説明

フェイス面の払拭方法

【課題】スループットを損なわず、また払拭時の記録ヘッドへの振動や衝撃が抑えられた、フェイス面の払拭方法を提供する。
【解決手段】記録動作中に、払拭部材を、記録ヘッドのフェイス面とは当接しない後退位置からフェイス面と当接可能な第1の前進位置に移動させてから、記録ヘッドを払拭部材と対向する位置に到達させて、払拭部材と記録ヘッドとを当接させる。そして、フェイス面と払拭部材との相対移動によってフェイス面を払拭する第1の払拭動作を行う。記録動作の終了後、第1の払拭動作と第2の払拭動作のいずれかを選択して、選択した払拭動作を行う。第2の払拭動作では、記録ヘッドを払拭部材と対向する位置に到達させた後、払拭部材を、フェイス面とは当接しない後退位置からフェイス面と当接可能な第2の前進位置に移動させて、払拭部材と記録ヘッドとを当接させる。そして、フェイス面と払拭部材との相対移動によってフェイス面を払拭する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ヘッドのフェイス面の払拭方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置の1つとして、インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドが設けられたインクジェット記録装置がある。このインクジェット記録装置においては、吐出口からインクを吐出する際に記録媒体に付着するインク滴とは別に、不要な細かい霧状のインクミストが発生してしまうことがある。この霧状のインクミストが、記録へッドの、吐出口が形成された面(以下「フェイス面」と称する)に付着して、吐出口からの正常なインク吐出を妨害することが知られている。
【0003】
反応性を持つインク同士を使用したり、反応液とインクとを併用して使用したりして記録画像を形成するインクジェット記録装置を使用する場合がある。さらには、紫外線、マイクロ波、または熱などを用いて記録媒体に付着させたインクを固化させ、記録画像の堅牢性を向上させる場合がある。このような場合、フェイス面に付着したインクミストがフェイス面に固着してしまうため、フェイス面に付着したインクミストの除去がさらに困難となることが知られている。そのため、インクミストがフェイス面に固着する前に、フェイス面に付着したインクミストを除去するようにしている。
【0004】
一般的に、インクジェット記録装置には、フェイス面に付着したインクミストを拭き取るための払拭部材としてワイパが装備され、フェイス面に付着したインクミストを拭き取る動作(払拭動作)が行われる(例えば特許文献1)。具体的には、記録ヘッドが記録媒体と対向する記録領域から記録領域外の待機位置に移動するときに、ワイパが、記録領域外であって、記録ヘッドのフェイス面の移動軌跡上に、フェイス面と対向するように位置している。記録ヘッドが移動すると、フェイス面とワイパが当接し、フェイス面に付着したインクミストがワイパにより払拭される。払拭動作が不要なときは、ワイパがフェイス面の移動軌跡上に位置しない待機場所に位置している。このような構成であれば、記録動作中にもスループットを低下させることなく、フェイス面に付着したインクミストを払拭することが可能となる。
【0005】
また、フェイス面に付着したインクミストを拭き取ったときに、フェイス面にインク残渣が生じる場合がある。このインク残渣が固化しやすい場合には、ワイパではなく、ポリエステルの織布等からなる、シート状の払拭部材を用いることが、例えば特許文献2に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−157090号公報
【特許文献2】特開2008−126196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
払拭動作を実施する際に、フェイス面のインクミストのインク成分が蒸発してインクミストが固まってしまい、払拭動作のみではフェイス面に付着したインクミストを拭き取りにくくなっている場合がある。例えば、インクがイソプロピルアルコール(IPA)などの低分子アルコール、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、などの揮発しやすい低沸点の溶媒を含んでいる場合、この現象が顕著である。他にも、インクが顔料を分散させるためのポリマーを多く含む場合、さらには、インクの顔料の分散性が弱いためにインクの凝集が生じやすい場合、などでもこの現象が顕著である。このようなインク成分が蒸発しやすいインクでは、インクの使用を開始した時点でのインクの粘度は、一般的なインクと大きな差がなく、払拭動作時の払拭性についても問題がない場合が多い。しかしながら、インク成分が蒸発しやすいインクでは、インク成分が蒸発すると、インクの粘度が一般的なインクよりも上昇する傾向が強く、一般的なインクと比較して、払拭動作によるフェイス面に付着したインクミストの除去が困難になる。
【0008】
そこで、より強力にフェイス面を払拭するためには、払拭部材の先端を、記録ヘッドのフェイス面の移動軌跡上よりもさらに記録ヘッド方向に進入するようにすることで、フェイス面と払拭部材とが当接するときに、互いに強く擦れ合うようにする。しかしながらこの場合、以下の問題点が発生する。
【0009】
特許文献1は、記録ヘッドが記録領域から非記録領域に移動することで、フェイス面が払拭部材で拭き取られる構成である。そのため、記録ヘッドと払拭部材との当接時の、記録ヘッドに対する振動や衝撃がより大きくなり、記録ヘッドがダメージを負う恐れがある。また、記録ヘッドの振動が大きくなると、記録ヘッド内のインクも振動することによって正常なインク吐出ができなくなる恐れもある。また、当接時の衝撃で、記録ヘッドのフェイス面に付着していたインクミストの滴が払拭部材に拭きとられる前に所望外の領域に落下し、記録装置本体を汚す可能性もある。
【0010】
また、特許文献2の場合、記録ヘッドが払拭部材と対向する位置に移動した後、フェイス面とは間隔を置いて位置していた払拭部材を、フェイス面と当接する位置にまで移動させて払拭動作が行われる。つまり、吐出口から記録媒体へインク吐出を行っているとき、すなわち記録動作中に、払拭部材をフェイス面に向けて移動させるのではない。このため、払拭動作に時間を要し、スループットを低下させる恐れがある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、スループットを損なわず、また払拭時の記録ヘッドへの振動や衝撃が抑えられた、フェイス面の払拭方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
インクジェット記録装置には、インクを吐出する吐出口が設けられたフェイス面を有する記録ヘッドと、フェイス面と対向する側に位置し、フェイス面と当接可能な前進位置と、フェイス面と当接しない後退位置との間を移動可能な払拭部材とが設けられている。
【0013】
このインクジェット記録装置では、記録動作中に、払拭部材を後退位置から第1の前進位置に移動させてから、記録ヘッドを払拭部材と対向する位置に到達させて、払拭部材と記録ヘッドとを当接させる。そして、フェイス面と払拭部材との相対移動によってフェイス面を払拭する第1の払拭動作を行う。
【0014】
さらに、記録動作の終了後、第1の払拭動作と第2の払拭動作のいずれかを選択して、選択した払拭動作を実行する。第2の払拭動作では、記録ヘッドを払拭部材と対向する位置に到達させてから、払拭部材を後退位置から第2の前進位置に移動させて、払拭部材と記録ヘッドとを当接させて、フェイス面と払拭部材との相対移動によってフェイス面を払拭する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、スループットを損なわず、また払拭時の記録ヘッドへの振動や衝撃を抑えながら、記録ヘッドのフェイス面のインクミストを払拭することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の要部の概略断面図である。
【図2】記録装置の制御系について示したブロック図である。
【図3】払拭装置および第1の払拭動作を説明する概略図である。
【図4】第2の払拭動作を説明する概略図である。
【図5】記録装置の制御手順の第1の実施例を説明する図であり、記録処理中のシーケンス図である。
【図6】記録装置の制御手順の第1の実施例を説明する図であり、記録終了後のシーケンス図である。
【図7】記録装置の制御手順の第2の実施例を説明する図であり、記録終了後のシーケンス図である。
【図8】第1の払拭動作および第2の払拭動作の要否判定の判定表である。
【図9】記録装置の制御手順の第3の実施例を説明する図であり、クリーニング時のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
【0018】
本発明のインクジェット記録装置は、供給部と記録部と排紙部とを有する。供給部から記録媒体が供給され、記録媒体の搬送経路で下流側にある記録部に搬送され、この記録部で記録媒体への記録が行われ、そして、記録後の記録媒体が、さらに下流側にある排紙部に搬送される。
【0019】
図1に、本発明に係るインクジェット記録装置の一実施形態の要部の概略断面図を示す。記録ヘッド1には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクをそれぞれ吐出する複数の吐出口2〜5が設けられている。この吐出口2〜5が設けられた面7を、「フェイス面7」と称する。なお、インクはこの4色に限定されるものではない。記録ヘッド1に設けられたこれらの吐出口2〜5は、プラテン12に支持される記録媒体6と対向する位置に配置されている。また、記録ヘッド1の、吐出口2〜5が設けられている位置の内部には、電気熱変換体が備えられている。この電気熱変換体へ駆動信号に基づいた電気信号を印加することによって、インクに気泡を発生させ、その気泡の圧力によって、インクを吐出口2〜5から吐出させる。なお、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクは、不図示のインクタンクから供給される。
【0020】
記録ヘッド1のフェイス面7と対向する位置を、プラテン12に支持されながら記録媒体(以降、「プリント用紙」と称する)6が不図示の搬送ローラによって搬送される。
【0021】
記録ヘッド1は、ガイドシャフト10にガイドされて、不図示のキャリッジモータの回転によって記録媒体6の幅方向、つまり、図1ではX方向に往復走査されるキャリッジ11に搭載されている。キャリッジ11は、不図示の搬送モータの間欠的な回転に伴って、プラテン12上を間欠的に搬送されるプリント用紙6の搬送停止中に、X方向に往復走査される。その往復走査中に、記録ヘッド1の吐出口2〜5から、各色のインクがプリント用紙6に向かって吐出され、プリント用紙6に付着することで、画像等の記録が行われる。プリント用紙6の間欠的な搬送とキャリッジ11の往復走査中の各吐出口2〜5からのインク吐出を、1枚のプリント用紙6の分だけ繰り返すことで、1枚のプリント用紙6への画像の記録は終了する。なお、記録ヘッド1はプリント用紙6、後述する払拭装置20、そして後述するキャップ13と対向する位置を移動可能である。
【0022】
吐出口2〜5からの、インク中の溶媒の蒸発を抑制したり、インクの吐出性能を維持するための回復処理をしたりするため、プラテン12の側方の、フェイス面7と対向する位置に、キャップ13が設けられている。キャップ13の内部にはインク吸収体14が設けられている。キャップ13は、記録ヘッド1と当接可能な当接位置と、記録ヘッド1から離間した離間位置とを、周知の手段によって、図1中のZ方向に往復移動可能である。
【0023】
非記録時には、吐出口2〜5がキャップ13で覆われる。また、回復処理には吸引や予備吐出がある。吸引では、吐出口2〜5をキャップ13でキャッピングした状態で、ポンプ15でキャップ13内に負圧を発生させ、記録に寄与しないインクを吸引し、吸引されたインクはチューブ16を介して不図示の廃インク吸収部に搬送される。予備吐出は、吐出口2〜5から、キャップ13内にインクを吐出させる。キャップ13内に排出されたインクはポンプ15で吸引され、チューブ16を介して廃インク吸収部に搬送される。
【0024】
また、記録ヘッド1のフェイス面7と対向する位置であり、キャップ13とプラテン12との間に、フェイス面7に付着したインクミストやインク残渣等の異物を除去するためにフェイス面7を払拭する、払拭装置20が設けられている。払拭装置20は、不図示の移動機構によって、記録ヘッド1と当接可能な前進位置と、記録ヘッド1とは間隔を有した位置である後退位置との間をZ方向に往復移動する。なお、払拭装置20の詳細については後述する。
【0025】
なお、プラテン12、キャップ13、および払拭装置20の並び順は、適宜変更して構わない。
【0026】
次に、このように構成されたインクジェット記録装置の制御系について、図2に示したブロック図を参照しながら説明する。
【0027】
ホストコンピュータ25が、例えばUSB(Universal Serial Bus)インターフェイス等によってインクジェット記録装置と接続されている。また、ホストコンピュータ25内には、プリンタドライバ26がソフトウェアとして記憶されている。プリンタドライバ26は、ユーザによるプリント指令に応じて、ユーザの所望の文書や写真等の画像データからプリントデータを生成し、プリントデータをインクジェット記録装置へと送信する。
【0028】
ホストコンピュータ25からインクジェット記録装置へと送信されたプリントデータは、受信バッファ27に保持される。受信バッファ27に保持されたプリントデータは、制御部であるCPU(Central Processing Unit)28の管理下で、RAM(Random Access Memory)29に転送されて、一次的に記憶される。インクジェット記録装置の各種制御に必要なプログラムや固定データ等はROM(Read Only Memory)30に記憶される。また、不揮発性メモリNVRAM(Non Volatile Random Access Memory)31によって、インクジェット記録装置の電源が切断されるときにも記憶しておくべき情報が保存される。
【0029】
さらに、キャリッジモータや搬送モータ等の各種モータ32は、CPU28からの指示に基づいたモータドライバ33の指示により駆動される。各種モータ32には、後述する払拭装置20における払拭部材42の巻取りモータや払拭支持部材46の駆動モータも含まれる。記録ヘッド1は、ヘッドドライバ34の指示により駆動される。また、各種センサ/スイッチ35はセンサ/スイッチコントローラ36によって制御される。
【0030】
次に、本実施形態の払拭装置20と払拭装置20による払拭動作について詳細に説明する。
【0031】
図3は、払拭装置20および第1の払拭動作を説明する概略図である。払拭装置20は、記録装置本体に対して着脱可能な払拭ユニットであるカセット41と、記録装置本体に取り付けられた、ゴムなどの弾性体からなる払拭支持部材46とを有している。カセット41は、2つの平面を有しており、その2つの平面の側部を側壁で囲んだ箱状をしている。カセット41の2つの平面のうち、一方の平面には、カセット41を記録装置本体に取り付けたときに、記録装置本体に取り付けられた払拭支持部材46がカセット41の内部に挿入可能なように不図示の挿入口が設けられている。さらに、一方の平面には、供給ローラ43と巻取りローラ45とが設けられている。
【0032】
どちらのローラ43、45も、記録装置に設けられた不図示の供給モータと巻取りモータとにそれぞれ嵌合いしている。また、他方の平面は、内部を覆っていても、開放していても構わない。カセット41の側壁のうち、記録ヘッド1と対向する面(図3では上面)に開口部44が設けられている。カセット41の内部には、記録ヘッド1のフェイス面7に付着したインクミストを払拭可能な連続した織布からなるシート状の払拭部材42が設けられている。そして、払拭部材42の一方の端部は供給ローラ43に係止され、ロール状に巻かれており、他方の端部は巻取りローラ45に係止されている。払拭部材42は供給ローラ43から巻取りローラ45に巻取られていく。なお、本実施形態の構成では、払拭部材42は元々払拭液を含浸した形で供給されている。
【0033】
払拭部材42の供給ローラ43から巻取りローラ45に向かう方向にみて、払拭支持部材46の上流側と下流側であり、開口部44と略同一平面状にガイドローラ47が設けられている。払拭部材42の、供給ローラ43と巻取りローラ45の間の部分は、ガイドローラ47の外側、つまり、払拭部材42が開口部44から露出するように、ガイドローラ47に支持されている。
【0034】
カセット41が記録装置本体に取り付けられた状態では、開口部44と対向する位置であり、カセット41の内側には、払拭支持部材46が位置する。払拭支持部材46は、不図示の移動機構によって開口部44方向に移動可能である。
【0035】
払拭支持部材46が払拭部材42とは間隔を有する位置から開口部44方向(図1のZ方向)に移動すると、フェイス面7とは当接しない後退位置に位置していた払拭部材42が、払拭支持部材46によって押し上げられる。そして、払拭部材42は、フェイス面7と当接可能な前進位置まで移動させられて、記録ヘッド1のフェイス面7と払拭部材42との相対移動によって、払拭動作が行われる。
【0036】
次に、図3を用いて、第1の払拭動作について説明する。
【0037】
払拭支持部材46は払拭部材42と間隔を有し、払拭部材42も後退位置に位置している(図3(a)参照)。
【0038】
記録ヘッド1のフェイス面7を払拭するときは、図3(b)に示すように、払拭支持部材46が開口部44方向(図1のZ方向)に移動して払拭部材42を押し上げる。そして、払拭支持部材46は、払拭部材42と記録ヘッド1のフェイス面7とが当接可能な前進位置まで払拭部材42を移動させる。なお、第1の払拭動作における前進位置を、「第1の前進位置」とする。
【0039】
払拭支持部材46が開口部44方向に移動を開始するときには、記録ヘッド1は、非当接位置に退避している。非当接位置とは、記録ヘッド1の走査領域において、払拭部材42が第1の前進位置に位置したとき、記録ヘッド1が払拭部材42と当接しない領域であり、例えば、プリント用紙6(プリント用紙6がないときはプラテン12)やキャプ13と対向する位置である。
【0040】
図3(c)に示すように、払拭支持部材46により払拭部材42が第1の前進位置に位置した状態で記録ヘッド1が移動し、払拭部材42と対向する位置に到達すると、記録ヘッド1のフェイス面7と払拭部材42とが当接する。そして、記録ヘッド1が移動することで、フェイス面7が払拭部材42で払拭され、フェイス面7のインクミストが除去され、払拭動作が完了する。ここで、記録ヘッド1の移動とは、上述のキャリッジ11の移動と同義であり、以下では記録ヘッド1に注目した記述であるため、記録ヘッド1の移動と称す。
【0041】
本実施例では、払拭部材42の第1の前進位置は、記録ヘッド1のフェイス面7の移動軌跡位置よりもさらに0.5mmだけ記録ヘッド1方向に移動した位置に設定される。なお、フェイス面7の移動軌跡位置と、フェイス面7の移動軌跡位置よりもさらに記録ヘッド1方向に進入した前進位置との間隔を、以降「払拭部材42の進入量」とする。
【0042】
本実施例では、払拭支持部材46として、ゴムなどの弾性体を用いることで、フェイス面7の払拭時に払拭支持部材46が変形し、弾性力として、払拭部材42を介して記録ヘッド1のフェイス面7に所定の圧力がかかる構成となっている。所定の圧力が払拭力として記録ヘッド1のフェイス面7に加えられた状態で記録ヘッド1が移動することによって、フェイス面7の払拭が可能となる。本実施例では払拭支持部材46の弾性力が、フェイス面7への払拭力となっているが、本実施例はこれに限られるものではない。例えば、払拭支持部材46に、払拭時において払拭部材42の進入量以上の変形が可能となる厚みを持たせることで、払拭力を確保することも可能である。
【0043】
記録ヘッド1のフェイス面7の払拭が終了した後、図3(d)に示すように、払拭支持部材46が払拭部材42と間隔を有する位置に移動するとともに、払拭部材42は後退位置まで移動する。そして、巻取りローラ45によって払拭部材42が所定量巻き取られる。そのため、次回の払拭動作時には、払拭部材42の未使用部位が記録ヘッド1と当接することが可能となる。
【0044】
図4は、第2の払拭動作を説明する概略図である。なお、払拭装置20の構成は同様であるため、説明を省略する。
【0045】
払拭支持部材46は払拭部材42と間隔を有し、払拭部材42も後退位置に位置している(図4(a)参照)。記録ヘッド1のフェイス面7を払拭するときは、図4(b)に示すように、払拭部材42が記録ヘッド1のフェイス面7の移動軌跡位置とは間隔を有する後退位置に位置している状態で、記録ヘッド1が払拭支持部材46と対向する位置まで移動する。次に図4(c)に示すように、払拭支持部材46が記録ヘッド1方向へ移動して、払拭部材42をフェイス面7と当接可能な前進位置(以降「第2の前進位置」と称する)まで移動させ、払拭部材42と記録ヘッド1のフェイス面7とを当接させる。なお、本実施例では進入量は第1の払拭動作に比べて大きく、1mmとなる様に設定されている。
【0046】
次に、図4(d)に示すように、払拭部材42と記録ヘッド1のフェイス面7とが当接した状態で記録ヘッド1が移動することで、記録ヘッド1のフェイス面7の払拭動作が行われる。所望の距離を記録ヘッド1が移動した後、記録ヘッド1のフェイス面7の払拭動作が終了する。
【0047】
記録ヘッド1のフェイス面7の払拭が終了した後、図4(e)に示すように、払拭支持部材46が払拭部材42と間隔を有する位置に移動するとともに、払拭部材42は後退位置まで移動する。そして、巻取りローラ45によって払拭部材42が所定量巻き取られる。
【0048】
なお、上述したように、第2の払拭動作は、第1の払拭動作よりも進入量が大きくなっている。すなわち、払拭支持部材46から払拭部材42を介して記録ヘッド1のフェイス面7に加えられる圧力が、第1の払拭動作に比べて大きくなっており、フェイス面7に加わる払拭力が、第1の払拭動作と比較して大きくなっている。そのため、第1の払拭動作よりも強力にフェイス面を払拭することが可能となる。
【0049】
第1の払拭動作で設定された進入量では記録ヘッド1と払拭部材42との当接時の衝撃の影響は小さく、払拭部材42が第1の前進位置に位置した状態で記録ヘッド1が非当接位置から移動して、フェイス面7の払拭動作を行うことが可能だった。しかしながら、仮に、払拭部材42が、進入量の大きい第2の前進位置に位置した状態で、記録ヘッド1を非当接位置から移動させると、記録ヘッド1と払拭部材42とが当接したときの衝撃力が大きい。そのため、進入量が大きい第2の払拭動作では、記録ヘッド1を払拭支持部材46と対向する位置に移動させた状態で、払拭部材42を第2の前進位置に移動させることで、記録ヘッド1と払拭部材42との接触時の衝撃や振動を抑えることができる。
【0050】
なお、第1の払拭動作は、上述したように、記録ヘッド1が非当接位置に退避した状態で払拭部材42を第1の前進位置に移動させている。つまり、記録動作中に払拭部材42を第1の前進位置に移動させることが可能である。一方、第2の払拭動作では、記録動作中に払拭部材42を第2の前進位置に移動させることができない。そのため、第1の払拭動作は第2の払拭動作に対してフェイス面7の払拭に要する時間が短く、スループットの低下を防ぐことが可能である。そのため、第1の払拭動作を記録動作中の1スキャンごとに実行したり、数スキャン記録動作を行った後に実行したりすることもできる。また第2の払拭動作は、記録動作におけるスループットの低下の影響の少ない、記録動作終了後などに好適に用いられる。
【0051】
[実施例1]
次に、図5および図6を用いて、記録装置の制御手順の第1の実施例を説明する。図5は記録処理シーケンスを示す。ホストコンピュータ25から記録装置に記録開始コマンドが入力される(S51)。記録装置の休止状態では、上述のように、記録ヘッド1のフェイス面7にはキャップ13によってキャッピングが施されているため、キャップ13を開放して記録ヘッド1を走査可能な状態にする。例えば、センサによって、フェイス面7がキャップ13で覆われているキャップ状態にあるか否かを検出して判定を行う(S52)。キャップ状態であればキャップを下降させてフェイス面7が開放されたキャップオープン状態とする(S53)。
【0052】
次に、記録に先立ち、非記録状態が続いたことによる吐出口2〜5の乾燥解消のための予備吐出を行う(S54)。予備吐出に関しては既知の方法で、例えば非記録状態が続いた時間に応じて予備吐出量を変えても良い。次に、プリント用紙6の送給を行い、プリント用紙6を記録開始位置に搬送する(S55)。また、受信バッファ27に1スキャン分のデータが蓄積されたか否かを判定し(S56)、肯定判定であれば、キャリッジモータによりキャリッジ11を1スキャンさせ、当該蓄積データについての記録動作を実行する(S57)。
【0053】
次に、払拭動作の要否判定を行う(S58)。本実施例では、記憶手段(RAM29)によって記憶された記録履歴、例えば、前回の払拭動作からの吐出口2〜5当りのインクの吐出回数が500パルスを超えているか否かで払拭動作の要否判定を行った(図8参照)。払拭動作の要否判定(S58)で肯定判定、すなわち払拭動作が必要だと判定されれば、払拭動作が選択される(S59)。ちなみに、本シーケンスは記録動作中であるため、スループットの低下の影響が少ない、すなわち、第1の払拭動作が選択される。そして、第1の払拭動作が実行される(S60)。なお、本実施例では1スキャン毎に払拭動作の判定を行うシーケンスについて説明したが、例えば数スキャン毎に実施しても良い。また、払拭動作の要否判定(S58)では、前回の払拭動作からのインク吐出回数を用いた。しかしながら、単位時間当りの吐出回数、タイマ、雰囲気温湿度環境、あるいは、記録ヘッド1のフェイス面7に付着するインクミストの量やインク固着に影響を与えるパラメータによって所定のタイミングを設定して払拭動作を実行することも可能である。
【0054】
払拭動作後、所定の位置にて予備吐出を実行する。さらに、1枚分のプリント用紙6の記録データの終了や排紙コマンド等に伴うプリント用紙6の排出(排紙)を行うか否かを判定し(S61)、肯定判定であればプリント用紙6の排紙を行って(S62)、本手順を終了する。もし否定判定された場合は、受信バッファ27に1スキャン分のデータが蓄積されたか否かを判定するステップ(S56)に戻ることとなる。
【0055】
一方、払拭動作の要否判定を行うステップ(S58)において、否定判定、すなわち払拭動作が不要だと判断されれば、プリント用紙6の排出(排紙)を行うか否かを判定するステップ(S61)に進む。その後は、上述と同様なので説明を省略する。
【0056】
図6は記録終了後に実行されるシーケンスを示す。図5に示したような1枚分のプリント用紙6の記録シーケンス(S71)が終了すると、払拭動作を実施するか否かを払拭動作フラグの内容により判定する(S72)。肯定判定されれば、本シーケンスは、記録動作中ではないため、スループットの低下の影響は小さいと判断し、より払拭能力を高めるため、第2の払拭動作が選択される(S73)。そして、第2の払拭動作が行なわれる(S74)。また、この際、払拭動作フラグのリセットを行う。
【0057】
払拭動作フラグの内容としては、各色のドットカウント、単位時間当りの吐出回数、タイマ、雰囲気温湿度環境、あるいは、記録ヘッド1のフェイス面7に付着するインクミストの量やインク固着に影響を与えるパラメータなどである。例えば、記憶手段(RAM29)にて記憶された、前回の払拭動作からのインク吐出回数が、10000パルスを超えていた場合、あるいは、記録動作開始からの経過時間が3分を超えていた場合などである(図8参照)。
【0058】
次に2枚目の記録データがあるか否かを判定し(S75)、肯定判定の場合には2枚目の記録データについての記録シーケンスを、1枚目と同様に実施する(S71)。一方、否定判定であれば、キャッピングを施して(S76)、本手順を終了する。なお、払拭動作を実施するか否か判定するステップ(S72)で払拭動作が不要と判定された場合は、2枚目の記録データがあるか否かを判定するステップ(S75)へと進み、2枚目の記録データ有無判定を行う。
【0059】
[実施例2]
本実施例と第1の実施例とでは、記録終了後に実行されるシーケンスが異なる。本実施例のシーケンスを図7に示す。第2の実施例において、1枚分のプリント用紙6の記録シーケンス(S81)が終了すると、払拭動作を実施するか否かを判定する(S82)。この2つのステップ(S81、S82)は、上述のステップ(S71、S72)と同様である。
【0060】
第1の実施例では、記録終了後に実行されるシーケンスにおいて、非記録動作中なので第2の払拭動作の要否判定のみを行った。本実施形態におけるシーケンスでは、払拭動作の要否判定および、第1の払拭動作と第2の払拭動作のどちらを行うのかの払拭動作の種類判定の2つの判定を行う。まず、第2の払拭動作の要否判定がなされる(S82)。つまり、フェイス面7を強力に払拭する必要があるか否かが判定される。
【0061】
図8は、第2の払拭動作の要否判定(S82)および第1の払拭動作の要否判定(S83)における判定表を示している。本実施例では、記憶手段(RAM29)にて記憶された記録履歴、例えば、前回の払拭動作からのインク吐出回数が、10000パルスを超えていた場合、あるいは、記録動作開始からの経過時間が3分を超えていた場合、第2の払拭動作が必要と判断している。第2の払拭動作の要否判定のステップ(S82)で肯定判断されれば、第2の払拭動作が選択される(S84)。そして、第2の払拭動作が実行される(S86)。その後のシーケンスについては第1の実施例と同様なので説明を省略する。次に2枚目の記録データがあるか否かを判定し(S88)、肯定判定の場合には2枚目の記録データについての記録シーケンスを、1枚目と同様に実施する(S81)。一方、否定判定であれば、フェイス面7にキャッピングを施して(S89)、本手順を終了する。
【0062】
第2の払拭動作の要否判定のステップ(S82)にて否定判定されたとき、第1の払拭動作の要否判定がなされる(S83)。具体的には、図8に示す様に、前回の払拭動作からの吐出口2〜5当りのインク吐出回数が500パルスを超えていた場合、第1の払拭動作が必要と判断している。この判断で肯定判定されると、払拭動作は必要なものの第2の払拭動作ほど強力にフェイス面7を払拭する必要はないと判断し、第1の払拭動作が選択される(S85)。そして、第1の払拭動作が実行される(S87)。一方、第1の払拭動作の要否判定のステップ(S83)で否定判定、すなわち払拭動作が不要であると判定された場合は、2枚目の記録データがあるか否かを判定する(S88)。肯定判定の場合には2枚目の記録データについての記録シーケンスを1枚目と同様に実施する(S81)。一方、否定判定であれば、フェイス面7にキャッピングを施して(S89)、本手順を終了する。
【0063】
このように、本実施例では、第2の払拭動作または第1の払拭動作が選択的に実行される。なお、本実施例では、第2の払拭動作の要否判定および第1の払拭動作の要否判定は、前回の払拭動作からの吐出回数や記録動作開始からの経過時間によって判定を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、単位時間当りの吐出回数や、あるいは周囲温湿度環境等、記録ヘッド1のフェイス面7に付着するインクミストの量に影響を与えるパラメータによって好適に決定される。
【0064】
本実施例では、払拭動作の要否判定だけでなく、払拭動作の種類の判定を加えたことで、第2の払拭動作をせずに第1の払拭動作を実行する場合が発生する。したがって、よりスループットの低下を防いだシーケンスが実現可能となる。また、過度に第2の払拭動作が行われなくなる。このため、フェイス面7が、払拭支持部材46によって強く押し付けられた払拭部材42によって摩耗してしまうことを防止できる。
【0065】
また本実施例では、払拭部材42としてシート状の織布を用いていた。しかしながら、払拭部材42としてブレード状のゴム部材を用いてフェイス面7をワイピングする場合、第2の払拭動作において、強力にフェイス面を払拭することによる、払拭部材42の劣化防止にも効果がある。
【0066】
[実施例3]
本実施例では、ユーザがマニュアル動作で行うクリーニング動作や、記録装置本体に記憶されたインク吐出回数やタイマ等のパラメータによって自動で行われるクリーニング動作などのクリーニング時のシーケンスについて説明する。
【0067】
本実施例で実行されるシーケンスを図9に示す。クリーニングが開始されると(S91)、まず、フェイス面7がキャップ状態にあるか否かを検出するためのセンサに基づいて、キャップ状態であるのか否かの判定を行う(S92)。フェイス面7が開放されているオープン状態であればキャップ13でフェイス面7を覆い、キャップクローズ状態とする(S93)。次に、ポンプ15を駆動させて吐出口2〜5からインクを吸引する吸引動作を行う(S94)。本実施例では吸引時間は4秒で行った。吸引動作終了後、フェイス面7を開放する(S95)。次に、第2の払拭動作を実施し(S96)、所定の発数の予備吐出が行われる(S97)。そしてキャッピングを行い(S98)、クリーニング動作が終了する。
【0068】
クリーニング動作は、吐出口2〜5からのインクの吐出不良や、プリント用紙6へ正常にインク滴が着弾しない、いわゆるヨレが発生した場合に実施される。また非記録中に行われる。このことから、クリーニング中の払拭動作として、より払拭能力の高い第2の払拭動作が行われる。
【0069】
なお、払拭部材46の進入量は特定の値に限定されたものではなく、第1および、第2の払拭動作の役目を果たせれば、いずれの値であっても構わない。
【0070】
また、本実施形態の説明では、払拭支持部材46は記録装置本体に設けていたが、払拭ユニットであるカセット41と一体型にしてもよい。
【0071】
さらに、本実施形態では、払拭部材42としてシート状の織布を用いていた。しかしながら、これに限定されず、例えば、ゴム部材を用いたブレード状の払拭部材42としても構わない。
【符号の説明】
【0072】
1 記録ヘッド
2〜5吐出口
7 フェイス面
42払拭部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するための吐出口が設けられたフェイス面を有する記録ヘッドと、
前記フェイス面と対向する側に位置し、前記フェイス面と当接可能な前進位置と、前記フェイス面と当接しない後退位置との間を移動可能な払拭部材と、
を有するインクジェット記録装置における記録ヘッドのフェイス面の払拭方法であって、
記録動作中に、前記払拭部材を前記後退位置から第1の前進位置に移動させてから、前記記録ヘッドを前記払拭部材と対向する位置に到達させて前記払拭部材と前記記録ヘッドとを当接させて、前記フェイス面と前記払拭部材との相対移動によって前記フェイス面を払拭する第1の払拭動作を行い、
前記記録動作の終了後、前記第1の払拭動作と、前記記録ヘッドを前記払拭部材と対向する位置に到達させてから、前記払拭部材を前記後退位置から第2の前進位置に移動させて、前記払拭部材と前記記録ヘッドとを当接させて、前記フェイス面と前記払拭部材との相対移動によって前記フェイス面を払拭する第2の払拭動作のいずれかを選択して、選択した前記払拭動作を実行する、記録ヘッドのフェイス面の払拭方法。
【請求項2】
前記第2の払拭動作における前記払拭部材の前記第2の前進位置を、前記第1の払拭動作における前記第1の前進位置よりもさらに前進して前記フェイス面の移動軌跡位置から進入した位置にする、請求項1に記載の記録ヘッドのフェイス面の払拭方法。
【請求項3】
前記記録動作の終了後、記録された記録履歴に基づいて、前記第1の払拭動作と前記第2の払拭動作のいずれかを選択する、請求項1または2に記載の記録ヘッドのフェイス面の払拭方法。
【請求項4】
前記記録履歴は、前記記録動作の終了後、前記第1の払拭動作を行ってからの前記インクの吐出回数と前記第2の払拭動作を行ってからの前記インクの吐出回数である、請求項3に記載の記録ヘッドのフェイス面の払拭方法。
【請求項5】
前記記録履歴は、記録動作開始からの経過時間である、請求項3に記載の記録ヘッドのフェイス面の払拭方法。
【請求項6】
インクを吐出するための吐出口が設けられたフェイス面を有する記録ヘッドと、
前記フェイス面と対向する側に位置し、前記フェイス面と当接可能な前進位置および、前記フェイス面と当接しない後退位置の間を移動可能な払拭部材と、
を有するインクジェット記録装置であって、
前記払拭部材が前記後退位置から第1の前進位置に移動してから、前記記録ヘッドが前記払拭部材と対向する位置に到達し、前記払拭部材と前記記録ヘッドとが当接して、前記フェイス面と前記払拭部材との相対移動によって前記フェイス面が払拭される第1の払拭動作と、
前記記録ヘッドが前記払拭部材と対向する位置に到達してから、前記払拭部材が前記後退位置から第2の前進位置に移動して、前記払拭部材と前記記録ヘッドが当接して、前記フェイス面と前記払拭部材との相対移動によって前記フェイス面が払拭される第2の払拭動作と、
を選択的に行うことができる、インクジェット記録装置。
【請求項7】
前記第2の払拭動作における前記払拭部材の前記第2の前進位置は、前記第1の払拭動作における前記第1の前進位置よりもさらに前進している、前記フェイス面の移動軌跡位置から進入した位置である、請求項6に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
記録履歴を記憶する記録手段が設けられており、
前記記録履歴に基づいて、前記第1の払拭動作と前記第2の払拭動作のいずれかが選択されて実行される、請求項6または7に記載のインクジェット記録装置。
【請求項9】
前記記録履歴は、前記第1の払拭動作が行われてからの前記インクの吐出回数と前記第2の払拭動作が行われてからの前記インクの吐出回数である、請求項8に記載のインクジェット記録装置。
【請求項10】
前記記録履歴は、記録動作開始からの経過時間である、請求項8に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−6303(P2013−6303A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139281(P2011−139281)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】