説明

フラーレン誘導体

【課題】有機光電変換素子に用いた場合に長波長領域での光の吸収をより大きくできる、フラーレン誘導体を提供する。
【解決手段】 下記式(1)で表される構造を2個以上有するフラーレン誘導体。
【化1】


[式(1)中、C1及びC2はフラーレン骨格を構成する炭素原子を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、pは0以上の整数を表す。Rは1価の有機基を表す。Qは単結合であるか、又はアリーレン基或いは2価の複素環基を表す。mが複数個存在する場合には、それらのmは、同一の数値であっても異なる数値であってもよい。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラーレン誘導体、該フラーレン誘導体を含有する組成物及び該組成物を用いた有機光電変換素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電子又は正孔(ホール)である電荷の輸送性を有する有機半導体材料は、有機太陽電池、光センサーといった有機光電変換素子等への適用が検討されており、例えばフラーレン誘導体を用いた有機太陽電池が検討されている。
【0003】
このようなフラーレン誘導体としては、炭素数が60であるフラーレン(C60フラーレンという場合がある。以下、炭素数がnであるフラーレンをCフラーレンと称する場合がある。)に1個の官能基が付加されたN−ヘキサデシル−2−(2−ナフチル)フレロピロリジンが知られている(特許文献1参照)。
またC60フラーレンに複数個の官能基が付加された、例えばビス−[60]PCBMと称されるフラーレン誘導体が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−84264号公報
【特許文献2】国際公開第2009/039490号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら従来のフラーレン誘導体を用いた有機光電変換素子は、特に波長500nm以上である長波長領域での光の吸収が十分ではない。よって、従来のフラーレン誘導体を用いる有機光電変換素子は、光電変換効率が低くなってしまっていた。
【0006】
そこで本発明は、有機光電変換素子に用いた場合に長波長領域での光の吸収がより大きくなる、新規なフラーレン誘導体を提供し、ひいては光電変換効率に優れた有機光電変換素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、種々のフラーレン誘導体の合成、分離精製及びその物性などについて鋭意研究を進めたところ、所定構造のフラーレン誘導体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
[1] 下記式(1)で表される構造を2個以上有するフラーレン誘導体。
【化1】

[式(1)中、C1及びC2はフラーレン骨格を構成する炭素原子を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、pは0以上の整数を表す。Rは1価の有機基を表す。Qは単結合であるか、又はアリーレン基或いは2価の複素環基を表す。mが複数個存在する場合には、それらのmは、同一の数値であっても異なる数値であってもよい。]
[2] 下記式(2)で表される、[1]に記載のフラーレン誘導体。
【化2】

[式(2)中、A環は炭素数が60以上であるフラーレン骨格を表す。C1、C2、m、n、p、Q、Rは前記式(1)における定義と同義である。2個のQは同一であっても異なっていてもよい。2個のRは同一であっても異なっていてもよい。複数個存在するmは互いに同一であっても異なっていてもよい。2個のnは同一であっても異なっていてもよい。2個のpは同一であっても異なっていてもよい。]
[3] Rが下記式(3)で表わされる基である[1]又は[2]に記載のフラーレン誘導体。
【化3】

[式(3)中、Rはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又はハロゲン基を表わす。rは0〜5の整数を表わす。Rが複数個存在する場合には、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
[4] 前記A環は炭素数が60以上であるフラーレン骨格であり、前記Rはメトキシ基であり、前記mは2であり、前記nは2であり、前記pは0であり、前記Qは単結合であり、かつ前記rは1である、[3]に記載のフラーレン誘導体。
[5] [1]〜[4]のいずれか1つに記載のフラーレン誘導体を電子受容性化合物として含む組成物。
[6] [1]〜[4]のいずれか1つに記載のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む組成物。
[7] 前記電子供与性化合物が高分子化合物である、[6]に記載の組成物。
[8] 陽極及び陰極からなる一対の電極と、
該一対の電極間に挟持された[1]〜[4]のいずれか1つに記載のフラーレン誘導体を含む活性層と
を備える有機光電変換素子。
[9] 陽極及び陰極からなる一対の電極と、
該一対の電極間に挟持された[6]又は[7]に記載の組成物を含む活性層と
を備える有機光電変換素子。
[10] 陽極及び陰極からなる一対の電極と、
前記一対の電極間に挟持される活性層であって、[1]〜[4]のいずれか1つに記載のフラーレン誘導体を含む電子受容性層及び該電子受容性層に接合される電子供与性化合物を含む電子供与性層を有している前記活性層と
を備える有機光電変換素子。
を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフラーレン誘導体を有機光電変換素子に用いた場合には、長波長領域での光の吸収が従来のフラーレン誘導体を有機光電変換素子に用いた場合と比較して大きくなる。そのため、本発明のフラーレン誘導体を有機光電変換素子の活性層(有機層)の成分として用いることにより、光電変換効率を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、有機光電変換素子の構成例(1)を示す概略的な断面図である。
【図2】図2は、有機光電変換素子の構成例(2)を示す概略的な断面図である。
【図3】図3は、実施例1で合成したフラーレン誘導体AのMALDI−TOF MSスペクトルである。
【図4】図4は、フラーレン誘導体とポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HTという場合がある。)とを含む薄膜の吸収スペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。なお以下の説明において図を参照して説明する場合があるが、各図は発明が理解できる程度に構成要素の形状、大きさ及び配置が概略的に示されているに過ぎず、これにより本発明が特に限定されるものではない。また各図において、同様の構成成分については同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する場合がある。
【0012】
<フラーレン誘導体>
本発明のフラーレン誘導体は、下記式(1)で表される構造を2個以上有する。
【化4】

【0013】
前記式(1)の構造において、C1及びC2はフラーレン骨格を構成する炭素原子を表す。
前記式(1)の構造において、Rは1価の有機基を表す。1価の有機基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲン基又は1価の複素環基であることが好ましい。
【0014】
前記式(1)の構造において、Rがアルキル基である場合には、アルキル基の炭素数は通常1〜20であり、アルキル基は直鎖状であっても分岐状であってもよく、シクロアルキル基であってもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基が挙げられる。前記アルキル基中の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、具体的には、モノハロメチル基、ジハロメチル基、トリハロメチル基、ペンタハロエチル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基が挙げられる。
【0015】
前記式(1)の構造において、Rがアルコキシ基である場合には、アルコキシ基の炭素数は通常1〜20であり、アルコキシ基は直鎖状であっても分岐状であってもよく、シクロアルキルオキシ基であってもよい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ラウリルオキシ基が挙げられる。前記アルコキシ基中の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。水素原子がフッ素原子で置換されたアルコキシ基の具体例としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基が挙げられる。
【0016】
前記式(1)の構造において、Rがアリール基である場合には、アリール基の炭素数は通常6〜60であり、アリール基は置換基を有していてもよい。アリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数が1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられ、炭素数が6〜20であるアリール基が好ましく、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基がより好ましい。前記アリール基中の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。アリール基が有していてもよい置換基としては、炭素数が1〜20である直鎖状或いは分岐状のアルキル基又は炭素数が1〜20であるシクロアルキル基、炭素数が1〜20である直鎖状或いは分岐状のアルキル基又は炭素数が1〜20であるシクロアルキル基をその構造中に含むアルコキシ基があげられる。
【0017】
前記式(1)の構造において、Rがハロゲン基である場合には、ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
【0018】
前記式(1)の構造において、Rが1価の複素環基である場合には、1価の複素環基としては、1価の芳香族複素環基が好ましい。1価の複素環基としては、チエニル基、ピリジル基、フリル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピロリル基が挙げられる。
【0019】
前記式(1)の構造において、mは1〜6の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、pは0〜5の整数を表す。前記式(1)の構造において、mが複数個存在する場合には、それらのmは、同一の数値であっても異なる数値であってもよい。nが複数個存在する場合には、それらのnは、同一の数値であっても異なる数値であってもよい。pが複数個存在する場合には、それらのpは、同一の数値であっても異なる数値であってもよい。
【0020】
前記式(1)の構造において、原料の入手しやすさという観点からは、mは2であることが好ましい。電荷輸送性の観点からは、pは0〜5の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましい。
【0021】
前記式(1)の構造において、Qは単結合であるか、又はアリーレン基或いは2価の複素環基を表す。
【0022】
Qがアリーレン基である場合には、アリーレン基の炭素数は通常6〜60程度であり、その具体例として、フェニレン基、ビフェニレン基、テルフェニルジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ペンタレンジイル基、インデンジイル基、ヘプタレンジイル基、インダセンジイル基、ビナフチルジイル基、フェニルナフタリンジイル基、スチルベンジイル基、フルオレンジイル基が挙げられる。
また、2価の複素環基は、該複素環を構成する炭素数が通常3〜60程度であり、その具体例としては、ピリジンジイル基、ジアザフェニレン基、キノリンジイル基、キノキサリンジイル基、アクリジンジイル基、ビピリジンジイル基、フェナントロリンジイル基、チオフェンジイル基が挙げられる。2価の複素環基の中でも、2価の芳香族複素環基が好ましい。
【0023】
Qがアリーレン基又は2価の複素環基である場合には、これらの基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基で置換されていてもよい。ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基の定義、具体例は、前述のRで表されるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基の定義、具体例と同様である。
【0024】
本発明のフラーレン誘導体は、前記式(1)で表される構造を2〜4個有することが好ましい。合成の容易さの観点からは、前記式(1)で表される構造を2個有することがより好ましい。
【0025】
本発明のフラーレン誘導体としては、下記式(2)で表されるフラーレン誘導体が好ましい。
【化5】

前記式(2)中、A環は炭素数が60以上であるフラーレン骨格を表す。C1、C2、m、n、p、Q、Rは前記式(1)における定義と同義である。2個のQは、同一であっても異なっていてもよい。2個のRは、同一であっても異なっていてもよい。複数個存在するmは互いに同一であっても異なっていてもよい。2個のnは同一であっても異なっていてもよい。2個のpは同一であっても異なっていてもよい。
【0026】
前記式(1)の構造、及び前記式(2)のフラーレン誘導体において、Rの好ましい一形態としては、下記式(3)で表わされる基が挙げられる。
【化6】

前記式(3)の基において、Rはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又はハロゲン基を表わす。rは0〜5の整数を表わす。Rが複数個存在する場合には、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0027】
本発明のフラーレン誘導体の好ましい一形態としては、前記式(2)のフラーレン誘導体において、前記A環は炭素数が60以上であるフラーレン骨格であり、Rは前記式(3)の基であって、前記Rがメトキシ基である基であり、前記mは2であり、前記nは2であり、前記pは0であり、前記Qは単結合であり、かつ前記rは1であるフラーレン誘導体が挙げられる。
【0028】
前記式(2)のフラーレン誘導体において、A環を構成するフラーレンの炭素数は特に限定されない。A環を構成するフラーレンとして、C60フラーレン、C70フラーレン、C74フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C84フラーレンといった炭素数の異なる種々のフラーレンのうちいずれを選択したとしても、前記本発明の効果を得ることができる。原料の入手しやすさの観点からは、A環はC60フラーレン、C70フラーレンであることが好ましい。
【0029】
本発明のフラーレン誘導体において、C60フラーレンの誘導体の具体例としては、下記の化合物(a)〜(h)が挙げられる。
【化7】

上記フラーレン誘導体において、C60と付記されている環は、炭素数が60であるフラーレン環を表す。
【0030】
本発明のフラーレン誘導体において、C70フラーレン誘導体の具体例としては、下記化合物(i)が挙げられる。
【化8】

【0031】
前記化合物(i)において、C70と付記されている環は、炭素数が70であるフラーレン環を表す。
前記式(2)のフラーレン誘導体及び前記化合物(a)〜(i)において、各フラーレン環に付加されている複数個の構造(付加基)がそれぞれ結合する炭素原子の位置、すなわち付加基同士の相対的な位置関係は、特に限定されない。
【0032】
<フラーレン誘導体の製造方法>
本発明のフラーレン誘導体は、例えばグリシン誘導体とアルデヒド類から生成するイミンから脱炭酸して生じるイミニウムカチオンと、フラーレンとの1,3−双極子環化付加反応(Prato反応)として知られる方法(Accounts of Chemical Research Vol.31 1998 p519-526参照)により合成(製造)することができる。
【0033】
この製造方法で用いられるグリシン誘導体としては、N−メトキシメチルグリシン、N−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)グリシンなどが例示される。
該グリシン誘導体の使用量は、フラーレン1モルに対して、通常0.1〜10モルの範囲であり、好ましくは0.5〜3モルの範囲である。
【0034】
もう1つの原料であるアルデヒド類としては、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒドなどが例示される。
該アルデヒド類の使用量は、フラーレン1モルに対して、通常0.1〜10モルの範囲であり、好ましくは0.5〜4モルの範囲である。
【0035】
本発明のフラーレン誘導体の合成反応は、通常、溶媒中で行なわれる。該溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、クロルベンゼンなど、該合成反応に対して不活性な溶媒が用いられる。該溶媒の使用量は、フラーレンの重量に対して、通常1〜100000倍量の範囲である。
【0036】
合成反応に際しては、例えば溶媒中でグリシン誘導体とアルデヒド類とフラーレンとを混合し、加熱して反応させればよい。合成反応の温度は、通常50〜350℃の範囲である。合成反応の時間は、通常30分間から50時間である。
加熱による合成反応が終了した後、得られた反応混合物を室温まで放冷し,溶媒をロータリーエバポレータで減圧留去する。得られた固形物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離精製する。以上の工程により目的とするフラーレン誘導体を得ることができる。
【0037】
原料であるグリシン誘導体、アルデヒド類の使用量、反応時間といった反応条件等を適宜調整し、また分離精製条件を適宜調整することにより、フラーレンに付加する付加基(構造)の数を調節し、所望の数の付加基が付加されたフラーレン誘導体を選択的に得ることができる。
【0038】
<組成物>
本発明のフラーレン誘導体は、電子受容性化合物としても電子供与性化合物としても用いることができるが、特に電子受容性化合物として用いるのが好適である。また本発明のフラーレン誘導体は、特に塗布法により形成される活性層の材料として好適に用い得る。
本発明のフラーレン誘導体を含有する組成物の性状は特に限定されない。例えば塗布法に用いられる塗工用の組成物とする場合には、本発明のフラーレン誘導体を任意好適な溶媒と混合して液体状(溶液状)とすればよい。
【0039】
(第1の組成物)
詳細は後述するが、光電変換素子において、活性層が電子受容性化合物を含有する層(電子受容性層)と電子供与性化合物を含有する層(電子供与性層)とが接合された積層構造として構成される場合には、本発明のフラーレン誘導体を電子受容性化合物として含有し、かつ電子供与性化合物を不含とした組成物(第1の組成物)を、電子受容性層の構成成分として用いることができる。
【0040】
(第2の組成物)
本発明のフラーレン誘導体が、光電変換素子において、電子受容性化合物及び電子供与性化合物の双方を含有する活性層に用いられる場合には、本発明の組成物(第2の組成物)は、本発明のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む。
【0041】
また前記第1及び第2の組成物は、使用態様に応じて選択された任意好適なその他の成分をさらに含んでいてもよい。
【0042】
前記電子供与性化合物は、塗布性の観点から高分子化合物であることが好ましい。なお、本明細書でいう高分子化合物は、好ましくはポリスチレン換算の数平均分子量が、10以上であり、通常、ポリスチレン換算の数平均分子量が10以下であり得る。
高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
【0043】
有機光電変換素子に用いる電子供与性化合物は、光電変換効率の観点から下記式(4)及び式(5)からなる群から選ばれる繰り返し単位を有する、重量平均分子量がおよそ5×10〜10の範囲の高分子化合物であることが好ましく、下記式(4)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物であることがより好ましい。
【0044】
【化9】

前記式(4)及び式(5)の繰り返し単位において、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、互いに独立に、同一であっても異なっていてもよい水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアリール基を表す。
【0045】
前記式(4)の繰り返し単位において、R及び/又はRがアルキル基である場合の具体例としては、前記で説明し例示したRと同じアルキル基があげられる。R及び/又はRがアルコキシ基である場合の具体例としては、前記で説明し例示したRと同じアルコキシ基があげられる。R及び/又はRがアリール基である場合の具体例としては、前記で説明し例示したRと同じアリール基があげられる。
【0046】
前記式(4)の繰り返し単位において、光電変換効率の観点からは、R及びRのうちの少なくとも一方は、炭素数が1〜20であるアルキル基であることが好ましく、炭素数4〜8のアルキル基であることがより好ましい。
前記式(4)の繰り返し単位からなる好適な高分子化合物としては、例えばRがHであり、RがC13であるP3HTが挙げられる。
【0047】
前記式(5)の繰り返し単位において、R〜R11のいずれか、これらの組み合わせ又はすべてがアルキル基である場合の具体例としては、前記で説明し例示したRと同じアルキル基が挙げられる。R〜R11のいずれか、これらの組み合わせ又はすべてがアルコキシ基である場合の具体例としては、前記で説明し例示したRと同じアルコキシ基が挙げられる。R〜R11のいずれか、これらの組み合わせ又はすべてがアリール基である場合の具体例としては、前記で説明し例示したRと同じアリール基が挙げられる。
【0048】
前記式(5)の繰り返し単位において、モノマーの合成の行いやすさの観点から、R〜R11は水素原子であることが好ましい。また、光電変換効率の観点からは、R及びRは炭素数が1〜20であるアルキル基又は炭素数が6〜20であるアリール基であることが好ましく、炭素数が5〜8であるアルキル基又は炭素数が6〜15であるアリール基であることがより好ましい。
【0049】
本発明の前記第2の組成物に含まれる電子受容性物質であるフラーレン誘導体は、電子供与性化合物100重量部に対して、10〜1000重量部とすることが好ましく、50〜500重量部とすることがより好ましい。
本発明の第2の組成物を上述のように構成することにより、有機光電変換素子に用いた場合に、特に高波長領域での光の吸収を大きくすることができ、ひいてはこの第2の組成物を含む層を備える有機光電変換素子の光電変換効率をより高めることができる。
【0050】
<有機光電変換素子>
図1及び図2を参照して、本発明の有機光電変換素子の構成例につき説明する。
図1は、有機光電変換素子の構成例(1)を示す概略的な断面図である。図2は、有機光電変換素子の構成例(2)を示す概略的な断面図である。
【0051】
本発明の有機光電変換素子は、陽極及び陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持されたフラーレン誘導体を含む層とを備える。
【0052】
この一対の電極のうち、少なくとも光が入射する側の電極、すなわち少なくとも一方の電極は、入射光を透過させる透明又は半透明の電極とされる。
【0053】
構成例(1)
図1に示すように、構成例(1)の有機光電変換素子10は、例えば陽極である第1電極32及び例えば陰極である第2電極34からなる一対の電極と、該一対の電極間に挟持されたフラーレン誘導体を含む活性層40とを備えている。第1電極32及び第2電極34の極性は素子構造に対応した任意好適な極性とすればよく、第1電極32を陰極とし、かつ第2電極34を陽極とすることもできる。
【0054】
有機光電変換素子は、通常、基板上に形成される。すなわち有機光電変換素子10は、基板20の主面上に設けられている。
【0055】
この基板20の材料は、電極を形成し、有機物を含有する層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板20の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等が挙げられる。
【0056】
基板20が不透明である場合には、第1電極32と対向する、基板側とは反対側に設けられる第2電極34(すなわち基板20から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
【0057】
活性層40は、第1電極32と第2電極34とに接して挟持されている。活性層40は、例えば電子受容性化合物である本発明のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含有する有機層であって、光電変換機能にとって本質的な機能を有する層である。
【0058】
基板20の主面上には、第1電極32が設けられている。活性層40は、第1電極32を覆って設けられている。第2電極34は、活性層40の表面に接触させて設けられている。
【0059】
構成例(2)
図2に示すように、構成例(2)の有機光電変換素子は、陽極32及び陰極34からなる一対の電極と、前記一対の電極間に挟持される活性層40であって、本発明のフラーレン誘導体を含有する電子受容性層44、及び該電子受容性層に接合される、電子供与性化合物を含む電子供与性層42を有している前記活性層40とを備えている。
【0060】
有機光電変換素子10は、基板20の主面上に設けられている。基板20の主面上には第1電極32が設けられている。
【0061】
活性層40は、第1電極32と第2電極34との双方に接して挟持されている。構成例2の活性層40は、例えば本発明のフラーレン誘導体を電子受容性化合物として含有する電子受容性層44と電子供与性化合物とを含有する電子供与性層42とが接合された積層構造とされている。
【0062】
電子供与性層42は、第1電極32を覆って設けられている。電子受容性層44は、電子供与性層32の全面を覆って設けられている。第2電極34は、電子受容性層44の表面に接触させて設けられている。
【0063】
なお、構成例(1)及び(2)では、本発明のフラーレン誘導体を電子受容性化合物として説明したが、本発明のフラーレン誘導体を電子供与性化合物として、構成例(1)の活性層40又は構成例(2)の電子供与性層42に含有させることもできる。
【0064】
前記構成例(1)の有機光電変換素子10は、活性層40が電子受容性化合物と電子供与性化合物とを単一の層に含有する構成を備えているため、ヘテロ接合界面をより多く含み、光電変換効率がより向上するという観点から好ましい。
【0065】
有機光電変換素子10には、第1電極32及び第2電極34のうちの少なくとも一方の電極と本発明のフラーレン誘導体を含む活性層との間に付加的な層を設けてもよい。付加的な層としては、例えば、正孔又は電子を輸送する電荷輸送層(正孔輸送層、電子輸送層)が挙げられる。
【0066】
電荷輸送層を構成する材料としては、従来公知の任意好適な材料を用いることができる。電荷輸送層が電子輸送層である場合には、材料として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナンスロリン(BCP)が例示される。電荷輸送層が正孔輸送層である場合には、材料としてポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)が例示される。
【0067】
第1電極32及び/又は第2電極34と、フラーレン誘導体を含む層との間に設けてもよい付加的な層は、バッファ層であってもよく、バッファ層として用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化チタン等の酸化物等が挙げられる。また、無機半導体を用いる場合には、微粒子の形態で用いることもできる。
【0068】
ここで本実施の形態の有機光電変換素子のとりうる層構成の一例を以下に示す。
a)陽極/活性層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/活性層/陰極
c)陽極/活性層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/活性層/電子輸送層/陰極
e)陽極/電子供給性層/電子受容性層/陰極
f)陽極/正孔輸送層/電子供給性層/電子受容性層/陰極
g)陽極/電子供給性層/電子受容性層/電子輸送層/陰極
h)陽極/正孔輸送層/電子供給性層/電子受容性層/電子輸送層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む層同士が隣接して積層されていることを示す。)
【0069】
上記層構成は、陽極が基板により近い側に設けられる形態、及び陰極が基板により近い側に設けられる形態のいずれであってもよい。
前記構成例(1)の有機光電変換素子10において、電子受容性化合物としてのフラーレン誘導体及び電子供与性化合物を含有する活性層40におけるフラーレン誘導体の割合は、電子供与性化合物100重量部に対して、10〜1000重量部とすることが好ましく、50〜500重量部とすることがより好ましい。
【0070】
前記構成例(1)の有機光電変換素子10において、フラーレン誘導体及び電子供与性化合物を含有する活性層40は、フラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む組成物を用いて製造することができる。
【0071】
有機光電変換素子10に用いることができるフラーレン誘導体を含む層(活性層40、電子供与性層42、電子受容性層44)は、該フラーレン誘導体を含む有機薄膜として形成されていることが好ましい。該有機薄膜の厚さは、通常、1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。
【0072】
第1電極32及び/又は第2電極34を透明又は半透明とする場合の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物等からなる導電性材料を用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム亜鉛酸化物、酸化スズが好ましい。電極(第1電極32及び第2電極34)の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
また、電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0073】
第1電極32及び第2電極34のうちの一方の電極の電極材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。仕事関数の小さい材料を含む電極は、透明又は半透明であってもよい。該材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
【0074】
次に、有機光電変換素子の動作機構について説明する。透明又は半透明の電極を透過して入射した光のエネルギーが電子受容性化合物及び/又は電子供与性化合物で吸収され、電子と正孔の結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、電子受容性化合物と電子供与性化合物が隣接(接合)しているヘテロ接合界面に達すると界面でのそれぞれのHOMOエネルギー及びLUMOエネルギーの違いにより電子と正孔とが分離し、独立に動くことができる電荷(電子と正孔と)が発生する。発生した電荷は、それぞれ電極へ移動することにより外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
【0075】
<有機薄膜の製造方法>
前記有機薄膜の製造方法は特に制限されない。製造方法としては、例えば、本発明に用いられるフラーレン誘導体を含む溶液(組成物)を調製し、この溶液を用いる成膜方法が挙げられる。
【0076】
前記溶液に用いられる溶媒は、本発明のフラーレン誘導体を溶解させるものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒が挙げられる。前記フラーレン誘導体は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0077】
前記溶液は、既に説明した高分子化合物をさらに含んでいてもよい。この場合の溶液に用いられる溶媒の具体例としては、前述と同じ溶媒が挙げられるが、高分子化合物の溶解性の観点からは、芳香族の炭化水素系溶媒が好ましく、トルエン、キシレン、メシチレンがより好ましい。
【0078】
前記溶液を使用する成膜方法には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
【0079】
有機光電変換素子は、透明又は半透明の電極を透過するように太陽光等の光を照射することにより、活性層を挟持する電極間に光起電力を発生させ、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
【0080】
また、有機光電変換素子の電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極を透過するように光を照射すると、光電流が流れる。このようにして、有機光電変換素子を有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
【実施例】
【0081】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0082】
合成(製造)に用いた試薬及び溶媒は、市販品をそのまま使用するか、乾燥剤存在下で蒸留精製して使用した。C60フラーレンはフロンティアカーボン社製を使用した。NMRスペクトルはJEOL社製 MH500を用いて測定し、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準に使用した。赤外吸収スペクトルは島津製作所社製 FT−IR 8000を用いて測定した。MALDI−TOF MSスペクトルはBRUKER社製 AutoFLEX−T2を用いて測定した。
【0083】
<実施例1>(フラーレン誘導体Aの合成)
(ベンジル[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]アセテートの合成)
【化10】

[第1ステップ] Dean−Starkトラップを装着した2口フラスコにブロモ酢酸(20.8g、150mmol)、ベンジルアルコール(16.2g、150mmol)、パラ−トルエンスルホン酸(258mg、1.5mmol)、ベンゼン(300mL)を加え120℃で24時間脱水縮合した。溶媒をエバポレータで減圧留去し、次いでシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:エチルアセテート=10:1、5:1)で精製し、ブロモ酢酸ベンジルエステル(34.3g、150mmol)を黄色油状物として定量的に得た。
【0084】
0.71(ヘキサン:エチルアセテート=4:1);
H NMR(500MHz,ppm,CDCl) δ 3.81 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 7.31 (s, 5H);
13C NMR(125MHz,ppm,CDCl) δ 25.74, 67.79, 128.27, 128.48, 128.54, 134.88, 166.91;
IR(neat,cm−1) 2959, 1751, 1458, 1412, 1377, 1167, 972, 750, 698。
【0085】
[第2ステップ] アルゴン雰囲気下、ブロモ酢酸ベンジルエステル(13.7g、60mmol)のジクロロメタン(90mL)溶液にトリエチルアミン(17mL、120mmol)を0℃で加え、得られた混合液を20分間、0°Cで攪拌した。次いで2−(2−アミノエトキシ)エタノール(12mL、120mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液を加え、室温で4時間攪拌した。次いで有機相の水洗を3回繰り返した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、エバポレータで溶媒を減圧留去後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:メタノール=1:0、10:1、5:1)で精製し、グリシンエステル2(12.2g、48.0mmol)を無色油状物として得た。収率は80%であった。
【0086】
0.48(エチルアセテート:メタノール=2:1);
H NMR(500MHz,ppm,CDCl) δ 2.83 (t, 2H, J=5.1Hz), 3.50 (s, 2H), 3.52 (t, 2H, J=4.6Hz), 3.58 (t, 2H, J=5.0Hz), 3.65 (t, 2H, J=4.6Hz), 5.11 (s, 2H), 7.28-7.30 (m, 5H);
13C NMR(125MHz,ppm,CDCl) δ 48.46, 50.25, 61.29, 66.38, 69.80, 72.23, 126.63, 128.12, 128.37, 135.30, 171.78;
IR(neat,cm−1) 3412, 2880, 1719, 1638, 1560, 1508, 1458, 1067, 669。
【0087】
([2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミノ]酢酸の合成)
【化11】

【0088】
[第1ステップ]
アルゴン雰囲気下、ベンジル[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ]アセテート 2(6.58g、26mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液にトリエチルアミン(4.3mL、31mmol)を0℃で加えた。次いで4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)(32mg、0.26mmol)を加え、得られた混合液を20分間攪拌後、これにジ−tert−ブチルジカルボネート(6.77g、31mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下した。次いで反応混合液を室温で4時間攪拌後、水を入れた3角フラスコ中に注ぎ入れて反応を停止し、ジエチルエーテル抽出を3回繰り返した。有機相を乾燥後、減圧濃縮し、次いでシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=3:1、2.5:1、2:1)で精製を行い、ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテート1(5.83g、16.5mmol)を無色油状物として得た。収率は63%であった。
【0089】
Rf0.58(エチルアセテート:メタノール=20:1);
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3) δ 1.34 (d, 9H, J=54.5 Hz), 2.19 (brs, 1H), 3.38-3.45 (m, 4H), 3.50-3.60 (m, 4H), 3.99 (d, 2H, J=41.3 Hz), 5.09 (d, 2H, J=4.1 Hz), 7.25-7.30 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 27.82, 28.05, 47.90, 48.20, 49.81, 50.39, 61.23, 66.42, 69.92, 72.12, 80.08, 127.93, 128.14, 135.25, 154.99, 155.19, 169.94, 170.07;
IR (neat, cm-1) 3449, 2934, 2872, 1751, 1701, 1458, 1400, 1367, 1252, 1143;
Anal. Calcd for C18H27NO6: C, 61.17; H, 7.70; N, 3.96. Found: C, 60.01; H, 7.75; N, 4.13。
【0090】
[第2ステップ]
アルゴンガス雰囲気下、水素化ナトリウム(1.2g、24.8mmol、50% in meneral oil)のテトラヒドロフラン(THF)(10mL)溶液に、ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテート(5.83g、16.5mmol)のTHF(20mL)溶液を0℃で滴下し、0℃で20分間攪拌後、ヨードメタン(1.6mL、24.8mmol)を0℃で加えた。反応混合液を室温で20時間攪拌し、次いでアイスバスで冷却しながら水を加えて反応を停止した.エーテル抽出を3回繰り返し、有機相を乾燥後、減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=5:1、3:1)で精製してベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテート(3.02g、8.21mmol)を無色油状物として得た。収率は50%であった。
【0091】
Rf0.54(ヘキサン:エチルアセテート=1:1);
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3) δ 1.34 (d, 9H, J=51.8 Hz), 3.28 (d, 3H, J=2.7 Hz), 3.37-3.46 (m, 6H), 3.52 (dt, 2H, J=5.4Hz, 16.5 Hz), 4.02 (d, 2H, J= 34.8 Hz), 5.09 (d, 2H, J=4.5 Hz), 7.24-7.30 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 24.93, 25.16, 44.68, 45.00, 46.70, 47.40, 55.78, 63.30, 67.22, 68.60, 76.95, 124.98, 125.14, 125.36, 132.49, 151.99, 152.31, 166.84, 166.96;
IR (neat, cm-1) 2880, 1751, 1701, 1560, 1458, 1400, 1366, 1117, 698, 617;
Anal. Calcd for C19H29NO6: C, 62.11; H, 7.96; N, 3.81. Found: C, 62.15; H, 8.16; N, 3.83。
【0092】
[第3ステップ]
アルゴン雰囲気下、ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテート(3.02g、8.21mmol)のジクロロメタン(17mL)溶液にトリフルオロ酢酸(TFA)(9.0mL)を加え室温で7時間攪拌した。次いで10%炭酸ナトリウム水溶液を加えてpH10に調整し、ジクロロメタン抽出し、有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮してベンジル[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチルアミノ]アセテート(2.19g、8.19mmol)を黄色油状物として定量的に得た。
【0093】
Rf0.32 (エチルアセテート:メタノール=20:1);
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3) δ 1.99 (brs, 1H), 2.83 (t, 2H, J=5.3 Hz), 3.38 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.54 (t, 2H, J=4.6 Hz), 3.60-3.62 (m, 4H), 5.17 (s, 2H), 7.32-7.38 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 48.46, 50.66, 58.76, 66.20, 70.00, 70.44, 71.64, 128.09, 128.33, 135.44, 171.84;
IR (neat, cm-1) 3350, 2876, 1736, 1560, 1458, 1117, 1030, 698, 619;
Anal. Calcd for C14H21NO4: C, 62.90; H, 7.92; N, 5.24. Found: C, 62.28; H, 8.20; N, 5.05。
【0094】
[第4ステップ]
ベンジル[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチルアミノ]アセテート(2.19g、8.19mmol)のメタノール(27mL)溶液に、パラジウムを10重量%担持させた活性炭(Pd/C;219mg)を室温で加え、水素ガスをパージした後、水素雰囲気下、室温で7時間攪拌した。セライトパッドをしきつめたグラスフィルターでPd/Cを除去し、セライト層をメタノールで洗浄し、濾液を減圧濃縮し、[2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミノ]酢酸1(1.38g、7.78mmol)を黄色油状物として得た。収率は95%であった。
【0095】
1H NMR (500 MHz, ppm, MeOD) δ 3.21 (t, 2H, J=5.1 Hz), 3.38 (s, 3H), 3.51 (s, 2H), 3.57 (t, 2H, J=4.4 Hz), 3.65 (t, 2H, J=4.6 Hz), 3.73 (t, 2H, J=5.1 Hz);
13C NMR (125 MHz, ppm, MeOD) δ 48.13, 50.49, 59.16, 67.08, 71.05, 72.85, 171.10;
IR (neat, cm-1) 3414, 2827, 1751, 1630, 1369, 1111, 1028, 851, 799;
Anal. Calcd for C7H15NO4: C, 47.45; H, 8.53; N, 7.90. Found: C, 46.20; H, 8.49; N, 7.43。
【0096】
(フラーレン誘導体Aの合成)
【化12】

【0097】
ジムロートコンデンサーを装着した2口フラスコ(200mL)にフラーレンC60(500mg、0.69mmol)、グリシン誘導体1(369mg、2.08mmol)、2−メトキシベンズアルデヒド5(2−methoxybenzaldehyde)(470mg、3.45mmol)を入れ、クロロベンゼン(100mL)を加えて3時間加熱還流した。室温まで放冷後、ロータリーエバポレータで溶媒を除去し、ついでシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル=1:0から10:0(体積比))を用いて精製した後、分取薄層クロマトグラフィ(二硫化炭素:酢酸エチル=10:1(体積比))を用いて分取し、フラーレンC60 95mg(0.13mmol)、モノ付加体3(フラーレン誘導体B) 302mg(0.31mmol)、褐色粉末であるジ付加体4(フラーレン誘導体A) 237mg(0.19mmol、収率28%)を得た。図3にフラーレン誘導体AのMALDI−TOF MSスペクトルを示す。
【0098】
フラーレン誘導体A:
IR (Neat, cm-1) 2864, 2827, 1489, 1460, 1425, 1284, 1244, 1179, 1109, 1048, 1026, 754, 729, 527;
MALDI-TOF-MS (matrix: SA) found 1222.3297 (calcd for C88H42N2O6: Exact Mass: 1222.3, Mol. Wt.: 1223.28. m/e: 1222.30 (100.0%), 1223.31 (95.9%), 1224.31 (46.7%), 1225.31 (15.4%), 1226.32 (3.8%)。
フラーレン誘導体B:
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J= Hz) δ 2.77-2.82 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.61 (2H, t, J= 4.5 Hz), 3.69 (3H, s), 3.71-3.78 (2H, m), 3.92-4.02 (2H, m), 4.27 (1H, d, J= 9.6 Hz), 5.18 (1H, d, J=9.6 Hz), 5.73 (1H, s), 6.85 (1H, d, J=8.2 Hz), 7.01 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.20 (1H, m), 7.94 (1H, d, J= 7.8Hz); 13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 52.19, 54.71, 58.77, 67.45, 69.17, 70.49, 70.57, 71.96, 73.92, 75.24, 76.75, 110.67, 121.10, 125.42, 128.80, 129.74, 134.32, 135.79, 136.21, 136.31, 139.09, 139.17, 139.86, 139.96, 141.27, 141.42, 141.52, 141.69, 141.78, 141.88, 141.96, 142.00, 142.05, 142.27, 142.33, 142.36, 142.71, 142.76, 144.08, 144.13, 144.29, 144.77, 144.94, 144.97, 145.03, 145.28, 145.44, 145.59, 145.74, 145.81, 145.86, 145.90, 145.94, 146.25, 146.47, 146.96, 153.86, 153.91, 154.76, 156.72, 157.79;
IR (Neat, cm-1) 2864, 2827, 1489, 1460, 1425, 1284, 1244, 1179, 1109, 1048, 1026, 754, 729, 527; MALDI-TOF-MS (matrix: SA) found 971.1526 (calcd for C74H21NO3
Exact Mass: 971.1521).
【0099】
<実施例2>(組成物及び有機薄膜の作製、吸光度の測定)
レジオレギュラーP3HT(シグマアルドリッチ社より購入。Mn〜64000。)を1%(重量%)の濃度でクロロベンゼンに溶解させた。さらにP3HTの重量に対して等倍重量のフラーレン誘導体Aを電子受容体として混合して溶液(組成物)とした。次いで該溶液を孔径0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液を作製した。得られた塗布溶液をガラス基板上に、スピンコート法により塗布した。塗布操作は23℃で行った。その後、窒素雰囲気下、130℃の条件で10分間ベークし、膜厚が約100nmの有機薄膜を得た。有機薄膜の吸収スペクトルを分光光度計(日本分光株式会社製、商品名:V−670)で測定した。波長600nmにおける吸光度を表1に示す。
【0100】
<比較例1>
P3HTの重量に対して100重量%となるように、フラーレン誘導体Aの代わりに[60]-PCBM(Phenyl C61-butyric acid methyl ester、アメリカンダイソース社製、商品名ADS61BFB)を溶液に混合した以外は、実施例2と同様にして有機薄膜を作製し、該有機薄膜の吸収スペクトルを測定した。波長600nmにおける吸光度を表1に示す。
【0101】
<比較例2>
P3HTの重量に対して100重量%となるように、フラーレン誘導体Aの代わりにフラーレン誘導体Bを溶液に混合した以外は、実施例2と同様にして有機薄膜を作製し、該有機薄膜の吸収スペクトルを測定した。波長600nmにおける吸光度を表1に示す。
【0102】
【表1】

表1から明らかなように、本発明のフラーレン誘導体を含有している実施例2の有機薄膜は、従来技術に相当する比較例1及び2の有機薄膜と比較して、波長600nmにおける吸光度がより大きくなっていた。すなわち本発明のフラーレン誘導体Aを用いることにより波長600nmの光の吸収を極めて優れたものとすることができる。
【0103】
図4を参照して、実施例1、比較例1及び比較例2のフラーレン誘導体をそれぞれ含む有機薄膜(組成物)の吸収スペクトルについてさらに説明する。
図4は、フラーレン誘導体とP3HTとを含む有機薄膜の吸収スペクトルを示すグラフである。縦軸はアブソーバンス(無単位)を表し、横軸は波長(nm)を表している。グラフ(I)は実施例1のフラーレン誘導体とP3HTとを含む有機薄膜の吸収スペクトルを表すグラフであり、グラフ(II)は比較例1のフラーレン誘導体とP3HTとを含む有機薄膜の吸収スペクトルを表すグラフであり、グラフ(III)は比較例2のフラーレン誘導体とP3HTとを含む有機薄膜の吸収スペクトルを表すグラフである。
【0104】
図4から明らかなように、本発明のフラーレン誘導体と電子供与性化合物(P3HT)をさらに含む本発明の有機薄膜(組成物)は、は、従来技術に相当する比較例1及び2のフラーレン誘導体及びP3HTを含む有機薄膜と比較して、長波長領域、特に波長500nmから650nm程度の波長領域における光の吸収に優れていることがわかる。
【0105】
本発明のフラーレン誘導体を有機光電変換素子に用いることにより、従来技術に相当する比較例1及び2のフラーレン誘導体を有機光電変換素子に用いた場合と比較して、長波長領域、特に波長500nmから650nm程度の波長領域における光の吸収に優れた素子とすることができる。
【0106】
<実施例3>(有機薄膜太陽電池の作製及び動作確認)
電子供与性化合物としてレジオレギュラーP3HT(アルドリッチ社製、ロット番号:09007KH)を1%(重量%)の濃度でクロロベンゼンに溶解させた。その後、フラーレン誘導体Aを電子供与性化合物の重量に対して等倍重量となるように電子受容性化合物として混合して溶液とした。その後、吸着剤として溶液100重量部に対し1重量部のシリカゲル(和光純薬製 Wakogel C−300 粒径45〜75μm)を添加し、12時間攪拌した。ついで、孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液を作製した。
【0107】
スパッタ法によりITO膜(第1電極)が150nmの厚みとして形成されたガラス基板(基板)を、オゾンUV処理して表面処理を行った。次に、前記塗布溶液を用いてスピンコート法によりガラス基板上に形成されたITO膜上に塗布し、光電変換素子(有機薄膜太陽電池)の活性層(膜厚約100nm)を得た。その後、窒素雰囲気下、130℃の条件で10分間ベークを行った。その後、まず真空蒸着機によりフッ化リチウムを4nmの厚さで蒸着し、次いでAlを100nmの厚さで蒸着した(第2電極)。蒸着における真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。また、得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた有機薄膜太陽電池に、ソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII、AM1.5Gフィルター)を用いて、放射照度100mW/cmとして一定照度の光を照射することにより、有機薄膜太陽電池としての動作確認を行った。その結果、有機薄膜太陽電池として機能することが確認された。
【0108】
上記説明から明らかなように、本発明のフラーレン誘導体、フラーレン誘導体を含有する組成物(有機薄膜)は、有機光電変換素子に用いた場合に、長波長領域での光の吸収が従来のフラーレン誘導体、従来のフラーレン誘導体を含有する組成物(有機薄膜)より大きいため、特に長波長領域での光電変換効率に優れている。よって本発明のフラーレン誘導体を使用することにより、光電変換効率に優れた有機光電変換素子を提供することができる。
【符号の説明】
【0109】
10 有機光電変換素子
20 基板
32 第1電極
34 第2電極
40 活性層
42 電子供与性層
44 電子受容性層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される構造を2個以上有するフラーレン誘導体。
【化1】

[式(1)中、C1及びC2はフラーレン骨格を構成する炭素原子を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜4の整数を表し、pは0以上の整数を表す。Rは1価の有機基を表す。Qは単結合であるか、又はアリーレン基或いは2価の複素環基を表す。mが複数個存在する場合には、それらのmは、同一の数値であっても異なる数値であってもよい。]
【請求項2】
下記式(2)で表される、請求項1に記載のフラーレン誘導体。
【化2】

[式(2)中、A環は炭素数が60以上であるフラーレン骨格を表す。C1、C2、m、n、p、Q、Rは前記式(1)における定義と同義である。2個のQは同一であっても異なっていてもよい。2個のRは同一であっても異なっていてもよい。複数個存在するmは互いに同一であっても異なっていてもよい。2個のnは同一であっても異なっていてもよい。2個のpは同一であっても異なっていてもよい。]
【請求項3】
Rが下記式(3)で表わされる基である請求項1又は2に記載のフラーレン誘導体。
【化3】

[式(3)中、Rはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、1価の複素環基又はハロゲン基を表わす。rは0〜5の整数を表わす。Rが複数個存在する場合には、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。]
【請求項4】
前記A環は炭素数が60以上であるフラーレン骨格であり、前記Rはメトキシ基であり、前記mは2であり、前記nは2であり、前記pは0であり、前記Qは単結合であり、かつ前記rは1である、請求項3に記載のフラーレン誘導体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体を電子受容性化合物として含む組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む組成物。
【請求項7】
前記電子供与性化合物が高分子化合物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
陽極及び陰極からなる一対の電極と、
該一対の電極間に挟持された請求項1〜4のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体を含む活性層と
を備える有機光電変換素子。
【請求項9】
陽極及び陰極からなる一対の電極と、
該一対の電極間に挟持された請求項6又は7に記載の組成物を含む活性層と
を備える有機光電変換素子。
【請求項10】
陽極及び陰極からなる一対の電極と、
前記一対の電極間に挟持される活性層であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体を含む電子受容性層及び該電子受容性層に接合される電子供与性化合物を含む電子供与性層を有している前記活性層と
を備える有機光電変換素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−93848(P2011−93848A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249936(P2009−249936)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(504150461)国立大学法人鳥取大学 (271)
【Fターム(参考)】