説明

プリンタ制御装置

【課題】原稿画像データや画像データが存在しない仮想的な原稿の印刷対象画像に編集操作を行いたい領域を任意且つ正確に指定し、指定した領域に対してインクや現像剤等の消費量を制御、削減して画像形成コストを抑え、画像形成速度の向上を図る編集操作を行った画像データを生成し、プリンタに出力することができるプリンタ制御装置を提供する。
【解決手段】プレビュー表示手段105にプレビュー表示された印刷対象画像をプリンタに出力する画像データ出力手段108cを備えたプリンタ制御装置に、プレビュー画像に対して領域指定する領域指定手段104と、前記指定領域に対して所定の編集操作を行う編集操作手段108bと、前記編集操作に応じて印刷対象画像を編集する画像編集手段108aとを備え、前記画像データ出力手段108cが前記編集された画像データを出力するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷対象画像をプレビュー表示するプレビュー表示手段と、印刷対象画像をプリンタに出力する画像データ出力手段を備えたプリンタ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、個人はもちろん公人、著名人、研究者、企業広報担当等、様々な人々がこれを使用して情報収集や情報掲載を行っている。ネット上に掲載される情報の多様性、速報性や更新頻度は書籍や雑誌に較べて抜きん出ており、情報収集や情報掲載に係る敷居の低さや優れた経済性など、従来のマス媒体にはない特徴を備えている。
【0003】
ネット上の情報はホームページに掲載されることが多く、多くのホームページには、閲覧者のクリックを促し、リンクされたページを呼び出すことを目的とするバナーが配されている。多くのバナーは、閲覧者の目を引くため、カラー画像等で構成され、動画により構成されるものもある。
【0004】
また、ホームページには多くの情報を掲載することが可能であり、有彩色による挿絵、写真、動画も数多く配され、魅力的に構成されていることが多い。また、文字情報にもふんだんに黒色以外の色が使用されることが多い。
【0005】
ところで、ホームページとは、ネット上のサーバ等から取得した、HTML(Hyper Text Markup Language)等により記述された文字情報やレイアウト情報からなるファイルや画像ファイルや音声ファイル等をホームページ閲覧用のアプリケーション(以下、「ブラウザ」と言う。)が解析して前記レイアウト情報に基づき表示再生するものである。ブラウザには、1つのウィンドウを複数の領域に区分し(この領域は「フレーム」と呼ばれる)、夫々のフレーム内に異なるホームページを表示するフレーム機能を搭載するものがある。
【0006】
ホームページを印刷するとき、ブラウザはプリンタドライバを介してプリンタに印刷を実行させる。詳述すると、ユーザからの印刷命令を受けたブラウザは、表示再生したホームページの表示データをプリンタドライバに送信し、前記プリンタドライバは前記表示データをプリンタが解析可能な印刷データに変換してからプリンタに送信し、前記プリンタは前記印刷データに基づき印刷を実行する。フレーム機能を搭載した多くのブラウザでは、フレーム内に表示されたホームページを上述と同様の方法でフレーム毎に印刷することができる。
【0007】
ホームページには、ユーザが求める目的の情報以外に、不要なバナーや不要な文章、不要な画像などの不要な情報が表示されていることが多く、そのままホームページの印刷を行うと、印刷に必要な記録媒体やインクや現像剤等の消費部材を無駄に消費し、印刷に要する時間が長くなる。また、前記不要な情報が有彩色情報からなる場合、一般的に黒色より高価な有彩色のインクや現像剤を無駄に消費し、更に無彩色での印刷に較べて処理する出力画像データ量が多くなるため印刷に要する時間も長くなる。
【0008】
印刷に必要な消費部材の消費量を低減し、または印刷に要する時間を短縮するには、ホームページから目的の情報のみを印刷する、または有彩色情報を無彩色に変換して印刷すればよいが、前記目的の情報を含むホームページがフレーム機能に対応していないときや、ブラウザがフレーム単位での印刷に対応していないときや、前記目的の情報を含むフレーム内に不要なバナーや不要な文章や不要な画像があるとき等には、前記目的の情報のみを印刷することはできず、フレーム機能に対応したホームページであっても有彩色情報は有彩色で印刷されてしまう。
【0009】
目的の情報を含むホームページをコピーし、画像処理ソフトやワープロソフト等の他のアプリケーションに貼り付けて編集した後に印刷を行うことで前記目的の情報のみを印刷し、または有彩色情報を無彩色に変換して印刷することは可能であるが煩雑な作業が必要である。
【0010】
特許文献1では、不要なカラー出力を制限することで、出力画像データ量を低減して画像形成速度を向上し、カラーインク等の無駄な消費を防止して画像形成コストを低減することを目的として、原稿画像を読み取った読取画像データやネットワークを介して取得した画像データからロゴや背景マークなどのカラー出力が不要な画像領域を指定し、指定領域画像の有彩色の画素を無彩色に変換する画像処理装置が提案されている。
【0011】
【特許文献1】特開2005−86771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、特許文献1に記載した画像処理装置では、スキャナ等の画像読取手段で読み取った原稿画像データやネットワークを介して送信された画像データを対象として処理するものであり、例えば、モニタ等の表示手段に表示された仮想的な原稿を直接処理することができず、プリンタ等により前記仮想的な原稿を実在の原稿として出力した後、画像読取手段により変換して原稿画像データを生成する等の煩雑な作業を経た後でなければ処理を行うことができない。また、プリンタからの出力に際して消費部材を既に消費しており、消費部材の消費量を逆に増加させることになる。モニタに表示された画像イメージを画像ファイルとして保存するOSのスクリーンキャプチャ機能により、前記仮想的な原稿から画像データを生成することも可能であるが、前記仮想的な原稿がモニタに表示しきれないときには何度もスクリーンキャプチャを行い、画像編集用のアプリケーションを用いて生成した複数の画像データの繋ぎ合わせを行う等の煩雑な作業を経た後でなければ処理を行うことができない。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題に鑑み、原稿画像データや画像データが存在しない仮想的な原稿の印刷対象画像に編集操作を行いたい領域を任意且つ正確に指定し、指定した領域に対してインクや現像剤等の消費量を制御、削減して画像形成コストを抑え、画像形成速度の向上を図る編集操作を行った画像データを生成し、プリンタに出力することができるプリンタ制御装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の目的を達成するため、本発明によるプリンタ制御装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、印刷対象画像をプレビュー表示するプレビュー表示手段と、印刷対象画像をプリンタに出力する画像データ出力手段を備えたプリンタ制御装置であって、前記プレビュー表示手段により表示されたプレビュー画像に対して領域指定する領域指定手段と、指定された領域に対して所定の編集操作を行う編集操作手段と、前記編集操作手段による編集操作に応じて印刷対象画像を編集する画像編集手段とを備え、前記画像データ出力手段は前記画像編集手段により編集された画像データを出力する点にある。
【0015】
上述の構成によれば、領域指定手段により印刷対象画像のプレビュー画像に対して任意且つ正確な領域の指定が可能であり、画像編集手段により前記指定された領域が編集された印刷対象画像の画像データは、プレビュー表示手段によりプレビュー画像として表示されると共に、画像データ出力手段によりプリンタに出力されるため、プリンタに出力される画像データを確認しながら編集操作を行うことができる。
【0016】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記編集操作手段は、指定された領域の画像を削除する削除操作手段を備えている点にある。
【0017】
上述の構成によれば、削除操作手段により印刷時に不要な画像データが削除された画像データが、画像データ出力手段によりプリンタに出力されるため、出力される画像データのデータ量が低減されて画像形成速度が向上し、削除された画像データ分のインクや現像剤等の消費量が削減されて画像形成コストが低減する。
【0018】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二または第三特徴構成に加えて、前記編集操作手段は、指定された領域の画像をモノクローム画像に変換するモノクローム画像変換操作手段を備えている点にある。
【0019】
モノクローム画像のデータ量は、様々な色から構成される画像のデータ量よりも少ない。
【0020】
上述の構成によれば、印刷対象画像が様々な色から構成されるとき、モノクローム画像変換操作手段により指定された領域の画像がモノクローム画像に変換された画像データがプリンタに出力されるため、印刷に様々な色を使用するときに較べ、プリンタに出力される画像データのデータ量を削減できる。また、様々な色を用いて印刷すると高価なカラーのインクや現像剤等が消費されるが、前記モノクローム画像変換操作手段が変換するモノクローム画像のモノクローム色を安価なインクや現像剤等の色に設定することで画像形成コストを低減することができ、異なる色の複数のインクや現像剤等が一体型のユニットとして提供されるプリンタで画像形成を行う場合、残量の多いインクや現像剤等の色を前記モノクローム色に設定することで前記ユニットの交換時期を遅らせることができるため、画像形成コストを低減することができる。
【0021】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一または第三特徴構成に加えて、前記編集操作手段は、指定された領域の画像を二値のモノクローム画像に変換する二値モノクローム画像変換操作手段を備えている点にある。
【0022】
二値化画像とは中間色を排除した画像であり、閾値を設定し、元画像を構成する画素の輝度が前記閾値より高ければ前記画素を彩色せず、低ければ前記画素を彩色することにより構成される画像である。逆に、元画像を構成する画素の輝度が前記閾値より高ければ前記画素を彩色し、低ければ前記画素を彩色しないように画像を構成してもよい。
【0023】
上述の構成によれば、輝度が高いときに彩色しないように二値化画像を生成するとき、二値モノクローム画像変換操作手段により、指定された領域の画像を二値のモノクローム画像に変換する際の閾値を輝度の低い側に設定することでより出力画像データ量を削減することができる。また、二値モノクローム画像の色に残量の多い又は安価なインクや現像剤等の色を設定することで画像形成コストを低減することができる。つまり、異なる色の複数のインクや現像剤等が一体型のユニットとして提供されるプリンタで画像形成を行う場合、残量の多い色を特定色に指定することで、ユニットの交換時期を遅らせることができ、消費量に偏りがないときには、他色に比べ安価な黒色に設定することで、画像形成コストの低減に貢献することができる。
【0024】
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記編集操作手段は、指定された領域の画像の解像度を低下させる解像度変換操作手段を備えている点にある。
【0025】
上述の構成によれば、解像度変換操作手段により前記指定領域内画像の解像度を下げられることでプリンタに出力される画像データの量を低減させることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明した通り、本発明によれば、原稿画像データや画像データが存在しない仮想的な原稿の印刷対象画像に編集操作を行いたい領域を任意且つ正確に指定し、指定した領域に対してインクや現像剤等の消費量を制御、削減して画像形成コストを抑え、画像形成速度の向上を図る編集操作を行った画像データを生成し、プリンタに出力することができるプリンタ制御装置を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、パーソナルコンピュータに搭載した本発明によるプリンタ制御装置の実施の形態について説明する。
【0028】
本発明によるプリンタ制御装置を搭載したパーソナルコンピュータ(以下「PC」と記載する)1は、図2に示すように、PC1の本体10と、表示装置であるモニタ11と、入力装置12であるマウス120とキーボード121により構成され、ローカルなプリンタ2と接続されている。
【0029】
前記本体10では、図3に示すように、OS(Operating System)や様々なアプリケーションを実行するCPU100と、本体10が備えるハードウェア資源を管理、制御し、基本プログラムであるOSとハードウェア資源との間の橋渡しを行うBIOS(Basic Input Output System)を記憶するROM101と、前記CPU10の作業領域となるRAM102と、OS及びアプリケーション並びに様々なデータファイルが記憶され、または書き込まれ若しくは読み出されるハードディスクドライブ(以下「HDD」と記載)103と、OSと前記モニタ11との間で送受信される信号の橋渡し制御を行うモニタコントローラ105と、前記入力装置12から入力される信号をOSへ送信するマウスキーボードコントローラ106と、OSとプリンタ2等の外部機器との間で送受信される信号の橋渡し制御を行うI/Fコントローラ107等を備え、夫々はバス108を介して接続されている。
【0030】
前記モニタコントローラ105は、アプリケーションからOSを介して出力された描画コマンドを解析して、内部に備えたVRAM105aにモニタに表示する画像の描画データを展開し、展開した描画データに基づき前記モニタ11に画像を表示するように構成されている。
【0031】
前記マウスキーボードコントローラ106は、バッファ106aを備え、前記マウス120や前記キーボード121等の入力装置12からの入力信号を受信して前記バッファ106aに一時保管し、タイミングを計ってOSへ出力するように構成されている。
【0032】
前記I/Fコントローラ107は、アプリケーションからOSを介してから出力された描画コマンドを解析して、ラスタライズされたビットマップデータを生成し、生成したビットマップデータを前記プリンタ2に出力するように構成されている。
【0033】
前記本体10に電源が投入されると、前記CPU100により前記ROM101からBIOSが読み出され、BIOSに設定された起動ドライブからOSが読み出されてOSが起動し、ユーザはアプリケーションを起動することが可能となる。
【0034】
OS起動後、ユーザがアプリケーションの起動を指令すると、OSは前記HDD103から当該アプリケーションを読み出し、起動する。つまり、前記PC1上で動作するアプリケーションはOSにより管理、制御される。
【0035】
ところで、前記PC1で動作するOSはウィンドウシステム機能を搭載し、前記PC1でアプリケーション実行されたアプリケーションは、OSにより前記モニタ11にウィンドウとして表示されるように構成されている。
【0036】
詳述すると、アプリケーションが実行されると、OSは、当該アプリケーションの仮想的な画像に基づき、前記モニタコントローラ105に対して前記モニタ11への描画コマンドを出力し、前記モニタ11には当該アプリケーションのウィンドウが表示される。
【0037】
当該アプリケーションは、前記入力装置12から入力される、ウィンドウの移動や消去、または印刷などの指令を、OSを介して受け取り、前記指令の実行結果を、前記モニタ11に表示し、更に印刷が必要な場合はプリンタに出力するように構成されている。
【0038】
以下に、アプリケーションの実行結果の印刷について説明する。
【0039】
起動したアプリケーションでユーザが印刷を指令すると、前記指令により当該アプリケーションの仮想的な印刷対象画像に基づいて、OSは描画コマンドを前記モニタコントローラ105に出力し、前記モニタコントローラ105は前記VRAM105aに前記描画コマンドを解析して印刷対象画像表示データを展開し、前記モニタ11の印刷画像用ウィンドウ内にプレビュー画像として表示する。即ち、前記モニタコントローラ105は、本発明によるプレビュー表示手段である。また、OSは前記印刷対象画像に基づいて出力した描画コマンドを前記RAM102に格納する。つまり、前記RAM102には前記描画コマンドからなる印刷対象画像が格納される。
【0040】
前記印刷画像用ウィンドウ3は、図4に示すように、プレビュー画像表示部30と編集操作部31からなり、前記プレビュー画像表示部3には、プレビュー画像300が表示され、前記編集操作部31には、複数のボタンが配されている。前記ボタンは、「指定領域設定」ボタン310、「指定領域解除」ボタン311、「指定領域編集」ボタン312、「印刷」ボタン313、「キャンセル」ボタン314からなり、ユーザは、前記「指定領域選択」ボタン310を押圧することでプレビュー画像に画像編集を行う指定領域を設定することができ、前記「指定領域解除」ボタン311を押圧することで設定した指定領域を解除することができ、前記「指定領域編集」ボタン312を押圧することで指定領域の画像編集を行うことができ、前記「印刷」ボタン313を押圧することで前記印刷画像用ウィンドウ3に表示された状態のプレビュー画像に対応する印刷対象画像を印刷することができ、前記「キャンセル」ボタン314を押圧することで前記印刷画像用ウィンドウ3を閉じ、印刷対象画像の印刷を中止することができる。
【0041】
ユーザは、前記「指定領域設定」ボタン310を押圧し、図4に示すように、前記印刷画像用ウィンドウ3内のプレビュー画像300に対し、指定したい領域301の始点301aとする任意の箇所にマウスカーソルを合わせてクリックし、指定したい領域301の終点301bとする任意の箇所までドラッグすることで、前記プレビュー画像300内に指定領域を設定することができる。
【0042】
詳述すると、図1に示すように、前記マウスキーボードコントローラ104は前記マウス120からの前記始点301aと前記終点301bの信号を受信してOSを介して前記I/Fコントローラ108に出力し、前記I/Fコントローラ108は前記信号に基づきOSを介して、指定領域の外枠を描画する描画コマンドを前記モニタコントローラ105に出力し、前記モニタコントローラ105は前記描画コマンドを解析して前記VRAM105aに点線からなる指定領域の外枠を前記印刷対象画像表示データに付加して展開し、前記モニタ11の印刷画像用ウィンドウ30内に指定領域を設定したプレビュー画像300として再表示する。つまり、前記プレビュー画像300内に前記始点301aと前記終点301bを対角に持つ指定範囲301を設定することができる。即ち、前記マウスキーボードコントローラ104は、本発明による領域指定手段である。また、前記I/Fコントローラ108はOSを介して、前記指定領域の外枠に基づいて出力した描画コマンドを前記RAM102に格納する。つまり、前記RAM102には指定領域情報が付加された印刷対象画像が格納される。
【0043】
ユーザは、図5に示すように、前記指定範囲301を1つのプレビュー画像300内に複数設定することができ、前記指定範囲301の夫々は前記プレビュー画像300内に点線で囲まれて表示される。指定領域の内、指定を解除したい領域があるときには、ユーザは、指定したい領域をクリックして選択した後、前記「指定領域解除」ボタン311を押圧することで、当該領域を指定領域から解除することができる。
【0044】
詳述すると、図1に示すように、前記マウスキーボードコントローラ104は前記マウス120から指定を解除したい領域の座標の信号を受信してOSを介して前記I/Fコントローラ108に出力し、前記I/Fコントローラ108は前記信号に基づきOSを介して、指定領域の外枠を描画する描画コマンドの取消しコマンドを前記モニタコントローラ105に出力し、前記モニタコントローラ105は、前記VRAM105aに前記取消しコマンドを解析して点線からなる指定領域の外枠を前記印刷対象画像表示データから削除して展開し、前記モニタ11の印刷画像用ウィンドウ30内に指定領域の外枠を削除したプレビュー画像300として再表示する。また、前記I/Fコントローラ108はOSを介して、前記指定領域の外枠に基づいて出力した描画コマンドを前記RAM102から削除する。つまり、前記RAM102には指定領域から解除したい領域が指定領域情報から除かれた印刷対象画像が格納される。
【0045】
ユーザは、指定したい領域をクリックして選択した後、前記「指定領域編集」ボタン312を押圧することで、当該領域の画像編集を行うことができる。
【0046】
詳述すると、図1に示すように、ユーザが前記「指定領域編集」ボタン312を押圧すると、OSを介して前記I/Fコントローラ108に出力され、前記I/Fコントローラ108は、前記指定領域の画像編集操作を行うための画像編集操作画面を前記モニタ11に表示し、ユーザは表示された前記画像編集操作画面を操作して指定領域の画像編集操作を行うことができる。即ち、前記I/Fコントローラ108は、本発明による編集操作手段108bを備える。
【0047】
前記画像編集操作画面を操作しての行うことができる前記指定領域の画像編集操作については後述する。
【0048】
ユーザが指定領域301の画像編集を行ったプレビュー画像300に対応する印刷対象画像の印刷を行うため、前記「印刷」ボタン313を押圧すると、図1に示すように、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は、前記RAM102に格納された描画コマンドからなる印刷対象画像を解析し、ラスタライズされたビットマップデータからなる画像データに変換して、前記プリンタ2に出力し、前記プリンタ2が前記印刷対象画像の印刷を行う。即ち、前記I/Fコントローラ108は、本発明による画像データ出力手段108cを備える。尚、前記プリンタ2から前記印刷対象画像の印刷が行われると、OSは、前記モニタコントローラ105にプレビュー画像の表示の終了を指示し、更に前記RAM12に格納した前記印刷対象画像を削除する。
【0049】
ユーザが印刷対象画像の印刷を中止するため、前記「キャンセル」ボタン313を押圧すると、図1に示すように、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は、前記モニタコントローラ105にプレビュー画像の表示の終了を指示し、更に前記RAM12に格納した前記印刷対象画像を削除し、前記印刷対象画像の印刷を中止する。
【0050】
以下に、図1、図6を用いて、指定領域の画像編集操作についての説明を行う。
【0051】
ユーザが、指定したい領域をクリックして選択した後、前記「指定領域編集」ボタン312を押圧すると、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は、前記指定領域に対して画像編集操作を行うことができる画像編集操作画面302を、プレビュー画像表示部30内で前記プレビュー画像300に重ねて表示する。
【0052】
前記画像編集操作画面302には、「削除」ボタン315、「モノクロ」ボタン316、「ニ値」ボタン317、「解像度」ボタン318が配され、前記「モノクロ」ボタン315と前記「ニ値」ボタン316と前記「解像度」ボタン318の下部には夫々特定色を設定する「色設定」ボタン316aとニ値画像を生成する際の閾値を設定する「閾値設定」ボタン317aと画素データの間引き率を設定する「間引き率設定」枠318aが配されている。ユーザは、前記「削除」ボタン315を押圧することで指定領域の画像データを削除することができ、前記「モノクロ」ボタン316を押圧することで指定領域の画像データを、特定色からなるのモノクローム画像に変換することができ、前記「ニ値」ボタン312を押圧することで指定領域の画像データを特定色で且つ設定した閾値でのニ値モノクローム画像に変更することができ、前記「解像度」ボタン318を押圧することで指定領域の画像データの画素を前記「間引き率設定」枠318aで設定した間引き率で間引いた画像データに変換することができる。
【0053】
なお、前記「色設定」ボタン316aは、前記「モノクロ」ボタン316または前記「ニ値」ボタンが押圧されると押圧可能となり、押圧されるとモニタ11にカラーパレットが表示され、ユーザにより前記カラーパレットから選択された色が前記特定色に設定される。前記「閾値設定」ボタン317aは、前記「ニ値」ボタンが押圧されると押圧可能となり、押圧されると閾値設定枠が表示されて前記閾値設定枠に入力した値が閾値と設定される。前記「間引き率」枠318aは、前記「解像度」ボタン318が押圧されると入力可能となり、入力された値が間引き率として設定される。
【0054】
ユーザが前記指定領域の画像データを削除するため、前記「削除」ボタン315を押圧すると、図1に示すように、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は前記指定領域の画像データを削除する描画コマンドを、前記RAM102に格納し、且つ前記モニタコントローラ105に出力する。前記モニタコントローラ105は前記描画コマンドを解析して、前記指定領域の画像データを削除したプレビュー画像300を表示する。即ち、前記I/Fコントローラ108は、本発明による削除手段108b1を備え、且つ本発明による画像編集手段108aを備える。
【0055】
ユーザが前記指定領域の画像データをモノクローム画像に変換するため、前記「モノクロ」ボタン316を押圧すると、図1に示すように、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は前記指定領域の画像データを特定色のモノクローム画像に変換する描画コマンドを、前記RAM102に格納し、且つ前記モニタコントローラ105に出力する。前記モニタコントローラ105は前記描画コマンドを解析して、前記指定領域の画像データを特定色のモノクローム画像に変換したプレビュー画像300を表示する。即ち、前記I/Fコントローラ108は、本発明によるモノクローム画像変換操作手段108b2を備え、且つ本発明による画像編集手段108aを備える。
【0056】
ユーザが前記指定領域の画像データをモノクローム画像に変換するため、前記「ニ値」ボタン317を押圧すると、図1に示すように、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は前記指定領域の画像データをニ値の特定色のモノクローム画像に変換する描画コマンドを、前記RAM102に格納し、且つ前記モニタコントローラ105に出力する。前記モニタコントローラ105は前記描画コマンドを解析して、前記指定領域の画像データをニ値の特定色のモノクローム画像に変換したプレビュー画像300を表示する。即ち、前記I/Fコントローラ108は、本発明によるニ値モノクローム画像変換操作手段108b3を備え、且つ本発明による画像編集手段108aを備える。
【0057】
ユーザが前記指定領域の画像データをモノクローム画像に変換するため、前記「解像度」ボタン318を押圧すると、図1に示すように、OSを介して前記押圧を認識した前記I/Fコントローラ108は前記指定領域の画像データの画素を間引いて解像度を低下させる描画コマンドを、前記RAM102に格納し、且つ前記モニタコントローラ105に出力する。前記モニタコントローラ105は前記描画コマンドを解析して、前記指定領域の画像データの画素を間引いて解像度を低下させたプレビュー画像300を表示する。即ち、前記I/Fコントローラ108は、本発明による解像度変換操作手段108b4を備え、且つ本発明による画像編集手段108aを備える。
【0058】
上述のように、本実施礼においては、前記モニタコントローラ105と前記マウスキーボードコントローラ104と前記I/Fコントローラ108が協働して、本発明によるプリンタ制御装置を構成している。
【0059】
以下、別実施形態を説明する。上述の実施例では、I/Fコントローラ108は、本発明による削除手段108b1と、モノクローム画像変換操作手段108b2と、ニ値モノクローム画像変換操作手段108b3と、解像度変換操作手段108b4を備えると説明したが、すべての手段を備える必要はなく、夫々の手段のうち少なくとも1つの手段を備える構成であれば良い。
【0060】
上述の実施例では、画像データ出力手段108cはラスタライズされたビットマップデータからなる画像データをプリンタ2に送信すると説明したが、前記画像データはPDL(Page Discription Language)等で構成される画像データをプリンタ2に送信する構成であっても良い。
【0061】
上述した複数の実施例は共に単独で構成されるものばかりではなく、本発明による作用効果を奏する範囲において適宜組み合わせるも可能である。
【0062】
上述の実施例は何れも本発明の一実施例に過ぎず、各部の具体的構成は本発明による作用効果を奏する範囲において適宜変更することができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】プリンタ制御装置のブロック構成図
【図2】パーソナルコンピュータとプリンタの接続構成図
【図3】パーソナルコンピュータのハードウェア構成図
【図4】印刷画像用ウィンドウの説明図
【図5】指定領域の説明に用いる図
【図6】画像編集操作画面の説明図
【符号の説明】
【0064】
2:プリンタ
11:モニタ
12:入力装置
102:RAM
104:領域指定手段(マウスキーボードコントローラ)
105:プレビュー表示手段(モニタコントローラ)
105a:VRAM
108:I/Fコントローラ
108a:画像編集手段
108b:編集操作手段
108b1:削除手段
108b2:モノクローム画像変換操作手段
108b3:ニ値モノクローム画像変換操作手段
108b4:解像度変換操作手段
108c:画像データ出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象画像をプレビュー表示するプレビュー表示手段と、印刷対象画像をプリンタに出力する画像データ出力手段を備えたプリンタ制御装置であって、
前記プレビュー表示手段により表示されたプレビュー画像に対して領域指定する領域指定手段と、指定された領域に対して所定の編集操作を行う編集操作手段と、前記編集操作手段による編集操作に応じて印刷対象画像を編集する画像編集手段とを備え、前記画像データ出力手段は前記画像編集手段により編集された画像データを出力するプリンタ制御装置。
【請求項2】
前記編集操作手段は、指定された領域の画像を削除する削除操作手段を備えている請求項1記載のプリンタ制御装置。
【請求項3】
前記編集操作手段は、指定された領域の画像をモノクローム画像に変換するモノクローム画像変換操作手段を備えている請求項1または2記載のプリンタ制御装置。
【請求項4】
前記編集操作手段は、指定された領域の画像を二値のモノクローム画像に変換する二値モノクローム画像変換操作手段を備えている請求項1から3の何れかに記載のプリンタ制御装置。
【請求項5】
前記編集操作手段は、指定された領域の画像の解像度を低下させる解像度変換操作手段を備えている請求項1から4の何れかに記載のプリンタ制御装置。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−60677(P2008−60677A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232053(P2006−232053)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】