説明

ブラウザ表示装置

【課題】この発明の課題は、XML文書で定義されたフォーカス移動を、ユーザの利便性を考慮して表示するブラウザ表示装置を提供することにある。
【解決手段】HD_DVDにおいて、ナビゲーションデータを読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った前記ナビゲーションデータに含まれるXML文書で定義された複数の要素を解析する解析手段と、前記解析手段で解析した前記複数の要素における各要素間の移動関係情報をフォーカス移動先リストとして記録する記憶手段と、前記記憶手段に記録されている前記フォーカス移動先リストに基づいて、画面に前記複数の選択要素を表示し、各要素間の移動関係情報を表示する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンテンツに含まれるXML文書で記録されたデータを表示するブラウザ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高精細デジタル放送の開始に伴い、デジタル放送番組のコンテンツを高精細画質で記録再生するする映像機器として、高精細DVDビデオレコーディング(HD_DVD−VR)規格に基づくデジタルレコーダの普及が始まろうとしている。また、高精細デジタル放送にも対応できるディスクメディアとして、HD_DVDが普及している。
【0003】
HD_DVDには、映像データ、音声データとは別に、各種の情報がXML文書で定義されている。ブラウザ装置では、XML文書で定義された情報は、映像データ、音声データと合成されて表示される。XML文書で定義された情報は、例えば、画面に表示される選択画面における要素(操作ボタン)の配置や、各操要素間のフォーカスのリモコン操作による移動関係が定義されている。
【0004】
特許文献1には、BMLデータ放送ブラウジング装置において、BMLデータ放送を受信して取得されたBML文書によって定義されているフォーカス移動情報から、各要素にフォーカスがあるときに、どのリモコンキーを押せばどの要素にフォーカスが移動するかをBMLデータ表示するときに、移動先情報を付加して表示する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2002−16849
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、BML文書に対応する方式であるが、HD_DVD規格であるXML文書には対応していない。また、HD_DVDでは、リモコンのカーソルキーが8方向に対させることができるため、各要素間のフォーカス移動の操作がより複雑になるという問題があった。
【0006】
この発明の目的は、XML文書で定義されたフォーカス移動を、ユーザの利便性を考慮して表示するブラウザ表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の一実施の形態に係るブラウザ表示装置は、HD_DVDにおいて、ナビゲーションデータを読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った前記ナビゲーションデータに含まれるXML文書で定義された複数の要素を解析する解析手段と、前記解析手段で解析した前記複数の要素における各要素間の移動関係情報をフォーカス移動先リストとして記録する記憶手段と、前記記憶手段に記録されている前記フォーカス移動先リストに基づいて、画面に前記複数の選択要素を表示し、各要素間の移動関係情報を表示する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、選択要素が複数表示され、特定の要素にフォーカスがあるときに、その特定要素から移動先の選択要素をリモコンのカーソルキーで選択操作する場合、どのキーを選択すれば、特定要素から移動先の選択要素に移動するのかを表示することで、ユーザは、どのキーが有効で、どのキーを押せば移動するのかを容易に認識することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、この発明の種々な実施の形態に係るデータ再生装置について説明する。図1は、この発明のHD_DVD再生機能を有するブラウザ表示装置の構成を示すブロック図である。
【0010】
HD_DVD10には、音声データ、映像データといったプレゼンテーションデータと、XML文書で記載されたナビゲーションデータを有している。ナビゲーションデータは、表示画面における各要素の配置、位置関係、及びカーソルキーによるフォーカス移動も定義されている。
【0011】
そして、ブラウザ表示装置1は、データアクセスマネージャ11、ナビゲーションマネージャ2、プレゼンテーションエンジン3、表示制御装置4、音声出力装置6を有している。ナビゲーションマネージャ2は、XML文書解析部20、フォーカス移動先リスト格納部21、HD_DVDブラウザ制御部22を有している。プレゼンテーションエンジン3は、アドバンスアプリケーションプレゼンテーションエンジン31、DEMUX33、サブピクチャデコーダ34、ビデオデコーダ35、オーディオデコーダ36、合成制御部37を有している。
【0012】
ブラウザ表示装置1にHD_DVD10がセットされると、ブラウザ表示装置1は、データアクセスマネージャ11を介して、HD_DVD10からナビゲーションデータおよびプレゼンテーションデータを所定のタイミングで随時取得する。
【0013】
ナビゲーションマネージャ2は、HD_DVD10から取得したナビゲーションデータを処理している。XML文書解析部20は、セットされたHD_DVD10のナビゲーションデータを定義するXML文書を読み込み解析する。HD_DVDブラウザ制御部22は、XML文書解析部20で解析したナビゲーションデータに含まれるフォーカス移動先情報をフォーカス移動先リスト格納部21に格納する。ユーザは、ブラウザ表示装置1の外部に接続される入力装置12、または、図2に示すリモコンを介してHD_DVDブラウザ制御部22に対して各種設定を入力する。
【0014】
ここで、フォーカス移動先リスト格納部21に格納されるフォーカス移動先情報の例について説明する。図3は、XML文書で定義されたナビゲーションデータの一例である。これは、HD_DVD規格であるDVD Specifications for High Definition VIDEOのStyle Markupに定義されたアドバンストナビゲーション記述の例である。XML文書解析部20は、図3に示すナビゲーションデータから、図4に示す各要素間のフォーカス移動先リストを作成する。
【0015】
図3に示すように、Button1、Button2、Button3の各要素について、表示装置13の画面に表示する表示位置、要素の大きさ、各要素間の位置関係がXML文書で定義されている。また、特定の要素にフォーカスがあるときに、ユーザが入力装置12またはリモコン5のカーソルキー51に示される「上」、「下」、「左」、「右」のいずれを選択すれば、どの要素に移動するかを定義している。Button1にフォーカスがあるときにユーザがリモコン5の右キーを選択すると、Button3に移動し、下キーを選択すると、Button2に移動する。Button2にフォーカスがあるときにユーザがリモコン5の上キーを選択すると、Button1に移動し、右キーを選択すると、Button3に移動する。Button3にフォーカスがあるときにユーザがリモコン5の左キーを選択すると、Button1に移動する。ユーザが各要素間の移動として定義されていないキーを選択しても、フォーカスは移動しない。
【0016】
上記説明したXML文書で定義された各要素間の移動関係を、フォーカス移動先リスト格納部21は、図4に示すフォーカス移動先リストとして記録する。
【0017】
プレゼンテーションエンジン3は、取得したプレゼンテーションデータを処理している。DEMUX33は、データアクセスマネージャ11を介して取得したHD_DVD10に記録されているプレゼンテーションデータを副映像データ、映像データ、音声データに分離する。
【0018】
サブピクチャデコーダ34は、DEMUX33で分離された副映像データをデコードする。ビデオデコーダ35は、DEMUX33で分離された映像データをデコードする。オーディオデコーダ36は、DEMUX33で分離された音声データをデコードする。音声出力装置6は、オーディオデコーダ36でデコードされた音声データを音声出力する。
【0019】
アドバンスアプリケーションプレゼンテーションエンジン31は、ナビゲーションデータをXML文書解析部20で解析した解析情報を取得する。解析情報は、例えば、タイミング情報であり、サブピクチャデコーダ34でデコードされた副映像、ビデオデコーダ35でデコードされた映像を合成制御部37で合成するタイミング等を制御する情報である。
【0020】
また、アドバンスアプリケーションプレゼンテーションエンジン31は、レイアウトマネージャ32を有している。HD_DVDブラウザ制御部22は、ユーザによる入力装置12または、リモコン5の操作により、表示装置13に表示するブラウザ画面表示について、フォーカス移動先リスト格納部21から各要素の有効キーとフォーカス移動先要素の情報を取り出す。
【0021】
そして、HD_DVDブラウザ制御部22は、レイアウトマネージャ32に各要素の有効なキーとその移動先が分かるように表示レイアウトの作成を要求する。レイアウトマネージャ32は、XML文書解析部20で解析され、フォーカス移動先リスト格納部21に記録されているフォーカス移動先リストから移動先表示レイアウトを作成する。
【0022】
そして、合成制御部37は、XML文書を解析した情報と、前記の各要素の有効なキーとその移動先が分かる移動先表示レイアウトと、サブビデオデコーダ34でデコードされた副映像と、ビデオデコーダ35でデコードされた映像とを合成する。そして、表示制御装置4は、合成制御部37で合成された出力信号を表示装置13の画面に表示する。
【0023】
ここで、レイアウトマネージャ32による表示レイアウトの作成について説明する。図5は、HD_DVDブラウザ制御部22がレイアウトマネージャ32で表示レイアウトを作成するに流れについて示したフローチャートである。
【0024】
はじめに、HD_DVDブラウザ制御部22は、移動先リスト格納部21に記録されているフォーカス移動先リストから各要素について上下左右の各方向に移動可能かを判断する(ステップS10)。HD_DVDブラウザ制御部22は、特定の要素について上キーで他の要素に移動可能かどうかを判断する(ステップS11)。HD_DVDブラウザ制御部22は、上キーで他の要素に移動可能と判断すると(ステップS11、YES)、HD_DVDブラウザ制御部22は、その要素の上端に上方向移動可能マークを付ける(ステップS12)。HD_DVDブラウザ制御部22は、上キーで他の要素に移動可能でないと判断すると(ステップS11、NO)、その要素の上端に何も表示せずにステップ13に進む。
【0025】
次に、HD_DVDブラウザ制御部22は、特定の要素について下キーで他の要素に移動可能かどうかを判断する(ステップS13)。HD_DVDブラウザ制御部22は、下キーで他の要素に移動可能と判断すると(ステップS13、YES)、HD_DVDブラウザ制御部22は、その要素の下端に下方向移動可能マークを付ける(ステップS14)。HD_DVDブラウザ制御部22は、下キーで他の要素に移動可能でないと判断すると(ステップS13、NO)、その要素の下端に何も表示せずにステップ15に進む。
【0026】
次に、HD_DVDブラウザ制御部22は、特定の要素について左キーで他の要素に移動可能かどうかを判断する(ステップS15)。HD_DVDブラウザ制御部22は、左キーで他の要素に移動可能と判断すると(ステップS15、YES)、HD_DVDブラウザ制御部22は、その要素の左端に左方向移動可能マークを付ける(ステップS16)。HD_DVDブラウザ制御部22は、左キーで他の要素に移動可能でないと判断すると(ステップS15、NO)、その要素の左端に何も表示せずにステップ17に進む。
【0027】
次に、HD_DVDブラウザ制御部22は、特定の要素について右キーで他の要素に移動可能かどうかを判断する(ステップS17)。HD_DVDブラウザ制御部22は、右キーで他の要素に移動可能と判断すると(ステップS15、YES)、HD_DVDブラウザ制御部22は、その要素の右端に右方向移動可能マークを付ける(ステップS16)。HD_DVDブラウザ制御部22は、右キーで他の要素に移動可能でないと判断すると(ステップS15、NO)、その要素の左端に何も表示しない。
【0028】
HD_DVDブラウザ制御部22は、レイアウトマネージャ32による表示レイアウトに用いるフォーカス移動先リストの各要素について同様に実行する。また、HD_DVDブラウザ制御部22は、移動可能と判断した各要素間について、移動元から移動先に向けて矢印を表示して表示レイアウトを作成する。
【0029】
例えば、HD_DVDブラウザ制御部22が、移動先リスト格納部21から図4に示す各要素間のフォーカス移動先リストを基にして図6に示す表示レイアウトを作成した場合について説明する。HD_DVDブラウザ制御部22は、Button1は上キーで移動可能ではない、下キーでButton2に移動可能、左キーで移動可能ではない、右キーで移動可能ではないと判断する。次に、HD_DVDブラウザ制御部22は、Button2は上キーでButton1に移動可能、下キーで移動可能ではない、左キーで移動可能ではない、右キーでButton3に移動可能と判断する。次に、HD_DVDブラウザ制御部22は、Button3は上キーで移動可能ではない、下キーで移動可能ではない、左キーでButton1に移動可能、右キーで移動可能ではないと判断する。そして、HD_DVDブラウザ制御部22は、図6に示す表示レイアウトを作成することもできる。移動可能要素間については、移動元から移動先に向けて矢印を表示し、移動可能となるキーを文字で表示する。
【0030】
そして、表示制御装置40は、表示装置13に図6に示す表示レイアウトをブラウザ表示することで、ユーザは、リモコン5のカーソルキー51のうちどれを操作すれば所望の要素の移動するのかを容易に判断することができる。
【0031】
次に、図7、図8に示すブラウザ表示する表示レイアウトの例を示している。HD_DVD対応のブラウザ表示装置では、HD_DVD10のナビゲーションデータに8方向のカーソルキー5によるフォーカス移動が定義されている。そのため、ユーザは、図2に示すリモコン5のカーソルキー5を用いて、「上」、「下」、「左」、「右」、「右上」、「左上」、「右下」、「左下」の8方向に要素を移動可能である。
【0032】
図7に示す表示レイアウトは、要素Aから要素Iまでの9個あり、要素Aを中心に8方向に要素が配置されてブラウザ表示されている。要素Aを中心として、上下左右に配置されている要素B、要素F、要素D、要素Hは、要素Aからそれぞれ上キー、下キー、左キー、右キーを用いて、それぞれ移動可能でとなるように定義されている。また、要素Aを中心として、右上に配置されている要素I、左上に配置されている要素C、右下に配置されている要素G、左下に配置されている要素Eは、要素Aからそれぞれ右上キー、左上キー、右下キー、左下キーを用いて、それぞれ移動可能でとなるように定義されている。
【0033】
また、例として、要素Iと要素Bとの間は左キー、右キーで移動可能と定義され、要素Iと要素Hとの間は上キー、下キーで移動可能と定義されている。要素Hにフォーカスがあるときに、ユーザが要素Iを選択したい場合、要素Hと要素Iとの位置関係は上下関係であり、さらに、画面にリモコン5の上キーを押せば要素Iに移動することが表示されている。そのため、ユーザは、いずれのカーソルキー51を選択すれば要素Iに移動するのかを混乱することなく選択できる。
【0034】
要素Bにフォーカスがあるときに、ユーザが要素Iを選択したい場合、要素Hと要素Iとの位置関係は、要素Iは、要素Bから右方向と右下方向の間である。そのため、ユーザは、画面にどのキーを選択すれば要素Bから要素Iに移動するのか表示されていなければ、右キーを選択すればいいのか右下キーを選択すればいいのか実際に操作しなければ分からない。ここで、ユーザは、画面に右キーを選択すれば要素Bから要素Iに移動する表示を視認できるため、要素Bにフォーカスがあるとき、混乱することなく右キーを選択することができる。
【0035】
ユーザは、いずれのキーを選択すれば所望の要素に移動するのかを各要素の位置関係からユーザ自身で判断する必要がなくなり、画面に表示されているカーソルキーの表示に従って選択することができる。
【0036】
また、表示装置13にブラウザ表示されている表示レイアウトの全ての要素からの移動先を示す上キー、下キー、左キー、右キーの表示を全て表示すると煩雑となるため、フォーカスがある要素から移動可能とする要素への表示のみを示すようにしてもよい。
【0037】
上記説明したように、HD_DVD10では、ナビゲーションデータに8方向のカーソルキー5によるフォーカス移動が定義されているため、表示装置13にブラウザ表示した要素が多数あっても、8方向のカーソルキーを用いることで、一回の操作で移動させることが可能となる。
【0038】
図8に示す表示レイアウトは、要素aから要素qまでの16個あり、要素aを中心に16方向に要素が配置されてブラウザ表示された別の実施例である。要素aを中心として、上下左右に配置されている要素b、要素f、要素d、要素hは、要素aからそれぞれ上キー、下キー、左キー、右キーを用いて、それぞれ移動可能でとなるように定義されている。また、要素aを中心として、右上に配置されている要素i、左上に配置されている要素c、右下に配置されている要素g、左下に配置されている要素eは、要素aからそれぞれ右上キー、左上キー、右下キー、左下キーを用いて、それぞれ移動可能でとなるように定義されている。
【0039】
また、図8に示すように、要素aを中心として、要素bと要素cとの間に要素j、要素cと要素dとの間に要素k、要素dと要素eの間に要素l、要素eと要素fとの間に要素m、要素fと要素gとの間に要素n、要素gと要素hとの間に要素o、要素hと要素iとの間に要素p、要素iと要素bとの間に要素qが位置している。
【0040】
要素aにフォーカスがあるとき、ユーザは、要素j、要素k、要素l、要素m、要素n、要素o、要素p、要素qには、リモコンの8方向選択可能なカーソルキーを用いても直接移動することができない。
【0041】
ここで、例えば、ユーザが、要素aにフォーカスがあるときに、要素oを選択したい場合について説明する。要素oは、要素aからは直接移動することができないため、要素hと要素oとの間を上キーと下キーで移動し、要素gと要素oとの間を上キーと下キーで移動するように定義されている。
【0042】
そのため、要素aにフォーカスがあり、ユーザが要素oを選択したいときは、ユーザは、はじめに要素hまたは要素gにフォーカスを移動し、次に要素oにフォーカスを移動する手順となる。要素aから要素qまでの16個の各要素間のフォーカス移動がブラウザ表示されているため、ユーザは、要素aにフォーカスがあり、要素oを選択したい場合、リモコン5のカーソルキー51を用いても一回の操作で直接移動できないと容易に判断できる。そして、ユーザは、要素aにフォーカスがあり、要素oを選択したい場合、どのようにリモコン5のカーソルキー51を操作すればよいのかを容易に視認することができる。
【0043】
また、例として、要素hと要素oとの間は上キー、下キーで移動可能と定義され、要素oと要素gとの間は上キー、下キーで移動可能と定義されている。要素hにフォーカスがあるときに、ユーザが要素oを選択したい場合、要素hと要素oとの位置関係は上下関係であり、さらに、画面にリモコン5の下キーを押せば要素oに移動することが表示されている。そのため、ユーザは、いずれのカーソルキー51を選択すれば要素oに移動するのかを混乱することなく選択できる。
【0044】
要素gにフォーカスがあるときに、ユーザが要素oを選択したい場合、要素gと要素oとの位置関係は、要素oは、要素gから右方向と右上方向の間である。そのため、ユーザは、画面にどのキーを選択すれば要素gから要素oに移動するのか表示されていなければ、右キーを選択すればいいのか右上キーを選択すればいいのか実際に操作しなければ分からない。ここで、要素gから要素oへの移動は、右キーでも右上キーでもなく上キーと定義されている。そのため、ユーザは、画面に上キーを選択すれば要素gから要素oに移動する表示を視認できるため、要素gにフォーカスがあるとき、混乱することなく上キーを選択することができる。
【0045】

また、要素oにフォーカスがあるときに、ユーザが上キーを選択すれば要素hに移動し、左キーを選択すれば要素aに移動し、下キーを選択すれば要素gに移動するように定義されている。ユーザは、要素aにフォーカスがあるときに、一回のカーソルキー51の操作で要素oに移動できないが、要素oにフォーカスがあるときに、一回のカーソルキー51の操作で要素aに移動できる。また、要素oにフォーカスがあるときに、下キーを選択すれば要素gに移動するように定義されているが、カーソルキー51の左下キーでも要素gに移動するように定義してもよい。ユーザは、所望の要素に移動させたい場合に、8方向選択可能なカーソルキー51のうち複数のキーを使用することが可能となる。
【0046】
さらに、例えば、はじめにフォーカスが要素aにあり、ユーザがカーソルキー51を操作して、要素h、要素oの順でフォーカスを移動させたときに、ナビゲーションマネージャ2は、フォーカスの移動履歴を記憶する。そのため、ユーザが操作を間違えたために要素aに戻りたい場合、要素oにフォーカスがあるときに、定義されていないカーソルキー51(例えば、右キー、右上キーなど)を選択することで、履歴を遡って要素h、要素aの順で戻ることができるようにしてもよい。
【0047】
また、要素bにフォーカスがあり、ユーザが要素dを選択したい場合は、はじめにカーソルキー51の下キーを操作して要素aに移動し、次に左キーを操作して要素dにフォーカスを移動させるため、2回のカーソルキー51の操作が必要である。ここで、要素aを中心として複数の要素が円状に配置されている場合、要素bにフォーカスがあるときにユーザが左キーを長押しすると、円状に配置された要素を左回りで順次移動するように定義し、右キーを長押しすると、円状に配置された要素を右回りで移動するように定義することもできる。そうすることで、要素bにフォーカスがあり、ユーザが要素dを選択したい場合は、左キーを長押しすれば順次要素dまで移動するので、操作が単純になる。
【0048】
また、表示装置13にブラウザ表示されている表示レイアウトの全ての要素からの移動先を示す上キー、下キー、左キー、右キー、左上キー、右上キー、左下キー、右下キーの表示を全て表示すると煩雑となるため、フォーカスがある要素から移動可能とする要素への表示のみを示すようにしてもよい。
【0049】
また、HD_DVD10のナビゲーションデータにXML文書で定義された表示装置13にブラウザ表示される各要素間のフォーカス移動は、上記説明したようにリモコン5のカーソルキー51の操作に対応させていたが、例えば、特定要素から4方向に移動先がある場合、色キー51の操作に対応するように定義し、「青」、「赤」、「緑」、「黄」とブラウザ表示することもできる。また、リモコン5の選択キーを有効に活用し、カーソルキー51と色キー52を用いることで、特定の要素から多数の移動先要素がある場合でも対応することができる。
【0050】
なお、この発明は前述した実施の形態に限定されるものではなく、現在または将来の実施段階では、その時点で利用可能な技術に基づき、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置に用いるリモコンを示す外観図。
【図3】本発明の一実施形態に係るXML文書で定義されたナビゲーションデータを示す図。
【図4】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置で解析したフォーカス移動先リストを示す図。
【図5】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置による表示レイアウトの作成を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置で作成された表示レイアウトを示す図。
【図7】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置で作成された表示レイアウトを示す図。
【図8】本発明の一実施形態に係るブラウザ表示装置で作成された表示レイアウトを示す図。
【符号の説明】
【0052】
1…ブラウザ表示装置、2…ナビゲーションマネージャ、3…プレゼンテーションエンジン、4…表示制御装置、5…リモコン、6…音声出力装置、10…HD_DVD、11…データアクセスマネージャ、12…入力装置、13…表示装置、20…XML文章解析部、21…フォーカス移動先リスト格納部、22…HD_DVDブラウザ制御部、31…アドバンスアプリケーションプレゼンテーションエンジン、32…レイアウトマネージャ、33…DEMUX、34…サブピクチャ、35…ビデオデコーダ、36…オーディオデコーダ、37…合成制御部、51…カーソルキー、52…色キー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高密度ディスクを高精細再生する記録再生装置において、
出力映像の制御情報であるナビゲーションデータを読み取る読取手段と、
前記読取手段で読み取った前記ナビゲーションデータに含まれるXML文書で定義された複数の要素を解析する解析手段と、
前記解析手段で解析した前記複数の要素における各要素間の移動関係情報をフォーカス移動先リストとして記録する記憶手段と、
前記記憶手段に記録されている前記フォーカス移動先リストに基づいて、画面に前記複数の要素を表示し、各要素間の移動関係情報を表示する制御手段と、
を有することを特徴とするブラウザ表示装置。
【請求項2】
前記移動関係情報は、リモコンに設けられた複数のカーソルキーの操作に対応する方向を文字表示することを特徴とする請求項1記載のブラウザ表示装置。
【請求項3】
前記移動関係情報は、前記リモコンに設けられた複数のカーソルキーの操作に対応する方向を矢印表示することを特徴とする請求項2記載のブラウザ表示装置。
【請求項4】
表示された前記複数の要素のうちフォーカスされている要素のみについて、前記フォーカスされている要素から移動が定義されている要素への移動関係情報を表示することを特徴とする請求項1記載のブラウザ表示装置。
【請求項5】
高密度ディスクを高精細再生する記録再生装置において、
出力映像の制御情報であるナビゲーションデータを読み取り、
読み取った前記ナビゲーションデータに含まれるXML文書で定義された複数の要素を解析し、
解析した前記複数の要素における各要素間の移動関係情報をフォーカス移動先リストとして記録し、
記録されている前記フォーカス移動先リストに基づいて、画面に前記複数の要素を表示し、各要素間の移動関係情報を表示する、
ことを特徴とするブラウザ表示方法。
【請求項6】
前記移動関係情報は、リモコンに設けられた複数のカーソルキーの操作に対応する方向を文字表示することを特徴とする請求項5記載のブラウザ表示方法。
【請求項7】
前記移動関係情報は、前記リモコンに設けられた複数のカーソルキーの操作に対応する方向を矢印表示することを特徴とする請求項7記載のブラウザ表示方法。
【請求項8】
表示された前記複数の要素のうちフォーカスされている要素のみについて、前記フォーカスされている要素から移動が定義されている要素への移動関係情報を表示することを特徴とする請求項5記載のブラウザ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−293410(P2008−293410A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140373(P2007−140373)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】