説明

プリントシステム及びプリント技術

【課題】複数の関連付けられたプリント要素群に従って画像をプリントするための方法及びプリントシステムを提供する。
【解決手段】ワークピース1030がワークピースコンベア1005によって有効プリント領域1040内に搬送されると、列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された関連付けられたプリント要素群が、ワークピース1030、1025へのプリントを行う。具体的には、ワークピース1035、1030が1走査線分前進すると、データポンプ1070は画像データをプリント要素の適切な受信電子装置にダンプし、ワークピース1035、1030が同時にプリントされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリントシステム及びプリント技術に関する。
【背景技術】
【0002】
絵や文字頁等の画像をプリントする際には、画像データをプリント装置が理解可能な形式に変換し、そのプリント装置と関連付けられたプリントバッファに中継するのが一般的である。プリントバッファは、変換された画像データを受け取って、プリント装置がその後プリントするために、画像データの少なくとも一部を格納する。
【0003】
多くのプリント装置は、複数の個々のプリント要素(例えば、インクジェットプリントモジュール内のインクジェットノズル)を備える。プリント要素は、画像の選択された構成要素をプリントするよう配置され得る。例えば、選択されたプリント要素がワークピース上の選択された位置にプリントするよう配置され得る。別の例として、カラープリントにおいては、選択されたプリント要素が選択された色をプリントするよう配置され得る。制御電子装置は、プリントバッファからの画像データを用いて、配置されたプリント要素による画像のプリントを調整し得る。
【0004】
プリント装置のプリント要素は、プリントモジュールと呼ばれる複数のグループとして構成され得る。1つのモジュールのプリント要素は、モジュールを構成するそれらの要素の配置に従ってグループ化され得る。例えば、選択された一続きの位置にプリントするプリント要素が1つのプリントモジュールとしてグループ化され得る。別の例として、(選択された一続きの位置に)選択された色をプリントするプリント要素が1つのプリントモジュールとしてグループ化され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、複数の関連付けられたプリント要素群に従って画像をプリントするための方法及びプリントシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願明細書で説明するのは、複数の関連付けられたプリント要素群に従って画像をプリントすることに関する方法及び装置(コンピュータプログラム製品を含む)である。
【0007】
概括的な1つの態様において、本技術は、1つ以上の画像をプリントする方法であることを特徴とする。本方法は、複数の関連付けられたプリント要素群を有するプリント装置でプリントされるべき第1及び第2のセットの画像データを含む複数のセットの画像データを集める工程を備える。複数のセットの画像データを集める工程は、第1のセットの画像データが第1のセットの複数の部分に分割され、第2のセットの画像データが第2のセットの複数の部分に分割され、第1のセットの複数の部分の各部分がプリント装置の1つの関連付けられたプリント要素群と関連付けられ、第2のセットの複数の部分の各部分がプリント装置の1つの関連付けられたプリント要素群と関連付けられた、第1及び第2のセットの画像データを集める工程を含む。本方法は、複数の関連付けられたプリント要素群の少なくとも1つに第1のセットの画像データの関連付けられた部分を供給し、複数の関連付けられたプリント要素群の少なくとも1つに第2のセットの画像データの関連付けられた部分を供給する工程を更に備える。
【0008】
複数の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を備え得る。本方法は、複数の関連付けられたプリント要素群に従って第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程を更に備えてもよい。第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程は、第1のワークピースに第1のセットの画像データの複数の部分をプリントし、第2のワークピースに第2のセットの画像データの複数の部分をプリントすることを含んでもよい。第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程は、1つのワークピースに第1のセットの画像データの複数の部分と第2のセットの画像データの複数の部分とをプリントすることを含んでもよい。複数の関連付けられたプリント要素群に従って第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程は、第1及び第2のセットの画像データの各部分を略同時にプリントすることを含んでもよい。第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程は、第1及び第2のセットの画像データがプリントに使用可能になるとすぐに該第1及び第2のセットの画像データをプリントすることを含んでもよい。
【0009】
第1及び第2のセットの画像データを集める工程は、プリント装置に送られるべき、第1及び第2のセットの画像データを含むデータパケットを生成することを含んでもよい。第1及び第2のセットの画像データを供給する工程は、第1及び第2のセットの画像データを含むデータパケットをプリント装置に送ることを含んでもよい。第1のセットの画像データは第1の画像の部分を表してもよく、第2のセットの画像データは第2の画像の部分を表してもよい。
【0010】
第1のセットの画像データは1つの画像の部分を表し、第2のセットの画像データは該1つの画像の異なる部分を表してもよい(即ち同じ画像。例えば、1つの画像の最後の部分と最初の部分等といった、1つの同じ画像の2つの異なる部分)。関連付けられたプリント要素群は、有効プリント領域にわたる同じ列において横方向に配列されたプリント要素を含んでもよい。
【0011】
別の態様において、本技術は、1つ以上の画像をプリントする方法であることを特徴とする。本方法は、プリント装置でプリントされるべき第1のセットの画像データを受け取る工程と、プリント装置でプリントされるべき第2のセットの画像データを受け取る工程と、少なくとも1つの関連付けられたプリント要素群に、受け取った第1のセットの画像データの関連付けられた部分を供給し、少なくとも1つの関連付けられたプリント要素群に、受け取った第2のセットの画像データの関連付けられた部分を供給する工程と、関連付けられたプリント要素群に従って第1及び第2のセットの受け取った画像データをプリントする工程とを含む。本方法では、第1のセットの画像データは第1のセットの複数の部分に分割され、第1のセットの複数の部分の各部分はプリント装置の1つの関連付けられたプリント要素群と関連付けられる。また、第2のセットの画像データは第2のセットの複数の部分に分割され、第2のセットの複数の部分の各部分はプリント装置の関連付けられたプリント要素群の1つと関連付けられる。
【0012】
複数の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を備え得る。本方法は、プリント装置でプリントされるべきN番目のセットの画像データであって、N番目のセットの複数の部分に分割され、N番目のセットの複数の部分の各部分がプリント装置の複数の関連付けられたプリント要素群の1つと関連付けられたN番目のセットの画像データを受け取る工程と、複数の関連付けられたプリント要素群の少なくとも1つに、受け取ったN番目のセットの画像データの関連付けられた部分を供給する工程と、複数の関連付けられたプリント要素群において、受け取ったN番目のセットの画像データと少なくとも1つの別のセットの画像データとをプリントする工程とを更に含んでもよい。
【0013】
関連付けられたプリント要素群は、有効プリント領域にわたる同じ列において横方向に配列されたプリント要素を含んでもよい。複数の関連付けられたプリント要素群に従って、受け取った第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程は、受け取った画像データの各部分を略同時にプリントすることを含んでもよい。受け取った第1及び第2のセットの画像データをプリントする工程は、第1及び第2のセットの画像データがプリントに使用可能になるとすぐに該第1及び第2のセットの画像データをプリントすることを含んでもよい。
【0014】
概括的な1つの態様において、本技術は、1つ以上の画像をプリントする方法であることを特徴とする。本方法は、プリント装置でプリントされるべき画像データであって、2つ以上の画像を表し、複数の関連付けられたプリント要素群の1つに各部分が対応する複数の部分に分割された画像データを受け取る工程と、各関連付けられたプリント要素群に画像データの対応する部分を供給する工程と、各関連付けられたプリント要素群を、画像データの対応する部分を略同時にプリントするよう制御する工程とを備える。
【0015】
複数の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を備え得る。関連付けられたプリント要素群は、有効プリント領域にわたる同じ列において横方向に配列されたプリント要素を含んでもよい。画像データは、複数の部分の各N番目の部分がN番目の関連付けられたプリント要素群に対応するように分割されてもよい。
【0016】
別の態様において、本技術は、第1のセットの画像データ及び第2のセットの画像データを含む2つ以上のセットの画像データをプリント装置の複数のプリント要素の配置に従った複数の部分に分割する工程と、分割された画像データを複数の異なるメモリロケーションに割り当てる工程と、プリント装置におけるワークピースの位置を検出する工程と、分割された画像データを複数の異なるメモリロケーションから複数のプリント要素へと通信経路に沿って通信する工程と、複数のプリント要素による分割された画像データのプリント処理であって、第1のセットの関連付けられたプリント要素群が第1の画像を表す分割された画像データをプリントし、第2のセットの関連付けられたプリント要素群が第2の画像を表す分割された画像データをプリントするプリント処理のタイミングを、ワークピースの検出された位置に基づき調節する工程とを備える方法であることを特徴とする。
【0017】
複数の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を備え得る。プリント処理は、N番目のセットの関連付けられたプリント要素群がN番目の画像を表す分割された画像データをプリントすることを更に含んでもよい。プリント処理は、複数の関連付けられたプリント要素群が分割された画像データを略同時にプリントすることを更に含んでもよい。分割された画像データを複数の異なるメモリロケーションに割り当てる工程は、分割された画像データを個々のメモリバッファに割り当てることを含んでもよい。個々のメモリバッファは、個々のメモリバッファの個々のキューの要素であってもよい。分割された画像データを個々のメモリバッファに割り当てる工程は、分割された画像データを、選択されたプリント要素に対する専用の個々のメモリバッファに割り当てることを含んでもよい。プリント処理のタイミングを調節する工程は、ワークピースの位置に基づき、複数のプリント要素への分割された画像データの到着のタイミングを調節することを含んでもよい。分割された画像データの到着のタイミングを調節する工程は、通信経路に遅延を導入することを含んでもよい。通信経路に遅延を導入する工程は、データポンプに、分割された画像データの第1の部分の到着を遅延させることを含んでもよい。
【0018】
別の態様において、プリントシステムは、プリンタハウジングと、制御電子装置とを備える。プリンタハウジングは、有効プリント領域にわたって配列されたプリント要素の集合を有する。制御電子装置は、プリント要素の集合が第1の画像及び第2の画像を略同時にプリントするよう指示できる。
【0019】
複数の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を備え得る。プリント要素はインクジェットノズルであってもよい。本プリントシステムは、1セットの機械可読命令のロジックに従い、画像データの集合をプリント要素の配置に従った複数の部分に分割する処理を実行できるデータ処理装置を更に備えてもよい。本プリントシステムは、プリント要素の配置に従って、画像データの複数の部分のプリント処理のタイミングを調節できるタイミング要素を更に備えてもよい。
【0020】
別の態様において、プリントシステムは、2つ以上の関連付けられた群として配置された複数のプリント要素を含む有効プリント領域と、有効プリント領域内の関連付けられた群の配置に従って、画像データを複数の部分に分割できる制御電子装置と、各メモリロケーションが1つの関連付けられたプリント要素群に対する画像データの部分を格納できる2つ以上の異なるメモリロケーションと、関連付けられたプリント要素群による画像データの複数の部分のプリント処理であって、第1のセットの関連付けられたプリント要素群が第1の画像を表す分割された画像データをプリントし、第2のセットの関連付けられたプリント要素群が第2の画像を表す分割された画像データをプリントするプリント処理のタイミングを調節できるタイミング要素とを備える。
【0021】
複数の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を備え得る。有効プリント領域は、プリント要素がプリントする色に従って複数の関連付けられた群として配置された複数のプリント要素を含んでもよく、制御電子装置は、プリント要素がプリントする色に従って画像データを複数の部分に分割するよう構成されてもよい。有効プリント領域は、プリント要素がプリントする横方向の位置に従って複数の関連付けられた群として配置された複数のプリント要素を含んでもよく、制御電子装置は、プリント要素がプリントする横方向の位置に従って画像データを複数の部分に分割するよう構成されてもよい。有効プリント領域は、プリント要素の集合が広がる範囲に従って複数の関連付けられた群として配置された複数のプリント要素を含んでもよく、制御電子装置は、プリント要素の集合が広がる範囲に従って画像データを複数の部分に分割するよう構成されてもよい。タイミング要素は、複数の関連付けられたプリント要素群による画像データの複数の部分のプリントのタイミングを調節するよう構成された遅延を含んでもよい。
【0022】
ここに記載したプリントシステム及びプリント技術は、以下の長所の1つ以上を実現するよう実施され得る。連続して配置された複数のワークピースのそれぞれの部分に、複数の異なる画像を同時にプリントできる。これにより、ワークピースのスループット及び正味のプリント速度が高まる。プリントは1パスプリントであり得る。
【0023】
プリント装置におけるプリントモジュール及び/又はプリント要素の複数の関連付けられた群の配置に従って、プリントされるべき画像を表す画像データを分割できる。分割された画像データを、複数の関連付けられたプリント要素群の配置に応じて複数の異なるメモリロケーションに格納できる。複数の異なるメモリロケーションは、複数のバッファの複数のキュー内の個々のメモリバッファであり得る。
【0024】
プリント要素及び/又はプリントモジュールの関連付けられた群の配置によって画像データが分割されたら、簡単なハードウェア及び/又はソフトウェアを用いて、画像間の非プリント領域(例えば、画像がプリントされる品物間の間隔)が小さく且つ可変の状態で、複数の異なる画像を迅速に連続的にプリントし得る。コンピュータシステム及びプリント装置を有するプリントシステムでは、コンピュータシステムは、画像データを処理し、画像データのバッファを格納し、画像データに位置的な遅延を挿入するハードウェアを有し、画像データをプリントのためのジャストインタイムでプリント装置に送り得る。コンピュータシステムは、画像データを処理し、画像データを格納し、画像データに位置的な遅延を挿入し得るので、プリント装置におけるメモリ及び処理リソース等のハードウェアリソースが減らされ得る。非プリント領域は、複数の異なる画像が互いにすぐに隣接してプリントされ得るような、無いに等しいほど小さいものであってもよい。
【0025】
添付の図面及び以下の説明で、1つ以上の実施形態の詳細を述べる。開示されるシステム及び技術の他の特徴及び長所は、これらの説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】プリントシステムのブロック図。
【図2】図1のプリントシステムにおけるプリントモジュール及びプリント要素の配列を示す図。
【図3】図1のプリントシステムにおけるプリントモジュール及びプリント要素の配列を示す図。
【図4】横方向の位置において相対的にシフトされたプリント要素の配置の模式図。
【図5】異なるワークピースへの画像の連続プリントの模式図。
【図6】異なるワークピースへの画像の連続プリントのための処理のフローチャート。
【図7】関連付けられたプリント要素群の配置に従った画像データの分割の実施形態を示す図。
【図8】関連付けられたプリント要素群の配置に従った画像データの分割の実施形態を示す図。
【図9】関連付けられたプリント要素群の配置に従った画像データの分割の実施形態を示す図。
【図10】プリントシステムの一実施形態の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
各種図面において、類似の記号は類似の要素を示す。
【0028】
図1は、プリントシステム100のブロック図である。プリントシステム100は、ワークピースコンベア105と、プリンタハウジング110とを含む。ワークピースコンベア105は、一続きのワークピース(被加工物)115、120、125、130、135、140、145とプリンタハウジング110との間に相対移動を生じさせる。具体的には、ワークピースコンベア105は、ワークピース115、120、125、130、135、140、145を、プリンタハウジング110のフェース150を縦断するよう方向Dに搬送する。ワークピースコンベア105は、搬送中にワークピース115、120、125、130、135、140、145を保持可能なローラ、ベルト、又は他の要素を移動させるためのステッパ又は連続モータを含み得る。ワークピース115、120、125、130、135、140、145は、システム100がプリントする多くの様々な基体の任意のものであり得る。例えば、ワークピース115、120、125、130、135、140、145は、紙、厚紙、超小型電子デバイス、又は食料品であり得る。
【0029】
プリンタハウジング110には、ワークピース検出器155が収容されている。ワークピース検出器155は、1つ以上のワークピース115、120、125、130、135、140、145の位置を検出できる。例えば、ワークピース検出器155は、ワークピース115、120、125、130、135、140、145の端部がフェース150の所定の点を通過したことを検出するレーザ/光検出器アセンブリであり得る。
【0030】
プリンタハウジング110から離れた位置には、制御電子装置160が配置されている。制御電子装置160は、ケーブル195(例えば、光ケーブル)及び最小限の電子装置190によって、プリンタハウジング110とインターフェイスされる。制御電子装置160は、システム100によるプリント処理の実行を制御する。制御電子装置160は、1組の機械可読命令のロジックに従った処理を実行する1つ以上のデータ処理装置を含み得る。制御電子装置160は、例えば、画像処理ソフトウェア及びプリンタハウジング110におけるプリント動作を制御するソフトウェアを実行するパーソナルコンピュータシステムであり得る。
【0031】
制御電子装置160内には、プリント画像バッファ165が配置されている。プリント画像バッファ165は、プリント要素によるプリントのための画像データを格納する1つ以上のデータ記憶装置である。例えば、プリント画像バッファ165は、ランダムアクセスメモリ(RAM)装置の集合であり得る。プリント画像バッファ165は、制御電子装置160によって、画像データを格納するため及び読み出すためにアクセス可能である。
【0032】
制御電子装置160は、ケーブル195及び最小限の電子装置190を介してプリンタハウジング110とインターフェイスされる。制御電子装置160は、ケーブル195を介してデータを送ることができ、最小限の電子装置190は、プリンタハウジング110におけるプリントのためにそのデータを受け取ることができる。制御電子装置160は、プリンタハウジング110に送るデータを生成するための特別な回路を有し得る(例えば、プリント画像バッファから画像データを受け取る及び/又は読み出すことができ、画像データを格納でき、プリント装置のプリント要素が、コンベアに沿って移動中のワークピース上の対応する画像位置にインクを付着させる丁度よいタイミングで画像データを受信可能にできるデータポンプ。データポンプについては図10を参照して詳細に説明する)。最小限の電子装置190は、例えば、マイクロプロセッサ、トランシーバ及び最小限のメモリを有するフィールドプログラマブルゲートアレイであり得る。最小限の電子装置190は、プリンタハウジング110及び/又はプリンタハウジング110のハードウェアの変更の際には最小限の電子装置190を容易に取り外せるような方法で、プリンタハウジング110に接続され得る。例えば、プリンタハウジング110が、新しいプリントモジュールを収容した新しいプリンタハウジングと交換される場合には、最小限の電子装置190を古いプリンタハウジング110から取り外して、新しいプリンタハウジングに接続できる。
【0033】
画像のプリントは、制御電子装置160と最小限の電子装置190との間で分担され、制御電子装置は画像処理を行うと共にプリント動作を制御し、一方、最小限の電子装置190は、ケーブル195を介してデータを受け取ると共に、そのデータを用いて、プリンタハウジング110のプリント要素に発射を行わせる。従って、例えば、画像データはジェットマップ画像データに変換され得る。ジェットマップ画像データへの変換処理の一部として、画像データを複数の画像バッファの複数の画像キューに分割することとが含まれ得る(詳細は後述する)。画像データには遅延が挿入され得る(例えば、関連付けられたプリント要素群の配置に対応する遅延が挿入される)。そして、画像データは、制御電子装置160によって適切なタイミングで送られ得る(例えば、受信器によって画像データのデータパケットをエンコードして送る)。一方、最小限の電子装置190は、単に画像データを受信し(例えば、ケーブル195を介して送られた画像データパケットをデコードする)、画像データがワークピース上にプリントされるように画像データを中継し得る(例えば、画像データに従ってインクジェットノズルの発射を行わせる)。制御電子装置160は、プリンタハウジング110における画像のプリントを同期させ得る。先の例に従い、制御電子装置160は、ワークピースの前端を示す合図を受け取って、ケーブル195を介して画像データを送って、プリンタハウジング110での画像のプリントを行わせることによって、画像のプリントを同期させてもよい。
【0034】
制御電子装置160は、複数のワークピースがワークピースコンベア105に沿って移動中に、これらのワークピース上への1つ以上の画像の「ジャストインタイム」のプリントを可能にするために、高データ速度で画像データをプリンタハウジング110に送ることができる。ジャストインタイムのプリントの一実施形態では、プリンタハウジング110への画像データの送信がトリガとして作用して、データがプリンタハウジング110に到着するとパケット内の画像データを「実質的に直ちに」プリントさせることができる。この実施形態では、画像データをプリントする前にその画像データをプリンタハウジングの格納要素に格納しなくてもよく、データがプリンタハウジングに到着した時にプリントすることができる。ジャストインタイムのプリントは、画像データがプリンタハウジングに到着するのと略同時に画像データをプリントすることも指し得る。
【0035】
ジャストインタイムのプリントの別の実施形態では、プリンタハウジングで受け取られたデータは1つ以上のラッチに格納され、プリンタハウジングで受け取り中の新たな又は後続のデータが、ラッチされているデータをプリントするためのトリガとして作用し得る。この実施形態では、プリンタハウジングで受け取られたデータは、後続データがプリンタハウジングに到着するまでラッチに格納され、プリンタハウジングに到着した後続データが、ラッチされていたデータをプリントするためのトリガとして作用できる。データ、後続データ、及びラッチされるデータは、画像データパケットの形態でプリンタハウジングで受信及び/又は格納され得る。1つのケースでは、プリンタハウジングに到着する後続データは、次の後続データである。或いは、プリンタハウジングに到着する後続データは、次の後続データの後に到着する後続データ等のような、次の後続データ以外の後続データである。画像データはそのような高データ速度でプリントされるので、ラッチされたデータからプリントされるデータは、データがプリンタハウジングに到着すると「実質的に直ちに」プリントされるデータのことも指し得る。
【0036】
プリンタハウジング110は最小限の電子装置190及び低減された量のメモリを有するので、プリンタハウジング110はより低コストで実装され得る。プリンタハウジング110で用いられるタイプのメモリも、より低コストで実装され得る。一実施形態では、プリンタハウジング110に実装されるタイプのメモリは、最小限の電子装置190の一部であり得るフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)集積回路(IC)の一部である。プリンタハウジング110において高速画像データのバッファリングをほとんど又は全く行わないことにより、プリンタハウジング110を実装するためのコスト及び工学設計の努力も低減され得る。例えばプリンタハウジング110に複数のFPGAを有し、各FPGAが最小限の電子装置190を実装して1つ以上のケーブルを用いて1つ以上のデータポンプとインターフェイスする構成を含む多くの構成において、システム100は、プリンタハウジング110への、高帯域幅の同期したジャストインタイムの画像データのスケーラブルな送信を提供し得る。
【0037】
図2及び図3は、ハウジング110におけるプリントモジュール及びプリント要素の配置を示す。具体的には、図2はハウジング110の側面図であり、図3はハウジング110の底面図である。
【0038】
ハウジング110はフェース150上に、プリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315の集合を有する。各プリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315は、1つ以上のプリント要素を有する。例えば、各プリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315は、インクジェットノズルのリニアアレイを有し得る。
【0039】
プリントモジュール205、305は、列320に沿って横方向に配置される。プリントモジュール210は列325に沿って配置される。プリントモジュール215、310は列330に沿って横方向に配置される。プリントモジュール220は列335に沿って配置される。プリントモジュール225、315は列340に沿って横方向に配置される。プリントモジュール230は列345に沿って配置される。この列325、330、335、340、345に沿ったプリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315の配置は、フェース150の有効プリント領域235にわたるものである。有効プリント領域235は、プリントモジュール205、305のプリント要素からプリントモジュール230のプリント要素までわたる縦方向の幅Wを有する。
【0040】
プリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315は、1つの画像の選択された構成要素をプリントするための複数の関連付けられたプリント要素群として配置され得る。例えば、プリントモジュール205、210、305は、フェース150を縦断して移動中の基体の横方向の全範囲にわたって第1の色をプリントするための第1の関連付けられたプリント要素群として配置され、プリントモジュール215、220、310は、横方向の全範囲にわたって第2の色をプリントするための第2の関連付けられたプリント要素群として配置され、プリントモジュール225、230、315は、横方向の全範囲にわたって第3の色をプリントするための第3の関連付けられたプリント要素群として配置され得る。
【0041】
別の例として、1グループのプリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315は、モジュールを構成するプリント要素の列における位置に基づき、複数の関連付けられたプリント要素群として配置され得る。例えば、第1の関連付けられたプリント要素群は、モジュールを構成する複数のプリント要素が単一の列に配列されるよう配置されたモジュール205、305を含み得る。第2の関連付けられたプリント要素群は、プリントモジュール210のみを含み得る。モジュール215、310は第3の関連付けられたプリント要素群を構成し得る。第4、第5及び第6の関連付けられたプリント要素群は、モジュール220、モジュール225及び315、モジュール230をそれぞれ含む。このように列に応じたプリント要素の関連付けられた群を構成することにより、画像データの複雑なリアルタイムの調節を必要とせずに、完成した画像領域間の縦方向の幅Wに対する非プリント領域が小さく且つ可変の状態又は存在しない状態で、複数の異なる画像を相次いでプリントすることが可能になる。
【0042】
別の例として、1グループのプリントモジュール205、210、215、220、225、230、305、310、315は、モジュールを構成するプリント要素の横方向の位置に基づき、複数の関連付けられたプリント要素群として配置され得る。例えば、第1の関連付けられたプリント要素群はモジュール205、210、305を含み得る。これらのモジュールを構成するプリント要素は、横方向の位置において、モジュール215、220、310のプリント要素及びモジュール225、230、315プリント要素から相対的にシフトされるよう配置されている。第2の関連付けられたプリント要素群はプリントモジュール215、220、310を含み得る。これらのモジュールを構成するプリント要素は、横方向の位置において、モジュール205、210、305のプリント要素及びモジュール225、230、315のプリント要素から相対的にシフトされるよう配置されている。モジュール225、230、315は、第3の関連付けられたプリント要素群を構成し得る。位置の相対的なシフトは、モジュール内のプリント要素の横方向の間隔より小さくでき、この正味の影響として、ハウジング110におけるプリント要素間の横方向の間隔を減少させることにより、事実上、画像をプリント可能な解像度を高くできる。
【0043】
別の例として、複数のグループのプリントモジュールは、それらのプリントモジュールがカバーする横方向の範囲に基づき、複数の関連付けられたプリント要素群として配置され得る。例えば、第1の関連付けられたプリント要素群は、ワークピースの横方向外側の範囲をカバーするよう配置されたモジュール205、305、215、310、225、315を含み得る。第2の関連付けられたプリント要素群は、ワークピースの横方向中央の範囲をカバーするよう配置されたプリントモジュール210、220、230を含み得る。
【0044】
別の例として、複数のグループのプリント要素は、上記及びその他のファクタの組み合わせに基づき、複数の関連付けられたプリント要素群として配置され得る。例えば、複数のグループのプリント要素は、それらがワークピースの外側の範囲にシアンの色をプリントすることに基づき、1つの関連付けられたプリント要素群として配置され得る。別の例として、複数のグループのプリントモジュールは、それらを構成するプリント要素がワークピースの横方向外側の範囲の或る横方向の位置にプリントすることに基づき、1つの関連付けられたプリント要素群として配置され得る。
【0045】
各関連付けられたプリント要素群は、プリント画像バッファ165(図1に示す)内に専用のメモリロケーションを有することができ、一旦そのメモリロケーションに存在した画像データを該当する関連付けられたプリント要素群がプリントする。例えば、プリント画像バッファ165が、個々のバッファの複数のキューの集合である場合には、各関連付けられたプリント要素群は、それぞれ専用のキューをバッファに有し得る。
【0046】
図4には、横方向の位置において相対的にシフトされた複数のプリント要素の配置が模式的に示されている。ハウジング110の図示されている部分は、プリントモジュール205、215、225を有する。プリントモジュール205は、互いに横方向に距離Lだけ離間された複数のプリント要素405のアレイを有する。プリントモジュール215は、互いに横方向に距離Lだけ離間された複数のプリント要素410のアレイを有する。プリントモジュール225は、互いに横方向に距離Lだけ離間された複数のプリント要素415のアレイを有する。
【0047】
プリント要素405は、プリント要素410の横方向の位置に対してシフト距離Sだけシフトされている。プリント要素405は、プリント要素415の横方向の位置に対してシフト距離Sだけシフトされている。プリント要素410は、プリント要素415の横方向の位置に対してシフト距離Sだけシフトされている。シフト距離Sは距離Lより小さく、プリント要素405、プリント要素410及びプリント要素415間の横方向の相対的シフトの正味の影響として、ハウジング110のフェース150上のプリント要素間の総体としての横方向の間隔が減少する。
【0048】
図5は、プリントシステム100を用いた、2つ以上の異なるワークピース上への画像500の連続プリントを模式的に示す。一連のワークピース120、125、130、135、140は、プリントのために、プリンタハウジング110のフェース150の有効プリント領域235を縦断するよう搬送される。画像500は連続的にプリントされ得る。即ち、画像500はワークピース120、125、130、135、140上に順次プリントされ得る(即ち、様々なワークピース上に同じ画像が相次いでプリントされる)。
【0049】
各ワークピース120、125、130、135、140は、縦方向の幅W2を有する。ワークピースの幅W2は、有効プリント領域235の幅Wより小さい。ワークピース120の前端は、ワークピース125の後端から離間距離SEPだけ離間される。ワークピース125の前端は、ワークピース130の後端から離間距離SEPだけ離間される。ワークピース130の前端は、ワークピース135の後端から離間距離SEPだけ離間される。ワークピース135の前端は、ワークピース140の後端から離離間距離SEPだけ離間される。離間距離SEPは、有効プリント領域235の幅Wより小さくてもよい。離間距離SEPは0であってもよい。従って、ワークピース130及びワークピース135の両方が有効プリント領域235内に同時に位置して同時にプリントされてもよい。
【0050】
システム100は、ワークピース130及びワークピース135の両方に部分的にプリントされた画像500を有する。このように、単一の有効プリント領域を用いて、2つ以上の異なるワークピースに画像500を連続プリントすることにより、システム100におけるワークピースのスループットが速くなる。
【0051】
図6は、2つ以上の異なるワークピースへの、単一の有効プリント領域を用いた画像の連続プリントのための処理650、655、660のフローチャートである。処理650、655、660は、全体的に又は部分的に、バッファとデータを交換してプリント要素によるプリント動作を制御するよう構成されたデータ処理装置及び/又は回路によって実行され得る。システム100において、処理650、655、660は、制御電子装置160によってワークピースコンベア105及びワークピース検出器155から受け取った入力を用いて実行され得る。制御電子装置160内では、システム100の異なる部分によって異なる処理が実行され得る。例えば、処理650は制御電子装置160内で動作するソフトウェアによって実行されてもよく、処理655及び660はデータポンプによって実行されてもよい。650、655及び660の処理は、一斉に及び/又は互いに独立して実行され得ることを示すために別個に示されている。
【0052】
処理650を実行するシステムは、605で画像データを受け取る。画像データは、個々の画像に関するデータの独立型集合(stand-alone collection)であり得る。例えば、画像データはGIF(Graphic Image Format)ファイル、JPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイル、PostScript(商標)、PCL(Printer Command Language)、又はその他の画像データ集合であり得る。
【0053】
次に610で、システムは、関連付けられたプリント要素群の配置に従って、受け取った画像データを変換及び分割し得る。画像データは分割前に変換されてもよく、変換前に分割されてもよく、又は、同じ処理の一部として変換及び分割されてもよい。画像データの変換には、例えば、画像データをプリント装置が理解可能な形式(例えばビットマップ・ラスタデータ)に変換し、更に、ビットマップ・ラスタデータをジェットマップデータに変換することが含まれ得る。ビットマップ・ラスタ画像データをジェットマップデータに変換する際には、ビットマップ画像形式が用いる位置的な順序(geographic order)に対応する順序に配置された入力ビットマップを取得し、ビットマップ・ラスタ画像データをプリント要素の物理的な位置に対応するよう再配置する。これには、ビットマップ・ラスタ画像データをジェットマップデータに変換する処理の一部として、画像データを分割することも含まれ得る(即ち、ジェットマップデータは、複数の関連付けられたプリント要素群に対応する複数の画像バッファに分割される)。一例として、610の処理には、JPEG形式の画像データをビットマップ形式の画像データに変換し、次に、ビットマップ形式の画像データを、複数の関連付けられたプリント要素群に対応する複数の画像バッファとしてのジェットマップ画像データに変換することが含まれ得る。別の実施形態では、最初の中間形式への変換を行わずに、画像データが直接ジェットマップデータに変換されてもよい。
【0054】
関連付けられたプリント要素群の配置に従った画像データの分割には、1つの関連付けられたプリント要素群によってプリントされるべき画像データの部分を、その関連付けられたプリント要素群の配置に基づき識別することが含まれ得る。
【0055】
図7には、関連付けられたプリント要素群の配置に従った、画像700を表す画像データの分割の一実施形態が示されている。画像700は、シアンの線705と、マゼンタの線710と、イエローの線715とを含む。シアンの線705は、シアンをプリントするよう配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。マゼンタの線710は、マゼンタをプリントするよう配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。イエローの線715は、イエローをプリントするよう配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。
【0056】
画像700を表す画像データが分割されると(矢印720で示す)、画像725、730、735を表す3つの個別のデータの集合が構成される。画像725はシアンの線705を含むので、シアンをプリントするよう配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。画像730はイエローの線715を含むので、イエローをプリントするよう配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。画像735はマゼンタの線710を含むので、マゼンタをプリントするよう配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。従って、画像725、730、735を表す画像データは、画像700を表すデータを、それぞれ異なる色をプリントする関連付けられたプリント要素群の配置に従って分割した結果である。
【0057】
図8は、関連付けられたプリント要素群の配置に従った画像データの分割の別の実施形態(即ち、画像800の部分を表す画像データ)を示す。具体的には、横方向の位置において相対的にシフトされたプリント要素の配置に従った分割が示されている。プリント要素の横方向の位置におけるシフトは、図4に示されているハウジング110の実施形態における、プリント要素405、プリント要素410及びプリント要素415間の横方向のシフトSに対応し得る。
【0058】
画像部分800は、画素列805、810、815の集合を含む。各画素列805、810、815は、縦方向の画素列を含む。画素列805は、画素列810の位置に対して横方向にシフト距離Sだけシフトされている。画素列805は、画素列815の位置に対して横方向にシフト距離Sだけシフトされている。画素列810は、画素列815の位置に対して横方向にシフト距離Sだけシフトされている。シフト距離S(及びそれに従ってプリント画像の横方向の解像度)は、プリント要素間の総体としての横方向の間隔によって決定される。
【0059】
ワークピースがプリント要素のアレイを縦断して縦方向に移動する際に、個々のプリント要素によって各画素列805、810、815がプリントされ得る。例えば、画像部分800が図4に示されているハウジング110の実施形態を用いてプリントされる場合には、単一のプリント要素405は単一の画素列805をプリントでき、単一のプリント要素410は単一の画素列810をプリントでき、単一のプリント要素415は単一の画素列815をプリントできる。
【0060】
画像部分800を表す画像データが分割されると(矢印820で示す)、画像部分825、830、835を表す3つの個別のデータの集合が構成される。画像部分825は画素列805を含むので、横方向の距離Lだけ離間された第1のプリント要素アレイによってプリント可能できる。画像部分830は画素列810を含むので、横方向の距離Lだけ離間された第2のプリント要素アレイによってプリント可能である。画像部分835は画素列815を含むので、横方向の距離Lだけ離間された第3のプリント要素アレイによってプリント可能である。これらのアレイのプリント要素は、横方向の位置において互いに相対的にシフトされている。従って、画像部分825、830、835を表す画像データは、画像部分800を表すデータを、それぞれ異なる横方向の位置でプリントする関連付けられたプリント要素群の配置に従って分割した結果である。
【0061】
図9は、関連付けられたプリント要素群の配置に従った画像900を表す画像データの分割の別の実施形態を示す。画像900は、画像900の横方向の全範囲にわたる単一の線905を含む。
【0062】
画像900を表す画像データが分割されると(矢印910で示す)、画像915、920を表す2つの個別のデータの集合が構成される。画像915は2つの外側の線部分925を含むので、ワークピースの外側に向かって配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。例えば、外側の線部分925は、プリントモジュール205、305を含む関連付けられたプリント要素群によって、プリントモジュール215、310を含む関連付けられたプリント要素群によって、又はプリントモジュール225、315を含む関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である(図3)。
【0063】
画像920は中央の線部分930を含むので、ワークピースの中央に向かって配置された1つの関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である。例えば、中央の線部分930は、プリントモジュール210を含む関連付けられたプリント要素群によって、プリントモジュール220を含む関連付けられたプリント要素群によって、又はプリントモジュール230を含む関連付けられたプリント要素群によってプリント可能である(図3)。従って、画像915、920を表す画像データは、画像900を表すデータを、それぞれ異なる横方向の範囲をプリントする関連付けられたプリント要素群の配置に従って分割した結果である。
【0064】
再び図6を参照すると、処理650を実行するシステムは、615で、分割で生じた画像データ部分を個々の画像キューに割り当てる。即ち、この割り当てにより、各バッファの画像データが各キューに割り当てられる。一般的に、各バッファの画像データは、プリント装置の1つの関連付けられたプリント要素群に対応する。同様に、1セットのバッファは、複数の関連付けられたプリント要素群によってプリントされるべき1セットの画像データに対応する。610で生成された複数のバッファの画像データは、各キューが1つの関連付けられたプリント要素群に対応する複数のキューに登録される。例えば、各画像キューが1つの関連付けられたプリント要素群に対応する8つの画像キューがある場合には、第1の関連付けられたプリント要素群に対応する1セットのバッファの画像データは第1の画像キューに割り当てられ、第2の関連付けられたプリント要素群に対応する1セットのバッファの画像データは第2の画像キューに割り当てられるというように、割り当てが行われ得る。これらの画像キュー及びバッファが配置されるメモリロケーションは、特定の関連付けられたプリント要素群によるプリントのための画像データを格納するよう専用に設けられ得る。例えば、メモリロケーションは、オペレーティングシステムによるメモリ管理から遮断されてもよく、メモリロケーションは、データポンプによって直接メモリアクセスを用いてアクセス可能であってもよい。複数のバッファの画像データに対する複数のキューは、先入れ先出しキュー(即ち、FIFOキュー)であってもよい。
【0065】
処理650を実行するシステムは、620で、複数のプリント画像バッファ(即ち、複数のバッファの画像データ)がどこに位置するかを示すロケーションをシステムが更新すべきか否かを判定する。例えば、システムは、1つ以上のデータポンプにおいてロケーションを更新し得る。この例では、データポンプは、プリントバッファが各画像キューのどこに位置するかを示すロケーションを格納し、そのバッファが位置する各メモリ装置にデータポンプがアクセスして画像データを読み出すことができる。620で、システムがロケーションを更新すべきであると判定した場合には、625で、バッファへの参照を用いてロケーションが更新される。そうでない場合には、605で画像データが受け取られ、処理が継続される。620でロケーションの更新が必要ない場合にも、605で処理が継続される。幾つかの実施形態では、例えば、受け取るべき画像がそれ以上ない場合(例えば、プリントすべき画像がそれ以上ない)又は画像キューが一杯である場合には、650の処理が停止され得る。
【0066】
627では、プリントを開始又は継続すべきであるか否かが判定される。否定された場合には、627の処理が継続される。肯定された場合には、630で、複数の画像キュー内のバッファから画像データが読み出され得る。例えば、データポンプがバッファの画像データを読み出してもよい。この例では、625でデータポンプにおいてバッファのロケーションが更新され得るので、データポンプは適切なバッファを識別できる。1つの関連付けられたプリント要素群の1回のインプレッション(impression)に十分な量の画像データが読み出され得る。このように、各画像キューから画像データが読み出され得る。別の実施形態では、単一のインプレッションの部分を表す画像データの部分が読み出され得る。同様に、複数のインプレッションを表す画像データの部分が読み出されてもよい。これらの実施形態では、FIFOキュー等のキューは、画像データ(例えば、複数セットのバッファの画像データ)を格納してもよい。
【0067】
635では、画像データの選択された部分に位置的な遅延が付加される。この遅延は、画像データを画像データの個々の部分が対応する関連付けられたプリント要素群と整合させる最前列の遅延である。従って、最前列の遅延の程度は、画像データが対応する関連付けられたプリント要素群の配置に基づいて決定できる。例えば、有効プリント領域を縦断するワークピースが入る地点に近い関連付けられたプリント要素群に対応する画像データには、最小の位置的な遅延が挿入されるか又は全く遅延が挿入されなくてよく、一方、有効プリント領域を縦断するワークピースが出る地点に近い関連付けられたプリント要素群に対応する画像データには、より大きい位置的な遅延が挿入され得る。位置的な遅延は関連付けられたプリント要素群の位置(即ち、関連付けられたプリント要素群間の離間距離)に対応するので、位置的な遅延は、関連付けられたプリント要素群を有するプリントヘッドアセンブリのタイプによって異なり得る。いずれにしても、位置的な遅延は、特定のプリントヘッドアセンブリに対して固定された遅延であってよく、遅延は、プリント線の量に対応する量として測定され得る。
【0068】
画像データへの最前列の遅延の挿入は、多くの異なる方法で行われ得る。例えば、画像データの分割によって生じた画像データ部分の前後に、適切な量の空値の「代替」データを挿入できる。別の例として、メモリロケーションとプリント要素との間のデータ通信経路に最前列の遅延を導入できる。例えば、データポンプが、異なるメモリロケーションにある画像データの異なる部分にそれぞれ異なる最前列の遅延を挿入できるように、データポンプを調整してもよい。637で、遅延を有する画像データがプリント装置に送られ得る。別の実施形態では、遅延を有する画像データをプリント装置に送る前に、キュー(例えば、先入れ先出しキュー)に加えてもよい。637で画像データが送られた後、627の処理において処理655が継続され得る。幾つかの実施形態では、637で画像データが送られた後、処理655は様々な理由で停止され得る。例えば、データポンプによって全ての画像データパケットが送られている場合には、627で、データポンプは、システムがもはやプリントを行っていないと判定し得る(即ち、プリントを開始又は継続しないと判定し得る)。幾つかの実施形態では、ワークピースにインクが付着されないようにするために、空のデータ画像パケットが送られ得る。
【0069】
640で、システムは、ワークピースの前端がプリントシステムの有効プリント領域に入ったことを識別し得る。前端が入ったことは、ワークピース検出器(例えばワークピース検出器155(図1))を用いて識別できる。有効プリント領域を縦断するワークピースの更なる前進は、例えば、回転エンコーダを用いてワークピースコンベア(例えばワークピースコンベア105(図1))の速度を測定することにより、ワークピースの速度を感知することによって追跡できる。
【0070】
ワークピースが適切に位置決めされたら、処理660を実行するプリントシステムは、645で、ワークピースのプリントを開始できる。ワークピースのプリントには、関連付けられたプリント要素群の配置に従って分割された画像データを中継することが含まれ得る。画像データは、メモリロケーションから適切な関連付けられたプリント要素群に中継され得る。中継は、制御電子装置160の中央データ処理装置等といった中央データ処理装置によって駆動され得る。中継は、各発射毎に行われ得る。図6のフローチャートに示されている処理では、プリントを開始してプリント装置への画像データの中継を行わせるために、処理655を行うシステム(例えば、データポンプ)に信号が送られ得る。
【0071】
ワークピースが有効プリント領域を縦断して移動するにつれ、複数の異なるプリント要素が同じトリガ信号によってトリガされ、同時に発射できる。或いは、複数の異なるプリント要素が異なる瞬間に発射するようずらすこともできる。個々の要素の実際の発射がいつ生じるかに関わらず、有効プリント領域内の要素は最初のワークピースに同時にプリントする。
【0072】
有効プリント領域が次のワークピースまでの離間距離より大きい縦方向の幅を有するプリントシステムでは、有効プリント領域の下方に1つ以上のワークピースが同時に位置し得る。従って、1つを超えるワークピースに連続プリントを行い得る。図5には、この状況の一例が示されており、ここでは、ワークピース間の離間距離SEPは有効プリント領域235の幅Wより小さく、有効プリント領域235の下方にはワークピース130及びワークピース135が位置しており、連続してプリント可能である。
【0073】
このようなプリントシステムでは、処理660を実行するシステムは、640で、次のワークピースの前端が入ったことも識別できる。前端が入ったことは、ワークピース検出器(例えばワークピース検出器155(図1))を用いて識別できる。有効プリント領域を縦断する最初のワークピース及び次のワークピースの前進は、例えば、ワークピースコンベア(例えばワークピースコンベア105(図1))の速度を測定することにより、ワークピースの速度を感知することによって追跡できる。
【0074】
最初のワークピース及び次のワークピースが有効プリント領域を縦断して前進を続けると、両方のワークピースへのプリントが継続され得る。有効プリント領域が、次のワークピースの幅とワークピース間の離間距離の二倍との合計より大きい縦方向の幅を有する場合には、有効プリント領域の下方に、最初のワークピースと、次のワークピースと、更に別のワークピースとが同時に位置し得る。従って、3つのワークピースに連続プリントすることも可能であり得る。この場合には、処理660を実行するシステムは、640で、最初のワークピースへのプリントを停止する前に、もう1つの「次のワークピース」の前端を識別し得る。別様では、システムは640で、もう1つの「次のワークピース」の前端を識別する前に、最初のワークピースへのプリントを停止し得る。
【0075】
幾つかの実施形態では、画像データは、複数の関連付けられたプリントモジュール群に基づいて分割され得る。幾つかの実施形態では、単一のプリントモジュールのプリント要素が、複数の関連付けられたプリント要素群に分けられてもよい。例えば、プリントシステムの各プリントモジュールが2列のプリント要素を有する場合には、画像データは、これらのプリント要素の列によって分割されてもよい。従って、ワークピース間の離間は0まで減少され得る。
【0076】
幾つかの実施形態では、図6に示されている処理を実行するシステムは、(固定された遅延を有するのではなく)関連付けられたプリント要素群の間に必要な位置的な遅延を計算し得る。特定の関連付けられたプリント要素群に専用のメモリロケーションを設けることができる。例えば、個々のバッファは、個々の関連付けられたプリント要素群によるプリントのための画像データを格納し得る。図6に示されている処理を実行するシステムは、画像データがプリントされるべきワークピースに画像データが適切に配置されるよう適切な時点にメモリロケーションからデータが抽出されるように、データポンプ又は他のハードウェア装置を制御し得る。
【0077】
図6に示されている処理は特定の数及びタイプの処理で構成されているが、更なる処理及び/又は異なる処理を用いることもできる。例えば、処理655では、627でプリントを継続又は開始するか否かを継続的に判定する代わりに、処理655を実行するシステムが開始時にプリントを開始し、システムがプリントの停止を決定したらプリントを停止して、再び呼び出されたらプリントを開始してもよい。同様に、これらの処理は、記載された順序で実行される必要はなく、特定の処理を実行するよう記載された構成要素によって実行される必要もない。
【0078】
図10には、プリントシステム1000の一実施形態が模式的に示されている。システム1000は、ワークピースコンベア1005と、プリンタハウジング1010と、ワークピース検出器1055と、制御電子装置1060とを有する。
【0079】
ワークピースコンベア1005は、ワークピース1020、1025、1030、1035を、プリンタハウジング1010の有効プリント領域1040を縦断するよう方向Dに搬送する。ワークピースコンベア1005は、ワークピース1020、1025、1030、1035の速度を感知するエンコーダ1007を有する。エンコーダ1007は、感知した速度をエンコードする信号も生成し、その信号を制御電子装置1060に中継する。ワークピース検出器1055は、1つ以上のワークピース1020、1025、1030、1035の位置を検出して、その検出に基づきトリガ信号(例えばトリガ信号1056及び1057)を生成する光センサである。
【0080】
プリンタハウジング1010は、一連の列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って横方向に配列されたプリントモジュールの集合を有する。このプリントモジュールの配列は有効プリント領域1040にわたる。各列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された各グループのプリントモジュールは、1つの関連付けられたプリント要素群を構成する。例として、プリントモジュール1091、1093、1095は、列1018に沿った1つの関連付けられたプリント要素群を構成し、プリントモジュール1092、1094は、列1017に沿った1つの関連付けられたプリント要素群を構成する。
【0081】
制御電子装置1060は、システム1000によるプリント処理の実行を制御する。制御電子装置1060は、プリント画像バッファ1065の集合を有する。制御電子装置1060は、画像データの格納及読み出を行うために、集合1065内のプリント画像バッファにアクセスできる。図10に示されている構成では、集合1065には8つのプリント画像バッファがあり、各プリント画像バッファは、列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018の1つに沿って配置された1つの関連付けられたプリント要素群の専用である。例えば、プリント画像バッファ1066、1067、1068、1069は、列1015、1016、1017、1018に沿って配置された関連付けられたプリント要素群にそれぞれ対応し得る。具体的には、各関連付けられたプリント要素群は、関連付けられたプリント画像バッファからの画像データのみをプリントする。
【0082】
制御電子装置1060はデータポンプ1070も有する。「データポンプ」とは、データを処理してそのデータをプリントのために1つ以上のプリント装置に送るための、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、プログラム可能ロジック、又はそれらの組み合わせとして実装される機能的コンポーネントである。一実施形態では、データポンプは直接メモリアクセス(DMA)装置を指し得る。データポンプ1070は、関連付けられたプリント要素群と集合1065内のそれらの専用プリント画像バッファとの間のデータ通信経路に沿って配置される。データポンプ1070は、集合1065内の各プリント画像バッファから画像データを受け取って格納できる。データポンプ1070は、制御電子装置1060によって、集合1065内のプリント画像バッファから関連付けられたプリント要素群への情報の通信に遅延を生じさせるようプログラム可能である。
【0083】
動作においては、制御電子装置1060は、有効プリント領域1040内の関連付けられたプリント要素群の配置に従って画像データを分割できる。制御電子装置1060は、分割された画像データを集合1065内の適切なプリント画像バッファに割り当てることもできる。
【0084】
ワークピース1035がワークピースコンベア1005によって搬送されて有効プリント領域1040に入ると、ワークピース検出器1055がワークピース1035の前端を検出してトリガ信号1056を生成する。制御電子装置1060は、トリガ信号1056の受信に基づき、データポンプ1070に位置的な遅延1071、1072、1073、1074、1075、1076、1077、1078をプログラムできる。遅延1071は、集合1065内の第1のプリント画像バッファから列1011に沿って配置された関連付けられたプリント要素群への画像データの通信を遅延させる。遅延1072は、集合1065内の第2のプリント画像バッファから列1012に沿って配置された関連付けられたプリント要素群への画像データの通信を遅延させる。遅延1073、1074、1075、1076、1077、1078は、集合1065内のそれぞれのプリント画像バッファから列1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された関連付けられたプリント要素群への画像データの通信をそれぞれ遅延させる。
【0085】
ワークピース1035がワークピースコンベア1005によって有効プリント領域1040を縦断するよう搬送されるにつれて、列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された複数の関連付けられたプリント要素群が次々とプリントを行う。具体的には、ワークピース1035が有効プリント領域1040を縦断して1走査線分前進すると、データポンプ1070は画像データを、列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された関連付けられたプリント要素群の適切な受信電子装置にダンプする(即ち、データポンプ1070はプリント装置への画像データの送信を生じさせる)。ダンプされた画像データは、有効プリント領域1040内のワークピース1035のその瞬間の位置に対して発射すべきプリント要素を識別する(プリント要素の識別は黙示的であってもよい。例えば、プリント装置におけるプリント要素及び/又は関連付けられたプリント要素群の順序に対応する形式のデータパケット内の画像データの順序等)。連続的な発射のためのデータは、発射中に集合1065内のプリント画像バッファからデータポンプ1070にロードできる。
【0086】
ワークピース1035がまだプリントされている間に、ワークピース1030がワークピースコンベア1005によって搬送されて有効プリント領域1040に入ることができる。ワークピース検出器1055はワークピース1030の前端を検出し、トリガ信号1057を生成する。制御電子装置1060は、トリガ信号1057の受信に基づき、データポンプ1070に遅延1079、1080、1081、1082、1083、1084、1085、1086を挿入させ得る。遅延1079は、集合1065内の第1のプリント画像バッファから列1011に沿って配置された関連付けられたプリント要素群への画像データの通信を遅延させる。遅延1080は、集合1065内の第2のプリント画像バッファから列1012に沿って配置された関連付けられたプリント要素群への画像データの通信を遅延させる。遅延1081、1082、1083、1084、1085、1086は、集合1065内のそれぞれのプリント画像バッファから列1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された関連付けられたプリント要素群への画像データの通信をそれぞれ遅延させる。或いは、遅延は既に画像データに挿入されていてもよく、トリガ信号によってデータポンプ1070が画像データを送るようにしてもよい。
【0087】
ワークピース1030がワークピースコンベア1005によって有効プリント領域1040内に搬送されると、列1011、1012、1013、1014、1015、1016、1017、1018に沿って配置された関連付けられたプリント要素群が、ワークピース1030、1025へのプリントを行う。具体的には、ワークピース1035、1030が1走査線分前進すると、データポンプ1070は画像データをプリント要素の適切な受信電子装置にダンプし、ワークピース1035、1030が同時にプリントされる。
【0088】
各ワークピースに対する画像データは異なっていてもよい。例えば、2つのワークピースに2つの異なる画像がプリントされる場合には、異なる画像を表す異なる画像データを用いて各ワークピースにプリントされる。この例では、データポンプに2セットの画像データが集められ得る。第1のセットの画像データは第1の画像(例えば、カエルの画像の1つのプリント線)に対応し、第2のセットの画像データは第2の画像(例えば、リンゴの画像の3つのプリント線)に対応し得る。画像データを集めることには、画像キューから画像データを取得すること及び/又は第1及び第2のセットの画像データを含むデータパケットを生成することが含まれ得る。関連付けられたプリント要素群を有するプリント装置にデータパケット(例えば、カエルの画像の1つのプリント線とリンゴの画像の3つのプリント線とを含むデータパケット)を送ることにより、集められた画像データが関連付けられたプリント要素群に供給され得る。2つのワークピースが略同時にプリントされる場合には、プリントバッファの第1の部分(例えば、プリントバッファ1066)は第1の画像(例えば、カエルの画像の1つのプリント線)に対応する第1のセットの画像データを格納し、プリントバッファの第2の部分(例えば、プリントバッファ1067、1068、1069)は第2の画像(例えば、リンゴの画像の3つのプリント線)に対応する第2のセットの画像データを格納し得る。第1のセットのプリントバッファに対応する第1のセットのプリント要素(例えば、列1015に沿った関連付けられたプリント要素群のプリント要素)は第1の画像(例えば、カエルの画像の1つのプリント線)をプリントでき、第2のセットのバッファに対応する第2のセットのプリント要素(例えば、列1016、1017、1018に沿った関連付けられたプリント要素群のプリント要素)は第2の画像(例えば、リンゴの画像の3つのプリント線)をプリントできる。従って、異なるプリント要素が2つの画像を略同時にプリントする(例えば、列1015、1016、1017、1018に沿ったプリント要素が略同時に発射し得る)。
【0089】
或いは、各ワークピースに対する画像データは同じ画像を表してもよい。例えば、複数のワークピースに同じ画像が続けてプリントされてもよい。この例では、2つのワークピースが略同時にプリントされる場合には、異なるプリント要素が同じ画像の異なる部分をプリントするように、同じ画像の異なる部分が異なるセットのプリントバッファ内に存在してもよい。
【0090】
図示しないが、異なるワークピースに画像データの異なる部分をプリントするために異なるセットのプリント要素を用いることに加えて、同じワークピースに異なるセットの画像データがプリントされてもよい。
【0091】
以上、複数の実施形態を説明した。それにも関わらず、様々な変形がなされ得ることを理解されたい。プリント要素は、多くの異なる関連付けられた群の任意のものとして配置され得る。例えば、同じ列に沿って配列されたプリント要素が、同じ関連付けられた群に属する必要はない。プリントモジュールは任意の構成を有してよく、単一のプリント要素等の任意の数のプリント要素を有してよい。
【0092】
従って、他の実施形態も添付の特許請求の範囲の範囲内である。
【符号の説明】
【0093】
100 プリントシステム
110 プリンタハウジング
115、120、125、130、135、140、145 ワークピース
155 ワークピース検出器
160 制御電子装置
165 プリント画像バッファ
190 電子高知
195 ケーブル
205、210、215、220、225、230、305、310、315 プリントモジュール
235 有効プリント領域
405、410、415 プリント要素
500 画像
1000 プリントシステム
1005 ワークピースコンベア
1010 プリンタハウジング
1020、1025、1030、1035 ワークピース
1040 有効プリント領域
1055 ワークピース検出器
1060 制御電子装置
1070 データポンプ
1091、1093、1095 プリントモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント装置と、該プリント装置とは離れた位置に設けられた制御電子装置とを備えるとともに、前記プリント装置が、その上に前記プリント装置がプリントする基板である複数のワークピースと前記プリント装置の有効プリント領域に設けられたプリント要素群との間に相対的な長さ方向の動作を生み出すワークピースコンベアを有する、プリントシステムを用いて、1つ以上の画像をプリントする方法であって、
第1のワークピースに第1のセットの画像データが、第2のワークピースに第2のセットの画像データが前記プリント装置で同時にプリントされるべく、該第1のセットの画像データ及び該第2のセットの画像データを含む複数のセットの画像データを、前記制御電子装置で集める工程であって、前記制御電子装置により、前記第1のセットの画像データを第1の複数の部分に分割し、前記第2のセットの画像データを第2の複数の部分に分割し、前記第1の複数の部分の各部分が前記プリント装置の1つの関連付けられたプリント要素群と関連付けられるよう前記第1のセットの画像データを分割し、前記第2の複数の部分の各部分が前記プリント装置の1つの関連付けられたプリント要素群と関連付けられるよう前記第2のセットの画像データを分割する工程を含む、前記複数のセットの画像データを集める工程と、
前記有効プリント領域にある前記第1及び第2ワークピースに同時にプリントするため、前記プリント要素群の第1プリント要素に前記第1のセットの画像データの関連付けられた部分を前記制御電子装置から供給すると同時に、前記プリント要素群の第2プリント要素に前記第2のセットの画像データの関連付けられた部分を前記制御電子装置から供給する工程と、
を備え、
前記供給する工程が、前記プリント要素群によるプリントのタイミングを制御することを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−49276(P2013−49276A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226958(P2012−226958)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2007−536879(P2007−536879)の分割
【原出願日】平成17年10月11日(2005.10.11)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】