説明

フマル酸アルミニウムから成る有機金属フレームワーク材料

本発明は、フレームワーク構造の形成下に、フマレートイオンに配位結合したAlIII−イオンから形成された多孔質有機金属フレームワーク材料に関する。更に本発明は、このような多孔質有機金属フレームワーク材料を含有する成形品、ならびにその製造及び物質をその貯蔵、制御された放出、分離、化学反応のために吸収するための使用又は担体としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質有機金属フレームワーク材料、これらを含有する成形品、該フレームワーク材料の製法ならびにその使用に関する。
【0002】
多孔質有機金フレームワーク材料は、従来技術からも公知である。これらは、特にそれらの多孔度により傑出し、かつ無機ゼオライトから周知のものに匹敵する用途で頻繁に使用されている。
【0003】
有機金属フレームワーク材料は、通常金属イオンに配位結合した少なくとも二座の有機化合物を有し、これは金属イオンと一緒に有機金属フレームワーク材料の骨格を形成する。
【0004】
金属及び/又は有機化合物の適切な選択により、所望する用途分野に最適化することができる。この場合に、例えば有機化合物の選択は、細孔分布に影響を与えることができる。更に金属は吸着プロセスの際に寄与する。
【0005】
従って、金属ならびに有機化合物の選択により、特に際だった特性を有する特殊な有機金属フレームワーク材料を提供する要求が高まっている。
【0006】
関心のある1つの金属としてアルミニウムが挙げられる。それというのも、著しい配位結合により、比較的に頑強な有機金属フレームワーク材料が得られるからである。更に、アルミニウムイオンは、その八面配位体の配位により原則的に適切な三次元のフレームワーク化合物を構成することができる。更に、出発材料として使用されるアルミニウムの塩は容易に入手可能であり、かつ安価である。
【0007】
従って、本発明の課題はアルミニウムをベースとし、かつ気体のような化学物質の貯蔵と分離に関して特殊な特性を有するフレームワーク材料を提供することである。
【0008】
前記課題は、フレームワーク構造の形成下に、フマレートイオンに配位結合したAlIII−イオンから形成された多孔質有機金属フレームワーク材料により解決された。
【0009】
アルミニウムイオンとフマレートイオン(トランス−1,2−エチレンジカルボキシレート)から形成される多孔質有機金属フレームワーク材料は、意外にも一次元のチャンネル構造を有し、これは更に著しく高い比表面積を示すので、本発明の有機金属フレームワーク材料は化学物質、その中でも特に気体の貯蔵及び分離に特に適切であることができる。
【0010】
従って、本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料は、斜方晶構造として構成された一次元のチャンネル構造により傑出している。
【0011】
本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料の構造は、特に8゜<2θ<12゜の範囲名の基本反射を有するX線回折パターン(XRD)により認識できる。
【0012】
図1には、本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料のX線回折パターンが示されている。この場合に、強さl(Lin(カウント))は2シータスケール(2θ)の関数として記載されている。
【0013】
この場合に、回折パターンは次のように算出される:試料は市販の機器の試料容器中に粉末として装入される(Siemens D-5000回折計又はBruker D8-Advance)。放射源として可変一次及び二次ブラインドと二次モノクロメーターを用いてCu-Kα線を使用した。シグナルの検出は、シンチレーション検出器(Siemens社)又はSolex−半導体検出器(Bruker社製)を用いて行った。2θの測定範囲は、一般に2゜〜70゜が選択される。角度ステップは、0.02゜であり、1角度ステップあたり通常2〜4秒である。評価では、反射は少なくとも3倍高いシグナル強さによりバックグランドノイズとは異なる。面積分析は、個々の反射に手動で基線を引くことにより行うことができる。二者択一的に、Bruker社の"Topas-Profile"のようなプログラムを使用でき、この場合に、ソフトウエアで一次多項式によりバックグランドの適合が自動的に生じる。
【0014】
本発明のフレームワーク材料の構造は、一次元のチャンネル構造を有し、その際、AlIIIイオンとOH基から成る直鎖が有機フマレートにより架橋して、三次元の八面構造を生じる。
【0015】
本発明による有機金属フレームワーク材料は、粉末状もしくは凝集物として存在することができる。
【0016】
本発明の多孔質有機金属フレームワーク材料は、それ自体として粉末の形で使用されるか、又は成形品に変換することができる。
【0017】
従って、本発明のもう1つの態様は、粉末の形で存在する本発明の多孔質有機金属フレームワーク材料である。
【0018】
よって、本発明の更なる態様は、本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料を有する成形品である。
【0019】
有機金属フレームワーク材料を有する成形品の製造は、例えば、WO-A 03/102000に記載されている。
【0020】
ここでは、成形品を製造するための有利な方法は押出とタブレット化である。成形品の製造の際に、フレームワーク材料は更なる材料、例えば、製造の際に添加される結合剤、滑剤又はその他の添加剤のようなものを有することができる。同様に、フレームワーク材料は、更なる成分、例えば活性炭又はそのような物のような吸着剤を有する事が考えられる。
【0021】
成形品の可能な形状に関しては、殆ど制限が無い。挙げられるペレットの例は、例えば、ディスク型ペレット、丸状物、球状物、粒状物、押出物、例えば、棒状物、ハチの巣物、格子状物及び中空体である。
【0022】
これらの成形体の製造に関しては、原則的に全ての適切な方法が可能である。特に、以下の方法が有利である:
− フレームワーク材料を単独で、又は少なくとも1つの結合剤及び/又は少なくとも1つのペースト剤及び/又は少なくとも1つのテンプレート化合物と一緒に混練/パンミリングして混合物を得る;少なくとも1つの適切な方法、例えば押出成形を用いて得られた混合物を成形する;場合により、押出物を洗浄及び/又は乾燥及び/又はか焼する;場合によりすぐに利用できるようにする。
【0023】
− 少なくとも1つの結合剤及び/又は他の助剤と一緒にタブレット化する。
【0024】
− フレームワーク材料を、場合により少なくとも1つの多孔質担体材料に塗布する。次に得られた材料を上記の方法に従って更に加工して成形品にする。
【0025】
− フレームワーク材料を、場合により少なくとも1つの多孔質担体に塗布する。
【0026】
混練/パンミリング及び成形は、例えば、Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、第2巻、313頁以降(1972)に記載されているような適切な方法により、それぞれ行うことができる。
【0027】
例えば、混練/パンミリング及び/又は成形は、少なくとも1つの結合剤の存在又は不在下にピストンプレス、ローラープレス、コンパウンディング、ペレット成形、タブレット化、押出成形、共有押出形成、フォーミング、スピニング、コーティング、顆粒化、有利には噴霧−顆粒化、スプレー、噴霧乾燥、又はこれらの方法の2つ以上の組合せにより行うことができる。
【0028】
特に有利には、ペレット及び/又はタブレットが製造される。
【0029】
混練及び/又は成形は、高温で、例えば室温から300℃の範囲内で、及び/又は高圧、例えば標準圧から数百バールの範囲内で、及び/又は保護ガス雰囲気中で、例えば、少なくとも1つの希ガス、窒素又はこれらの2つ以上の混合物の存在で行うことができる。
【0030】
混練及び/又は成形は、少なくとも1つの結合剤を添加しながら更なる実施態様により実施され、その際、結合剤として、混練及び/又は成形すべき材料の混練及び/又は成形に望ましい粘度を保証するどの化学化合物も原則として使用できる。従って、本発明の意味する範囲内での結合剤は、粘度を上げる化合物と粘度を下げる化合物の両方であることができる。
【0031】
特に有利な結合剤として、例えば、酸化アルミニウム、又はWO 94/29408に記載されているような酸化アルミニウムを有する結合剤、EP 0592050A1に記載されているような二酸化ケイ素、例えばWO94/13584に記載されているような二酸化ケイ素と酸化アルミニウムの混合物、例えばJP03-037156に記載されているような粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、ハロサイト、ディッカイト、ナクライト及びアノーキサイト、例えば、EP 0102544B1に記載されているようなアルコキシシラン、例えば、テトラアルコキシシラン、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、又は例えば、トリアルコキシシラン、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキシシラン、アルコキシチタネート、テトラアルコキシチタネート、例えば、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート、又は例えば、トリアルコキシチタネート、例えば、トリメトキシチタネート、トリエトキシチタネート、トリプロポキシチタネート、トリブトキシチタネート、アルコキシジルコネート、例えば、テトラアルコキシジルコネート、例えば、テトラメトキシジルコネート、テトラエトキシジルコネート、テトラプロポキシジルコネート、テトラブトキシジルコネート、又は例えば、トリアルコキシジルコネート、例えば、トリメトキシジルコネート、トリエトキシジルコネート、トリプロポキシジルコネート、トリブトキシジルコネート、シリカゾル、親水性物質及び/又はグラファイトが挙げられる。
【0032】
粘性を上げる化合物として、場合により上記の化合物の他に、例えば有機化合物及び/又はセルロースもしくはセルロース誘導体のような親水性ポリマー、例えば、メチルセルロース及び/又はポリアクリレート及び/又はポリメタクリレート及び/又はポリビニルアルコール及び/又はポリビニルピロリドン及び/又はポリイソブテン及び/又はポリテトラヒドロフラン及び/又はポリエチレンオキシドを使用できる。
【0033】
ペースト剤として、有利には特に水又は少なくとも1つのアルコール、例えば、1〜4個の炭素原子を有するモノアルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール又は2−メチル−2−プロパノール、又は水と前記のアルコールの少なくとも1つとの混合物、又は多価アルコール、例えば、グリコール、有利には水と混合可能な多価アルコールを単独で又は水及び/又は前記の一価アルコールの少なくとも1つとの混合物として使用できる。
【0034】
混練及び/又は成形に使用できる更なる添加剤は、例えば特に、アミンもしくはアミン誘導体、例えば、テトラアルキルアンモニウム化合物又はアミノアルコール及び炭酸カルシウムのような炭酸塩含有化合物である。このような更なる添加剤は、例えば、EP 0389041A1、EP 0200260A1又はWO 95/19222に記載されている。
【0035】
成形と混練の際にテンプレート化合物、結合剤、ペースト剤、粘度上昇物質のような添加剤を添加する順番は、原則的に重要ではない。
【0036】
もう1つの有利な実施態様では、混練及び/又は成形により得られる成形品には、少なくとも1つの乾燥工程が課され、これは一般に25〜500℃の範囲内、有利には50〜500℃の範囲内の温度、特に有利には100〜350℃の範囲内で行われる。同様に、真空で又は保護ガス雰囲気下に噴霧乾燥により乾燥することができる。
【0037】
特に有利な実施態様では、この乾燥工程の範囲内で添加剤として添加された化合物のうち少なくとも1つは、少なくとも部分的に成形品から除去される。
【0038】
本発明による有機金属フレームワーク材料は、孔、特に属ぞくめいミクロ孔及び/又はメソ孔を有する。ミクロ孔は、2nm未満の直径を有するものとして定義され、かつメソ孔は2〜50nmの範囲内の直径として定義される(Pure& Appl. Chem. 57(1985)、603〜619頁)。ミクロ孔及び/メソ孔の存在は、吸着測定値を用いて検査でき、その際、これらの測定値はDIN66131及び/又はDIN66134により77ケルビンで有機金属フレームワーク材料が吸着した窒素の容量を決定する(ラングミュアによる)。
【0039】
孔は5〜15オングストローム、特に有利には7〜12オングストロームの直径を有する一次元のチャンネルの形であるのが有利である。
【0040】
粉末状の形の本発明による有機金属フレームワーク材料の比表面積は、ラングミュアモデル(DIN 66131, 66134)により計算して、少なくとも1000m2/g、より有利には少なくとも1200m2/g以上、より有利には少なくとも1400m2/g以上、更に有利には少なくとも1600m2/g以上、更に有利には少なくとも1800m2/g、特に有利には少なくとも1950m2/gである。
【0041】
本発明による有機金属フレームワーク材料から成る成形品は、より小さな比表面積を有することができる:しかし有利には少なくとも500m2/g、より有利には少なくとも600m2/g、更に有利には少なくとも700m2/g、特に有利には少なくとも800m2/gである。
【0042】
本発明のもう1つの対象は、本発明による多孔質の有機金属フレームワーク材料の製法であり、前記方法は
− 所定の温度と所定の圧力で、有機溶媒の存在で、少なくとも1つのアルミニウム化合物を含有する反応混合物をフマル酸又はその塩と反応させる
工程から成る。
【0043】
本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料の有機成分として、アルミニウム化合物と反応できるフマル酸を使用できる。同様に、フマル酸の誘導体を使用することができる。従って、例えばフマル酸をその塩の形で使用することも考えられる。フマル酸の場合には完全に又は部分的に脱プロトン化したアニオンとして存在する塩は、任意に適切なカチオンを有することができる。
【0044】
このようなカチオンは、例えば一価又は二価の、有利には一価の金属イオンであることができる。この例は、特にナトリウム塩及びカリウム塩である。同様に、アンモニウム化合物のカチオンも使用可能である。この場合に、特にアンモニウム自体ならびにアルキルアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0045】
アルミニウム化合物は、金属アルミニウムのアノード酸化により生成することができる。このような場合に、本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料は、少なくとも部分的に電気化学的方法で製造される。多孔質有機金属フレームワーク材料の電気化学的製法は、WO-A2005/049892に記載されている。本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料のアルミニウム化合物の生成も、この方法で製造できる。
【0046】
本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料の電気化学的製造の際に、アルミニウムイオンのカソード再堆積は、以下の方法のうち少なくとも1つにより部分的に妨げられる:
(i)水素のカソード形成を促進する電解質を使用する;
(ii)カソード脱分極を生じる少なくとも1つの化合物を添加する;
(iii)適切な水素過電圧を有するカソードを使用する
が有利に挙げられる。
【0047】
この方法は、非分離セルで実施できる。特に適切なセルは、ギャップセル又はセルスタックプレートである。これは、二極に連結していることができる。反応媒体として、特にメタノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド又はこれらの溶媒の2つ以上から成る混合物が適切である。
【0048】
反応混合物中、更に1つの電解質塩又は複数の電解質塩が存在することができる。この場合に、電解質塩は、カチオン成分として第四級アンモニウムイオン、アニオン成分としてアルコキシスルフェートを有する。全体の固体含有量は、0.5質量%以上の範囲内であるのがよい。
【0049】
本発明による有機金属フレームワーク材料を製造するための本発明による方法での反応は、通常の方法で行うことができる。ここで、アルミニウム化合物は通常アルミニウム塩である。
【0050】
アルミニウム塩は、アルコラート、アセトネート、ハロゲン化物、硫化物の形で、酸素を有する有機もしくは無機の塩又はこれらの混合物として存在できる。
【0051】
アルコラートは、例えば、メタノラート、エタノラート、n−プロパノラート、i−ププロパノラート、t−ブタノラート、i−ブタノラート、t−ブタノラート又はフェノラートである。
【0052】
アセトネートは、例えばアセチルアセトナートである。
【0053】
ハロゲン化物は、例えば、塩化物、臭化物又はヨウ化物である。
【0054】
酸素を有する有機酸は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸又は他のアルキルモノカルボン酸である。
【0055】
酸素を有する無機酸は、例えば、硫酸、亜硫酸、リン酸又は硝酸である。
【0056】
更に有利なアルミニウム化合物は、無機アルミニウム塩、例えば、塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、硫酸水素アルミニウム、リン酸二水素アルミニウム、リン酸一水素アルミニウム、リン酸アルミニウム、硝酸アルミニウムである。
【0057】
アルミニウム化合物は、場合により水和反応の水を有することができ、これが有利である。アルミニウム化合物として、塩化物、硝酸塩ならびに硫酸塩の水和物が特に有利である。
【0058】
本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料を製造するための本発明による方法での反応は、少なくとも有機溶媒の存在で行われる。この場合にソルボサーマル条件が使用される。
【0059】
本発明の範囲内での"熱による"という用語は、本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料への反応が、反応の際に密閉され、かつ高温が適用される圧力容器内で実施され、存在する溶媒の蒸気圧により、圧力容器内の反応媒体の中の圧力が形成されることを意味すると解釈される。
【0060】
有利には、反応は水を含有する媒体では行われず、よってソルボサーマル条件下には行われない。従って、本発明の方法では反応は非水溶媒の存在で生じるのが有利である。
【0061】
従って、本発明による方法での反応は、1〜16バール(絶対圧)の圧力、有利には1〜3バール(絶対圧)の圧力で行われる。しかし、圧力は最大でも1230mbar(絶対圧)であるのが更に有利である。特に、反応は大気圧で行われるのが特に有利である。しかし、この場合に装置により大気圧を僅かに上回るか又は下回ることもある。従って、本発明の範囲内では、"大気圧"という用語は、実際の大気圧±150mbarから生じる圧力範囲を意味する。
【0062】
反応は、有利には100℃〜200℃の温度範囲内で行われる。110℃〜170℃の範囲内の温度も有利である。更に有利な温度は120℃〜150℃の範囲内である。
【0063】
反応混合物は更に塩基を有することができる。これは、特に少なくとも二座の有機化合物としてカルボン酸を使用する際に、これを溶けやすくすることに役立つ。有機溶媒の使用により、このような塩基を頻繁に使用する必要がない。しかし、本発明の方法の溶媒はそれ自体として塩基的に反応するように選択できるが、この事は本発明による方法の実施に強制的ではない。
【0064】
同様に、塩基を使用することができる。しかし、付加的に塩基を使用しないのが有利である。
【0065】
反応は撹拌しながら行うのが有利であるが、この事はスケールアップの場合にも有利である。
【0066】
(水系)有機溶媒は、有利にはC1〜6−アルカノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン(MEK)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテート、場合によりハロゲン化されたC1〜200−アルカン、スルホラン、グリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、脂環式アルコール、例えば、シクロヘキサノール、ケトン、例えばアセトン又はアセチルアセトン、シクロケトン、例えばシクロヘキサノン、スルホレン、又はこれらの混合物である。
【0067】
1〜6−アルカノールは、1〜6個の炭素原子を有するアルコールを意味する。この例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール及びこれらの混合物である。
【0068】
場合によりハロゲン化されたC1〜200−アルカンは、1〜200個の炭素原子を有するアルカンを意味し、その際、1個以上から全ての水素原子は、ハロゲン、有利には塩素又はフッ素により、特に塩素により置換されていることができる。それらの例は、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンならびにこれらの混合物である。
【0069】
有利な溶媒は、DMF、DEF、DMAc及びNMPである。DMFが特に有利である。
【0070】
"非水"という用語は、溶媒の全重量に対して、10質量%、より有利には5質量%、更に有利には1質量%、更に有利には0.1質量%、特に有利には0.01質量%の最大の水含有量を超えない溶媒に関する。
【0071】
有利には、反応の際の最大の水含有量は10質量%、より有利には5質量%、更に有利には1質量%である。
【0072】
"溶媒"という用語は、単なる溶媒ならびに種々の溶媒の混合物に関する。更に少なくとも1つの金属化合物と、少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物の反応の方法工程に、か焼工程が続くのが有利である。この場合に、使用される温度は、通常は250℃、有利には300〜400℃である。
【0073】
か焼工程により、孔の中に存在する少なくとも二座の有機化合物を除去できる。
【0074】
これを補うため、又は二者択一的に、少なくともの二座の有機化合物(リガンド)の、多孔質有機金属フレームワーク材料の孔からの除去は、形成されたフレームワーク材料を非水溶媒で処理することにより行うことができる。この場合に、"抽出法"の種類によりリガンドは除去され、かつ場合によりフレームワーク材料中で溶媒分子により置換される。
【0075】
処理は、有利には少なくとも30分間行われ、かつ通常は7日間まで実施できる。これは室温で又は高温で行われる。有利には、高温下に例えば少なくとも40℃、有利には60℃で行われる。更に、抽出は使用される溶媒の沸点で行うのが有利である(還流下に)。
【0076】
処理は、簡単な容器中でフレームワーク材料のスラリー化と撹拌により行われる。ソックスレー抽出器、特に工業用抽出装置のような抽出装置を使用することもできる。
【0077】
適切な溶媒として、上記のもの、例えば、C1〜6−アルカノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジエチルホルムアミド(DEF)、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、アセトニトリル、トルエン、ジオキサン、ベンゼン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン(MEK)、ピリジン、テトラヒドロフラン(THF)、エチルアセテート、場合によりハロゲン化されたC1〜200−アルカン、スルホラン、グリコール、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン、脂環式アルコール、例えば、シクロヘキサノール、ケトン、例えばアセトン又はアセチルアセトン、シクロケトン、例えばシクロヘキサノン、又はこれらの混合物が使用できる。
【0078】
メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、MEK及びこれらの混合物が有利である。
【0079】
特に有利な抽出溶媒はメタノールである。
【0080】
抽出に使用される溶媒は、少なくとも1つの金属化合物と、少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物との反応に使用されるものと同じ又は異なっていてよい。必ずしも必要ではないが、特に"抽出"の際には溶媒は水不含であるのが有利である。
本発明による方法において、アルミニウム化合物:フマル酸又はその塩のモル比は、0.3:1〜1.7:1の範囲内である。0.7:1〜1.2:1の範囲内の比であるのが有利である。
【0081】
本発明のもう1つの対象は、例えば少なくとも1つの物質を、その貯蔵、分離、制御された放出又は化学反応するために吸着するための本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料の使用ならびに担体としての使用である。
【0082】
少なくとも1つの物質は、気体又は気体混合物であるのが有利である。液体も可能である。
【0083】
有機金属フレームワーク材料を用いる貯蔵法は、一般に、WO-A 2005/003622、WO-A 2003/064030、WO-A 2005/049484、WO-A 2006/089908ならびにDE-A 102005012087に記載されている。ここに記載されている方法は、本発明による有機金属フレームワーク材料にも使用できる。貯蔵に有利な気体は、メタン又は水素である。
【0084】
有機金属フレームワーク材料を用いて分離もしくは洗浄する方法は、一般にEP-A 1674555、DE-A 102005000938及びDE-A 102005022844の出願番号のドイツ国特許明細書に記載されている。そこに記載されている方法は、本発明による有機金属フレームワーク材料にも使用できる。分離すべき有利な気体は、二酸化炭素、特に更に一酸化炭素を含有する気体混合物から分離される二酸化炭素である。
【0085】
本発明による多孔質有機金属フレーム材料が貯蔵に使用される場合には、これは有利には−200℃〜+80℃の温度の範囲内で行われる。−40℃〜+80℃の温度範囲がより有利である。有利な圧力範囲は、20バール〜1000バール(絶対圧)、特に100バール〜400バールである。
【0086】
本発明の範囲内では、分かり易くするために"気体"と"液体"という用語が使用される。しかし、この場合に気体混合物ならびに液体混合物もしくは溶液も"気体"もしくは"液体"という用語に含まれると解釈される。
【0087】
有利な気体は、水素、天然ガス、都市ガス、炭化水素、特にメタン、エタン、エテン、アセチレン、プロパン、n−ブタンならびにイソブタン、一酸化炭素、二酸化炭素、酸化窒素、酸素、酸化硫黄、ハロゲン、ハロゲン化炭化水素、NF3、SF6、アンモニア、ボラン、ホスファン、硫化水素、アミン、ホルムアルデヒド、希ガス、特にヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンならびにキセノンである。
【0088】
特に有利な気体は、二酸化炭素を含有する混合物から分離される二酸化炭素である。この場合に、気体混合物は二酸化炭素の他に少なくともH2、CH4又は一酸化炭素を有する。特に、この場合に混合物は二酸化炭素の他に一酸化炭素を有する。二酸炭素少なくとも10体積%、最大でも45体積%と、一酸化炭素少なくとも30体積%、最大でも90体積%を有する混合物が特に有利である。
【0089】
有利な実施態様は、複数の平行吸着反応器を有する圧力変動吸着であり、その際、吸着床は全体的に又は部分的に本発明の材料から成っている。吸着相ではCO2/CO分離は0.6〜3バールのCO2分圧で、かつ少なくとも20℃、しかし最大でも70℃の温度で有利に行われる。吸着した二酸化炭素を脱着するために、関連する吸着反応器中の全圧を通常100mbar〜1barの間の値まで下げる。
【0090】
更に、本発明によるフレームワーク材料を100バール(絶対圧)の最小圧で気体を貯蔵するために使用するのが有利である。より有利には、最小圧は200バール(絶対圧)、特に300バール(絶対圧)である。この場合に、特に有利な気体は水素又はメタンである。
【0091】
しかし、少なくとも1つの材料は、液体であることもできる。このような液体の例は、消毒薬、無機又は有機溶媒、燃料、特にガソリン又はディーゼル、圧媒液、ラジエーター液、ブレーキ液又は油、特に機械油である。更に、液体はハロゲン化された脂肪族又は芳香族、環式又は非環式炭化水素又はこれらの混合物である。特に、液体はアセトン、アセトニトリル、アニリン、アニソール、ベンゼン、ベンゾニトリル、ブロモベンゼン、ブタノール、tert−ブタノール、キノリン、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジエチレングリコール、ジエチルエーテル、ジメチルアセタミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、氷酢酸、無水酢酸、エチルアセテート、エタノール、エチレンカーボネート、二塩化エチレン、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、ホルムアミド、ヘキサン、イソプロパノール、メタノール、メトキシプロパノール、3−メチル−1−ブタノール、塩化メチレン、メチルエチルケトン、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、ピペリジン、プロパノール、プロピレンカーボネート、ピリジン、二硫化炭素、スルホラン、テトラクロロエテン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、トルエン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、トリエチルアミン、トリエチレングリコール、トリグリム、水又はこれらの混合物であることができる。
【0092】
更に、少なくとも1つの物質は香料であることができる。
【0093】
香料は、有利には揮発性有機又は無機化合物であり、これは少なくとも1つの元素である窒素、リン、酸素、硫黄、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を含有するか、又は不飽和もしくは芳香族炭化水素又は飽和もしくは不飽和アルデヒド又はケトンである。より有利な元素は窒素、酸素、リン、硫黄、塩素、臭素であり、特に有利には窒素、酸素、リン及び硫黄が挙げられる。
【0094】
特に、香料はアンモニア、硫化水素、酸化硫黄、酸化窒素、オゾン、環式又は非環式アミン、チオール、チオエーテルならびにアルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、酸又はアルコールである。特にアンモニア、硫化水素、有機酸(有利には酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、バレリアン酸、イソバレリアン酸、カプロン酸、ヘプタン酸、ラウリン酸、ペラルゴン酸)ならびに窒素又は硫黄を含有する環式又は非環式炭化水素、ならびに飽和もしくは不飽和アルデヒド、例えば、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタナール、ノナナール、デカナール、オクテナール又はノネナール及び特に揮発性アルデヒド、例えば、ブチルアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド及びホルムアルデヒド、更に燃料、例えばガソリン、ディーゼル(内容物)が有利である。
【0095】
香料は、例えば香水を製造するのに使用されるフレグランスであることもできる。フレグランス又は、このようなフレグランスを放出する油の例は次のものである:精油、メボウキ油、ゲラニウム油、ミント油、カナンガ油、カルダモン油、ラベンダー油、ペパーミント油、カモミール油、ユーカリ油、ローズマリー油、レモン油、ライム油、オレンジ油、ベルガモット油、マスカテルセージ油、コリアンダー油、サイプレス油、1,1−ジメトキシ−2−フェニルエタン、2,4−ジメチル−4−フェニルテトラヒドロフラン、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール、1,2−ジエトキシ−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン、フェニルアセトアルデヒド、ローズオキシド、エチル−2−メチルペンタノエート、1−(2,6,6−トリメチル−1,3−シクロヘキサジエン−1−イル)−2−ブテン−1−オン、エチルバニリン、2,6−ジメチル−2−オクテノール、3,7−ジメチル−2−オクテノール、tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、アニスアセテート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、エチルリナロール、オイゲノール、クマリン、エチルアセトアセテート、4−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン、4−メチレン−3,5,6,6−テトラメチル−2−ヘプタノン、エチルテトラヒドロサフラネート、硝酸ゲラニル、シス−3−ヘキセン−1−オール、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルメチルカーボネート、2,6−ジメチル−5−ヘプテン−1−アル、4−(トリシクロ[5.2.1.0]デシリデン)−8−ブタナール、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、p−tert−ブチル−α−メチルヒドロシンナムアルデヒド、エチル[5.2.1.0]トリシクロデカンカルボキシレート、ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、リナロール、リナリルアセテート、イオノン、フェニルエタノール及びこれらの混合物。
【0096】
本発明の範囲内では、揮発性香料は沸点もしくは300℃未満の範囲の沸点を有するのが有利である。より有利には香料は容易に揮発する化合物又は混合物である。特に有利には香料は沸点又は250℃未満、より有利には230℃未満、特に有利には200℃未満の範囲の沸点を有する。
【0097】
同様に、高い揮発度を有する香料も有利である。揮発度の尺度として蒸気圧を使用できる。本発明の範囲内では、揮発性香料は0.001kPa(20℃)以上の蒸気圧を有する。より有利には香料は容易に揮発する化合物又は混合物である。特に有利には、香料は0.01kPa(20℃)以上の蒸気圧、より有利には0.05kPa(20℃)以上の蒸気圧を有する。特に有利には、香料は0.1kPa(20℃)以上の蒸気圧を有する。
【0098】
本発明による有機金属フレームワーク材料の存在で化学反応を行うことができる一例は、モノオールならびにポリオールのアルコキシ化である。このようなアルコキシ化の実施は、WO-A 03/035717ならびにWO-A 2005/03069に記載されている。同様に、本発明による多孔質有機金属材料は、エポキシ化にならびにポリアルキレンカーボネートと過酸化水素の製造に使用できる。このような反応は、WO-A03/101975、WO-A 2004/037895ならびにUS-A 2004/081611に記載されている。
【0099】
接触反応が特に有利である。更に本発明の有機金属フレームワーク材料は、担体として、特に触媒用の担体として使用できる。
【0100】
実施例
例1:純粋なAl−フマレート有機金属フレームワーク材料(MOF)の製造
AlCl3*6H2O17.91gとフマル酸9.04g(Linker:Al比=1.05mol/mol)をガラスフラスコ内のDMF550ml中に懸濁させ(固体含有量=0.05g/g)、かつ還流下(130℃)に17時間撹拌した。生じた固体を濾別し、かつアセトン100mlで3回、かつメタノール100mlで2回洗浄した。濾過時間は30秒未満であった。
【0101】
引き続き、真空乾燥棚中100℃で16時間、物質を乾燥させた。白色の予備生成物11.4gが得られた。1155m2/gを有するN2−表面積が測定された(ラングミュア)。
【0102】
例2:純粋なAl−フマレート−MOFの製造
AlCl3*6H2O17.91gとフマル酸10.34g(Linker:Al比=1.2mol/mol)をガラスフラスコ内のDMF550ml中に懸濁させ(固体含有量=0.051g/g)、かつ還流下(130℃)に17時間撹拌した。生じた固体を濾別し、かつアセトン100mlで3回、かつメタノール100mlで2回洗浄した。引き続き、真空乾燥棚中、100℃で16時間物質を乾燥させた。白色の予備生成物11.4gが得られた。1149m2/g(ラングミュア)を有するN2−表面積が測定された。
【0103】
例3:純粋なAl−フマレート−MOFの製造
AlCl3*6H2O17.91gとフマル酸14.64g(Al:Linker比=1.7mol/mol)をガラスフラスコ内のDMF550ml中に懸濁させ(固体含有量=0.058g/g)、かつ還流下(130℃)に17時間撹拌した。生じた固体を濾別し、かつアセトン100mlで3回、かつメタノール100mlで2回洗浄した。引き続き、真空乾燥棚中100℃で16時間、物質を乾燥させた。白色の予備生成物11.4gが得られた。1271m2/gを有するN2−表面積が測定された(ラングミュア)。
【0104】
例4:純粋なAl−フマレート−MOFの製造
AlCl3*6H2O26.9gとフマル酸15.4g(Al:Linker比=1.2mol/mol)をガラスフラスコ内のDMF550ml中に懸濁させ(固体含有量=0.078g/g)、かつ還流下(130℃)に96時間撹拌した。生じた固体を濾別し、かつアセトン100mlで3回、かつメタノール100mlで3回洗浄した。引き続き、物質を真空乾燥棚中100℃で16時間乾燥させた。白色の予備生成物18.4gが得られた。1272m2/gを有するN2−表面積が測定された(ラングミュア)。
【0105】
例5:77Kでの水素−等温線
図2には、本発明によるMOFのH2−吸着が記載されている。Quantachrome社製の商品名Autosorb-1の市販の機器を用いて測定を行った。測定温度は77.4Kであった。試料を測定前に4時間室温で予備処理し、かつ引き続き200℃で更に4時間真空で予備処理した。
【0106】
図2中には、相対圧力p/po(po=94632.4トル)の関数として水素容量K(cc/g STP)が示されている。
【0107】
例6:77Kでの水素−等温線
図3には、Al−フマレートMOFのH2−吸着が記載されている。測定温度は77.4Kであった。試料を測定前に4時間室温で予備処理し、かつ引き続き200℃で更に4時間真空で予備処理した。
【0108】
絶対圧p(バール)を関数とした水素吸着(g/l)が示されている。
【0109】
例7:CO2−分離の適性
例1からの材料において、42℃でのCO2、CO及びメタン(21℃)の純粋な物質の等温線を記録した(図4)。COとCO2−吸着の間の著しい違いは、この物質が原則としてCO2/メタンとCO2/COの分離操作に良好な選択性を有することを示している。
【0110】
図4には、吸着量A(mg/g)が絶対圧p(mbar)の関数として記載されている。この場合に、相応する曲線1、2及び3は、気体のCO2、メタン及びCOである。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は、本発明による多孔質有機金属フレームワーク材料のX線回折パターンを示す図である。
【図2】図2は、本発明によるMOFのH2−吸着を示す図である。
【図3】図3は、Al−フマレートMOFのH2−吸着を示す図である。
【図4】図4は、吸着量A(mg/g)を絶対圧p(mbar)の関数として記載したものを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AlIII−イオンから形成され、そこにフマレートイオンが配位結合して、フレームワーク構造を形成している多孔質有機金属フレームワーク材料。
【請求項2】
フレームワーク材料のX線回折パターン(XRD)は、8゜<2θ<12゜の範囲内の基本反射を有する、請求項1に記載のフレームワーク材料。
【請求項3】
フレームワーク材料は、斜方晶の一次元チャンネル構造を有する、請求項1又は2に記載のフレームワーク材料。
【請求項4】
粉末としてのフレームワーク材料は、77KでのN2吸着によるラングミュアにより測定して少なくとも1000m2/gの比表面積を有する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のフレームワーク材料。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の多孔質有機金属フレームワーク材料を含有している成形品。
【請求項6】
− 所定の温度と所定の圧力で、有機溶媒の存在で、少なくとも1つのアルミニウム化合物とフマル酸又はその塩を含有する反応混合物を反応させる
工程から成る、請求項1から3までのいずれか1項に記載の多孔質の有機金属フレームワーク材料を製造する方法。
【請求項7】
アルミニウム化合物は、アルミニウム塩の水和物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
所定の温度は、100〜200℃の範囲内である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
所定の圧力は、1〜16バール(絶対圧)の範囲内である、請求項6から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
AlIII:フマル酸又はその塩のモル比は、0.3:1〜1.7:1の範囲内である、請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
物質を、その貯蔵又は制御された放出のために吸着するための、請求項1から4までのいずれか1項に記載の多孔質有機金属フレームワーク材料、又は請求項5に記載の成形品の使用。
【請求項12】
物質はメタン又は水素である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
物質を、その分離のために吸着するための、請求項1から4までのいずれか1項に記載の多孔質有機金属フレームワーク材料、又は請求項5に記載の成形品の使用。
【請求項14】
物質は二酸化炭素である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
物質を、その化学反応のために吸着するための、又は担体としての、請求項1から4までのいずれか1項に記載の多孔質有機金属フレームワーク材料、又は請求項5に記載の成形品の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−534348(P2009−534348A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505851(P2009−505851)
【出願日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053567
【国際公開番号】WO2007/118841
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】