説明

プラスグレル臭化水素酸塩の結晶

本出願は2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の結晶、それらを含有する結晶組成物及び薬学的組成物及びそれらの使用を開示する。本出願のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶は優れた安定性及び溶解性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬学的化合物の結晶に関する。とりわけ、本発明はプラスグレル臭化水素酸塩の結晶、特にプラスグレル臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶に関する。本発明は更にプラスグレル臭化水素酸塩の結晶の調製方法、プラスグレル臭化水素酸塩の結晶を含む結晶組成物及び薬学的組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
血栓や塞栓症等の血管疾患は病態生理学的に最初に血小板活性化により開始される。従って、抗血小板療法は血管疾患の予防のために重要である。ADP(アデノシンジホスフェート)は重要な病理学的及び生理学的血小板アゴニストである。血管が損傷した時、ADPは損傷した細胞及び活性化血小板から血中へ放出され、ついで他の血小板へ作用する。ADP受容体アンタゴニストはフィブリノーゲンと血小板膜GPIIb/IIIaの接着を阻害し、血小板アデニル酸シクラーゼを活性化し、血小板のcAMP(サイクリックアデノシンモノホスフェート)レベルを増加させ、それにより主に血小板膜ADP受容体の発現、結合及び活性を阻害することで血小板を阻害する。
【0003】
プラスグレル(式I)は、新世代のADP受容体アンタゴニストで、新規のプロドラッグタイプの血小板薬である(中国特許出願公開第1074446A号)。ラットのADP誘導血小板凝集のための、プラスグレルの経口投与は、ADP受容体アンタゴニストであり市場で入手できるクロピドグレルより10倍強力である。

【0004】
プラスグレルの活性代謝物の血漿濃度は同様にクロピドグレルのそれの10倍高く、プラスグレルの大きな効き目はその早い代謝速度から由来しうることを示唆している。
【0005】
中国特許出願公開第1452624A号は、プラスグレル塩酸塩及びマレイン酸塩を開示しており、経口吸収、代謝、及び血小板凝集の抑制に良好な活性を示しまた弱い毒性を示す。
【0006】
中国特許出願公開第101255169A号は、プラスグレル臭化水素酸塩を開示しているが、塩酸塩に比べて改良された水溶性及び熱安定性を示し、また高湿度及び光安定性に不満足な性能を示している。しかしながら、薬学的化合物において、安定性はその重要な特性の一つであり、良い安定性は、調製、貯蔵、使用(原材料を製剤へ加工すること)等を含む工業プロセスにおいてしばしば有益な効果を持つ。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様では、式IIを有するプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Aが提供される。

ここで、Solは溶媒であり;
mは0.1〜2、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは1である。
【0008】
本発明のその他の態様では、式IIを有するプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Aが提供される。

ここで、Solは酢酸であり;
mは1である。
【0009】
本発明のその他の態様では、式IIIを有するプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Bが提供される。

【0010】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶Aを60重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、及び最も好ましくは99重量%以上の量、含有する結晶Aの組成物が提供される。
【0011】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶Bを60重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、及び最も好ましくは99重量%以上の量、含有する結晶Bの組成物が提供される。
【0012】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶A又はB、又は上に定義された結晶A又はBの組成物を、治療に効果的な量、含む薬学的組成物が提供される。
【0013】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶A又はB、上に定義された結晶A又はBの組成物、又は上に定義されたプラスグレル臭化水素酸塩を含む薬学的組成物を、治療に効果的な量、必要とする動物に投与することを含んだ、動物の血栓または塞栓症に関連した疾患を予防又は治療する方法が提供される。
【0014】
本発明のその他の態様では、血栓又は塞栓症に関連する疾患の予防または治療のための医薬の調製において、上に定義された結晶A又はB、上に定義された結晶A又はBの組成物及び上に定義されたプラスグレル臭化水素酸塩を含む薬学的組成物の使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は実施例2による酢酸溶媒和結晶(結晶A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図2】図2は実施例2による酢酸溶媒和結晶(結晶A)の赤外線吸収スペクトルを示す。
【図3】図3は実施例2による酢酸溶媒和結晶(結晶A)の熱重量分析(TGA)を示す。
【図4】図4は実施例2による酢酸溶媒和結晶(結晶A)のDSCを示す。
【図5】図5は実施例3による酢酸溶媒和結晶(結晶A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図6】図6は実施例6による酢酸溶媒和結晶(結晶B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図7】図7は実施例6による酢酸溶媒和結晶(結晶B)の赤外線吸収スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一態様では、式IIを有するプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Aが提供される。

ここで、Solは溶媒であり;
mは0.1〜2、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは1である。
【0017】
本発明で使用可能な溶媒は、限定しないが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン等のエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル及びギ酸エチル等のエステル;アセトン又はブタノン等のケトン;アセトニトリル及びプロピオニトリル等のニトリル;DMF及びDMSO等の双極性非プロトン溶媒;ギ酸及び酢酸等の酸性溶媒;及び水を含む。
【0018】
一実施態様では、本発明の溶媒はジエチルエーテル及びジイソプロピルエーテルを含む群から選択される。その他の実施態様では、本発明の溶媒は酢酸エチルである。その他の実施態様では、本発明の溶媒はアセトンである。その他の実施態様では、本発明の溶媒はアセトニトリルである。その他の実施態様では、本発明の溶媒はDMSOである。その他の実施態様では、本発明の溶媒は酢酸である。その他の実施態様では、本発明の溶媒は水である。
【0019】
本発明のその他の態様では、式IIを有するプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Aが提供される。

ここで、Solは酢酸であり;
mは1である。
【0020】
その態様のいくつかの実施態様では、本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Aは斜方晶系構造に属し、その空間群はPnmaであり、その格子定数は約、a=15.33Å、b=7.39Å、c=20.82Å、α=β=γ=90°;及びその格子体積=2356.89Åである。
【0021】
Cu−Kα線により測定された本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶AのXRPD(X線粉末回折)パターンにて、面間隔dで表された回折ピークは、約10.43Å、8.63Å、7.20Å、6.33Å、5.15Å、及び3.47Å、典型的には約10.43Å、8.63Å、7.20Å、6.33Å、5.15Å、4.80Å、4.73Å、3.77Å、3.68Å、及び3.47Å、より典型的には約12.38Å、10.43Å、8.63Å、7.20Å、6.33Å、5.15Å、4.96Å、4.80Å、4.73Å、4.02Å、3.77Å、3.68Å、3.47Å、3.36Å、2.99Å、及び2.95Å、及び更により典型的には約12.38Å、10.43Å、8.63Å、7.67Å、7.20Å、6.94Å、6.33Å、5.60Å、5.31Å、5.15Å、4.96Å、4.80Å、4.73Å、4.22Å、4.11Å、4.02Å、3.83Å、3.77Å、3.68Å、3.47Å、3.36Å、3.26Å、3.23Å、2.99Å、2.95Å、2.90Å、2.73Å、及び2.40Åに見いだされる。
【0022】
本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶AのIR(赤外線吸収スペクトル)にて、吸収ピークは約1719及び1763cm-1に見いだされる。
【0023】
本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶AのDSC(示差走査熱量測定)にて、吸熱ピークの開始温度は約128℃である。
【0024】
本発明のその他の態様では、式IIIを有するプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Bが提供される。

【0025】
本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶Bは斜方晶系構造に属し、その空間群はPnmaであり、その格子定数は約、a=15.42Å、b=7.29Å、c=21.24Å、α=β=γ=90°;及びその格子体積=2387.09Åである。
【0026】
Cu−Kα線により測定された本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶BのXRPD(X線粉末回折)パターンにて、面間隔dで表された回折ピークは、約10.62Å、6.43Å、4.82Å、3.64Å、及び3.44Å、典型的には約10.62Å、8.76Å、6.43Å、4.82Å、4.74Å、4.10Å、3.64Å、3.44Å、及び2.94Å、より典型的には約12.49Å、10.62Å、8.76Å、7.71Å、7.25Å、6.43Å、5.01Å、4.82Å、4.74Å、4.10Å、3.64Å、3.44Å、3.39Å、及び2.94Å、及び更により典型的には約12.49Å、10.62Å、8.76Å、7.71Å、7.25Å、6.88Å、6.43Å、5.60Å、5.30Å、5.21Å、5.14Å、5.01Å、4.82Å、4.74Å、4.10Å、3.79Å、3.75Å、3.64Å、3.57Å、3.54Å、3.44Å、3.39Å、3.17Å、3.07Å、2.99Å、2.94Å、2.61Å、2.41Å、及び2.24Åに見いだされる。
【0027】
本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶BのIR(赤外線吸収スペクトル)にて、吸収ピークは1713及び1762cm-1に見いだされる。
【0028】
XRPDにおいて、結晶化合物から得られた回折パターンは一般的に特定の結晶形の特徴である。しかしながら、バンド(特に底角の)の相対強度は結晶化条件、粒子の大きさ及び他の試験条件の違いから起こる優位な配向の影響により変わりうる。その結果、回折ピークの相対強度は特定の結晶形の特徴ではなく、結晶形が既知のものと同じかを決定する間は相対強度よりもむしろピークの位置に焦点を合わせるべきである。XPRDにて、ピーク位置は一般的に回折角2θ又は面間隔dで表される。2θは入射X線の波長に関係があるので、面間隔dはより代表的である。それらはそれらの間に単純な変換関係を持ち:d=λ/2sinθ、dは面間隔を表し、λは入射X線の波長(Cu−Kα,λ=1.54187Å)を表し、θは回折角を表す。同じ化合物の同じ結晶形において、それらのXPRDは全体的に同様であり、ピーク位置を示すdの値の誤差は一般的に±2%の範囲であり、多くの場合わずか±1%である。一方、相対強度の誤差はより大きくなり得るが、変化の傾向は同一である。加えて、一相を表すのは単回折線では無く、「d−I/I」データの特定の一組であるため、結晶形が同一であるかを決定するときには包括的思考を維持すべきである。更に、混合物の同定においては、減少した含有量等の因子はいくつかの回折線の欠如を来しうるため、高純度試料で観測されるような全バンドを参照する必要は無い。この場合、1つのバンドでさえも与えられた結晶の特徴であり得る。
【0029】
DSCは、結晶が結晶構造変化又は結晶融解によって熱を吸収又は放出する間、結晶の転移温度を測定する。同じ化合物の同じ結晶形において、連続分析にて、熱転移温度及び溶融点の誤差は典型的に±5℃以内で、一般的に±3℃以内である。DSCは異なる結晶形を同定するための補足的方法を提供する。異なる結晶形はそれらの異なる転移温度により同定可能である。混合物においては、DSCピーク又はその溶融点はより広範囲で可変するかもしれないことに注意すべきである。加えて、物質が融解する間に分解が起きるため、融点は温度上昇速度と密接に関係している。
【0030】
IRは光があたると振動する群と関係する分子内の特定の化学結合に起因する赤外吸収を測定する。異なる結晶形における分子内共有結合の電気的環境は異なるため、共有結合の強さもまた異なり得、異なる結晶形に対する異なるIRスペクトルを必然的に生じさせる。
【0031】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶Aを60重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、及び最も好ましくは99重量%以上の量、含有する結晶Aの組成物が提供される。結晶Aに加えて、結晶Aの組成物は、少量の他の結晶形及び非結晶質のプラスグレル臭化水素酸塩を更に含みうる。
【0032】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶Bを60重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、及び最も好ましくは99重量%以上の量、含有する結晶Bの組成物が提供される。結晶Bに加えて、結晶Bの組成物は、少量の他の結晶形及び非結晶質のプラスグレル臭化水素酸塩を更に含みうる。
【0033】
本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶A又は結晶Aの組成物は以下の方法により調製できる:
【0034】
方法1:出発物質(中国特許出願公開第1074446A号を参照のこと)としてプラスグレル(式Iの化合物)を適切な有機溶媒に攪拌して溶解する。臭化水素を含む物質及び酸酸を含む物質を同時に又は連続的にゆっくりと0〜40℃で加え、反応を5分〜2時間実行する。反応完了後、混合物を0〜40℃で別途1〜10時間攪拌する。混合物を結晶化のために冷却し、濾過し、得られた結晶を少量のアセトンで洗浄する。結晶を30〜60℃で減圧下で1〜10時間乾燥する。適切な有機溶媒はアセトン、酢酸、又はその混合物、好ましくはアセトン及び酢酸の混合物でありうる。有機溶媒の量は5〜20ml/gプラスグレル、好ましくは8〜12ml/gプラスグレルであり、プラスグレルの臭化水素に対するモル比は1:(0.5〜5)であり、反応時間は好ましくは5〜15分である。反応完了後、好ましくは、混合物を1〜3時間攪拌し、結晶化の温度は0〜25℃で、減圧下の乾燥のための温度及び時間はそれぞれ60℃及び4時間である。
【0035】
方法2:出発物質(中国特許出願公開第101255169A号を参照のこと)としてプラスグレル臭化水素酸塩を適切な有機溶媒に溶解し、次いで酢酸(又は酢酸を含む物質)を添加する。もう一つの方法として、プラスグレル臭化水素酸塩を直接酢酸に溶解する。溶解を促進するために加熱を実施することも可能である。混合物を0〜30℃で1〜10時間攪拌し、得られた結晶を濾過し、少量のアセトンで洗浄する。結晶を30〜60℃で減圧下で1〜10時間乾燥する。適切な有機溶媒は好ましくはアセトン、酢酸、又はその混合物である。有機溶媒の量は5〜20ml/gプラスグレル、好ましくは8〜12ml/gプラスグレルである。好ましくは、混合物は1〜3時間攪拌し、結晶化の温度は0〜25℃で、減圧下の乾燥のための温度及び時間はそれぞれ60℃及び4時間である。
【0036】
方法3:上に記載の方法1又は2により得られたプラスグレル臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶に適量の酢酸を添加し加熱して溶解する。混合物を攪拌しながら室温に冷却し、別途1〜10時間攪拌する。沈殿した結晶を濾過し少量のアセトンで洗浄する。結晶は30〜60℃で減圧下で1〜10時間乾燥する。酢酸の量は5〜20ml/gプラスグレル、好ましくは8〜12ml/gである。好ましくは、加熱温度は40〜90℃で、攪拌時間は1〜3時間であり、減圧下の乾燥のための温度及び時間はそれぞれ60℃及び4時間である。
【0037】
本発明のプラスグレル臭化水素酸塩の結晶B又は結晶Bの組成物は以下の方法により調製できる:
【0038】
方法4:出発物質(中国特許出願公開第1074446A号を参照のこと)としてプラスグレル(式Iの化合物)をアセトンに溶解する。臭化水素を含む水溶液をゆっくりと0〜40℃で添加し、結晶化のために5分〜2時間反応を実施させる。反応完了後、混合物を0〜40℃で別途1〜10時間攪拌する。混合物を濾過し、結晶を少量のアセトンで洗浄する。結晶を次いで減圧下で30〜60℃で1〜10時間乾燥する。アセトンの量は5〜20ml/gプラスグレルで、好ましくは10〜15ml/gであり、プラスグレルの臭化水素に対するモル比は1:(0.5〜5)で反応時間は好ましくは5〜15分である。反応完了後、好ましくは混合物は1〜3時間攪拌され、温度は0〜室温であり、減圧下の乾燥のための温度及び時間はそれぞれ60℃及び4時間である。
【0039】
本発明のその他の態様では、式IIのプラスグレル臭化水素酸塩の結晶、とりわけ上に定義された結晶A又はB、又は上に定義された結晶A又はBの組成物を治療に有効な量、含有する薬学的組成物が提供される。
【0040】
上に定義された結晶A又はB又は、有効成分として上に定義された結晶A又はBの組成物に加えて、本発明のプラスグレル臭化水素塩の薬学的組成物は、経口及び、静脈内、筋肉内、局所、又は皮下投与等の非経口投与を含む様々な投与経路を通じて、人間の患者等の動物の対象に投与するために、適切な薬理学的に許容できる賦形剤、希釈剤等を更に含みうる。本発明の結晶、結晶組成物及び薬学的組成物は好ましくは経口投与用である。
【0041】
従って、本発明のプラスグレル臭化水素酸塩は不活性希釈剤又は吸収性及び食用の担体等の薬学的に許容できる賦形剤を組み合わせて、経口等により体系的に投与することが可能である。それらはハード又はソフトゼラチンカプセルに封入されて錠剤にプレス加工され、又は患者のために直接食餌に混合することが可能である。経口投与のために、活性化合物は一以上の賦形剤と組み合わせて、吸収性錠剤、バッカル錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤及びフィルム等として調剤することが可能である。
【0042】
そのような製剤は任意の良く知られた技術に従い調製され得、また以下の添加剤を含みうる:賦形剤(ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びソルビトール等のグルコース誘導体;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、α−デンプン及びデキストリン等のデンプン誘導体;結晶セルロース等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;及びプルランを含む有機賦形剤;軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びケイ酸アルミニウムマグネシウム等のケイ酸塩誘導体を含む無機賦形剤;リン酸水素カルシウム等のリン酸塩;炭酸カルシウム等の炭酸塩;硫酸カルシウム等の硫酸塩)、潤滑剤(ステアリン酸及びステアリン酸カルシウム及びステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;タルク、及びミツロウ及び鯨ロウ等のワックス;ホウ酸;アジピン酸;硫酸ナトリウム等の硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水ケイ酸及びケイ酸水和物等のケイ酸塩;及び上に記述のでんぷん誘導体等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び上に記述の賦形剤等)、崩壊剤(低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム及び内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムを含むセルロース誘導体等;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、及び架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾デンプン−セルロース化合物;上に記述のデンプン誘導体等)、乳化剤(ベントナイト及びビーガムを含むコロイド粘土等:水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸カルシウム等の陰イオン界面活性剤;塩化ベンザルコニウム等の陽イオン界面活性剤;及びポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及びショ糖脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤等)、安定剤(メチルパラベン及びプロピルパラベン等のp−ヒドロキシ安息香酸エステル;クロロブタノール、ベンジルアルコール及びフェネチルアルコール等のアルコール;塩化ベンザルコニウム、フェノール及びクレゾール等のフェノール;チメロサール;デヒドロ酢酸;及びソルビン酸等)、矯正薬(当該分野で一般的に使用される甘味料、酸味剤及びフレーバー等)、及び希釈剤。
【0043】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶A又はB、上に定義された結晶A又はBの組成物、又は上に定義されたプラスグレル臭化水素酸塩を含む薬学的組成物を、治療に有効な量、それを必要としている動物に投与することを含む、動物の血栓または塞栓症に関連する疾患の予防又は治療法を提供する。
【0044】
いくつかの実施態様では、疾患は血栓症である。いくつかの実施態様では、疾患は塞栓症である。本発明の結晶、結晶の組成物及び薬学的組成物は好ましくは内温動物へ、より好ましくはヒトへ投与される。
【0045】
プラスグレル臭化水素酸塩を含む薬学的組成物中の活性成分としての結晶A又はB、結晶A又はBの組成物の用量は、症状、年齢等によって可変しうるが、成人に対し、患者の症状の重症度に依存して1から7日間の間、1から7回投与されうる。経口投与のために、1回の投与の活性成分の量は0.1mgから1000mgであり、好ましくは1mgから500mgであり得る。
【0046】
本発明のその他の態様では、上に定義された結晶A又はB、上に定義された結晶A又はBの組成物、及び、血栓又は塞栓症に関連する疾患の予防又は治療のための医薬の調製における上に定義されたプラスグレル臭化水素酸塩を含む薬学的組成物の使用を提供する。
【0047】
以下の実施例は本発明をさらに説明することを目的とし、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0048】
実施例1:2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶の調製(結晶A)
2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン(2g)を酢酸(20ml)に溶解し、25℃の室温で攪拌しながら、酢酸に溶解した臭化水素(40%)の溶液(1.1g)を混合物に滴下した。少量の種結晶を溶液に添加し、ついで混合物を2時間室温で攪拌した。得られる結晶は濾過により分離され、少量のアセトンで洗浄され、次いで減圧下で4時間60℃で乾燥され、白い結晶として表題の化合物を得た(2.29g、収率83%)。
【0049】
実施例2:2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶の調製(結晶A)
プラスグレル臭化水素酸塩の酢酸溶媒和物(0.4g)を酢酸(4ml)に溶解し、混合物を70℃に加熱した。混合物を10分間攪拌し、次いで自然に室温へ冷却した。混合物は別途2時間攪拌した。得られた結晶を濾過により分離し、少量のアセトンで洗浄し、次いで、減圧下で4時間60℃で乾燥させて、白い結晶として表題の化合物を得た(0.34g、収率85%)。
【0050】
実施例3:2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶の調製(結晶A)
2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン(2g)をアセトン及び酢酸の混合物(30ml)に溶解し、酢酸に溶解した臭化水素(40%)の溶液(1.1g)を0℃で攪拌しながら滴下した。少量の種結晶を添加し、次いで混合物を同じ温度で2時間攪拌した。得られた結晶を濾過により分離し少量のアセトンで洗浄し、次いで減圧下で4時間60℃で乾燥させて、白い結晶として表題の化合物を2.31g得た。
【0051】
実施例4:2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶の調製(結晶A)
2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩(2g)を酢酸(20ml)に添加し、混合物を70℃に加熱した。混合物を10分間攪拌し、次いで自然に室温に冷却した。混合物を別途2時間攪拌した。得られた結晶を濾過により分離し少量のアセトンで洗浄し、次いで減圧下4時間60℃で乾燥させ、白い結晶として表題の化合物を1.8g得た。
【0052】
実施例5:2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶の調製(結晶A)
2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン(4g)を酢酸(60ml)に溶解し、臭化水素(40%)水溶液(2.16g)を25℃の室温で攪拌しながら滴下した。混合物を2時間同じ温度で攪拌した。得られた結晶を濾過により分離し少量のアセトンで洗浄し、次いで減圧下で4時間60℃で乾燥させ、白い結晶として表題の化合物を得た(4.77g、収率86.4%)。
【0053】
実施例6:2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン臭化水素酸塩の結晶の調製(結晶B)
2-アセトキシ-5-(α-シクロプロピルカルボニル-2-フルオロベンジル)-4,5,6,7-テトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジン(4g)を60mlのアセトンに溶解した。その溶液に1当量の40%臭化水素水溶液を室温で滴下し、混合物を5分間攪拌し、次いで結晶が沈殿した。混合物を別途2時間室温で攪拌した。得られた結晶を真空濾過により分離し、濾過ケークをアセトンで2回洗浄し、次いで減圧下で乾燥させて、白い結晶として表題の化合物を4.77g得た。
【0054】
実施例7:酢酸溶媒和結晶の試験
試料:実施例2の酢酸溶媒和結晶(結晶A)
X線粉末回折試験:機器型:Bruker D8 ADVANCE;光源:Cu−Kα 40kV 40mA;グラファイトモノクロメーター;発散スリット(DS):1°;散乱線除去スリット(SS):1°;リンクスアイアレイ検出器、走査方式:θ/θ、連続走査;走査範囲:3°〜45°、走査速度:8°/min。結果を図1に示す。
赤外線吸収スペクトル試験:米国NICOLET社の670FI−IR分光計を使用、ヌジョール法、走査範囲:400〜4000cm-1。結果を図2に示す。
熱重量分析(TGA)試験:NETZSCH TG 209F1を使用し、試験条件は以下の通りであった。酸化アルミニウムのルツボを使用し、窒素置換下で10℃/分の温度上昇速度で走査範囲は25℃から300℃であった。結果を図3に示す。180℃までに失われた重量は試料中の酢酸の重量である。図3から計算できる通り、実施例2の試料中において酢酸のプラスグレル臭化水素酸塩に対するモル比は約1:1である。
DSC試験:機器:NETZSCH DSC 204 F1;温度上昇速度:30°から250°で10.0K/分。結果を図4に示す。
【0055】
実施例8:酢酸溶媒和結晶の試験及び指数付け
試料:実施例3の酢酸溶媒和結晶(結晶A)
X線粉末回折試験:機器型:Bruker D8 ADVANCE;光源:Cu−Kα 40kV 40mA;グラファイトモノクロメーター;発散スリット(DS):1°;散乱線除去スリット(SS):1°;リンクスアイアレイ検出器、走査方式:θ/θ、連続走査;走査範囲:3°〜45°、走査速度:8°/min。結果を図5に示す。
図1のピーク位置、ピーク強度及びピークの形は図5のそれらと良く合致し、従って実施例2及び3の結晶は同一である。2つのスペクトルは幾つかの場所でお互いわずかに異なり、それらは実験誤差及び様々なバッチにおける結晶化度の違いに起因しうる。
実施例3における指数付け及びもとの粉末回折分光写真の修正により得られた格子定数は以下の通りである(かっこ内の数字は統計誤差である)。結晶は斜方晶系構造に属し、その空間群はPnma(62)。a=15.32642(0.000202)Å;b=7.38783(0.00637)Å;c=20.81522(0.000096)Å;α=β=γ=90°、及びその格子体積=2356.89Åである。



【0056】
指数付けにおける関連するパラメータ−は以下の通りである。
角度誤差│△2θ│=0.0058°;原点オフセット=0.0°;線質係数F(30)=45.3(110)。
少ない角度誤差、原点オフセット無し、及び良く合致した実験及び理論によるスペクトル線の位置に基づいて、指数付けの結果は信頼性が高い。
結果は、提供された試料は純粋な相化合物で、対応する実験の分光写真はデータとして及び同一相を識別するための指紋として使用できることを示している。
【0057】
実施例9:非溶媒和結晶の試験及び指数付け
試料:実施例6の非溶媒和結晶(結晶B)
X線粉末回折試験:機器型:Bruker D8 ADVANCE;光源:Cu−Kα 40kV 40mA;グラファイトモノクロメーター;発散スリット(DS):1°;散乱線除去スリット(SS):1°;リンクスアイアレイ検出器、走査方式:θ/θ、連続走査;走査範囲:3°〜45°、走査速度:8°/min。結果を図6に示す。
図1及び6の間でピーク位置、ピーク強度及びピーク形状に著しい違いがあり、従って実施例6及び2の結晶は異なる。
実施例6における指数付け及びもとの粉末回折分光写真の修正により得られた格子定数は以下の通りである。結晶は斜方晶系構造に属し、その空間群はPnma(62)。a=15.42456Å;b=7.28661Å;c=21.23884Å;α=β=γ=90°、及び格子体積=2387.09Å。線質係数F(30)=25.4(117)。
結晶A及びBについて:(1)結晶Bの分子は結晶Aのそれより一酢酸分子少なく、従って分子量もより少ない、しかしながら、酢酸分子とプラスグレル分子の間に水素結合が形成され、結晶Aのよりコンパクトで整った空間構造をもたらすため、結晶Bの格子体積は結晶Aのそれより大きい。安定性試験において、結晶Aの安定性は結晶Bより良い。安定性の違いは空間構造の違いによる。
【0058】
実施例10:影響因子試験
試料元:
X1(プラスグレル塩酸塩の結晶)を中国特許出願公開第1452624A号の実施例1で提供された方法に従って調製した。
X2(プラスグレル臭化水素酸塩)を中国特許出願公開第101255169A号の実施例1で提供された方法に従って調製した。
X3(プラスグレル臭化水素酸塩の酢酸溶媒和物)を本発明の実施例2の方法に従って調製した。
実験方法:中華人民共和国薬局方2005年版、第2部、付録XIX Cを参照
HPLC条件:機器:Agilent 1100
クロマトグラフィーカラム:Phenomenex Hyperclone 5μ BD S C18
移動相:アセトニトリル:KHPO(10mM)=70:30
カラム温度:40℃
流量:1.0ml/min
波長:220nm
実験結果:

【0059】
表2は実施例2の酢酸溶媒和物の安定性分析結果を示す。安定性試験結果は、光の全ての条件下にて、60℃、及びRH92.5%で、プラスグレル臭化水素酸塩の酢酸溶媒和物(X3)は、塩酸塩結晶(X1)及びプラスグレル臭化水素酸塩(X2)よりも安定であることを示している。
【0060】
実施例11:酢酸溶媒和物の溶解性
試料元:実施例10と同一
実験方法:中華人民共和国薬局方2005年版、第2部、通則を参照
実験結果:

明らかに、プラスグレル臭化水素酸塩の酢酸溶媒和結晶はプラスグレル臭化水素酸塩及び塩酸塩よりも良い溶解性を有している。
【図1a】

【図1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式II

(ここで、Solは溶媒であり;
mは0.1〜2、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは1である)を有する化合物の結晶。
【請求項2】
溶媒が、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジメトキシエタン、好ましくはジエチルエーテル及びジイソプロピルエーテル等のエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル及びギ酸エチル、好ましくは酢酸エチル等のエステル;アセトン及びブタノン、好ましくはアセトン等のケトン、アセトニトリル及びプロピオニトリル、好ましくはアセトニトリル等のニトリル;DMF及びDMSO、好ましくはDMSO等の双極性非プロトン溶媒;ギ酸及び酢酸、好ましくは酢酸等の酸性溶媒;及び水を含む群から選択される請求項1に記載の結晶。
【請求項3】
式II

(ここで、Solは酢酸であり;
mは1である)を有する化合物の結晶。
【請求項4】
Cu−Kα線で測定された結晶のX線粉末回折パターンにて、面間隔dで表された回折ピークが約10.43Å、8.63Å、7.20Å、6.33Å、5.15Å、及び3.47Åに見いだされる請求項3に記載の結晶。
【請求項5】
Cu−Kα線で測定された結晶のX線粉末回折パターンにて、面間隔dで表された回折ピークが約10.43Å、8.63Å、7.20Å、6.33Å、5.15Å、4.80Å、4.73Å、3.77Å、3.68Å、及び3.47Åに見いだされる請求項4に記載の結晶。
【請求項6】
Cu−Kα線で測定された結晶のX線粉末回折パターンにて、面間隔dで表された回折ピークが約12.38Å、10.43Å、8.63Å、7.20Å、6.33Å、5.15Å、4.96Å、4.80Å、4.73Å、4.02Å、3.77Å、3.68Å、3.47Å、3.36Å、2.99Å、及び2.95Åに見いだされる請求項5に記載の結晶。
【請求項7】
結晶は斜方晶系構造に属し、及びその空間群はPnmaであり;その格子定数は約a=15.33Å;b=7.39Å;c=20.82Å;α=β=γ=90°;及びその格子体積は2356.89Åである請求項3に記載の結晶。
【請求項8】
式III

を有する化合物の結晶。
【請求項9】
Cu−Kα線で測定された結晶のX線粉末回折パターンにて、面間隔dで表された回折ピークが約10.62Å、6.43Å、4.82Å、3.64Å、及び3.44Åに見いだされる請求項8に記載の結晶。
【請求項10】
Cu−Kα線で測定された結晶のX線粉末回折パターンにて、面間隔dで表された回折ピークが約10.62Å、8.76Å、6.43Å、4.82Å、4.74Å、4.10Å、3.64Å、3.44Å、及び2.94Åに見いだされる請求項9に記載の結晶。
【請求項11】
Cu−Kα線で測定された結晶のX線粉末回折パターンにて、面間隔dで表された回折ピークが約12.49Å、10.62Å、8.76Å、7.71Å、7.25Å、6.43Å、5.01Å、4.82Å、4.74Å、4.10Å、3.64Å、3.44Å、3.39Å、及び2.94Åに見いだされる請求項10に記載の結晶。
【請求項12】
結晶は斜方晶系構造に属し、その空間群はPnmaであり;その格子定数は約a=15.42Å;b=7.29Å;c=21.24Å;α=β=γ=90°;及びその格子体積は2387.09Åである請求項8に記載の結晶。
【請求項13】
請求項1−7の何れか一項に記載の結晶を60重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、及び最も好ましくは99重量%以上の量、含有する結晶組成物。
【請求項14】
請求項8−12の何れか一項に記載の結晶を60重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、及び最も好ましくは99重量%以上の量、含有する結晶組成物。
【請求項15】
請求項1−12の何れか一項に記載の結晶又は請求項13又は14に記載の結晶組成物を治療に有効な量含有する薬学的組成物。
【請求項16】
血栓や塞栓症に関連する疾患の予防又は治療のための医薬の調製における、請求項1−12の何れか一項に記載の結晶又は請求項13又は14に記載の結晶組成物又は請求項15に記載の薬学的組成物の使用。
【請求項17】
請求項1−12の何れか一項に記載の結晶又は請求項13又は14に記載の結晶組成物又は請求項15に記載の薬学的組成物を、治療に有効な量、必要としている動物へ投与することを含む、動物における血栓や塞栓症に関連する疾患の予防又は治療のための方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−522023(P2012−522023A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502440(P2012−502440)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/CN2010/071464
【国際公開番号】WO2010/111951
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(510240295)シャンハイ インスティテュート オブ ファーマシューティカル インダストリー (1)
【出願人】(511236051)ナンジン チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】