説明

プリンタ制御装置

【課題】プロパティ画面上にある設定項目表示を使用者側がカスタマイズすることができるようにする。
【解決手段】プリンタの設定を行う複数の設定項目を表示するプリンタ制御装置であって、前記設定項目の表示を行うか否かの指定を行う表示指定部と、該表示指定部で指定された情報を格納する情報格納部と、該情報格納部に格納された情報に基づいて、前記設定項目の表示制御を行う表示制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ(以下「PC」という。)にインストールされ、PCに接続されるプリンタを作動させるためのソフトウェアとしてのプリンタドライバ(以下「ドライバ」という。)は、多種多様な機能を有している。そして、ドライバの各項目を設定するためのプロパティ画面は、一般的にはドライバが有する全機能をサポート可能な状態で画面が表示される(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−71574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来のプリンタ制御装置においては、プロパティ画面に表示される各項目の設定内容は、製品出荷時の画面レイアウトのままで一義的に決定されている。また、プロパティ画面の内容を選択するための各タブに配置されている各設定項目の表示形態も固定されている。したがって、使い慣れていない使用者にとっては、理解に時間がかかるような場合がある。
【0004】
そこで、ドライバのプロパティ画面を操作しやすいように設定項目の表示形態をカスタマイズすることが考えられるが、使用者が設定項目の表示形態をカスタマイズすることは困難であるので、プリンタのメーカに仕様変更要求を出す必要がある。
【0005】
本発明は、前記従来のプリンタ制御装置の問題点を解決して、プロパティ画面上にある設定項目表示を使用者側がカスタマイズすることができるプリンタ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために、本発明のプリンタ制御装置においては、プリンタの設定を行う複数の設定項目を表示するプリンタ制御装置であって、前記設定項目の表示を行うか否かの指定を行う表示指定部と、該表示指定部で指定された情報を格納する情報格納部と、該情報格納部に格納された情報に基づいて、前記設定項目の表示制御を行う表示制御部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プリンタ制御装置は、プロパティ画面上にある設定項目表示を使用者側がカスタマイズすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ制御装置の機能構成を示すブロック図、図2は本発明の第1の実施の形態における属性DATテーブルの構成を示す図である。
【0010】
図1において、20はプリンタであり、10は図示されないネットワーク等の通信手段を介してプリンタ20に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のコンピュータ、すなわち、PCに登録されたプリンタ制御装置であり、30はPC上で動作するアプリケーションである。なお、前記プリンタ20は、インクジェット式、電子写真式、熱転写式等いかなる種類のプリンタであってもよい。また、前記プリンタ制御装置10は、プリンタ20を作動させるためのソフトウェアとしてのプリンタドライバ、すなわち、ドライバがPCにインストールされ、前記ドライバに従って作動することによって、前記プリンタ20を制御する。なお、図1は、前記プリンタ制御装置10を機能の観点から観た場合の構成を示している。
【0011】
本実施の形態におけるプリンタ制御装置10は、項目を表示するか否かに関する情報テーブルを有し、該情報テーブルに基づいて項目を表示するようになっている。そのため、本実施の形態においては、ドライバのプロパティ画面上にある項目としての設定項目の表示を有効にするか無効にするかを指定することができるようになっている。そして、有効なときには使用者、すなわち、オペレータが通常通り設定値を更新することができる。また、無効なときには設定項目が非表示又はグレーアウト表示になり、設定値の更新が不可能となる。なお、設定値の更新を行うことができない項目については、現在の設定値又は既定設定値が有効になって動作する。
【0012】
そして、前記プリンタ制御装置10は、プログラム部とデータ部とを有し、前記プログラム部は、印刷に関わる設定を使用者の操作によって設定するためのユーザインターフェイス部11、及び、該ユーザインターフェイス部11で設定された内容に従って、ドライバに渡される描画データをプリンタ20で印刷することが可能な印刷データに変換するドライバ印刷部12を備える。
【0013】
また、前記データ部は、プリンタ20のハード情報から起因する各種デフォルト値及び基本情報データを格納しておくファイル、すなわち、プリンタ20の各々について作成されたファイルから成る情報テーブルとしての基本DATテーブル13を備える。さらに、仕向先毎に異なる設定デフォルト値を格納しておくファイルから成る情報テーブルとしての拡張DATテーブル14を備える。なお、同じプリンタ20でも仕向先毎に前記拡張DATテーブル14のファイルが準備される。さらに、後述されるドライバカスタマイズ機能操作によって生成されるファイルであり、ドライバが登録されていないクリーン状態のPCにドライバをインストールした直後は存在しないファイルから成る情報テーブルとしての属性DATテーブル15を備える。該属性DATテーブル15のファイルは、ユーザインターフェイス部11の中にあるカスタマイズ操作を行うことによって自動生成される。
【0014】
そして、前記属性DATテーブル15は、図2に示されるように、各設定項目の表示を有効(許可)にするか無効(拒否)にするかに関する情報が格納されていて、ヘッダ部にはドライバ名称、ドライババージョン、カスタマイズ登録ID、各設定タブのアドレス等が格納されている。なお、カスタマイズ登録IDとは設定可能権限モード情報のことである。また、属性情報には各設定項目に対応する属性情報が格納される。
【0015】
次に、前記構成のプリンタ制御装置10の動作について説明する。
【0016】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第1の図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第2の図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第3の図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第4の図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第5の図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定後の画面を示す第1の図、図9は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定後の画面を示す第2の図、図10は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定後の画面を示す第3の図、図11は本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面をカスタイマイズする動作を示すフローチャート、図12は本発明の第1の実施の形態におけるドライバプロパティ表示処理の動作を示すフローチャートである。
【0017】
まず、ドライバのインストールによって、ユーザインターフェイス部11、ドライバ印刷部12、基本DATテーブル13及び拡張DATテーブル14がオペレーティングシステム(以下「OS」という。)の所定フォルダ内に格納される。
【0018】
次に、ドライバが起動(アプリケーションソフト起動やドライバのプロパティ起動)によってドライバのプロパティ画面が表示される。
【0019】
該プロパティ画面の表示処理においては、属性DATテーブル15がOSの所定フォルダ内に存在するか否かをチェックし、存在する場合は図2に示される前記属性DATテーブル15の各設定項目及び属性情報によって、表示が有効であるか無効であるかを読み取り、その情報に従ってプロパティ画面上の各設定項目表示を行う。
【0020】
そして、設定項目が有効である場合は設定更新可能な表示を行い、無効である場合は設定更新不可能な表示を行う。なお、無効時は、更に設定項目を非表示するか、グレイアウト表示にするかを選択することができ、使用環境に応じて表示内容を変更することができる。
【0021】
また、クリーンな状態のPCに最初にドライバをインストールした場合は、属性DATテーブル15はOSのフォルダ上のどこにも存在しない。前記属性DATテーブル15はオペレータがドライバをカスタマイズする操作を行ったときに自動生成されるファイルである。カスタマイズするためには、図4に示されるように、ユーザインターフェイス部11のデバイスオプションタブ画面の中にある「ユーザインターフェイスのカスタマイズ」ブロックから操作を行う。
【0022】
ここで、具体的に動作を説明すると、まず、OSのコントロールパネルからプリンタ画面を表示させ、プリンタ選択し右クリックで、図3に示されるようなプリンタプロパティ画面を表示する。そして、「デバイスオプション」タブを押し、図4に示されるようなデバイスオプション画面を表示する。この画面は、プリンタ20が有するオプションの初期情報を設定するところであり、この中に本実施の形態におけるカスタマイズ設定機能を設けている。図4に示される画面の中程に「ユーザインターフェイスのカスタマイズ」ブロックがあり、その中には「新規」、「編集」及び「削除」のボタンがある。
【0023】
続いて、「新規」ボタンを押すと、図5に示されるようなカスタマイズ登録画面が表示される。この画面では、各タブ毎の設定ブロック、その下の設定項目がツリー形式で表示され、それぞれに設定項目の表示を有効にするか無効にするかを指定できるチェックボックスがある。この場合の操作は、カーソルを該当チェックボックスヘ移動しクリックするか、又は、キーボド操作でON/OFFを設定する。なお、初期のドライバインストール直後の状態では、すべての設定表示が有効であるため、チェックONされている状態で表示される。チェックONにすると設定を表示し、チェックOFFにすると設定は表示されなくなる。また、カスタマイズ登録ID入力は必須入力項目で、変更や削除を行うときのキーコードになる。
【0024】
続いて、「OK」ボタンを押すと、現在指定されている表示設定で属性DATテーブル15を作成し、図6に示されるようなデバイスオプション画面へ移行する。なお、「キャンセル」ボタンを押すと、処理が中断され図4に示されるようなデバイスオプション画面へ戻る。「標準」ボタンを押すと、ドライバインストール直後のデフォルト状態に表示を戻し、本設定での設定作業は継続可能である。
【0025】
また、登録済みカスタマイズがないとき、すなわち、「新規」ボタンが押されない場合は、「編集」ボタン及び「削除」ボタンはグレイアウト表示になり、操作をすることができない。登録済みカスタマイズが存在すれば、これらボタンは、図6に示されるように、通常表示(グレイアウトではない表示)され、操作が可能となる。「編集」ボタンを押すと、図7に示されるように、現在登録されているカスタマイズの登録ID確認画面ヘ移行する。該登録ID確認画面では、登録済みのカスタマイズ登録IDの入力を促し、該登録IDが一致すれば、図5に示されるようなカスタマイズ登録画面へ移行し編集が可能になる。また、一致しなければ、編集をすることができないため、登録ID確認画面を閉じ、図6に示されるようなデバイスオプション画面へ戻る。
【0026】
なお、登録IDの誤入力は3回までとし、それ以上になると、登録ID確認画面を閉じ、図6に示されるようなデバイスオプション画面へ戻る。また、同じく、図6に示されるようなデバイスオプション画面で「削除」ボタンを押すと、図7に示されるような現在登録されているカスタマイズの登録ID確認画面ヘ移行する。該登録ID確認画面では、登録済みのカスタマイズ登録IDの入力を促し、一致すれば、削除してよいかのダイアログ画面を再度表示させ、「OK」ボタンが押されると、属性DATテーブル15は消去され、図4に示されるようなデバイスオプション画面へ戻る。
【0027】
このように、本実施の形態においては、「新規」ボタン押下のとき、編集を行ない、編集終了で属性DATテーブル15が作成される。そして、「編集」ボタン押下のとき、登録IDのチェックが行なわれる。なお、「削除」ボタン押下のときも、登録IDのチェックが行なわれる。そして、一致すれば属性DATテーブル15を削除して、デバイスオプション画面へ戻る。
【0028】
そして、一度、属性DATテーブル15がOSの所定フォルダに生成されると、このファイルはドライバがアンインストールされても削除されない。そのため、ドライバを再インストールしたときは、前述されたプロパティ画面は表示処理によって、属性DATテーブル15が有効になり、カスタマイズされたドライバプロパティ表示となる。
【0029】
なお、前記属性DATテーブル15を削除する場合、図6に示されるような画面の「削除」ボタンを押し、現在登録されているカスタマイズ登録IDを確認画面で一致させ、前記属性DATテーブル15を消去する。
【0030】
また、設定後には、カスタマイズ登録があるか、すなわち、属性DATテーブル15がOSの所定のフォルダ内にあるかを確認して、登録されていれば、前記属性DATテーブル15に従って表示を変える。この場合、本実施の形態におけるドライバでは、「設定」タブ、「印刷オプション」タブ、「カラー」タブを持っているが、具体的な表示例として、図8〜10に示されるような「印刷オプション」タブ画面にて、カスタマイズ登録する前後を表示例として示す。図8に示される画面は、カスタマイズ登録が実施していない画面であり、すべての設定項目が表示されている。また、図9に示される画面は、カスタマイズ設定後の表示例で、印刷品位、フィニッシャ、ウォータマーク、オーバーレイをグレイアウトON指定にした場合の画面である。さらに、図10に示される画面も、カスタマイズ設定後の表示例で、印刷品位、フィニッシャ、ウォータマーク、オーバーレイをグレイアウトOFF指定にした場合の画面である。
【0031】
次に、フローチャートについて説明する。まず、ドライバの設定を行うための画面をカスタイマイズする動作を示すフローチャートについて説明する。
ステップS1 プリンタプロパティ画面を表示し、デバイスオプション画面を表示する。
ステップS2 「新規」ボタンを押すか否かを判断する。「新規」ボタンを押す場合はステップS3に進み、「新規」ボタンを押さない場合はステップS11に進む。
ステップS3 カスタマイズ画面登録が表示される。
ステップS4 カスタマイズ登録画面では設定項目が表示され、その表示を有効又は無効にするかを指定できるチェックボックスの設定をする。
ステップS5 設定項目を表示させないときの表示方法を設定する。
ステップS6 カスタマイズ登録IDを入力する。
ステップS7 入力を終了するか否かを判断する。入力を終了する場合はステップS8に進み、入力を終了しない場合はステップS3に戻る。
ステップS8 OKボタンを押して、入力を終了する。
ステップS9 現在指定されている表示設定で属性DATテーブル15が作成される。
ステップS10 デバイスオプション画面に移行し、処理を終了する。
ステップS11 「編集」ボタンを押すか否かを判断する。「編集」ボタンを押す場合はステップS12に進み、「編集」ボタンを押さない場合はステップS15に進む。
ステップS12 現在登録されているカスタマイズの登録ID確認画面が表示される。
ステップS13 登録IDを入力する。
ステップS14 既存登録IDと一致しているか否かを判断する。既存登録IDと一致していない場合はステップS10に進み、一致している場合はステップS3に戻る。
ステップS15 現在登録されているカスタマイズの登録ID確認画面が表示される。
ステップS16 登録IDを入力する。
ステップS17 既存登録IDと一致しているか否かを判断する。既存登録IDと一致していない場合はステップS10に進み、一致している場合はステップS18に進む。
ステップS18 属性DATテーブル15は削除され、デバイスオプション画面へ移行し、処理を終了する。
【0032】
次に、ドライバプロパティ表示処理の動作を示すフローチャートについて説明する。
ステップS21 属性DATテーブル15が存在するか否かを判断する。属性DATテーブル15が存在する場合はステップS22に進み、属性DATテーブル15が存在しない場合はステップS23に進む。
ステップS22 当該設定項目及び属性情報によって設定項目を表示する。なお、有効時は設定更新可能な表示を、無効時は設定更新不可能な表示を行う。
ステップS23 ドライバで有しているデフォルトの設定項目及びデフォルト値で表示する。
【0033】
このように、本実施の形態においては、ドライバの各設定項目を使用者側でカスタマイズすることができる。したがって、不必要な設定表示を無効にすることによって、誤設定による印刷の失敗を防止することができる。例えば、システム管理者等が使用環境に合わせたカスタマイズ設定を初めに行い、初心者等にドライバを提供することによって誤操作によるトラブルを未然に防止することができる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0035】
図13は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施の形態におけるプリンタ制御装置10は、第1の設定データ又は第2の設定データに応じて設定を行い、ドライバがアンインストールされた場合に第2の設定データを削除しないようになっている。そのため、本実施の形態においては、前記第1の実施の形態におけるドライバに、更に、各設定のデフォルト値を変更する機能を設け、ドライバを再インストールしてもドライバを消去する前の状態に各種設定を戻すことができる機能を設け、デフォルトのカスタマイズ可能なドライバを提供する。そして、図13に示されるように、ドライバの基本デフォルト(製品出荷時のデフォルトと同義)情報は、基本DATテーブル13及び拡張DATテーブル14に入っている。これらのファイルは、ドライバインストールによってOSの所定フォルダ内に格納され、最初にドライバを起動したときのデフォルト値となる。
【0037】
本実施の形態におけるプリンタ制御装置10には、新たに、情報テーブルとしてのデフォルトテーブル16が追加されている。該デフォルトテーブル16のファイルは、後述されるように、ドライバインストール後、好みに応じて各種設定を変更した現在の設定値をドライバのデフォルトとして登録することによって自動生成されるファイルであり、クリーン状態のPCにドライバをインストールした直後は存在しないファイルである。また、前記デフォルトテーブル16のファイルは、ユーザインターフェイス部11の中にある、後述されるようなデバイスオプション画面の「デフォルトの登録」ブロックの「登録」ボタン操作によって自動生成されるファイルである。さらに、前記デフォルトテーブル16のファイルは、拡張DATテーブル14と同じフォーマットで構成されるファイルである。なお、前記拡張DATテーブル14もデフォルトテーブル16もテキスト形式のファイルである。
【0038】
次に、本実施の形態におけるプリンタ制御装置10の動作について説明する。
【0039】
図14は本発明の第2の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す図、図15は本発明の第2の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面をカスタイマイズする動作を示すフローチャート、図16は本発明の第2の実施の形態におけるドライバインストール後の起動処理の動作を示すフローチャートである。
【0040】
ドライバがインストール直後に起動される起動処理においては、以後においてドライバが正しく動作するために必要なドライバ初期値を設定する役割がある。前記起動処理の中には、デフォルト情報を読み取りキャッシュファイル(バイナリ形式)に変換する処理があり、元となるデフォルト情報をどこから持ってくるかの処理もある。そして、OSで定められている所定のフォルダ内に、デフォルトテーブル16が既に存在する場合は、デフォルトをカスタマイズしていると判断して、前記デフォルトテーブル16よりデフォルト値を読み取り、キャッシュファイルを生成する。一方、OSで定められている所定のフォルダ内に、デフォルトテーブル16が存在しない場合は、従来処理の拡張DATテーブル14からデフォルト値を読み取り、キャッシュファイルを生成する。
【0041】
なお、該キャッシュファイルに変換する理由は、前記デフォルトテーブル16も拡張DATテーブル14もテキスト形式ファイルであるため、このままドライバから情報を参照するとテキスト検索が発生して処理速度が上がらないので、これをバイナリ形式のキャッシュファイルに変換することによって決められたアドレスから必要な情報を容易に早く得られるようにするためである。
【0042】
続いて、図14に示されるようなデバイスオプション画面の「デフォルトの登録」操作を説明する。現在ドライバで設定されている内容をデフォルトとして登録する場合、「登録」ボタンを押すことにより、デフォルトテーブル16が自動生成される。また、同時にキャッシュファイルへ変換される。ここで、前記デフォルトテーブル16及び該デフォルトテーブル16のキャッシュファイルは、OSの所定位置に格納されている。また、キャッシュファイルの名前は新旧同一名であるため、既存の旧キャッシュファイルに新キャシュファイルが上書きされる。これにより、新デフォルトは新キャッシュファイルを書き込むことによって実現できる。
【0043】
また、「削除」ボタンを押すことによって、デフォルトテーブル16はOSで定められている所定のフォルダから削除される。また、拡張DATテーブル14よりデフォルト値を読み取りキャッシュファイルを生成し、OSで定められている所定のフォルダにある旧キャッシュファイルに上書きし、ドライバをインストールした直後と同じ状態にデフォルトを戻す。
【0044】
一度、デフォルトテーブル16がOSの所定フォルダに生成されると、図14に示されるようなデバイスオプション画面の「デフォルトの登録」ブロックで「削除」ボタンを選択しない限り、このファイルはOSで定められている所定のフォルダに残る。たとえドライバをアンインストールしても削除されることはない。デフォルトテーブル16はドライバが自動的に生成するファイルであり、OSがドライバをアンインストールする際の削除ファイルリストには含まれていないため削除されずに残る。この微小サイズのファイル(多くても1〔KB〕以下)が残ることになるが、OSにおいて支障を来たすことはない。それよりも、デフォルトテーブル16が残ることによって、ドライバを再インストールしても、出荷設定のデフォルトではなく、以前使用していたデフォルトを継承することができるという効果を得ることができる。
【0045】
次に、フローチャートについて説明する。まず、ドライバの設定を行うための画面をカスタイマイズする動作を示すフローチャートについて説明する。
ステップS31 プリンタのデバイスオプション画面を表示する。
ステップS32 「登録」ボタンを押下するか否かを判断する。「登録」ボタンを押下する場合はステップS33に進み、「削除」ボタンを押下する場合はステップS38に進む。
ステップS33 登録実行確認画面でYesを選択するか否かを判断する。Yesを選択する場合はステップS34に進み、Yesを選択しない場合はステップS31に戻る。
ステップS34 現在の設定値を読み取りデフォルトテーブル16を作成する。
ステップS35 デフォルトテーブル16よりデフォルト値を読み取り、キャッシュファイルを作成する。
ステップS36 デフォルトテーブル16及びキャッシュファイルをOSの所定位置に格納し、キャッシュファイルの名前は、既存の旧キャッシュファイルに新キャッシュファイルが上書きされる。
ステップS37 プリンタのデバイスオプション画面を表示し、終了させる。
ステップS38 削除実行確認画面でYesか否かを判断する。Yesを選択する場合はステップS39に進み、Yesを選択しない場合はステップS31に戻る。
ステップS39 デフォルトテーブル16はOSで定められている所定のフォルダから削除される。
ステップS40 拡張DATテーブル14からデフォルト値を読み取り、キャッシュファイルを作成する。
ステップS41 キャッシュファイルの名前は、既存の旧キャッシュファイルに新キャッシュファイルが上書きされる。ドライバをインストールした直後と同じ状態にデフォルトを戻す。
【0046】
次に、ドライバインストール後の起動処理の動作を示すフローチャートについて説明する。
ステップS51 デフォルトテーブル16が存在するか否かを判断する。デフォルトテーブル16が存在する場合はステップS52に進み、デフォルトテーブル16が存在しない場合はステップS53に進む。
ステップS52 デフォルト情報の取得先をデフォルトテーブル16とする(情報取得の初期設定)。
ステップS53 デフォルト情報の取得先を拡張DATテーブル14とする(情報取得の初期設定)。
ステップS54 デフォルト情報を作業用ファイルに格納する(作業用ファイル=キャッシュファイル)。
【0047】
このように、本実施の形態においては、ドライバを再インストールすると各種設定が製品出荷状態のデフォルトに戻り、使用者側が再度設定を変更しなければならない不便さがあったが、カスタマイズしたデフォルト情報を保存することによって、ドライバを再インストールしても以前の設定値を継承することができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
【0049】
図17は本発明の第3の実施の形態におけるプリンタ制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【0050】
図17に示されるように、本実施の形態においては、LAN(Local Area Network)としてのネットワーク26に、第1の端末装置40がクライアントPCとして接続されている。なお、プリンタ制御装置10は前記第1の端末装置40に登録されている。また、前記ネットワーク26には、他のクライアントPCとして、第2の端末装置40aが接続されている。なお、21及び23は第1の端末装置40のプリンタドライバ及びカスタマイズファイルであり、21a及び23aは第2の端末装置40aのプリンタドライバ及びカスタマイズファイルである。
【0051】
そして、本実施の形態においては、ダウンロードAPL22が追加されている。該ダウンロードAPL22は、EXE形式のアプリケーションソフトであり、プリンタドライバファイル構成リストのメンバの一つであり、前記プリンタドライバ21がインストールされると同時に、前記ダウンロードAPL22もOSの所定フォルダ内に格納される。
【0052】
次に、本実施の形態におけるプリンタ制御装置10の動作について説明する。
【0053】
図18は本発明の第3の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第1の図、図19は本発明の第3の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第2の図、図20は本発明の第3の実施の形態におけるダウンロードAPLによる動作を示すフローチャートである。
【0054】
この場合、ダウンロードAPL22は、他のクライアントPCとしての第2の端末装置40aにインストールされているカスタマイズ情報をネットワーク26経由で自機、すなわち、第1の端末装置40に取り込むためのアプリケーションソフトである。図17には、第2のクライアントPCとしての第2の端末装置40aのカスタマイズ情報を第1の端末装置40にダウンロード(コピー)する関係が示されている。ここで、前記カスタマイズ情報とは属性DATテーブル15及びデフォルトテーブル16を指す。
【0055】
まず、図18に示されるようなプリンタドライバ21のデバイスオプション画面の「ユーザインターフェイスのカスタマイズ」ブロックにある「ダウンロード」ボタンを押すと、図19に示されるような検索コンピュータ指定画面が表示される。この画面では検索するPCの名前又はIPアドレスを指定する。また、検索するPCが見つかり、OSの所定の位置にカスタマイズ情報が見つかった場合、検索元のPCへコピーするときに確認メッセージを表示するか否かを指定することもできる。
【0056】
そして、「実行」ボタンを選択することによって、ダウンロードAPL22が起動される。該ダウンロードAPL22が起動することによって、ネットワーク26上の他のクライアントPCの中から指定された第2の端末装置40aを検索する。検索できた場合、ドライバモデル名やOSの種類を確認してダウンロード条件に合致していれば、第2の端末装置40aの所定のOSフォルダとしてのカスタマイズフォルダ23aの中から、カスタマイズ情報を取得し、それを第1の端末装置40の所定の前記OSフォルダとしてのカスタマイズフォルダ23の中にダウンロード(コピー)する。そして、正常にダウンロード(コピー)が終了すれば、終了メッセージをポップアップ画面で表示し使用者に終了を通知する。一方、処理ルートで異常が発生しカスタマイズ情報を得られなかった場合は異常メッセージを表示し、使用者の確認を促す。使用者によって確認されると、自らダウンロードAPL22をメモリからアンロードして終了する。
【0057】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS61 指定クライアントを検索する。
ステップS62 クライアントを検索することができたか否かを判断する。クライアントを検索することができた場合はステップS63に進み、クライアントを検索することができなかった場合はステップS68に進む。
ステップS63 プリンタモデル名が一致するか否かを判断する。プリンタモデル名が一致する場合はステップS64に進み、プリンタモデル名が一致しない場合はステップS68に進む。
ステップS64 OS種別が一致するか否かを判断する。OS種別が一致する場合はステップS65に進み、OS種別が一致しない場合はステップS68に進む。
ステップS65 指定クライアントの所定のOSフォルダからカスタマイズファイルを取得する。
ステップS66 自クライアントの所定のOSフォルダに取得したカスタマイズファイルをコピーする。
ステップS67 正常終了メッセージを表示する。
ステップS68 異常終了メッセージを表示する。
ステップS69 確認キーが押下されるのを待機し、確認キーが押下された場合はステップS70に進む。
ステップS70 メッセージを消去し、ダウンロードAPL22をアンロードし、処理を終了する。
【0058】
このように、本実施の形態においては、ネットワーク26上に複数のクライアントPCが存在し、ドライバの設定を統一したいときは、他のクライアントPCからカスタマイズ情報をコピーすることができるので容易に実現することができる。
【0059】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタ制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における属性DATテーブルの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第1の図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第2の図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第3の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第4の図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第5の図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定後の画面を示す第1の図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定後の画面を示す第2の図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定後の画面を示す第3の図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面をカスタイマイズする動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第1の実施の形態におけるドライバプロパティ表示処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタ制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面をカスタイマイズする動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態におけるドライバインストール後の起動処理の動作を示すフローチャートである。
【図17】本発明の第3の実施の形態におけるプリンタ制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第1の図である。
【図19】本発明の第3の実施の形態におけるドライバの設定を行うための画面を示す第2の図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態におけるダウンロードAPLによる動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0061】
10 プリンタ制御装置
13 基本DATテーブル
14 拡張DATテーブル
15 属性DATテーブル
16 デフォルトテーブル
26 ネットワーク
40 第1の端末装置
40a 第2の端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタの設定を行う複数の設定項目を表示するプリンタ制御装置であって、
前記設定項目の表示を行うか否かの指定を行う表示指定部と、
該表示指定部で指定された情報を格納する情報格納部と、
該情報格納部に格納された情報に基づいて、前記設定項目の表示制御を行う表示制御部とを有することを特徴とするプリンタ制御装置。
【請求項2】
前記情報テーブルは変更可能である請求項1に記載のプリンタ制御装置。
【請求項3】
前記情報テーブルには、表示する又は表示しないに関する設定データ及びグレイアウト表示の設定データが含まれている請求項1に記載のプリンタ制御装置。
【請求項4】
プリンタの設定を行う複数の設定項目を表示し、第1の設定データ又は第2の設定データに応じて設定を行うプリンタ制御装置であって、
前記設定項目の表示を行うか否かの指定を行う表示指定部と、
該表示指定部で指定された情報を格納する情報格納部と、
該情報格納部に格納された情報に基づいて、前記設定項目の表示制御を行う表示制御部とを有し、
ドライバがアンインストールされた場合、前記第2の設定データは削除しないことを特徴とするプリンタ制御装置。
【請求項5】
前記第2の設定データは、前記ドライバのインストール後に生成される設定データである請求項4に記載のプリンタ制御装置。
【請求項6】
プリンタの設定を行う複数の設定項目を表示し、第2の端末装置が接続されたネットワークに接続された第1の端末装置に登録されたプリンタ制御装置であって、
前記設定項目の表示を行うか否かの指定を行う表示指定部と、
該表示指定部で指定された情報を格納する情報格納部と、
該情報格納部に格納された情報に基づいて、前記設定項目の表示制御を行う表示制御部とを有し、
前記第1の端末装置が前記第2の端末装置の設定データを取得して自機の設定データとすることを特徴とするプリンタ制御装置。
【請求項7】
前記プリンタ制御装置は第2の端末装置内を検索する請求項6に記載のプリンタ制御装置。
【請求項8】
前記プリンタ制御装置は前記第2の端末装置に送信の要求を行う請求項6に記載のプリンタ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−236170(P2006−236170A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52282(P2005−52282)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】