プリーツスクリーンの昇降装置及びプリーツスクリーンの製造方法
【課題】組み立て工程を簡略化し、かつ昇降コード挿通孔からの光もれを防止し得るプリーツスクリーンの昇降装置を提供する。
【解決手段】上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、スクリーンの下端にボトムレールを取着し、ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端をボトムレールに取着し、ヘッドボックスに設けられる操作装置で昇降コードを介してボトムレールを昇降してスクリーンを昇降するプリーツスクリーンにおいて、スクリーン3の折り目にコード止め9を挿通して保持し、コード止め9に昇降コード8を挿通した。
【解決手段】上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、スクリーンの下端にボトムレールを取着し、ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端をボトムレールに取着し、ヘッドボックスに設けられる操作装置で昇降コードを介してボトムレールを昇降してスクリーンを昇降するプリーツスクリーンにおいて、スクリーン3の折り目にコード止め9を挿通して保持し、コード止め9に昇降コード8を挿通した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリーツスクリーンのスクリーンを昇降する昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリーツスクリーンは、上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、そのスクリーンを操作装置により昇降して採光量を適宜に調節するものである。
【0003】
このようなプリーツスクリーンの一種類として、特許文献1に開示されるように、上下方向中間部に折り目を設けた生地片の上下両端縁に接合片をそれぞれ設け、その接合片を他の生地片の接合片に溶着等の手段により接合して、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンを備えたものがある。
【0004】
このようなスクリーンを備えたプリーツスクリーンでは、接合片に昇降コードを挿通し、その昇降コードの下端にボトムレールを吊下支持し、スクリーンの下縁をボトムレールに取着している。そして、ボトムレールを昇降することによりスクリーンを下方へ引き延ばし、あるいはスクリーンを上方へ畳み込み可能である。
【0005】
従って、このスクリーンでは昇降コードを挿通する挿通孔はスクリーン背面の接合片に設けられるので、昇降コード挿通孔から室内へ光もれが生じることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008‐266939号公報
【特許文献2】実公昭15‐4458号公報
【特許文献3】実公昭58‐13817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなプリーツスクリーンでは、多数段の折り目を有するスクリーンを形成するために各生地片の接合片を溶着する溶着工程が必要となる。従って、製造工程が煩雑となるとともに、溶着設備を用意する必要がある。
【0008】
また、スクリーンを交換する場合には、各接合片の挿通孔から昇降コードを引き抜く必要があるため、スクリーンの交換作業が煩雑となる。
特許文献2には、スクリーン(主体)に突片を貼着し、その突片に昇降コードを挿通した折畳式遮光窓覆が開示されている。この構成では、スクリーンに昇降コードを挿通しないので、昇降コード挿通孔からの光もれを防止することはできる。しかし、組み立て時には突片をスクリーンに貼着する作業が必要であるとともに、スクリーンの交換時には昇降コードを突片から引き抜く必要があるため、スクリーンの交換作業が煩雑となる。
【0009】
特許文献3には、スクリーン(カーテン)にチャックを取着し、そのチャックにスクリーンを昇降するためのチェーンを挿通した耐熱カーテンが開示されている。この構成では、スクリーンにチェーンを挿通しないので、遮熱性を向上させることができる。しかし、組み立て時にはチャックをスクリーンに取着する必要があるとともに、スクリーンの交換時にはチェーンをチャックから引き抜く必要があるため、スクリーンの交換作業が煩雑となる。
【0010】
この発明の目的は、組み立て工程を簡略化し、かつ昇降コード挿通孔からの光もれを防止し得るプリーツスクリーンの昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1では、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの下端にボトムレールを取着し、前記ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端を前記ボトムレールに取着し、前記ヘッドボックスに設けられる操作装置で前記昇降コードを介して前記ボトムレールを昇降して前記スクリーンを昇降するプリーツスクリーンにおいて、前記スクリーンにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記昇降コードを挿通した。
【0012】
請求項2では、前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持した。
請求項3では、前記ヘッドボックスからピッチ保持コードを垂下し、前記ピッチ保持コードに環状の掛止めコードを等間隔に設け、前記コード止めの下方で前記昇降コードを前記掛止めコードに挿通した。
【0013】
請求項4では、前記コード止めを、基端部に設けた係止部を除いて前記切込みに挿通可能とした平板状に形成し、前記コード止めの中央部に前記昇降コードを挿通可能とした挿通孔を設けた。
【0014】
請求項5では、前記コード止めには、前記切込みに係合して、前記コード止めを前記切込みに挿通した状態に保持する突条を設けた。
請求項6では、前記コード止めには、前記挿通孔を該コード止めの端縁に開口する開口溝を設けた。
【0015】
請求項7では、前記挿通孔を複数本の昇降コードを挿通可能とした挿通手段とした。
請求項8では、前記コード止めに前記スクリーンに打ち込み可能とした係止軸を設け、前記スクリーンに打ち込んだ前記係止軸で前記コード止めを前記スクリーンに保持した。
【0016】
請求項9では、前記コード止めは、平板状の環状部に連結軸を介して係止軸を設け、前記環状部の中央に挿通孔を備えた。
請求項10では、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通する。
【0017】
請求項11では、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目にコード止めを打ち込み銃で打ち込んで保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、組み立て工程を簡略化し、かつ昇降コード挿通孔からの光もれを防止し得るプリーツスクリーンの昇降装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一実施形態のプリーツスクリーンを示す側面図である。
【図2】コード止めを示す斜視図である。
【図3】コード止めを示す正面図である。
【図4】コード止めを示す背面図である。
【図5】コード止めを示す平面図である。
【図6】コード止めを示す底面図である。
【図7】コード止めを示す右側面図である。
【図8】コード止めを示す左側面図である。
【図9】図3におけるA−A線断面図である。
【図10】スクリーンを示す斜視図である。
【図11】コード止めの取付け手順を示す斜視図である。
【図12】コード止めの取付け手順を示す斜視図である。
【図13】第二の実施形態のコード止めを示す斜視図である。
【図14】第二の実施形態のコード止めを示す正面図である。
【図15】第二の実施形態のコード止めを示す背面図である。
【図16】第二の実施形態のコード止めを示す平面図である。
【図17】第二の実施形態のコード止めを示す底面図である。
【図18】第二の実施形態のコード止めを示す右側面図である。
【図19】第二の実施形態のコード止めを示す左側面図である。
【図20】図14におけるB−B線断面図である。
【図21】第二の実施形態のコード止めの使用状態を示す斜視図である。
【図22】第二の実施形態のコード止めの使用状態を示す斜視図である。
【図23】第三の実施形態を示す正面図である。
【図24】第四の実施形態のコード止めを示す斜視図である。
【図25】コード止めの打ち込み工程を示す斜視図である。
【図26】コード止めの打ち込み工程を示す説明図である。
【図27】コード止めの打ち込み工程を示す説明図である。
【図28】コード止めの打ち込み工程を示す説明図である。
【図29】スクリーンに打ち込まれたコード止めを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1が取付ブラケット2を介して取付面に固定され、そのヘッドボックス1からスクリーン3が吊下支持されている。
【0021】
前記スクリーン3は、不織布等で上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能に形成され、その上縁が生地押え4を介してヘッドボックス1の下面に取着されている。また、前記スクリーン3の下縁は、生地押え5を介してボトムレール6に取着されている。
【0022】
前記ヘッドボックス1内において、同ヘッドボックス1の長手方向複数個所には昇降コード巻取り装置7が配設され、その昇降コード巻取り装置7から昇降コード8が垂下されている。
【0023】
前記昇降コード8の下端に前記ボトムレール6が吊下支持されている。そして、前記昇降コード巻取り装置7で昇降コード8が巻き上げられるとボトムレール6が引き上げられ、昇降コード巻取り装置7から昇降コード8が巻き戻されると、ボトムレール6が下降するようになっている。
【0024】
前記スクリーン3の折り目のうち、後方に向かって突出する一段おきの折り目にはコード止め9が取着され、スクリーン3の背面側においてコード止め9には前記昇降コード8が挿通されている。
【0025】
前記ヘッドボックス1の背面には、ピッチ保持コード10の上端が取着され、ピッチ保持コード10の下端は前記ボトムレール6に取着されている。ピッチ保持コード10の長さは、ボトムレール6の下限までの下降を阻害しない長さが確保されている。
【0026】
また、前記ピッチ保持コード10には、所定間隔毎に環状の掛止めコード11が形成され、その掛止めコード11に前記昇降コード8が挿通されている。従って、ボトムレール6を下降させてスクリーン3を下方へ引き伸ばすと、前記各コード止め9が掛止めコード11に保持されて、スクリーン3の折り目ピッチが一定に維持されるようになっている。
【0027】
前記昇降コード巻取り装置7は、前記ヘッドボックス1内に固定される支持部材12に巻取りドラム13が回転可能に支持されている。そして、前記昇降コード8は支持部材12に支持された案内ローラー14を介して前記巻取りドラム13に巻き取られるようになっている。
【0028】
前記巻取りドラム13の中心部には、六角棒状の駆動軸15が相対回転不能に挿通され、前記ヘッドボックス1の一端部に設けられる操作装置(図示しない)を操作して駆動軸15を回転駆動することにより、昇降コード8を巻取りあるいは巻き戻し可能となっている。
【0029】
次に、前記コード止め9の具体的構成を説明する。図2〜図9に示すように、コード止め9は合成樹脂で平板状に成形され、基端部には幅方向に延びる係止部16が対称状に形成されている。
【0030】
コード止め9の中央部には円形の挿通孔17が形成され、前記昇降コード8を挿通可能となっている。挿通孔17の両側には幅方向に延びる断面半球状の突条18が形成されている。
【0031】
また、コード止め9の周縁は、全周に亘って断面半円弧状に形成されるとともに、先端縁の中央部には前記ピッチ保持コード10を納めるための凹み19が形成されている。
図10に示すように、前記スクリーン3のコード止め取付位置には、前記コード止め9を挿通可能とした切込み20が形成されている。この切込み20は、コード止め9の係止部16を除く部分を挿通可能とした幅で形成されている。
【0032】
次に、上記のように構成されたコード止め9及びスクリーン昇降装置の作用を説明する。
コード止め9をスクリーン3に取り付けるには、図11に示すように、スクリーン3の表面側すなわち室内側から切込み20にコード止め9を挿入する。コード止め9は、その基端部から切込み20に挿入し、図12にと示すように、係止部16を残して突条18が切込み20に没するまで挿入すると、突条18が切込み20の背面側に係合して、コード止め9が切込み20に保持される。このようにして、室外側に突出する1段おきの折り目にコード止め9を取着する。
【0033】
次いで、スクリーン3の背面側でコード止め9の挿通孔17にヘッドボックス1内の昇降コード巻取り装置7から昇降コード8を挿通するとともに、各コード止め9間にピッチ保持コード10の掛止めコード11を一つずつ位置させた状態で、掛止めコード11に昇降コード8を挿通する。
【0034】
そして、スクリーン3の上縁をヘッドボックス1に取着し、スクリーン3の下縁をボトムレール6に取着するとともに、昇降コード8の下端をボトムレール6に取着する。また、ピッチ保持コード10の上端をヘッドボックス1に取着し、ピッチ保持コード10の下端をボトムレール6に取着する。すると、図1に示すプリーツスクリーンの昇降装置が構成される。
【0035】
このようなプリーツスクリーンでは、操作装置の操作により昇降コード8を巻取りドラム13に巻き取ると、ボトムレール6が引き上げら、そのボトムレール6によりスクリーン3が下方から順次折り畳まれながら押し上げられる。
【0036】
また、操作装置の操作により昇降コード8を巻取りドラム13から巻き戻すと、ボトムレール6が下降し、スクリーン3が上方から順次引き伸ばされてヘッドボックス1からジグザグ状に吊下支持される状態に復帰する。
【0037】
このとき、スクリーン3に上下方向に複数取着された各コード止め9がピッチ保持コード10の掛止めコード11に保持されて、一定間隔に維持される。すると、スクリーン3の折り目ピッチがほぼ一定間隔に保持される。
【0038】
上記のように構成されたプリーツスクリーンのスクリーン昇降装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)ボトムレール6を下降させて、スクリーン3を下方へ引き伸ばすとき、コード止め9及びピッチ保持コード10の作用により、スクリーン3の折り目ピッチをほぼ一定に保持することができる。
(2)コード止め9に設けた挿通孔17に昇降コード8を挿通するので、スクリーン3に挿通孔を設ける必要はない。従って、昇降コードの挿通孔から光漏れが生じることはない。
(3)スクリーン3を一枚の生地で形成することができる。従って、従来例のような溶着工程を必要としないので、スクリーン3の製造工程を簡略化して、コストを低減することができる。
(4)従来例のように多数の生地片の各接合片を溶着して一枚のスクリーンを形成する場合に比して、本実施例では接合片を必要とすることなく、一枚のスクリーン3を形成することができる。従って、スクリーン3の一枚当たりの生地使用量を少なくして、コストを低減することができる。
(5)コード止め9をスクリーン3の切込み20に容易に取着することができる。また、コード止め9に設けた突条18と係止部16により、コード止め9を切込み20に挿入した状態で容易に保持することができる。
(6)スクリーン3を昇降するとき、コード止め9の凹み19で前記ピッチ保持コード10をコード止め9の背面側に保持することができる。
(第二の実施形態)
図13〜図22は、第二の実施形態を示す。前記第一の実施形態と同一構成部分は、同一符合を付して説明する。
【0039】
この実施形態のコード止め21は、図13に示すように、挿通孔17から一方の突条18に沿って開口溝22を設けて、挿通孔17が開口溝22を介してコード止め21の周縁に開口されている。上記以外の構成は、前記第一の実施形態と同様である。
【0040】
このように構成されたコード止め21では、図21に示すようにスクリーン3の切込み20に挿通され、かつ挿通孔17に昇降コード8が挿通されている状態から、図22に示すように、昇降コード8を挿通孔17から開口溝22を経て取り外すことができる。
【0041】
すると、スクリーン3を交換する際には、昇降コード8の下端をボトムレール6から外すことなく、コード止め21から昇降コード8を取り外すことができる。そして、コード止め21から昇降コード8を取り外せば、ピッチ保持コード10の掛止めコード11も昇降コード8が挿通されたままでコード止め21から外れるので、コード止め21をスクリーン3の切込み20から取り外し可能となる。
【0042】
また、新たなスクリーン3の上端をヘッドボックス1に取着し、下端をボトムレール6に取着した状態でコード止め21をスクリーン3の切込み20に挿通し、その切込み20の挿通孔17に開口溝22から昇降コード8を挿入すると、スクリーン3の交換作業が終了する。
【0043】
上記のように構成されたプリーツスクリーンのスクリーン昇降装置では、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)昇降コード8の下端をボトムレール6から取り外すことなく、スクリーン3を容易に交換することができる。
(第三の実施形態)
図23は、第三の実施形態を示す。この実施形態のコード止め31は、中央部に形成される挿通孔32が、スクリーンの切込みへの挿入方向に長径となる長孔として形成されている。その他の構成は、第一の実施形態のコード止め9と同様である。
【0044】
このように構成されたコード止め31は、ヘッドボックスとボトムレールとの間に中間レールを備え、ボトムレールと中間レールを独立して昇降することにより、ヘッドボックスと中間レールとの間の上部スクリーンと、中間レールとボトムレールとの間の下部スクリーンとを独立して昇降可能としたプリーツスクリーンに使用して有用である。
【0045】
このようなプリーツスクリーンでは、中間レールを昇降する第一の昇降コードと、ボトムレールを昇降する第二の昇降コードがスクリーンの後方に垂下されるため、ヘッドボックスと中間レールとの間では2本の昇降コードが近接して垂下される。
【0046】
従って、この実施形態のコード止め31では、上部スクリーンに取着したコード止め31の挿通孔32にこの2本の昇降コードを挿通することにより、第一の実施形態のコード止めと同様な効果を得ることができる。
(第四の実施形態)
図24〜図29は、第四の実施形態を示す。図24に示すコード止め33は平板状の環状部34に連結軸35を介して係止軸36が設けられている。環状部34、連結軸35及び係止軸36は合成樹脂で一体に成形され、連結軸35及び係止軸36は衣料に値札等を付けるタグピンと同様な構成である。
【0047】
前記環状部34の中央には昇降コードを挿通するための長孔状の挿通孔37が形成されて、第三の実施形態のコード止め31と同様に2本の昇降コードを挿通可能である。
このコード止め33は、図25に示すように、多数のコード止め33が係止軸36の長手方向中央部で連結されて積層された状態で成形され、衣類にタグピンを取着する場合と同様に、打ち込み銃38を使用してスクリーン3に取着される。すなわち、コード止め33はスクリーン3の裏面側すなわち室外側から、室外側に向かって凸となる折り目39に向かって打ち込み銃38で1枚ずつ打ち込み可能である。
【0048】
すると、図26に示すように、打ち込み銃38の針40からコード止め33の係止軸36が打ち出され、図27〜図28に示すように係止軸36がスクリーン3の折り目39部分を貫通すると、係止軸36が連結軸35に対し直角となるように復帰して、図29に示すように、コード止め33がスクリーン3に保持される。
【0049】
前記コード止め33以外の構成は、前記第一の実施形態と同様であり、コード止め33をスクリーン3に取着した後の工程は、前記第一の実施形態と同様である。
上記のようなコード止め33を使用したスクリーン昇降装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)コード止め33を打ち込み銃38でスクリーン3に容易に取着することができる。また、スクリーン3に打ち込んだ後は、係止軸36でスクリーン3に保持することができる。
(2)コード止め33に設けた挿通孔37に昇降コードを挿通するので、スクリーン3に挿通孔を設ける必要はない。従って、昇降コードの挿通孔から光漏れが生じることはない。
【0050】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・ピッチ保持コード10の掛止めコード11は、折り目の2段毎あるいは3段毎等、任意の段数おきに設けてもよい。
・第三の実施形態において、長孔とした挿通孔32に代えて、複数本の昇降コードを挿通可能とした複数の円形孔としてもよい。
・第四の実施形態において、環状部34に開口溝を設けて、挿通孔37を環状部34の周縁部に開口してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…ヘッドボックス、3…スクリーン、6…ボトムレール、8…昇降コード、9,21,31,33…コード止め、10…ピッチ保持コード、11…掛止めコード、17,32…挿通孔(挿通手段)、20…切込み、22…開口溝。
【技術分野】
【0001】
この発明は、プリーツスクリーンのスクリーンを昇降する昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリーツスクリーンは、上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、そのスクリーンを操作装置により昇降して採光量を適宜に調節するものである。
【0003】
このようなプリーツスクリーンの一種類として、特許文献1に開示されるように、上下方向中間部に折り目を設けた生地片の上下両端縁に接合片をそれぞれ設け、その接合片を他の生地片の接合片に溶着等の手段により接合して、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンを備えたものがある。
【0004】
このようなスクリーンを備えたプリーツスクリーンでは、接合片に昇降コードを挿通し、その昇降コードの下端にボトムレールを吊下支持し、スクリーンの下縁をボトムレールに取着している。そして、ボトムレールを昇降することによりスクリーンを下方へ引き延ばし、あるいはスクリーンを上方へ畳み込み可能である。
【0005】
従って、このスクリーンでは昇降コードを挿通する挿通孔はスクリーン背面の接合片に設けられるので、昇降コード挿通孔から室内へ光もれが生じることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008‐266939号公報
【特許文献2】実公昭15‐4458号公報
【特許文献3】実公昭58‐13817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようなプリーツスクリーンでは、多数段の折り目を有するスクリーンを形成するために各生地片の接合片を溶着する溶着工程が必要となる。従って、製造工程が煩雑となるとともに、溶着設備を用意する必要がある。
【0008】
また、スクリーンを交換する場合には、各接合片の挿通孔から昇降コードを引き抜く必要があるため、スクリーンの交換作業が煩雑となる。
特許文献2には、スクリーン(主体)に突片を貼着し、その突片に昇降コードを挿通した折畳式遮光窓覆が開示されている。この構成では、スクリーンに昇降コードを挿通しないので、昇降コード挿通孔からの光もれを防止することはできる。しかし、組み立て時には突片をスクリーンに貼着する作業が必要であるとともに、スクリーンの交換時には昇降コードを突片から引き抜く必要があるため、スクリーンの交換作業が煩雑となる。
【0009】
特許文献3には、スクリーン(カーテン)にチャックを取着し、そのチャックにスクリーンを昇降するためのチェーンを挿通した耐熱カーテンが開示されている。この構成では、スクリーンにチェーンを挿通しないので、遮熱性を向上させることができる。しかし、組み立て時にはチャックをスクリーンに取着する必要があるとともに、スクリーンの交換時にはチェーンをチャックから引き抜く必要があるため、スクリーンの交換作業が煩雑となる。
【0010】
この発明の目的は、組み立て工程を簡略化し、かつ昇降コード挿通孔からの光もれを防止し得るプリーツスクリーンの昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1では、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの下端にボトムレールを取着し、前記ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端を前記ボトムレールに取着し、前記ヘッドボックスに設けられる操作装置で前記昇降コードを介して前記ボトムレールを昇降して前記スクリーンを昇降するプリーツスクリーンにおいて、前記スクリーンにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記昇降コードを挿通した。
【0012】
請求項2では、前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持した。
請求項3では、前記ヘッドボックスからピッチ保持コードを垂下し、前記ピッチ保持コードに環状の掛止めコードを等間隔に設け、前記コード止めの下方で前記昇降コードを前記掛止めコードに挿通した。
【0013】
請求項4では、前記コード止めを、基端部に設けた係止部を除いて前記切込みに挿通可能とした平板状に形成し、前記コード止めの中央部に前記昇降コードを挿通可能とした挿通孔を設けた。
【0014】
請求項5では、前記コード止めには、前記切込みに係合して、前記コード止めを前記切込みに挿通した状態に保持する突条を設けた。
請求項6では、前記コード止めには、前記挿通孔を該コード止めの端縁に開口する開口溝を設けた。
【0015】
請求項7では、前記挿通孔を複数本の昇降コードを挿通可能とした挿通手段とした。
請求項8では、前記コード止めに前記スクリーンに打ち込み可能とした係止軸を設け、前記スクリーンに打ち込んだ前記係止軸で前記コード止めを前記スクリーンに保持した。
【0016】
請求項9では、前記コード止めは、平板状の環状部に連結軸を介して係止軸を設け、前記環状部の中央に挿通孔を備えた。
請求項10では、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通する。
【0017】
請求項11では、上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目にコード止めを打ち込み銃で打ち込んで保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、組み立て工程を簡略化し、かつ昇降コード挿通孔からの光もれを防止し得るプリーツスクリーンの昇降装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一実施形態のプリーツスクリーンを示す側面図である。
【図2】コード止めを示す斜視図である。
【図3】コード止めを示す正面図である。
【図4】コード止めを示す背面図である。
【図5】コード止めを示す平面図である。
【図6】コード止めを示す底面図である。
【図7】コード止めを示す右側面図である。
【図8】コード止めを示す左側面図である。
【図9】図3におけるA−A線断面図である。
【図10】スクリーンを示す斜視図である。
【図11】コード止めの取付け手順を示す斜視図である。
【図12】コード止めの取付け手順を示す斜視図である。
【図13】第二の実施形態のコード止めを示す斜視図である。
【図14】第二の実施形態のコード止めを示す正面図である。
【図15】第二の実施形態のコード止めを示す背面図である。
【図16】第二の実施形態のコード止めを示す平面図である。
【図17】第二の実施形態のコード止めを示す底面図である。
【図18】第二の実施形態のコード止めを示す右側面図である。
【図19】第二の実施形態のコード止めを示す左側面図である。
【図20】図14におけるB−B線断面図である。
【図21】第二の実施形態のコード止めの使用状態を示す斜視図である。
【図22】第二の実施形態のコード止めの使用状態を示す斜視図である。
【図23】第三の実施形態を示す正面図である。
【図24】第四の実施形態のコード止めを示す斜視図である。
【図25】コード止めの打ち込み工程を示す斜視図である。
【図26】コード止めの打ち込み工程を示す説明図である。
【図27】コード止めの打ち込み工程を示す説明図である。
【図28】コード止めの打ち込み工程を示す説明図である。
【図29】スクリーンに打ち込まれたコード止めを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。図1に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1が取付ブラケット2を介して取付面に固定され、そのヘッドボックス1からスクリーン3が吊下支持されている。
【0021】
前記スクリーン3は、不織布等で上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能に形成され、その上縁が生地押え4を介してヘッドボックス1の下面に取着されている。また、前記スクリーン3の下縁は、生地押え5を介してボトムレール6に取着されている。
【0022】
前記ヘッドボックス1内において、同ヘッドボックス1の長手方向複数個所には昇降コード巻取り装置7が配設され、その昇降コード巻取り装置7から昇降コード8が垂下されている。
【0023】
前記昇降コード8の下端に前記ボトムレール6が吊下支持されている。そして、前記昇降コード巻取り装置7で昇降コード8が巻き上げられるとボトムレール6が引き上げられ、昇降コード巻取り装置7から昇降コード8が巻き戻されると、ボトムレール6が下降するようになっている。
【0024】
前記スクリーン3の折り目のうち、後方に向かって突出する一段おきの折り目にはコード止め9が取着され、スクリーン3の背面側においてコード止め9には前記昇降コード8が挿通されている。
【0025】
前記ヘッドボックス1の背面には、ピッチ保持コード10の上端が取着され、ピッチ保持コード10の下端は前記ボトムレール6に取着されている。ピッチ保持コード10の長さは、ボトムレール6の下限までの下降を阻害しない長さが確保されている。
【0026】
また、前記ピッチ保持コード10には、所定間隔毎に環状の掛止めコード11が形成され、その掛止めコード11に前記昇降コード8が挿通されている。従って、ボトムレール6を下降させてスクリーン3を下方へ引き伸ばすと、前記各コード止め9が掛止めコード11に保持されて、スクリーン3の折り目ピッチが一定に維持されるようになっている。
【0027】
前記昇降コード巻取り装置7は、前記ヘッドボックス1内に固定される支持部材12に巻取りドラム13が回転可能に支持されている。そして、前記昇降コード8は支持部材12に支持された案内ローラー14を介して前記巻取りドラム13に巻き取られるようになっている。
【0028】
前記巻取りドラム13の中心部には、六角棒状の駆動軸15が相対回転不能に挿通され、前記ヘッドボックス1の一端部に設けられる操作装置(図示しない)を操作して駆動軸15を回転駆動することにより、昇降コード8を巻取りあるいは巻き戻し可能となっている。
【0029】
次に、前記コード止め9の具体的構成を説明する。図2〜図9に示すように、コード止め9は合成樹脂で平板状に成形され、基端部には幅方向に延びる係止部16が対称状に形成されている。
【0030】
コード止め9の中央部には円形の挿通孔17が形成され、前記昇降コード8を挿通可能となっている。挿通孔17の両側には幅方向に延びる断面半球状の突条18が形成されている。
【0031】
また、コード止め9の周縁は、全周に亘って断面半円弧状に形成されるとともに、先端縁の中央部には前記ピッチ保持コード10を納めるための凹み19が形成されている。
図10に示すように、前記スクリーン3のコード止め取付位置には、前記コード止め9を挿通可能とした切込み20が形成されている。この切込み20は、コード止め9の係止部16を除く部分を挿通可能とした幅で形成されている。
【0032】
次に、上記のように構成されたコード止め9及びスクリーン昇降装置の作用を説明する。
コード止め9をスクリーン3に取り付けるには、図11に示すように、スクリーン3の表面側すなわち室内側から切込み20にコード止め9を挿入する。コード止め9は、その基端部から切込み20に挿入し、図12にと示すように、係止部16を残して突条18が切込み20に没するまで挿入すると、突条18が切込み20の背面側に係合して、コード止め9が切込み20に保持される。このようにして、室外側に突出する1段おきの折り目にコード止め9を取着する。
【0033】
次いで、スクリーン3の背面側でコード止め9の挿通孔17にヘッドボックス1内の昇降コード巻取り装置7から昇降コード8を挿通するとともに、各コード止め9間にピッチ保持コード10の掛止めコード11を一つずつ位置させた状態で、掛止めコード11に昇降コード8を挿通する。
【0034】
そして、スクリーン3の上縁をヘッドボックス1に取着し、スクリーン3の下縁をボトムレール6に取着するとともに、昇降コード8の下端をボトムレール6に取着する。また、ピッチ保持コード10の上端をヘッドボックス1に取着し、ピッチ保持コード10の下端をボトムレール6に取着する。すると、図1に示すプリーツスクリーンの昇降装置が構成される。
【0035】
このようなプリーツスクリーンでは、操作装置の操作により昇降コード8を巻取りドラム13に巻き取ると、ボトムレール6が引き上げら、そのボトムレール6によりスクリーン3が下方から順次折り畳まれながら押し上げられる。
【0036】
また、操作装置の操作により昇降コード8を巻取りドラム13から巻き戻すと、ボトムレール6が下降し、スクリーン3が上方から順次引き伸ばされてヘッドボックス1からジグザグ状に吊下支持される状態に復帰する。
【0037】
このとき、スクリーン3に上下方向に複数取着された各コード止め9がピッチ保持コード10の掛止めコード11に保持されて、一定間隔に維持される。すると、スクリーン3の折り目ピッチがほぼ一定間隔に保持される。
【0038】
上記のように構成されたプリーツスクリーンのスクリーン昇降装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)ボトムレール6を下降させて、スクリーン3を下方へ引き伸ばすとき、コード止め9及びピッチ保持コード10の作用により、スクリーン3の折り目ピッチをほぼ一定に保持することができる。
(2)コード止め9に設けた挿通孔17に昇降コード8を挿通するので、スクリーン3に挿通孔を設ける必要はない。従って、昇降コードの挿通孔から光漏れが生じることはない。
(3)スクリーン3を一枚の生地で形成することができる。従って、従来例のような溶着工程を必要としないので、スクリーン3の製造工程を簡略化して、コストを低減することができる。
(4)従来例のように多数の生地片の各接合片を溶着して一枚のスクリーンを形成する場合に比して、本実施例では接合片を必要とすることなく、一枚のスクリーン3を形成することができる。従って、スクリーン3の一枚当たりの生地使用量を少なくして、コストを低減することができる。
(5)コード止め9をスクリーン3の切込み20に容易に取着することができる。また、コード止め9に設けた突条18と係止部16により、コード止め9を切込み20に挿入した状態で容易に保持することができる。
(6)スクリーン3を昇降するとき、コード止め9の凹み19で前記ピッチ保持コード10をコード止め9の背面側に保持することができる。
(第二の実施形態)
図13〜図22は、第二の実施形態を示す。前記第一の実施形態と同一構成部分は、同一符合を付して説明する。
【0039】
この実施形態のコード止め21は、図13に示すように、挿通孔17から一方の突条18に沿って開口溝22を設けて、挿通孔17が開口溝22を介してコード止め21の周縁に開口されている。上記以外の構成は、前記第一の実施形態と同様である。
【0040】
このように構成されたコード止め21では、図21に示すようにスクリーン3の切込み20に挿通され、かつ挿通孔17に昇降コード8が挿通されている状態から、図22に示すように、昇降コード8を挿通孔17から開口溝22を経て取り外すことができる。
【0041】
すると、スクリーン3を交換する際には、昇降コード8の下端をボトムレール6から外すことなく、コード止め21から昇降コード8を取り外すことができる。そして、コード止め21から昇降コード8を取り外せば、ピッチ保持コード10の掛止めコード11も昇降コード8が挿通されたままでコード止め21から外れるので、コード止め21をスクリーン3の切込み20から取り外し可能となる。
【0042】
また、新たなスクリーン3の上端をヘッドボックス1に取着し、下端をボトムレール6に取着した状態でコード止め21をスクリーン3の切込み20に挿通し、その切込み20の挿通孔17に開口溝22から昇降コード8を挿入すると、スクリーン3の交換作業が終了する。
【0043】
上記のように構成されたプリーツスクリーンのスクリーン昇降装置では、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)昇降コード8の下端をボトムレール6から取り外すことなく、スクリーン3を容易に交換することができる。
(第三の実施形態)
図23は、第三の実施形態を示す。この実施形態のコード止め31は、中央部に形成される挿通孔32が、スクリーンの切込みへの挿入方向に長径となる長孔として形成されている。その他の構成は、第一の実施形態のコード止め9と同様である。
【0044】
このように構成されたコード止め31は、ヘッドボックスとボトムレールとの間に中間レールを備え、ボトムレールと中間レールを独立して昇降することにより、ヘッドボックスと中間レールとの間の上部スクリーンと、中間レールとボトムレールとの間の下部スクリーンとを独立して昇降可能としたプリーツスクリーンに使用して有用である。
【0045】
このようなプリーツスクリーンでは、中間レールを昇降する第一の昇降コードと、ボトムレールを昇降する第二の昇降コードがスクリーンの後方に垂下されるため、ヘッドボックスと中間レールとの間では2本の昇降コードが近接して垂下される。
【0046】
従って、この実施形態のコード止め31では、上部スクリーンに取着したコード止め31の挿通孔32にこの2本の昇降コードを挿通することにより、第一の実施形態のコード止めと同様な効果を得ることができる。
(第四の実施形態)
図24〜図29は、第四の実施形態を示す。図24に示すコード止め33は平板状の環状部34に連結軸35を介して係止軸36が設けられている。環状部34、連結軸35及び係止軸36は合成樹脂で一体に成形され、連結軸35及び係止軸36は衣料に値札等を付けるタグピンと同様な構成である。
【0047】
前記環状部34の中央には昇降コードを挿通するための長孔状の挿通孔37が形成されて、第三の実施形態のコード止め31と同様に2本の昇降コードを挿通可能である。
このコード止め33は、図25に示すように、多数のコード止め33が係止軸36の長手方向中央部で連結されて積層された状態で成形され、衣類にタグピンを取着する場合と同様に、打ち込み銃38を使用してスクリーン3に取着される。すなわち、コード止め33はスクリーン3の裏面側すなわち室外側から、室外側に向かって凸となる折り目39に向かって打ち込み銃38で1枚ずつ打ち込み可能である。
【0048】
すると、図26に示すように、打ち込み銃38の針40からコード止め33の係止軸36が打ち出され、図27〜図28に示すように係止軸36がスクリーン3の折り目39部分を貫通すると、係止軸36が連結軸35に対し直角となるように復帰して、図29に示すように、コード止め33がスクリーン3に保持される。
【0049】
前記コード止め33以外の構成は、前記第一の実施形態と同様であり、コード止め33をスクリーン3に取着した後の工程は、前記第一の実施形態と同様である。
上記のようなコード止め33を使用したスクリーン昇降装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)コード止め33を打ち込み銃38でスクリーン3に容易に取着することができる。また、スクリーン3に打ち込んだ後は、係止軸36でスクリーン3に保持することができる。
(2)コード止め33に設けた挿通孔37に昇降コードを挿通するので、スクリーン3に挿通孔を設ける必要はない。従って、昇降コードの挿通孔から光漏れが生じることはない。
【0050】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・ピッチ保持コード10の掛止めコード11は、折り目の2段毎あるいは3段毎等、任意の段数おきに設けてもよい。
・第三の実施形態において、長孔とした挿通孔32に代えて、複数本の昇降コードを挿通可能とした複数の円形孔としてもよい。
・第四の実施形態において、環状部34に開口溝を設けて、挿通孔37を環状部34の周縁部に開口してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…ヘッドボックス、3…スクリーン、6…ボトムレール、8…昇降コード、9,21,31,33…コード止め、10…ピッチ保持コード、11…掛止めコード、17,32…挿通孔(挿通手段)、20…切込み、22…開口溝。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの下端にボトムレールを取着し、前記ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端を前記ボトムレールに取着し、前記ヘッドボックスに設けられる操作装置で前記昇降コードを介して前記ボトムレールを昇降して前記スクリーンを昇降するプリーツスクリーンにおいて、
前記スクリーンにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記昇降コードを挿通したことを特徴とするプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項2】
前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持したことを特徴とする請求項1記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項3】
前記ヘッドボックスからピッチ保持コードを垂下し、前記ピッチ保持コードに環状の掛止めコードを等間隔に設け、前記コード止めの下方で前記昇降コードを前記掛止めコードに挿通したことを特徴とする請求項1又は2記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項4】
前記コード止めを、基端部に設けた係止部を除いて前記切込みに挿通可能とした平板状に形成し、前記コード止めの中央部に前記昇降コードを挿通可能とした挿通孔を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項5】
前記コード止めには、前記切込みに係合して、前記コード止めを前記切込みに挿通した状態に保持する突条を設けたことを特徴とする請求項4記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項6】
前記コード止めには、前記挿通孔を該コード止めの端縁に開口する開口溝を設けたことを特徴とする請求項4又は5記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項7】
前記挿通孔を複数本の昇降コードを挿通可能とした挿通手段としたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項8】
前記コード止めに前記スクリーンに打ち込み可能とした係止軸を設け、前記スクリーンに打ち込んだ前記係止軸で前記コード止めを前記スクリーンに保持したことを特徴とする請求項1記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項9】
前記コード止めは、平板状の環状部に連結軸を介して係止軸を設け、前記環状部の中央に挿通孔を備えたことを特徴とする請求項8記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項10】
上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通することを特徴とするプリーツスクリーンの製造方法。
【請求項11】
上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目にコード止めを打ち込み銃で打ち込んで保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通することを特徴とするプリーツスクリーンの製造方法。
【請求項1】
上下方向にジグザグ状に折り畳み可能としたスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの下端にボトムレールを取着し、前記ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端を前記ボトムレールに取着し、前記ヘッドボックスに設けられる操作装置で前記昇降コードを介して前記ボトムレールを昇降して前記スクリーンを昇降するプリーツスクリーンにおいて、
前記スクリーンにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記昇降コードを挿通したことを特徴とするプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項2】
前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持したことを特徴とする請求項1記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項3】
前記ヘッドボックスからピッチ保持コードを垂下し、前記ピッチ保持コードに環状の掛止めコードを等間隔に設け、前記コード止めの下方で前記昇降コードを前記掛止めコードに挿通したことを特徴とする請求項1又は2記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項4】
前記コード止めを、基端部に設けた係止部を除いて前記切込みに挿通可能とした平板状に形成し、前記コード止めの中央部に前記昇降コードを挿通可能とした挿通孔を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項5】
前記コード止めには、前記切込みに係合して、前記コード止めを前記切込みに挿通した状態に保持する突条を設けたことを特徴とする請求項4記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項6】
前記コード止めには、前記挿通孔を該コード止めの端縁に開口する開口溝を設けたことを特徴とする請求項4又は5記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項7】
前記挿通孔を複数本の昇降コードを挿通可能とした挿通手段としたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項8】
前記コード止めに前記スクリーンに打ち込み可能とした係止軸を設け、前記スクリーンに打ち込んだ前記係止軸で前記コード止めを前記スクリーンに保持したことを特徴とする請求項1記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項9】
前記コード止めは、平板状の環状部に連結軸を介して係止軸を設け、前記環状部の中央に挿通孔を備えたことを特徴とする請求項8記載のプリーツスクリーンの昇降装置。
【請求項10】
上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目に切込みを設け、前記切込みにコード止めを挿通して保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通することを特徴とするプリーツスクリーンの製造方法。
【請求項11】
上下方向にジグザグ状に折り畳み可能に形成したスクリーンをヘッドボックスから吊下支持し、前記スクリーンの折り目にコード止めを打ち込み銃で打ち込んで保持し、前記コード止めに前記スクリーンを昇降する昇降コードを挿通するとともに、前記昇降コードをピッチ保持コードの環状の掛止めコードに挿通することを特徴とするプリーツスクリーンの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−215062(P2012−215062A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−68085(P2012−68085)
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月23日(2012.3.23)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】
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