説明

ブロー成形の冷却方法

【課題】解決しようとする課題は、従来のブロー成形の冷却方法では成形品の外側だけにしか冷却効果がなく、内側は冷却ができないので成形時間を短縮するのが困難であるという点である。
【解決手段】押出機ヘッドからダイへ樹脂が通り該ダイよりパリソンが出てきて型締め装置に取付けられた金型によって該パリソンを下吹込みピンと共に挟み、該下吹込みピンからエアーを吹込み、該パリソンを膨らませて賦形するブロー成形方法において、該下吹込みピン及び、該下吹込みピンの内側に設けられた水吹出しピンから該パリソン内部にエアーを吹出すと同時または、同時以降のタイミングで冷却水を噴霧し、該パリソンを内側より冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー成形における内部冷却方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ブロー成形品を冷却する方法としては、金型内の冷却水の通り道配管を使用して溶融樹脂の熱を奪い固化させて成形していた。
【0003】
しかし、従来の冷却方法ではブロー成形品の外側だけにしか冷却効果がなく、内側は冷却ができないので成形時間を短縮するのが困難という欠点があった。
【0004】
この欠点を解消すべく特許文献1に示されるようにパリソン内部に冷却空気を貫流させ内部からも冷却する方法があるが、空気の熱容量は固体、液体に比べ非常に小さくその冷却効果は充分とは言えなかった。
【特許文献1】特開平5−104615
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、従来の冷却方法ではブロー成形品の外側だけにしか充分な冷却効果がなく、内側は充分に冷却ができないので成形時間を短縮するのが困難であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エアーで膨らまされたパリソンの内部に水吹出しピンにより冷却水を噴霧し、該パリソンを内側からも冷却することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によればパリソンを外側から冷却するだけでなく内側からも冷却水の噴霧によって充分に冷却できるのでパリソンの固化が早くなり成形サイクルが短くなるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ブロー成形におけるパリソンを金型に直接ふれる外面の冷却だけでなく触れるもののない内面も冷却するという目的を、エアーで膨らまされたパリソンの内部に水吹出しピンにより冷却水を噴霧し、該パリソンを内側から冷却することにより、成形品の外観、品質等を損なわずに実現した。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明のブロー成形品の冷却方法を説明するための概念図である。ブロー成形装置(図示せず)の押出機ヘッド1からダイ2へ樹脂が通り該ダイ2よりパリソン5が出てきて型締め装置3に取付けられた金型4により該パリソン5を下吹込みピン6と共に挟んだ後、該下吹込みピン6からエアーを吹込み、該パリソン5を膨らませて賦形する。
【0010】
図2は該下吹込みピン6の下吹込みピン先端部分9の詳細縦断面図であり、該下吹込みピン6の内側に水吹出しピン7が該下吹込みピン6と同心円状に設けてある。
【0011】
上で述べたように該パリソン5がエアーで膨らまされた後、該パリソン5の内部に該水吹出しピン7により冷却水を噴霧し、該パリソン5を内側より冷却するものである。
【0012】
該冷却水はその熱容量だけでなく合わせてその気化潜熱によっても該パリソンの熱を奪うので、その冷却効果は非常に大きいものである。
【0013】
以上実施例に示したように本発明の冷却方法によるとパリソンを外側から冷却するだけでなく内側からも該冷却水の熱容量及び気化潜熱による吸熱により充分に冷却できるのでパリソンの固化が早くなり成形サイクルが短くなるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明による冷却方法は、すべてのブロー成形加工に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のブロー成形品の冷却方法を説明するための概念図
【図2】本発明の下吹込みピン先端部分の詳細縦断面図
【符号の説明】
【0016】
1 押出し機ヘッド
2 ダイ
3 型締め装置

4 金型

5 パリソン

6 下吹込みピン

7 水吹出しピン

8 下吹込み装置

9 下吹込みピン先端部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形において、下吹込みピン及び該下吹込みピンの内側に設けられた水吹出しピンを有しパリソン下部にセットされた下吹き装置により、該下吹込みピンからパリソン内部にエアーを吹出すと同時または、同時以降のタイミングで該水吹出しピンから水を噴霧し、パリソン内部を冷却することを特徴とするブロー成形の冷却方法

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−218868(P2006−218868A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2006−102602(P2006−102602)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【出願人】(503233130)株式会社アイテック (96)
【Fターム(参考)】