説明

フラップ付きラップフィルム装置

【課題】容器から引き出されたラップフィルムに切断刃が触れラップフィルムを損傷する「刃当たり」を防止したラップフィルム装置を提供する。
【解決手段】ラップフィルム装置において、上壁21の幅A、上壁21の水平方向からの回転角をR、蓋前壁上辺242から刃先の頂部221までの寸法をS、開口15の幅をB、フラップ連結部55とフラップ下縁51との間のフラップ寸法をH、フラップ50の垂直方向からの回転角をX、とするとき、回転角R、Xが、各々、0〜45°のある値を取るとき、フラップ下縁の全域において、
S×cosR=A×sinR+H×cosX・・・(3)
H×sinX≦(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4)
が満足されように、寸法A、S、B、Hが選択される。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、食品その他の包装に使用されるラップフィルムのロールを容器内に収容し、容器外へラップフィルムを容易に引出し可能としたラップフィルム装置に関する。より詳しくは、本発明は、容器から引き出されたラップフィルムに切断刃が触れラップフィルムを損傷する「刃当たり」と呼ぶ現象をなくすると共に、ラップフィルム及びその端縁(切断縁部)をフラップにより容器壁面から離間させ、ラップフィルムの端縁を指で摘むことができラップフィルムを容器外へ引き出すことが可能なラップフィルム装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
従来、食品その他の包装のためのラップフィルムのロールを容器内に収容しラップフィルムの使用時に所定量のラップフィルムを容器外へ人手により引出し、容器に設けた切断刃により切断し使用可能とするラップフィルム装置が知られている。特許文献1は、ロール状ラップフィルムを収納する容器本体11、及び容器本体の後面部の頂縁に回動可能に連接された容器蓋部12を備える包装用フィルム容器を開示する。特許文献1の包装用フィルム容器は、容器の前面壁部に突出片15及び剥離可能な接着剤(ストッパーニス)19を備える。
【特許文献1】特開2005−178901号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のラップフィルム装置においては、ラップフィルムのロールを容器内に収容しラップフィルムの使用時にラップフィルムを所定の長さだけ容器外へ人手により引出し、容器に設けた切断刃により切断し使用する。従来のラップフィルム装置においては、ロールを容器外へ引き出した後、切断刃を切断位置、通常、蓋体が開口部を閉じ刃先が最も下降した位置、へ移動するとき、切断刃の刃先が容器から引き出されたラップフィルムを押圧し、引き出されたラップフィルムが切断され損傷する、いわゆる「刃当たり」の問題を有した。この「刃当たり」は、ラップフィルムを損傷させるだけでなく、ラップフィルムの端縁がロール上へ巻き戻り、次回の使用に際してラップフィルムの端縁を引き出すことが困難になる不具合があった。
【0004】
また、従来のラップフィルム装置においては、切断されたラップフィルムの端縁が容器外壁に全面的に付着すると、その後のラップフィルムの使用に際して、ラップフィルムの端縁を人手により摘むことが困難であるため、ラップフィルムの端縁の一部を容器外壁から離間させるためのフラップを備えていた。このフラップは、箱前壁の一部分を突出させ、それによりラップフィルムの端縁の一部分を箱前壁から離間させるものである。しかしながら、ラップフィルムの端縁を箱前壁から突出させると、切断刃をラップフィルムの切断位置へ回動させるとき、移動中の刃先が突出されたラップフィルム部分へ当接し、前述の刃当たりが生じる問題があった。本発明の目的は、このような刃当たりが生じることを防ぐことにある。本発明のその他の目的及び利点は、特許請求の範囲、添付の図面、及び以下の説明において明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のラップフィルム装置は、ラップフィルムのロールを容器内に収容し、容器外へラップフィルムが引出されることを可能とする。容器は、箱本体及び蓋体を含む。箱本体は、箱前壁、後壁、底壁及び対向する2つの箱端壁、並びに箱前壁上辺、後壁上辺及び対向する2つの箱端壁上辺に囲まれた開口を有し、更に箱前壁上辺に連結され箱本体内部をほぼ箱前壁に沿って下方へ伸長する副前壁、引出されたラップフィルムがロール上へ戻るのを防止する粘着剤層、並びに引出されたラップフィルムの端縁を箱前壁から離間させるフラップを有する。蓋体は、上壁、蓋前壁、及び蓋前壁に固着された切断刃を有し、上壁は後壁上辺に連結され、切断刃は蓋体が開口を閉じたとき箱前壁の下方外面に隣接して配置されると共に下方へ突出する頂部を有するV字形の刃先を有する。箱前壁及び副前壁は、一枚の厚紙からなり、箱前壁上辺は前記厚紙の折曲げ部であり、フラップ連結部は折曲げ部の一部であり、フラップは、折曲げ部の復元力により箱前壁に対して回転される。本発明において、『前』は、概略、箱本体に収容されたロールを基準にして切断刃に近い側を指し、『後』は、その反対側を指す。また『上』は、概略、箱本体に収容されたロールを基準にして開口に近い側を指す。
【0006】
本発明のラップフィルム装置においては、上壁(21)の幅即ち後壁上辺(16)と蓋前壁上辺(242)との間の寸法をA、上壁(21)の水平方向からの回転角をR、蓋前壁上辺(242)から刃先(223)までの寸法をS、開口(15)の幅、即ち後壁上辺(16)と折曲げ部(55)との間の寸法をB、フラップ連結部(55)とフラップ下縁(51)との間のフラップ寸法をH、フラップ(50)の垂直方向からの回転角をX、とすると、回転角R、Xが、各々、次の式(1)及び(2)の範囲のある値を取るときに、
0<R<45°・・・(1)
0<X<45°・・・(2)
フラップ下縁の全域において、次の式(3)及び式(4)が満足される。
S×cosR=A×sinR+H×cosX・・・(3)
H×sinX≦(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4)
このように寸法A、B、S、Hを設定することにより、前述の「刃当たり」を防止することができる。式(4)は、下記式(4a)及び式(4b)を含む。
H×sinX<(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4a)
H×sinX=(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4b)
式(4a)の場合は、切断刃の刃先223は、フラップ下縁に接触せず、フラップ下縁上のラップフィルムを切断しない。式(4b)の場合は、切断刃の刃先223がフラップ下縁に接触するが、ラップフィルムを押圧しないので、柔軟なラップフィルムは、小さく変形するだけで、切断されない。
【0007】
本発明のラップフィルム装置は、次の構成を備えることができる。(1)箱前壁及び副前壁は、一枚の厚紙を折曲げ部において折曲げて形成され、箱前壁上辺が折曲げ部で形成され、前記フラップ連結部は前記折曲げ部の一部分である。(2)切断刃は頂部を有するV字形を有する。(3)切断刃のV字形の頂部は対向する2つの箱端壁の間の距離の2等分線の近辺に位置される。(4)前記フラップを箱前壁から回転させる力は、フラップ連結部の折曲げ部の復元力により生じる。(5)前記粘着剤層は、箱前壁の外面又はフラップの外面上に配置される。(6)切断刃の刃先を覆うと共に箱前壁に剥離可能に固着される封止壁を含む。(7)封止壁は、蓋前壁の延長部により形成されると共に蓋前壁に対し破断容易なつなぎ部により接続される。破断容易なつなぎ部は、例えば、ミシン目である。(8)封止壁が箱前壁から剥離されたとき切断刃の刃先が露出されるようにつなぎ部がV字形を有する。(9)封止壁は、箱前壁に対し複数の接着部により接着され、切断刃のV字形の頂部に近い位置にある接着部の面積が頂部から遠い位置にある接着部の面積より小さくすることができる。
【発明の実施の形態】
【0008】
図面を参照し本発明の実施の形態を説明する。添付図面において、同様の部材又は個所には同じ符号を付し説明を簡略にする。図1は、本発明の1実施例のラップフィルム装置の使用開始前の概略斜視図であり、図2Aは、図1のラップフィルム装置の封止壁23を取り外した状態のラップフィルム装置の概略斜視図、図2Bは、箱前壁121から取り外された封止壁23の立面図である。図3は、図2Aのラップフィルム装置の蓋体が開放位置にある状態を示す概略斜視図である。図2Aは、箱前壁121上に封止壁23を接着する円形接着部132、134を示すが、図3の前壁121においては、円形接着部132、134が省略されている。
【0009】
図4は、図3のラップフィルム装置の容器10からラップフィルムを使用者が人手61、62により引き出す状態を示す概略斜視断面図であり、図5は、図2Aのラップフィルム装置の箱前壁121、副前壁125等を分解し展開して示す概略斜視図である。図1乃至図5に示すように、ラップフィルム装置1は、ラップフィルム36のロール30を容器10内に収容し、容器外へラップフィルム36を引出し可能とする構造を有する。容器10は、箱本体12及び蓋体20を含む。図4は、容器10を左手61で持ち右手62でラップフィルムを摘んで引出す状態を示す。フラップ50は対向する2つの箱端壁123間の距離の2等分線上又はそれを外れた位置に配置される。
【0010】
箱本体12は、箱前壁121、後壁122、底壁124及び対向する2つの箱端壁123、並びに箱前壁上辺17、後壁上辺16及び対向する2つの箱端壁上辺に囲まれた開口15を有する。更に箱本体12は、箱前壁上辺17に連結され箱本体内部をほぼ箱前壁121に沿って下方へ伸長する副前壁125、引出されたラップフィルム36がロール30上へ戻るのを防止する粘着剤層14(図3)、並びにラップフィルム及びその端縁361を箱前壁121から離間させるフラップ50を備える。図5に示すように、蓋体20は、対応する2つの蓋端壁25を備える。また箱前壁121は、箱本体の組立時に箱端壁123に固着される固着部136を備える。
【0011】
蓋体20は、上壁21、蓋前壁24、及び蓋前壁に固着された切断刃22を有する。上壁21は、後壁上辺16に連結される。切断刃22は、蓋体20が箱本体の開口15を閉じたとき箱前壁121の下方外面に隣接して配置されると共に下方へ突出する頂部221を有するV字形の刃先223を有する。切断刃のV字形の頂部221は、対向する2つの箱端壁123、123の間の距離の2等分線2(図1)の近辺に位置される。
【0012】
図4は、容器10を左手61で持ち右手62でラップフィルム36を摘んで引出す状態を示す。フラップ50は対向する2つの箱端壁123間の距離の2等分線から離間した位置に配置されるが、フラップ50が対向する2つの箱端壁123間の距離の2等分線を含む位置に配置することもできる。
【0013】
図6は、本発明のラップフィルム装置のフラップ50を示す概略斜視図である。ラップフィルム及びその端縁を箱前壁121から離間させるため、フラップ50は、図5及び図6に示すように箱前壁121の一部分を副前壁125とのフラップ連結部55を残して切り起して形成される。フラップ50の下縁51は、フラップ連結部55によって生じる弾性力により箱前壁121から離間される。フラップ連結部55を長くすることにより、前記弾性力を大きくすることができる。図6に最も良く示されるように、フラップ50の両側に隣接して半円形部分57、57が箱前壁から切除されている。半円形部分57、57は、フラップ50の存在を目立たせる、フラップ50を指で摘み隆起させるのに好都合である、ラップフィルム端縁36を指で摘むときに好都合である等の利点を提供する。
【0014】
フラップ50の形状は、下縁51が直線状または曲線状であってもよい。具体的には、フラップ50の形は、矩形(正方形、長方形)又はフラップ連結部55と下縁51を上底もしくは下底とした台形であってもよい。さらに、下縁が曲線状である場合は、下縁51の中央部が凹形52となっていてもよい。凹形とすることにより、凹形52の上に載ったラップフィルムがフラップ面からわずかに落ち込むことで、切断刃の「刃当たり」が低減される効果を生むことに加えて、フィルムをつまむ際に、凹形となっていることで、フィルムがつまみやすくなる効果を有する。引出されたラップフィルム36がロール30上へ戻るのを防止する粘着剤層14(図3)は、位置を変更して、又は追加的に、フラップ50の外面上に配置され得る。フラップ50の外面は、その下辺が箱前壁121外面から離間され、ラップフィルム36の端縁に接触し易い位置にある故に、フラップ50の外面上の粘着剤層は、引出されたラップフィルム36の端縁をより確実に粘着し保持する。
【0015】
図1、図2A及び図2Bに示すように、ラップフィルム装置1は、切断刃22の刃先を覆うと共に箱前壁121に剥離可能に固着される封止壁23を含む。封止壁23は、蓋前壁24の延長部により形成され、蓋前壁24に対し破断容易なつなぎ部241により接続される。つなぎ部241は、封止壁23が箱前壁121から剥離されたとき切断刃22の刃先223が露出されるように刃先223から所定寸法離間したV字形をなす。また、図2A及び図2Bに示すように、封止壁23は、箱前壁121に対し複数の接着部132,134により接着される。複数の接着部は、それぞれ円形を有し、隣接する円形の中心間の距離は等しくされ、更に、切断刃22のV字形の頂部221に近い位置にある接着部134の面積が頂部221から遠い位置にある接着部132の面積より小さくすることができる。
【0016】
図7は、フラップ50を含み箱端壁123に平行な平面に沿うラップフィルム装置の概略断面図であり、蓋体20が幾分開放位置へ移動された状態を示す。図7に示されるように、切断刃22の刃先223は、蓋体20が箱本体12の開口15を開放する方向へ後壁上辺16のまわりに角度R回転されると、蓋前壁24の上辺242からの垂直方向寸法Sが大きいほど、引き出されたラップフィルム36から大きな距離だけ離間する。寸法Sは、大きくすることにより、切断刃22の刃先223が引き出されたラップフィルム36を押圧し切断する「刃当たり」を減少させる傾向がある。
【0017】
しかしながら、「刃当たり」を減少させるため、寸法Sを大きくすると、図2Bに示す封止壁23の線2付近の垂直寸法Tが小さくなる。封止壁23は、刃先223を隠すと共に、破れることなく箱前壁121表面から剥がれることが必要であり、またラップフィルム装置の使用前は、確実に箱前壁121表面に接着され、切断刃の刃先223を覆っていることを要求される。それ故、封止壁23の線2付近の垂直寸法Tは、一定値以上、例えば10mm以上必要である。本発明においては、図2に示すように、切断刃22のV字形の頂部221に近い位置にある接着部134、134の面積が頂部221から遠い位置にある接着部132の面積より小さくすることができる。
【0018】
図7において、切断刃22の刃先223がフラップ下縁51と上下方向の位置が一致したときに、刃先223が、フラップ下縁51の幅全域においてフラップ50を押圧しないことが「刃当たり」を起こさない条件となる。また本発明のラップフィルム装置においては、上壁21の幅、即ち後壁上辺16と蓋前壁上辺242との間の寸法をA、上壁21の水平方向からの回転角をR、蓋前壁上辺242から刃先223までの寸法をS、開口15の幅、即ち後壁上辺16とフラップ連結部55との間の寸法をB、フラップ連結部55とフラップ下縁51との間のフラップ寸法をH、フラップ50の垂直方向からの回転角をX、とすると、回転角R、Xが、各々、0〜45°のある値を取るとき、即ち、 0<R<45°・・・(1)、0<X<45°・・・(2)であるとき、フラップ下縁の全域において、
S×cosR=A×sinR+H×cosX・・・(3)
H×sinX≦(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4)が満足されように、寸法A、S、B、Hが選択される。
一例として、X=4°のとき切断刃のV字形の頂部221がフラップ下縁の最大寸法部分と接する角度は、A=43mm、B=43mm、S=27mm、H=20mmのときR=9°となる。そのとき、計算式から、H×sinX=3.10mm、(A×cosR+S×sinR)−B=3.70mmとなり、上式の関係を満足することがわかる。これによりラップフィルム装置の前述の「刃当たり」を防止することができる。
【0019】
上記の式(4)は、H×sinX=(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4b)の場合を含むが、この場合、切断刃の刃先223がフラップ下縁に接触するだけで、ラップフィルムを押圧しないので、柔軟なラップフィルムは、切断(損傷)されない。即ち、実質的に「刃当たり」を起こすことはない。本発明のラップフィルム装置において、引出されたラップフィルムがロール上へ戻るのを防止する粘着剤層は、フラップの外面上に配置され得る。フラップの外面は、その下辺が箱前壁の外面から離間され、ラップフィルム及びその切断縁に接触し易い位置にある故に、フラップの外面上の粘着剤層は、引出されたラップフィルムの切断縁をより確実に粘着し保持する効果を奏する。
【0020】
本発明のラップフィルム装置において、封止壁は、蓋前壁の延長部により形成されると共に蓋前壁に対し破断容易なつなぎ部により接続され、封止壁が箱前壁から剥離されたとき切断刃の刃先が露出される。つなぎ部は、切断刃の刃先から所定寸法離間したV字形を有し、且つ箱前壁に対し複数の接着部により接着され、切断刃のV字形の頂部に近い位置にある接着部の面積が頂部から遠い位置にある接着部の面積より小さい。それ故、封止壁は、刃先を隠すと共に、破れることなく箱前壁表面から剥がされることが可能であり、またラップフィルム装置の使用前は、確実に箱前壁表面に接着され、切断刃の刃先を覆うことができる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の1つの実施例のラップフィルム装置の使用開始前の概略斜視図。
【図2】図2Aは図1のラップフィルム装置の封止壁23を除去した状態のラップフィルム装置、図2Bは封止壁23の立面図である。を示す概略斜視図。
【図3】図2Aのラップフィルム装置の蓋体が開放位置にある状態を示す概略斜視図。
【図4】図3のラップフィルム装置からラップフィルムを人手により引き出す状態を示す概略斜視断面図。
【図5】図2Aのラップフィルム装置の箱前壁及び副前壁を展開して示す概略斜視図。
【図6】フラップの概略斜視図。
【図7】フラップを含み箱端壁に平行な平面に沿うラップフィルム装置の概略断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1:ラップフィルム装置、2:2等分線、10:容器、12:箱本体、14:粘着剤層、15:開口、16:後壁上辺、17:箱前壁上辺(連結部)、20:蓋体、21:上壁、22:切断刃、23:封止壁、24:蓋前壁、25:蓋端壁、30:ロール、36:ラップフィルム、50:フラップ、51:フラップ下縁、55:フラップ連結部、57:半円形部分、61:左手、62:右手、121:箱前壁、122:後壁、123:箱端壁、124:底壁、125:副前壁、132、134:接着部、136:固着部、221:頂部、223:刃先、241:つなぎ部、242:蓋前壁上辺、361:ラップフィルム端縁、H:フラップ連結部55とフラップ下縁51との間のフラップ寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップフィルムのロール(30)を容器(10)内に収容し、容器外へラップフィルムを引出し可能としたラップフィルム装置であって、
容器は、箱本体(12)及び蓋体(20)を含み、
箱本体(12)は、箱前壁(121)、後壁(122)、底壁(124)及び対向する2つの箱端壁(123)、並びに箱前壁上辺(17)、後壁上辺(16)及び前記2つの箱端壁上辺に囲まれた開口(15)を有し、更に箱前壁上辺に連結され箱本体内部を箱前壁に沿って下方へ伸長する副前壁(125)、引出されたラップフィルム(36)がロール上へ戻るのを防止する粘着剤層(14)、及び引出されたラップフィルムの端縁(361)を箱前壁から離間させるフラップ(50)を有し、
蓋体(20)は、上壁(21)、蓋前壁(24)、蓋前壁に固着された切断刃(22)を有し、
上壁(21)は、後壁上辺(16)に連結され、切断刃(22)は、蓋体が開口を閉じたとき箱前壁の下方外面に隣接して配置される刃先(223)を有し、
前記フラップ(50)は、副前壁と連結するフラップ連結部(55)を有するように箱前壁(121)の一部分を切り起して形成され、
上壁(21)の幅、即ち後壁上辺(16)と蓋前壁上辺(242)との間の寸法をA、上壁(21)の水平方向からの回転角をR、蓋前壁上辺(242)から刃先(223)までの寸法をS、開口(15)の幅、即ち後壁上辺(16)と箱前壁上辺(17)との間の寸法をB、フラップ連結部(55)とフラップ下縁(51)との間のフラップ寸法をH、フラップ(50)の垂直方向からの回転角をX、とすると、回転角R、Xが、各々、次の式(1)及び(2)の範囲のある値を取るときに、
0<R<45°・・・(1)
0<X<45°・・・(2)
フラップ下縁の全域において、
S×cosR=A×sinR+H×cosX・・・(3)
H×sinX≦(A×cosR+S×sinR)−B・・・(4)
が満足されることを特徴とするラップフィルム装置。
【請求項2】
前記箱前壁(121)及び副前壁(125)は、一枚の厚紙からなり、箱前壁上辺(17)は前記厚紙の折曲げ部であり、前記フラップ連結部(55)は該折曲げ部の一部であり、切断刃(22)は頂部(221)を有するV字形を有し、切断刃のV字形の頂部(221)は対向する2つの箱端壁(123、123)の間の距離の2等分線(2)の近辺に位置されることを特徴とする請求項1のラップフィルム装置。
【請求項3】
前記フラップ(50)は、前記フラップ連結部(55)の復元力により前記回転角Xだけ回転されることを特徴とする請求項2のラップフィルム装置。
【請求項4】
前記粘着剤層(14)は、箱前壁(121)の外面又は前記フラップ(50)の外面上に配置されることを特徴とする請求項1のいずれかのラップフィルム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかのラップフィルム装置であって、更に切断刃の刃先を覆うと共に箱前壁(121)に剥離可能に固着される封止壁(23)を含み、封止壁(23)は、蓋前壁(24)の延長部により形成されると共に蓋前壁に対し破断容易なつなぎ部(241)により接続され、且つ箱前壁に対し複数の接着部(132、134)により接着され、封止壁(23)が箱前壁から剥離されたとき切断刃の刃先(223)が露出されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかのラップフィルム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−239251(P2008−239251A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−22512(P2008−22512)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】