フロースイッチ装置を用いたシグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステム
【課題】膨大な数の端末が接続するIMSネットワークであっても、IPアドレスの移動やトンネルの確立をすることなく、シグナリングメッセージの経路制御を提供する。
【解決手段】ゲートウェイは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルを記憶する。ゲートウェイが、端末からシグナリングメッセージを受信した際に、ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索し、宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換え、当該シグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ送信する。そして、フロースイッチ装置が、ラベルに応じてシグナリングメッセージをSIPサーバへ転送する。
【解決手段】ゲートウェイは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルを記憶する。ゲートウェイが、端末からシグナリングメッセージを受信した際に、ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索し、宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換え、当該シグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ送信する。そして、フロースイッチ装置が、ラベルに応じてシグナリングメッセージをSIPサーバへ転送する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークについて、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ間のシグナリングメッセージの経路制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
SIPは、IP(Internet Protocol)における呼制御プロトコルであって、端末間で通信に必要なIPアドレス、ポート番号及びエンコーディングをネゴシエーションすると共に、発信及び着呼を制御する。SIPを用いて必要なネットワークリソースの割り当て及びゲートの制御を実行するために、IPサブシステムネットワークとしてのIMSがある。IMSは、IPネットワークで、マルチメディアアプリケーション(音声、映像及びデータ)を提供するために標準化されたサービス制御方式である。これは、次世代携帯電話ネットワーク又はNGN(Next Generation Network)を実現する中核技術である。これにより、固定網及び移動網が統合され、全ての端末がIPベースで通信するオールIP化が実現される。
【0003】
図1は、従来技術におけるIMSのシステム構成図である。
【0004】
図1のシステムによれば、IMSネットワークに対して、アクセスネットワークが相互に接続されている。両ネットワーク間は、ゲートウェイ1を介して接続される。アクセスネットワークは、例えば携帯電話網や、無線/有線ブロードバンドアクセス網である。ユーザによって操作される端末(UE(User Equipment))5は、ゲートウェイ1を介してIMSネットワークに接続することができる。アクセスネットワークが携帯電話網である場合、端末5は、例えば携帯電話機やスマートフォンである。
【0005】
IMSネットワークは、トランスポートネットワークとは別に、コントロールネットワークを有する。コントロールネットワークは、複数の呼セッション制御機能(CSCF(Call Session Control Function))4と、HSS(加入者情報サーバ、Home Subscriber Server)とを有する。SIPクライアント対応の複数の端末5は、ゲートウェイ1を介してCSCF4に接続することによって、相手方端末と呼セッションを確立する。
【0006】
図1によれば、CSCFとして、P−CSCF(Proxy-CSCF)41と、S−CSCF(Serving-CSCF)42と、HSSとが表されている。
【0007】
端末5は、アクセスネットワークを介してIMSネットワークへ向けてSIPメッセージを送信する。そのSIPメッセージは、ゲートウェイ1を介して、1つのP−CSCF41へ転送される。P−CSCF41は、セッション毎にメディア情報を抽出し、セッション確立時にゲートウェイ1に対するゲート制御及びリソース制御を指示する。P−CSCF41は、端末5からの位置登録時に決定され、ゲートウェイ1(又はSIP対応端末)との間にセキュアなIPsecトンネルを確立する。
【0008】
P−CSCF41は、そのSIPメッセージを、1つのS−CSCF42へ転送する。S−CSCF42は、呼セッション制御のための中心的なSIPサーバであって、認証処理及び登録処理を実行する。S−CSCF42は、自身が管理するホームネットワークのドメインを有し、そのドメインの範囲内の端末のSIP-URI(SIP - Uniform Resource Identifier)を管理する。また、S−CSCF42は、HSSと通信することによってユーザ認証を実行する。
【0009】
このようにして確立されたセッションは、利用されているネットワークリソースの状態情報や、セキュアな通信路の確保のためのセキュリティ・アソシエーション(暗号鍵や暗号化方式等)の状態情報と関連付けられる。その後、これらCSCF(P/S/I−CSCF)によって管理される。
【0010】
そのために、既存のIMSネットワークによれば、当該端末は、一度登録されたCSCFに対して固定的に管理される。即ち、端末が移動することによって、他のドメインに属することとならない限り、CSCFが変更されることはない。このように、CSCFを、位置登録後に変更することは、困難である。
【0011】
しかしながら、IMSネットワーク内におけるCSCFの障害(又は過負荷)や、CSCFの最適化やメンテナンスなどの利用状況に応じて、端末の登録中のセッションに介在するCSCFを、他のCSCFへ移行したい場合もある。このとき、セッション情報を、一方のCSCFから他方のCSCFへ引き継ぐ必要がある。また、引き継いだことを、そのセッションに係る全てのCSCFに対して通知することによって、整合を取る必要もある。
【0012】
これに対し、CSCFを、ホットスタンバイ型のサーバ冗長化によって構成する技術がある。これは、CSCFのバックアップとして、1対1に冗長化する。しかし、稼働中のCSCFと同性能のスタンバイ用のCSCFを別途備える必要があり、導入・運用コストの面で問題があった。
【0013】
また、端末とのIPsecを再確立することなく、端末によって接続中のゲートウェイから第1のSIPサーバに対する移行元セッションを、第2のSIPサーバに対する移行先セッションへ移行することができる技術もある(例えば非特許文献1参照)。
【0014】
図1のシステムによれば、IMSネットワークに、IMS構成管理装置6と、セッション管理装置7とが更に配置されている。
【0015】
IMS構成管理装置6は、IPパケットの到達性及び/又はSIPメッセージの計数情報等に基づいて、各CSCFの可用性を監視する。これにより、IMS構成管理装置6は、CSCFについて、負荷状態が所定閾値以上に高まった場合、又は、障害・停止を検知した場合、他のCSCFへセッションを移行すべきと判定する。このとき、IMS構成管理装置6は、セッション管理装置7へ、セッション移行指示要求を送信する。セッション移行指示要求には、当該端末からのセッションについて、少なくとも、移行元CSCFのSIP-URIと、移行先CSCFのSIP-URIとを含む。
【0016】
セッション管理装置7は、端末−ゲートウェイ−CSCF間におけるセッション情報を常に更新して蓄積する。セッション情報は、セッション毎に、少なくとも、SIP-URIと、IPsec確立時の鍵と、SIPの状態遷移パラメータとからなる。
【0017】
図1によれば、ゲートウェイ1とP−CSCF#1との間のセッションを、ゲートウェイ1とP−CSCF#2との間のセッションへ移行する場合が表されている。このとき、移行先P−CSCF#2は、S−CSCF#2に対してもセッションを確立する必要がある。これらセッションの移行は、セッション管理装置7からのセッション移行メッセージによって制御される。尚、セッション管理装置7は、端末のSIP-URI毎に、登録中CSCFのSIP-URIを記憶しているHSS(加入者情報サーバ)であってもよい。
【0018】
ここで、ゲートウェイ1は、P−CSCF#2に対してIPsecを再確立することなく、以前にP−CSCF#1との間で確立していたIPsec(鍵A)をそのまま利用する。一方で、移行先P−CSCF#2は、ゲートウェイ1との間で、IPsec(鍵A)が確立されているものとして動作する。従って、ゲートウェイ1は、移行先P−CSCF#2との間で、新たにIPsecを確立するためのシーケンスを実行しない。この技術によれば、端末から見て、透過的にセッションを移行させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】臼井健、小森田賢史、北辻佳憲、横田英俊、「IMSにおける呼制御サーバの可用性向上に関する網構成の提案」、2010年電子情報通信学会総合大会、B−6−16
【非特許文献2】「OpenFlowコンソーシアム」、[online]、[平成23年10月14日検索]、インターネット<URL:http://www.openflowswitch.org>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、非特許文献1に記載された技術によれば、適切にシグナリングを転送させるために、一方のCSCFから他方のCSCFへセッション情報を移行すると共に、そのIPアドレスも移行させなければならない。ここで、復元先となる他方のCSCFは、元のIPアドレス(一方のCSCF)を用いる必要があり、複数のIPアドレスを保持しなければならなくなる。また、同一のIPアドレスが、複数のCSCFに、同時に存在することとなる。更に、各ゲートウェイ(セッション転送ノード)は、SIPメッセージ毎に、適切な宛先MACアドレスへ転送する必要がある。これは、大量のSIPメッセージを扱うネットワークシステムでは、ゲートウェイがボトルネックとなりやすい。
【0021】
また、非特許文献1に記載された技術によれば、ゲートウェイは、端末とP−CSCFとの間、及び、P−CSCFとS−CSCFとの間に、トンネルを設定しなければならない。そのために、トンネル確立のためのシーケンスのオーバヘッドが避けられない。また、IMSネットワークに接続する端末の数が膨大となるほど、ゲートウェイが保持すべき経路テーブルの量自体が膨大となる共に、そのシグナリングメッセージの経路制御の処理能力も膨大なものとなる。
【0022】
そこで、本発明は、膨大な数の端末が接続するIMSネットワークであっても、IPアドレスを移動することなく、且つ、トンネルを確立することもない、シグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明によれば、IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、端末とフロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するシステムにおけるシグナリングメッセージの経路制御方法であって、
ゲートウェイは、当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルを記憶しており、
第1のステップについて、ゲートウェイが、端末からシグナリングメッセージを受信した際に、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得し、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュし、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索し、
宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ送信し、
第2のステップについて、フロースイッチ装置が、ラベルに応じてシグナリングメッセージをSIPサーバへ転送する
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
ラベルテーブルについて、ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることも好ましい。
【0025】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
第3のステップについて、SIPサーバが、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュし、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ送信し、
第4のステップについて、フロースイッチ装置が、シグナリングメッセージを、ゲートウェイ又は他のフロースイッチ装置へ転送し、
第5のステップについて、ゲートウェイは、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた送信元MACアドレスに書き換えると共に、宛先MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた宛先MACアドレスに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、端末へ送信する
ことも好ましい。
【0026】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
システムは、フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
第1のステップについて、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
第11のステップとして、ゲートウェイが、
当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、
ラベルテーブルに、発信側端末URIとラベルとを対応付けて記憶し、
発信側端末URIと選択した送信元ラベルとを、フロー制御装置へ送信し、
第12のステップとして、フロー制御装置が、
発信側端末URIと送信元ラベルとを対応付けたフローテーブルを更新し、
更新完了の応答メッセージを、ゲートウェイへ返信する
ことも好ましい。
【0027】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
IPサブシステムネットワークは、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークであり、
SIPサーバとして、P−CSCF(Proxy-CSCF(Call Session Control Function、プロキシ呼セッション制御機能))、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interrogating-CSCF)及び/又はHSS(Home Subscriber
Server)が配置されており、
フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
第2のステップについて、
送信元IPアドレスのS−CSCFは、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFは、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことも好ましい。
【0028】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことも好ましい。
【0029】
本発明によれば、IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、端末とフロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するネットワークシステムであって、
セッション移行後のシグナリングメッセージを経路制御するために、
ゲートウェイは、
当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルと、
端末から受信したシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ転送する上りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得するURI取得手段と、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュするMACアドレスキャッシュ手段と、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索するラベル検索手段と、
宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換える上りアドレス書換手段と
を有することを特徴とする。
【0030】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
ラベルテーブルについて、ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることも好ましい。
【0031】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
フロースイッチ装置は、フローテーブルに基づいて、ゲートウェイから受信したシグナリングメッセージをSIPサーバ又は他のフロースイッチ装置のいずれか1つへ転送すると共に、SIPサーバから受信したシグナリングメッセージを、他のSIPサーバ、他のフロースイッチ装置又はゲートウェイのいずれか1つへ転送するものであり、
ゲートウェイは、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージを、端末へ送信する下りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ手段における送信元MACアドレスに書き換えると共に、宛先MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ手段における宛先MACアドレスに書き換える下りアドレス書換手段と
を有し、
SIPサーバは、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュするラベルキャッシュ手段と、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ転送するメッセージ転送手段と
を有することも好ましい。
【0032】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
システムは、フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
ゲートウェイは、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
URI取得手段が、当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
MACアドレスキャッシュ手段が、当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、ラベルテーブルに、発信側端末URIとラベルとを対応付けて記憶し、発信側端末URI及び送信元ラベルを、フロー制御装置へ送信するラベル要求送信手段と、
フロー制御装置から、ラベル応答メッセージを受信するラベル応答受信手段と
を更に有し、
フロー制御装置が、
発信側端末URI及び送信元ラベルを対応付けたフローテーブルを更新するフローテーブル更新手段と、
更新完了の応答メッセージを、ゲートウェイへ返信するラベル応答返信手段と
を有することも好ましい。
【0033】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
IPサブシステムネットワークは、IMSネットワークであり、
SIPサーバとして、少なくともP−CSCF、S−CSCF、I−CSCF及び/又はHSSが配置されており、
フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
フロースイッチ装置は、
送信元IPアドレスのS−CSCFから、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFから、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことも好ましい。
【0034】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことも好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明のシグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステムによれば、既存のOpenFlowスイッチ装置を用いることによって、SIPサーバのセッション移行後に、IPアドレスを移動することなく、且つ、トンネルを確立する必要もなくすことができる。また、既存のOpenFlowスイッチ装置に特別な機能を搭載することなく、高速に経路を制御することができる。
【0036】
ここで、既存のOpenFlowスイッチ装置に、端末URIとラベルとを1対1で対応付けた場合、フローテーブルのエントリが端末URIの数だけ必要となる。即ち、膨大な数の端末が接続するIMSネットワークに、既存のOpenFlowスイッチ装置を搭載しただけでは、そのフローテーブルのエントリ数が上限を超えてしまう。本発明によれば、IMSネットワークに既存のOpenFlowスイッチ装置を備えた場合であっても、ゲートウェイやOpenFlowスイッチ装置が保持すべき経路テーブルの量をできる限り削減できると共に、そのシグナリングメッセージの経路制御の処理能力も低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来技術におけるIMSのシステム構成図である。
【図2】本発明におけるIMSのシステム構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図7】本発明における発信の要求シーケンス図である。
【図8】図7に続く、発信の要求シーケンス図である。
【図9】図8に続く、発信の応答シーケンス図である。
【図10】本発明における登録のシーケンス図である。
【図11】本発明におけるSIPパーサの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0039】
図2は、本発明におけるIMSのシステム構成図である。
【0040】
図2によれば、IMSコントロールネットワーク(IPサブシステムネットワーク)に、拠点毎に、グループ化された複数のSIPサーバ群が接続されている。各SIPサーバ群には、複数のP−CSCFと、複数のS−CSCFと、I−CSCFと、HSSとが配置されている。これらCSCFは、拠点毎のフロースイッチ装置2を介して、IMSトランスポートネットワークに接続される。
【0041】
ここで、同一種別のCSCFは全て、同一のIPアドレス(仮想IPアドレス)を持つ。即ち、図2によれば、CSCF毎に、以下のようなIPアドレスを有する。
[CSCF] [IPアドレス]
P−CSCF: 10.10.1.1
S−CSCF: 10.20.2.1
I−CSCF: 10.30.3.1
HSS : 10.40.4.1
但し、実IPアドレスは、ノード毎に異なっており、IMS構成管理装置6は、実IPアドレスを用いて各CSCFを識別する。尚、IMS構成管理装置6は、CSCF及びHSSの復旧・移設に伴う、シグナリングメッセージの経路制御を指示する。
【0042】
フロースイッチ装置2は、複数のポートを有するレイヤ4までのヘッダ情報を識別可能なスイッチであって、ポートがそれぞれ、SIPパーサ1と、SIPサーバ群の各CSCF及びHSSに接続されている。フロースイッチ装置2は、シグナリングメッセージを、端末5と各CSCF及びHSSとの間で経路制御する。
【0043】
この経路制御のために、フロースイッチ装置2は、「端末のURI(Uniform Resource Indicator)」と「ラベル」とを対応付けた「フローテーブル」を保持する。そして、フロースイッチ装置2は、入力されたパケットを、ラベルに基づくユーザセッション単位の「フロー」として識別し、そのフローに基づいて所定のポートへ出力する。図2によれば、拠点1のフロースイッチ装置2は、拠点1の各CSCFに対して経路制御するだけでなく、拠点2のフロースイッチ装置2に対しても経路制御することができる。複数のフロースイッチ装置2を経由することによって、様々な拠点のCSCFに対して経路制御することができる。
【0044】
ゲートウェイ1は、IMSネットワークとアクセスネットワークとの接続点に配置され、端末5とフロースイッチ装置2との間でシグナリングメッセージを中継転送する。ゲートウェイ1は、SIPメッセージをフローとして識別できる「SIPパーサ」である。SIPパーサ1は、「端末のURI」と、フロースイッチ装置における「ラベル」とを対応付けた「ラベルテーブル」を保持する。
【0045】
IMS構成管理装置6は、端末−CSCF間、及び、CSCF間におけるセッション情報を常に受信し且つ蓄積する。即ち、CSCF及びHSSは、端末のセッション情報を、常時、IMS構成管理装置6へ送信している。そして、IMS構成管理装置6は、セッション情報の復旧・移設に応じて、端末からのシグナリングメッセージを、一方のCSCFから、セッション移行後の他方のCSCFへ送信するように経路を制御する。また、IMS構成管理装置6は、経路制御情報を、常に、フロー制御装置3へ通知している。
【0046】
フロー制御装置3は、IMS構成管理装置6からの経路制御情報に応じて、フロースイッチ装置2の「フローテーブル」を生成し且つ送信する。また、SIPパーサ1の「ラベルテーブル」も生成し且つ送信する。
【0047】
フロースイッチ装置2及びフロー制御装置3は、OpenFlow技術に基づく既存のものである。分散配置されるフローベーススイッチ(フロースイッチ装置)と、集中配置されるコントローラ(フロー制御装置)とに分離し、オープンなAPI(Application Programming Interface)で接続される。OpenFlow技術によれば、ネットワークの通信単位を「フロー」として定義し、フロー単位で経路制御及び品質確保を可能とする。これは、米国Stanford大学が中心となり設立した「OpenFlowコンソーシアム」によって提唱されたインタフェースの仕様である(例えば非特許文献2参照)。
【0048】
OpenFlowスイッチ技術によれば、各種のプロセッサリソース(例えばCSCF)を、プログラマブルに(自由に組み合わせて)、ネットワークノードを構築することできる。特に、10Gbps単位(最大64ユーザまでの同時利用可能)で、ネットワークを増設することができる。
【0049】
尚、一般に、CSCFにおける経路制御として、同一IPアドレスが複数のCSCF上に存在することに備えたIPトンネルによるSIPメッセージの転送制御と、移行された複数のIPアドレスの使い分け制御とがある。そこで、発明者らは、CSCFではなく、ネットワーク機器側(スイッチ)を用いて、IPアドレス以外の識別子を用いて、SIPメッセージの転送を制御することを検討した。また、これと共に、IPアドレスの使い分けを避けるために、同種のCSCFでは同じIPアドレスを用いることも検討した。そこで、本発明によれば、IPアドレスに依存しない経路制御方法として、上位レイヤのパケットヘッダの参照が可能なOpenFlowスイッチ装置を用いている。OpenFlowスイッチ装置では、各ヘッダ値の組み合わせで区別される一連のパケットを、「フロー」として経路制御する。そのために、CSCFに対するSIPメッセージの経路を制御すべき最小経路毎に、フローを割り当てている。
【0050】
図3は、本発明の第1の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
図4は、本発明の第1の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【0051】
本発明の特徴となる「ラベル」は、端末URIの登録情報(又はセッション情報)が存在する1つ以上のCSCF(及びHSS)の識別子(ID)の組み合わせから構成される。そのために、1つのラベルには、複数の端末URIが紐づくこととなり、結果的に、ラベルテーブル及びフローテーブルのエントリ数が削減される。
【0052】
SIPパーサ1は、「端末のURI」と、「ラベル」とを対応付けた「ラベルテーブル」を保持する。図3によれば、端末#1の端末URIに対応するラベルは、以下のように決定されている。
端末#1の登録情報が存在又は利用するIMSノード:
P−CSCF1(ID:P1)、S−CSCF1(ID:S1)
I−CSCF1(ID:I1)、HSS1 (ID:H1)
端末#1の端末URIに対応するラベル:
「P1 S1 I1 H1」
SIPパーサ1が、自らラベルテーブルを生成するものであってもよいし、フロー制御装置3によって生成されたラベルテーブルを受信するものであってもよい。
【0053】
SIPパーサ1は、受信したSIPメッセージから、発信端末URI及び着信端末URIを取得する。次に、SIPパーサ1は、ラベルテーブルから、これら端末URIに対応するラベルを検索する。そして、検索されたラベルを、SIPメッセージの宛先MACアドレス及び送信元MACアドレスに含め、そのSIPメッセージをフロースイッチ装置2へ向けて転送する。
【0054】
フロースイッチ装置2は、ラベル及び宛先IPアドレスの組み合わせに応じて、出力ポート(動作)を対応付けた「フローテーブル」を保持する。これによれば、同一のラベルであっても、異なる宛先IPアドレス毎に、動作も異なるものとなる。フローテーブルは、フロー制御装置3によって生成されたものであって、フロースイッチ装置2は、そのフローテーブルを受信する。フロースイッチ装置2は、このフローテーブルに従って、シグナリングメッセージを経路制御する。
【0055】
図5は、本発明の第2の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
図6は、本発明の第2の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【0056】
図5によれば、図3と比較して、ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものである。
【0057】
図5によれば、SIPパーサ1が保持する「ラベルテーブル」には、端末#2の端末URIに対応するラベルとして、以下のように決定されている。
端末#1の登録情報が存在又は利用するIMSノード:
P−CSCF2(ID:P2):拠点2(Ploc2)
S−CSCF2(ID:S2):拠点2(Sloc2)
I−CSCF1(ID:I1):拠点1(Iloc1)
HSS1 (ID:H1):拠点1(Hloc1)
端末#2の端末URIに対応するラベル:
「Ploc2 Sloc2 Iloc1 Hloc1 P2 S2 I1 H1」
【0058】
また、フロースイッチ装置2が保持する「フローテーブル」には、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されている。「ワイルドカード」とは、例えばファイル名等を指定するときに使う「任意の文字」を意味する特殊文字をいう。一般に、「*」が任意の長さの任意の文字を意味し、「?」が任意の1文字を意味する。これによって、フローテーブルのエントリ数を削減することができる。
【0059】
図5によれば、例えばラベル「Ploc1 * * * P1 * * *」は、少なくとも「Ploc1」及び「P1」が一致する場合に、該当する。この場合、宛先IPアドレスが「10.10.1.1」(P−CSCF)であるならば、そのシグナリングメッセージは、ポート1へ出力される。
図5によれば、例えばラベル「Ploc1 * * * P2 * * *」は、少なくとも「Ploc1」及び「P2」が一致する場合に、該当する。この場合、宛先IPアドレスが「10.10.1.1」(P−CSCF)であるならば、そのシグナリングメッセージは、ポート2へ出力される。
【0060】
尚、図5及び図6に基づくフローテーブルにワイルドカードを用いた技術は、フロースイッチ装置2が、OpenFlow Switchのバージョン1.1に対応していることを要する。
【0061】
図7は、本発明における発信のシーケンス図である。
【0062】
図7によれば、P−CSCF#2及びS−CSCF#2が管理している端末#2のセッション情報を、P−CSCF#3及びS−CSCF#3へ移行した後、当該端末#1から端末#2へのシグナリングメッセージを経路制御する場合について表されている。
【0063】
[第1のステップ]
(S10)端末#1は、発信メッセージ(INVITEメッセージ、シグナリング要求メッセージ)を、SIPパーサ1へ送信する。このINVITEメッセージのアドレスヘッダは、以下のように設定されている。
送信元IPアドレス:端末#1のIPアドレス
宛先IPアドレス :P−CSCF#1のIPアドレス
【0064】
(S11)SIPパーサ1は、受信したシグナリングメッセージのSIPデータ部分を解析し、以下の情報を取得する。
INVITEメッセージにおけるFromヘッダ -> 発信側端末URIの取得
INVITEメッセージにおけるToヘッダ -> 着信側端末URIの取得
【0065】
(S12)次に、SIPパーサ1は、MACアドレスヘッダから、以下の情報をキャッシュする。
INVITEメッセージにおける送信元MACアドレスをキャッシュ
INVITEメッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュ
【0066】
(S13)次に、SIPパーサ1は、ラベルテーブルを用いて、以下のラベルを検索する。
「発信側端末URI」(端末#1)に対応する「送信元ラベル」を検索
[P1 S1 I1 H1]
「着信側端末URI」(端末#2)に対応する「宛先ラベル」 を検索
[P3 S3 I1 H1]
「送信元ラベル」は、「送信元端末URI」を特定するラベルであり、同様に、「宛先ラベル」は、「宛先端末URI」を特定するラベルである。
【0067】
(S14)次に、SIPパーサ1は、INVITEメッセージ(シグナリング要求メッセージ)について、以下のようにMACアドレスを書き換える。
宛先MACアドレスヘッダ <- 送信元ラベル
[P1 S1 I1 H1]
送信元MACアドレスヘッダ<- 宛先ラベル
[P3 S3 I1 H1]
尚、MACアドレスヘッダの書き換え処理は、SIPパーサのI/Fモジュールで実行される。
【0068】
(S15)そして、SIPパーサ1は、そのINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Aへ送信する。
【0069】
[第2のステップ]
(S2)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージについて、出力ポートを選択する。フロースイッチ装置2Aは、受信したINVITEメッセージにおける「宛先MACアドレス」「宛先IPアドレス」から、「フロー」を識別し、当該INVITEメッセージを出力すべきポートを特定する。
「宛先MACアドレス」 :ラベル[P1 S1 I1 H1]
「送信元MACアドレス」:ラベル[P3 S3 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :P−CSCF#1のIPアドレス
図3によれば、このINVITEメッセージは、P−CSCF#1が接続されたポート1へ出力される。
【0070】
[第3のステップ]
(S311)P−CSCF#1は、フロースイッチ装置2Aから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、P−CSCF#1は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべきノードの宛先IPアドレスを取得する。ここでは、次ホップとして、S−CSCF#1の宛先IPアドレスを取得する。
「宛先MACアドレス」 :ラベル[P1 S1 I1 H1]
「送信元MACアドレス」:ラベル[P3 S3 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :S−CSCF#1のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :P−CSCF#1のIPアドレス
尚、IPアドレスヘッダの書き換え処理は、通常のCSCFの機能で実行される。
【0071】
(S312)次に、P−CSCF#1は、S−CSCF#1へ送信すべきINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Aへ送信する。
【0072】
(S313)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージをそのまま、S−CSCF#1が接続されたポート3へ出力する。
【0073】
(S314)S−CSCF#1は、S311〜S313と同様に、フロースイッチ装置2Aから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、S−CSCF#1は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべきI−CSCF#1の宛先IPアドレスを取得する。
【0074】
(S315)S−CSCF#1は、受信したINVITEメッセージ(シグナリング要求メッセージ)について、送信元IPアドレスに基づくS−CSCF又はI−CSCFから、宛先IPアドレスに基づくI−CSCF又はS−CSCFへ送信されるかどうかを判定する。ここでは、S−CSCF#1からI−CSCFへ転送すべき要求メッセージであって、この判定は「真」となる。この場合、フロースイッチ装置2Aは、以下のように、MACアドレスヘッダの内容を、逆に入れ替える。
「宛先MACアドレスヘッダ」 <- 送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベル
ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」<- 宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベル
ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :I−CSCF#1のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :S−CSCF#1のIPアドレス
【0075】
(S316)S−CSCF#1は、INVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Aへ送信する。
【0076】
(S317)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージをそのまま、I−CSCF#1が接続されたポート5へ出力する。
【0077】
(S318)I−CSCF#1は、端末における鍵情報を保持していない場合、HSSに対して、Diameterプロトコルを用いて鍵情報を問い合わせる。Diameterプロトコルとは、RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)に代わる次世代のAAA(Authentication, Authorization and Accounting)標準プロトコルである。I−CSCFは、端末の認証情報や鍵情報を取得するために、DiameterURメッセージを、フロースイッチ装置2を介して、HSS#1へ送信する。また、HSS#1は、受信したDiameterURメッセージに基づいて、DiameterUAメッセージを、フロースイッチ装置2Aを介して、I−CSCF#1へ送信する。
【0078】
(S319)次に、I−CSCF#1は、S−CSCF#3へ送信すべきINVITEメッセージのヘッダを、以下のように設定する。
「宛先MACアドレスヘッダ」 <- ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」<- ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :S−CSCF#3のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :I−CSCF#1のIPアドレス
そして、I−CSCF#1は、そのINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2へ送信する。
【0079】
(S4)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージをそのまま、フロースイッチ装置2Bが接続されたポート7へ出力する。
【0080】
図8は、図7に続く、発信の要求シーケンス図である。
【0081】
(S321)フロースイッチ装置2Bは、受信したINVITEメッセージをそのまま、S−CSCF#3が接続されたポート4へ出力する。
【0082】
(S322)次に、S−CSCF#3は、S311〜S313と同様に、フロースイッチ装置2Bから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、S−CSCF#3は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべきP−CSCF#3の宛先IPアドレスを取得する。
【0083】
S−CSCF#3は、P−CSCF#3へ送信すべきINVITEメッセージのヘッダを、以下のように設定する。
「宛先MACアドレスヘッダ」 :ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」:ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :P−CSCF#3のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :S−CSCF#3のIPアドレス
そして、S−CSCF#3は、そのINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Bへ送信する。
【0084】
(S323)フロースイッチ装置2Bは、受信したINVITEメッセージをそのまま、P−CSCF#3が接続されたポート2へ出力する。
【0085】
(S324)次に、P−CSCF#3は、S311〜S313と同様に、フロースイッチ装置2Bから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、P−CSCF#3は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべき端末#2の宛先IPアドレスを取得する。
【0086】
P−CSCF#3は、端末#2へ送信すべきINVITEメッセージをフロースイッチ装置2Bへ送信する。
「宛先MACアドレスヘッダ」 :ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」:ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :着信側端末#2のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :P−CSCF#3のIPアドレス
【0087】
[第4のステップ]
(S4)フロースイッチ装置2Bが、フローテーブルに従って、INVITEメッセージをSIPパーサ1Bへ転送する。
【0088】
[第5のステップ]
(S5)SIPパーサ1は、フロースイッチ装置2Bから受信したINVITEメッセージについて、以下のようにMACアドレス書き換える。
送信元MACアドレスヘッダ
<- 登録時にキャッシュしていた送信元MACアドレス
宛先MACアドレスヘッダ
<- 登録時にキャッシュしていた宛先MACアドレス
そして、SIPパーサ1は、INVITEメッセージを、着信側の端末#2へ送信する。
【0089】
図9は、図8に続く、発信の応答シーケンス図である。
【0090】
端末#2が、発信応答メッセージ(183メッセージ、シグナリング応答メッセージ)を、SIPパーサ1へ送信する。183メッセージは、図7と全く逆に同様のシーケンスによって、発信側端末#1まで到達する。ここで、図7と比較して、特徴ある部分のみついて説明する。
【0091】
(S14)SIPパーサ1は、183メッセージ(シグナリング応答メッセージ)について、以下のようにMACアドレスを書き換える。
宛先MACアドレスヘッダ <- 送信元ラベル
[P3 S3 I1 H1]
送信元MACアドレスヘッダ <- 宛先ラベル
[P1 S1 I1 H1]
そして、SIPパーサ1は、183メッセージを、S−CSCF#3が接続されたポートへ出力し、フロースイッチ装置2へ送信する。
【0092】
(S315)S−CSCF#3は、受信した183メッセージについて、送信元IPアドレスに基づくS−CSCF又はI−CSCFから、宛先IPアドレスに基づくI−CSCF又はS−CSCFへ送信されるかどうかを判定する。ここでは、S−CSCF#3からI−CSCFへ転送すべきメッセージであって、この判定は「真」となる。この場合、フロースイッチ装置2は、以下のように、MACアドレスヘッダの内容を、逆に入れ替える。
「宛先MACアドレスヘッダ」 <- 送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベル
ラベル[P1 S1 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」<- 宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベル
ラベル[P3 S3 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :I−CSCF#1のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :S−CSCF#3のIPアドレス
【0093】
図10は、本発明における登録のシーケンス図である。
【0094】
(S611)IMS構成管理装置6は、拠点の識別子及びSIPサーバ(CSCF及びHSS)の識別子を割り当て、当該端末URI毎に、その登録情報が存在及び利用するSIPサーバの識別子を管理している。これらIMS構成情報は、フロー制御装置3へ通知される。
(S612)フロー制御装置3は、IMS構成情報に基づいて、フロースイッチ装置2に対するフローテーブルと、SIPパーサ1に対するラベルテーブルとを生成する(前述した図3及び図5参照)。
(S613)フロー制御装置3は、フローテーブルをフロースイッチ装置2へ送信する共に、ラベルテーブルをSIPパーサ1へ送信する。
【0095】
(S621)端末#1は、位置登録メッセージ(REGISTERメッセージ)を、IMSネットワークへ送信する。REGISTERメッセージは、SIPパーサ1によって受信される。
(S622)SIPパーサ1は、REGISTERメッセージをパースして、Fromヘッダから、送信元端末#1のURI(発信側端末URI)を取得する(図7のS11と同様)。
(S622)また、SIPパーサ1は、REGISTERメッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュする(図7のS12と同様)。
(S623)次に、SIPパーサ1は、ラベルテーブルに、発信側端末URIに対するラベルが登録されているか否かを判定する。ここで、端末#1からの最初のREGISTERメッセージである場合、それに対応するラベルは、未だ登録されていない。尚、ラベルテーブルに、発信側端末URIに対するラベルが登録されている場合、S627へ進む。
【0096】
(S624)ラベルテーブルに、発信側端末URIに対するラベルが登録されていない場合、SIPパーサ1は、発信側端末URIに対応づけるラベルを選択し、ラベルテーブルを更新する。そして、SIPパーサ1は、発信側端末URI及びそれに対応するラベルを、フロー制御装置3へ送信する。
(S625)フロー制御装置3は、発信側端末URI及びラベルとを対応付けたフローテーブルを更新し、更新完了の応答をSIPパーサ1へ通知する。
(S626)SIPパーサ1は、REGISTERメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダを、送信元ラベルに書き換える(図7のS14と同様)。
【0097】
(S627)そして、SIPパーサ1は、REGISTERメッセージを、フロースイッチ装置2へ送信する(図3のS15と同様)。
【0098】
その後のシーケンスについて、P−CSCF#1は、S−CSCFの解決ために、I−CSCFへREGISTERメッセージを送信する。これによって、端末#1は、SIPパーサ1を介して、P−CSCF#1との間でセッションを確立し、P−CSCF#1及びS−CSCF#1によって位置登録済みとなる。
【0099】
図11は、本発明におけるSIPパーサの機能構成図である。
【0100】
図11によれば、SIPパーサ1は、AN(アクセスネットワーク)側通信インタフェース101と、IMS側通信インタフェース102と、上りメッセージ転送部110と、ラベルテーブル111と、URI取得部112と、MACアドレスキャッシュ部113と、ラベル検索部114と、ラベル要求送信部115と、ラベル応答受信部116と、上りアドレス書換部117と、下りメッセージ転送部120と、下りアドレス書換部127とを有する。通信インタフェース以外のこれら機能構成部は、ゲートウェイ(SIPパーサ)に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0101】
上りメッセージ転送部110は、端末5から受信したシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置2へ転送する。
【0102】
ラベルテーブル部111は、端末のURIとラベルとを対応付けたラベルテーブルを記憶する。
【0103】
URI取得部112は、当該シグナリングメッセージにおけるFromヘッダから発信側端末URIを取得し、Toヘッダから着信側端末URIを取得する。発信側端末URI及び着信側端末URIは、ラベル検索部114へ出力される。
【0104】
MACアドレスキャッシュ部113は、当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュする。
【0105】
ラベル検索部114は、ラベルテーブル111を参照し、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索すると共に、着信側端末URIに対応する宛先ラベルを検索する。
【0106】
ラベル要求送信部115は、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、ラベル検索部114によって発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、発信側端末URIを含むラベル要求メッセージを、フロー制御装置へ送信する。
【0107】
ラベル応答受信部116は、フロー制御装置3から、要求ラベル及び応答ラベルを含むラベル応答メッセージを受信する。そして、ラベルテーブル111に、発信側端末URIとラベルとを対応付けて記憶させる。
【0108】
上りアドレス書換部117は、当該シグナリングメッセージが要求メッセージである場合に、宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換える。
【0109】
下りメッセージ転送部120は、フロースイッチ装置2から受信したシグナリングメッセージを、端末5へ送信する。
【0110】
下りアドレス書換部127は、当該シグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ部113における送信元MACアドレスに書き換えると共に、宛先MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ部113における宛先MACアドレスに書き換える。
【0111】
フロースイッチ装置2は、フローテーブルに基づいて、SIPパーサから受信したシグナリングメッセージをいずれか1つのSIPサーバ又は他のフロースイッチ装置へ転送すると共に、SIPサーバから受信したシグナリングメッセージを、他のSIPサーバ、SIPパーサ又は他のフロースイッチ装置のいずれか1つへ転送する。
【0112】
SIPサーバ(CSCF、HSS)4は、ラベルキャッシュ部と、ラベル書換部と、メッセージ転送部とを有する。SIPサーバとして、少なくともP−CSCF(Proxy-CSCF(Call Session Control Function、プロキシ呼セッション制御機能))、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interrogating-CSCF)及びHSS(Home Subscriber Server)が配置される。
【0113】
ラベルキャッシュ部は、フロースイッチ装置2から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュする。
【0114】
ラベル書換部は、当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルにすると共に、宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルにする。そして、当該シグナリングメッセージは、フロースイッチ装置2へ転送される。
【0115】
尚、SIPサーバ4は、送信元IPアドレスに基づくS−CSCF又はI−CSCFから、宛先IPアドレスに基づくI−CSCF又はS−CSCFへ送信されるシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える。
【0116】
フロー制御装置3は、フロースイッチ装置2を制御する。フロー制御装置3は、ラベル生成部と、ラベル応答返信部と、フローテーブル更新部とを有する。ラベル生成部は、発信側端末URIに対応する要求ラベル及び応答ラベルを生成する。ラベル応答返信部は、ラベルを含むラベル応答メッセージを、ゲートウェイへ返信する。フローテーブル更新部は、要求ラベル及び応答ラベルを含むフローテーブルを、フロースイッチ装置へ送信する。
【0117】
以上、詳細に説明したように、本発明のシグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステムによれば、既存のOpenFlowスイッチ装置を用いることによって、SIPサーバのセッション移行後に、IPアドレスを移動することなく、且つ、トンネルを確立する必要もなくすことができる。また、既存のOpenFlowスイッチ装置に特別な機能を搭載することなく、高速に経路を制御することができる。
【0118】
ここで、既存のOpenFlowスイッチ装置に、端末URIとラベルとを1対1で対応付けた場合、フローテーブルのエントリが端末URIの数だけ必要となる。即ち、膨大な数の端末が接続するIMSネットワークに、既存のOpenFlowスイッチ装置を搭載しただけでは、そのフローテーブルのエントリ数が上限を超えてしまう。本発明によれば、IMSネットワークに既存のOpenFlowスイッチ装置を備えた場合であっても、ゲートウェイやOpenFlowスイッチ装置が保持すべき経路テーブルの量をできる限り削減できると共に、そのシグナリングメッセージの経路制御の処理能力も低減させることができる。
【0119】
尚、コントロールネットワークにおける第1の拠点の第1のCSCFの代替として、第2の拠点の第2のCSCFを用いることができるために、CSCFを冗長化することなく、IMSネットワーク内におけるSIPサーバ(CSCF)の可用性を高めることもできる。
【0120】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0121】
1 ゲートウェイ、SIPパーサ
101 AN側通信インタフェース
102 IMS側通信インタフェース
110 上りメッセージ転送部
111 ラベルテーブル
112 URI取得部
113 MACアドレスキャッシュ部
114 ラベル検索部
115 ラベル要求送信部
116 ラベル応答受信部
117 上りアドレス書換部
120 下りメッセージ転送部
127 下りアドレス書換部
2 フロースイッチ装置
3 フロー制御装置
4 CSCF
41 P−CSCF
42 S−CSCF
43 I−CSCF
44 HSS
5 端末
6 IMS構成管理装置
7 セッション管理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークについて、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ間のシグナリングメッセージの経路制御の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
SIPは、IP(Internet Protocol)における呼制御プロトコルであって、端末間で通信に必要なIPアドレス、ポート番号及びエンコーディングをネゴシエーションすると共に、発信及び着呼を制御する。SIPを用いて必要なネットワークリソースの割り当て及びゲートの制御を実行するために、IPサブシステムネットワークとしてのIMSがある。IMSは、IPネットワークで、マルチメディアアプリケーション(音声、映像及びデータ)を提供するために標準化されたサービス制御方式である。これは、次世代携帯電話ネットワーク又はNGN(Next Generation Network)を実現する中核技術である。これにより、固定網及び移動網が統合され、全ての端末がIPベースで通信するオールIP化が実現される。
【0003】
図1は、従来技術におけるIMSのシステム構成図である。
【0004】
図1のシステムによれば、IMSネットワークに対して、アクセスネットワークが相互に接続されている。両ネットワーク間は、ゲートウェイ1を介して接続される。アクセスネットワークは、例えば携帯電話網や、無線/有線ブロードバンドアクセス網である。ユーザによって操作される端末(UE(User Equipment))5は、ゲートウェイ1を介してIMSネットワークに接続することができる。アクセスネットワークが携帯電話網である場合、端末5は、例えば携帯電話機やスマートフォンである。
【0005】
IMSネットワークは、トランスポートネットワークとは別に、コントロールネットワークを有する。コントロールネットワークは、複数の呼セッション制御機能(CSCF(Call Session Control Function))4と、HSS(加入者情報サーバ、Home Subscriber Server)とを有する。SIPクライアント対応の複数の端末5は、ゲートウェイ1を介してCSCF4に接続することによって、相手方端末と呼セッションを確立する。
【0006】
図1によれば、CSCFとして、P−CSCF(Proxy-CSCF)41と、S−CSCF(Serving-CSCF)42と、HSSとが表されている。
【0007】
端末5は、アクセスネットワークを介してIMSネットワークへ向けてSIPメッセージを送信する。そのSIPメッセージは、ゲートウェイ1を介して、1つのP−CSCF41へ転送される。P−CSCF41は、セッション毎にメディア情報を抽出し、セッション確立時にゲートウェイ1に対するゲート制御及びリソース制御を指示する。P−CSCF41は、端末5からの位置登録時に決定され、ゲートウェイ1(又はSIP対応端末)との間にセキュアなIPsecトンネルを確立する。
【0008】
P−CSCF41は、そのSIPメッセージを、1つのS−CSCF42へ転送する。S−CSCF42は、呼セッション制御のための中心的なSIPサーバであって、認証処理及び登録処理を実行する。S−CSCF42は、自身が管理するホームネットワークのドメインを有し、そのドメインの範囲内の端末のSIP-URI(SIP - Uniform Resource Identifier)を管理する。また、S−CSCF42は、HSSと通信することによってユーザ認証を実行する。
【0009】
このようにして確立されたセッションは、利用されているネットワークリソースの状態情報や、セキュアな通信路の確保のためのセキュリティ・アソシエーション(暗号鍵や暗号化方式等)の状態情報と関連付けられる。その後、これらCSCF(P/S/I−CSCF)によって管理される。
【0010】
そのために、既存のIMSネットワークによれば、当該端末は、一度登録されたCSCFに対して固定的に管理される。即ち、端末が移動することによって、他のドメインに属することとならない限り、CSCFが変更されることはない。このように、CSCFを、位置登録後に変更することは、困難である。
【0011】
しかしながら、IMSネットワーク内におけるCSCFの障害(又は過負荷)や、CSCFの最適化やメンテナンスなどの利用状況に応じて、端末の登録中のセッションに介在するCSCFを、他のCSCFへ移行したい場合もある。このとき、セッション情報を、一方のCSCFから他方のCSCFへ引き継ぐ必要がある。また、引き継いだことを、そのセッションに係る全てのCSCFに対して通知することによって、整合を取る必要もある。
【0012】
これに対し、CSCFを、ホットスタンバイ型のサーバ冗長化によって構成する技術がある。これは、CSCFのバックアップとして、1対1に冗長化する。しかし、稼働中のCSCFと同性能のスタンバイ用のCSCFを別途備える必要があり、導入・運用コストの面で問題があった。
【0013】
また、端末とのIPsecを再確立することなく、端末によって接続中のゲートウェイから第1のSIPサーバに対する移行元セッションを、第2のSIPサーバに対する移行先セッションへ移行することができる技術もある(例えば非特許文献1参照)。
【0014】
図1のシステムによれば、IMSネットワークに、IMS構成管理装置6と、セッション管理装置7とが更に配置されている。
【0015】
IMS構成管理装置6は、IPパケットの到達性及び/又はSIPメッセージの計数情報等に基づいて、各CSCFの可用性を監視する。これにより、IMS構成管理装置6は、CSCFについて、負荷状態が所定閾値以上に高まった場合、又は、障害・停止を検知した場合、他のCSCFへセッションを移行すべきと判定する。このとき、IMS構成管理装置6は、セッション管理装置7へ、セッション移行指示要求を送信する。セッション移行指示要求には、当該端末からのセッションについて、少なくとも、移行元CSCFのSIP-URIと、移行先CSCFのSIP-URIとを含む。
【0016】
セッション管理装置7は、端末−ゲートウェイ−CSCF間におけるセッション情報を常に更新して蓄積する。セッション情報は、セッション毎に、少なくとも、SIP-URIと、IPsec確立時の鍵と、SIPの状態遷移パラメータとからなる。
【0017】
図1によれば、ゲートウェイ1とP−CSCF#1との間のセッションを、ゲートウェイ1とP−CSCF#2との間のセッションへ移行する場合が表されている。このとき、移行先P−CSCF#2は、S−CSCF#2に対してもセッションを確立する必要がある。これらセッションの移行は、セッション管理装置7からのセッション移行メッセージによって制御される。尚、セッション管理装置7は、端末のSIP-URI毎に、登録中CSCFのSIP-URIを記憶しているHSS(加入者情報サーバ)であってもよい。
【0018】
ここで、ゲートウェイ1は、P−CSCF#2に対してIPsecを再確立することなく、以前にP−CSCF#1との間で確立していたIPsec(鍵A)をそのまま利用する。一方で、移行先P−CSCF#2は、ゲートウェイ1との間で、IPsec(鍵A)が確立されているものとして動作する。従って、ゲートウェイ1は、移行先P−CSCF#2との間で、新たにIPsecを確立するためのシーケンスを実行しない。この技術によれば、端末から見て、透過的にセッションを移行させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】臼井健、小森田賢史、北辻佳憲、横田英俊、「IMSにおける呼制御サーバの可用性向上に関する網構成の提案」、2010年電子情報通信学会総合大会、B−6−16
【非特許文献2】「OpenFlowコンソーシアム」、[online]、[平成23年10月14日検索]、インターネット<URL:http://www.openflowswitch.org>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、非特許文献1に記載された技術によれば、適切にシグナリングを転送させるために、一方のCSCFから他方のCSCFへセッション情報を移行すると共に、そのIPアドレスも移行させなければならない。ここで、復元先となる他方のCSCFは、元のIPアドレス(一方のCSCF)を用いる必要があり、複数のIPアドレスを保持しなければならなくなる。また、同一のIPアドレスが、複数のCSCFに、同時に存在することとなる。更に、各ゲートウェイ(セッション転送ノード)は、SIPメッセージ毎に、適切な宛先MACアドレスへ転送する必要がある。これは、大量のSIPメッセージを扱うネットワークシステムでは、ゲートウェイがボトルネックとなりやすい。
【0021】
また、非特許文献1に記載された技術によれば、ゲートウェイは、端末とP−CSCFとの間、及び、P−CSCFとS−CSCFとの間に、トンネルを設定しなければならない。そのために、トンネル確立のためのシーケンスのオーバヘッドが避けられない。また、IMSネットワークに接続する端末の数が膨大となるほど、ゲートウェイが保持すべき経路テーブルの量自体が膨大となる共に、そのシグナリングメッセージの経路制御の処理能力も膨大なものとなる。
【0022】
そこで、本発明は、膨大な数の端末が接続するIMSネットワークであっても、IPアドレスを移動することなく、且つ、トンネルを確立することもない、シグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明によれば、IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、端末とフロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するシステムにおけるシグナリングメッセージの経路制御方法であって、
ゲートウェイは、当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルを記憶しており、
第1のステップについて、ゲートウェイが、端末からシグナリングメッセージを受信した際に、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得し、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュし、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索し、
宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ送信し、
第2のステップについて、フロースイッチ装置が、ラベルに応じてシグナリングメッセージをSIPサーバへ転送する
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
ラベルテーブルについて、ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることも好ましい。
【0025】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
第3のステップについて、SIPサーバが、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュし、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ送信し、
第4のステップについて、フロースイッチ装置が、シグナリングメッセージを、ゲートウェイ又は他のフロースイッチ装置へ転送し、
第5のステップについて、ゲートウェイは、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた送信元MACアドレスに書き換えると共に、宛先MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた宛先MACアドレスに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、端末へ送信する
ことも好ましい。
【0026】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
システムは、フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
第1のステップについて、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
第11のステップとして、ゲートウェイが、
当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、
ラベルテーブルに、発信側端末URIとラベルとを対応付けて記憶し、
発信側端末URIと選択した送信元ラベルとを、フロー制御装置へ送信し、
第12のステップとして、フロー制御装置が、
発信側端末URIと送信元ラベルとを対応付けたフローテーブルを更新し、
更新完了の応答メッセージを、ゲートウェイへ返信する
ことも好ましい。
【0027】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
IPサブシステムネットワークは、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークであり、
SIPサーバとして、P−CSCF(Proxy-CSCF(Call Session Control Function、プロキシ呼セッション制御機能))、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interrogating-CSCF)及び/又はHSS(Home Subscriber
Server)が配置されており、
フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
第2のステップについて、
送信元IPアドレスのS−CSCFは、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFは、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことも好ましい。
【0028】
本発明の経路制御方法における他の実施形態によれば、
フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことも好ましい。
【0029】
本発明によれば、IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、端末とフロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するネットワークシステムであって、
セッション移行後のシグナリングメッセージを経路制御するために、
ゲートウェイは、
当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルと、
端末から受信したシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ転送する上りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得するURI取得手段と、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュするMACアドレスキャッシュ手段と、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索するラベル検索手段と、
宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換える上りアドレス書換手段と
を有することを特徴とする。
【0030】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
ラベルテーブルについて、ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることも好ましい。
【0031】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
フロースイッチ装置は、フローテーブルに基づいて、ゲートウェイから受信したシグナリングメッセージをSIPサーバ又は他のフロースイッチ装置のいずれか1つへ転送すると共に、SIPサーバから受信したシグナリングメッセージを、他のSIPサーバ、他のフロースイッチ装置又はゲートウェイのいずれか1つへ転送するものであり、
ゲートウェイは、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージを、端末へ送信する下りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ手段における送信元MACアドレスに書き換えると共に、宛先MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ手段における宛先MACアドレスに書き換える下りアドレス書換手段と
を有し、
SIPサーバは、
フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュするラベルキャッシュ手段と、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置へ転送するメッセージ転送手段と
を有することも好ましい。
【0032】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
システムは、フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
ゲートウェイは、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
URI取得手段が、当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
MACアドレスキャッシュ手段が、当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
ラベルテーブルを用いて、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、ラベルテーブルに、発信側端末URIとラベルとを対応付けて記憶し、発信側端末URI及び送信元ラベルを、フロー制御装置へ送信するラベル要求送信手段と、
フロー制御装置から、ラベル応答メッセージを受信するラベル応答受信手段と
を更に有し、
フロー制御装置が、
発信側端末URI及び送信元ラベルを対応付けたフローテーブルを更新するフローテーブル更新手段と、
更新完了の応答メッセージを、ゲートウェイへ返信するラベル応答返信手段と
を有することも好ましい。
【0033】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
IPサブシステムネットワークは、IMSネットワークであり、
SIPサーバとして、少なくともP−CSCF、S−CSCF、I−CSCF及び/又はHSSが配置されており、
フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
フロースイッチ装置は、
送信元IPアドレスのS−CSCFから、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFから、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことも好ましい。
【0034】
本発明のネットワークシステムにおける他の実施形態によれば、
フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことも好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明のシグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステムによれば、既存のOpenFlowスイッチ装置を用いることによって、SIPサーバのセッション移行後に、IPアドレスを移動することなく、且つ、トンネルを確立する必要もなくすことができる。また、既存のOpenFlowスイッチ装置に特別な機能を搭載することなく、高速に経路を制御することができる。
【0036】
ここで、既存のOpenFlowスイッチ装置に、端末URIとラベルとを1対1で対応付けた場合、フローテーブルのエントリが端末URIの数だけ必要となる。即ち、膨大な数の端末が接続するIMSネットワークに、既存のOpenFlowスイッチ装置を搭載しただけでは、そのフローテーブルのエントリ数が上限を超えてしまう。本発明によれば、IMSネットワークに既存のOpenFlowスイッチ装置を備えた場合であっても、ゲートウェイやOpenFlowスイッチ装置が保持すべき経路テーブルの量をできる限り削減できると共に、そのシグナリングメッセージの経路制御の処理能力も低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来技術におけるIMSのシステム構成図である。
【図2】本発明におけるIMSのシステム構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【図7】本発明における発信の要求シーケンス図である。
【図8】図7に続く、発信の要求シーケンス図である。
【図9】図8に続く、発信の応答シーケンス図である。
【図10】本発明における登録のシーケンス図である。
【図11】本発明におけるSIPパーサの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0039】
図2は、本発明におけるIMSのシステム構成図である。
【0040】
図2によれば、IMSコントロールネットワーク(IPサブシステムネットワーク)に、拠点毎に、グループ化された複数のSIPサーバ群が接続されている。各SIPサーバ群には、複数のP−CSCFと、複数のS−CSCFと、I−CSCFと、HSSとが配置されている。これらCSCFは、拠点毎のフロースイッチ装置2を介して、IMSトランスポートネットワークに接続される。
【0041】
ここで、同一種別のCSCFは全て、同一のIPアドレス(仮想IPアドレス)を持つ。即ち、図2によれば、CSCF毎に、以下のようなIPアドレスを有する。
[CSCF] [IPアドレス]
P−CSCF: 10.10.1.1
S−CSCF: 10.20.2.1
I−CSCF: 10.30.3.1
HSS : 10.40.4.1
但し、実IPアドレスは、ノード毎に異なっており、IMS構成管理装置6は、実IPアドレスを用いて各CSCFを識別する。尚、IMS構成管理装置6は、CSCF及びHSSの復旧・移設に伴う、シグナリングメッセージの経路制御を指示する。
【0042】
フロースイッチ装置2は、複数のポートを有するレイヤ4までのヘッダ情報を識別可能なスイッチであって、ポートがそれぞれ、SIPパーサ1と、SIPサーバ群の各CSCF及びHSSに接続されている。フロースイッチ装置2は、シグナリングメッセージを、端末5と各CSCF及びHSSとの間で経路制御する。
【0043】
この経路制御のために、フロースイッチ装置2は、「端末のURI(Uniform Resource Indicator)」と「ラベル」とを対応付けた「フローテーブル」を保持する。そして、フロースイッチ装置2は、入力されたパケットを、ラベルに基づくユーザセッション単位の「フロー」として識別し、そのフローに基づいて所定のポートへ出力する。図2によれば、拠点1のフロースイッチ装置2は、拠点1の各CSCFに対して経路制御するだけでなく、拠点2のフロースイッチ装置2に対しても経路制御することができる。複数のフロースイッチ装置2を経由することによって、様々な拠点のCSCFに対して経路制御することができる。
【0044】
ゲートウェイ1は、IMSネットワークとアクセスネットワークとの接続点に配置され、端末5とフロースイッチ装置2との間でシグナリングメッセージを中継転送する。ゲートウェイ1は、SIPメッセージをフローとして識別できる「SIPパーサ」である。SIPパーサ1は、「端末のURI」と、フロースイッチ装置における「ラベル」とを対応付けた「ラベルテーブル」を保持する。
【0045】
IMS構成管理装置6は、端末−CSCF間、及び、CSCF間におけるセッション情報を常に受信し且つ蓄積する。即ち、CSCF及びHSSは、端末のセッション情報を、常時、IMS構成管理装置6へ送信している。そして、IMS構成管理装置6は、セッション情報の復旧・移設に応じて、端末からのシグナリングメッセージを、一方のCSCFから、セッション移行後の他方のCSCFへ送信するように経路を制御する。また、IMS構成管理装置6は、経路制御情報を、常に、フロー制御装置3へ通知している。
【0046】
フロー制御装置3は、IMS構成管理装置6からの経路制御情報に応じて、フロースイッチ装置2の「フローテーブル」を生成し且つ送信する。また、SIPパーサ1の「ラベルテーブル」も生成し且つ送信する。
【0047】
フロースイッチ装置2及びフロー制御装置3は、OpenFlow技術に基づく既存のものである。分散配置されるフローベーススイッチ(フロースイッチ装置)と、集中配置されるコントローラ(フロー制御装置)とに分離し、オープンなAPI(Application Programming Interface)で接続される。OpenFlow技術によれば、ネットワークの通信単位を「フロー」として定義し、フロー単位で経路制御及び品質確保を可能とする。これは、米国Stanford大学が中心となり設立した「OpenFlowコンソーシアム」によって提唱されたインタフェースの仕様である(例えば非特許文献2参照)。
【0048】
OpenFlowスイッチ技術によれば、各種のプロセッサリソース(例えばCSCF)を、プログラマブルに(自由に組み合わせて)、ネットワークノードを構築することできる。特に、10Gbps単位(最大64ユーザまでの同時利用可能)で、ネットワークを増設することができる。
【0049】
尚、一般に、CSCFにおける経路制御として、同一IPアドレスが複数のCSCF上に存在することに備えたIPトンネルによるSIPメッセージの転送制御と、移行された複数のIPアドレスの使い分け制御とがある。そこで、発明者らは、CSCFではなく、ネットワーク機器側(スイッチ)を用いて、IPアドレス以外の識別子を用いて、SIPメッセージの転送を制御することを検討した。また、これと共に、IPアドレスの使い分けを避けるために、同種のCSCFでは同じIPアドレスを用いることも検討した。そこで、本発明によれば、IPアドレスに依存しない経路制御方法として、上位レイヤのパケットヘッダの参照が可能なOpenFlowスイッチ装置を用いている。OpenFlowスイッチ装置では、各ヘッダ値の組み合わせで区別される一連のパケットを、「フロー」として経路制御する。そのために、CSCFに対するSIPメッセージの経路を制御すべき最小経路毎に、フローを割り当てている。
【0050】
図3は、本発明の第1の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
図4は、本発明の第1の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【0051】
本発明の特徴となる「ラベル」は、端末URIの登録情報(又はセッション情報)が存在する1つ以上のCSCF(及びHSS)の識別子(ID)の組み合わせから構成される。そのために、1つのラベルには、複数の端末URIが紐づくこととなり、結果的に、ラベルテーブル及びフローテーブルのエントリ数が削減される。
【0052】
SIPパーサ1は、「端末のURI」と、「ラベル」とを対応付けた「ラベルテーブル」を保持する。図3によれば、端末#1の端末URIに対応するラベルは、以下のように決定されている。
端末#1の登録情報が存在又は利用するIMSノード:
P−CSCF1(ID:P1)、S−CSCF1(ID:S1)
I−CSCF1(ID:I1)、HSS1 (ID:H1)
端末#1の端末URIに対応するラベル:
「P1 S1 I1 H1」
SIPパーサ1が、自らラベルテーブルを生成するものであってもよいし、フロー制御装置3によって生成されたラベルテーブルを受信するものであってもよい。
【0053】
SIPパーサ1は、受信したSIPメッセージから、発信端末URI及び着信端末URIを取得する。次に、SIPパーサ1は、ラベルテーブルから、これら端末URIに対応するラベルを検索する。そして、検索されたラベルを、SIPメッセージの宛先MACアドレス及び送信元MACアドレスに含め、そのSIPメッセージをフロースイッチ装置2へ向けて転送する。
【0054】
フロースイッチ装置2は、ラベル及び宛先IPアドレスの組み合わせに応じて、出力ポート(動作)を対応付けた「フローテーブル」を保持する。これによれば、同一のラベルであっても、異なる宛先IPアドレス毎に、動作も異なるものとなる。フローテーブルは、フロー制御装置3によって生成されたものであって、フロースイッチ装置2は、そのフローテーブルを受信する。フロースイッチ装置2は、このフローテーブルに従って、シグナリングメッセージを経路制御する。
【0055】
図5は、本発明の第2の実施形態における拠点1に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
図6は、本発明の第2の実施形態における拠点2に関するフローテーブル及びラベルテーブルを表す説明図である。
【0056】
図5によれば、図3と比較して、ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものである。
【0057】
図5によれば、SIPパーサ1が保持する「ラベルテーブル」には、端末#2の端末URIに対応するラベルとして、以下のように決定されている。
端末#1の登録情報が存在又は利用するIMSノード:
P−CSCF2(ID:P2):拠点2(Ploc2)
S−CSCF2(ID:S2):拠点2(Sloc2)
I−CSCF1(ID:I1):拠点1(Iloc1)
HSS1 (ID:H1):拠点1(Hloc1)
端末#2の端末URIに対応するラベル:
「Ploc2 Sloc2 Iloc1 Hloc1 P2 S2 I1 H1」
【0058】
また、フロースイッチ装置2が保持する「フローテーブル」には、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されている。「ワイルドカード」とは、例えばファイル名等を指定するときに使う「任意の文字」を意味する特殊文字をいう。一般に、「*」が任意の長さの任意の文字を意味し、「?」が任意の1文字を意味する。これによって、フローテーブルのエントリ数を削減することができる。
【0059】
図5によれば、例えばラベル「Ploc1 * * * P1 * * *」は、少なくとも「Ploc1」及び「P1」が一致する場合に、該当する。この場合、宛先IPアドレスが「10.10.1.1」(P−CSCF)であるならば、そのシグナリングメッセージは、ポート1へ出力される。
図5によれば、例えばラベル「Ploc1 * * * P2 * * *」は、少なくとも「Ploc1」及び「P2」が一致する場合に、該当する。この場合、宛先IPアドレスが「10.10.1.1」(P−CSCF)であるならば、そのシグナリングメッセージは、ポート2へ出力される。
【0060】
尚、図5及び図6に基づくフローテーブルにワイルドカードを用いた技術は、フロースイッチ装置2が、OpenFlow Switchのバージョン1.1に対応していることを要する。
【0061】
図7は、本発明における発信のシーケンス図である。
【0062】
図7によれば、P−CSCF#2及びS−CSCF#2が管理している端末#2のセッション情報を、P−CSCF#3及びS−CSCF#3へ移行した後、当該端末#1から端末#2へのシグナリングメッセージを経路制御する場合について表されている。
【0063】
[第1のステップ]
(S10)端末#1は、発信メッセージ(INVITEメッセージ、シグナリング要求メッセージ)を、SIPパーサ1へ送信する。このINVITEメッセージのアドレスヘッダは、以下のように設定されている。
送信元IPアドレス:端末#1のIPアドレス
宛先IPアドレス :P−CSCF#1のIPアドレス
【0064】
(S11)SIPパーサ1は、受信したシグナリングメッセージのSIPデータ部分を解析し、以下の情報を取得する。
INVITEメッセージにおけるFromヘッダ -> 発信側端末URIの取得
INVITEメッセージにおけるToヘッダ -> 着信側端末URIの取得
【0065】
(S12)次に、SIPパーサ1は、MACアドレスヘッダから、以下の情報をキャッシュする。
INVITEメッセージにおける送信元MACアドレスをキャッシュ
INVITEメッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュ
【0066】
(S13)次に、SIPパーサ1は、ラベルテーブルを用いて、以下のラベルを検索する。
「発信側端末URI」(端末#1)に対応する「送信元ラベル」を検索
[P1 S1 I1 H1]
「着信側端末URI」(端末#2)に対応する「宛先ラベル」 を検索
[P3 S3 I1 H1]
「送信元ラベル」は、「送信元端末URI」を特定するラベルであり、同様に、「宛先ラベル」は、「宛先端末URI」を特定するラベルである。
【0067】
(S14)次に、SIPパーサ1は、INVITEメッセージ(シグナリング要求メッセージ)について、以下のようにMACアドレスを書き換える。
宛先MACアドレスヘッダ <- 送信元ラベル
[P1 S1 I1 H1]
送信元MACアドレスヘッダ<- 宛先ラベル
[P3 S3 I1 H1]
尚、MACアドレスヘッダの書き換え処理は、SIPパーサのI/Fモジュールで実行される。
【0068】
(S15)そして、SIPパーサ1は、そのINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Aへ送信する。
【0069】
[第2のステップ]
(S2)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージについて、出力ポートを選択する。フロースイッチ装置2Aは、受信したINVITEメッセージにおける「宛先MACアドレス」「宛先IPアドレス」から、「フロー」を識別し、当該INVITEメッセージを出力すべきポートを特定する。
「宛先MACアドレス」 :ラベル[P1 S1 I1 H1]
「送信元MACアドレス」:ラベル[P3 S3 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :P−CSCF#1のIPアドレス
図3によれば、このINVITEメッセージは、P−CSCF#1が接続されたポート1へ出力される。
【0070】
[第3のステップ]
(S311)P−CSCF#1は、フロースイッチ装置2Aから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、P−CSCF#1は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべきノードの宛先IPアドレスを取得する。ここでは、次ホップとして、S−CSCF#1の宛先IPアドレスを取得する。
「宛先MACアドレス」 :ラベル[P1 S1 I1 H1]
「送信元MACアドレス」:ラベル[P3 S3 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :S−CSCF#1のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :P−CSCF#1のIPアドレス
尚、IPアドレスヘッダの書き換え処理は、通常のCSCFの機能で実行される。
【0071】
(S312)次に、P−CSCF#1は、S−CSCF#1へ送信すべきINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Aへ送信する。
【0072】
(S313)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージをそのまま、S−CSCF#1が接続されたポート3へ出力する。
【0073】
(S314)S−CSCF#1は、S311〜S313と同様に、フロースイッチ装置2Aから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、S−CSCF#1は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべきI−CSCF#1の宛先IPアドレスを取得する。
【0074】
(S315)S−CSCF#1は、受信したINVITEメッセージ(シグナリング要求メッセージ)について、送信元IPアドレスに基づくS−CSCF又はI−CSCFから、宛先IPアドレスに基づくI−CSCF又はS−CSCFへ送信されるかどうかを判定する。ここでは、S−CSCF#1からI−CSCFへ転送すべき要求メッセージであって、この判定は「真」となる。この場合、フロースイッチ装置2Aは、以下のように、MACアドレスヘッダの内容を、逆に入れ替える。
「宛先MACアドレスヘッダ」 <- 送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベル
ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」<- 宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベル
ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :I−CSCF#1のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :S−CSCF#1のIPアドレス
【0075】
(S316)S−CSCF#1は、INVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Aへ送信する。
【0076】
(S317)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージをそのまま、I−CSCF#1が接続されたポート5へ出力する。
【0077】
(S318)I−CSCF#1は、端末における鍵情報を保持していない場合、HSSに対して、Diameterプロトコルを用いて鍵情報を問い合わせる。Diameterプロトコルとは、RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)に代わる次世代のAAA(Authentication, Authorization and Accounting)標準プロトコルである。I−CSCFは、端末の認証情報や鍵情報を取得するために、DiameterURメッセージを、フロースイッチ装置2を介して、HSS#1へ送信する。また、HSS#1は、受信したDiameterURメッセージに基づいて、DiameterUAメッセージを、フロースイッチ装置2Aを介して、I−CSCF#1へ送信する。
【0078】
(S319)次に、I−CSCF#1は、S−CSCF#3へ送信すべきINVITEメッセージのヘッダを、以下のように設定する。
「宛先MACアドレスヘッダ」 <- ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」<- ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :S−CSCF#3のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :I−CSCF#1のIPアドレス
そして、I−CSCF#1は、そのINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2へ送信する。
【0079】
(S4)フロースイッチ装置2Aは、フローテーブルに従って、受信したINVITEメッセージをそのまま、フロースイッチ装置2Bが接続されたポート7へ出力する。
【0080】
図8は、図7に続く、発信の要求シーケンス図である。
【0081】
(S321)フロースイッチ装置2Bは、受信したINVITEメッセージをそのまま、S−CSCF#3が接続されたポート4へ出力する。
【0082】
(S322)次に、S−CSCF#3は、S311〜S313と同様に、フロースイッチ装置2Bから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、S−CSCF#3は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべきP−CSCF#3の宛先IPアドレスを取得する。
【0083】
S−CSCF#3は、P−CSCF#3へ送信すべきINVITEメッセージのヘッダを、以下のように設定する。
「宛先MACアドレスヘッダ」 :ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」:ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :P−CSCF#3のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :S−CSCF#3のIPアドレス
そして、S−CSCF#3は、そのINVITEメッセージを、フロースイッチ装置2Bへ送信する。
【0084】
(S323)フロースイッチ装置2Bは、受信したINVITEメッセージをそのまま、P−CSCF#3が接続されたポート2へ出力する。
【0085】
(S324)次に、P−CSCF#3は、S311〜S313と同様に、フロースイッチ装置2Bから受信したINVITEメッセージについて、以下の情報をキャッシュする。
宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュ
送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュ
そして、P−CSCF#3は、そのINVITEメッセージのRouteヘッダから、次ホップへ送信すべき端末#2の宛先IPアドレスを取得する。
【0086】
P−CSCF#3は、端末#2へ送信すべきINVITEメッセージをフロースイッチ装置2Bへ送信する。
「宛先MACアドレスヘッダ」 :ラベル[P3 S3 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」:ラベル[P1 S1 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :着信側端末#2のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :P−CSCF#3のIPアドレス
【0087】
[第4のステップ]
(S4)フロースイッチ装置2Bが、フローテーブルに従って、INVITEメッセージをSIPパーサ1Bへ転送する。
【0088】
[第5のステップ]
(S5)SIPパーサ1は、フロースイッチ装置2Bから受信したINVITEメッセージについて、以下のようにMACアドレス書き換える。
送信元MACアドレスヘッダ
<- 登録時にキャッシュしていた送信元MACアドレス
宛先MACアドレスヘッダ
<- 登録時にキャッシュしていた宛先MACアドレス
そして、SIPパーサ1は、INVITEメッセージを、着信側の端末#2へ送信する。
【0089】
図9は、図8に続く、発信の応答シーケンス図である。
【0090】
端末#2が、発信応答メッセージ(183メッセージ、シグナリング応答メッセージ)を、SIPパーサ1へ送信する。183メッセージは、図7と全く逆に同様のシーケンスによって、発信側端末#1まで到達する。ここで、図7と比較して、特徴ある部分のみついて説明する。
【0091】
(S14)SIPパーサ1は、183メッセージ(シグナリング応答メッセージ)について、以下のようにMACアドレスを書き換える。
宛先MACアドレスヘッダ <- 送信元ラベル
[P3 S3 I1 H1]
送信元MACアドレスヘッダ <- 宛先ラベル
[P1 S1 I1 H1]
そして、SIPパーサ1は、183メッセージを、S−CSCF#3が接続されたポートへ出力し、フロースイッチ装置2へ送信する。
【0092】
(S315)S−CSCF#3は、受信した183メッセージについて、送信元IPアドレスに基づくS−CSCF又はI−CSCFから、宛先IPアドレスに基づくI−CSCF又はS−CSCFへ送信されるかどうかを判定する。ここでは、S−CSCF#3からI−CSCFへ転送すべきメッセージであって、この判定は「真」となる。この場合、フロースイッチ装置2は、以下のように、MACアドレスヘッダの内容を、逆に入れ替える。
「宛先MACアドレスヘッダ」 <- 送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベル
ラベル[P1 S1 I1 H1]
「送信元MACアドレスヘッダ」<- 宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベル
ラベル[P3 S3 I1 H1]
「宛先IPアドレス」 :I−CSCF#1のIPアドレス
「送信元IPアドレス」 :S−CSCF#3のIPアドレス
【0093】
図10は、本発明における登録のシーケンス図である。
【0094】
(S611)IMS構成管理装置6は、拠点の識別子及びSIPサーバ(CSCF及びHSS)の識別子を割り当て、当該端末URI毎に、その登録情報が存在及び利用するSIPサーバの識別子を管理している。これらIMS構成情報は、フロー制御装置3へ通知される。
(S612)フロー制御装置3は、IMS構成情報に基づいて、フロースイッチ装置2に対するフローテーブルと、SIPパーサ1に対するラベルテーブルとを生成する(前述した図3及び図5参照)。
(S613)フロー制御装置3は、フローテーブルをフロースイッチ装置2へ送信する共に、ラベルテーブルをSIPパーサ1へ送信する。
【0095】
(S621)端末#1は、位置登録メッセージ(REGISTERメッセージ)を、IMSネットワークへ送信する。REGISTERメッセージは、SIPパーサ1によって受信される。
(S622)SIPパーサ1は、REGISTERメッセージをパースして、Fromヘッダから、送信元端末#1のURI(発信側端末URI)を取得する(図7のS11と同様)。
(S622)また、SIPパーサ1は、REGISTERメッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュする(図7のS12と同様)。
(S623)次に、SIPパーサ1は、ラベルテーブルに、発信側端末URIに対するラベルが登録されているか否かを判定する。ここで、端末#1からの最初のREGISTERメッセージである場合、それに対応するラベルは、未だ登録されていない。尚、ラベルテーブルに、発信側端末URIに対するラベルが登録されている場合、S627へ進む。
【0096】
(S624)ラベルテーブルに、発信側端末URIに対するラベルが登録されていない場合、SIPパーサ1は、発信側端末URIに対応づけるラベルを選択し、ラベルテーブルを更新する。そして、SIPパーサ1は、発信側端末URI及びそれに対応するラベルを、フロー制御装置3へ送信する。
(S625)フロー制御装置3は、発信側端末URI及びラベルとを対応付けたフローテーブルを更新し、更新完了の応答をSIPパーサ1へ通知する。
(S626)SIPパーサ1は、REGISTERメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダを、送信元ラベルに書き換える(図7のS14と同様)。
【0097】
(S627)そして、SIPパーサ1は、REGISTERメッセージを、フロースイッチ装置2へ送信する(図3のS15と同様)。
【0098】
その後のシーケンスについて、P−CSCF#1は、S−CSCFの解決ために、I−CSCFへREGISTERメッセージを送信する。これによって、端末#1は、SIPパーサ1を介して、P−CSCF#1との間でセッションを確立し、P−CSCF#1及びS−CSCF#1によって位置登録済みとなる。
【0099】
図11は、本発明におけるSIPパーサの機能構成図である。
【0100】
図11によれば、SIPパーサ1は、AN(アクセスネットワーク)側通信インタフェース101と、IMS側通信インタフェース102と、上りメッセージ転送部110と、ラベルテーブル111と、URI取得部112と、MACアドレスキャッシュ部113と、ラベル検索部114と、ラベル要求送信部115と、ラベル応答受信部116と、上りアドレス書換部117と、下りメッセージ転送部120と、下りアドレス書換部127とを有する。通信インタフェース以外のこれら機能構成部は、ゲートウェイ(SIPパーサ)に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0101】
上りメッセージ転送部110は、端末5から受信したシグナリングメッセージを、フロースイッチ装置2へ転送する。
【0102】
ラベルテーブル部111は、端末のURIとラベルとを対応付けたラベルテーブルを記憶する。
【0103】
URI取得部112は、当該シグナリングメッセージにおけるFromヘッダから発信側端末URIを取得し、Toヘッダから着信側端末URIを取得する。発信側端末URI及び着信側端末URIは、ラベル検索部114へ出力される。
【0104】
MACアドレスキャッシュ部113は、当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュする。
【0105】
ラベル検索部114は、ラベルテーブル111を参照し、発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索すると共に、着信側端末URIに対応する宛先ラベルを検索する。
【0106】
ラベル要求送信部115は、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、ラベル検索部114によって発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、発信側端末URIを含むラベル要求メッセージを、フロー制御装置へ送信する。
【0107】
ラベル応答受信部116は、フロー制御装置3から、要求ラベル及び応答ラベルを含むラベル応答メッセージを受信する。そして、ラベルテーブル111に、発信側端末URIとラベルとを対応付けて記憶させる。
【0108】
上りアドレス書換部117は、当該シグナリングメッセージが要求メッセージである場合に、宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルに書き換える。
【0109】
下りメッセージ転送部120は、フロースイッチ装置2から受信したシグナリングメッセージを、端末5へ送信する。
【0110】
下りアドレス書換部127は、当該シグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ部113における送信元MACアドレスに書き換えると共に、宛先MACアドレスヘッダを、MACアドレスキャッシュ部113における宛先MACアドレスに書き換える。
【0111】
フロースイッチ装置2は、フローテーブルに基づいて、SIPパーサから受信したシグナリングメッセージをいずれか1つのSIPサーバ又は他のフロースイッチ装置へ転送すると共に、SIPサーバから受信したシグナリングメッセージを、他のSIPサーバ、SIPパーサ又は他のフロースイッチ装置のいずれか1つへ転送する。
【0112】
SIPサーバ(CSCF、HSS)4は、ラベルキャッシュ部と、ラベル書換部と、メッセージ転送部とを有する。SIPサーバとして、少なくともP−CSCF(Proxy-CSCF(Call Session Control Function、プロキシ呼セッション制御機能))、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interrogating-CSCF)及びHSS(Home Subscriber Server)が配置される。
【0113】
ラベルキャッシュ部は、フロースイッチ装置2から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュする。
【0114】
ラベル書換部は、当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージについて、送信元MACアドレスヘッダを宛先ラベルにすると共に、宛先MACアドレスヘッダを送信元ラベルにする。そして、当該シグナリングメッセージは、フロースイッチ装置2へ転送される。
【0115】
尚、SIPサーバ4は、送信元IPアドレスに基づくS−CSCF又はI−CSCFから、宛先IPアドレスに基づくI−CSCF又はS−CSCFへ送信されるシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える。
【0116】
フロー制御装置3は、フロースイッチ装置2を制御する。フロー制御装置3は、ラベル生成部と、ラベル応答返信部と、フローテーブル更新部とを有する。ラベル生成部は、発信側端末URIに対応する要求ラベル及び応答ラベルを生成する。ラベル応答返信部は、ラベルを含むラベル応答メッセージを、ゲートウェイへ返信する。フローテーブル更新部は、要求ラベル及び応答ラベルを含むフローテーブルを、フロースイッチ装置へ送信する。
【0117】
以上、詳細に説明したように、本発明のシグナリングメッセージの経路制御方法及びネットワークシステムによれば、既存のOpenFlowスイッチ装置を用いることによって、SIPサーバのセッション移行後に、IPアドレスを移動することなく、且つ、トンネルを確立する必要もなくすことができる。また、既存のOpenFlowスイッチ装置に特別な機能を搭載することなく、高速に経路を制御することができる。
【0118】
ここで、既存のOpenFlowスイッチ装置に、端末URIとラベルとを1対1で対応付けた場合、フローテーブルのエントリが端末URIの数だけ必要となる。即ち、膨大な数の端末が接続するIMSネットワークに、既存のOpenFlowスイッチ装置を搭載しただけでは、そのフローテーブルのエントリ数が上限を超えてしまう。本発明によれば、IMSネットワークに既存のOpenFlowスイッチ装置を備えた場合であっても、ゲートウェイやOpenFlowスイッチ装置が保持すべき経路テーブルの量をできる限り削減できると共に、そのシグナリングメッセージの経路制御の処理能力も低減させることができる。
【0119】
尚、コントロールネットワークにおける第1の拠点の第1のCSCFの代替として、第2の拠点の第2のCSCFを用いることができるために、CSCFを冗長化することなく、IMSネットワーク内におけるSIPサーバ(CSCF)の可用性を高めることもできる。
【0120】
前述した本発明の種々の実施形態において、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0121】
1 ゲートウェイ、SIPパーサ
101 AN側通信インタフェース
102 IMS側通信インタフェース
110 上りメッセージ転送部
111 ラベルテーブル
112 URI取得部
113 MACアドレスキャッシュ部
114 ラベル検索部
115 ラベル要求送信部
116 ラベル応答受信部
117 上りアドレス書換部
120 下りメッセージ転送部
127 下りアドレス書換部
2 フロースイッチ装置
3 フロー制御装置
4 CSCF
41 P−CSCF
42 S−CSCF
43 I−CSCF
44 HSS
5 端末
6 IMS構成管理装置
7 セッション管理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、前記端末と前記フロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するシステムにおけるシグナリングメッセージの経路制御方法であって、
前記ゲートウェイは、当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルを記憶しており、
第1のステップについて、前記ゲートウェイが、前記端末からシグナリングメッセージを受信した際に、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得し、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュし、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、前記着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索し、
宛先MACアドレスヘッダを前記送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを前記宛先ラベルに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ送信し、
第2のステップについて、前記フロースイッチ装置が、前記ラベルに応じて前記シグナリングメッセージを前記SIPサーバへ転送する
ことを特徴とする経路制御方法。
【請求項2】
前記ラベルテーブルについて、前記ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることを特徴とする請求項1に記載の経路制御方法。
【請求項3】
第3のステップについて、前記SIPサーバが、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュし、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ送信し、
第4のステップについて、前記フロースイッチ装置が、前記シグナリングメッセージを、前記ゲートウェイ、他のSI又は他のフロースイッチ装置へ転送し、
第5のステップについて、前記ゲートウェイは、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、前記送信元MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた前記送信元MACアドレスに書き換えると共に、前記宛先MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた前記宛先MACアドレスに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、前記端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項4】
前記システムは、前記フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
第1のステップについて、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
第11のステップとして、前記ゲートウェイが、
当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、
前記ラベルテーブルに、前記発信側端末URIと前記ラベルとを対応付けて記憶し、
前記発信側端末URIと選択した送信元ラベルとを、前記フロー制御装置へ送信し、
第12のステップとして、前記フロー制御装置が、
前記発信側端末URIと前記送信元ラベルとを対応付けたフローテーブルを更新し、
更新完了の応答メッセージを、前記ゲートウェイへ返信する
ことを特徴とする請求項3に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項5】
前記IPサブシステムネットワークは、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークであり、
前記SIPサーバとして、P−CSCF(Proxy-CSCF(Call Session Control Function、プロキシ呼セッション制御機能))、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interrogating-CSCF)及び/又はHSS(Home Subscriber Server)が配置されており、
前記フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
第2のステップについて、
送信元IPアドレスのS−CSCFは、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFは、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項6】
前記フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
前記フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
前記ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項7】
IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、前記端末と前記フロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するネットワークシステムであって、
セッション移行後のシグナリングメッセージを経路制御するために、
前記ゲートウェイは、
当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルと、
前記端末から受信したシグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ転送する上りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得するURI取得手段と、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュするMACアドレスキャッシュ手段と、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、前記着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索するラベル検索手段と、
宛先MACアドレスヘッダを前記送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを前記宛先ラベルに書き換える上りアドレス書換手段と
を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
前記ラベルテーブルについて、前記ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記フロースイッチ装置は、フローテーブルに基づいて、前記ゲートウェイから受信したシグナリングメッセージをSIPサーバ又は他のフロースイッチ装置のいずれか1つへ転送すると共に、前記SIPサーバから受信したシグナリングメッセージを、他のSIPサーバ、他のフロースイッチ装置又はゲートウェイのいずれか1つへ転送するものであり、
前記ゲートウェイは、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージを、前記端末へ送信する下りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージについて、前記送信元MACアドレスヘッダを、前記MACアドレスキャッシュ手段における前記送信元MACアドレスに書き換えると共に、前記宛先MACアドレスヘッダを、前記MACアドレスキャッシュ手段における前記宛先MACアドレスに書き換える下りアドレス書換手段と
を有し、
前記SIPサーバは、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュするラベルキャッシュ手段と、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ転送するメッセージ転送手段と
を有することを特徴とする請求項7又は8に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
前記ゲートウェイは、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
前記URI取得手段が、当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
前記MACアドレスキャッシュ手段が、当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、前記ラベルテーブルに、前記発信側端末URIと前記ラベルとを対応付けて記憶し、前記発信側端末URI及び前記送信元ラベルを、前記フロー制御装置へ送信するラベル要求送信手段と、
前記フロー制御装置から、ラベル応答メッセージを受信するラベル応答受信手段と
を更に有し、
前記フロー制御装置が、
前記発信側端末URI及び前記送信元ラベルを対応付けたフローテーブルを更新するフローテーブル更新手段と、
更新完了の応答メッセージを、前記ゲートウェイへ返信するラベル応答返信手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記IPサブシステムネットワークは、IMSネットワークであり、
前記SIPサーバとして、少なくともP−CSCF、S−CSCF、I−CSCF及び/又はHSSが配置されており、
前記フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
前記フロースイッチ装置は、
送信元IPアドレスのS−CSCFから、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFから、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項12】
前記フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
前記フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
前記ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項1】
IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、前記端末と前記フロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するシステムにおけるシグナリングメッセージの経路制御方法であって、
前記ゲートウェイは、当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルを記憶しており、
第1のステップについて、前記ゲートウェイが、前記端末からシグナリングメッセージを受信した際に、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得し、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュし、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、前記着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索し、
宛先MACアドレスヘッダを前記送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを前記宛先ラベルに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ送信し、
第2のステップについて、前記フロースイッチ装置が、前記ラベルに応じて前記シグナリングメッセージを前記SIPサーバへ転送する
ことを特徴とする経路制御方法。
【請求項2】
前記ラベルテーブルについて、前記ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることを特徴とする請求項1に記載の経路制御方法。
【請求項3】
第3のステップについて、前記SIPサーバが、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュし、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ送信し、
第4のステップについて、前記フロースイッチ装置が、前記シグナリングメッセージを、前記ゲートウェイ、他のSI又は他のフロースイッチ装置へ転送し、
第5のステップについて、前記ゲートウェイは、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、前記送信元MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた前記送信元MACアドレスに書き換えると共に、前記宛先MACアドレスヘッダを、第1のステップでキャッシュしていた前記宛先MACアドレスに書き換え、
当該シグナリングメッセージを、前記端末へ送信する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項4】
前記システムは、前記フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
第1のステップについて、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
第11のステップとして、前記ゲートウェイが、
当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、
前記ラベルテーブルに、前記発信側端末URIと前記ラベルとを対応付けて記憶し、
前記発信側端末URIと選択した送信元ラベルとを、前記フロー制御装置へ送信し、
第12のステップとして、前記フロー制御装置が、
前記発信側端末URIと前記送信元ラベルとを対応付けたフローテーブルを更新し、
更新完了の応答メッセージを、前記ゲートウェイへ返信する
ことを特徴とする請求項3に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項5】
前記IPサブシステムネットワークは、IMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワークであり、
前記SIPサーバとして、P−CSCF(Proxy-CSCF(Call Session Control Function、プロキシ呼セッション制御機能))、S−CSCF(Serving-CSCF)、I−CSCF(Interrogating-CSCF)及び/又はHSS(Home Subscriber Server)が配置されており、
前記フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
第2のステップについて、
送信元IPアドレスのS−CSCFは、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFは、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項6】
前記フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
前記フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
前記ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシグナリングメッセージの経路制御方法。
【請求項7】
IPサブシステムネットワークに接続された複数のSIP(Session Initiation Protocol)サーバと、該SIPサーバと端末との間でシグナリングメッセージのフローを切り替える1つ以上のフロースイッチ装置と、前記端末と前記フロースイッチ装置との間でシグナリングメッセージを中継転送する1つ以上のゲートウェイとを有するネットワークシステムであって、
セッション移行後のシグナリングメッセージを経路制御するために、
前記ゲートウェイは、
当該端末URI(Uniform Resource Indicator)の登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子の組み合わせに基づくラベルに、1つ以上の端末URIを対応付けたラベルテーブルと、
前記端末から受信したシグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ転送する上りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージにおける発信側端末URI及び着信側端末URIを取得するURI取得手段と、
当該シグナリングメッセージにおける送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスをキャッシュするMACアドレスキャッシュ手段と、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルと、前記着信側端末URIに対応する宛先ラベルとを検索するラベル検索手段と、
宛先MACアドレスヘッダを前記送信元ラベルに書き換えると共に、送信元MACアドレスヘッダを前記宛先ラベルに書き換える上りアドレス書換手段と
を有することを特徴とするネットワークシステム。
【請求項8】
前記ラベルテーブルについて、前記ラベルは、当該端末URIの登録情報が存在又は利用する1つ以上のSIPサーバの識別子に加えて、当該SIPサーバが配置された拠点の識別子を更に組み合わせたものであり、少なくとも1つの拠点の識別子以外の識別子は、ワイルドカードによって指定されていることを特徴とする請求項7に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記フロースイッチ装置は、フローテーブルに基づいて、前記ゲートウェイから受信したシグナリングメッセージをSIPサーバ又は他のフロースイッチ装置のいずれか1つへ転送すると共に、前記SIPサーバから受信したシグナリングメッセージを、他のSIPサーバ、他のフロースイッチ装置又はゲートウェイのいずれか1つへ転送するものであり、
前記ゲートウェイは、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージを、前記端末へ送信する下りメッセージ転送手段と、
当該シグナリングメッセージについて、前記送信元MACアドレスヘッダを、前記MACアドレスキャッシュ手段における前記送信元MACアドレスに書き換えると共に、前記宛先MACアドレスヘッダを、前記MACアドレスキャッシュ手段における前記宛先MACアドレスに書き換える下りアドレス書換手段と
を有し、
前記SIPサーバは、
前記フロースイッチ装置から受信したシグナリングメッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルをキャッシュすると共に、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルをキャッシュするラベルキャッシュ手段と、
当該シグナリングメッセージのRouteヘッダに含まれる次ホップのIPアドレスを宛先IPアドレスとした、次ホップへ送信すべきシグナリングメッセージを、前記フロースイッチ装置へ転送するメッセージ転送手段と
を有することを特徴とする請求項7又は8に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記フロースイッチ装置を制御するフロー制御装置を更に有し、
前記ゲートウェイは、当該シグナリングメッセージが登録要求メッセージ(REGISTERメッセージ)である場合、
前記URI取得手段が、当該登録メッセージにおける発信側端末URIを取得し、
前記MACアドレスキャッシュ手段が、当該登録メッセージにおける宛先MACアドレスをキャッシュし、
前記ラベルテーブルを用いて、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを検索できなかった際に、前記発信側端末URIに対応する送信元ラベルを選択し、前記ラベルテーブルに、前記発信側端末URIと前記ラベルとを対応付けて記憶し、前記発信側端末URI及び前記送信元ラベルを、前記フロー制御装置へ送信するラベル要求送信手段と、
前記フロー制御装置から、ラベル応答メッセージを受信するラベル応答受信手段と
を更に有し、
前記フロー制御装置が、
前記発信側端末URI及び前記送信元ラベルを対応付けたフローテーブルを更新するフローテーブル更新手段と、
更新完了の応答メッセージを、前記ゲートウェイへ返信するラベル応答返信手段と
を有することを特徴とする請求項9に記載のネットワークシステム。
【請求項11】
前記IPサブシステムネットワークは、IMSネットワークであり、
前記SIPサーバとして、少なくともP−CSCF、S−CSCF、I−CSCF及び/又はHSSが配置されており、
前記フロースイッチ装置は、フローテーブルによって、各CSCFのIPアドレスを記憶しており、
前記フロースイッチ装置は、
送信元IPアドレスのS−CSCFから、宛先IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFへ送信される要求メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの送信元ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの宛先ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
又は、
送信元IPアドレスのI−CSCF又はS−CSCFから、宛先IPアドレスのS−CSCFへ送信される応答メッセージについて、宛先MACアドレスヘッダの宛先ラベルと、送信元MACアドレスヘッダの送信元ラベルとを逆に入れ替えるように書き換える
ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項12】
前記フロースイッチ装置は、OpenFlowSwitch(登録商標)であり、
前記フロー制御装置は、OpenFlowController(登録商標)であり、
前記ゲートウェイは、プロトコルヘッダを変換するSIPパーサである
ことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−98597(P2013−98597A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236684(P2011−236684)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省「最先端のグリーンクラウド基盤構築に向けた研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(599108264)株式会社KDDI研究所 (233)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、総務省「最先端のグリーンクラウド基盤構築に向けた研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(599108264)株式会社KDDI研究所 (233)
【Fターム(参考)】
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