説明

ブタインフルエンザヘマグルチニン変異体

インフルエンザヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ変異体を含むポリペプチド、ポリヌクレオチド、方法、組成物、およびワクチンを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下、2009年6月25日に出願された米国仮特許出願第61/220,426号;2009年7月23日に出願された同第61/227,986号;2009年8月14日に出願された同第61/234,021号;および2009年11月6日に出願された同第61/258,890号の恩典を主張する。これらの出願の各々は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
2009年4月のヒトにおけるブタ起源のA型インフルエンザ(H1N1)ウイルスの世界的な広がりは、ここ41年で初めてのインフルエンザパンデミックとなった。2009年6月15日の時点で35,000人を超える人々がこの新規のH1N1ウイルスに感染した。前世紀に、H1N1インフルエンザウイルスは、深刻な1918〜19年のパンデミックも引き起こした。さらに、ブタ由来のH1N1ウイルスは、1976年にパンデミック寸前にまで行った。1918年のインフルエンザウイルスは、1918年の春に軽い感染、そして、その年の秋には世界規模で致死的な高まりを生み、世界中で5000万人もの人々を死亡させた。2009年のブタ起源のH1N1インフルエンザウイルスは、2009年の初めには軽いとみなされたが、このウイルスが、2009年の秋までに突然変異し、より毒性が強くなる可能性が存在する。それゆえ、2009年のH1N1ウイルスによって引き起こされる深刻なパンデミックを予防するために有効なワクチンを開発する差し迫った必要性がある。
【0003】
生ワクチンと死菌ワクチンの両方のワクチン開発に有用な6:2再集合体インフルエンザウイルス(ブタ起源のA型インフルエンザ(H1N1)ウイルスのHAおよびNAセグメントと弱毒化インフルエンザウイルスの「バックボーン」セグメントとを有する)が単離されているが、これまでに単離されたほとんどの株は、卵の中で低い力価を示す。同じ単離株はMDCK細胞に感染しにくく、また、CPEに乏しい小さいプラークを形成する。さらに、ウイルスの濾過後に、ウイルス効力の深刻な喪失が観察される。したがって、当初単離されたH1N1再集合体インフルエンザウイルス株は、ワクチン株の開発には不十分な候補である。
【0004】
本発明は、多くの種類のワクチンの生成に、および研究、診断などに使用することができる新しいおよび/または新しく単離されたブタインフルエンザH1ヘマグルチニン変異体を提供する。本発明はさらに、H1インフルエンザウイルスの複製効率を改善する方法を提供する。以下を検討することにより、数々の他の利益が明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に記載されたように、H1N1ワクチンの開発において使用するのに好適な6:2再集合体インフルエンザ株は、リバースジェネティックスによって作製された。当初単離された、卵の中であまり増殖しない、野生型HAおよびNAゲノムセグメントを含む再集合体ウイルスは、卵の中でのその増殖が大きく改善されるように修飾された。修飾された再集合体ウイルスの配列解析から、H1ブタヘマグルチニンの位置119、153、154および186におけるアミノ酸変化が、卵およびMDCK細胞における増殖優位性に関与することが示された。ブタ1976年型ウイルスの複製を増大させることが以前に示されたHA残基155におけるアミノ酸置換も、卵の中での再集合体A/CA/7/09ウイルス複製を増大させることが分かった。HA残基119および186におけるアミノ酸変化を有するウイルスは、ウイルスの抗原性をそれほど変化させずに卵での増殖を増大させた。本明細書に記載のH1 HA変異体は、PR8またはA/アナーバー/6/60ウイルス株の6つの内部ゲノムセグメントを含む6:2再集合体ウイルスに増大した増殖表現型を付与した。さらに、ca A/アナーバー/6/60バックボーンとHA残基119または186におけるアミノ酸置換を有するH1 HA変異体とを含む変異体ウイルスは、弱毒化されており、かつフェレットにおいて極めて免疫原性であった。これらのデータは、HA残基119および/または186におけるアミノ酸置換を含む再集合体インフルエンザウイルス変異体がヒトで使用されるH1N1ブタインフルエンザワクチンの開発に好適であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】MDCK細胞から選択された変異体および導入されたアミノ酸変化を含む示された変異体のプラーク形態(A)。33℃で4日間インキュベートし、A型インフルエンザウイルスに対するポリクローナル抗血清で免疫染色したMDCK細胞でプラークアッセイを行なった。パネルBでは、二重突然変異体V5−119E/186Dのプラーク形態が、単一の119Eおよび186D突然変異体と比較されている。
【図1B】MDCK細胞から選択された変異体および導入されたアミノ酸変化を含む示された変異体のプラーク形態(A)。33℃で4日間インキュベートし、A型インフルエンザウイルスに対するポリクローナル抗血清で免疫染色したMDCK細胞でプラークアッセイを行なった。パネルBでは、二重突然変異体V5−119E/186Dのプラーク形態が、単一の119Eおよび186D突然変異体と比較されている。
【図2】A/カリフォルニア/7/09、A/ブタ/アイオワ/1/1976(ヌクレオチド配列アクセッションコードCY022069)、A/ブタ/1931(ヌクレオチド配列アクセッションコードCY009628)、およびA/サウスダコタ/6/07のHA1タンパク質配列の比較。位置119、153、154、155、186および278のアミノ酸が強調されている。
【図3A】孵化卵から精製されたウイルス調製物のタンパク質組成。
【図3B】孵化卵から精製されたウイルス調製物のタンパク質組成。
【図4】孵化卵から精製されたウイルス調製物のタンパク質組成。
【図5A】(A)48時間および(B)60時間で孵化卵から回収された精製ウイルス調製物のタンパク質組成。
【図5B】(A)48時間および(B)60時間で孵化卵から回収された精製ウイルス調製物のタンパク質組成。
【図6】孵化卵中で2種の再集合体H1N1ウイルスによって生成されたHA1タンパク質の量的比較。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、インフルエンザヘマグルチニンのポリペプチド配列およびポリヌクレオチド配列ならびにそのような配列を含むベクター、ウイルス、ワクチン、組成物などならびにそれらの使用法を含む。本発明のさらなる特徴は、本明細書でより詳細に記載されている。
【0008】
いくつかの態様では、本発明は、単離されたヘマグルチニンポリペプチドまたは組換えヘマグルチニンポリペプチドを提供する。一実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、H1 HAポリペプチドである。別の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、ブタインフルエンザHAポリペプチドであり得る。
【0009】
一実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する位置または配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する位置に非天然のアミノ酸を含み得る。別の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する位置および配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する位置に非天然のアミノ酸を含み得る。さらなる実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む。
【0010】
特定の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含む。別の特定の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるグルタミン酸(E)と、配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)とを含み得る。さらなる特定の実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン(N)と、配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)とを含み得る。
【0011】
さらなる実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、H273Y置換をさらに含み得る。
【0012】
さらなる実施形態では、本発明の単離されたHAポリペプチドまたは組換えHAポリペプチドは、D222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含み得る。
【0013】
特定の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは配列番号6または8のアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含む。
【0014】
特定の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態では、本発明のHAポリペプチドは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含む。
【0015】
本発明はまた、本発明のポリペプチドをコードする核酸と、そのような本発明のポリペプチドおよび/または核酸を含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスとを包含する。
【0016】
特定の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7のヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7のヌクレオチド配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。さらなる実施形態では、本発明の核酸は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のヌクレオチド置換、欠失または挿入を含む配列番号7のヌクレオチド配列を含む。
【0017】
特定の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7の残基84〜1064のヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、本発明の核酸は、配列番号7の84〜1064のヌクレオチド配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む。さらなる実施形態では、本発明の核酸は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のヌクレオチド置換、欠失または挿入を含む配列番号7の84〜1064のヌクレオチド配列を含む。
【0018】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、第1の配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0019】
別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0020】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、第1の配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0021】
別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第1のゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0022】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号7のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号7の残基84〜1064のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。さらなる実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号7のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。別の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34由来の6つの内部ゲノムセグメントと、配列番号7の残基84〜1064のヌクレオチド配列を含む第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、第2のゲノムセグメントは、配列番号5のヌクレオチド配列を含む。特定の実施形態では、ノイラミニダーゼポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。特定の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0023】
他の態様では、本発明は、上で列挙された1以上のポリペプチド、またはその断片を含む滅菌組成物を含む。本発明はまた、免疫学的有効量の1以上の上記のポリペプチドを含む免疫原性組成物、および個体の免疫系を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答を生じさせるための方法であって、個体に免疫学的有効量の1以上の上記のポリペプチドを投与することを含む方法を包含する。特定の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。
【0024】
一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、1種の再集合体インフルエンザウイルスを含む一価の免疫原性組成物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3種の再集合体インフルエンザウイルスを含む三価の免疫原性組成物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、2種の再集合体A型インフルエンザウイルスと1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む三価の免疫原性組成物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、1種のタイプH1の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む三価の免疫原性組成物である。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、4種の再集合体インフルエンザウイルスを含む四価の免疫原性組成物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、2種の再集合体A型インフルエンザウイルスと2種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価の免疫原性組成物である。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、1種のタイプH1の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルスと、ビクトリア系統の1種の再集合体B型インフルエンザウイルスと、山形系統の1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価の免疫原性組成物である。特定の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。さらなる実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。特定の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。別の実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。さらなる実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む。
【0025】
さらに、本発明は、1以上の上記のポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルスを包含する。さらに、本発明は、免疫学的有効量のそのような再集合体インフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物を包含する。個体の免疫系を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答を生じさせるための方法であって、生理学的に許容される担体中の免疫学的有効量のそのような再集合体インフルエンザウイルスを投与することを含む方法もまた、本発明の一部である。一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスは、1以上のドナーウイルス(例えば、A/AA/6/60またはより一般的にPR8として知られるA/プエルトリコ/8/34)由来の6つの内部ゲノムセグメントを含み、かつさらに2つのゲノムセグメント(通常および好ましくはHAもしくはNAまたはそれらの断片をコードする)を含む6:2再集合体ウイルスである。そのような再集合体(組換え)ウイルスを含む免疫原性組成物もまた、本発明の特徴である。
【0026】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントとHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。HAポリペプチドは、少なくとも1つの置換、欠失または挿入を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、H273Y置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、D222Gおよび/またはQ223R置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントと、D222G、K119EおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223RおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223R、H273YおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントと、HA配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。
【0027】
一実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントとHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。HAポリペプチドは、少なくとも1つの置換、欠失または挿入を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、D222Gおよび/またはQ223R置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。HAポリペプチドは、H273Y置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含み得る。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと、D222G、K119EおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含み得る。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223RおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含み得る。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと、Q223R、H273YおよびA186D置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む。特定の実施形態では、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、A/プエルトリコ/8/34(PR8)の6つの内部ゲノムセグメントと、HA配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードするゲノムセグメントとを含む。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。特定の実施形態では、HAゲノムセグメントは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドをコードし得る。
【0028】
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む再集合体インフルエンザウイルスもまた本発明の範囲内である。一実施形態では、そのような再集合体ウイルスは、1以上のドナーウイルス(例えば、A/AA/6/60またはA/プエルトリコ/8/34)由来の6つの内部ゲノムセグメントと、本発明のヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む6:2再集合体ウイルスである。免疫学的有効量のそのような再集合体/組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物もまた、本発明の範囲内である。
【0029】
本発明の再集合体ウイルスまたは組換えウイルスは、組織培養物または孵化卵中で高い複製率を示す。一実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10log10PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。別の実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスは、組織培養物中で少なくとも約7.5 log10 PFU/ml、少なくとも約8 log10 PFU/ml、少なくとも約8.5 log10 PFU/ml、少なくとも約9 log10 PFU/ml、少なくとも約9.5 log10 PFU/ml、少なくとも約10 log10 PFU/ml、少なくとも約10.5 log10 PFU/mlまたは少なくとも約11 log10 PFU/mlという力価まで増殖する。
【0030】
本発明のポリヌクレオチドを有する宿主細胞を培養することによって再集合体/組換えインフルエンザウイルスを生成する方法も想定されている。
【0031】
本明細書における他の実施形態では、本発明は、免疫学的有効量の1以上の上記の本発明の再集合体インフルエンザウイルスを有する免疫原性組成物を含む。一実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、本発明の生ウイルスを含む。他の実施形態は、個体の免疫系を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答を生じさせるための方法であって、(任意で生理学的に有効な担体中の)免疫学的有効量の1以上の上記の再集合体インフルエンザウイルスを個体に投与することを含む方法を含む。
【0032】
本発明はまた、本発明の組換えインフルエンザウイルスまたは再集合体インフルエンザウイルスを含むワクチンを包含する。一実施形態では、本発明のワクチンは、スプリットワクチンまたは死菌ワクチンである。別の実施形態では、本発明のワクチンは、弱毒化生インフルエンザウイルスワクチンである。さらなる実施形態では、本発明のワクチンは、一価、二価、三価または四価のワクチンであり得る。
【0033】
インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法もまた本発明に含まれる。一実施形態では、本発明のワクチンは、一価、二価、三価または四価のワクチンであり得る。
【0034】
本発明はまた、例えば、孵化鶏卵および/または細胞培養物中でインフルエンザウイルスの複製能を増大させるための方法および組成物に関する。本発明は、増大した複製能力と関連する特定のH1タンパク質アミノ酸の同定に一部基づいている。これらの特定のアミノ酸のうちの1つまたは複数を含むH1 HAタンパク質をコードするH1 HA遺伝子を使用することによって、改善されたインフルエンザウイルス収量を達成することができる。一実施形態では、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力を増大させるための方法であって、配列番号1の位置119または186のアミノ酸残基に対応する位置でヘマグルチニンポリペプチドのアミノ酸残基を改変し、それにより、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力を増大させることを含む方法が提供される。本方法によって生成される組換えインフルエンザウイルスも提供される。
【0035】
本発明はまた、例えば、孵化鶏卵および/または細胞培養物中で、H1N1再集合体インフルエンザウイルスの複製能力を増大させるための方法および組成物に関する。一実施形態では、H1N1再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力を増大させるための方法であって、配列番号1の位置119または186のアミノ酸残基に対応する位置でヘマグルチニンポリペプチドのアミノ酸残基を改変し、それにより、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力を増大させることを含む方法が提供される。本方法によって生成される組換えインフルエンザウイルスも提供される。
【0036】
一実施形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含む、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍増加している。別の実施形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含む、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの複製能力は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜10倍、2倍〜20倍、2倍〜40倍、2倍〜100倍、5倍〜10倍、5倍〜20倍、5倍〜40倍、または5倍〜100倍増加している。
【0037】
一実施形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含む、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの孵化卵におけるピーク力価は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも6倍、少なくとも8倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍増加している。別の実施形態では、非天然のアミノ酸を有する本発明のヘマグルチニンポリペプチドを含む、本発明の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスの孵化卵におけるピーク力価は、同じ位置で非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜10倍、2倍〜20倍、2倍〜40倍、2倍〜100倍、5倍〜10倍、5倍〜20倍、5倍〜40倍、または5倍〜100倍増加している。
【0038】
特定の実施形態では、H1N1ウイルスのHAポリペプチドを含み、このポリペプチドがK119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択されるアミノ酸を含む、組換えインフルエンザウイルスが提供される。特定の実施形態では、H1N1ウイルスのHAポリペプチドを含み、このポリペプチドが、K119XおよびA186Xからなる群から選択されるアミノ酸を含み、ここで、Xは、該H1N1ウイルスにおいて天然には生じない任意のアミノ酸である、組換えインフルエンザウイルスが提供される。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、弱毒化ウイルスの(または弱毒化ウイルスに由来する)少なくとも5つまたは6つのセグメントを含む6:2再集合体ウイルスである。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、アナーバー/6/60(A/Ann Arbor/6/60)、A/プエルトリコ/8/34(A/Puerto Rico/8/34)、A/レニングラード/134/17/57(A/Leningrad/134/17/57)、およびA/レニングラード/17(A/Leningrad/17)からなる群から選択される弱毒化ウイルスの(または弱毒化ウイルスに由来する)少なくとも5つまたは6つのセグメントを含む6:2再集合体ウイルスである。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。
【0039】
特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、本発明のHAポリペプチドを含む6:2再集合体または7:1再集合体ウイルスである。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、本発明のHAポリペプチドと、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される弱毒化ウイルスの(または弱毒化ウイルスに由来する)少なくとも5つまたは6つのセグメントとを含む6:2再集合体または7:1再集合体ウイルスである。一実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、(例えば、位置119、186における)1個、2個、または3個の置換を有するA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09の(またはA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09に由来する)HAポリペプチドを含む。一実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、アミノ酸位置119のグルタミン酸またはアスパラギンと位置186のアスパラギン酸とを有するA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09の(またはA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09に由来する)HAポリペプチドを含む。一実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、アミノ酸位置119および位置186にアミノ酸置換を有するA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09の(またはA/CA/04/09もしくはA/CA/07/09に由来する)HAポリペプチドを含む。一実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、アミノ酸位置119および位置186にアミノ酸置換を有するH1N1ブタインフルエンザウイルスの(またはH1N1ブタインフルエンザウイルスに由来する)HAポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。特定の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。別の実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。さらなる実施形態では、本発明の組換えインフルエンザウイルスは、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6または8の残基1〜327のアミノ酸配列を含むHAポリペプチドを含む。
【0040】
当業者であれば、アミノ酸の正確な位置は、本発明のベクター、方法、およびウイルスにおいて使用される特定のインフルエンザ株によって様々に異なり得ることを認識するであろう。例えば、特定のインフルエンザ株のHAタンパク質は、配列番号1の位置119に対応する位置が、例えば、その特定のインフルエンザ株のHAタンパク質の残基93または97で見出されるように、HAタンパク質をコードするHA遺伝子に挿入または欠失を含み得る。特に、表3に示すように、A/CA/07/09 HAポリペプチド(配列番号1)の位置119および186は、それぞれ、A/サウスダコタ/6/07 H1 HAポリペプチドの位置118および185に対応する。当業者であれば、当技術分野に従来からある手法を用いて、特定のアミノ酸位置が、改変されたときに複製能力の増大と関連する位置に対応するかどうかをすぐに認識することができるであろう。1つのそのような手法は、当技術分野で利用可能なアルゴリズムを用いて、配列番号1のアミノ酸配列と特定のインフルエンザ株HAポリペプチドとを整列させることである。
【0041】
本発明のこれらのおよび他の目的および特徴は、以下の詳細な説明を添付の図面および特許請求の範囲と併せて読んだときにより完全に明白になるであろう。
【0042】
定義
特に断りのない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。以下の定義は、当技術分野におけるそれらの意味を補足し、本出願に対するものであって、必ずしも関連する事例または無関係の事例(例えば、一般に所有される特許または特許出願)にまで及ぶべきものではない。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を、本発明の試験の実施において使用することができるが、好ましい材料および方法が本明細書に記載されている。したがって、本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、限定することを意図するものではない。さらなる用語が、全体を通じて定義および記載されている。
【0043】
2つの核酸またはポリペプチド(例えば、HAもしくはNA分子をコードするDNA、またはHAもしくはNA分子のアミノ酸配列)に関する「実質的に同一」という語句は、配列比較アルゴリズムを用いるかまたは目視検査によって測定される、最大一致を求めて比較し、整列させたときに少なくとも約90%、好ましくは91%、最も好ましくは92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれより大きいヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有する3以上の配列またはサブ配列を指す。
【0044】
ポリペプチドに関する「変異体」という用語は、参照配列に対して1以上のアミノ酸によって改変されているアミノ酸配列を指す。変異体は、「保存的」な変化を有することがあり、その場合、置換されるアミノ酸は構造的または化学的に同様の特性を有する(例えば、ロイシンとイソロイシンとの置換)。あるいは、変異体は、「非保存的」な変化、例えば、グリシンとトリプトファンとの置換を有することもある。同様の小さい変異には、アミノ酸の欠失もしくは挿入、またはその両方も含まれることがある。生物学的または免疫学的な活性を消失させずに、どのアミノ酸残基を置換、挿入、または欠失できるかを決定する上での指針を、当技術分野で周知のコンピュータプログラム(例えば、DNASTARソフトウェア)を用いて見出すことができる。保存的な置換の例も、本明細書に記載されている。
【0045】
本発明の「ノイラミニダーゼ」ポリペプチドは、インフルエンザウイルス由来の1以上の既知のノイラミニダーゼ分子との免疫学的交差反応性を示す。文献には、そのような既知のノイラミニダーゼの実例が多数存在する(例えば、GenBank、CDCからの刊行物など)。同様に、本発明の「ヘマグルチニン」ポリペプチドは、インフルエンザウイルス由来の1以上の既知のヘマグルチニン分子との免疫学的交差反応性を示し得る。これについても、文献にそのような既知のヘマグルチニン分子の実例が多数存在する。
【0046】
遺伝子には、例えば、他のタンパク質の認識配列を形成する非発現核酸セグメントも含まれる。非発現調節配列には、転写因子などの調節タンパク質が結合して、隣接配列または近接配列の転写をもたらす「プロモーター」および「エンハンサー」が含まれる。「組織特異的」プロモーターまたはエンハンサーは、特定の組織型または細胞型(単数または複数)において転写を調節するプロモーターまたはエンハンサーである。
【0047】
「遺伝子の発現」または「核酸の発現」は通常、文脈が示すものに応じて、DNAのRNAへの転写(場合によっては、RNAの修飾(例えば、スプライシング)を含む)もしくはRNAのmRNAへの転写、RNAのポリペプチドへの翻訳(場合によっては、その後のポリペプチドの修飾、例えば、翻訳後修飾を含む)、または転写と翻訳の両方を意味する。
【0048】
「オープンリーディングフレーム」または「ORF」は、DNAまたはRNA(例えば、遺伝子)を翻訳することが可能である読み枠であり、ポリペプチドへの翻訳が可能である。すなわち、このリーディングフレームは、終止コドンによって中断されない。しかしながら、ポリヌクレオチドが実際にポリペプチドに翻訳されることを、ORFという用語が必ずしも示すわけではないことに留意すべきである。
【0049】
「ベクター」という用語は、生物、細胞、または細胞構成要素の間で核酸を伝播および/または転移することができる手段を指す。ベクターとして、自律的に複製するかまたは宿主細胞の染色体に組み込むことができる、プラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、プロウイルス、ファージミド、トランスポゾン、人工染色体などが挙げられる。ベクターは、自律的に複製しない裸のRNAポリヌクレオチド、裸のDNAポリヌクレオチド、同一鎖中にあるDNAとRNAの両方から構成されているポリヌクレオチド、ポリリジンコンジュゲートされたDNAまたはRNA、ペプチドコンジュゲートされたDNAまたはRNA、リポソームコンジュゲートされたDNAなどであることもできる。全てではないが、多くの一般的な実施形態において、本発明のベクターは、プラスミドである。
【0050】
「発現ベクター」は、その中に組み込まれている核酸の発現および複製を促進することができるベクター(例えば、プラスミド)である。通常、発現される核酸は、プロモーターおよび/またはエンハンサーに「機能的に連結」されており、かつプロモーターおよび/またはエンハンサーによる転写調節制御を受ける。
【0051】
「二方向性発現ベクター」は、両方向に発現が開始され、例えば、プラス(+)またはセンス鎖RNA、およびマイナス(−)またはアンチセンス鎖RNAの転写を生じることできるように、2つのオルタナティブなプロモーターがこれら2つのプロモーター間に配置されている核酸に関して反対向きに配置されていることを特徴とする。
【0052】
本発明との関連において、「単離された」という用語は、その天然に生じる環境下で、通常はそれに付随するかまたはそれと相互作用する構成要素を実質的に含まない生体物質(例えば、ウイルス、核酸またはタンパク質)を指す。単離された生体物質は、場合により、その天然の環境(例えば、細胞または野生型ウイルス)ではこの物質とともに見出されないさらなる物質を含む。例えば、この物質がその天然の環境(例えば、細胞)にある場合、この物質はその環境で見出されるそのような物質が存在しない細胞内の位置(ゲノムまたは遺伝子エレメントなど)に配置されている可能性がある。例えば、天然に生じる核酸(例えば、コード配列、プロモーター、エンハンサーなど)が、天然には生じない手段で、その核酸が存在しないゲノムの座(例えば、プラスミドベクターもしくはウイルスベクターなどのベクター、またはアンプリコン)に導入されている場合、それは、単離されたことになる。そのような核酸は、「異種」核酸とも呼ばれる。単離されたウイルスは、例えば、野生型ウイルスの生息環境(例えば、感染した個体の鼻咽頭)以外の環境(例えば、細胞培養系、または細胞培養物から純化された環境)にある。
【0053】
ウイルスに言及する場合の「キメラの」または「キメラ」という用語は、ウイルスが、2以上の親ウイルス株または供給源に由来する遺伝子および/またはポリペプチド構成要素を含むことを示す。同様に、ウイルスタンパク質に言及する場合の「キメラの」または「キメラ」という用語は、ウイルスが、2以上の親ウイルス株または供給源に由来するポリペプチド構成要素(すなわち、アミノ酸サブ配列)を含むことを示す。本明細書で明白となるように、そのようなキメラウイルスは、通常、再集合体/組換えウイルスである。したがって、いくつかの実施形態では、キメラは、例えば、B型インフルエンザウイルス(例えば、B/AA/1/66など)から構成されるか、もしくはB型インフルエンザウイルスから構築される/B型インフルエンザウイルスに由来するバックボーンに置かれているA型インフルエンザウイルス由来の(例えば、HAおよび/もしくはNAの)配列、または例えば、A/AA/6/60などのようなA型インフルエンザウイルスバックボーン(すなわち、ドナーウイルス)に置かれているB型インフルエンザウイルス配列を任意で含むことができる。
【0054】
「組換え(体)」という用語は、物質(例えば、核酸またはタンパク質)がヒトによる介入によって人工的にまたは合成的に(非天然に)改変されていることを示す。改変は、その天然の環境もしくは状態にある物質、またはそのような環境もしくは状態から取り出した物質に対して行なうことができる。特に、例えば、組換え核酸の発現によって生成される場合、そのインフルエンザウイルスは組換え体である。例えば、「組換え核酸」は、例えば、クローニング、DNAシャッフリングもしくは他の処置の間に核酸を組み換えることによって、または化学的もしくは他の突然変異導入によって作製される核酸であり、「組換えポリペプチド」または「組換えタンパク質」は、組換え核酸の発現によって生成されるポリペプチドまたはタンパク質であり、また、「組換えウイルス」(例えば、組換えインフルエンザウイルス)は、組換え核酸の発現によって生成される。
【0055】
ウイルス(本明細書では、通常、インフルエンザウイルス)に言及する場合の「再集合体」という用語は、1以上の親ウイルス株または供給源に由来する遺伝子および/またはポリペプチド構成要素を含むウイルスを示す。例えば、7:1再集合体は、第1の親ウイルス由来の7つのウイルスゲノムセグメント(または遺伝子セグメント)と、例えば、本明細書に記載のヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼをコードする、単一の相補的なウイルスゲノムセグメントとを含む。6:2再集合体は、6つのゲノムセグメント(最も一般的には、第1の親ウイルス由来の6つの内部ゲノムセグメント)と、1以上の異なる親ウイルス由来の2つの相補的なセグメント(例えば、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼゲノムセグメント)とを含む。再集合体ウイルスは、本明細書中の文脈によって、「キメラ」および/または「組換え」と呼ばれることもある。
【0056】
異種核酸または単離された核酸に言及する場合の「導入された」という用語は、真核細胞または原核細胞への核酸の組込みを指し、その場合、核酸は、細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、プラスチドもしくはミトコンドリアDNA)に組み込まれるか、自律性レプリコンに変換されるか、または一過的に発現される(例えば、トランスフェクトされたmRNA)可能性がある。この用語は、「感染」、「トランスフェクション」、「形質転換」および「形質導入」のような方法を含む。本発明との関連において、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、脂質媒介性トランスフェクション(リポフェクションなどをはじめとする、種々の方法を用いて、核酸を細胞に導入することができる。
【0057】
「宿主細胞」という用語は、ベクターまたはウイルスなどの異種核酸を含有し、その核酸の複製および/または発現を支持する細胞を意味する。宿主細胞は大腸菌(E.coli)などの原核細胞または酵母細胞、昆虫細胞、両生類細胞、鳥類細胞またはヒト細胞を含む哺乳動物細胞などの真核細胞であることができる。例示的な宿主細胞としては、例えば、Vero(アフリカミドリザル腎臓)細胞、BHK(ベビーハムスター腎臓)細胞、ニワトリ腎臓初代(PCK)細胞、Madin−Darbyイヌ腎臓(MDCK)細胞、Madin−Darbyウシ腎臓(MDBK)細胞、293細胞(例えば、293T細胞)、およびCOS細胞(例えば、COS1細胞、COS7細胞)などが挙げられる。他の実施形態では、場合により、宿主細胞として、卵(例えば、鶏卵、孵化鶏卵など)を挙げることができる。
【0058】
インフルエンザウイルスの「免疫学的有効量」とは、後に起こるインフルエンザウイルスへの曝露に対する個体(例えば、ヒト)自体の免疫応答を増強するのに十分な量のことである。誘発された免疫レベルは、プラーク中和アッセイ、補体結合アッセイ、酵素連結免疫吸着アッセイ、または微量中和アッセイによって、分泌抗体および/または血清抗体を中和する量を測定することにより、モニタリングすることができる。
【0059】
インフルエンザウイルスに対する「防御免疫応答」は、個体(例えば、ヒト)が示す免疫応答を指し、この免疫応答は、個体が後に野生型インフルエンザウイルスに曝露され、かつ/またはそれに感染した場合、疾患から防御するものである。いくつかの例において、野生型(例えば、自然に蔓延している)インフルエンザウイルスはそれでも感染を引き起こすことができるが、深刻なまたは生命を脅かす感染を引き起こすことはできない。通常、防御免疫応答は、同じ株および/またはサブグループ(そしておそらくは、異なる、非ワクチン株および/またはサブグループ)のウイルスを、インビトロおよびインビボで中和することができる検出可能なレベルの血清抗体および分泌抗体を宿主で生じさせる。
【0060】
本明細書で使用する場合、「抗体」は、実質的にまたは部分的に、免疫グロブリン遺伝子または免疫グロブリン遺伝子の断片によってコードされる1以上のポリペプチドを含むタンパク質である。認識されている免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμの定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリンの可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖は、κまたはλのいずれかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δ、またはεとして分類され、これらは、免疫グロブリンのクラスであるIgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEをそれぞれ規定する。典型的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、2つの同一ポリペプチド鎖対から構成され、各対は、1つの「軽」鎖(約25kD)と1つの「重」鎖(約50〜70kD)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100〜110個またはそれより多くのアミノ酸の可変領域を規定する。可変軽鎖(VL)および可変重鎖(VH)という用語は、それぞれ、これらの軽鎖および重鎖を指す。抗体は、インタクトの免疫グロブリンとしてまたは様々なペプチダーゼで消化されて生成されたいくつかの十分に特徴付けされた断片として存在する。したがって、例えば、ペプシンは、ヒンジ領域のジスルフィド結合より下で抗体を消化し、F(ab)’2を生成させる。F(ab)’2はFabの二量体であり、それ自体は、ジスルフィド結合によってVH−CH1に結合した軽鎖である。F(ab)’2を、穏やかな条件の下で還元して、ヒンジ領域のジスルフィド結合を破壊し、それにより(Fab’)2二量体をFab’単量体に変換し得る。Fab’単量体は、本質的には、ヒンジ領域の一部を含むFabである(他の抗体断片についてのより詳細な説明については、Fundamental Immunology,W.E.Paul編,Raven Press,N.Y.(1999)を参照されたい)。様々な抗体断片は、インタクトの抗体の消化に関して規定されるが、当業者であれば、そのようなFab’断片が、化学的にまたは組換えDNAの手法を用いて、デノボで合成され得ることを理解するであろう。したがって、本明細書で使用する場合、抗体という用語は、全抗体の修飾によって生成されるかまたは組換えDNAの手法を用いてデノボで合成されるかのいずれかの抗体または断片を含む。抗体としては、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、多重鎖抗体または単鎖抗体(可変重鎖と可変軽鎖が(直接的にまたはペプチドリンカーを介して)1つに結合して、連続したポリペプチドを形成する単鎖Fv(sFvまたはscFv)抗体を含む)、ならびにヒト化抗体またはキメラ抗体が挙げられる。
【0061】
インフルエンザウイルス
本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、インフルエンザのHAおよび/またはNA配列の変異体である。例えば、下記の図1および図2の配列表を参照されたい。一般に、インフルエンザウイルスは、セグメント化された一本鎖RNAゲノムを含有する内部リボ核タンパク質コアとマトリックスタンパク質で裏打ちされた外側のリポタンパク質エンベロープとで構成されている。インフルエンザウイルスのゲノムは、免疫原性のヘマグルチニン(HA)タンパク質およびノイラミニダーゼ(NA)タンパク質、ならびに6つの内部コアポリペプチド(ヌクレオカプシド核タンパク質(NP)、マトリックスタンパク質(M)、非構造タンパク質(NS)および3つのRNAポリメラーゼ(PA、PB1、PB2)タンパク質)をコードする、線状の(−)鎖リボ核酸(RNA)の8つのセグメントから構成される。複製の間に、ゲノムウイルスRNAは、宿主細胞の核内で(+)鎖メッセンジャーRNAと(−)鎖ゲノムcRNAに転写される。8つのゲノムセグメントの各々は、RNAの他に、NPとポリメラーゼ複合体(PB1、PB2、およびPA)とを含むリボ核タンパク質複合体へとパッケージングされる。ヘマグルチニン分子は表面糖タンパク質からなり、宿主細胞表面受容体上のN−アセチルノイラミン酸(NeuNAc)(別名、シアル酸)に結合するよう作用する。本明細書におけるいくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド(および本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド)は、インビトロまたはインビボを問わず、NeuNAcに結合するよう作用することができる。そのような作用は、いくつかの実施形態では、ヘマグルチニン活性を保持するヘマグルチニンの断片によってなされることもできる。ヘマグルチニンは、HA1およびHA2という2つのサブユニットでできており、構造全体は、約550アミノ酸長で、約220kDである。ノイラミニダーゼ分子は、インフルエンザウイルスの細胞表面受容体から末端シアル酸残基を切断し、それによって、感染細胞からビリオンを放出させる。ノイラミニダーゼは、新たに作られたヘマグルチニン分子およびノイラミニダーゼ分子からもシアル酸を取り除く。本明細書におけるいくつかの実施形態では、本発明のポリペプチド(および本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド)は、インビトロまたはインビボを問わず、シアル酸残基を切除するよう作用することができる。この作用は、いくつかの実施形態では、ノイラミニダーゼ活性を保持するノイラミニダーゼの断片によってなされることもできる。本発明のノイラミニダーゼポリペプチドは、インフルエンザウイルス由来の1以上の既知のノイラミニダーゼ分子との免疫学的交差反応性を示す。文献には、そのような既知のノイラミニダーゼの実例が多数存在する(例えば、GenBank、CDCからの刊行物など)。同様に、本発明のヘマグルチニンポリペプチドは、インフルエンザウイルス由来の1以上の既知のヘマグルチニン分子との免疫学的交差反応性を示す。これについても、文献にそのような既知のヘマグルチニン分子の実例が多数存在する。
【0062】
インフルエンザは一般的に、A型インフルエンザおよびB型インフルエンザのカテゴリー、ならびに通常あまり重要でないC型のカテゴリーに分類される。A型インフルエンザウイルスとB型インフルエンザウイルスは各々、負の極性を有する8つの一本鎖RNAのセグメントを含有する。A型インフルエンザゲノムは、11個のポリペプチドをコードする。セグメント1〜3は、RNA依存性RNAポリメラーゼを構成する3つのポリペプチドをコードする。セグメント1は、ポリメラーゼ複合体タンパク質PB2をコードする。残りのポリメラーゼタンパク質PB1およびPAは、それぞれ、セグメント2およびセグメント3によってコードされる。さらに、いくつかのインフルエンザ株のセグメント1は、PB1コード領域内の別のリーディングフレームによって生成される小タンパク質PB1−F2をコードする。セグメント4は、感染の間の細胞への接着および侵入に関与するヘマグルチニン(HA)表面糖タンパク質をコードする。セグメント5は、ウイルスRNAと関連する主要な構造成分であるヌクレオカプシド核タンパク質(NP)ポリペプチドをコードする。セグメント6は、ノイラミニダーゼ(NA)エンベロープ糖タンパク質をコードする。セグメント7は、異なるようにスプライシングされたmRNAから翻訳される、M1およびM2と命名された2つのマトリックスタンパク質をコードする。セグメント8は、選択的にスプライシングされたmRNA変異体から翻訳される2つの非構造タンパク質である、NS1およびNS2をコードする。B型インフルエンザの8つのゲノムセグメントは11個のタンパク質をコードする。最も大きな3つの遺伝子は、RNAポリメラーゼの構成要素であるPB1、PB2およびPAをコードする。セグメント4は、HAタンパク質をコードする。セグメント5は、NPをコードする。セグメント6は、NAタンパク質とNBタンパク質をコードする。NBとNAの両タンパク質は、バイシストロニックなmRNAの重複するリーディングフレームから翻訳される。B型インフルエンザのセグメント7もまた、2つのタンパク質(M1およびBM2)をコードする。最も小さいセグメントは、2つの産物をコードし、NS1は、全長RNAから翻訳され、一方、NS2は、スプライシングされたmRNA変異体から翻訳される。
【0063】
A型インフルエンザとB型インフルエンザは、通常、ヒト集団におけるインフルエンザ発生と関連する。しかしながら、A型インフルエンザは、他の種(例えば、トリ、ブタ、および他の動物)にも感染する。A型ウイルスは、そのヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼの表面糖タンパク質抗原における違いに基づいてサブタイプに分類される。A型ウイルスのヘマグルチニンには16の既知のサブタイプがあり、ノイラミニダーゼには、9つの既知のサブタイプがある。ヒトでは、現在、およそ4つの異なるヘマグルチニンサブタイプと2つの異なるノイラミニダーゼサブタイプ(例えば、H1、H2、H3、H5、N1、およびN2)しか知られていない。特に、A型インフルエンザの2つの主要なサブタイプ(すなわち、H1N1およびH3N2)はヒトで活性がある。しかしながら、最近では、H1N2が懸念されている。B型インフルエンザウイルスは、そのヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼタンパク質に基づいてサブタイプに分類されない。
【0064】
異なるインフルエンザ株を、例えば、インフルエンザが赤血球(red blood cell)(RBCまたは赤血球(erythrocyte))を凝集させる能力に基づいて分類することができる。特定のインフルエンザ株に特異的な抗体はウイルスに結合することができ、そのため、そのような凝集を防ぐことができる。そのような阻害に基づいて株の種類を決定するアッセイは、通常、ヘマグルチニン阻害アッセイ(HIアッセイまたはHAIアッセイ)として知られており、インフルエンザ株を特徴付けるための、当技術分野において標準的でかつ周知の方法である。当然、当業者であれば、それを用いてインフルエンザ株を特徴付ける他のアッセイ(例えば、ELISA、間接蛍光抗体アッセイ、免疫組織化学、ウェスタンブロットアッセイなど)に精通しているであろうし、HIアッセイの本明細書における使用および考察は、必ずしも限定的なものであると解釈されるべきではない。
【0065】
簡潔に述べると、典型的なHIアッセイでは、フェレットで生成されることが多い、タイピングまたは分類に使用される血清を、様々な希釈(例えば、2倍など)で赤血球サンプルに添加する。その後、赤血球が1つの塊になる(すなわち、凝集する)かまたは懸濁される(すなわち、凝集しない)かを光学的に測定する。細胞が塊にならないならば、そのインフルエンザに特異的な血清中の抗体による阻害のために、凝集が起こらなったのである。したがって、インフルエンザのタイプは、同じ株に含まれるものであると定義される。いくつかの例では、ある株は、他の株の「様」である(例えば、株xは、「y様」株である、など)と記載される。例えば、2つのサンプルが、HIアッセイで測定したときに互いに4倍の力価の範囲内である場合、それらは同じ株に属する(例えば、両方とも「ニューカレドニア」株に属するまたは両方とも「モスクワ様」株に属する、など)と記載することができる。言い換えれば、これらの株は、通常、それらの免疫原性または抗原性プロファイルに基づいて分類される。HAI力価は、通常、血球凝集を完全に阻害する血清の最大希釈として定義される。例えば、Schild,et al.,Bull.Wld Hlth Org.,1973,48:269−278などを参照されたい。この場合もやはり、当業者であれば、インフルエンザの株へのカテゴリー化および分類ならびにそれを行なう方法によく精通しているであろう。
【0066】
上記のことから、本発明は、本明細書に列挙された特定の配列だけでなく、様々なベクター(例えば、プラスミドの再集合およびレスキューに使用されるベクター、下記参照)内の配列ならびに本明細書に列挙された配列と同じ株に含まれるヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼの配列も含むことが理解されるであろう。また、様々なベクター(例えば、通常、プラスミドの再集合およびレスキューに使用されるベクター(例えば、A/アナーバー/6/60もしくはB/アナーバー/1/66、A/プエルトリコ/8/34、B/レニングラード/14/17/55、B/14/5/1、B/USSR/60/69、B/レニングラード/179/86、B/レニングラード/14/55、またはB/イングランド/2608/76など))に含まれるのと同じ株も含まれる。
【0067】
本明細書で使用する場合、「同様の株」という用語は、第1のインフルエンザウイルスが第2のインフルエンザウイルスと同じ株または関連する株であることを示すものと理解されるべきである。典型的な実施形態では、そのような関連は、一般的に、HAIアッセイを使用することによって決定される。したがって、HAIアッセイで互いに4倍の力価の範囲に収まるインフルエンザウイルスは、「類似株」である。しかしながら、当業者であれば、類似株を決定するための他のアッセイなど(例えば、FRID、中和アッセイなど)に精通しているであろう。本発明はまた、本明細書中の様々なプラスミド、ベクター、ウイルス、方法などにおいて、そのような類似株(すなわち、本明細書中の配列表に存在する株と類似した株)を含む。したがって、文脈上、そうでないと明確に示されない限り、特定の配列(例えば、配列表にある配列)またはその断片についての本明細書における記載は、それらの類似株由来の配列(すなわち、本明細書中のプラスミド、ベクター、ウイルスなどにこれらの配列を含むそれらの株の類似株)も含むと考えられるべきである。したがって、そのような類似株に含まれるNAポリペプチドおよびHAポリペプチドは、「類似株」間で比較した場合、「類似ポリペプチド」となることも理解されるであろう。
【0068】
インフルエンザウイルスワクチン
本明細書中の配列、組成物および方法は、主にワクチン用のインフルエンザウイルスの生成に関係するが、それだけではない。歴史的に、インフルエンザウイルスワクチンは、主に、選択されたウイルス株または関連株の経験的な予測に基づくウイルス株を用いて孵化鶏卵で生成されている。最近では、承認された弱毒化温度感受性マスター株に関連して、選択されたヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ抗原を組み込んだ再集合体ウイルスが生成されている。鶏卵での複数回の継代でウイルスを培養した後、インフルエンザウイルスを回収し、場合によって、例えば、ホルムアルデヒドおよび/またはβ−プロピオラクトンを用いて、不活化する(または代わりに弱毒化生ワクチンで使用する)。このように、(本発明に見られる)HAおよびNA配列が、インフルエンザワクチンを構築するのに極めて有用であることが理解されるであろう。
【0069】
細胞培養で組換えワクチンおよび再集合体ワクチンを生成する試みは、ワクチン生成用に承認された株のうちのいくつかが、標準的な細胞培養条件の下で効率的に増殖できないことにより妨げられている。しかしながら、本願発明者らおよびその共同研究者らによる先の研究は、培養で組換えウイルスおよび再集合体ウイルスを生成するためのベクター系、および方法を提供し、したがって、1つまたは多数の選択された抗原性ウイルス株(例えば、A株またはB株のいずれか)、様々なサブタイプまたは亜株など(例えば、本明細書中のHAおよびNA配列を含むもの)に対応するワクチンを迅速に作製することが可能となった。全て「Multi−Plasmid System for the Production of Influenza Virus.」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日)、および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月24日)を参照されたい。通常、培養物を、制御された湿度およびCOの下、温度レギュレーター(例えば、温度が35℃を超えないことを保証するサーモスタット)を用いて一定の温度にした、細胞培養インキュベーターなどのシステムで維持する。再集合体インフルエンザウイルスは、マスターインフルエンザウイルスのゲノムセグメントを、対象となる株(例えば、本明細書中のHAおよび/またはNA抗原変異体)由来の相補的セグメントと組み合わせたものに対応するベクターのサブセットを導入することによって、容易に得ることができる。通常、マスター株は、ワクチン投与に関する望ましい特性に基づいて選択される。例えば、ワクチン生成のために(例えば、弱毒化生ワクチンの生成のために)、マスタードナーウイルス株を弱毒化表現型、低温適応型および/または温度感受性について選択し得る。本明細書中の別の場所、および例えば、米国特許出願第10/423,828号などで説明されているように、本発明の様々な実施形態は、A/アナーバー(AA)/6/60またはB/アナーバー/1/66またはA/プエルトリコ/8/34、またはB/レニングラード/14/17/55、B/14/5/1、B/USSR/60/69、B/レニングラード/179/86、B/レニングラード/14/55、またはB/イングランド/2608/76インフルエンザ株を、HAおよび/またはNA遺伝子(例えば、本明細書に列挙された配列など)を付加する「バックボーン」として利用して、望ましい再集合体ウイルスを生成させる。したがって、例えば、6:2再集合体では、2つの遺伝子(すなわち、NAおよびHA)は、免疫原性反応が望まれるインフルエンザ株に由来するが、他の6つの遺伝子は、アナーバー株または他のバックボーン株などに由来する。アナーバーウイルスは、低温適応型、弱毒化、温度感受性という特性があるので有用である。当然、本明細書中のHAおよびNA配列は、いくつかの他のウイルス遺伝子またはウイルス型との再集合が可能であることが理解されるであろう(例えば、いくつかの異なる「バックボーン」(例えば、A/プエルトリコ/8/34など)は、再集合体に存在する他のインフルエンザ遺伝子(すなわち、非HA遺伝子および非NA遺伝子)を含有する。ヒトインフルエンザウイルスに対する弱毒化A型生インフルエンザウイルスワクチンが最近米国で認可された。上記を参照されたい。そのようなワクチンは、A/アナーバー(AA)/6/60(H2N2)低温適応型(ca)ウイルスの内部タンパク質遺伝子によって、AA caウイルスの低温適応型、弱毒化および温度感受性表現型が再集合体ウイルス(すなわち、非アナーバー株由来のヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ遺伝子を有するウイルス)に付与される再集合体H1N1およびH1N2ウイルスである。いくつかの実施形態では、再集合体は、7:1再集合体を含むこともできる。言い換えれば、HAまたはNAのみがバックボーンまたはMDV株に由来しない。以前の研究は、場合によって、本発明の様々な実施形態の範囲内にある好適なバックボーンドナーウイルス株に関して報告されている。例えば、全て「Multi−Plasmid System for the Production of Influenza Virus」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)、および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月25日出願);Maassab et al.,J.of Inf.Dis.,1982,146:780−790;Cox,et al.,Virology,1988,167:554−567;Wareing et al.,Vaccine,2001,19:3320−3330;Clements,et al.,J Infect Dis.,1990,161(5):869−77などを参照されたい。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明中の配列は、場合により、(核酸配列またはアミノ酸配列の両方または一方において)除去された特定の領域を有することができる。例えば、多塩基性切断部位を有する分子については、場合により、そのような部位を除去することができる。本明細書中のいくつかの実施形態におけるそのような切断部位は、例えば、その配列が、(例えば、切断を不能にするまたはそこでの切断を低下させる、などのために)そのような配列が由来した野生型配列と比較して修飾または改変されている。そのような修飾/改変は、出発配列における切断部位の配列が様々であるため、異なる株または配列で異なっている可能性がある。例えば、4つの多塩基性残基(RRKK)は通常、(wtと比較したとき)いくつかのHA配列で除去されている。様々な実施形態では、そのような多塩基性切断部位をいくつかの方法で修飾することができる(その全てが本発明に含まれる)。例えば、多塩基性切断部位を一度に1アミノ酸除去することができる(例えば、1つのRを除去する、2つのRを除去する、RRKを除去する、またはRRKKを除去する)。さらに、切断部位のすぐ上流にあるアミノ酸残基もまた、除去または改変する(例えば、RからTへ、など)ことができる。また、切断部位の直後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチドも修飾することができる。当業者であれば、そのような特定の領域を除去する様々な方法に精通しているであろう。結果として得られる短縮された配列も本発明に含まれる。例えば、Li et al.,J.of Infectious Diseases,179:1132−8,1999を参照されたい。
【0071】
任意で本発明の配列を包含するウイルスに対して適用される(通常、ワクチンとしてまたはワクチン生成のために使用される)「温度感受性」、「低温適応型」および「弱毒化」という用語は、当技術分野で周知である。例えば、「温度感受性」(「ts」)という用語は、例えば、A型インフルエンザ株について、ウイルスが、33℃と比べて39℃で100倍以上の力価の減少を示すこと、またはB型インフルエンザウイルス株について、ウイルスが、33℃と比べて37℃で100倍以上の力価の減少を示すことを示す。「低温適応型」(ca)という用語は、ウイルスが、33℃でのその増殖の100倍以内の増殖を25℃で示すことを示し、一方、「弱毒化」(att)という用語は、ウイルスが、フェレットの上気道では複製するが、その肺組織では検出されず、また、動物でインフルエンザ様の病気を引き起こさないことを示す。中間の表現型を有するウイルス、すなわち、39℃(A株ウイルスの場合)もしくは37℃(B株ウイルスの場合)で100倍未満の力価減少を示すか、または33℃でのその増殖よりも100倍大きい(例えば、200倍、500倍、1000倍、10,000倍未満の)25℃での増殖を示し、かつ/またはフェレットの上気道での増殖と比べて肺での増殖の減少(すなわち、部分的弱毒化)および/もしくは動物でのインフルエンザ様疾病の低下を示すウイルスもまた、有用なウイルスであり、かつ本明細書中のHAおよびNA配列とともに使用することができる。
【0072】
したがって、本発明は、培養細胞中でのインビトロのワクチン生成と比べて望ましい特性(例えば、弱毒化された病原性または表現型、低温適応型、温度感受性など)を有する、例えば、適切な培養条件下での、ウイルス株(A株とB株の両方のインフルエンザウイルス)の増殖を利用することができる。インフルエンザウイルスは、クローン化されたウイルスゲノムセグメントを組み込んだ複数のベクターを宿主細胞に導入し、細胞を35℃を超えない温度で培養することによって生成することができる。インフルエンザウイルスゲノムを含むベクターをトランスフェクトした場合、ワクチンとして好適な組換えウイルスを標準的な精製手順によって回収することができる。本発明のベクター系および方法を用いて、ワクチン生成に関するその望ましい特性について選択された株の6つの内部遺伝子セグメントと、選択された、例えば、病原性の株由来の免疫原性HAおよびNAセグメント(例えば、本明細書中の配列表にあるもの)とを組み込んだ再集合体ウイルスを、組織培養で迅速かつ効率的に生成することができる。したがって、本明細書に記載の系および方法は、弱毒化生ワクチン(例えば、鼻腔内投与に好適なワクチン)をはじめとするワクチンとして使用するのに好適なウイルスを含む組換えA型インフルエンザウイルスおよび再集合体A型インフルエンザウイルスならびに組換えB型インフルエンザウイルスおよび再集合体B型インフルエンザウイルスの細胞培養物の迅速な生成に有用である。
【0073】
そのような実施形態では、通常、単一のマスタードナーウイルス(MDV)株が、AサブタイプおよびBサブタイプの各々について選択される。弱毒化生ワクチンの場合、マスタードナーウイルス株は、通常、ワクチン生成に関するその望ましい特性、例えば、温度感受性、低温適応型および/または弱毒化について選択される。例えば、例示的なマスタードナー株としては、それぞれ、A/アナーバー/6/60およびB/アナーバー/1/66のそのような温度感受性株、弱毒化株および低温適応型株、ならびに全体を通して言及した他の株が挙げられる。
【0074】
例えば、選択されたマスタードナーA型ウイルス(MDV−A)、またはマスタードナーB型ウイルス(MDV−B)は、ウイルスゲノムを構成する複数のクローニングされたウイルスcDNAから生成される。実施形態は、組換えウイルスが8つのクローニングされたウイルスcDNAから生成されたものである。PB2、PB1、PA、NP、HA、NA、MおよびNSの選択されたMDV−A配列またはMDV−B配列のいずれかに相当する8つのウイルスcDNAは、ウイルスゲノムRNAを一方の鎖に由来するRNAポリメラーゼI(pol I)プロモーターから転写することができ、かつウイルスmRNAをもう一方のRNAポリメラーゼII(pol II)プロモーターから合成することができるように、任意でプラスミド(例えば、pAD3000)などの二方向性発現ベクターにクローニングされる。任意で、(例えば、多重塩基性切断部位(別名、多塩基性切断部位)を除去するために)HAセグメントを含む任意の遺伝子セグメントを修飾することができる。
【0075】
次に、8つのウイルスcDNAを担持するプラスミドを適切な宿主細胞(例えば、Vero細胞、共培養されたMDCK/293TまたはMDCK/COS7細胞)にトランスフェクトした後に、感染性の組換えMDV−AまたはMDV−Bウイルスを回収することができる。本明細書に、ならびに例えば、全て「Multi−Plasmid System for the Production of Influenza Virus」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)、および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月24日出願);Hoffmann,E.,2000,PNAS,97(11):6108−6113;Hoffmannに対する米国公開特許出願第20020164770号;ならびにPaleseらに対する米国特許第6,544,785号(2003年4月8日発行)に記載されているプラスミドおよび方法を用いて、本発明は、例えば、選択されたウイルス(例えば、MDV−A、MDV−B)の6つの内部遺伝子(PB1、PB2、PA、NP、MおよびNS)を、異なる対応する型(AまたはB)のインフルエンザウイルスに由来するHAおよびNA(例えば、本明細書中の配列表に示されているもの)と共トランスフェクトすることによって、6:2再集合体インフルエンザワクチンを作製するのに有用である。例えば、HAセグメントは、ワクチン生成のために通常行なわれているように、病原性に関連するH1株、H3株またはB株から好都合に選択される。同様に、HAセグメントを、病原性株(例えば、本明細書中の配列表に示されているもの)としての新たな関連性を有する株から選択することができる。MDVの7つのゲノムセグメントと、選択された株のHAまたはNA遺伝子のいずれかとを組み込んだ再集合体(7:1再集合体)も生成することができる。全体を通して詳述しているように、場合によっては、本発明の分子を任意の望ましい組合せで組み合わせることができることが理解されるであろう。例えば、本明細書中のHAおよび/またはNA配列を、例えば、再集合体バックボーン、例えば、6:2再集合体または7:1再集合体などの中のA/AA/6/60、B/AA/1/66、A/プエルトリコ/8/34(すなわち、PR8)など)に入れることができる。したがって、以下でより完全に説明するように、ドナーウイルス(この場合も、例えば、A/AA/6/60など)由来の6つの内部ゲノムセグメントと、第2の株(例えば、野生型株、ドナーウイルスではない)由来の2つのゲノムセグメントとが存在することになる。そのような2つのゲノムセグメントは、好ましくはHAおよびNA遺伝子である。同様の状況は7:1再集合体についても生じるが、この集合体では、ドナーウイルス由来の7つのゲノムセグメントと異なるウイルス(通常、野生型またはそれに対する免疫応答が望ましいウイルス)由来の1つのゲノムセグメント(HAまたはNAのいずれか)とが存在する。また、本明細書中の配列(例えば、図1の配列表にある配列など)を本明細書中の様々な実施形態においていくつかの手段で組み合わせることができることが理解されるであろう。したがって、本明細書中の配列はいずれも、7:1再集合体中に単独で存在する(すなわち、本発明の配列は、7つのドナーウイルスゲノムセグメントとともに存在する)ことができ、かつ/または6:2再集合体中に本発明の別の配列とともに存在することができる。そのような6:2再集合体において、本発明の配列はいずれも、任意で、本発明の任意の他の配列とともに存在することができる。しかしながら、典型的かつ好ましい実施形態は、同じもとの野生型株(または修飾された野生型株、例えば、修飾された多塩基性切断部位を有するもの)由来のHAおよびNAを含む。例えば、典型的な実施形態は、ドナーウイルス(例えば、A/AA/6/60)由来の6つの内部ゲノムセグメントと、本明細書に記載のHAおよびNAゲノムセグメントとを有する6:2再集合体を含むことができる。当然、この場合も、本発明は、HAおよびNAゲノムセグメントが類似の株に由来する再集合体ウイルスをも含むことが理解されるであろう。上記の参照は、あらゆる目的のために、例えば、特に、プラスミド、ウイルス(インフルエンザウイルス)のプラスミドレスキュー、ウイルスレスキュー/生成のための多重プラスミド系などに関するその教示のために、その全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
【0076】
また一方、本発明のHAおよびNA配列は、場合により、そのようなプラスミド再集合ワクチンで(ならびに/または他のts、cs、ca、および/もしくはattウイルスおよびワクチンで)利用される。しかしながら、本発明のHAおよびNA配列などは、特定のワクチン組成物または生成方法に限定されるものではなく、したがって、株特異的なHAおよびNA抗原(例えば、本発明の配列)を利用する実質的に全てのワクチンタイプまたはワクチン生成方法において利用可能であることに留意すべきである。
【0077】
FluMist(登録商標)
これまでに述べたように、インフルエンザワクチンの非常に多くの例および型が存在する。例示的なインフルエンザワクチンは、FluMist(MedImmune Vaccines Inc.,Mt.View,CA)であり、これは、インフルエンザ疾患から子供および大人を守る弱毒化生ワクチンである(Belshe et al.(1998) The efficacy of live attenuated,cold−adapted,trivalent,intranasal influenza virus vaccine in children N Engl J Med 338:1405−12;Nichol et al.(1999) Effectiveness of live,attenuated intranasal influenza virus vaccine in healthy,working adults:a randomized controlled trial JAMA 282:137−44)。典型的でかつ好ましい実施形態では、本発明の方法および組成物は、好ましくは、FluMistワクチンの生成に適合/使用される。しかしながら、本明細書中の配列、方法、組成物などは、同様のまたは異なるウイルスワクチンの生成にも適合可能であることが、当業者に理解されるであろう。
【0078】
FluMistワクチン株は、例えば、野生型株に由来するHAおよびNA遺伝子セグメントを含み、この野生型株(または、場合によって、関連株)に由来するHAおよびNA遺伝子セグメントに対して、一般的なマスタードナーウイルス(MDV)に由来する6つの遺伝子セグメント(PB1、PB2、PA、NP、MおよびNS)とともに、ワクチンが対処されている。したがって、本明細書中のHA配列は、場合によって、様々なFluMist製剤の一部である。FluMistのA型インフルエンザ株用のMDV(MDV−A)は、連続してより低い温度でニワトリ腎臓組織の初代培養物にて野生型A/アナーバー/6/60(A/AA/6/60)株を連続継代することにより作出された(Maassab(1967) Adaptation and growth characteristics of influenza virus at 25 degrees C Nature 213:612−4)。MDV−Aは、25℃で効率的に複製する(ca、低温適応型)が、その増殖は、38℃および39℃で制限される(ts、温度感受性)。さらに、このウイルスは、感染したフェレットの肺では複製しない(att、弱毒化)。ts表現型は、気道の最も冷えた領域を除く全ての領域でその複製を制限することによって、ヒトでのワクチンの弱毒化に寄与すると考えられている。この特性の安定性は、動物モデルおよび臨床研究で実証されている。化学的突然変異導入によって作出されたインフルエンザ株のts表現型とは対照的に、MDV−Aのts特性は、感染したハムスターで継代した後、または子供から排出された分離株で戻らない(最近の総説については、Murphy & Coelingh(2002) Principles underlying the development and use of live attenuated cold−adapted influenza A and B virus vaccines Viral Immunol 15:295−323)を参照されたい)。
【0079】
12種の別個の6:2再集合体株を伴う20,000人を超える成人および子供における臨床研究により、これらのワクチンが、弱毒化されており、安全で、かつ有効であることが示された(Belshe et al.(1998) The efficacy of live attenuated,cold−adapted,trivalent,intranasal influenza virus vaccine in children N Engl J Med 338:1405−12;Boyce et al.(2000) Safety and immunogenicity of adjuvanted and unadjuvanted subunit influenza vaccines administered intranasally to healthy adults Vaccine 19:217−26;Edwards et al.(1994) A randomized controlled trial of cold adapted and inactivated vaccines for the prevention of influenza A disease J Infect Dis 169:68−76;Nichol et al.(1999) Effectiveness of live,attenuated intranasal influenza virus vaccine in healthy,working adults:a randomized controlled trial JAMA 282:137−44)。MDV−Aの6つの内部遺伝子と、野生型ウイルスの2つのHAおよびNA遺伝子セグメントとを担持する再集合体(すなわち、6:2再集合体)は、一貫してca、tsおよびatt表現型を保持する(Maassab et al.(1982) Evaluation of a cold−recombinant influenza virus vaccine in ferrets J.Infect.Dis.146:780−900)。
【0080】
B型インフルエンザ株を用いたそのような再集合体ウイルスの生成はより困難であるが、最近の研究(例えば、例えば、全て「Multi−Plasmid System for the Production of Influenza Virus」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)、および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月24日出願))により、クローニングされたcDNAに完全に由来するB型インフルエンザウイルスを作製するための8つのプラスミド系が示された。ワクチン製剤(例えば、鼻腔内投与に有用な生ウイルスワクチン製剤)に好適な弱毒化A型およびB型インフルエンザ生ウイルスの生成方法も示された。
【0081】
これまでに記載したシステムおよび方法は、弱毒化生ワクチン(例えば、鼻腔内投与に好適なワクチン)を含むワクチンとしての使用に好適なウイルスをはじめとする、組換えおよび再集合体のA型およびB型インフルエンザの細胞培養物における迅速な生成に有用である。ワクチン用のウイルスを生成するために、本発明の配列、方法などを、場合によって、例えば、ワクチン生成用の再集合体インフルエンザウイルスを伴うこれまでの研究とともに、またはそのような研究と組み合わせて使用する。
【0082】
ワクチンを予防投与するための方法および組成物
上記のように、FluMist(商標)ワクチンの生成で使用する代わりに、またはそれに加えて、本発明を他のワクチン製剤で使用することができる。一般に、本発明の組換えウイルスおよび再集合体ウイルスを、免疫学的に有効な量でかつ適切な担体または賦形剤中で予防的に投与して、HAおよび/またはNA配列によって決定されるようなインフルエンザウイルスの1つまたは複数の株に特異的な免疫応答を刺激することができる。通常、担体または賦形剤は、薬学的に許容される担体または賦形剤、例えば、滅菌水、生理食塩水溶液、緩衝生理食塩水溶液、ブドウ糖水溶液、グリセロール水溶液、エタノール、非感染鶏卵由来の尿膜腔液(すなわち、正常尿膜腔液もしくはNAF)、またはそれらの組合せである。滅菌性、pH、等張性、および安定性を保証するそのような溶液の調製は、当技術分野で確立されたプロトコルに従って達成される。一般に、担体または賦形剤は、アレルギーおよび他の望ましくない効果を最小限にするように、かつ特定の投与経路(例えば、皮下、筋肉内、鼻腔内など)に適するように選択される。
【0083】
本発明の関連態様は、個体の免疫系を刺激して、インフルエンザウイルスに対する防御免疫応答を生じさせるための方法を提供する。この方法では、免疫学的有効量の組換えインフルエンザウイルス(例えば、本発明のHAおよび/もしくはNA分子)、免疫学的有効量の本発明のポリペプチド、ならびに/または免疫学的有効量の本発明の核酸を、生理学的に許容される担体中で個体に投与する。
【0084】
一般に、本発明のインフルエンザウイルスを、インフルエンザウイルスの1つまたは複数の株に(すなわち、本発明のHAおよび/またはNA株に対して)特異的な免疫応答を刺激するのに十分な量で投与する。好ましくは、インフルエンザウイルスの投与によって、そのような株に対する防御免疫応答を誘発する。1以上のインフルエンザ株に対する防御免疫応答を誘発するための投与量および方法は当業者に公知である。例えば、米国特許第5,922,326号; Wright et al.,Infect.Immun.37:397−400(1982);Kim et al.,Pediatrics 52:56−63(1973);およびWright et al.,J.Pediatr.88:931−936(1976)を参照されたい。例えば、インフルエンザウイルスを、1回の投与当たり、約1〜1000 HID50(ヒト感染用量)、すなわち、約10〜10pfu(プラーク形成単位)の範囲で投与する。通常、この用量を、例えば、年齢、身体の状態、体重、性別、食事、投与時間、および他の臨床的要因に基づいて、この範囲内で調整する。予防的ワクチン製剤を、例えば、針とシリンジ、または無針注射装置を用いる皮下または筋肉内注射により全身投与する。あるいは、ワクチン製剤を、液滴、大きな粒子状エアロゾル(約10ミクロンよりも大きい)、または上気道への噴霧のいずれかにより鼻腔内投与する。上記の送達経路はいずれも、防御的な全身性の免疫応答を生じさせるが、鼻腔内投与は、インフルエンザウイルスの侵入部位で粘膜免疫系を誘発するという追加の利点を与える。鼻腔内投与については、多くの場合、弱毒化生ウイルスワクチンが好ましい(例えば、弱毒化、低温適応型および/または温度感受性の組換えインフルエンザウイルスまたは再集合体インフルエンザウイルス)。上記を参照されたい。単回用量を用いて防御免疫応答を刺激することが好ましいが、さらなる投与量を、同じまたは異なる経路で投与して、所望の予防的効果を達成することができる。
【0085】
通常、ワクチンで使用されるような本発明の弱毒化組換えインフルエンザは、感染の症状、または少なくとも重篤な感染の症状が、その弱毒化インフルエンザウイルスで免疫化された(またはさもなければそれに感染した)大半の個体で現われない程度に十分に弱毒化されている。いくつかの例では、弱毒化インフルエンザウイルスは、それでもなお、軽度の疾患(例えば、軽度の上部呼吸器疾患)の症状を生じさせ、かつ/またはワクチン接種をしていない個体に拡散することが可能である。しかしながら、その病原性は、重篤な下気道感染がワクチン接種した宿主または偶然の宿主で生じない程度に十分に無効になっている。
【0086】
あるいは、免疫応答を、本明細書中の配列を含むインフルエンザウイルスを用いて、樹状細胞をエクスビボまたはインビボでターゲッティングすることによって刺激することができる。例えば、増殖している樹状細胞を、十分な量で、かつこの樹状細胞がインフルエンザ抗原を捕捉することができるほど十分な時間、ウイルスに曝露させる。次に、これらの細胞を、標準的な静脈内移植法により、ワクチン接種される対象に移す。
【0087】
単回用量を用いて防御免疫応答を刺激することが好ましいが、さらなる投与量を、同じまたは異なる経路で投与して、所望の予防的効果を達成することができる。新生児および幼児では、例えば、十分なレベルの免疫を誘発するために複数回投与が必要になる場合がある。投与は、野生型インフルエンザ感染に対して十分なレベルの防御を維持する必要に応じて、幼児期を通して間をおいて継続することができる。同様に、成人(特に、繰り返しまたは重篤なインフルエンザ感染を受けやすい人(例えば、医療従事者、介護士、幼い子供、高齢者および心肺機能不全の人の家族))は、防御免疫応答を確立および/または維持するために複数回の免疫化を必要とする場合がある。誘導された免疫のレベルは、例えば、分泌抗体および血清抗体を中和する量を測定することによってモニタリングすることができ、かつ所望のレベルの防御を誘発および維持する必要に応じて、投与量を調整するかまたはワクチン接種を繰り返すことができる
【0088】
場合によって、インフルエンザウイルスを予防投与するための製剤はまた、インフルエンザ抗原に対する免疫応答を増強するための1以上のアジュバントを含む。好適なアジュバントとしては、完全フロイントアジュバント、不完全フロイントアジュバント、サポニン、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性剤(例えば、リゾレシチン)、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油または炭化水素エマルジョン、カルメットゲラン桿菌(BCG)、コリネバクテリウム・パルウム(Corynebacterium parvum)、ならびに合成アジュバントのQS−21およびMF59が挙げられる。
【0089】
望ましい場合、インフルエンザウイルスの予防ワクチン投与を、1以上種の免疫刺激分子の投与とともに行うことができる。免疫刺激分子としては、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−12、IL−13など);増殖因子(例えば、顆粒球マクロファージ(GM)コロニー刺激因子(CSF))などの、免疫刺激活性、免疫増強活性、および炎症促進活性を有する様々なサイトカイン、リンホカインおよびケモカインならびに他の免疫刺激分子(例えば、マクロファージ炎症性因子、Flt3リガンド、B7.1、B7.2など)が挙げられる。免疫刺激分子を、インフルエンザウイルスと同じ製剤中で投与することができるか、または別々に投与することができる。タンパク質(例えば、本発明のHAおよび/もしくはNAポリペプチドまたはタンパク質をコードする発現ベクターのいずれかを投与して、免疫刺激効果をもたらすことができる。
【0090】
上記の方法は、治療的または予防的に有効なHAおよび/もしくはNAポリペプチド(もしくはペプチド)またはHAおよび/もしくはNA RNA(例えば、アンチセンスRNAもしくはリボザイム)をコードする異種ポリヌクレオチドを含む本発明のベクターを、標的細胞の集団にインビトロ、エクスビボまたはインビボで導入することによって、疾患または障害(通常、インフルエンザ)を治療的および/または予防的に処置するのに有用である。通常、対象となるポリペプチド(もしくはペプチド)またはRNAをコードするポリヌクレオチドは、例えば、本明細書に記載されたような適切な調節配列に機能的に連結されている。場合によって、2以上の異種コード配列が、単一のベクターまたはウイルスに組み込まれている。例えば、治療活性または予防活性のあるHAおよび/もしくはNAポリペプチドまたはRNAをコードするポリヌクレオチドの他に、ベクターは、さらなる治療的または予防ポリペプチド(例えば、抗原、共刺激分子、サイトカイン、抗体など)、および/またはマーカーなども含むことができる。
【0091】
特定のサブグループの特定の株の弱毒化インフルエンザウイルスを個体にワクチン接種することにより、異なる株および/またはサブグループのインフルエンザウイルスに対する交差防御を誘導することができるが、望ましい場合、少なくとも2種、少なくとも3種、または少なくとも4種のインフルエンザウイルス株または亜株(例えば、そのうちの少なくとも2種は、異なるサブグループに相当し得る)由来の弱毒化インフルエンザウイルスを個体にワクチン接種することにより、交差防御を増強することができる。例えば、弱毒化インフルエンザウイルスの少なくとも4種の株または亜株を個体にワクチン接種することは、A型インフルエンザウイルスの少なくとも2種の株または亜株と、B型インフルエンザウイルスの少なくとも2種の株または亜株を個体にワクチン接種することを含み得る。弱毒化インフルエンザウイルスの少なくとも4種の株または亜株を個体にワクチン接種することは、A型インフルエンザウイルスの少なくとも3種の株または亜株と、B型インフルエンザウイルスの少なくとも3種の株または亜株を個体にワクチン接種することを含み得る。少なくとも4種のインフルエンザウイルス株または亜株を個体にワクチン接種することは、少なくとも4種の弱毒化インフルエンザウイルス株または亜株の全てを含む1回の四価ワクチンの投与を必要とし得る。あるいは、ワクチン接種は、複数回のワクチン(その各々は、弱毒化インフルエンザウイルス株または亜株の1種、2種、または3種を含む)の投与を必要とし得る。さらに、ワクチンの組み合わせ物は、場合により、流行性ワクチンと非流行性株の混合物を含む。ワクチン混合物(または複数回のワクチン接種)は、ヒト株および/または非ヒトインフルエンザ株(例えば、トリおよびヒトなど)に由来する成分を含むことができる。同様に、本発明の弱毒化インフルエンザウイルスワクチンは、場合により、他の感染性因子に対する防御免疫応答を誘導するワクチンと組み合わせることができる。一実施形態では、本発明のワクチンは、3種の再集合体インフルエンザウイルスを含む三価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、2種の再集合体A型インフルエンザウイルスと1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む三価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、1種のタイプH1の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む三価ワクチンである。別の実施形態では、本発明のワクチンは、4種の再集合体インフルエンザウイルスを含む四価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、2種の再集合体A型インフルエンザウイルスと2種の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価ワクチンである。一実施形態では、本発明のワクチンは、1種のタイプH1の再集合体A型インフルエンザウイルスと、1種のタイプH3の再集合体A型インフルエンザウイルスと、ビクトリア系統の1種の再集合体B型インフルエンザウイルスと、山形系統の再集合体B型インフルエンザウイルスとを含む四価ワクチンである。
【0092】
組換えウイルスの生成
マイナス鎖RNAウイルスを、組換えリバースジェネティックスの手法を用いて遺伝子操作し、回収することができる(Paleseらに対する米国特許第5,166,057号)。そのような方法は、もともと、インフルエンザウイルスゲノムを操作するために適用され(Luytjes et al.(1989) Cell 59:1107−1113;Enami et al.(1990) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:11563−11567)、かつセグメント化されたおよびセグメント化されていない多種多様なマイナス鎖RNAウイルス、例えば、狂犬病(Schnell et al.(1994) EMBO J.13:4195−4203);VSV(Lawson et al.(1995) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:4477−4481);麻疹ウイルス(Radecke et al.(1995) EMBO J.14:5773−5784);牛痘ウイルス(Baron & Barrett(1997) J.Virol.71:1265−1271);ヒトパラインフルエンザウイルス(Hoffman & Banerjee(1997) J.Virol.71:3272−3277;Dubin et al.(1997) Virology 235:323−332);SV5(He et al.(1997) Virology 237:249−260);イヌジステンパーウイルス(Gassen et al.(2000) J.Virol.74:10737−44);およびセンダイウイルス(Park et al.(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:5537−5541;Kato et al.(1996) Genes to Cells 1:569−579)に首尾よく適用されている。当業者であれば、本発明のHAおよびNA配列を含むインフルエンザウイルスを生成するためのこれらのおよび同様の技術に精通しているであろう。1以上の本発明の核酸および/またはポリペプチドを含む組換えインフルエンザウイルスと同様に、そのような方法によって生成される組換えインフルエンザウイルスもまた本発明の特徴である。当然、当業者に理解されるように、一般のインフルエンザウイルスは(そして、本発明のインフルエンザウイルスも)、マイナス鎖RNAウイルスである。したがって、インフルエンザウイルスが、例えば、図1の配列などを含むものとして本発明に記載されるとき、それは、通常、その配列の対応するマイナス鎖RNAバージョンを意味すると理解されるべきである。図1のヌクレオチド配列は、(ヌクレオチド配列中の一部の非翻訳領域とともに)遺伝子のDNAバージョン(例えば、コードするプラスセンスなど)を含む。当業者は、RNA配列とDNA配列(例えば、UからTへの変換など)、および相補的ヌクレオチド配列同士(RNA、DNAを問わない)などを容易に変換することができる。したがって、例えば、当業者は、ヌクレオチド配列から、対応するアミノ酸配列または対応する相補的配列(DNA、RNAを問わない)などに容易に変換することができる。また、明らかなことであるが、そのようなHAおよび/またはNA配列がDNAベクター(例えば、プラスミドなど)中に記載されている場合、通常、その配列の対応するDNAバージョンが理解されるべきである。この場合も、本発明の核酸は、本明細書中の配列表にある明示的な配列、およびそのような配列(RNAとDNAの両方)の相補体、配列表にある配列の二本鎖形態、配列表にある配列の対応するRNA形態(配列表にある明示的な配列のRNA相補体としてまたは例えば、同じセンスだが、Tの代わりにUを含むRNAから構成される、配列表にある配列のRNAバージョンとして、など)を含む。
【0093】
細胞培養および発現宿主
本発明はまた、本発明のベクターが導入(形質導入、形質転換またはトランスフェクト)された宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの生成方法に関する。宿主細胞は、本発明のベクター(例えば、発現ベクター)を用いて遺伝子操作(すなわち、形質導入、形質転換またはトランスフェクト)されている。上記のように、ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファージなどの形態であることができる。適切な発現宿主の例としては、細菌細胞(例えば、大腸菌、ストレプトミセス、およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium);真菌細胞(例えば、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、およびアカパンカビ(Neurospora crassa);または昆虫細胞(ショウジョウバエ(Drosophila)およびヨトウガ(Spodoptera frugiperda)が挙げられる。
【0094】
最も一般的には、哺乳動物細胞を用いて、本発明のHAおよびNA分子を培養する。(例えば、本明細書中のHAおよび/またはNA配列を有する)インフルエンザウイルスを複製するのに好適な宿主細胞としては、例えば、Vero細胞、BHK細胞、MDCK細胞、293T細胞、COS7細胞をはじめとする、293細胞およびCOS細胞などが挙げられる。一般的には、複製効率を改善するために、上記の細胞株のうちの2つ(例えば、MDCK細胞と293T細胞またはCOS細胞のいずれか)を含む共培養物を、例えば、1:1の割合で使用する。通常、細胞を、標準的な市販の培養培地(例えば、血清(例えば、10%胎仔ウシ血清)を補充したダルベッコ改変イーグル培地)または無血清培地中、制御された湿度および中性に緩衝されたpH(例えば、pH7.0〜7.2)を維持するのに好適なCO濃度の下で培養する。場合により、培地は、細菌の増殖を防ぐための抗生物質(例えば、ペニシリン、ストレプトマイシンなど)、および/または追加の栄養素(例えば、L−グルタミン、ピルビン酸ナトリウム、非必須アミノ酸、有利な増殖特性を促進するためのさらなる添加物(例えば、トリプシン、β−メルカプトエタノールなど))を含む。
【0095】
操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選択、または例えば、ウイルスの生成による挿入されたポリヌクレオチド配列の増幅に適するように改変された従来の栄養培地中で培養することができる。温度、pHなどの培養条件は通常、発現用に選択される特定の宿主細胞で以前に使用された条件であり、当業者にとって、また例えば、Freshney(1994) Culture of Animal Cells,a Manual of Basic Technique,第3版,Wiley−Liss,New Yorkおよびその中の引用文献をはじめとする、本明細書に引用された参考文献中で明らかである。他の役立つ参考文献としては、例えば、Paul(1975) Cell and Tissue Culture,第5版,Livingston,Edinburgh;Adams(1980) Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Cell Culture for Biochemists,Work and Burdon(編) Elsevier,Amsterdamが挙げられる。インビトロでのインフルエンザウイルスの生成において特に関心の高い組織培養方法に関するさらなる詳細としては、例えば、Cohen and Shafferman(編)Novel Strategies in Design and Production of VaccinesにおけるMerten et al.(1996) Production of influenza virus in cell cultures for vaccine preparationが挙げられ、これは、あらゆる目的のために、その全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本発明に適合されたそのような方法のバリエーションは、日常的な実験によって容易に決定され、かつ当業者によく知られている。
【0096】
(例えば、本発明のHAおよび/またはNA配列を有する)インフルエンザウイルスを生成するための細胞を、血清含有培地または無血清培地中で培養することができる。場合によって、例えば、精製ウイルスを調製するために、通常、無血清条件で宿主細胞を増殖させることが望ましい。細胞を小規模(例えば、25ml未満の培地)の培養チューブもしくは培養フラスコで、または大きなフラスコで撹拌しながら、回転ボトル中で、またはフラスコ、ボトルもしくはリアクター培養中のマイクロキャリアビーズ(例えば、DEAE−デキストランマイクロキャリアビーズ(Dormacell,Pfeifer & Langenなど)、スーパービーズ(Flow Laboratories)、スチレンコポリマー−トリメチルアミンビーズ(例えば、Hillex,SoloHill,Ann Arbor))上で培養することができる。マイクロキャリアビーズは、(直径100〜200ミクロンの範囲の)小さな球であり、付着細胞増殖用に細胞培養物の容量当たりの大きな表面積を提供する。例えば、1リットルの培地は、2000万個を上回るマイクロキャリアビーズを含み、8000cm以上の増殖表面を提供することができる。ウイルスの商業的生産のために(例えば、ワクチン生産のために)、細胞をバイオリアクターまたは発酵槽中で培養することが望ましいことが多い。バイオリアクターは、1リットル未満から100リットルを超える容量まで利用可能である(例えば、Cyto3バイオリアクター(Osmonics,Minnetonka,MN);NBSバイオリアクター(New Brunswick Scientific,Edison,NJ);B.Braun Biotech International製の実験室または商業的規模のバイオリアクター(B.Braun Biotech,Melsungen,Germany))。
【0097】
培養の容量とは無関係に、本発明の多くの望ましい態様において、培養物を適切な温度に維持し、温度依存性の多重プラスミド系(例えば、全て「Multi−Plasmid System for the Production of Influenza Virus」というタイトルの米国特許出願第60/420,708号(2002年10月23日出願)、米国特許出願第10/423,828号(2003年4月25日出願)および米国特許出願第60/574,117号(2004年5月24日出願)を参照されたい)、濾過するためのウイルス溶液の加熱などを用いて、組換えインフルエンザウイルスおよび/または再集合体インフルエンザウイルスの効率的な回収を保証することが重要である。通常、レギュレーター(例えば、サーモスタット、または細胞培養系および/もしくは他の溶液の温度を感知し、維持するための他の装置)を用いて、温度が、適当な期間(例えば、ウイルス複製の間など)、正確なレベルであることを保証する。
【0098】
本明細書中のいくつかの実施形態(例えば、再集合体ウイルスをベクター上のセグメントから生成しようとする場合)において、インフルエンザゲノムセグメントを含むベクターを、真核細胞に異種核酸を導入するための当技術分野で周知の方法(例えば、リン酸カルシウム共沈殿、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、およびポリアミントランスフェクション試薬を用いたトランスフェクションを含む)に従って宿主細胞に導入(例えば、トランスフェクト)する。再集合体ウイルスなどを生成するために、例えば、ベクター(例えば、プラスミド)を、製造元の指示に従って、ポリアミントランスフェクション試薬であるTransIT−LT1(Mirus)を用いて、宿主細胞(例えば、COS細胞、293T細胞またはCOS細胞もしくは293T細胞とMDCK細胞の組合せ)にトランスフェクトすることができる。したがって、一実施形態では、約1μgの各ベクターを、160μlの培地(好ましくは、無血清培地)に希釈した約2μlのTransIT−LT1とともに総容量200μlで宿主細胞の集団に導入する。DNAとトランスフェクション試薬の混合物を、室温で45分間インキュベートし、その後、800μlの培地を添加する。トランスフェクション混合物を、宿主細胞に添加し、細胞を、当業者に周知の他の方法によって記載した通りに培養する。したがって、細胞培養で組換えウイルスまたは再集合体ウイルスを生成するために、8つのゲノムセグメント(PB2、PB1、PA、NP、M、NS、HAおよびNA(例えば、本発明のもの))の各々を組み込んだベクターを、約20μlのTransIT−LT1と混合し、宿主細胞にトランスフェクトする。場合によって、トランスフェクション前に、血清含有培地を無血清培地(例えば、Opti−MEM I)と交換し、4〜6時間インキュベートする。
【0099】
あるいは、エレクトロポレーションを用いて、インフルエンザゲノムセグメントを組み込んだそのようなベクターを宿主細胞に導入することができる。例えば、A型インフルエンザウイルスまたはB型インフルエンザウイルスを組み込んだプラスミドベクターを、以下の手順に従ってエレクトロポレーションを用いて、Vero細胞に好都合に導入する。簡潔に述べると、例えば、10%の胎仔ウシ血清(FBS)を補充した改変イーグル培地(MEM)中で増殖した約5×10個のVero細胞を、0.4mlのOptiMEMに再懸濁し、エレクトロポレーションキュベットに入れる。最大25μlの容量中の20μgのDNAをキュベット中の細胞に添加し、次に、それをタッピングして穏やかに混合する。エレクトロポレーションを、製造元の指示に従って、300ボルト、950マイクロファラッド、28〜33msecの時定数で行なう(例えば、Capacitance Extender Plusが接続されたBioRad Gene Pulser II)。細胞を穏やかにタッピングして再び混合し、エレクトロポレーションから約1〜2分後、10%のFBSを含む0.7mlのMEMをキュベットに直接添加する。次に、細胞を、2mlのMEM、10%のFBSを含む標準的な6ウェル組織培養ディッシュの2つのウェルに移す。残存する細胞を回収するためにキュベットを洗浄し、この洗浄懸濁液を2つのウェルに分ける。最終容量は、約3.5mLである。次に、細胞を、ウイルスの増殖を許容する条件下(例えば、低温適応型株の場合、約33℃)でインキュベートする。
【0100】
哺乳動物の宿主細胞において、いくつかの発現系(例えば、ウイルスに基づく系)を利用することができる。アデノウイルスを発現ベクターとして使用する場合、コード配列を場合によって、後期プロモーターと3つに分かれたリーダー配列とからなるアデノウイルス転写/翻訳複合体に連結する。ウイルスゲノムの非必須E1またはE3領域に挿入することにより、感染した宿主細胞で対象となるポリペプチドを発現することができる生存可能なウイルスが得られる(Logan and Shenk(1984) Proc Natl Acad Sci 81:3655−3659)。さらに、転写エンハンサー(例えば、ラウス肉腫ウイルス(RSV)エンハンサー)を用いて、哺乳動物の宿主細胞における発現を増加させることができる。
【0101】
宿主細胞株は、場合によって、挿入された配列の発現を調節する能力または発現されたタンパク質を所望の様式で処理する能力について選択される。そのようなタンパク質の修飾としては、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化およびアシル化が挙げられるが、これらに限定されない。(前駆形態を切断して成熟形態にする)タンパク質の翻訳後プロセシングは、正確な挿入、折畳みおよび/または機能にとって重要である場合がある。さらに、宿主細胞内の適切な位置(例えば、細胞表面上)もまた重要である。異なる宿主細胞(例えば、COS、CHO、BHK、MDCK、293、293T、COS7など)は、そのような翻訳後活性に関する特異的な細胞機構や特徴的なメカニズムを有し、その時導入されている外来タンパク質の正確な修飾およびプロセシングを確実に行なうように選択することができる。
【0102】
本発明のポリヌクレオチドにコードされているか、または本発明のポリヌクレオチドにコードされているサブ配列を有する組換えタンパク質を長期間、高収率で生成するために、安定した発現系を場合により使用する。例えば、本発明のポリペプチドを安定に発現する細胞株を、ウイルスの複製または内在性発現エレメントの起点と選択可能なマーカー遺伝子とを含む発現ベクターを用いてトランスフェクトする。例えば、ベクターを導入した後、細胞を富栄養培地中で1〜2日間増殖させ、その後、選択培地に移し換える。選択可能なマーカーの目的は、選択に対する耐性を付与することであり、それが存在することによって、導入した配列をうまく発現している細胞の増殖および回収が可能になる。したがって、例えば、単一の細胞型に由来する安定に形質転換した細胞の耐性集団を、その細胞型に適した組織培養技術を用いて増殖させることができる。
【0103】
本発明のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列で形質転換した宿主細胞を、場合により、コードされたタンパク質の発現および細胞培養物からの回収に好適な条件下で培養する。該タンパク質を発現する細胞を、選別、単離および/または精製することができる。組換え細胞によって生成されたタンパク質またはその断片は、分泌されるか、膜に結合するか、または細胞内に保持されることができるが、それは、配列(例えば、膜保持シグナルなどをコードする融合タンパク質)および/または使用されるベクターによって決まる。
【0104】
本発明の核酸に対応する発現産物は、動物以外の細胞(例えば、植物、酵母、真菌、細菌など)で生成することもできる。Sambrook,Berger and Ausubel(全て下記)の他に、Payne et al.(1992) Plant Cell and Tissue Culture in Liquid Systems John Wiley & Sons,Inc.New York,NY;Gamborg and Phillips(編)(1995) Plant Cell,Tissue and Organ Culture;Fundamental Methods Springer Lab Manual,Springer−Verlag(Berlin Heidelberg New York)およびAtlas and Parks(編) The Handbook of Microbiological Media(1993) CRC Press,Boca Raton,FLに細胞培養に関する詳細を見出すことができる。
【0105】
細菌系において、いくつかの発現ベクターを、発現される産物に意図される用途に応じて選択することができる。例えば、大量のポリペプチドまたはその断片が抗体の生成に必要とされる場合、容易に精製される融合タンパク質の高レベルの発現を導くベクターを好都合に利用する。そのようなベクターとしては、多機能性の大腸菌クローニングおよび発現ベクター(例えば、BLUESCRIPT(Stratagene))(このベクター中では、対象となるコード配列(例えば、本明細書に見出されるものを含む配列など)を、アミノ末端翻訳開始メチオニン、それに続く7残基のβ−ガラクトシダーゼ(触媒として活性のあるβガラクトシダーゼ融合タンパク質を生じる)の配列とともにインフレームでベクターに連結することができる);pINベクター(Van Heeke & Schuster(1989) J Biol Chem 264:5503−5509); pETベクター(Novagen,Madison WI)などが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)において、構成的または誘導性プロモーター(例えば、α因子、アルコール酸化酵素およびPGH)を含むいくつかのベクターを、所望の発現産物を生成するために使用することができる。概説については、Ausubel(下記)、およびGrant et al.,(1987);Methods in Enzymology 153:516−544を参照されたい。
【0106】
対象となる生体分子のクローニング、突然変異導入および発現
本発明に適用できる分子生物学的技術(例えば、クローニング、突然変異、細胞培養など)が記載されている一般的な教科書としては、Berger and Kimmel,Guide to Molecular Cloning Techniques,Methods in Enzymology 第152巻 Academic Press,Inc.,San Diego,CA(Berger);Sambrook et al.,Molecular Cloning − A Laboratory Manual(第3版),第1〜3巻,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,New York,2000(「Sambrook」)およびCurrent Protocols in Molecular Biology,F.M.Ausubel et al.,編,Current Protocols,a joint venture between Greene Publishing Associates,Inc.and John Wiley & Sons,Inc.,(2002年まで増補)(「Ausubel」))が挙げられる。これらの教科書には、突然変異導入、ベクターの使用、プロモーターおよび他の多くの関連トピック(例えば、HAおよび/またはNA分子の生成など)が記載されている。
【0107】
場合によって、例えば、新規もしくは新たに単離されたHAおよび/もしくはNA分子を生成および/もしくは単離し、かつ/または本発明のポリペプチド(例えば、HAおよびNA分子)をさらに修飾する/突然変異させるために、様々なタイプの突然変異導入を本発明で使用する。突然変異導入としては、部位特異的、ランダム点突然変異導入、相同組換え(DNAシャッフリング)、ウラシル含有鋳型を用いた突然変異導入、オリゴヌクレオチド特異的突然変異導入、ホスホロチオアート修飾型DNA突然変異導入、ギャップのある二本鎖DNAを用いた突然変異導入などが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる好適な方法としては、点ミスマッチ修復、修復欠損宿主株を用いた突然変異導入、制限選択および制限精製、欠失突然変異導入、全遺伝子合成による突然変異導入、二本鎖切断修復などが挙げられる。例えば、キメラ構築物を伴う突然変異導入も本発明に含まれる。一実施形態では、突然変異導入を、天然の分子または改変したもしくは突然変異させた天然の分子に関する既知の情報(例えば、配列、配列比較、物理的特性、結晶構造など)によって導くことができる。
【0108】
上記の教科書および本明細書に見られる実施例には、これらの方法ならびに以下の出版物(およびその中で引用されている参考文献)が記載されている:Sieber,et al.,Nature Biotechnology,19:456−460(2001);Ling et al.,Approaches to DNA mutagenesis:an overview,Anal Biochem 254(2):157−178(1997);Dale et al.,Oligonucleotide−directed random mutagenesis using the phosphorothioate method,Methods Mol Biol 57:369−374(1996);I.A.Lorimer,I.Pastan,Nucleic Acids Res 23,3067−8(1995);W.P.C.Stemmer,Nature 370,389−91(1994);Arnold,Protein engineering for unusual environments,Current Opinion in Biotechnology 4:450−455(1993);Bass et al.,Mutant Trp repressors with new DNA−binding specificities,Science 242:240−245(1988);Fritz et al.,Oligonucleotide−directed construction of mutations:a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro,Nucl Acids Res 16:6987−6999(1988);Kramer et al.,Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed construction of mutations,Nucl Acids Res 16:7207(1988);Sakamar and Khorana,Total synthesis and expression of a gene for the a−subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide−binding protein(transducin),Nucl Acids Res 14:6361−6372(1988);Sayers et al.,Y−T Exonucleases in phosphorothioate−based oligonucleotide−directed mutagenesis,Nucl Acids Res 16:791−802(1988);Sayers et al.,Strand specific cleavage of phosphorothioate−containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide,(1988) Nucl Acids Res 16:803−814;Carter,Improved oligonucleotide−directed mutagenesis using M13 vectors,Methods in Enzymol 154:382−403(1987);Kramer & Fritz Oligonucleotide−directed construction of mutations via gapped duplex DNA,Methods in Enzymol 154:350−367(1987);Kunkel,The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis,in Nucleic Acids & Molecular Biology(Eckstein,F. and Lilley,D.M.J.編,Springer Verlag,Berlin))(1987);Kunkel et al.,Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection,Methods in Enzymol 154,367−382(1987);Zoller & Smith,Oligonucleotide−directed mutagenesis:a simple method using two oligonucleotide primers and a single−stranded DNA template,Methods in Enzymol 154:329−350(1987);Carter,Site−directed mutagenesis,Biochem J 237:1−7(1986);Eghtedarzadeh & Henikoff,Use of oligonucleotides to generate large deletions,Nucl Acids Res 14:5115(1986);Mandecki,Oligonucleotide−directed double−strand break repair in plasmids of Escherichia coli:a method for site−specific mutagenesis,Proc Natl Acad Sci USA,83:7177−7181(1986);Nakamaye & Eckstein,Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide−directed mutagenesis,Nucl Acids Res 14:9679−9698(1986);Wells et al.,Importance of hydrogen−bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin,Phil Trans R Soc Lond A 317:415−423(1986);Botstein & Shortle,Strategies and applications of in vitro mutagenesis,Science 229:1193−1201(1985);Carter et al.,Improved oligonucleotide site−directed mutagenesis using M13 vectors,Nucl Acids Res 13:4431−4443(1985);Grundstrom et al.,Oligonucleotide−directed mutagenesis by microscale ‘shot−gun’ gene synthesis,Nucl Acids Res 13:3305−3316(1985);Kunkel,Rapid and efficient site−specific mutagenesis without phenotypic selection,Proc Natl Acad Sci USA 82:488−492(1985);Smith,In vitro mutagenesis,Ann Rev Genet 19:423−462(1985);Taylor et al.,The use of phosphorothioate−modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA,Nucl Acids Res 13:8749−8764(1985);Taylor et al.,The rapid generation of oligonucleotide−directed mutations at high frequency using phosphorothioate−modified DNA,Nucl Acids Res 13:8765−8787(1985);Wells et al.,Cassette mutagenesis:an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites,Gene 34:315−323(1985);Kramer et al.,The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide−directed mutation construction,Nucl Acids Res 12:9441−9456(1984);Kramer et al.,Point Mismatch Repair,Cell 38:879−887(1984);Nambiar et al.,Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein,Science 223:1299−1301(1984);Zoller & Smith,Oligonucleotide−directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors,Methods in Enzymol 100:468−500(1983);and Zoller & Smith,Oligonucleotide−directed mutagenesis using M13−derived vectors:an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment,Nucl Acids Res 10:6487−6500(1982)。上記の方法の多くについてのさらなる詳細を、Methods in Enzymol Volume 154に見出すことができ、これには、様々な突然変異導入、遺伝子の単離、発現および他の方法についてのトラブルシューティングの問題に関する役に立つ操作が記載されている。
【0109】
例えば、本発明の突然変異導入(例えば、本発明のHAおよび/またはNA分子のライブラリーを突然変異させること、または改変すること)において使用されるオリゴヌクレオチドは、通常、例えば、Needham-VanDevanter et al.,Nucleic Acids Res,12:6159−6168(1984)に記載されているような自動合成装置を用いて、Beaucage and Caruthers,Tetrahedron Letts 22(20):1859-1862,(1981)によって記載された固相ホスホルアミダイトトリエステル法に従って化学的に合成される。
【0110】
さらに、本質的に全ての核酸は、種々の商業的供給源のいずれかから注文される特注品または標準品であることができる。同様に、ペプチドおよび抗体は、種々の供給源のいずれかから注文される特注品であることができる。
【0111】
本発明はまた、本発明のHAおよび/もしくはNA分子もしくは他のポリペプチドおよび/もしくは核酸を含む宿主細胞および生物またはそのようなHAおよび/もしくはNAもしくは様々なベクター内の他の配列(例えば、6:2再集合体インフルエンザウイルス、プラスミドレスキューシステムにおけるプラスミドなど)に関する。宿主細胞は、本発明のベクター(例えば、クローニングベクターまたは発現ベクターであり得る)を用いて、遺伝子操作(例えば、形質転換、形質導入またはトランスフェクト)される。ベクターは、例えば、プラスミド、細菌、ウイルス、裸のポリヌクレオチド、またはコンジュゲートされたポリヌクレオチドの形態であることができる。ベクターは、エレクトロポレーション(From et al.,Proc Natl Acad Sci USA 82,5824(1985)を参照されたい)、ウイルスベクターによる感染、小さなビーズもしくは粒子のマトリックスの内部または表面のいずれかに核酸を有する小さな粒子による高速弾道貫通(Klein et al.,Nature 327,70−73(1987))をはじめとする標準的な方法によって、細胞および/または微生物に導入される。Berger、Sambrook、およびAusubelには、種々の適切な形質転換方法が提供されている。上記を参照されたい。
【0112】
標的核酸を細菌細胞に導入するいくつかの周知の方法が利用可能であり、これらの方法のうちのいずれかを本発明で使用することができる。これらの方法としては、レシピエント細胞とDNAを含む細菌プロトプラストとの融合、エレクトロポレーション、粒子衝突(projectile bombardment)、およびウイルスベクターによる感染などが挙げられる。細菌細胞を用いて、本発明のDNA構築物を含むプラスミドの数を増幅することができる。細菌を対数期まで増殖させ、細菌内のプラスミドを当技術分野で公知の種々の方法によって単離することができる(例えば、Sambrookを参照されたい)。さらに、細菌からプラスミドを精製するための多くのキットが市販されている(例えば、EasyPrep(商標)、FlexiPrep(商標)(両方ともPharmacia Biotech);StrataClean(商標)(Stratagene);およびQIAprep(商標)(Qiagen)を参照されたい)。次に、単離および精製されたプラスミドをさらに操作して、細胞にトランスフェクトするために用いられるかまたは生物に感染させるために関連ベクターに組み入れられる他のプラスミドを生成する。通常のベクターは、転写および翻訳ターミネーター、転写および翻訳開始配列、ならびに特定の標的核酸の発現の調節に有用なプロモーターを含む。ベクターは、場合により、少なくとも1つの独立したターミネーター配列、真核生物もしくは原核生物またはその両方においてカセットの複製を可能にする配列(例えば、シャトルベクター)ならびに原核生物および真核生物の両方の系のための選択マーカーを含む一般的な発現カセットを含む。ベクターは、原核生物、真核生物、または好ましくは両方における複製および組込みに好適である。Giliman & Smith,Gene 8:81(1979);Roberts,et al.,Nature,328:731(1987);Schneider,B.,et al.,Protein Expr Purif 6435:10(1995);Ausubel,Sambrook,Berger(全て上記)を参照されたい。クローニングに有用な細菌およびバクテリオファージのカタログは、例えば、ATCCによって提供されている(例えば、ATCCによって発行されているThe ATCC Catalogue of Bacteria and Bacteriophage(1992) Gherna et al.(編))。シークエンシング、クローニングおよび分子生物学の他の態様のための、理論的考察に基づく、さらなる基本的な方法は、Watson et al.(1992) Recombinant DNA 第2版 Scientific American Books,NYに見出される。上記を参照されたい。
【0113】
ポリペプチド生成および回収
いくつかの実施形態では、好適な宿主細胞株(cell line)または株(cell strain)に形質導入し、適切な細胞密度まで宿主細胞を増殖させた後、選択されたプロモーターを、適切な手段(例えば、温度変化または化学物質による誘導)によって誘導し、細胞をさらなる期間培養する。いくつかの実施形態では、次に、分泌型ポリペプチド産物(例えば、分泌型融合タンパク質形態のHAおよび/またはNAポリペプチド)を培養培地から回収する。他の実施形態では、1以上の本発明のHAおよび/またはNAポリペプチドを含むウイルス粒子を細胞から生成させる。あるいは、細胞を遠心分離によって回収し、物理的または化学的手段によって破壊し、得られた粗抽出物をさらなる精製のために保持することができる。タンパク質の発現に使用される真核細胞または微生物細胞を、凍結融解の繰返し、超音波処理、機械的破壊、もしくは細胞溶解剤の使用、または他の方法をはじめとする、当業者によく知られた任意の好都合な方法によって破壊することができる。さらに、本発明のHAおよび/またはNAポリペプチド産物を発現する細胞を、細胞からポリペプチドを分離することなく利用することができる。そのような状況では、本発明のポリペプチドは、場合によって、細胞表面に発現され、それゆえ、(例えば、HAおよび/もしくはNA分子、またはそれらの断片を有する(例えば、融合タンパク質などを含む)ことによって)細胞表面結合抗体で調べられる。そのような細胞もまた、本発明の特徴である。
【0114】
発現されたポリペプチドは、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー(例えば、当業者に公知のタグ化システムのいずれかを用いるもの)、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、およびレクチンクロマトグラフィーをはじめとする、当技術分野で周知のいくつかの方法のいずれかによって、組換え細胞の培養物から回収および精製することができる。望ましい場合、成熟型タンパク質の構造を完成させるのに、タンパク質の折畳み工程を使用することができる。また、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程で利用することができる。本明細書に記述した参考文献の他に、種々の精製方法が当技術分野で周知であり、そのような方法としては、例えば、Sandana(1997) Bioseparation of Proteins,Academic Press,Inc.;and Bollag et al.(1996) Protein Methods,第2版 Wiley−Liss,NY;Walker(1996) The Protein Protocols Handbook Humana Press,NJ,Harris and Angal(1990) Protein Purification Applications:A Practical Approach IRL Press at Oxford,Oxford,England;Harris and Angal Protein Purification Methods:A Practical Approach IRL Press at Oxford,Oxford,England;Scopes(1993) Protein Purification:Principles and Practice 第3版 Springer Verlag,NY;Janson and Ryden(1998) Protein Purification:Principles,High Resolution Methods and Applications,Second Edition Wiley−VCH,NY;およびWalker(1998) Protein Protocols on CD−ROM Humana Press,NJに示されているものが挙げられる。
【0115】
本発明の発現ポリペプチドをウイルス中で生成する場合、通常、感染(トランスフェクト)した細胞が増殖した培養培地からウイルスを回収する。通常、インフルエンザウイルスを濃縮する前に粗培地を清澄化する。一般的な方法としては、限外濾過、硫酸バリウムへの吸着および溶出、ならびに遠心分離が挙げられる。例えば、感染培養物に由来する粗培地をまず、細胞破片および他の大きな微粒子物質を除去するのに十分な時間(例えば、10〜30分間)遠心分離する(例えば、1000〜2000×g)ことにより、清澄化することができる。場合によっては、次に、清澄化した培地上清を遠心分離して(例えば、15,000×gで、約3〜5時間)、インフルエンザウイルスをペレット化する。STE(0.01M Tris−HCl;0.15M NaCl;0.0001M EDTA)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)(pH7.4)などの適切な緩衝液にウイルスペレットを再懸濁した後、ショ糖(60%〜12%)または酒石酸カリウム(50%〜10%)を用いた密度勾配遠心分離によってウイルスを濃縮する。連続的または段階的勾配(例えば、12%ずつ4段階の12%〜60%のショ糖勾配)が好適である。回収される明確なバンドへとウイルスが濃縮されるのに十分な速度で、かつ回収される明確なバンドへとウイルスが濃縮されるのに十分な時間、勾配を遠心分離する。あるいは、最大規模の商業的用途のために、ウイルスを連続的な様式で操作するゾーン遠心分離ローターを用いて密度勾配から浄化する。組織培養物からインフルエンザウイルスを調製するように当業者を導くのに十分なさらなる詳細は、例えば、Nicholson et al.(編) Textbook of Influenza pp.324−332におけるFurminger.Vaccine Production;Merten et al.(1996) Production of influenza virus in cell cultures for vaccine preparation,in Cohen & Shafferman(編) Novel Strategies in Design and Production of Vaccines pp.141−151、および米国特許第5,690,937号に提供されている。望ましい場合、回収されたウイルスを、安定剤としてのショ糖−ホスファート−グルタマート(SPG)の存在下、−80℃で保存することができる。
【0116】
修飾アミノ酸
本発明の発現ポリペプチドは、1以上の修飾アミノ酸を含むことができる。修飾アミノ酸の存在は、例えば、(a)ポリペプチド血清の半減期の増大、(b)ポリペプチドの抗原性の低下/増大、(c)ポリペプチドの保存安定性の増大などにおいて好都合であることができる。アミノ酸は、例えば、組換え生成の間に、翻訳と同時にもしくは翻訳後に修飾されるか(例えば、哺乳動物細胞での発現の間のN−X−S/TモチーフにおけるN結合型グリコシル化)または合成手段によって(例えば、PEG化によって)修飾される。
【0117】
修飾アミノ酸の非限定的な例としては、グリコシル化アミノ酸、硫酸化アミノ酸、プレニル化(例えば、ファルネシル化、ゲラニルゲラニル化)アミノ酸、アセチル化アミノ酸、アシル化アミノ酸、PEG化アミノ酸、ビオチン化アミノ酸、カルボキシル化アミノ酸、リン酸化アミノ酸など、および例えば、脂質部分または他の有機誘導化剤へのコンジュゲーションによって修飾されたアミノ酸が挙げられる。アミノ酸を修飾する際に当業者の案内となるのに適した参考文献は、本文献の全体を通して多数見られる。例となるプロトコルは、Walker(1998) Protein Protocols on CD−ROM Human Press,Towata,NJに見出される。
【0118】
融合タンパク質
本発明はまた、本発明の配列(例えば、HAおよび/またはNAポリペプチドをコードするもの)またはその断片と、例えば、免疫グロブリン(またはその一部)、例えば、GFP(緑色蛍光タンパク質)または他の同様のマーカーなどをコードする配列との融合体を含む融合タンパク質を提供する。そのような融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、本発明の別の態様である。本発明の融合タンパク質は、場合によって、例えば、本発明の非融合タンパク質と同様の用途(例えば、本明細書に記載されたような治療的、予防的、診断的、実験的用途などを含む)に使用される。免疫グロブリン配列とマーカー配列との融合に加えて、本発明のタンパク質はまた、場合によって、例えば、融合タンパク質の選別および/または融合タンパク質の特定の細胞型、領域などへのターゲティングを可能とする配列と融合される。
【0119】
抗体
本発明のポリペプチドを用いて、本明細書に示されたポリペプチドおよび/または本発明のポリヌクレオチド(例えば、本明細書に示されたもの)によってコードされるポリペプチド、ならびにそれらの保存的変異体に特異的な抗体を生成することができる。上述のポリペプチドに特異的な抗体は、例えば、診断および治療目的(例えば、標的ポリペプチドの活性、分布および発現に関するもの)に有用である。例えば、そのような抗体は、場合によって、本明細書中のHA/NA配列と同じ株に含まれる他のウイルスを規定するのに利用することができる。
【0120】
本発明のポリペプチドに特異的な抗体は、当業者に周知の方法で生成することができる。そのような抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、ヒト化、単鎖、Fab断片およびFab発現ライブラリーにより生成される断片を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0121】
ポリペプチドは、抗体生成のための生物学的活性を必要としない(例えば、全長の機能的ヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼは必要ではない)。しかしながら、ポリペプチドまたはオリゴペプチドは、抗原性でなければならない。特異的抗体を誘導するために用いられるペプチドは通常、少なくとも約4アミノ酸、多くの場合、少なくとも5または10アミノ酸のアミノ酸配列を有する。ポリペプチドの短いストレッチを、別のタンパク質(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン)、およびキメラ分子に対して生成される抗体と融合させることができる。
【0122】
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を生成するための数々の方法が当業者に知られており、また、これらの方法は、本発明のポリペプチド、および/または本発明のポリヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドなどに特異的な抗体を生成するように適合させることができる。例えば、Coligan(1991) Current Protocols in Immunology Wiley/Greene,NY;Paul(編)(1998) Fundamental Immunology,Fourth Edition,Lippincott−Raven,Lippincott Williams & Wilkins;Harlow and Lane(1989) Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Press,NY;Stites et al.(編) Basic and Clinical Immunology(第4版) Lange Medical Publications,Los Altos,CA、およびその中に引用されている参考文献;Goding(1986) Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版) Academic Press,New York,NY;ならびにKohler and Milstein(1975) Nature 256:495−497を参照されたい。抗体調製のための他の好適な技術としては、ファージまたは同様のベクター中の組換え抗体のライブラリーの選択が挙げられる。Huse et al.(1989) Science 246:1275−1281;およびWard,et al.(1989) Nature 341:544−546を参照されたい。特異的なモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体ならびに抗血清は通常、例えば、少なくとも約0.1μM、少なくとも約0.01μM以下、通常、少なくとも約0.001μM以下のKで結合する。
【0123】
特定の治療用途のためには、ヒト化抗体が望ましい。キメラ(ヒト化)抗体を調製するための詳細な方法は、米国特許第5,482,856号に見出すことができる。ヒト化ならびに他の抗体生成および改変技術についてのさらなる詳細は、Borrebaeck(編)(1995) Antibody Engineering,第2版 Freeman and Company,NY(Borrebaeck);McCafferty et al.(1996) Antibody Engineering,A Practical Approach IRL at Oxford Press,Oxford,England(McCafferty)、およびPaul(1995) Antibody Engineering Protocols Humana Press,Towata,NJ(Paul)に見出すことができる。特定の手順に関するさらなる詳細は、例えば、Ostberg et al.(1983),Hybridoma 2:361−367、Ostberg、米国特許第4,634,664号、およびEngelmanら、米国特許第4,634,666号に見出すことができる。
【0124】
核酸およびポリペプチド配列変異体
本明細書に記載されるように、本発明は、核酸のポリヌクレオチド配列およびポリペプチドのアミノ酸配列(例えば、ヘマグルチニンおよびノイラミニダーゼ配列)、ならびに例えば、該配列を含む組成物および方法を提供する。該配列の例は、本明細書に開示されている。しかしながら、当業者であれば、本発明が本明細書に開示されたそれらの配列に必ずしも限定されるわけではなく、本発明が本明細書に記載された機能を有する多くの関連配列および無関係な配列(例えば、HA分子および/またはNA分子をコードするもの)も提供することを理解するであろう。
【0125】
また、当業者であれば、開示された配列の多くの変異体が本発明に含まれることを理解するであろう。例えば、機能的に同一の配列を生じる開示された配列の保存的変異が本発明に含まれる。核酸ポリヌクレオチド配列の変異体は、その変異体が少なくとも1つの開示された配列にハイブリダイズする場合、本発明に含まれると考えられる。例えば、標準的な配列比較技術によって決定されるような、本明細書に開示された配列の特有の部分配列もまた本発明に含まれる。
【0126】
サイレント変異
遺伝暗号の縮重のために、本発明のポリペプチドおよび/またはウイルスをコードする種々の核酸配列のどれかが場合によって生成され、そのうちのいくつかは、HAおよびNA核酸ならびに本明細書中のポリペプチド配列との低いレベルの配列同一性を有する可能性がある。以下に、多くの生物学および生化学の教科書に見られる、遺伝暗号を特定する典型的なコドン表を提供する。
【表1】

【0127】
このコドン表は、多くのアミノ酸が、2以上のコドンによってコードされていることを示す。例えば、コドンのAGA、AGG、CGA、CGC、CGG、およびCGUは全ては、アミノ酸のアルギニンをコードする。したがって、コドンによってアルギニンが特定される、本発明の核酸の全ての位置で、コードされるポリペプチドを変化させることなく、コドンを上記の対応するコドンのいずれかに変化させることができる。RNA配列中のUは、DNA配列中のTに対応することが理解される。
【0128】
そのような「サイレント変異」は、以下で論じられる「保存的に改変された変異」の1種である。当業者であれば、核酸中の各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンであるATG、および通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTTGは除く)を、標準的な技術によって、機能的に同一のポリペプチドをコードするように改変することができることを認識するであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、どの記載された配列にも内在する。それゆえ、本発明は、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の生じ得る各々のおよび全ての変異を明示的に提供するものであり、この変異は、可能性のあるコドン選択に基づいて組合せを選択することによって作り出すことができる。本発明のヘマグルチニンまたはノイラミニダーゼポリペプチドをコードする核酸配列に適用するときに、これらの組合せを標準的な3文字遺伝暗号(例えば、表1に示したもの、または当技術分野で一般に利用可能なもの)に従って作り出す。本明細書中の全ての核酸のそのような変異は全て、遺伝暗号と組み合わせて配列を考慮することによって、具体的に提供および記載される。当業者は、本明細書中の方法を用いて、これらのサイレントな置換を十分に行なうことができる。
【0129】
保存的変異
遺伝暗号の縮重のために、「サイレント置換」(すなわち、コードされたポリペプチドに変化をもたらさない核酸配列中の置換)は、アミノ酸をコードする本発明の全ての核酸配列の黙示的な特徴である。同様に、アミノ酸配列中の1個または数個のアミノ酸における「保存的アミノ酸置換」は、高度に類似した特性を有する異なるアミノ酸で置換されており、これはまた、開示された構築物(例えば、本明細書中の構築物)と高度に類似したものとして容易に同定される。各々開示された配列のそのような保存的変異は本発明の特徴である。
【0130】
特定の核酸配列の「保存的変異」とは、同一もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、またはアミノ酸配列をコードしない場合、本質的に同一の配列を指す(下記の表2を参照されたい)。当業者であれば、コードされた配列中の1つのアミノ酸または小さな割合のアミノ酸(典型的には5%未満、より典型的には4%、3%、2%または1%未満)を、変化させるか、付加するかまたは欠失させる個々の置換、欠失または付加が、「保存的に改変された変異」であり、その場合、その変化によって、アミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、または化学的に類似したアミノ酸とのアミノ酸置換が生じることを認識するであろう。したがって、列挙された本発明のポリペプチド配列の「保存的変異」は、同じ保存的置換基の保存的に選択されたアミノ酸との、小さな割合(ポリペプチド配列のアミノ酸の典型的には5%未満、より典型的には4%、3%、2%または1%未満)の置換を含む。最後に、コードされた核酸分子の活性を変化させない配列の付加(例えば、非機能的配列の付加)は、基本的核酸の保存的変異である。
【表2】

【0131】
配列比較、同一性、および相同性
3以上の核酸またはポリペプチド配列との関連において、「同一の」または「同一性」パーセントという用語は、下記の配列比較アルゴリズム(もしくは当業者に利用可能な他のアルゴリズム)のうちの1つを用いて、または目視検査によって測定される、最大一致を求めて比較および整列させたときに、同一であるか、または同一である特定の割合のアミノ酸残基もしくはヌクレオチドを有する3以上の配列またはサブ配列を指す。
【0132】
2つの核酸またはポリペプチド(例えば、HAもしくはNA分子をコードするDNAおよび/もしくはRNA、またはHAもしくはNA分子のアミノ酸配列)との関連において、「実質的に同一な」という語句は、配列比較アルゴリズムを用いて、または目視検査によって測定される、最大一致を求めて比較および整列させたときに、少なくとも約90%、好ましくは91%、最も好ましくは92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、98.5%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%またはそれより大きいヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有する3以上の配列またはサブ配列を指す。そのような「実質的に同一の」配列は通常、実際の祖先を参照することなく、「相同」であると考えられる。好ましくは、「実質的な同一性」は、少なくとも約200残基の長さのアミノ酸配列の領域にわたって、より好ましくは、少なくとも約250残基の領域にわたって存在し、最も好ましくは、配列は、アミノ酸がヘマグルチニンまたはヘマグルチニン断片である場合、少なくとも約300残基、350残基、400残基、425残基、450残基、475残基、480残基、490残基、495残基、499残基、500残基、502残基、559残基、565残基、もしくは566残基にわたって、または比較される2つの配列の全長にわたって実質的に同一であるか、またはアミノ酸がノイラミニダーゼまたはノイラミニダーゼ断片である場合、連続する少なくとも約350アミノ酸にわたって、少なくとも約400アミノ酸にわたって、少なくとも約436アミノ酸にわたって、少なくとも約450アミノ酸にわたって、少なくとも約451アミノ酸にわたって、少なくとも約465アミノ酸にわたって、少なくとも約466アミノ酸にわたって、少なくとも約469アミノ酸にわたって、少なくとも約470アミノ酸にわたって、または少なくとも約566アミノ酸にわたって実質的に同一である。
【0133】
配列比較および相同性決定のために、通常、1つの配列が参照配列としての役割を果たし、これに対して試験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを用いた場合、試験配列および参照配列をコンピュータに入力し、必要な場合、サブ配列座標を指定し、そして配列アルゴリズムプログラムパラメータを指定する。次に、配列比較アルゴリズムを、指定されたプログラムパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列の配列同一性パーセントを算出する。
【0134】
比較のための配列の最適アライメントは、例えば、Smith & Waterman,Adv Appl Math 2:482(1981)の局所相同性アルゴリズムによるか、Needleman & Wunsch,J Mol Biol 48:443(1970)の相同性アライメントアルゴリズムによるか、Pearson & Lipman,Proc Natl Acad Sci USA 85:2444(1988)の類似性検索法によるか、Wisconsin Geneticsソフトウェアパッケージ(Genetics Computer Group,575 Science Dr.,Madison,WI)中のアルゴリズム(例えば、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)のコンピュータによる実行によるか、または目視検査によって実施することができる(一般に、Ausubelら(上記)を参照されたい)。
【0135】
配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントを決定するのに好適なアルゴリズムの一例は、Altschul et al.,J Mol Biol 215:403−410(1990)に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公に利用可能である。このアルゴリズムはまず、データベース配列中の同じ長さのワードと整列させたときに、一致するかまたは何らかの正の値を持つ閾値スコアを満たすかのいずれかの、クエリー配列中の長さWの短いワードを同定することによって、高スコア配列対(HSP)を同定することを含む。Tは、近傍ワードスコアの閾値と呼ばれる(Altschul et al.,上記を参照されたい)。これらの初期の近傍ワードヒットは、検索を開始し、それらを含むより長いHSPを見付けるためのシードとしての役割を果たす。次に、ワードヒットを、累積アライメントスコアが増加し得る限り、各配列に沿って両方向に伸長させる。累積スコアは、ヌクレオチド配列については、パラメーターM(一致する残基対に対する報酬スコア;常に0よりも大きい)およびN(不一致の残基に対するペナルティスコア;常に0よりも小さい)を用いて算出する。アミノ酸配列については、スコアリングマトリックスを用いて、累積スコアを算出する。各方向へのワードヒットの伸長は、累積アライメントスコアが、その最大達成値から量Xだけ減少するとき;累積スコアが、1以上のネガティブスコア残基アライメントの蓄積により、0以下になるとき;またはいずれかの配列の末端に到達したときに停止する。BLASTアルゴリズムのパラメータ(W、T、およびX)は、アライメントの感度および速度を決定する。(ヌクレオチド配列についての)BLASTNプログラムは、ワード長(W)11、期待値(E)10、カットオフ100、M=5、N=−4、および両鎖の比較をデフォルトとして使用する。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、ワード長(W)3、期待値(E)10、およびBLOSUM62スコアリングマトリックスをデフォルトとして使用する(Henikoff & Henikoff(1989) Proc Natl Acad Sci USA 89:10915を参照されたい)。
【0136】
配列同一性パーセントの算出に加えて、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計学的分析も行なう(例えば、Karlin & Altschul,Proc Natl Acad Sci USA 90:5873−5787(1993)を参照されたい)。BLASTアルゴリズムによって与えられる類似性の1つの尺度は、最小和確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列間の一致が偶然に起こる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、試験核酸と参照核酸とを比較したときの最小和確率が、約0.1未満、より好ましくは約0.01未満、および最も好ましくは約0.001未満である場合、参照配列と類似していると考えられる。
【0137】
有用な配列アライメントアルゴリズムの別の例は、PILEUPである。PILEUPは、漸進的な一対アライメントを用いて一群の関連配列から複数の配列アライメントを生成する。これは、アライメントを生成するために使用されるクラスター形成の関連性を示す系統樹をプロットすることもできる。PILEUPでは、Feng & Doolittle(1987) J.Mol.Evol.35:351−360の漸進的アライメント法を単純化したものが使用される。使用される方法は、Higgins & Sharp(1989) CABIOS5:151−153に記載された方法に類似している。このプログラムは、例えば、最長5,000文字の300配列までを整列させることができる。多重アライメント法は、整列した2つの配列のクラスターを生じさせる、2つの最も類似する配列の一対アライメントから開始される。次に、このクラスターは、整列した配列の次に最も関連する配列またはクラスターと整列させることができる。2つ配列クラスターは、2つの個々の配列の一対アライメントを単に伸長することによって整列させることができる。最終的なアライメントは、一連の漸進的な一対アライメントによって達成される。このプログラムを用いて、クラスター形成の関係性を示す樹形図または系統樹をプロットすることもできる。このプログラムは、配列比較の領域に対して特定の配列およびそのアミノ酸またはヌクレオチド座標を指定することによって実行される。
【0138】
複数の核酸またはアミノ酸の配列アライメントに好適なアルゴリズムのさらなる例は、CLUSTALWプログラムである(Thompson,J.D.et al.(1994) Nucl.Acids.Res.22:4673−4680)。CLUSTALWは、配列群間の多重一対比較を行ない、それらをアセンブルして相同性に基づく多重アライメントを作る。ギャップオープンおよびギャップ伸長ペナルティーは、例えば、それぞれ10および0.05であることができる。アミノ酸アライメントについては、BLOSUMアルゴリズムを、タンパク質重量マトリックスとして用いることができる。例えば、Henikoff and Henikoff(1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919を参照されたい。
【0139】
デジタルシステム
本発明は、本明細書中の核酸および単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド(例えば、本明細書に示した配列を含む)ならびに様々なサイレント置換およびその保存的置換についての本明細書中の配列情報に対応する文字列を含むデジタルシステム(例えば、コンピュータ、コンピュータ可読媒体および統合システム)を提供する。統合システムは、例えば、文字列に対応する遺伝子を作製するための遺伝子構成装置をさらに含むことができる。
【0140】
当技術分野で公知の様々な方法を用いて、異なる文字列間の相同性または類似性を検出することができるか、またはこれらの方法を用いて、他の望ましい機能を実施する(例えば、出力ファイルを制御する、配列などを含む情報を提示するための基礎を提供する)ことができる。例としては、上に論じられたBLASTが挙げられる。本発明のコンピューターシステムは、そのようなプログラムを、例えば、本明細書に記述されるような配列を含む1以上のデータファイルまたはデータベースとともに含むことができる。
【0141】
したがって、様々なHAもしくはNA配列または断片間の様々なストリンジェンシーおよび長さに関する異なる種類の相同性および類似性を、本明細書中の統合システムにおいて検出および認識することができる。例えば、生体ポリマーの配列を比較分析するために、ワードプロセシングでスペルチェックを行なうために、および様々なデータベースからデータを回収するために、多くの相同性決定法が設計されている。天然ポリヌクレオチド中の4つの主要なヌクレオ塩基間の二重らせんの一対の相補的相互作用を理解することによって、相補的な相同ポリヌクレオチド鎖のアニーリングをシミュレーションするモデルを、配列アライメントまたは本明細書中の配列に対応する文字列に対して通常行われる他の操作(例えば、ワードプロセシング操作、配列またはサブ配列の文字列を含む図面の構築、出力表の構築など)の基盤として用いることができる。
【0142】
したがって、標準的なデスクトップアプリケーション、例えば、ワードプロセシングソフトウェア(例えば、Microsoft Word(商標)またはCorel WordPerfect(商標))およびデータベースソフトウェア(例えば、Microsoft Excel(商標)、Corel Quattro Pro(商標)などの表計算ソフトまたはMicrosoft Access(商標)、Paradox(商標)、GeneWorks(商標)もしくはMacVector(商標)もしくは他の同様のプログラムなどのデータベースプログラム)を、1以上の本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド(核酸もしくはタンパク質のいずれか、または両方)に対応する文字列を入力することによって本発明に適合させることできる。例えば、本発明のシステムは、例えば、本明細書中の配列に対応する文字列を操作するためのユーザインターフェース(例えば、Windows、MacintoshまたはLINUXシステムなどの標準的なオペレーティングシステムにおけるGUI)とともに使用される、適切な文字列情報を有する前述のソフトウェアを含むことができる。述べたように、特殊化したアライメントプログラム(例えば、BLAST)を、核酸またはタンパク質(または対応する文字列)のアライメントのために本発明のシステムに組み込むこともできる。
【0143】
本発明のシステムは通常、本明細書中の配列のいずれかを含むソフトウェアシステムに入力されたデータセットを備えるデジタルコンピュータを備える。コンピュータは、例えば、PC(Intel x86もしくはPentiumチップ互換性DOS(商標)、OS2(商標)、WINDOWS(商標)、WINDOWSNT(商標)、WINDOWS95(商標)、WINDOWS2000(商標)、WINDOWS98(商標)、LINUXベースのマシン、MACINTOSH(商標)、Power PC、もしくはUNIXベースの(例えば、SUN(商標)ワークステーション)マシン)または当業者に公知の他の市販のコンピュータであることができる。配列を整列させるかもしくは別の形で操作するためのソフトウェアが利用可能であるか、または標準的なプログラミング言語(例えば、Visualbasic、PERL、Fortran、Basic、Javaなど)を用いて当業者により容易に構築され得る。
【0144】
どのコントローラまたはコンピュータも任意でモニターを備え、モニターは、多くの場合、陰極線管(「CRT」)ディスプレイ、フラットパネルディスプレイ(例えば、アクティブマトリックス方式液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイ)などである。コンピュータ回路網は、多くの場合、数多くの集積回路チップ(例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェース回路など)を備えるボックス内に配置されている。このボックスは任意でハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、高容量のリムーバブルドライブ(書き込み可能なCD−ROM)、および他の一般的な周辺素子も備える。キーボードまたはマウスなどの入力装置は任意で、ユーザーからの入力、および関連コンピューターシステムにおいて比較されるかまたは別の形で操作される配列のユーザー選択を提供する。
【0145】
コンピュータは通常、(例えば、GUI中の)セットパラメーターフィールドへのユーザーの入力の形態か、または予めプログラムされた指示(例えば、種々の異なる特定の操作のために予めプログラムされたもの)の形態かのいずれかで、ユーザーの指示を受けるための適切なソフトウェアを備える。次に、ソフトウェアは、これらの指示を、例えば、適切なメカニズムまたはトランスポートコントローラの操作を指示して、所望の操作を実施するための適切な言語に変換する。ソフトウェアはまた、(例えば、本明細書中の配列もしくは配列アライメントに基づく)核酸合成、示差的な遺伝子発現についての試料の比較、または他の操作を制御するための出力エレメントを備えることができる。
【0146】
キットおよび試薬
本発明は、場合により、キットとしてユーザーに提供される。例えば、本発明のキットは、本明細書に記載の1以上の核酸、ポリペプチド、抗体、または細胞株(例えば、本発明のHAおよび/もしくはNA分子を含むか、または有するもの)を含む。キットは、診察用の核酸またはポリペプチド(例えば、抗体)、プローブセット(例えば、好適な容器に梱包されたcDNAマイクロアレイ)、または他の核酸(例えば、1以上の発現ベクター)を含むことができる。キットは、通常、発現産物、チューブおよび/または他の付属物を標識するための1以上の追加の試薬(例えば、基質、標識、プライマー)、サンプルを回収するための試薬、緩衝液、ハイブリダイゼーションチャンバー、カバーガラスなどをさらに含む。キットは、場合により、発見のためにキットの構成要素を用いる好ましい方法、または診断セットの用途などを詳述した指示セットまたはユーザーマニュアルをさらに含む。
【0147】
指示書に従って用いる場合、キットを、例えば、疾患状態もしくは疾病を評価するため、細胞または生物における疾患状態もしくは疾病の進行に対する薬学的薬剤もしくは他の治療的介入の効果を評価するため、またはワクチンとして使用するためなどに使用することができる。
【0148】
さらなる態様において、本発明は、本明細書中の方法、組成物、システムおよび装置を具現化するシステムキットを提供する。本発明のシステムキットは任意で以下のうちの1つまたは複数を含む:(1)装置、システム、システム構成要素または装置構成要素;(2)本明細書に記載の方法を実施するため、および/または本明細書中の装置または装置構成要素を操作するため、および/または本明細書中の組成物を使用するための指示書。さらなる態様では、本発明は、本明細書中の任意の装置、装置構成要素、組成物もしくはキットの使用、本明細書中の任意の方法もしくはアッセイの実施、および/または本明細書中のアッセイもしくは方法を実施するための任意の装置もしくはキットの使用を提供する。
【0149】
さらに、キットは、1以上の上述のような翻訳系(例えば、細胞)を、適切な梱包材料、キットの構成要素を収納するための容器、本明細書中の方法を実施するための説明資料などとともに含むことができる。同様に、翻訳系の産物(例えば、HAおよび/またはNA分子などのタンパク質)を、例えば、キットの構成要素を収納する容器、本明細書中の方法を実施するための説明資料などとともに、キットの形態で提供することができる。さらに、キットは、本明細書中のHAおよび/またはNA配列を含む弱毒化生ワクチン(例えば、FluMist)などの様々なワクチン(例えば、プラスミドレスキュープロトコルによって生成されるもの)を含むことができる。
【0150】
本発明の方法および組成物の使用を容易にするために、ワクチン成分および/または組成物(例えば、尿膜液中の再集合体ウイルスなど)、ならびに実験または治療ワクチン目的のためのインフルエンザウイルスのパッケージングおよび感染に有用な追加成分(例えば、緩衝液、細胞、培養培地)のいずれかを、キットの形態で梱包することができる。通常、キットは、上記の構成要素に加えて、さらなる材料を含み、この材料としては、例えば、本発明の方法を実施するための説明書、梱包材料、および容器を挙げることができる。
【実施例】
【0151】
次に、以下の実施例に関して本発明を記載する。これらの実施例は例示の目的のためにのみ与えられ、本発明はこれらの実施例に限定されると決して解釈されるべきではなく、むしろ本明細書に与えられる教示の結果として明らかになる任意のおよび全ての変形を包含すると解釈されるべきである。
【0152】
材料および方法
組換えウイルスの作製:野生型(wt)A型インフルエンザH1N1ウイルスである、MDCK細胞から単離されたA/CA/4/09と卵から単離されたA/CA/7/09とを米国疾病対策センター(CDC)から得た。A/CA/4/09卵適合ウイルスRNAは、米国食品医薬品局(FDA)のZiping Ye博士によって提供された。A/CA/4/09およびA/CA/7/09のHAおよびNA遺伝子セグメントを、HAおよびNA遺伝子の末端配列に共通するプライマーを用いるRT−PCRで増幅させ、プラスミドベクターpAD3000(Hoffman(2000) PNAS 97:6108−6113)にクローニングした。特定の変化をHA遺伝子に導入するために、QuikChange(登録商標)部位特異的突然変異導入キット(Stratagene)を用いて部位特異的突然変異導入を行ない、シークエンシング解析によってHA配列を確認した。6:2再集合体ワクチン株は、H1N1ウイルスのHAおよびNAならびに低温適応型(ca)A/アナーバー/6/60(MDV−A、A型インフルエンザウイルスのマスタードナーウイルス)の6つの内部遺伝子セグメントをコードする8つのcDNAプラスミドを、共培養された293T細胞およびMDCK細胞に共トランスフェクトすることによって作製した。生成に使用されるワクチン株は、エレクトロポレーションによって無血清Vero/CEK細胞で生成される。ウイルスを10〜11日齢の孵化鶏卵の尿膜腔の中で繁殖させた。レスキューしたウイルスのHAおよびNA配列は、vRNAから増幅されたRT−PCR cDNAのシークエンシングによって確認した。
【0153】
ウイルス力価測定:ウイルス力価は蛍光フォーカスアッセイで測定し、log10FFU(蛍光フォーカスユニット単位)/mlとして表した(Forrest et al.(2008) Clin Vaccine Immunol 15:1042−1053)。ウイルスプラークの形態を以前に記載されたようなプラークアッセイで調べた(Jin et al.,(2003) Virology 306,18−24)。
【0154】
受容体結合アッセイ:ニワトリ赤血球(cRBC)(HEMA Resource and Supply,Inc.)を以前に記載されたように脱シアリル化および再シアリル化した()。100μlの10%cRBCを50mUのコレラ菌(Vibrio cholerae)ノイラミニダーゼ(Sigma,St.Louis,MO)とともに37℃で1時間インキュベートして、シアル酸を除去した。1mlのPBSで3回洗浄した後、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する1mlのPBSに細胞を再懸濁し、1.5mMのCMP−SA(Sigma,St.Louis,MO)を加えて、2.5mUのα2,3(N)−シアリルトランスフェラーゼ(Calbiochem,La Jolla,CA)または2mUのα2,6(N)シアリルトランスフェラーゼ(Calbiochem,La Jolla,CA)とともに37℃で1.5時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、再シアリル化したcRBCを0.5%(v/v)としてPBSに再懸濁した。結合活性について、V底の96ウェルマイクロ力価プレート中で、血液凝集アッセイ(HA)を行なった。50μlの2倍連続希釈ウイルスを、50μlの0.5%のcRBC、α2,3、またはα2,6再シアリル化cRBCとともに室温で60分間インキュベートした。HA力価をRBCを凝集させる最大希釈として定義した。
【0155】
フェレット研究:3匹からなる群にしたSimonson(Gilroy,CA)からの8〜10週齢の雄および雌のフェレットを用いて、気道におけるウイルス複製とワクチンの免疫原性とを評価した。フェレットを個別に飼育し、0.2ml用量につき7.0 log10FFUのウイルスを鼻腔内に接種した。感染3日後、フェレットを安楽死させ、肺および鼻甲介(NT)を摘出した。肺およびNTにおけるウイルス力価をEID50アッセイで決定し、組織1グラム当たりの50%卵感染用量(log10EID50/g)として表した。免疫原性研究に割り当てたフェレットから、感染後14日目、21日目および28日目に採血し、HAIによる抗体力価について、血清をアッセイした。
【0156】
HAIアッセイによる血清抗体検出:感染後のフェレット血清中の同種および異種ウイルスに対するH1N1特異的抗体のレベルをHAIアッセイで測定した。血清学的解析の前に、フェレット血清をバイアル当たり10mLの0.9%NaClで再構成した受容体破壊酵素(RDE)(Denka Seiken,Tokyo,Japan)で処理した。0.1mLの血清を0.15mLのRDEと混合し、37℃で18時間インキュベートし、0.15mLの0.9%クエン酸ナトリウムを添加して最終的な1:4希釈となるよう調整し、その後、56℃で45分間インキュベートした。0.5%のtRBCを用いて種特異的血清HAI力価を決定した。このHAIは、血球凝集を阻害した最大血清希釈の逆数として示される。
【0157】
結果
再集合体候補ワクチン株の作製
wt A/CA/4/09由来のHAおよびNA遺伝子セグメントを、感染させたMDCK細胞のRNAからRT−PCR増幅後にクローニングした。ヌクレオチド配列解析により、各々のHAまたはNA由来の合計12個のcDNAクローンが同一であることが分かった。このwt A/CA/4/09のHA配列およびNA配列を表すプラスミドを、MDV−Aの6つの内部タンパク質遺伝子セグメントを表すプラスミドと一緒に293/MDCK細胞にトランスフェクトしたが、MDCK細胞または卵のいずれにおいても生きた再集合体子孫を回収することができなかった。wt A/CA/4/09卵分離株からクローニングされたHA cDNAは、2つのアミノ酸位置において異種であった(表3)。解析した12個のクローンから、以下の変化:L191I(42%)、Q223R(50%)が観察され、1つ(8%)には、L191IとQ223Rの両方があった。これらの異なるHA配列を表すプラスミドを組み合わせて、MDV−A内部タンパク質遺伝子とともに293/MDCK細胞にトランスフェクトすると、再集合体ウイルスがすぐにレスキューされた。
【0158】
残基222または223にアミノ酸変化を持たないA/CA/7/09からクローニングされたHAプラスミドは、子孫ウイルスを生成するようにレスキューすることができた。これにより、CA/7/09におけるT197A変化が、効率的なA/CA/7/09のレスキューの一因であることが示唆された。他のA/CA/7/09クローンは、D222GまたはQ223Rのいずれかの変化を有し、HA中のD222GまたはQ223Rを含有するウイルスもレスキューされた。A/CA/4/09のHAとA/CA/7/09のHAには高度の類似性があるため、およびNA配列はこれら2つの株で同一であるため、A/CA/7/09由来の変異体をさらに開発した。
【表3】

【0159】
孵化鶏卵中でより良好に増殖するワクチン株の選択
表3に示すように、レスキューされたA/CA/4/09およびA/CA/7/09再集合体ワクチン株は、ニワトリ孵化卵において、季節性H1N1ワクチン株よりも少なくとも10倍低い7.4〜7.8log10FFU/mlという力価で複製された。さらに、回収されたA/CA/7/09再集合体ワクチン候補は、MDCK細胞で非常に小さいプラークを形成した。MDCK細胞および卵におけるワクチンウイルス増殖を改善するために、A/CA/7/09候補(V5およびV6)をMDCK細胞において4.0、0.4および0.04というmoiで2回継代し、その後、上清中に存在するウイルスをプラークアッセイで調べた。MDCKで継代したウイルスは全て、親ウイルスよりも遙かに大きい(2〜4mm)プラークを含有していた(図1)。MDCKで継代したV5およびV6ワクチン候補由来の12個のプラークのHA遺伝子セグメントをシークエンシングした。大きいプラーク形態の分離株の各々のHAは、以下の位置:K119NまたはK119E、K153E、K154E(V5由来)およびA186D(V6由来)のうちの1つに単一のアミノ酸変化を有していた。
【0160】
A/CA/7/09のHA配列をブタが起源である2つの初期のH1N1ウイルス、A/ブタ/アイオワ/1/1976およびA/ブタ/1931、ならびに最近のヒトH1N1ウイルスであるA/サウスダコタ/6/07(A/SD/07)とも比較した。図2に示すように、K119、K153およびK154は、ブタH1N1ウイルスの間で高度に保存されている。A/SD/6/07は、K119およびK154残基も含有していた。186のアミノ酸は、図2に示した4つのウイルス間でより多様であった。以前の研究(Both et al.(1983) Proc Natl Acad Sci USA 80:6996−7000)では、G155E変化が卵中での高いウイルス増殖の一因であることが示された。これらのデータは、153〜155領域の負電荷を有するE残基が、MDCK細胞および卵中でのウイルス複製に好ましいことを示している。A/NJ/76ウイルスについて以前に報告されたG155E変化もまた、卵中でのA/CA/7/09ウイルス複製を改善することができるかどうかを調べるために、G155EをV5およびV6に導入した。さらに、大きいプラークで同定されたアミノ酸が、卵中でウイルス増殖優位性を付与したことを確認するために、同定された突然変異の各々をHAに導入し、再集合体ワクチン候補株をレスキューした。さらに、V6で同定されたA186D変化をV5およびV5−119Eにも導入した。同様に、V5で見出された119N突然変異をV6およびV6−186Dにも導入し、卵中でのウイルス複製に対する単一または二重アミノ酸変化の影響を評価した。同様に、V5で見出された119N突然変異をV6およびV6−186Dにも導入し、卵中でのウイルス複製に対する単一または二重アミノ酸変化の影響を評価した。HA配列解析によって、A/CA/09株が残基278に独特のグリコシル化を含有することも示された(図2)。この追加のグリコシル化部位がウイルス増殖に影響を及ぼすかどうかを評価するために、T278K変化をV5およびV6にそれぞれ導入した。
【0161】
レスキューされたウイルスを卵中でのその増殖について調べた。表4に示すように、導入されたHA突然変異を含有する変異体の大半は、V5およびV6よりも有意に良好に増殖した。V5−278KおよびV6−278Kは、V5およびV6と類似した7.6および7.7Log10FFU/mlという力価を有していた。したがって、278グリコシル化部位の除去は、卵中でのウイルス力価に最小限の影響を及ぼした。119、186、153、154、155および186部位での変化は、0.2〜1.2log10FFU/mlだけウイルス力価を増大させた。V5において119E変化と186D変化を組み合わせると、119Eまたは186Dのどちらかだけよりもわずかに高い力価が得られた。
【表4】

【0162】
ワクチン変異体のその抗原性についての評価
H1 HAに導入されたアミノ酸変化のいずれかが、ウイルス抗原性に影響を及ぼしたかどうかを明らかにするために、HAIアッセイを用いて、A/CA/7/09変異体を、様々な感染後フェレット血清との反応性について評価した(表5)。低温適応型(ca)ウイルスである、223R残基を有するA/CA/4/07(V3)、222G残基を有するA/CA/7/09(V5)および223R残基を有するA/CA/7/09(V6)は、wt A/CA/4/09、ca A/CA/4/09(V3)、ca A/CA/7/09(V5)およびca A/CA/07/09(V6)で免疫化したフェレット由来の4つの参照血清と同様に反応した。V5の位置119および186にアミノ酸変化が導入された変異体は、V5と同様の抗原性を有していた。しかしながら、位置153、154および155に変化を有するウイルスは、これらの血清との反応性が遙かに低く、4倍を超える力価の低下が検出された。したがって、これらのデータは、残基153〜154での突然変異がワクチン株中に存在すべきでないことを示している。位置119および186での変化は、ウイルス抗原性に影響を及ぼすことなくワクチン株に導入することができた。
【表5】

【0163】
A/CA/7/09ワクチン候補は、フェレットにおいて弱毒化されているが、免疫原性である
A/CA/7/09ワクチン変異体を、その弱毒化表現型および抗体応答を誘導するその能力について評価するために、フェレットに7.0log10FFUのウイルスを0.2mlの投与容量で鼻腔内接種し、フェレットの上下気道におけるウイルス複製をEID50アッセイで明らかにした。表6に示すように、A/CA/7/09変異体は全て、NT組織では効率的に複製したが、肺ではウイルスが検出されなかった。これらのデータにより、これらのウイルスがフェレットにおいて弱毒化されていること(これは、MDV−Aの6つの内部タンパク質遺伝子セグメントによって付与される特徴的な表現型である)が確認された。
【0164】
フェレットの感染後血清を鼻腔内接種後14日目に回収し、HAIアッセイで抗体力価を評価した(表6)。V5変異体は全て、非常に免疫原性が強く、HAI力価が256〜1024の範囲の、H1N1特異的抗体応答を誘導した。いくつかのV6変異体も、その免疫原性について評価し、V5よりも免疫原性が低いことがわかった(データは示さない)。残基119および186に突然変異を有する変異体は、wtウイルスと同様の抗原性を維持したが、154Eおよび155E変異体とはあまり反応しなかった。154Eおよび155E変異体感染フェレット血清で感染させたフェレット由来の血清もまた、wtウイルス、V5、ならびに119Eおよび186D変化を有するV5変異体とはあまり反応せず;それらの力価の違いは2倍以内であった。V5−154Eおよび155E感染後フェレット血清は、他の変異体よりも4倍を超えて高い同種HAI力価を有していた。興味深いことに、186Dでの突然変異は、154Eおよび155E変異体との反応性を大きく低下させた。これらのデータは、A/CA/07/09(H1N1)の119および186HA変異体が、ウイルス抗原性または免疫原性を変化させることなく、卵中での高い増殖を付与し、そのため、ブタ起源のH1N1ウイルスの潜在的なワクチン候補となることを示している。
【表6】

【0165】
A/CA/7/09 変異体の受容体結合特異性
卵中での野生型A/CA/4/09およびA/CA/7/09ウイルスの増殖によって、HA受容体結合部位におけるアミノ酸変化(D222GおよびQ223R)が生じた。これらの位置は、卵で継代した後の他のH1N1株で以前に同定されており、HA受容体結合特異性に関与している。ワクチンウイルス変異体が異なる受容体結合特異性を有するかどうかを明らかにするために、V5、V6ならびにV5−119およびV5−186変異体を、RBC結合アッセイにより、その受容体結合特異性について評価した(表7)。(222および223が変化していない)V4は、α2,3 SAよりもα2,6 SAに結合する傾向があった。V5(D222G)は、α2,3 SAおよびα2,6 SAで再シアリル化されたRBCに同程度によく結合した。しかしながら、V6(Q223R)は、α2,3 SAで再シアリル化されたRBCにしか結合することができず、これら2つの残基がウイルス受容体結合特異性に影響を及ぼすことが確認された。V5−119E/NおよびV5−186Dウイルスは、V5と同様の結合特異性を有していた。二重HA突然変異体V5−119E/186Dは、α2,3 SAよりもα2,6 SAに良好に結合する傾向があった。V6に導入された119Eおよび186D残基は、α2,6 SAに対するその結合を回復することができなかった(データは示さない)。したがって、119および186残基における変化は、ウイルス受容体結合特異性にそれほど影響を及ぼさない。
【表7】

【0166】
A/CA/7/09再集合体のタンパク質組成
感染させた卵から回収した13mlの尿膜腔液を2mlの30%ショ糖クッションに25krpmで1時間通してペレット化した。ウイルスペレットを0.2mlのPBSに再懸濁した。5μlのウイルス懸濁液を4〜20%ポリアクリルアミドゲルに充填し、クマシーブルーで染色したサンプルの順番は以下の通りであった。
図3A
レーン1.組換えHAA/NC/20/99 0.5μg
レーン2.組換えHAA/NC/20/99 2μg
レーン3.MDVA−V5−119E/186D(FFA 8.6)
レーン4.MDVA−V6(FFA 7.9)
レーン5.MDVA−V6−186D(FFA 8.1)
レーン6.PR8−V5−119E/186D(FFA 8.2)
レーン7.PR8−V6(FFA 7.8)
レーン8.PR8−V6−186D(FFA 8.5)
レーン9.NYMC X−179A(FFA 8.5)
レーン10.PR8サウスダコタ(FFA 8.7)
図3B
レーン1.NYMC X−179A(FFA 8.5)
レーン2.MDVA−V5−119E/186D(FFA 8.6)
レーン3.MDVA−V5−119E/186D/PA−S395N(FFA8.9)
レーン4.サウスダコタ(FFA 8.7)
【0167】
標準的な方法を用いて、FFAおよびピーク力価の値を決定した。その名称に「MDVA」が含まれる再集合体ウイルスは、A/アナーバー/6/60の6つの内部ゲノムセグメントを含む。その名称に「PR8」が含まれる再集合体ウイルスは、PR8の6つの内部ゲノムセグメントを含む。
【0168】
A/カリフォルニア/7/09変異体のHAタンパク質収量の比較
PR8由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09由来のHAおよびNAゲノムセグメントとを含む6:2再集合体インフルエンザウイルスを作製した。PR8由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09由来のNAゲノムセグメントと、本明細書に記載のH1 HA変異体ポリペプチドをコードするHAゲノムセグメントとを含むさらなる6:2再集合体ウイルスを作製した。A/Texas/5/2009 RG15(A/TX/7/09 RG15)およびA/カリフォルニア/07/09 NYMC X179Aとともに、様々なA/CA/7/09HA変異体を含む6:2再集合体ウイルスをニワトリ孵化卵中で拡大し、そのピーク力価をFFAで決定した。アッセイしたウイルス株を表8に示す。6:2PR8−サウスダコタは、PR8由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/サウスダコタ/6/07由来のHAおよびNAゲノムセグメントとを含む6:2再集合体ウイルスである。6:2AA−V5−119E/186Dは、A/アナーバー/6/60由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09由来のNAゲノムセグメントと、V5−119E/186D 変異体HAゲノムセグメントとを含む6:2再集合体ウイルスである。本明細書に記載のH1 HA変異体ゲノムセグメントを含むPR8再集合体ウイルスは、TIV生成に利用可能な最高収量株であるX179Aと同程度の力価を有していた。
【表8】

【0169】
ピーク力価の測定の他に、本発明者らは、表8に列挙された再集合体ウイルスのうちのいくつかのHAタンパク質収量も決定した。50個の卵に各々10FFU/卵のMOIで感染させることにより、選択されたウイルスを増幅させた。33℃で62時間のインキュベーションの後、ウイルスを回収した。その後、等量の尿膜腔液(250ml)をショ糖勾配で精製した。SDS PAGE、次いでクマシーブルー染色により、ウイルスタンパク質を解析した。
【0170】
結果の代表的なサンプルを図4に示す。図4Aに示すように、X179A、6:2PR8−V6−186Dおよび6:2AA−V5−119E/186Dの総タンパク質収量は、ぞれぞれ、460、300、および350μgであった。6:2AA−V5−119E/186Dは、A/CA/7/09 X179Aよりも総タンパク質収量が低かったにもかかわらず、6:2AA−V5−119E/186DのHAタンパク質収量が最大であった。この実験で6:2AA−V5−119E/186Dについて見られたより低い総タンパク質収量は、アッセイのばらつきによる可能性が高かった。図4Bに示すように、6:2PR8−V5−119E/186DおよびX179Aの総タンパク質収量は、それぞれ、780および720μgであった。6:2PR8−V5−119E/186DのHAタンパク質収量はまた、A/CA/7/09 X179AのHAタンパク質収量よりも高かった。
【0171】
PR8バックボーンと変異体A/カリフォルニア/7/09 H1ポリペプチドとを含む再集合体ウイルス
PR8由来の6つの内部ゲノムセグメントと、A/CA/7/09 H1 HAゲノムセグメントの変異体と、A/CA/7/09 NAゲノムセグメントとを含むさらなる6:2再集合体インフルエンザウイルスを作製した。H1 HAアミノ酸変異を表9にまとめる。
【表9】

【0172】
試験した変異体HAのうち、V5−119E/186D/190Rにおける変化のみが抗原性を低下させた(表9)。HAタンパク質収量を決定するために、様々なA/CA/7/09 HA変異体を含む6:2再集合体ウイルスをニワトリ孵化卵中で拡大した。33℃で48時間(図5A)または60時間(図5B)のインキュベーションの後、ウイルスを回収した。その後、ショ糖勾配沈降でウイルスを精製した。SDS−PAGE、次いでクマシーブルー染色により、精製ウイルスのタンパク質組成を解析した。1つ1つのレーンに、等量の精製ウイルス(図5A)または等容量の回収された尿膜腔液から精製したウイルス(図5B)のいずれかを含むサンプルを充填した。AA−V5−ED(V5−119E/186D変異体HAおよびA/アナーバー/6/60バックボーンを含む)ならびにX179Aウイルスから調製されたサンプルを対照として含めた。PR8−Cウイルスは、X179Aよりも高い収量のHAポリペプチドを生成した。
【0173】
SDS−PAGE、次いでクマシーブルー染色を用いて、X179AのHA収量と比べたPR8−CおよびAA−V5−EDのHA収量をさらに測定した。様々な容量(10、7.5、5および2.5マイクロリットル)のPR8−CおよびAA−V5−EDサンプルならびに10マイクロリットルのX179AサンプルをSDS−PAGEで解析した。画像解析ソフトウェアを用いて、各サンプルに見られるHA1タンパク質の相対量を測定した。測定の結果を図6に示す。AA−V5−EDおよびPR8−Cウイルスは、X179Aよりも1〜1.5倍多いHAタンパク質を生成する。
【0174】
前述の発明は、明瞭性と理解を目的として少し詳細に記載されているが、本開示を読むことによって、形態および細部における様々な変更が、本発明の真の範囲から逸脱することなく行なわれ得ることが当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の全ての技術および装置は、様々な組合せで使用することができる。全ての出版物、特許、特許出願、または本出願に引用される他の文献は、あたかも各々の個々の出版物、特許、特許出願、または他の文献が、あらゆる目的のために参照により組み込まれるように示されているのと同じ程度まで、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。特に、以下の特許出願:米国仮出願第61/220,426号(2009年6月25日出願)、同第61/227,986号(2009年7月23日出願)、および同第61/234,021号(2009年8月14日出願)は、あらゆる目的のためにその全体が参照により組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
b) K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
c) K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
d) K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
e) D222Gおよび/またはQ223R置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
f) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
g) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119EおよびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
h) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119NおよびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
i) 配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
j) K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
k) K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
l) K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
m) D222Gおよび/またはQ223R置換を含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
n) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換をさらに含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
o) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119EおよびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
p) (i)D222Gおよび/またはQ223R置換を含み、かつ(ii)K119NおよびA186Dアミノ酸置換をさらに含む配列番号1の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
q) 配列番号6のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
r) 配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
s) (a)〜(r)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;
t) 3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸残基が、置換、欠失または挿入されている(a)〜(r)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチド;
u) (a)〜(r)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列を含み、かつH273Y置換をさらに含むポリペプチド;および
v) 配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチド
からなる群から選択される、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
【請求項2】
前記ポリペプチドが免疫原性である、請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
【請求項3】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む滅菌組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドに特異的な抗体。
【請求項5】
免疫学的有効量の請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む免疫原性組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドをコードする核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項7】
請求項1に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸または組換え核酸。
【請求項8】
配列番号3または配列番号7のヌクレオチド配列を含む請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項9】
前記核酸がDNAである、請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項10】
前記核酸がRNAである、請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項11】
前記ポリヌクレオチドが免疫原性ポリペプチドをコードする、請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項12】
請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む組成物。
【請求項13】
免疫学的有効量の請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む免疫原性組成物。
【請求項14】
請求項7に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項15】
請求項8に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項16】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、1以上のドナーウイルス由来の6つの内部ゲノムセグメント、請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含む6:2再集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項17】
請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントを含み、かつ6つの内部ゲノムセグメントと1以上のドナーウイルス由来のノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとをさらに含む7:1再集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項18】
前記ドナーウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項16または17に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項19】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項20】
前記ウイルスが生ウイルスである、請求項16〜19のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項21】
前記第1のゲノムセグメントが、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項16〜20のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項22】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項16〜20のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項23】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項16〜20のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項24】
前記第1のゲノムセグメントにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が、D222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項25】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項16〜24のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項26】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項16〜24のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項27】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項16〜26のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項28】
細胞培養物中で再集合体インフルエンザウイルスを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入すること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメント;請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
を含む方法。
【請求項29】
前記第1のゲノムセグメントが、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記第1のゲノムセグメントにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が、D222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記第2のゲノムセグメントがブタインフルエンザウイルスゲノムセグメントである、請求項28〜32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項28〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項28〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項28〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請求項28〜37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイルスゲノムを含む、請求項28〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記複数のベクターが複数のプラスミドベクターである、請求項28〜39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記宿主細胞の集団が、Vero細胞、PerC6細胞、MDCK細胞、293T細胞、またはCOS細胞のうちの1つまたは複数を含む、請求項28〜40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
ヘルパーウイルスの使用を含まない、請求項28〜41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記複数のベクターが8つのベクターからなる、請求項28〜42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
請求項1に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む免疫原性組成物。
【請求項45】
請求項7に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む免疫原性組成物。
【請求項46】
賦形剤をさらに含む、請求項44または45に記載の組成物。
【請求項47】
前記賦形剤が薬学的に許容される賦形剤である、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
請求項14〜27のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項49】
1以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記組成物が弱毒化生インフルエンザワクチンである、請求項48または49に記載の組成物。
【請求項51】
再集合体インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを宿主細胞の集団に導入すること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の少なくとも6つの内部ゲノムセグメント;請求項1に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつその集団はインフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
d) 1以上の薬学的に許容される賦形剤を提供することと
を含む方法。
【請求項52】
前記第1のゲノムセグメントが、K119E、K119NおよびA186Dからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119EおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記第1のゲノムセグメントが、前記K119NおよびA186Dアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記第1のゲノムセグメントにコードされるポリペプチドのアミノ酸配列が、D222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記第2のゲノムセグメントがブタインフルエンザウイルスゲノムセグメントである、請求項51〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項51〜55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項51〜57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項51〜58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請求項51〜59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイルスゲノムを含む、請求項51〜60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項51〜61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記再集合体ウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請求項51〜62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記ウイルス感染の予防的または治療的処置のために対象内でウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量で請求項1に記載のポリペプチドを含む、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項65】
前記対象が哺乳動物である、請求項64に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項66】
前記哺乳動物がヒトである、請求項65に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項67】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項64〜66のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項68】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもしくはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与されることになっている、請求項64〜67のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項69】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与される、請求項64〜68のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項70】
孵化卵における再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価を増大させるための方法であって、配列番号1の位置119または186のアミノ酸残基に対応する位置の前記ヘマグルチニンポリペプチドのアミノ酸残基を改変し、それにより孵化卵における前記インフルエンザウイルスのピーク力価を増大させることを含む方法。
【請求項71】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基を改変する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をグルタミン酸(E)となるように改変する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン(N)となるように改変する、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基を改変する、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン酸(D)となるように改変する、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
配列番号1の位置119および186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基を改変する、請求項70に記載の方法。
【請求項77】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をグルタミン酸(E)となるように改変し、かつ配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン酸(D)となるように改変する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン(N)となるように改変し、かつ配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基をアスパラギン酸(D)となるように改変する、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがH1ヘマグルチニンポリペプチドである、請求項70〜78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがブタインフルエンザウイルスのヘマグルチニンポリペプチドである、請求項70〜78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項70〜80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、D222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントを含む、請求項70〜82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントを含む、請求項70〜82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項70〜83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60のまたはB/アナーバー/1/66の少なくとも6つの内部ゲノムセグメントを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60またはB/アナーバー/1/66の7つのゲノムセグメントを含む、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも4倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも8倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも10倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも20倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜10倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜20倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜40倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍〜20倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、アミノ酸改変を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍〜40倍増加している、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項70〜87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
請求項70〜101のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項103】
請求項70〜101のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項104】
請求項70〜101のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエンザワクチン。
【請求項105】
ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号1の位置119または186のアミノ酸残基に対応する位置に改変されたアミノ酸残基を含む、ヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項106】
前記改変されたアミノ酸残基が配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する、請求項105に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項107】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がグルタミン酸(E)となるように改変されている、請求項106に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項108】
配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン(N)となるように改変されている、請求項106に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項109】
前記改変されたアミノ酸残基が配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する、請求項105に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項110】
配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン酸(D)となるように改変されている、請求項109に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項111】
配列番号1の位置119および186のアミノ酸残基に対応する位置に改変されたアミノ酸残基を含む、請求項105に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項112】
前記改変された配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がグルタミン酸(E)となるように改変され、かつ前記改変された配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン酸(D)となるように改変されている、請求項111に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項113】
前記改変された配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン(N)となるように改変され、かつ前記改変された配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基がアスパラギン酸(D)となるように改変されている、請求項111に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項114】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがH1ヘマグルチニンポリペプチドである、請求項105〜113のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項115】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがブタインフルエンザウイルスのヘマグルチニンポリペプチドである、請求項105〜113のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項116】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項105〜115のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項117】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがD222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項116に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項118】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項105〜117のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項119】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項105〜117のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項120】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項105〜119のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項121】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントを含む、請求項120に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項122】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントを含む、請求項120に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項123】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項124】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも4倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項125】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも8倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項126】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも10倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項127】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも20倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項128】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜10倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項129】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜20倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項130】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜40倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項131】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍〜20倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項132】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、前記改変されたアミノ酸残基を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍〜40倍増大している、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項133】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項134】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項135】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項136】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項105〜122のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項137】
請求項105〜136のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項138】
請求項105〜136のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項139】
請求項105〜136のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエンザワクチン。
【請求項140】
アミノ酸EまたはNが位置119にあり、かつアミノ酸Dが位置186にあることを除いて、配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項141】
アミノ酸EまたはNが位置119にあり、かつアミノ酸Dが位置186にあることを除いて、H1N1ブタインフルエンザウイルスのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするHAゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項142】
非天然アミノ酸が位置119および位置186にあることを除いて、H1N1ブタインフルエンザウイルスのアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするHAゲノムセグメントを含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項143】
請求項28〜43のいずれか一項に記載の方法によって生成される前記再集合体インフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項144】
1以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項143に記載の組成物。
【請求項145】
前記組成物が弱毒化生インフルエンザワクチンである、請求項143または144に記載の組成物。
【請求項146】
ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する位置または配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する位置に非天然アミノ酸を含む、ヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項147】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応する位置または配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応する位置に非天然アミノ酸を含む、請求項146に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項148】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるグルタミン酸(E)、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン(N)、および配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)からなる群から選択される少なくとも1つの非天然アミノ酸を含む、請求項146に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項149】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるグルタミン酸(E)、および配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)を含む、請求項148に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項150】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号1の位置119のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン(N)、および配列番号1の位置186のアミノ酸残基に対応するアミノ酸残基におけるアスパラギン酸(D)を含む、請求項148に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項151】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがH1ヘマグルチニンポリペプチドである、請求項146〜150のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項152】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがブタインフルエンザウイルスのヘマグルチニンポリペプチドである、請求項146〜150のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項153】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、位置119および/または186にアミノ酸置換を有する配列番号1のアミノ酸配列を含む、請求項146〜152のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項154】
前記ヘマグルチニンポリペプチドがD222Gおよび/またはQ223R置換をさらに含む、請求項153に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項155】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項146〜154のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項156】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項146〜154のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項157】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項146〜156のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項158】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも2倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項159】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも4倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項160】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも8倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項161】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも10倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項162】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて少なくとも20倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項163】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜10倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項164】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜20倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項165】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて2倍〜40倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項166】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍〜20倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項167】
孵化卵における前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスのピーク力価が、非天然のアミノ酸を含まない同じ再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスと比べて5倍〜40倍増大している、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項168】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項169】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項170】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項171】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項146〜157のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項172】
請求項146〜171のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項173】
請求項146〜171のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項174】
請求項146〜171のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエンザワクチン。
【請求項175】
配列番号6のアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項176】
配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項177】
3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6のアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項178】
配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項179】
配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項180】
3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含むヘマグルチニンポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項181】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項175〜180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項182】
A/アナーバー/6/60の少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項175〜180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項183】
A/プエルトリコ/8/34の少なくとも6つの内部ゲノムセグメントをさらに含む請求項175〜180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項184】
A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択されるウイルスの7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項175〜180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項185】
A/アナーバー/6/60の7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項175〜180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項186】
A/プエルトリコ/8/34の7つのゲノムセグメントをさらに含む請求項175〜180のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項187】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項175〜186のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項188】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175〜187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項189】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175〜187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項190】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175〜187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項191】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175〜187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項192】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175〜187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項193】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約10 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項175〜187のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項194】
請求項175〜193のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項195】
請求項175〜193のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項196】
請求項175〜193のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエンザワクチン
【請求項197】
ノイラミニダーゼポリペプチドをさらに含む請求項105〜196のいずれか一項に記載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項198】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項197に記載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項199】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項197に記載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項200】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項197に記載の再集合体組換えインフルエンザウイルス。
【請求項201】
ドナーウイルスの6つの内部ゲノムセグメントと、ヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項202】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが前記配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項203】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、前記配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項204】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項205】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項206】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、前記配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項207】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含む、請求項201に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項208】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項201〜207のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項209】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項201〜207のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項210】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項201〜207のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項211】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項201〜210のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項212】
前記ドナーウイルスがA/アナーバー/6/60である、請求項201〜210のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項213】
前記ドナーウイルスがA/プエルトリコ/8/34である、請求項201〜210のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項214】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項201〜213のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項215】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201〜214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項216】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201〜214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項217】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201〜214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項218】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201〜214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項219】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201〜214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項220】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約10 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項201〜214のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項221】
請求項201〜220のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項222】
請求項201〜220のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項223】
請求項201〜220のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエンザワクチン。
【請求項224】
ドナーウイルスの6つの内部ゲノムセグメントと、ヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む、再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項225】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項224に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項226】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号7の84〜1064のヌクレオチド配列を含む、請求項224に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項227】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項224〜226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項228】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項224〜226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項229】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項224〜226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項230】
前記第2のゲノムセグメントが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項224〜226のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項231】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項224〜230のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項232】
前記ドナーウイルスがA/アナーバー/6/60である、請求項224〜230のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項233】
前記ドナーウイルスがA/プエルトリコ/8/34である、請求項224〜230のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項234】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項224〜233のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項235】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約7.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224〜234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項236】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224〜234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項237】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約8.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224〜234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項238】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224〜234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項239】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約9.5 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224〜234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項240】
前記再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスが、孵化卵中で少なくとも約10 log10 PFU/mlの力価まで増殖する、請求項224〜234のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項241】
請求項224〜240のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項242】
請求項224〜240のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含むインフルエンザワクチン。
【請求項243】
請求項224〜240のいずれかに記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルスを含む低温適応型であり、温度感受性の、弱毒化生インフルエンザワクチン。
【請求項244】
ウイルス感染を予防的または治療的に処置するために対象内でウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項14〜27または140〜142のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項245】
前記対象が哺乳動物である、請求項244に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項246】
前記哺乳動物がヒトである、請求項245に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項247】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項244〜246のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項248】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもしくはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与されることになっている、請求項244〜247のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項249】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与される、請求項244〜248のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項250】
ウイルス感染を予防的または治療的に処置するために対象内でウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項105〜136、146〜171、175〜193、197〜220または224〜240のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項251】
前記対象が哺乳動物である、請求項250に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項252】
前記哺乳動物がヒトである、請求項251に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項253】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項250〜252のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項254】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもしくはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与されることになっている、請求項250〜253のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項255】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与される、請求項250〜254のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスまたは組換えインフルエンザウイルス。
【請求項256】
対象におけるウイルス感染の予防的または治療的処置方法であって、前記対象に、前記ウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項14〜27または140〜142のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを投与することを含む、方法。
【請求項257】
前記対象が哺乳動物である、請求項256に記載の方法。
【請求項258】
前記哺乳動物がヒトである、請求項257に記載の方法。
【請求項259】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項256〜258のいずれか一項に記載の方法。
【請求項260】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもしくはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与される、請求項256〜259のいずれか一項に記載の方法。
【請求項261】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与される、請求項256〜260のいずれか一項に記載の方法。
【請求項262】
対象におけるウイルス感染の予防的または治療的処置方法であって、前記対象に、前記ウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の請求項105〜136、146〜171、175〜193、197〜220または224〜240のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを投与することを含む、方法。
【請求項263】
前記対象が哺乳動物である、請求項262に記載の方法。
【請求項264】
前記哺乳動物がヒトである、請求項263に記載の方法。
【請求項265】
前記ウイルス感染がウイルス性インフルエンザ感染である、請求項262〜264のいずれか一項に記載の方法。
【請求項266】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、インビボで前記対象にまたはインビトロもしくはエクスビボで前記対象の1つもしくは複数の細胞に投与される、請求項262〜265のいずれか一項に記載の方法。
【請求項267】
前記再集合体インフルエンザウイルスと薬学的に許容される賦形剤とを含む組成物が、前記ウイルス感染を予防的にまたは治療的に処置するのに有効な量で前記対象に投与される、請求項262〜266のいずれか一項に記載の方法。
【請求項268】
細胞培養物中で再集合体インフルエンザウイルスを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入すること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメント、ヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞の集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
を含む方法。
【請求項269】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項270】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項271】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項272】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項273】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項274】
3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項275】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項276】
前記第1のゲノムセグメントが前記配列番号7の84〜1064のヌクレオチド配列を含む、請求項268に記載の方法。
【請求項277】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項268〜276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項278】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項268〜276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項279】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項268〜276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項280】
前記第2のゲノムセグメントが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項268〜276のいずれか一項に記載の方法。
【請求項281】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項268〜280のいずれか一項に記載の方法。
【請求項282】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項268〜281のいずれか一項に記載の方法。
【請求項283】
前記第1のインフルエンザ株がA/アナーバー/6/60である、請求項268〜281のいずれか一項に記載の方法。
【請求項284】
前記第1のインフルエンザ株がA/プエルトリコ/8/34である、請求項268〜281のいずれか一項に記載の方法。
【請求項285】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請求項268〜284のいずれか一項に記載の方法。
【請求項286】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイルスゲノムを含む、請求項268〜285のいずれか一項に記載の方法。
【請求項287】
前記複数のベクターが複数のプラスミドベクターである、請求項268〜286のいずれか一項に記載の方法。
【請求項288】
前記宿主細胞の集団が、Vero細胞、PerC6細胞、MDCK細胞、293T細胞、またはCOS細胞のうちの1つまたは複数を含む、請求項268〜287のいずれか一項に記載の方法。
【請求項289】
ヘルパーウイルスの使用を含まない、請求項268〜288のいずれか一項に記載の方法。
【請求項290】
前記複数のベクターが8つのベクターからなる、請求項268〜289のいずれか一項に記載の方法。
【請求項291】
再集合体インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入すること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメント、ヘマグルチニンポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞の集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
d) 1以上の薬学的に許容される賦形剤を提供することと
を含む方法。
【請求項292】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項293】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、配列番号6のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項294】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6のアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項295】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項296】
前記配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項297】
前記ヘマグルチニンポリペプチドが、3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸置換、欠失または挿入を含む配列番号6の残基1〜327のアミノ酸配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項298】
前記第1のゲノムセグメントが配列番号7のヌクレオチド配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項299】
前記第1のゲノムセグメントが配列番号7の84〜1064のヌクレオチド配列を含む、請求項291に記載の方法。
【請求項300】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項291〜299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項301】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項291〜299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項302】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項291〜299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項303】
前記第2のゲノムセグメントが配列番号5のヌクレオチド配列を含む、請求項291〜299のいずれか一項に記載の方法。
【請求項304】
前記第1のインフルエンザウイルス株が、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項291〜303のいずれか一項に記載の方法。
【請求項305】
前記第1のインフルエンザ株が、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項291〜304のいずれか一項に記載の方法。
【請求項306】
前記第1のインフルエンザ株がA/アナーバー/6/60である、請求項291〜304のいずれか一項に記載の方法。
【請求項307】
前記第1のインフルエンザ株がA/プエルトリコ/8/34である、請求項291〜304のいずれか一項に記載の方法。
【請求項308】
前記再集合体インフルエンザウイルスが鼻腔内ワクチン製剤での投与に好適である、請求項291〜307のいずれか一項に記載の方法。
【請求項309】
前記インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターがA型インフルエンザウイルスゲノムを含む、請求項291〜308のいずれか一項に記載の方法。
【請求項310】
前記複数のベクターが複数のプラスミドベクターである、請求項291〜309のいずれか一項に記載の方法。
【請求項311】
前記宿主細胞の集団が、Vero細胞、PerC6細胞、MDCK細胞、293T細胞、またはCOS細胞のうちの1つまたは複数を含む、請求項291〜310のいずれか一項に記載の方法。
【請求項312】
前記方法がヘルパーウイルスの使用を含まない、請求項291〜311のいずれか一項に記載の方法。
【請求項313】
前記複数のベクターが8つのベクターからなる、請求項291〜312のいずれか一項に記載の方法。
【請求項314】
ポリペプチドが、
a) 配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
b) H273Yアミノ酸置換を含む配列番号1のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
c) 配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチド;
d) (a)〜(c)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列との少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも98.5%、少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.8%または少なくとも99.9%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチド;および
e) 3個未満、5個未満、10個未満、15個未満、20個未満、25個未満、30個未満のアミノ酸残基が置換、欠失または挿入された(a)〜(c)のいずれか1つのポリペプチドのアミノ酸配列を含むポリペプチド
からなる群から選択される、単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
【請求項315】
前記ポリペプチドが免疫原性である、請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチド。
【請求項316】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む滅菌組成物。
【請求項317】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドに特異的な抗体。
【請求項318】
免疫学的有効量の請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む免疫原性組成物。
【請求項319】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドをコードする核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項320】
請求項314に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸または組換え核酸。
【請求項321】
前記核酸がDNAである、請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項322】
前記核酸がRNAである、請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項323】
前記ポリヌクレオチドが免疫原性ポリペプチドをコードする、請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸。
【請求項324】
請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む組成物。
【請求項325】
免疫学的有効量の請求項320に記載の単離された核酸または組換え核酸を含む免疫原性組成物。
【請求項326】
請求項320に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項327】
請求項321に記載の核酸を含む再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項328】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、1以上のドナーウイルス由来の6つの内部ゲノムセグメントと、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントと、ノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとを含む6:2再集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項329】
前記再集合体インフルエンザウイルスが、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントを含み、かつ1以上のドナーウイルス由来の6つの内部ゲノムセグメントとノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントとをさらに含む7:1再集合体ウイルスである、再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項330】
前記ドナーウイルスが、弱毒化、低温適応型および温度感受性からなる群から選択される1以上の表現型特性を含む、請求項3146または17に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項331】
前記ドナーウイルスが、A/アナーバー/6/60、A/プエルトリコ/8/34、A/レニングラード/134/17/57、およびA/レニングラード/17からなる群から選択される、請求項328〜330のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項332】
前記ウイルスが生ウイルスである、請求項328〜331のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項333】
前記第1のゲノムセグメントが、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項328〜332のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項334】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがブタインフルエンザウイルスノイラミニダーゼである、請求項328〜333のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項335】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドがN1ノイラミニダーゼである、請求項328〜333のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項336】
前記ノイラミニダーゼポリペプチドが配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項328〜333のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルス。
【請求項337】
細胞培養物中で再集合体インフルエンザウイルスを生成するための方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入すること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の6つの内部ゲノムセグメント、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞の集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
を含む方法。
【請求項338】
請求項314に記載の単離されたポリペプチドまたは組換えポリペプチドを含む免疫原性組成物。
【請求項339】
請求項328〜336のいずれか一項に記載の再集合体インフルエンザウイルスを含む免疫原性組成物。
【請求項340】
再集合体インフルエンザウイルスワクチンを生成する方法であって、
a) インフルエンザウイルスゲノムを含む複数のベクターを、宿主細胞の集団に導入すること、ここで、複数のベクターは、第1のインフルエンザ株の少なくとも6つの内部ゲノムセグメント、請求項314に記載のポリペプチドをコードする第1のゲノムセグメントおよびノイラミニダーゼポリペプチドをコードする第2のゲノムセグメントを含み、かつ宿主細胞の集団は、インフルエンザウイルスの複製を支持することができる、と
b) 前記宿主細胞の集団を培養することと
c) 複数の再集合体インフルエンザウイルスを回収することと
d) 1以上の薬学的に許容される賦形剤を提供することと
を含む方法。
【請求項341】
前記ウイルス感染を予防的または治療的に処置するために対象内でウイルス感染に対する免疫原性応答を生じさせるのに有効な量の、請求項314に記載のポリペプチドを含む再集合体インフルエンザウイルス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−531205(P2012−531205A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517731(P2012−517731)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/039826
【国際公開番号】WO2010/151673
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.JAVA
3.UNIX
4.Linux
【出願人】(504333972)メディミューン,エルエルシー (108)
【Fターム(参考)】