説明

プレゼンス情報管理システム、プレゼンスサーバ装置、ゲートウェイ装置及びクライアント装置

【課題】通信量を抑えながらリアルタイムにプレゼンス情報を通知するプレゼンス情報管理システム、プレゼンスサーバ装置、ゲートウェイ装置及びクライアント装置を提供する。
【解決手段】プレゼンスサーバ装置は、複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理し、当該複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知をそのプレゼンス情報管理機能の委譲先となる他の装置へ送信する委譲手段を備える。ゲートウェイ装置は、プレゼンティティのプレゼンス情報を管理する管理手段と、プレゼンスサーバから当該複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティについて上記管理手段が実行されるように制御する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンスサービスを提供するプレゼンス情報管理システム、プレゼンスサーバ装置、ゲートウェイ装置及びクライアント装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上で提供される通信サービスとしてプレゼンスサービスがある。プレゼンスサービスは、ネットワークに接続される多数のクライアントに対して、所望の通信相手となるクライアントの接続状況、動作状態等(以降、プレゼンス情報とも表記する)を提供するサービスである。プレゼンスサービスは、例えばSIP(Session Initiation Protocol)で実現される。
【0003】
このようなプレゼンスサービスを多数のクライアントに提供するプレゼンス情報管理システムについて図21を用いて説明する。図21は、従来のプレゼンス情報管理システムのシステム構成例を示す図である。図21の例における従来のプレゼンス情報管理システムでは、プレゼンスサーバ500がクライアント501へクライアント502のプレゼンス情報を提供する。プレゼンス情報を要求するクライアント501がウォッチャと呼ばれ、その情報元となるクライアント502がプレゼンティティと呼ばれる。
【0004】
各ウォッチャ501は、クライアント502のプレゼンス情報を参照したい場合には、プレゼンスサーバ500に対してその旨のプレゼンス開示要求(SUBSCRIBE)を送信する。プレゼンスサーバ500は、このSUBSCRIBEを受けると、そのプレゼンティティ502のプレゼンス情報を取得し、ウォッチャ501へプレゼンス通知(NOTIFY)をする。また、プレゼンティティ502は、自己の動作状態等が変更したことを検知するとプレゼンスサーバ500に対してプレゼンス変更通知を送る。プレゼンスサーバ500は、このプレゼンス変更通知を受けると、そのプレゼンス情報を要求している各ウォッチャ501へそれぞれプレゼンス通知(NOTIFY)をする。
【0005】
しかしながら、図21に示すようなシステム構成では、多数のクライアント501及び502に対して広域にプレゼンスサービスを提供する場合に、プレゼンスサーバ500が配置されるサイト(サブネットワーク)511とクライアント501及び502が配置されるサイト512及び513とを接続するコアネットワーク515上の通信量が増加するという問題がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、全体のプレゼンス情報を管理するデフォルトプレゼンスサーバと、所定のサブネットワーク単位で配置され各サブネットワーク内のクライアントのプレゼンス情報を管理するプロキシプレゼンスサーバとを備える通信システムがある。図22は、このような通信システムにおけるプレゼンスサービスの通信シーケンスを示す図である。この通信システムでは、デフォルトプレゼンスサーバは、複数クライアントをサブネットワーク単位にグループ化し、グループ単位で各プロキシプレゼンスサーバから各クライアントのプレゼンス情報をそれぞれ取得する。或るクライアントが複数のクライアントの情報をデフォルトプレゼンスサーバから取得する場合には、各クライアントの属するグループ単位でプレゼンス情報が提供される。
【0007】
このような手法により、デフォルトプレゼンスサーバとクライアント間を接続するコアネットワーク上の通信量を削減することができる。
【0008】
なお、本願発明に係る先行技術文献としては、以下の文献に開示されたものがある。
【特許文献1】特表2004−531798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の従来手法では、ウォッチャとプレゼンティティとが同一サブネットワーク内に存在している場合でも、そのウォッチャとプロキシプレゼンスサーバ間、そのプロキシプレゼンスサーバとデフォルトプレゼンスサーバ間でそれぞれ通信が行われるため、コアネットワーク上を往復する通信(プロキシプレゼンスサーバとデフォルトプレゼンスサーバ間の通信)が非効率的なものとなる。
【0010】
また、このような従来手法では、ウォッチャがプレゼンス情報の取得要求を送信する必要があることから、プレゼンティティのプレゼンス情報をリアルタイム通知するサービスには適用することができない。
【0011】
本発明は、通信量を抑えながらリアルタイムにプレゼンス情報を通知するプレゼンス情報管理システム、プレゼンスサーバ装置、ゲートウェイ装置及びクライアント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。即ち、本発明は、複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバ装置に関するものであり、このプレゼンスサーバ装置が当該複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知をそのプレゼンス情報管理機能の委譲先となる他の装置へ送信する委譲手段を備えるというものである。
【0013】
また、本発明は、ゲートウェイ装置に関するものであり、このゲートウェイ装置が、プレゼンティティのプレゼンス情報を管理する管理手段と、上記のような複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバから当該複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティについて上記管理手段が実行されるように制御する制御手段とを備えるというものである。
【0014】
本発明では、当該プレゼンスサーバ装置から他の装置(例えば、ゲートウェイ装置)にプレゼンティティ毎に当該プレゼンスサーバ装置が有するプレゼンス情報管理機能が委譲される。そして、その他の装置では、その委譲通知の対象となるプレゼンティティのプレゼンス情報が管理される。
【0015】
ここで、上記プレゼンス情報とは、例えば、各クライアントの接続状況、動作状態等に関する情報である。また、プレゼンス情報管理機能には、従来技術として述べたように、当該プレゼンス情報をプレゼンティティから取得する機能、プレゼンティティからのプレゼンス情報の変更通知を受信した場合にその取得されたプレゼンス情報をウォッチャへ通知(NOTIFY)する機能等がある。
【0016】
従って、本発明によれば、例えば、所定のプレゼンティティのプレゼンス情報を要求するウォッチャが或るサイト内に集中して存在する場合等に、そのサイト内のゲートウェイ装置等にそのプレゼンティティのプレゼンス情報の管理を委譲することができる。これにより、そのサイトから当該プレゼンスサーバが存在するサーバサイトまでの間のコアネットワークに流れる通信量を減少させることができる。
【0017】
更に、当該プレゼンス情報管理機能は、プレゼンティティからのプレゼンス情報の変更通知が受信された場合にその受信されたプレゼンス情報をウォッチャへNOTIFYする機能も含まれているため、本発明によれば、リアルタイムにプレゼンス情報を通知することができる。
【0018】
また、本発明に係るプレゼンスサーバ装置は、各プレゼンティティに関し、プレゼンス開示を要求するウォッチャの情報及び委譲条件をそれぞれ保持する保持手段と、この保持手段により保持される情報に基づいて当該プレゼンス情報管理機能が委譲されるプレゼンティティ及び委譲先となる他の装置を決定する決定手段とを更に備えるようにしてもよい。
【0019】
これにより、当該プレゼンスサーバ装置は、適切な当該委譲先となる装置及び委譲すべきプレゼンティティを決定することができる。
【0020】
また、本発明に係るプレゼンスサーバ装置は、プレゼンス情報管理機能が委譲されたプレゼンティティ及び委譲先の他の装置に関する情報を保持する委譲先保持手段と、当該プレゼンス情報管理機能が委譲されたプレゼンティティに関するプレゼンス開示要求を受信した場合に、前記委譲先保持手段に保持される情報に基づいて、そのプレゼンス開示要求を送信したウォッチャに対し、委譲先となる他の装置に関する情報を送信する送信手段とを更に備えるようにしてもよい。
【0021】
これにより、プレゼンス情報管理機能が委譲されたことを知らないウォッチャであっても、上記送信手段から送信される委譲先の他の装置に関する情報に基づいて、委譲先の他の装置に対して再度、プレゼンス開示要求を送信することができる。
【0022】
また、上記本発明に係るゲートウェイ装置は、当該プレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティ及びその委譲されたプレゼンティティに関しプレゼンス開示を要求するウォッチャに対して、自装置にプレゼンス情報管理機能が委譲された旨の通知をする通知手段を更に備えるようにしてもよい。
【0023】
これにより、本発明は、自装置のプレゼンス情報を提供するクライアント(プレゼンティティ)装置であって、自装置により提供されるプレゼンス情報を管理するサーバ機能が委譲された旨の通知を受信した場合に、そのサーバ機能が委譲された装置にプレゼンス情報変更通知を送信する変更通知手段を備えるクライアント装置を含むものである。
【0024】
同様に、本発明は、他のクライアント装置のプレゼンス情報の提供を受けるクライアント(ウォッチャ)装置であって、自装置が要求するクライアント装置のプレゼンス情報を管理するサーバ機能が委譲された旨の通知を受信した場合に、そのサーバ機能が委譲された先の装置から要求するクライアント装置のプレゼンス通知を受ける通知受信手段を備えるクライアント装置を含むものでもある。
【0025】
また、本発明は、上記プレゼンスサーバ装置、ゲートウェイ装置及びクライアント装置からなるプレゼンス情報管理システムであってもよい。
【0026】
他の態様として、本発明は、プレゼンティティのプレゼンス情報を各々重複しないように管理する第1プレゼンスサーバ及び第2プレゼンスサーバを有するプレゼンス情報管理システムであって、当該プレゼンティティが、自装置のプレゼンス情報の提供を開始する際に、自装置のプレゼンス情報を管理すべき第2プレゼンスサーバに対してプレゼンスサービス利用登録要求を送信する要求送信手段を備え、第2プレゼンスサーバが、プレゼンスサービス利用登録要求を受信すると、その送信元となる前記プレゼンティティのプレゼ
ンス情報の管理を開始する管理手段と、プレゼンティティのプレゼンス情報の管理を自装置が開始したことを第1プレゼンスサーバに通知する開始通知手段とを備え、第1プレゼンスサーバが、プレゼンティティのプレゼンス情報の管理が第2プレゼンスサーバで開始されたという情報を保持する保持手段を備えるというものである。
【0027】
この態様におけるプレゼンス情報管理システムによれば、予め第2プレゼンスサーバのような装置を備えることにより、上述のプレゼンス情報管理機能をプレゼンスサーバから他の装置へ委譲するという機能を持つことなく、上述と同様の効果を有することができる。すなわち、第2プレゼンスサーバが管理するクライアントが位置するサイトから第1プレゼンスサーバが存在するサイトまでの間のコアネットワークに流れる通信量を減少させることができ、更に、リアルタイムのプレゼンス情報通知を実現することができる。
【0028】
また他の態様として、本発明は、複数のウォッチャから同一のプレゼンティティに関する複数のプレゼンス開示要求を受信する要求受信手段と、この要求受信手段により受信された複数のプレゼンス開示要求の少なくとも1つを、当該複数のウォッチャに対応する1つの仮想ウォッチャからのプレゼンス開示要求としてプレゼンスサーバに転送する転送手段と、当該1つの仮想ウォッチャへのプレゼンス情報変更通知を受信した場合に、その仮想ウォッチャに対応する複数のウォッチャに対して、受信されたプレゼンス情報変更通知をそれぞれ送信する送信手段とを備えるゲートウェイ装置に関するものでもある。
【0029】
この態様により、本発明は、上述のような所定のプレゼンティティに関する仮想ウォッチャからのプレゼンス開示要求を受信する受信手段と、当該所定のプレゼンティティからのプレゼンス情報変更通知を受信した場合に、当該仮想ウォッチャに対してその受信されたプレゼンス情報変更通知を送信する送信手段とを備えるプレゼンスサーバ装置を含むものである。
【0030】
この態様におけるゲートウェイ装置及びプレゼンスサーバ装置によれば、或るプレゼンティティのプレゼンス情報を要求する複数のウォッチャが存在する場合であっても、当該ゲートウェイ装置とプレゼンスサーバ装置との間にはその或るプレゼンティティと1つのウォッチャ(仮想ウォッチャ)とのプレゼンスサービス関連メッセージのやりとりしか行われない。
【0031】
これにより、当該ゲートウェイ装置が存在するサイトから当該プレゼンスサーバが存在するサーバサイトまでの間のコアネットワークに流れる通信量を削減することができる。
【0032】
なお、本発明は、以上の何れかの機能をコンピュータに実現させる方法であってもよい。また、本発明は、以上の何れかの機能を実現させるプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録したものであってもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、通信量を抑えながらリアルタイムにプレゼンス情報を通知するプレゼンス情報管理システム、プレゼンスサーバ装置、ゲートウェイ装置及びクライアント装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して、それぞれ本発明の実施形態におけるプレゼンス情報管理システムについて説明する。なお、以下に述べる実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
【0035】
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムについて説明する。
【0036】
〔システム構成〕
第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのシステム構成について図1を用いて説明する。図1は、第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのシステム構成(ネットワーク構成)を示す図である。
【0037】
第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムは、サーバサイト1、クライアントサイト2、3及び4がそれぞれコアネットワーク5を介して接続され構成される。例えば、これら各サイトはIP(Internet Protocol)で接続される。サーバサイト1には、デ
フォルトプレゼンスサーバ装置(以降、デフォルトサーバ或いはデフォルトプレゼンスサーバと表記する)10が接続される。クライアントサイト2には、サイト内プレゼンスサーバ装置(以降、サイト内サーバ或いはサイト内プレゼンスサーバと表記する)20、クライアント装置(以降、単にクライアントと表記する)21、22及び23が接続され、クライアントサイト3には、クライアント31及び32が接続され、クライアントサイト4には、サイト内サーバ40、クライアント41及び42が接続される。デフォルトサーバ10は、本発明のプレゼンスサーバ装置に相当する。サイト内サーバ20及び40は、本発明のゲートウェイ装置に相当する。クライアント21等は、本発明のクライアント装置に相当する。
【0038】
各クライアントは、プレゼンスサーバ機能を有する装置(初期は、デフォルトサーバ10)にアクセスすることによりそれぞれプレゼンスサービスの提供を受けることができる。図1に示される各クライアントはプレゼンスサービスの提供を受けうる機能をそれぞれ備え、ウォッチャ及びプレゼンティティになりうる装置である。
【0039】
〔装置構成〕
以下、第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムを構成するデフォルトサーバ10、サイト内サーバ20及び40、クライアント21、22、23、31、32、41及び42の各装置構成についてそれぞれ説明する。
【0040】
〈デフォルトプレゼンスサーバ〉
デフォルトプレゼンスサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、
入出力インタフェース等を備えるコンピュータであり、このCPUによってハードディスク等のメモリに記憶される制御プログラムが実行されることで、以下に述べるプレゼンスサーバ機能を実現する。なお、デフォルトプレゼンスサーバ10は、このプレゼンスサーバ機能以外の一般的なサーバ機能を持つものであってもよい。
【0041】
デフォルトサーバ10は、プレゼンスサービスを各クライアントに提供するための管理サーバであり、プレゼンスサーバ機能として図2に示す機能構成を持つ。図2は、第一実施形態におけるデフォルトサーバ10の機能構成を示すブロック図である。デフォルトサーバ10は、通信管理部101(本発明の送信手段に相当する)、プレゼンス制御部102(本発明の委譲手段、決定手段に相当する)、プレゼンス情報管理部103(本発明の保持手段に相当する)、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104(本発明の委譲先保持手段に相当する)、委譲先サーバ決定部108(本発明の決定手段に相当する)等を持つ。以下、これら各機能についてそれぞれ説明する。なお、
〈〈通信管理部〉〉
通信管理部101は、クライアント等の他の装置から自分宛に送られたメッセージの受信、及び他の装置宛のメッセージの送信を行う。通信管理部101は、例えば、図21に示すようなウォッチャから送られるプレゼンス開示要求(SUBSCRIBE)、プレゼ
ンティティから送られるプレゼンス変更通知等を受信する。また、通信管理部101は、ウォッチャに対してプレゼンス通知(NOTIFY)を送信する。
【0042】
通信管理部101は、メッセージ受信時は、その受信されたメッセージのうちプレゼンスサービス関連のメッセージをプレゼンス制御部102へ渡す。また、通信管理部101は、メッセージ送信時は、プレゼンス制御部102からプレゼンスサービス関連のメッセージを受け、そのメッセージを送信する。
【0043】
〈〈プレゼンス制御部〉〉
プレゼンス制御部102は、通信管理部101からプレゼンスサービス関連のメッセージを受けた場合等にプレゼンスサーバ機能を実現するべく、プレゼンス情報管理部103、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104及び委譲先サーバ決定部108を制御する。プレゼンス制御部102が実現する機能としては、(機能1)一般的なプレゼンスサーバ機能、(機能2)プレゼンティティ毎にプレゼンスサーバ機能をサイト内プレゼンスサーバに委譲する機能、(機能3)プレゼンスサーバ機能が委譲されたプレゼンティティに対するSUBSCRIBEが受信された場合にそのSUBSCRIBEをそのプレゼンティティを管理するサイト内プレゼンスサーバにリダイレクトするように送信元へ通知する機能、(機能4)サイト内プレゼンスサーバへ委譲されたプレゼンスサーバ機能が戻された場合のプレゼンスサーバ変更通知機能、がある。
【0044】
上記(機能1)として、プレゼンス制御部102は、ウォッチャからのSUBSCRIBEを受けると、その送信元となるウォッチャに関する情報、そのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティに関する情報をそのメッセージ中から取得し、取得されたそれらの情報をプレゼンス情報管理部103に渡す。一方で、プレゼンス制御部102は、そのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティのプレゼンス情報をそのSUBSCRIBEの送信元のウォッチャへ通知(NOTIFY)するように通信管理部101へ指示する。また、プレゼンス制御部102は、プレゼンティティからのプレゼンス変更通知を受けると、当該プレゼンス情報を保持するようにプレゼンス情報管理部103へ指示し、併せて、そのプレゼンティティに関するウォッチャへその変更されたプレゼンス情報を送信するように通信管理部101へ指示する。プレゼンス制御部102は、このような(機能1)を実現するために、各プレゼンティティに関するウォッチャの数及び位置情報等を保持、管理するようにプレゼンス情報管理部103に指示する。
【0045】
プレゼンス制御部102は、上記(機能2)を実現するために、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104及び委譲先サーバ決定部108を制御する。上記(機能2)におけるプレゼンスサーバ機能が委譲される場合には、自装置内の委譲先サーバ決定部108がサイト内プレゼンスサーバへの委譲を決定する場合と、プレゼンスサーバ機能が委譲されているサイト内プレゼンスサーバが他のサイト内プレゼンスサーバへのプレゼンスサーバ機能の更なる委譲を決定する場合とがある。
【0046】
プレゼンス制御部102は、自装置内の委譲先サーバ決定部108によりプレゼンスサーバ機能の委譲が決定された場合には、その委譲先のサイト内プレゼンスサーバに対してプレゼンスサーバ機能委譲通知を送信するように通信管理部101へ指示する。このとき、プレゼンス制御部102は、当該プレゼンスサーバ機能委譲通知に、対象となるプレゼンティティに関する情報及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報を含めるために、プレゼンス情報管理部103からこれらの情報を得る。併せて、プレゼンス制御部102は、プレゼンスサーバ機能を委譲した各プレゼンティティとその委譲先のサイト内プレゼンスサーバアドレスとの関係等を管理するようにサイト内プレゼンスサーバ情報管理部104に指示する。
【0047】
プレゼンス制御部102は、プレゼンスサーバ機能が委譲されているサイト内サーバにより他のサイト内サーバへのプレゼンスサーバ機能の更なる委譲が決定され、そのサイト内サーバからプレゼンスサーバ機能委譲通知を受けた場合には、その委譲先のサイト内サーバに対してプレゼンスサーバ機能委譲通知を転送するように通信管理部101へ指示する。このとき、プレゼンス制御部102は、当該プレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれるプレゼンティティに関する情報及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報を保持するように、プレゼンス情報管理部103へ指示する。併せて、プレゼンス制御部102は、プレゼンスサーバ機能を委譲した各プレゼンティティとその委譲先のサイト内プレゼンスサーバアドレスとの関係等を管理するようにサイト内プレゼンスサーバ情報管理部104に指示する。
【0048】
プレゼンス制御部102は、上記(機能3)を実現するために、プレゼンスサーバ機能が委譲されているプレゼンティティに対してのSUBSCRIBEを受信した場合には、そのSUBSCRIBEの送信元のウォッチャに対してその委譲先のサイト内プレゼンスサーバに関する情報を通知するように通信管理部101に指示する。このとき、プレゼンス制御部102は、対象となるプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能が委譲されているか否か及び委譲先のサイト内プレゼンスサーバのURIについて、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104から情報を得る。
【0049】
上記(機能4)として、プレゼンス制御部102は、サイト内プレゼンスサーバへ委譲されたプレゼンスサーバ機能が戻される旨のプレゼンスサーバ機能委譲通知を通信管理部101から受けると、プレゼンスサーバ機能が戻されたプレゼンティティ、及びそのプレゼンティティのプレゼンス情報を要求している全てのウォッチャに対して、プレゼンスサーバ変更通知を送信するように通信管理部101へ指示する。このとき、プレゼンスサーバ機能が委譲されたプレゼンティティに関する情報及びそのプレゼンティティに関する全てのウォッチャについての情報は、プレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれる情報が利用される。
【0050】
〈〈プレゼンス情報管理部〉〉
プレゼンス情報管理部103は、上述のようにプレゼンス制御部102から渡される、各プレゼンティティに関するプレゼンス情報、及びSUBSCRIBEしているウォッチャに関する情報を管理する。これらの情報は、プレゼンス情報管理データベース(DB)105に保持される。
【0051】
図3は、プレゼンス情報管理DB105内のプレゼンス情報テーブルを示す図である。プレゼンス情報テーブルは、各プレゼンティティに関し、そのプレゼンティティをSUBSCRIBEの対象とするウォッチャに関する情報がそれぞれ保持される。具体的には、プレゼンス情報テーブルには、プレゼンティティURI(Uniform Resource Identifier
)、プレゼンティティ位置情報、ウォッチャURI、ウォッチャ位置情報、委譲条件が保持される。
【0052】
委譲条件には、プレゼンスサービス機能の委譲を決定するための条件が保持される。或るプレゼンティティのプレゼンス情報を取得するウォッチャの行動パターンが予め認識されている場合には、その行動パターンに応じた条件が当該委譲条件に設定される。例えば、或るプレゼンティティに対するウォッチャの50%以上が所定の時間帯に同じサイトに集中する場合には、その所定の時間帯及びそのサイトに関する情報を委譲条件として設定する。この委譲条件は、例えば、デフォルトサーバ10のメモリ等に保持されるデフォルト値が利用されるようにしてもよいし、入力装置等から入力されるようにしてもよい。
【0053】
図3に示す例によれば、プレゼンティティとしてクライアント31(URIが「client
31@***.com」であり、位置情報が「サイト3」である)が登録され、そのクライアント31のプレゼンス情報を要求するウォッチャとしてクライアント21(URIが「client21@***.com」、位置情報が「サイト2」である)及びクライアント22(URIが「client22@***.com」、位置情報が「サイト2」である)がそれぞれ登録されている。そして、このプレゼンティティに対する全ウォッチャの50%以上をあるサイトが占める場合に、そのあるサイトのサイト内プレゼンスサーバにプレゼンスサーバ機能を委譲するという委譲条件が設定されている。
【0054】
更に、プレゼンティティとしてクライアント32(client32@***.com、サイト3)が登録され、そのクライアント32のプレゼンス情報を要求するウォッチャとしてクライアント21(client21@***.com、サイト2)及びクライアント23(client23@***.com、サイト2)がそれぞれ登録されている。そして、このプレゼンティティとウォッチャとの関係については、12時にサイト2のサイト内プレゼンスサーバにプレゼンスサーバ機能を委譲するという委譲条件が設定されている。
【0055】
〈〈サイト内プレゼンスサーバ情報管理部〉〉
サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104は、プレゼンスサーバ機能が委譲されたプレゼンティティに関し、そのプレゼンティティと委譲先のサイト内プレゼンスサーバに関する情報を管理する。これらの情報は、サイト内プレゼンスサーバ情報管理データベース(DB)106に保持される。
【0056】
図4は、サイト内プレゼンスサーバ情報管理DB106内のサイト内プレゼンスサーバ情報テーブルを示す図である。サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルは、各プレゼンティティに関し、プレゼンスサーバ機能の委譲先であるサイト内プレゼンスサーバに関する情報がそれぞれ保持される。具体的には、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルには、プレゼンティティURI、サイト内プレゼンスサーバアドレスが保持される。
【0057】
〈〈委譲先サーバ決定部〉〉
委譲先サーバ決定部108は、プレゼンス情報管理部103により管理されるプレゼンス情報管理DB105内の情報等に基づいて、プレゼンスサーバ機能を委譲するサイト内プレゼンスサーバを決定する。具体的には、委譲先サーバ決定部108は、プレゼンス情報テーブルの委譲条件を判定することにより、各プレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能を委譲するか否か及び委譲先となるサイトを決定し、別途予め保持される各サイト内のプレゼンスサーバのアドレス情報に基づいて、委譲先として決定されたサイトにおけるサイト内プレゼンスサーバを特定する。
【0058】
委譲先サーバ決定部108は、プレゼンスサーバ機能の委譲を決定した場合には、その旨とその委譲先となるサイト内プレゼンスサーバのアドレス情報とをプレゼンス制御部102に通知する。プレゼンス制御部102は、これらの情報をサイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに保持するように、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104に送る。
【0059】
〈サイト内プレゼンスサーバ〉
サイト内プレゼンスサーバ20及び40は、デフォルトサーバ10からプレゼンスサーバ機能委譲通知を受けた場合に、その対象となるプレゼンティティに関するプレゼンスサービスを各クライアントに提供するための管理サーバとして動作する。本発明は、サイト内プレゼンスサーバ20及び40に関し、プレゼンスサーバ機能が委譲される前の動作について限定するものではない。よって、プレゼンスサーバ機能が委譲される前のサイト内サーバ20及び40は、一般的なゲートウェイ装置として動作するようにしてもよいし、クライアントとして動作するようにしてもよい。なお、サイト内サーバ20及び40は、それぞれ同様の機能を有する装置であるため、以下の説明では、区別する必要がある場合
を除いて符号を省略して記載するものとする。
【0060】
サイト内プレゼンスサーバは、CPU、メモリ、入出力インタフェース等を備えるコンピュータであり、このCPUによってハードディスク等のメモリに記憶される制御プログラムが実行されることで、以下に述べるサイト内プレゼンスサーバ機能を実現する。なお、サイト内プレゼンスサーバは、以下に述べる機能以外の機能を持つものであってもよい。
【0061】
サイト内プレゼンスサーバは、サイト内プレゼンスサーバ機能として図5に示す機能構成を持つ。図5は、第一実施形態におけるサイト内プレゼンスサーバの機能構成を示すブロック図である。サイト内プレゼンスサーバは、通信管理部201(本発明の通知手段に相当する)、プレゼンス制御部202(本発明の管理手段、制御手段に相当する)、プレゼンス情報管理部203(本発明の管理手段に相当する)、委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204、委譲先サーバ決定部208等を持つ。これら各機能部は、通信管理部201によりデフォルトサーバ10からのプレゼンスサーバ機能委譲通知が受信された場合に、プレゼンス制御部202の制御により動作を開始する。以下、これら各機能についてそれぞれ説明する。
【0062】
〈〈通信管理部〉〉
通信管理部201は、デフォルトサーバ10からプレゼンスサーバ機能委譲通知を受信すると、それをプレゼンス制御部202へ送る。通信管理部201は、その通知の受信以降、そのプレゼンスサーバ機能が委譲されたプレゼンティティに関するメッセージについては、デフォルトサーバ10の通信管理部101と同様の動作をする。通信管理部201における、プレゼンスサーバ機能委譲通知の受信前の動作及びプレゼンスサーバ機能が委譲されていないプレゼンティティに関するメッセージを受信した場合の動作については、例えば、単なるゲートウェイとしての動作を行うようにしてもよい。
【0063】
〈〈プレゼンス制御部〉〉
プレゼンス制御部202は、通信管理部201からプレゼンスサーバ機能委譲通知を受けた以降、その対象となるプレゼンティティに関してサイト内プレゼンスサーバ機能を実現するべく、プレゼンス情報管理部203、委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204及び委譲先サーバ決定部208を制御する。プレゼンス制御部202が実現する機能としては、(機能1)一般的なプレゼンスサーバ機能、(機能2)プレゼンティティ毎にプレゼンスサーバ機能をデフォルトプレゼンスサーバ若しくは他のサイト内プレゼンスサーバに委譲する機能、(機能3)プレゼンスサーバ機能の委譲を受けた場合のプレゼンスサーバ変更通知機能、がある。
【0064】
上記(機能1)として、プレゼンス制御部202は、ウォッチャからのSUBSCRIBEを受けると、その送信元となるウォッチャに関する情報、そのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティに関する情報をプレゼンス情報管理部203に渡す。ウォッチャからのSUBSCRIBEを受ける場合としては、同一サイト内のウォッチャから直接受信する場合と他のサイト内のウォッチャから送信されてくる場合とがある。一方で、プレゼンス制御部202は、そのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティのプレゼンス情報をその送信元のウォッチャへ送信(NOTIFY)するように通信管理部201へ指示する。
【0065】
また、プレゼンス制御部202は、プレゼンティティからのプレゼンス変更通知を受けると、当該プレゼンス情報を保持するようにプレゼンス情報管理部203へ指示し、併せて、そのプレゼンティティに関するウォッチャへその変更されたプレゼンス情報を通知(NOTIFY)するように通信管理部201へ指示する。プレゼンス制御部202は、こ
のような(機能1)を実現するために、各プレゼンティティに関するウォッチャの数及び位置情報等を保持、管理するようにプレゼンス情報管理部203に指示する。
【0066】
プレゼンス制御部202は、上記(機能2)を実現するために、委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204及び委譲先サーバ決定部208を制御する。プレゼンス制御部202は、委譲先サーバ決定部208により他のサイト内プレゼンスサーバへプレゼンスサーバ機能を委譲することが決定された場合には、その委譲先のサイト内プレゼンスサーバに関する情報を委譲先サーバ決定部208から受ける。更に、プレゼンス制御部202は、その委譲が決定されたプレゼンティティに関して、委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204から委譲元となるデフォルトサーバに関する情報を得る。これにより、プレゼンス制御部202は、当該委譲元となるデフォルトサーバに対して、当該委譲先のサイト内プレゼンスサーバに関する情報、対象となるプレゼンティティに関する情報及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報を含めたプレゼンスサーバ機能委譲通知を送信するように通信管理部201へ指示する。
【0067】
また、プレゼンス制御部202は、委譲先サーバ決定部208により委譲先としてデフォルトサーバが決定された場合には、そのデフォルトサーバに対してプレゼンスサーバ機能委譲通知を送信するように通信管理部201へ指示する。このとき、プレゼンス制御部202は、対象となるプレゼンティティに関する情報及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報を当該プレゼンスサーバ機能委譲通知に含めるように通信管理部201及びプレゼンス情報管理部203を制御する。
【0068】
上記(機能3)として、プレゼンス制御部202は、通信管理部201からプレゼンスサーバ機能委譲通知を受けた際に、その送信元となるデフォルトサーバに関する情報を委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204へ送り、更に、その通知に対する応答をデフォルトサーバに対して送信するよう通信管理部201へ指示する。また、プレゼンス制御部202は、プレゼンスサーバ機能が委譲されたプレゼンティティ、及びそのプレゼンティティのプレゼンス情報を要求している全てのウォッチャに対して、プレゼンスサーバ変更通知を送信するように通信管理部201へ指示する。このとき、プレゼンスサーバ機能が委譲されたプレゼンティティに関する情報及びそのプレゼンティティに関する全てのウォッチャについての情報は、プレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれる情報が利用される。
【0069】
〈〈プレゼンス情報管理部〉〉
プレゼンス情報管理部203は、上述のようにプレゼンス制御部202から渡される、各プレゼンティティに関するプレゼンス情報、及びSUBSCRIBEしているウォッチャに関する情報を管理する。これらの情報は、プレゼンス情報管理データベース(DB)205に保持される。プレゼンス情報管理部203及びプレゼンス情報管理DB205の機能はそれぞれデフォルトサーバ10のプレゼンス情報管理部103及びプレゼンス情報管理DB105のそれと同様であるため、説明を省略する。
【0070】
〈〈委譲元プレゼンスサーバ情報管理部〉〉
委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204は、プレゼンスサーバ機能の委譲元となるデフォルトプレゼンスサーバに関する情報を管理する。サイト内サーバからサイト内サーバへの委譲である場合においても、その委譲を中継したデフォルトサーバがこの委譲元プレゼンスサーバとなる。この委譲元プレゼンスサーバに関する情報は、委譲元プレゼンスサーバ情報管理データベース(DB)206に保持される。
【0071】
図6は、委譲元プレゼンスサーバ情報管理DB206内の委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルを示す図である。委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルは、各プレゼンティティに関し、そのプレゼンティティのプレゼンスサーバ機能を委譲した元のデフォルトプレゼ
ンスサーバに関する情報がそれぞれ保持される。具体的には、委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルには、デフォルトプレゼンスサーバアドレス、プレゼンティティURIが保持される。本実施形態におけるプレゼンス情報管理システムではデフォルトサーバ10は1台のみであるが、デフォルトサーバ10が2台以上存在する場合においては、この委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルのデフォルトプレゼンスサーバアドレスフィールドにそれぞれのアドレスが設定される。
【0072】
〈〈委譲先サーバ決定部〉〉
委譲先サーバ決定部208は、プレゼンス情報管理部203により管理されるプレゼンス情報管理DB205内の情報等に基づいて、プレゼンスサーバ機能を委譲するデフォルトプレゼンスサーバ若しくは他のサイト内プレゼンスサーバを決定する。具体的には、委譲先サーバ決定部208は、プレゼンス情報テーブルの委譲条件を判定することにより、各プレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能を委譲するか否か及び委譲先となるサイト若しくはデフォルトプレゼンスサーバを決定する。
【0073】
委譲先サーバ決定部208は、プレゼンス情報テーブルの委譲条件が満たされなくなったと判定した場合には、委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルに設定されているデフォルトサーバへそのプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能を戻すことを決定する。例えば、図3に示されるプレゼンス情報テーブルにおいてプレゼンティティ31の委譲条件として50%が設定されている場合に、サイト2内のウォッチャの数が全体の50%を満たさなくなると、その委譲元となるデフォルトサーバにプレゼンスサーバ機能を戻すことが決定される。
【0074】
また、委譲先サーバ決定部208は、プレゼンス情報テーブルの委譲条件が新たに別のサイト内のウォッチャに関し満たされると判断した場合には、その新たなサイトのサイト内サーバへプレゼンスサーバ機能を委譲することを決定する。
【0075】
委譲先サーバ決定部208は、委譲先としてデフォルトプレゼンスサーバと決定した場合には、委譲元プレゼンスサーバ情報管理DB206内の情報からそのデフォルトプレゼンスサーバのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報と委譲する旨の通知をプレゼンス制御部202に送る。また、委譲先サーバ決定部208は、委譲先として他のサイト内プレゼンスサーバと決定した場合には、別途予め保持されている各サイト内のプレゼンスサーバのアドレス情報に基づいて委譲先として決定されたサイト内プレゼンスサーバを特定し、委譲する旨とその委譲先となるサイト内プレゼンスサーバのアドレス情報とをプレゼンス制御部102に通知する。プレゼンス制御部202は、委譲されたプレゼンティティに関する情報を委譲元プレゼンスサーバ情報DB206から削除するように、委譲元プレゼンスサーバ情報管理部104に指示する。
【0076】
〈クライアント(ウォッチャ及びプレゼンティティ)〉
クライアント21、22、23、31、32、41及び42は、プレゼンスサービスの提供を受けるクライアント装置であり、それぞれウォッチャ及びプレゼンティティのいずれにもなり得る装置である。なお、クライアント21、22、23、31、32、41及び42は、それぞれ同様の機能を有する装置であるため、以下の説明では、区別する必要がある場合を除いて符号を省略して記載するものとする。
【0077】
クライアントは、CPU、メモリ、入出力インタフェース等を備えるコンピュータであり、このCPUによってハードディスク等のメモリに記憶される制御プログラムが実行されることで、以下に述べるクライアント機能を実現する。なお、クライアントは、以下に述べる機能以外の機能を持つものであってもよい。
【0078】
クライアントは、クライアント機能として図7に示す機能構成を持つ。図7は、第一実施形態におけるクライアントの機能構成を示すブロック図である。クライアントは、通信管理部301(本発明の通知手段、変更通知手段、通知受信手段に相当する)、プレゼンス制御部302(本発明の通知手段、変更通知手段に相当する)、プレゼンス情報管理部303、プレゼンティティ情報管理部304、プレゼンスサーバ情報管理部308等を持つ。以下、これら各機能部についてそれぞれ説明する。なお、以降、プレゼンスサーバ機能を持つデフォルトサーバ10若しくはサイト内サーバ20をプレゼンスサーバと表記する場合もある。
【0079】
〈〈通信管理部〉〉
通信管理部301は、デフォルトサーバ10、サイト内サーバ20等の他の装置から自分宛に送られたメッセージの受信、及び他の装置宛のメッセージの送信を行う。通信管理部301は、図21に示すように、自装置がウォッチャとなる場合には、プレゼンス開示要求(SUBSCRIBE)を対象となるプレゼンティティに関するプレゼンスサーバに対して送信し、当該プレゼンスサーバから所望のプレゼンティティから送られるプレゼンス通知(NOTIFY)を受信する。通信管理部301は、自装置がプレゼンティティとなる場合には、プレゼンスサーバに対してプレゼンス変更通知を送信する。
【0080】
通信管理部301は、メッセージ受信時は、その受信されたメッセージのうちプレゼンスサービス関連のメッセージをプレゼンス制御部302へ渡す。また、通信管理部301は、メッセージ送信時は、プレゼンス制御部302からプレゼンスサービス関連のメッセージを受け、そのメッセージを送信する。
【0081】
〈〈プレゼンス制御部〉〉
プレゼンス制御部302は、プレゼンスサービスのクライアント機能を実現するべく、プレゼンス情報管理部303、プレゼンティティ情報管理部304及びプレゼンスサーバ情報管理部308を制御する。プレゼンス制御部302が実現する機能としては、概略以下に示すものがある。(機能1)ウォッチャ機能、(機能2)プレゼンティティ機能、(機能3)プレゼンスサーバの変更を認識する機能、である。
【0082】
上記(機能1)として、プレゼンス制御部302は、対象となるプレゼンティティのSUBSCRIBEをプレゼンスサーバへ送信するように通信管理部301に指示する。このとき、プレゼンス制御部302は、プレゼンスサーバのアドレス情報等をプレゼンスサーバ情報管理部308から得る。また、プレゼンス制御部302は、SUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティに関する情報(アドレス情報等)を他の入力装置等から取得して、プレゼンティティ情報管理部304に渡す。
【0083】
上記(機能2)として、プレゼンス制御部302は、プレゼンス情報管理部303からプレゼンス情報が変更されたことを通知されると、自装置に関するプレゼンスサーバに対してプレゼンス変更通知を送信するように通信管理部301に指示する。このとき、プレゼンス制御部302は、プレゼンスサーバのアドレス情報等をプレゼンスサーバ情報管理部308から得る。
【0084】
上記(機能3)として、プレゼンス制御部302は、通信管理部301からプレゼンスサーバ変更通知を受けると、その通知に含まれる委譲先のプレゼンスサーバに関する情報をプレゼンスサーバ情報管理部308に渡す。
【0085】
〈〈プレゼンス情報管理部〉〉
プレゼンス情報管理部303は、自装置がプレゼンティティとして動作するために、自装置のプレゼンス情報を管理する。プレゼンス情報管理部303は、自装置がプレゼンテ
ィティとなっている場合に、当該プレゼンス情報が変更されたことを検知すると、変更された旨と変更後のプレゼンス情報をプレゼンス制御部302に通知する。なお、本発明はここで管理されるプレゼンス情報を限定するものではない。
【0086】
〈〈プレゼンティティ情報管理部〉〉
プレゼンティティ情報管理部304は、自装置がウォッチャとして動作するために、対象となる各プレゼンティティに関する情報、及び各プレゼンティティに対するプレゼンスサーバに関する情報をそれぞれ管理する。この情報は、プレゼンティティ情報管理データベース(DB)306に保持される。
【0087】
図8は、プレゼンティティ情報管理DB306内のプレゼンティティ情報テーブルを示す図である。プレゼンティティ情報テーブルは、各プレゼンティティに関し、そのプレゼンティティに関するプレゼンスサーバのアドレス情報がそれぞれ保持される。具体的には、プレゼンティティ情報テーブルには、プレゼンスサーバアドレス、プレゼンティティURIが保持される。
【0088】
〈〈プレゼンスサーバ情報管理部〉〉
プレゼンスサーバ情報管理部308は、プレゼンスサーバに関する情報を管理する。プレゼンスサーバ情報管理部308は、通常、デフォルトサーバ10をプレゼンスサーバとしてそのデフォルトサーバ10に関する情報を管理し、プレゼンスサーバ変更通知が受信されその通知に含まれる委譲先のプレゼンスサーバに関する情報がプレゼンス制御部302から渡された場合には、その委譲先のプレゼンスサーバに関する情報を管理する。このように管理されるプレゼンスサーバに関する情報は、プレゼンティティ情報管理部304に渡される。
【0089】
〔動作例〕
以下に、第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムの動作例について図9、10、11A、11B及び12を用いて説明する。
【0090】
まず、デフォルトサーバ10からサイト内サーバ20へプレゼンスサーバ機能が委譲される場合の動作について図9を用いて説明する。図9は、デフォルトサーバ10からサイト内サーバ20へのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示すシーケンス図であり、図1におけるシステム構成におけるクライアント31がプレゼンティティであり、クライアント21がそのクライアント31のプレゼンス情報を要求するウォッチャである場合の動作例を示している。
【0091】
システム動作初期時は、デフォルトサーバ10が全てのプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能を有しているため、ウォッチャ21は、プレゼンティティ31のプレゼンス情報を要求するためのSUBSCRIBEをデフォルトサーバ10へ送信する(S911)。
【0092】
このSUBSCRIBEを受けたデフォルトサーバ10は、このSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能が委譲されていないと、サイト内プレゼンスサーバ情報管理DB106内のサイト内プレゼンスサーバ情報テーブルを参照することにより判断する。すなわち、SUBSCRIBEのリダイレクトをする必要がないと判断する。
【0093】
続いて、当該デフォルトサーバ10は、プレゼンス情報管理DB105内のプレゼンス情報テーブルをこの受信されたSUBSCRIBEに含まれる情報により更新する(S912)。具体的には、プレゼンス情報テーブルのプレゼンティティURIにそのSUBS
CRIBEの対象となるプレゼンティティ31のURIが設定され、同ウォッチャURIにそのSUBSCRIBEの送信元となるウォッチャ21のURIが設定される。そして、デフォルトサーバ10は、SUBSCRIBEの受信に成功したことを応答する(S913)。
【0094】
その後、デフォルトサーバ10は、各プレゼンティティについてプレゼンス情報テーブルに設定されている委譲条件を判定することにより、必要に応じてプレゼンスサーバ機能の委譲を決定する(S920)。例えば、或るプレゼンティティに対するウォッチャの数が或るサイトにおいて所定の閾値(設定値)より多くなった場合に、プレゼンスサーバ機能の委譲を決定する。また、或るプレゼンティティに対するウォッチャの行動パターンに基づいて設定された委譲条件、例えば所定の時間帯に所定のサイトに対してプレゼンスサーバ機能を委譲するといった条件により、プレゼンスサーバ機能の委譲を決定する。ここでは、プレゼンティティ31に関するプレゼンスサーバ機能が、デフォルトサーバ10からサイト内サーバ20へ委譲されることが決定されたものとする。
【0095】
デフォルトサーバ10では、プレゼンスサーバ機能の委譲を決定すると、その委譲先となるサイト内プレゼンスサーバのアドレス情報等が委譲先サーバ決定部108により取得される。デフォルトサーバ10は、その委譲先として決定されたサイト内サーバ20に対して、プレゼンスサーバ機能委譲通知を送信する(S921)。デフォルトサーバ10は、このプレゼンスサーバ機能委譲通知に対象となるプレゼンティティに関する情報(クライアント31のURI等)及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報(クライアント21のURI等)を含める。
【0096】
サイト内サーバ20は、このプレゼンスサーバ機能委譲通知を受信すると、委譲元プレゼンスサーバ情報管理DB206内の委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルを更新する(S923)。このとき、委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルには、このプレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれる対象のプレゼンティティ31に関する情報とその通知の送信元となるデフォルトサーバ10に関する情報が設定される。この後、サイト内サーバ20は、これに対する応答を送信元のデフォルトサーバ10へ送信する(S924)。併せて、サイト内サーバ20は、そのプレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれる情報に基づいて、対象となるプレゼンティティ31及びそのプレゼンティティ31に対するウォッチャ21に対しプレゼンスサーバ変更通知を送信する(S931、S932)。このプレゼンスサーバ変更通知には、委譲先のプレゼンスサーバに関する情報が含まれる。
【0097】
デフォルトサーバ10は、プレゼンスサーバ機能委譲通知(S921)に対する応答(S924)を受信すると、委譲が決定されたプレゼンティティ31のURI及び委譲先として決定されたサイト内サーバ20のアドレスをサイト内プレゼンスサーバ情報管理DB106内のサイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに設定する(S925)。デフォルトサーバ10は、プレゼンス情報管理DB105内のプレゼンス情報テーブルからプレゼンティティ31に関する情報を削除する(S926)。
【0098】
プレゼンスサーバ変更通知(S932)を受信したウォッチャ21は、その通知に含まれる情報に基づいて、その対象となるプレゼンティティ31に関するプレゼンスサーバとして、サイト内サーバ20に関する情報をプレゼンティティ情報管理DB306内のプレゼンティティ情報テーブルに設定する(S934)。
【0099】
また、プレゼンスサーバ変更通知(S931)を受信したプレゼンティティ31は、その通知に含まれる情報に基づいて、自身のプレゼンスサーバとして、サイト内サーバ20に関する情報を保持する(S933)。その後、ウォッチャ21及びプレゼンティティ31は、それぞれプレセンスサーバ変更通知(S931、S932)に対する応答を送信す
る(S935、S936)。
【0100】
これらウォッチャ21及びプレゼンティティ31からの応答(S935、S936)を受信したサイト内サーバ20は、プレゼンス情報管理DB205内のプレゼンス情報テーブルに、当該ウォッチャ21のURI及びプレゼンティティ31のURIを設定する(S937)。
【0101】
次に、上述のようにプレゼンスサーバ機能が委譲されているサイト内サーバ20からデフォルトサーバ10へプレゼンスサーバ機能が委譲される(戻される)場合の動作について図10を用いて説明する。図10は、サイト内サーバ20からデフォルトサーバ10へのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示すシーケンス図であり、図1におけるシステム構成におけるクライアント31がプレゼンティティであり、クライアント21がそのクライアント31のプレゼンス情報を要求するウォッチャであり、プレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能がサイト内サーバ20へ委譲されている場合の動作例を示している。
【0102】
プレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能がサイト内サーバ20へ委譲されているため、ウォッチャ21は、プレゼンティティ31のプレゼンス情報を要求するためのSUBSCRIBEをサイト内プレゼンスサーバ20へ送信する(S1011)。このとき、ウォッチャ21は、プレゼンティティ情報管理DB306内のプレゼンティティ情報テーブルを参照することにより、プレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能をサイト内サーバ20が有していることを知る。
【0103】
このSUBSCRIBEを受けたサイト内サーバ20は、プレゼンス情報管理DB205内のプレゼンス情報テーブルをこの受信されたSUBSCRIBEに含まれる情報により更新する(S1012)。具体的には、プレゼンス情報テーブルのプレゼンティティURIにそのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティ31のURIが設定され、同ウォッチャURIにそのSUBSCRIBEの送信元となるウォッチャ21のURIが設定される。そして、サイト内サーバ20は、SUBSCRIBEの受信に成功したことを応答する(S1013)。
【0104】
その後、サイト内サーバ20は、各プレゼンティティについてプレゼンス情報テーブルに設定されている委譲条件を判定することにより、必要に応じてプレゼンスサーバ機能の委譲を決定する(S1020)。このプレゼンスサーバ機能の委譲の決定は、上述のデフォルトサーバ10におけるものと同様である。ここでは、プレゼンティティ31に関するプレゼンスサーバ機能が、サイト内サーバ20からデフォルトサーバ10へ戻されるべきことが決定されたものとする。
【0105】
サイト内サーバ20では、プレゼンスサーバ機能の委譲を決定すると、その委譲先となるデフォルトサーバ10のアドレス情報等が委譲元プレゼンスサーバ情報管理部204から取得される。このとき、サイト内サーバ20は、委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルに格納されるプレゼンティティ31に対するデフォルトプレゼンスサーバアドレスに基づいて、委譲先としてデフォルトサーバ10が特定される。サイト内サーバ20は、その委譲先として決定されたデフォルトサーバ10に対して、プレゼンスサーバ機能委譲通知を送信する(S1021)。サイト内サーバ20は、このプレゼンスサーバ機能委譲通知に対象となるプレゼンティティに関する情報(クライアント31のURI等)及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報(クライアント21のURI等)を含める。
【0106】
デフォルトサーバ10は、このプレゼンスサーバ機能委譲通知を受信すると、サイト内
プレゼンスサーバ情報テーブルからプレゼンティティ31に関する情報を削除する(S1023)。この後、デフォルトサーバ10は、これに対する応答を送信元のサイト内サーバ20へ送信する(S1024)。併せて、デフォルトサーバ10は、そのプレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれる情報に基づいて、対象となるプレゼンティティ31及びそのプレゼンティティ31に対するウォッチャ21に対しプレゼンスサーバ変更通知を送信する(S1031、S1032)。このプレゼンスサーバ変更通知には、委譲先のプレゼンスサーバとしてデフォルトサーバ10に関する情報が含まれる。
【0107】
サイト内サーバ20は、プレゼンスサーバ機能委譲通知(S1021)に対する応答(S1024)を受信すると、委譲が決定されたプレゼンティティ31に関する情報を委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルから削除する(S1025)。
【0108】
プレゼンスサーバ変更通知(S1032)を受信したウォッチャ21は、その通知に含まれる情報に基づいて、その対象となるプレゼンティティ31に関するプレゼンスサーバとして、デフォルトサーバ10に関する情報をプレゼンティティ情報管理DB306内のプレゼンティティ情報テーブルに設定する(S1034)。
【0109】
また、プレゼンスサーバ変更通知(S1031)を受信したプレゼンティティ31は、その通知に含まれる情報に基づいて、プレゼンスサーバとして、デフォルトサーバ10に関する情報を保持する(S1033)。その後、ウォッチャ21及びプレゼンティティ31は、それぞれプレセンスサーバ変更通知(S1031、S1032)に対する応答を送信する(S1035、S1036)。
【0110】
これらウォッチャ21及びプレゼンティティ31からの応答(S1035、S1036)を受信したデフォルトサーバ10は、プレゼンス情報テーブルに、当該ウォッチャ21のURI及びプレゼンティティ31のURIを設定する(S1037)。
【0111】
次に、上述のようにプレゼンスサーバ機能が委譲されているサイト内サーバ20から他のサイト内サーバ40へプレゼンスサーバ機能が委譲される場合の動作について図11A及び11Bを用いて説明する。図11A及び11Bは、サイト内サーバ20からサイト内サーバ40へのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示すシーケンス図であり、図1におけるシステム構成におけるクライアント31がプレゼンティティであり、クライアント21がそのクライアント31のプレゼンス情報を要求するウォッチャである場合の動作例を示している。
【0112】
プレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能がサイト内サーバ20へ委譲されている場合に、当該サイト内サーバ20が、プレゼンス情報テーブルに設定されている委譲条件を判定することにより、プレゼンティティ31に関するプレゼンスサーバ機能をサイト内サーバ40へ委譲することを決定する(S1101)。
【0113】
サイト内サーバ20では、プレゼンスサーバ機能の委譲を決定すると、その委譲先となるサイト内サーバ40のアドレス情報等が委譲先サーバ決定部208から取得される。更に、サイト内サーバ20は、委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルからプレゼンティティ31に対するデフォルトプレゼンスサーバアドレスを取得する。サイト内サーバ20は、取得されたデフォルトプレゼンスサーバアドレスを送信先として、委譲先として決定されたサイト内サーバ40に関する情報を含めたプレゼンスサーバ機能委譲通知を送信する(S1103)。更に、サイト内サーバ20は、このプレゼンスサーバ機能委譲通知に対象となるプレゼンティティに関する情報(クライアント31のURI等)及びそのプレゼンティティの全てのウォッチャに関する情報(クライアント21のURI等)を含める。
【0114】
デフォルトサーバ10は、このプレゼンスサーバ機能委譲通知を受信すると(S1103)、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに格納されるプレゼンティティ31に関する情報を更新する(S1105)。このとき、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルのプレゼンティティ31に関するサイト内プレゼンスサーバアドレスには、委譲先のサイト内サーバ40のアドレスが設定される。この後、デフォルトサーバ10は、これに対する応答を送信元のサイト内サーバ20へ送信する(S1107)。併せて、デフォルトサーバ10は、そのプレゼンスサーバ機能委譲通知を委譲先のサイト内サーバ40に転送する(S1115)。
【0115】
サイト内サーバ20は、プレゼンスサーバ機能委譲通知(S1103)に対する応答(S1107)を受信すると、委譲が決定されたプレゼンティティ31に関する情報を委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルから削除する(S1110)。また、サイト内サーバ20は、プレゼンス情報テーブルから委譲が決定されたプレゼンティティ31に関する情報を削除する(S1112)。
【0116】
一方、プレゼンスサーバ機能委譲通知(S1115)を受信したサイト内サーバ40は、その通知の対象となるプレゼンティティ31に関する情報を委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルに設定する。具体的には、サイト内サーバ40は、プレゼンティティ31のURI及びデフォルトプレゼンスサーバアドレスとしてデフォルトサーバ10のアドレス情報を設定する。その後、サイト内サーバ40は、そのプレゼンスサーバ機能委譲通知に対する応答を送信する(S1118)。
【0117】
サイト内サーバ40は、当該プレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれる情報に基づいて、対象となるプレゼンティティ31及びそのプレゼンティティ31に対するウォッチャ21に対しプレゼンスサーバ変更通知を送信する(S1121、S1123)。このプレゼンスサーバ変更通知には、委譲先のプレゼンスサーバとしてサイト内プレゼンスサーバ40に関する情報が含まれる。
【0118】
プレゼンスサーバ変更通知(S1123)を受信したウォッチャ21は、その通知に含まれる情報に基づいて、その対象となるプレゼンティティ31に関するプレゼンスサーバとして、サイト内サーバ40に関する情報をプレゼンティティ情報テーブルに設定する(S1125)。
【0119】
また、プレゼンスサーバ変更通知(S1121)を受信したプレゼンティティ31は、その通知に含まれる情報に基づいて、プレゼンスサーバとしてサイト内サーバ40に関する情報を保持する(S1122)。その後、ウォッチャ21及びプレゼンティティ31は、それぞれプレセンスサーバ変更通知(S1121、S1123)に対する応答を送信する(S1127、S1129)。
【0120】
これらウォッチャ21及びプレゼンティティ31からの応答(S1127、S1129)を受信したサイト内サーバ40は、プレゼンス情報テーブルに、当該ウォッチャ21のURI及びプレゼンティティ31のURIを設定する(S1130)。
【0121】
次に、上述のようにプレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能がサイト内サーバ20へ委譲されている状態において、ウォッチャ41からデフォルトサーバ10へSUBSCRIBEが送信された場合の動作について図12を用いて説明する。図12は、デフォルトプレゼンスサーバ10におけるSUBSCRIBEリダイレクト時の動作例を示すシーケンス図であり、図1におけるシステム構成におけるクライアント31がプレゼンティティであり、クライアント41がそのクライアント31のプレゼンス情報を要求するウォッチャであり、プレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能がサイト内サーバ20へ委
譲されている場合の動作例を示している。
【0122】
プレゼンティティ31のプレゼンスサーバ機能がサイト内サーバ20へ委譲されているもののウォッチャ41はそのことを知らない場合、ウォッチャ41は、デフォルトサーバ10へプレゼンティティ31のプレゼンス情報を要求するためのSUBSCRIBEを送信する(S1211)。
【0123】
デフォルトサーバ10は、このSUBSCIRBEを受信すると、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに対象となるプレゼンティティ31に関する情報が設定されているか否かを検査する(S1212)。デフォルトサーバ10は、設定されていると判断すると、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに設定されているプレゼンティティ31に関するサイト内サーバ20のアドレスを取得し、そのアドレスを含めたメッセージをウォッチャ41へ送信する(リダイレクトする)(S1213)。
【0124】
ウォッチャ41は、先に送信したSUBSCRIBE(S1211)のリダイレクトを受けると(S1213)、そのメッセージに含まれる委譲先のサイト内サーバ20へSUBSCIRBEを送信する(S1215)。
【0125】
これにより、サイト内サーバ20は、プレゼンティティ31に関するSUBSCRIBEを受付け、プレゼンス情報テーブルを更新し(S1216)、その旨の応答を行う(S1218)。
【0126】
〈第一実施形態における作用及び効果〉
ここで、上述した第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムの作用及び効果について述べる。
【0127】
本実施形態によるプレゼンス情報管理システムでは、デフォルトサーバ10からサイト内サーバ20又は40へプレゼンティティ毎にプレゼンスサーバ機能が委譲される。
【0128】
デフォルトサーバ10では、各プレゼンティティに関し、そのプレゼンス情報を要求するウォッチャの情報及び委譲条件がプレゼンス情報管理DB105に保持される。そして、この委譲条件が満たされたプレゼンティティがプレゼンスサーバ機能委譲対象として決定される。その後、委譲先として決定されたサイトのサイト内サーバに対して、委譲の対象となるプレゼンティティに関する情報及びそのウォッチャに関する情報を含めたプレゼンスサーバ機能委譲通知が送信される。
【0129】
このプレゼンスサーバ機能委譲通知が受信されたサイト内サーバでは、以降、その対象となるプレゼンティティに関するプレゼンス情報の管理が開始される。すなわち、そのプレゼンティティのプレゼンス情報がプレゼンス情報管理DB205に保持され、そのプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能が実行される。
【0130】
これにより、本実施形態によれば、例えば、所定のプレゼンティティのプレゼンス情報を要求するウォッチャが或るサイト内に集中して存在する場合にそのサイトに位置するサイト内サーバへ委譲するという委譲条件が設定されれば、そのサイト内サーバにそのプレゼンティティのプレゼンスサーバ機能を委譲することができる。
【0131】
従って、委譲先のサイトからデフォルトサーバが存在するサーバサイトまでの間のコアネットワークに流れるトラフィックであって、システム構成上削減可能なトラフィック量を削減することができる。
【0132】
更に、当該委譲されるプレゼンスサーバ機能には、プレゼンティティからのプレゼンス情報の変更通知が受信された場合にその受信されたプレゼンス情報をウォッチャへNOTIFYする機能も含まれているため、上述のプレゼンスサーバ機能の委譲が実行されたとしても、リアルタイムなプレゼンス情報通知はそのままに実現される。
【0133】
また、委譲先のサイト内サーバでは、そのプレゼンスサーバ機能委譲通知に含まれるプレゼンティティの情報及びそのウォッチャの情報に基づき、それらにプレゼンスサーバ機能変更通知が送信される。これにより、委譲された結果をそのプレゼンティティ及びそのウォッチャはそれぞれ認知することができる。
【0134】
更に、委譲先のサイト内サーバでは、委譲されたプレゼンティティに関し更に他のサイト内サーバ若しくはデフォルトサーバへの委譲が決定される。これにより、委譲条件が満たされなくなったプレゼンティティに関し、そのプレゼンスサーバ機能をデフォルトサーバへ戻すことができる。また、より適切な他のサイト内サーバへの委譲を行うことができる。
【0135】
また、当該委譲を知らないウォッチャからデフォルトサーバへSUBSCRIBEが送信された場合に、デフォルトサーバでは、各プレゼンティティに関し委譲先のサイト内サーバの情報が保持されているため、その保持されている委譲先のサイト内サーバに関する情報を含んだ応答がそのウォッチャに送信される。
【0136】
これにより、この応答を受信したウォッチャは、そのプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能が当該サイト内サーバに委譲されたことを認知することができ、そのサイト内サーバに対してSUBSCRIBEを送信することができる。
【0137】
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムについて説明する。先に説明した第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムでは、基本的にはデフォルトプレゼンスサーバ上でプレゼンスサーバ機能が動作し、デフォルトプレゼンスサーバにおいて当該プレゼンスサーバ機能の委譲が決定された場合にその委譲先として決定されたサイト内プレゼンスサーバに当該プレゼンスサーバ機能が委譲されていた。第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムは、各サイト内プレゼンスサーバがそれぞれプレゼンスサーバ機能を予め有するというものである。なお、システム構成については、図1に示す第一実施形態と同様のものとする。本実施形態におけるデフォルトサーバ10は、本発明の第1プレゼンスサーバに相当し、サイト内サーバ20及び40は、本発明の第2プレゼンスサーバに相当する。
【0138】
〔装置構成〕
以下、第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムを構成するデフォルトサーバ10、サイト内サーバ20及び40、クライアント21、22、23、31、32、41及び42の各装置構成についてそれぞれ説明する。なお、各装置のハードウェア構成はそれぞれ第一実施形態と替わるところがないため説明を省略する。
【0139】
〈デフォルトプレゼンスサーバ〉
第二実施形態におけるデフォルトサーバ10は、サイト内サーバにプレゼンス情報の管理をされていない各クライアントに対してそれぞれプレゼンスサービスを提供する。サイト内サーバにプレゼンス情報の管理をされていないクライアントとしては、例えば、サイト内サーバが存在しないサイト内のクライアントがある。図13は、第二実施形態におけるデフォルトサーバ10の機能構成を示すブロック図である。第二実施形態におけるデフォルトサーバ10の機能構成は、委譲先サーバ決定部108を持たないこと以外は、第一
実施形態のデフォルトサーバと同様である。以下、第一実施形態におけるデフォルトサーバ10とは異なる機能を有する機能部を中心に説明する。
【0140】
〈〈プレゼンス制御部〉〉
プレゼンス制御部102は、通信管理部101からプレゼンスサービス関連のメッセージを受けた場合等にプレゼンスサーバ機能を実現するべく、プレゼンス情報管理部103、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104を制御する。プレゼンス制御部102が実現する機能としては、(機能1)一般的なプレゼンスサーバ機能、(機能2)サイト内プレゼンスサーバでそのプレゼンス情報が管理されるプレゼンティティに対するSUBSCRIBEが受信された場合に、そのSUBSCRIBEをそのプレゼンティティを管理するサイト内プレゼンスサーバにリダイレクトするように送信元へ通知する機能、がある。
【0141】
この(機能1)として、プレゼンス制御部102は、自装置がプレゼンス情報を管理するプレゼンティティのウォッチャに対してそのプレゼンス情報を提供する。具体的には、プレゼンス制御部102は、ウォッチャからのSUBSCRIBEを受けると、その送信元となるウォッチャに関する情報、そのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティに関する情報をそのメッセージ中から取得し、そのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティのプレゼンス情報を自装置が管理しているか否かをサイト内プレゼンスサーバ情報管理部104に判定させる。プレゼンス制御部102は、当該プレゼンティティのプレゼンス情報が自装置で管理されている場合には、SUBSCRIBEから取得された情報をプレゼンス情報管理部103に渡す。そして、プレゼンス制御部102は、対象となるプレゼンティティのプレゼンス情報をそのSUBSCRIBEの送信元のウォッチャへ通知(NOTIFY)するように通信管理部101へ指示する。
【0142】
また、プレゼンス制御部102は、自装置が管理するプレゼンティティからのプレゼンス変更通知を受けると、当該プレゼンス情報を保持するようにプレゼンス情報管理部103へ指示し、併せて、そのプレゼンティティに関するウォッチャへその変更されたプレゼンス情報を送信するように通信管理部101へ指示する。プレゼンス制御部102は、このような(機能1)を実現するために、所定の各プレゼンティティに関するウォッチャの数及び位置情報等を保持、管理するようにプレゼンス情報管理部103に指示する。
【0143】
プレゼンス制御部102は、上記(機能2)を実現するために、自装置がプレゼンス情報を管理していないプレゼンティティに対してのSUBSCRIBEを受信した場合には、そのSUBSCRIBEの送信元のウォッチャに対してそのプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するサイト内プレゼンスサーバを通知(リダイレクト)するように通信管理部101に指示する。このとき、プレゼンス制御部102は、対象となるプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能を持つサイト内プレゼンスサーバがあるか否か及びそのサイト内プレゼンスサーバのURIについて、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104から情報を得る。
【0144】
〈〈プレゼンス情報管理部〉〉
プレゼンス情報管理部103は、上述のようにプレゼンス制御部102から渡される、自装置でプレゼンス情報を管理する各プレゼンティティに関する情報をそれぞれ管理する。管理される各プレゼンティティに関するプレゼンス情報、及びSUBSCRIBEしているウォッチャに関する情報は、プレゼンス情報管理データベース(DB)155に保持される。
【0145】
図14は、第二実施形態におけるプレゼンス情報管理DB155内のプレゼンス情報テーブルを示す図である。第二実施形態におけるプレゼンス情報テーブルは、第一実施形態のプレゼンス情報テーブルの委譲条件フィールドがないものである。このプレゼンス情報
テーブルには、デフォルトサーバ10によりプレゼンス情報が管理されるプレゼンティティに関する情報が保持される。
【0146】
〈〈サイト内プレゼンスサーバ情報管理部〉〉
サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104は、サイト内サーバによりプレゼンス情報が管理されるプレゼンティティに関し、そのプレゼンティティとそのサイト内サーバに関する情報を管理する。これらの情報は、サイト内プレゼンスサーバ情報管理データベース(DB)106に保持される。このサイト内プレゼンスサーバ情報管理DB106に保持される情報(サイト内プレゼンスサーバ情報テーブル)については、第一実施形態と同様である。なお、サイト内プレゼンスサーバ情報管理部104は、本発明の保持手段に相当する。
【0147】
〈サイト内プレゼンスサーバ〉
第二実施形態におけるサイト内サーバ20及び40は、同一サイト内若しくは所定のサイト内のプレゼンティティに関するプレゼンスサービスを各クライアントに提供する。なお、サイト内サーバ20及び40は、それぞれ同様の機能を有する装置であるため、以下の説明では、区別する必要がある場合を除いて符号を省略して記載するものとする。
【0148】
第二実施形態におけるサイト内サーバは、サイト内プレゼンスサーバ機能として図15に示す機能構成を持つ。図15は、第二実施形態におけるサイト内プレゼンスサーバの機能構成を示すブロック図である。サイト内サーバは、通信管理部201、プレゼンス制御部202(本発明の開始通知手段に相当する)、プレゼンス情報管理部203(本発明の管理手段に相当する)、デフォルトプレゼンスサーバ情報管理部254等を持つ。以下、これら各機能部について第一実施形とは異なる機能を有する機能部を中心にそれぞれ説明する。
【0149】
〈〈通信管理部〉〉
通信管理部201は、自装置(サイト内サーバ)によりプレゼンス情報が管理されるプレゼンティティに関するプレゼンスサービス関連メッセージを受信すると、その受信されたメッセージをプレゼンス制御部202に渡す。また、通信管理部201は、プレゼンス制御部202から渡されるプレゼンスサービス関連メッセージを送信する。
【0150】
〈〈プレゼンス制御部〉〉
プレゼンス制御部202は、自装置でプレゼンス情報を管理するプレゼンティティに関してサイト内プレゼンスサーバ機能を実現するべく、プレゼンス情報管理部203及びデフォルトプレゼンスサーバ情報管理部254を制御する。プレゼンス制御部202が実現する機能としては、(機能1)一般的なプレゼンスサーバ機能、(機能2)プレゼンス情報を管理するべきクライアント(プレゼンティティ)を登録する機能、(機能3)デフォルトプレゼンスサーバへ自装置がプレゼンス情報を管理するプレゼンティティに関する情報を通知する機能、がある。
【0151】
この(機能1)として、プレゼンス制御部202は、自装置がプレゼンス情報を管理するプレゼンティティに関し、ウォッチャからのSUBSCRIBEを受けると、その送信元となるウォッチャに関する情報、そのプレゼンティティに関する情報をプレゼンス情報管理部203に渡す。一方で、プレゼンス制御部202は、そのプレゼンティティのプレゼンス情報をその送信元のウォッチャへ送信(NOTIFY)するように通信管理部201へ指示する。また、プレゼンス制御部202は、自装置がプレゼンス情報を管理するプレゼンティティからのプレゼンス変更通知を受けると、当該プレゼンス情報を保持するようにプレゼンス情報管理部203へ指示し、併せて、そのプレゼンティティに関するウォッチャへその変更されたプレゼンス情報を通知(NOTIFY)するように通信管理部2
01へ指示する。
【0152】
プレゼンス制御部202は、このような(機能1)を実現するために、自装置でプレゼンス情報を管理する各プレゼンティティに関し、ウォッチャの数及び位置情報等を保持するようにプレゼンス情報管理部203に指示する。また、プレゼンス制御部202は、自装置がプレゼンス情報を管理するプレゼンティティか否かを判断する必要がある場合には、プレゼンス情報管理部203から情報を得る。
【0153】
また、プレゼンス制御部202は、上記(機能2)を実現するために、クライアント(プレゼンティティ)からのプレゼンスサービス利用登録要求を受けると、当該クライアントに関する情報をプレゼンス情報管理部203に渡す。これにより、当該プレゼンティティに関する情報がプレゼンス情報管理DB255に登録される。これにより、以降、当該プレゼンティティは、このサイト内サーバによりプレゼンス情報が管理されることになる。
【0154】
また、上記(機能3)を実現するために、プレゼンス制御部202は、クライアントからのプレゼンスサービス利用登録要求を受けた際に、当該クライアント(プレゼンティティ)に関するプレゼンス情報が自装置で管理されることになる旨をデフォルトサーバ10へ通知するように通信管理部201に指示する。併せて、プレゼンス制御部202は、そのクライアントに対するデフォルトサーバの情報を管理するようにデフォルトプレゼンスサーバ情報管理部254に指示する。
【0155】
〈〈プレゼンス情報管理部〉〉
プレゼンス情報管理部203は、上述のようにプレゼンス制御部202から渡される、自装置がプレゼンス情報を管理すべき各プレゼンティティに関するプレゼンス情報及びSUBSCRIBEしているウォッチャに関する情報を管理する。これらの情報は、プレゼンス情報管理データベース(DB)255に保持される。プレゼンス情報管理DB255に保持される情報等は、デフォルトサーバ10のプレゼンス情報管理DB155と同様であるため、説明を省略する。
【0156】
〈〈デフォルトプレゼンスサーバ情報管理部〉〉
デフォルトプレゼンスサーバ情報管理部254は、自装置がプレゼンス情報を管理するプレゼンティティのデフォルトプレゼンスサーバに関する情報を管理する。このデフォルトプレゼンスサーバに関する情報は、デフォルトプレゼンスサーバ情報管理データベース(DB)256に保持される。このデフォルトプレゼンスサーバ情報管理DB256内には、デフォルトプレゼンスサーバ情報テーブルが保持される。このデフォルトプレゼンスサーバ情報テーブルに保持される情報は、図6に示される第一実施形態の委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルの情報と同様である。すなわち、デフォルトプレゼンスサーバ情報テーブルには、各プレゼンティティに関し、そのデフォルトプレゼンスサーバに関する情報がそれぞれ保持される。
【0157】
〈クライアント(ウォッチャ及びプレゼンティティ)〉
第二実施形態におけるクライアント21、22、23、31、32、41及び42は、プレゼンスサービスの提供を受けるクライアント装置であり、それぞれウォッチャ及びプレゼンティティのいずれにもなり得る装置である。なお、第二実施形態においても、クライアント21、22、23、31、32、41及び42は、それぞれ同様の機能を有する装置であるため、以下の説明では、区別する必要がある場合を除いて符号を省略して記載するものとする。これら第二実施形態におけるクライアントは、図7に示す第一実施形態と同様の機能構成を持つ。以下、これら各機能部について第一実施形態と異なる機能を有する機能部を中心にそれぞれ説明する。
【0158】
〈〈プレゼンス制御部〉〉
プレゼンス制御部302は、第一実施形態の(機能3)プレゼンスサーバの変更を認識する機能に替えて、(機能3)自装置がプレゼンティティである場合にデフォルトサーバ10、サイト内サーバ20及び40のいずれのサーバに自装置のプレゼンス情報を管理させるかという情報を保持する機能を有し、それ以外は、第一実施形態と同様である。なお、プレゼンス制御部302は、本発明の要求送信手段に相当する。
【0159】
この新たな(機能3)として、プレゼンス制御部302は、プレゼンスサーバ情報管理部308からデフォルトサーバ10、サイト内サーバ20及び40のいずれのサーバに自装置のプレゼンス情報を管理させるかという情報を得て、その所定のサーバに対しプレゼンスサービス利用登録要求を送信するように通信管理部301へ指示する。
【0160】
〈〈プレゼンスサーバ情報管理部〉〉
プレゼンスサーバ情報管理部308は、デフォルトサーバ10、サイト内サーバ20及び40のいずれのサーバに自装置のプレゼンス情報を管理させるかという情報を管理する。プレゼンスサーバ情報管理部308は、通常、デフォルトサーバ10をプレゼンスサーバとしてそのデフォルトサーバ10に関する情報を管理するが、例えば同一サイト内にサイト内プレゼンスサーバが存在する場合等にはそのサイト内プレゼンスサーバをプレゼンスサーバとしてそれに関する情報を管理する。
【0161】
〔動作例〕
以下に、第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムの動作例について図16及び17を用いて説明する。
【0162】
まず、プレゼンティティとなるクライアントが自己のプレゼンス情報の提供を開始する際の動作について図16を用いて説明する。図16は、プレゼンスサービス利用登録要求時の動作例を示すシーケンス図である。
【0163】
プレゼンティティとなるクライアント41は、プレゼンス情報の提供を開始するにあたり、プレゼンスサーバ情報管理部308で管理されるサーバとしてのサイト内サーバ40にプレゼンスサービス利用登録要求を送信する(S1601)。
【0164】
このプレゼンスサービス利用登録要求を受信したサイト内サーバ40は、送信元となるクライアント41に関するURI等の情報をプレゼンス情報テーブルに登録する(S1603)。これにより、以降、プレゼンティティ41は、このサイト内サーバ40によりプレゼンス情報が管理されることになる。その後、サイト内サーバ40は、登録済みを示す応答をクライアント41に送信する(S1605)。
【0165】
更に、サイト内サーバ40は、当該クライアント41に関するプレゼンス情報がサイト内サーバ40で管理されることになる旨のプレゼンティティ情報通知をデフォルトサーバ10へ送信する(S1607)。
【0166】
デフォルトサーバ10は、このプレゼンティティ情報通知を受けると、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルにプレゼンティティ41のURI及びそのプレゼンスサーバとしてサイト内サーバ40のアドレスを登録する(S1608)。その後、デフォルトサーバ10は、その登録済みを示す応答をサイト内サーバ40へ送信する(S1609)。
【0167】
サイト内サーバ40は、この応答を受け、デフォルトプレゼンスサーバ情報テーブルに、このデフォルトサーバ10に関する情報とプレゼンティティ41に関する情報を登録す
る(S1610)。
【0168】
次に、上述のようにプレゼンティティ41に関する情報がサイト内サーバ40及びデフォルトサーバ10に登録された後に、プレゼンティティ41とは異なるサイトのウォッチャ23からそのプレゼンティティ41に対するSUBSCRIBEが送信された場合の動作について図17を用いて説明する。図17は、第二実施形態におけるSUBSCRIBEのリダイレクト動作例を示すシーケンス図である。
【0169】
サイト2内のクライアント23がサイト4内のクライアント41のプレゼンス情報を要求する場合には、クライアント(ウォッチャ)23は、デフォルトサーバ10へ、クライアント(プレゼンティティ)41に関するSUBSCRIBEを送信する(S1711)。
【0170】
デフォルトサーバ10は、このSUBSCRIBEを受信すると、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに対象となるプレゼンティティ41に関する情報が設定されているか否かを検査する(S1712)。デフォルトサーバ10は、設定されていると判断すると、サイト内プレゼンスサーバ情報テーブルに設定されているプレゼンティティ41に関するサイト内サーバ40のアドレスを取得し、そのアドレスを含めたメッセージをウォッチャ23へ送信する(S1713)。
【0171】
ウォッチャ23は、先に送信したSUBSCRIBE(S1711)のリダイレクトを受けると(S1713)、そのメッセージに含まれるサイト内サーバ40へSUBSCIRBEを再送する(S1715)。
【0172】
これにより、サイト内サーバ40は、プレゼンティティ41に関するSUBSCRIBEを受付け、プレゼンス情報テーブルを更新し(S1216)、その旨の応答を行う(S1718)。これにより、以降、ウォッチャ23は、サイト内サーバ40からプレゼンティティ41のプレゼンス情報を受けることができるようになる。
【0173】
〈第二実施形態における作用及び効果〉
ここで、上述した第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムの作用及び効果について述べる。
【0174】
本実施形態によるプレゼンス情報管理システムでは、予め、各サイト内プレゼンスサーバがそれぞれプレゼンスサーバ機能を有している。各サイト内サーバは、例えば、同一サイト内のプレゼンティティに関するプレゼンスサーバとして動作する。
【0175】
プレゼンティティとなるクライアント41は、プレゼンス情報の提供を開始するにあたり、自身を管理するサイト内サーバ40にプレゼンスサービス利用登録要求を送信する。このプレゼンスサービス利用登録要求が受信されたサイト内サーバ40では、以降、このプレゼンティティ41のプレゼンス情報が管理される。
【0176】
これにより、プレゼンティティにより予め自身のプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバがいずれのサーバであるのかが保持され、その保持されている情報に基づきプレゼンスサービス利用登録要求が所定のプレゼンスサーバに送信されれば、そのプレゼンスサーバはそのプレゼンスサービス利用登録要求をトリガとしてそのプレゼンティティに関するプレゼンスサーバ機能の実行を開始することができる。
【0177】
従って、プレゼンスサーバ機能の委譲をすることなく、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0178】
また、プレゼンスサービス利用登録要求が受信されたサイト内サーバ40では、そのプレゼンスサービス利用登録要求の送信元となるプレゼンティティのプレゼンス情報を自身が管理する旨がデフォルトサーバ10へ通知される。
【0179】
これにより、第一実施形態と同様に、各プレゼンティティのプレゼンスサーバの所在を知らないウォッチャであっても、デフォルトサーバからのSUBSCRIBEのリダイレクトを受けることで、そのプレゼンティティのプレゼンスサーバに関する情報を認知することができる。
【0180】
[第三実施形態]
以下、上述の本発明の第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムについて説明する。先に説明した第一実施形態及び第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムでは、プレゼンスサーバ機能が委譲された或いは予めプレゼンスサーバ機能を有しているサイト内サーバが、委譲されたプレゼンティティに関するプレゼンス情報を各ウォッチャに対して送信(NOTIFY)していた。
【0181】
第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムは、第一実施形態若しくは第二実施形態におけるプレゼンス情報管理システムに新たな機能を付加したものである。この付加機能は、プレゼンスサーバ機能を有するサイト内サーバが他のサイトの複数ウォッチャに対してNOTIFYを送信する際、一括で送信することができるというものである。
【0182】
〔装置構成〕
以下、第三実施形態における付加機能について説明する。当該付加機能は、システム構成を限定するものではない。以下には、当該付加機能を実現するにあたり、第一実施形態及び第二実施形態における各装置に付加されるべき機能について説明するものとする。
【0183】
〈デフォルトプレゼンスサーバ〉
デフォルトサーバ10は、本実施形態における付加機能を実現するために、特別な機能を持つ必要はない。本付加機能に関連する事項としては、以下に述べる代表SUBSCRIBE若しくは拡張SUBSCRIBEが送信されてきた場合においても通常のSUBSCRIBEが送信されてきた場合と同様に、リダイレクトが必要と判断されればリダイレクトが行われる。
【0184】
〈サイト内プレゼンスサーバ〉
第三実施形態におけるサイト内サーバは、同一サイト内の複数のウォッチャへ提供されるプレゼンス情報を管理する場合(ウォッチャ収容サーバとして動作する場合)とプレゼンティティのプレゼンス情報を管理する場合(プレゼンティティ収容サーバとして動作する場合)とで区別して考える必要がある。第一実施形態及び第二実施形態におけるサイト内サーバは、このうち、プレゼンティティ収容サーバに関するものであった。第三実施形態におけるサイト内サーバは、第一実施形態及び第二実施形態におけるプレゼンティティ収容サーバに関する機能と新たに付加されるウォッチャ収容サーバに関する機能とを持つ。
【0185】
例えば、図1に示すシステム構成において、クライアント41及び42がプレゼンティティ21のプレゼンス情報を要求するウォッチャである場合、サイト内サーバ40はウォッチャ収容サーバとして動作し、サイト内サーバ20はプレゼンティティ収容サーバとして動作する。一方、クライアント21、22及び23がプレゼンティティ41のプレゼンス情報を要求するウォッチャである場合には、サイト内サーバ40はプレゼンティティ収容サーバとして動作し、サイト内サーバ20はウォッチャ収容サーバとして動作する。な
お、当該プレゼンティティ収容サーバに関する機能は、第一実施形態及び第二実施形態で説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。以下、本実施形態における付加機能を実現するためのウォッチャ収容サーバに関する機能について説明する。
【0186】
図18は、第三実施形態におけるサイト内プレゼンスサーバの機能構成を示すブロック図である。第三実施形態におけるサイト内サーバは、通信管理部201(本発明の要求受信手段に相当する)、プレゼンティティ収容サーバ機能部299の詳細は、ウォッチャ収容サーバ機能部270(本発明の転送手段、送信手段に相当する)とから構成される。プレゼンティティ収容サーバ機能部299は、第一実施形態及び第二実施形態におけるサイト内サーバの機能と同様であるため図18中からは省略されている。通信管理部201は、他の装置から受信されたメッセージをプレゼンティティ収容サーバ機能部299に関するものとウォッチャ収容サーバ機能部270に関するものとに振り分ける機能を更に持つ。
【0187】
以下、ウォッチャ収容サーバ機能部270について説明する。ウォッチャ収容サーバ機能部270は、ウォッチャ制御部271、ウォッチャ情報管理部272、プレゼンスサーバ情報管理部273、ウォッチャ情報管理データベース(DB)275、プレゼンスサーバ情報管理データベース(DB)276等を有する。
【0188】
〈〈ウォッチャ制御部〉〉
ウォッチャ制御部271は、同一サイト内のクライアント(ウォッチャ)に対して提供されるプレゼンス情報を管理するべく、ウォッチャ情報管理部272及びプレゼンスサーバ情報管理部273を制御する。ウォッチャ制御部271が実現する機能としては、(機能1)代表SUBSCRIBEを送信する機能、(機能2)拡張SUBSCRIBEを送信する機能、(機能3)プレゼンスサーバから代表URIに対する一括NOTIFYを受信した場合にそのNOTIFYを対象となる複数のウォッチャに対して通知する機能、がある。
【0189】
(機能1)として、ウォッチャ制御部271は、同一サイト内のウォッチャからSUBSCRIBEを受けると、その対象となるプレゼンティティに関する情報及びその送信元となるウォッチャに関する情報をウォッチャ情報管理部272に渡す。そして、ウォッチャ制御部271は、ウォッチャ情報管理部272からそのSUBSCRIBEに対応する代表URIを受け、更にプレゼンスサーバ情報管理部273からその対象となるプレゼンティティのプレゼンスサーバのアドレス情報を受ける。ウォッチャ制御部271は、これらの情報に基づき、その対象となるプレゼンティティのプレゼンスサーバに対して、当該代表URIを含めた代表SUBSCRIBEを送信するように通信管理部201に指示する。
【0190】
代表SUBSCRIBEは、通常のSUBSCRIBEとは区別される。これらは、メッセージ種別情報により区別されるようにしてもよいし、そのメッセージに含まれる情報に基づいて区別されるようにしてもよい。代表SUBSCRIBEには、通常SUBSCRIBEと異なり、代表URIが含まれる。
【0191】
また、ウォッチャ制御部271は、上記(機能2)を実現するために、同一サイト内のウォッチャから既に送信された代表SUBSCRIBEと同一プレゼンティティに関するSUBSCRIBEを受けると、この送信元のウォッチャURIと代表URIを含めた拡張SUBSCRIBEをプレゼンスサーバに対して送信するように通信管理部201に指示する。このとき、ウォッチャ制御部271は、受信されたSUBSCRIBEが先に送信された代表SUBSCRIBEと同一プレゼンティティに関するものであるか否かをウォッチャ情報管理部272に判断させ、そのプレゼンティティのプレゼンスサーバに関す
る情報をプレゼンスサーバ情報管理部273から取得する。
【0192】
この拡張SUBSCRIBEは、通常のSUBSCRIBE及び代表SUBSCRIBEと区別される。拡張SUBSCRIBEには、送信元のウォッチャURIが含まれる。なお、拡張SUBSCRIBE及び代表SUBSCRIBEをそれぞれ同一メッセージとするようにしてもよい。この場合には、両メッセージには、それぞれ代表URI及び送信元となるウォッチャURIが含まれればよい。
【0193】
また、ウォッチャ制御部271は、代表SUBSCRIBE及び拡張SUBSCRIBEに対して拒否の応答があった場合には、その旨をウォッチャ情報管理部272に渡す。これにより、ウォッチャ情報管理部272は、その拒否されたウォッチャについては、NOTIFYが送信されないように動作する。
【0194】
また、上記(機能3)を実現するために、ウォッチャ制御部271は、プレゼンスサーバからの代表URI宛にNOTIFYを受信した場合に、そのNOTIFYを要求する同一サイト内の全てのウォッチャに対して、当該NOTIFYを送信するように通信管理部201に指示する。このとき、ウォッチャ制御部271は、当該NOTIFYを送信すべき全てのウォッチャに関する情報をウォッチャ情報管理部272から得る。
【0195】
〈〈ウォッチャ情報管理部〉〉
ウォッチャ情報管理部272は、上述のようにウォッチャ制御部271から渡される、受信されたSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティに関する情報(URI)及びその送信元となるウォッチャに関する情報(URI)を管理する。これらの情報は、ウォッチャ情報管理DB275に保持される。
【0196】
また、ウォッチャ情報管理部272は、ウォッチャ制御部271から上述のような情報を受けると、同一プレゼンティティに対してSUBSCRIBEする同一サイト内のウォッチャを統括するための代表URIを生成する。代表URIとしては、例えば、ドメイン部を自装置のドメインアドレスとし、それ以外の部分をユニークなIDとなるように独自に生成される。ウォッチャ情報管理部272は、ウォッチャ情報管理DB275に登録されていないプレゼンティティに関するSUBSCRIBEを受けた場合に、代表URIを生成する。この代表URIについても、ウォッチャ情報管理DB275に保持される。
【0197】
図19は、ウォッチャ情報管理DB275内のウォッチャ情報テーブルを示す図である。ウォッチャ情報テーブルには、各プレゼンティティに対して、そのウォッチャURIのリスト及び代表URIが登録される。図19に示される例では、プレゼンティティ41(URIがclient41@***.com)をSUBSCRIBEするウォッチャとして、クライアント21、22及び23(client21@***.com, client22@***.com, client23@***.com)が登録され、それらを統括する代表URI(tmp1@serv20.com)が登録されている。例えば、こ
の代表URIのうち「serv20.com」がサイト内サーバ20のドメインアドレスを示し、「tmp1」が自動生成されるIDとなるようにしてもよい。
【0198】
ウォッチャ情報管理部272は、ウォッチャ情報テーブルに既に登録されたプレゼンティティに関してのSUBSCRIBEを受けた場合には、その送信元となるウォッチャをこのウォッチャ情報テーブルに追加し、それに関して生成されている代表URIをウォッチャ制御部271に返す。
【0199】
また、ウォッチャ情報管理部272は、送信された代表SUBSCRIBE及び拡張SUBSCRIBEに対しプレゼンスサーバから拒否応答があった場合には、ウォッチャ情報テーブルのリストからそのウォッチャに関する情報を削除する。
【0200】
〈〈プレゼンスサーバ情報管理部〉〉
プレゼンスサーバ情報管理部273は、各プレゼンティティに関するプレゼンスサーバを管理する。この情報は、プレゼンスサーバ情報管理DB276に保持される。なお、このプレゼンスサーバ情報管理DB276内のプレゼンスサーバ情報テーブルは、各プレゼンティティに関し、そのプレゼンスサーバに関する情報がそれぞれ保持される。
【0201】
〈クライアント(ウォッチャ及びプレゼンティティ)〉
クライアントは、本実施形態における付加機能を実現するために、特別な機能を持つ必要はない。本付加機能に関連する事項としては、本実施形態におけるクライアントは、ウォッチャとして動作する場合に、自装置のウォッチャ収容サーバとして動作するサイト内サーバのアドレスを保持する必要がある。クライアントは、保持されるサイト内サーバに対して、SUBSCRIBEを送信する。
【0202】
〔動作例〕
以下に、第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムの動作例について図20A、20B及び20Cを用いて説明する。図20A、20B及び20Cは、第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのSUBSCRIBE時の動作例を示すシーケンス図である。図20A、20B及び20Cは、図1に示すシステム構成において、クライアント41及び42がクライアント21のプレゼンス情報を要求するウォッチャである場合の動作例を示している。この場合、サイト内サーバ40は、当該ウォッチャ41及び42のウォッチャ収容サーバとして動作し、サイト内サーバ20は、当該プレゼンティティ21のプレゼンティティ収容サーバとして動作する。
【0203】
ウォッチャ41は、自装置のウォッチャ収容サーバとして動作するサイト内サーバ40のアドレス情報をデータベース等から取得し、そのサイト内サーバ(ウォッチャ収容サーバ)40に対してプレゼンティティ21に関するSUBSCRIBEを送信する(S2001)。
【0204】
ウォッチャ収容サーバ40は、このSUBSCRIBEを受信すると、ウォッチャ情報テーブルからこのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティ21に関する情報を検索する(S2002)。ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンティティ21に関する情報がないと判断すると、当該ウォッチャ情報テーブルにそのプレゼンティティ21に関するレコードを追加し、併せて、そのプレゼンティティ21に対応する代表URIを生成する(S2003)。このプレゼンティティ21のURI、ウォッチャ41のURI及び代表URIがそれぞれウォッチャ情報テーブルに登録される。
【0205】
ウォッチャ収容サーバ40は、このプレゼンティティ21のプレゼンスサーバのアドレス情報をプレゼンスサーバ情報テーブルから取得する(S2004)。ここでは、プレゼンティティ21のプレゼンスサーバとして、デフォルトサーバ10のアドレス情報が取得されたことと仮定する。ウォッチャ収容サーバ40は、代表URIを含めた代表SUBSCRIBEをデフォルトサーバ10に送信する(S2005)。
【0206】
デフォルトサーバ10は、代表SUBSCRIBEを受けると、第一実施形態及び第二実施形態における機能により、その対象となるプレゼンティティ21のプレゼンスサーバがサイト内サーバ20であると検知する。デフォルトサーバ10は、その旨のリダイレクト応答を送信元のウォッチャ収容サーバ40に対して送信する(S2006)。
【0207】
ウォッチャ収容サーバ40は、このリダイレクト応答を受けると、プレゼンスサーバ情報テーブル中のプレゼンティティ21に関するプレゼンスサーバ情報を更新する。すなわ
ち、プレゼンティティ21のプレゼンスサーバとしてサイト内サーバ20が登録される。続いて、ウォッチャ収容サーバ40は、このサイト内サーバ(プレゼンティティ収容サーバ)20に対して、代表SUBSCRIBEを送信する(S2007)。
【0208】
プレゼンティティ収容サーバ20は、この代表SUBSCRIBEを受けると、プレゼンス情報テーブルにプレゼンティティ21に関するウォッチャとして代表URIを登録する(S2008)。プレゼンティティ収容サーバ20は、登録が完了した旨の応答をその代表SUBSCRIBEの送信元のウォッチャ収容サーバ40に送信する(S2009)。
【0209】
ウォッチャ収容サーバ40は、この応答を受けると、そのSUBSCRIBEの送信元であるウォッチャ41のURIを含めた拡張SUBSCRIBEを送信する(S2010)。
【0210】
プレゼンティティ収容サーバ20は、この拡張SUBSCRIBEを受信すると、ウォッチャ41がそのプレゼンティティ21のプレゼンス情報の提供を受け得るウォッチャであるかどうかを検査する。例えば、プレゼンティティ21がウォッチャ41に対してプレゼンス情報の提供を許可しているか否かを検査する。プレゼンティティ収容サーバ20は、プレゼンス情報の提供を受け得るウォッチャであると判断すると、その旨の応答(例えば、200OK)を拡張SUBSCRIBEの送信元となるウォッチャ収容サーバ40に対して送信する(S2011)。
【0211】
ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンス情報の提供を受け得る旨の応答を受信すると、ウォッチャ情報テーブルのプレゼンティティ21に関するレコードを確定する(S2012)。一方、ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンス情報の提供を拒否する旨の応答を受信した場合には、ウォッチャ情報テーブルの先に登録されたプレゼンティティ21に関するウォッチャ41の情報を削除する(S2012)。ウォッチャ収容サーバ40は、これらいずれかの応答をウォッチャ41に送信する(S2013)。
【0212】
この状態では、ウォッチャ収容サーバ40のウォッチャ情報テーブルのプレゼンティティ21に関するレコードには、ウォッチャ41のURIが登録されている。この場合に、プレゼンティティ収容サーバ20は、プレゼンティティ21からのプレゼンス情報変更通知を受けると、プレゼンス情報テーブルにウォッチャとして登録されている代表URIに対し、NOTIFYを送信する(S2015)。
【0213】
ウォッチャ収容サーバ40は、この代表URIに対するNOTIFYを受信すると、ウォッチャ情報テーブルを検索することにより、そのNOTIFYを送信すべきウォッチャのリストを取得する。ここでは、ウォッチャ収容サーバ40は、ウォッチャ41のURIを得る。これにより、ウォッチャ収容サーバ40は、そのウォッチャ41に対してこのNOTIFYを転送する(S2017)。
【0214】
続いて、ウォッチャ42がプレゼンティティ21に関するSUBSCRIBEをウォッチャ収容サーバ40に対して送信する(S2020)。
【0215】
ウォッチャ収容サーバ40は、このSUBSCRIBEを受信すると、ウォッチャ情報テーブルからこのSUBSCRIBEの対象となるプレゼンティティ21に関する情報を検索する(S2021)。ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンティティ21に関する情報が既に登録されていると判断すると、当該ウォッチャ情報テーブルのプレゼンティティ21に関するレコードにウォッチャ42のURIを登録する。
【0216】
ウォッチャ収容サーバ40は、このプレゼンティティ21のプレゼンスサーバのアドレス情報をプレゼンスサーバ情報テーブルから取得する(S2022)。ここでは、プレゼンティティ21のプレゼンスサーバとして既にサイト内サーバ20のアドレス情報がプレゼンスサーバ情報テーブルに登録されているため、ウォッチャ収容サーバ40はこのサイト内サーバ40のアドレスを取得する。
【0217】
ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンティティ21に関する代表URIが既に登録されていることから、ウォッチャ42のURIを含めた拡張SUBSCRIBEを当該プレゼンティティ収容サーバ20に送信する(S2023)。
【0218】
プレゼンティティ収容サーバ20は、この拡張SUBSCRIBEを受信すると、ウォッチャ42がそのプレゼンティティ21のプレゼンス情報の提供を受け得るウォッチャであるかどうかを検査する。例えば、プレゼンティティ21がウォッチャ41に対してプレゼンス情報の提供を許可しているか否かを検査する。プレゼンティティ収容サーバ20は、プレゼンス情報の提供を受け得るウォッチャであると判断すると、その旨の応答(例えば、200OK)を拡張SUBSCRIBEの送信元となるウォッチャ収容サーバ40に対して送信する(S2024)。
【0219】
ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンス情報の提供を受け得る旨の応答を受信すると、ウォッチャ情報テーブルのプレゼンティティ21に関するウォッチャ42の情報を確定させる(S2025)。一方、ウォッチャ収容サーバ40は、プレゼンス情報の提供を拒否する旨の応答を受信した場合には、ウォッチャ情報テーブルの先に登録されたプレゼンティティ21に関するウォッチャ42の情報を削除する(S2025)。ウォッチャ収容サーバ40は、これらいずれかの応答をウォッチャ42に送信する(S2026)。
【0220】
この状態では、ウォッチャ収容サーバ40のウォッチャ情報テーブルのプレゼンティティ21に関するレコードには、ウォッチャ41及びウォッチャ42のURIが登録されている。この場合に、プレゼンティティ収容サーバ20は、プレゼンティティ21からのプレゼンス情報変更通知を受けると、プレゼンス情報テーブルにウォッチャとして登録されている代表URIに対し、NOTIFYを送信する(S2027)。
【0221】
ウォッチャ収容サーバ40は、この代表URIに対するNOTIFYを受信すると、ウォッチャ情報テーブルを検索することにより、そのNOTIFYを送信すべきウォッチャのリストを取得する(S2028)。ここでは、ウォッチャ収容サーバ40は、ウォッチャ41及びウォッチャ42のURIを得る。これにより、ウォッチャ収容サーバ40は、ウォッチャ41及びウォッチャ42に対してこのNOTIFYをそれぞれ転送する(S2029、S2030)。
【0222】
〈第三実施形態における作用及び効果〉
ここで、上述した第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムの作用及び効果について述べる。
【0223】
第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムでは、ウォッチャ収容サーバが収容するウォッチャからの同一のプレゼンティティに関するSUBSCRIBEを受けると、それらのウォッチャに対応する代表URIを含んだ代表SUBSCRIBEがデフォルトサーバ若しくはプレゼンティティ収容サーバ(プレゼンスサーバ)へ送信される。
【0224】
この代表SUBSCRIBEを受けたプレゼンスサーバでは、以降、それの対象となるプレゼンティティからのプレゼンス情報変更通知を受けると、その代表URIを含んだNOTIFYが当該ウォッチャ収容サーバに対して送信される(一括NOTIFYされる)

【0225】
この一括NOTIFYを受けたウォッチャ収容サーバでは、その代表URIに対応するウォッチャリストが保持されており、そのウォッチャリストに含まれる実際の要求元のウォッチャに対してそれぞれNOTIFYが送信される。
【0226】
これにより、プレゼンスサーバとウォッチャ収容サーバとの間のNOTIFYメッセージ数を削減することができる。また、これは、プレゼンス情報が変更されたプレゼンティティからのプレゼンス情報変更通知に対して送信されるものであるため、ウォッチャは、リアルタイムにプレゼンス情報の変更を知ることができる。
【0227】
[その他]
本実施形態は次の発明を開示する。各項に開示される発明は、必要に応じて可能な限り組み合わせることができる。
【0228】
(付記1)
複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバ装置において、
前記複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知をそのプレゼンス情報管理機能の委譲先となる他の装置へ送信する委譲手段、
を備えるプレゼンスサーバ装置。(1)
(付記2)
前記各プレゼンティティに関し、プレゼンス開示を要求するウォッチャの情報及び委譲条件をそれぞれ保持する保持手段と、
前記保持手段により保持される情報に基づいて、前記プレゼンス情報管理機能が委譲されるプレゼンティティ及び委譲先となる他の装置を決定する決定手段と、
を更に備える付記1に記載のプレゼンスサーバ装置。(2)
(付記3)
前記プレゼンス情報管理機能が委譲されたプレゼンティティ及び委譲先となる他の装置に関する情報を保持する委譲先保持手段と、
前記委譲されたプレゼンティティに関するプレゼンス開示要求を受信した場合に、前記委譲先保持手段に保持される情報に基づいて、そのプレゼンス開示要求を送信したウォッチャに対し、委譲先となる他の装置に関する情報を送信する送信手段と、
を更に備える付記1に記載のプレゼンスサーバ装置。(3)
(付記4)
プレゼンティティのプレゼンス情報を管理する管理手段と、
複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバから当該複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティについて前記管理手段が実行されるように制御する制御手段とを、
備えるゲートウェイ装置。(4)
(付記5)
前記プレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティ及びその委譲されたプレゼンティティに関しプレゼンス開示を要求するウォッチャに対して、自装置にプレゼンス情報管理機能が委譲された旨の通知をする通知手段、
を更に備える付記4に記載のゲートウェイ装置。(5)
(付記6)
前記委譲されたプレゼンティティに関し、プレゼンス開示を要求するウォッチャの情報及び委譲条件をそれぞれ記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶される情報に基づいて、前記委譲されたプレゼンス情報管理機
能を更に委譲すべきプレゼンティティ及び次の委譲先となる他のゲートウェイ装置若しくは前記プレゼンスサーバを決定する委譲決定手段と、
を更に備える付記4に記載のゲートウェイ装置。
【0229】
(付記7)
自装置のプレゼンス情報を提供するクライアント装置において、
自装置により提供されるプレゼンス情報を管理するサーバ機能が委譲された旨の通知を受信した場合に、そのサーバ機能が委譲された装置に、プレゼンス情報変更通知を送信する変更通知手段を、
備えるクライアント装置。(6)
(付記8)
他のクライアント装置のプレゼンス情報の提供を受けるクライアント装置において、
自装置が要求するクライアント装置のプレゼンス情報を管理するサーバ機能が委譲された旨の通知を受信した場合に、そのサーバ機能が委譲された先の装置から要求するクライアント装置のプレゼンス通知を受ける通知受信手段を、
備えるクライアント装置。(7)
(付記9)
プレゼンティティのプレゼンス情報を各々重複しないように管理する第1プレゼンスサーバ及び第2プレゼンスサーバを有するプレゼンス情報管理システムにおいて、
前記プレゼンティティは、
自装置のプレゼンス情報の提供を開始する際に、自装置のプレゼンス情報を管理すべき前記第2プレゼンスサーバに対してプレゼンスサービス利用登録要求を送信する要求送信手段を備え、
前記第2プレゼンスサーバは、
前記プレゼンスサービス利用登録要求を受信すると、その送信元となる前記プレゼンティティのプレゼンス情報の管理を開始する管理手段と、
前記プレゼンティティのプレゼンス情報の管理を自装置が開始したことを前記第1プレゼンスサーバに通知する開始通知手段と、を備え、
前記第1プレゼンスサーバは、
前記プレゼンティティのプレゼンス情報の管理が前記第2プレゼンスサーバで開始されたという情報を保持する保持手段を、
備えるプレゼンス情報管理システム。(8)
(付記10)
前記プレゼンティティは、
前記プレゼンスサービス利用登録要求が送信された後、自装置のプレゼンス情報が変更された際には、プレゼンス情報変更通知を前記第2プレゼンスサーバに対して送信する通知手段を更に備える付記9に記載のプレゼンス情報管理システム。
【0230】
(付記11)
前記第1プレゼンスサーバは、
前記保持手段により保持されるプレゼンティティに関するプレゼンス開示要求を受信すると、そのプレゼンス開示要求の送信元のウォッチャに対して、前記保持手段により保持されるそのプレゼンティティのプレゼンス情報の管理を行う第2プレゼンスサーバに関する情報を通知する通知手段を更に備える付記9に記載のプレゼンス情報管理システム。
【0231】
(付記12)
複数のウォッチャから同一のプレゼンティティに関する複数のプレゼンス開示要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された複数のプレゼンス開示要求の少なくとも1つを、前記複数のウォッチャに対応する1つの仮想ウォッチャからのプレゼンス開示要求としてプ
レゼンスサーバに転送する転送手段と、
前記1つの仮想ウォッチャへのプレゼンス情報変更通知を受信した場合に、その仮想ウォッチャに対応する複数のウォッチャに対して、受信されたプレゼンス情報変更通知をそれぞれ送信する送信手段と、
を備えるゲートウェイ装置。(9)
(付記13)
前記転送手段は、
前記1つの仮想ウォッチャに対応する前記複数のウォッチャのリストを保持するリスト保持手段と、
前記要求受信手段により受信された各プレゼンス開示要求を送信元のウォッチャ情報を含めた擬似プレゼンス開示要求としてそれぞれプレゼンスサーバへ送信する擬似要求手段とを備え、
前記送信手段は、
前記プレゼンスサーバから前記擬似プレゼンス開示要求の拒否応答を得た場合に、前記リスト保持手段により保持される前記複数のウォッチャのリストからその擬似プレゼンス開示要求に含められた送信元ウォッチャを削除する削除手段を備え、
前記リスト保持手段により保持されるリストにあるウォッチャに対して、受信されたプレゼンス情報変更通知を送信する、
付記12に記載のゲートウェイ装置。
【0232】
(付記14)
所定のプレゼンティティに関する仮想ウォッチャからのプレゼンス開示要求を受信する受信手段と、
前記所定のプレゼンティティからのプレゼンス情報変更通知を受信した場合に、前記仮想ウォッチャに対してその受信されたプレゼンス情報変更通知を送信する送信手段と、
を備えるプレゼンスサーバ装置。(10)
(付記15)
前記受信手段により受信されたプレゼンス開示要求に関し、その対象となるプレゼンティティ及びその要求元の仮想ウォッチャに関する情報を保持する保持手段と、
前記保持手段により保持されるプレゼンティティに関する擬似プレゼンス開示要求を受信した場合に、その擬似プレゼンス開示要求に含まれる前記仮想ウォッチャに対応する実際の要求元となるウォッチャについては前記保持手段には保持せず、その実際の要求元となるウォッチャがプレゼンス情報の開示を受け得るウォッチャか否かを判定する判定手段と、
その判定結果を前記擬似プレゼンス開示要求の送信元に応答する応答手段と、
を更に備える付記14に記載のプレゼンスサーバ装置。
【図面の簡単な説明】
【0233】
【図1】第一実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのシステム構成(ネットワーク構成)を示す図である。
【図2】第一実施形態におけるデフォルトサーバの機能構成を示す図である。
【図3】プレゼンス情報管理データベース内のプレゼンス情報テーブルを示す図である。
【図4】サイト内プレゼンスサーバ情報管理データベース内のサイト内プレゼンスサーバ情報テーブルを示す図である。
【図5】第一実施形態におけるサイト内プレゼンスサーバの機能構成を示す図である。
【図6】委譲元プレゼンスサーバ情報管理データベース内の委譲元プレゼンスサーバ情報テーブルを示す図である。
【図7】第一実施形態におけるクライアントの機能構成を示す図である。
【図8】プレゼンティティ情報管理データベース内のプレゼンティティ情報テーブルを示す図である。
【図9】デフォルトサーバからサイト内サーバへのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示す図である。
【図10】サイト内サーバからデフォルトサーバへのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示す図である。
【図11A】サイト内サーバからサイト内サーバへのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示す図である。
【図11B】サイト内サーバからサイト内サーバへのプレゼンスサーバ機能委譲時の動作例を示す図である。
【図12】デフォルトプレゼンスサーバにおけるSUBSCRIBEリダイレクト時の動作例を示す図である。
【図13】第二実施形態におけるデフォルトサーバの機能構成を示す図である。
【図14】第二実施形態におけるプレゼンス情報管理データベース内のプレゼンス情報テーブルを示す図である。
【図15】第二実施形態におけるサイト内プレゼンスサーバの機能構成を示す図である。
【図16】プレゼンスサービス利用登録要求時の動作例を示す図である。
【図17】第二実施形態におけるSUBSCRIBEのリダイレクト動作例を示す図である。
【図18】第三実施形態におけるサイト内プレゼンスサーバの機能構成を示す図である。
【図19】ウォッチャ情報管理データベース内のウォッチャ情報テーブルを示す図である。
【図20A】第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのSUBSCRIBE時の動作例を示す図である。
【図20B】第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのSUBSCRIBE時の動作例を示す図である。
【図20C】第三実施形態におけるプレゼンス情報管理システムのSUBSCRIBE時の動作例を示す図である。
【図21】従来のプレゼンス情報管理システムのシステム構成例を示す図である。
【図22】従来のプレゼンスサービスの通信シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
【0234】
10 デフォルトプレゼンスサーバ(デフォルトサーバ)
20、40 サイト内プレゼンスサーバ(サイト内サーバ)
21、22、23、31、32、41、42 クライアント(ウォッチャ、プレゼンティティ)
1 サーバサイト
5 コアネットワーク
2、3、4 クライアントサイト
101 通信管理部
102 プレゼンス制御部
103 プレゼンス情報管理部
104 サイト内プレゼンスサーバ情報管理部
105、155 プレゼンス情報管理データベース
106 サイト内プレゼンスサーバ情報管理データベース
108 委譲先サーバ決定部
201 通信管理部
202 プレゼンス制御部
203 プレゼンス情報管理部
204 委譲元プレゼンスサーバ情報管理部
205、255 プレゼンス情報管理データベース
206 委譲元プレゼンスサーバ情報管理データベース
208 委譲先サーバ決定部
254 デフォルトプレゼンスサーバ情報管理部
256 デフォルトプレゼンスサーバ情報管理データベース
299 プレゼンティティ収容サーバ機能部
270 ウォッチャ収容サーバ機能部
271 ウォッチャ制御部
272 ウォッチャ情報管理部
273 プレゼンスサーバ情報管理部
275 ウォッチャ情報管理データベース
276 プレゼンスサーバ情報管理データベース
301 通信管理部
302 プレゼンス制御部
303 プレゼンス情報管理部
304 プレゼンティティ情報管理部
306 プレゼンティティ情報管理データベース
308 プレゼンスサーバ情報管理部
500 プレゼンスサーバ
501 クライアント(ウォッチャ)
502 クライアント(プレゼンティティ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバ装置において、
前記複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知をそのプレゼンス情報管理機能の委譲先となる他の装置へ送信する委譲手段、
を備えるプレゼンスサーバ装置。
【請求項2】
前記各プレゼンティティに関し、プレゼンス開示を要求するウォッチャの情報及び委譲条件をそれぞれ保持する保持手段と、
前記保持手段により保持される情報に基づいて、前記プレゼンス情報管理機能が委譲されるプレゼンティティ及び委譲先となる他の装置を決定する決定手段と、
を更に備える請求項1に記載のプレゼンスサーバ装置。
【請求項3】
前記プレゼンス情報管理機能が委譲されたプレゼンティティ及び委譲先となる他の装置に関する情報を保持する委譲先保持手段と、
前記委譲されたプレゼンティティに関するプレゼンス開示要求を受信した場合に、前記委譲先保持手段に保持される情報に基づいて、そのプレゼンス開示要求を送信したウォッチャに対し、委譲先となる他の装置に関する情報を送信する送信手段と、
を更に備える請求項1又は2に記載のプレゼンスサーバ装置。
【請求項4】
プレゼンティティのプレゼンス情報を管理する管理手段と、
複数のプレゼンティティのプレゼンス情報を管理するプレゼンスサーバから当該複数のプレゼンティティの少なくとも1つのプレゼンティティに関するプレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティについて前記管理手段が実行されるように制御する制御手段とを、
備えるゲートウェイ装置。
【請求項5】
前記プレゼンス情報管理機能の委譲通知が受信された場合に、その委譲されたプレゼンティティ及びその委譲されたプレゼンティティに関しプレゼンス開示を要求するウォッチャに対して、自装置にプレゼンス情報管理機能が委譲された旨の通知をする通知手段、
を更に備える請求項4に記載のゲートウェイ装置。
【請求項6】
自装置のプレゼンス情報を提供するクライアント装置において、
自装置により提供されるプレゼンス情報を管理するサーバ機能が委譲された旨の通知を受信した場合に、そのサーバ機能が委譲された装置に、プレゼンス情報変更通知を送信する変更通知手段を、
備えるクライアント装置。
【請求項7】
他のクライアント装置のプレゼンス情報の提供を受けるクライアント装置において、
自装置が要求するクライアント装置のプレゼンス情報を管理するサーバ機能が委譲された旨の通知を受信した場合に、そのサーバ機能が委譲された先の装置から要求するクライアント装置のプレゼンス通知を受ける通知受信手段を、
備えるクライアント装置。
【請求項8】
プレゼンティティのプレゼンス情報を各々重複しないように管理する第1プレゼンスサーバ及び第2プレゼンスサーバを有するプレゼンス情報管理システムにおいて、
前記プレゼンティティは、
自装置のプレゼンス情報の提供を開始する際に、自装置のプレゼンス情報を管理すべき前記第2プレゼンスサーバに対してプレゼンスサービス利用登録要求を送信する要求送
信手段を備え、
前記第2プレゼンスサーバは、
前記プレゼンスサービス利用登録要求を受信すると、その送信元となる前記プレゼンティティのプレゼンス情報の管理を開始する管理手段と、
前記プレゼンティティのプレゼンス情報の管理を自装置が開始したことを前記第1プレゼンスサーバに通知する開始通知手段と、を備え、
前記第1プレゼンスサーバは、
前記プレゼンティティのプレゼンス情報の管理が前記第2プレゼンスサーバで開始されたという情報を保持する保持手段を、
備えるプレゼンス情報管理システム。
【請求項9】
複数のウォッチャから同一のプレゼンティティに関する複数のプレゼンス開示要求を受信する要求受信手段と、
前記要求受信手段により受信された複数のプレゼンス開示要求の少なくとも1つを、前記複数のウォッチャに対応する1つの仮想ウォッチャからのプレゼンス開示要求としてプレゼンスサーバに転送する転送手段と、
前記1つの仮想ウォッチャへのプレゼンス情報変更通知を受信した場合に、その仮想ウォッチャに対応する複数のウォッチャに対して、受信されたプレゼンス情報変更通知をそれぞれ送信する送信手段と、
を備えるゲートウェイ装置。
【請求項10】
所定のプレゼンティティに関する仮想ウォッチャからのプレゼンス開示要求を受信する受信手段と、
前記所定のプレゼンティティからのプレゼンス情報変更通知を受信した場合に、前記仮想ウォッチャに対してその受信されたプレゼンス情報変更通知を送信する送信手段と、
を備えるプレゼンスサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−35453(P2008−35453A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209438(P2006−209438)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、総務省、「ユビキタスネットワーク制御・管理技術の研究開発」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】