説明

フイトンチッド発生装置

【課題】北アルプス・中央アルプス・南アルプスなどの、日本アルプスの山々の樹木を、現地で育成または、原材料として採集して身近に用いて、リフレッシュ効果を、高めることにより、日々に心身を、蘇生させる深い森の馥郁とした香りのする、フィトンチッド発生装置を提供する。
【解決手段】M1及び、M2及び、M3及び、M4及び、M5は、それぞれのドラム・ファン1及び、ドラム・ファン2及び、ドラム・ファン3及び、ドラム・ファン4及び5を、指し示しているものであり、前記のそれぞれのドラムファン、1ないし、2ないし、3ないし、4ないし、5は、それぞれが固定台9の上面に、ないし上面付近に取り付けられているフィトンチッド発生装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フイトンチッド発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本の大気汚染は、1960年代の高度成長期に比べれば、咋・今では著しく改善されたと云えよう。▲1▼ニ酸化硫黄(SO2)や、▲2▼一酸化炭素(CO)等の濃度は現在では、大きく低下したがしかし、▲3▼窒素酸化物や、浮遊微粒子状物質の濃度については、特に都市部に於いては、あまり改善されていないのが、現状である。
【0003】
また、前記の窒素酸化物などは、強い太陽光線で、炭化水素類と反応して、光化学オキシダントを生成する。前記の光化学オキシダントは、強い酸化力を持ち、人間の粘膜や呼吸器に影響を及ぼす。またこれまでの研究結果では、10ミクロン以下のサイズのものが、呼吸により人間の体内に、取り込まれるものとして、重要視されてきたが、最近の調査では、2.5ミクロン以下のものの濃度と、呼吸器系疾患による、死亡率の上昇との、相関の高いことが解かってきている。
【0004】
また、ダイオキシン類は、欧米の10倍の濃度で、日本の大気中に微粒子として存在していると、云われて久しく、その内の80%は、私たちが出すゴミを焼く焼却炉から、今日も日常的に発生していると、指摘されている。現在このダイオキシン類を減らすために、燃焼温度を800℃以上に保ち、また排気ガスの温度を、200℃以下にしての、焼却に務めているのが現状である。
【0005】
1967年に、公害対策基本法が施行されて、翌年の1968年には、大気汚染防止法が制定され、下記の5項目から成る大気の、環境基準等が制定された。▲1▼二酸化硫黄(SO2)▲2▼一酸化炭素(CO)、▲3▼浮遊粒子状物質、▲4▼二酸化窒素(NO2)、▲5▼光化学オキシダント(03)等である。
【0006】
1968年当時の名古屋近郊の四日市工業地帯、および東京の横浜や川崎市近郊の工業地帯では、工場などからの排気ガス汚染がともにひどく、当時『喘息』患者などが多く出た。
また排気ガス中の『硫黄酸化物や、窒素酸化物や、浮遊粒子状物質の汚染内に』日常的に、長期間に渡り身を置いたために、『都会病とも云われる抗原病』を、発症した人も多く出た。
【0007】
前記の抗原病の定義(条件1)、脊椎動物(人間の)、体内に入って、それ自身が反応性を持ち、体内で抗体やリンパ球を作って、前記のその個体に免疫を成立させるが、条件によってはそれに特異な、非反応性の状態を成立させる能力や、またはその潜在力を持つ物質をいう。
【0008】
抗原病の定義(条件2)、できた抗体またはリンパ球と、生体の内外で特異的に反応する能力を持つ物質で、前記の物質が持つ性質は、抗原性と呼ばれ、抗原性が高い場合と、低い場合がある。また前記の抗原は、機能面・純度・特異性などから、約20種類程度に分類されている。
【0009】
【特許文献1】特開2001−4186
【非特許文献1】圧電セラミックスの応用(学献社)P184…
【発明の表示】

【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の状況を鑑み、本発明に於いては、前記等の病気の予後に於いて、本発明に依って成る新規の、「フイトンチッド」発生装置を用いることにより、病気の予後の回復をクナイプ療法(水治療法や森林浴・自然≒病後の予後を自然内で過ごすことで、本格的な健康を取り戻す)等とほぼ同様に、自宅やその自宅のある、同一の地域内に居ながらにして、健康の回復を可能にすることを、主な目的とするものである。
【0011】
前記したように、クナイプ療法はドイツに於いて、確立されたもので、大病をわずらった治療後の予後には、実社会への即の復帰には無理があるので、自然の環境下で『▲1▼大気と▲2▼安静と▲3▼栄養との』三つの原則を守った、大自然の中の例えば森林浴などで、一定期間をすごして、本格的な健康と体力を取り戻した後の、社会復帰が、再発しないためにも涵養である。
【0012】
本発明は、人口が集中する我が国の都会部、例えば東京や、大阪や、名古屋などの大都市に於ける、どちらかと言えば大自然の環境が劣悪なるなかに於いて、大病をわずらったあとの、治療後の予後に於いて、スム−ズに体力をつけて、本格的な健康を、早く取り戻すために、本発明に依って成る「フイトンチッド発生装置」が、必要不可欠と相成り、よって本論により、発明されるに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記の目的を達成するために、深い森林の植物から、空気中に発散される「モノテルペン」等に、着目したものである。前記のモノテルペンの空気中に発散される量は、1億分の1程度の微量であるが、森の中に馥郁とした香りをもたらす。この香りは、テルペン系の物質を中心としたもので、前記のテルペン系物質は、不飽和炭化水素の1つの群れに成っている。
【0014】
前記の、これらテルペンは、植物の花や葉、あるいは枝や幹から得られる製油の中に、たくさん含まれる。また森の中に生育する植物からは、主としてモノテルペンが、空気中に発散されていて、空気中の量は前記したように、1億分の1から10億分の1程度の微量であるが、連続性があり微生物には、植物が出す殺菌物質として作用する。
【0015】
後述のトーキン教授は、植物が傷つくと、その周囲の環境にある他の、生物を殺す何かの物質を出すと言う「フイトンチッド」の存在を突き止めた。例えばとど松や、磯つつじの葉を傷つけると、そこから発散されるフイトンチッドは、ブドウ球菌、ジフテリア、百日咳、などの菌に対して破壊的な作用を及ぼすことなどを、1980年代に初めて見い出した。
【発明の効果】
【0016】
本発明に依って成る、フィトンチッド発生装置の構成の1例を、第1図に示した。「本フィトンチッド発生装置」は、乾式方式によるものである。
【0017】
大きな殺菌力を示す、▲1▼ヒマラヤ杉の葉や、▲2▼銀杏または、▲3▼くぬぎ等の葉あるいは、中程度の殺筋力を示す、▲a▼あらかしや、▲b▼サカキ、▲c▼藪つばきなど、または比較的小さな殺菌力の、(1)楠木や、(2)杉および、(3)ゆずりは等の、取り立ての実物あるいは実物を傷つけたもの、あるいは裁ち鋏みなどで、適当な大きさに裁断して、前記したフィトンチッド発生装置の網棚の上に、空気が吹き通る程度の密度に並べ置くて良い。
【0018】
また、前記の網棚の下部には4方向へ、風を吹き出すファン1及び、ファン2及び、ファン3およびファン4が、それぞれ90度のファン角度を有して、各々取り付けられている。また下部の底板部の中央部は丸型に切り抜かれており、ファン1及び、ファン2及び、ファン3及び、ファン4とほぼ同様の、円形のファン5が、風向が上方に吹き上がり、作用するよう設置されている。
【0019】
前述のファン1ないしファン4では、電気的な回転位相角を互いに、0°、90°、180°、270°と、各々の電気的位相角を90°ずつ進めて、回転するように設置されている。前記等によるこれらの効果で、上方への比較的静かで、強性な旋回流による吹き上げ風力を得ることに、成功したものである。
【0020】
前記による、比較的に静かな風きり音を実現した、フィトンチッド発生装置を、室内の適当な場所に設置して、ドライブを開始すると、室内の全体にゆるやかに、馥郁とした香りが立ち込めだして、天井へと上昇した前記の気流は、天井に添って、ついで部屋の四辺のそれぞれ、壁や窓に添って、床方向へ下降する効果で、室内には満遍なく、馥郁とした香りが立ち込めて、前記した都会の只中の部屋に於いて、フイトンチッドが行き渡ると言う効果を、本発明に於いて、初めて実現することができたものである。
【0021】
また、湿式方式として、適量の水に、▲1▼森の中で採集してきた植物の葉や軸を浮かべて、あるいは、▲2▼カッタ−ナイフ等で、適当な大きさに裁断したものを水中に投入して、若しくは良く磨り潰した植物を、超音波加湿器等の水中に於ける無数の、負圧のキャビテイション原理を応用して加湿すると、前記の負圧キャビテイションにより、比較的に濃度の濃いフィトンチッドを、得ることができることを見い出した。このことにより、その日その日の体調に応じた、フィトンチッド濃度を、電気入力に応じて、得ることが可能と成るなど、本発明の効果には、計り知れないものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
前項などに於いてその概要を述べたように、第1図に基づいてさらに詳しく説明すると、図に於いては、M1及び、M2及び、M3及び、M4及び、M5は、それぞれのドラム・ファン1及び、ドラム・ファン2及び、ドラム・ファン3及び、ドラム・ファン4及び5を、指し示しているものであり、前記のそれぞれのドラムファン、1ないし、2ないし、3ないし、4ないし、5は、それぞれが固定台9の上面に、ないし上面付近に取り付けられているものである。
【0023】
また同様に、中心部には前記したドラムファンの5が、取り付けられているものである。前記の、それぞれのドラムファン総数5個は、モ−タ1及び、モ−タ2及び、モ−タ3及び、モ−タ4及びモ−タ5(図示せず)の、各それぞれの回転軸を介して中空状に、浮かぶように固定されていることは、云うまでもない。
【0024】
また前記の、それぞれのモ−タ1及び、モ−タ2及び、モ−タ3及び、モ−タ4及び、モ−タ5は、固定台9の適所に、それぞれが供に、固定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態を示す、フイトンチッド発生装置の正面図
【符号の説明】
【0026】
1、2、3、4、 モ−タ
M1、M2、M3、M4、M5、 ドラムファン
9 固定台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
深い森林に、生育する植物などから、空気中に発散されるテルペン系物質を、ファン等の空調機器を用いて、室内に拡散、若しくは収納させたことを特徴とする、フィトンチッド発生装置。
【請求項2】
湿式方式として適量の水に、森の中で採取してきた、植物の葉や軸を浮かべて、若しくは裁断あるいは、磨り潰した植物を水中に投入して、超音波加湿したことを特徴とする、フィトンチッド発生装置。

【図1】
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【公開番号】特開2009−189765(P2009−189765A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64914(P2008−64914)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(593130382)
【Fターム(参考)】