説明

フープ材カッター

【課題】フープ材カッターの製造コストを削減する。
【解決手段】一対のフープ材カッターを対向配置させ、その相互間を拡縮可能に構成して成り、前記一対のフープ材カッター相互間にフープ材を供給して該フープ材の両側端部を一対のフープ材カッターそれぞれにて別々に切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フープ材を連続的に切断するフープ材カッターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフープ材カッターは、例えば特許文献1及び2に示される発明が公知である。これらの発明はいずれもフープ材の全幅を切断する幅の広い刃物を使用する構成であった。
【0003】
しかしながら、前記従来のフープ材カッターはフープ材の全幅を切断する幅の広い刃物を使用するために、装置が大きくなり、装置の製造コストが嵩むという問題があった。

【特許文献1】特開2000−316636号公報
【特許文献2】特開2000−320045号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しょうとする問題点は、従来の構成ではフープ材カッターの製造コストが嵩むという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、フープ材カッターの製造コストを削減するために打ち抜かれたフープ材の両側方を別々に切断する一対のフープ材カッターを、フープ材を中心に対向配置する構成であり、更に対向配置されたフープ材カッターの相互間を、切断するフープ材の幅に合わせて適切な間隔に拡縮可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のフープ材カッターは、フープ材を中心にしてフープ材カッターを対向配置し、打ち抜かれたフープ材の両側方を対向配置されたフープ材カッターのそれぞれにて別々に切断する構成であるので、それぞれのフープ材カッターには幅の広い刃物を取り付ける必要がなくなり、装置を小型化することが可能となる。これによりフープ材カッターの製造コストを削減することができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
フープ材カッターの製造コストを削減するという目的を、フープ材を中心にしてフープ材カッターを対向配置する構成にしたことにより幅の狭い刃物でもフープ材を切断することができる廉価なフープ材カッターを実現した。
【実施例】
【0008】
図1から図3は,本発明の実施例に係り、図1はフープ材カッターの全体を示す正面図、図2はフープ材カッターの全体を示す側面図、図3はフープ材カッターの作動部を示す正面図、図4はフープ材カッターの作動部を示す断面図、図5はフープ材の切断部を示す図である。
【0009】
図1及び図2に示すようにフープ材カッターは、フープ材カッター本体1a,1bがスライドベース2上にて左右に対向配置され,その一方の本体1aの底面には左ネジ叉は右ねじの雌ネジ3aが、他方の本体1bの底面には前記本体1aとは逆向きの左ネジ叉は右ねじの雌ネジ3bが設けられている。また中央には左右調整ネジ回し部4が設けられており、その左右に前記本体底面に設けられた雌ネジ3a,3bに螺合しうる左叉は右ネジの雄ネジ5a,5bのネジ軸が接続されている。そしてこのネジ軸5a,5bが前記両本体の雌ネジ3a,3bそれぞれに螺合することにより両本体1a,1bの相互間が連結されている。そして左右調整ネジ回し部4の回転操作することにより対向配置されたフープ材カッター本体1a,1bそれぞれをスライドベース2上にて摺動させつつ相互の間隔を拡縮することができる構成となっている。
【0010】
更にスライドベース2の下面には固定ベース6が配置され、中央の前後調整ネジ回し部8の回転操作にてガイドブロック7をガイドにしてスライドベース6を前後方向に移動することができるように構成されている。これにより一対のフープ材カッター1a,1b全体を前後に調製することが可能となる。なおこの前後調整手段は図3に示すフープ材9の切断部10の位置を調整するものである。なお図中の符号10aは打ち抜き穴を示す。
【0011】
フープ材カッターの作動部は、図3及び図4に示すようにメインフレーム11とサブフレーム12がスペーサ13を介して並行に設けられ、その相互間にラム14が摺動自在に設けられている。ラム14の上方にはカムシャフト15の偏芯部16が軸受け17を介して回転自在に嵌合され、カムシャフト15の両端がメインフレーム11及びサブフレーム12に軸受け18,19を介して回転自在に支持されている。これによりモータ20の駆動にて偏芯軸15を回転する構成になっている。
【0012】
更に、ラム14の中間にはガイドピン21が固定され、ガイドピン21がサブフレーム12側にて縦方向に形成されたガイド溝22に摺動自在に係合されていて、カムシャフト15の回転駆動とガイド溝22のガイドによりラム14が揺動しつつ上下動する構成になっている。
また、メインフレーム11の下方における内側にフープ材を切断する固定刃23が固定され、一方、ラム14の下端における外側に動刃24が固定されている。なお符号25は刃物押さえを示す。
【0013】
また、固定刃23と動刃24との間における側方(図の左側、即ち、対向配置されたフープ材カッター1a,1bの対向側)にフープ材を案内するホッパー26が設けられ、更にその側方にフープ材9を送り込む上下一対のピンチローラ27が設けられている。この構成にてフープ材9はピンチローラ27の駆動によりその相互間に挟まれて矢印で示す方向に送られ、ホッパー26に案内されて切断部28に送り込まれる。
【0014】
上記構成のフープ材カッターは、フープ材9の切断に際して、まず左右調整ネジ回し部4を回転操作して対向配置されたフープ材カッター1a,1b相互の間隔を、フープ材9を切断しうる位置に調整する。この場合、必要に応じて前後調整ネジ回し部8を回転操作して前後方向の位置をフープ材9の切断位置に調整する。
【0015】
次に、フープ材カッター1a,1bそれぞれに配設されたモータ20を同期駆動させる。これによりラムが同時に上下動する。次にピンチローラ27を回転させ、フープ材9を挟み込んでホッパー26に送り込み、更に切断部23に送り込む。これによりフープ材9は、揺動しつつ上下動する動刃24と固定刃23との間で切断される。この時、フープ材9は図5に示す打ち抜き穴12aの両側端部10が、対向配置されたそれぞれのフープ材カッター1a,1bにて別々に切断される。
【0016】
以上により本発明のフープ材カッターは、従来のようにフープ材の全幅を切断する幅の刃物を使用した大型の装置ではなく、フープ材の両側端部のみを別々に切断する幅の狭い刃物を使用した小型のフープ材カッターを対向配置する構成にしたことによりフープ材カッターの製造コストを削減することが可能となった。特に本発明のフープ材カッターは幅の広いフープ材を切断する場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】フープ材カッターの全体を示す正面図である。
【図2】フープ材カッターの全体を示す側面図である。
【図3】フープ材カッターの作動部を示す正面図である。
【図4】フープ材カッターの作動部を示す断面図である。
【図5】フープ材の切断部を示す図である。
【符号の説明】
【0018】
1 フープ材カッター本体
2 スライドベース
3 雌ネジ
4 左右調整ネジ回し部
5 雄ネジ
6 固定ベース
7 ガイドブロック
8 前後調整ネジ回し部
9 フープ材
10 両側端部
11 メインフレーム
12 サブフレーム
13 スペーサ
14 ラム
15 カムシャフト
16 偏芯部
17,18,19 軸受け
20 モータ
21 ガイドピン
22 ガイド溝
23 固定刃
24 動刃
25 刃物押さえ
26 ホッパー
27 ピンチローラ
28 切断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のフープ材カッターを対向配置すると共に、その相互間を拡縮手段にて拡縮可能に構成して成り、前記一対のフープ材カッター相互間にフープ材を供給して該フープ材の打ち抜いた両側端部を前記一対のフープ材カッターそれぞれにて別々に切断することを特徴とするフープ材カッター。
【請求項2】
前記拡縮手段は、前記一対のフープ材カッターの相互間を、ネジ軸を介し連結すると共に、該ネジ軸の回転により前記一対のフープ材カッターを同時に移動してその相互間を拡縮することを特徴とする請求項1記載のフープ材カッター。
【請求項3】
前記一対のフープ材カッターそれぞれは、モータの同期駆動により回転するカム機構にてラムを揺動させつつ上下動し、ラム側に固定された動刃とフレーム側に固定された固定刃との間にてフープ材を切断する構成であることを特徴とする請求項1記載のフープ材カッター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−125666(P2007−125666A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321759(P2005−321759)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(592067041)
【Fターム(参考)】