説明

フレームおよび米飯供給装置

【課題】剛性を確保しつつ容易に分解できるフレームを用いた米飯供給装置を得る。
【解決手段】米飯を板状にして送り出す複数のローラ5a,5bおよびローラ5a,5bの回転軸5aa,5baを支持する軸受部14a−1〜3が形成されたフレーム14を備えたローラユニット4が着脱可能に収容されるユニット収容室12を有する。フレーム14は、側壁プレート14aが横断プレート14bを挟んで相互に着脱可能に係合する係合部20が形成されている。係合部20は、側壁プレート14aに形成されて横断プレート14bを挟む第1の係合部21と、横断プレート14bに形成され、第1の係合部21が弾性変形して嵌り込む第2の係合部22とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレームおよび米飯供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
米飯を板状に成形して供給する機能を有する米飯供給装置が知られている。この米飯供給装置は、送り出した板状の米飯を所定の長さに分割し、分割された板状米飯を例えば海苔シート上に供給して海苔巻き等を製造する用途などに利用されている。
【0003】
ここで、米飯供給装置において米飯を板状に成形するローラユニットは、米飯(多くの場合、酢と糖分とで調味された米飯)の通路になることから、衛生上の観点から定期的な洗浄が必要とされる。
【0004】
そして、ユーザの段階において、ローラユニットが米飯供給装置のユニット収容室内に対して着脱可能となっていれば、ローラユニットを分解・洗浄して残留した米飯を容易且つ確実に除去できるので望ましい。
【0005】
従来、この種の米飯供給装置に関連する技術としては、本出願人の出願に係る特開2004−49170号公報等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−49170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、ローラユニットは、米飯を板状にして送り出す複数のローラが組み込まれるとともに、これらのローラの回転軸を支持する軸受部を備えたフレームを備えている。
【0008】
ローラユニットを洗浄するためには、フレームを構成しているフレーム部材が簡単に分解できるようになっていることが望ましい。
【0009】
しかしながら、一般的に、フレームが簡単に分解できると言うことは、フレーム部材が組み合わさって構成されるフレームの剛性が低下する場合が多い。
【0010】
そこで、従来では、メンテナンス性は多少犠牲にしてもフレームの必要な剛性を確保するために、フレーム部材をネジ止めによって組み付けていた。
【0011】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、剛性を確保しつつ容易に分解することのできるフレームおよびそのフレームを用いた米飯供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のフレームは、複数のフレーム部材が組み合わさって構成されるフレームであって、相互に隣接した少なくとも一部のフレーム部材には、一方のフレーム部材が他方のフレーム部材を挟んで相互に着脱可能に係合する係合部が形成されている、ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決するため、請求項2に記載の本発明のフレームは、上記請求項1記載の発明において、前記係合部は、前記一方のフレーム部材に形成され、前記他方のフレーム部材を挟む第1の係合部と、前記他方のフレーム部材に形成され、前記第1の係合部が弾性変形して嵌り込む第2の係合部と、を有することを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するため、請求項3に記載の本発明のフレームは、上記請求項2記載の発明において、前記第1の係合部は、前記他方のフレーム部材の一方面、および当該他方のフレーム部材の反対面の2箇所の隅部で前記他方のフレーム部材を挟む、ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するため、請求項4に記載の本発明のフレームは、上記請求項1、2または3記載の発明において、前記一方のフレーム部材は、両側にそれぞれ位置して側壁を構成する側壁プレートであり、前記他方のフレーム部材は、前記側壁プレートの間に架け渡されて幅方向の両端が前記側壁プレートと係合する複数の横断プレートである、ことを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するため、請求項5に記載の本発明のフレームは、上記請求項1、2または3記載の発明において、前記一方のフレーム部材は、横方向に延びる複数の横断プレートであり、前記他方のフレーム部材は、架け渡された前記横断プレートの幅方向の両端に位置して当該横断フレームと係合する側壁プレートである、ことを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するため、請求項6に記載の本発明の米飯供給装置は、米飯を板状にして送り出す複数のローラ、および前記ローラの回転軸を支持する軸受部が形成された前記側壁プレートを備えた請求項4または5に記載のフレームを備えたローラユニットと、前記ローラユニットが着脱可能に収容されるユニット収容室と、を有することを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するため、請求項7に記載の本発明の米飯供給装置は、上記請求項6記載の発明において、前記フレームの前記軸受部と複数の前記ローラにおいて前記軸受部に支持される前記回転軸とは、前記軸受部に対して前記ローラの種類と向きとが正規である場合に嵌合可能となり、それ以外の場合には嵌合不能となる形状を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1記載の発明によれば、フレームの剛性を確保しつつ容易に分解することが可能になる。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、フレームの剛性を確保しつつ容易に分解することが可能になる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、フレーム部材の結合がより確実になり、結果としてフレームの剛性がより向上する。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、フレームの剛性を確保しつつ容易に分解することが可能になる。
【0023】
請求項5記載の発明によれば、フレームの剛性を確保しつつ容易に分解することが可能になる。
【0024】
請求項6記載の発明によれば、フレームの剛性を確保しつつ容易に分解することが可能になる。また、フレームを分解・洗浄した後の組み立ても、側壁プレートと横断プレートとをワンタッチで係合させるだけで、容易に行うことができる。
【0025】
請求項7記載の発明によれば、フレームを分解・洗浄した後に再度組み立てた場合、ローラを間違えて組み付けることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施の形態である米飯供給装置を示す斜視図である。
【図2】図1の米飯供給装置の断面図である。
【図3】図1の米飯供給装置の要部を拡大して示す斜視図である。
【図4】図1の米飯供給装置に装着されるローラユニットの分解斜視図である。
【図5】図1の米飯供給装置に装着されるローラユニットの斜視図である。
【図6】図5のローラユニットにおいてフレームのみを抽出して示す斜視図である。
【図7】図6のフレームにおいて側壁フレーム部材と横断フレーム部材とが分離した状態でのA−A’線に沿った横断面図である。
【図8】図6のフレームのA−A’線に沿った横断面図である。
【図9】図6のフレームにおける一部のローラの誤った嵌合状態を示す斜視図である。
【図10】図6のフレームにおける他のローラの誤った嵌合状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0028】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る米飯供給装置Mは、米飯R(例えば、炊飯され酢や砂糖等の調味料が混合された米飯R)が投入されるホッパ1と、ホッパ1から供給された米飯Rを解す米飯解し部2と、米飯解し部2で解された米飯Rをローラ5(5a,5b)を用いて上方より下方へ板状に圧縮して送り出すローラユニット4と、ローラユニット4によって送り出される連続した板状の米飯Rを搬送方向と直交する方向に分割する分割シャッタ6と、分割シャッタ6で分割された板状の米飯Rを受け、進退移動するプレート8と、ローラユニット4、分割シャッタ6、プレート8および後述する駆動手段といった装置全体の駆動を制御するマイクロコンピュータ等で構成される制御手段としての制御部10とを備えている。
【0029】
そして、ホッパ1、米飯解し部2、ローラユニット4、分割シャッタ6およびプレート8を上方から下方に向かって配置することにより構成されている。
【0030】
また、米飯供給装置Mの前面側には、液晶表示部を備えるタッチパネル11が設けられている。そして、ユーザがタッチパネル11を操作することにより、板状米飯Rの厚さ、分割された板状米飯Rの長さ等が設定可能になっている。なお、設定内容に応じてローラ5の回転速度と分割シャッタ6の分割タイミングが規定され、これにより、設定内容に合った厚さの連続した板状米飯Rがローラユニット4から送り出され、当該板状米飯Rが設定内容に合った長さに分割シャッタ6で分割される。
【0031】
なお、分割された米飯Rは、例えばシート状の海苔がセットされて後退位置に移動したプレート8上に落下して載置される。そして、当該プレート8が前進位置に移動し、米飯R上に所望の具材を載せた後に米飯供給装置Mの右側手前に設けられたスタートボタン9を押下することで、当該プレート8の前後が隆起して上方で合わさり、海苔巻きが作製される。
【0032】
ここで、米飯解し部2は、複数の解し羽根3を有しており、解し羽根3の回転によってホッパ1からの米飯Rを解しながらローラユニット4に供給するようになっている。
【0033】
また、ローラユニット4は、複数対のローラ5a,5bが米飯Rの供給方向に沿って配置されている。これら複数対のローラ5a,5bは、米飯Rの供給方向の上流側から下流側に向かって間隔が狭められるように配置されており、駆動手段(図示せず)により回転駆動されることで米飯Rを板状に圧縮しながら下方に移送する。
【0034】
さて、図2および図3に示すように、前述したローラユニット4は、米飯供給装置Mに形成されたユニット収容室12内に着脱可能に収容されている。ユニット収容室12は前方に開口しており、カバー部材13が取り付けられると当該ユニット収容室12が閉塞され、内部に位置するローラユニット4が隠蔽される。
【0035】
ユニット収容室12の底面には、ローラユニット4の前後位置を規制する規制溝(図示せず)が横方向に延びて形成されている。したがって、カバー部材13を取り外してローラユニット4を前方からユニット収容室12に押し込んで規制溝に嵌め込むことにより、当該ローラユニット4は前後の動きが規制されるとともに、横方向(ローラ5の軸方向)には移動可能な状態となる。なお、ローラユニット4の前後位置の規制は規制溝以外でもよく、たとえばローラユニット4の前後を支持する枠体などでもよい。
【0036】
カバー部材13はインターロック機能を有しており、当該カバー部材13が正規位置に装着されたときに、カバー部材13の裏側に取り付けられた磁石(図示せず)の磁界が装置本体側の磁気センサ(図示せず)により検知される。そして、このように磁気センサがカバー部材13の正規位置への装着を検知したならば、制御部10により駆動手段の動作が許可される。
【0037】
図4および図5において、ローラユニット4は、前述した複数の(ここでは2対の)ローラ5と、これらのローラ5を支持するフレーム14とで構成されている。
【0038】
フレーム14は、両側にそれぞれ位置して対向する2枚の側壁プレート14a(フレーム部材の一例)と、これらの側壁プレート14aの間に架け渡されて幅方向の両端が側壁プレート14aと係合する前後部および底部の3枚の横断プレート14b(フレーム部材の一例)とで構成されている。
【0039】
本実施の形態の場合、側壁プレート14aと横断プレート14bは、例えばポリプロピレン(polypropylene)やフッ素樹脂などの樹脂材からなる。但し、弾性変形する部位(詳細は後述する)を設けることができる限り、金属など、様々な素材を適用することができる。
【0040】
それぞれの側壁プレート14aには、米飯Rの送り出し方向上流側に位置する一方のローラ5a−1の回転軸5aaと嵌合して支持する軸受部14a−1が上方向に開口して、他方のローラ5a−2の回転軸5aaと嵌合して支持する軸受部14a−2が横方向に開口して形成されている。さらに、それぞれの側壁プレート14aには、米飯Rの送り出し方向下流側に位置する一方のローラ5b−1の回転軸5baと嵌合して支持する軸受部14a−3が横方向に開口して形成されている。
【0041】
なお、側壁プレート14aの前部は湾曲した切り欠き部14a−4が形成されており、駆動手段の駆動力を伝達する軸継手(図示せず)とローラ用の位置決め部材(図示せず)とに回転軸5baが支持された他方のローラ5b−2が位置している。このローラ5b−2はモータおよびリンク機構(何れも図示せず)によってローラ5b−1との間隔が変化するようにローラ5b−2が移動可能な構造になっている。これにより、ユーザがタッチパネル11を操作することにより板状米飯Rを所望の厚さに設定すると、当該設定に応じた量だけモータが回転し、ローラ5b−2が移動してローラ5b−1との間隔が調整される。
【0042】
図示するように、米飯Rの送り出し方向上流側に位置する一対のローラ5aと米飯Rの送り出し方向下流側に位置する一対のローラ5bの外周の形状は相互に異なっており、周方向に対する凹凸の間隔が、ローラ5aよりもローラ5bの方が狭くなっている。
【0043】
さて、図6に詳しく示すように、フレーム14を構成する側壁プレート14aおよび横断プレート14bには、側壁プレート14aが横断プレート14bの端部を挟んで相互に着脱可能に係合する係合部20が形成されている。
【0044】
ここで、側壁プレート14aに形成された係合部20は、横断プレート14bを挟む第1の係合部21である。また、横断プレート14bに形成された係合部20は、側壁プレート14aに形成された第1の係合部21が弾性変形して嵌り込む第2の係合部22である。
【0045】
側壁プレート14aに形成された第1の係合部21は、先端にロック爪21a−1が形成されたロック片21aと、突出した2つの突出片21bとからなる。また、横断プレート14bに形成された第2の係合部22は、ロック爪21a−1が係止される係止部22a−1が形成されてロック片21aが嵌り込むロック片嵌込部22aと、突出片21bが嵌り込む2つの突出片嵌込部22bとからなる。
【0046】
第1の係合部21を構成するロック片21aは横断プレート14bの一方面(ここでは、外側面)に形成されたロック片嵌込部22aに嵌り込み、第1の係合部21を構成する2つの突出片21bは横断プレート14bの反対面(ここでは、内側面)の2箇所の隅部に形成された突出片嵌込部22bに嵌り込むようになっている。
【0047】
なお、前述のように、本実施の形態のフレーム14は、2枚の側壁プレート14aと、これらの側壁プレート14aの間に架け渡された3枚の横断プレート14bとで構成されている。したがって、第2の係合部22は各横断プレート14bの両端にそれぞれ形成されており、第1の係合部21はこれら各横断プレート14bの第2の係合部22に対応して、各側壁プレート14aに3箇所ずつ形成されている。
【0048】
そして、フレーム14を組み立てる際には、図7に示すように、側壁プレート14aに形成された第1の係合部21と、横断プレート14bに形成されて当該第1の係合部21に対応した第2の係合部22とが向かい合うように配置し、側壁プレート14aを横断プレート14bの長手方向に押し込む。
【0049】
すると、ロック爪21a−1に押し上げられるようにしてロック片21aが弾性変形した状態でロック片嵌込部22a内を進んでいき、ロック爪21a−1が係止部22a−1に嵌り込んだときに弾性変形が解除されてロック片21aが元の形状に復帰し、ロック片21aがロック片嵌込部22aに嵌り込んで係合する。そして、ロック爪21a−1が係止部22a−1に嵌り込むことによって、側壁プレート14aと横断プレート14bとの離脱が阻止される。また、これと同時に、2つの突出片21bがそれぞれ突出片嵌込部22bに嵌り込む。
【0050】
なお、ロック片21aを弾性変形させてロック爪21a−1と係止部22a−1との嵌り合いを解き、その状態で側壁プレート14aを横断プレート14bの長手方向(両者を係合させたときとは逆の方向)にスライドさせれば、側壁プレート14aと横断プレート14bとの係合が解除される。
【0051】
このように、横断プレート14bの第2の係合部22に側壁プレート14aの第1の係合部21が弾性変形して嵌り込むことで、図8に示すように、側壁プレート14aが横断プレート14bを挟んで着脱可能に係合することになる。
【0052】
そして、一方のプレート(ここでは、側壁プレート14a)が他方のプレート(ここでは、横断プレート14b)を挟んで着脱可能に係合することにより、両者が確実に結合されるとともに結合解除も容易に行える。したがって、このような構造でフレーム14を構成することにより、フレーム14の剛性を確保しつつ、当該フレーム14を容易に分解することが可能になる。また、フレーム14を分解・洗浄した後の組み立ても、側壁プレート14aと横断プレート14bとをワンタッチで係合させるだけで、容易に行うことができる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、側壁プレート14aの係合部20(つまり、第1の係合部21)で横断プレート14bの係合部20(つまり、第2の係合部22)を挟んで着脱可能に係合しているが、逆に、横断プレート14bの係合部20で側壁プレート14aの係合部20を挟んで着脱可能に係合するようになっていてもよい。
【0054】
また、側壁プレート14aで横断プレート14bを挟むとは、側壁プレート14aの第1の係合部21で横断プレート14bの第2の係合部22を両側から押圧するまでの必要はなく、第1の係合部21が第2の係合部22の両側に嵌り込んでいれば足りる。
【0055】
さらに、本実施の形態では、突出片21bはロック片21aとは反対面の2箇所の隅部に嵌り込んでいるが、反対面の1箇所であれば足り、必ずしも2箇所ではなくてもよく、隅部ではなくてもよい。つまり、挟み込みは様々な形態を採用することができ、例えば両面をロック片で挟むようにしてもよい。
【0056】
但し、本実施の形態のように、横断プレート14bの一方面およびその反対面の2箇所の隅部を挟むようにすれば、結合がより確実になり、結果としてフレームの剛性がより向上する。
【0057】
ここで、フレーム14の軸受部14a−1,14a−2,14a−3とローラ5a−1,5a−2,5b−1においてこれらの軸受部14a−1,14a−2,14a−3に支持される回転軸5aa,5baとは、軸受部14a−1,14a−2,14a−3に対してローラ5a−1,5a−2,5b−1の種類と向きとが正規である場合に嵌合可能となり、それ以外の場合には嵌合不能となる形状を有している。
【0058】
つまり、米飯Rの供給方向の上流側に位置するローラ5aの回転軸5aaの径よりも米飯Rの供給方向の下流側に位置するローラ5bの回転軸5baの径の方が太くなっている。そして、ローラ5aを支持する軸受部14a−1,14a−2とローラ5bを支持する軸受部14a−3は、各回転軸5aa,5baの径に対応した幅となっている。
【0059】
したがって、図9に示すように、取り付けようとしたローラ5a,5baの種類が正規ではない場合には、嵌合不能となる。
【0060】
また、ローラ5aの回転軸5aaについては、一方側の回転軸5aa1(図4)の径と他方側の回転軸5aa2(図10)の径とが異なっている。そして、当該ローラ5aを支持する軸受部14a−1,14a−2は、各回転軸5aa1,5aa2の径に対応した幅となっている。また、ローラ5bの回転軸5baについては、一方側の回転軸5ba1(図4)の径と他方側の回転軸5ba2(図10)の径とが異なっている。そして、同様に、当該ローラ5bを支持する軸受部14a−3は、各回転軸5ba1,5ba2の径に対応した幅となっている。
【0061】
したがって、図10に示すように、取り付けようとしたローラ5a,5bの種類が正規であっても、その向きが正規ではない場合には、やはり嵌合不能となる。
【0062】
そして、このようにローラ5a−1,5a−2,5b−1の種類と向きとが正規である場合にのみ嵌合可能となる構造を採用することにより、フレームを分解・洗浄した後に再度組み立ててローラ5a,5bを組み付ける場合、ローラ5a,5bを間違えて組み付ける(誤組)ことが防止される。
【0063】
なお、図9においては、厳密には、径の細い回転軸5aaを有するローラ5aは径の太い回転軸5baを有するローラ5bが嵌合する軸受部14a−3に嵌合してしまうが、径の太い回転軸5baを有するローラ5bは径の細い回転軸5aaを有するローラ5aが嵌合する軸受部14a−1,14a−2には嵌合できないために、結果として、誤組が防止されることになる。
【0064】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではないと考えるべきである。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上の説明では、本発明のフレームを巻き寿司の製造に用いられる米飯供給装置に適用した場合が示されているが、これに限定されるものではなく、複数のフレーム部材が組み合わさって構成される様々な形状のフレーム(例えば、本実施の形態のような箱形のフレームや、枠形のフレームなど)に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0066】
4 ローラユニット
5,5a,5a−1,5b,5b−1 ローラ
5aa,5aa1,5aa2,5ba,5ba1,5ba2 回転軸
6 分割シャッタ
12 ユニット収容室
13 カバー部材
14 フレーム
14a 側壁プレート(フレーム部材の一例)
14a−1〜14a−3 軸受部
14a−4 切り欠き部
14b 横断プレート(フレーム部材の一例)
20 係合部
21 係合部
21a ロック片
21a−1 ロック爪
21b 突出片
22 係合部
22a ロック片嵌込部
22a−1 係止部
22b−2 突出片嵌込部
M 米飯供給装置
R 米飯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレーム部材が組み合わさって構成されるフレームであって、
相互に隣接した少なくとも一部のフレーム部材には、
一方のフレーム部材が他方のフレーム部材を挟んで相互に着脱可能に係合する係合部が形成されている、
ことを特徴とするフレーム。
【請求項2】
前記係合部は、
前記一方のフレーム部材に形成され、前記他方のフレーム部材を挟む第1の係合部と、
前記他方のフレーム部材に形成され、前記第1の係合部が弾性変形して嵌り込む第2の係合部と、
を有することを特徴とする請求項1記載のフレーム。
【請求項3】
前記第1の係合部は、
前記他方のフレーム部材の一方面、および当該他方のフレーム部材の反対面の2箇所の隅部で前記他方のフレーム部材を挟む、
ことを特徴とする請求項2記載のフレーム。
【請求項4】
前記一方のフレーム部材は、両側にそれぞれ位置して側壁を構成する側壁プレートであり、
前記他方のフレーム部材は、前記側壁プレートの間に架け渡されて幅方向の両端が前記側壁プレートと係合する複数の横断プレートである、
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のフレーム。
【請求項5】
前記一方のフレーム部材は、横方向に延びる複数の横断プレートであり、
前記他方のフレーム部材は、架け渡された前記横断プレートの幅方向の両端に位置して当該横断フレームと係合する側壁プレートである、
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のフレーム。
【請求項6】
米飯を板状にして送り出す複数のローラ、および前記ローラの回転軸を支持する軸受部が形成された前記側壁プレートを備えた請求項4または5に記載のフレームを備えたローラユニットと、
前記ローラユニットが着脱可能に収容されるユニット収容室と、
を有することを特徴とする米飯供給装置。
【請求項7】
前記フレームの前記軸受部と複数の前記ローラにおいて前記軸受部に支持される前記回転軸とは、
前記軸受部に対して前記ローラの種類と向きとが正規である場合に嵌合可能となり、それ以外の場合には嵌合不能となる形状を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の米飯供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−139131(P2012−139131A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292530(P2010−292530)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(591094262)鈴茂器工株式会社 (74)
【Fターム(参考)】