情報出力部203とを備える。
【0025】
指示情報記憶部201は、ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく。トランシーバ900は、ユーザの身体に誘起された電界を、タッチパネル210を介して検出して履歴情報を受信する電界受信手段として機能するとともに、電界受信手段として受信した履歴情報に関連付けられた指示情報に基づく電界を、タッチパネル210を介してユーザの身体に誘起させる電界送信手段として機能する。指示情報抽出部202は、トランシーバ900が履歴情報を受信した場合に指示情報記憶部201から履歴情報に関連付けられた指示情報を抽出して、抽出した指示情報を指示情報出力部203に出力する。指示情報出力部203は、モニタおよびスピーカを通じて指示情報をユーザに対して出力するとともにトランシーバ900に指示情報を出力する。
【0026】
このような構成としたことで、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立する。これにより、ゲーム装置200側ではトランシーバ900によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を受信するとともに、履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報をトランシーバ900によりユーザの身体に誘起させて、指示情報をユーザ端末300側に伝送する。ここでは指示情報がゲーム装置200の指示情報出力部203によりモニタおよびスピーカを通じて出力されるので、出力された指示情報を基にしてユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0027】
次に、ユーザが保持するユーザ端末300の構成について図3のブロック図を用いて説明する。同図に示すように、ユーザ端末300は、履歴情報記憶部301と、ユーザの腕に装着される電界伝達媒体としての腕バンド310に接続されたトランシーバ900と、履歴情報更新部302と、指示情報出力部303とを備える。
【0028】
履歴情報記憶部301はユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を記憶しておく。トランシーバ900は、ユーザの身体に誘起された電界を、腕バンド310を介して検出して指示情報を受信する電界受信手段として機能するとともに、履歴情報更新部302が更新した履歴情報に基づく電界を、腕バンド310を介してユーザの身体に誘起させる電界送信手段として機能する。
【0029】
履歴情報更新部302は、トランシーバ900が指示情報を受信した場合に指示情報出力部303から通知を受けて、履歴情報を更新する。指示情報出力部303は、トランシーバ900が指示情報を受信した場合にモニタおよびスピーカを通じて指示情報をユーザに対して出力するとともに履歴情報更新部302に指示情報が受信されたことを通知する。
【0030】
このような構成としたことで、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立する。これにより、ユーザ端末300側ではトランシーバ900により次のゲームの進行を指示するための指示情報を受信する。ここでは受信した指示情報は指示情報出力部303によりモニタおよびスピーカを通じて出力されるので、出力された指示情報を基にしてユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。一方で、指示情報を受信した場合には履歴情報更新部302によりユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報を更新する。これにより、更新された履歴情報を基にしてユーザは次に経由するゲーム装置から指示情報を得ることができる。
【0031】
次に、ゲーム装置200およびユーザ端末300が備えるトランシーバ900について図4のブロック図を用いて説明する。同図に示すように、トランシーバ900は、受信時において、ユーザの身体に誘起されて伝達されてくる電界を、電界通信用の送受信電極902で検出し、この電界を電界検出部903に結合して電気信号に変換する。ここで電界検出部903は、例えばレーザ光と電気光学結晶を用いた電気光学的手法により電界を検出する。そして、この電気信号は、信号処理回路904で増幅、雑音除去などの信号処理を施され、入出力(I/O)回路905を介してコンピュータ側に出力される。
【0032】
また、送信時において、コンピュータ側からの送信データを入出力(I/O)回路905を介して受け取ると、この送信データを、送信部906を介して電界通信用の送受信電極902に出力し、送受信電極902を介してユーザの身体に電界を誘起させ、この電界を伝達させる。送受信電極902には導電性の高い金属が使用される。送受信電極902は、同じく電界伝達媒体である誘電体膜901で覆われた構成とし、ユーザの身体に直接電流が流れるのを防止する。このような構成により、トランシーバ900は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体としてのユーザの身体に誘起させるとともに誘起された電界を検出して情報の送受信を行うことが可能となる。
【0033】
次に、フィールドゲームシステム100において行われるフィールドゲームについて図5〜図8を用いて説明する。ここでフィールドゲームは例えばRPGとし、ユーザ端末300を装着したユーザが主人公となり、フィールド内の様々な地点(ゲーム装置:200a〜200d)で得られる指示情報に基づいて冒険を経験しつつ最終的な目標として、怪物に捕らえられたお姫様を救出するというストーリーが展開されるものとする。
【0034】
図5の説明図に示すように、フィールドゲームにおいて、スタート地点はゲームの世界のお城、A地点は町の教会、B地点は町のお店、C地点は怪物のアジト、ゴール地点はお姫様が幽閉されている北の塔に設定される。スタート地点ではお城の王様、A地点では教会の神父、C地点では怪物、ゴール地点ではお姫様がゲームのキャラクターとして登場し、主人公に指示情報を提供する。ここで各キャラクターはそれぞれの地点に設置されたゲーム装置200およびユーザ端末300のモニタに表示され、指示情報はスピーカを通じて出力される。
【0035】
また、同図において括弧内に示した数字は、ユーザが経由した地点(ゲーム装置200:200a〜200d)の履歴を示す履歴情報である。ユーザがスタート地点を出発した直後には、ユーザ端末300の履歴情報記憶部301において、図6のチャート図に示すように履歴情報として初期状態を示す「1」が、経由した地点として「スタート地点」が記憶されている。ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300から履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された指示情報が伝送される。このときユーザ端末300において履歴情報記憶部301に記憶された履歴情報は履歴情報更新部302により更新される。例えばA地点においては履歴情報が「1」から「2」へ更新され、B地点においては履歴情報が「2」から「3」へ更新され、B地点を経由した後に到達したA地点においては履歴情報が「3」から「4」へ更新され、C地点においては履歴情報が「4」から「5」へ更新される。履歴情報の更新時には経由した地点も更新される。
【0036】
次に具体的なゲームの進行について説明する。図5に示すように、スタート地点(お城)からゲームが開始される。ここではユーザ(主人公)はお城の王様からゲームの最終目標として「怪物に捕らえられた姫の救出」を依頼され、例えば旅に必要な費用として金貨を受け取る。更に、王様から次のゲームの進行を指示するための最初の指示情報「町の教会(A地点)で旅に必要な情報が得られるであろう」が通知される。これによりユーザは次に経由すべき場所(A地点)を認識してゲームを進行する。
【0037】
A地点(町の教会)に到達したユーザ(主人公)は教会の神父から旅に必要な情報を収集する。ここで設置されているゲーム装置200aの指示情報記憶部201には、図7(a)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200aのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「1」が記憶されている場合には、教会の神父から次の指示情報「町のお店(B地点)で旅に必要なものが買えます」および「東の方角に怪物のアジト(C地点)があります」が通知される。ここでは、指示情報が次に経由すべき地点を指示するための2つの選択肢で構成されているので、ユーザは自分の意思に基づいて2つの選択肢のうちどちらかの指示情報を選択して行動することが可能となる。このときユーザ端末300においては伝送された指示情報を基に履歴情報が「1」から「2」へ更新される。
【0038】
ユーザ端末300に履歴情報「3」が記憶されている場合には、すでにB地点(町のお店)を経由しているので、教会の神父からの次の指示情報「あなたは強い!怪物を倒してください(C地点)」が通知される。このときユーザ端末300においては伝送された指示情報を元に履歴情報が「3」から「4」へ更新される。履歴情報が「1」、「3」以外の場合には前回の履歴情報と同じメッセージもしくは状況に応じて予め用意されたメッセージが通知され、ユーザ端末300において履歴情報は更新されない。
【0039】
B地点(町のお店)に到達したユーザ(主人公)は旅に必要なもの(例えば武器など)を購入するとともに、お店の主人から旅に必要な情報を収集する。ここでもゲーム装置200bの指示情報記憶部201には、図7(b)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200bのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「2」が記憶されている場合には、お店の主人から次の指示情報「町の教会(A地点)に行けば体力がアップするでしょう」が通知される。このときユーザ端末300において履歴情報が「2」から「3」へ更新される。履歴情報が「2」以外の場合には、前回の履歴情報と同じメッセージもしくは状況に応じて予め用意されたメッセージが通知され、ユーザ端末300において履歴情報は更新されない。
【0040】
C地点(怪物のアジト)に到達したユーザ(主人公)は怪物との戦闘を行うとともに、戦闘に勝利した場合には怪物からお姫様の救出に必要な情報を収集する。ここでもゲーム装置200cの指示情報記憶部201には、図8(c)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200cのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「4」が記憶されている場合には、すでにA地点(教会)やB地点(お店)を経由して怪物との戦闘に勝利する力を十分に備えているものとし、怪物に勝利することができる。そして怪物から次の指示情報「やられた・・・姫は北の塔(ゴール地点)にいる」が通知される。このときユーザ端末300において履歴情報が「4」から「5」へ更新される。履歴情報が「4」以外の場合には、前回の履歴情報と同じメッセージもしくは状況に応じて予め用意されたメッセージが通知され、ユーザ端末300において履歴情報は更新されない。
【0041】
ゴール地点(北の塔)に到達したユーザ(主人公)は、無事にお姫様を救出することができるので、最終目標が達成されたとしてゲームが終了する。ここでもゲーム装置200dの指示情報記憶部201には、図8(d)のチャート図に示すように、履歴情報に関連付けて指示情報が記憶されている。ユーザがゲーム装置200dのタッチパネル210に触れた後、ユーザ端末300に履歴情報「5」が記憶されている場合には、すでにC地点(怪物のアジト)を経由して怪物との戦闘に勝利しているので、お姫様から最終メッセージとして指示情報「助けてくれてありがとう」が通知される。これによりゲームが終了する。ここで履歴情報が「5」以外の場合には予め用意されたメッセージが通知される。
【0042】
したがって、第1の実施の形態によれば、フィールドゲームシステム100において、ユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300からユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された次のゲームの進行を指示するための指示情報が伝送され、伝送された指示情報からユーザは次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。これにより、ユーザによる煩雑な操作や複雑な手続きを不要とすることができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、ゲーム装置200およびユーザ端末300に、モニタやスピーカを通じて指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力部203、303を更に備えたことで、ユーザは出力された指示情報を基にして次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0044】
さらに、本実施の形態によれば、指示情報を、複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されるようにしたことで、ゲームの複雑なストーリー展開を可能とし、ユーザは自分の意思に基づいて適当な指示情報を選択して行動することができる。
【0045】
尚、本実施の形態においては、ゲーム装置およびユーザ端末の両方に、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力部を備える構成としたが、これに限られるものではなく、例えば、ゲーム装置とユーザ端末のどちらか一方に、指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力部を備えるような構成としても、ユーザは指示情報出力部により出力された指示情報を基にして次に経由すべきゲーム装置を認識してゲームを進行することができる。
【0046】
[第2の実施の形態]
以下、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係るフィールドゲームシステムの構成は、第1の実施の形態で説明したものと基本的な構成は同様である。以下では、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。
【0047】
第1の実施の形態と異なる点は、図9のブロック図に示すように、ユーザ端末300が、時間情報を管理する時間情報管理部304を更に備え、履歴情報更新部302により時間情報に関連付けて履歴情報を更新する点である。ここで行われるフィールドゲームは、第1の実施の形態で説明したRPGではなく、例えばユーザ端末300を装着したユーザが、予め設定された地点(ゲーム装置:200a〜200d)で得られる指示情報に基づいた経路を通って、できるだけ短時間で全ての地点を経由しゴールを目指すオリエンテーリングとする。
【0048】
図10の説明図に示すように、ここではユーザはスタート地点をスタートし、A地点、B地点、C地点と順番に経由してゴール地点を目指す。スタート地点、A地点、B地点、C地点では、次のゲームの進行を指示するための指示情報が提供される。ここで指示情報は次の地点までの地図情報とする。地図情報はそれぞれの地点に設置されたゲーム装置およびユーザ端末のモニタに表示される。
【0049】
また、同図において括弧内に示した数字は、ユーザが経由した地点(ゲーム装置:200a〜200d)の履歴を示す履歴情報である。各地点においてユーザ端末300を保持したユーザがゲーム装置200のタッチパネル210に触れている間はユーザの身体を介した通信が成立するので、ユーザ端末300から履歴情報が伝送されるとともに、ゲーム装置200から履歴情報に関連付けて記憶された指示情報が伝送される。このときユーザ端末300において履歴情報記憶部301に記憶された履歴情報は履歴情報更新部302により更新される。例えばA地点の到達時においては履歴情報が「1」から「2」へ更新され、B地点の到達時においては履歴情報が「2」から「3」へ更新され、C地点の到達時においては履歴情報が「3」から「4」へ更新される。
【0050】
図11のチャート図に示すように、ユーザ端末300において履歴情報を更新する際に、履歴情報は時間情報を管理する時間情報管理部304により時間情報に関連付けて記憶される。ここでは予めスタート地点における履歴情報「1」に対応してスタート時の時刻「12:00」が記憶されている。A地点に到達して履歴情報が「1」から「2」へ更新された場合にはその時点での時間情報を基に通過時刻「12:30」が記憶される。B地点に到達して履歴情報が「2」から「3」へ更新された場合にはその時点での通過時刻「13:00」が記憶される。同図の例ではユーザはC地点へ向かう途中であるので履歴情報は「3」から「4」へは更新されていない。このようにして、ゲーム終了までの時間を計測するとともに、ゲーム終了までの制限時間を予め設定しておくことが可能となる。
【0051】
図12(a)〜(d)は、ゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。同図に示すように、A地点からC地点に設置されたゲーム装置200a〜200cには、履歴情報に応じて次の指示情報として次の地点までの地図情報が記憶され、ユーザに画像情報が提供される。最終的なゴール地点に設置されたゲーム装置200dには最終メッセージとして指示情報「おめでとうございます、ゴールです」が記憶され、ユーザにゲームの終了が通知される。また各ゲーム装置においてユーザの履歴情報が一致しない場合には予め記憶された「正しくありません」のメッセージがユーザに通知される。
【0052】
したがって、第2の実施の形態によれば、ユーザ端末300において時間情報を管理する時間情報管理部304を更に備え、履歴情報更新部302により、時間情報に関連付けて履歴情報を更新するようにしたことで、各ゲーム装置を経由した時間情報を記憶しておくことができ、第1の実施の形態に係る効果に加えて、ゲーム終了までの時間を計測するとともに、ゲーム終了までの制限時間を予め設定してことが可能となる。
【0053】
また、本実施の形態においては、フィールドゲームシステム100において実行されるゲームは、ユーザ端末300における時間情報管理部304が管理する時間情報を利用して全ての地点を通過してゴールするまでの制限時間を設定したオリエンテーリングとしたが、これに限られるものではなく、時間情報管理部304が管理する時間情報を利用してゴールまでの時間を競う宝探しゲームとしてもよい。このような場合は、指示情報を例えば各地点で獲得した金貨の数とし、ゴールまでに獲得した金貨の総数を競うようにする。
【0054】
なお、上記の各実施の形態においては、フィールドゲームに参加するユーザは一人としたが、これに限られるものではなく、フィールドゲームシステムにおいて複数のユーザID情報を管理して、複数のユーザがゲームに参加できるようにしてもよい。
【0055】
また、上記の各実施の形態においては、ユーザが経由すべきゲーム装置は4台設置したが、これに限られるものではなく、より多くの数のゲーム装置を設置することで、フィールドゲームをより複雑且つ娯楽性の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態に係るフィールドゲームシステムの構成を概略的に示す図である。
【図2】上記フィールドゲームシステムにおけるゲーム装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】上記フィールドゲームシステムにおけるユーザ端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】上記ゲーム装置およびユーザ端末が備えるトランシーバの構成を示すブロック図である。
【図5】上記フィールドゲームシステムにおけるゲームの進行を説明するための概略図である。
【図6】上記ユーザ端末に記憶しておく履歴情報の一例を示すチャート図である。
【図7】A地点およびB地点のゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。
【図8】C地点およびゴール地点のゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。
【図9】第2の実施の形態に係るフィールドゲームシステムにおけるユーザ端末の構成を概略的に示すブロック図である。
【図10】上記フィールドゲームシステムによるゲームの進行を説明するための概略図である。
【図11】上記フィールドゲームシステムにおけるユーザ端末に記憶しておく履歴情報の一例を示すチャート図である。
【図12】上記フィールドゲームシステムにおけるゲーム装置に記憶しておく指示情報の一例を示すチャート図である。
【図13】トランシーバを介してウェアラブルコンピュータを人間に装着して使用する場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
100…フィールドゲームシステム
200…ゲーム装置
200a…ゲーム装置(A地点)
200b…ゲーム装置(B地点)
200c…ゲーム装置(C地点)
200d…ゲーム装置(ゴール地点)
201…指示情報記憶部
202…指示情報抽出部
203…指示情報出力部(モニタ、スピーカ)
210…タッチパネル
300…ユーザ端末
301…履歴情報記憶部
302…履歴情報更新部
303…指示情報出力部(モニタ、スピーカ)
304…時間情報管理部
310…腕バンド
700…ウェアラブルコンピュータ
800…パソコン(PC)
900…トランシーバ
901…誘電体膜
902…送受信電極
903…電界検出部
904…信号処理回路
905…I/O回路
906…送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する第1の電界受信手段と、
前記第1の電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた前記指示情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる第1の電界送信手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して前記指示情報を受信する第2の電界受信手段と、
前記第2の電界受信手段が指示情報を受信した場合に前記履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、
前記履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる第2の電界送信手段と、
を備えることを特徴とするフィールドゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム装置と前記ユーザ端末の少なくとも一方は、前記指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のフィールドゲームシステム。
【請求項3】
前記指示情報は、前記複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィールドゲームシステム。
【請求項4】
前記ユーザ端末は、時間情報を管理する管理手段を更に備え、
前記履歴情報更新手段は、前記時間情報に関連付けて履歴情報を更新することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフィールドゲームシステム。
【請求項5】
電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるゲーム装置であって、
ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する電界受信手段と、
前記電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた前記指示情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
前記指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるユーザ端末であって、
前記履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して前記指示情報を受信する電界受信手段と、
前記電界受信手段が指示情報を受信した場合に前記履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、
前記履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、
を備えることを特徴とするユーザ端末。
【請求項8】
前記指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする請求項7に記載のユーザ端末。
【請求項9】
時間情報を管理する管理手段を更に備え、
前記履歴情報更新手段は、前記時間情報に関連付けて履歴情報を更新することを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載のユーザ端末。
【請求項1】
電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する第1の電界受信手段と、
前記第1の電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた前記指示情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる第1の電界送信手段とを備え、
前記ユーザ端末は、
前記履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して前記指示情報を受信する第2の電界受信手段と、
前記第2の電界受信手段が指示情報を受信した場合に前記履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、
前記履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる第2の電界送信手段と、
を備えることを特徴とするフィールドゲームシステム。
【請求項2】
前記ゲーム装置と前記ユーザ端末の少なくとも一方は、前記指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のフィールドゲームシステム。
【請求項3】
前記指示情報は、前記複数のゲーム装置のうち次に経由すべきものを指示するための複数の選択肢で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィールドゲームシステム。
【請求項4】
前記ユーザ端末は、時間情報を管理する管理手段を更に備え、
前記履歴情報更新手段は、前記時間情報に関連付けて履歴情報を更新することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフィールドゲームシステム。
【請求項5】
電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるゲーム装置であって、
ユーザが経由したゲーム装置の履歴を示す履歴情報に関連付けて次のゲームの進行を指示するための指示情報を予め記憶しておく指示情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して履歴情報を受信する電界受信手段と、
前記電界受信手段が受信した履歴情報に関連付けられた前記指示情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
前記指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
電界伝達媒体としてのユーザの身体を介して相互に電界通信が可能なユーザが経由すべき複数のゲーム装置とユーザにより保持されたユーザ端末とを有するフィールドゲームシステムにおけるユーザ端末であって、
前記履歴情報を記憶しておく履歴情報記憶手段と、
前記ユーザの身体に誘起された電界を検出して前記指示情報を受信する電界受信手段と、
前記電界受信手段が指示情報を受信した場合に前記履歴情報を更新する履歴情報更新手段と、
前記履歴情報更新手段が更新した履歴情報に基づく電界を前記ユーザの身体に誘起させる電界送信手段と、
を備えることを特徴とするユーザ端末。
【請求項8】
前記指示情報をユーザに対して出力する指示情報出力手段を更に備えることを特徴とする請求項7に記載のユーザ端末。
【請求項9】
時間情報を管理する管理手段を更に備え、
前記履歴情報更新手段は、前記時間情報に関連付けて履歴情報を更新することを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載のユーザ端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−80010(P2008−80010A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265947(P2006−265947)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]