説明

ブレーキ機構、駆動伝達装置、及び画像形成装置

【課題】簡単な構成にて、しかも、少ない力で、駆動伝達装置で必要とされる負荷トルクを与えることが可能なブレーキ機構、及び斯かるブレーキ機構を備えた駆動伝達装置、並びに、画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転軸3と、回転軸3に作用する少なくとも一つの対を成す第1及び第2のブレーキ部材1a、1bと、ブレーキ部材1a、1bに作用する弾性部材2a、2bを有するブレーキ機構100は、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、回転軸3の中心以外の位置にて互いに係合する係合点4を有しており、弾性部材2a、2bによる弾性力が、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bに対して係合点4を中心とした回転モーメントとして作用し、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、回転軸3に対して、回転モーメントに基づく負荷トルクを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ機構を備え、回転駆動を受ける軸と、軸の回転駆動を選択的に他の駆動部に伝達可能な駆動伝達機能を持つ駆動伝達装置及びブレーキ機構に関するものである。特に、このような、ブレーキ機構を備え、選択的な駆動伝達を可能とする駆動伝達装置が設置された、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置においては、バネクラッチによる駆動伝達装置が、記録紙を一度待機させて再搬送する記録紙搬送機構、記録紙を1枚ずつ給紙する給紙機構などの搬送手段によく用いられている。駆動力伝達制御機構としてバネクラッチを用いた駆動伝達装置は、簡単な構成で安価な装置を作ることができる。
【0003】
しかしながら、バネクラッチの構成上、入力駆動力を伝達しない時、つまり、バネクラッチ空転時には、バネクラッチから変音が発生してしまう可能性がある。また、駆動伝達時でも、バネクラッチ下流の負荷トルクが小さい場合、バネが軸に十分に巻きつくことができず変音、滑りが発生する可能性がある。
【0004】
特許文献1では、バネクラッチを用いた駆動伝達装置にて、バネクラッチ空転時には、バネクラッチを構成するコイルバネが入力胴及び出力胴に対して緩み方向に一定位相回転した状態で、係止手段に係止される。この構成により、バネクラッチ空転時に発生するバネクラッチからの変音を防止している。
【特許文献1】特開2005−155736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の構成の駆動伝達装置を用いて、カム部材の駆動制御を行い、画像形成装置における二次転写ローラの中間転写ベルトに対する離間、当接運動を制御している。
【0006】
しかしながら、このような構成は、駆動伝達装置及び画像形成装置の構成が、大型化し、複雑になる虞がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、簡単な構成にて、しかも、少ない力で、駆動伝達装置で必要とされる負荷トルクを与えることが可能なブレーキ機構、及び斯かるブレーキ機構を備えた駆動伝達装置、並びに、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は本発明に係るブレーキ機構、駆動伝達装置、及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、第一の態様によれば、回転軸と、前記回転軸に作用する少なくとも一つの対を成す第1及び第2のブレーキ部材と、前記ブレーキ部材に作用する弾性部材を有するブレーキ機構であって、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記回転軸以外の点にて互いに係合する係合点を有しており、
前記弾性部材による弾性力が、前記第1及び第2のブレーキ部材に対して前記係合点を中心とした回転モーメントとして作用し、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記回転軸に対して、前記回転モーメントに基づく負荷トルクを与える、
ことを特徴とするブレーキ機構が提供される。
【0009】
本発明の第二の態様によれば、駆動源と、前記駆動源の駆動力を選択的に伝達する制御機構と、上記構成のブレーキ機構と、を有することを特徴とする駆動伝達装置が提供される。
【0010】
本発明の第三の態様によれば、像担持体にトナー像を形成し、転写部にて前記トナー像をシート材に転写する画像形成装置において、前記シート材を前記転写部へと搬送する搬送ローラを備えた搬送手段と、前記搬送ローラを駆動制御する上記構成の駆動伝達装置と、を有することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、駆動伝達装置内の回転軸、少なくとも一つの対をなす第1及び第2のブレーキ部材と、少なくとも一つの弾性部材という簡単な構成を用いることで、回転軸に負荷される弾性部材の弾性力を第1及び第2のブレーキ部材を用いて大きくすることができる。従って、大型化、複雑化せずに簡単な構成で、駆動伝達装置で必要とされる負荷トルクを少ない力で与えることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係るブレーキ機構、駆動伝達装置、及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0013】
実施例1
図1に、本発明に係る画像形成装置400の一実施例の全体構成を示す。本実施例にて、画像形成装置400は、電子写真方式のモノクロレーザプリンタとされる。
【0014】
本実施例にて、画像形成装置400を構成する画像形成装置本体401の下部に搬送手段としての着脱可能な給紙カセット402、或いは、マルチフィーダ403が配置されている。給紙カセット402内、或いは、マルチフィーダ403にセットされたシート材Sは、シート材搬送ローラを構成する給紙ローラ404により給送され、搬送ローラ対405によりレジストローラ406へ搬送される。給紙ローラ404は、駆動装置のギア列内に設置され、駆動源の駆動力を選択的に伝達する制御機構、即ち、電磁バネクラッチ及びソレノイド(図示せず)によって動作タイミングを取られている。レジストローラ406ではシート材Sを待機させる動作と、画像形成部へと送る動作を行う。
【0015】
本実施例にて、画像形成装置本体401の上部に、画像形成部Pが配置されている。画像形成部Pは、像担持体であるドラム状の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という。)407等を備えたトナーカートリッジ408と、画像情報により変調されたレーザビームを照射する光学ユニット409と、定着手段410などから構成されている。
【0016】
帯電装置(帯電手段)411により一様に帯電された感光ドラム407には、光学ユニット409からのレーザビーム照射により、電子写真方式により静電潜像が形成される。潜像が形成された感光ドラム409に、現像装置(現像手段)412により現像剤であるトナーを付着させ、それによって潜像は、現像されてトナー像化される。トナー像は、転写装置(転写手段)413が配置された転写部Tにてシート材Sに転写される。
【0017】
このように画像形成部Pで画像が形成されたシート材Sは、次いで、定着手段410へと送られ、トナーをシート材Sに定着させ、搬送ローラ対414により画像形成装置400の上部の排紙トレイ415に排紙される。
【0018】
本実施例では、画像形成装置本体401の下方に、外部装置であるシート材搬送手段としての給紙オプションフィーダ421が多段連接されており、画像形成装置本体401の駆動装置内に設置された電磁バネクラッチ下流のギア列から駆動力を得ている。
【0019】
給紙オプションフィーダ421は、それぞれ給紙オプションフィーダ本体421Aと、フィーダ本体421Aに着脱可能に設けられた給紙カセット422とを有している。
【0020】
給紙カセット422は、画像形成装置本体401の給紙カセット402と同様な構造となっている。給紙オプションフィーダ421は、給紙カセット422に積載されたシート材Sを給送する給紙ローラ423を有し、搬送ローラ対424によりシート材は画像形成装置401のレジストローラ406に向けて搬送される。なお、各給紙オプションフィーダ421は同一の構成であり、入れ替え及び取り換え可能となっている。
【0021】
このような画像形成装置400の搬送ローラ類の駆動制御に用いられる一般的な電磁バネクラッチ201の構成は、当業者には周知である。従って、その一例について、図2(a)、(b)を用いて簡単に説明する。図2(a)は、電磁バネクラッチ201がつながっていない状態を示し、図2(b)は、電磁バネクラッチ201がつながっている状態を示す。
【0022】
図2(a)にて、電磁バネクラッチ201がつながっていない場合には、駆動側円筒301は、ギヤ列202、203等を介して外部駆動源からの回転力によって回転する。このとき駆動側円筒301とアーマチュア304は、コイルバネ303で接続されている。電磁コイル305が非通電時において、電磁バネクラッチ201のアーマチュア304は、従動側円筒302には接触していないので、駆動側円筒301とアーマチュア304は一体となって回転する。
【0023】
電磁コイル305に通電すると、図2(b)に示すように、アーマチュア304が従動側円筒302に接触し、アーマチュア304の回転が駆動側円筒301よりも遅くなることでコイルバネ303が従動側円筒302に巻きつき、従動側円筒302に駆動を伝える。
【0024】
前記のような構造を持つ電磁バネクラッチ201では、駆動をつないだときに、電磁バネクラッチ201の下流のトルクが小さい場合、コイルバネ303の従動側円筒302への巻きつきが不十分となり、動作が不安定になる。逆に、電磁バネクラッチ201の非伝達時でも、連れ周りが発生する恐れがある。また、駆動を切るときも電磁バネクラッチ201の下流のギア列は慣性によってすぐに停止しない。
【0025】
次に、図3を参照して、本発明従って構成されるブレーキ機構100を備えた駆動伝達装置200を画像形成装置400に搭載した実施例について説明する。
【0026】
図3は、画像形成装置401の駆動伝達装置200の一実施例を示す。本実施例にて、駆動伝達装置200は、駆動源Mからの駆動力がギア202を介し、電磁バネクラッチ201の駆動側ギア203へと伝えられる。
【0027】
電磁バネクラッチ201は、図2に説明した従来と同様の構成とすることができ、駆動側ギア203は、電磁バネクラッチ301の駆動側円筒301に一体に形成される。
【0028】
電磁バネクラッチ201がつながっている場合、即ち、電磁バネクラッチ201の電磁コイル305の通電時には、電磁バネクラッチ201の従動側ギア204が回転する。従動側ギア204は、電磁バネクラッチ201の従動側円筒302に一体に形成される。
【0029】
従動側ギア204は、ギア205を介して、例えば、画像形成装置400における給紙ローラ駆動のギア列206、及び、給紙オプション駆動のギア列207に駆動を伝える。
【0030】
給紙オプションフィーダ421は、接続される場合とされない場合がある。給紙オプションフィーダ421が接続されない場合、電磁バネクラッチ201での負荷トルクは小さくなるため、本発明での課題となっている電磁バネクラッチ201でのすべりや変音が発生する恐れがある。
【0031】
これを防ぐために、電磁バネクラッチ201下流のギア206の回転軸3に、ブレーキ機構100が取り付けられる。
【0032】
図4及び図5をも参照して、本発明に従って構成されるブレーキ機構100の一実施例について説明する。
【0033】
ブレーキ機構100は、図3、図4に示すように、駆動伝達装置200の回転軸3に対して、少なくとも一つの対を成す第1及び第2のブレーキ部材1a、1bを備えている。本実施例では、回転軸3は、給紙ローラ駆動のギア列206の回転軸とされる。
【0034】
また、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、互いに、回転軸以外の点(係合点)4で係合する形状となっている。係合点4の構成及び機能については、以降の説明にて明らかと成るであろう。
【0035】
図5(a)、(b)に、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの一実施例を示す。図5(a)、(b)を参照すると理解されるように、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、本実施例では、同様の構成とされる。
【0036】
つまり、本実施例にて、第1のブレーキ部材1aは、図5(a)に示すように、板状部材とされる本体1a1を備えている。本体1a1の一端1a2は、第1の弾性部材2a、本実施例では、引張りバネ2aの一端2a1が係止される係止穴1a3が形成された係止部とされる。弾性部材2aとしては、引張りバネではなく、圧縮バネ、板バネ、ゴムなどとすることができる。
【0037】
また、第1のブレーキ部材1aの本体1a1の他端1a4は、湾曲形状に形成され、その中心部に貫通穴1a5が形成され、ブレーキ部とされる。
【0038】
ブレーキ部1a5を形成する本体1a1の他端1a4は、本実施例では、本体1a1の厚さ(t)の略半分の厚さ((1/2)t)となるように、図5(a)にて左側側面が段状に削除された形状とされている。従って、本体1a1側には、段状の他端1a4を形成する突出した湾曲状の壁部1a6が形成される。
【0039】
同様に、第2のブレーキ部材1bは、図5(b)に示すように、板状部材とされる本体1b1を備えており、本体1b1の一端1b2は、第2の弾性部材2b、本実施例では、引張りバネ2bの一端2b1が係止される係止穴1b3が形成された係止部とされる。弾性部材2bとしては、引張りバネではなく、圧縮バネ、板バネ、ゴムなどとすることができる。
【0040】
また、第2のブレーキ部材1bの本体1b1の他端1b4は、湾曲形状に形成され、その中心部に貫通穴1b5が形成され、ブレーキ部とされる。
【0041】
ブレーキ部1b5を形成する本体1b1の他端1b4は、本実施例では、本体1b1の厚さ(t)の略半分の厚さ((1/2)t)となるように、図5(b)にて右側側面が段状に削除された形状とされている。従って、本体1b1側には、段状の他端1b4を形成する突出した湾曲状の壁部1b6が形成される。
【0042】
ここで、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、図4に示すように、ブレーキ部を構成する貫通穴1a5、1b5が回転軸3に挿通して設置される。このとき、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、互いに、段状に形成された側の側面が当接するようにして、回転軸3に挿通される。
【0043】
従って、本実施例では、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bを互いの方へと回転させると、壁部1a6、1b6の端縁部(係合部)1a7、1b7が、それぞれ相手方のブレーキ部材1a、1bの外周面に当接することとなる。即ち、ブレーキ部1a5、1b5に隣接して形成される、この係合部1a7、1b7が、上記説明した、「回転軸以外の点(係合点)4」を形成する。
【0044】
つまり、本実施例によると、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、回転軸3の中心軸線に対して垂直な平面であって、回転軸3の中心と第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの係合点4とを結ぶ直線を通る平面内に配置される。しかも、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、回転軸3の中心と第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの係合点4とを結ぶ直線に対して対称配置にて設置されている。
【0045】
次に、第6図を参照して、上記構成の第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの作用について説明する。
【0046】
本実施例にて、引張りバネ2a、2bは、それぞれ、一端2a1、2b1がブレーキ部材1a、1bの係止部1a2、1b2に取り付けられ、他端2a2、2b2は、係止部材である係止ピン11に係止されている。係止ピン11との係止点10は、回転軸3の中心と前記係合点4とを結ぶ直線Lの延長線上に位置する。
【0047】
従って、上記構成とされる第1及び第2のブレーキ部材1a、1bにおける回転軸3に対する第一の負荷トルクは、次のように発生する。
【0048】
図6にて、第1のブレーキ部材1aについて言えば、引張りバネ2aの一端2a1が係止されたブレーキ部材1aの係止部1a2における係止点5aには、引張りバネ2aの固定点である係止点10方向へと、矢印7aで示される力Pa1が加わる。
【0049】
この力Pa1は、ブレーキ部材1aを、回転軸3を中心として、図6にて時計方向に回転させ、それによって、本体1a1の係合端1a7(図5(a))が、第2のブレーキ部材1bのブレーキ部外周面に係合し、当接点(係合点)4aを形成する。
【0050】
従って、引張りバネ2aの力Pa1は、第1のブレーキ部材1aに対して、この当接点4aを中心とする回転モーメントを与え、ブレーキ部材1aのブレーキ部(貫通穴)1a5と回転軸3との接点6aに、矢印8a方向の力Pa2を与える。
【0051】
同様に、図6にて、第2のブレーキ部材1bについて言えば、引張りバネ2bの一端2b1が係止されたブレーキ部材1bの係止部1b2における係止点5bには、引張りバネ2bの固定点である係止点10方向へと、矢印7bで示される力Pb1が加わる。
【0052】
この力Pb1は、ブレーキ部材1bを、回転軸3を中心として図6にて反時計方向に回転させ、それによって、本体1bの係合端1b7(図5(b))が、第1のブレーキ部材1aのブレーキ部外周面に係合し、当接点4bを形成する。
【0053】
従って、引張りバネ2bの力Pb1は、第1のブレーキ部材1bに対して、この当接点4bを中心とする回転モーメントを与え、ブレーキ部材1bのブレーキ部(貫通穴)1b5と回転軸3との接点6bに、矢印8b方向の力Pb2を与える。
【0054】
従って、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bにて発生する力Pa2、Pb2は、回転軸3に対して互いに締め付け合う方向に作用し、回転軸3は、ブレーキ部材1a、1bによって締め付けられる形になる。
【0055】
この矢印8a、8b方向への締め付け力Pa2、Pb2は、ブレーキ部材1a、1bと回転軸3の間に摩擦力を発生させ、回転軸3に対し、負荷トルクを与えることとなる。
【0056】
尚、上記当接点4a、4bの位置は、必ずしも回転軸3の軸線方向に整列する必要はないが、本実施例の説明では、共通の当接点(係合点)4(4a、4b)として説明する。
【0057】
このときの締め付け力Pa2、Pb2は、係合点4と係止点5(5a、5b)間の長さと、係合点4と接点6(6a、6b)間の長さの比によって大きくなり、小さい弾性力でも大きな負荷トルクを与えることが可能となる。
【0058】
つまり、回転軸に対して大きな負荷トルクが必要となる場合には、ブレーキ部材1a、1bの係合点4と接点6(6a、6b)間の長さ(即ち、係合点4から負荷トルクの作用点までの距離)に対し、係合点4と係止点5(5a、5b)間の長さ(即ち、係合点4から弾性部材の作用点までの距離)を大きくする。これによって、ブレーキ部材1a、1bが回転軸3に与える回転モーメントが大きくなり、回転軸3に対する締め付けトルクが大きくなる。また、係合点4と係止点5(5a、5b)間の直線に対し、弾性力Pa1、Pa2の働く向きを垂直にすることで、弾性部材2a、2bの弾性力を効率よく回転軸3への負荷トルクとすることができる。
【0059】
また、ブレーキ部材1a、1bを回転軸3に垂直な平面で大きくすることはできないが、回転軸3の軸線方向に余裕がある場合は、ブレーキ部材、弾性部材の各組を増やして回転軸3に取り付けることで、負荷トルクを大きくすることができる。
【0060】
次に、回転軸3に対する第2の負荷トルクについて説明する。
【0061】
本実施例によれば、回転軸3とは異なる外部に弾性部材2a、2bの固定点10が設けられる。つまり、本実施例では、弾性部材、即ち、引張りバネ2a、2bは、引張りバネ2a、2bの他端2a2、2b2を係止ピン11に係止させることによって、弾性部材2a、2bの弾性力を回転軸3に対し付与する。
【0062】
従って、本実施例によれば、上記第1の負荷トルクであるブレーキ部材1a、1bの締め付け力Pa2、Pb2の他に、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bを一体として、固定点10の方向9へと引っ張り、回転軸3に押し付ける力P3を与える。
【0063】
従って、負荷トルクとして、上述のように、弾性力P3による第1及び第2のブレーキ部材1a、1bと回転軸3間の摩擦力がある。さらに、弾性力P3によってブレーキ部材1a、1b、及び、回転軸3を弾性力P3の矢印9方向に引っ張ることにより、回転軸3と回転軸3を支える軸受け(図示せず)との間に生じる摩擦力も負荷トルクとして加算することができる。
【0064】
以上説明したように、本実施例のブレーキ機構100は、駆動伝達装置200を正常に稼動させるために必要となるトルクを、駆動伝達装置200内の回転軸3と、少なくとも一つの対をなす2個以上のブレーキ部材1a、1b、少なくとも2個の弾性部材2a、2bという簡単かつ安価な構成要素で与えることができる。
【0065】
このときの弾性部材2a、2bによる弾性力は、ブレーキ部材1a、1bで強化されるとともに、複数の負荷トルクを与えることになる。そのため、電磁バネクラッチ201を正常動作させるために必要となる負荷トルクに対し弾性部材2a、2bの弾性力は、小さな力で済む。
【0066】
本実施例のブレーキ機構100は駆動伝達装置200の全体としての駆動トルクが小さく、モータ停止後に惰性で回転してしまう場合など、駆動伝達装置200に負荷トルクが必要となる場合に有効である。また、駆動伝達装置200内に回転軸3を有するものがあれば適応できる。
【0067】
実施例2
図7に、本発明のブレーキ機構100の第二の実施例を示す。
【0068】
本実施例のブレーキ機構100は、実施例1と同様に、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bを有した構成とされるが、実施例1のブレーキ機構100と異なり、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、駆動伝達装置200の回転軸3に貫通する構成とはされていない。
【0069】
更に説明すると、本実施例のブレーキ機構100においては、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、図7、図8に示すように、駆動伝達装置200の回転軸3を挟持する態様にて配置される。
【0070】
図8(a)、(b)を参照すると理解されるように、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、本実施例では、同じ構成とされる。
【0071】
つまり、本実施例にて、第1のブレーキ部材1aは、図8(a)に示すように、板状部材とされる本体1a1を備えている。本体1a1の一端1a2は、弾性部材2a、本実施例では、引張りバネ2aの一端2a1が係止される係止穴1a3が形成された係止部とされる。弾性部材2aとしては、引張りバネではなく、圧縮バネ、板バネ、ゴムなどとすることができる。
【0072】
また、第1のブレーキ部材1aの本体1a1の他端1a4は、湾曲形状に形成され、その中心部に貫通穴1a5が形成される。しかし、本実施例では、この貫通穴1a5は、実施例1と異なりブレーキ部を構成するものではない。この貫通穴1a5を利用して枢軸(連結ピン)12が挿通され、第1のブレーキ部材1aの他端1a4を回転自在に支持する。
【0073】
本体1a1の他端1a4は、本実施例では、本体1a1の厚さ(t)の略半分の厚さ((1/2)t)となるように、図8(a)にて手前側側面が段状に削除された形状とされている。従って、本体1a1側には、段状の他端1a4を形成する突出した壁部1a6が形成される。
【0074】
本実施例では、本体1a1の側面部(図8(a)にて下面側)に湾曲形状をしたブレーキ部1a8が形成される。
【0075】
同様に、第2のブレーキ部材1bは、図8(b)に示すように、板状部材とされる本体1b1を備えており、本体1b1の一端1b2は、弾性部材2b、本実施例では、引張りバネ2bの一端2b1が係止される係止穴1b3が形成された係止部とされる。弾性部材2bとしては、引張りバネではなく、圧縮バネ、板バネ、ゴムなどとすることができる。
【0076】
また、第2のブレーキ部材1bの本体1b1の他端1b4は、湾曲形状に形成され、その中心部に貫通穴1b5が形成される。しかし、本実施例では、貫通穴1b5は、実施例1と異なりブレーキ部を構成するものではない。この貫通穴1b5を利用して枢軸(連結ピン)12が挿通され、第2のブレーキ部材1bの他端1b4を回転自在に支持する。
【0077】
本体1b1の他端1b4は、本実施例では、本体1b1の厚さ(t)の略半分の厚さ((1/2)t)となるように、図8(b)にて奥側側面が段状に削除された形状とされている。従って、本体1b1側には、段状の他端1b4を形成する突出した壁部1b6が形成される。
【0078】
本実施例では、本体1b1の側面部(図8(b)にて上面側)に湾曲形状をしたブレーキ部1b8が形成される。
【0079】
第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、互いに、段状に形成された他端1a4、1b4の側面が当接するようにして、貫通穴1a5、1b5に連結ピン12が挿通され、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの一方の端部1a4、1b4が連結される。また、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの一方の端部1a4、1b4は、連結ピン12により回転自在に支持される。
【0080】
上述したように、端部1a4、1b4連結ピン12で回転自在に支持された第1及び第2のブレーキ部材1a、1bは、互いに対向した側面部に、回転軸3に適合した湾曲形状のブレーキ部1a8、1b8が形成される。
【0081】
従って、本実施例では、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bを、連結ピン12を回転中心として、互いの方へと回転させると、側面に形成されたブレーキ部1a8、1b8が回転軸3の外周面に当接することとなる。
【0082】
即ち、本実施例では、連結ピン12の中心を、実施例1にて説明した、「回転軸3以外の点(当接部)4」と見なすことができる。
【0083】
次に、第7図を参照して、上記構成の第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの作用について説明する。
【0084】
本実施例にて、引張りバネ2a、2bは、実施例1と同様に、それぞれ、一端2a1、2b1が対応するブレーキ部材1a、1bの係止部1a2、1b2に取り付けられ、他端2a2、2b2は、上述したように、連結ピン11にて回転自在に連結されている。
【0085】
従って、上記構成とされる第1及び第2のブレーキ部材1a、1bにおける回転軸3に対する第一の負荷トルクは、次のように発生する。
【0086】
図7にて、第1のブレーキ部材1aについて言えば、引張りバネ2aの一端2a1が係止されたブレーキ部材1aの係止部1a2における係止点5aには、引張りバネ2aの固定点である係止点10方向へと、矢印7aで示される力Pa1が加わる。
【0087】
この力Pa1は、ブレーキ部材1aを、連結ピン12の回りに、図7にて時計方向に回転させ、それによって、ブレーキ部1a8が回転軸3の外周面に当接点6aにて当接する。
【0088】
従って、引張りバネ2aの力Pa1は、第1のブレーキ部材1aに対して、連結ピン12の中心4を中心とする回転モーメントを与え、ブレーキ部材1aのブレーキ部1a8と回転軸3との接点6aに、矢印8a方向の力Pa2を与える。
【0089】
同様に、図7にて、第2のブレーキ部材1bについて言えば、引張りバネ2bの一端2b1が係止されたブレーキ部材1bの係止部1b2における係止点5bには、引張りバネ2bの固定点である係止点10方向へと、矢印7bで示される力Pb1が加わる。
【0090】
この力Pb1は、ブレーキ部材1bを、連結ピン12の回りに、図7にて反時計方向に回転させ、それによって、ブレーキ部1b8が回転軸3の外周面に当接点6bにて当接する。
【0091】
従って、引張りバネ2bの力Pb1は、第1のブレーキ部材1bに対して、連結ピン12の中心4を中心とする回転モーメントを与え、ブレーキ部材1bのブレーキ部1b8と回転軸3との接点6bに、矢印8b方向の力Pb2を与える。
【0092】
従って、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bにて発生する力Pa2、Pb2によって、回転軸3は、ブレーキ部材1a、1bによって締め付けられる形になる。
【0093】
この矢印8a、8b方向への締め付け力Pa2、Pb2によって、ブレーキ部材1a、1bと回転軸3の間に摩擦力が発生し、回転軸3に対し、負荷トルクが与えられる。
【0094】
次に、回転軸3に対する第2の負荷トルクについて説明する。
【0095】
本実施例によれば、実施例1と同様に、回転軸3とは異なる外部に弾性部材2a、2bの固定点10が設けられる。つまり、本実施例では、弾性部材、即ち、引張りバネ2a、2bは、引張りバネ2a、2bの他端2a2、2b2を係止ピン11に係止させることによって、引張りバネ2a、2bの弾性力を回転軸3に対し付与する。
【0096】
従って、本実施例によれば、上述した第1の負荷トルクであるブレーキ部材1a、1bの締め付け力Pa2、Pb2の他に、互いに噛合ったブレーキ部材1a、1bを一体として、固定点10の方向9へと引っ張り、回転軸3に押し付ける力P3を与える。
【0097】
弾性力P3による1a、1bと回転軸3間の摩擦力、さらに、弾性力P3によってブレーキ部材1a、1b及び回転軸3を矢印9方向に引っ張り、回転軸3と回転軸3を支える軸受け(図示せず)との間の摩擦力も負荷トルクとして加算することができる。
【0098】
以上説明したように、本実施例のブレーキ機構100は、駆動伝達装置200を正常に稼動させるために必要となるトルクを、駆動伝達装置200内の回転軸3と、少なくとも一つの対をなすブレーキ部材1a、1b、少なくとも2個の弾性部材2a、2bという簡単かつ安価な構成要素で与えることができる。
【0099】
このときの弾性部材2a、2bによる弾性力は、ブレーキ部材1a、1bで強化されるとともに、複数の負荷トルクを与えることになるため、電磁バネクラッチ201を正常動作させるために必要となる負荷トルクに対し弾性部材2a、2bの弾性力は、小さな力で済む。
【0100】
本実施例においても、実施例1と同様の効果を発揮することができる。
【0101】
実施例3
図9に、本発明のブレーキ機構100の第三の実施例を示す。
【0102】
本実施例のブレーキ機構100は、実施例1と同様に、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bを有した構成とされるが、実施例1の第1及び第2弾性部材2a、2bは、本実施例では、一つの弾性部材2cとされる。勿論、一つの弾性部材ではなく、複数の弾性部材を並列にて用いてもよい。第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの構成及び機能は実施例1と同様であるので、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は、実施例1の説明を援用する。
【0103】
本実施例では、一つの弾性部材2cは、その一端2caが、第1のブレーキ部材1aの係合部1a2に係止され、他端2cbは、第2のブレーキ部材1bの係合部1b2に係止される。
【0104】
従って、本実施例では、弾性部材2cの中間部において、係止ピン(係止部材)11に係合しており、当接部10を形成している。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0105】
また、図7、図8を参照して実施例2で説明した構成のブレーキ機構100に対しても、本実施例で説明したと同様に、実施例2の第1及び第2弾性部材2a、2bの代わりに一つの弾性部材2cを使用し得ることは明らかである。
【0106】
以上説明したように、本実施例のブレーキ機構100は、駆動伝達装置200を正常に稼動させるために必要となるトルクを、駆動伝達装置200内の回転軸3と、少なくとも一つの対をなすブレーキ部材1a、1b、少なくとも1個の弾性部材2cという簡単かつ安価な構成要素で与えることができる。
【0107】
実施例4
図10に、本発明のブレーキ機構100の第四の実施例を示す。
【0108】
本実施例のブレーキ機構100は、実施例3と同様に、第1及び第2のブレーキ部材1a、1b、並びに、一つの弾性部材2cを有した構成とされる。しかし、本実施例では、実施例3のように、弾性部材2cの中間部において、係止ピン11に係合してはいない。勿論、一つの弾性部材ではなく、複数の弾性部材を並列にて用いてもよい。第1及び第2のブレーキ部材1a、1bの構成及び機能は実施例1と同様であるので、同じ構成及び機能をなす部材には同じ参照番号を付し、詳しい説明は、実施例1の説明を援用する。
【0109】
また、図7、図8を参照して実施例2で説明した構成のブレーキ機構100に対しても、本実施例で説明したと同様に、実施例2の第1及び第2弾性部材2a、2bは、一つの弾性部材2cを有した構成とし得る。また、弾性部材2cの中間部において、係止ピン11に係合してはいない構成とすることができる。
【0110】
なお、実施例1〜3では、回転軸3に対し、スラスト方向の荷重がかかるが、回転軸3の軸受けが弱いなどの理由で、スラスト荷重をなくしたい場合は、弾性部材を外部の点に固定するのではなく、本実施例のように、ブレーキ部材1a、1b同士に弾性部材2cを固定し弾性力を発生させることで、スラスト方向の力をなくすことができる。
【0111】
この場合は、実施例1〜3のように複数の負荷トルクをかけることができないので、同じ負荷トルクをかけるには、強い力を出せる弾性部材を使用するか、実施例1〜3よりも大きなブレーキ部材が必要となる。
【0112】
また、実施例1〜3のように弾性部材の固定点が外部にある場合は、弾性部材がブレーキ機構の回転止めの役割も兼ねるので必要ないが、本実施例では、弾性部材の固定点を外部の点にしておらず、ブレーキ機構の回転止めが必要となる。例えば、図10に示すように、第1及び第2のブレーキ部材1a、1bに作用する係合点4を中心とした回転モーメントとは反対方向への回転を阻止するために、ストッパーピン(ストッパ部材)13a、13bを設置してもよい。このストッパーピン13a、13bは、第1及び第2ブレーキ部材1a、1bに係合し、ブレーキ機構100の回転止めを行う。
【0113】
以上説明したように、本実施例のブレーキ機構100は、駆動伝達装置200を正常に稼動させるために必要となるトルクを、駆動伝達装置200内の回転軸3と、少なくとも一つの対をなすブレーキ部材1a、1b、少なくとも1個の弾性部材2cという簡単かつ安価な構成要素で与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】電磁バネクラッチの構成を説明する概略図である。
【図3】本発明に係る駆動伝達装置の一実施例の概略構成図である。
【図4】本発明係るブレーキ機構の一実施例の斜視図である。
【図5】図4に示すブレーキ機構の第1及び第2のブレーキ部材を説明するための斜視図である。
【図6】本発明係るブレーキ機構の動作を説明するための図である。
【図7】本発明に係るブレーキ機構の他の実施例の概略構成図である。
【図8】図7に示すブレーキ機構の第1及び第2のブレーキ部材を説明するための斜視図である。
【図9】本発明に係るブレーキ機構の他の実施例の斜視図である。
【図10】本発明に係るブレーキ機構の他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
【0115】
1a、1b ブレーキ部材
2a、2b、2c 弾性部材
3 回転軸
4 係合点
11 係止ピン(係止部材)
12 連結ピン(枢軸)
13a、13b ストッパーピン(ストッパー部材)
100 ブレーキ機構
200 駆動伝達装置
201 電磁バネクラッチ
202〜207 駆動伝達装置のギア列
200 駆動伝達装置
400 画像形成装置
401 画像形成装置本体
402 給紙カセット
407 感光ドラム(像担持体)
408 トナーカートリッジ
409 光学ユニット
413 転写装置(転写手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、前記回転軸に作用する少なくとも一つの対を成す第1及び第2のブレーキ部材と、前記ブレーキ部材に作用する弾性部材を有するブレーキ機構であって、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記回転軸以外の点にて互いに係合する係合点を有しており、
前記弾性部材による弾性力が、前記第1及び第2のブレーキ部材に対して前記係合点を中心とした回転モーメントとして作用し、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記回転軸に対して、前記回転モーメントに基づく負荷トルクを与える、
ことを特徴とするブレーキ機構。
【請求項2】
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記回転軸の中心軸線に対して垂直な平面であって、前記回転軸の中心と前記第1及び第2のブレーキ部材の前記係合点とを結ぶ直線を通る平面内にて、前記回転軸の中心と前記第1及び第2のブレーキ部材の前記係合点とを結ぶ直線に対して対称配置にて設置されており、
前記第1及び第2のブレーキ部材による負荷トルクは、前記回転軸を締め付ける方向に作用する、
ことを特徴とする請求項1のブレーキ機構。
【請求項3】
前記第1及び第2のブレーキ部材の前記係合点から前記第1及び第2のブレーキ部材に作用する前記弾性部材の作用点までの距離は、前記第1及び第2のブレーキ部材の前記係合点から前記第1及び第2のブレーキ部材の前記回転軸に対する負荷トルクの作用点までの距離より大きい、
ことを特徴とする請求項1又は2のブレーキ機構。
【請求項4】
前記弾性部材は、第1及び第2の弾性部材を有しており、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、一端に、対応する前記第1及び第2の弾性部材の一端が係止される係止部が形成され、他端に、前記回転軸が挿通する貫通穴とされるブレーキ部が形成され、前記ブレーキ部に隣接して、前記第1及び第2のブレーキ部材の係合点を形成する係合部が形成されており、
前記第1及び第2の弾性部材は、それぞれ他端が係止部材に係止されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のブレーキ機構。
【請求項5】
前記弾性部材は、一つの弾性部材とされ、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記第1のブレーキ部材の一端には前記弾性部材の一端が係止される係止部が形成され、前記第2のブレーキ部材の一端には前記弾性部材の他端が係止される係止部が形成され、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端には、前記回転軸が挿通する貫通穴とされるブレーキ部が形成され、前記ブレーキ部に隣接して、前記第1及び第2のブレーキ部材の係合点を形成する係合部が形成されており、
前記弾性部材は、その中間部が係止部材に係止されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のブレーキ機構。
【請求項6】
前記弾性部材は、一つの弾性部材とされ、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記第1及び第2のブレーキ部材の一端には前記弾性部材の一端及び他端がそれぞれ係止される係止部が形成され、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端には、前記回転軸が挿通する貫通穴とされるブレーキ部が形成され、前記ブレーキ部に隣接して、前記第1及び第2のブレーキ部材の係合点を形成する係合部が形成されており、
前記第1及び第2のブレーキ部材に対して作用する前記係合点を中心とした回転モーメントとは反対方向への回転を阻止するためのストッパ部材を有している、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のブレーキ機構。
【請求項7】
前記弾性部材は、第1及び第2の弾性部材を有しており、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、一端に、対応する前記第1及び第2の弾性部材の一端が係止される係止部が形成され、他端は、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端を回転自在に支持する枢軸を挿通する貫通穴であって、前記第1及び第2のブレーキ部材の係合点を形成する係合部が形成され、前記係合部に隣接して、前記第1及び第2のブレーキ部材のブレーキ部が形成されており、
前記第1及び第2の弾性部材は、それぞれ他端が係止部材に係止されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のブレーキ機構。
【請求項8】
前記弾性部材は、一つの弾性部材を有しており、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記第1及び第2のブレーキ部材の一端には前記弾性部材の一端及び他端がそれぞれ係止される係止部が形成され、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端には、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端を回転自在に支持する枢軸を挿通する貫通穴であって、前記第1及び第2のブレーキ部材の係合点を形成する係合部が形成され、前記係合部に隣接して、前記第1及び第2のブレーキ部材のブレーキ部が形成されており、
前記弾性部材は、その中間部が係止部材に係止されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のブレーキ機構。
【請求項9】
前記弾性部材は、一つの弾性部材を有しており、
前記第1及び第2のブレーキ部材は、前記第1及び第2のブレーキ部材の一端には前記弾性部材の一端及び他端がそれぞれ係止される係止部が形成され、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端には、前記第1及び第2のブレーキ部材の他端を回転自在に支持する枢軸を挿通する貫通穴であって、前記第1及び第2のブレーキ部材の係合点を形成する係合部が形成され、前記係合部に隣接して、前記第1及び第2のブレーキ部材のブレーキ部が形成されており、
前記第1及び第2のブレーキ部材に対して作用する前記係合点を中心とした回転モーメントとは反対方向への回転を阻止するためのストッパ部材を有している、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載のブレーキ機構。
【請求項10】
駆動源と、
前記駆動源の駆動力を選択的に伝達する制御機構と、
請求項1〜9のいずれかの項に記載のブレーキ機構と、
を有することを特徴とする駆動伝達装置。
【請求項11】
前記制御機構は、電磁バネクラッチであることを特徴とする請求項10の駆動伝達装置。
【請求項12】
像担持体にトナー像を形成し、転写部にて前記トナー像をシート材に転写する画像形成装置において、
前記シート材を前記転写部へと搬送する搬送ローラを備えた搬送手段と、
前記搬送ローラを駆動制御する請求項10又は11に記載の駆動伝達装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−270592(P2009−270592A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119313(P2008−119313)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】