説明

プリペイドカード処理装置、装着ボード、プリペイドカード処理システム、プリペイドカード処理装置の処理方法、プログラム

【課題】POS端末の変更等を必要とすることなく、低コストで、管理型プリペイドカードの処理システムを導入する。
【解決手段】プリペイドカードを有効化する有効化サーバー60、バーコードスキャナー40およびPOS端末20と接続されて用いられる装着ボード12であって、バーコードスキャナー40から、商品情報を取得する商品情報取得部101と、取得した商品情報が有効化を必要とする管理型プリペイドカードであるか否かを判別する商品情報判別部102と、商品情報が管理型プリペイドカードである場合、当該商品情報をPOS端末20が解釈可能な商品情報データに変換する商品情報変換部108と、商品情報データをPOS端末20に出力する商品情報データ出力部109と、商品情報が管理型プリペイドカードである場合、有効化サーバー60に対し商品情報を送信して有効化要求を行う有効化要求部103と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プリペイドカードを有効化する有効化サーバーと接続されて用いられ、当該プリペイドカードの有効化要求を行うプリペイドカード処理装置、装着ボード、プリペイドカード処理システム、プリペイドカード処理装置の処理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、有効化サーバーにより管理され、当該有効化サーバーによる有効化処理によって価値化されるプリペイドカード(以下、「管理型プリペイドカード」と称する)が知られている(例えば、特許文献1)。一般的な商品券やプリペイドカード(従来のテレフォンカードなど)が、既に「価値ある状態」で流通しているのに対し、当該管理型プリペイドカードは、POS端末で売上が発生したときに有効化され、「価値ある状態」となる。このため、盗難や紛失のリスクがなく、在庫管理の負担が少ないといったメリットがある。また、米国などでは、ギフトアイテム、販促ツールとしても広く認知され、スーパー、ドラッグストアー、ショッピングセンターなどあらゆる場所で、多種多様な管理型プリペイドカードが販売されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許005777305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、管理型プリペイドカードのデメリットとして、処理システム導入に要するコスト負担が挙げられる。上記の通り、管理型プリペイドカードの販売時には、POS端末において、有効化サーバーに対する有効化要求処理が必要となるため、POSシステムの入れ替え、若しくはPOS端末やストアコンピューターのプログラム変更など、管理型プリペイドカードの処理システム導入に際し、多額のコストがかかってしまう。このため、多くのメリットを有する商品であるにも拘らず、管理型プリペイドカードの販売を断念せざるを得ない小売店も多い。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑み、POSシステムの入れ替え等を必要とすることなく、低コストで、管理型プリペイドカードの処理システムを導入可能なプリペイドカード処理装置、装着ボード、プリペイドカード処理システム、プリペイドカード処理装置の処理方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプリペイドカード処理装置は、プリペイドカードを有効化する有効化サーバー、当該プリペイドカードを含む商品の商品情報を入力する商品情報入力装置、および当該プリペイドカードを含む商品の会計処理を行うPOS端末と接続されて用いられるプリペイドカード処理装置であって、商品情報入力装置から、商品情報を取得する商品情報取得部と、取得した商品情報が、有効化を必要とするプリペイドカードであるか否かを判別する商品情報判別部と、商品情報がプリペイドカードである場合、当該商品情報をPOS端末が解釈可能な商品情報データに変換する商品情報変換部と、商品情報データを、POS端末に出力する商品情報データ出力部と、商品情報がプリペイドカードである場合、有効化サーバーに対し、商品情報を送信して有効化要求を行う有効化要求部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明のプリペイドカード処理装置の処理方法は、プリペイドカードを有効化する有効化サーバー、当該プリペイドカードを含む商品の商品情報を入力する商品情報入力装置、および当該プリペイドカードを含む商品の会計処理を行うPOS端末と接続されて用いられるプリペイドカード処理装置の処理方法であって、プリペイドカード処理装置が、商品情報入力装置から、商品情報を取得するステップと、取得した商品情報が、有効化を必要とするプリペイドカードであるか否かを判別するステップと、商品情報がプリペイドカードである場合、当該商品情報をPOS端末が解釈可能な商品情報データに変換するステップと、商品情報データを、POS端末に出力するステップと、商品情報がプリペイドカードである場合、有効化サーバーに対し、商品情報を送信して有効化要求を行うステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、POS端末と商品情報入力装置(バーコードスキャナーなど)の間に、プリペイドカード処理装置を介在させることで、有効化サーバーに対する有効化要求処理を実現できる。これにより、POSシステムの入れ替え、若しくはPOS端末やストアコンピューターのプログラム変更などを必要とすることなく、低コストで、管理型プリペイドカード(有効化を必要とするプリペイドカード)の処理システムを導入することができる。また、プリペイドカードの商品情報を、POS端末が解釈可能な商品情報データに変換する変換機能を有するため、POS端末側に、プリペイドカードの商品情報(一般的には、商品コード16bit+シリアル番号16bitの合計32bitの情報)を認識する機能を必要としない。つまり、商品情報を認識するためのPOS端末側プログラムの変更も不要となる。また、バーコードスキャナー、磁気カードリーダー、MICR(Magnetic ink character reader)、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダーなど、種々の商品情報入力装置による商品情報の入力が可能となり、汎用性を高めることができる。
【0009】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、有効化サーバーから、有効化要求に対する承認を示す有効化メッセージを取得する有効化メッセージ取得部をさらに備え、商品情報変換部は、有効化メッセージの取得後に、商品情報を商品情報データに変換することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、有効化を確認した後、商品情報データをPOS端末に出力するため、仮に管理型プリペイドカードの有効化が認証されなかった場合、当該管理型プリペイドカードの会計処理を取り消すなど、先にPOS端末による会計処理を行った場合に生じる不具合がない。
【0011】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、レシートを発行する印刷装置とさらに接続されて用いられ、POS端末から、商品情報データに基づくレシート印刷データを取得するレシート印刷データ取得部と、取得したレシート印刷データを、印刷装置に出力するレシート印刷データ出力部と、をさらに備えたことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、POS端末、商品情報入力装置および印刷装置の間に、プリペイドカード処理装置を介在させることで、本発明を実現できる。
【0013】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、POS端末から、商品情報データに基づくレシート印刷データを取得するレシート印刷データ取得部と、取得したレシート印刷データに含まれる商品情報が、プリペイドカードであるか否かを判別するレシート印刷データ判別部と、をさらに備え、有効化要求部は、レシート印刷データ判別部により、商品情報がプリペイドカードであると判別された場合、有効化要求を行うことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、POS端末からレシート印刷データを取得した後、有効化サーバーに対する有効化要求を行うため、有効化要求処理だけ行って会計処理を行わない、といった不具合がない。例えば、POS端末とプリペイドカード処理装置が近接した位置関係にあれば、このような問題は発生し難いが、POS端末とプリペイドカード処理装置が離れた位置に配置されている場合などは、有効化された状態(いわゆる「価値ある状態」)のプリペイドカードが会計処理前に盗難されたり、紛失したりする危険性が高くなるため、そのような被害を防止できる。
【0015】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、商品情報判別部により、取得した商品情報がプリペイドカードであると判別された場合、当該商品情報を一時的に記憶する一時記憶部をさらに備え、レシート印刷データ判別部は、取得したレシート印刷データに含まれる商品情報が一時記憶部に記憶されている場合、商品情報がプリペイドカードであると判別し、有効化要求部は、一時記憶部に記憶されている商品情報を用いて有効化要求を行うことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、取得した商品情報を一時記憶部に記憶しておき、レシート印刷データの取得後に、当該レシート印刷データに含まれる商品情報と、一時記憶部に記憶されている商品情報とを照合するため、予め管理型プリペイドカードを判別するためのカード情報データベースを備えていなくても、正確に販売商品の中に管理型プリペイドカードが含まれることを判別できる。
【0017】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、レシートを発行する印刷装置とさらに接続されて用いられ、取得したレシート印刷データを、印刷装置に出力するレシート印刷データ出力部をさらに備えたことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、POS端末、商品情報入力装置および印刷装置の間に、プリペイドカード処理装置を介在させることで、本発明を実現できる。
【0019】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、有効化サーバーから、有効化要求に対する承認を示す有効化メッセージを取得する有効化メッセージ取得部と、有効化メッセージを取得したことを報知する有効化メッセージ報知部と、をさらに備えたことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、プリペイドカード処理装置が有効化メッセージの取得を報知するため、店員(POS端末のオペレーター)および顧客が、有効化の完了を確認することができる。
なお、有効化メッセージ報知部は、表示装置へのテキスト表示、LEDの点灯、電子音の発生などによって、有効化の完了を報知することが好ましい。
【0021】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、有効化メッセージを取得した場合、プリペイドカードが有効化されたことを証明する有効化証明書を発行するための証明書印刷データを生成する証明書印刷データ生成部と、証明書印刷データを、印刷装置に出力する証明書印刷データ出力部と、をさらに備えたことが好ましい。
【0022】
この構成によれば、有効化証明書の発行により、顧客に対し、明確に管理型プリペイドカードの有効化を証明することができる。
なお、有効化証明書には、管理型プリペイドカードの商品名、商品コード、シリアル番号、有効価格(額面価格)、有効期限、有効化された日時、有効化された店舗などの項目が印刷されることが好ましい。
【0023】
上記に記載のプリペイドカード処理装置において、商品情報取得部により、無効化の対象となるプリペイドカードの商品情報を取得した場合、有効化サーバーに対し、商品情報を送信して無効化要求を行う無効化要求部と、有効化サーバーから、無効化要求に対する承認を示す無効化メッセージを取得する無効化メッセージ取得部と、をさらに備え、証明書印刷データ生成部は、無効化メッセージを取得した場合、プリペイドカードが無効化されたことを証明する無効化証明書を発行するための証明書印刷データを生成することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、管理型プリペイドカードが返品された場合などに、管理型プリペイドカードの無効化要求処理を行うことができる。また、無効化証明書の発行により、顧客に対し、明確に管理型プリペイドカードの無効化を証明することができる。
【0025】
本発明の装着ボードは、上記に記載のプリペイドカード処理装置における各部を備え、印刷装置に対し、着脱可能に構成されたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、プリペイドカード処理装置を装着ボードで実現することにより設置面積を必要としないため、省スペース化を図ることができる。また、システム構成を簡素化することができる。
【0027】
本発明のプリペイドカード処理システムは、上記に記載のプリペイドカード処理装置と、印刷装置と、を備えたことを特徴とする。
【0028】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記に記載のプリペイドカード処理装置の処理方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0029】
これらの構成によれば、POSシステムの入れ替え等を必要とすることなく、低コストで、管理型プリペイドカードの処理システムを導入可能なプリペイドカード処理システムおよびプリペイドカード処理装置の処理方法を実現できる。
【0030】
上記に記載のプリペイドカード処理システムにおいて、印刷装置は、レシート印刷データと証明書印刷データを、1枚のレシートとして発行することが好ましい。
【0031】
この構成によれば、会計レシートと有効化証明書、または返品レシートと無効化証明書を1枚のレシートとして発行するため、それぞれを個別に発行する場合と比較して、レシート用紙の使用量を軽減し、省資源化を図ることができる。また、複数枚のレシートを発行することによる店員のレシート渡し忘れも防止できる。
なお、レシート印刷データと証明書印刷データの合成は、プリペイドカード処理装置側で行っても良いし、印刷装置側で行っても良い。
【0032】
上記に記載のプリペイドカード処理システムにおいて、証明書印刷データは、レシート印刷データに対し強調して印刷されることが好ましい。
【0033】
この構成によれば、顧客に対し、重要な情報である、有効化証明書または無効化証明書の確認を促すことができる。
なお、「強調して印刷する」とは、太字印刷、カラー印刷、下線付き印刷、囲み枠付印刷など、所定の文字飾りを施したり、証明書印刷データの印刷領域に装飾を施したりすることである。
【0034】
上記に記載のプリペイドカード処理システムにおいて、印刷装置として、第1の印刷装置と、第2の印刷装置と、を備え、レシート印刷データ出力部は、第1の印刷装置に対してレシート印刷データを出力し、証明書印刷データ出力部は、第2の印刷装置に対して証明書印刷データを出力することが好ましい。
【0035】
この構成によれば、会計レシートと証明書とを別個の印刷装置で発行するため、それぞれに適した印刷を行うことができる。例えば、会計レシートをモノクロ印刷し、証明書をカラー印刷する、などが考えられる。
【0036】
上記に記載のプリペイドカード処理システムにおいて、証明書印刷データ出力部は、第1の印刷装置および第2の印刷装置の両方に対して、証明書印刷データを出力することが好ましい。
【0037】
この構成によれば、第1の印刷装置および第2の印刷装置の両方から証明書が発行されるため、いずれか一方を、ギフト梱包用として利用することができる。
なお、プリペイドカード処理システムに所定の操作子を設け、当該所定の操作子による操作が行われた場合のみ、第1の印刷装置および第2の印刷装置の両方から証明書を発行する構成としても良い。また、有効化証明書の場合には、第1の印刷装置および第2の印刷装置の両方から発行し、無効化証明書の場合には、いずれか一方の印刷装置からのみ発行する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】会計システムのシステム構成図である。
【図2】第1実施形態に係る装着ボードの機能ブロック図である。
【図3】(a)は、会計レシートの一例を示し、(b)は、有効化証明書の一例を示す図である。
【図4】合成レシートの一例を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るプリペイドカード処理を示すフローチャートである。
【図6】図5に続く、フローチャートである。
【図7】図5および図6に続く、フローチャートである。
【図8】ギフト用有効化証明書の一例を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る装着ボードの機能ブロック図である。
【図10】第2実施形態に係るプリペイドカード処理を示すフローチャートである。
【図11】図10に続く、フローチャートである。
【図12】図10および図11に続く、フローチャートである。
【図13】会計システムの変形例を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
[第1実施形態]
以下、添付の図面を参照し、本発明のプリペイドカード処理装置、装着ボード、プリペイドカード処理システム、プリペイドカード処理装置の処理方法、プログラムについて説明する。なお、以下に示す各実施形態では、本発明のプリペイドカード処理装置等を、小売店の会計システムSYに適用した場合について例示する。
【0040】
図1は、第1実施形態に係る会計システムSYのシステム構成図である。同図に示すように、会計システムSYは、レシートプリンター10、POS端末20、商品情報管理サーバー30、バーコードスキャナー40(商品情報入力装置)、LAN50および有効化サーバー60を備えている。
【0041】
レシートプリンター10は、プリンター本体11(印刷装置)と、これに装着される装着ボード12と、から成る。プリンター本体11は、レシートR(図3,図4参照)を発行するための各種機構(印刷機構、用紙搬送機構、用紙切断機構、これらを制御する制御機構など)を備えている。また、装着ボード12は、拡張インターフェースボードであり、「プリペイドカード処理装置」として機能する。また、レシートプリンター10は、「プリペイドカード処理システム」として機能する。
【0042】
装着ボード12は、POS端末20と接続されるPOS用インターフェイス71、バーコードスキャナー40およびLAN50と接続される周辺機器用インターフェイス72、プリンター本体11と接続されるプリンター用インターフェイス73、を備えている。なお、特に図示しないが、周辺機器用インターフェイス72は、周辺機器ごとに専用のインターフェイスが設けられる。また、POS用インターフェイス71についても、入力用と出力用とで、異なるインターフェイスを設けても良い。
【0043】
装着ボード12は、制御部74、カード情報データベース75(プリペイドカード記憶部)およびLED(Light Emitting Diode)76を備えている。制御部74は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)81、CPU81が各種制御を行うための制御プログラムおよび制御データを記憶するROM(Read Only Memory)82、CPU81が各種制御を行うためのワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)83、および一時記憶領域として用いられるバッファ84を含む。カード情報データベース75は、有効化サーバー60により管理され、当該有効化サーバー60による有効化処理によって価値化される管理型プリペイドカードCの、商品コードおよび商品名の一覧を記憶する。また、LED76は、有効化サーバー60により有効化が認証された場合(有効化メッセージを取得した場合)、または認証されなかった場合に、点灯または点滅によってその旨を表示する。また、ROM82に記憶される制御プログラムとしては、管理型プリペイドカードCを判別したり証明書を発行したりするためのプリペイドカード処理プログラム、POS端末20との情報入出力を行うための入出力制御プログラム、有効化サーバー60と通信を行うための通信制御プログラムなどが含まれる。
【0044】
一方、バーコードスキャナー40は、商品(管理型プリペイドカードCを含む)に貼付または印刷された商品バーコードを読み取る。また、有効化サーバー60は、LAN50およびインターネット等のネットワークを介して、レシートプリンター10(装着ボード12)と接続される。当該有効化サーバー60は、市場に流通している管理型プリペイドカードCを管理するものであり、その管理情報を記憶する管理情報データベース61を有している。管理情報データベース61は、各管理型プリペイドカードCのシリアル番号、ステータス(有効状態or無効状態)、利用履歴、残高、有効期限などを記憶する。
【0045】
また、有効化サーバー60は、装着ボード12から、管理型プリペイドカードCの有効化要求を受信した場合、管理情報データベース61を参照して承認/非承認を判別し、承認した場合は、有効化メッセージを返信する。有効化要求を承認しない場合とは、その管理型プリペイドカードCのシリアル番号が管理情報データベース61内に存在しない場合や、既に有効化されている場合、不正利用履歴が存在する場合などである。また、装着ボード12から、管理型プリペイドカードCの無効化要求を受信した場合も、管理情報データベース61を参照して承認/非承認を判別し、承認した場合は、無効化メッセージを返信する。なお、無効化要求は、管理型プリペイドカードCが返品された場合などに行われる。また、無効化要求を承認しない場合とは、その管理型プリペイドカードCのシリアル番号が管理情報データベース61内に存在しない場合や、既に無効化されている場合などである。
【0046】
POS端末20は、POSアプリケーション21を有し、会計処理(精算処理および返品処理を含む)を行う。また、商品情報管理サーバー30は、各種商品の商品名、商品コード、価格等を関連付けて記憶する商品情報データベース31を有している。当該商品情報データベース31には、管理型プリペイドカードCの商品情報も記憶されている。POS端末20は、装着ボード12を介してバーコードスキャナー40の読取結果(スキャナーデータ)を取得すると、商品情報データベース31を参照し、会計レシートR1(図3(a)参照)を発行するためのレシート印刷データを生成する。また、生成したレシート印刷データを、レシートプリンター10(装着ボード12)に出力する。
【0047】
次に、図2を参照し、装着ボード12の機能構成について説明する。装着ボード12は、主な機能構成として、商品情報取得部101、商品情報判別部102、有効化要求部103、有効化メッセージ取得部104、有効化メッセージ報知部105、無効化要求部106、無効化メッセージ取得部107、商品情報変換部108、商品情報データ出力部109、レシート印刷データ取得部110、証明書印刷データ生成部111、印刷データ合成部112、印刷データ出力部113(レシート印刷データ出力部,証明書印刷データ出力部)を備えている。
【0048】
商品情報取得部101は、バーコードスキャナー40から、商品バーコードの読み取り結果である商品情報を取得する。なお、一般的な商品については、16bitの商品コードを取得する。また、管理型プリペイドカードCについては、16bitの商品コードと、16bitのシリアル番号、合計32bitの情報を取得する。なお、商品情報取得部101は、バーコードスキャナー40以外にも、磁気カードリーダー、MICR(Magnetic ink character reader)、RFID(Radio Frequency IDentification)リーダーなど、種々の商品情報入力装置から商品情報を取得可能である。
【0049】
商品情報判別部102は、商品情報取得部101により取得された商品情報が、管理型プリペイドカードCであるか否かを判別する。具体的には、商品情報(商品情報に含まれる商品コード)が、カード情報データベース75に記憶されている場合、管理型プリペイドカードCであると判別する。
【0050】
有効化要求部103は、商品情報判別部102により、取得した商品情報が管理型プリペイドカードCであると判別された場合、有効化サーバー60に対し、商品情報(商品コードおよびシリアル番号)を送信して有効化要求を行う。また、有効化メッセージ取得部104は、有効化サーバー60から、有効化要求に対する承認を示す有効化メッセージを取得する。また、有効化メッセージ報知部105は、有効化メッセージ取得部104により有効化メッセージを取得したとき、LED76を数秒間程度点灯する。なお、LED76は、有効化サーバー60から非認証の通知を受けた場合、数秒間程度点滅する。
【0051】
無効化要求部106は、商品情報取得部101により、無効化の対象となる管理型プリペイドカードCの商品情報を取得した場合、有効化サーバー60に対し、商品情報(商品コードおよびシリアル番号)を送信して無効化要求を行う。なお、無効化の対象であるか否かは、バーコードスキャナー40や不図示のキーボードなどから入力される返品コードに続けて管理型プリペイドカードCの商品情報を取得した場合、無効化の対象であると判別する。また、無効化メッセージ取得部107は、有効化サーバー60から、無効化要求に対する承認を示す無効化メッセージを取得する。
【0052】
商品情報変換部108は、商品情報取得部101により取得された商品情報が、管理型プリペイドカードCである場合、当該商品情報をPOS端末20が解釈可能な商品情報データに変換する。本実施形態では、POS端末20が商品コード16bitの入力のみ対応しているものとする。したがって、16bitの商品コードと、16bitのシリアル番号から成る管理型プリペイドカードCの商品情報を取得した場合は、16bitの商品コードのみの商品情報データに変換する。また、バーコードスキャナー40以外の商品情報入力装置から商品情報を取得した場合も、その商品情報を商品情報データ(16bitの商品コード)に変換する。なお、本実施形態において、商品情報変換部108は、有効化メッセージまたは無効化メッセージの取得後に、変換を行うものとする。
【0053】
商品情報データ出力部109は、商品情報変換部108による変換後のデータである商品情報データを、POS端末20に出力する。また、レシート印刷データ取得部110は、POS端末20から、商品情報データに基づいて生成されたレシート印刷データを取得する。
【0054】
証明書印刷データ生成部111は、有効化メッセージを取得した場合、管理型プリペイドカードCが有効化されたことを証明する有効化証明書を発行するための有効化証明書印刷データを生成する。同様に、無効化メッセージを取得した場合、管理型プリペイドカードCが無効化されたことを証明する無効化証明書を発行するための無効化証明書印刷データを生成する。
【0055】
印刷データ合成部112は、レシート印刷データ取得部110により取得したレシート印刷データと、証明書印刷データ生成部111により生成された証明書印刷データと、を合成する。なお、有効化メッセージを取得した場合は、購入時の精算結果を示す会計レシートR1(以下、「精算レシートR1」と称する)のレシート印刷データと、有効化証明書R2の証明書印刷データと、を合成する。また、無効化メッセージを取得した場合は、返品結果を示す会計レシート(以下、「返品レシート」と称する,図示省略)のレシート印刷データと、無効化証明書(図示省略)の証明書印刷データと、を合成する。
【0056】
印刷データ出力部113は、管理型プリペイドカードCを含む商品が購入された場合、精算レシートR1のレシート印刷データと、有効化証明書R2の証明書印刷データと、を合成した合成印刷データを、プリンター本体11に出力する。また、管理型プリペイドカードCを含む商品が返品された場合、返品レシートのレシート印刷データと、無効化証明書の証明書印刷データと、を合成した合成印刷データを、プリンター本体11に出力する。なお、購入商品または返品商品に管理型プリペイドカードCが含まれない場合は、レシート印刷データのみを、プリンター本体11に出力する。プリンター本体11は、合成印刷データまたはレシート印刷データを取得し、各種レシートRを発行する。
【0057】
次に、図3および図4を参照し、各種レシートRについて説明する。図3(a)は、精算レシートR1の一例を示す図である。同図に示すように、精算レシートR1には、領収書である旨、会計日付、精算内容などが印刷される。なお、返品レシートについては、特に図示しないが、領収書である旨の印刷に代えて、返品用のレシートである旨が印刷される。
【0058】
図3(b)は、有効化証明書R2の一例を示す図である。同図に示すように、有効化証明書R2には、有効化証明書である旨、管理型プリペイドカードCの商品名、商品コード、シリアル番号、有効価格(額面価格)、有効期限などが印刷される。これら各項目の内容については、バーコードスキャナー40から取得した商品情報から特定しても良いし、有効化サーバー60から取得した有効化メッセージから特定しても良い。なお、無効化証明書については、特に図示しないが、有効化証明書である旨の印刷に代えて、無効化証明書である旨が印刷される。
【0059】
図4は、精算レシートR1のレシート印刷データと、有効化証明書R2の証明書印刷データと、を合成した合成印刷データに基づく合成レシートR3の一例を示す図である。本実施形態では、有効化証明書R2の証明書印刷データを生成した後、レシート印刷データを取得する構成であるため、バッファ84内に証明書印刷データを一時的に格納しておき、レシート印刷データの取得後、当該レシート印刷データ(符号E1参照)の後に証明書印刷データ(符号E2参照)を付加して印刷することで、合成レシートR3を発行する。なお、特に図示しないが、返品レシートと無効化証明書についても、合成レシートとして発行される。
【0060】
次に、図5ないし図7のフローチャートを参照し、装着ボード12を主体としたプリペイドカード処理について説明する。なお、以下の説明では、装着ボード12からの有効化要求および無効化要求に対し、有効化サーバー60は全て承認するものとする。装着ボード12(制御部74)は、バーコードスキャナー40からスキャナーデータ(商品バーコードの読み取り結果)を取得すると(S01)、これが返品コードであるか否かを判別する(S02)。ここで、返品コードでないと判別した場合は(S02:No)、管理型プリペイドカードCのスキャナーデータ(商品情報)であるか否かを判別する(S03)。つまり、スキャナーデータ内の商品コードが、カード情報データベース75に記憶されているか否かを判別する。
【0061】
S03において、管理型プリペイドカードCのスキャナーデータであると判別した場合は(S03:Yes)、有効化サーバー60に対し、商品情報および有効化要求を送信する(S04)。その後、有効化サーバー60から有効化メッセージを受信すると(S05)、有効化証明書印刷データを生成し、バッファ84内に一時記憶する(S06)。なお、フローチャートには特に図示しないが、この時点でLED76を点灯する。また、有効化証明書印刷データの生成後、S01にて取得した商品情報を、POS端末20が受付可能な商品情報データに変換し(S07)、当該商品情報データをPOS端末20に出力する(S08)。また、取得した商品情報が、管理型プリペイドカードCのものでないと判別した場合は(S03:No)、商品情報を商品情報データに変換し(S07,バーコードスキャナー40以外の商品情報入力装置から商品情報を取得した場合)、変換後の商品データ、または商品情報そのもの(バーコードスキャナー40から16bitの商品コードを取得した場合)を、POS端末20に出力する(S08)。
【0062】
一方、S02において、取得したスキャナーデータが返品コードであると判別した場合は(S02:Yes)、図6に示すように、バーコードスキャナー40から商品情報を取得し(S11)、当該商品情報が管理型プリペイドカードCのものであるか否かを判別する(S12)。ここで、管理型プリペイドカードCの商品情報であると判別した場合は(S12:Yes)、有効化サーバー60に対し、商品情報および無効化要求を送信する(S13)。その後、有効化サーバー60から無効化メッセージを受信すると(S14)、無効化証明書印刷データを生成し、バッファ84内に一時記憶する(S15)。また、無効化証明書印刷データの生成後、S11にて取得した商品情報を、POS端末20が受付可能な商品情報データに変換し(S16)、当該商品情報データを、返品コードと共にPOS端末20に出力する(S17)。POS端末20は、当該返品コードおよび商品情報データに基づいて、返品レシートを印刷するためのレシート印刷データを生成する。また、取得した商品情報が、管理型プリペイドカードCのものでないと判別した場合は(S12:No)、必要に応じて商品情報を商品情報データに変換し(S16)、変換後の商品データまたは商品情報そのものを、返品コードと共にPOS端末20に出力する(S17)。
【0063】
続いて、図7に示すように、S08またはS17の後、POS端末20からレシート印刷データを取得すると(S21)、バッファ84内に証明書印刷データが記憶されているか否かを判別し(S22)、記憶されている場合は(S22:Yes)、取得したレシート印刷データと、バッファ84から読み出した証明書印刷データと、を合成し(S23)、プリンター本体11に対して、合成印刷データを出力する(S24)。また、バッファ84内に証明書印刷データが記憶されていない場合は(S22:No)、プリンター本体11に対し、S21で取得したレシート印刷データのみを出力する(S25)。
【0064】
以上説明したとおり、本実施形態に係る会計システムSYによれば、レシートプリンター10に装着ボード12を装着することで、有効化サーバー60に対する有効化要求処理を実現できる。これにより、POS端末20やPOSアプリケーション21の変更を必要とすることなく、また、プリンター本体11のファームウェアを変更することなく、低コストで、管理型プリペイドカードCの処理システムを導入することができる。また、プリペイドカード処理を装着ボード12で実現するため、プリペイドカード処理装置を設置するための設置面積を必要とせず、省スペース化を図ることができる。また、装着ボード12は、管理型プリペイドカードCの商品情報を、POS端末20が解釈可能な商品情報データに変換する変換機能を有しているため、32bitの情報を認識不能なPOS端末20であっても、対応することができる。また、当該変換機能により、バーコードスキャナー40以外の商品情報入力装置からも商品情報を入力して、汎用性を高めることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る会計システムSYは、有効化を確認した後、商品情報データをPOS端末20に出力するため、仮に管理型プリペイドカードCの有効化が認証されなかった場合、当該管理型プリペイドカードCの会計処理を取り消すなど、先にPOS端末20による会計処理を行った場合に想定される不具合がない。また、有効化メッセージまたは無効化メッセージの取得により、有効化証明書R2または無効化証明書を発行するため、顧客に対し、明確に管理型プリペイドカードCの有効化または無効化を証明することができる。
【0066】
なお、上記の実施形態では、レシート印刷データと証明書印刷データを合成し、1枚の合成レシートとして発行したが、それぞれ会計レシート、有効化/無効化証明書として個別に発行しても良い。この場合、バッファ84に、証明書印刷データを一時記憶する必要がない。
【0067】
また、合成レシートとして発行するか、個別に発行するかに拘らず、証明書印刷データを、レシート印刷データに対して強調印刷しても良い。この構成によれば、顧客に対し、重要な情報である、有効化/無効化証明書の確認を促すことができる。なお、「強調して印刷する」とは、太字印刷、カラー印刷、下線付き印刷、囲み枠付印刷など、所定の文字飾りを施したり、証明書印刷データの印刷領域に装飾を施したりすることである。
【0068】
また、会計レシートと、有効化/無効化証明書とを個別に発行する場合、いずれか一方を、プリンター本体11(第1の印刷装置)ではなく、他のプリンター(第2の印刷装置)から発行しても良い。この場合、周辺機器用インターフェイス72に、他のプリンターを接続する。また、印刷データ出力部113を、レシート印刷データ出力部と、証明書印刷データ出力部に分離し、前者は、プリンター本体11に対してレシート印刷データを出力し、後者は、他のプリンターに対して証明書印刷データを出力する。この構成によれば、会計レシートと証明書とを別個のプリンターで発行するため、それぞれに適した印刷を行うことができる。例えば、会計レシートをモノクロ印刷し、有効化/無効化証明書をカラー印刷する、若しくは会計レシートを感熱紙に印刷し、有効化/無効化証明書をインクジェット方式にて印刷する、などが考えられる。
【0069】
また、他のプリンターを接続する場合、証明書印刷データ出力部が、プリンター本体11および他のプリンターの両方に対して、証明書印刷データを出力しても良い。また、この場合、プリンター本体11からは、図4に示した合成レシートR3を発行し、他のプリンターからは、図8に示すギフト用の有効化証明書R4を発行しても良い。なお、ギフト用の有効化証明書R4は、プリンター本体11から発行される有効化証明書R2(図3(b)参照)と、デザイン、フォーマット、表記内容を異ならせることが好ましい。図8に示した例では、図3(b)に示した有効化証明書R2と比較して、レシート搬送方向が文字の並び方向となるように、用紙方向を変更し、枠や下線などの装飾情報が付加されている。また、表記内容も、有効化日時と有効化店舗を追加した点が異なっている。このように、ギフト用の有効化証明書R4を別途発行することで、ギフト用として用いられることが多い管理型プリペイドカードCを購入した顧客の、顧客満足度を高めることができる。
【0070】
なお、装着ボード12に所定の操作子を設け、操作子による操作が行われた場合のみ、プリンター本体11および他のプリンターの両方から有効化/無効化証明書を発行する構成としても良い。また、有効化証明書の場合には、プリンター本体11および他のプリンターの両方から発行し、無効化証明書の場合には、いずれか一方のプリンターからのみ発行する構成としても良い。
【0071】
また、上記の実施形態において、有効化メッセージ報知部105は、LED76の点灯によって有効化の完了を報知したが、表示装置(周辺機器用インターフェイス72やプリンター本体11に接続されたカスタマディスプレイなど)へのテキスト表示、ブザーによる電子音の発生などによって、有効化の完了を報知しても良い。無効化の完了についても、同様である。
【0072】
また、上記の実施形態において、商品情報判別部102は、カード情報データベース75を参照して、取得した商品情報が管理型プリペイドカードCであるか否かを判別したが、商品情報の形式等によって管理型プリペイドカードCであるか否かを判別しても良い。例えば、商品情報のデータ量が32bitである場合、管理型プリペイドカードCであると判別しても良いし、商品情報に特定の情報が含まれる場合、管理型プリペイドカードCであると判別しても良い。このように、商品情報の形式等によって判別する場合、カード情報データベース75を省略した構成とすることができる。
【0073】
[第2実施形態]
次に、図9ないし図12を参照し、本発明の第2実施形態を説明する。上記の実施形態では、有効化サーバー60に有効化/無効化要求を行って有効化/無効化メッセージを取得した後、POS端末20に商品情報データを出力してレシート印刷データを取得する構成であったが、本実施形態では、POS端末20からレシート印刷データを取得した後、有効化サーバー60に対し有効化/無効化要求を行う点で異なる。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。
【0074】
図9は、第2実施形態に係る装着ボード12の機能ブロック図である。本実施形態に係る装着ボード12は、第1実施形態と比較して、一時記憶部121およびレシート印刷データ判別部122を追加した構成となっている。
【0075】
一時記憶部121は、商品情報判別部102により、取得した商品情報が管理型プリペイドカードCであると判別された場合、当該商品情報を一時的に記憶するものであり、RAM83(図1参照)を主要部とする。商品情報としては、取得した商品情報に含まれる商品コードおよびシリアル番号と、カード情報データベース75(プリペイドカード記憶部)から読み出した、当該商品コードに対応する商品名と、を記憶する。なお、詳細については後述するが、一時記憶部121は、有効化要求を行う場合に用いる有効化用記憶部と、無効化要求を行う場合に用いる無効化用記憶部と、から成る。これら有効化用記憶部と無効化用記憶部は、RAM83内の記憶領域によって区別される。なお、本実施形態では、POS端末20から取得するレシート印刷データに、商品コードは含まれず、商品名が含まれるものとする。
【0076】
また、レシート印刷データ判別部122は、レシート印刷データ取得部110により取得したレシート印刷データに含まれる商品情報(商品名)が、管理型プリペイドカードCであるか否かを判別する。具体的には、取得したレシート印刷データに含まれる商品名が一時記憶部121に記憶されている場合、レシート印刷データに含まれる商品情報が管理型プリペイドカードCであると判別する。
【0077】
また、本実施形態の有効化要求部103は、レシート印刷データ判別部122により、レシート印刷データ(精算レシート)に含まれる商品情報が管理型プリペイドカードCであると判別された場合、つまり一時記憶部121(有効化用記憶部)に商品情報が記憶されている場合、有効化要求を行う。同様に、本実施形態の無効化要求部106は、レシート印刷データ判別部122により、レシート印刷データ(返品レシート)に含まれる商品情報が管理型プリペイドカードCであると判別された場合、つまり一時記憶部121(無効化用記憶部)に商品情報が記憶されている場合、無効化要求を行う。
【0078】
次に、図10ないし図12のフローチャートを参照し、第2実施形態に係るプリペイドカード処理について説明する。装着ボード12(制御部74)は、バーコードスキャナー40からスキャナーデータを取得すると(S31)、これが返品コードであるか否かを判別する(S32)。ここで、返品コードでないと判別した場合は(S32:No)、カード情報データベース75を参照し、管理型プリペイドカードCのスキャナーデータ(商品情報)であるか否かを判別する(S33)。
【0079】
S33において、管理型プリペイドカードCのスキャナーデータであると判別した場合は(S33:Yes)、商品情報(取得した商品情報に含まれる商品コードおよびシリアル番号と、これに対応する商品名)を、有効化用記憶部(一時記憶部121)に記憶しておく(S34)。その後、S31にて取得した商品情報を、POS端末20が受付可能な商品情報データに変換し(S35)、当該商品情報データをPOS端末20に出力する(S36)。また、取得した商品情報が、管理型プリペイドカードCのものでないと判別した場合は(S33:No)、S34を省略する。
【0080】
一方、S32において、取得したスキャナーデータが返品コードであると判別した場合は(S32:Yes)、図11に示すように、バーコードスキャナー40から商品情報を取得し(S41)、当該商品情報が管理型プリペイドカードCのものであるか否かを判別する(S42)。ここで、管理型プリペイドカードCの商品情報であると判別した場合は(S42:Yes)、商品情報を、無効化用記憶部(一時記憶部121)に記憶しておく(S43)。その後、S41にて取得した商品情報を、POS端末20が受付可能な商品情報データに変換し(S44)、当該商品情報データを、返品コードと共にPOS端末20に出力する(S45)。また、取得した商品情報が、管理型プリペイドカードCのものでないと判別した場合は(S42:No)、S43を省略する。
【0081】
続いて、図12に示すように、S36またはS45の後、POS端末20からレシート印刷データを取得すると、これをバッファ84内に一時記憶する(S51)。その後、一時記憶部121に商品情報が記憶されているか否かを判別し(S52)、記憶されている場合は、有効化サーバー60に対し、有効化または無効化要求を行う(S53)。つまり、有効化用記憶部に商品情報が記憶されている場合は有効化要求を行い、無効化用記憶部に商品情報が記憶されている場合は無効化要求を行う。その後、有効化サーバー60から、有効化または無効化メッセージを取得すると(S54)、商品情報に基づいて有効化または無効化証明書印刷データを生成し(S55)、当該有効化または無効化証明書印刷データと、バッファ84から読み出したレシート印刷データと、を合成し(S56)、プリンター本体11に対して、合成印刷データを出力する(S57)。また、S52において、一時記憶部121に商品情報が記憶されていないと判別した場合は(S52:No)、プリンター本体11に対し、バッファ84から読み出したレシート印刷データのみを出力する(S58)。
【0082】
なお、フローチャートには特に図示しないが、本実施形態では、有効化サーバー60から有効化/無効化要求に対し非認証の通知を受けた場合、既に行っている会計処理を取り消す取消処理を行う。例えば、POS端末20との間で取消コードが定まっている場合は、非認証通知を受けたことをトリガとして、POS端末20に取消コードを出力し、直前の会計処理を取り消す。また、非認証の通知を受けた場合、LED76の点滅によりその旨を店員に通知し、店員が会計処理の取消処理を行うようにしても良い。
【0083】
以上説明したとおり、第2実施形態に係る会計システムSYによれば、POS端末20からレシート印刷データを取得した後、有効化サーバー60に対する有効化要求を行うため、有効化要求処理だけ行って会計処理を行わない、といった不具合がない。これにより、例えば、POS端末20とレシートプリンター10が離れた位置に配置されている場合など、有効化された状態(いわゆる「価値ある状態」)の管理型プリペイドカードCが会計処理前に盗難されたり紛失したりする問題を解消できる。
【0084】
また、管理型プリペイドカードCの商品情報を取得した場合、一時記憶部121に、カード情報データベース75から読み出した商品名を一旦記憶しておき、レシート印刷データに含まれる商品名と照合するため、レシート印刷データに商品コードが含まれない場合でも、販売商品の中に管理型プリペイドカードCが含まれることを判別できる。
【0085】
なお、第2実施形態において、レシート印刷データ判別部122は、レシート印刷データに含まれる商品名が、一時記憶部121ではなく、カード情報データベース75に記憶されているか否かを判別し、記憶されている場合に、商品情報が管理型プリペイドカードCであると判別しても良い。
【0086】
以上、第1実施形態および第2実施形態を示したが、これらの実施例によらず、会計システムSYのシステム構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。例えば、上記の各実施形態では、本発明のプリペイドカード処理装置を装着ボード12により実現したが、図13に示すように、独立した装置としても良い。この場合、プリペイドカード処理装置200は、コントロールボックスとして、POS端末20、バーコードスキャナー40、LAN50およびレシートプリンター210とそれぞれ接続される。また、レシートプリンター210は、第1実施形態のプリンター本体11として機能する。
【0087】
また、第1実施形態のプリペイドカード処理と、第2実施形態のプリペイドカード処理とを組み合わせても良い。例えば、有効化要求については、POS端末20からレシート印刷データを取得した後、有効化サーバー60に対し有効化要求を行う構成とし、無効化要求については、有効化サーバー60に無効化要求を行って無効化メッセージを取得した後、POS端末20に商品情報データを出力してレシート印刷データを取得する構成としても良い。
【0088】
また、上記の各実施形態に示した会計システムSY(装着ボード12)の各処理をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリー等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピューターを、会計システムSY(装着ボード12)の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
10…レシートプリンター 11…プリンター本体 12…装着ボード 20…POS端末 21…POSアプリケーション 30…商品情報管理サーバー 31…商品情報データベース 40…バーコードスキャナー 50…LAN 60…有効化サーバー 61…管理情報データベース 71…POS用インターフェイス 72…周辺機器用インターフェイス 73…プリンター用インターフェイス 74…制御部 75…カード情報データベース 76…LED 81…CPU 82……ROM 83…RAM 84…バッファ 200…プリペイドカード処理装置 210…レシートプリンター C…管理型プリペイドカード R1…精算レシート R2…有効化証明書 R3…合成レシート R4…ギフト用有効化証明書 SY…会計システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリペイドカードを有効化する有効化サーバー、当該プリペイドカードを含む商品の商品情報を入力する商品情報入力装置、および当該プリペイドカードを含む商品の会計処理を行うPOS端末と接続されて用いられるプリペイドカード処理装置であって、
前記商品情報入力装置から、商品情報を取得する商品情報取得部と、
取得した前記商品情報が、有効化を必要とするプリペイドカードであるか否かを判別する商品情報判別部と、
前記商品情報が前記プリペイドカードである場合、当該商品情報を前記POS端末が解釈可能な商品情報データに変換する商品情報変換部と、
前記商品情報データを、前記POS端末に出力する商品情報データ出力部と、
前記商品情報が前記プリペイドカードである場合、前記有効化サーバーに対し、前記商品情報を送信して有効化要求を行う有効化要求部と、を備えたことを特徴とするプリペイドカード処理装置。
【請求項2】
前記有効化サーバーから、前記有効化要求に対する承認を示す有効化メッセージを取得する有効化メッセージ取得部をさらに備え、
前記商品情報変換部は、前記有効化メッセージの取得後に、前記商品情報を前記商品情報データに変換することを特徴とする請求項1に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項3】
レシートを発行する印刷装置とさらに接続されて用いられ、
前記POS端末から、前記商品情報データに基づくレシート印刷データを取得するレシート印刷データ取得部と、
取得した前記レシート印刷データを、前記印刷装置に出力するレシート印刷データ出力部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項4】
前記POS端末から、前記商品情報データに基づくレシート印刷データを取得するレシート印刷データ取得部と、
取得した前記レシート印刷データに含まれる前記商品情報が、前記プリペイドカードであるか否かを判別するレシート印刷データ判別部と、をさらに備え、
前記有効化要求部は、前記レシート印刷データ判別部により、前記商品情報が前記プリペイドカードであると判別された場合、有効化要求を行うことを特徴とする請求項1に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項5】
前記商品情報判別部により、取得した前記商品情報が前記プリペイドカードであると判別された場合、当該商品情報を一時的に記憶する一時記憶部をさらに備え、
前記レシート印刷データ判別部は、取得した前記レシート印刷データに含まれる商品情報が前記一時記憶部に記憶されている場合、前記商品情報が前記プリペイドカードであると判別し、
前記有効化要求部は、前記一時記憶部に記憶されている前記商品情報を用いて有効化要求を行うことを特徴とする請求項4に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項6】
レシートを発行する印刷装置とさらに接続されて用いられ、
取得した前記レシート印刷データを、前記印刷装置に出力するレシート印刷データ出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項4または5に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項7】
前記有効化サーバーから、前記有効化要求に対する承認を示す有効化メッセージを取得する有効化メッセージ取得部と、
前記有効化メッセージを取得したことを報知する有効化メッセージ報知部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項8】
前記有効化メッセージを取得した場合、前記プリペイドカードが有効化されたことを証明する有効化証明書を発行するための証明書印刷データを生成する証明書印刷データ生成部と、
前記証明書印刷データを、前記印刷装置に出力する証明書印刷データ出力部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項3または7に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項9】
前記商品情報取得部により、無効化の対象となる前記プリペイドカードの商品情報を取得した場合、前記有効化サーバーに対し、前記商品情報を送信して無効化要求を行う無効化要求部と、
前記有効化サーバーから、前記無効化要求に対する承認を示す無効化メッセージを取得する無効化メッセージ取得部と、をさらに備え、
前記証明書印刷データ生成部は、前記無効化メッセージを取得した場合、前記プリペイドカードが無効化されたことを証明する無効化証明書を発行するための証明書印刷データを生成することを特徴とする請求項8に記載のプリペイドカード処理装置。
【請求項10】
請求項3、6、7、8、9のいずれか1項に記載のプリペイドカード処理装置における各部を備え、前記印刷装置に対し、着脱可能に構成されたことを特徴とする装着ボード。
【請求項11】
請求項8または9に記載のプリペイドカード処理装置と、
前記印刷装置と、を備えたことを特徴とするプリペイドカード処理システム。
【請求項12】
前記印刷装置は、前記レシート印刷データと前記証明書印刷データを、1枚のレシートとして発行することを特徴とする請求項11に記載のプリペイドカード処理システム。
【請求項13】
前記証明書印刷データは、前記レシート印刷データに対し強調して印刷されることを特徴とする請求項11または12に記載のプリペイドカード処理システム。
【請求項14】
前記印刷装置として、第1の印刷装置と、第2の印刷装置と、を備え、
前記レシート印刷データ出力部は、前記第1の印刷装置に対して前記レシート印刷データを出力し、
前記証明書印刷データ出力部は、前記第2の印刷装置に対して前記証明書印刷データを出力することを特徴とする請求項11に記載のプリペイドカード処理システム。
【請求項15】
前記証明書印刷データ出力部は、前記第1の印刷装置および前記第2の印刷装置の両方に対して、前記証明書印刷データを出力することを特徴とする請求項14に記載のプリペイドカード処理システム。
【請求項16】
プリペイドカードを有効化する有効化サーバー、当該プリペイドカードを含む商品の商品情報を入力する商品情報入力装置、および当該プリペイドカードを含む商品の会計処理を行うPOS端末と接続されて用いられるプリペイドカード処理装置の処理方法であって、
前記プリペイドカード処理装置が、
前記商品情報入力装置から、商品情報を取得するステップと、
取得した前記商品情報が、有効化を必要とするプリペイドカードであるか否かを判別するステップと、
前記商品情報が前記プリペイドカードである場合、当該商品情報を前記POS端末が解釈可能な商品情報データに変換するステップと、
前記商品情報データを、前記POS端末に出力するステップと、
前記商品情報が前記プリペイドカードである場合、前記有効化サーバーに対し、前記商品情報を送信して有効化要求を行うステップと、を実行することを特徴とするプリペイドカード処理装置の処理方法。
【請求項17】
コンピューターに、請求項16に記載のプリペイドカード処理装置の処理方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−8674(P2012−8674A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142228(P2010−142228)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】