プリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法
【課題】移送方向において先頭駆動部側に、より大きな速度比が設定されているプリンターにおいて、逆移送の場合にも用紙ジャミングを発生させることがないプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供すること。
【解決手段】バックフィードの際にカム機構１９、２０により移送機構６あるいは印字機構７を開放して印字用紙３のジャミングを回避することに着目し、移送機構６は一対の移送ローラー１３、１４を有し、印字機構７は回転可能なプラテンローラー１５、１６、および印字用紙３を介してプラテンローラー１５、１６に接離可能なサーマルヘッド１７、１８を有するとともに、移送ローラーの一方１４を他方の移送ローラー１３に対して開閉可能な第１のカム機構１９と、サーマルヘッド１７、１８をプラテンローラー１５、１６に対して開閉可能な第２のカム機構２０と、を有することを特徴とする。
【解決手段】バックフィードの際にカム機構１９、２０により移送機構６あるいは印字機構７を開放して印字用紙３のジャミングを回避することに着目し、移送機構６は一対の移送ローラー１３、１４を有し、印字機構７は回転可能なプラテンローラー１５、１６、および印字用紙３を介してプラテンローラー１５、１６に接離可能なサーマルヘッド１７、１８を有するとともに、移送ローラーの一方１４を他方の移送ローラー１３に対して開閉可能な第１のカム機構１９と、サーマルヘッド１７、１８をプラテンローラー１５、１６に対して開閉可能な第２のカム機構２０と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明はプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法にかかるもので、とくに両面印字などが可能なプリンターにおける移送ローラーやサーマルヘッドなどを開閉可能とするプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、ラベルやタグなどの印字用紙への片面印字あるいは両面印字にかかわらず、印字用紙の移送には、印字用紙を挟持して回転する一対の移送ローラーや、サーマルヘッドと組み合わせたプラテンローラーなどの移送用部材が用いられている。
しかして、移送方向における下流側の移送用部材（先頭駆動部側）の移送速度や速度比ないし移送量を上流側の移送用部材のものより比較的大きく設定しておくことによって移送路中の印字用紙に所定の張力を付与し、印字用紙がたるむことによる用紙ジャミングなどを回避可能としている。
しかしながら、印字用紙への印字内容によっては、一度正方向（上流側から下流側）に移送した印字用紙を逆方向（下流側から上流側）に移送(逆移送、ないしはバックフィード）することが行われる場合があり、この移送方向が逆転するバックフィード操作において下流側と上流側との間で移送の速度比が逆転する結果、印字用紙が移送路中でたるむことになり、用紙ジャミングを起こしてしまうという問題がある。
【０００３】
このような用紙ジャミングを回避するためには、上記移送ローラーや、サーマルヘッドあるいはプラテンローラーを的確なタイミングで他の移送ローラーや、プラテンローラーあるいはサーマルヘッドから開放離反させる（押し上げあるいは押し下げる）とともに、必要なタイミングで原位置に復帰させることが要請される。
とくに、印字用紙の表裏面ともに印字する両面印字用のプリンターにおいては、表面印字用のサーマルヘッドおよびプラテンローラー、さらには裏面印字用のサーマルヘッドおよびプラテンローラーを適正な時間間隔で順次開放（離反）および閉鎖する（復帰させる）必要があるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−８２９０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、印字用紙を正方向および逆方向に適正に移送可能なプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【０００６】
また本発明は、移送方向において先頭駆動部側により大きな速度比が設定されているプリンターにおいて、逆移送の場合にも用紙ジャミングを発生させることがないプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【０００７】
また本発明は、印字用紙に両面印字を行うようにしたプリンターにおいても、移送ローラーおよびサーマルヘッドの開閉（離反ないし押上げ、および復帰）を順次行うことができるようにしたプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【０００８】
また本発明は、印字用紙に表裏一対のサーマルヘッドにより両面印字を行うようにしたプリンターにおいて、サーマルヘッドの摩耗ないし損傷を極力少なくすることができるようにしたプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
すなわち本発明は、移送方向における上流側および下流側の移送速度比を設定しているプリンターであっても、バックフィードの際にカム機構により移送機構あるいは印字機構を開放して、単一の印字機構あるいは移送機構による逆移送操作を可能として印字用紙のジャミングおよびたるみを回避することに着目したもので、第一の発明は、プリンターハウジングと、このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、上記移送路の下流側に位置する上記移送機構あるいは上記印字機構のいずれか一方について、上記移送路の上流側に位置する上記印字機構あるいは上記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉装置であって、上記移送機構は、上記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、上記印字機構は、上記印字用紙を接触して回転可能なプラテンローラー、および上記印字用紙を介してこのプラテンローラーに接離可能なサーマルヘッドを有するとともに、上記移送ローラーの一方を他方の上記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、上記サーマルヘッドを上記プラテンローラーに対して開閉可能な第２のカム機構と、を有することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉装置である。
上記第１のカム機構は、上記移送ローラーの一方を開放方向に押圧可能なローラー開閉作用端部と、ローラー開閉カム受圧部と、を有するとともに、ローラー開閉プレート軸のまわりに回動可能なローラー開閉プレートと、このローラー開閉プレートの上記ローラー開閉カム受圧部を操作可能なローラー開閉カムと、このローラー開閉カムを駆動可能な第１のカム駆動部と、を有し、上記第２のカム機構は、上記サーマルヘッドを開放方向に押圧可能なヘッド開閉作用端部と、ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能なヘッド開閉プレートと、このヘッド開閉プレートの上記ヘッド開閉カム受圧部を操作可能なヘッド開閉カムと、このヘッド開閉カムを駆動可能な第２のカム駆動部と、を有することができる。
上記第１のカム駆動部および上記第２のカム駆動部は、上記プリンターハウジングの一方の側部にこれを設け、上記一対の移送ローラーおよび上記プラテンローラーを回転駆動する移送・印字駆動部は、上記プリンターハウジングの他方の側部にこれを設けることができる。
上記第１のカム駆動部および上記第２のカム駆動部は、単一のカム駆動モーターを有し、上記移送・印字駆動部は、単一の移送・印字駆動モーターを有することができる。
上記印字機構は、上記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、上記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、この上流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、この下流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、上記第２のカム機構は、これら上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを上記上流側プラテンローラーおよび上記下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能であることができる。
上記第２のカム機構は、上記上流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な上流側ヘッド開閉作用端部と、上流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な上流側ヘッド開閉プレートと、この上流側ヘッド開閉プレートの上記上流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な上流側ヘッド開閉カムと、上記下流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な下流側ヘッド開閉作用端部と、下流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、上記ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な下流側ヘッド開閉プレートと、この下流側ヘッド開閉プレートの上記下流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な下流側ヘッド開閉カムと、を有し、上記第２のカム駆動部は、上記上流側ヘッド開閉カムおよび下流側ヘッド開閉カムを駆動可能であることができる。
上記上流側ヘッド開閉カムおよび上記下流側ヘッド開閉カムは、同一のヘッド開閉カムシャフトのまわりに第１の位相差をもって回動可能にこれを取り付けていることができる。
上記上流側ヘッド開閉カム受圧部の上流側受圧シャフトおよび上記下流側ヘッド開閉カム受圧部の下流側受圧シャフトは、上記ヘッド開閉カムシャフトの軸方向に垂直な平面内において上記ヘッド開閉カムシャフトを中心として第２の位相差をもって位置していることができる。
第二の発明は、プリンターハウジングと、このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、上記移送路の下流側に位置する上記移送機構あるいは上記印字機構のいずれか一方について、上記移送路の上流側に位置する上記印字機構あるいは上記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉方法であって、上記移送機構は、上記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、上記印字機構は、上記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、上記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、この上流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、この下流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、上記移送ローラーの一方を他方の上記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、上記上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを上記上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能な第２のカム機構と、を設け、上記第２のカム機構は、上記移送路に装填される上記印字用紙を上記上流側サーマルヘッドおよび上記上流側プラテンローラーにおいて挟持したのちに、上記下流側サーマルヘッドおよび上記下流側プラテンローラーにおいて挟持することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉方法である。
上記移送機構は、これを上記移送路において上記印字機構より上流側に配置し、上記印字機構を開放したのちに、上記移送機構により上記印字用紙を下流側から上流側に逆移送することができる。
上記移送機構は、これを上記移送路において上記印字機構より上流側に配置し、上記一対の移送ローラーをその開放状態から閉鎖状態にし、上記上流側サーマルヘッドおよび上記上流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にしたのち、上記下流側サーマルヘッドおよび上記下流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にすることができる。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によるプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法においては、移送ローラーの一方を他方の移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、サーマルヘッドをプラテンローラーに対して開閉可能な第２のカム機構と、を設けたので、これら第１のカム機構および第２のカム機構を動作させることにより、所定のタイミングで移送機構および印字機構を開放状態および閉鎖状態とし、印字用紙の逆移送を行ってもジャミングを回避することができる。
【００１１】
とくに第一の発明によるプリンターの移送・印字機構開閉装置によれば、移送機構を開閉する第１のカム機構と、印字機構を開閉する第２のカム機構と、を設けたので、所定のタイミングで移送機構および印字機構を開放状態および閉鎖状態とし、印字用紙を適正な張力で移送することができる。
【００１２】
とくに第二の発明によるプリンターの移送・印字機構開閉方法によれば、両面印字を可能としたプリンターにおいて、第２のカム機構が、移送路に装填される印字用紙を上流側サーマルヘッドおよび上流側プラテンローラーにおいて挟持したのちに、下流側サーマルヘッドおよび下流側プラテンローラーにおいて挟持するようにしたので、それぞれのサーマルヘッドを損傷することなくその開閉を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の実施例による移送・印字機構開閉装置９を備えたプリンター（サーマルプリンター１）の側面図である。
【図２】同、サーマルプリンター１の概略斜視図である。
【図３】同、図２のＩＩＩ線矢視図である。
【図４】同、図２のＩＶ線矢視図である。
【図５】同、移送機構６および印字機構７の閉鎖状態（移送・印字状態）の要部側面図である。
【図６】同、移送機構６および印字機構７の開放状態（離反状態、移送・印字解除状態）の要部側面図である。
【図７】同、第１のカム機構１９の斜視図である。
【図８】同、第１のカム機構１９におけるローラー開閉プレート２１およびローラー開閉カム２２の要部側面図であって、図８（１）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の閉鎖状態の要部側面図、図８（２）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の開放状態の要部側面図である。
【図９】同、第２のカム機構２０の斜視図である。
【図１０】同、第２のカム機構２０における上流側ヘッド開閉プレート３５および上流側ヘッド開閉カム３６、さらには下流側ヘッド開閉プレート３７および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図であって、図１０（１）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の閉鎖状態の要部側面図、図１０（２）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の開放状態の要部側面図、図１０（３）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の閉鎖状態の要部側面図、図１０（４）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の開放状態の要部側面図、図１０（５）は、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図である。
【図１１】同、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を同時に閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図である。
【図１２】同、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を順次閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明は、第１のカム機構および第２のカム機構を制御して、移送ローラーおよびプラテンローラーを順次開閉するようにしたので、印字用紙のたるみを発生することなく、これを適正に移送および印字さらには逆移送することが可能なプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を実現した。
【実施例】
【００１５】
つぎに本発明の実施例によるプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を図１ないし図１２にもとづき説明する。
図１は、本発明における移送・印字機構開閉装置を備えたプリンター（サーマルプリンター１）の側面図、図２は、サーマルプリンター１の概略斜視図であって、サーマルプリンター１は、プリンターハウジング２と、プリンターハウジング２内に印字用紙３を挿通移送する移送路４と、用紙センサー５と、移送機構６と、印字機構７と、幅ガイドロック機構８と、本発明による当該移送・印字機構開閉装置９と、を有する。
【００１６】
プリンターハウジング２は、用紙供給口１０と、用紙供給口１０に移送路４により連通している用紙排出口１１と、を形成してあり、用紙供給口１０部分に幅ガイドロック機構８を設けている。
【００１７】
印字用紙３は、任意の構成のものを任意の形態で用紙供給口１０からプリンターハウジング２内にこれを供給可能であって、図示の例では、供給部１２に折り畳まれたファンホールドの形態でこれを供給している。
【００１８】
移送路４は、プリンターハウジング２の内部にこれを設けるもので、用紙供給口１０から用紙排出口１１まで印字用紙３を移送するための通路であって、用紙供給口１０側に移送機構６を設け、その下流側に印字機構７を設けているとともに、移送機構６および印字機構７に関連して移送・印字機構開閉装置９を設けている。
【００１９】
用紙センサー５は、印字用紙３にあらかじめ設けた位置検出マーク（図示せず）を検出して、移送機構６、印字機構７および移送・印字機構開閉装置９などに対する印字用紙３の相対的位置を検出可能とする光反射型のセンサーと、用紙供給口１０から装填される印字用紙３の先端を検出することにより用紙装填の有無を検出する光透過型のセンサーと、を備えている。
【００２０】
移送機構６は、上下一対の移送ローラー（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）を有し、この間に印字用紙３を挟持して固定移送ローラー１３の回転駆動により印字用紙３を移送路４に沿って供給部１２から印字機構７方向に供給可能としている。
【００２１】
印字機構７は、任意の方式により印字用紙３の表裏両面に所定の情報をそれぞれ印刷を行うためにその一対を上流側および下流側に順次設けてあり、たとえば、印字用紙３に接触して回転可能な上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６と、印字用紙３を介して上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６にそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８と、を有する。
上流側サーマルヘッド１７は、印字用紙３の裏面あるいは表面のいずれか一方（図示の例では裏面）に感熱発色方式により印字可能であり、下流側サーマルヘッド１８は、印字用紙３の表面あるいは裏面のいずれか他方（図示の例では表面）に感熱発色方式により印字可能である。
もちろん、印字機構７として、単一のサーマルヘッドおよびプラテンローラーのみを設けて印字用紙３の片面のみに印刷する構成であってもよい。
【００２２】
なお移送路４の下流側に位置する印字機構７について、下流側プラテンローラー１６による印字用紙３の移送量が、上流側に位置する上流側プラテンローラー１５の移送量よりわずかに大きく、さらに、上流側プラテンローラー１５の移送量が移送機構６の移送量をわずかに大きく設定することにより、印字用紙３に所定の張力を付与して、移送路４上におけるたるみを発生しないようにしている。
【００２３】
幅ガイドロック機構８は、印字用紙３の幅方向を規制して移送路４上に蛇行させることなく印字用紙３を適正に案内可能とする。
【００２４】
本発明による移送・印字機構開閉装置９は、上記移送機構６における可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に対して開閉可能（押し上げ可能、および復帰可能）な第１のカム機構１９と、印字機構７における上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６に対してそれぞれ開閉可能（押し下げおよび押し上げ可能、ならびに復帰可能）な第２のカム機構２０と、を有する。
図３は、図２のＩＩＩ線矢視図、図４は、図２のＩＶ線矢視図、図５は、移送機構６および印字機構７の閉鎖状態（移送・印字状態）の要部側面図、図６は、移送機構６および印字機構７の開放状態（離反状態、移送・印字解除状態）の要部側面図である。
図７は、第１のカム機構１９の斜視図、図８は、第１のカム機構１９におけるローラー開閉プレート２１およびローラー開閉カム２２の要部側面図であって、図８（１）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の閉鎖状態の要部側面図、図８（２）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の開放状態の要部側面図である。
図９は、第２のカム機構２０の斜視図、図１０は、第２のカム機構２０における上流側ヘッド開閉プレート３５および上流側ヘッド開閉カム３６、さらには下流側ヘッド開閉プレート３７および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図であって、図１０（１）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の閉鎖状態の要部側面図、図１０（２）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の開放状態の要部側面図、図１０（３）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の閉鎖状態の要部側面図、図１０（４）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の開放状態の要部側面図、図１０（５）は、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図である。
【００２５】
とくに図５、図６および図７に示すように、第１のカム機構１９は、可動移送ローラー１４の左右に位置する一対のローラー開閉プレート２１およびローラー開閉カム２２と、第１のカム駆動部２３（図４）と、を有する。
ローラー開閉プレート２１は、可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に対して開放方向に押圧可能なローラー開閉作用端部２４と、ローラー開閉カム受圧部２５と、を有するとともに、ローラー開閉プレート軸２６のまわりに回動可能である。
可動移送ローラー１４は、板バネ２７によりこれを固定移送ローラー１３に対して常時付勢しており、ローラー開閉作用端部２４は、板バネ２７の付勢力に抗して可動移送ローラー１４のローラーシャフト２８を押し上げるように操作可能である。
とくに図７に示すように、ローラー開閉カム受圧部２５には、受圧シャフト２９および受圧ローラー３０を取り付けてあり、ローラー開閉カム２２が受圧ローラー３０（ローラー開閉カム受圧部２５）を操作可能である。
【００２６】
とくに図４に示すように、第１のカム駆動部２３は、単一のカム駆動モーター３１と、ベルト３２と、ローラーカムシャフトギア３３と、ローラー開閉カムシャフト３４と、を有しており、ローラー開閉カム２２を駆動可能である。
【００２７】
図６および図８に示すように、ローラーカムシャフトギア３３まわりに図８中反時計方向に回動するローラー開閉カム２２による押圧操作によってローラー開閉プレート２１がローラー開閉プレート軸２６のまわりに図８中時計方向に回動し（図８（１）の状態から図８（２）の状態に変化し）、ローラー開閉作用端部２４の位置変化量分ΔＲだけ可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３から離反させることができる。
【００２８】
とくに図５、図６および図９に示すように、第２のカム機構２０は、上流側サーマルヘッド１７の左右に位置する一対の上流側ヘッド開閉プレート３５（ヘッド開閉プレート）および上流側ヘッド開閉カム３６（ヘッド開閉カム）と、下流側サーマルヘッド１８の左右に位置する一対の下流側ヘッド開閉プレート３７（ヘッド開閉プレート）および下流側ヘッド開閉カム３８（ヘッド開閉カム）と、第２のカム駆動部３９（図４）と、を有する。
【００２９】
上流側ヘッド開閉プレート３５は、上流側サーマルヘッド１７を上流側プラテンローラー１５に対して開放方向に押圧可能な上流側ヘッド開閉作用端部４０と、上流側ヘッド開閉カム受圧部４１と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸４２のまわりに回動可能である。
上流側サーマルヘッド１７は、上流側ヘッド巻バネ４３の付勢力により上流側ヘッド軸４４のまわりに常時上流側プラテンローラー１５方向にこれを付勢してあり、上流側ヘッド開閉作用端部４０は、上流側ヘッド巻バネ４３の付勢力に抗して上流側サーマルヘッド１７の上流側ヘッドピン４５を押し下げ可能である。
とくに図９に示すように、上流側ヘッド開閉カム受圧部４１には、上流側受圧シャフト４６および上流側受圧ローラー４７を取り付けてあり、上流側ヘッド開閉カム３６が上流側受圧ローラー４７（上流側ヘッド開閉カム受圧部４１）を操作可能である。
【００３０】
下流側ヘッド開閉プレート３７は、下流側サーマルヘッド１８を下流側プラテンローラー１６に対して開放方向に押圧可能な下流側ヘッド開閉作用端部４８と、下流側ヘッド開閉カム受圧部４９と、を有するとともに、上流側ヘッド開閉プレート３５と同軸の上記ヘッド開閉プレート軸４２のまわりに回動可能である。
下流側サーマルヘッド１８は、下流側ヘッド巻バネ５０の付勢力により下流側ヘッド軸５１のまわりに常時下流側プラテンローラー１６方向にこれを付勢してあり、下流側ヘッド開閉作用端部４８は、下流側ヘッド巻バネ５０の付勢力に抗して下流側サーマルヘッド１８の下流側ヘッドピン５２を押し上げ可能である。
下流側ヘッド開閉カム受圧部４９には、下流側受圧シャフト５３および下流側受圧ローラー５４を取り付けてあり、下流側ヘッド開閉カム３８が下流側受圧ローラー５４（下流側ヘッド開閉カム受圧部４９）を操作可能である。
【００３１】
とくに図４に示すように、第２のカム駆動部３９は、第１のカム駆動部２３と同一のカム駆動モーター３１およびベルト３２と、ヘッドカムシャフトギア５５と、ヘッド開閉カムシャフト５６と、を有しており、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８を駆動可能である。
【００３２】
図６および図１０（１）、（２）に示すように、ヘッドカムシャフトギア５５まわりに図１０（１）、（２）中反時計方向に回動する上流側ヘッド開閉カム３６による押圧操作（押下げ操作）により上流側ヘッド開閉プレート３５がヘッド開閉プレート軸４２のまわりに図１０中時計方向に回動し（図１０（１）の状態から図１０（２）の状態に変化し）、上流側ヘッド開閉プレート３５の位置変化量分ΔＨ１だけ上流側サーマルヘッド１７を上流側プラテンローラー１５から離反させることができる。
図６および図１０（３）、（４）に示すように、ヘッドカムシャフトギア５５まわりに図１０（３）、（４）中反時計方向に回動する下流側ヘッド開閉カム３８による押圧操作（押上げ操作）により下流側ヘッド開閉プレート３７がヘッド開閉プレート軸４２のまわりに図１０中時計方向に回動し（図１０（３）の状態から図１０（４）の状態に変化し）、下流側ヘッド開閉プレート３７の位置変化量分ΔＨ２だけ下流側サーマルヘッド１８を下流側プラテンローラー１６から離反させることができる。
【００３３】
なお、図１０（５）に示すように、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８は、上記同一のヘッド開閉カムシャフト５６のまわりに第１の位相差αをもって回動可能にこれを取り付けている。
また、上流側ヘッド開閉カム受圧部４１の上流側受圧シャフト４６および下流側ヘッド開閉カム受圧部４９の下流側受圧シャフト５３は、ヘッド開閉カムシャフト５６の軸方向に垂直な平面内においてヘッド開閉カムシャフト５６を中心として第２の位相差βをもって位置している
したがって、これら第１の位相差αおよび第２の位相差βを調整することにより、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８による上流側ヘッド開閉プレート３５および下流側ヘッド開閉プレート３７の作動のタイミングをずらすことにより、上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８の開放動作のタイミングを適宜制御することができる。
【００３４】
つぎに図２に示すように、上述した可動移送ローラー１４を有する移送機構６に関する第１のカム駆動部２３および印字機構７に関する第２のカム駆動部３９は、プリンターハウジング２の一方の側部にこれを設けている。
また、移送機構６における固定移送ローラー１３、および印字機構７における上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６を回転駆動する移送・印字駆動部５７をプリンターハウジング２の他方の側部に設けている。
【００３５】
とくに図３に示すように、移送・印字駆動部５７は、単一の移送・印字駆動モーター５８と、ローラータイミングベルト５９と、固定移送ローラー１３のローラーギア６０と、ヘッドタイミングベルト６１と、下流側プラテンローラー１６のプラテンギア６２と、連結タイミングベルト６３と、連結ギア６４と、上流側プラテンローラー１５のプラテンギア６５と、を有する。
移送・印字駆動モーター５８の駆動により、固定移送ローラー１３、上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６を回転させ、移送機構６による印字用紙３の移送や逆移送および印字機構７による印字用紙３への印字を可能とする。
【００３６】
したがって、印字用紙３の移送および印字操作にかかる移送・印字駆動部５７と、可動移送ローラー１４、上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８の開閉操作にかかる第１のカム駆動部２３および第２のカム駆動部３９をプリンターハウジング２の反対側に独立して設けているので、その組立て作業および保守点検作業が容易である。
【００３７】
こうした構成のサーマルプリンター１および移送・印字機構開閉装置９において、必要なタイミングで移送機構６および印字機構７をそれぞれ開閉操作することができる。
たとえば、図１１は、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を同時に閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図であって、ステップＳ１において用紙センサー５が印字用紙３を検出し、ステップＳ２において第１のカム機構１９によりローラー開閉プレート２１を図８（２）から図８（１）の状態に回動操作して、可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に向かって（図６から図５の状態に）閉鎖する。
ついでステップＳ３において、固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４が印字用紙３を挟持している状態で、移送機構６により印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の移送方向上流側の初期位置まで移送するとともに、この初期位置で移送を停止して待機する。
【００３８】
ステップＳ４において、印字データを受信するまで待機し、印字データを受信したら、ステップＳ５において第２のカム機構２０により上流側ヘッド開閉プレート３５を図１０（１）から（２）の状態へ、また、下流側ヘッド開閉プレート３７を図１０（３）から（４）の状態に回動操作して、上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６に、それぞれ図５から図６の状態に閉鎖する。
さらにステップＳ６で移送機構６による印字用紙３の移送を開始するとともに、ステップＳ７で上流側サーマルヘッド１７による印字用紙３の裏面への印字を開始し、ステップＳ８で下流側サーマルヘッド１８による印字用紙３の表面への印字を開始し、一枚分の印字用紙３の表裏面への印字を行う。
【００３９】
ステップＳ９において印字用紙３の移送を停止し、ステップＳ１０において複数枚の印字用紙３へのすべての印字データについて印字が終了したかを確認する。
印字が終了していなければ、ステップＳ１１において、第２のカム機構２０により上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８をそれぞれ、上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放するとともに、ステップＳ１２において、移送機構６による逆移送（バックフィード）を行って印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の上流側における前記初期位置（ステップＳ３）まで戻し、ステップＳ４における印字データ待ちの状態で待機する。
ステップＳ１０において、印字が終了すれば、ステップＳ１３において可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３から開放した状態として、次回の移送および印字に備えることになる。
【００４０】
かくして、移送機構６による印字用紙３の逆移送操作があっても、移送・印字機構開閉装置９により、印字機構７における上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放した状態とすることができるので、印字機構７において印字用紙３のジャミングが発生することを回避可能である。
【００４１】
つぎに図１２は、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を順次閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図である。
ステップＳ１１からステップＳ１４までは、図１１のステップＳ１からステップＳ４までと事実上同じである。
すなわち、ステップＳ１１において用紙センサー５が印字用紙３を検出し、ステップＳ１２において可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に向かって閉鎖する。
ついでステップＳ１３において、固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４が印字用紙３を挟持している状態で移送機構６により印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の移送方向上流側の初期位置まで移送するとともに、移送を停止して待機する。
【００４２】
ステップＳ１４において、印字データを受信するまで待機し、印字データを受信したら、ステップＳ１５において移送機構６による印字用紙３の移送を開始するとともに、ステップＳ１６において、第２のカム機構２０における上流側ヘッド開閉カム３６を図１０（１）、（２）中時計方向に回動することにより上流側ヘッド開閉プレート３５を図１０（２）から（１）の状態に回動操作し、上流側サーマルヘッド１７を上流側プラテンローラー１５に向かって閉鎖し、ステップＳ１７において上流側サーマルヘッド１７による印字用紙３の裏面への印字を開始する。
さらにステップＳ１８において、第２のカム機構２０における下流側ヘッド開閉カム３８を図１０（３）、（４）中時計方向に回動することにより下流側ヘッド開閉プレート３７を図１０（４）から（３）の状態に回動操作し、下流側サーマルヘッド１８を下流側プラテンローラー１６に向かって閉鎖し、ステップＳ１９において下流側サーマルヘッド１８による印字用紙３の表面への印字を開始する。
【００４３】
ステップＳ２０において印字用紙３の移送を停止し、ステップＳ２１において複数枚の印字用紙３へのすべての印字データについて印字が終了したかを確認する。
印字が終了していなければ、ステップＳ２２において、第２のカム機構２０により上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８をそれぞれ、上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放するとともに、ステップＳ２３において、移送機構６による逆移送（バックフィード）を行って印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の上流側における初期位置（ステップＳ１３）まで戻し、ステップＳ１４における印字データ待ちの状態で待機する。
ステップＳ２１において、印字が終了すれば、ステップＳ２４において可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３から開放した状態として、次回の移送および印字に備えることになる。
【００４４】
かくして、移送機構６による印字用紙３の逆移送操作があっても、移送・印字機構開閉装置９により、印字機構７における上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放した状態とすることができるので、印字機構７において印字用紙３のジャミングが発生することを回避可能である。
【００４５】
さらに、図１２におけるステップＳ１６からステップＳ１９のように、第２のカム機構２０は、移送路４に装填される印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５において挟持したのちに、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６において挟持することになるので、すなわち、上流側の移送機構６における固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４をその開放状態から閉鎖状態にし、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５をその開放状態から閉鎖状態にしたのち、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６をその開放状態から閉鎖状態にすることになるので、とくに図１１のステップＳ５からステップＳ８までの間の印字用紙３の移送時に下流側サーマルヘッド１８と下流側プラテンローラー１６との間に印字用紙３が存在しないままでの下流側プラテンローラー１６の回転駆動による異音が軽減されるとともに、下流側プラテンローラー１６との間の衝突による衝撃が軽減されて下流側サーマルヘッド１８の摩耗を極力抑えることができる。
【００４６】
また、図１１のフローチャートにおけるステップＳ１１およびステップＳ１２、さらには図１２のフローチャートにおけるステップＳ２２およびステップＳ２３のように、移送機構６を移送路４において印字機構７より上流側に配置し、印字機構７を開放したのちに、移送機構６により印字用紙３を下流側から上流側に逆移送するようにしたので、印字機構７に関係なく、移送機構６のみにより印字用紙３の逆移送を行うようにして、逆移送の確実性を保証することが可能である。
【符号の説明】
【００４７】
１ サーマルプリンター（プリンター、図１、図２）
２ プリンターハウジング
３ 印字用紙
４ 移送路
５ 用紙センサー
６ 移送機構
７ 印字機構
８ 幅ガイドロック機構
９ プリンターの移送・印字機構開閉装置（実施例、図２、図４、図５、図９）
１０ 用紙供給口
１１ 用紙排出口
１２ 供給部
１３ 移送機構６の固定移送ローラー
１４ 移送機構６の可動移送ローラー
１５ 印字機構７の上流側プラテンローラー
１６ 印字機構７の下流側プラテンローラー
１７ 印字機構７の上流側サーマルヘッド
１８ 印字機構７の下流側サーマルヘッド
１９ 第１のカム機構（図５、図７）
２０ 第２のカム機構（図５、図９）
２１ ローラー開閉プレート
２２ ローラー開閉カム
２３ 第１のカム駆動部（図４）
２４ ローラー開閉プレート２１のローラー開閉作用端部
２５ ローラー開閉プレート２１のローラー開閉カム受圧部
２６ ローラー開閉プレート２１のローラー開閉プレート軸
２７ 板バネ
２８ ローラーシャフト
２９ 受圧シャフト
３０ 受圧ローラー
３１ カム駆動モーター（図４）
３２ ベルト
３３ ローラーカムシャフトギア
３４ ローラー開閉カムシャフト
３５ 上流側ヘッド開閉プレート
３６ 上流側ヘッド開閉カム
３７ 下流側ヘッド開閉プレート
３８ 下流側ヘッド開閉カム
３９ 第２のカム駆動部（図４）
４０ 上流側ヘッド開閉プレート３５の上流側ヘッド開閉作用端部
４１ 上流側ヘッド開閉プレート３５の上流側ヘッド開閉カム受圧部
４２ 上流側ヘッド開閉プレート３５および下流側ヘッド開閉プレート３７のヘッド開閉プレート軸
４３ 上流側ヘッド巻バネ
４４ 上流側ヘッド軸
４５ 上流側ヘッドピン
４６ 上流側受圧シャフト
４７ 上流側受圧ローラー
４８ 下流側ヘッド開閉プレート３７の下流側ヘッド開閉作用端部
４９ 下流側ヘッド開閉プレート３７の下流側ヘッド開閉カム受圧部
５０ 下流側ヘッド巻バネ
５１ 下流側ヘッド軸
５２ 下流側ヘッドピン
５３ 下流側受圧シャフト
５４ 下流側受圧ローラー
５５ ヘッドカムシャフトギア
５６ ヘッド開閉カムシャフト
５７ 移送・印字駆動部（図２、図３）
５８ 移送・印字駆動モーター（図３）
５９ ローラータイミングベルト
６０ ローラーギア
６１ ヘッドタイミングベルト
６２ プラテンギア
６３ 連結タイミングベルト
６４ 連結ギア
６５ プラテンギア
ΔＲ ローラー開閉作用端部２４の位置変化量分（図８（２））
ΔＨ１ 上流側ヘッド開閉プレート３５の位置変化量分（図１０（２））
ΔＨ２ 下流側ヘッド開閉プレート３７の位置変化量分（図１０（４））
α 上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８の間の第１の位相差（図１０（５））
β 上流側ヘッド開閉カム受圧部４１の上流側受圧シャフト４６および下流側ヘッド開閉カム受圧部４９の下流側受圧シャフト５３の間の第２の位相差（図１０（５））
【技術分野】
【０００１】
本発明はプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法にかかるもので、とくに両面印字などが可能なプリンターにおける移送ローラーやサーマルヘッドなどを開閉可能とするプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、ラベルやタグなどの印字用紙への片面印字あるいは両面印字にかかわらず、印字用紙の移送には、印字用紙を挟持して回転する一対の移送ローラーや、サーマルヘッドと組み合わせたプラテンローラーなどの移送用部材が用いられている。
しかして、移送方向における下流側の移送用部材（先頭駆動部側）の移送速度や速度比ないし移送量を上流側の移送用部材のものより比較的大きく設定しておくことによって移送路中の印字用紙に所定の張力を付与し、印字用紙がたるむことによる用紙ジャミングなどを回避可能としている。
しかしながら、印字用紙への印字内容によっては、一度正方向（上流側から下流側）に移送した印字用紙を逆方向（下流側から上流側）に移送(逆移送、ないしはバックフィード）することが行われる場合があり、この移送方向が逆転するバックフィード操作において下流側と上流側との間で移送の速度比が逆転する結果、印字用紙が移送路中でたるむことになり、用紙ジャミングを起こしてしまうという問題がある。
【０００３】
このような用紙ジャミングを回避するためには、上記移送ローラーや、サーマルヘッドあるいはプラテンローラーを的確なタイミングで他の移送ローラーや、プラテンローラーあるいはサーマルヘッドから開放離反させる（押し上げあるいは押し下げる）とともに、必要なタイミングで原位置に復帰させることが要請される。
とくに、印字用紙の表裏面ともに印字する両面印字用のプリンターにおいては、表面印字用のサーマルヘッドおよびプラテンローラー、さらには裏面印字用のサーマルヘッドおよびプラテンローラーを適正な時間間隔で順次開放（離反）および閉鎖する（復帰させる）必要があるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−８２９０３号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、印字用紙を正方向および逆方向に適正に移送可能なプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【０００６】
また本発明は、移送方向において先頭駆動部側により大きな速度比が設定されているプリンターにおいて、逆移送の場合にも用紙ジャミングを発生させることがないプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【０００７】
また本発明は、印字用紙に両面印字を行うようにしたプリンターにおいても、移送ローラーおよびサーマルヘッドの開閉（離反ないし押上げ、および復帰）を順次行うことができるようにしたプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【０００８】
また本発明は、印字用紙に表裏一対のサーマルヘッドにより両面印字を行うようにしたプリンターにおいて、サーマルヘッドの摩耗ないし損傷を極力少なくすることができるようにしたプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
すなわち本発明は、移送方向における上流側および下流側の移送速度比を設定しているプリンターであっても、バックフィードの際にカム機構により移送機構あるいは印字機構を開放して、単一の印字機構あるいは移送機構による逆移送操作を可能として印字用紙のジャミングおよびたるみを回避することに着目したもので、第一の発明は、プリンターハウジングと、このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、上記移送路の下流側に位置する上記移送機構あるいは上記印字機構のいずれか一方について、上記移送路の上流側に位置する上記印字機構あるいは上記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉装置であって、上記移送機構は、上記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、上記印字機構は、上記印字用紙を接触して回転可能なプラテンローラー、および上記印字用紙を介してこのプラテンローラーに接離可能なサーマルヘッドを有するとともに、上記移送ローラーの一方を他方の上記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、上記サーマルヘッドを上記プラテンローラーに対して開閉可能な第２のカム機構と、を有することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉装置である。
上記第１のカム機構は、上記移送ローラーの一方を開放方向に押圧可能なローラー開閉作用端部と、ローラー開閉カム受圧部と、を有するとともに、ローラー開閉プレート軸のまわりに回動可能なローラー開閉プレートと、このローラー開閉プレートの上記ローラー開閉カム受圧部を操作可能なローラー開閉カムと、このローラー開閉カムを駆動可能な第１のカム駆動部と、を有し、上記第２のカム機構は、上記サーマルヘッドを開放方向に押圧可能なヘッド開閉作用端部と、ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能なヘッド開閉プレートと、このヘッド開閉プレートの上記ヘッド開閉カム受圧部を操作可能なヘッド開閉カムと、このヘッド開閉カムを駆動可能な第２のカム駆動部と、を有することができる。
上記第１のカム駆動部および上記第２のカム駆動部は、上記プリンターハウジングの一方の側部にこれを設け、上記一対の移送ローラーおよび上記プラテンローラーを回転駆動する移送・印字駆動部は、上記プリンターハウジングの他方の側部にこれを設けることができる。
上記第１のカム駆動部および上記第２のカム駆動部は、単一のカム駆動モーターを有し、上記移送・印字駆動部は、単一の移送・印字駆動モーターを有することができる。
上記印字機構は、上記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、上記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、この上流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、この下流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、上記第２のカム機構は、これら上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを上記上流側プラテンローラーおよび上記下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能であることができる。
上記第２のカム機構は、上記上流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な上流側ヘッド開閉作用端部と、上流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な上流側ヘッド開閉プレートと、この上流側ヘッド開閉プレートの上記上流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な上流側ヘッド開閉カムと、上記下流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な下流側ヘッド開閉作用端部と、下流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、上記ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な下流側ヘッド開閉プレートと、この下流側ヘッド開閉プレートの上記下流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な下流側ヘッド開閉カムと、を有し、上記第２のカム駆動部は、上記上流側ヘッド開閉カムおよび下流側ヘッド開閉カムを駆動可能であることができる。
上記上流側ヘッド開閉カムおよび上記下流側ヘッド開閉カムは、同一のヘッド開閉カムシャフトのまわりに第１の位相差をもって回動可能にこれを取り付けていることができる。
上記上流側ヘッド開閉カム受圧部の上流側受圧シャフトおよび上記下流側ヘッド開閉カム受圧部の下流側受圧シャフトは、上記ヘッド開閉カムシャフトの軸方向に垂直な平面内において上記ヘッド開閉カムシャフトを中心として第２の位相差をもって位置していることができる。
第二の発明は、プリンターハウジングと、このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、上記移送路の下流側に位置する上記移送機構あるいは上記印字機構のいずれか一方について、上記移送路の上流側に位置する上記印字機構あるいは上記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉方法であって、上記移送機構は、上記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、上記印字機構は、上記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、上記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、この上流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、この下流側サーマルヘッドは、上記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、上記移送ローラーの一方を他方の上記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、上記上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを上記上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能な第２のカム機構と、を設け、上記第２のカム機構は、上記移送路に装填される上記印字用紙を上記上流側サーマルヘッドおよび上記上流側プラテンローラーにおいて挟持したのちに、上記下流側サーマルヘッドおよび上記下流側プラテンローラーにおいて挟持することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉方法である。
上記移送機構は、これを上記移送路において上記印字機構より上流側に配置し、上記印字機構を開放したのちに、上記移送機構により上記印字用紙を下流側から上流側に逆移送することができる。
上記移送機構は、これを上記移送路において上記印字機構より上流側に配置し、上記一対の移送ローラーをその開放状態から閉鎖状態にし、上記上流側サーマルヘッドおよび上記上流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にしたのち、上記下流側サーマルヘッドおよび上記下流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にすることができる。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によるプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法においては、移送ローラーの一方を他方の移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、サーマルヘッドをプラテンローラーに対して開閉可能な第２のカム機構と、を設けたので、これら第１のカム機構および第２のカム機構を動作させることにより、所定のタイミングで移送機構および印字機構を開放状態および閉鎖状態とし、印字用紙の逆移送を行ってもジャミングを回避することができる。
【００１１】
とくに第一の発明によるプリンターの移送・印字機構開閉装置によれば、移送機構を開閉する第１のカム機構と、印字機構を開閉する第２のカム機構と、を設けたので、所定のタイミングで移送機構および印字機構を開放状態および閉鎖状態とし、印字用紙を適正な張力で移送することができる。
【００１２】
とくに第二の発明によるプリンターの移送・印字機構開閉方法によれば、両面印字を可能としたプリンターにおいて、第２のカム機構が、移送路に装填される印字用紙を上流側サーマルヘッドおよび上流側プラテンローラーにおいて挟持したのちに、下流側サーマルヘッドおよび下流側プラテンローラーにおいて挟持するようにしたので、それぞれのサーマルヘッドを損傷することなくその開閉を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明の実施例による移送・印字機構開閉装置９を備えたプリンター（サーマルプリンター１）の側面図である。
【図２】同、サーマルプリンター１の概略斜視図である。
【図３】同、図２のＩＩＩ線矢視図である。
【図４】同、図２のＩＶ線矢視図である。
【図５】同、移送機構６および印字機構７の閉鎖状態（移送・印字状態）の要部側面図である。
【図６】同、移送機構６および印字機構７の開放状態（離反状態、移送・印字解除状態）の要部側面図である。
【図７】同、第１のカム機構１９の斜視図である。
【図８】同、第１のカム機構１９におけるローラー開閉プレート２１およびローラー開閉カム２２の要部側面図であって、図８（１）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の閉鎖状態の要部側面図、図８（２）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の開放状態の要部側面図である。
【図９】同、第２のカム機構２０の斜視図である。
【図１０】同、第２のカム機構２０における上流側ヘッド開閉プレート３５および上流側ヘッド開閉カム３６、さらには下流側ヘッド開閉プレート３７および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図であって、図１０（１）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の閉鎖状態の要部側面図、図１０（２）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の開放状態の要部側面図、図１０（３）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の閉鎖状態の要部側面図、図１０（４）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の開放状態の要部側面図、図１０（５）は、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図である。
【図１１】同、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を同時に閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図である。
【図１２】同、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を順次閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明は、第１のカム機構および第２のカム機構を制御して、移送ローラーおよびプラテンローラーを順次開閉するようにしたので、印字用紙のたるみを発生することなく、これを適正に移送および印字さらには逆移送することが可能なプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を実現した。
【実施例】
【００１５】
つぎに本発明の実施例によるプリンターの移送・印字機構開閉装置およびその移送・印字機構開閉方法を図１ないし図１２にもとづき説明する。
図１は、本発明における移送・印字機構開閉装置を備えたプリンター（サーマルプリンター１）の側面図、図２は、サーマルプリンター１の概略斜視図であって、サーマルプリンター１は、プリンターハウジング２と、プリンターハウジング２内に印字用紙３を挿通移送する移送路４と、用紙センサー５と、移送機構６と、印字機構７と、幅ガイドロック機構８と、本発明による当該移送・印字機構開閉装置９と、を有する。
【００１６】
プリンターハウジング２は、用紙供給口１０と、用紙供給口１０に移送路４により連通している用紙排出口１１と、を形成してあり、用紙供給口１０部分に幅ガイドロック機構８を設けている。
【００１７】
印字用紙３は、任意の構成のものを任意の形態で用紙供給口１０からプリンターハウジング２内にこれを供給可能であって、図示の例では、供給部１２に折り畳まれたファンホールドの形態でこれを供給している。
【００１８】
移送路４は、プリンターハウジング２の内部にこれを設けるもので、用紙供給口１０から用紙排出口１１まで印字用紙３を移送するための通路であって、用紙供給口１０側に移送機構６を設け、その下流側に印字機構７を設けているとともに、移送機構６および印字機構７に関連して移送・印字機構開閉装置９を設けている。
【００１９】
用紙センサー５は、印字用紙３にあらかじめ設けた位置検出マーク（図示せず）を検出して、移送機構６、印字機構７および移送・印字機構開閉装置９などに対する印字用紙３の相対的位置を検出可能とする光反射型のセンサーと、用紙供給口１０から装填される印字用紙３の先端を検出することにより用紙装填の有無を検出する光透過型のセンサーと、を備えている。
【００２０】
移送機構６は、上下一対の移送ローラー（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）を有し、この間に印字用紙３を挟持して固定移送ローラー１３の回転駆動により印字用紙３を移送路４に沿って供給部１２から印字機構７方向に供給可能としている。
【００２１】
印字機構７は、任意の方式により印字用紙３の表裏両面に所定の情報をそれぞれ印刷を行うためにその一対を上流側および下流側に順次設けてあり、たとえば、印字用紙３に接触して回転可能な上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６と、印字用紙３を介して上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６にそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８と、を有する。
上流側サーマルヘッド１７は、印字用紙３の裏面あるいは表面のいずれか一方（図示の例では裏面）に感熱発色方式により印字可能であり、下流側サーマルヘッド１８は、印字用紙３の表面あるいは裏面のいずれか他方（図示の例では表面）に感熱発色方式により印字可能である。
もちろん、印字機構７として、単一のサーマルヘッドおよびプラテンローラーのみを設けて印字用紙３の片面のみに印刷する構成であってもよい。
【００２２】
なお移送路４の下流側に位置する印字機構７について、下流側プラテンローラー１６による印字用紙３の移送量が、上流側に位置する上流側プラテンローラー１５の移送量よりわずかに大きく、さらに、上流側プラテンローラー１５の移送量が移送機構６の移送量をわずかに大きく設定することにより、印字用紙３に所定の張力を付与して、移送路４上におけるたるみを発生しないようにしている。
【００２３】
幅ガイドロック機構８は、印字用紙３の幅方向を規制して移送路４上に蛇行させることなく印字用紙３を適正に案内可能とする。
【００２４】
本発明による移送・印字機構開閉装置９は、上記移送機構６における可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に対して開閉可能（押し上げ可能、および復帰可能）な第１のカム機構１９と、印字機構７における上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６に対してそれぞれ開閉可能（押し下げおよび押し上げ可能、ならびに復帰可能）な第２のカム機構２０と、を有する。
図３は、図２のＩＩＩ線矢視図、図４は、図２のＩＶ線矢視図、図５は、移送機構６および印字機構７の閉鎖状態（移送・印字状態）の要部側面図、図６は、移送機構６および印字機構７の開放状態（離反状態、移送・印字解除状態）の要部側面図である。
図７は、第１のカム機構１９の斜視図、図８は、第１のカム機構１９におけるローラー開閉プレート２１およびローラー開閉カム２２の要部側面図であって、図８（１）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の閉鎖状態の要部側面図、図８（２）は、移送機構６（固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４）の開放状態の要部側面図である。
図９は、第２のカム機構２０の斜視図、図１０は、第２のカム機構２０における上流側ヘッド開閉プレート３５および上流側ヘッド開閉カム３６、さらには下流側ヘッド開閉プレート３７および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図であって、図１０（１）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の閉鎖状態の要部側面図、図１０（２）は、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５の開放状態の要部側面図、図１０（３）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の閉鎖状態の要部側面図、図１０（４）は、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６の開放状態の要部側面図、図１０（５）は、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８の要部側面図である。
【００２５】
とくに図５、図６および図７に示すように、第１のカム機構１９は、可動移送ローラー１４の左右に位置する一対のローラー開閉プレート２１およびローラー開閉カム２２と、第１のカム駆動部２３（図４）と、を有する。
ローラー開閉プレート２１は、可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に対して開放方向に押圧可能なローラー開閉作用端部２４と、ローラー開閉カム受圧部２５と、を有するとともに、ローラー開閉プレート軸２６のまわりに回動可能である。
可動移送ローラー１４は、板バネ２７によりこれを固定移送ローラー１３に対して常時付勢しており、ローラー開閉作用端部２４は、板バネ２７の付勢力に抗して可動移送ローラー１４のローラーシャフト２８を押し上げるように操作可能である。
とくに図７に示すように、ローラー開閉カム受圧部２５には、受圧シャフト２９および受圧ローラー３０を取り付けてあり、ローラー開閉カム２２が受圧ローラー３０（ローラー開閉カム受圧部２５）を操作可能である。
【００２６】
とくに図４に示すように、第１のカム駆動部２３は、単一のカム駆動モーター３１と、ベルト３２と、ローラーカムシャフトギア３３と、ローラー開閉カムシャフト３４と、を有しており、ローラー開閉カム２２を駆動可能である。
【００２７】
図６および図８に示すように、ローラーカムシャフトギア３３まわりに図８中反時計方向に回動するローラー開閉カム２２による押圧操作によってローラー開閉プレート２１がローラー開閉プレート軸２６のまわりに図８中時計方向に回動し（図８（１）の状態から図８（２）の状態に変化し）、ローラー開閉作用端部２４の位置変化量分ΔＲだけ可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３から離反させることができる。
【００２８】
とくに図５、図６および図９に示すように、第２のカム機構２０は、上流側サーマルヘッド１７の左右に位置する一対の上流側ヘッド開閉プレート３５（ヘッド開閉プレート）および上流側ヘッド開閉カム３６（ヘッド開閉カム）と、下流側サーマルヘッド１８の左右に位置する一対の下流側ヘッド開閉プレート３７（ヘッド開閉プレート）および下流側ヘッド開閉カム３８（ヘッド開閉カム）と、第２のカム駆動部３９（図４）と、を有する。
【００２９】
上流側ヘッド開閉プレート３５は、上流側サーマルヘッド１７を上流側プラテンローラー１５に対して開放方向に押圧可能な上流側ヘッド開閉作用端部４０と、上流側ヘッド開閉カム受圧部４１と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸４２のまわりに回動可能である。
上流側サーマルヘッド１７は、上流側ヘッド巻バネ４３の付勢力により上流側ヘッド軸４４のまわりに常時上流側プラテンローラー１５方向にこれを付勢してあり、上流側ヘッド開閉作用端部４０は、上流側ヘッド巻バネ４３の付勢力に抗して上流側サーマルヘッド１７の上流側ヘッドピン４５を押し下げ可能である。
とくに図９に示すように、上流側ヘッド開閉カム受圧部４１には、上流側受圧シャフト４６および上流側受圧ローラー４７を取り付けてあり、上流側ヘッド開閉カム３６が上流側受圧ローラー４７（上流側ヘッド開閉カム受圧部４１）を操作可能である。
【００３０】
下流側ヘッド開閉プレート３７は、下流側サーマルヘッド１８を下流側プラテンローラー１６に対して開放方向に押圧可能な下流側ヘッド開閉作用端部４８と、下流側ヘッド開閉カム受圧部４９と、を有するとともに、上流側ヘッド開閉プレート３５と同軸の上記ヘッド開閉プレート軸４２のまわりに回動可能である。
下流側サーマルヘッド１８は、下流側ヘッド巻バネ５０の付勢力により下流側ヘッド軸５１のまわりに常時下流側プラテンローラー１６方向にこれを付勢してあり、下流側ヘッド開閉作用端部４８は、下流側ヘッド巻バネ５０の付勢力に抗して下流側サーマルヘッド１８の下流側ヘッドピン５２を押し上げ可能である。
下流側ヘッド開閉カム受圧部４９には、下流側受圧シャフト５３および下流側受圧ローラー５４を取り付けてあり、下流側ヘッド開閉カム３８が下流側受圧ローラー５４（下流側ヘッド開閉カム受圧部４９）を操作可能である。
【００３１】
とくに図４に示すように、第２のカム駆動部３９は、第１のカム駆動部２３と同一のカム駆動モーター３１およびベルト３２と、ヘッドカムシャフトギア５５と、ヘッド開閉カムシャフト５６と、を有しており、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８を駆動可能である。
【００３２】
図６および図１０（１）、（２）に示すように、ヘッドカムシャフトギア５５まわりに図１０（１）、（２）中反時計方向に回動する上流側ヘッド開閉カム３６による押圧操作（押下げ操作）により上流側ヘッド開閉プレート３５がヘッド開閉プレート軸４２のまわりに図１０中時計方向に回動し（図１０（１）の状態から図１０（２）の状態に変化し）、上流側ヘッド開閉プレート３５の位置変化量分ΔＨ１だけ上流側サーマルヘッド１７を上流側プラテンローラー１５から離反させることができる。
図６および図１０（３）、（４）に示すように、ヘッドカムシャフトギア５５まわりに図１０（３）、（４）中反時計方向に回動する下流側ヘッド開閉カム３８による押圧操作（押上げ操作）により下流側ヘッド開閉プレート３７がヘッド開閉プレート軸４２のまわりに図１０中時計方向に回動し（図１０（３）の状態から図１０（４）の状態に変化し）、下流側ヘッド開閉プレート３７の位置変化量分ΔＨ２だけ下流側サーマルヘッド１８を下流側プラテンローラー１６から離反させることができる。
【００３３】
なお、図１０（５）に示すように、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８は、上記同一のヘッド開閉カムシャフト５６のまわりに第１の位相差αをもって回動可能にこれを取り付けている。
また、上流側ヘッド開閉カム受圧部４１の上流側受圧シャフト４６および下流側ヘッド開閉カム受圧部４９の下流側受圧シャフト５３は、ヘッド開閉カムシャフト５６の軸方向に垂直な平面内においてヘッド開閉カムシャフト５６を中心として第２の位相差βをもって位置している
したがって、これら第１の位相差αおよび第２の位相差βを調整することにより、上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８による上流側ヘッド開閉プレート３５および下流側ヘッド開閉プレート３７の作動のタイミングをずらすことにより、上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８の開放動作のタイミングを適宜制御することができる。
【００３４】
つぎに図２に示すように、上述した可動移送ローラー１４を有する移送機構６に関する第１のカム駆動部２３および印字機構７に関する第２のカム駆動部３９は、プリンターハウジング２の一方の側部にこれを設けている。
また、移送機構６における固定移送ローラー１３、および印字機構７における上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６を回転駆動する移送・印字駆動部５７をプリンターハウジング２の他方の側部に設けている。
【００３５】
とくに図３に示すように、移送・印字駆動部５７は、単一の移送・印字駆動モーター５８と、ローラータイミングベルト５９と、固定移送ローラー１３のローラーギア６０と、ヘッドタイミングベルト６１と、下流側プラテンローラー１６のプラテンギア６２と、連結タイミングベルト６３と、連結ギア６４と、上流側プラテンローラー１５のプラテンギア６５と、を有する。
移送・印字駆動モーター５８の駆動により、固定移送ローラー１３、上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６を回転させ、移送機構６による印字用紙３の移送や逆移送および印字機構７による印字用紙３への印字を可能とする。
【００３６】
したがって、印字用紙３の移送および印字操作にかかる移送・印字駆動部５７と、可動移送ローラー１４、上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８の開閉操作にかかる第１のカム駆動部２３および第２のカム駆動部３９をプリンターハウジング２の反対側に独立して設けているので、その組立て作業および保守点検作業が容易である。
【００３７】
こうした構成のサーマルプリンター１および移送・印字機構開閉装置９において、必要なタイミングで移送機構６および印字機構７をそれぞれ開閉操作することができる。
たとえば、図１１は、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を同時に閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図であって、ステップＳ１において用紙センサー５が印字用紙３を検出し、ステップＳ２において第１のカム機構１９によりローラー開閉プレート２１を図８（２）から図８（１）の状態に回動操作して、可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に向かって（図６から図５の状態に）閉鎖する。
ついでステップＳ３において、固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４が印字用紙３を挟持している状態で、移送機構６により印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の移送方向上流側の初期位置まで移送するとともに、この初期位置で移送を停止して待機する。
【００３８】
ステップＳ４において、印字データを受信するまで待機し、印字データを受信したら、ステップＳ５において第２のカム機構２０により上流側ヘッド開閉プレート３５を図１０（１）から（２）の状態へ、また、下流側ヘッド開閉プレート３７を図１０（３）から（４）の状態に回動操作して、上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６に、それぞれ図５から図６の状態に閉鎖する。
さらにステップＳ６で移送機構６による印字用紙３の移送を開始するとともに、ステップＳ７で上流側サーマルヘッド１７による印字用紙３の裏面への印字を開始し、ステップＳ８で下流側サーマルヘッド１８による印字用紙３の表面への印字を開始し、一枚分の印字用紙３の表裏面への印字を行う。
【００３９】
ステップＳ９において印字用紙３の移送を停止し、ステップＳ１０において複数枚の印字用紙３へのすべての印字データについて印字が終了したかを確認する。
印字が終了していなければ、ステップＳ１１において、第２のカム機構２０により上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８をそれぞれ、上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放するとともに、ステップＳ１２において、移送機構６による逆移送（バックフィード）を行って印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の上流側における前記初期位置（ステップＳ３）まで戻し、ステップＳ４における印字データ待ちの状態で待機する。
ステップＳ１０において、印字が終了すれば、ステップＳ１３において可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３から開放した状態として、次回の移送および印字に備えることになる。
【００４０】
かくして、移送機構６による印字用紙３の逆移送操作があっても、移送・印字機構開閉装置９により、印字機構７における上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放した状態とすることができるので、印字機構７において印字用紙３のジャミングが発生することを回避可能である。
【００４１】
つぎに図１２は、可動移送ローラー１４の閉鎖につづいて上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を順次閉鎖する移送・印字機構開閉装置９（移送機構６、印字機構７）の操作手順を示すフローチャート図である。
ステップＳ１１からステップＳ１４までは、図１１のステップＳ１からステップＳ４までと事実上同じである。
すなわち、ステップＳ１１において用紙センサー５が印字用紙３を検出し、ステップＳ１２において可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３に向かって閉鎖する。
ついでステップＳ１３において、固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４が印字用紙３を挟持している状態で移送機構６により印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の移送方向上流側の初期位置まで移送するとともに、移送を停止して待機する。
【００４２】
ステップＳ１４において、印字データを受信するまで待機し、印字データを受信したら、ステップＳ１５において移送機構６による印字用紙３の移送を開始するとともに、ステップＳ１６において、第２のカム機構２０における上流側ヘッド開閉カム３６を図１０（１）、（２）中時計方向に回動することにより上流側ヘッド開閉プレート３５を図１０（２）から（１）の状態に回動操作し、上流側サーマルヘッド１７を上流側プラテンローラー１５に向かって閉鎖し、ステップＳ１７において上流側サーマルヘッド１７による印字用紙３の裏面への印字を開始する。
さらにステップＳ１８において、第２のカム機構２０における下流側ヘッド開閉カム３８を図１０（３）、（４）中時計方向に回動することにより下流側ヘッド開閉プレート３７を図１０（４）から（３）の状態に回動操作し、下流側サーマルヘッド１８を下流側プラテンローラー１６に向かって閉鎖し、ステップＳ１９において下流側サーマルヘッド１８による印字用紙３の表面への印字を開始する。
【００４３】
ステップＳ２０において印字用紙３の移送を停止し、ステップＳ２１において複数枚の印字用紙３へのすべての印字データについて印字が終了したかを確認する。
印字が終了していなければ、ステップＳ２２において、第２のカム機構２０により上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８をそれぞれ、上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放するとともに、ステップＳ２３において、移送機構６による逆移送（バックフィード）を行って印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７の上流側における初期位置（ステップＳ１３）まで戻し、ステップＳ１４における印字データ待ちの状態で待機する。
ステップＳ２１において、印字が終了すれば、ステップＳ２４において可動移送ローラー１４を固定移送ローラー１３から開放した状態として、次回の移送および印字に備えることになる。
【００４４】
かくして、移送機構６による印字用紙３の逆移送操作があっても、移送・印字機構開閉装置９により、印字機構７における上流側サーマルヘッド１７および下流側サーマルヘッド１８を上流側プラテンローラー１５および下流側プラテンローラー１６から開放した状態とすることができるので、印字機構７において印字用紙３のジャミングが発生することを回避可能である。
【００４５】
さらに、図１２におけるステップＳ１６からステップＳ１９のように、第２のカム機構２０は、移送路４に装填される印字用紙３を上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５において挟持したのちに、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６において挟持することになるので、すなわち、上流側の移送機構６における固定移送ローラー１３および可動移送ローラー１４をその開放状態から閉鎖状態にし、上流側サーマルヘッド１７および上流側プラテンローラー１５をその開放状態から閉鎖状態にしたのち、下流側サーマルヘッド１８および下流側プラテンローラー１６をその開放状態から閉鎖状態にすることになるので、とくに図１１のステップＳ５からステップＳ８までの間の印字用紙３の移送時に下流側サーマルヘッド１８と下流側プラテンローラー１６との間に印字用紙３が存在しないままでの下流側プラテンローラー１６の回転駆動による異音が軽減されるとともに、下流側プラテンローラー１６との間の衝突による衝撃が軽減されて下流側サーマルヘッド１８の摩耗を極力抑えることができる。
【００４６】
また、図１１のフローチャートにおけるステップＳ１１およびステップＳ１２、さらには図１２のフローチャートにおけるステップＳ２２およびステップＳ２３のように、移送機構６を移送路４において印字機構７より上流側に配置し、印字機構７を開放したのちに、移送機構６により印字用紙３を下流側から上流側に逆移送するようにしたので、印字機構７に関係なく、移送機構６のみにより印字用紙３の逆移送を行うようにして、逆移送の確実性を保証することが可能である。
【符号の説明】
【００４７】
１ サーマルプリンター（プリンター、図１、図２）
２ プリンターハウジング
３ 印字用紙
４ 移送路
５ 用紙センサー
６ 移送機構
７ 印字機構
８ 幅ガイドロック機構
９ プリンターの移送・印字機構開閉装置（実施例、図２、図４、図５、図９）
１０ 用紙供給口
１１ 用紙排出口
１２ 供給部
１３ 移送機構６の固定移送ローラー
１４ 移送機構６の可動移送ローラー
１５ 印字機構７の上流側プラテンローラー
１６ 印字機構７の下流側プラテンローラー
１７ 印字機構７の上流側サーマルヘッド
１８ 印字機構７の下流側サーマルヘッド
１９ 第１のカム機構（図５、図７）
２０ 第２のカム機構（図５、図９）
２１ ローラー開閉プレート
２２ ローラー開閉カム
２３ 第１のカム駆動部（図４）
２４ ローラー開閉プレート２１のローラー開閉作用端部
２５ ローラー開閉プレート２１のローラー開閉カム受圧部
２６ ローラー開閉プレート２１のローラー開閉プレート軸
２７ 板バネ
２８ ローラーシャフト
２９ 受圧シャフト
３０ 受圧ローラー
３１ カム駆動モーター（図４）
３２ ベルト
３３ ローラーカムシャフトギア
３４ ローラー開閉カムシャフト
３５ 上流側ヘッド開閉プレート
３６ 上流側ヘッド開閉カム
３７ 下流側ヘッド開閉プレート
３８ 下流側ヘッド開閉カム
３９ 第２のカム駆動部（図４）
４０ 上流側ヘッド開閉プレート３５の上流側ヘッド開閉作用端部
４１ 上流側ヘッド開閉プレート３５の上流側ヘッド開閉カム受圧部
４２ 上流側ヘッド開閉プレート３５および下流側ヘッド開閉プレート３７のヘッド開閉プレート軸
４３ 上流側ヘッド巻バネ
４４ 上流側ヘッド軸
４５ 上流側ヘッドピン
４６ 上流側受圧シャフト
４７ 上流側受圧ローラー
４８ 下流側ヘッド開閉プレート３７の下流側ヘッド開閉作用端部
４９ 下流側ヘッド開閉プレート３７の下流側ヘッド開閉カム受圧部
５０ 下流側ヘッド巻バネ
５１ 下流側ヘッド軸
５２ 下流側ヘッドピン
５３ 下流側受圧シャフト
５４ 下流側受圧ローラー
５５ ヘッドカムシャフトギア
５６ ヘッド開閉カムシャフト
５７ 移送・印字駆動部（図２、図３）
５８ 移送・印字駆動モーター（図３）
５９ ローラータイミングベルト
６０ ローラーギア
６１ ヘッドタイミングベルト
６２ プラテンギア
６３ 連結タイミングベルト
６４ 連結ギア
６５ プラテンギア
ΔＲ ローラー開閉作用端部２４の位置変化量分（図８（２））
ΔＨ１ 上流側ヘッド開閉プレート３５の位置変化量分（図１０（２））
ΔＨ２ 下流側ヘッド開閉プレート３７の位置変化量分（図１０（４））
α 上流側ヘッド開閉カム３６および下流側ヘッド開閉カム３８の間の第１の位相差（図１０（５））
β 上流側ヘッド開閉カム受圧部４１の上流側受圧シャフト４６および下流側ヘッド開閉カム受圧部４９の下流側受圧シャフト５３の間の第２の位相差（図１０（５））
【特許請求の範囲】
【請求項１】
プリンターハウジングと、
このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、
この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、
前記移送路の下流側に位置する前記移送機構あるいは前記印字機構のいずれか一方について、前記移送路の上流側に位置する前記印字機構あるいは前記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉装置であって、
前記移送機構は、前記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、
前記印字機構は、前記印字用紙を接触して回転可能なプラテンローラー、および前記印字用紙を介してこのプラテンローラーに接離可能なサーマルヘッドを有するとともに、
前記移送ローラーの一方を他方の前記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、
前記サーマルヘッドを前記プラテンローラーに対して開閉可能な第２のカム機構と、
を有することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項２】
前記第１のカム機構は、
前記移送ローラーの一方を開放方向に押圧可能なローラー開閉作用端部と、ローラー開閉カム受圧部と、を有するとともに、ローラー開閉プレート軸のまわりに回動可能なローラー開閉プレートと、
このローラー開閉プレートの前記ローラー開閉カム受圧部を操作可能なローラー開閉カムと、
このローラー開閉カムを駆動可能な第１のカム駆動部と、を有し、
前記第２のカム機構は、
前記サーマルヘッドを開放方向に押圧可能なヘッド開閉作用端部と、ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能なヘッド開閉プレートと、
このヘッド開閉プレートの前記ヘッド開閉カム受圧部を操作可能なヘッド開閉カムと、
このヘッド開閉カムを駆動可能な第２のカム駆動部と、を有することを特徴とする請求項１記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項３】
前記第１のカム駆動部および前記第２のカム駆動部は、前記プリンターハウジングの一方の側部にこれを設け、
前記一対の移送ローラーおよび前記プラテンローラーを回転駆動する移送・印字駆動部は、前記プリンターハウジングの他方の側部にこれを設けることを特徴とする請求項２記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項４】
前記第１のカム駆動部および前記第２のカム駆動部は、単一のカム駆動モーターを有し、
前記移送・印字駆動部は、単一の移送・印字駆動モーターを有することを特徴とする請求項２記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項５】
前記印字機構は、
前記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、
前記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、
この上流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、
この下流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、
前記第２のカム機構は、
これら上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを前記上流側プラテンローラーおよび前記下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能であることを特徴とする請求項１記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項６】
前記第２のカム機構は、
前記上流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な上流側ヘッド開閉作用端部と、上流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な上流側ヘッド開閉プレートと、
この上流側ヘッド開閉プレートの前記上流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な上流側ヘッド開閉カムと、
前記下流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な下流側ヘッド開閉作用端部と、下流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、前記ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な下流側ヘッド開閉プレートと、
この下流側ヘッド開閉プレートの前記下流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な下流側ヘッド開閉カムと、を有し、
前記第２のカム駆動部は、前記上流側ヘッド開閉カムおよび下流側ヘッド開閉カムを駆動可能であることを特徴とする請求項５記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項７】
前記上流側ヘッド開閉カムおよび前記下流側ヘッド開閉カムは、
同一のヘッド開閉カムシャフトのまわりに第１の位相差をもって回動可能にこれを取り付けていることを特徴とする請求項６記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項８】
前記上流側ヘッド開閉カム受圧部の上流側受圧シャフトおよび前記下流側ヘッド開閉カム受圧部の下流側受圧シャフトは、
前記ヘッド開閉カムシャフトの軸方向に垂直な平面内において前記ヘッド開閉カムシャフトを中心として第２の位相差をもって位置していることを特徴とする請求項７記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項９】
プリンターハウジングと、
このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、
この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、
前記移送路の下流側に位置する前記移送機構あるいは前記印字機構のいずれか一方について、前記移送路の上流側に位置する前記印字機構あるいは前記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉方法であって、
前記移送機構は、前記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、
前記印字機構は、前記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、前記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、
この上流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、
この下流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、
前記移送ローラーの一方を他方の前記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、
前記上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを前記上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能な第２のカム機構と、を設け、
前記第２のカム機構は、
前記移送路に装填される前記印字用紙を前記上流側サーマルヘッドおよび前記上流側プラテンローラーにおいて挟持したのちに、前記下流側サーマルヘッドおよび前記下流側プラテンローラーにおいて挟持することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉方法。
【請求項１０】
前記移送機構は、これを前記移送路において前記印字機構より上流側に配置し、
前記印字機構を開放したのちに、前記移送機構により前記印字用紙を下流側から上流側に逆移送することを特徴とする請求項９記載のプリンターの移送・印字機構開閉方法。
【請求項１１】
前記移送機構は、これを前記移送路において前記印字機構より上流側に配置し、
前記一対の移送ローラーをその開放状態から閉鎖状態にし、
前記上流側サーマルヘッドおよび前記上流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にしたのち、
前記下流側サーマルヘッドおよび前記下流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にすることを特徴とする請求項９記載のプリンターの移送・印字機構開閉方法。
【請求項１】
プリンターハウジングと、
このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、
この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、
前記移送路の下流側に位置する前記移送機構あるいは前記印字機構のいずれか一方について、前記移送路の上流側に位置する前記印字機構あるいは前記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉装置であって、
前記移送機構は、前記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、
前記印字機構は、前記印字用紙を接触して回転可能なプラテンローラー、および前記印字用紙を介してこのプラテンローラーに接離可能なサーマルヘッドを有するとともに、
前記移送ローラーの一方を他方の前記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、
前記サーマルヘッドを前記プラテンローラーに対して開閉可能な第２のカム機構と、
を有することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項２】
前記第１のカム機構は、
前記移送ローラーの一方を開放方向に押圧可能なローラー開閉作用端部と、ローラー開閉カム受圧部と、を有するとともに、ローラー開閉プレート軸のまわりに回動可能なローラー開閉プレートと、
このローラー開閉プレートの前記ローラー開閉カム受圧部を操作可能なローラー開閉カムと、
このローラー開閉カムを駆動可能な第１のカム駆動部と、を有し、
前記第２のカム機構は、
前記サーマルヘッドを開放方向に押圧可能なヘッド開閉作用端部と、ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能なヘッド開閉プレートと、
このヘッド開閉プレートの前記ヘッド開閉カム受圧部を操作可能なヘッド開閉カムと、
このヘッド開閉カムを駆動可能な第２のカム駆動部と、を有することを特徴とする請求項１記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項３】
前記第１のカム駆動部および前記第２のカム駆動部は、前記プリンターハウジングの一方の側部にこれを設け、
前記一対の移送ローラーおよび前記プラテンローラーを回転駆動する移送・印字駆動部は、前記プリンターハウジングの他方の側部にこれを設けることを特徴とする請求項２記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項４】
前記第１のカム駆動部および前記第２のカム駆動部は、単一のカム駆動モーターを有し、
前記移送・印字駆動部は、単一の移送・印字駆動モーターを有することを特徴とする請求項２記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項５】
前記印字機構は、
前記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、
前記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、
この上流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、
この下流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、
前記第２のカム機構は、
これら上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを前記上流側プラテンローラーおよび前記下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能であることを特徴とする請求項１記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項６】
前記第２のカム機構は、
前記上流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な上流側ヘッド開閉作用端部と、上流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な上流側ヘッド開閉プレートと、
この上流側ヘッド開閉プレートの前記上流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な上流側ヘッド開閉カムと、
前記下流側サーマルヘッドを開放方向に押圧可能な下流側ヘッド開閉作用端部と、下流側ヘッド開閉カム受圧部と、を有するとともに、前記ヘッド開閉プレート軸のまわりに回動可能な下流側ヘッド開閉プレートと、
この下流側ヘッド開閉プレートの前記下流側ヘッド開閉カム受圧部を操作可能な下流側ヘッド開閉カムと、を有し、
前記第２のカム駆動部は、前記上流側ヘッド開閉カムおよび下流側ヘッド開閉カムを駆動可能であることを特徴とする請求項５記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項７】
前記上流側ヘッド開閉カムおよび前記下流側ヘッド開閉カムは、
同一のヘッド開閉カムシャフトのまわりに第１の位相差をもって回動可能にこれを取り付けていることを特徴とする請求項６記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項８】
前記上流側ヘッド開閉カム受圧部の上流側受圧シャフトおよび前記下流側ヘッド開閉カム受圧部の下流側受圧シャフトは、
前記ヘッド開閉カムシャフトの軸方向に垂直な平面内において前記ヘッド開閉カムシャフトを中心として第２の位相差をもって位置していることを特徴とする請求項７記載のプリンターの移送・印字機構開閉装置。
【請求項９】
プリンターハウジングと、
このプリンターハウジングの内部に設けた移送路に沿って印字用紙を移送する移送機構と、
この印字用紙に印字する印字機構と、を有するとともに、
前記移送路の下流側に位置する前記移送機構あるいは前記印字機構のいずれか一方について、前記移送路の上流側に位置する前記印字機構あるいは前記移送機構のいずれか他方よりその移送量をわずかに大きく設定しているプリンターの移送・印字機構開閉方法であって、
前記移送機構は、前記印字用紙を挟持して回転可能な一対の移送ローラーを有し、
前記印字機構は、前記印字用紙を接触して回転可能な上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーと、前記印字用紙を介してこれらの上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーにそれぞれ接離可能な上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドと、を有するとともに、
この上流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の裏面あるいは表面のいずれか一方に印字可能であり、
この下流側サーマルヘッドは、前記印字用紙の表面あるいは裏面のいずれか他方に印字可能であり、
前記移送ローラーの一方を他方の前記移送ローラーに対して開閉可能な第１のカム機構と、
前記上流側サーマルヘッドおよび下流側サーマルヘッドを前記上流側プラテンローラーおよび下流側プラテンローラーに対してそれぞれ開閉可能な第２のカム機構と、を設け、
前記第２のカム機構は、
前記移送路に装填される前記印字用紙を前記上流側サーマルヘッドおよび前記上流側プラテンローラーにおいて挟持したのちに、前記下流側サーマルヘッドおよび前記下流側プラテンローラーにおいて挟持することを特徴とするプリンターの移送・印字機構開閉方法。
【請求項１０】
前記移送機構は、これを前記移送路において前記印字機構より上流側に配置し、
前記印字機構を開放したのちに、前記移送機構により前記印字用紙を下流側から上流側に逆移送することを特徴とする請求項９記載のプリンターの移送・印字機構開閉方法。
【請求項１１】
前記移送機構は、これを前記移送路において前記印字機構より上流側に配置し、
前記一対の移送ローラーをその開放状態から閉鎖状態にし、
前記上流側サーマルヘッドおよび前記上流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にしたのち、
前記下流側サーマルヘッドおよび前記下流側プラテンローラーをその開放状態から閉鎖状態にすることを特徴とする請求項９記載のプリンターの移送・印字機構開閉方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【公開番号】特開２０１０−２２８３２４（Ｐ２０１０−２２８３２４Ａ）
【公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−７９１１９（Ｐ２００９−７９１１９）
【出願日】平成２１年３月２７日（２００９．３．２７）
【出願人】（３０７０１０９９３）株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】（０００１３０５８１）株式会社サトー (1,153)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１０月１４日（２０１０．１０．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年３月２７日（２００９．３．２７）
【出願人】（３０７０１０９９３）株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】（０００１３０５８１）株式会社サトー (1,153)
【Ｆターム（参考）】
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