説明

プリプレグ

【課題】オートクレーブを用いずに、特にオーブン成形による真空圧のみの低圧下での成形においても、優れた機械特性及び耐熱性を有し、かつ、外観に優れる成形品を与えるプリプレグを提供する。
【解決手段】補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に、それぞれエポキシ樹脂組成物のフィルム状物を貼り合わせて、補強基材中のエポキシ樹脂組成物の含浸率が10〜60%となるように部分含浸させたプリプレグであって、エポキシ樹脂組成物が、(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b)、(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c)の合計100質量部中に(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a)15〜45質量部ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b)7〜45質量部(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c)15〜60質量部である、プリプレグである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーブン成形において優れた耐熱性、機械特性有し、かつ、外観性に優れる成形品が得られるプリプレグに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化複合材料は、軽量かつ高強度で高剛性の特徴を生かし、スポーツ・レジャー用途から自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられている。特に近年では、より軽量でかつより高強度・高剛性の炭素繊維強化複合材料が産業用途に用いられることが多くなってきた。
産業用途の中でも列車や航空機の機体などの構造部材に用いられる炭素繊維強化複合材料は、プリプレグを中間材料として用い、オートクレーブ成形で製造されることが一般的である。これはオートクレーブを用いて高圧下で成形することにより、成形体中のボイドを低減し、成形体の強度を期待された通りに発現させ、また表面のピンホールの発生を抑制し、外観良好な成形体を得ることを目的としている。
しかしながら、オートクレーブの設備は非常に高価なため、新規に導入することは困難であるばかりでなく、一旦導入するとそのオートクレーブの大きさにより成形体の大きさが制限され、それより大きな成形体の製造が事実上不可能となる。このような問題に対し、脱オートクレーブ、低コスト成形の開発が盛んに行われており、その代表的なものとしては、真空、大気圧のみの低圧下で成形する、オーブン成形(または真空バッグ成形などとも呼ばれる)がある。オーブン成形は大気圧以外に圧力を加えないので、オートクレーブのようなしっかりした耐圧力容器でなくても良く、温度さえ上げることができる炉(オーブン)があれば成形でき、断熱ボードと熱風ヒーターといった簡便な設備でも成形可能である。ただし圧力を加えないので、成形体中にボイドが残りやすく、成形体はオートクレーブでの成形体に比べて強度が低い、あるいは表面にピンホールが発生するという問題があった。
そこで、オーブン成形で成形した複合材料に関する、特許文献1には、補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に熱硬化性樹脂フィルムを貼り合わせて、部分含浸させたプリプレグを使用した成形法が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−106347公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この成形方法で得られた成形体の表面には、ピンホールが発生しないという特徴があるが、そのためには、バッグ終了時から硬化開始時までに予備脱気が少なくとも15時間以上は必要であり、効率的な生産には向かないという問題点がある。また、低コスト化への要求から補強繊維からなるシート状補強基材の強化繊維の目付が高いプリプレグが求められているが、これらの部分含浸されたプリプレグでは強化繊維の目付が400g/m以上では、硬化中に樹脂が強化繊維に含浸されにくいため、強化繊維内に未含浸部分が存在することで、繊維強化複合材料の優れた機械特性を損なう問題点も存在する。また、120〜150℃硬化で使用される硬化剤としてジシアンジアミドと尿素化合物を併用させることが多く知られているが強化繊維の目付が400g/m以上で強化繊維に部分含浸されたプリプレグをオーブン成形で使用するとエポキシ樹脂に不溶であるジシアンジアミドが含浸の際に補強繊維のフィラメント間に目詰まりを起こし、局在化することによりコンポジットの厚み方向でジシアンジアミドの濃度が異なり、硬化樹脂の架橋構造が厚み方向で変動することにより、コンポジットでの耐熱性の発現性が十分でないといった問題点もあった。本発明の課題は、オートクレーブを用いずに、特にオーブン成形による真空圧のみの低圧下での成形においても、優れた機械特性及び耐熱性を有し、かつ、外観に優れる繊維強化複合材料を与えるプリプレグを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の要旨は、補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に、それぞれエポキシ樹脂組成物のフィルム状物を貼り合わせて、補強基材中のエポキシ樹脂組成物の含浸率が10〜60%となるように部分含浸させたプリプレグであって、エポキシ樹脂組成物が、
(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b)、(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c)の合計100質量部中に
(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a) 15〜45質量部
ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b) 7〜45質量部
(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c) 15〜60質量部である、
プリプレグにある。
【0006】
【化3】

【0007】
【化4】

にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オーブン成形によっても、優れた耐熱性、機械特性有し、かつ、外観性に優れる成形体を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
「補強繊維からなるシート状補強基材」
補強繊維からなるシート状補強基材の形状は、強度、剛性の観点から連続繊維状の補強基材であることが好ましい。更に本発明の補強繊維からなるシート状補強基材のシートの形態は特に制限なく、一方向に引き揃えられた一方向材、織物、編物、一方向若しくは多方向に積層されたマルチファブリックをステッチングしたようなステッチングシートような形態のいずれでもよい。特に、成形型の形状に容易に積層できるドレープ性に優れた織物が好ましい。補強繊維からなるシート状補強基材に使用できる織物として、平織、綾織、朱子織等が挙げられる。
補強繊維は、特に限定されるものではなく、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等が挙げられる。特に比強度、比剛性に優れた炭素繊維が好ましい。
また、補強繊維からなるシート状補強基材の目付としては、400g/m以上であることが繊維強化複合材料の積層工程が短縮でき好ましい。
本発明のプリプレグは、補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に、それぞれエポキシ樹脂組成物のフィルム状物を貼り合わせて、部分含浸させたものである。エポキシ樹脂組成物のフィルム状物の樹脂目付比を調整して、シート状補強基材の目付が高いときでも、成形体表面にピンホールの発生を抑制でき、含浸性に優れた成形体が得られる。
シート状補強基材の目付が高くても可能であり、逆に、高い方が本発明の効果が顕著に発揮される。シート状補強基材の目付が600g/m以上である場合は更に顕著に発揮される。
補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に貼り合わせる2枚のエポキシ樹脂組成物のフィルム状物の樹脂目付比が下式を満たすことが好ましい。オーブン成形でも予備脱気が6時間以内で成形された成形品のツール面側のピンホールの数が0.1m当たり10個以下にピンホールの発生を抑制することができる。
0.3≦X/Y≦0.7 (X<Y)
X:一方の樹脂フィルムの樹脂目付(g/m
Y:他方の樹脂フィルムの樹脂目付(g/m
X/Yが0.3未満の場合、オーブン成形で得た成形品のツール面に接した表面に樹脂枯れが発生する場合がある。これは、樹脂目付比が低い為、成形体内部に樹脂が吸われて、表面の樹脂が不足した箇所が樹脂枯れとなるためである。また、X/Yが0.7を超えると、プリプレグとツールの間に噛みこんだ空気が十分に脱気出来ないことにより、オーブン成形で得た成形品のツール面に接した表面にピンホールが発生する場合がある。
オーブン成形においては、目付の低い樹脂フィルムを貼り合わせた面をツール面に接して成形することが好ましい。逆にすると、成形品の外観が損なわれる場合がある。
【0010】
「エポキシ樹脂組成物のフィルム状物」
本発明に用いるエポキシ樹脂組成物のフィルム状物を構成するエポキシ樹脂組成物について説明する。
エポキシ樹脂組成物は、以下の3成分が必須成分である。
(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a) 15〜45質量部
ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b) 7〜45質量部
(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c) 15〜60質量部
【0011】
【化5】

【0012】
【化6】

【0013】
(a)が15質量部以上をすれば、成形品の機械特性が十分となり、45質量部以下に抑えることにより耐熱性の低下を防ぐことができる。(b)が7質量部以上とすることにより、(b)が有する凝集効果が発揮され成形品中の架橋構造が適度に制御される。45質量部以下としておけば、架橋密度の低下による耐熱性の低下はない。(b)の好ましい添加量は、15〜30質量部である。
(c)は、15質量部以上とすることにより、成形品中の架橋密度が適度となり、十分な耐熱性が得られる。60質量部以下としておけば成形品中の架橋構造が適度となるので、耐熱性の発現性が良好である。また、硬化樹脂が脆くならないので機械特性は良好である。(c)の好ましい添加量は、30〜45質量部である。
(a)、(b)、(c)はそれぞれ市販されているものを使用できる。
(a)としては、旭化成ケミカルズ株式会社製のAER4151、同4152が使用できる。(b)としては、大日本インキ化学工業株式会社製のEXA1514、日本化薬株式会社製のEBPS−300、同−400が使用できる。(c)としては、ジャパンエポキシレジン株式会社製のエピコート1032H60、日本化薬株式会社製のEPPN−501H、EPPN−501Y、EPPN−502Hが使用できる。
本発明には必要に応じその他のエポキシ樹脂を添加することができる。特に制限は無いが粘度調整剤としては幅広い粘度領域で調達できるビスフェノールタイプのエポキシ樹脂が好ましい。好ましくはビスフェノールAやビスフェノールFタイプのエポキシ樹脂が挙げられる、更に好ましくはビスフェノールAタイプである。液状タイプが取り扱い性上好ましい。
本発明に使用されるエポキシ樹脂組成物に熱可塑性樹脂を添加することができる。熱可塑性樹脂として、ボリビニールホルマール、ポリエーテルサルホン、ナイロン、フェノキシ樹脂等が挙げられる。好ましくはフェノキシ樹脂である。
【0014】
「硬化剤」
本発明に使用される硬化剤としては、ジシアンジアミドが好ましい。硬化促進剤として尿素化合物の併用が好ましい。硬化促進剤としてジクロジメチルウレア(DCMU)、フェニルジメチルウレア(PDMU)が使用できる。好ましくはDCMUである。
ジシアンジアミドとしては、体積基準粒度分布での積算分布98%以上の粒子の粒径が7μm以下であることが好ましい。7μmを超えるとエポキシ樹脂に不溶なジシアンジアミドの粒子が補強繊維に含浸させる際に補強繊維のフィラメント間に目詰まりが顕著化になり、部分含浸されたプリプレグ内でのジシアンジアミドの濃度が局在化されることにより、コンポジットの厚み方向でジシアンジアミドの濃度が異なり、硬化樹脂の架橋構造が厚み方向で変動することにより、コンポジットでの耐熱性の発現性に劣る。
【0015】
「樹脂含有率」
本発明のプリプレグは、補強基材中のエポキシ樹脂組成物の含浸率が10〜60%となるように部分含浸させたプリプレグである。
10%以上とすることにより、オーブン成形して得られる成形品の含浸が十分となる。樹脂含浸率が60%以下としておけば、オーブン成形中に補強基材にエポキシ樹脂組成物が含浸していく際に、補強基材中の空気が抜けていく脱気回路となる未含浸部分が十分で、プリプレグとツールの間に噛みこんだ空気やプリプレグ内部に噛み込んだ空気も脱気することができる。好ましい樹脂含有率は、20〜50%で、更に好ましくは、30〜40%である。本発明の樹脂含有率は、エポキシ樹脂組成物の硬化反応中に実質的に流動しない条件でプリブレグを硬化した後に、硬化したプリプレグの研磨断面を顕微鏡観察し、含浸部分の占める面積の割合を算出すことにより求められる。プリプレグの断面を観察して含浸部分と未含浸部分とを明確に区別するには、その断面を研磨処理しなければならない。このためにはプリプレグを加熱して硬化させてやる必要があるが、熱硬化性マトリックス樹脂を加熱していくとその粘度は温度上昇につれて一旦低下し、樹脂の流動が見られるようになる。硬化過程で樹脂が流動すると、プリプレグ内に当初から存在していた未含浸部分に樹脂が入り込みことになり得られたプリプレグの樹脂含浸率は製造時のものと異なったものとなってしまう。従って、プリプレグの硬化においては、樹脂の反応による粘度上昇分が温度上昇による樹脂の粘度低下分を上回る必要がある。それには、徐々に温度を上昇することによって硬化させればよく、例えば、好ましい昇温速度は1℃/時間以下である。この様にして硬化させたプリプレグの研磨断面を光学顕微鏡によって観察すると、プリプレグ中の未含浸部分はマトリックス樹脂が欠落した空隙として観察される。写真撮影した顕微鏡像中の硬化プリプレグ研磨断面の面積をa、この部分の中に存在する空隙部分が占める面積をbとすれば、樹脂含浸率は、次式によって算出される。
樹脂含浸率(%)=(a−b)/a×100
【実施例】
【0016】
実施例により本発明をさらに具体的に説明する。実施例及び比較例のエポキシ樹脂組成物に使用した各成分は、表1の通りである。
【0017】
【表1】

【表2】

【表3】

【0018】
(エポキシ樹脂組成物の調製)
本発明のプリプレグに用いるエポキシ樹脂組成物の調製は、以下の方法で行った。
すなわち、ジャパンエポキシレジン株式会社製jER828を15質量部とジャパンエポキシレジン株式会社製エピキュアDYHARD100SFを4.5質量部と保土谷化学株式会社製DCMU99を7質量部を配合し、三本ロールミルを用いて均一に分散させて、触媒樹脂を得た。次にジャパンエポキシレジン株式会社製jER828を34質量部と東都化成製フェノトートYP−70を6質量部を配合し、160℃で均一に溶解させて室温付近まで冷却した後に更に旭化成ケミカルズ株式会社製アラルダイトAER4152、大日本インキ株式会社製EPCLON EXA1514、日本化薬株式会社製EPPN−502H、大日本インキ株式会社製EPCLON N665、ジャパンエポキシレジン株式会社製jER1001、ジャパンエポキシレジン株式会社製jER604を表2、3に記載の質量部にて配合し、80℃で均一に溶解させてベース樹脂を得た。室温付近まで冷却したベース樹脂を140質量部、触媒樹脂26.5質量部を配合し、60℃で均一に分散させてエポキシ樹脂組成物を得た。
【0019】
(樹脂フィルム作製)
得られたエポキシ樹脂組成物をフィルムコーターを用いて表2、3に記載した樹脂目付で60℃にて離型紙に塗布させて、樹脂フィルム(B)、(C)を得た。
【0020】
(プリプレグ作製)
補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に得られた樹脂フィルム(B)、(C)を貼り合わせて、ヒュージングプレスを用いてプリプレグを得た。ヒュージングプレスによるプリプレグ製造条件は、実施例1〜4、実施例8〜13と比較例1〜8は、温度が50℃、圧力が0.2MPa、送り速度が1m/分で行った。
実施例5では、温度が40℃、圧力が0.3MPa、送り速度が2m/分で行った。
実施例6では、温度が60℃、圧力が0.15MPa、送り速度が0.7m/分で行った。
実施例7では、温度が50℃、圧力が0.2MPa、送り速度が0.7m/分で行った。
比較例9では、温度が100℃、圧力が0.4MPa、送り速度が1m/分で行った。
比較例10は、温度が30℃、圧力が0.02MPa、送り速度が4m/分で行った。
ここで使用した補強繊維からなるシート状補強基材は、三菱レイヨン株式会社製炭素繊維織布TRK510M(パイロフィルTR50S12L使い、2/2綾織織布、648g/m目付)を使用した。プリプレグの樹脂含有率は、何れも45質量%である。
【0021】
(パネル成形)
320×320mmにカットしたプリプレグを3枚、積層して成形体を得た。なお積層させるプリプレグの面方向は、ツールに接する面が目付けが低い樹脂フィルムを重ねた方とした。得られた成形体を図2に示した構成でバギングを行った。更に引き口に真空ポンプを接続させて室温にて6時間、予備脱気させた。後に、オーブン内にバギングした成形体を入れて引き口に真空ポンプを接続させて脱気しながら加熱硬化させてパネルを得た。なお、加熱硬化の温度条件は、室温から1℃/分で、150℃に昇温した後に2時間保持した。
【0022】
(樹脂含浸率の測定)
プリプレグをオーブン内に入れ、25℃から昇温速度、0.7℃/時間で150℃まで昇温させた後、2時間保持した。加熱硬化したプリプレグの断面を研磨し、光学顕微鏡にて観察した。プリプレグ中の未含浸部分はマトリックス樹脂が欠落した空隙として観察される。写真撮影した顕微鏡像中のプリプレグの研磨断面の面積をa、この部分の中に存在する空隙部分が占める面積をbとし、樹脂含浸率は次の数式、以下の式によって算出した。
樹脂含浸率=(a−b)/a×100
【0023】
(ピンホール、樹脂枯れ)
成形時にツールに接したパネルの面のピンホール個数と樹脂枯れの有無を目視にて観察した。
【0024】
(層間剪断強度)
得られたパネルから湿式カッターにて試験片を作製し、ASTM D2344−84に準拠して層間剪断強度を測定した。
(ガラス転移温度)
成形品のガラス転移温度(Tg)は、レオメトリックス社製RDA700動的粘弾性測定装置を用いて、昇温速度 5℃/ステップ、周波数10ラジアン/秒の測定条件で行った。図3に示すように、温度に対して貯蔵弾性率(G´)の対数値をプロットし、得られたG´曲線のガラス弾性領域と転移領域の各接線の交点での温度をガラス転移温度とした。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明のプリプレグを硬化して得られる成形品は、軽量かつ高強度で高剛性であり、この特徴を生かし、スポーツ・レジャー用途から自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられる。特に、産業用途の中でも列車や航空機の機体などの構造部材に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】シート状補強基材として、織物を用いたプリプレグをカットした断面の模式図である。
【図2】本発明の繊維強化複合材料のパネルの製造方法を示す図でバギングの構成を示した断面図である。
【図3】硬化物のガラス状態でのグラフの接線と転移領域での接線の交点から該硬化物の ガラス転移温度を求めるときに使用するグラフである。
【符号の説明】
【0027】
1 シート状補強基材
2 樹脂が含浸されていないシート状補強基材
3 樹脂が含浸されたシート状補強基材
4 エポキシ樹脂組成物のフィルム状物
5 エポキシ樹脂組成物のフィルム状物
6 アフロンフィルム
7 不織布
8 真空引き口
9 シーラント
10 ツール
11 成形品
12 ナイロンバッグフィルム
13 プレッシャープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強繊維からなるシート状補強基材の両表面に、それぞれエポキシ樹脂組成物のフィルム状物を貼り合わせて、補強基材中のエポキシ樹脂組成物の含浸率が10〜60%となるように部分含浸させたプリプレグであって、エポキシ樹脂組成物が、
(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a)、ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b)、(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c)の合計100質量部中に
(1)の構造を有する2官能エポキシ樹脂(a) 15〜45質量部
ビスフェノールS型エポキシ樹脂(b) 7〜45質量部
(2)の構造を有するノボラック型エポキシ樹脂(c) 15〜60質量部である、
プリプレグ。
【化1】

【化2】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−255234(P2008−255234A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−99296(P2007−99296)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】