説明

フリーアクセスフロア用パネル

【課題】パネル本体部のリブの先端部と補強板部材との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を短縮することができるとともに、接合不良が発生せず確実に接合することができるフリーアクセスフロア用パネルを提供する。
【解決手段】平板部4と、この平板部4の裏面側に一体的に形成される複数のリブ26とを有するパネル本体部22と、複数のリブ26の先端部に接合される補強板部材24とを備え、補強板部材24と複数のリブ26の先端部とが、補強板部材24に形成されリブ26の先端部が嵌合する嵌合部29において摩擦撹拌接合手段により接合されるようにした。
【効果】フリーアクセスフロア用パネルにおける、パネル本体部のリブの先端部と補強板部材との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を短縮することができるとともに、接合不良が発生せず確実に接合することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーンルームや電算室等の部屋の床部に敷設されるフリーアクセスフロアの床面を形成するフリーアクセスフロア用パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来のフリーアクセスフロア用パネル2(以下、パネル2と呼ぶこともある)をその使用時の裏側から見た底面図であって、図6は、図5に示すパネル2のA−A線矢視断面図である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このパネル2は、図6に示す姿勢とは上下方向を逆にして(裏返して)使用され、不図示の支持脚により所定の高さで水平に支持された状態を保持し、クリーンルームや電算室等の部屋の床面を形成するように並べて敷設される。このことにより、このパネル2と、その下方のコンクリートの下地床面との間の空間に配管や配線を通すことができる、フリーアクセスフロアを形成するようになっている。
【0004】
この従来のパネル2は、図5及び図6に示すように、パネル本体部12と補強板部材14とを備えて構成されている。この従来のパネル2のパネル本体部12は、その材質がアルミニウム合金であるダイカスト製品であって、フリーアクセスフロアの床面を形成する平板部4と、この平板部4の裏面側(図5中においては紙面に垂直方向の手前側、図6中においては上側)に一体的に形成される複数のリブ6を備えて構成されている。複数のリブ6のそれぞれは、平板部4の平面と平行方向に伸びるように形成され、図5に示すように格子状に配置されている。
【0005】
また、この従来のパネル2の補強板部材14は、アルミニウム合金製の板状の素材から四辺形に切取って形成したものであって、そのパネル本体部12側の面が、複数のリブ6それぞれの先端部に接触し、この複数のリブ6の先端部に接着又は溶接により接合されている。
【0006】
また、この従来のパネル2は、そのパネル本体部12の複数のリブ6と補強板部材14との接合は、後述するような、摩擦撹拌接合手段(Friction Stir Welding)により行なわれるようになっていてもよい。
【0007】
ここで、摩擦撹拌接合手段とは、例えば、特許文献2及び3に記載されているように、略円柱状の部分と、その先端面から軸線方向に突出するネジ棒状の突起部(以下、プローブと呼ぶ)とを有する形状の工具を、その軸線回りに回転させながら接合部材同士の接合部分又はその近傍部の面に、その軸線をほぼ垂直にして押し付けることにより、摩擦熱で接合部材を液状化手前まで軟化させる。
【0008】
そして、この液状化手前まで軟化した接合部材内に前記工具のプローブが入り込んで撹拌作用による塑性流動を生じさせ、接合部材同士の接合部分の金属組織を互いに練り混ぜることにより一体化させた後、その温度が降下することによりその接合部分が固化するようにした接合手段をいう。
【0009】
従来のパネル2について、その複数のリブ6の先端部と補強板部材14とを摩擦撹拌接合手段により接合する場合には、その接合作業の際に、パネル2は、図6に示すように、その表裏面の上下方向の向きが使用時のときとは逆に裏返した状態(パネル本体部12の上側に補強板部材14が配置された状態)にされ、摩擦撹拌接合を行なう不図示の装置の加工用テーブル上に固定される。
【0010】
そして、補強板部材14におけるパネル本体部12とは反対側の面における、その裏側(パネル本体部12側)に存在するリブ6の先端部に対応する位置に、前記摩擦撹拌接合を行う装置の回転するプローブが上方から押し当てられて、このプローブが、補強板部材14を摩擦熱により液状化手前まで軟化させて、リブ6に向かって軟化した補強板部材14中に潜り込み、リブ6の先端部に迄到達して互いの境界部及びその周りを軟化させる。その後、このプローブがリブ6の水平に伸びる方向に沿って相対移動していくことにより、摩擦撹拌接合が行なわれる。
【特許文献1】実開昭63−94241号公報
【特許文献2】特許第2712838号公報
【特許文献3】特許第2792233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述したような従来のフリーアクセスフロア用パネル2においては、そのパネル本体部12のリブ6と補強板部材14とを摩擦撹拌接合手段により接合しようとする場合には、補強板部材14の厚さが大きい場合には、この補強板部材14における摩擦撹拌接合を行なう前記プローブが押し当てられた位置から、摩擦熱による軟化が徐々に拡大していくのに時間を要するので、補強板部材14のプローブと反対側のリブ6の先端部が軟化し始めるまでの時間が長くなる。このため、摩擦撹拌接合手段による接合のための時間が長くなるという問題があり、また、その際に接合不良が発生し易くなるという問題があった。
【0012】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、パネル本体部のリブの先端部と補強板部材との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を短縮することができるとともに、接合不良が発生せず確実に接合することができるフリーアクセスフロア用パネルを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明によるフリーアクセスフロア用パネルは、
平板部と、この平板部の裏面側に一体的に形成される複数のリブとを有するパネル本体部と、
前記複数のリブの先端部に接合される補強板部材とを備え、
前記補強板部材と前記複数のリブの先端部とが、前記補強板部材に形成され前記リブの先端部が嵌合する嵌合部において摩擦撹拌接合手段により接合されるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明によるフリーアクセスフロア用パネルは、
前記嵌合部が、凹状に形成されたことを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明によるフリーアクセスフロア用パネルは、
前記嵌合部が、前記補強板部材の厚さ方向に貫通して形成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
このような本発明に係るフリーアクセスフロア用パネルによれば、
平板部と、この平板部の裏面側に一体的に形成される複数のリブとを有するパネル本体部と、
前記複数のリブの先端部に接合される補強板部材とを備え、
前記補強板部材と前記複数のリブの先端部とが、前記補強板部材に形成され前記リブの先端部が嵌合する嵌合部において摩擦撹拌接合手段により接合されるようにしたことにより、
パネル本体部のリブの先端部と補強板部材との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を短縮することができるとともに、接合不良が発生せず確実に接合することができる。
【0017】
また、本発明に係るフリーアクセスフロア用パネルによれば、
前記嵌合部が、凹状に形成されたことにより、
パネル本体部のリブの先端部と補強板部材との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を確実に短縮することができると共に、接合不良が発生するのを防止することができる。
【0018】
また、本発明に係るフリーアクセスフロア用パネルによれば、
前記嵌合部が、前記補強板部材の厚さ方向に貫通して形成されたことにより、
パネル本体部のリブの先端部と補強板部材との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間をさらに短縮することができると共に、接合不良が発生するのを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係るフリーアクセスフロア用パネルを実施するための最良の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20について説明するために参照する図である。
【0020】
本実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20(以下、パネル20と呼ぶこともある)は、アルミニウム合金製で、図1及び図2に示すように、パネル本体部22と補強板部材24とを備えている。
【0021】
このパネル20のパネル本体部22は、フリーアクセスフロアの床面を形成する平板部4と、この平板部4の裏面側(図1中においては紙面に垂直方向の手前側、図2中においては上側)に高さを有して一体的に形成される、複数の第1リブ26を備えて構成されている。第1リブ26は、図1に示すように、縦横2方向に伸び、互いに交差して格子状に形成されている。
【0022】
このような、パネル20におけるパネル本体部22の複数の第1リブ26の先端部と補強板部材24とは、前記摩擦撹拌接合手段により互いに接合されている。このように複数の第1リブ26の先端部と補強板部材24とは、前記摩擦撹拌接合手段により互いに接合された後においては、そのような接合箇所において互いの金属組織が混ざり合うようになるため、実際には、互いの境界線を定めることができなくなるのかもしれない。
【0023】
しかしながら、便宜上、図1及び図2に示すように、これら複数の第1リブ26の先端部と補強板部材24との境界線が存在するものとして、このような境界線についても、他の通常の輪郭線と同様に、実線又は破線で示すこととする。
【0024】
補強板部材24には、第1リブ26側の面から凹むように形成され、複数の第1リブ26それぞれの先端部が嵌合する、溝形状(凹状)の第1嵌合部29が複数形成されている。この複数の第1嵌合部29は、パネル本体部22における複数の第1リブ26が格子状に配置されて形成されていることに対応して、やはり、格子状に配置されて形成されている。
【0025】
この複数の第1嵌合部29のうち、補強板部材24の四辺に沿って形成された4本の第1嵌合部29が囲む領域の内側に配置された、この4本以外の他の第1嵌合部29は、図2に示すように、その幅方向(図2中左右方向)に第1リブ26の先端部を挟み込むように対向する一対の側面を有する典型的な溝形状に形成されているのに対し、補強板部材24の外周四辺のそれぞれに沿って形成された4本の第1嵌合部29は、このような第1リブ26の先端部を挟みこむ一対の側面のうちの、外周側の側面が存在しないが、溝形状が外周側に開放されるように形成されているものと見ることができる。
【0026】
このため、補強板部材24の四辺に沿って形成された4本の第1嵌合部29と、この4本以外の他の第1嵌合部29については、これらを区別することなく、両者とも第1嵌合部29と呼ぶこととする。
【0027】
この複数の第1嵌合部29のそれぞれは、補強板部材24の厚さ方向に一定深さを有し、第1リブ26の厚さ(図2中、寸法t0)とほぼ同じ寸法の幅を有するように形成されている。
【0028】
補強板部材24と第1リブ26の先端部との間の摩擦撹拌接合手段による接合は、図2に示すように、補強板部材24における第1リブ26とは反対側の面24cの、第1リブ26の先端部に対応する位置に、図2中の上方から、前記摩擦撹拌接合を行なう装置の回転するプローブが、図中、下方に向かって押し当てられることにより行なわれる。
【0029】
このような第1の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20によれば、図2に示すように、そのパネル本体部22の第1リブ26の先端部と補強板部材24とを、摩擦撹拌接合手段により接合する際には、第1リブ26の先端部が、これに対応する補強板部材24の、溝形状の、その周部より肉厚が薄くなっている、第1嵌合部29に嵌合している。
【0030】
このことにより、第1リブ26の先端部が、前記摩擦撹拌接合を行なう装置のプローブが押し当てられる補強板部材24の面24cに接近しているので、第1リブ26の先端部が早期に軟化を開始するようになる。
【0031】
このため、パネル本体部22の第1リブ26の先端部と補強板部材24との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を短縮することができるとともに、接合不良が発生せず確実に接合することができる。
【0032】
また、このような第1の実施の形態に係るフロア用パネル20によれば、第1リブ26の先端部と補強板部材24とを摩擦撹拌接合手段により接合する際には、第1リブ26の先端部が、これに対応する補強板部材24の第1嵌合部29に嵌合していることにより、接合中に第1リブ26の先端部の位置が、補強板部材24に対してその面24cと平行方向にずれることを防止して、第1リブ26の先端部と補強板部材24とが安定した状態で接合することができる。
【0033】
また、このような第1の実施の形態に係るフロア用パネル20によれば、パネル本体部22の第1リブ26の先端部と補強板部材24との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を短縮できることにより、前記摩擦撹拌接合を行なう装置のプローブが下方の第1リブ26に向かって押し当てられる荷重に耐えられなくなって第1リブ26が座屈変形する可能性を、低減することができる。
【0034】
次に、図3及び図4は、本発明の第2の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル30(以下、パネル30と呼ぶこともある)について説明するために参照する図である。前記第1の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20と同様の部分には同じ符号を用いて説明し、同様の構成についての重複する説明はできるだけ省略するものとする。
【0035】
また、図3中のパネル30をD−D線で切断した断面の形状は、前記第1の実施の形態に係るパネル20の断面図を示す図2の断面形状と全く同じ形状として表されるので、パネル30のD−D線矢視断面図は省略して、必要なときは図2を参照して説明するものとする。
【0036】
本実施の形態に係るパネル30は、図3及び図4に示すように、パネル本体部32と補強板部材34とを備えている。パネル本体部32には、前記第1の実施の形態に係るパネル20のパネル本体部22における複数の第1リブ26のうちの一部のものの代わりに、第2リブ36が形成されている。
【0037】
すなわち、本実施の形態に係るパネル30のパネル本体部32においては、図1及び図2に示す前記第1の実施の形態に係るパネル20の、パネル本体部22における格子状の複数の第1リブ26のうち、図1中において上下方向に伸びるように形成されたものであって、そのうちの左右方向に間隔を置いて並ぶ複数の第1リブ26のうち最も左右外側の1本ずつを除いた複数の第1リブ26の代わりに、図3及び図4に示すような、複数の第2リブ36が形成されている。この複数の第2リブ36のそれぞれは、第1リブ26よりも高い高さを有するように形成されている。
【0038】
また、パネル30の補強板部材34には、前記第1の実施の形態に係るパネル20の補強板部材24における、複数の第1嵌合部29のうちの一部のものの代わりに、第2嵌合部39が形成されている。
【0039】
すなわち、本実施の形態に係るパネル30の補強板部材34においては、図1及び図2に示す前記第1の実施の形態に係るパネル20の補強板部材24における複数の第1嵌合部29のうち、図1中において上下方向に伸びるように形成されたものであって、そのうちの左右方向に間隔を置いて並ぶ複数の第1嵌合部29のうち最も左右外側の1本ずつを除いた複数の第1嵌合部29の代わりに、図3及び図4に示すように、複数の第2嵌合部39が形成されている。この複数の第2嵌合部39のそれぞれは、第2リブ36の先端部の厚さと同じ寸法の溝幅で、補強板部材34の厚さ方向に貫通するように形成されている。
【0040】
このことにより、パネル本体部32における第2リブ36それぞれの先端部は、補強板部材34の第2嵌合部39内に嵌合している。第2リブ36の先端面と、補強板部材34における、パネル本体部32の平板部4と反対側の面34cとは、相互間に段差を生じない同一平面状になっている。
【0041】
補強板部材34と、第2リブ36の先端部との間の摩擦撹拌接合による接合は、図4に示すように、補強板部材34の面34cにおける第2嵌合部39の周縁部と、この第2嵌合部39内に嵌合した第2リブ36の先端面の両方に対して、摩擦撹拌接合を行なう不図示の装置の回転するプローブが同時に押し当てられることにより行なわれる。
【0042】
このような第2の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル30によれば、そのパネル本体部32の第2リブ36の先端部と補強板部材34とを、摩擦撹拌接合手段により接合する際には、第2リブ36の先端部が、これに対応する補強板部材34を貫通する第2嵌合部39に嵌合していることにより、第2リブ36の先端面が、前記装置のプローブが押し当てられる補強板部材34の面34cと同一平面状に配置されている。
【0043】
このことにより、補強板部材34だけでなく、第2リブ36の先端部に対しても、前記装置のプローブを同時に押し当てることができるようになるので、第2リブ36の先端部が、前記第1の実施の形態の第1リブ26の先端部よりもさらに早期に軟化を開始するようになる。
【0044】
このため、パネル本体部32の第2リブ36の先端部と補強板部材34との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を、前記第1の実施の形態よりもさらに短縮することができるとともに、接合不良が発生せず確実に接合することができる。
【0045】
また、このような第2の実施の形態に係るフロア用パネル30によれば、第2リブ36の先端部と補強板部材34とを摩擦撹拌接合手段により接合する際には、第2リブ36の先端部が、これに対応する補強板部材34の第2嵌合部39に嵌合していることにより、接合中に第2リブ36の先端部の位置が、補強板部材34に対してその面34cと平行方向にずれることを防止して、第2リブ36の先端部と補強板部材34とがさらに安定した状態で接合することができる。
【0046】
また、このような第2の実施の形態に係るフロア用パネル30によれば、パネル本体部32の第2リブ36の先端部と補強板部材34との接合に用いる摩擦撹拌接合手段による接合のための時間を、前記第1の実施の形態よりも短縮できることにより、前記装置のプローブが下方の第2リブ36に向かって押し当てられる荷重に耐えられなくなって第2リブ36が座屈変形する可能性を、前記第1の実施の形態よりもさらに低減することができる。
【0047】
なお、前記第1及び第2の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20,30においては、そのパネル本体部22,32のリブ26,36の先端部と、補強板部材24,34とが、リブ26,36の長さ方向に沿って、摩擦撹拌接合手段により連続的に接合されるようになっていたが、断続的に接合されるようになっていてもよい。また、このように断続的に接合する場合には、接合箇所におけるリブ26,36の先端部と、嵌合部29,39のそれぞれがスポット状になっていてもよい。
【0048】
また、前記第1及び第2の実施の形態に係るパネル20,30においては、そのパネル本体部22,32のリブ26,36が格子状に配置されるように形成されていたが、格子状の配置とは異なる配置状態となるように形成されていてもよい。
【0049】
また、前記第1及び第2の実施の形態に係るパネル20,30は、従来のパネル2と同様に、そのパネル本体部22,32がアルミニウム製のダイカスト製品であって、補強板部材24,34がアルミニウム製の板状の素材から切り取って形成したものであるため、パネル本体部22,32と補強板部材24,34とは厳密には互いに材質(金属組成)が異なっているが、例えば、補強板部材24,34をもダイカスト製品とすることにより、厳密に互いの材質を共通化するようにしてもよい。
【0050】
逆に、パネル本体部22,32と補強板部材24,34は、これらが摩擦撹拌接合手段により互いに接合可能なものである限り、互いに異なる材質で形成されるようになっていてもよい。
【0051】
また、前記第1及び第2の実施の形態においては、本発明をそれらの実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20,30のそれぞれに適用した場合について説明したが、本発明は、上記実施の形態に係るパネル20,30以外のフリーアクセスフロア用パネルについても、そのパネル本体部と補強板部材とを摩擦撹拌接合手段により接合することができるものである場合においては、本発明を適用することができることはいうまでもない。
【0052】
また、前記第2の実施の形態に係るパネル30においては、そのパネル本体部32の第2リブ36の先端面が、補強板部材34の面34cとの間に段差を生じないように設定されていたが、実害が生じない程度であれば、若干の段差が生じていてもよい。
【0053】
また、前記第2の実施の形態に係るパネル30においては、第2リブ36の先端部と補強板部材34とを摩擦撹拌接合手段により接合する場合について説明したが、それだけでなく、図2に示すように、第1リブ26の先端部と補強板部材34との間も、摩擦撹拌接合手段により接合するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル20を示す底面図である。
【図2】図1に示すフリーアクセスフロア用パネル20のB−B線矢視断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフリーアクセスフロア用パネル30を示す底面図である。
【図4】図3に示すフリーアクセスフロア用パネル30のC−C線矢視断面図である。
【図5】従来のフリーアクセスフロア用パネル2を示す底面図である。
【図6】図5に示す従来のフリーアクセスフロア用パネル2のA−A線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0055】
2 フリーアクセスフロア用パネル
4 平板部
6 リブ
12 パネル本体部
14 補強板部材
20 フリーアクセスフロア用パネル
22 パネル本体部
24 補強板部材
24c 面
26 第1リブ
29 第1嵌合部
30 フリーアクセスフロア用パネル
32 パネル本体部
34 補強板部材
34c 面
36 第2リブ
39 第2嵌合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板部と、この平板部の裏面側に一体的に形成される複数のリブとを有するパネル本体部と、
前記複数のリブの先端部に接合される補強板部材とを備え、
前記補強板部材と前記複数のリブの先端部とが、前記補強板部材に形成され前記リブの先端部が嵌合する嵌合部において摩擦撹拌接合手段により接合されるようにした
ことを特徴とするフリーアクセスフロア用パネル。
【請求項2】
前記嵌合部が、凹状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のフリーアクセスフロア用パネル。
【請求項3】
前記嵌合部が、前記補強板部材の厚さ方向に貫通して形成されたことを特徴とする請求項1に記載のフリーアクセスフロア用パネル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−101064(P2010−101064A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−273533(P2008−273533)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000233239)日立機材株式会社 (225)
【Fターム(参考)】