説明

フッ素ゴム磁性材料

【課題】低粘度のミラブルタイプのフッ素ゴムに磁性粉を高充填した場合においても、生地のロール混練性および製品の金型離型性にすぐれたフッ素ゴム磁性材料を提供する。
【解決手段】ムーニー粘度ML1+10(121℃)が15〜40のポリオール加硫系フッ素ゴム100重量部当り、1〜7重量部のパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体および200〜500重量部の磁性粉が添加されたフッ素ゴム磁性材料。このフッ素ゴム磁性材料は、低粘度のミラブルタイプのフッ素ゴムに加工助剤としてパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体を添加して用いることにより、磁性粉を200〜500重量部充填した場合にあっても、ロール巻付け加工時に生地粘着が生じて加工性が悪化したり、加硫成形後に加硫物たる製品が割れるなどの金型離型性が悪化したりする事態を有効に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素ゴム磁性材料に関する。さらに詳しくは、生地のロール混練性および製品の金型離型性を改善したフッ素ゴム磁性材料に関する。
【背景技術】
【0002】
オートスイッチ用位置検出磁性ゴムリングのゴム磁性材料としてニトリルゴム、クロロプレンゴム等の極性ゴムが使用されているが、作動油に水溶性切削油等の極性液体を使用する場合には、極性液体に対する膨潤の少ないフッ素ゴムが好んで用いられる。
【0003】
本出願人は先に、ムーニー粘度ML1+10(121℃)が8〜15のポリオール加硫系フッ素ゴム100重量部に磁性粉200〜500重量部が添加されたフッ素ゴム組成物を提案しており(特許文献1)、しかるに例えば磁性粉を400重量部あるいはそれ以上の割合で配合すると、良好な耐熱性および磁気特性が示されるものの、生地のロール混練性や製品の金型離型性に問題がみられる場合が認められた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−284604号公報
【特許文献2】特開2000−228308号公報
【特許文献3】特開平8−120178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、低粘度のミラブルタイプのフッ素ゴムに磁性粉を高充填した場合においても、生地のロール混練性および製品の金型離型性にすぐれたフッ素ゴム磁性材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる本発明の目的は、ムーニー粘度ML1+10(121℃)が15〜40のポリオール加硫系フッ素ゴム100重量部当り、1〜7重量部のパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体および200〜500重量部の磁性粉が添加されたフッ素ゴム磁性材料によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るフッ素ゴム磁性材料は、低粘度のミラブルタイプのフッ素ゴムに加工助剤としてパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体を添加して用いることにより、磁性粉を200〜500重量部充填した場合にあっても、ロール巻付け加工時に生地粘着が生じて加工性が悪化したり、加硫成形後に加硫物たる製品が割れるなどの金型離型性が悪化したりする事態を有効に防止することができる。
【0008】
このように生地のロール混練性や製品の金型離型性を良好に保持したまま、磁性粉の高濃度充填を可能とする本発明のフッ素ゴム磁性材料は、センサ用ボンド磁石、特に空圧シリンダのオートスイッチ用位置検出磁性ゴムリング(磁気センサに感応する)や高温環境下での回転数検知用エンコーダ等の加硫成形材料として有効に用いることができる。
【0009】
磁性ゴムリングにあっては、シリンダの凹部に装着するため、円周状につながったリングの一部を円周と垂直方向に切断し、その部分を拡げた後、シリンダに組付け、その際切断部は組付け時に接着剤で固定される。そのため、ゴムには可撓性が必要とされ、材料として50%以上の伸びが要求される。また、製品の形状や磁気センサとの距離によって検出磁力が変わるので、材料としての磁力(材料の磁力特性の評価指標としての飽和磁化)が大きい程、形状設計の自由度が高く、好ましいということになる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
フッ素ゴムとしては、種々のタイプのものが上市されており、大別するとアミン加硫系、パーオキサイド架橋系、ポリオール加硫系の3種に分けられる。特許文献2には、磁性粉およびフッ化ビニリデン系共重合ゴムよりなる可撓性磁性シートが記載されているが、そのすべての実施例ではアミン加硫系が用いられている。アミン加硫系は、加硫が非常に遅いため生産性が悪く、また良好な物性の加硫物を得るためには、環境負荷物質である鉛化合物を使用しなければならないという問題がある。また、パーオキサイド架橋系では、架橋の際に発生する未反応パーオキサイド分解ガスが架橋ゴム中に残留し、発泡となる可能性がある。
【0011】
本発明においては、このような問題点を有しないポリオール加硫系フッ素ゴムが用いられる。
【0012】
ポリオール加硫系によって加硫されるフッ素ゴムは、高度にフッ素化された弾性体状の共重合体であり、例えばフッ化ビニリデンと他の含フッ素オレフィンとの共重合体を用いることができる。具体的には、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニル、パーフルオロアクリル酸エステル、アクリル酸パーフルオロアルキル、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロエチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテルなどの1種または2種以上との共重合体が挙げられ、好ましくはフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体およびフッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン3元共重合体が用いられる。
【0013】
これらのポリオール加硫系フッ素ゴムは、そのムーニー粘度ML1+10(121℃)が15〜40、好ましくは20〜40であることが必要であり、これ以下のムーニー粘度のものを使用した場合には、磁性粉を高充填してもロール混練時の粘着性が大きく、生地としてのロール加工性が低下するようになり、一方これ以上のムーニー粘度ものを使用した場合には、生地粘度が非常に高くなり混練時に生地が硬くて巻付き性が悪くなり、やはりロール加工性が悪化するようになる。
【0014】
実際には市販品、例えばデュポン社製品Viton A-200(ムーニー粘度20;フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体、F含有量66%)、ソルベイソレクシス社製品テクノフロンN60HS(同28;フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体、F含有量66%)やダイニオン社製品FC-2120(同23)、FC-2122(同25)、FC-2123(同25)、FC-2170(同31)、FC-2174(同40)、FC-2176(同30)、FC-2177(同33)、FC-3009(同30)、FE-5620Q(同23)、FE-5621(同23)、FE-5641Q(同40)<以上、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体、F含有量65.9%>、FLS-2530(同38)<フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン2元共重合体、F含有量69.0%>、FE-5840Q(同37)<フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン-テトラフルオロエチレン3元共重合体、F含有量70.1%>等の少くとも一種がそのまま用いられている。
【0015】
また、このフッ素ゴムの加硫剤として用いられるポリヒドロキシ芳香族化合物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン[ビスフェノールAF]、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、4,4´-ジヒドロキシジフェニル、4,4´-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4´-ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタンなどが挙げられ、好ましくはビスフェノールA、ビスフェノールAF、ヒドロキノンなどが用いられる。これらはまた、アルカリ金属塩あるいはアルカリ土類金属塩の形であってもよい。これらの加硫剤は、フッ素ゴム100重量部当り約0.5〜10重量部、好ましくは約0.5〜6重量部の割合で用いられる。これより少ない使用割合では架橋密度が不足し、一方これより多いと架橋密度が高くなりすぎて、ゴム状弾性を失う傾向がみられるようになる。
【0016】
ポリオール加硫系フッ素ゴムの加硫に際しては、受酸剤を用いることが好ましく、受酸剤としては2価金属の酸化物または水酸化物、例えばマグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、亜鉛等の酸化物または水酸化物あるいはハイドロタルサイト類縁化合物等が、フッ素ゴム100重量部当り約1〜20重量部、好ましくは約3〜6重量部の割合で用いられる。
【0017】
また、加硫促進剤としては、第4級オニウム塩(第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩)、N-アルキル置換アミド化合物、活性水素含有芳香族化合物-第4級ホスホニウム塩等モル分子化合物、2価金属アミン錯体化合物等を、フッ素ゴム100重量部当り約10重量部以下、好ましくは約0.1〜5重量部の割合で用いることもできる。
【0018】
本発明のフッ素ゴム磁性材料においては、ムーニー粘度ML1+10(121℃)のポリオール加硫系フッ素ゴムが用いられる一方で、それの生地ロール混練性および製品金型離型性を確保するために、加工助剤としてのパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体が、ポリオール加硫系ゴム100重量部当り1〜7重量部、好ましくは2〜6重量部、さらに好ましくは3〜6重量部の割合で添加して用いられる。
【0019】
この特定の加工助剤の添加割合がこれよりも少ないと、特に磁性粉添加量が300重量部以上の場合、加硫成形後の製品の金型離型性が悪化するようになる。一方、これ以上の添加割合で特定の加工助剤が用いられると、コスト的に好ましいばかりではなく、生地の強度が低下し、ロール加工性が低下するようになる。
【0020】
かかるパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体は、例えば特許文献3に記載されており、一般式
CH2=CB1COOB2Rf (C-1)
B1:H、F、メチル基
B2:炭素数1〜6のアルキレン基
Rf:炭素数6〜21のパーフルオロアルキル基
で表わされるパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの単独重合体または共重合体である。これらの重合体は、数平均分子量Mnが1000〜1000000であってもよいとされている。
【0021】
共重合体を形成する共単量体は、好ましくは一般式
CH2=CB3COOB4 (C-2)
B3:H、F、メチル基
B4:炭素数1〜24の炭化水素基、グリシジル基
で表わされた(メタ)アクリル酸エステルであり、例えば(メタ)アクリル酸のメチル、ブチル、2-エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、グリシジルエステル等が挙げられ、離型性の点からは2-エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル等の高級アルコールの(メタ)アクリレート、特にアクレートが望ましいとされる。
【0022】
また、他の共単量体としては、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブチルビニルエーテル等が挙げられる。
【0023】
前記単量体(C-1)は、共重合体中20重量%以上の割合で共重合されるが、離型性の点からは好ましくは40重量%以上、より好ましくは80重量%以上であり、100重量%の単独重合体であってもよい。実際には、市販品、例えばダイキン工業製品ダイフリーFB-962等がそのまま用いられる。
【0024】
磁性粉としては、一般にその粒径が約0.5〜10μm程度のフェライト磁石粉や希土類磁石粉が用いられるが、コストやゴムとの密着性の点から磁力は希土類磁石粉に比べると低いもののフェライト磁石粉が用いられる。フェライト磁石粉の中では、磁力の点からストロンチウムフェライト粉またはバリウムフェライト粉が好んで用いられる。これらの磁石粉は、磁性粉20gに5重量%ポリビニルアルコール水溶液1.5mlを加えて直径25.4mmの円筒金型に入れ、1トン/cm2の圧力で加圧成形して試料を作製し、直流磁化測定機で残留磁束密度Brと保磁力iHcを測定したときの圧粉磁性でBrが1600G以上で、iHcが2000 Oe以上のものを用いることが好ましい。
【0025】
かかる磁性粉は、ポリオール加硫系フッ素ゴム100重量部当り約200〜500重量部、好ましくは約250〜450重量部の割合で配合されて用いられる。配合割合がこれよりも少ないと、センサ用ゴム磁石としての性能が発揮できないばかりではなく、生地粘度が低すぎて、生地がロールに粘着するため、混練作業性が悪くなる。一方、これ以上の配合割合で用いられると、加硫成形物の柔軟性が著しく損われるようになる。
【0026】
以上の各成分を必須成分とするフッ素ゴム組成物中には、必要に応じてカーボンブラックによって代表される補強剤、老化防止剤、可塑剤、加工助剤、加硫助剤等が添加されて用いられ、これらの各成分は密閉式混練機およびオープンロール等を用いて混練され、混練物は約150〜200℃、約1/2〜60分間程度の条件下で、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形等の加圧成形方法で成形される。
【実施例】
【0027】
次に、実施例について本発明を説明する。
【0028】
実施例1
2元系フッ素ゴム(ソルベイソレクシス社製品 100重量部
テクノフロンN60HS;ML1+10(121℃)28)
ストロンチウムフェライト磁性粉 300 〃
(DOMAエフテック製品SF-D630)
加工助剤(ダイキン製品ダイフリーFB-962) 2 〃
酸化マグネシウム 3 〃
水酸化カルシウム 6 〃
ビスフェノールAF(デュポンエラストマー社製品 4 〃
キュラティブ#20)
第4オニウム塩(同社製品キュラティブ#30) 1.5 〃
以上の各配合成分を密閉式混練機(加圧式ニーダ)およびオープンロールを用いて混練し、混練物を180℃で6分間圧縮成形して、厚さ2mmのゴムシートを加硫成形した。
【0029】
上記混練物および加硫シートについて、次の各項目の測定および評価を行った。
ロール混練性(生地加工性)評価
○:混練時のロール巻付性が良好
△:多少粘着はみられるが、混練に支障はない
×:ロール粘着が大きく、混練作業が困難
加硫後の金型離型性評価
○:ゴムシートの離型時に金型への粘着やゴム自体の破損がなく、円滑に離型
できる
△:多少金型への粘着がみられるが、離型は可能
×:離型時にゴムシートの破損が著しく、シートとしての離型が困難
生地流動性:JIS K6300準拠
東洋精機製ムーニービスコメーターAM-3を使用し、125℃で最低ムー
ニー粘度Vmを測定
常態物性:JIS K6253:1997準拠;デュロメーターA(瞬時)
JIS K6251準拠;引張強さ、伸び
磁力(飽和磁化Ms)の測定:
東英工業製VSM-5型振動試料型磁力計を用い、ゴムシート試料(3×5×2mm)に
ついて、印加磁界1.5×104Oe、振動数80Hzの条件下で磁力曲線を測定し、飽和
磁化Msを求めた
【0030】
実施例2
実施例1において、加工助剤量が4重量部に変更された。
【0031】
実施例3
実施例1において、加工助剤量が6重量部に変更された。
【0032】
比較例1
実施例3において、加工助剤量が8重量部に変更された。
【0033】
比較例2
実施例1において、加工助剤が用いられなかった。
【0034】
比較例3
実施例1において、加工助剤としてカルナバワックス(デュポンエラストマー社製品VPA#2)が同量用いられた。
【0035】
比較例4
実施例1において、加工助剤として脂肪族モノカルボン酸軽金属塩(テクニカルプロセシング社製品TE-58A)が同量用いられた。
【0036】
比較例5
実施例2において、加工助剤が用いられなかった。
比較例6
実施例2において、加工助剤として脂肪族モノカルボン酸軽金属塩(TE-58A)が同量用いられた。
【0037】
実施例4
実施例2において、フッ素ゴムとしてデュポン社製品Viton A-200(ムーニー粘度ML1+10(121℃)20)が同量用いられた。
【0038】
実施例5
実施例2において、フッ素ゴムとしてダイニオン社製品FC-2123(ムーニー粘度ML1+10(121℃)25)が同量用いられた。
比較例7
実施例1において、フッ素ゴムとしてデュポン社製品Viton A-100(ムーニー粘度ML1+10(121℃)12)が同量用いられた。
【0039】
以上の各実施例および比較例で得られた測定・評価結果は、用いられたフッ素ゴム、磁性粉、加工助剤の種類および配合量(単位:重量部)と共に、次の表に示される。

実1 実2 実3 比1 比2 比3 比4 比5 比6 実4 実5 比7
〔配合成分〕
フッ素ゴム
N60HS 100 100 100 100 100 100 100 100 100 − − −
A-200 − − − − − − − − − 100 − −
FC-2123 − − − − − − − − − − 100 −
A-100 − − − − − − − − − − − 100
磁性粉 300 400 500 500 300 300 300 400 400 400 400 300
加工助剤
FB-962 2 4 6 8 − − − − − 4 4 2
VPA#2 − − − − − 2 − − 4 − − −
TE-58A − − − − − − 2 − − − − −
〔測定・評価結果〕
ロール混練性 ○ ○ ○ △ △ ○ △ × ○ ○ ○ △
金型離型性 ○ ○ ○ △ △ △ × × × ○ ○ △
Vm 80 99 157 151 97 78 81 NG 98 72 76 60
硬さ(ポイント) 93 96 97 96 92 93 NG NG NG 92 92 95
引張強さ (MPa) 5.0 4.6 4.8 4.5 5.1 5.1 NG NG NG 4.7 4.9 4.7
伸び (%) 270 190 100 110 280 270 NG NG NG 300 280 270
Ms (mT) 205 232 251 249 203 202 NG NG NG 230 228 200
注1) 比較例3、7は、いずれもゴムシート加硫成形後にシート
形状が保持できず、成形が不能であった
注2) NG:測定不能
【0040】
以上の結果から、次のようなことがいえる。
(1) 実施例1〜5では、ロール混練性、金型離型性が共に良好で、また多量の磁性粉を充填できるため、高い磁力を発揮する成形物の成形が可能である。
(2) 比較例1では、生地の強度が弱くなり、ロール加工性が低下する。
(3) 比較例2、5では、適正な粘度のポリマーを使用しても、加工助剤を使用していないため、ロール混練性、金型離型性に共に劣っている。
(4) 比較例3、4、6では、適正な粘度のポリマーを使用しても、添加される加工助剤が適正でないため、金型成形性に劣っている。
(5) 比較例7では、ポリマー粘度が低すぎるため、ロール加工性、金型離型性に劣っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムーニー粘度ML1+10(121℃)が15〜40のポリオール加硫系フッ素ゴム100重量部当り、1〜7重量部のパーフルオロアルキル基含有アクリル酸エステルの重合体および200〜500重量部の磁性粉が添加されたフッ素ゴム磁性材料。
【請求項2】
磁性粉がフェライト磁石粉または希土類磁石粉である請求項1記載のフッ素ゴム磁性材料。
【請求項3】
フェライト磁石粉がストロンチウムフェライト粉またはバリウムフェライト磁石粉である請求項2記載のフッ素ゴム磁性材料。
【請求項4】
センサ用ボンド磁石の成形材料として用いられる請求項1、2または3記載のフッ素ゴム磁性材料。
【請求項5】
請求項4記載のフッ素ゴム磁性材料から加硫成形されたセンサ用ボンド磁石。
【請求項6】
空圧シリンダのオートスイッチ用位置検出磁性ゴムリングとして用いられる請求項5記載のセンサ用ボンド磁石。

【公開番号】特開2012−41458(P2012−41458A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184535(P2010−184535)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000004385)NOK株式会社 (1,527)
【Fターム(参考)】