説明

フレーム同期化方法及び装置

本発明は、フレーム同期化方法及び装置に関するものである。方法は、フレームの開始位置Dを判定する。その位置Dは、受信フレームTに沿ってスライドするウィンドウHの位置と同じである。ウィンドウHの多様な取り得る位置について、及びウィンドウHの多様なブロックBiに関して、方法が、シンドローム


を計算すると共に、受信フレームTの開始位置Dは、シンドローム


のヌルエレメントの数が最高になる位置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信の分野に関するものである。その分野内において、本発明は、更に特にデジタル通信に関するものである。デジタル通信は、伝送路が無線通信路である無線通信、及び有線通信を含む。
【背景技術】
【0002】
デジタル通信は、多かれ少なかれ洗練された通信路符号化をますます使用している。通信路符号化の原理は、受信機が伝送エラーを検出して、できる限り訂正することを可能にするために、制御された冗長性を情報ビットに加えることである。現行の符号は、具体的には、サイズnの符号語をn個の情報ビットのブロックに対応させるブロック符号を含み、ここで、“n>n”である。これらの追加のビットは、いくつかの伝送エラーを訂正するために使用され、冗長ビットの数がより大きいほど、符号の訂正能力が大きい。エラーを復号して訂正するために、受信機は、正しくそれらを復号することができるように、ビットシーケンスにおいて符号語の先頭を発見することができなければならない。この操作は、通常、フレーム同期化と言われる。
【0003】
本発明は、フレーム同期化技術に関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレーム同期化は、一般的に、受信機に知られている符号化されない同期化シーケンスを、伝送されるべきメッセージに定期的に加えることによって達成される。そのシーケンスは、その場合に、復号されるべきフレームの同期化を可能にするために、受信機において検出される。この種類のシーケンスは、以下の、“James L. Massey”による“IEEE Transactions on Communications, Vol.Com-20, No.2, April 1972”の“Optimum Frame Synchronisation”や、“Robert A. Scholtz”による“0090-6778/80/0800-1204$00.75, 1980 IEEE”の“Frame Synchronisation Techniques”という論文で説明されている。特にターボ符号の導入による通信路符号化における莫大な進歩は、データがここでは、同期化シーケンスにおける多数のエラーとなり、従って多少信頼できない同期化の原因となる低い信号対雑音比で送信され得るということを意味する。多くの執筆者は、符号化されたシーケンスを挿入することを提案すると共に、これは、符号化におけるいくつかの改良が開発され得ると共に、同期化の信頼性がそれによって増加され得ることを意味する。そのような1つのシーケンスは、“M. Mostofa”と“K. Howlader”による“0-7803-7484-3/02/$17.00, 2002 IEEE”の“Decoder-Assisted Channel Estimation and Frame Synchronisation of Turbo Coded Systems”という論文で説明されている。
【0005】
これらの既知の技術は、既知のシーケンスの追加を必要とし、スペクトルの効率を下げ、すなわち使用できるビットレートを下げるという欠点を有している。
【0006】
それ故に、本発明の主題によって解決されるべき技術的な問題は、既知の方法の欠点を有していない、符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法を提案することであり、従って、提案はスペクトルの効率を向上させた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
提示された技術的問題に対する本発明による1つの解決方法は、前記フレーム同期化方法が、符号語のサイズと同じサイズnのK個のブロックBiに分割されたサイズKnの受信フレームTの上をスライドするウィンドウHを用いて、受信フレームTの開始位置Dを判定することから成り立つ。フレームの開始位置Dは、受信フレームTに沿ってスライドするウィンドウHのいくつかの取り得る位置の内の1つと同じである。
【0008】
方法は、ウィンドウHの多様な取り得る位置について、方法が各ブロックBiに対するシンドローム
【数1】

を計算する、そのようなものである。
【0009】
受信フレームTの開始位置Dは、その位置に関して計算されたシンドローム
【数2】

のヌルエレメントの数が最高になる位置であり、方法は、事前に各シンドローム
【数3】

に関してヌルエレメントの数を判定する。また、各シンドロームは、エレメントから構成される。
【0010】
本発明は、更に、フレーム開始位置を判定するために、符号語を構成するデータのフレームを同期化するための装置から成り立つ。
【0011】
装置は、符号語のサイズと同じサイズnのK個のブロックBiに分割されたサイズKnの受信フレームTの上をスライドするウィンドウイング手段と、ウィンドウイング手段の多様な取り得る位置について、及びウィンドウイング手段の多様なブロックBiに関して、シンドローム
【数4】

を計算するための計算手段と、その位置に関して計算されたシンドローム
【数5】

のヌルエレメントの数が最高になる位置を判定するための判定手段とを備え、受信フレームTの開始位置Dは、受信フレームTに沿ってスライドするウィンドウイング手段のいくつかの取り得る位置の内の1つと同じである。
【0012】
この場合には、事前に、計算手段が、シンドローム
【数6】

のヌルエレメントの数を判定する。
【0013】
また、フレームの開始位置Dは、ヌルエレメントの数が最高になる位置と同じである。
【0014】
従って、それぞれ同期化方法及び同期化装置に関係する本発明の方法及び装置は、フレーム開始位置を、ヌルエレメントの最も高い数に対応する、スライドするウィンドウHの位置と同じであると考えることによって判定する。
【0015】
本発明のフレーム同期化方法及び装置は、提示された問題を解決する。同期化は、独習のタイプの同期化であると共に、それは、トレーニングシーケンスを全く必要としない。同期化は、ブロック線形符号の性質のみに基づいている。
【0016】
本発明による同期化は、同期化シーケンスを廃止することが、使用できるビットレートを増やすことを可能にするので、もしくは元のとおりの同じビットレートを保持するので、更に多くの冗長ビットを有する符号を使用するために、すなわち、より低効率の符号であり、従って更に大きい修正能力を有する符号を使用するために、特に有利である。冗長ビットの数がより大きいほど、本発明の方法の同期化の性能は良好になる。
【0017】
本発明によるフレーム同期化は、符号化されたフレームに挿入された既知のシーケンスを使用せず、従って、それは同期化シーケンスを必要としない。それは、あらゆる種類のブロック符号(BCH、RS、積符号(product code)、LDPC等)によって機能する。それは、訂正符号(corrector code)の修正を必要としない。それは、復号化の前に機能すると共に、すなわち、それは、符号化における改良点を不当に使用しない。それは、あまり複雑ではなく、そして高いビットエラーレートの環境下でも効果的である。
【0018】
好ましい実施例において、方法のステップは、受信機のような電子機器に含まれ得るマイクロチップのような電子回路に組み込まれたフレーム同期化プログラムの命令によって決定される。本発明のフレーム同期化方法は、もしこのプログラムが、プロセッサ等のような計算ユニットに、その操作によって読み込まれると共に、次にプログラムの実行によって制御される場合には、等しく使用され得る。
【0019】
従って、本発明は、コンピュータプログラム、特に本発明を実行するように構成された情報媒体上、または情報媒体中のコンピュータプログラムに等しく適用される。このプログラムは、あらゆるプログラミング言語を使用し得ると共に、例えば部分的にコンパイルされた形式、または本発明の方法を実行するために望ましい他の形式などの、ソースコード、オブジェクトコード、またはソースコードとオブジェクトコードとの間の中間のコードの形式であり得る。
【0020】
情報媒体は、プログラムを格納することが可能であるあらゆる主体または装置であり得る。例えば、その媒体は、例えばCDROMまたは超小形電子回路ROMなどのROM、もしくは、例えばディスケット(フレキシブルディスク)またはハードディスなどの磁気記憶手段のような記憶手段を含むことができる。
【0021】
情報媒体は、無線によって、または他の手段によって、電気ケーブルもしくは光ケーブルを経由して送信される電気信号もしくは光信号のような、伝送可能な媒体であり得る。本発明のプログラムは、特に、インターネットのような種類のネットワークを通じてダウンロードされ得る。
【0022】
代りに、情報媒体は、その中にプログラムが組み込まれる集積回路であり得ると共に、それは問題になっている方法を実行するように構成されるか、または問題になっている方法の実行に使用されるように構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の他の特徴、及び利点は、制限しない例として提供される、添付された図面に関する以下の説明の過程で明白になる。
【0024】
図1は、ハミング(7、4)符号に関するブロック符号化の理論的な図を表す。ブロック符号化の原理は、受信機が伝送エラーを検出して、できる限り訂正することを可能にするために、制御された冗長性c,c,cを情報ビットb,b,...,bに加えることである。ブロック符号は、サイズnの符号語をn個の情報ビットのブロックに対応させると共に、ここで、“n>n”である。“n−n”個の冗長ビットは、情報ビットのブロックのあるビットの和を2で割った時のあまり(モジュロー2)として計算される。特に、各ビットが3つの情報ビットから計算されるように、ハミング(7、4)符号は、3つの冗長ビットを有している。
【0025】
例えば、ハミング(7、4)符号によって符号化された符号語の第5のビットは、第2の情報ビット、第3の情報ビット、及び第4の情報ビットの和を2で割った時のあまり(モジュロー2)
【数7】

に等しい。
【0026】
あらゆるブロック符号に関して、従って符号語mと対応する情報ワードmとの間に直線関係“m=mG”があると共に、ここで、Gは、符号語の生成マトリクスである。これは、サイズ“n×n”のマトリクスである。
【0027】
図1で例証された例に対応するハミング(7、4)符号の生成マトリクスは、
【数8】

に等しい。
【0028】
もし符号語の最初のnビットが、n個の情報ビットに対応する場合、符号は系統的(システマティック)であると言われる。これは、この例に当てはまる。
【0029】
受信機は、もしかすると伝送路によって引き起こされたエラーによって影響を受けている、送信された符号語を受信する。
【0030】
もし、rが受信機によって受信されたバイナリワードを表す場合、その場合に、rは、
【数9】

という形で書かれ得ると共に、ここで、mは、送信された符号語であり、eは、長さnのエラーベクトルである。
【0031】
そして
【数10】

は、和を2で割ったあまり(モジュロー2)を表す。
【0032】
受信機は、この観測結果rから、n個の情報ビットを復元できなければならない。これは、復号化操作の目的である。バイナリデータの最高の復号化は、観測結果rから最小のハミング距離(すなわち、ビット毎の比較における離れたビットの最小値)を有する符号語を発見することにある。
【0033】
ブロック符号を復号することの原理は、以下のとおりである。
【0034】
受信機は、“2−1”個の起こり得るエラーを訂正するための“n−n”個の冗長ビットを有する。受信機は、従って、エラーの一部分のみを訂正し得ると共に、任意にこれを実行することだけができる。優先権は、一般的に、それほど深刻ではないエラーワードを訂正すること、すなわちいくつかのヌルではないエレメントを有するエラーベクトルeを訂正することに与えられる。符号生成マトリクスに対して、以下の(1)式のように、それらはサイズ“(n−n)×n”のパリティマトリクスPに対応する。
【0035】
GP=0・・・(1)
【0036】
復号化方法は、観測結果rのシンドロームS(r)を計算すると共に、
【数11】

である。
【0037】
式(1)から、“S(r)=eP”である。
【0038】
復号化方法は、マトリクスPから、1対1基準でシンドロームとエラーワードとを関連づける復号化マトリクスを組み立てると共に、優先権がそれほど深刻ではないエラーワードに割り当てられる。
【0039】
【数12】

【0040】
復号化方法は、テーブル(2)からエラーeの推定値を推定する。それから、訂正を達成するために、エラーの推定値と観測結果を合計する。もしシンドロームがヌルである場合、それは、rが符号語であることを意味する。
【0041】
以前に導入されたハミング(7、4)符号は、例を用いてこの方法を例証するために使用される。観測結果rが、“r=[0001100]”であると見なす。
【0042】
方法は、rのシンドロームを計算すると共に、“S(r)=rP=[011]”である。
【0043】
このシンドロームはヌルではないと共に、従ってrは少なくとも1つのエラーを含む。テーブル(2)を使用して、方法は、重み1のエラーベクトルeをこのシンドロームと関連付けると共に、ここで、“e=[1000000]”である。
【0044】
最も近い符号語mは、従って“m=[1001100]”であると共に、それは、情報ビットベクトル“m=[1001]”に対応する。
【0045】
この復号化方法は、受信機が符号語の先頭を知っていると仮定する。ここで、伝送は、送信フレームにおけるエラーばかりでなく、伝送時間によって引き起こされた、送信フレームTと受信フレームTとの間のtビットの伝送遅延(図2を参照)も導入する。もちろん、この遅延は、受信機には先験的に知られていない。受信された符号語rと関連付けられたシンドロームS(r)を計算するために、受信機は、伝送遅延tを推定できなければならないと共に、同期化方法によって、受信機はこの遅延tを推定することが可能になる。
【0046】
図3によって例証された本発明による同期化は、受信フレームTの上をスライドするウィンドウHによって達成される。ウィンドウは、符号語mc,kのサイズと同一のサイズ、すなわち、サイズnを有するK個のブロックBに分割される。この同期化ウィンドウのサイズは、従ってKnに等しいと共に、一度同期化が達成されたならば、そのウィンドウは正確にK個の符号語を含む。この例においては、K=3である。
【0047】
方法は、一般的に、フレーム上のウィンドウの各位置に関して、シンドローム
【数13】

を計算し、dはゼロから“n−1”まで変化し得る。
【0048】
また、与えられた位置についての各ブロックBに関して、
【数14】

は、従ってサイズ“n−n”のベクトルである。
【0049】
これに代るものは、フレーム上のウィンドウのいくつかの位置に関して、及びそれらの位置について、いくつかのブロックBに対するシンドロームを計算する方法に関するものである。
【0050】
方法は、ウィンドウHの与えられた位置に対するシンドロームにおけるヌルエレメントの数を計算する。方法は、tの推定のために、ウィンドウの同じ位置に関連づけられたシンドロームに関するヌルエレメントの数が最も高い位置dを選ぶ。
【0051】
伝播チャンネルがエラーを全く導入しない特別な状況において、本発明の方法は、ヌルシンドローム
【数15】

の数が最も高いウィンドウHの位置を選ぶ方法と同じ成功率を与える。
【0052】
この方法について、tと対応する位置dに関して、K個のブロックと関連付けられたシンドロームは全てヌルである。本発明の方法において、方法は、“K(n−n)”個のヌルエレメントを生成する。
【0053】
対照的に、伝播チャンネルが伝送エラーを導入する特別な場合において、本発明の方法は、ヌルシンドローム
【数16】

の数が最も高いウィンドウHの位置を選択する方法より、更に有利であり得ると共に、更に良い成功率を提供し得る。
【0054】
方法の使用は、情報ビットを符号化するためにハミング(7、4)符号を使用することの1つの特別な例に対応する図4及び図5によって例証される。
【0055】
図4は、送信フレームT及び受信フレームTを表す。この例において、受信フレームTは、1ビットだけ遅延すると共に、2つのエラーを含む。遅延ビット、及び誤りのあるビットは、ボールド体で表される。同期化ウィンドウは、受信機によって受信フレームに配置される。本例において、ウィンドウのサイズは、14ビットである。ウィンドウは、従って2つの符号語をカバーし得る。
【0056】
図5は、このウィンドウHが取り得るd=0からd=6までに対応する様々な位置を表す。ウィンドウHは、7ビットの2個のブロックB及びブロックBに分割される。
【0057】
ブロックBのビットから、方法は、関連するシンドローム
【数17】

を計算する。
【0058】
方法は、シンドローム
【数18】

を決定するために、ブロックBに関してこの操作を繰り返す。
【0059】
ヌルシンドロームの数が最も高いウィンドウHの位置を保持する方法において、方法は、ヌルシンドローム
【数19】

の数を計数し、ゼロを獲得する。
【0060】
本発明によれば、方法は、ヌルエレメントの数を計数し、3を獲得する。方法は、次に、ウィンドウHの位置を変更すると共に、ヌルエレメントの計数操作を繰り返す。
【0061】
d=1について、ヌルエレメントの数は4個に等しいと共に、ヌルシンドローム
【数20】

の数はゼロ個に等しい。
【0062】
d=2について、ヌルエレメントの数は3個に等しいと共に、ヌルシンドローム
【数21】

の数はゼロ個に等しい。
【0063】
d=3について、ヌルエレメントの数は3個に等しいと共に、ヌルシンドローム
【数22】

の数はゼロ個に等しい。
【0064】
d=4について、ヌルエレメントの数は3個に等しいと共に、ヌルシンドローム
【数23】

の数はゼロ個に等しい。
【0065】
d=5について、ヌルエレメントの数は2個に等しいと共に、ヌルシンドローム
【数24】

の数はゼロ個に等しい。
【0066】
d=6について、ヌルエレメントの数は2個に等しいと共に、ヌルシンドローム
【数25】

の数はゼロ個に等しい。
【0067】
使用される符号語のサイズは7である。従って、第7のシフトは、シフトしない位置d=0に戻ると共に、同期化は、0と6との間で変化するdの値によってのみ獲得され得る。
【0068】
この雑音がある場合において、ヌルシンドローム
【数26】

の数が最も高いウィンドウHの位置を選択する方法は、受信フレームT上のウィンドウの位置がどこにあっても、符号語の先頭に受信機が同期し得ない。
【0069】
そのような方法は、ヌルでないシンドロームだけを獲得し得ると共に、同期化は失敗する。対照的に、本発明の方法は、有利に、受信機を符号語の先頭に同期させると共に、d=1に対応するウィンドウの位置に関して、ヌルエレメントの数は4個であり、一方ウィンドウの他の位置に関して、ヌルエレメントの数は3個か2個である。方法は、従って、同期化位置がヌルエレメントの最も高い数と対応するので、受信フレームに関する同期化位置として、位置d=1を選択する。
【0070】
もしウィンドウの複数の異なる位置が、ヌルエレメントの同じ最も高い数をもたらすならば、方法は、それらの位置の内の1つを選択する。選択された位置は、フレーム開始位置を決定する。選択は、任意に行われ得ると共に、例えば、dの最も低い値と対応する位置が選択され得る。代りに、その選択は、例えば、もし位置の数が奇数である場合、その場合には、選択された位置は様々な位置の中央位置であるなどのテストを含む関数の使用に起因し得る。別の実施例において、同期化ウィンドウのサイズは増加される。
【0071】
図6は、本発明の同期化装置の第1の特別な実施例を図式的に表す。
【0072】
同期化装置1は、受信フレームTの上をスライドするウィンドウイング手段2と、シンドローム
【数27】

を計算するための計算手段3と、同期化位置Dを判定するための判定手段4とを備える。
【0073】
スライドするウィンドウイング手段2は、サイズKnのものである。それらは、符号語のサイズと同じサイズnのK個のブロックBiに分割される。フレーム開始位置は、受信フレームTに沿ってスライドするウィンドウイング手段のいくつかの取り得る位置の内の1つと同じである。特別な実施例と一致する実例によれば、ウィンドウイング手段2は、受信フレームのビットが直列に入力される遅延線を形成する一連のレジスタを備えることができる。ウィンドウは、一連のレジスタの並列出力の選択によってサイズが分類される。ブロックBiは、どのように計算手段がこれらの出力を計算に取り入れるかによって決定される。
【0074】
計算手段3は、ウィンドウイング手段2のK個のブロックBiの各々に関して、及びそれらのウィンドウイング手段2の様々な位置に関して、シンドローム
【数28】

を計算する。
【0075】
各シンドロームはエレメントで構成されると共に、計算手段3は、与えられたシンドロームに関して、シンドロームのヌルエレメントの数Nを判定する。計算手段3は、一般的にマイクロプロセッサのようなコンピュータから構成される。
【0076】
位置判定手段4は、シンドロームのヌルエレメントの数が最も高い位置を判定する。フレーム開始位置Dは、この位置と同じである。判定手段4は、計算手段3の一部であり得る。代りに、それらは、論理演算子を含む特別な構成要素を構成し得る。
【0077】
本発明の同期化方法、及び装置は、全ての種類のリニアブロック符号によって動作する。説明された例は、バイナリデータに関連するが、本発明は、等しくフレキシブルデータによって良く動作する。フレキシブルデータは、まだバイナリ0もしくはバイナリ1に等しいと宣言されるためにしきい値と比較されていない受信データのことを指している。従って、フレキシブルデータは、しきい値処理の後で獲得されるバイナリ0及びバイナリ1の電圧レベルのみではない値を取り得る電圧レベルを有している。
【0078】
本発明は、送信されるべきデータが不連続データである、あらゆる種類の有線または無線伝送システムに適用するが、しかし、それは、更にあらゆる情報記憶システムに適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】ハミング(7、4)符号に関するブロック符号化の理論的な図である。
【図2】送信フレームのtビットの伝送遅延の図である。
【図3】本発明の同期化方法の理論的な図である。
【図4】送信フレーム及び受信フレームの図である。
【図5】本発明の方法のスライドするウィンドウの受信フレーム上の様々な位置dを表す図である。
【図6】本発明の同期化装置の第1の特別な実施例を図式的に表す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 同期化装置
2 ウィンドウイング手段
3 計算手段
4 判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号語のサイズと同じサイズnのK個のブロックBiに分割されたサイズKnの受信フレームTの上をスライドするウィンドウHを用いて、前記受信フレームTに沿ってスライドする前記ウィンドウHのいくつかの取り得る位置の内の1つである前記受信フレームTの開始位置Dを判定することにより、前記符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法であって、
前記ウィンドウHの多様な取り得る位置について、前記方法が、各前記ブロックBiに関して、エレメントから構成されるシンドローム
【数1】

を計算すると共に、各前記シンドローム
【数2】

に関してヌルエレメントの数を判定し、
前記受信フレームTの開始位置Dが、その位置に関して計算された前記シンドローム
【数3】

の前記ヌルエレメントの数が最高になる位置である
ことを特徴とする符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法。
【請求項2】
前記シンドローム
【数4】

が、前記受信フレームTに沿ってスライドする前記ウィンドウHのそれぞれの取り得る位置に関して計算されると共に、
それらの位置のそれぞれについて、前記シンドローム
【数5】

が、前記ウィンドウHのK個のブロックBiのそれぞれに関して計算される
ことを特徴とする請求項1に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法。
【請求項3】
前記受信フレームTの開始位置が、前記シンドロームを計算した後で獲得された複数の取り得る位置から任意に選択される
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法。
【請求項4】
前記データが、フレキシブルデータである
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法。
【請求項5】
前記データが、バイナリデータである
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法。
【請求項6】
符号語を構成するデータの受信方法であって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法を含む
ことを特徴とするデータの受信方法。
【請求項7】
フレーム開始位置を判定するために符号語を構成するデータのフレームを同期化するための装置(1)であって、
前記装置が、
前記符号語のサイズと同じサイズnのK個のブロックBiに分割されたサイズKnの受信フレームTの上をスライドするウィンドウイング手段(2)と、
前記ウィンドウイング手段(2)の多様な取り得る位置について、及び前記ウィンドウイング手段(2)の多様なブロックBiに関して、エレメントから構成されるシンドローム
【数6】

を計算するための計算手段(3)と、
その位置に関して計算された前記シンドローム
【数7】

のヌルエレメントの数が最高になる位置を判定するための判定手段(4)とを備え、
前記受信フレームTの開始位置Dが、前記受信フレームTに沿ってスライドする前記ウィンドウイング手段(2)のいくつかの取り得る位置の内の1つと同じであり、
前記計算手段(3)が、前記シンドローム
【数8】

の前記ヌルエレメントの数を判定し、
前記受信フレームの開始位置Dが、前記ヌルエレメントの数が最高になる位置と同じである
ことを特徴とする符号語を構成するデータのフレームを同期化するための装置。
【請求項8】
請求項7に記載のフレーム開始位置Dを判定するためにデータのフレームを同期化するための装置(1)を含む
ことを特徴とする符号語を構成するための受信機。
【請求項9】
情報媒体上のコンピュータプログラムであって、
前記プログラムが、
電子機器(1)に読み込まれると共に前記電子機器(1)内で実行される場合に、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法を実行するように構成されたプログラム命令を含む
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項10】
符号語のサイズと同じサイズnのK個のブロックBiに分割されたサイズKnの受信フレームTの上をスライドするウィンドウHを用いて、前記受信フレームTの開始位置Dを判定することにより、前記符号語を構成するデータを同期化するための電子機器に使用されることを意図しているデジタル信号であって、
前記受信フレームの開始位置Dが、前記受信フレームTに沿ってスライドする前記ウィンドウHのいくつかの取り得る位置の内の1つと同じであり、
前記ウィンドウHの多様な取り得る位置について、及び前記ウィンドウHの多様なブロックBiに関して、前記電子機器が、エレメントから構成されるシンドローム
【数9】

を計算すると共に、各前記シンドローム
【数10】

に関して前記シンドローム
【数11】

のヌルエレメントの数を判定するステップの前記電子機器による実行のためのコードを、前記デジタル信号が含み、
前記受信フレームTの開始位置Dが、前記シンドローム
【数12】

の前記ヌルエレメントの数が最高になる位置である
ことを特徴とするデジタル信号。
【請求項11】
プログラムが電子機器に読み込まれると共に前記電子機器内で実行される場合に、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の符号語を構成するデータのフレームを同期化する方法を実行するように構成されたプログラム命令を含むことを特徴とする情報媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−530933(P2008−530933A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555674(P2007−555674)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【国際出願番号】PCT/FR2006/050145
【国際公開番号】WO2006/087497
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【出願人】(506364215)
【Fターム(参考)】