プリント装置
【課題】単色リボンによる印画と多色リボン(ダンダラリボン)による印画とを利用者の要求や用途等に応じて使い分けることができ、かつリボン交換の自動化により効率よくカラー写真プリントを作成可能にする。
【解決手段】カラーインクリボンのインクをレンチキュラーシート12に転写してカラーの3Dプリントを作成するプリント装置10である。このプリント装置10は、5本のインクリボンが装填可能なリボン交換ガトリング機構250と、リボン交換ガトリング機構50に実際に装填されているカラーインクリボンの種別等を検出するリボン検出センサと、多色リボンの場合に各色のインクの先頭位置を検出するリボン頭出しセンサを含むリボン頭出し手段とを有し、単色リボンによる印画時と多色リボンによる印画時とに応じてリボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御するようにしている。
【解決手段】カラーインクリボンのインクをレンチキュラーシート12に転写してカラーの3Dプリントを作成するプリント装置10である。このプリント装置10は、5本のインクリボンが装填可能なリボン交換ガトリング機構250と、リボン交換ガトリング機構50に実際に装填されているカラーインクリボンの種別等を検出するリボン検出センサと、多色リボンの場合に各色のインクの先頭位置を検出するリボン頭出しセンサを含むリボン頭出し手段とを有し、単色リボンによる印画時と多色リボンによる印画時とに応じてリボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御するようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント装置に係り、特にカラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類のリボンカセットが交換可能な印字装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1には、単色のインクリボン(単色リボン)が収容されたリボンカセットを使用し、色毎にリボンカセットを交換して印字を行う方式と、イエロー/マゼンタ/シアンの3原色等が交互に塗布された多色のインクリボン(多色リボン)が収容されたリボンカセットを使用し、リボンカセットの交換無しに色の3原色を重ね合わせて色を再現していく方式とが記載されている。
【0004】
また、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、B(ブラック)の4組の単色リボンを回転可能に保持した保持部材を有し、この保持部材を回転させて所望の単色リボンを選択して記録位置に移動させるようにしたカラープリンタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−119318号公報
【特許文献2】特開平11−170583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の印字装置は、テープ状のラベルを作成するラベルプリンタであり、写真プリントを作成するものではなく、また、装置内に装着されるリボンカセットは1つある。従って、この印字装置は、多色リボンが収容されたリボンカセットを使用する印字方式の場合、リボンカセットを交換せずに色の3原色を重ね合わせて所望の色を再現することができるが、単色リボンが収容されたリボンカセットを使用する印字方式の場合には、所望の色に対応するリボンカセットをセットする必要がある。また、それぞれ異なる単色リボンの色を重ね合わせて印字することも考えられるが、この場合には、インクリボンの色を重ね合わせる毎にリボンカセットを交換する必要があり、煩雑であるという問題がある。
【0007】
一方、引用文献2に記載のカラープリンタは、4組の単色リボンを回転可能に保持した保持部材を回転させることにより、単色リボンの交換を簡単に行うことができるが、多色リボンを使用できる構成になっておらず、単色リボンと多色リボンとを用途に応じて使い分けることができないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画とを利用者の要求や用途等に応じて使い分けることができ、かつリボン交換の自動化により効率よくカラー写真プリントを作成することができるプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、カラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するプリント装置において、複数本のカラーインクリボンが装填され、所望のカラーインクリボンを印画位置にセットするリボン交換ガトリング機構と、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンを検出するリボン検出手段であって、前記印画位置にセットされるカラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを検出するリボン検出手段と、前記リボン交換ガトリング機構に多色リボンが装填された場合に該多色リボンの頭出しを行うリボン頭出し手段と、前記単色リボンによる印画時と前記多色リボンによる印画時とに応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
即ち、単色リボンによる印画時には、リボン交換ガトリング機構により自動的にリボン交換しながら印画を行うことによりカラー写真プリントを作成することができ、一方、多色リボンによる印画時には、リボン頭出し手段により多色リボンの頭出しを行ってカラー写真プリントを作成することができ、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画とを使い分けることができる。
【0011】
単色リボンを使用するメリットとしては、多色リボンよりも安価であり、かつリボンの頭出し等によるリボンの無駄が生じないことであり、デメリットとしては、インクリボン交換は全色一度に行われるが、本数が多い(YMC多色リボン1本の場合は単色3本、YMCW多色リボン1本の場合は単色4本等)ので、手間がかかるのと各色リボンを間違えてセットする等の誤操作の懸念があることである。従って、一度に印画する枚数が多い場合には、単色リボンによる印画を行い、一度に印画する枚数が少ない場合には、多色リボンによる印画を行うことが考えられる。
【0012】
請求項2に示すように請求項1に記載のプリント装置において、前記リボン頭出し手段は、前記多色リボンから各カラーインクリボンの色の境界位置とともに、各カラーインクリボンの色を検出するリボン頭出しセンサと、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの給送を行うリボン給送手段とを有し、前記多色リボンによる各色別の印画開始時に前記リボン頭出しセンサの検出出力に基づいて該多色リボンの各カラーインクリボンの先頭位置が印画位置にくるように前記リボン給送手段を制御することを特徴としている。
【0013】
請求項3に示すように請求項は2に記載のプリント装置において、前記リボン頭出しセンサは、前記多色リボンの色を検出し、又は該多色リボンの各カラーインクリボンの色の境界位置に印刷されたリボン頭出しマーカを読み取ることを特徴としている。
【0014】
即ち、前記リボン頭出しセンサとして、前記多色リボンの色を検出するものを使用する場合には、多色リボンの各カラーインクリボンの色を検出することができるとともに、色の変化を検出することにより各カラーインクリボンの色の境界位置を検出することができる。また、多色リボンの各カラーインクリボンの色の境界位置にリボン頭出しマーカが付加されている場合には、このリボン頭出しマーカを読み取るセンサをリボン頭出しセンサとして使用することができる。
【0015】
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載のプリント装置において、前記制御手段は、前記単色リボンによる印画時に前記リボン頭出しセンサを停止させることを特徴としている。これにより、前記リボン頭出しセンサの寿命を延ばすことができる。
【0016】
請求項5に示すように請求項1から4のいずれかに記載のプリント装置において、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの有無を検出するリボン有無検出手段を備え、前記制御手段は、前記リボン検出手段により前記リボン交換ガトリング機構に複数本の多色リボンが装填されていることが検出され、かつ前記リボン有無検出手段により前記印画位置にセットされている多色リボンが無くなったことが検出されると、他の多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴としている。
【0017】
これにより、リボン交換ガトリング機構に装填された複数本の多色リボンを有効に使用することができる。
【0018】
請求項6に示すように請求項1から5のいずれかに記載のプリント装置において、前記プリント媒体のプリントサイズを入力する入力手段を備え、前記リボン検出手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれリボン幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に各リボンの幅を検知し、前記制御手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれ幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に、前記入力手段から入力したプリントサイズに応じて対応する多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴としている。
【0019】
これによれば、プリント媒体のプリントサイズに応じたリボン幅の多色リボンを使用することができ、多色リボンを効率よく使用することができる。
【0020】
請求項7に示すように請求項1から6のいずれかに記載のプリント装置において、前記リボン交換ガトリング機構に単色リボンと多色リボンとが装填されている場合において、単色リボンによる印画又は多色リボンによる印画のうちのいずれか一方のプリント指示を入力するプリント指示入力手段を備え、前記制御手段は、前記プリント指示入力手段からのプリント指示入力に応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御することを特徴としている。
【0021】
これによれば、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画との切替えを簡単に行うことができる。
【0022】
請求項8に示すように請求項1から7のいずれかに記載のプリント装置において、前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が付加され、前記リボン検出手段は、前記カラーインクリボンの巻芯から前記情報を読み取ることを特徴としている。
【0023】
請求項9に示すように請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置において、前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が記憶された無線タグが埋め込まれ、前記リボン検出手段は、前記無線タグから前記情報を読み取る無線タグリーダであることを特徴としている。
【0024】
請求項10に示すように請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置において、前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報がバーコードとして記録され、前記リボン検出手段は、前記バーコードを読み取るバーコードリーダであることを特徴としている。
【0025】
請求項11に示すように請求項1から10のいずれかに記載のプリント装置において、前記プリント媒体は、表面にレンチキュラーレンズが形成された透明なレンチキュラーシートであり、前記プリント装置は、前記レンチキュラーシートの裏面に受像層を転写した後、イエロー、マゼンタ、シアン及びホワイトのインクを順次転写し、又はイエロー、マゼンタ、シンアン及びホワイトのインクを順次転写して立体視用のカラー写真プリントを作成し、前記リボン交換ガトリング機構は、4本又は5本のリボンが装填可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、単色リボンによる印画時には、リボン交換ガトリング機構により自動的にリボン交換しながら印画を行うことによりカラー写真プリントを作成することができ、一方、多色リボンによる印画時には、リボン頭出し手段により多色リボンの頭出しを行ってカラー写真プリントを作成することができ、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画とを利用者の要求や用途等に応じて使い分けることができるとともに、リボン交換の自動化により効率よくカラー写真プリントを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】印画媒体供給時のプリント装置内部を模式的に現した内部透視図
【図2】印画媒体供給時のプリント装置内部を模式的に現した内部透視図
【図3】シート収納部の正面斜視図
【図4】レンチキュラーシートが挿入されるシート供給カセットの斜視図
【図5】カセットカバーを閉じたシート供給カセットの斜視図
【図6】シート収納部の側面概略図
【図7】シート収納部の要部拡大図
【図8A】印画部の要部拡大図
【図8B】印画部の要部拡大図
【図9A】印画部の要部拡大図
【図9B】印画部の要部拡大図
【図10】クランパ及びクランパ搬送部の概略構成を示す平面図
【図11】インクリボンの斜視図
【図12A】ダンダラリボンの平面図
【図12B】ダンダラリボンの平面図
【図13】リボン交換ガトリング機構の概略図
【図14】プリント装置の要部構成を示すブロック図
【図15】単色リボンによる印画処理を示すフローチャート
【図16】ダンダラリボンによる印画処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係るプリント装置の実施の形態について説明する。
【0029】
[プリント装置の全体構成]
図1及び図2はそれぞれ本発明の実施形態に係るプリント装置を模式的に現した内部透視図であり、図1はシート供給カセットからレンチキュラーシートを供給する状態に関して示しており、図2は印画後のシート戻し動作時等の状態に関して示している。
【0030】
図1及び図2に示すように、プリント装置10は、3次元画像の写真プリント(以下、「3Dプリント」という)を作成するもので、かまぼこ状のレンズ群を有したいわゆるレンチキュラーレンズが表面に形成された透明樹脂製の印画媒体(以下、「レンチキュラーシート」という)12を鉛直方向に搬送しながら印画し、3Dプリントを作成する縦置きの3Dプリンタである。レンチキュラーシート12の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA(アクリル)等の樹脂が適用される。
【0031】
このプリント装置10は、主としてシート収納部100と、印画部200と、空送部300とから構成されている。
【0032】
また、このプリント装置10は、R(受像層)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、W(ホワイト)のインクリボンを使用した昇華型プリンタであり、印画カラー毎に上昇(印画時)と下降(印画開始位置への逆送)とを繰り返し行うものであり、レンチキュラーシート12の搬送経路は、上昇下降とも同一のストレートパスで構成されている。
【0033】
<シート収納部>
図3は上記シート収納部100の詳細な構成を示す斜視図である。
【0034】
このシート収納部100は、主としてシート収納本体110とシート供給カセット150とから構成されており、シート収納本体110にシート供給カセット150が着脱自在に装着できるようになっている。
【0035】
図4及び図5はそれぞれシート供給カセット150の斜視図であり、図4はシート供給カセット150のカセットカバー152を開け、100枚〜200枚の積層されたレンチキュラーシート12をカセット内に挿入する様子を示しており、図5はレンチキュラーシート12をカセット内に挿入した後、カセットカバー152を閉じた状態を示している。
【0036】
このシート供給カセット150の正面には、フィードローラ190(図3参照)が挿入される開口154が形成され、一方、背面のカセットカバー152には、L字型の圧板112(図6参照)が挿入される圧板開口156が形成されている。
【0037】
また、シート供給カセット150の上面には、カセット内から1枚のレンチキュラーシート12を排出するための排出口158が形成され、シート供給カセット150の側面には、鉛直方向に凸条160が形成されている。シート供給カセット150は、シート供給カセット150の凸条1520が、シート収納本体110の側面に形成れた凹溝114に係合することにより、シート収納本体110の所定位置に位置決めされる。
【0038】
図6はシート収納部100の側面概略図である。
【0039】
シート供給カセット150内に収納されたレンチキュラーシート12は、シート供給カセット150がシート収納本体110に挿入されると、シート収納本体110側のL字型の圧板112上に載置される。
【0040】
圧板112は、2本のガイド軸116(図3参照)により、正面と背面との方向(図6上で左右方向)に1自由度で支持されており、図示しないモータを含む圧板駆動機構により移動できるようになっている。
【0041】
また、図7に示すように圧板112は、弾性部材118を介してカセット内のレンチキュラーシート12を押圧するが、常に一定の圧力で押圧するように圧板112の位置が制御されている。
【0042】
シート収納本体110は、図6に示すカセット揺動機構434により揺動できるように構成されている。カセット揺動機構434は、主としてプランジャ122と、付勢ばね124と、ストッパ126とから構成され、シート収納本体110は、底部の回転軸120により揺動自在に配設されている。
【0043】
図1に示すようにシート供給カセット150からレンチキュラーシート12を供給する場合には、プランジャ122への通電をオフにする。これにより、シート収納本体110は、付勢ばね124の付勢力によりストッパ126に当接する位置に回動させられ、シート収納本体110に収納されたシート供給カセット150は鉛直位置に保持される。
【0044】
一方、シート供給カセット150からレンチキュラーシート12が排出され、インクリボンでの最初の印画が終了すると、プランジャ122への通電をオンにする。これにより、シート収納本体110は、付勢ばね124の付勢力に抗して、図6上で反時計回り方向に回動(傾動)させられる。
【0045】
図2はシート収納本体110がプランジャ122により傾動させられた状態を示す。レンチキュラーシート12は、次のインクリボンでの印画のために印画開始位置まで戻されるが、シート収納本体110(シート供給カセット110)を傾動させることにより、レンチキュラーシート12はシート供給カセット110と干渉することがない。
【0046】
これにより、レンチキュラーシート12の印画動作から戻し動作にわたってレンチキュラーシート12をストレートパスで搬送することができるとともに、レンチキュラーシート12の搬送経路の短縮化(装置の小型化)が図られている。
【0047】
図3及び図7に示すようにフィードローラ190が駆動されると、このフィードローラ190に当接しているレンチキュラーシート12がシート供給カセット150の排出口158から送り出される。
【0048】
ここで、排出口158の幅Wは、1枚のレンチキュラーシート12のシート圧tよりも広く、2枚のレンチキュラーシート12のシート圧2tよりも狭くなるように形成されており、これにより排出口158からは1枚のレンチキュラーシート12のみが送り出される。
【0049】
また、フィードローラ190は、断面がD形状(Dカット)となっており、このDカットがレンチキュラーシート12に対向する位置に達すると、停止するように制御される。これにより、レンチキュラーシート12は、シート供給カセット150から一定量だけ送り出され、また、このときレンチキュラーシート12にはフィードローラ190が当接しないようになる(フィードローラ190からの摩擦力が作用しないようになる)。
【0050】
<印画部>
図1及び図2に示すように印画部200は、主として印画時等にレンチキュラーシート12を搬送するシート搬送機構と、R、Y、M、C、Wのインクリボンが装填されたリボン交換ガトリング機構250と、サーマルヘッド260とから構成されている。
【0051】
図8A及び図8Bはそれぞれ印画部200の要部拡大図を示す。
【0052】
シート搬送機構431は、主としてフィードローラ190と、搬送ローラ212と、キャプスタン214と、クランパ220と、クランパ220を移動させるクランパ搬送部230(図10参照)とから構成されている。
【0053】
フィードローラ190によりシート供給カセット150から一定量だけ送り出されたレンチキュラーシート12は、その先端部が搬送ローラ212の位置に到達する。ここで、搬送ローラ212に対してレンチキュラーシート12を介してキャプスタン214を圧着させるとともに、搬送ローラ212を駆動することにより、レンチキュラーシート12を搬送することができる(図8A参照)。
【0054】
この搬送ローラ212及びキャプスタン214によるレンチキュラーシート12の搬送は、レンチキュラーシート12の先端が最下位の所定の位置で待機しているクランパ220に到達するまで行われる。尚、クランパ220は、一対のクランプ部材がばねにより常時閉じる方向に付勢されているが、上記待機状態ではカム等により一対のクランプ部材は、ばねの付勢力に抗して開いた状態で待機している。
【0055】
レンチキュラーシート12の先端が上記クランパ220に到達すると、レンチキュラーシート12の先端はクランパ220により挟持され、キャプスタン214は搬送ローラ212から退避させられる。その後、レンチキュラーシート12は、クランパ搬送部230によりクランパ220とともに搬送(昇降)させられる(図8B参照)。
【0056】
図10は上記クランパ220及びクランパ搬送部230の概略構成を示す平面図である。
【0057】
図1に示した空送部300の上端部には、それぞれ駆動モータ302から減速機構304を介して駆動される一対の駆動プーリ306が設けられ、プラテンローラ262の近傍には一対の従動プーリ308が設けられている。
【0058】
これらの駆動プーリ306と従動プーリ308との間には駆動ベルト310が巻き付けられており、図10に示すように駆動ベルト310間には、クランパ220が図示しないボルトにより固定されている。
【0059】
また、駆動ベルト310に沿ってクランパ220を鉛直方向に案内するガイドレール312が配設され、更に最下位の所定の位置で待機しているクランパ220に対して、レンチキュラーシート12を案内する樹脂製ガイド314が配設されている。尚、樹脂製ガイド314の代わりにゴム製ガイドとしてもよい。
【0060】
一対の樹脂製ガイド314の幅は、レンチキュラーシート12の幅よりも所定のクリアランス分だけ広くなっており、樹脂製ガイド314は、レンチキュラーシート12が鉛直方向に沿うように案内する。
【0061】
また、プラテンローラ262の入口側には、プラテンローラ262と平行に3つのフォトセンサ320A,320B,320Cが配設され、レンチキュラーシート12の配送路を挟んでフォトセンサ320A,320B,320Cと対向する位置に、発光ダイオード(LED)322(図8A、図8B参照)が配設されている。
【0062】
フォトセンサ320A,320B,320Cにより検出されるレンチキュラーシート12の検出信号は、フォトセンサ光軸が、レンチキュラーシート12のレンズの中心と一致する場合に最大値となり、レンズ間の谷に位置する場合に最小となる。従って、3つのフォトセンサ320A,320B,320Cの検出信号に基づいてレンチキュラーシート12の傾き(アジマス角)を検知することができる。
【0063】
レンチキュラーシート12のアジマス調整(アジマス角を0にする調整)は、レンチキュラーシート12の先端をクランパ220により挟持した後、3つのフォトセンサ320A,320B,320Cの検出信号を監視しながら左右一対の駆動プーリ306をそれぞれ独立に駆動し、クランパ220をアジマス調整分だけ僅かに傾けることにより行う。
【0064】
上記のようにしてアジマス調整をした後、クランパ220を上昇させることによりレンチキュラーシート12を印画開始位置に搬送し、その後、サーマルヘッド260による印画を開始させる。1色分の印画が終了すると、駆動プーリ306を逆転させてクランパ220を下降させ、レンチキュラーシート12を再び印画開始位置に戻す戻し動作が行われる。
【0065】
また、図8A及び図8Bに示すようにプリント装置10には、リボン検出センサ330と、リボン頭出しセンサ332とが設けられている。この実施形態では、リボン検出センサ330は、供給リール256の近傍に配設されており、また、リボン頭出しセンサ332は、リボン検出センサ330に隣接して配設されている。
【0066】
図11は供給リール256に装填されるインクリボンの一例を示す斜視図である。このインクリボンの巻芯(紙管)340には、巻回されているインクリボンの情報(インクリボンの種類、リボン幅、色等)が記憶された無線タグ342が埋め込まれており、前記リボン検出センサ330は、非接触型の無線タグリーダにより構成され、無線タグ342からインクリボンの情報を読み取ることできるようになっている。
【0067】
尚、リボン検出センサ330としては、上記無線タグリーダに限らず、種々のものが考えられ、例えば、インクリボンの巻芯340にインクリボンの情報がバーコードで記録されている場合には、バーコードリーダを適用することができる。
【0068】
また、このプリント装置10は、インクリボンとして、Y、M、Cの単色のインクリボン(単色リボン)の他に、図12Aに示すように所定長さのY、M、Cのインクが順次塗布された多色リボン(以下、「ダンダラリボン」という)を使用できるようになっている。
【0069】
前記リボン頭出しセンサ332は、供給リール256にダンダラリボンが装填された場合に、そのダンダラリボン上のインクの色の境界位置とともに、各インクの色を検出することができるようになっている。
【0070】
リボン頭出しセンサ332は、ダンダラリボンに白色光を照射するLEDと、それぞれY、M、Cの波長域に感度をもった3つのフォトセンサとを有する反射式フォトセンサであり、各フォトセンサの検出出力に基づいてセンサに対向するダンダラリボンの色を検出することができるとともに、検出される色の切り替わる位置からインクの色の境界位置も検出することができる。
【0071】
尚、リボン頭出しセンサ332としては、この実施形態のものに限らず、例えば、図12Bに示すように各インクの色の境界位置にリボン頭出しマーカが付されているダンダラリボンを使用する場合には、このリボン頭出しマーカを検出するものでもよい。
【0072】
<リボン交換ガトリング機構及びサーマルヘッド>
図13はリボン交換ガトリング機構250の概略図である。
【0073】
図13に示すようにリボン交換ガトリング機構250は、リボンケージホルダ252と、リボンケージ254とを有しており、リボンケージホルダ252は、リボンケージホルダ揺動軸252Aを中心に揺動できるようになっている。
【0074】
サーマルヘッド260は、リボンケージホルダ252内に設けられており、リボンケージホルダ揺動軸252Aと同軸の軸上に回動自在に設けられた、図示しないアーム部材の先端に配設されている。このアーム部材を回動させることにより、サーマルヘッド260を印画位置と退避位置との間で移動させることができる。
【0075】
リボンケージホルダ252は、リボンケージホルダ揺動軸252Aを中心にして揺動(回動)させることにより、印画位置とメンテナンス位置との間で移動できるようになっており、メンテナンス位置では、リボンケージホルダ252の一部を装置本体から突出させることができる。
【0076】
サーマルヘッド260は、リボンケージホルダ252のメンテナンス位置への移動に連動して移動し、サーマルヘッド260の発熱素子が外部から触れられる位置まで移動する。これにより、サーマルヘッド260の掃除や交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0077】
一方、リボンケージ254は、リボンケージ回転受け253によりリボンケージホルダ252に回転自在に支持されている。リボンケージ254には、5対の巻取りリール255、供給リール256が等間隔に配設されており、5対のリールには、それぞれR、Y、M、C、Wのインクリボンがセットされる。リボンケージ254は、ガトリング機構により所望のリボンがサーマルヘッド260の位置にくるように回転させられる。
【0078】
5対のリールにセットされているリボンの種別、色等の情報は、各リボンがサーマルヘッド260の位置にくるごとにリボン検出センサ330により検出することができるため、このリボン検出センサ330の検出信号に基づいてリボンケージ254の回転位置を制御することにより所望のリボンをサーマルヘッド260の位置に移動させることができる。
【0079】
サーマルヘッド260の位置に移動させられた一対の巻取りリール255、供給リール256のうちの巻取りリール255は、印画時にレンチキュラーシート12の移動速度よりも若干速い速度で摩擦クラッチを介してインクリボンを巻き取り、供給リール256にはインクリボンに所定のバックテンションが作用するようにブレーキがかけられている。
これにより、印画時にレンチキュラーシート12が移動すると、このレンチキュラーシート12の移動に連動して(同期して)インクリボンが給送される。
【0080】
サーマルヘッド260は、ヘッド移動機構により印画時に、インクリボン及びレンチキュラーシート12を介してプラテンローラ262に当接する印画位置に移動させられるとともに、インクリボンの切替えやレンチキュラーシート12の逆送時にはプラテンローラ262から退避する退避位置に移動させられる。
【0081】
また、サーマルヘッド260は、後述するように3D画像用の多視点画像(この実施の形態では6視点画像)に応じて駆動され、インクリボン上のインクを昇華させてレンチキュラーシート12に転写する。
【0082】
[プリント装置の制御系の説明]
次に、上記構成のプリント装置10の制御系について説明する。
【0083】
図14はプリント装置10の要部構成を示すブロック図である。
【0084】
プリント装置10は、システムコントローラ400、プログラム格納部402、バッファメモリ404、センサ部406、操作部408、通信インターフェース(通信I/F)410、制御部420、機構部430、ヘッドドライバ440、及びサーマルヘッド260から構成されている。
【0085】
システムコントローラ400は、3Dプリント用のプログラムにより各部を統括制御する部分であり、CPU(中央処理装置)などが考えられる。プログラム格納部402には、3Dプリント用のプログラムが格納され、システムコントローラ400はプログラム格納部402に格納されているプログラムを適宜読み出して実行する。
【0086】
バッファメモリ404は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)から通信I/F410を介して受信した印画データを一時的に格納する部分である。
【0087】
通信I/F410に接続されるPCは、3Dカメラ等により撮影された同一被写体を撮影したカラーの2視点画像(左右画像)を取得し、これらの左右画像から特徴が一致する特徴点のずれ量(画素間のずれ量(視差量))を画素毎に算出する。算出した視差量を3Dプリント用に調整した後、調整した視差量を補間して6視点画像を生成する。PCは、R、G、Bの6視点画像を、更にY、M、Cに色変換し、色変換された6視点画像から1枚分のY信号、M信号、及びC信号を生成する。これらのY信号、M信号、及びC信号が印画データとしてPCから通信I/F410を介してバッファメモリ404に格納される。
【0088】
尚、上記PCの画像処理機能をプリント装置10に内蔵させるようにしてもよい。
【0089】
センサ部406は、図8A等に示したフォトセンサ320A〜320C、リボン検出センサ330、リボン頭出しセンサ332、及び機構部430での位置や回転角等を検出するセンサを含み、それぞれ検出した検出信号をシステムコントローラ400に出力する。
【0090】
操作部408は電源スイッチ、プリント開始スイッチ、プリント枚数等を設定するスイッチ等から構成され、操作部408での操作による信号は、システムコントローラ400に入力される。
【0091】
機構部430は、シート搬送機構431、ヘッド移動機構432、インクリボン駆動機構433、カセット揺動機構434、及び圧板駆動機構435から構成されている。
【0092】
シート搬送機構431は、図1等に示したフィードローラ190、搬送ローラ212、キャプスタン214、クランパ220、及び駆動モータ302等を含むクランパ搬送部230(図10)から構成されている。
【0093】
また、制御部420は、シート搬送制御部421、ヘッド移動制御部422、インクリボン制御部423、及びカセット制御部424から構成されている。
【0094】
システムコントローラ400は、印画シーケンスに応じて制御部420にそれぞれ制御信号を出力し、制御部420を介して機構部430を駆動制御する。
【0095】
これにより、シート搬送制御部420は、シート供給カセット150内からレンチキュラーシート12を排出させるとともに、印画時にレンチキュラーシート12を上昇/下降させる搬送を行う。
【0096】
ヘッド移動機構432は、図13で説明したようにリボンケージホルダ揺動軸252Aと同軸の回動軸を有するアーム部を回動させることにより、アーム部の先端に配設されたサーマルヘッド260を、プラテンローラ262に当接させる印画位置と退避位置との間で移動させる。尚、退避位置には、小退避位置と大退避位置とがあり、インクリボンのみを給送してインク頭出しを行う場合には、プラテンローラ262から僅かに退避した小退避位置に移動させ、リボンケージ254を回転させて他の色のインクリボンと交換する場合には、巻取りリール255及び供給リール256にセットされたインクリボンと干渉しない大退避位置に移動させる。
【0097】
インクリボン駆動機構433は、図13に示したリボン交換ガトリング機構250のリボンケージ254を回転させる機構と、リボンケージ254に配設された5対の巻取りリール255、供給リール256を駆動するリール駆動機構とから構成されている。
【0098】
カセット揺動機構434は、図6で説明したようにプランジャ122等を備え、システムコントローラ400からの指令によりシート収納本体110を揺動させる。
【0099】
圧板駆動機構435は、図7で説明したように圧板112を移動させるもので、システムコントローラ400からの指令により圧板112を移動させ、カセット内のレンチキュラーシート12に一定の押圧力が加わるようにしている。
【0100】
サーマルヘッド260は、レンチキュラーシート12の搬送方向と直交する方向に多数の発熱素子が配列されている。システムコントローラ400は、バッファメモリ404に格納された印画データに基づいて、1ラインごとに印画データに対応する濃度となるようにヘッドドライバ440を介して各発熱素子の温度を制御し、インクリボンのインクを昇華させてレンチキュラーシート12に転写させ、続いてシート搬送機構431によりレンチキュラーシート12を1ライン分送り、以下同様にして次々と各ラインの熱転写を行わせる。
【0101】
[プリント装置の動作の説明]
次に、プリント装置10の動作について説明する。
【0102】
<単色リボンシーケンス>
図15はプリント装置10の印画時の処理動作を示すフローチャートであり、単色リボンによる印画時に関して示している。尚、リボン交換ガトリング機構250には、R、Y、M、C、Wのリボンが装填されているものとする。
【0103】
[ステップS10]
PCから通信I/F410を介して3Dプリント用の印画データがバッファメモリ404に格納された後、操作部408のプリント開始スイッチがオンされると、印画が開始される(ステップS10)。尚、印画開始等のプリント指示は、通信I/F410に接続されたPC側から入出するようにしてもよい。
【0104】
また、単色リボンによる印画時には、リボン頭出しセンサ332への電源の供給は行わず、リボン頭出しセンサ332は動作不能になっている。これにより、リボン頭出しセンサ332の寿命を延ばすことができる。
【0105】
[ステップS12、S14]
プリント指示を入力すると、まず、システムコントローラ400はフィードローラ190を1回転させ、シート供給カセット110からレンチキュラーシート12を一定量だけ送り出す。このとき、レンチキュラーシート12の先端は、搬送ローラ212に到達している。続いて、システムコントローラ400は、キャプスタン214を搬送ローラ212に圧着させ、搬送ローラ212とキャプスタン214との間でレンチキュラーシート12を挟持させる。尚、事前にキャプスタン214を搬送ローラ212に圧着させておき、ステップS12でのレンチキュラーシート12の送り出し時に搬送ローラ212とキャプスタン214との間にレンチキュラーシート12を挿入させるようにしてもよい。
【0106】
システムコントローラ400は、搬送ローラ212を駆動するとともに、レンチキュラーシート12の先端がシートホームポジション(HP)センサ(図示せず)により検出されたか否かを監視し(ステップS14)、シートHPセンサによりシート先端が検出されると、搬送ローラ212によるレンチキュラーシート12の搬送を停止させ、レンチキュラーシート12をクランパ220まで搬送させる。このとき、クランパ220は、最下位の所定の位置で待機しており、シートHPセンサがシート先端を検出したとき、シート先端はクランパ220により把持できる位置に到達している。
【0107】
尚、システムコントローラ400は、シートHPセンサを使用せずに搬送ローラ212を一定時間だけ駆動することにより、レンチキュラーシート12をクランパ220まで搬送させることができる。この場合、前記一定時間の搬送中にレンチキュラーシート12の先端がクランパ220に当接すると、搬送ローラ212は空転する。また、レンチキュラーシート12をクランパ220に当接させることにより、レンチキュラーシート12の粗い位置決めが行われている。
【0108】
[ステップS16]
システムコントローラ400は、カム等を駆動して一対のクランプ部材をばねの付勢力により閉じさせ、レンチキュラーシート12をクランパ220に挟持させる。続いて、図10で説明したようにレンチキュラーシート12のアジマス調整を行う。
【0109】
システムコントローラ400は、クランパ搬送部230を駆動してクランパ220に挟持されたレンチキュラーシート12を印画開始位置に搬送させる。印画開始位置は、例えば、レンチキュラーシート12の搬送後、図8Aに示したフォトセンサ320A〜320Cの出力信号が所定の値(例えば、ピーク値)に達した位置とすることができる。これにより、レンチキュラーシート12のレンズ位置と6視点画像の印画位置との相対位置の調整が行われる。
【0110】
[ステップS18、S20]
次に、システムコントローラ400は、R、Y、M、C、Wのリボンが装填されたリボン交換ガトリング機構250を回転させ、リボン検出センサ330(図8A)により検出されるリボン情報に基づいて所望のリボンが所定の印画位置にくるように制御する。この実施形態では、R(受像層)のないレンチキュラーシート12を使用するため、最初にRのリボンを選択し、続いてY、M、C、Wの順にリボンを選択する。
【0111】
尚、起動時にリボン交換ガトリング機構250を1回転させ、各リール(供給リール256)に装填されている各リボンの情報をリボン検出センサ330に読み取らせ、これを内部メモリに保持するようにすれば、その後は、リボン交換ガトリング機構250の回転位置(リール位置)を制御することにおり、所望のリボンを選択することができる。
【0112】
下記の[表1]は、5つの供給リール256のリール番号1〜5に対応してリボン情報が記憶されたテーブルの一例を示す。
【0113】
【表1】
【0114】
[ステップS22、S24]
システムコントローラ400は、クランパ220を上昇させるとともに、サーマルヘッド260を駆動することにより、対象色の1色分の印画を行う。尚、R,Wのリボンによる印画は、レンチキュラーシート12の全面に行う印画であり、Y,M,Cの各単色リボンによる印画は、それぞれY,M,Cの印画データに対応する色画像の印画である。
【0115】
[ステップS26]
システムコントローラ400は、一色分の印画が終了すると、全てのリボンにより印画が終了したか否かを判別する。この場合には、Wのリボンによる印画が最後の印画であるため、Wのリボンによる印画が終了したかを判別する。
【0116】
システムコントローラ400は、Wの印画が終了していない場合には、次の色のリボンによる印画を行うべくステップS18に遷移させるとともに、レンチキュラーシート12を印画開始位置まで戻す(下降させる)。
【0117】
一方、Wの印画が終了した判別すると、図示しないカッタ部によりレンチキュラーシート12の両端をカットした後、取出口に排出させる。これにより、3Dプリントが得られる。
【0118】
<ダンダラリボンシーケンス>
図16はプリント装置10の印画時の処理動作を示すフローチャートであり、ダンダラリボンによる印画時に関して示している。
【0119】
尚、図15に示した単色リボンによる印画時と共通するステップには同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、リボン交換ガトリング機構250には、R、ダンダラリボン、Wのリボンが装填されているものとする。
【0120】
図16に示すようにダンダラリボンによる印画時は、主としてステップS30及びS32の処理が追加されている点で、単色リボンによる印画時の処理と相違する。
【0121】
[ステップS30、32]
ステップS18、S20において、ダンダラリボンが選択されると、ダンダラリボン上の所望の色のインクの頭出しを行う。
【0122】
ダンダラリボンにおけるプリントする色の頭出しは、図8Aに示すようにサーマルヘッド260を小退避させ、巻取りリール255を駆動してリボンを給送することにより行う。即ち、リボン頭出しセンサ332により所望の色のインクの先頭位置が検出された後、その検出位置からサーマルヘッド260の位置までの所定の長さ分だけリボンを給送することによりリボンの頭出しを行う。
【0123】
ダンダラリボンは、各インクの長さL(図12A参照)が、3Dプリントされる画像のシート送り方向の長さL1よりも長いものが使用される。したがって、その長さの差分ΔL(=L−L1)だけリボンを空送りすることにより、次の色のインクの頭出しを行うことができる。
【0124】
いま、図8Bにおいて、リボン頭出しセンサ332の検出位置からサーマルヘッド260による印画位置までのリボンの長さをLa,リボン頭出しセンサ332によりインクの先頭位置が検出された時点から、現在のある一色の印画が終了するまでのレンチキュラーシート12の送り量(リボンの送り量と一致)を検出し、このリボン送り量をLxとすると、ある一色の印画が終了した時点におけるダンダラリボンの次のインクの色の先頭位置は、ΔL(=La(固定値)−Lx(検出値))だけ印画位置よりも手前(下流側)に位置している。従って、上記ΔLを求め、図8Aに示すようにサーマルヘッド260を小退避させた後、求めたΔLだけダンダラリボンを空送りすることにより、次に色のインクの頭出しを行うことができる。
【0125】
尚、リボンの送り量は、巻取りリール255に巻回されているリボンの外径と巻取りリール255の回転量とにより求める方法や、リボンに送り量検出用のローラを当接させ、そのローラの回転量により求める方法などが考えられる。
【0126】
また、ΔLは毎回求める場合に限らず、例えば、Yのインクの頭出しのときだけ求め、他の色のインクの頭出しは、規定量ΔL(=L−L1)だけ送るようにしてもよい。
【0127】
また、図9A及び図9Bに示すようにリボン頭出しセンサ332’をサーマルヘッド260の直後に配置し、リボンの給送時にダンダラリボンに付されたリボン頭出しマーカ(図12B)を検出して給送を停止することでも頭出しできる。
【0128】
上記のようにしてダンダラリボンの頭出しが行われると、ステップS22に遷移し、その頭出しされたインクでの印画が行われる。
【0129】
<その他>
以下の[表2]の例1は、ダンダラリボンによる印画のためにY,M,Cの3本の単色リボンの代わりに、1本のダンダラリボンが装填される場合に関して示している。この場合、リボン交換ガトリング機構250にはリボン未装填のリール(空き)が生じる。
【0130】
リボン検出センサ330は、リボンの有無も検出することができ、リボン交換ガトリング機構250を回転させて所望のリボンを選択する際に、リボンのないところは飛ばして回転させることができる。
【0131】
【表2】
【0132】
[表2]の例2は、3本の単色リボンの代わりに、3本の同一のダンダラリボンが装填される場合に関して示している。この場合、1本のダンダラリボンが無くなったこと(消耗したこと)が検出された場合には、他の新品のダンダラリボンに切り替え、3本のダンダラリボンが全て消耗した後に3本のダンダラリボンを同時に新品のものに交換することができる。
【0133】
また、3本の同一のダンダラリボンを1枚印画するごとに順番に切り替え、3本のダンダラリボンを均等に使用するようにしてもよい。
【0134】
[表2]の例3は、3本の単色リボンの代わりに、3本のリボン幅(図12Aに示すリボン幅Wと長さL)の異なるダンダラリボンA,B,Cが装填される場合に関して示している。
【0135】
例えば、Lサイズ(89×127mm),2Lサイズ(127×180mm)、6切り(203×254mm)のプリントサイズのレンチキュラーシートの印画が可能な場合に、これらのプリントサイズに対応するダンダラリボンA,B,Cを装填することにより、プリントサイズに適したダンダラリボンを選択することができる。
【0136】
即ち、操作部408からプリントサイズを入力し、あるいはシート供給カセット150にセットされたレンチキュラーシートのサイズを検出することにより、レンチキュラーシートのプリントサイズに対応したダンダラリボンを自動選択することができる。
【0137】
また、この実施形態では、R層(受像層)の無いレンチキュラーシート12を使用しているが、予めR層が塗布されたレンチキュラーシートを使用する場合には、Rの印画は不要になる。
【0138】
この場合、Rのリボンの代わりにダンダラリボンを装填することにより、リボン交換ガトリング機構250に、単色リボンとダンダラリボンの両者を装填することができる。
【0139】
これによれば、リボン交換ガトリング機構250内のリボンを交換することなく、利用者からの単色リボンによる印画指示又はダンダラリボンによる印画指示に応じて、直ちに印画を開始させることができる。
【0140】
尚、この実施の形態のリボン交換ガトリング機構には、5本のリボンが装填可能になっているが、これに限らず、R(受像層)を印画しない装置の場合には、4本のリボン(Y,Y、C、W)が装填可能なものでもよく、更に6本以上のリボンが装填できるものでもよい。
【0141】
また、ダンダラリボンとして、W(ホワイト)やR(受像層)を有するものを用いることができ、この場合には、ダンダラリボンによる印画時にリボン交換ガトリング機構を回転させる必要がない。
【0142】
更に、この実施の形態では、レンチキュラーシートを使用して3Dプリントを作成するプリント装置について説明したが、本発明はこれに限らず、2Dプリント用紙に2Dのカラー画像を印画するものにも適用でき、要はカラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するものであれば、いかなるプリント装置にも適用できる。
【0143】
更にまた、プリント媒体は予め所定サイズにカットされた媒体(カット紙等)に限らず、ロール状の媒体(ロール紙等)でもよい。
【0144】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0145】
10:プリント装置、12:レンチキュラーシート、100:シート収納部、150:シート供給カセット、190:フィードローラ、212:搬送ローラ、214:キャプスタン、220:クランパ、230:クランパ搬送部、250:リボン交換ガトリング機構、252:リボンケージホルダ、254:リボンケージ、255:巻取りリール、256:供給リール、260:サーマルヘッド、400:システムコントローラ、402:プログラム格納部、404:バッファメモリ、406:センサ部、408:操作部、410:通信インターフェース(通信I/F)、420:制御部、430:機構部、440:ヘッドドライバ
【技術分野】
【0001】
本発明はプリント装置に係り、特にカラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するプリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数種類のリボンカセットが交換可能な印字装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1には、単色のインクリボン(単色リボン)が収容されたリボンカセットを使用し、色毎にリボンカセットを交換して印字を行う方式と、イエロー/マゼンタ/シアンの3原色等が交互に塗布された多色のインクリボン(多色リボン)が収容されたリボンカセットを使用し、リボンカセットの交換無しに色の3原色を重ね合わせて色を再現していく方式とが記載されている。
【0004】
また、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)、B(ブラック)の4組の単色リボンを回転可能に保持した保持部材を有し、この保持部材を回転させて所望の単色リボンを選択して記録位置に移動させるようにしたカラープリンタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−119318号公報
【特許文献2】特開平11−170583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の印字装置は、テープ状のラベルを作成するラベルプリンタであり、写真プリントを作成するものではなく、また、装置内に装着されるリボンカセットは1つある。従って、この印字装置は、多色リボンが収容されたリボンカセットを使用する印字方式の場合、リボンカセットを交換せずに色の3原色を重ね合わせて所望の色を再現することができるが、単色リボンが収容されたリボンカセットを使用する印字方式の場合には、所望の色に対応するリボンカセットをセットする必要がある。また、それぞれ異なる単色リボンの色を重ね合わせて印字することも考えられるが、この場合には、インクリボンの色を重ね合わせる毎にリボンカセットを交換する必要があり、煩雑であるという問題がある。
【0007】
一方、引用文献2に記載のカラープリンタは、4組の単色リボンを回転可能に保持した保持部材を回転させることにより、単色リボンの交換を簡単に行うことができるが、多色リボンを使用できる構成になっておらず、単色リボンと多色リボンとを用途に応じて使い分けることができないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画とを利用者の要求や用途等に応じて使い分けることができ、かつリボン交換の自動化により効率よくカラー写真プリントを作成することができるプリント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために請求項1に係る発明は、カラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するプリント装置において、複数本のカラーインクリボンが装填され、所望のカラーインクリボンを印画位置にセットするリボン交換ガトリング機構と、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンを検出するリボン検出手段であって、前記印画位置にセットされるカラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを検出するリボン検出手段と、前記リボン交換ガトリング機構に多色リボンが装填された場合に該多色リボンの頭出しを行うリボン頭出し手段と、前記単色リボンによる印画時と前記多色リボンによる印画時とに応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
即ち、単色リボンによる印画時には、リボン交換ガトリング機構により自動的にリボン交換しながら印画を行うことによりカラー写真プリントを作成することができ、一方、多色リボンによる印画時には、リボン頭出し手段により多色リボンの頭出しを行ってカラー写真プリントを作成することができ、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画とを使い分けることができる。
【0011】
単色リボンを使用するメリットとしては、多色リボンよりも安価であり、かつリボンの頭出し等によるリボンの無駄が生じないことであり、デメリットとしては、インクリボン交換は全色一度に行われるが、本数が多い(YMC多色リボン1本の場合は単色3本、YMCW多色リボン1本の場合は単色4本等)ので、手間がかかるのと各色リボンを間違えてセットする等の誤操作の懸念があることである。従って、一度に印画する枚数が多い場合には、単色リボンによる印画を行い、一度に印画する枚数が少ない場合には、多色リボンによる印画を行うことが考えられる。
【0012】
請求項2に示すように請求項1に記載のプリント装置において、前記リボン頭出し手段は、前記多色リボンから各カラーインクリボンの色の境界位置とともに、各カラーインクリボンの色を検出するリボン頭出しセンサと、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの給送を行うリボン給送手段とを有し、前記多色リボンによる各色別の印画開始時に前記リボン頭出しセンサの検出出力に基づいて該多色リボンの各カラーインクリボンの先頭位置が印画位置にくるように前記リボン給送手段を制御することを特徴としている。
【0013】
請求項3に示すように請求項は2に記載のプリント装置において、前記リボン頭出しセンサは、前記多色リボンの色を検出し、又は該多色リボンの各カラーインクリボンの色の境界位置に印刷されたリボン頭出しマーカを読み取ることを特徴としている。
【0014】
即ち、前記リボン頭出しセンサとして、前記多色リボンの色を検出するものを使用する場合には、多色リボンの各カラーインクリボンの色を検出することができるとともに、色の変化を検出することにより各カラーインクリボンの色の境界位置を検出することができる。また、多色リボンの各カラーインクリボンの色の境界位置にリボン頭出しマーカが付加されている場合には、このリボン頭出しマーカを読み取るセンサをリボン頭出しセンサとして使用することができる。
【0015】
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載のプリント装置において、前記制御手段は、前記単色リボンによる印画時に前記リボン頭出しセンサを停止させることを特徴としている。これにより、前記リボン頭出しセンサの寿命を延ばすことができる。
【0016】
請求項5に示すように請求項1から4のいずれかに記載のプリント装置において、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの有無を検出するリボン有無検出手段を備え、前記制御手段は、前記リボン検出手段により前記リボン交換ガトリング機構に複数本の多色リボンが装填されていることが検出され、かつ前記リボン有無検出手段により前記印画位置にセットされている多色リボンが無くなったことが検出されると、他の多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴としている。
【0017】
これにより、リボン交換ガトリング機構に装填された複数本の多色リボンを有効に使用することができる。
【0018】
請求項6に示すように請求項1から5のいずれかに記載のプリント装置において、前記プリント媒体のプリントサイズを入力する入力手段を備え、前記リボン検出手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれリボン幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に各リボンの幅を検知し、前記制御手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれ幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に、前記入力手段から入力したプリントサイズに応じて対応する多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴としている。
【0019】
これによれば、プリント媒体のプリントサイズに応じたリボン幅の多色リボンを使用することができ、多色リボンを効率よく使用することができる。
【0020】
請求項7に示すように請求項1から6のいずれかに記載のプリント装置において、前記リボン交換ガトリング機構に単色リボンと多色リボンとが装填されている場合において、単色リボンによる印画又は多色リボンによる印画のうちのいずれか一方のプリント指示を入力するプリント指示入力手段を備え、前記制御手段は、前記プリント指示入力手段からのプリント指示入力に応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御することを特徴としている。
【0021】
これによれば、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画との切替えを簡単に行うことができる。
【0022】
請求項8に示すように請求項1から7のいずれかに記載のプリント装置において、前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が付加され、前記リボン検出手段は、前記カラーインクリボンの巻芯から前記情報を読み取ることを特徴としている。
【0023】
請求項9に示すように請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置において、前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が記憶された無線タグが埋め込まれ、前記リボン検出手段は、前記無線タグから前記情報を読み取る無線タグリーダであることを特徴としている。
【0024】
請求項10に示すように請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置において、前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報がバーコードとして記録され、前記リボン検出手段は、前記バーコードを読み取るバーコードリーダであることを特徴としている。
【0025】
請求項11に示すように請求項1から10のいずれかに記載のプリント装置において、前記プリント媒体は、表面にレンチキュラーレンズが形成された透明なレンチキュラーシートであり、前記プリント装置は、前記レンチキュラーシートの裏面に受像層を転写した後、イエロー、マゼンタ、シアン及びホワイトのインクを順次転写し、又はイエロー、マゼンタ、シンアン及びホワイトのインクを順次転写して立体視用のカラー写真プリントを作成し、前記リボン交換ガトリング機構は、4本又は5本のリボンが装填可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、単色リボンによる印画時には、リボン交換ガトリング機構により自動的にリボン交換しながら印画を行うことによりカラー写真プリントを作成することができ、一方、多色リボンによる印画時には、リボン頭出し手段により多色リボンの頭出しを行ってカラー写真プリントを作成することができ、単色リボンによる印画と多色リボンによる印画とを利用者の要求や用途等に応じて使い分けることができるとともに、リボン交換の自動化により効率よくカラー写真プリントを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】印画媒体供給時のプリント装置内部を模式的に現した内部透視図
【図2】印画媒体供給時のプリント装置内部を模式的に現した内部透視図
【図3】シート収納部の正面斜視図
【図4】レンチキュラーシートが挿入されるシート供給カセットの斜視図
【図5】カセットカバーを閉じたシート供給カセットの斜視図
【図6】シート収納部の側面概略図
【図7】シート収納部の要部拡大図
【図8A】印画部の要部拡大図
【図8B】印画部の要部拡大図
【図9A】印画部の要部拡大図
【図9B】印画部の要部拡大図
【図10】クランパ及びクランパ搬送部の概略構成を示す平面図
【図11】インクリボンの斜視図
【図12A】ダンダラリボンの平面図
【図12B】ダンダラリボンの平面図
【図13】リボン交換ガトリング機構の概略図
【図14】プリント装置の要部構成を示すブロック図
【図15】単色リボンによる印画処理を示すフローチャート
【図16】ダンダラリボンによる印画処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明に係るプリント装置の実施の形態について説明する。
【0029】
[プリント装置の全体構成]
図1及び図2はそれぞれ本発明の実施形態に係るプリント装置を模式的に現した内部透視図であり、図1はシート供給カセットからレンチキュラーシートを供給する状態に関して示しており、図2は印画後のシート戻し動作時等の状態に関して示している。
【0030】
図1及び図2に示すように、プリント装置10は、3次元画像の写真プリント(以下、「3Dプリント」という)を作成するもので、かまぼこ状のレンズ群を有したいわゆるレンチキュラーレンズが表面に形成された透明樹脂製の印画媒体(以下、「レンチキュラーシート」という)12を鉛直方向に搬送しながら印画し、3Dプリントを作成する縦置きの3Dプリンタである。レンチキュラーシート12の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA(アクリル)等の樹脂が適用される。
【0031】
このプリント装置10は、主としてシート収納部100と、印画部200と、空送部300とから構成されている。
【0032】
また、このプリント装置10は、R(受像層)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、W(ホワイト)のインクリボンを使用した昇華型プリンタであり、印画カラー毎に上昇(印画時)と下降(印画開始位置への逆送)とを繰り返し行うものであり、レンチキュラーシート12の搬送経路は、上昇下降とも同一のストレートパスで構成されている。
【0033】
<シート収納部>
図3は上記シート収納部100の詳細な構成を示す斜視図である。
【0034】
このシート収納部100は、主としてシート収納本体110とシート供給カセット150とから構成されており、シート収納本体110にシート供給カセット150が着脱自在に装着できるようになっている。
【0035】
図4及び図5はそれぞれシート供給カセット150の斜視図であり、図4はシート供給カセット150のカセットカバー152を開け、100枚〜200枚の積層されたレンチキュラーシート12をカセット内に挿入する様子を示しており、図5はレンチキュラーシート12をカセット内に挿入した後、カセットカバー152を閉じた状態を示している。
【0036】
このシート供給カセット150の正面には、フィードローラ190(図3参照)が挿入される開口154が形成され、一方、背面のカセットカバー152には、L字型の圧板112(図6参照)が挿入される圧板開口156が形成されている。
【0037】
また、シート供給カセット150の上面には、カセット内から1枚のレンチキュラーシート12を排出するための排出口158が形成され、シート供給カセット150の側面には、鉛直方向に凸条160が形成されている。シート供給カセット150は、シート供給カセット150の凸条1520が、シート収納本体110の側面に形成れた凹溝114に係合することにより、シート収納本体110の所定位置に位置決めされる。
【0038】
図6はシート収納部100の側面概略図である。
【0039】
シート供給カセット150内に収納されたレンチキュラーシート12は、シート供給カセット150がシート収納本体110に挿入されると、シート収納本体110側のL字型の圧板112上に載置される。
【0040】
圧板112は、2本のガイド軸116(図3参照)により、正面と背面との方向(図6上で左右方向)に1自由度で支持されており、図示しないモータを含む圧板駆動機構により移動できるようになっている。
【0041】
また、図7に示すように圧板112は、弾性部材118を介してカセット内のレンチキュラーシート12を押圧するが、常に一定の圧力で押圧するように圧板112の位置が制御されている。
【0042】
シート収納本体110は、図6に示すカセット揺動機構434により揺動できるように構成されている。カセット揺動機構434は、主としてプランジャ122と、付勢ばね124と、ストッパ126とから構成され、シート収納本体110は、底部の回転軸120により揺動自在に配設されている。
【0043】
図1に示すようにシート供給カセット150からレンチキュラーシート12を供給する場合には、プランジャ122への通電をオフにする。これにより、シート収納本体110は、付勢ばね124の付勢力によりストッパ126に当接する位置に回動させられ、シート収納本体110に収納されたシート供給カセット150は鉛直位置に保持される。
【0044】
一方、シート供給カセット150からレンチキュラーシート12が排出され、インクリボンでの最初の印画が終了すると、プランジャ122への通電をオンにする。これにより、シート収納本体110は、付勢ばね124の付勢力に抗して、図6上で反時計回り方向に回動(傾動)させられる。
【0045】
図2はシート収納本体110がプランジャ122により傾動させられた状態を示す。レンチキュラーシート12は、次のインクリボンでの印画のために印画開始位置まで戻されるが、シート収納本体110(シート供給カセット110)を傾動させることにより、レンチキュラーシート12はシート供給カセット110と干渉することがない。
【0046】
これにより、レンチキュラーシート12の印画動作から戻し動作にわたってレンチキュラーシート12をストレートパスで搬送することができるとともに、レンチキュラーシート12の搬送経路の短縮化(装置の小型化)が図られている。
【0047】
図3及び図7に示すようにフィードローラ190が駆動されると、このフィードローラ190に当接しているレンチキュラーシート12がシート供給カセット150の排出口158から送り出される。
【0048】
ここで、排出口158の幅Wは、1枚のレンチキュラーシート12のシート圧tよりも広く、2枚のレンチキュラーシート12のシート圧2tよりも狭くなるように形成されており、これにより排出口158からは1枚のレンチキュラーシート12のみが送り出される。
【0049】
また、フィードローラ190は、断面がD形状(Dカット)となっており、このDカットがレンチキュラーシート12に対向する位置に達すると、停止するように制御される。これにより、レンチキュラーシート12は、シート供給カセット150から一定量だけ送り出され、また、このときレンチキュラーシート12にはフィードローラ190が当接しないようになる(フィードローラ190からの摩擦力が作用しないようになる)。
【0050】
<印画部>
図1及び図2に示すように印画部200は、主として印画時等にレンチキュラーシート12を搬送するシート搬送機構と、R、Y、M、C、Wのインクリボンが装填されたリボン交換ガトリング機構250と、サーマルヘッド260とから構成されている。
【0051】
図8A及び図8Bはそれぞれ印画部200の要部拡大図を示す。
【0052】
シート搬送機構431は、主としてフィードローラ190と、搬送ローラ212と、キャプスタン214と、クランパ220と、クランパ220を移動させるクランパ搬送部230(図10参照)とから構成されている。
【0053】
フィードローラ190によりシート供給カセット150から一定量だけ送り出されたレンチキュラーシート12は、その先端部が搬送ローラ212の位置に到達する。ここで、搬送ローラ212に対してレンチキュラーシート12を介してキャプスタン214を圧着させるとともに、搬送ローラ212を駆動することにより、レンチキュラーシート12を搬送することができる(図8A参照)。
【0054】
この搬送ローラ212及びキャプスタン214によるレンチキュラーシート12の搬送は、レンチキュラーシート12の先端が最下位の所定の位置で待機しているクランパ220に到達するまで行われる。尚、クランパ220は、一対のクランプ部材がばねにより常時閉じる方向に付勢されているが、上記待機状態ではカム等により一対のクランプ部材は、ばねの付勢力に抗して開いた状態で待機している。
【0055】
レンチキュラーシート12の先端が上記クランパ220に到達すると、レンチキュラーシート12の先端はクランパ220により挟持され、キャプスタン214は搬送ローラ212から退避させられる。その後、レンチキュラーシート12は、クランパ搬送部230によりクランパ220とともに搬送(昇降)させられる(図8B参照)。
【0056】
図10は上記クランパ220及びクランパ搬送部230の概略構成を示す平面図である。
【0057】
図1に示した空送部300の上端部には、それぞれ駆動モータ302から減速機構304を介して駆動される一対の駆動プーリ306が設けられ、プラテンローラ262の近傍には一対の従動プーリ308が設けられている。
【0058】
これらの駆動プーリ306と従動プーリ308との間には駆動ベルト310が巻き付けられており、図10に示すように駆動ベルト310間には、クランパ220が図示しないボルトにより固定されている。
【0059】
また、駆動ベルト310に沿ってクランパ220を鉛直方向に案内するガイドレール312が配設され、更に最下位の所定の位置で待機しているクランパ220に対して、レンチキュラーシート12を案内する樹脂製ガイド314が配設されている。尚、樹脂製ガイド314の代わりにゴム製ガイドとしてもよい。
【0060】
一対の樹脂製ガイド314の幅は、レンチキュラーシート12の幅よりも所定のクリアランス分だけ広くなっており、樹脂製ガイド314は、レンチキュラーシート12が鉛直方向に沿うように案内する。
【0061】
また、プラテンローラ262の入口側には、プラテンローラ262と平行に3つのフォトセンサ320A,320B,320Cが配設され、レンチキュラーシート12の配送路を挟んでフォトセンサ320A,320B,320Cと対向する位置に、発光ダイオード(LED)322(図8A、図8B参照)が配設されている。
【0062】
フォトセンサ320A,320B,320Cにより検出されるレンチキュラーシート12の検出信号は、フォトセンサ光軸が、レンチキュラーシート12のレンズの中心と一致する場合に最大値となり、レンズ間の谷に位置する場合に最小となる。従って、3つのフォトセンサ320A,320B,320Cの検出信号に基づいてレンチキュラーシート12の傾き(アジマス角)を検知することができる。
【0063】
レンチキュラーシート12のアジマス調整(アジマス角を0にする調整)は、レンチキュラーシート12の先端をクランパ220により挟持した後、3つのフォトセンサ320A,320B,320Cの検出信号を監視しながら左右一対の駆動プーリ306をそれぞれ独立に駆動し、クランパ220をアジマス調整分だけ僅かに傾けることにより行う。
【0064】
上記のようにしてアジマス調整をした後、クランパ220を上昇させることによりレンチキュラーシート12を印画開始位置に搬送し、その後、サーマルヘッド260による印画を開始させる。1色分の印画が終了すると、駆動プーリ306を逆転させてクランパ220を下降させ、レンチキュラーシート12を再び印画開始位置に戻す戻し動作が行われる。
【0065】
また、図8A及び図8Bに示すようにプリント装置10には、リボン検出センサ330と、リボン頭出しセンサ332とが設けられている。この実施形態では、リボン検出センサ330は、供給リール256の近傍に配設されており、また、リボン頭出しセンサ332は、リボン検出センサ330に隣接して配設されている。
【0066】
図11は供給リール256に装填されるインクリボンの一例を示す斜視図である。このインクリボンの巻芯(紙管)340には、巻回されているインクリボンの情報(インクリボンの種類、リボン幅、色等)が記憶された無線タグ342が埋め込まれており、前記リボン検出センサ330は、非接触型の無線タグリーダにより構成され、無線タグ342からインクリボンの情報を読み取ることできるようになっている。
【0067】
尚、リボン検出センサ330としては、上記無線タグリーダに限らず、種々のものが考えられ、例えば、インクリボンの巻芯340にインクリボンの情報がバーコードで記録されている場合には、バーコードリーダを適用することができる。
【0068】
また、このプリント装置10は、インクリボンとして、Y、M、Cの単色のインクリボン(単色リボン)の他に、図12Aに示すように所定長さのY、M、Cのインクが順次塗布された多色リボン(以下、「ダンダラリボン」という)を使用できるようになっている。
【0069】
前記リボン頭出しセンサ332は、供給リール256にダンダラリボンが装填された場合に、そのダンダラリボン上のインクの色の境界位置とともに、各インクの色を検出することができるようになっている。
【0070】
リボン頭出しセンサ332は、ダンダラリボンに白色光を照射するLEDと、それぞれY、M、Cの波長域に感度をもった3つのフォトセンサとを有する反射式フォトセンサであり、各フォトセンサの検出出力に基づいてセンサに対向するダンダラリボンの色を検出することができるとともに、検出される色の切り替わる位置からインクの色の境界位置も検出することができる。
【0071】
尚、リボン頭出しセンサ332としては、この実施形態のものに限らず、例えば、図12Bに示すように各インクの色の境界位置にリボン頭出しマーカが付されているダンダラリボンを使用する場合には、このリボン頭出しマーカを検出するものでもよい。
【0072】
<リボン交換ガトリング機構及びサーマルヘッド>
図13はリボン交換ガトリング機構250の概略図である。
【0073】
図13に示すようにリボン交換ガトリング機構250は、リボンケージホルダ252と、リボンケージ254とを有しており、リボンケージホルダ252は、リボンケージホルダ揺動軸252Aを中心に揺動できるようになっている。
【0074】
サーマルヘッド260は、リボンケージホルダ252内に設けられており、リボンケージホルダ揺動軸252Aと同軸の軸上に回動自在に設けられた、図示しないアーム部材の先端に配設されている。このアーム部材を回動させることにより、サーマルヘッド260を印画位置と退避位置との間で移動させることができる。
【0075】
リボンケージホルダ252は、リボンケージホルダ揺動軸252Aを中心にして揺動(回動)させることにより、印画位置とメンテナンス位置との間で移動できるようになっており、メンテナンス位置では、リボンケージホルダ252の一部を装置本体から突出させることができる。
【0076】
サーマルヘッド260は、リボンケージホルダ252のメンテナンス位置への移動に連動して移動し、サーマルヘッド260の発熱素子が外部から触れられる位置まで移動する。これにより、サーマルヘッド260の掃除や交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0077】
一方、リボンケージ254は、リボンケージ回転受け253によりリボンケージホルダ252に回転自在に支持されている。リボンケージ254には、5対の巻取りリール255、供給リール256が等間隔に配設されており、5対のリールには、それぞれR、Y、M、C、Wのインクリボンがセットされる。リボンケージ254は、ガトリング機構により所望のリボンがサーマルヘッド260の位置にくるように回転させられる。
【0078】
5対のリールにセットされているリボンの種別、色等の情報は、各リボンがサーマルヘッド260の位置にくるごとにリボン検出センサ330により検出することができるため、このリボン検出センサ330の検出信号に基づいてリボンケージ254の回転位置を制御することにより所望のリボンをサーマルヘッド260の位置に移動させることができる。
【0079】
サーマルヘッド260の位置に移動させられた一対の巻取りリール255、供給リール256のうちの巻取りリール255は、印画時にレンチキュラーシート12の移動速度よりも若干速い速度で摩擦クラッチを介してインクリボンを巻き取り、供給リール256にはインクリボンに所定のバックテンションが作用するようにブレーキがかけられている。
これにより、印画時にレンチキュラーシート12が移動すると、このレンチキュラーシート12の移動に連動して(同期して)インクリボンが給送される。
【0080】
サーマルヘッド260は、ヘッド移動機構により印画時に、インクリボン及びレンチキュラーシート12を介してプラテンローラ262に当接する印画位置に移動させられるとともに、インクリボンの切替えやレンチキュラーシート12の逆送時にはプラテンローラ262から退避する退避位置に移動させられる。
【0081】
また、サーマルヘッド260は、後述するように3D画像用の多視点画像(この実施の形態では6視点画像)に応じて駆動され、インクリボン上のインクを昇華させてレンチキュラーシート12に転写する。
【0082】
[プリント装置の制御系の説明]
次に、上記構成のプリント装置10の制御系について説明する。
【0083】
図14はプリント装置10の要部構成を示すブロック図である。
【0084】
プリント装置10は、システムコントローラ400、プログラム格納部402、バッファメモリ404、センサ部406、操作部408、通信インターフェース(通信I/F)410、制御部420、機構部430、ヘッドドライバ440、及びサーマルヘッド260から構成されている。
【0085】
システムコントローラ400は、3Dプリント用のプログラムにより各部を統括制御する部分であり、CPU(中央処理装置)などが考えられる。プログラム格納部402には、3Dプリント用のプログラムが格納され、システムコントローラ400はプログラム格納部402に格納されているプログラムを適宜読み出して実行する。
【0086】
バッファメモリ404は、図示しないパーソナルコンピュータ(PC)から通信I/F410を介して受信した印画データを一時的に格納する部分である。
【0087】
通信I/F410に接続されるPCは、3Dカメラ等により撮影された同一被写体を撮影したカラーの2視点画像(左右画像)を取得し、これらの左右画像から特徴が一致する特徴点のずれ量(画素間のずれ量(視差量))を画素毎に算出する。算出した視差量を3Dプリント用に調整した後、調整した視差量を補間して6視点画像を生成する。PCは、R、G、Bの6視点画像を、更にY、M、Cに色変換し、色変換された6視点画像から1枚分のY信号、M信号、及びC信号を生成する。これらのY信号、M信号、及びC信号が印画データとしてPCから通信I/F410を介してバッファメモリ404に格納される。
【0088】
尚、上記PCの画像処理機能をプリント装置10に内蔵させるようにしてもよい。
【0089】
センサ部406は、図8A等に示したフォトセンサ320A〜320C、リボン検出センサ330、リボン頭出しセンサ332、及び機構部430での位置や回転角等を検出するセンサを含み、それぞれ検出した検出信号をシステムコントローラ400に出力する。
【0090】
操作部408は電源スイッチ、プリント開始スイッチ、プリント枚数等を設定するスイッチ等から構成され、操作部408での操作による信号は、システムコントローラ400に入力される。
【0091】
機構部430は、シート搬送機構431、ヘッド移動機構432、インクリボン駆動機構433、カセット揺動機構434、及び圧板駆動機構435から構成されている。
【0092】
シート搬送機構431は、図1等に示したフィードローラ190、搬送ローラ212、キャプスタン214、クランパ220、及び駆動モータ302等を含むクランパ搬送部230(図10)から構成されている。
【0093】
また、制御部420は、シート搬送制御部421、ヘッド移動制御部422、インクリボン制御部423、及びカセット制御部424から構成されている。
【0094】
システムコントローラ400は、印画シーケンスに応じて制御部420にそれぞれ制御信号を出力し、制御部420を介して機構部430を駆動制御する。
【0095】
これにより、シート搬送制御部420は、シート供給カセット150内からレンチキュラーシート12を排出させるとともに、印画時にレンチキュラーシート12を上昇/下降させる搬送を行う。
【0096】
ヘッド移動機構432は、図13で説明したようにリボンケージホルダ揺動軸252Aと同軸の回動軸を有するアーム部を回動させることにより、アーム部の先端に配設されたサーマルヘッド260を、プラテンローラ262に当接させる印画位置と退避位置との間で移動させる。尚、退避位置には、小退避位置と大退避位置とがあり、インクリボンのみを給送してインク頭出しを行う場合には、プラテンローラ262から僅かに退避した小退避位置に移動させ、リボンケージ254を回転させて他の色のインクリボンと交換する場合には、巻取りリール255及び供給リール256にセットされたインクリボンと干渉しない大退避位置に移動させる。
【0097】
インクリボン駆動機構433は、図13に示したリボン交換ガトリング機構250のリボンケージ254を回転させる機構と、リボンケージ254に配設された5対の巻取りリール255、供給リール256を駆動するリール駆動機構とから構成されている。
【0098】
カセット揺動機構434は、図6で説明したようにプランジャ122等を備え、システムコントローラ400からの指令によりシート収納本体110を揺動させる。
【0099】
圧板駆動機構435は、図7で説明したように圧板112を移動させるもので、システムコントローラ400からの指令により圧板112を移動させ、カセット内のレンチキュラーシート12に一定の押圧力が加わるようにしている。
【0100】
サーマルヘッド260は、レンチキュラーシート12の搬送方向と直交する方向に多数の発熱素子が配列されている。システムコントローラ400は、バッファメモリ404に格納された印画データに基づいて、1ラインごとに印画データに対応する濃度となるようにヘッドドライバ440を介して各発熱素子の温度を制御し、インクリボンのインクを昇華させてレンチキュラーシート12に転写させ、続いてシート搬送機構431によりレンチキュラーシート12を1ライン分送り、以下同様にして次々と各ラインの熱転写を行わせる。
【0101】
[プリント装置の動作の説明]
次に、プリント装置10の動作について説明する。
【0102】
<単色リボンシーケンス>
図15はプリント装置10の印画時の処理動作を示すフローチャートであり、単色リボンによる印画時に関して示している。尚、リボン交換ガトリング機構250には、R、Y、M、C、Wのリボンが装填されているものとする。
【0103】
[ステップS10]
PCから通信I/F410を介して3Dプリント用の印画データがバッファメモリ404に格納された後、操作部408のプリント開始スイッチがオンされると、印画が開始される(ステップS10)。尚、印画開始等のプリント指示は、通信I/F410に接続されたPC側から入出するようにしてもよい。
【0104】
また、単色リボンによる印画時には、リボン頭出しセンサ332への電源の供給は行わず、リボン頭出しセンサ332は動作不能になっている。これにより、リボン頭出しセンサ332の寿命を延ばすことができる。
【0105】
[ステップS12、S14]
プリント指示を入力すると、まず、システムコントローラ400はフィードローラ190を1回転させ、シート供給カセット110からレンチキュラーシート12を一定量だけ送り出す。このとき、レンチキュラーシート12の先端は、搬送ローラ212に到達している。続いて、システムコントローラ400は、キャプスタン214を搬送ローラ212に圧着させ、搬送ローラ212とキャプスタン214との間でレンチキュラーシート12を挟持させる。尚、事前にキャプスタン214を搬送ローラ212に圧着させておき、ステップS12でのレンチキュラーシート12の送り出し時に搬送ローラ212とキャプスタン214との間にレンチキュラーシート12を挿入させるようにしてもよい。
【0106】
システムコントローラ400は、搬送ローラ212を駆動するとともに、レンチキュラーシート12の先端がシートホームポジション(HP)センサ(図示せず)により検出されたか否かを監視し(ステップS14)、シートHPセンサによりシート先端が検出されると、搬送ローラ212によるレンチキュラーシート12の搬送を停止させ、レンチキュラーシート12をクランパ220まで搬送させる。このとき、クランパ220は、最下位の所定の位置で待機しており、シートHPセンサがシート先端を検出したとき、シート先端はクランパ220により把持できる位置に到達している。
【0107】
尚、システムコントローラ400は、シートHPセンサを使用せずに搬送ローラ212を一定時間だけ駆動することにより、レンチキュラーシート12をクランパ220まで搬送させることができる。この場合、前記一定時間の搬送中にレンチキュラーシート12の先端がクランパ220に当接すると、搬送ローラ212は空転する。また、レンチキュラーシート12をクランパ220に当接させることにより、レンチキュラーシート12の粗い位置決めが行われている。
【0108】
[ステップS16]
システムコントローラ400は、カム等を駆動して一対のクランプ部材をばねの付勢力により閉じさせ、レンチキュラーシート12をクランパ220に挟持させる。続いて、図10で説明したようにレンチキュラーシート12のアジマス調整を行う。
【0109】
システムコントローラ400は、クランパ搬送部230を駆動してクランパ220に挟持されたレンチキュラーシート12を印画開始位置に搬送させる。印画開始位置は、例えば、レンチキュラーシート12の搬送後、図8Aに示したフォトセンサ320A〜320Cの出力信号が所定の値(例えば、ピーク値)に達した位置とすることができる。これにより、レンチキュラーシート12のレンズ位置と6視点画像の印画位置との相対位置の調整が行われる。
【0110】
[ステップS18、S20]
次に、システムコントローラ400は、R、Y、M、C、Wのリボンが装填されたリボン交換ガトリング機構250を回転させ、リボン検出センサ330(図8A)により検出されるリボン情報に基づいて所望のリボンが所定の印画位置にくるように制御する。この実施形態では、R(受像層)のないレンチキュラーシート12を使用するため、最初にRのリボンを選択し、続いてY、M、C、Wの順にリボンを選択する。
【0111】
尚、起動時にリボン交換ガトリング機構250を1回転させ、各リール(供給リール256)に装填されている各リボンの情報をリボン検出センサ330に読み取らせ、これを内部メモリに保持するようにすれば、その後は、リボン交換ガトリング機構250の回転位置(リール位置)を制御することにおり、所望のリボンを選択することができる。
【0112】
下記の[表1]は、5つの供給リール256のリール番号1〜5に対応してリボン情報が記憶されたテーブルの一例を示す。
【0113】
【表1】
【0114】
[ステップS22、S24]
システムコントローラ400は、クランパ220を上昇させるとともに、サーマルヘッド260を駆動することにより、対象色の1色分の印画を行う。尚、R,Wのリボンによる印画は、レンチキュラーシート12の全面に行う印画であり、Y,M,Cの各単色リボンによる印画は、それぞれY,M,Cの印画データに対応する色画像の印画である。
【0115】
[ステップS26]
システムコントローラ400は、一色分の印画が終了すると、全てのリボンにより印画が終了したか否かを判別する。この場合には、Wのリボンによる印画が最後の印画であるため、Wのリボンによる印画が終了したかを判別する。
【0116】
システムコントローラ400は、Wの印画が終了していない場合には、次の色のリボンによる印画を行うべくステップS18に遷移させるとともに、レンチキュラーシート12を印画開始位置まで戻す(下降させる)。
【0117】
一方、Wの印画が終了した判別すると、図示しないカッタ部によりレンチキュラーシート12の両端をカットした後、取出口に排出させる。これにより、3Dプリントが得られる。
【0118】
<ダンダラリボンシーケンス>
図16はプリント装置10の印画時の処理動作を示すフローチャートであり、ダンダラリボンによる印画時に関して示している。
【0119】
尚、図15に示した単色リボンによる印画時と共通するステップには同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。また、リボン交換ガトリング機構250には、R、ダンダラリボン、Wのリボンが装填されているものとする。
【0120】
図16に示すようにダンダラリボンによる印画時は、主としてステップS30及びS32の処理が追加されている点で、単色リボンによる印画時の処理と相違する。
【0121】
[ステップS30、32]
ステップS18、S20において、ダンダラリボンが選択されると、ダンダラリボン上の所望の色のインクの頭出しを行う。
【0122】
ダンダラリボンにおけるプリントする色の頭出しは、図8Aに示すようにサーマルヘッド260を小退避させ、巻取りリール255を駆動してリボンを給送することにより行う。即ち、リボン頭出しセンサ332により所望の色のインクの先頭位置が検出された後、その検出位置からサーマルヘッド260の位置までの所定の長さ分だけリボンを給送することによりリボンの頭出しを行う。
【0123】
ダンダラリボンは、各インクの長さL(図12A参照)が、3Dプリントされる画像のシート送り方向の長さL1よりも長いものが使用される。したがって、その長さの差分ΔL(=L−L1)だけリボンを空送りすることにより、次の色のインクの頭出しを行うことができる。
【0124】
いま、図8Bにおいて、リボン頭出しセンサ332の検出位置からサーマルヘッド260による印画位置までのリボンの長さをLa,リボン頭出しセンサ332によりインクの先頭位置が検出された時点から、現在のある一色の印画が終了するまでのレンチキュラーシート12の送り量(リボンの送り量と一致)を検出し、このリボン送り量をLxとすると、ある一色の印画が終了した時点におけるダンダラリボンの次のインクの色の先頭位置は、ΔL(=La(固定値)−Lx(検出値))だけ印画位置よりも手前(下流側)に位置している。従って、上記ΔLを求め、図8Aに示すようにサーマルヘッド260を小退避させた後、求めたΔLだけダンダラリボンを空送りすることにより、次に色のインクの頭出しを行うことができる。
【0125】
尚、リボンの送り量は、巻取りリール255に巻回されているリボンの外径と巻取りリール255の回転量とにより求める方法や、リボンに送り量検出用のローラを当接させ、そのローラの回転量により求める方法などが考えられる。
【0126】
また、ΔLは毎回求める場合に限らず、例えば、Yのインクの頭出しのときだけ求め、他の色のインクの頭出しは、規定量ΔL(=L−L1)だけ送るようにしてもよい。
【0127】
また、図9A及び図9Bに示すようにリボン頭出しセンサ332’をサーマルヘッド260の直後に配置し、リボンの給送時にダンダラリボンに付されたリボン頭出しマーカ(図12B)を検出して給送を停止することでも頭出しできる。
【0128】
上記のようにしてダンダラリボンの頭出しが行われると、ステップS22に遷移し、その頭出しされたインクでの印画が行われる。
【0129】
<その他>
以下の[表2]の例1は、ダンダラリボンによる印画のためにY,M,Cの3本の単色リボンの代わりに、1本のダンダラリボンが装填される場合に関して示している。この場合、リボン交換ガトリング機構250にはリボン未装填のリール(空き)が生じる。
【0130】
リボン検出センサ330は、リボンの有無も検出することができ、リボン交換ガトリング機構250を回転させて所望のリボンを選択する際に、リボンのないところは飛ばして回転させることができる。
【0131】
【表2】
【0132】
[表2]の例2は、3本の単色リボンの代わりに、3本の同一のダンダラリボンが装填される場合に関して示している。この場合、1本のダンダラリボンが無くなったこと(消耗したこと)が検出された場合には、他の新品のダンダラリボンに切り替え、3本のダンダラリボンが全て消耗した後に3本のダンダラリボンを同時に新品のものに交換することができる。
【0133】
また、3本の同一のダンダラリボンを1枚印画するごとに順番に切り替え、3本のダンダラリボンを均等に使用するようにしてもよい。
【0134】
[表2]の例3は、3本の単色リボンの代わりに、3本のリボン幅(図12Aに示すリボン幅Wと長さL)の異なるダンダラリボンA,B,Cが装填される場合に関して示している。
【0135】
例えば、Lサイズ(89×127mm),2Lサイズ(127×180mm)、6切り(203×254mm)のプリントサイズのレンチキュラーシートの印画が可能な場合に、これらのプリントサイズに対応するダンダラリボンA,B,Cを装填することにより、プリントサイズに適したダンダラリボンを選択することができる。
【0136】
即ち、操作部408からプリントサイズを入力し、あるいはシート供給カセット150にセットされたレンチキュラーシートのサイズを検出することにより、レンチキュラーシートのプリントサイズに対応したダンダラリボンを自動選択することができる。
【0137】
また、この実施形態では、R層(受像層)の無いレンチキュラーシート12を使用しているが、予めR層が塗布されたレンチキュラーシートを使用する場合には、Rの印画は不要になる。
【0138】
この場合、Rのリボンの代わりにダンダラリボンを装填することにより、リボン交換ガトリング機構250に、単色リボンとダンダラリボンの両者を装填することができる。
【0139】
これによれば、リボン交換ガトリング機構250内のリボンを交換することなく、利用者からの単色リボンによる印画指示又はダンダラリボンによる印画指示に応じて、直ちに印画を開始させることができる。
【0140】
尚、この実施の形態のリボン交換ガトリング機構には、5本のリボンが装填可能になっているが、これに限らず、R(受像層)を印画しない装置の場合には、4本のリボン(Y,Y、C、W)が装填可能なものでもよく、更に6本以上のリボンが装填できるものでもよい。
【0141】
また、ダンダラリボンとして、W(ホワイト)やR(受像層)を有するものを用いることができ、この場合には、ダンダラリボンによる印画時にリボン交換ガトリング機構を回転させる必要がない。
【0142】
更に、この実施の形態では、レンチキュラーシートを使用して3Dプリントを作成するプリント装置について説明したが、本発明はこれに限らず、2Dプリント用紙に2Dのカラー画像を印画するものにも適用でき、要はカラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するものであれば、いかなるプリント装置にも適用できる。
【0143】
更にまた、プリント媒体は予め所定サイズにカットされた媒体(カット紙等)に限らず、ロール状の媒体(ロール紙等)でもよい。
【0144】
また、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0145】
10:プリント装置、12:レンチキュラーシート、100:シート収納部、150:シート供給カセット、190:フィードローラ、212:搬送ローラ、214:キャプスタン、220:クランパ、230:クランパ搬送部、250:リボン交換ガトリング機構、252:リボンケージホルダ、254:リボンケージ、255:巻取りリール、256:供給リール、260:サーマルヘッド、400:システムコントローラ、402:プログラム格納部、404:バッファメモリ、406:センサ部、408:操作部、410:通信インターフェース(通信I/F)、420:制御部、430:機構部、440:ヘッドドライバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するプリント装置において、
複数本のカラーインクリボンが装填され、所望のカラーインクリボンを印画位置にセットするリボン交換ガトリング機構と、
前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンを検出するリボン検出手段であって、前記印画位置にセットされるカラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを検出するリボン検出手段と、
前記リボン交換ガトリング機構に多色リボンが装填された場合に該多色リボンの頭出しを行うリボン頭出し手段と、
前記単色リボンによる印画時と前記多色リボンによる印画時とに応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記リボン頭出し手段は、前記多色リボンから各カラーインクリボンの色の境界位置とともに、各カラーインクリボンの色を検出するリボン頭出しセンサと、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの給送を行うリボン給送手段とを有し、前記多色リボンによる各色別の印画開始時に前記リボン頭出しセンサの検出出力に基づいて該多色リボンの各カラーインクリボンの先頭位置が印画位置にくるように前記リボン給送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記リボン頭出しセンサは、前記多色リボンの色を検出し、又は該多色リボンの各カラーインクリボンの色の境界位置に印刷されたリボン頭出しマーカを読み取ることを特徴とする請求項2に記載のプリント装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記単色リボンによる印画時に前記リボン頭出しセンサを停止させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項5】
前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの有無を検出するリボン有無検出手段を備え、
前記制御手段は、前記リボン検出手段により前記リボン交換ガトリング機構に複数本の多色リボンが装填されていることが検出され、かつ前記リボン有無検出手段により前記印画位置にセットされている多色リボンが無くなったことが検出されると、他の多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項6】
前記プリント媒体のプリントサイズを入力する入力手段を備え、
前記リボン検出手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれリボン幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に各リボンの幅を検知し、
前記制御手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれ幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に、前記入力手段から入力したプリントサイズに応じて対応する多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項7】
前記リボン交換ガトリング機構に単色リボンと多色リボンとが装填されている場合において、単色リボンによる印画又は多色リボンによる印画のうちのいずれか一方のプリント指示を入力するプリント指示入力手段を備え、
前記制御手段は、前記プリント指示入力手段からのプリント指示入力に応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項8】
前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が付加され、
前記リボン検出手段は、前記カラーインクリボンの巻芯から前記情報を読み取ることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項9】
前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が記憶された無線タグが埋め込まれ、
前記リボン検出手段は、前記無線タグから前記情報を読み取る無線タグリーダであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項10】
前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報がバーコードとして記録され、
前記リボン検出手段は、前記バーコードを読み取るバーコードリーダであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項11】
前記プリント媒体は、表面にレンチキュラーレンズが形成された透明なレンチキュラーシートであり、
前記プリント装置は、前記レンチキュラーシートの裏面に受像層を転写した後、イエロー、マゼンタ、シアン及びホワイトのインクを順次転写し、又はイエロー、マゼンタ、シアン及びホワイトのインクを順次転写して立体視用のカラー写真プリントを作成し、
前記リボン交換ガトリング機構は、4本又は5本のリボンが装填可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項1】
カラーインクリボンのインクをプリント媒体に転写してカラー写真プリントを作成するプリント装置において、
複数本のカラーインクリボンが装填され、所望のカラーインクリボンを印画位置にセットするリボン交換ガトリング機構と、
前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンを検出するリボン検出手段であって、前記印画位置にセットされるカラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを検出するリボン検出手段と、
前記リボン交換ガトリング機構に多色リボンが装填された場合に該多色リボンの頭出しを行うリボン頭出し手段と、
前記単色リボンによる印画時と前記多色リボンによる印画時とに応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするプリント装置。
【請求項2】
前記リボン頭出し手段は、前記多色リボンから各カラーインクリボンの色の境界位置とともに、各カラーインクリボンの色を検出するリボン頭出しセンサと、前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの給送を行うリボン給送手段とを有し、前記多色リボンによる各色別の印画開始時に前記リボン頭出しセンサの検出出力に基づいて該多色リボンの各カラーインクリボンの先頭位置が印画位置にくるように前記リボン給送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のプリント装置。
【請求項3】
前記リボン頭出しセンサは、前記多色リボンの色を検出し、又は該多色リボンの各カラーインクリボンの色の境界位置に印刷されたリボン頭出しマーカを読み取ることを特徴とする請求項2に記載のプリント装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記単色リボンによる印画時に前記リボン頭出しセンサを停止させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項5】
前記リボン交換ガトリング機構に装填されるカラーインクリボンの有無を検出するリボン有無検出手段を備え、
前記制御手段は、前記リボン検出手段により前記リボン交換ガトリング機構に複数本の多色リボンが装填されていることが検出され、かつ前記リボン有無検出手段により前記印画位置にセットされている多色リボンが無くなったことが検出されると、他の多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項6】
前記プリント媒体のプリントサイズを入力する入力手段を備え、
前記リボン検出手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれリボン幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に各リボンの幅を検知し、
前記制御手段は、前記リボン交換ガトリング機構にそれぞれ幅の異なる複数本の多色リボンが装填されている場合に、前記入力手段から入力したプリントサイズに応じて対応する多色リボンを前記印画位置にセットすべく前記リボン交換ガトリング機構を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項7】
前記リボン交換ガトリング機構に単色リボンと多色リボンとが装填されている場合において、単色リボンによる印画又は多色リボンによる印画のうちのいずれか一方のプリント指示を入力するプリント指示入力手段を備え、
前記制御手段は、前記プリント指示入力手段からのプリント指示入力に応じて前記リボン交換ガトリング機構及びリボン頭出し手段を制御することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項8】
前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が付加され、
前記リボン検出手段は、前記カラーインクリボンの巻芯から前記情報を読み取ることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項9】
前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報が記憶された無線タグが埋め込まれ、
前記リボン検出手段は、前記無線タグから前記情報を読み取る無線タグリーダであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項10】
前記カラーインクリボンの巻芯には、該カラーインクリボンが単色リボンか多色リボンかを示す情報とともに、単色リボンの場合にはその色の情報がバーコードとして記録され、
前記リボン検出手段は、前記バーコードを読み取るバーコードリーダであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプリント装置。
【請求項11】
前記プリント媒体は、表面にレンチキュラーレンズが形成された透明なレンチキュラーシートであり、
前記プリント装置は、前記レンチキュラーシートの裏面に受像層を転写した後、イエロー、マゼンタ、シアン及びホワイトのインクを順次転写し、又はイエロー、マゼンタ、シアン及びホワイトのインクを順次転写して立体視用のカラー写真プリントを作成し、
前記リボン交換ガトリング機構は、4本又は5本のリボンが装填可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のプリント装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−156711(P2011−156711A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19000(P2010−19000)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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