説明

プラスチック・パネルへの機械的な電気端子取り付け部

プラスチック製窓システム10が、透明のプラスチック・パネル14と、該プラスチック・パネル14に設けられた導電性グリッド12とを含んでいる。該導電性グリッド12は少なくとも1バスバー18,19を含んでいる。バスバー18,19には電気端子30が電気接続され、コネクタ50が端子30をバスバー18,19に固定している。コネクタ50は、パネル14から、パネル14に対しバスバー18,19の外側位置に延びる部分を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くは、導電性グリッドを有するプラスチック・パネルへ電気端子を接続するコネクタに関するものである。より具体的には、本発明は、プラスチック製窓システムに霜取り能及び曇り取り能を付与するために、窓システムのプラスチック基板に設けた電気回路に電気端子を取り付ける取り付け部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気的に発熱可能なグリッドは、自動車の窓の、特にバックライトの霜取り及び曇り取り用に、長いこと使われてきた。電気発熱式の窓は、様々な種類のものが構成さているが、通常、窓の内側又は外側に配置された導電性の発熱グリッドを含んでいる。この発熱グリッドは、通常、対向する1対のバスバーを含み、その間に1連のグリッド線が延在している。発熱グリッドを電流が通る間、グリッド線の抵抗によって熱が発生する。この熱が窓に発散する結果、霜取り又は曇り取りが行われる。発熱グリッドに給電するため、グリッドは自動車の電気システムに接続される。
【0003】
このように発熱グリッドに自動車の電気システムを接続するために、発熱グリッドのバスバーは、窓の縁部から突出する薄片タブを備えていた。自動車の電気システムのワイヤハーネス終端の複数端子が、タブに接続される。これらの端子は、構成は様々だが、ハウジングに囲まれたバネ式金属接点を含むことが多い。ハウジングがタブに取り付けられると、接点は、バスバーに対し付勢され、バスバーと接触する。
別の構成の場合、接合パッドがバスバーと一体形成され、自動車の電気システムに接続された端子が接合パッドに直接にろう付けされる。
【0004】
前記構成は、各々、周知の問題点や限界点を有している。バネ接点の限界点の例証となるのは、自動車の寿命のある間に、疲労及び/又は振動のために弛み、その結果、発熱グリッドが働かなくなるか、又は僅かしか働かなくなる点である。接合パッド構成の限界点は、ろうが過少又は過剰の場合、端子と接合パッド間の結合度が不足する結果、端子が接合パッドからはずれやすくなる。プラスチックが低Tであるため、伝統的な高温用のろうは、バスバー18,29への堅固な接合には使用できない。この種のろうのろう付け温度は、高すぎる結果、パネル14のプラスチックを損傷する。残念なことに、市販の低温用ろうは、導電性の接着剤もそうだが、接合強さ又は信頼性が十分ではない。そうした材料での接合の結果、端子がバスバーに接合された場合、パネル表面と平行に僅かに2.27kg又は2.72kg(5又は6ポンド)の力を加えるだけで、端子は解離してしまう。通常、元の装置製造業者(OEM)は、接合部が、12.25kg(27ポンド)を超える力を加えなければ解離しないように要求している。
【0005】
US4,100,398に開示されている積層電気発熱窓では、各バスバーの一部が窓の縁部から突出し、それによって自動車のワイヤハーネスと接続されている。バスバーは、その端部に個別の電気接点を含み、ワイヤハーネスとピン/ソケット接続部を形成している。
US4,246,467に開示された発熱可能な窓の場合は、端子がバスバーにろう付けされている。
US5,897,406には、電気発熱ガラス板用の端子が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のことを考えれば、プラスチック製窓システムの発熱グリッドのバスバーに端子を取り付けるための接続構造部の改善が必要であることは明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
公知技術の欠点及び限界点を克服するために、本発明が提供するプラスチック製窓システムには、透明なプラスチック・パネルと該パネルに設けられた導電性グリッドとが含まれている。導電性グリッドは少なくとも1個のバスバーを含み、電気端子が、このバスバーと電気接続されている。バスバーへの端子の固定はコネクタによって行われる。コネクタは、パネルから、パネルに対して外側位置へ延びる部分を含んでいる。
本発明の別の態様の場合、導電性グリッドは、アンテナ、電界ルミネセンスのボーダー、発熱グリッドのうちの1つである。
本発明の更に別の態様では、コネクタは、押圧縁部クリップであり、該縁部クリップの一端はパネル内に受容され、他端は端子をバスバーと接触するように付勢している。
【0008】
本発明の付加的態様では、縁部クリップの他端が、縁部クリップの他端とバスバーとの間に端子を押圧している。
本発明の付加的態様では、縁部クリップが接着剤によってパネルに固着されている。
本発明の別の態様によれば、接着剤が縁部クリップの一端とパネルとの間に施されている。
本発明の更に別の態様によれば、縁部クリップの他端が、パネル縁部に形成された穴内に受容されている。
本発明の別の態様では、コネクタにネジが切られており、端子が、コネクタにネジ締結されたナットによってコネクタに接触保持されている。
【0009】
本発明の付加的態様では、コネクタは、パネル全厚を貫通して延びている。
本発明の別の態様では、コネクタは、パネル全厚を貫通せずに延びている。
本発明の別の態様では、コネクタが導電性である。
本発明の別の態様では、コネクタが、パネルに固定された雌ネジ付きボスを含み、ボルトが該ボスとネジ締結されている。
本発明の付加的態様によれば、コネクタが、パネル表面に取り付けられ、バスバーを貫通してパネルから外方へ延びる柱状体を含み、該柱体に端子が受容されている。
【0010】
本発明の別の態様では、コネクタは不導性である。
本発明の別の態様によれば、コネクタは、柱状体上に受容された圧縮ナット含み、該圧縮ナットが、バスバーと接触するように端子に付勢している。
本発明の別の態様によれば、コネクタは導電性である。
本発明の別の態様によれば、柱状体にはネジが切られている。
本発明の別の態様によれば、端子は、パネルの側縁内に形成された穴に受容されている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、コネクタが、側縁及び端子に形成された穴に対し横方向にパネル内へ延びている。
本発明の付加的態様によれば、導電性グリッドが、プラスチック・パネルと一体形成された発熱グリッドであり、該発熱グリッドが、導電性材料で形成された複数グリッド線を有しており、該複数グリッド線が、電源からの電流がグリッド線の各々を通過するさい、抵抗により発熱する。図2は、本発明の一実施例の部分断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の原理を具体化する窓組立て体の略示図。
【図2】本発明の一実施例の部分断面図。(実施例1)
【図3】本発明の別の実施例の部分断面図。(実施例2)
【図4】本発明の更に別の実施例の部分断面図。(実施例3)
【図5】本発明の付加的実施例の部分断面図。(実施例4)
【図6】本発明の一実施例の部分断面図。(実施例5)
【図7】本発明の別に実施例の部分断面図。(実施例6)
【図8】本発明の別の実施例の部分断面図。(実施例7)
【図9】本発明の付加的実施例の部分断面図。(実施例8)
【発明を実施するための形態】
【0013】
先ず図1を見ると、プラスチック製窓システム10が、全体として示され、その主要な構成要素として、パネル14に設けた導電性発熱グリッド12を含んでいる。
パネル14は、好ましくは熱可塑性樹脂製の透明なプラスチック・パネルであり、パネルには、耐候性かつ耐摩耗性の層が被覆されている。これらの耐候性かつ耐摩耗性の層は、発熱グリッド12上に設けられるか、又は発熱グリッド12を取り付ける前に、パネルに設けられる。
パネル14自体は、例えば成形技術等の、当業者には周知のどのような技術を用いても形成することができ、該成形技術には、射出成形、ブロー成形、圧縮成形、及び/又は熱成形が含まれ、熱成形には、発熱成形、真空成形、常温成形が含まれる。必須ではないが、前記技術は互いに組み合わせて使用することもできる。例えば、パネルの第1層を金型の表面形状に熱成形し、その後で、第1層上へ別の層を射出成形し、第1層と一体接合して、目標形状の多層パネル14を形成することができる。
【0014】
パネル14は、種々のプラスチック樹脂で成形できる。これらのプラスチック樹脂は、ポリカーボネート、アクリル、ポリアリーレート、ポリエステル、ポリスルフォンの各樹脂、並びに複数のコポリマー及びそれらの混合物を含むが、他のポリマー、例えばPBT、ABS、ポリエチレン等と共重合又は配合してもよい。ただし、これらの樹脂に限定されない。パネル14は、更に種々の添加剤、例えば、とりわけ着色剤、離型剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤(UVA)を含有することができる。
耐候性層は、ポリウレタン・コーティングか、アクリルの下塗りとシリコーン硬質コーティング被覆との組み合わせから成るのが好ましい。あるいは又、他のコーティング系を使用してもよい。
【0015】
一好適実施例では、耐候性層の下塗り剤は、水を第1補助溶剤とし、有機液体を第2補助溶剤として成る水性アクリル下塗り剤である。下塗り剤/硬質被覆系に含まれている第2溶剤に関係する全体的な化学組には、グリコール・エーテル、ケトン、アルコール、アセテートが含まれている。アクリル樹脂は、水溶性、又は分散性、又は還元性の樹脂として含有されていてよい。下塗り剤は、他の添加剤、例えば、とりわけ界面活性剤、抗酸化剤、殺生剤、紫外線吸収剤(UVAs)、乾燥材を含有できるが、これらの添加剤に限定されるわけではない。この種のアクリル下塗り剤の一例としては、エクサテック(Exatec)(登録商標)SHP 9Xが挙げられるが、この下塗り剤は、エクサテック,LLC社(ミシガン州ウィクソン)が製造し、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ社(ニューヨーク州ウォータフォード)が販売している。
【0016】
一例を挙げれば、シリコーン硬質被覆の樹脂は、複数アルコール溶剤の混合物内に分散したメチルシルセクイオクサン樹脂であるのが好ましい。シリコーン硬質被覆は、また別の添加剤、例えば、とりわけ界面活性剤、抗酸化剤、殺生剤、紫外線吸収剤、乾燥材を含有することもできるが、それらに限定はされない。好適なシリコーン硬質被覆も、エクサテック,LLC社が製造し、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ社がエクサテック(登録商標)SHXとして販売している。
耐候性層は、浸漬被覆として当業者には周知の処理により、室温かつ大気圧下で塗料内にパネルを浸漬することで透明なプラスチック・パネルに被着される。あるいは又、耐候性層は、当業者には周知のフロー・コーティング、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、その他の処理によっても被着できる。
【0017】
自動車の装飾的な艶付け積層に機能性を、例えば改良耐摩耗性を付加又は増強する事実上無機のコーティングを、耐候性層に被着させることができる。耐摩耗性層を含む可能な無機コーティングの具体例は、酸化アルミニウム、フッ化バリウム、窒化ホウ素、酸化ハフニウム、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化スカンジウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、炭化ケイ素、水素化オキシ炭化ケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化スズ・インジウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコニウム、ガラス、これらの混合物又は配合物を含むが、これらに限定はされない。
【0018】
耐摩耗性の層は、当業者には周知の技術により被着できる。それらの技術は、反応種からの析出、例えば真空蒸着処理で使用される反応種からの析出、及び大気圧コーティング処理、例えばゾル−ゲル・コーティングを基板に被着させるのに使用する処理等を含んでいる。真空蒸着法の例は、プラズマ・エンハンスド化学蒸着法(PECVD)、アーク−PECVD、イオン援用プラズマ析出、マグネトロン・スパッタリング、電子ビーム蒸着、イオンビーム・スパッタリングを含むが、これらに限定はされない。大気圧コーティング処理は、カーテン・コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、浸漬塗装、フロー・コーティングを含むが、これらに限定はされない。
発熱グリッド14は、好ましくは、概して対向的なバスバー18,19間に延びる一連のグリッド線16を含むが、別の構成を用いてもよい。グリッド線16は、幅又は厚さが等しくても異なっていてもよい。更に、グリッド線16の少なくとも幾つかは、残りのグリッド線16の間に延びる導電性フィルム又はコーティングに代えることができる。
【0019】
バスバー18,19は陽と陰のバスバーに選定され、各々、電源22の陽と陰のリード線20,21に接続されている。電源22は、自動車の電気系統に接続できる。発熱グリッドへの電圧印加時には、電流が陽のバスバー18からグリッド線16を通って陰のバスバー19へ流れ、結果としたグリッド線16が抵抗発熱により発熱する。バスバー18,19及びグリッド線16の幅と長さは、適当な寸法であればどのような寸法でもよく、部分的には、窓システム10の寸法及び特性によって決まる。
パネル14への発熱グリッド12の取り付けは、当業者には現在又は今後に周知のどのような方法で行ってもよい。それらの方法には、パネル14へ発熱グリッド12を印刷する方法、又はプラスチックフィルムへの発熱グリッド12の印刷後にフィルムをパネル12にインサート成形又は装飾成形技術により取り付ける方法が含まれるが、それらに限定はされない。
この場合、種々の機械的なシステムが、端子をバスバー又は電気回路の端子パッドに接続するのに備えられている。
【実施例1】
【0020】
本発明の第1実施例では、図2に見られるように、発熱グリッド12(バスバー18,19及びグリッド線16)が、全体を符号17で示した耐候層及び耐摩耗層の頂面の一層又は両層にわたってパネル14に取り付けられている。分かりやすくするために、以下では、バスバー対18,19の一方のバスバー18のみを説明するが、この説明は発熱グリッド18,19の両方に適用できることを理解されたい。端子30及び接続線32とは、バスバー18との接点上及び接点内に設けられている。端子30をバスバー18に固定するために、押圧縁部クリップ34がパネル14の端部又は縁部36を囲んで配置されている。縁部クリップ34は、好ましくはバネ鋼製であり、端子30がバスバー18に接触するように付勢している。あるいは又、縁部クリップ34は、必要な付勢力を加えられるものであれば、プラスチックを含むどのような材料で作ることもできる。
【0021】
縁部クリップ34の一端、つまり端部38は、端子30上に位置し、端子30をバスバー18に固定している。端部38には、接続線32がクリップ34の端部38を貫通することができるように、スロット又は穴40が設けられている。縁部クリップ34の他端42は、パネル14の縁部36内に設けられた穴44内に挿入するのが好ましい。この穴44は、パネルの形成時に縁部に成形するか、成形後の作業時に、縁部に中ぐりすることができる。縁部クリップ34は、それ自体でバスバー18上に端子30を拘束する十分な付勢力を有する一方、エポキシ又は他の接着剤等の接着剤46を用いてパネル14に接着されるのが好ましい。接着剤46は、縁部クリップ34と、発熱グリッド12が配置されたパネル側との間に施されるのが好ましい。加えて、接着剤は、縁部クリップ34の他端を固定するために、穴44内へも施される。
【実施例2】
【0022】
図3には、本発明の第2実施例が示されている。前の実施例のように、発熱グリッド12が、全体を符号17で示された耐候層及び耐摩耗層の頂面の1層又は両層にわたってパネル14に取り付けられている。端子30及び接続線を発熱グリッド14に固定するために、この実施例の場合、バスバー18自体も含めてパネル14の全厚を貫通する穴48が中ぐりされている。端子30は、バスバー18の頂面に配置され、ネジボルト50が、穴48と端子30の穴とを貫通して延びている。したがって、この端子30はリング形が好ましいが、フォーク状の端子も使用できる。ボルト50にはナット52がネジ締結され、ナット52とバスバー18間に端子30が固定される。端子30、ナット52、ボルト50の端部の見場を良くするために、ボルト50の端部とナット52にキャップ(図示せず)をかぶせてもよい。端子30がバスバー18に直接接触するので、ボルト50は、導電性の材料で作る必要はない。
【実施例3】
【0023】
図4には、本発明の第4実施例が示されている。この実施例では、ネジ軸54がパネル14の一方の側に埋め込まれている。軸をパネル14に埋め込むために、パネル14の一方の側に、穴56が、パネル成形時に成形されるか、パネル製造後に中ぐりされる。次いで、軸54を穴56内へ挿入し、接着剤、例えばエポキシ又は他の接着剤で固定する。図3の実施例同様、端子30は、バスバー18の頂部に配置され、軸54の端部は端子30の穴を通して延びている。この実施例でも、端子30は、リング状であるのが好ましいが、フォーク状の端子を使用してもよい。軸54にはナット60を締結することにより、ナット60とバスバー18間に端子30を固定できる。見場を良くするために、端子30、ナット60、軸54の端部にはキャップ(図示せず)をかぶせることができる。端子30はバスバー18と直接接触するので、ボルト50は導電性材料で作る必要はない。
【実施例4】
【0024】
図5には、本発明の別の実施例が示されている。この実施例では、ネジ山なしの柱状体62がパネル表面に取り付けられた後に、耐候層及び耐摩耗層17が設けられる。柱状体62を固定するには、接着剤、例えばエポキシ又は他の接着剤を使用できる。端子30は、バスバー18の頂部に配置され、柱状体60の端部が端子の穴又はスロットを貫通して延びている。既出の実施例同様、端子30は、好ましくはリング状又はフォーク状である。柱状体62の端部には圧縮ナット64が締結され、端子を押圧してバスバー18と電気接続させている。この場合も、端子30がバスバー18と直接接触しているので、柱状体は導電性材料で作る必要はない。
【実施例5】
【0025】
図6に示すように、本発明の追加実施例は、耐候層及び耐摩耗層17の頂面にボス66を有している。ボス66は、雌ネジ68を備え、バスバー18は、電気接点の周囲と接点内にボス66を備えている。端子70は、他の実施例に見られる構成とは異なる構成を有し、ネジボルト72と一体形成されている。ボルト72は、導電材料製のボス66に締結されるので、端子70とバスバー18との電気接続が、ボス66及びボルト72を介して可能になる。所望とあれば、見場を良くするために、取り付け構造物にキャップをかぶせることもできる。
図7及び図8には2つの追加実施例が示されている。これらの実施例の各々では、コネクタがパネル14に取り付けられた後に、耐候層及び耐摩耗層17が設けられ、バスバー18がコネクタの一部の頂部に印刷される。
【実施例6】
【0026】
図7では、コネクタ78は、不導性材料で作られ、概して平らな拡張された基部82から延びる円筒形柱状部80を含んでいる。基部82は、接着剤84でパネル14に固定されている。柱状部には端子30がはめ込まれ、バスバー18と接触している。柱状部80には圧縮ナット86が締結されているので、端子30はバスバー18と強制的に接触を維持される。
【実施例7】
【0027】
図8の場合、コネクタ86は、導電性材料で作られ、概して平らな拡張された基部90から延びるネジ柱状部88を含んでいる。基部90は、接着剤92によりパネル14に固定されている。端子94は、柱状部98にはめ込まれ、バスバー18と直接接触している。端子94は、それ自体が雌ネジを備えているので、柱状部88に直接締結できるが、既出の実施例で説明したように、ナット(図示せず)を柱状部に締結して端子94を固定してもよい。
【実施例8】
【0028】
図9には、本発明の最後の実施例が示されている。この実施例では、パネル14の側縁部36に穴94が形成されている。この穴94内へ端子96が挿入されている。側縁部の穴94に対して横方向に第2の穴98が、パネル14内に設けられ、バスバー18を貫通し、側縁部の穴94と交差するように位置づけられている。ネジ又はボルト100が、横方向の穴98を貫通して延び、端子と係合し、端子を固定している。ボルト100は、端子96の端部の穴を貫通するか、又はボルト100の端部と穴94の側壁との間に端子96の端部を押圧する。ボルト100を導電性材料で作ることにより、端子はバスバー18と発熱グリッド12に電気接続される。
【0029】
好適実施例についての以上の説明は、本来、代表例に過ぎず、本発明、又はその適用、又はその使用を制限する意図のものではない。当業者には、以上の説明から、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱することなく、変更態様及び変化形を本発明の好適実施例に成し得ることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック製窓システムにおいて、
透明のプラスチック・パネルと、
プラスチック・パネル上に設けられ、少なくとも1バスバーを含む導電性グリッドと、
バスバーに電気接続された電気端子と、
バスバーに端子を固定するコネクタとを含み、該コネクタが、パネルから、パネルに対しバスバーの外側位置へ延びる部分を含む、プラスチック製窓システム。
【請求項2】
前記導電性グリッドが、アンテナ、エレクトロルミネセンス・ボーダー、発熱グリッドのうちの1つである、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項3】
前記コネクタが押圧縁部クリップであり、該縁部クリップが、パネル内に受容される一端と、端子をバスバーに接触させるように付勢する他端とを含む、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項4】
縁部クリップの前記他端が、該他端とバスバーとの間に端子を押止する、請求項3記載のプラスチック製窓システム。
【請求項5】
前記縁部クリップが、更に接着剤によってパネルに固定される、請求項3記載のプラスチック製窓システム。
【請求項6】
前記接着剤が縁部クリップの一端とパネルとの間に施される、請求項5記載のプラスチック製窓システム。
【請求項7】
縁部クリップの前記他端がパネル縁部内に形成された穴に受容される、請求項3記載のプラスチック製窓システム。
【請求項8】
前記コネクタにネジが切られており、前記端子が、コネクタにネジ締結されたナットによってコネクタと接触固定される請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項9】
前記コネクタがパネルの全厚にわたって延在している、請求項8記載のプラスチック製窓システム。
【請求項10】
前記コネクタがパネルの全厚にわたっては延在していない、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項11】
前記コネクタが導電性である、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項12】
前記コネクタが、パネルに固定された雌ネジ付きボスと、該ボスにネジ締結されるボルトとを含む、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項13】
前記コネクタが、パネル表面に取り付けられ、パネルから外方へバスバーを貫通して延びる柱状部を含み、前記端子が該柱状部に受容される、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項14】
前記コネクタが不導性である、請求項13記載のプラスチック製窓システム。
【請求項15】
前記コネクタが柱状部に受容される圧縮ナットを含み、該圧縮ナットが端子を付勢してバスバーに接触させる、請求項14記載のプラスチック製窓システム。
【請求項16】
前記コネクタが導電性である、請求項13記載のプラスチック製窓システム。
【請求項17】
前記柱状部がネジ切りされている、請求項16記載のプラスチック製窓システム。
【請求項18】
前記端子が、パネルの側縁部内に形成された穴内に受容される、請求項1記載のプラスチック製窓システム。
【請求項19】
前記コネクタが前記側縁部に形成された穴と端子とに対し横方向にパネル内へ延びている、請求項18記載のプラスチック製窓システム。
【請求項20】
前記導電性グリッドが、プラスチック・パネルと一体形成された発熱グリッドであり、該発熱グリッドが、導電性材料で形成された複数のグリッド線を有し、該複数グリッド線が、電源からグリッド線各々を経て電流が流れるとき、抵抗発熱する、請求項1記載のプラスチック製窓システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−525550(P2010−525550A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506564(P2010−506564)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/061826
【国際公開番号】WO2008/134669
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(505365404)エクスアテック、エル.エル.シー. (51)
【Fターム(参考)】