プリンタ及びプリンタ制御方法
【課題】部品追加することなく、巻取り機によるプリンタへの影響を抑えることができ、印字品位を安定させることができるプリンタを提供する。
【解決手段】制御装置30は、回転検出センサ21により検出される巻取り機20の回転から、1回転当たりの用紙供給量に基づいて、巻取り機20での用紙の巻取り径を取得し、巻取り機20の巻取り径が小さい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が速くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を大きくする。巻取り機20の巻取り径が大きい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が遅くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を小さくする。
【解決手段】制御装置30は、回転検出センサ21により検出される巻取り機20の回転から、1回転当たりの用紙供給量に基づいて、巻取り機20での用紙の巻取り径を取得し、巻取り機20の巻取り径が小さい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が速くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を大きくする。巻取り機20の巻取り径が大きい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が遅くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を小さくする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ及びプリンタ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レジなどで販売したデータを保存しておくためのジャーナル用のプリンタでは、印字した用紙を巻き取り側で巻き取りながら印字を行っている。このようなプリンタにおいて、印字品質は、巻き取り側のトルクの影響を受け易く、特に、巻き取りが停止している状態から、印字を開始するときに大きな影響を受ける。
【0003】
巻き取り側の影響を軽減するため、従来、用紙を空送りした後に印字していた(例えば特許文献1参照)。
また、巻き取り側の影響を軽減するため、プリンタに新たな部品や、機構などを追加し、巻き取り側や、送り側のモータのトルクを制御していた(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−216432号公報
【特許文献2】特開平7−323651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したプリンタでは、巻取り機の駆動時における回転速度は、巻き取った用紙の巻径に依存し、小径時には、巻き取った用紙が少ないために速く回り、大径時には、用紙が重くなるため遅くなる。
【0006】
用紙を正常に巻き取るためには、プリンタから送り出される用紙に対し、巻取り機側は、常に若干速く巻取り、用紙にたるみが生じない状態を維持しなければならない。しかしながら、上記のように巻径により巻取り機の速度が変わるため、一番遅い大径時にも、用紙にたるみが生じない速度で動作できるトルクを設定する必要があり、一方、速度が速くなる小径時には、巻取り機はトルク過剰となり、プリンタが保持している用紙に外力(巻取りトルク)が加わり、印字開始時における印字品質に影響を与える要因となっている。
【0007】
特許文献1に記載の発明では、このような状態を回避するため、印字開始から所定ライン分を空送りして、安定してから印字を開始することで印字品質に与える影響を回避している。しかしながら、この方法では、一度の印字に必要となる用紙量が空送りの分増大するため、用紙の無駄が発生するという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の発明では、供給ロール側の負荷を調整、または、巻取り側モータの電力を制御してトルク調整を行うことで回避するために、新たな部品、機構を追加する必要があるという問題があった
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、部品追加することなく、巻取り機によるプリンタへの影響を抑えることができ、印字品位を安定させることができるプリンタ及びプリンタ制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、搬送された用紙に印字を行うプリンタであって、用紙を送り出す用紙送り出し部と、前記用紙送り出し部によって送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出部と、前記用紙送り出し部によって送り出される用紙に印字する印字部と、前記印字部によって印字された用紙を巻き取る巻取り部と、前記巻取り部の回転を検出する回転検出部と、前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得部と、前記巻取り径取得部によって取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を制御する加速度制御部とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のプリンタにおいて、前記巻取り部は、円周に沿って等間隔で形成された複数のスリットを有する円板を備え、前記回転数検出部は、前記巻取り部と共に回転する前記円板に形成された前記複数のスリットを検出することで、前記巻取り部における前記複数のスリットの個数分の1回転を検出し、巻取り径取得部は、前記回転検出部が前記複数のスリットの個数分の1回転を検出する間に前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量に基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明のプリンタにおいて、前記加速度制御部は、前記巻取り径が小さいときは、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を大きくし、前記巻取り径が大きいときには、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を小さくするようにしてもよい。
【0013】
また、本発明のプリンタにおいて、前記用紙の厚さを設定する設定部を更に備え、前記巻取り径取得部は、前記設定部によって設定された用紙の厚さと、前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した前記巻取り部の回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得するようにしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、搬送された用紙に印字を行うプリンタ制御方法であって、用紙を送り出す用紙送り出し過程と、前記用紙送り出し過程で送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出過程と、前記用紙送り出し過程で送り出される用紙に印字する印字過程と、前記印字過程で印字された用紙を巻取り機で巻き取る巻取り過程と、前記巻取り機の回転を検出する回転検出過程と、前記搬送量検出過程で検出された用紙の搬送量と、前記回転検出過程で検出した前記巻取り機の回転とに基づいて、前記巻取り機に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得過程と、前記巻取り径取得過程で取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し過程での用紙送り出し加速度を制御する加速度制御過程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現状部品から部品追加を行うことなく、巻取り機によるプリンタへの影響を抑えることが出来、印字品位を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係るプリンタの略構造を示す模式図である。
【図3】同実施形態に係るプリンタのサーマルプリンタ部の機構を示す斜視図である。
【図4】同実施形態に係るプリンタの巻取り機構を説明するための側面図、及び斜視図である。
【図5】同実施形態に係るプリンタの巻取り機構を説明するための側面図、及び斜視図である。
【図6】同実施形態に係るプリンタの巻取り軸の回転検出機構を説明するための模式図である。
【図7】同実施形態に係るプリンタの巻取り径テーブルのデータ構成を示す概念図である。
【図8】同実施形態に係る巻取り径別プリンタ加速度テーブルのデータ構成を示す概念図である。
【図9】加速度テーブルTable1〜Table8のデータを示す概念図である。
【図10】加速度テーブルTable1〜8のモータパルス時間でロール紙の送り出しが制御された場合の経過時間とモータ速度との関係を示す図である。
【図11】同実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0018】
本発明は、回転検出センサにより巻取り機側の用紙巻径を計測し、用紙の巻径に応じてプリンタの駆動開始時の加速度を制御することを特徴としている。具体的には、巻取り機の巻取り径が小さい場合には、巻取り機の立ち上がり速度が速くなるため、プリンタの駆動時における用紙の送り出し加速度を大きくし、巻取り機の速度に追従させる。巻取り機の巻取り径が大きい場合には、巻取り機の立ち上がり速度が遅くなるため、プリンタ駆動時における用紙の送り出し加速度を小さくし、用紙のたるみ発生を防止する。
【0019】
巻取り機側のトルクとしては、プリンタ加速度調整後における巻取り径が大径となる用紙を、たるみがない程度に巻き取れるトルクに抑えることで、小径時の速度超過による過剰トルクを従来と比較して抑えることができるため、印字品位を安定させることができる。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。図1において、プリンタ1は、サーマルプリンタ部10と、巻取り機20と、制御装置(CPU(Central Processing Unit;中央演算装置))30とから構成されている。サーマルプリンタ部10は、ロール状に巻かれている用紙(感熱紙)を送り出しながら、サーマルヘッドを用紙に所定の押圧力で押し付けて印字する。
【0021】
巻取り機20(巻取り部)は、サーマルプリンタ部10から印字され排出される用紙を巻き取る。巻取り機20は、サーマルプリンタ部10から送り出される用紙を巻取り軸(後述)により巻き取る際に、該巻取り軸の回転(より詳細には本実施形態では、1/12回転したことを検出可能としている)を検出するための回転検出センサ21(回転検出部)を備えている。また、巻取り機20は、巻き取り側のトルクが強すぎ用紙を引っ張る力が強くなり過ぎて、用紙送りに悪影響を与えてしまわないように、巻き取り側のトルクを制限するトルクリミッタ23を備えている。
【0022】
制御装置30(加速度制御部)は、巻取り機20が1回転(実際には1/12回転)する間に、サーマルプリンタ部10から搬送される用紙供給量に基づいて、巻取り機20における現在の巻取り径を算出し、該巻取り径に応じた加速度で、サーマルプリンタ部10(印字部)での用紙の送り出し(プラテンローラの加速度)を制御するようになっている。該制御装置30は、RAM(Random Access Memory)31、巻取り径計算手段32、及びROM(Read Only Memory)33を備えている。
【0023】
RAM31は、用紙供給量311(搬送量検出部)と回転検出値312とを保持する。
用紙供給量311は、サーマルプリンタ部10側での用紙の送り出し量である。用紙の送り出し量は、例えば、サーマルプリンタ部10への印字命令から算出する。
回転検出値312は、上述したように、巻取り機20の巻取り軸の回転(1/12回転)の検出値である。用紙供給量311、及び回転検出値312は、随時、更新される。
【0024】
巻取り径計算手段32(巻取り径取得部)は、RAM31に記憶されている用紙供給量311、及び回転検出値312を用いて、巻取り機20における現在の巻取り径321を取得(算出)する。すなわち、巻き取り機20に巻かれている用紙の直径は、この用紙供給量311と、巻取り軸の回転検出値312とから一意に算出される。なお、巻取り径の取得(算出)方法については後述する。
ROM33には、巻取り径に応じて、サーマルプリンタ部10での用紙の送り出し(プラテンローラの加速度)を制御するための加速度テーブル331が記憶されている。なお、加速度テーブル331の詳細については後述する。サーマルプリンタ部10では、該ROM33に記憶されている加速度テーブル331に従って、ロール用紙の送り出しが制御される。
【0025】
図2は、実施形態に係るプリンタの略構造を示す模式図である。図2に示すように、本実施形態に係るサーマルプリンタ1は、ロール紙11、印字ヘッド部12、回転検出センサ21、巻取り軸22を備えている。
ロール紙11は、印字ヘッド部12のプラテンローラ13(用紙送り出し部)によって順次送り出される。
印字ヘッド部12は、プラテンローラ13によって用紙を順次送り出しながら、用紙に対して所定の押圧力でサーマルヘッド14を押し付けて印字する。
巻取り軸22は、印字された用紙を順次巻き取る。該巻取り軸22には、前述したように、巻取り軸22の回転を検出する回転検出センサ21が設けられている。
【0026】
図3は、本実施形態に係るプリンタのサーマルプリンタ部の機構を示す斜視図である。印字ヘッド部12は、一列に連続して並べられた発熱体を有するラインサーマルヘッド14と、該サーマルヘッド14との間で用紙を挟持しながら搬送するプラテンローラ13と、プラテンローラ13を駆動する用紙送り用のステッピングモータ(図示略)で構成されている。
図3に示すように、印字ヘッド部12では、プラテンローラ13によって順次送り出される用紙に対して所定の押圧力でサーマルヘッド14を押し付けて印字するようになっている。本実施形態では、巻取り軸22の巻取り径に応じて、プラテンローラ13によるロール紙11の送り出しの加速度を制御するようになっている。
【0027】
図4、図5は、本実施形態に係るプリンタの巻取り機構を説明するための側面図、及び斜視図である。
巻取り機20は、図4に示すように、用紙を巻き取る巻取り軸22と、巻取り軸22を駆動する巻取り用のモータ28と、巻取り軸22の回転を検出するための回転検出センサ21で構成されている。モータ28は、例えば、DCモータである。また、過剰トルクとならないよう巻取り用のモータ28と巻取り軸22間にはトルクリミッタ23が設けられている。
巻取り軸22は、モータ28により、減速用歯車24、25を介して回転駆動される。巻取り軸22には、図4、図5に示すように、回転検出用のスリット26が等間隔で形成されている円板27が配設されている。
回転検出センサ21は、該円板27に形成されたスリット26を挟み込むようにして配設されている。
【0028】
図6は、本実施形態に係るプリンタの巻取り軸の回転検出機構を説明するための模式図である。
図6に示すように、回転検出センサ21は、スリット26を挟み込むようにして、所定の間隔を空けて設けられた、発光側センサ21aと受光側センサ21bとを備えている。回転検出センサ21は、例えば、フォトインタラプタである。
発光側センサ21aから出射した光は、スリット26を通って受光側センサ21bで受光される。したがって、巻取り軸22が回転すると、該回転に伴って回転検出用のスリット26が形成されている円板27も回転し、受光側センサ21bは、スリット26が回転検出センサ21を通過するたびに、発光側センサ21aからの光を受光することになる。これにより、巻取り軸22に1周で12個の検出用スリット26を設けたとすると、回転検出センサ21は、スリット26を検出することで、巻取り軸22の1/12回転を検出することになる。
【0029】
図7は、本実施形態に係るプリンタの巻取り径テーブルのデータ構成を示す概念図である。図7に示すように、巻取り径テーブルには、用紙長と、巻取り軸22に巻き取られる用紙の巻取り径とが関連付けられている。図7では、用紙長1[mm]ごとの用紙の巻取り径の例を示したが、これに限らず、例えば、用紙の巻取り径1[mm]ごとの用紙長を関連付けたテーブルでもよい。
上述したように、巻取り径計算手段32は、RAM31に記憶されている用紙供給量311、及び回転検出値312を用いて、巻取り機20における現在の巻取り径を算出する。ここで、本実施形態では、巻取り軸22に、1周で12個の検出用スリット26を設けているので、回転検出センサ21で1つのスリット分の変化を検出する間にサーマルプリンタ部10(プラテンローラ13)が送り出した用紙長をLとすると、巻取り径Rは、例えば次式(1)のようになる。
【0030】
R=12L/π ・・・(1)
【0031】
なお、式(1)においてπは円周率であり、例えば3.14を用いて演算を行う。
本実施形態では、上記式(1)に従って、用紙長Lに対する巻取り径Rを、図7に示すようにテーブル化しておく。そして、回転検出センサ21が1つのスリット分の変化を検出する間に、サーマルプリンタ部10(プラテンローラ13)が送り出した用紙長Lを取得し、図7に示す巻取り径テーブルを参照すれば、該用紙長Lから巻取り径Rを取得することができる。
【0032】
図8は、本実施形態に係る巻取り径別プリンタ加速度テーブルのデータ構成を示す概念図である。図8に示すように、巻取り径別プリンタ加速度テーブルには、用紙の巻取り径と、加速度テーブル(Table1〜Table8)とが関連付けられている。
前述したように、ROM33には、サーマルプリンタ部10(プラテンローラ13)で用紙の送り出し制御を行うための加速度テーブル331が記憶されている。加速度テーブル331は、巻取り軸22での用紙の巻取り径範囲毎に用意されており、図示の例では、巻取り径が0〜16[mm]の範囲ではTable1、17〜32[mm]の範囲ではTable2、33〜48[mm]の範囲ではTable3、49〜64[mm]の範囲ではTable4、65〜80[mm]の範囲ではTable5、81〜96[mm]の範囲ではTable6、97〜112[mm]の範囲ではTable7、113〜128[mm]の範囲ではTable8を選択するようになっている。
【0033】
図9は、加速度テーブルTable1〜Table8のデータを示す概念図である。また、図10は、各加速度テーブルTable1〜8のモータパルス時間でロール紙の送り出しが制御された場合の経過時間とモータ速度との関係を示す図である。
図9と図10に示すように、各Table1〜Table8には、プラテンローラ13のモータパルス時間が保持されており、いずれの加速度テーブルでも、最高速度が1000[pps](=パルス時間1000[us])まで加速するようになっている。なお、ppsは、pulse per second(1秒あたりのパルス数)を意味する。図9に示した例では、Table1(最速)では10パルスで最高速度に到達し、Table2では12パルスで、Table3では14パルスで、Table4では16パルスで、Table5では18パルスで、Table6では20パルスで、Table7では22パルスで、Table8(最遅)では24パルスで最高速度に到達する。
【0034】
図10に示すように、Table1〜8を用いることで、プラテンローラ13が最高速度に達するまでの時間を制御することができるようになっている。停止状態から最高速度が1000[pps]に到達するまでに要する時間は、Table1において、約17.7ms、・・・、Table8において、約45.2msとなる。このように、本実施形態では、巻取り軸22の巻取り径Rに応じて、加速度テーブルTable1〜8の1つを選択し、該選択した加速度テーブルのモータパルス時間で、プラテンローラ13を駆動制御することで、用紙11の送り出し加速度を制御することが可能となっている。
【0035】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図11は、本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
(ステップS1)
サーマルプリンタ部10での印字が開始されると、選択された加速テーブルのモータパルス時間に従って、プラテンローラ13によりロール紙が停止状態から加速し、設定された最高速度で搬送され、印字された後、プリンタ内の用紙搬送経路を介して巻取り機20に供給される。ステップS1終了後、ステップS2に進む。
【0036】
(ステップS2)
次に、巻取り機20は、供給される用紙が、巻取り用のモータ28の駆動により巻取り軸22が回転することで巻き取られる。巻取り機20は、停止状態から加速し、たるみが発生しないよう用紙に一定のテンションをかけながら巻取りを行う。このとき、過剰なテンションがかからないようトルクリミッタ23でトルクを制限しながら巻取りを行う。ステップS2終了後、ステップS3に進む。
【0037】
(ステップS3)
次に、巻取り機20は、用紙を巻き取ると同時に、取付けられた回転検出センサ21により、巻取り軸22の回転を検出し、回転検出値を取得する。ステップS3終了後、ステップS4に進む。
(ステップS4)
次に、制御装置30は、サーマルプリンタ部10から巻取り機20に供給した用紙供給量と、回転検出センサ21の回転検出値とをRAM31に格納する。ステップS4終了後、ステップS5に進む。
【0038】
(ステップS5)
次に、巻取り径計算手段32は、このときの用紙供給量(用紙長)で巻取り径テーブル(図7参照)を参照し、巻取り機20の現在の巻取り径を取得する。ステップS5終了後、ステップS6に進む。
【0039】
(ステップS6)
次に、制御装置30は、予めROM33に格納しておいた、巻取り径別プリンタ加速度テーブル(図8参照)を参照し、現在の巻取り径に対応した加速度テーブルを選択する。ステップS6終了後、ステップS7に進む。
(ステップS7)
次に、制御装置30は、印字が終了したか否かを判定する。印字が終了したと判定されない場合(ステップS7;No)、ステップS7を繰り返す。印字が終了したと判定された場合(ステップS7;Yes)、当該処理を終了する。
【0040】
すなわち、サーマルプリンタ部10では、印字時に、上記取得した加速テーブルに従って順次加速を行い、巻取り径が小さいときは、プラテンローラ13による用紙の送り出し加速度を大きくして短時間で最高速度まで加速し、巻取り径が大きいときには、プラテンローラ13による用紙の送り出し加速度を小さくして少し時間をかけて加速を行うといったように、巻取り軸22での巻取り径に応じた加速度で用紙搬送を行う。
【0041】
巻取り機20側は、一番トルクが必要となる巻取り径が大のときに、緩やかに加速するプリンタ速度に追従できるだけのトルクを有すれば良いこととなり、巻取り機20側のトルクを最低限に抑えることができるトルクリミッタを選定することができ、巻取り径の大小に依らずに正常な巻取りを行うことで、印字品位の低下を防止することができる。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、巻取り機20の巻取り径が小さい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が速くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を大きくし、巻取り機20の速度に追従させ、巻取り機20の巻取り径が大きい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が遅くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を小さくし、用紙のたるみ発生を防止することができる。また、本実施形態では、用紙がたるまないように、制御装置30がプラテンローラ13を制御するため、現状のサーマルプリンタ装置に対して部品の追加を行わないですむため、コストアップを抑える効果もある。
【0043】
また、巻取り機側のトルクとしては、プリンタ加速度調整後における巻取り径が大径となる用紙を、たるみがない程度に巻き取れるトルクに抑えることで、小径時の速度超過による過剰トルクを従来と比較して抑えることができるため、印字品位を安定させることができる。
【0044】
なお、本実施形態では、巻取り軸22に、1周で12個の検出用スリット26を設ける例を説明したが、1周に設ける検出用スリット26の数は12個でなくともよく、その場合、巻取り径Rの式(1)は、検出用スリット数nに応じて、R=n×L/πで表される。そして、この検出用スリット数に応じたスリット間隔に基づき、図7に示した巻取り径テーブルを作成して、RAM31に記憶させておくようにしてもよい。
【0045】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
巻取り機20の巻取り軸22における巻取り径は、用紙の厚さにも依存する。そこで、本実施形態では、用紙供給量に加え、用紙の厚さを考慮する。用紙の厚さは、予め利用者が分かっているので、用紙をセットする際に、利用者が厚みや用紙に関する情報を設定、もしくは選択する。これにより、用紙供給量と回転検出値と用紙厚さとから所定の巻取り径テーブルを参照し、現在の巻取り径を取得する。
【0046】
図12は、本実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。なお、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。第1実施形態と異なる機能部は、RAM31a、巻取り径計算手段32a、及び用紙設定部34(設定部)である。
用紙設定部34は、用紙をセットする際に、利用者が厚みや用紙に関する情報を設定、もしくは選択する。
RAM31aは、用紙設定部34により設定(もしくは選択)された用紙厚さを示す情報313を保持する。
【0047】
巻取り径計算手段32aは、用紙供給量と回転検出値と用紙厚さとから、巻取り軸22における現在の巻取り径を取得する。制御装置30aは、巻取り径計算手段32aが取得した情報に基づき、サーマルプリンタ部10の印字を制御する。
以下、サーマルプリンタ部10でのプラテンローラ13による用紙の送り出し加速度制御方法は、上述した第1実施形態におけるステップS1〜S7の処理と同様であるので説明を省略する。
【0048】
上述した本実施形態によれば、巻取り径計算手段32aが、用紙供給量と回転検出値と用紙厚さとから、巻取り軸22における現在の巻取り径を取得して、この取得した情報に基づき、制御装置30aは、サーマルプリンタ部10の印字を制御する。この結果、用紙厚さが異なる用紙を用いる場合であっても、用紙のたるみ発生を防止することができ、また、印字品位を安定させることができる。また、本実施形態では、用紙がたるまないように、制御装置30aがプラテンローラ13を制御するため、現状のサーマルプリンタ装置に対して部品の追加を行わないですむため、コストアップを抑える効果もある。
【0049】
なお、上述した第1、第2実施形態において、プリンタ側の加速度取得方法としては、ROM33内に予め加速度テーブルとして格納しておくだけではなく、取得した巻取り径に応じて計算を行い、加速度を算出してプリンタ部10(プラテンローラ13のモータ)を駆動制御することもできる。
【0050】
また、巻取り機20のモータ28は、DCモータではなく、ステッピングモータでも同様に制御することができる。
【0051】
なお、実施形態の図1または図12の制御装置30または制御装置30aの各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、USB(Universal Serial Bus) I/F(インタフェース)を介して接続されるUSBメモリー、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0052】
10…サーマルプリンタ部(印字部)、13…プラテンローラ(用紙送り出し部)、
20…巻取り機(巻取り部)、21…回転検出センサ(回転検出部)、
23…トルクリミッタ、28…モータ、30、30a…制御装置(加速度制御部)、
31、31a…RAM、311…用紙供給量(搬送量検出部)、312…回転検出値、
313…用紙厚さ、32…巻取り径計算手段(巻取り径取得部)、
321…現在の巻取り径、33…ROM、331…加速度テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ及びプリンタ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レジなどで販売したデータを保存しておくためのジャーナル用のプリンタでは、印字した用紙を巻き取り側で巻き取りながら印字を行っている。このようなプリンタにおいて、印字品質は、巻き取り側のトルクの影響を受け易く、特に、巻き取りが停止している状態から、印字を開始するときに大きな影響を受ける。
【0003】
巻き取り側の影響を軽減するため、従来、用紙を空送りした後に印字していた(例えば特許文献1参照)。
また、巻き取り側の影響を軽減するため、プリンタに新たな部品や、機構などを追加し、巻き取り側や、送り側のモータのトルクを制御していた(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−216432号公報
【特許文献2】特開平7−323651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したプリンタでは、巻取り機の駆動時における回転速度は、巻き取った用紙の巻径に依存し、小径時には、巻き取った用紙が少ないために速く回り、大径時には、用紙が重くなるため遅くなる。
【0006】
用紙を正常に巻き取るためには、プリンタから送り出される用紙に対し、巻取り機側は、常に若干速く巻取り、用紙にたるみが生じない状態を維持しなければならない。しかしながら、上記のように巻径により巻取り機の速度が変わるため、一番遅い大径時にも、用紙にたるみが生じない速度で動作できるトルクを設定する必要があり、一方、速度が速くなる小径時には、巻取り機はトルク過剰となり、プリンタが保持している用紙に外力(巻取りトルク)が加わり、印字開始時における印字品質に影響を与える要因となっている。
【0007】
特許文献1に記載の発明では、このような状態を回避するため、印字開始から所定ライン分を空送りして、安定してから印字を開始することで印字品質に与える影響を回避している。しかしながら、この方法では、一度の印字に必要となる用紙量が空送りの分増大するため、用紙の無駄が発生するという問題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の発明では、供給ロール側の負荷を調整、または、巻取り側モータの電力を制御してトルク調整を行うことで回避するために、新たな部品、機構を追加する必要があるという問題があった
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、部品追加することなく、巻取り機によるプリンタへの影響を抑えることができ、印字品位を安定させることができるプリンタ及びプリンタ制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、搬送された用紙に印字を行うプリンタであって、用紙を送り出す用紙送り出し部と、前記用紙送り出し部によって送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出部と、前記用紙送り出し部によって送り出される用紙に印字する印字部と、前記印字部によって印字された用紙を巻き取る巻取り部と、前記巻取り部の回転を検出する回転検出部と、前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得部と、前記巻取り径取得部によって取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を制御する加速度制御部とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のプリンタにおいて、前記巻取り部は、円周に沿って等間隔で形成された複数のスリットを有する円板を備え、前記回転数検出部は、前記巻取り部と共に回転する前記円板に形成された前記複数のスリットを検出することで、前記巻取り部における前記複数のスリットの個数分の1回転を検出し、巻取り径取得部は、前記回転検出部が前記複数のスリットの個数分の1回転を検出する間に前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量に基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明のプリンタにおいて、前記加速度制御部は、前記巻取り径が小さいときは、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を大きくし、前記巻取り径が大きいときには、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を小さくするようにしてもよい。
【0013】
また、本発明のプリンタにおいて、前記用紙の厚さを設定する設定部を更に備え、前記巻取り径取得部は、前記設定部によって設定された用紙の厚さと、前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した前記巻取り部の回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得するようにしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明は、搬送された用紙に印字を行うプリンタ制御方法であって、用紙を送り出す用紙送り出し過程と、前記用紙送り出し過程で送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出過程と、前記用紙送り出し過程で送り出される用紙に印字する印字過程と、前記印字過程で印字された用紙を巻取り機で巻き取る巻取り過程と、前記巻取り機の回転を検出する回転検出過程と、前記搬送量検出過程で検出された用紙の搬送量と、前記回転検出過程で検出した前記巻取り機の回転とに基づいて、前記巻取り機に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得過程と、前記巻取り径取得過程で取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し過程での用紙送り出し加速度を制御する加速度制御過程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、現状部品から部品追加を行うことなく、巻取り機によるプリンタへの影響を抑えることが出来、印字品位を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係るプリンタの略構造を示す模式図である。
【図3】同実施形態に係るプリンタのサーマルプリンタ部の機構を示す斜視図である。
【図4】同実施形態に係るプリンタの巻取り機構を説明するための側面図、及び斜視図である。
【図5】同実施形態に係るプリンタの巻取り機構を説明するための側面図、及び斜視図である。
【図6】同実施形態に係るプリンタの巻取り軸の回転検出機構を説明するための模式図である。
【図7】同実施形態に係るプリンタの巻取り径テーブルのデータ構成を示す概念図である。
【図8】同実施形態に係る巻取り径別プリンタ加速度テーブルのデータ構成を示す概念図である。
【図9】加速度テーブルTable1〜Table8のデータを示す概念図である。
【図10】加速度テーブルTable1〜8のモータパルス時間でロール紙の送り出しが制御された場合の経過時間とモータ速度との関係を示す図である。
【図11】同実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】第2実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0018】
本発明は、回転検出センサにより巻取り機側の用紙巻径を計測し、用紙の巻径に応じてプリンタの駆動開始時の加速度を制御することを特徴としている。具体的には、巻取り機の巻取り径が小さい場合には、巻取り機の立ち上がり速度が速くなるため、プリンタの駆動時における用紙の送り出し加速度を大きくし、巻取り機の速度に追従させる。巻取り機の巻取り径が大きい場合には、巻取り機の立ち上がり速度が遅くなるため、プリンタ駆動時における用紙の送り出し加速度を小さくし、用紙のたるみ発生を防止する。
【0019】
巻取り機側のトルクとしては、プリンタ加速度調整後における巻取り径が大径となる用紙を、たるみがない程度に巻き取れるトルクに抑えることで、小径時の速度超過による過剰トルクを従来と比較して抑えることができるため、印字品位を安定させることができる。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。図1において、プリンタ1は、サーマルプリンタ部10と、巻取り機20と、制御装置(CPU(Central Processing Unit;中央演算装置))30とから構成されている。サーマルプリンタ部10は、ロール状に巻かれている用紙(感熱紙)を送り出しながら、サーマルヘッドを用紙に所定の押圧力で押し付けて印字する。
【0021】
巻取り機20(巻取り部)は、サーマルプリンタ部10から印字され排出される用紙を巻き取る。巻取り機20は、サーマルプリンタ部10から送り出される用紙を巻取り軸(後述)により巻き取る際に、該巻取り軸の回転(より詳細には本実施形態では、1/12回転したことを検出可能としている)を検出するための回転検出センサ21(回転検出部)を備えている。また、巻取り機20は、巻き取り側のトルクが強すぎ用紙を引っ張る力が強くなり過ぎて、用紙送りに悪影響を与えてしまわないように、巻き取り側のトルクを制限するトルクリミッタ23を備えている。
【0022】
制御装置30(加速度制御部)は、巻取り機20が1回転(実際には1/12回転)する間に、サーマルプリンタ部10から搬送される用紙供給量に基づいて、巻取り機20における現在の巻取り径を算出し、該巻取り径に応じた加速度で、サーマルプリンタ部10(印字部)での用紙の送り出し(プラテンローラの加速度)を制御するようになっている。該制御装置30は、RAM(Random Access Memory)31、巻取り径計算手段32、及びROM(Read Only Memory)33を備えている。
【0023】
RAM31は、用紙供給量311(搬送量検出部)と回転検出値312とを保持する。
用紙供給量311は、サーマルプリンタ部10側での用紙の送り出し量である。用紙の送り出し量は、例えば、サーマルプリンタ部10への印字命令から算出する。
回転検出値312は、上述したように、巻取り機20の巻取り軸の回転(1/12回転)の検出値である。用紙供給量311、及び回転検出値312は、随時、更新される。
【0024】
巻取り径計算手段32(巻取り径取得部)は、RAM31に記憶されている用紙供給量311、及び回転検出値312を用いて、巻取り機20における現在の巻取り径321を取得(算出)する。すなわち、巻き取り機20に巻かれている用紙の直径は、この用紙供給量311と、巻取り軸の回転検出値312とから一意に算出される。なお、巻取り径の取得(算出)方法については後述する。
ROM33には、巻取り径に応じて、サーマルプリンタ部10での用紙の送り出し(プラテンローラの加速度)を制御するための加速度テーブル331が記憶されている。なお、加速度テーブル331の詳細については後述する。サーマルプリンタ部10では、該ROM33に記憶されている加速度テーブル331に従って、ロール用紙の送り出しが制御される。
【0025】
図2は、実施形態に係るプリンタの略構造を示す模式図である。図2に示すように、本実施形態に係るサーマルプリンタ1は、ロール紙11、印字ヘッド部12、回転検出センサ21、巻取り軸22を備えている。
ロール紙11は、印字ヘッド部12のプラテンローラ13(用紙送り出し部)によって順次送り出される。
印字ヘッド部12は、プラテンローラ13によって用紙を順次送り出しながら、用紙に対して所定の押圧力でサーマルヘッド14を押し付けて印字する。
巻取り軸22は、印字された用紙を順次巻き取る。該巻取り軸22には、前述したように、巻取り軸22の回転を検出する回転検出センサ21が設けられている。
【0026】
図3は、本実施形態に係るプリンタのサーマルプリンタ部の機構を示す斜視図である。印字ヘッド部12は、一列に連続して並べられた発熱体を有するラインサーマルヘッド14と、該サーマルヘッド14との間で用紙を挟持しながら搬送するプラテンローラ13と、プラテンローラ13を駆動する用紙送り用のステッピングモータ(図示略)で構成されている。
図3に示すように、印字ヘッド部12では、プラテンローラ13によって順次送り出される用紙に対して所定の押圧力でサーマルヘッド14を押し付けて印字するようになっている。本実施形態では、巻取り軸22の巻取り径に応じて、プラテンローラ13によるロール紙11の送り出しの加速度を制御するようになっている。
【0027】
図4、図5は、本実施形態に係るプリンタの巻取り機構を説明するための側面図、及び斜視図である。
巻取り機20は、図4に示すように、用紙を巻き取る巻取り軸22と、巻取り軸22を駆動する巻取り用のモータ28と、巻取り軸22の回転を検出するための回転検出センサ21で構成されている。モータ28は、例えば、DCモータである。また、過剰トルクとならないよう巻取り用のモータ28と巻取り軸22間にはトルクリミッタ23が設けられている。
巻取り軸22は、モータ28により、減速用歯車24、25を介して回転駆動される。巻取り軸22には、図4、図5に示すように、回転検出用のスリット26が等間隔で形成されている円板27が配設されている。
回転検出センサ21は、該円板27に形成されたスリット26を挟み込むようにして配設されている。
【0028】
図6は、本実施形態に係るプリンタの巻取り軸の回転検出機構を説明するための模式図である。
図6に示すように、回転検出センサ21は、スリット26を挟み込むようにして、所定の間隔を空けて設けられた、発光側センサ21aと受光側センサ21bとを備えている。回転検出センサ21は、例えば、フォトインタラプタである。
発光側センサ21aから出射した光は、スリット26を通って受光側センサ21bで受光される。したがって、巻取り軸22が回転すると、該回転に伴って回転検出用のスリット26が形成されている円板27も回転し、受光側センサ21bは、スリット26が回転検出センサ21を通過するたびに、発光側センサ21aからの光を受光することになる。これにより、巻取り軸22に1周で12個の検出用スリット26を設けたとすると、回転検出センサ21は、スリット26を検出することで、巻取り軸22の1/12回転を検出することになる。
【0029】
図7は、本実施形態に係るプリンタの巻取り径テーブルのデータ構成を示す概念図である。図7に示すように、巻取り径テーブルには、用紙長と、巻取り軸22に巻き取られる用紙の巻取り径とが関連付けられている。図7では、用紙長1[mm]ごとの用紙の巻取り径の例を示したが、これに限らず、例えば、用紙の巻取り径1[mm]ごとの用紙長を関連付けたテーブルでもよい。
上述したように、巻取り径計算手段32は、RAM31に記憶されている用紙供給量311、及び回転検出値312を用いて、巻取り機20における現在の巻取り径を算出する。ここで、本実施形態では、巻取り軸22に、1周で12個の検出用スリット26を設けているので、回転検出センサ21で1つのスリット分の変化を検出する間にサーマルプリンタ部10(プラテンローラ13)が送り出した用紙長をLとすると、巻取り径Rは、例えば次式(1)のようになる。
【0030】
R=12L/π ・・・(1)
【0031】
なお、式(1)においてπは円周率であり、例えば3.14を用いて演算を行う。
本実施形態では、上記式(1)に従って、用紙長Lに対する巻取り径Rを、図7に示すようにテーブル化しておく。そして、回転検出センサ21が1つのスリット分の変化を検出する間に、サーマルプリンタ部10(プラテンローラ13)が送り出した用紙長Lを取得し、図7に示す巻取り径テーブルを参照すれば、該用紙長Lから巻取り径Rを取得することができる。
【0032】
図8は、本実施形態に係る巻取り径別プリンタ加速度テーブルのデータ構成を示す概念図である。図8に示すように、巻取り径別プリンタ加速度テーブルには、用紙の巻取り径と、加速度テーブル(Table1〜Table8)とが関連付けられている。
前述したように、ROM33には、サーマルプリンタ部10(プラテンローラ13)で用紙の送り出し制御を行うための加速度テーブル331が記憶されている。加速度テーブル331は、巻取り軸22での用紙の巻取り径範囲毎に用意されており、図示の例では、巻取り径が0〜16[mm]の範囲ではTable1、17〜32[mm]の範囲ではTable2、33〜48[mm]の範囲ではTable3、49〜64[mm]の範囲ではTable4、65〜80[mm]の範囲ではTable5、81〜96[mm]の範囲ではTable6、97〜112[mm]の範囲ではTable7、113〜128[mm]の範囲ではTable8を選択するようになっている。
【0033】
図9は、加速度テーブルTable1〜Table8のデータを示す概念図である。また、図10は、各加速度テーブルTable1〜8のモータパルス時間でロール紙の送り出しが制御された場合の経過時間とモータ速度との関係を示す図である。
図9と図10に示すように、各Table1〜Table8には、プラテンローラ13のモータパルス時間が保持されており、いずれの加速度テーブルでも、最高速度が1000[pps](=パルス時間1000[us])まで加速するようになっている。なお、ppsは、pulse per second(1秒あたりのパルス数)を意味する。図9に示した例では、Table1(最速)では10パルスで最高速度に到達し、Table2では12パルスで、Table3では14パルスで、Table4では16パルスで、Table5では18パルスで、Table6では20パルスで、Table7では22パルスで、Table8(最遅)では24パルスで最高速度に到達する。
【0034】
図10に示すように、Table1〜8を用いることで、プラテンローラ13が最高速度に達するまでの時間を制御することができるようになっている。停止状態から最高速度が1000[pps]に到達するまでに要する時間は、Table1において、約17.7ms、・・・、Table8において、約45.2msとなる。このように、本実施形態では、巻取り軸22の巻取り径Rに応じて、加速度テーブルTable1〜8の1つを選択し、該選択した加速度テーブルのモータパルス時間で、プラテンローラ13を駆動制御することで、用紙11の送り出し加速度を制御することが可能となっている。
【0035】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図11は、本実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
(ステップS1)
サーマルプリンタ部10での印字が開始されると、選択された加速テーブルのモータパルス時間に従って、プラテンローラ13によりロール紙が停止状態から加速し、設定された最高速度で搬送され、印字された後、プリンタ内の用紙搬送経路を介して巻取り機20に供給される。ステップS1終了後、ステップS2に進む。
【0036】
(ステップS2)
次に、巻取り機20は、供給される用紙が、巻取り用のモータ28の駆動により巻取り軸22が回転することで巻き取られる。巻取り機20は、停止状態から加速し、たるみが発生しないよう用紙に一定のテンションをかけながら巻取りを行う。このとき、過剰なテンションがかからないようトルクリミッタ23でトルクを制限しながら巻取りを行う。ステップS2終了後、ステップS3に進む。
【0037】
(ステップS3)
次に、巻取り機20は、用紙を巻き取ると同時に、取付けられた回転検出センサ21により、巻取り軸22の回転を検出し、回転検出値を取得する。ステップS3終了後、ステップS4に進む。
(ステップS4)
次に、制御装置30は、サーマルプリンタ部10から巻取り機20に供給した用紙供給量と、回転検出センサ21の回転検出値とをRAM31に格納する。ステップS4終了後、ステップS5に進む。
【0038】
(ステップS5)
次に、巻取り径計算手段32は、このときの用紙供給量(用紙長)で巻取り径テーブル(図7参照)を参照し、巻取り機20の現在の巻取り径を取得する。ステップS5終了後、ステップS6に進む。
【0039】
(ステップS6)
次に、制御装置30は、予めROM33に格納しておいた、巻取り径別プリンタ加速度テーブル(図8参照)を参照し、現在の巻取り径に対応した加速度テーブルを選択する。ステップS6終了後、ステップS7に進む。
(ステップS7)
次に、制御装置30は、印字が終了したか否かを判定する。印字が終了したと判定されない場合(ステップS7;No)、ステップS7を繰り返す。印字が終了したと判定された場合(ステップS7;Yes)、当該処理を終了する。
【0040】
すなわち、サーマルプリンタ部10では、印字時に、上記取得した加速テーブルに従って順次加速を行い、巻取り径が小さいときは、プラテンローラ13による用紙の送り出し加速度を大きくして短時間で最高速度まで加速し、巻取り径が大きいときには、プラテンローラ13による用紙の送り出し加速度を小さくして少し時間をかけて加速を行うといったように、巻取り軸22での巻取り径に応じた加速度で用紙搬送を行う。
【0041】
巻取り機20側は、一番トルクが必要となる巻取り径が大のときに、緩やかに加速するプリンタ速度に追従できるだけのトルクを有すれば良いこととなり、巻取り機20側のトルクを最低限に抑えることができるトルクリミッタを選定することができ、巻取り径の大小に依らずに正常な巻取りを行うことで、印字品位の低下を防止することができる。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、巻取り機20の巻取り径が小さい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が速くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を大きくし、巻取り機20の速度に追従させ、巻取り機20の巻取り径が大きい場合には、巻取り機20の立ち上がり速度が遅くなるため、サーマルプリンタ部10の駆動時における用紙の送り出し加速度を小さくし、用紙のたるみ発生を防止することができる。また、本実施形態では、用紙がたるまないように、制御装置30がプラテンローラ13を制御するため、現状のサーマルプリンタ装置に対して部品の追加を行わないですむため、コストアップを抑える効果もある。
【0043】
また、巻取り機側のトルクとしては、プリンタ加速度調整後における巻取り径が大径となる用紙を、たるみがない程度に巻き取れるトルクに抑えることで、小径時の速度超過による過剰トルクを従来と比較して抑えることができるため、印字品位を安定させることができる。
【0044】
なお、本実施形態では、巻取り軸22に、1周で12個の検出用スリット26を設ける例を説明したが、1周に設ける検出用スリット26の数は12個でなくともよく、その場合、巻取り径Rの式(1)は、検出用スリット数nに応じて、R=n×L/πで表される。そして、この検出用スリット数に応じたスリット間隔に基づき、図7に示した巻取り径テーブルを作成して、RAM31に記憶させておくようにしてもよい。
【0045】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
巻取り機20の巻取り軸22における巻取り径は、用紙の厚さにも依存する。そこで、本実施形態では、用紙供給量に加え、用紙の厚さを考慮する。用紙の厚さは、予め利用者が分かっているので、用紙をセットする際に、利用者が厚みや用紙に関する情報を設定、もしくは選択する。これにより、用紙供給量と回転検出値と用紙厚さとから所定の巻取り径テーブルを参照し、現在の巻取り径を取得する。
【0046】
図12は、本実施形態に係るプリンタの構成を示すブロック図である。なお、図1に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。第1実施形態と異なる機能部は、RAM31a、巻取り径計算手段32a、及び用紙設定部34(設定部)である。
用紙設定部34は、用紙をセットする際に、利用者が厚みや用紙に関する情報を設定、もしくは選択する。
RAM31aは、用紙設定部34により設定(もしくは選択)された用紙厚さを示す情報313を保持する。
【0047】
巻取り径計算手段32aは、用紙供給量と回転検出値と用紙厚さとから、巻取り軸22における現在の巻取り径を取得する。制御装置30aは、巻取り径計算手段32aが取得した情報に基づき、サーマルプリンタ部10の印字を制御する。
以下、サーマルプリンタ部10でのプラテンローラ13による用紙の送り出し加速度制御方法は、上述した第1実施形態におけるステップS1〜S7の処理と同様であるので説明を省略する。
【0048】
上述した本実施形態によれば、巻取り径計算手段32aが、用紙供給量と回転検出値と用紙厚さとから、巻取り軸22における現在の巻取り径を取得して、この取得した情報に基づき、制御装置30aは、サーマルプリンタ部10の印字を制御する。この結果、用紙厚さが異なる用紙を用いる場合であっても、用紙のたるみ発生を防止することができ、また、印字品位を安定させることができる。また、本実施形態では、用紙がたるまないように、制御装置30aがプラテンローラ13を制御するため、現状のサーマルプリンタ装置に対して部品の追加を行わないですむため、コストアップを抑える効果もある。
【0049】
なお、上述した第1、第2実施形態において、プリンタ側の加速度取得方法としては、ROM33内に予め加速度テーブルとして格納しておくだけではなく、取得した巻取り径に応じて計算を行い、加速度を算出してプリンタ部10(プラテンローラ13のモータ)を駆動制御することもできる。
【0050】
また、巻取り機20のモータ28は、DCモータではなく、ステッピングモータでも同様に制御することができる。
【0051】
なお、実施形態の図1または図12の制御装置30または制御装置30aの各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、USB(Universal Serial Bus) I/F(インタフェース)を介して接続されるUSBメモリー、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバーやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0052】
10…サーマルプリンタ部(印字部)、13…プラテンローラ(用紙送り出し部)、
20…巻取り機(巻取り部)、21…回転検出センサ(回転検出部)、
23…トルクリミッタ、28…モータ、30、30a…制御装置(加速度制御部)、
31、31a…RAM、311…用紙供給量(搬送量検出部)、312…回転検出値、
313…用紙厚さ、32…巻取り径計算手段(巻取り径取得部)、
321…現在の巻取り径、33…ROM、331…加速度テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送された用紙に印字を行うプリンタであって、
用紙を送り出す用紙送り出し部と、
前記用紙送り出し部によって送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出部と、
前記用紙送り出し部によって送り出される用紙に印字する印字部と、
前記印字部によって印字された用紙を巻き取る巻取り部と、
前記巻取り部の回転を検出する回転検出部と、
前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得部と、
前記巻取り径取得部によって取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を制御する加速度制御部と
を備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記巻取り部は、
円周に沿って等間隔で形成された複数のスリットを有する円板を備え、
前記回転数検出部は、
前記巻取り部と共に回転する前記円板に形成された前記複数のスリットを検出することで、前記巻取り部における前記複数のスリットの個数分の1回転を検出し、
巻取り径取得部は、
前記回転検出部が前記複数のスリットの個数分の1回転を検出する間に前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量に基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記加速度制御部は、
前記巻取り径が小さいときは、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を大きくし、前記巻取り径が大きいときには、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を小さくする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記用紙の厚さを設定する設定部を更に備え、
前記巻取り径取得部は、
前記設定部によって設定された用紙の厚さと、前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した前記巻取り部の回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
搬送された用紙に印字を行うプリンタ制御方法であって、
用紙を送り出す用紙送り出し過程と、
前記用紙送り出し過程で送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出過程と、
前記用紙送り出し過程で送り出される用紙に印字する印字過程と、
前記印字過程で印字された用紙を巻取り機で巻き取る巻取り過程と、
前記巻取り機の回転を検出する回転検出過程と、
前記搬送量検出過程で検出された用紙の搬送量と、前記回転検出過程で検出した前記巻取り機の回転とに基づいて、前記巻取り機に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得過程と、
前記巻取り径取得過程で取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し過程での用紙送り出し加速度を制御する加速度制御過程と
を含むことを特徴とするプリンタ制御方法。
【請求項1】
搬送された用紙に印字を行うプリンタであって、
用紙を送り出す用紙送り出し部と、
前記用紙送り出し部によって送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出部と、
前記用紙送り出し部によって送り出される用紙に印字する印字部と、
前記印字部によって印字された用紙を巻き取る巻取り部と、
前記巻取り部の回転を検出する回転検出部と、
前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得部と、
前記巻取り径取得部によって取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を制御する加速度制御部と
を備えることを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記巻取り部は、
円周に沿って等間隔で形成された複数のスリットを有する円板を備え、
前記回転数検出部は、
前記巻取り部と共に回転する前記円板に形成された前記複数のスリットを検出することで、前記巻取り部における前記複数のスリットの個数分の1回転を検出し、
巻取り径取得部は、
前記回転検出部が前記複数のスリットの個数分の1回転を検出する間に前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量に基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記加速度制御部は、
前記巻取り径が小さいときは、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を大きくし、前記巻取り径が大きいときには、前記用紙送り出し部による用紙送り出し加速度を小さくする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記用紙の厚さを設定する設定部を更に備え、
前記巻取り径取得部は、
前記設定部によって設定された用紙の厚さと、前記搬送量検出部によって検出された用紙の搬送量と、前記回転検出部によって検出した前記巻取り部の回転とに基づいて、前記巻取り部に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
搬送された用紙に印字を行うプリンタ制御方法であって、
用紙を送り出す用紙送り出し過程と、
前記用紙送り出し過程で送り出される用紙の搬送量を検出する搬送量検出過程と、
前記用紙送り出し過程で送り出される用紙に印字する印字過程と、
前記印字過程で印字された用紙を巻取り機で巻き取る巻取り過程と、
前記巻取り機の回転を検出する回転検出過程と、
前記搬送量検出過程で検出された用紙の搬送量と、前記回転検出過程で検出した前記巻取り機の回転とに基づいて、前記巻取り機に巻き取られている用紙の巻取り径を取得する巻取り径取得過程と、
前記巻取り径取得過程で取得された巻取り径に応じて、前記用紙送り出し過程での用紙送り出し加速度を制御する加速度制御過程と
を含むことを特徴とするプリンタ制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−196783(P2012−196783A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60774(P2011−60774)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
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