フェンス
【課題】フェンスを貫通するベルトコンベア、電線、水道管、或いはダクト等の施設物を設置するための施設用開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成した構成のフェンスを提供する。
【解決手段】支柱2、2間に架設された支持用ロープ3…のうち、開口部10を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の支持用ロープ3a、3bに沿って開口用支持ロープ50、51が架設され、開口用支持ロープ50と51の間に吊り材7(8)が配置され、吊り材7(8)の端部が開口用支持ロープ50、51と連結されている。吊り材7(8)を境にした非開口側には子支持用ロープ(60〜62)が架設され、子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51に沿って、孔明きパネル40…が子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51と平行状態に連結して吊られている。
【解決手段】支柱2、2間に架設された支持用ロープ3…のうち、開口部10を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の支持用ロープ3a、3bに沿って開口用支持ロープ50、51が架設され、開口用支持ロープ50と51の間に吊り材7(8)が配置され、吊り材7(8)の端部が開口用支持ロープ50、51と連結されている。吊り材7(8)を境にした非開口側には子支持用ロープ(60〜62)が架設され、子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51に沿って、孔明きパネル40…が子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51と平行状態に連結して吊られている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防風、防雪、防塵、防海水飛沫、投物防止、防球、落下物防止等々を目的として構築されるフェンスの技術分野に属し、更に云えば、フェンスを貫通するベルトコンベア、電線、水道管、或いはダクト等の施設物を設置するための施設用開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成した構成のフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防風、防雪、防塵、防海水飛沫、投物防止、防球、落下物防止等々を目的としたフェンスには各種各様の構造、形式が知られ、実施されている。
例えば下記の特許文献1〜4に開示されたフェンスは、間隔をあけて立てられた支柱の間へ合成樹脂製のネットを例えばワイヤーロープ等で張設した構成であり、例えば貯炭場などの周辺に設置して粉塵が周辺地域へ飛散することを防止する目的として、又は海岸地帯に設置して飛砂を抑制する目的として使用される。しかし、前記貯炭場などでは、例えばベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物をフェンス越しに設置しなければならない場合がある。この場合、現場において、前記合成樹脂製のネットをハサミ等で施設物を貫通させる大きさに切断したり、更に前記合成樹脂ネットを支持するワイヤーロープをペンチ等で切断して開口部を形成することが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭53−10763号公報
【特許文献2】実公昭63−19362号公報
【特許文献3】実開平5−30214号公報
【特許文献4】実公平2−6715号公報
【特許文献5】特開2008−285919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1〜4の開示されたフェンスは、合成樹脂ネットにハサミ等で切断して形成した開口部へベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させて設置することができる。しかし、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返して受けると、前記開口部はネットを形成するワイヤーロープの破断箇所に等しく、ワイヤーロープ相互間の張力のバランスが破壊されたことに等しく、開口部を傷口として開口がどんどん広がって大きくなり、十分な防風効果が得られなくなるし、ネットの効用も失われる。しかも、ハサミやペンチ等による雑な切り口は、見た目の美観を損なうものとなる。更に、非常に高いフェンス(例えば25m程度)の中間位置まで登り、現場で切断する作業は、非常に手間が掛かるし、何より作業員の安全性の問題も生じる。
【0005】
ところで、本出願人は、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返して受けても局所的な破損のおそれがなく、耐久性に優れ、長期にわたり健全に安定状態で使用できるフェンスを開発し、既に特許出願を行なった(上記特許文献5を参照)。
具体的には、間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが、上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、四角形状をなす複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する支持用ロープと平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネルの隣接する端部同士の縦辺はラップする配置とされた構成である。また、前記孔明きパネルの上辺の両端部及び下辺の両端部と支持用ロープとが、平行状態を保つ吊り構造で連結されている。即ち、風荷重や物品の衝突等による繰り返し負荷により特に応力が集中して破損しやすい、前記孔明きパネルの上辺の両端部及び下辺の両端部と支持用ロープとを平行状態に保つ吊り構造で連結したので、前記孔明きパネルの上辺の両端部及び下辺の両端部に作用する応力集中を防止でき、もって孔明きパネルの端部の強度及び耐久性を高めることができ、長期にわたり優れた耐用寿命を発揮して健全に使用できる。
【0006】
本発明の目的は、上記特許文献5に開示されたフェンスにおいて、同フェンスを貫通するベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を設置する開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成することができ、しかも、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返しても局所的な破損のおそれがなく、耐久性に優れ、長期にわたり健全に安定状態で使用でき、更に美観に優れたフェンスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るフェンスは、
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、前記上下の開口用支持ロープ間に、前記開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上下の端部が前記開口用支持ロープと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明に係るフェンスは、
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、同開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上端部は前記開口用支持ロープに連結され、同吊り材の下端部は地面に固定されたベースプレートと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したフェンスにおいて、
吊り材は吊り支柱として構成され、同吊り支柱の側面の上下方向に複数のブラケットが取り付けられており、
前記開口用支持ロープの一端部は吊り支柱のブラケットへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は吊り支柱のブラケットへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1又は2に記載したフェンスにおいて、
吊り材は両端部を輪状に加工された複数本のワイヤーロープの該輪状端部をシャックルで連結した吊りワイヤーロープで構成されており、
前記開口用支持ロープの一端部は吊りワイヤーロープのシャックルへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は吊りワイヤーロープのシャックルへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したフェンスにおいて、
開口部の両端が吊り支柱又は吊りワイヤーロープで構成されている場合には、開口用支持ロープの両端は両側の吊り支柱のブラケット又は吊りワイヤーロープのシャックルへそれぞれ連結されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載したフェンスにおいて、
開口用支持ロープと支持用ロープとの間には、上下方向に一定の間隔が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載したフェンスにおいて、
開口用支持ロープ又は子支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルは、支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルよりも小さい形状で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るフェンスは、上記特許文献5に開示されたフェンスにおいて、施設用又は通行用の開口部10を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の支持用ロープ3a、3b、又は開口上辺の支持用ロープ3aに沿って開口用支持ロープ50、51を架設し、開口部10の縦辺位置に吊り材7(8)を配置し、該吊り材7(8)の両端部を開口用支持ロープ50、51と連結させた構成なので、前記吊り材7(8)を境にしてベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させる開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成することができる。その上で、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返しても、支持用ロープ3、開口用支持ロープ50、51或いは子支持用ロープ6、60〜62の張力のバランスが保たれ、ひいては孔明きパネル4、40の支持状態が長期にわたり安定しており、局所的な破損のおそれがなく、耐久性に優れ、長期にわたり健全に安定状態で使用でき、更に見た目の美観にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るフェンスの実施例1を示す全体図である。
【図2】図1のII部拡大図である。
【図3】図2のIII部拡大図である。
【図4】図2のIV部拡大図である。
【図5】本発明に係るフェンスの実施例2を示す要部拡大図である。
【図6】本発明に係るフェンスの実施例3を示す全体図である。
【図7】図6のVII部拡大図である。
【図8】図7のVIII部拡大図である。
【図9】図7のIX部拡大図である。
【図10】図7のX部拡大図である。
【図11】本発明に係るフェンスの実施例4を示す要部拡大図である。
【図12】図11のXII部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るフェンスは、支柱2、2間に孔明きパネル40と、孔明きパネル40がない開口部10とが配置されている。支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3…のうち、開口部10を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の前記支持用ロープ3a、3bに沿って平行に開口用支持ロープ50、51が架設され、前記上下の開口用支持ロープ50と51の間に、前記開口部10の縦辺位置に吊り材7(8)が配置され、該吊り材7(8)の上下の端部が前記開口用支持ロープ50、51と連結されている。吊り材7(8)を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープ(60〜62)が前記吊り材7(8)と支柱2、2の間に架設され、前記子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51に沿って、複数枚の孔明きパネル40…がその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51と平行状態に連結して吊られている。
【実施例1】
【0017】
以下に、本発明に係るフェンスを図示した実施例に基づいて説明する。
図1〜4に示す本実施例のフェンス1Aの全体の構成は、上記特許文献5に開示されたフェンスと同じであり、段落番号[0005]で説明した通りである。
先ず、実施例1のフェンス1Aは、図1に全体図を示すように、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って、四角形状をなす4枚の孔明きパネル4…がその上辺及び下辺を前記支持用ロープ3と平行状態に連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されており、地上高さが約25m、左右の支柱の外法寸法が約13mに構成されている。そして、最上段から数えて5段目から8段目には、ベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させて設置するための開口部10が形成されて、支柱2、2間に孔明きパネル40と、孔明きパネル40がない開口部10とが横並びに配置されている。なお、図1に示すフェンスの孔明きパネルの孔は、縮尺により作図が不可能なため記載を省略し、その具体的な形状を図2〜4の拡大図に示す。
【0018】
図2に上記開口部10を拡大して示すように、前記支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3のうち、開口部10を形成するべき場所(最上段から数えて5段目〜8段目)の開口上辺と開口下辺の支持用ロープ3a、3bに沿って平行に開口用支持ロープ50、51が、前記支持用ロープ3a、3bと上下方向に100〜300mm程度の間隔S1、S2をあけて上下それぞれ2本ずつ架設されている。また、その間隔は上方向の間隔S1より、下方向の間隔S2の方が広くなっている。前記開口用支持ロープ50、51と上下の支持用ロープ3a、3bの間に間隔S1、S2を設ける理由は、開口用支持ロープ50に支持される5段目に設置した孔明きパネル40と、開口下辺の支持用ロープ3bに支持される9段目の孔明きパネル4の風荷重による浮き上がりを考慮したためである。つまり、開口部10がない支持用ロープ3と、開口部10がある開口用支持ロープ50、51とは風荷重による浮き上がり方が異なるため、支持用ロープ3a(3b)と開口用支持ロープ50(51)が干渉しないように隙間S1とS2を設けている。さらに、支持用ロープ3の上下方向の間隔が異なるのは、開口部10がない支持用ロープ3と比較して、開口部10がある開口用支持ロープ50、51は孔明きパネル40が少ない分、浮き上がりが小さいためで、それにより上方向の間隔S1を小さくし、下方向の間隔S2を大きくしている。また、合わせて、開口部10の縦辺位置に設置している吊り支柱の荷重を下部の開口用支持ロープ51で受けて垂れ下がりが大きくなることを考慮して下方向の間隔S2を大きくしている。
そして、前記上下の開口用支持ロープ50、51の間であって、前記開口部10の縦辺位置に吊り材として側面の上下方向に複数のブラケット70…を取り付けた吊り支柱7が配置され、該吊り支柱7の上下両端部が前記上下の開口用支持ロープ50、51と連結されている。
【0019】
上記開口上辺の支持用ロープ3aに沿って平行に架設される開口用支持ロープ50は、図3に拡大して示すように、その両端部が輪状に加工されており、該一端50aが吊り支柱7の上端部のブラケット70へピン連結70bされたシャックル70aへ自在状態に連結されている。他端50bは、図2に示すように、支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
一方、上記開口下辺の支持用ロープ3に沿って平行に架設される開口用支持ロープ51も、その両端部が輪状に加工されており、該輪状端部51aの一端が吊り支柱7の下端部のブラケット70へピン連結70bされたシャックル70aへ自在状態に連結され、他端51bが支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0020】
上記吊り支柱7を境にした非開口側には、図1及び2に示すように、水平方向の子支持用ロープ(60〜62)が前記吊り支柱5と支柱2の間に3本架設されている。具体的には、前記子支持用ロープ(60〜62)は、その両端部が輪状に加工されており、その一端(60a〜62a)が吊り支柱の中間部のブラケット70へピン連結70bされたシャックル70aへ自在状態に連結され、他端が支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0021】
上記上位の開口用支持ロープ50と子支持用ロープ60に沿って水平方向に2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する前記上位の開口用支持ロープ50及び子支持用ロープ60と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40、40の隣接する縦辺はラップする配置とされている。
また、前記子支持用ロープ60(61)と子支持用ロープ61(62)に沿って水平方向に2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する前記子支持用ロープ60と61(61と62)と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40、40の隣接する縦辺はラップする配置とされている。
更に、前記子支持用ロープ62と下位の開口用支持ロープ51に沿って水平方向に2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する前記子支持用ロープ62と下位の開口用支持ロープ51と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40、40の隣接する縦辺はラップする配置とされている。
なお、前記開口用支持ロープ50、51及び子支持用ロープ(60〜62)に連結して吊られる孔明きパネル40の大きさは、縦横の寸法が例えば1m×2mであり、支持用ロープ3に連結して吊られる孔明きパネル4(一例として縦、横寸法が1.2m×2.8m程度)よりも小さい形状で構成する。
【0022】
上記孔明きパネル40の上辺及び下辺を開口用支持ロープ50、51と子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に連結して吊る構成として、前記孔明きパネル40には、その上辺及び下辺に沿って部分的にパネル吊り用補強板44…が取り付けられ、該パネル吊り用補強板44と孔明きパネル40に共通位置に設けた孔へリング状の連結部材45をピン連結45aし、該連結部材45で開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)へ緊結して、前記孔明きパネル40の上辺及び下辺が前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に連結されている(詳しくは図7、図9、図10に示す拡大図を参照)。
なお、図示することは省略したが、上記特許文献5に記載されているように、各孔明きパネル40の上辺及び下辺に沿って小ピッチに通し孔を設け、該通し孔へ螺旋状ワイヤを一連の状態に通し、支持用ロープと縫うように連結して平行状態に吊る構成で実施することもできる。
【0023】
上記孔明きパネル40の吊り支柱7側の上辺端部は、前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)の輪状端部と干渉を起こさない角度に切除した角取り形状に形成され、該角取り形状部分は亜鉛鉄板製の補強材41をリべット接合等により取り付けて補強されている。そして、前記孔明きパネル40と補強材41とへ共通に設けた連結用孔へ強化シャックル等の剛性部材42がピン連結43され、該剛性部材42の他側が前記支持用ロープ50の輪状端部50aに緊結されて、前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に保つ吊り構造とされている。
また、拡大して示すことは省略したが、上記孔明きパネル40のラップ部分又はラップ部分の近傍が補強材をリベット接合等により取り付けて補強されており、該孔明きパネル40と補強材とに共通に連結用孔が設けられ、該連結用孔へ強化シャックル等の剛性部材が止めピンで取り付けられ、該剛性部材の他側を前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)へ巻き付けて緊結が行われている。
【0024】
なお、実施例1のフェンスは、吊り材として吊り支柱7で構成した実施例を示したが、該吊り支柱7に代えて、後述の段落番号[0026]で説明する吊りワイヤーロープ8で実施することもできる。
【実施例2】
【0025】
図5に示す実施例2のフェンス1Bは、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って同支持用ロープ3と平行状態に4枚の孔明きパネル4…が連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されたフェンスにおいて、最上段から数えて5段目から6段目にかけて形成した開口部10の両端が吊り支柱7で構成されていることを特徴としている。なお、図5に示すフェンスの孔明きパネルの孔も、縮尺により作図が不可能なため記載を省略する。
前記開口部10を形成する場所(最上段から数えて5段目から6段目)に架設される開口用支持ロープ50、51の両端が、両側の吊り支柱7の上下端部のブラケット70へそれぞれ自在状態で連結されている。前記吊り支柱7を境にした左右の非開口側へ水平方向の子支持用ロープ6が前記吊り支柱7と支柱2、2の間に架設され、前記子支持用ロープ6又は開口用支持ロープ50、51に沿って、1枚又は2枚の孔明きパネル40が、その上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ6又は開口用支持ロープ50、51と平行状態に連結して吊られている。図4中の左側の非開口部に設置する2枚の孔明きパネル40、40の隣接する端部同士はラップする配置とされている。
なお、実施例2のフェンス1Bも、吊り材として吊り支柱7で構成した実施例を示したが、前記吊り支柱7に代えて、後述の段落番号[0026]で説明する吊りワイヤーロープ8で実施することができる。
その他の構成は、上記実施例1で説明したフェンス1Aと同じなので、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0026】
図6〜10に示す実施例3のフェンス1Cは、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って同支持用ロープ3と平行状態に4枚の孔明きパネル4…が連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されたフェンスにおいて、最下段から数えて1〜3段目に、ベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させて設置する開口10、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用の開口10を形成して、前記支柱2、2間に孔明きパネル40と、孔明きパネル40がない開口部10とが横並びに配置されていることを特徴としている。図6に示すフェンスの孔明きパネルの孔も、縮尺により作図が不可能なため記載を省略し、その具体的な形状を図7〜10の拡大図に示す。
前記支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3のうち、開口部10を形成するべき場所(最下段から数えて1〜3段目)の開口上辺の前記支持用ロープ3aに沿って平行に2本の開口用支持ロープ5、5が架設され、前記開口部10の縦辺位置に吊り材8が配置されている。実施例3の吊り材8は、図7〜10に拡大して示すように、両端部を輪状に加工された3本のワイヤーロープ80の該輪状端部80aを、一端をピン連結81aしたシャックル81で一連に連結した吊りワイヤーロープ8で構成されている。前記吊りワイヤーロープ8の下端部80aは、地面に固定されたベースプレート90の上面に固定されたブラケット91にピン連結92aされたシャックル92と連結されている。
前記開口用支持ロープ5の一端部5aは、前記吊りワイヤーロープ8の上端部のシャックル81へ自在状態に連結され、他端は支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0027】
前記吊りワイヤーロープ8を境にした非開口側には、水平方向の子支持用ロープ(60〜62)が前記吊りワイヤーロープ8と支柱2、2の間に3本架設されている。前記子支持用ロープ(60〜62)のうち、上位2本の子支持用ロープ(60と61)は、図9に拡大して示すように、その一端60a(61a)が前記吊りワイヤーロープ8の中間に配置されたシャックル81へ連結され、他端が支柱2と連結部材2aにより自在状態に連結されている。一方、下位の子支持用ロープ62の一端部62aは、図10に拡大して示すように、前記ベースプレート90の上面のブラケット91にピン連結93aされたシャックル93へ自在状態に連結され、他端は支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0028】
前記子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ5に沿って、2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ5と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40の隣接する端部同士はラップする配置とされている。
前記孔明きパネル40の上辺端部は、亜鉛鉄板製の補強材41をリべット接合等により取り付けて補強されており、前記孔明きパネル40と補強材41とへ共通に設けた連結用孔へUボルト46が取り付けられ、該Uボルト46の他側が前記開口用支持ロープ5の輪状端部5a、又は子支持用ロープ(60〜62)の輪状端部(60a〜62a)へ連結されて、前記開口用支持ロープ5又は子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に保つ吊り構造とされている。
【0029】
なお、実施例3のフェンス1Cは、吊り材として吊りワイヤーロープ8で構成した実施例を示したが、前記吊りワイヤーロープ8に代えて、上述した吊り支柱7で構成することもできる。吊り材を吊り支柱7で構成する場合には、吊り支柱7の下端部のブラケット70へ取り付けられたシャックル70aを、ベースプレート90の上面のブラケット91に取り付けられたシャックル92へ連結する。
その他の構成は、上記実施例1で説明したフェンスと同じなので、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0030】
図11及び図12に示す実施例4のフェンス1Dは、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って同支持用ロープ3と平行状態に4枚の孔明きパネル4…が連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されたフェンスにおいて、最下段に形成した開口部10の両端を吊りワイヤーロープ8、8で構成したことを特徴としている。なお、図11に示すフェンス1Dは、最下段の孔明きパネル40と地面との間に2m程度の開口部を形成している。また、図11に示すフェンスの孔明きパネルの孔も、縮尺により作図が不可能なため記載を省略する。
前記支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3のうち、開口部10を形成するべき場所の開口上辺の前記支持用ロープ3aに沿って平行に開口用支持ロープ5が架設され、同開口部10の縦辺位置に、上記実施例3で説明した吊りワイヤーロープ8が2つ配置されている。前記吊りワイヤーロープ8の下端部80aは、図12に拡大して示すように、地面に固定されたベースプレート90上面の固定部材94と連結されている。
前記開口用支持ロープ5の一端部5aは、前記吊りワイヤーロープ8の上端部のシャックル81へ自在状態に連結され、他端は支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
そして、前記吊りワイヤーロープ8を境にした左右の非開口側へ水平方向の子支持用ロープ6が、その一端6aを前記吊りワイヤーロープ8のシャックル81へ自在状態に連結され、他端を支柱2の連結部材2aへ自在状態に連結されて、前記吊りワイヤーロープ8と支柱2、2の間に架設されている。前記子支持用ロープ6及び開口用支持ロープ5に沿って、孔明きパネル40が、その上辺を開口用支持ロープ5と平行状態に連結して吊られ、下辺を子支持用ロープ6と平行状態に連結して吊られている。
前記孔明きパネルの上辺端部は、亜鉛鉄板製の補強材41をリべット接合等により取り付けて補強されており、前記孔明きパネル40と補強材41とへ共通に設けた連結用孔へUボルト46が取り付けられ、該Uボルト46の他側が前記開口用支持ロープ5の輪状端部5a、又は子支持用ロープ6の輪状端部6aに緊結されて、前記開口用支持ロープ5と平行状態に保つ吊り構造とされている(詳しくは、図9を参照)。
なお、実施例4のフェンス1Dも、前記吊りワイヤーロープ8に代えて、上述した吊り支柱7で構成することもできる。
その他の構成は、上記実施例1で説明したフェンスと同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
【0031】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより本発明は、上述した実施の形態や実施例に限定されるものではない。いわゆる当業者が必要に応じて通常行う設計変更や応用の範囲内で様々な実施の形態が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1A〜1D フェンス
2 支柱
3、3a、3b 支持用ロープ
4、40 孔明きパネル
5、50、51 開口用支持ロープ
6、60〜62 子支持用ロープ
7 吊り支柱
8 吊りワイヤーロープ
90 ベースプレート
10 開口部
【技術分野】
【0001】
この発明は、防風、防雪、防塵、防海水飛沫、投物防止、防球、落下物防止等々を目的として構築されるフェンスの技術分野に属し、更に云えば、フェンスを貫通するベルトコンベア、電線、水道管、或いはダクト等の施設物を設置するための施設用開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成した構成のフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防風、防雪、防塵、防海水飛沫、投物防止、防球、落下物防止等々を目的としたフェンスには各種各様の構造、形式が知られ、実施されている。
例えば下記の特許文献1〜4に開示されたフェンスは、間隔をあけて立てられた支柱の間へ合成樹脂製のネットを例えばワイヤーロープ等で張設した構成であり、例えば貯炭場などの周辺に設置して粉塵が周辺地域へ飛散することを防止する目的として、又は海岸地帯に設置して飛砂を抑制する目的として使用される。しかし、前記貯炭場などでは、例えばベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物をフェンス越しに設置しなければならない場合がある。この場合、現場において、前記合成樹脂製のネットをハサミ等で施設物を貫通させる大きさに切断したり、更に前記合成樹脂ネットを支持するワイヤーロープをペンチ等で切断して開口部を形成することが行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭53−10763号公報
【特許文献2】実公昭63−19362号公報
【特許文献3】実開平5−30214号公報
【特許文献4】実公平2−6715号公報
【特許文献5】特開2008−285919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1〜4の開示されたフェンスは、合成樹脂ネットにハサミ等で切断して形成した開口部へベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させて設置することができる。しかし、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返して受けると、前記開口部はネットを形成するワイヤーロープの破断箇所に等しく、ワイヤーロープ相互間の張力のバランスが破壊されたことに等しく、開口部を傷口として開口がどんどん広がって大きくなり、十分な防風効果が得られなくなるし、ネットの効用も失われる。しかも、ハサミやペンチ等による雑な切り口は、見た目の美観を損なうものとなる。更に、非常に高いフェンス(例えば25m程度)の中間位置まで登り、現場で切断する作業は、非常に手間が掛かるし、何より作業員の安全性の問題も生じる。
【0005】
ところで、本出願人は、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返して受けても局所的な破損のおそれがなく、耐久性に優れ、長期にわたり健全に安定状態で使用できるフェンスを開発し、既に特許出願を行なった(上記特許文献5を参照)。
具体的には、間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが、上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、四角形状をなす複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する支持用ロープと平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネルの隣接する端部同士の縦辺はラップする配置とされた構成である。また、前記孔明きパネルの上辺の両端部及び下辺の両端部と支持用ロープとが、平行状態を保つ吊り構造で連結されている。即ち、風荷重や物品の衝突等による繰り返し負荷により特に応力が集中して破損しやすい、前記孔明きパネルの上辺の両端部及び下辺の両端部と支持用ロープとを平行状態に保つ吊り構造で連結したので、前記孔明きパネルの上辺の両端部及び下辺の両端部に作用する応力集中を防止でき、もって孔明きパネルの端部の強度及び耐久性を高めることができ、長期にわたり優れた耐用寿命を発揮して健全に使用できる。
【0006】
本発明の目的は、上記特許文献5に開示されたフェンスにおいて、同フェンスを貫通するベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を設置する開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成することができ、しかも、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返しても局所的な破損のおそれがなく、耐久性に優れ、長期にわたり健全に安定状態で使用でき、更に美観に優れたフェンスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係るフェンスは、
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、前記上下の開口用支持ロープ間に、前記開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上下の端部が前記開口用支持ロープと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明に係るフェンスは、
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、同開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上端部は前記開口用支持ロープに連結され、同吊り材の下端部は地面に固定されたベースプレートと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載したフェンスにおいて、
吊り材は吊り支柱として構成され、同吊り支柱の側面の上下方向に複数のブラケットが取り付けられており、
前記開口用支持ロープの一端部は吊り支柱のブラケットへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は吊り支柱のブラケットへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載した発明は、請求項1又は2に記載したフェンスにおいて、
吊り材は両端部を輪状に加工された複数本のワイヤーロープの該輪状端部をシャックルで連結した吊りワイヤーロープで構成されており、
前記開口用支持ロープの一端部は吊りワイヤーロープのシャックルへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は吊りワイヤーロープのシャックルへ連結され、他端が支柱へ連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載したフェンスにおいて、
開口部の両端が吊り支柱又は吊りワイヤーロープで構成されている場合には、開口用支持ロープの両端は両側の吊り支柱のブラケット又は吊りワイヤーロープのシャックルへそれぞれ連結されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載したフェンスにおいて、
開口用支持ロープと支持用ロープとの間には、上下方向に一定の間隔が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6のいずれか一に記載したフェンスにおいて、
開口用支持ロープ又は子支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルは、支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルよりも小さい形状で構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るフェンスは、上記特許文献5に開示されたフェンスにおいて、施設用又は通行用の開口部10を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の支持用ロープ3a、3b、又は開口上辺の支持用ロープ3aに沿って開口用支持ロープ50、51を架設し、開口部10の縦辺位置に吊り材7(8)を配置し、該吊り材7(8)の両端部を開口用支持ロープ50、51と連結させた構成なので、前記吊り材7(8)を境にしてベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させる開口、或いは人や各種車輌等が出入りするための開口を必要な場所へ必要な大きさ、形状で形成することができる。その上で、風荷重や物体の衝突力等による大きな負荷を繰り返しても、支持用ロープ3、開口用支持ロープ50、51或いは子支持用ロープ6、60〜62の張力のバランスが保たれ、ひいては孔明きパネル4、40の支持状態が長期にわたり安定しており、局所的な破損のおそれがなく、耐久性に優れ、長期にわたり健全に安定状態で使用でき、更に見た目の美観にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るフェンスの実施例1を示す全体図である。
【図2】図1のII部拡大図である。
【図3】図2のIII部拡大図である。
【図4】図2のIV部拡大図である。
【図5】本発明に係るフェンスの実施例2を示す要部拡大図である。
【図6】本発明に係るフェンスの実施例3を示す全体図である。
【図7】図6のVII部拡大図である。
【図8】図7のVIII部拡大図である。
【図9】図7のIX部拡大図である。
【図10】図7のX部拡大図である。
【図11】本発明に係るフェンスの実施例4を示す要部拡大図である。
【図12】図11のXII部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るフェンスは、支柱2、2間に孔明きパネル40と、孔明きパネル40がない開口部10とが配置されている。支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3…のうち、開口部10を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の前記支持用ロープ3a、3bに沿って平行に開口用支持ロープ50、51が架設され、前記上下の開口用支持ロープ50と51の間に、前記開口部10の縦辺位置に吊り材7(8)が配置され、該吊り材7(8)の上下の端部が前記開口用支持ロープ50、51と連結されている。吊り材7(8)を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープ(60〜62)が前記吊り材7(8)と支柱2、2の間に架設され、前記子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51に沿って、複数枚の孔明きパネル40…がその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ50、51と平行状態に連結して吊られている。
【実施例1】
【0017】
以下に、本発明に係るフェンスを図示した実施例に基づいて説明する。
図1〜4に示す本実施例のフェンス1Aの全体の構成は、上記特許文献5に開示されたフェンスと同じであり、段落番号[0005]で説明した通りである。
先ず、実施例1のフェンス1Aは、図1に全体図を示すように、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って、四角形状をなす4枚の孔明きパネル4…がその上辺及び下辺を前記支持用ロープ3と平行状態に連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されており、地上高さが約25m、左右の支柱の外法寸法が約13mに構成されている。そして、最上段から数えて5段目から8段目には、ベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させて設置するための開口部10が形成されて、支柱2、2間に孔明きパネル40と、孔明きパネル40がない開口部10とが横並びに配置されている。なお、図1に示すフェンスの孔明きパネルの孔は、縮尺により作図が不可能なため記載を省略し、その具体的な形状を図2〜4の拡大図に示す。
【0018】
図2に上記開口部10を拡大して示すように、前記支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3のうち、開口部10を形成するべき場所(最上段から数えて5段目〜8段目)の開口上辺と開口下辺の支持用ロープ3a、3bに沿って平行に開口用支持ロープ50、51が、前記支持用ロープ3a、3bと上下方向に100〜300mm程度の間隔S1、S2をあけて上下それぞれ2本ずつ架設されている。また、その間隔は上方向の間隔S1より、下方向の間隔S2の方が広くなっている。前記開口用支持ロープ50、51と上下の支持用ロープ3a、3bの間に間隔S1、S2を設ける理由は、開口用支持ロープ50に支持される5段目に設置した孔明きパネル40と、開口下辺の支持用ロープ3bに支持される9段目の孔明きパネル4の風荷重による浮き上がりを考慮したためである。つまり、開口部10がない支持用ロープ3と、開口部10がある開口用支持ロープ50、51とは風荷重による浮き上がり方が異なるため、支持用ロープ3a(3b)と開口用支持ロープ50(51)が干渉しないように隙間S1とS2を設けている。さらに、支持用ロープ3の上下方向の間隔が異なるのは、開口部10がない支持用ロープ3と比較して、開口部10がある開口用支持ロープ50、51は孔明きパネル40が少ない分、浮き上がりが小さいためで、それにより上方向の間隔S1を小さくし、下方向の間隔S2を大きくしている。また、合わせて、開口部10の縦辺位置に設置している吊り支柱の荷重を下部の開口用支持ロープ51で受けて垂れ下がりが大きくなることを考慮して下方向の間隔S2を大きくしている。
そして、前記上下の開口用支持ロープ50、51の間であって、前記開口部10の縦辺位置に吊り材として側面の上下方向に複数のブラケット70…を取り付けた吊り支柱7が配置され、該吊り支柱7の上下両端部が前記上下の開口用支持ロープ50、51と連結されている。
【0019】
上記開口上辺の支持用ロープ3aに沿って平行に架設される開口用支持ロープ50は、図3に拡大して示すように、その両端部が輪状に加工されており、該一端50aが吊り支柱7の上端部のブラケット70へピン連結70bされたシャックル70aへ自在状態に連結されている。他端50bは、図2に示すように、支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
一方、上記開口下辺の支持用ロープ3に沿って平行に架設される開口用支持ロープ51も、その両端部が輪状に加工されており、該輪状端部51aの一端が吊り支柱7の下端部のブラケット70へピン連結70bされたシャックル70aへ自在状態に連結され、他端51bが支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0020】
上記吊り支柱7を境にした非開口側には、図1及び2に示すように、水平方向の子支持用ロープ(60〜62)が前記吊り支柱5と支柱2の間に3本架設されている。具体的には、前記子支持用ロープ(60〜62)は、その両端部が輪状に加工されており、その一端(60a〜62a)が吊り支柱の中間部のブラケット70へピン連結70bされたシャックル70aへ自在状態に連結され、他端が支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0021】
上記上位の開口用支持ロープ50と子支持用ロープ60に沿って水平方向に2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する前記上位の開口用支持ロープ50及び子支持用ロープ60と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40、40の隣接する縦辺はラップする配置とされている。
また、前記子支持用ロープ60(61)と子支持用ロープ61(62)に沿って水平方向に2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する前記子支持用ロープ60と61(61と62)と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40、40の隣接する縦辺はラップする配置とされている。
更に、前記子支持用ロープ62と下位の開口用支持ロープ51に沿って水平方向に2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する前記子支持用ロープ62と下位の開口用支持ロープ51と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40、40の隣接する縦辺はラップする配置とされている。
なお、前記開口用支持ロープ50、51及び子支持用ロープ(60〜62)に連結して吊られる孔明きパネル40の大きさは、縦横の寸法が例えば1m×2mであり、支持用ロープ3に連結して吊られる孔明きパネル4(一例として縦、横寸法が1.2m×2.8m程度)よりも小さい形状で構成する。
【0022】
上記孔明きパネル40の上辺及び下辺を開口用支持ロープ50、51と子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に連結して吊る構成として、前記孔明きパネル40には、その上辺及び下辺に沿って部分的にパネル吊り用補強板44…が取り付けられ、該パネル吊り用補強板44と孔明きパネル40に共通位置に設けた孔へリング状の連結部材45をピン連結45aし、該連結部材45で開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)へ緊結して、前記孔明きパネル40の上辺及び下辺が前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に連結されている(詳しくは図7、図9、図10に示す拡大図を参照)。
なお、図示することは省略したが、上記特許文献5に記載されているように、各孔明きパネル40の上辺及び下辺に沿って小ピッチに通し孔を設け、該通し孔へ螺旋状ワイヤを一連の状態に通し、支持用ロープと縫うように連結して平行状態に吊る構成で実施することもできる。
【0023】
上記孔明きパネル40の吊り支柱7側の上辺端部は、前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)の輪状端部と干渉を起こさない角度に切除した角取り形状に形成され、該角取り形状部分は亜鉛鉄板製の補強材41をリべット接合等により取り付けて補強されている。そして、前記孔明きパネル40と補強材41とへ共通に設けた連結用孔へ強化シャックル等の剛性部材42がピン連結43され、該剛性部材42の他側が前記支持用ロープ50の輪状端部50aに緊結されて、前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に保つ吊り構造とされている。
また、拡大して示すことは省略したが、上記孔明きパネル40のラップ部分又はラップ部分の近傍が補強材をリベット接合等により取り付けて補強されており、該孔明きパネル40と補強材とに共通に連結用孔が設けられ、該連結用孔へ強化シャックル等の剛性部材が止めピンで取り付けられ、該剛性部材の他側を前記開口用支持ロープ50(51)又は子支持用ロープ(60〜62)へ巻き付けて緊結が行われている。
【0024】
なお、実施例1のフェンスは、吊り材として吊り支柱7で構成した実施例を示したが、該吊り支柱7に代えて、後述の段落番号[0026]で説明する吊りワイヤーロープ8で実施することもできる。
【実施例2】
【0025】
図5に示す実施例2のフェンス1Bは、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って同支持用ロープ3と平行状態に4枚の孔明きパネル4…が連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されたフェンスにおいて、最上段から数えて5段目から6段目にかけて形成した開口部10の両端が吊り支柱7で構成されていることを特徴としている。なお、図5に示すフェンスの孔明きパネルの孔も、縮尺により作図が不可能なため記載を省略する。
前記開口部10を形成する場所(最上段から数えて5段目から6段目)に架設される開口用支持ロープ50、51の両端が、両側の吊り支柱7の上下端部のブラケット70へそれぞれ自在状態で連結されている。前記吊り支柱7を境にした左右の非開口側へ水平方向の子支持用ロープ6が前記吊り支柱7と支柱2、2の間に架設され、前記子支持用ロープ6又は開口用支持ロープ50、51に沿って、1枚又は2枚の孔明きパネル40が、その上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ6又は開口用支持ロープ50、51と平行状態に連結して吊られている。図4中の左側の非開口部に設置する2枚の孔明きパネル40、40の隣接する端部同士はラップする配置とされている。
なお、実施例2のフェンス1Bも、吊り材として吊り支柱7で構成した実施例を示したが、前記吊り支柱7に代えて、後述の段落番号[0026]で説明する吊りワイヤーロープ8で実施することができる。
その他の構成は、上記実施例1で説明したフェンス1Aと同じなので、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0026】
図6〜10に示す実施例3のフェンス1Cは、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って同支持用ロープ3と平行状態に4枚の孔明きパネル4…が連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されたフェンスにおいて、最下段から数えて1〜3段目に、ベルトコンベアや配管、ダクト等の施設物を貫通させて設置する開口10、或いは人や各種車輌等が出入りするための通行用の開口10を形成して、前記支柱2、2間に孔明きパネル40と、孔明きパネル40がない開口部10とが横並びに配置されていることを特徴としている。図6に示すフェンスの孔明きパネルの孔も、縮尺により作図が不可能なため記載を省略し、その具体的な形状を図7〜10の拡大図に示す。
前記支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3のうち、開口部10を形成するべき場所(最下段から数えて1〜3段目)の開口上辺の前記支持用ロープ3aに沿って平行に2本の開口用支持ロープ5、5が架設され、前記開口部10の縦辺位置に吊り材8が配置されている。実施例3の吊り材8は、図7〜10に拡大して示すように、両端部を輪状に加工された3本のワイヤーロープ80の該輪状端部80aを、一端をピン連結81aしたシャックル81で一連に連結した吊りワイヤーロープ8で構成されている。前記吊りワイヤーロープ8の下端部80aは、地面に固定されたベースプレート90の上面に固定されたブラケット91にピン連結92aされたシャックル92と連結されている。
前記開口用支持ロープ5の一端部5aは、前記吊りワイヤーロープ8の上端部のシャックル81へ自在状態に連結され、他端は支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0027】
前記吊りワイヤーロープ8を境にした非開口側には、水平方向の子支持用ロープ(60〜62)が前記吊りワイヤーロープ8と支柱2、2の間に3本架設されている。前記子支持用ロープ(60〜62)のうち、上位2本の子支持用ロープ(60と61)は、図9に拡大して示すように、その一端60a(61a)が前記吊りワイヤーロープ8の中間に配置されたシャックル81へ連結され、他端が支柱2と連結部材2aにより自在状態に連結されている。一方、下位の子支持用ロープ62の一端部62aは、図10に拡大して示すように、前記ベースプレート90の上面のブラケット91にピン連結93aされたシャックル93へ自在状態に連結され、他端は支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
【0028】
前記子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ5に沿って、2枚の孔明きパネル40、40がその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ(60〜62)又は開口用支持ロープ5と平行状態に連結して吊られ、且つ水平方向に隣接する孔明きパネル40の隣接する端部同士はラップする配置とされている。
前記孔明きパネル40の上辺端部は、亜鉛鉄板製の補強材41をリべット接合等により取り付けて補強されており、前記孔明きパネル40と補強材41とへ共通に設けた連結用孔へUボルト46が取り付けられ、該Uボルト46の他側が前記開口用支持ロープ5の輪状端部5a、又は子支持用ロープ(60〜62)の輪状端部(60a〜62a)へ連結されて、前記開口用支持ロープ5又は子支持用ロープ(60〜62)と平行状態に保つ吊り構造とされている。
【0029】
なお、実施例3のフェンス1Cは、吊り材として吊りワイヤーロープ8で構成した実施例を示したが、前記吊りワイヤーロープ8に代えて、上述した吊り支柱7で構成することもできる。吊り材を吊り支柱7で構成する場合には、吊り支柱7の下端部のブラケット70へ取り付けられたシャックル70aを、ベースプレート90の上面のブラケット91に取り付けられたシャックル92へ連結する。
その他の構成は、上記実施例1で説明したフェンスと同じなので、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0030】
図11及び図12に示す実施例4のフェンス1Dは、支柱2、2間に架設された支持用ロープ3に沿って同支持用ロープ3と平行状態に4枚の孔明きパネル4…が連結して吊られ、且つ横並びの隣接する端部同士がラップする配置とされて上下方向に18段設置されたフェンスにおいて、最下段に形成した開口部10の両端を吊りワイヤーロープ8、8で構成したことを特徴としている。なお、図11に示すフェンス1Dは、最下段の孔明きパネル40と地面との間に2m程度の開口部を形成している。また、図11に示すフェンスの孔明きパネルの孔も、縮尺により作図が不可能なため記載を省略する。
前記支柱2、2間の上下方向に複数本架設された支持用ロープ3のうち、開口部10を形成するべき場所の開口上辺の前記支持用ロープ3aに沿って平行に開口用支持ロープ5が架設され、同開口部10の縦辺位置に、上記実施例3で説明した吊りワイヤーロープ8が2つ配置されている。前記吊りワイヤーロープ8の下端部80aは、図12に拡大して示すように、地面に固定されたベースプレート90上面の固定部材94と連結されている。
前記開口用支持ロープ5の一端部5aは、前記吊りワイヤーロープ8の上端部のシャックル81へ自在状態に連結され、他端は支柱2へ連結部材2aにより自在状態に連結されている。
そして、前記吊りワイヤーロープ8を境にした左右の非開口側へ水平方向の子支持用ロープ6が、その一端6aを前記吊りワイヤーロープ8のシャックル81へ自在状態に連結され、他端を支柱2の連結部材2aへ自在状態に連結されて、前記吊りワイヤーロープ8と支柱2、2の間に架設されている。前記子支持用ロープ6及び開口用支持ロープ5に沿って、孔明きパネル40が、その上辺を開口用支持ロープ5と平行状態に連結して吊られ、下辺を子支持用ロープ6と平行状態に連結して吊られている。
前記孔明きパネルの上辺端部は、亜鉛鉄板製の補強材41をリべット接合等により取り付けて補強されており、前記孔明きパネル40と補強材41とへ共通に設けた連結用孔へUボルト46が取り付けられ、該Uボルト46の他側が前記開口用支持ロープ5の輪状端部5a、又は子支持用ロープ6の輪状端部6aに緊結されて、前記開口用支持ロープ5と平行状態に保つ吊り構造とされている(詳しくは、図9を参照)。
なお、実施例4のフェンス1Dも、前記吊りワイヤーロープ8に代えて、上述した吊り支柱7で構成することもできる。
その他の構成は、上記実施例1で説明したフェンスと同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
【0031】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより本発明は、上述した実施の形態や実施例に限定されるものではない。いわゆる当業者が必要に応じて通常行う設計変更や応用の範囲内で様々な実施の形態が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1A〜1D フェンス
2 支柱
3、3a、3b 支持用ロープ
4、40 孔明きパネル
5、50、51 開口用支持ロープ
6、60〜62 子支持用ロープ
7 吊り支柱
8 吊りワイヤーロープ
90 ベースプレート
10 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、前記上下の開口用支持ロープ間に、前記開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上下の端部が前記開口用支持ロープと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする、フェンス。
【請求項2】
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、同開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上端部は前記開口用支持ロープに連結され、同吊り材の下端部は地面に固定されたベースプレートと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする、フェンス。
【請求項3】
吊り材は吊り支柱として構成され、同吊り支柱の側面の上下方向に複数のブラケットが取り付けられており、
前記開口用支持ロープの一端部は前記吊り支柱のブラケットへ自在状態に連結され、他端は支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は前記吊り支柱のブラケットへ連結され、他端が支柱と連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したフェンス。
【請求項4】
吊り材は、両端部を輪状に加工された複数本のワイヤーロープの該輪状端部をシャックルで連結した吊りワイヤーロープで構成されており、
前記開口用支持ロープの一端部は前記吊りワイヤーロープのシャックルへ自在状態に連結され、他端は支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は前記吊りワイヤーロープのシャックルへ連結され、他端が支柱と連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したフェンス。
【請求項5】
開口部の両端の縦辺が吊り支柱又は吊りワイヤーロープで構成され、開口用支持ロープの両端は両側の吊り支柱のブラケット又は吊りワイヤーロープのシャックルへそれぞれ連結されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したフェンス。
【請求項6】
開口用支持ロープと支持用ロープとの間には、上下方向に一定の間隔が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載したフェンス。
【請求項7】
開口用支持ロープ又は子支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルは、支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルよりも小さい形状で構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載したフェンス。
【請求項1】
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺と開口下辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、前記上下の開口用支持ロープ間に、前記開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上下の端部が前記開口用支持ロープと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする、フェンス。
【請求項2】
間隔をあけて立てられた支柱の間へ水平方向の支持用ロープが上下方向に間隔をあけて複数本架設され、前記支持用ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を支持用ロープと平行状態に連結して吊られたフェンスにおいて、
前記支柱間に孔明きパネルと、孔明きパネルがない開口部とが配置されており、
前記支柱間の上下方向に複数本架設された支持用ロープのうち、開口部を形成するべき場所の開口上辺の前記支持用ロープに沿って平行に開口用支持ロープが架設され、同開口部の縦辺位置に吊り材が配置され、該吊り材の上端部は前記開口用支持ロープに連結され、同吊り材の下端部は地面に固定されたベースプレートと連結されており、
前記吊り材を境にした非開口側には水平方向の子支持用ロープが前記吊り材と支柱の間に架設され、前記子支持用ロープ又は開口用支持ロープに沿って、複数枚の孔明きパネルがその上辺及び下辺を上下に隣接する子支持用ロープ又は開口用支持ロープと平行状態に連結して吊られていることを特徴とする、フェンス。
【請求項3】
吊り材は吊り支柱として構成され、同吊り支柱の側面の上下方向に複数のブラケットが取り付けられており、
前記開口用支持ロープの一端部は前記吊り支柱のブラケットへ自在状態に連結され、他端は支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は前記吊り支柱のブラケットへ連結され、他端が支柱と連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したフェンス。
【請求項4】
吊り材は、両端部を輪状に加工された複数本のワイヤーロープの該輪状端部をシャックルで連結した吊りワイヤーロープで構成されており、
前記開口用支持ロープの一端部は前記吊りワイヤーロープのシャックルへ自在状態に連結され、他端は支柱へ連結部材により自在状態に連結されており、
前記子支持用ロープの一端は前記吊りワイヤーロープのシャックルへ連結され、他端が支柱と連結部材により自在状態に連結されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載したフェンス。
【請求項5】
開口部の両端の縦辺が吊り支柱又は吊りワイヤーロープで構成され、開口用支持ロープの両端は両側の吊り支柱のブラケット又は吊りワイヤーロープのシャックルへそれぞれ連結されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載したフェンス。
【請求項6】
開口用支持ロープと支持用ロープとの間には、上下方向に一定の間隔が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載したフェンス。
【請求項7】
開口用支持ロープ又は子支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルは、支持用ロープへ連結して吊られる孔明きパネルよりも小さい形状で構成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載したフェンス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−214329(P2011−214329A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84254(P2010−84254)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】
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