説明

プレス装置

【課題】 スライドのストローク量を精度よく調節することができるプレス装置を提供すること。
【解決手段】 回転軸部48a,48b及びクランク部50a,50bを有する一対のクランク軸6a,6bと、一対のクランク軸6a,6bの各々のクランク部50a,50bにそれぞれ偏心ブッシュ8a,8bを介して回転自在に連結される一対のコネクティングロッド10a,10bと、加工領域に向けて往復移動されるスライドと、を備える。ストローク量調節機構76は、一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bを一対のクランク軸6a,6bの各々に対して相対的に回転させることにより、一対のクランク軸6a,6bの各々のクランク部50a,50bに対する偏心ブッシュ8a,8bの相対的角度位置を調節する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドのストローク量を調節することができるプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被加工物をプレス加工するのにプレス装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。図9は従来のプレス装置であり、図示のプレス装置200は、フレーム202と、フレーム202に支持され、回転軸部(図示せず)及びこの回転軸部に対して所定量だけ偏心されたクランク部(図示せず)を有するクランク軸204と、クランク軸204のクランク部に回転自在に連結された一対のコネクティングロッド206と、加工領域に向けて往復移動されるスライド208と、一対のコネクティングロッド206とスライド208とを相互に連結する一対のリンク210と、備えている。リンク210の一端部は、連結用ピン212を介してコネクティングロッド206の一端部に回転自在に連結され、またその他端部はスライド208に取り付けられたプランジャ214の一端部に回転自在に連結されている。またフレーム202には、左右方向(図9において左右方向)に延びるガイド用溝部216を有する一対のガイド手段218が支持されており、このガイド用溝部216には、連結用ピン212が滑子220を介して移動自在に受け入れられている。クランク軸204が回転すると、一対のコネクティングロッド206の各一端部がガイド用溝部216に沿ってそれぞれ左右方向に往復移動されるのに伴い、一対のリンク210の各々がプランジャ214の一端部を中心として左右方向に揺動され、これによりスライド208が上下方向に往復移動される。
【0003】
【特許文献1】特開平8−118082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のようなプレス装置200を用いてプレス加工を行う場合には、プレス加工の作業性を高めるために、被加工物の種類や大きさなどに応じてスライドのストローク量を適宜調節する必要がある。しかしながら、従来のこの種のプレス装置200では、1つのクランク軸204に一対のコネクティングロッド206が回転自在に連結されているのみであるので、スライドのストローク量を調節することができず、この種のプレス装置においてストローク量の調節可能なものの実現が強く望まれている。
【0005】
本発明の目的は、上述した形態のプレス装置において、スライドのストローク量を調節することができるプレス装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載のプレス装置では、回転軸部及び前記回転軸部に対して所定量だけ偏心されたクランク部を有する一対のクランク軸と、前記一対のクランク軸の各々の前記クランク部にそれぞれ偏心ブッシュを介して回転自在に連結される一対のコネクティングロッドと、加工領域に向けて往復移動されるスライドと、前記一対のコネクティングロッドと前記スライドとを相互に連結するためのリンク機構と、を備え、
前記スライドに関連してストローク量調節機構が設けられており、前記ストローク量調節機構は、前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュを前記一対のクランク軸の各々に対して相対的に回転させることにより、前記一対のクランク軸の各々の前記クランク部に対する前記偏心ブッシュの相対的角度位置を調節し、これにより前記スライドのストローク量が調節されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のプレス装置では、前記ストローク量調節機構は、回転駆動手段と、前記回転駆動手段からの回転駆動力を前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュへ同期して伝達させるための同期駆動伝達手段と、を備え、
前記スライドのストローク量を調節する際には、前記回転駆動手段からの回転駆動力が前記同期駆動伝達手段を介して前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュに同期して伝達され、これにより前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュが前記一対のクランク軸の各々に対して相対的に同期して回転されることを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明の請求項3に記載のプレス装置では、前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュに関連して回転阻止手段が設けられており、前記回転阻止手段は、前記偏心ブッシュのクランク軸に対する相対的な回転を阻止する回転阻止状態と、前記偏心ブッシュの前記クランク軸に対する相対的な回転の阻止を解除する回転解除状態とに選択的に保持され、
プレス加工運転中においては、前記回転阻止手段は前記回転阻止状態に保持され、前記偏心ブッシュは前記クランク軸と一体に回転され、また前記スライドのストローク量を調節する際には、前記回転阻止手段は前記回転解除状態に保持され、前記回転駆動手段からの回転駆動力が前記同期駆動伝達手段を介して前記偏心ブッシュに伝達され、これにより前記偏心ブッシュが前記クランク軸に対して相対的に回転されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載のプレス装置では、前記回転阻止手段は、前記偏心ブッシュの内周面に周方向に所定の間隔を置いて設けられた複数の挿入用孔と、前記クランク軸の内部に設けられた収容空間にその径方向に移動自在に装着された固定用ピンと、を有しており、
前記固定用ピンは、その先端部が前記収容空間の一方の開口部より突出される突出位置と、前記収容空間に収納される収納位置との間を自在に移動されるように構成され、
前記回転阻止手段が前記回転阻止状態にあるときには、前記固定用ピンは前記突出位置に位置付けられ、その前記先端部は、前記収容空間の前記一方の開口部を通して前記複数の挿入用孔のうち所定の挿入用孔に挿入され、また前記回転阻止手段が前記回転解除状態にあるときには、前記固定用ピンは前記収納位置に位置付けられ、その前記先端部は前記所定の挿入用孔から離脱されることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明の請求項5に記載のプレス装置では、前記同期駆動伝達手段は、前記回転駆動手段と一体に回転される第1の歯車と、前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュとそれぞれ一体に回転される一対の第2の歯車と、前記一対の第2の歯車とそれぞれ噛合される一対の第3の歯車と、を有し、前記第1の歯車は、前記一対の第3の歯車とそれぞれ噛合される噛合位置と、前記一対の第3の歯車への噛合が解除される解除位置との間を自在に移動されるように構成されており、
前記スライドのストローク量を調節するときには、前記第1の歯車は前記噛合位置に位置付けられ、前記回転駆動手段からの回転駆動力が、前記第1の歯車、前記一対の第3の歯車及び前記一対の第2の歯車を介して前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュに同期して伝達され、またプレス加工運転中においては、前記第1の歯車が前記解除位置に位置付けられ、前記回転駆動手段から前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュへの回転駆動力の伝達が解除されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載のプレス装置によれば、一対のコネクティングロッドは、一対のクランク軸の各々のクランク部にそれぞれ偏心ブッシュを介して回転自在に連結され、ストローク量調節機構は、一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュを一対のクランク軸の各々に対して相対的に回転させるので、一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュのクランク部に対する相対的角度位置を変えることができる。これにより、クランク軸の回転軸部の回転中心とコネクティングロッドの回転中心との間の距離が変わり、その結果、スライドのストローク量を所要の通りに調節することが可能となる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載のプレス装置によれば、スライドのストローク量を調節する際には、回転駆動手段からの回転駆動力が同期駆動伝達手段を介して一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュに同期して伝達されるので、一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュが一対のクランク軸の各々に対して相対的に同期して回転されるようになる。したがって、一方のコネクティングロッド側の偏心ブッシュのクランク部に対する相対的角度位置と、他方のコネクティングロッド側の偏心ブッシュのクランク部に対する相対的角度位置との間に差異が生じるのが防止され、スライドのストローク量を精度よく調節することが可能となる。
【0013】
さらに、本発明の請求項3に記載のプレス装置によれば、一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュに関連して回転阻止手段が設けられ、スライドのストローク量を調節する際には、回転阻止手段が回転解除状態に保持されるので、回転駆動手段からの回転駆動力が同期駆動伝達手段を介して偏心ブッシュに伝達され、偏心ブッシュをクランク軸に対して相対的に回転させてスライドのストローク量を調節することができる。また、プレス加工運転中においては、回転阻止手段が回転阻止状態に保持されるので、偏心ブッシュがクランク軸と一体に回転され、偏心ブッシュのクランク部に対する相対的角度位置を確実に保持することができ、安定したスライドのストローク量でもってプレス加工を行うことが可能となる。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載のプレス装置によれば、回転阻止手段は、複数の挿入用孔及び固定用ピンを有し、回転阻止手段が回転阻止状態にあるときには、突出位置に位置付けられた固定用ピンの先端部は、収容空間の一方の開口部を通して複数の挿入用孔のうち所定の挿入用孔に挿入されるので、プレス加工運転中において、偏心ブッシュのクランク軸に対する相対的な回転を確実に阻止することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明の請求項5に記載のプレス装置によれば、スライドのストローク量を調節するときには、回転駆動手段からの回転駆動力が、同期駆動伝達手段の第1の歯車、一対の第3の歯車及び一対の第2の歯車を介して一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュに同期して伝達されるので、各コネクティングロッドの偏心ブッシュのクランク部に対する相対的角度位置に差異が生じるのが防止され、スライドのストローク量を精度よく調節することが可能となる。また、プレス加工運転中においては、第1の歯車と一対の第3の歯車との噛合が解除されるので、第1の歯車からの駆動力が一対のコネクティングロッドの偏心ブッシュに伝達されることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うプレス装置の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態によるプレス装置を示す概略縦断面図であり、図2は、図1の一対のクランク軸の駆動機構を説明するための概略図であり、図3は、図1のプレス装置の概略横断面図であり、図4は、図3のストローク量調節機構及びその周辺の構成を拡大して示す概略断面図であり、図5は、図4の同期駆動伝達機構を説明するための概略図であり、図6は、図4の回転阻止手段を示す概略断面図であり、図7は、偏心ブッシュがクランク部に対して第1の相対的角度位置に位置付けられた状態を示す概略図であり、図8は、偏心ブッシュがクランク部に対して第2の相対的角度位置に位置付けられた状態を示す概略図である。
【0017】
図1〜図8を参照して、図示のプレス装置2は、フレーム4と、フレーム4に支持された一対のクランク軸6a,6bと、一対のクランク軸6a,6bの各々にそれぞれ偏心ブッシュ8a,8bを介して回転自在に連結される一対のコネクティングロッド10a,10bと、加工領域12に向けて往復移動されるスライド14と、一対のコネクティングロッド10a,10bとスライド14とを相互に連結するためのリンク機構16と、を備えている。以下、プレス装置2の各構成要素について詳細に説明する。
【0018】
フレーム4は、ベッド部18と、ベッド部18の上方に設けられたクラウン部20と、ベッド部18とクラウン部20との間に対向して設けられた一対のコラム部22と、から構成されている。クラウン部20の上端部には、下方に向かって内側に延びるバランサポスト24が取り付けられている。クラウン部20の内部には、上下方向に貫通する支持用孔26を有するバランサ本体28が配設され、このバランサ本体28の支持用孔26にはバランサポスト24が相対的に移動自在に挿入されており、これによりバランサ本体28は、バランサポスト24に沿って上下方向に自在に移動される。バランサ本体28の下端部における両端部には、一対のバランサリンク30a,30bの各一端部が連結用ピン32a,32bを介して回転自在に連結されている。またクラウン部20には、一対のガイド手段34a,34bが支持されており、この一対のガイド手段34a,34bの各々は、対向する一対のガイド部材36a,36bを有している。各ガイド部材36a,36bのには、左右方向(図1及び図3において左右方向)に延びるガイド用溝部38a,38bが設けられており、このガイド用溝部38a,38bにはそれぞれ滑子40a,40bが摺動自在に装着されている。ベッド部18にはボルスタ42が取り付けられており、このボルスタ42には静止金型44が取り付けられている。
【0019】
一対のクランク軸6a,6bは、クラウン部20にそれぞれ軸受46を介して回転自在に支持されており、それらの各々は、回転軸部48a,48bと、回転軸部48a,48bに対して所定量D1(図7参照)だけ偏心された(すなわち、その中心軸線N2が回転軸部48a,48bの中心軸線N1よりも所定量D1だけ偏倚された)クランク部50a,50bと、を有している。クランク軸6a,6bの回転軸部48a,48bにはクランク軸用歯車52a,52bが取り付けられ、またクランク軸6a,6bのクランク部50a,50bの内部には、その径方向に延びる収容空間54a,54b(後述する)が設けられている。またクランク軸6a,6bの内部には、その軸方向に延びる偏心シャフト部材56a,56b(後述する)が回転自在に配設されている。
【0020】
このクランク軸6a,6bに関連して、クランク軸6a,6bを回転駆動させるためのドライブシャフト58が設けられており、このドライブシャフト58は、一対のクランク軸6a,6bの中間部に且つこれらよりもやや上方に配設されている(図2参照)。ドライブシャフト58の外周部には、一対のクランク軸6a,6bの各々のクランク軸用歯車52a,52bとそれぞれ噛合されるドライブシャフト用歯車60が取り付けられている。なお、図2において、クランク軸用歯車52a,52b及びドライブシャフト用歯車60の各々の複数の歯部は二重円により示してあり、後述する第1の歯車100、一対の第2の歯車102a,102b及び一対の第3の歯車104a,104bも同様である。
【0021】
一対のコネクティングロッド10a,10bの各一端部には円形状の挿通用開口62a,62bが設けられ、この挿通用開口62a,62bには、偏心ブッシュ8a,8bを介してクランク軸6a,6bのクランク部50a,50bが連結されている(図6参照)。一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部には、水平方向(図1において紙面に垂直な方向、図3において上下方向)に延びる連結用ピン64a,64bがそれぞれ取り付けられており、この連結用ピン64a,64bの両端部は、滑子40a,40bを介してガイド手段34a,34bのガイド用溝部38a,38bにそれぞれ移動自在に受け入れられている。また一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部には、連結用ピン64a,64bを介してバランサリンク30a,30bの他端部がそれぞれ回転自在に連結されている。
【0022】
偏心ブッシュ8a,8bは筒状に構成され、その内径はクランク軸6a,6bのクランク部50a,50bの外径と実質上同一又はこれよりも僅かに大きく構成され、またその外径は、コネクティングロッド10a,10bの挿通用開口62a,62bの内径と実質上同一又はこれよりも僅かに小さく構成されている。偏心ブッシュ8a,8bの断面において、偏心ブッシュ8a,8bの外周面により規定される円の中心C1は、その内周面により規定される円の中心C2に対して所定量D2だけ偏倚(偏心)されている(図7参照)。
【0023】
リンク機構16は、一対のリンク66a,66b及びステー68から構成されており、一対のリンク66a,66bの各一端部は、連結用ピン64a,64bを介して一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部にそれぞれ回転自在に連結され、またそれらの各他端部はステー68を介して相互に連結されている。
【0024】
スライド14は、一対のコラム部22で囲まれた空間に配設され、スライド14の上端部には一対のプランジャ70a,70bが取り付けられ、またその下端部には可動金型72が取り付けられている。一対のプランジャ70a,70bの各一端部は、連結用ピン74a,74bを介して一対のリンク66a,66bの各他端部にそれぞれ回転自在に連結されている。
【0025】
以上のようにして構成したプレス装置2によるプレス加工運転について説明する。ドライブシャフト58が駆動モータ(図示せず)などにより所定方向(図2中の矢印Pで示す方向)に回転すると、ドライブシャフト58の回転駆動力がドライブシャフト用歯車60及びクランク軸用歯車52a,52bを介して一対のクランク軸6a,6bにそれぞれ同期して伝達される。これにより一方のクランク軸6aは図2中の矢印Qで示す方向に回転され、また他方のクランク軸6bは図2中の矢印Rで示す方向に回転され、これら一対のクランク軸6a,6bはそれぞれ同期して回転されるようになる。このように一対のクランク軸6a,6bが所定方向に回転すると、一対のクランク軸6a,6bの回転運動が一対のコネクティングロッド10a,10bによりそれぞれ直線往復運動に変換され、一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部(すなわち、連結用ピン64a,64b)がそれぞれ一対のガイド手段34a,34bのガイド用溝部38a,38bに沿って左右方向(図1及び図3において左右方向)に往復移動される。この一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部の往復移動に伴い、一対のリンク66a,66bがそれぞれ連結用ピン74a,74bを中心として左右方向(図1において左右方向)に揺動されるようになり、これによりスライド14が上下方向に往復移動される。すなわち、一対のコネクティングロッド10a,10bの他端部がそれぞれガイド用溝部38a,38bの外側端部に移動すると、一対のリンク66a,66bを介してスライド14が上死点に位置付けられ、また一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部がそれぞれガイド用溝部38a,38bの内側端部に移動すると、スライド14が下死点に位置付けられる。したがって、一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部がそれぞれガイド用溝部38a,38bの外側端部と内側端部との間を往復移動することにより、スライド14が上死点と下死点との間を往復移動されるようになる。
【0026】
スライド14が上死点から下方(図1中の矢印Sで示す方向)へ移動して下死点まで移動すると、可動金型72が加工領域12に配設された被加工物(図示せず)に作用し、可動金型72及び静止金型44によって被加工物にプレス加工が施される。一対のクランク軸6a,6bがさらに所定方向に回転すると、スライド14が下死点から上方(図1中の矢印Tで示す方向)へ移動して上記上死点に戻る。
【0027】
また、上述のように一対のコネクティングロッド10a,10bの各他端部がそれぞれガイド用溝部38a,38bに沿って往復移動されると、一対のバランサリンク30a,30bを介してバランサ本体28がバランサポスト24に沿って上下方向に移動される。すなわち、スライド14が上死点から下死点に移動するときには、バランサ本体28が下方から上方に移動し、スライド14が下死点から上死点に移動するときには、バランサ本体28が上方から下方に移動する。したがって、バランサ本体28はスライド14と反対方向に移動し、スライド14の上下動に対するバランスを保持する。
【0028】
上述のようなプレス加工においては、例えば被加工物の種類や大きさなどのプレス加工条件に応じて、スライド14のストローク量(すなわち、上死点と下死点との間の往復距離)を調節する必要があり、以下、スライド14のストローク量の調節に関連する構成について説明する。
【0029】
図示のプレス装置2には、スライド14に関連してストローク量調節機構76が設けられており、このストローク量調節機構76は、回転駆動手段78と、回転駆動手段78からの回転駆動力を一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bへそれぞれ同期して伝達させるための同期駆動伝達手段80と、を備えている。
【0030】
回転駆動手段78は、回転駆動部82と、回転駆動部82に駆動連結されるピストン部84と、ピストン部84が移動自在に収納されるシリンダ部86と、から構成され、回転駆動部82には操作用工具(図示せず)が着脱自在に装着される。なお、回転駆動部82に電動モータなどを駆動連結して自動的に回転を調節するようにしてもよい。回転駆動部82は、クラウン部20の外側部に設けられ、ピストン部84の一端部と駆動連結されており、この回転駆動部82が回転されると、ピストン部84が回転駆動部82と一体に回転される。ピストン部84は一対のクランク軸6a,6bと実質上平行に配設され、その先端部は、クラウン部20に設けられた移動用開口88を通して偏心ブッシュ8a,8bの一端部の近傍まで延びている。ピストン部84の外周部にはリング状の係止部90が取り付けられており、この係止部90は、シリンダ部86の内周面とピストン部84の外周面との間に規定される移動用空間に移動自在に配設され、係止部90の外周面がシリンダ部86の内周面に摺動されながら移動用空間内を移動される。移動用空間は、ピストン部84の係止部90によって第1移動用空間92及び第2移動用空間94に気密的に分割され、第1移動用空間92は回転駆動部82側(図4において下側)に配設され、また第2移動用空間94はクラウン部20側(図4において上側)に配設される。シリンダ部86の外側部には、第1及び第2空気流路96,98が設けられており、第1及び第2空気流路96,98はそれぞれ第1及び第2移動用空間92,94と連通されている。第1空気流路96からの圧縮空気が第1移動用空間92に封入されると、圧縮空気の圧力により係止部90が第1移動用空間92の端部97から第2移動用空間94の端部99に移動され、これによりピストン部84が収納位置から突出位置に移動され、また第2空気流路98からの圧縮空気が第2移動用空間94に封入されると、圧縮空気の圧力により係止部が第2移動用空間94の端部99から第1移動用空間92の端部97に移動され、これによりピストン部84が突出位置から収納位置に移動される。
【0031】
同期駆動伝達手段80は、ピストン部84と一体に回転される第1の歯車100と、一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bとそれぞれ一体に回転される一対の第2の歯車102a,102bと、一対の第2の歯車102a,102bとそれぞれ噛合される一対の第3の歯車104a,104bと、を有している。第1の歯車100は、回転駆動手段78のピストン部84の他端部に取り付けられており、回転駆動部82が回転すると、回転駆動部82からの回転駆動力がピストン部84を介して第1の歯車100に伝達されることにより、第1の歯車100が回転される。一対の第2の歯車102a,102bはそれぞれ、クランク軸6a,6bのクランク部50a,50bの外周部に回転自在に装着されるとともに、複数の取付ネジ106によって偏心ブッシュ8a,8bの一端部に取り付けられており、偏心ブッシュ8a,8bと一体に回転されるように構成されている。第2の歯車102a,102bの外径は、偏心ブッシュ8a,8bの外径よりも大きく構成されており、その外周部に設けられた複数の歯部107a,107bは径方向内方を向いている。一対の第3の歯車104a,104bはそれぞれ、クランク軸6a,6bの回転軸部48a,48bの外周部に回転自在に装着され、第2の歯車102a,102bと噛合されており、それらの外径は第2の歯車102a,102bの外径よりも小さく構成されている。また、一対の第3の歯車104a,104bの離間距離は、第1の歯車100の外径と実質上等しく構成されている。
【0032】
第1の歯車100は、一対の第3の歯車104a,104bとそれぞれ噛合される噛合位置(図4において一点鎖線で示す)と、一対の第3の歯車104a,104bへの噛合が解除される解除位置(図4において実線で示す)との間を自在に移動されるように構成されており、回転駆動手段78のピストン部84が収納位置から突出位置(突出位置から収納位置)に移動されると、第1の歯車100は解除位置から噛合位置(噛合位置から解除位置)に移動される。
【0033】
さらに、図示のプレス装置2には、一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bに関連して回転阻止手段108が設けられている。この回転阻止手段108は、偏心ブッシュ8a,8bの内周面に周方向に所定の間隔を置いて設けられた複数(本実施形態では、4個)の挿入用孔110A〜110D,112A〜112Dと、クランク軸6a,6bの内部に設けられた収容空間54a,54bにその径方向に移動自在に装着された固定用ピン114a,114bと、を有している(図6参照)。回転阻止手段108は、偏心ブッシュ8a,8bのクランク軸6a,6bに対する相対的な回転を阻止する回転阻止状態と、偏心ブッシュ8a,8bのクランク軸6a,6bに対する相対的な回転の阻止を解除する回転解除状態とに選択的に保持される。固定用ピン114a,114bは、回転阻止手段108が回転阻止状態にあるときには、その先端部が収容空間54a,54bの一方の開口部116a,116bより突出される突出位置に位置付けられ、また回転阻止手段108が回転解除状態にあるときには、その大部分が収容空間54a,54bに収納される収納位置に位置付けられる。固定用ピン114a,114bには、クランク軸6a,6bの内部に配設された偏心シャフト部材56a,56bの一端部が回転自在に連結されており、固定用ピン114a,114bは、この偏心シャフト部材56a,56bが所定方向又は所定方向とは反対方向に回転することによって、突出位置と収納位置との間を自在に移動されるように構成されている。なお、収容空間54a,54bにはコイルバネ118a,118bが配設されており、固定用ピン114a,114bは、このコイルバネ118a,118bによって収納位置に向けて弾性的に偏倚されている。
【0034】
次に、上述したストローク量調節機構76を用いたスライド14のストローク量の調節方法について説明する。プレス加工運転中においては、固定用ピン114a,114bは突出位置に位置付けられ、その先端部は、収容空間54a,54bの一方の開口部116a,116bを通して複数の挿入孔110A〜110D,112A〜112Dのうち所定の挿入用孔(例えば、挿入用孔110A,112A)に挿入される。これにより偏心ブッシュ8a,8bは、クランク部50a,50bに対して第1の相対的角度位置に位置付けられ(図6及び図7参照)、クランク軸6a,6bと一体に回転される。また、第1の歯車100は解除位置に位置付けられ、回転駆動手段78から一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bへの回転駆動力の伝達が解除されており、クランク軸6a,6bが回転すると、この回転によって一対の第2の歯車102a,102b及び一対の第3の歯車104a,104bはそれぞれ空転される。
【0035】
スライド14のストローク量を調節する場合には、次のようにして行う。プレス加工運転を停止させた状態において、偏心シャフト部材56a,56bを所定方向に回転させることにより固定用ピン114a,114bを突出位置から収納位置に移動させる。このように移動させると、固定用ピン114a,114bはコイルバネ118a,118bの弾性作用によって収納位置に位置付けられ、固定用ピン114a,114bの先端部が挿入用孔110A,112Aからそれぞれ離脱して収容空間54a,54bに収容され、これにより偏心ブッシュ8a,8bがそれぞれクランク軸6a,6bに対して相対的に回転できるようになる。
【0036】
この回転阻止手段108の回転解除状態において、シリンダ部86の第1空気流路96からの圧縮空気が第1移動用空間92に封入されると、回転駆動手段78のピストン部84が収納位置から突出位置に移動され、これにより第1の歯車100は解除位置から噛合位置に移動される。このような状態において回転駆動部82が回転されると、回転駆動部82からの回転駆動力が、第1の歯車100、一対の第3の歯車104a,104b及び一対の第2の歯車102a,102bを介して一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bへそれぞれ同期して伝達される。すなわち、第1の歯車100が図5中の矢印Uで示す方向に回転されると、一対の第3の歯車104a,104bが図5中の矢印V,Wで示す方向にそれぞれ回転され、さらに一対の第2の歯車102a,102bが図5中の矢印X,Yで示す方向にそれぞれ回転され、これにより偏心ブッシュ8a,8bが同時に図5及び図6中の矢印X,Yで示す方向にそれぞれ回転されるようになる。したがって、偏心ブッシュ8a,8bがクランク軸6a,6bに対して相対的に回転され、一対のクランク部50a,50bの各々に対する偏心ブッシュ8a,8bの相対的角度位置がそれぞれ調節される。
【0037】
例えば、図6及び図7において偏心ブッシュ8a,8bは第1の相対的角度位置に位置付けられており、この状態より、偏心ブッシュ8a,8bがそれぞれクランク軸6a,6bに対して図6及び図7中の矢印X,Yで示す方向に回転角度θだけ相対的に回転されると、偏心ブッシュ8a,8bは、第1の相対的角度位置(図7参照)から第2の相対的角度位置(図8参照)に位置付けられる。このように偏心ブッシュ8a,8bがコネクティングロッド10a,10bに対して相対的に回転すると、このコネクティングロッド10a,10bの回転中心の軌跡は図7及び図8における円Cのように変動し、偏心ブッシュ8a,8bが第2の相対的角度位置に位置付けられた際における、一対のコネクティングロッド10a,10bの一端部の回転軸部48a,48bに対する偏心量D4(図8参照)は、偏心ブッシュ8a,8bが第1の相対的角度位置に位置付けられた際における偏心量D3(図7参照)よりも小さくなり、これにより一方のコネクティングロッド10a側におけるスライド14のストローク量と、他方のコネクティングロッド10b側におけるスライド14のストローク量とがそれぞれ所定量だけ変化され、スライド14のストローク量が調節される。
【0038】
上述のように偏心ブッシュ8a,8bが第2の相対的角度位置に位置付けられると、挿入用孔110B,112Bが、クランク軸6a,6bの収容空間54a,54bの一方の開口部116a,116bにそれぞれ位置付けられる。この状態において偏心シャフト部材56a,56bを上記所定方向とは反対方向に回転させると、固定用ピン114a,114bがコイルバネ118a,118bの弾性力に抗して収納位置から突出位置に移動され、その先端部が挿入用孔110B,112Bにそれぞれ挿入され、これにより偏心ブッシュ8a,8bが第2の相対的角度位置に位置付けられた状態に保持される。
【0039】
例えば被加工物の種類や大きさなどのプレス加工条件に応じて、上述したようにして、固定用ピン114a,114bの先端部を複数の挿入用孔110A〜110D,112A〜112Dのうち適宜の挿入用孔に挿入することにより、偏心ブッシュ8a,8bのクランク部50a,50bに対する相対的角度位置が適宜調節され、プレス加工条件に応じた最適なスライド14のストローク量に設定することができる。
【0040】
スライド14のストローク量の調節が完了すると、回転駆動手段78のピストン部84が収納位置に位置付けられ、これによって、第1の歯車100が噛合位置から解除位置に移動され、回転駆動手段78から一対のコネクティングロッド10a,10bの偏心ブッシュ8a,8bへの回転駆動力の伝達が解除され、プレス加工運転が再び行われる。
【0041】
なお、偏心ブッシュ8a,8bがクランク軸6a,6bに対して相対的に回転されると、偏心ブッシュ8a,8bの外周面により規定される円の中心C1は、偏心ブッシュ8a,8bの内周面により規定される円の中心C2を中心とし、偏心ブッシュ8a,8bの偏心量D2を半径とする円C(図7において一点鎖線で示す)上を移動するようになる。この円の中心C1が、点P1(中心C2に対して中心N1とは反対側に位置される点)に位置する(図7で示す状態)ときには、一対のコネクティングロッド10a,10bの各一端部の回転軸部48a,48bに対する偏心量は最大となり、また点P2(中心C2に対して中心N1側に位置される点)に位置するときには、一対のコネクティングロッド10a,10bの各一端部の回転軸部48a,48bに対する偏心量は最小となる。
【0042】
以上、本発明に従うプレス装置の一実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態では、偏心ブッシュ8a,8bの内周面に挿入用孔を4個設けたが、これに限られず、例えば2個、3個あるいは5個以上でもよく、その数及び配置は適宜設定することが可能である。
【0044】
また例えば、スライド14のストローク量を調節する際において、回転阻止手段108が回転阻止状態から回転解除状態となるのに連動して、第1の歯車100が解除位置から噛合位置に移動されるとともに、回転駆動部82の回転が開始されるように構成してもよい。また同様に、スライド14のストローク量の調節を完了する際において、回転駆動部82の回転が停止されるのに連動して、回転阻止手段108が回転解除状態から回転阻止状態となるとともに、第1の歯車100が噛合位置から解除位置に移動されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態によるプレス装置を示す概略縦断面図である。
【図2】図1の一対のクランク軸の駆動機構を説明するための概略図である。
【図3】図1のプレス装置の概略横断面図である。
【図4】図3のストローク量調節機構及びその周辺の構成を拡大して示す概略断面図である。
【図5】図4の同期駆動伝達機構を説明するための概略図である。
【図6】図4の回転阻止手段を示す概略断面図である。
【図7】偏心ブッシュがクランク部に対して第1の相対的角度位置に位置付けられた状態を示す概略図である。
【図8】偏心ブッシュがクランク部に対して第2の相対的角度位置に位置付けられた状態を示す概略図である。
【図9】従来のプレス装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0046】
2,200 プレス装置
6a,6b,204 クランク軸
8a,8b 偏心ブッシュ
10a,10b,206 コネクティングロッド
14,208 スライド
48a,48b 回転軸部
50a,50b クランク部
76 ストローク両調節機構
78 回転駆動手段
80 同期駆動伝達手段
100 第1の歯車
102a,102b 第2の歯車
104a,104b 第3の歯車
108 回転阻止手段
114a,114b 固定用ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸部及び前記回転軸部に対して所定量だけ偏心されたクランク部を有する一対のクランク軸と、前記一対のクランク軸の各々の前記クランク部にそれぞれ偏心ブッシュを介して回転自在に連結される一対のコネクティングロッドと、加工領域に向けて往復移動されるスライドと、前記一対のコネクティングロッドと前記スライドとを相互に連結するためのリンク機構と、を備え、
前記スライドに関連してストローク量調節機構が設けられており、前記ストローク量調節機構は、前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュを前記一対のクランク軸の各々に対して相対的に回転させることにより、前記一対のクランク軸の各々の前記クランク部に対する前記偏心ブッシュの相対的角度位置を調節し、これにより前記スライドのストローク量が調節されることを特徴とするプレス装置。
【請求項2】
前記ストローク量調節機構は、回転駆動手段と、前記回転駆動手段からの回転駆動力を前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュへ同期して伝達させるための同期駆動伝達手段と、を備え、
前記スライドのストローク量を調節する際には、前記回転駆動手段からの回転駆動力が前記同期駆動伝達手段を介して前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュに同期して伝達され、これにより前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュが前記一対のクランク軸の各々に対して相対的に同期して回転されることを特徴とする請求項1に記載のプレス装置。
【請求項3】
前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュに関連して回転阻止手段が設けられており、前記回転阻止手段は、前記偏心ブッシュのクランク軸に対する相対的な回転を阻止する回転阻止状態と、前記偏心ブッシュの前記クランク軸に対する相対的な回転の阻止を解除する回転解除状態とに選択的に保持され、
プレス加工運転中においては、前記回転阻止手段は前記回転阻止状態に保持され、前記偏心ブッシュは前記クランク軸と一体に回転され、また前記スライドのストローク量を調節する際には、前記回転阻止手段は前記回転解除状態に保持され、前記回転駆動手段からの回転駆動力が前記同期駆動伝達手段を介して前記偏心ブッシュに伝達され、これにより前記偏心ブッシュが前記クランク軸に対して相対的に回転されることを特徴とする請求項2に記載のプレス装置。
【請求項4】
前記回転阻止手段は、前記偏心ブッシュの内周面に周方向に所定の間隔を置いて設けられた複数の挿入用孔と、前記クランク軸の内部に設けられた収容空間にその径方向に移動自在に装着された固定用ピンと、を有しており、
前記固定用ピンは、その先端部が前記収容空間の一方の開口部より突出される突出位置と、前記収容空間に収納される収納位置との間を自在に移動されるように構成され、
前記回転阻止手段が前記回転阻止状態にあるときには、前記固定用ピンは前記突出位置に位置付けられ、その前記先端部は、前記収容空間の前記一方の開口部を通して前記複数の挿入用孔のうち所定の挿入用孔に挿入され、また前記回転阻止手段が前記回転解除状態にあるときには、前記固定用ピンは前記収納位置に位置付けられ、その前記先端部は前記所定の挿入用孔から離脱されることを特徴とする請求項3に記載のプレス装置。
【請求項5】
前記同期駆動伝達手段は、前記回転駆動手段と一体に回転される第1の歯車と、前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュとそれぞれ一体に回転される一対の第2の歯車と、前記一対の第2の歯車とそれぞれ噛合される一対の第3の歯車と、を有し、前記第1の歯車は、前記一対の第3の歯車とそれぞれ噛合される噛合位置と、前記一対の第3の歯車への噛合が解除される解除位置との間を自在に移動されるように構成されており、
前記スライドのストローク量を調節するときには、前記第1の歯車は前記噛合位置に位置付けられ、前記回転駆動手段からの回転駆動力が、前記第1の歯車、前記一対の第3の歯車及び前記一対の第2の歯車を介して前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュに同期して伝達され、またプレス加工運転中においては、前記第1の歯車が前記解除位置に位置付けられ、前記回転駆動手段から前記一対のコネクティングロッドの前記偏心ブッシュへの回転駆動力の伝達が解除されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のプレス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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