説明

フェライト導体を用いた熱発電の方法

【課題】 熱起電力の大きさが異なる2種類の導体を接続した従来から示されている熱電対による熱起電力は小さいので、温度が低い太陽熱を利用して実用的な太陽熱発電をするには適さない。
【解決手段】 熱起電力の大きさが異なる2種類の導体のうち、図1のように一方をフェライト導体(導電性フェライト)を用いた熱電対(フェライト熱電対と呼称)を作り、この両導体の接続面を熱すると、従来の熱電対の約100倍の熱起電力が得られるので、太陽熱発電の実用化への道が拓けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
図1において、導体とフェライト導体を接続し、フェライト熱電対と呼称する。
本発明は、フェライト熱電対において、導体を正極、フェライト導体を負極として接続し、接続面を熱すると、正極と負極の間に大きな熱起電力が生ずる現象を利用する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
熱起電力の大きさは物質によって異なるので、この2種類の導体を接続して熱電対を作り(図2)、接続面を熱すると、両導体の熱起電力の差によって熱電流が生ずる現象が、本発明の背景技術である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
〔0002〕による熱起電力は小さく、温度センサーには広く利用されているが、太陽熱発電への応用には及ばない。
従って、地上に降り注ぐ太陽熱によっても、大きな熱起電力が得られる方法を開発することが、本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図1のフェライト熱電対において、導体とフェライト導体の接続面を約50℃に熱すると、正負両極間に熱起電力は約125mVを生じた。
【0005】
図2の熱電対において、両導体の接続面を約50℃に熱すると、正負両極間に熱起電力は約1.2mVを生じた。
【0006】
〔0004〕と〔0005〕の熱起電力の大きさを比べると、フェライト熱電対は図2の熱電対の約100倍の熱起電力が得られることが示され、これが本発明である。
【発明の効果】
【0007】
2種類の導体による熱電対の一例として、株式会社八光の情報(熱の実験室)によると約290℃で約12.0mVが示されているが、図1のフェライト熱電対の試行によると約80℃で約165.0mVと大きな熱起電力が生じて、これが熱発電へ応用できることを発明した効果である。
また、フェライト導体の成分配合を変えて、フェライト導体の性能向上を計れることを示唆している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
太陽光発電パネル面の温度は、周辺の大気温より数十%高いといわれる。
そこで、図1の回路を基本とした装置をつくり、この装置を太陽光発電パネルの裏面に密着すると装置は太陽熱発電として起動し、太陽の光と熱を同時に利用できる太陽発電装置を創造することができる。
【0009】
〔0006〕〔0007〕のフェライト熱電対の熱起電力が大きい現象を利用して、地熱や工場廃熱による熱発電装置を作る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】 フェライト導体と導体を接続したフェライト熱電対
【図2】 熱起電力の大きさが異なる2種類の導体を接続した熱電対
【符号の説明】
【0011】
1 フェライト導体(縦4mm×横3mm×長さ40mmの導電性フェライト)
2 導体(長さ40mmのピッチ系炭素繊維を太さ1.5mmに束ねたもの、または厚さ0.35mm×巾5mm×長さ40mmの鉄を用いたが限定しない)
3 フェライト導体と導体の接続面
4 導体(太さ0.5mm×長さ40mmの銅を2本用いたが限定しない)
5 導体(長さ40mmのピッチ系炭素繊維を太さ1.5mmに束ねたものを用いたが限定しない)
6 4の導体と5の導体の接続面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体とフェライト導体(導電性フェライト)を接続し、これをフェライト熱電対(図1)と呼称する。
熱起電力の大きさが異なる2種類の導体を接続し、熱電対(図2)を作る。
フェライト熱電対(図1)と熱電対(図2)を、それぞれ同じ温度で発生する熱起電力を測ると、フェライト熱電対は熱電対の約100倍の値を示す。
また、フェライト導体の組成を変えて、フェライト熱電対の性能向上が計れることは、容易に考えられる。
フェライト熱電対では、従来より使われている温度センサーの熱電対より大きな熱起電力を生ずるので、フェライト熱電対を温度センサーに用いて、その精度を上げる方法。
【請求項2】
フェライト熱電対が発生する熱起電力が大きいのを利用して、太陽熱による発電装置を作る方法。
【請求項3】
フェライト熱電対が発生する熱起電力が大きいのを利用して、地熱や工場廃熱を用いる熱発電の方法。

【図1】
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【図2】
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