フレキシブル管用継手
【課題】 フレキシブル管を接続するという作業を簡略化する。
【解決手段】 フレキシブル管用継手１０は、継手本体２０とシール材２２と押輪２４とを備える。フレキシブル管が受口部から継手本体２０内に挿入される。継手本体２０が、シール材待機部とシール材収容部とをさらに有する。シール材２２が、シール作用部と引込部と外周面係合部とを有する。シール作用部はフレキシブル管の外周面と継手本体２０の内周面との間をシールする。引込部がシール作用部をシール材収容部へ引込む。外周面係合部はシール作用部がシール材収容部へ移動するとフレキシブル管の外周面に係合する。押輪２４が外周面係合部につながっている。フレキシブル管用継手１０が位置固定部材２６をさらに備える。位置固定部材２６は、外周面係合部の移動に伴って押輪２４の少なくとも一部が継手本体２０内の所定位置へ移動すると押輪２４の少なくとも一部をその所定位置に固定する。
【解決手段】 フレキシブル管用継手１０は、継手本体２０とシール材２２と押輪２４とを備える。フレキシブル管が受口部から継手本体２０内に挿入される。継手本体２０が、シール材待機部とシール材収容部とをさらに有する。シール材２２が、シール作用部と引込部と外周面係合部とを有する。シール作用部はフレキシブル管の外周面と継手本体２０の内周面との間をシールする。引込部がシール作用部をシール材収容部へ引込む。外周面係合部はシール作用部がシール材収容部へ移動するとフレキシブル管の外周面に係合する。押輪２４が外周面係合部につながっている。フレキシブル管用継手１０が位置固定部材２６をさらに備える。位置固定部材２６は、外周面係合部の移動に伴って押輪２４の少なくとも一部が継手本体２０内の所定位置へ移動すると押輪２４の少なくとも一部をその所定位置に固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、フレキシブル管用継手に関し、特に、作業を簡略化できる、フレキシブル管用継手に関する。
【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、フレキシブル管用継手を開示する。このフレキシブル管用継手は、継手本体と、弾性変形可能なシール材と、抜止部材と、耐火パッキンと、押輪とを備える。継手本体は受口部を有する。フレキシブル管は、受口部から継手本体内に挿入される。フレキシブル管には、山部と谷部とが設けられている。山部と谷部とは円周方向全周にわたって延びている。山部と谷部とはフレキシブル管の軸方向へ沿って交互に設けられている。シール材は継手本体内に収容される。抜止部材も継手本体内に収容される。抜止部材はシール材と一体化している。抜止部材はフレキシブル管の谷部に係合する。継手本体内には耐火パッキンも収容される。押輪は受口部を介して継手本体に挿入される。フレキシブル管が押輪の中を通り抜ける。押輪は、抜止部材ごとフレキシブル管が継手本体から抜けるのを止める。継手本体は、シール材待機部と、シール材縮径案内部と、シール材収容部とを有する。シール材待機部にはシール材の少なくとも一部が予め配置される。シール材縮径案内部はシール材待機部よりも奥側に配置される。シール材収容部はシール材縮径案内部よりも奥側に配置される。シール材が、シール作用部と、引込部とを有している。シール作用部は、シール材収容部内に収容される。シール作用部は、フレキシブル管の谷部にかみ合うことによりフレキシブル管の外周面と継手本体の内周面との間をシールする。引込部は、シール作用部よりも継手本体の奥側に配置される。引込部は、シール作用部と一体化される。引込部は、受口部へ挿入されたフレキシブル管に押されることでシール作用部をシール材収容部へ移動させる。シール作用部がシール材収容部へ移動するとともに抜止部材はシール材待機部内へ移動する。この際、抜止部材はフレキシブル管の谷部に係合する。耐火パッキンが、膨張材と合成樹脂とを含有する。膨張材は、閾値を越える温度となるように加熱されると膨張する。耐火パッキンは、シール材待機部のうち、シール作用部の移動に伴って移動中の抜止部材に接触し、かつ、加熱されるとシール材縮径案内部方向へ膨張し得る位置に配置されている。
【０００３】
このフレキシブル管用継手によれば、フレキシブル管を挿入するだけのワンタッチ操作でシール状の接続が可能となる。このフレキシブル管用継手は、フレキシブル管の変形および施工後の曲げなどに対する影響が少ない。このフレキシブル管用継手は、シール性能と耐火性能とを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０１１−７２３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に開示されたフレキシブル管継手は、フレキシブル管を挿入するだけのワンタッチ操作でシール状の接続が可能となる。ただし、そのままではフレキシブル管が抜止部材ごと継手本体から抜けることを防止できない。フレキシブル管が抜けることを防ぐには、押輪が継手本体から抜け落ちないような操作が必要である。
【０００６】
本発明は、この問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、フレキシブル管を接続するという作業を簡略化できる、フレキシブル管用継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
図面を参照し本発明のフレキシブル管用継手を説明する。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためであって内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【０００８】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、フレキシブル管用継手１０，２１０は、継手本体２０，２２０を備える。継手本体２０，２２０は受口部４０を有する。フレキシブル管３００が、受口部４０から継手本体２０，２２０内に挿入される。フレキシブル管３００には、円周方向全周に延びる山部３１０と谷部３１２とが管軸方向へ交互に並設されている。フレキシブル管用継手１０，２１０は、継手本体２０に加え、シール材２２と、押輪２４，２２４とを備える。シール材２２は、継手本体２０，２２０内に収容される。シール材２２は、弾性変形可能である。押輪２４，２２４は、受口部４０を介して継手本体２０，２２０内に挿入される。押輪２４，２２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２０，２２０から抜けるのを止める。押輪２４，２２４の少なくとも一部は、継手本体２０，２２０の内周面に沿って移動できる。フレキシブル管３００が、押輪２４，２２４の中を通り抜けて、受口部４０から継手本体２０，２２０内に挿入される。継手本体２０，２２０が、シール材待機部４２，２４２と、シール材収容部４８とをさらに有する。シール材待機部４２，２４２は、受口部４０に連通する。シール材待機部４２，２４２は、シール材２２の少なくとも一部が予め配置される。シール材収容部４８は、受口部４０からみてシール材待機部４２，２４２よりも奥側に配置される。シール材収容部４８は、シール材待機部４２，２４２に連通する。シール材２２が、シール作用部８４と、引込部８２と、外周面係合部９２とを有している。シール作用部８４は、シール材収容部４８内に収容されてフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合うことによりフレキシブル管３００の外周面と継手本体２０，２２０の内周面との間をシールする。引込部８２は、受口部４０からみてシール作用部８４よりも継手本体２０，２２０内の奥側に配置される。引込部８２は、シール作用部８４に直接または間接に接続される。引込部８２が、受口部４０へ挿入されたフレキシブル管３００に押されることでシール作用部８４をシール材収容部４８へ引込む。外周面係合部９２はシール作用部８４がシール材収容部４８へ移動するとフレキシブル管３００の外周面に係合する。押輪２４，２２４がシール材２２につながっている。フレキシブル管用継手１０，２１０が位置固定部材２６をさらに備える。位置固定部材２６は、シール材２２の移動に伴って押輪２４，２２４の少なくとも一部が継手本体２０，２２０内の所定位置へ移動すると押輪２４，２２４の少なくとも一部を所定位置に固定する。
【０００９】
フレキシブル管３００が押輪２４，２２４の中を通り抜けて継手本体２０，２２０内に挿入されると、そのフレキシブル管３００は、シール材２２の引込部８２を押す。フレキシブル管３００に押された引込部８２は、シール作用部８４をシール材収容部４８へ引込む。シール作用部８４は、シール材待機部４２，２４２からシール材収容部４８へ移動する間にフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合う。これにより、シール作用部８４は、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間をシールする。外周面係合部９２はシール作用部８４がシール材収容部４８へ移動するとともに移動するとフレキシブル管３００の外周面に係合する。シール材２２につながっているので、シール材２２の移動に伴って押輪２４，２２４も移動する。位置固定部材２６は、シール材２２の移動に伴って押輪２４，２２４の少なくとも一部が継手本体２０，２２０内の所定位置へ移動すると押輪２４，２２４の少なくとも一部を所定位置に固定する。押輪２４，２２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２０，２２０から抜けるのを止める。これにより、フレキシブル管３００を継手本体２０，２２０内に挿入してシール作用部８４をシール材収容部４８内へ引込ませると、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０，２２０の内周面との間がシールされ、かつ、フレキシブル管３００が継手本体２０，２２０から抜けなくなる。押輪２４，２２４の少なくとも一部が継手本体２０，２２０内の所定位置に固定されるので、押輪２４，２２４が継手本体２０，２２０から抜け落ちないような操作は不要である。そのような操作が不要なので、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００１０】
また、上述した押輪２４が、連動部１００と、抜落防止部１０２とを有していることが望ましい。連動部１００は継手本体２０内に配置される。連動部１００はシール材２２につながる。連動部１００はシール材２２の移動に伴って移動する。連動部１００は、位置固定部材２６によって所定位置に固定される。抜落防止部１０２は継手本体２０に固定される。抜落防止部１０２は連動部１００が所定位置に固定される前に継手本体２０内から連動部１００が抜け落ちることを防止する。
【００１１】
連動部１００は継手本体２０内に配置される。シール材２２の移動に伴って移動した連動部１００は、位置固定部材２６によって所定位置に固定される。一方、抜落防止部１０２は連動部１００が所定位置に固定される前に継手本体２０内から連動部１００が抜け落ちることを防止する。これにより、押輪２４が継手本体２０内から抜け落ちていないか確認する作業が不要となる。その作業が不要なので、その作業が必要な場合に比べ、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００１２】
もしくは、上述した連動部１００が、連結部１４２と、阻害部１４０とを有していることが望ましい。連結部１４２はシール材２２につながる。阻害部１４０は外周面係合部９２が受口部４０の方向へ移動することを阻害する。
【００１３】
外周面係合部９２が受口部４０方向へ移動することを阻害部１４０が阻害するので、シール作用部８４の移動も阻害される。連結部１４２がシール材２２につながっているので、阻害部１４０はシール材２２の移動に伴って移動する。阻害部１４０が移動すると、阻害部１４０が移動しない場合に比べ、阻害部１４０によって阻害されるまでの外周面係合部９２の移動距離は短くなる。移動距離が短くなると、移動距離が短くならない場合に比べ、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間のシールが解消する可能性は低くなる。シールが解消する可能性が低くなるので、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる上に、シールの信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、フレキシブル管を接続するという作業を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の第１実施形態にかかるフレキシブル管用継手を示す半欠截断面図である。
【図２】本発明の第１実施形態にかかる継手本体の断面図である。
【図３】（Ａ）は本発明の第１実施形態にかかるシール材の正面図、（Ｂ）はそのシール材の背面図、（Ｃ）はそのシール材の断面図である。
【図４】本発明の第１実施形態にかかる押輪の連動部の半欠截断面図である。
【図５】本発明の第１実施形態にかかる押輪の抜落防止部の半欠截断面図である。
【図６】フレキシブル管が挿入されている最中における本発明の第１実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【図７】フレキシブル管の挿入が完了した時点における本発明の第１実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【図８】本発明の第２実施形態にかかるフレキシブル管用継手を示す半欠截断面図である。
【図９】本発明の第２実施形態にかかる継手本体の断面図である。
【図１０】本発明の第２実施形態にかかる押輪の半欠截断面図である。
【図１１】フレキシブル管が挿入されている最中における本発明の第２実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【図１２】フレキシブル管の挿入が完了した時点における本発明の第２実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【００１７】
<第１実施形態の説明>
以下、本発明の第１実施形態を図面に基づき説明する。図１は、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０を、金属製のフレキシブル管３００が挿入されていない状態で示す半欠截断面図である。図１を参照しつつ、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の構成について説明する。
【００１８】
［構造の説明］
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０は、フレキシブル管３００に接続されるものである。後述する図６などで示すように、フレキシブル管３００は、山部３１０と谷部３１２とを備える。山部３１０の表面と谷部３１２の表面とがフレキシブル管３００の外周面を構成している。図１に示すように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０は、継手本体２０と、シール材２２と、押輪２４と、スナップリング２６と、防水パッキン２８と、ロックリング３０とを備える。継手本体２０の一端の外周には、接続用雄ねじ５８が形成されている。シール材２２は、継手本体２０の中に収容される。押輪２４は、継手本体２０内に挿入される。押輪２４は、シール材２２から見て接続用雄ねじ５８とは反対側に配置される。押輪２４は連動部１００と抜落防止部１０２とを有する。スナップリング２６も、継手本体２０内に収容される。スナップリング２６は、その径方向へ拡縮可能な位置固定部材である。防水パッキン２８は継手本体２０の内周面と押輪２４の外周面（本実施形態の場合についてより具体的に述べると抜落防止部１０２の外周面）との間をシールする。ロックリング３０は、抜落防止部１０２を継手本体２２０に固定する。
【００１９】
図２は継手本体２０の断面図である。図２を参照しつつ、本実施形態にかかる継手本体２０の構造を説明する。継手本体２０の両端のうち接続用雄ねじ５８が設けられた端とは反対側の端に受口部４０が設けられている。受口部４０は、フレキシブル管３００の先端部を受け入れる口である。図２から明らかなように、継手本体２０の内部は、受口部４０を介して継手本体２０の外部に連通している。なお、本発明の説明において、「連通」とは、通路を介して二つの空間を連続状態にすることを意味する。ここでいう「通路」には管状のものだけでなく単なる孔も含まれる。後述する説明から明らかな通り、フレキシブル管３００の先端部は、押輪２４が挿入された状態の受口部４０から継手本体２０の中に入る。
【００２０】
継手本体２０の内部には、シール材待機部４２と、シール材案内部４４と、シール材収容部４８とが設けられている。これらの中で最も受口部４０側にあるのはシール材待機部４２である。これらの中で最も接続用雄ねじ５８側にあるのはシール材収容部４８である。シール材待機部４２は、受口部４０の奥に形成され、受口部４０に連通される。シール材案内部４４は、シール材待機部４２の奥に形成され、シール材待機部４２に連通される。シール材収容部４８は、シール材案内部４４の奥に形成され、シール材案内部４４に連通される。シール材収容部４８の内径は、シール材待機部４２の内径より小さい。後述する説明から明らかなように、シール材待機部４２は、継手本体２０の中にフレキシブル管３００がまだ入っていないとき、シール材２２の一部を収容している。シール材案内部４４は、継手本体２０の中にフレキシブル管３００が入ると、フレキシブル管３００とシール材２２とをシール材収容部４８へ案内する。シール材収容部４８は、フレキシブル管３００の先端部とこの先端部の外周のシール材２２とを収容する。
【００２１】
シール材待機部４２には、スナップリング抜止溝５０と、ロックリング抜止溝５２とが設けられている。スナップリング抜止溝５０は継手本体２０内に押輪２４が挿入されたとき連動部１００の外周面を取囲むように設けられる。ロックリング抜止溝５２は押輪２４が挿入されたとき抜落防止部１０２の外周面を取囲むように設けられる。
【００２２】
シール材案内部４４は、座グリ部５４と縮径案内部５６とを有する。座グリ部５４はシール材待機部４２に連通される。縮径案内部５６は、座グリ部５４の奥に設けられている。縮径案内部５６は、受口部４０から離れるにつれ窄まる。
【００２３】
シール材収容部４８の内周には、耐火パッキン溝６０が設けられている。この耐火パッキン溝６０の位置は、シール材収容部４８の中にシール材２２が入ったときシール材２２の外周を取囲む位置である。耐火パッキン溝６０には耐火パッキン７０が嵌め込まれている。本実施形態において、耐火パッキン７０は熱膨張性黒鉛入りゴムなどからなる。
【００２４】
図３の（Ａ）はシール材２２の正面図である。図３の（Ｂ）はシール材２２の背面図である。図３の（Ｃ）はシール材２２の断面図である。図３を参照しつつ、シール材２２の構成を説明する。本実施形態にかかるシール材２２は筒状である。本実施形態にかかるシール材２２は、胴部８０と、引込部８２と、シール作用部８４と、複数の妨害部８６とを有する。胴部８０は筒状である。胴部８０の内径はフレキシブル管３００の山部３１０の外径とほぼ同一である。胴部８０にはフレキシブル管３００が挿入される。引込部８２は、この胴部８０の前端部に内向きに張り出している。引込部８２は、胴部８０に挿入されたフレキシブル管３００に押されることでシール材２２を継手本体２０の挿入完了位置（本実施形態においてはシール材収容部４８）へ移動させる部分である。シール作用部８４は、胴部８０の後端部に外向きに張り出している。シール作用部８４がフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合うことにより、継手本体２０の内周面とフレキシブル管３００の外周面とがシールされる。妨害部８６は、シール材２２の後方側すなわち引込部８２から見て受口部４０側に設けられている。これらの妨害部８６は、円周方向に並ぶように配置される。妨害部８６同士は、所定間隔をおいて離れている。継手本体２０の中にシール材２２が収容されたとき、妨害部８６によって囲まれる空間の直径は、フレキシブル管３００の山部３１０の外径より大きい。妨害部８６は、シール材２２が継手本体２０の挿入完了位置に到達する前の位置（本実施形態においては、図１に示す位置のこと）に位置している間に連動部１００がシール材２２へ近づいてくると、連動部１００の前方に立ちはだかる。
【００２５】
本実施形態の場合、胴部８０と、引込部８２と、シール作用部８４とは、ゴム製である。これらの素材として用いられるゴムの例には、ＮＢＲ（Acrylonitrile-Butadiene Rubber）、ＳＢＲ（Styrene-butadiene rubber）、ＥＰＤＭ（ethylene propylene rubber）などがある。
【００２６】
引込部８２には環状の補強芯金９０が埋込まれている。本実施形態の場合、補強芯金９０の材質は、黄銅製座金である。ただし、引込部８２の材質は、胴部８０およびシール作用部８４と同一材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
【００２７】
図３に示すように、妨害部８６の先端には、外周面係合部９２が設けられている。外周面係合部９２はシール作用部８４がシール材収容部４８へ移動するとともに移動する。外周面係合部９２はシール作用部８４が移動するとフレキシブル管３００の外周面に係合する（本実施形態の場合についてより具体的に述べると、外周面係合部９２はこのとき谷部３１２に係合する）。外周面係合部９２は、胴部８０およびシール作用部８４よりも硬い材料で形成される。そのような材料の例として、黄銅などの金属材料や硬質樹脂がある。
【００２８】
シール材２２は、フレキシブル管３００の差込み前（初期状態）において、図１に示すように配置される。これにより、初期状態において、胴部８０がシール材収容部４８内に位置し、シール作用部８４がシール材案内部４４からシール材待機部４２までの区間内に位置し、かつ、妨害部８６がシール作用部８４よりも受口部４０側に位置するように、シール材２２は配置されることとなる。
【００２９】
図４は連動部１００の半欠截断面図である。図５は抜落防止部１０２の半欠截断面図である。図４と図５とを参照しつつ、本実施形態にかかる押輪２４について説明する。
【００３０】
上述したとおり、押輪２４は連動部１００と抜落防止部１０２とを有する。図４に示すように、連動部１００は筒状である。連動部１００の中をフレキシブル管３００が貫通可能である。連動部１００の内部には、阻害部１４０が設けられている。押輪２２４の外部には、連結部１４２とスナップリング保持溝１４４とが設けられている。
【００３１】
阻害部１４０は、シール材２２の外周面係合部９２に対向する。外周面係合部９２がフレキシブル管３００の外周面に係合した状態でフレキシブル管３００が継手本体２０から引き抜かれようとすると、阻害部１４０は外周面係合部９２が受口部４０方向へ移動することを阻害する。これにより、フレキシブル管３００は抜けなくなる。フレキシブル管３００が抜けなくなるので、本実施形態にかかる押輪２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２０から抜けるのを止め得ることとなる。
【００３２】
連結部１４２は、妨害部８６の外周面係合部９２（ひいてはシール材２２）につながる。本実施形態の場合についてより具体的に述べると、連結部１４２は外周面係合部９２（ひいてはシール材２２）に引っ掛かる。これにより、連動部１００は外周面係合部９２の移動に伴って移動することとなる。
【００３３】
スナップリング保持溝１４４は連動部１００を取囲むように形成されている。図１に示すように、このスナップリング保持溝１４４にはスナップリング２６が嵌め込まれる。
【００３４】
また、押輪２２４の一端は、被覆層突当部１４６となっている。フレキシブル管３００の先端部分が押輪２４を貫通する際、フレキシブル管３００の先端部分は被覆層突当部１４６によって取囲まれた空間を通過する。フレキシブル管３００の被覆層３１４は被覆層突当部１４６に突き当たる。
【００３５】
図５に示すように、抜落防止部１０２も筒状である。抜落防止部１０２の中をフレキシブル管３００が貫通可能である。抜落防止部１０２の内部には、パッキン溝１４８が設けられている。パッキン溝１４８は、フレキシブル管３００の先端部分が押輪２４を貫通する際、フレキシブル管３００を取囲むように設けられる。パッキン溝１４８には、防水パッキン１６０が嵌め込まれている。防水パッキン１６０は、ＥＰＤＭなどで作られている。防水パッキン１６０の断面はＴ形状である。防水パッキン１６０の円周方向数箇所には、ピン形状の選択透過性部材１６２が埋設されている。選択透過性部材１６２は、気体を透過するが固体や液体は透過しない。これにより、ガス漏れ検査が可能である。選択透過性部材１６２は、例えば、連続多孔質膜を含む部材、あるいは連続気孔を有する多孔質体である。前者の連続多孔質膜は、四フッ化エチレン樹脂粉体を成形することによって得られる。後者の多孔質体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレートなどの熱可塑性樹脂粉体から成形することによって得られる。
【００３６】
抜落防止部１０２の外部には、ロックリング保持溝１５０と、防水パッキン溝１５２とが設けられている。ロックリング保持溝１５０も防水パッキン溝１５２も抜落防止部１０２の外周面を取囲むように形成されている。ロックリング保持溝１５０にはロックリング３０の内周部分が嵌め込まれる。ロックリング３０の外周部分は上述したロックリング抜止溝５２に嵌め込まれる。防水パッキン溝１５２には防水パッキン２８が嵌め込まれる。
【００３７】
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の組立時に、組立作業員は、継手本体２０の中へ押輪２４を挿入する。この挿入に伴い、スナップリング２６は、スナップリング保持溝１４４内に内周部が嵌め込まれたまま、継手本体２０の内周面をスライドする。継手本体２０の内周面をスライドするため、スナップリング２６は縮径するよう弾性変形する。この際、妨害部８６は連動部１００の前方に立ちはだかる。このため、この時点で連動部１００の位置が固定されることはない（連動部１００の位置が固定される仕組みについては後述する）。フレキシブル管用継手１０にフレキシブル管３００を接続されるまで、スナップリング２６はその状態のままである。さらに、組立作業員は、抜落防止部１０２（抜落防止部１０２には、予め、ロックリング保持溝１５０内へロックリング３０の内周部分が嵌め込まれている）を継手本体２０内に挿入する。この挿入に伴い、ロックリング３０は、ロックリング保持溝１５０内に内周部が嵌め込まれたまま、継手本体２０の内周面をスライドする。継手本体２０の内周面をスライドするため、ロックリング３０は縮径するよう弾性変形する。ロックリング３０の外周部がロックリング抜止溝５２に嵌まる。ロックリング３０の外周部がロックリング抜止溝５２に嵌まる時、それまで縮径していたロックリング３０は拡径する。ロックリング３０が拡径することにより、抜落防止部１０２の位置が固定される。図１はこの状態を示している。
【００３８】
［接続方法の説明］
次に、上述したフレキシブル管用継手１０にフレキシブル管３００を接続する方法について図６と図７とを参照しつつ説明する。図６は、フレキシブル管３００が挿入されている最中における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の断面図である。図７は、フレキシブル管３００の挿入が完了した時点における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の断面図である。
【００３９】
フレキシブル管３００の接続に際しては、先ず、フレキシブル管３００を、押輪２４の入口側（より具体的述べると抜落防止部１０２の入口側）から継手本体２０内に差し込む。なお、このフレキシブル管３００の先端部分の被覆層３１４は、山部３１０が６つ露出するよう、予め剥離されている。ただし、山部３１０をいくつ露出させるかは、継手本体２０の大きさなどに応じて定められるものである。山部３１０をいくつ露出させるかは、本実施形態のものに限定されない。
【００４０】
継手本体２０内に差し込まれたフレキシブル管３００は、シール材２２の中を、妨害部８６、シール作用部８４、胴部８０の順に通過する。その後、図６に示すように、フレキシブル管３００の先端部は、シール材２２の引込部８２に突き当たる。シール材２２のシール作用部８４は胴部８０より外向きに張り出す形に形成されている。これにより、フレキシブル管３００の差込み時にそのシール作用部８４が障害になるようなことない。フレキシブル管３００の先端部はシール材２２内にスムーズに挿入できる。
【００４１】
シール材２２の引込部８２に突き当たるまでフレキシブル管３００が差込まれると、シール材２２の胴部８０はシール材収容部４８の奥へ押込まれる。この押込みに伴い、シール材２２のシール作用部８４はシール材案内部４４の窄まり側に移動する。シール作用部８４は、シール材案内部４４に押されて内向きに縮径変形する。シール作用部８４は、シール材案内部４４を通過してシール材収容部４８内に引き込まれるや否やフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合う。これにより、フレキシブル管３００の先端部の外周面と継手本体２０のシール材収容部４８の内周面との間がシール材２２によって確実に密封シールされる。そこが密封シールされることで、フレキシブル管３００内を流れる流体が継手本体２０から漏れ出るのを防止できる。フレキシブル管３００が少々変形していたとしても、その効果はほとんど低下しない。
【００４２】
シール材２２のシール作用部８４がシール材収容部４８内に引き込まれるに伴い、連動部１００も継手本体２０の奥へ引き込まれる。連動部１００の連結部１４２がシール材２２の外周面係合部９２につながっているためである。そして、図７に示すように、シール作用部８４がシール材収容部４８内に完全に引き込まれた時点で、スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる。スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる時、それまで縮径していたスナップリング２６は拡径する。スナップリング２６が拡径することにより、連動部１００がその位置に固定される。これにより、スナップリング２６は、シール材２２の移動に伴って押輪２４の連動部１００が継手本体２０内の所定位置（本実施形態の場合、スナップリング２６がスナップリング抜止溝５０に対向する位置）へ移動すると押輪２４の連動部１００をそこに固定することとなる。連動部１００が固定されると、フレキシブル管用継手１０にフレキシブル管３００を接続する作業は終了する。この状態でフレキシブル管３００を引き抜こうとすると、外周面係合部９２が阻害部１４０に動きを妨害される。動きを妨害されるので、図７に示すように、フレキシブル管３００はフレキシブル管用継手１０から抜けない。
【００４３】
［本実施形態にかかるフレキシブル管用継手の効果］
以上の説明から明らかなように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、フレキシブル管３００を継手本体２０の奥まで挿入すると、そのフレキシブル管３００の接続が完了する。その結果、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００４４】
また、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、押輪２４が継手本体２０内から抜け落ちていないか確認する作業が不要となる。その確認作業が不要となるのは、連動部１００が所定位置（本実施形態におけるこの「所定位置」は、スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる位置である。）に固定される前には抜落防止部１０２が継手本体２０内から連動部１００が抜け落ちることを防止するためである。その結果、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、上述した確認作業が必要な場合に比べ、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００４５】
また、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間におけるシールの信頼性を向上させることができる。シールの信頼性を向上させ得るのは、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間のシールが解消する可能性を抑え得るためである。シールが解消する可能性を抑え得るのは、外周面係合部９２が受口部４０方向へ移動することを阻害部１４０が阻害するためである。
【００４６】
<第２実施形態の説明>
以下、本発明の第２実施形態を図面に基づき説明する。図８は、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０を、金属製のフレキシブル管３００が挿入されていない状態で示す半欠截断面図である。図８を参照しつつ、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の構成について説明する。
【００４７】
［構造の説明］
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０は、フレキシブル管３００に接続されるものである。図８に示すように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０は、継手本体２２０と、シール材２２と、押輪２２４と、スナップリング２６と、防水パッキン２８とを備える。継手本体２２０の一端の外周には、接続用雄ねじ５８が形成されている。押輪２２４は、継手本体２２０に、押込み代を残す仮挿入状態で接続される。押輪２２４は、継手本体２２０の内周面に沿って移動できる。押輪２２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２２０から抜けるのを止める。
【００４８】
図９は継手本体２２０の断面図である。図９を参照しつつ、本実施形態にかかる継手本体２２０の構造を説明する。継手本体２２０の内部には、シール材待機部２４２と、シール材案内部４４と、シール材収容部４８とが設けられている。これらの中で最も受口部４０側にあるのはシール材待機部２４２である。これらの中で最も接続用雄ねじ５８側にあるのはシール材収容部４８である。シール材待機部２４２は、受口部４０の奥に形成され、受口部４０に連通される。後述する説明から明らかなように、シール材待機部２４２は、継手本体２２０の中にフレキシブル管３００がまだ入っていないとき、シール材２２の一部を収容している。
【００４９】
シール材待機部２４２には、スナップリング抜止溝２５０が設けられている。スナップリング抜止溝２５０は押輪２２４の外周面を取囲むように設けられる。
【００５０】
図１０は押輪２２４の半欠截断面図である。図１０を参照しつつ、本実施形態にかかる押輪２２４について説明する。図１０に示すように、押輪２２４は筒状である。押輪２２４の一端が継手本体２２０の中に挿入される。押輪２２４の中をフレキシブル管３００が貫通可能である。
【００５１】
押輪２２４の内部には、阻害部１４０と、パッキン溝１４８と、被覆層突当部１５４とが設けられている。被覆層突当部１５４は、押輪２２４の内周面から突出している。被覆層突当部１５４は、第１実施形態にかかる被覆層突当部１４６と同様の機能を有する。すなわち、フレキシブル管３００の先端部分が押輪２２４を貫通する際、フレキシブル管３００の先端部分は被覆層突当部１５４によって取囲まれた空間を通過する。フレキシブル管３００の被覆層３１４は被覆層突当部１５４に突き当たる。パッキン溝１４８には、防水パッキン１６０が嵌め込まれている。防水パッキン１６０の円周方向数箇所には、ピン形状の選択透過性部材１６２が埋設されている。
【００５２】
押輪２２４の外部には、連結部１４２とスナップリング保持溝１４４と防水パッキン溝１５２とが設けられている。
【００５３】
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の組立時に、組立作業員は、継手本体２２０の中へ押輪２２４を挿入する。この挿入に伴い、スナップリング２６は第１実施形態で述べたのと同様に動作する。フレキシブル管用継手２１０にフレキシブル管３００を接続されるまで、スナップリング２６はその状態のままである。図８はこの状態を示している。この状態が、上述した「押込み代を残す仮挿入状態」である。
【００５４】
なお、その他の点については、第１実施形態と同様なので、その詳細な説明は繰返さない。
【００５５】
［接続方法の説明］
次に、上述したフレキシブル管用継手２１０にフレキシブル管３００を接続する方法について図１１と図１２とを参照しつつ説明する。図１１は、フレキシブル管３００が挿入されている最中における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の断面図である。図１２は、フレキシブル管３００の挿入が完了した時点における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の断面図である。
【００５６】
フレキシブル管３００の接続に際しては、先ず、フレキシブル管３００を、押輪２２４の入口側から継手本体２２０内に差し込む。なお、このフレキシブル管３００の先端部分の被覆層３１４は、山部３１０が６つ露出するよう、予め剥離されている。ただし、山部３１０をいくつ露出させるかは、継手本体２２０の大きさなどに応じて定められるものである。山部３１０をいくつ露出させるかは、本実施形態のものに限定されない。
【００５７】
継手本体２２０内に差し込まれたフレキシブル管３００は、シール材２２の中を通過する。その後、フレキシブル管３００の先端部は、シール材２２の引込部８２に突き当たる。シール材２２の引込部８２に突き当たるまでフレキシブル管３００が差込まれると、シール材２２の胴部８０はシール材収容部４８の奥へ押込まれる。この押込みに伴い、シール作用部８４は、シール材案内部４４を通過してシール材収容部４８内に引き込まれる。これにより、フレキシブル管３００の先端部の外周面と継手本体２０のシール材収容部４８の内周面との間がシール材２２によって確実に密封シールされる。
【００５８】
シール材２２のシール作用部８４がシール材収容部４８内に引き込まれるに伴い、押輪２２４も継手本体２２０の奥へ引き込まれる。押輪２２４の連結部１４２がシール材２２の外周面係合部９２につながっている（より具体的に述べれば、連結部１４２が外周面係合部９２に引っ掛かっている）ためである。そして、シール作用部８４がシール材収容部４８内に完全に引き込まれた時点で、スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる。スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まることにより、押輪２２４の位置が固定される。これにより、フレキシブル管用継手２１０にフレキシブル管３００を接続する作業は終了する。この状態でフレキシブル管３００を引き抜こうとしても、フレキシブル管３００はフレキシブル管用継手２１０から抜けない。図１２は、この状態におけるフレキシブル管用継手２１０を示す。
【００５９】
［本実施形態にかかるフレキシブル管用継手の効果］
以上の説明から明らかなように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０によれば、フレキシブル管３００を継手本体２２０の奥まで挿入すると、そのフレキシブル管３００の接続が完了する。その結果、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００６０】
<変形例の説明>
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよいのはもちろんである。
【００６１】
例えば、シール材２２の引込部はシール作用部と一体となっていなくともよい。引込部は図示しない任意の接続用部材によってシール作用部に接続されていてもよい。
【００６２】
また、位置固定部材は上述したスナップリング２６に限定されない。スナップリング以外の周知の部材を継手本体２０，２２０内の所定位置へ押輪２４，２２４を固定するために用いてもよい。
【００６３】
また、押輪２４，２２４がシール材２２のどこにつながるかということは特に限定されない。押輪２４，２２４はシール材２２のうち外周面係合部９２以外の箇所でシール材２２とつながっていてもよい。
【符号の説明】
【００６４】
１０，２１０…フレキシブル管用継手、
２０，２２０…継手本体、
２２…シール材、
２４，２２４…押輪、
２６…スナップリング、
２８，１６０…防水パッキン、
３０…ロックリング、
４０…受口部、
４２，２４２…シール材待機部、
４４…シール材案内部、
４８…シール材収容部、
５０，２５０…スナップリング抜止溝、
５２…ロックリング抜止溝、
５４…座グリ部、
５６…縮径案内部、
５８…接続用雄ねじ、
６０…耐火パッキン溝、
７０…耐火パッキン、
８０…胴部、
８２…引込部、
８４…シール作用部、
８６…妨害部、
９０…補強芯金、
９２…外周面係合部、
１００…連動部、
１０２…抜落防止部、
１４０…阻害部、
１４２…連結部、
１４４…スナップリング保持溝、
１４６，１５４…被覆層突当部、
１４８…パッキン溝、
１５０…ロックリング保持溝、
１５２…防水パッキン溝、
１６２…選択透過性部材、
３００…フレキシブル管、
３１０…山部、
３１２…谷部、
３１４…被覆層、
【技術分野】
【０００１】
本発明は、フレキシブル管用継手に関し、特に、作業を簡略化できる、フレキシブル管用継手に関する。
【背景技術】
【０００２】
特許文献１は、フレキシブル管用継手を開示する。このフレキシブル管用継手は、継手本体と、弾性変形可能なシール材と、抜止部材と、耐火パッキンと、押輪とを備える。継手本体は受口部を有する。フレキシブル管は、受口部から継手本体内に挿入される。フレキシブル管には、山部と谷部とが設けられている。山部と谷部とは円周方向全周にわたって延びている。山部と谷部とはフレキシブル管の軸方向へ沿って交互に設けられている。シール材は継手本体内に収容される。抜止部材も継手本体内に収容される。抜止部材はシール材と一体化している。抜止部材はフレキシブル管の谷部に係合する。継手本体内には耐火パッキンも収容される。押輪は受口部を介して継手本体に挿入される。フレキシブル管が押輪の中を通り抜ける。押輪は、抜止部材ごとフレキシブル管が継手本体から抜けるのを止める。継手本体は、シール材待機部と、シール材縮径案内部と、シール材収容部とを有する。シール材待機部にはシール材の少なくとも一部が予め配置される。シール材縮径案内部はシール材待機部よりも奥側に配置される。シール材収容部はシール材縮径案内部よりも奥側に配置される。シール材が、シール作用部と、引込部とを有している。シール作用部は、シール材収容部内に収容される。シール作用部は、フレキシブル管の谷部にかみ合うことによりフレキシブル管の外周面と継手本体の内周面との間をシールする。引込部は、シール作用部よりも継手本体の奥側に配置される。引込部は、シール作用部と一体化される。引込部は、受口部へ挿入されたフレキシブル管に押されることでシール作用部をシール材収容部へ移動させる。シール作用部がシール材収容部へ移動するとともに抜止部材はシール材待機部内へ移動する。この際、抜止部材はフレキシブル管の谷部に係合する。耐火パッキンが、膨張材と合成樹脂とを含有する。膨張材は、閾値を越える温度となるように加熱されると膨張する。耐火パッキンは、シール材待機部のうち、シール作用部の移動に伴って移動中の抜止部材に接触し、かつ、加熱されるとシール材縮径案内部方向へ膨張し得る位置に配置されている。
【０００３】
このフレキシブル管用継手によれば、フレキシブル管を挿入するだけのワンタッチ操作でシール状の接続が可能となる。このフレキシブル管用継手は、フレキシブル管の変形および施工後の曲げなどに対する影響が少ない。このフレキシブル管用継手は、シール性能と耐火性能とを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２０１１−７２３８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１に開示されたフレキシブル管継手は、フレキシブル管を挿入するだけのワンタッチ操作でシール状の接続が可能となる。ただし、そのままではフレキシブル管が抜止部材ごと継手本体から抜けることを防止できない。フレキシブル管が抜けることを防ぐには、押輪が継手本体から抜け落ちないような操作が必要である。
【０００６】
本発明は、この問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、フレキシブル管を接続するという作業を簡略化できる、フレキシブル管用継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
図面を参照し本発明のフレキシブル管用継手を説明する。なおこの欄で図中の符号を使用したのは発明の内容の理解を助けるためであって内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【０００８】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、フレキシブル管用継手１０，２１０は、継手本体２０，２２０を備える。継手本体２０，２２０は受口部４０を有する。フレキシブル管３００が、受口部４０から継手本体２０，２２０内に挿入される。フレキシブル管３００には、円周方向全周に延びる山部３１０と谷部３１２とが管軸方向へ交互に並設されている。フレキシブル管用継手１０，２１０は、継手本体２０に加え、シール材２２と、押輪２４，２２４とを備える。シール材２２は、継手本体２０，２２０内に収容される。シール材２２は、弾性変形可能である。押輪２４，２２４は、受口部４０を介して継手本体２０，２２０内に挿入される。押輪２４，２２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２０，２２０から抜けるのを止める。押輪２４，２２４の少なくとも一部は、継手本体２０，２２０の内周面に沿って移動できる。フレキシブル管３００が、押輪２４，２２４の中を通り抜けて、受口部４０から継手本体２０，２２０内に挿入される。継手本体２０，２２０が、シール材待機部４２，２４２と、シール材収容部４８とをさらに有する。シール材待機部４２，２４２は、受口部４０に連通する。シール材待機部４２，２４２は、シール材２２の少なくとも一部が予め配置される。シール材収容部４８は、受口部４０からみてシール材待機部４２，２４２よりも奥側に配置される。シール材収容部４８は、シール材待機部４２，２４２に連通する。シール材２２が、シール作用部８４と、引込部８２と、外周面係合部９２とを有している。シール作用部８４は、シール材収容部４８内に収容されてフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合うことによりフレキシブル管３００の外周面と継手本体２０，２２０の内周面との間をシールする。引込部８２は、受口部４０からみてシール作用部８４よりも継手本体２０，２２０内の奥側に配置される。引込部８２は、シール作用部８４に直接または間接に接続される。引込部８２が、受口部４０へ挿入されたフレキシブル管３００に押されることでシール作用部８４をシール材収容部４８へ引込む。外周面係合部９２はシール作用部８４がシール材収容部４８へ移動するとフレキシブル管３００の外周面に係合する。押輪２４，２２４がシール材２２につながっている。フレキシブル管用継手１０，２１０が位置固定部材２６をさらに備える。位置固定部材２６は、シール材２２の移動に伴って押輪２４，２２４の少なくとも一部が継手本体２０，２２０内の所定位置へ移動すると押輪２４，２２４の少なくとも一部を所定位置に固定する。
【０００９】
フレキシブル管３００が押輪２４，２２４の中を通り抜けて継手本体２０，２２０内に挿入されると、そのフレキシブル管３００は、シール材２２の引込部８２を押す。フレキシブル管３００に押された引込部８２は、シール作用部８４をシール材収容部４８へ引込む。シール作用部８４は、シール材待機部４２，２４２からシール材収容部４８へ移動する間にフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合う。これにより、シール作用部８４は、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間をシールする。外周面係合部９２はシール作用部８４がシール材収容部４８へ移動するとともに移動するとフレキシブル管３００の外周面に係合する。シール材２２につながっているので、シール材２２の移動に伴って押輪２４，２２４も移動する。位置固定部材２６は、シール材２２の移動に伴って押輪２４，２２４の少なくとも一部が継手本体２０，２２０内の所定位置へ移動すると押輪２４，２２４の少なくとも一部を所定位置に固定する。押輪２４，２２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２０，２２０から抜けるのを止める。これにより、フレキシブル管３００を継手本体２０，２２０内に挿入してシール作用部８４をシール材収容部４８内へ引込ませると、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０，２２０の内周面との間がシールされ、かつ、フレキシブル管３００が継手本体２０，２２０から抜けなくなる。押輪２４，２２４の少なくとも一部が継手本体２０，２２０内の所定位置に固定されるので、押輪２４，２２４が継手本体２０，２２０から抜け落ちないような操作は不要である。そのような操作が不要なので、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００１０】
また、上述した押輪２４が、連動部１００と、抜落防止部１０２とを有していることが望ましい。連動部１００は継手本体２０内に配置される。連動部１００はシール材２２につながる。連動部１００はシール材２２の移動に伴って移動する。連動部１００は、位置固定部材２６によって所定位置に固定される。抜落防止部１０２は継手本体２０に固定される。抜落防止部１０２は連動部１００が所定位置に固定される前に継手本体２０内から連動部１００が抜け落ちることを防止する。
【００１１】
連動部１００は継手本体２０内に配置される。シール材２２の移動に伴って移動した連動部１００は、位置固定部材２６によって所定位置に固定される。一方、抜落防止部１０２は連動部１００が所定位置に固定される前に継手本体２０内から連動部１００が抜け落ちることを防止する。これにより、押輪２４が継手本体２０内から抜け落ちていないか確認する作業が不要となる。その作業が不要なので、その作業が必要な場合に比べ、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００１２】
もしくは、上述した連動部１００が、連結部１４２と、阻害部１４０とを有していることが望ましい。連結部１４２はシール材２２につながる。阻害部１４０は外周面係合部９２が受口部４０の方向へ移動することを阻害する。
【００１３】
外周面係合部９２が受口部４０方向へ移動することを阻害部１４０が阻害するので、シール作用部８４の移動も阻害される。連結部１４２がシール材２２につながっているので、阻害部１４０はシール材２２の移動に伴って移動する。阻害部１４０が移動すると、阻害部１４０が移動しない場合に比べ、阻害部１４０によって阻害されるまでの外周面係合部９２の移動距離は短くなる。移動距離が短くなると、移動距離が短くならない場合に比べ、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間のシールが解消する可能性は低くなる。シールが解消する可能性が低くなるので、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる上に、シールの信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明によれば、フレキシブル管を接続するという作業を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】本発明の第１実施形態にかかるフレキシブル管用継手を示す半欠截断面図である。
【図２】本発明の第１実施形態にかかる継手本体の断面図である。
【図３】（Ａ）は本発明の第１実施形態にかかるシール材の正面図、（Ｂ）はそのシール材の背面図、（Ｃ）はそのシール材の断面図である。
【図４】本発明の第１実施形態にかかる押輪の連動部の半欠截断面図である。
【図５】本発明の第１実施形態にかかる押輪の抜落防止部の半欠截断面図である。
【図６】フレキシブル管が挿入されている最中における本発明の第１実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【図７】フレキシブル管の挿入が完了した時点における本発明の第１実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【図８】本発明の第２実施形態にかかるフレキシブル管用継手を示す半欠截断面図である。
【図９】本発明の第２実施形態にかかる継手本体の断面図である。
【図１０】本発明の第２実施形態にかかる押輪の半欠截断面図である。
【図１１】フレキシブル管が挿入されている最中における本発明の第２実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【図１２】フレキシブル管の挿入が完了した時点における本発明の第２実施形態にかかるフレキシブル管用継手の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【００１７】
<第１実施形態の説明>
以下、本発明の第１実施形態を図面に基づき説明する。図１は、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０を、金属製のフレキシブル管３００が挿入されていない状態で示す半欠截断面図である。図１を参照しつつ、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の構成について説明する。
【００１８】
［構造の説明］
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０は、フレキシブル管３００に接続されるものである。後述する図６などで示すように、フレキシブル管３００は、山部３１０と谷部３１２とを備える。山部３１０の表面と谷部３１２の表面とがフレキシブル管３００の外周面を構成している。図１に示すように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０は、継手本体２０と、シール材２２と、押輪２４と、スナップリング２６と、防水パッキン２８と、ロックリング３０とを備える。継手本体２０の一端の外周には、接続用雄ねじ５８が形成されている。シール材２２は、継手本体２０の中に収容される。押輪２４は、継手本体２０内に挿入される。押輪２４は、シール材２２から見て接続用雄ねじ５８とは反対側に配置される。押輪２４は連動部１００と抜落防止部１０２とを有する。スナップリング２６も、継手本体２０内に収容される。スナップリング２６は、その径方向へ拡縮可能な位置固定部材である。防水パッキン２８は継手本体２０の内周面と押輪２４の外周面（本実施形態の場合についてより具体的に述べると抜落防止部１０２の外周面）との間をシールする。ロックリング３０は、抜落防止部１０２を継手本体２２０に固定する。
【００１９】
図２は継手本体２０の断面図である。図２を参照しつつ、本実施形態にかかる継手本体２０の構造を説明する。継手本体２０の両端のうち接続用雄ねじ５８が設けられた端とは反対側の端に受口部４０が設けられている。受口部４０は、フレキシブル管３００の先端部を受け入れる口である。図２から明らかなように、継手本体２０の内部は、受口部４０を介して継手本体２０の外部に連通している。なお、本発明の説明において、「連通」とは、通路を介して二つの空間を連続状態にすることを意味する。ここでいう「通路」には管状のものだけでなく単なる孔も含まれる。後述する説明から明らかな通り、フレキシブル管３００の先端部は、押輪２４が挿入された状態の受口部４０から継手本体２０の中に入る。
【００２０】
継手本体２０の内部には、シール材待機部４２と、シール材案内部４４と、シール材収容部４８とが設けられている。これらの中で最も受口部４０側にあるのはシール材待機部４２である。これらの中で最も接続用雄ねじ５８側にあるのはシール材収容部４８である。シール材待機部４２は、受口部４０の奥に形成され、受口部４０に連通される。シール材案内部４４は、シール材待機部４２の奥に形成され、シール材待機部４２に連通される。シール材収容部４８は、シール材案内部４４の奥に形成され、シール材案内部４４に連通される。シール材収容部４８の内径は、シール材待機部４２の内径より小さい。後述する説明から明らかなように、シール材待機部４２は、継手本体２０の中にフレキシブル管３００がまだ入っていないとき、シール材２２の一部を収容している。シール材案内部４４は、継手本体２０の中にフレキシブル管３００が入ると、フレキシブル管３００とシール材２２とをシール材収容部４８へ案内する。シール材収容部４８は、フレキシブル管３００の先端部とこの先端部の外周のシール材２２とを収容する。
【００２１】
シール材待機部４２には、スナップリング抜止溝５０と、ロックリング抜止溝５２とが設けられている。スナップリング抜止溝５０は継手本体２０内に押輪２４が挿入されたとき連動部１００の外周面を取囲むように設けられる。ロックリング抜止溝５２は押輪２４が挿入されたとき抜落防止部１０２の外周面を取囲むように設けられる。
【００２２】
シール材案内部４４は、座グリ部５４と縮径案内部５６とを有する。座グリ部５４はシール材待機部４２に連通される。縮径案内部５６は、座グリ部５４の奥に設けられている。縮径案内部５６は、受口部４０から離れるにつれ窄まる。
【００２３】
シール材収容部４８の内周には、耐火パッキン溝６０が設けられている。この耐火パッキン溝６０の位置は、シール材収容部４８の中にシール材２２が入ったときシール材２２の外周を取囲む位置である。耐火パッキン溝６０には耐火パッキン７０が嵌め込まれている。本実施形態において、耐火パッキン７０は熱膨張性黒鉛入りゴムなどからなる。
【００２４】
図３の（Ａ）はシール材２２の正面図である。図３の（Ｂ）はシール材２２の背面図である。図３の（Ｃ）はシール材２２の断面図である。図３を参照しつつ、シール材２２の構成を説明する。本実施形態にかかるシール材２２は筒状である。本実施形態にかかるシール材２２は、胴部８０と、引込部８２と、シール作用部８４と、複数の妨害部８６とを有する。胴部８０は筒状である。胴部８０の内径はフレキシブル管３００の山部３１０の外径とほぼ同一である。胴部８０にはフレキシブル管３００が挿入される。引込部８２は、この胴部８０の前端部に内向きに張り出している。引込部８２は、胴部８０に挿入されたフレキシブル管３００に押されることでシール材２２を継手本体２０の挿入完了位置（本実施形態においてはシール材収容部４８）へ移動させる部分である。シール作用部８４は、胴部８０の後端部に外向きに張り出している。シール作用部８４がフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合うことにより、継手本体２０の内周面とフレキシブル管３００の外周面とがシールされる。妨害部８６は、シール材２２の後方側すなわち引込部８２から見て受口部４０側に設けられている。これらの妨害部８６は、円周方向に並ぶように配置される。妨害部８６同士は、所定間隔をおいて離れている。継手本体２０の中にシール材２２が収容されたとき、妨害部８６によって囲まれる空間の直径は、フレキシブル管３００の山部３１０の外径より大きい。妨害部８６は、シール材２２が継手本体２０の挿入完了位置に到達する前の位置（本実施形態においては、図１に示す位置のこと）に位置している間に連動部１００がシール材２２へ近づいてくると、連動部１００の前方に立ちはだかる。
【００２５】
本実施形態の場合、胴部８０と、引込部８２と、シール作用部８４とは、ゴム製である。これらの素材として用いられるゴムの例には、ＮＢＲ（Acrylonitrile-Butadiene Rubber）、ＳＢＲ（Styrene-butadiene rubber）、ＥＰＤＭ（ethylene propylene rubber）などがある。
【００２６】
引込部８２には環状の補強芯金９０が埋込まれている。本実施形態の場合、補強芯金９０の材質は、黄銅製座金である。ただし、引込部８２の材質は、胴部８０およびシール作用部８４と同一材料で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
【００２７】
図３に示すように、妨害部８６の先端には、外周面係合部９２が設けられている。外周面係合部９２はシール作用部８４がシール材収容部４８へ移動するとともに移動する。外周面係合部９２はシール作用部８４が移動するとフレキシブル管３００の外周面に係合する（本実施形態の場合についてより具体的に述べると、外周面係合部９２はこのとき谷部３１２に係合する）。外周面係合部９２は、胴部８０およびシール作用部８４よりも硬い材料で形成される。そのような材料の例として、黄銅などの金属材料や硬質樹脂がある。
【００２８】
シール材２２は、フレキシブル管３００の差込み前（初期状態）において、図１に示すように配置される。これにより、初期状態において、胴部８０がシール材収容部４８内に位置し、シール作用部８４がシール材案内部４４からシール材待機部４２までの区間内に位置し、かつ、妨害部８６がシール作用部８４よりも受口部４０側に位置するように、シール材２２は配置されることとなる。
【００２９】
図４は連動部１００の半欠截断面図である。図５は抜落防止部１０２の半欠截断面図である。図４と図５とを参照しつつ、本実施形態にかかる押輪２４について説明する。
【００３０】
上述したとおり、押輪２４は連動部１００と抜落防止部１０２とを有する。図４に示すように、連動部１００は筒状である。連動部１００の中をフレキシブル管３００が貫通可能である。連動部１００の内部には、阻害部１４０が設けられている。押輪２２４の外部には、連結部１４２とスナップリング保持溝１４４とが設けられている。
【００３１】
阻害部１４０は、シール材２２の外周面係合部９２に対向する。外周面係合部９２がフレキシブル管３００の外周面に係合した状態でフレキシブル管３００が継手本体２０から引き抜かれようとすると、阻害部１４０は外周面係合部９２が受口部４０方向へ移動することを阻害する。これにより、フレキシブル管３００は抜けなくなる。フレキシブル管３００が抜けなくなるので、本実施形態にかかる押輪２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２０から抜けるのを止め得ることとなる。
【００３２】
連結部１４２は、妨害部８６の外周面係合部９２（ひいてはシール材２２）につながる。本実施形態の場合についてより具体的に述べると、連結部１４２は外周面係合部９２（ひいてはシール材２２）に引っ掛かる。これにより、連動部１００は外周面係合部９２の移動に伴って移動することとなる。
【００３３】
スナップリング保持溝１４４は連動部１００を取囲むように形成されている。図１に示すように、このスナップリング保持溝１４４にはスナップリング２６が嵌め込まれる。
【００３４】
また、押輪２２４の一端は、被覆層突当部１４６となっている。フレキシブル管３００の先端部分が押輪２４を貫通する際、フレキシブル管３００の先端部分は被覆層突当部１４６によって取囲まれた空間を通過する。フレキシブル管３００の被覆層３１４は被覆層突当部１４６に突き当たる。
【００３５】
図５に示すように、抜落防止部１０２も筒状である。抜落防止部１０２の中をフレキシブル管３００が貫通可能である。抜落防止部１０２の内部には、パッキン溝１４８が設けられている。パッキン溝１４８は、フレキシブル管３００の先端部分が押輪２４を貫通する際、フレキシブル管３００を取囲むように設けられる。パッキン溝１４８には、防水パッキン１６０が嵌め込まれている。防水パッキン１６０は、ＥＰＤＭなどで作られている。防水パッキン１６０の断面はＴ形状である。防水パッキン１６０の円周方向数箇所には、ピン形状の選択透過性部材１６２が埋設されている。選択透過性部材１６２は、気体を透過するが固体や液体は透過しない。これにより、ガス漏れ検査が可能である。選択透過性部材１６２は、例えば、連続多孔質膜を含む部材、あるいは連続気孔を有する多孔質体である。前者の連続多孔質膜は、四フッ化エチレン樹脂粉体を成形することによって得られる。後者の多孔質体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレートなどの熱可塑性樹脂粉体から成形することによって得られる。
【００３６】
抜落防止部１０２の外部には、ロックリング保持溝１５０と、防水パッキン溝１５２とが設けられている。ロックリング保持溝１５０も防水パッキン溝１５２も抜落防止部１０２の外周面を取囲むように形成されている。ロックリング保持溝１５０にはロックリング３０の内周部分が嵌め込まれる。ロックリング３０の外周部分は上述したロックリング抜止溝５２に嵌め込まれる。防水パッキン溝１５２には防水パッキン２８が嵌め込まれる。
【００３７】
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の組立時に、組立作業員は、継手本体２０の中へ押輪２４を挿入する。この挿入に伴い、スナップリング２６は、スナップリング保持溝１４４内に内周部が嵌め込まれたまま、継手本体２０の内周面をスライドする。継手本体２０の内周面をスライドするため、スナップリング２６は縮径するよう弾性変形する。この際、妨害部８６は連動部１００の前方に立ちはだかる。このため、この時点で連動部１００の位置が固定されることはない（連動部１００の位置が固定される仕組みについては後述する）。フレキシブル管用継手１０にフレキシブル管３００を接続されるまで、スナップリング２６はその状態のままである。さらに、組立作業員は、抜落防止部１０２（抜落防止部１０２には、予め、ロックリング保持溝１５０内へロックリング３０の内周部分が嵌め込まれている）を継手本体２０内に挿入する。この挿入に伴い、ロックリング３０は、ロックリング保持溝１５０内に内周部が嵌め込まれたまま、継手本体２０の内周面をスライドする。継手本体２０の内周面をスライドするため、ロックリング３０は縮径するよう弾性変形する。ロックリング３０の外周部がロックリング抜止溝５２に嵌まる。ロックリング３０の外周部がロックリング抜止溝５２に嵌まる時、それまで縮径していたロックリング３０は拡径する。ロックリング３０が拡径することにより、抜落防止部１０２の位置が固定される。図１はこの状態を示している。
【００３８】
［接続方法の説明］
次に、上述したフレキシブル管用継手１０にフレキシブル管３００を接続する方法について図６と図７とを参照しつつ説明する。図６は、フレキシブル管３００が挿入されている最中における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の断面図である。図７は、フレキシブル管３００の挿入が完了した時点における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０の断面図である。
【００３９】
フレキシブル管３００の接続に際しては、先ず、フレキシブル管３００を、押輪２４の入口側（より具体的述べると抜落防止部１０２の入口側）から継手本体２０内に差し込む。なお、このフレキシブル管３００の先端部分の被覆層３１４は、山部３１０が６つ露出するよう、予め剥離されている。ただし、山部３１０をいくつ露出させるかは、継手本体２０の大きさなどに応じて定められるものである。山部３１０をいくつ露出させるかは、本実施形態のものに限定されない。
【００４０】
継手本体２０内に差し込まれたフレキシブル管３００は、シール材２２の中を、妨害部８６、シール作用部８４、胴部８０の順に通過する。その後、図６に示すように、フレキシブル管３００の先端部は、シール材２２の引込部８２に突き当たる。シール材２２のシール作用部８４は胴部８０より外向きに張り出す形に形成されている。これにより、フレキシブル管３００の差込み時にそのシール作用部８４が障害になるようなことない。フレキシブル管３００の先端部はシール材２２内にスムーズに挿入できる。
【００４１】
シール材２２の引込部８２に突き当たるまでフレキシブル管３００が差込まれると、シール材２２の胴部８０はシール材収容部４８の奥へ押込まれる。この押込みに伴い、シール材２２のシール作用部８４はシール材案内部４４の窄まり側に移動する。シール作用部８４は、シール材案内部４４に押されて内向きに縮径変形する。シール作用部８４は、シール材案内部４４を通過してシール材収容部４８内に引き込まれるや否やフレキシブル管３００の谷部３１２にかみ合う。これにより、フレキシブル管３００の先端部の外周面と継手本体２０のシール材収容部４８の内周面との間がシール材２２によって確実に密封シールされる。そこが密封シールされることで、フレキシブル管３００内を流れる流体が継手本体２０から漏れ出るのを防止できる。フレキシブル管３００が少々変形していたとしても、その効果はほとんど低下しない。
【００４２】
シール材２２のシール作用部８４がシール材収容部４８内に引き込まれるに伴い、連動部１００も継手本体２０の奥へ引き込まれる。連動部１００の連結部１４２がシール材２２の外周面係合部９２につながっているためである。そして、図７に示すように、シール作用部８４がシール材収容部４８内に完全に引き込まれた時点で、スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる。スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる時、それまで縮径していたスナップリング２６は拡径する。スナップリング２６が拡径することにより、連動部１００がその位置に固定される。これにより、スナップリング２６は、シール材２２の移動に伴って押輪２４の連動部１００が継手本体２０内の所定位置（本実施形態の場合、スナップリング２６がスナップリング抜止溝５０に対向する位置）へ移動すると押輪２４の連動部１００をそこに固定することとなる。連動部１００が固定されると、フレキシブル管用継手１０にフレキシブル管３００を接続する作業は終了する。この状態でフレキシブル管３００を引き抜こうとすると、外周面係合部９２が阻害部１４０に動きを妨害される。動きを妨害されるので、図７に示すように、フレキシブル管３００はフレキシブル管用継手１０から抜けない。
【００４３】
［本実施形態にかかるフレキシブル管用継手の効果］
以上の説明から明らかなように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、フレキシブル管３００を継手本体２０の奥まで挿入すると、そのフレキシブル管３００の接続が完了する。その結果、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００４４】
また、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、押輪２４が継手本体２０内から抜け落ちていないか確認する作業が不要となる。その確認作業が不要となるのは、連動部１００が所定位置（本実施形態におけるこの「所定位置」は、スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる位置である。）に固定される前には抜落防止部１０２が継手本体２０内から連動部１００が抜け落ちることを防止するためである。その結果、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、上述した確認作業が必要な場合に比べ、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００４５】
また、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手１０によれば、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間におけるシールの信頼性を向上させることができる。シールの信頼性を向上させ得るのは、フレキシブル管３００の外周面と継手本体２０の内周面との間のシールが解消する可能性を抑え得るためである。シールが解消する可能性を抑え得るのは、外周面係合部９２が受口部４０方向へ移動することを阻害部１４０が阻害するためである。
【００４６】
<第２実施形態の説明>
以下、本発明の第２実施形態を図面に基づき説明する。図８は、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０を、金属製のフレキシブル管３００が挿入されていない状態で示す半欠截断面図である。図８を参照しつつ、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の構成について説明する。
【００４７】
［構造の説明］
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０は、フレキシブル管３００に接続されるものである。図８に示すように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０は、継手本体２２０と、シール材２２と、押輪２２４と、スナップリング２６と、防水パッキン２８とを備える。継手本体２２０の一端の外周には、接続用雄ねじ５８が形成されている。押輪２２４は、継手本体２２０に、押込み代を残す仮挿入状態で接続される。押輪２２４は、継手本体２２０の内周面に沿って移動できる。押輪２２４は、シール材２２ごとフレキシブル管３００が継手本体２２０から抜けるのを止める。
【００４８】
図９は継手本体２２０の断面図である。図９を参照しつつ、本実施形態にかかる継手本体２２０の構造を説明する。継手本体２２０の内部には、シール材待機部２４２と、シール材案内部４４と、シール材収容部４８とが設けられている。これらの中で最も受口部４０側にあるのはシール材待機部２４２である。これらの中で最も接続用雄ねじ５８側にあるのはシール材収容部４８である。シール材待機部２４２は、受口部４０の奥に形成され、受口部４０に連通される。後述する説明から明らかなように、シール材待機部２４２は、継手本体２２０の中にフレキシブル管３００がまだ入っていないとき、シール材２２の一部を収容している。
【００４９】
シール材待機部２４２には、スナップリング抜止溝２５０が設けられている。スナップリング抜止溝２５０は押輪２２４の外周面を取囲むように設けられる。
【００５０】
図１０は押輪２２４の半欠截断面図である。図１０を参照しつつ、本実施形態にかかる押輪２２４について説明する。図１０に示すように、押輪２２４は筒状である。押輪２２４の一端が継手本体２２０の中に挿入される。押輪２２４の中をフレキシブル管３００が貫通可能である。
【００５１】
押輪２２４の内部には、阻害部１４０と、パッキン溝１４８と、被覆層突当部１５４とが設けられている。被覆層突当部１５４は、押輪２２４の内周面から突出している。被覆層突当部１５４は、第１実施形態にかかる被覆層突当部１４６と同様の機能を有する。すなわち、フレキシブル管３００の先端部分が押輪２２４を貫通する際、フレキシブル管３００の先端部分は被覆層突当部１５４によって取囲まれた空間を通過する。フレキシブル管３００の被覆層３１４は被覆層突当部１５４に突き当たる。パッキン溝１４８には、防水パッキン１６０が嵌め込まれている。防水パッキン１６０の円周方向数箇所には、ピン形状の選択透過性部材１６２が埋設されている。
【００５２】
押輪２２４の外部には、連結部１４２とスナップリング保持溝１４４と防水パッキン溝１５２とが設けられている。
【００５３】
本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の組立時に、組立作業員は、継手本体２２０の中へ押輪２２４を挿入する。この挿入に伴い、スナップリング２６は第１実施形態で述べたのと同様に動作する。フレキシブル管用継手２１０にフレキシブル管３００を接続されるまで、スナップリング２６はその状態のままである。図８はこの状態を示している。この状態が、上述した「押込み代を残す仮挿入状態」である。
【００５４】
なお、その他の点については、第１実施形態と同様なので、その詳細な説明は繰返さない。
【００５５】
［接続方法の説明］
次に、上述したフレキシブル管用継手２１０にフレキシブル管３００を接続する方法について図１１と図１２とを参照しつつ説明する。図１１は、フレキシブル管３００が挿入されている最中における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の断面図である。図１２は、フレキシブル管３００の挿入が完了した時点における本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０の断面図である。
【００５６】
フレキシブル管３００の接続に際しては、先ず、フレキシブル管３００を、押輪２２４の入口側から継手本体２２０内に差し込む。なお、このフレキシブル管３００の先端部分の被覆層３１４は、山部３１０が６つ露出するよう、予め剥離されている。ただし、山部３１０をいくつ露出させるかは、継手本体２２０の大きさなどに応じて定められるものである。山部３１０をいくつ露出させるかは、本実施形態のものに限定されない。
【００５７】
継手本体２２０内に差し込まれたフレキシブル管３００は、シール材２２の中を通過する。その後、フレキシブル管３００の先端部は、シール材２２の引込部８２に突き当たる。シール材２２の引込部８２に突き当たるまでフレキシブル管３００が差込まれると、シール材２２の胴部８０はシール材収容部４８の奥へ押込まれる。この押込みに伴い、シール作用部８４は、シール材案内部４４を通過してシール材収容部４８内に引き込まれる。これにより、フレキシブル管３００の先端部の外周面と継手本体２０のシール材収容部４８の内周面との間がシール材２２によって確実に密封シールされる。
【００５８】
シール材２２のシール作用部８４がシール材収容部４８内に引き込まれるに伴い、押輪２２４も継手本体２２０の奥へ引き込まれる。押輪２２４の連結部１４２がシール材２２の外周面係合部９２につながっている（より具体的に述べれば、連結部１４２が外周面係合部９２に引っ掛かっている）ためである。そして、シール作用部８４がシール材収容部４８内に完全に引き込まれた時点で、スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まる。スナップリング２６の外周部がスナップリング抜止溝５０に嵌まることにより、押輪２２４の位置が固定される。これにより、フレキシブル管用継手２１０にフレキシブル管３００を接続する作業は終了する。この状態でフレキシブル管３００を引き抜こうとしても、フレキシブル管３００はフレキシブル管用継手２１０から抜けない。図１２は、この状態におけるフレキシブル管用継手２１０を示す。
【００５９】
［本実施形態にかかるフレキシブル管用継手の効果］
以上の説明から明らかなように、本実施形態にかかるフレキシブル管用継手２１０によれば、フレキシブル管３００を継手本体２２０の奥まで挿入すると、そのフレキシブル管３００の接続が完了する。その結果、フレキシブル管３００を接続するという作業を簡略化できる。
【００６０】
<変形例の説明>
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよいのはもちろんである。
【００６１】
例えば、シール材２２の引込部はシール作用部と一体となっていなくともよい。引込部は図示しない任意の接続用部材によってシール作用部に接続されていてもよい。
【００６２】
また、位置固定部材は上述したスナップリング２６に限定されない。スナップリング以外の周知の部材を継手本体２０，２２０内の所定位置へ押輪２４，２２４を固定するために用いてもよい。
【００６３】
また、押輪２４，２２４がシール材２２のどこにつながるかということは特に限定されない。押輪２４，２２４はシール材２２のうち外周面係合部９２以外の箇所でシール材２２とつながっていてもよい。
【符号の説明】
【００６４】
１０，２１０…フレキシブル管用継手、
２０，２２０…継手本体、
２２…シール材、
２４，２２４…押輪、
２６…スナップリング、
２８，１６０…防水パッキン、
３０…ロックリング、
４０…受口部、
４２，２４２…シール材待機部、
４４…シール材案内部、
４８…シール材収容部、
５０，２５０…スナップリング抜止溝、
５２…ロックリング抜止溝、
５４…座グリ部、
５６…縮径案内部、
５８…接続用雄ねじ、
６０…耐火パッキン溝、
７０…耐火パッキン、
８０…胴部、
８２…引込部、
８４…シール作用部、
８６…妨害部、
９０…補強芯金、
９２…外周面係合部、
１００…連動部、
１０２…抜落防止部、
１４０…阻害部、
１４２…連結部、
１４４…スナップリング保持溝、
１４６，１５４…被覆層突当部、
１４８…パッキン溝、
１５０…ロックリング保持溝、
１５２…防水パッキン溝、
１６２…選択透過性部材、
３００…フレキシブル管、
３１０…山部、
３１２…谷部、
３１４…被覆層、
【特許請求の範囲】
【請求項１】
受口部を有する継手本体を備え、
フレキシブル管が、前記受口部から前記継手本体内に挿入され、
前記フレキシブル管には、円周方向全周にわたって延びる山部と谷部とが管軸方向へ交互に並設されており、
前記継手本体内に収容される弾性変形可能なシール材と、
前記受口部を介して前記継手本体に挿入され、かつ、前記シール材ごと前記フレキシブル管が前記継手本体から抜けるのを止める押輪とをさらに備え、
前記押輪の少なくとも一部が前記継手本体の内周面に沿って移動でき、
前記フレキシブル管が、前記押輪の中を通り抜けて、前記受口部から前記継手本体内に挿入され、
前記継手本体が、
前記受口部に連通し、前記シール材の少なくとも一部が予め配置されるシール材待機部と、
前記受口部からみて前記シール材待機部よりも奥側に配置され、前記シール材待機部に連通するシール材収容部とをさらに有しており、
前記シール材が、
前記シール材収容部内に収容されて前記フレキシブル管の谷部にかみ合うことにより前記フレキシブル管の外周面と前記継手本体の内周面との間をシールするシール作用部と、
前記受口部からみて前記シール作用部よりも前記継手本体内の奥側に配置され、前記シール作用部に直接または間接に接続され、前記受口部へ挿入された前記フレキシブル管に押されることで前記シール作用部を前記シール材収容部へ引込む引込部と、
前記シール作用部が前記シール材収容部へ移動すると前記フレキシブル管の外周面に係合する外周面係合部とを有しているフレキシブル管用継手であって、
前記押輪が前記シール材につながっており、
前記フレキシブル管用継手が、前記シール材の移動に伴って前記押輪の少なくとも一部が前記継手本体内の所定位置へ移動すると前記押輪の少なくとも一部を前記所定位置に固定する位置固定部材をさらに備えることを特徴とするフレキシブル管用継手。
【請求項２】
前記押輪が、
前記継手本体内に配置され、前記シール材につながり、前記シール材の移動に伴って移動し、かつ、前記位置固定部材によって前記所定位置に固定される連動部と、
前記継手本体に固定され、前記連動部が前記所定位置に固定される前に前記継手本体内から前記連動部が抜け落ちることを防止する抜落防止部とを有していることを特徴とする請求項１に記載のフレキシブル管用継手。
【請求項３】
前記連動部が、
前記シール材につながる連結部と、
前記外周面係合部が前記受口部の方向へ移動することを阻害する阻害部とを有していることを特徴とする請求項２に記載のフレキシブル管用継手。
【請求項１】
受口部を有する継手本体を備え、
フレキシブル管が、前記受口部から前記継手本体内に挿入され、
前記フレキシブル管には、円周方向全周にわたって延びる山部と谷部とが管軸方向へ交互に並設されており、
前記継手本体内に収容される弾性変形可能なシール材と、
前記受口部を介して前記継手本体に挿入され、かつ、前記シール材ごと前記フレキシブル管が前記継手本体から抜けるのを止める押輪とをさらに備え、
前記押輪の少なくとも一部が前記継手本体の内周面に沿って移動でき、
前記フレキシブル管が、前記押輪の中を通り抜けて、前記受口部から前記継手本体内に挿入され、
前記継手本体が、
前記受口部に連通し、前記シール材の少なくとも一部が予め配置されるシール材待機部と、
前記受口部からみて前記シール材待機部よりも奥側に配置され、前記シール材待機部に連通するシール材収容部とをさらに有しており、
前記シール材が、
前記シール材収容部内に収容されて前記フレキシブル管の谷部にかみ合うことにより前記フレキシブル管の外周面と前記継手本体の内周面との間をシールするシール作用部と、
前記受口部からみて前記シール作用部よりも前記継手本体内の奥側に配置され、前記シール作用部に直接または間接に接続され、前記受口部へ挿入された前記フレキシブル管に押されることで前記シール作用部を前記シール材収容部へ引込む引込部と、
前記シール作用部が前記シール材収容部へ移動すると前記フレキシブル管の外周面に係合する外周面係合部とを有しているフレキシブル管用継手であって、
前記押輪が前記シール材につながっており、
前記フレキシブル管用継手が、前記シール材の移動に伴って前記押輪の少なくとも一部が前記継手本体内の所定位置へ移動すると前記押輪の少なくとも一部を前記所定位置に固定する位置固定部材をさらに備えることを特徴とするフレキシブル管用継手。
【請求項２】
前記押輪が、
前記継手本体内に配置され、前記シール材につながり、前記シール材の移動に伴って移動し、かつ、前記位置固定部材によって前記所定位置に固定される連動部と、
前記継手本体に固定され、前記連動部が前記所定位置に固定される前に前記継手本体内から前記連動部が抜け落ちることを防止する抜落防止部とを有していることを特徴とする請求項１に記載のフレキシブル管用継手。
【請求項３】
前記連動部が、
前記シール材につながる連結部と、
前記外周面係合部が前記受口部の方向へ移動することを阻害する阻害部とを有していることを特徴とする請求項２に記載のフレキシブル管用継手。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２０１３−８７８０９（Ｐ２０１３−８７８０９Ａ）
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２２６６２３（Ｐ２０１１−２２６６２３）
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（０００２３１１２１）ＪＦＥ継手株式会社 (140)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１０月１４日（２０１１．１０．１４）
【出願人】（０００２３１１２１）ＪＦＥ継手株式会社 (140)
【Ｆターム（参考）】
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