プレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板
本発明は、プレパターン(pre‐pattern)された基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板を開示する。本発明によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法は、導電性インクを吐出させるインクジェットヘッドと、上記導電性インクが図化される基板を支持する駆動ステージを備えるインクジェット印刷装置を用いて、上記基板上に微細線幅パターンを図化するインクジェット印刷方法において、(A)微細線幅パターンを形成する基板の表面に繰り返された帯状のストライプパターンを形成してプレパターンされた基板を用意する段階;(B)上記基板をインクジェット印刷装置にローディングする段階;及び(C)上記基板のストライプパターンが形成された領域に導電性インクを噴射して微細線幅パターンを図化する段階;を含み、上記ストライプパターンの等間隔(d)と図化された微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足し、上記基板上に図化される導電性インクはストライプパターンが形成された領域内で異方性流動されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレパターン(pre‐pattern)された基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板に関するものであって、さらに詳しくは、電極またはカラーフィルターのインクジェットパターン印刷時に高解像度のパターン具現が可能なプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置産業は、LCD、PDP、OLEDなどのディスプレイモジュールの製造産業を始めとして、これの前方産業であるTV、ノートPC、PCモニター、PDA、携帯電話などとともに後方産業である部品素材及び製造装備などの産業界を総括的に含んでいる。
【0003】
ディスプレイモジュールの装置構成は、パネル、ブラックマトリクス及びカラーフィルターを含む。パネルは、バックライトユニットから入射された白色平面光を駆動回路ユニットから入力された個別画素の信号電圧に応じて画素に透過される光を制御してカラー形状を形成する。そして、ブラックマトリクスは、カラーフィルターのピクセル間に形成されて各画素から出た光が互いに干渉しないように遮断し、外部から入ってきた光が反射されないように吸収する。そして、カラーフィルターは、三種類の基本色(R、G、B)の染料や顔料を含む樹脂フィルムであって液晶を通過した光が色を持つようにする。
【0004】
最近、LCDを含んだ平板ディスプレイ分野及び電子産業分野において原価節減は重要な問題として台頭しており、原価節減のためにカラーフィルターのパターン形成の際にインクジェット印刷技術が適用されている。すなわち、カラーフィルターのパターンを簡単で且つ安価で製造するために、生産工程を単純化し、大面積化にも容易なインクジェット印刷技術が原価節減面で既存の技術に代替しており、ディスプレイ分野を始めとして拡大適用されている。
【0005】
一般に、インクジェット印刷は、微細ノズルを通じて溶液や懸濁液を数ないし数十pl(Pico Liter)の滴で噴射する非接触式パターニング技術であって、数十マイクロメーターの解像度で自由に印刷することができる。
【0006】
このようなインクジェット印刷技術は、PDP、LCD、OLEDなどのようなディスプレイ分野におけるカラーフィルター及び電極の形成を始めとしてE‐PaperまたはRFIDを含むフレキシブル電子機器及び半導体回路に至るまで多様に適用される。
【0007】
インクジェット印刷技術は、フォトリソグラフィー方法またはスクリーンプリンティング方法と比較して、微細ライン形成のためのマスクが必要なく、印刷する基板の大きさに影響されず、印刷時間が短くて工程が簡単である。
【0008】
従来技術によるカラーフィルターの製造のための印刷方法は、図1に示すように、インクジェットヘッド1から順次吐き出されるインク液滴2が透明基板3上の投光領域に弾着されるようにし、弾着されたインク液滴、すなわち、樹脂組成物2'を乾燥させて画素パターンを形成する。
【0009】
しかし、従来技術による印刷方法は、インクジェットヘッドから吐き出されて基板に弾着されたインク液滴は、基板の面に接触時、基板の平坦な面特性により等方性を持って広がるので、解像度を高めるための微細線幅のラインでは高解像度の具現が難しい限界がある。すなわち、インク液滴の弾着時、線幅の限界を超えて印刷されるのでブラー(blur )現象が発生する問題点がある。
【0010】
一方、高解像度のパターン印刷のためにインク液滴の特性を向上させる方法があるが、これを具現するためにはインクの噴射性、動粘度(dynamic viscosity)、基板の粗さ特性を含む複合的なファクターを考慮しなければならない限界がある。
【0011】
すなわち、インクの噴射性確保のために、塗布物質の粒子大きさ、溶剤や分散剤などの添加物の特性及びインクの粘度や表面張力などのインク特性を考慮しなければならず、またインクの吐出後しっぽのようなリガメント(ligament)長さ及び吐出速度(frequency)を考慮しなければならず、さらにインクの濡れ性を共に考慮しなければならないので、高解像度のパターン印刷のために多くの時間と努力とが必要となる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、インク及び基板の特性に関係なく高解像度を持つ微細線幅パターンをインクジェット印刷することができるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するための本発明によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法は、導電性インクを吐出させるインクジェットヘッドと、上記導電性インクが図化される基板を支持する駆動ステージを備えるインクジェット印刷装置を用いて、上記基板上に微細線幅パターンを図化するインクジェット印刷方法において、(A)微細線幅パターンを形成する基板の表面に繰り返された帯状のストライプパターンを形成してプレパターンされた基板を用意する段階;(B)上記基板をインクジェット印刷装置にローディングする段階;及び(C)上記基板のストライプパターンが形成された領域に導電性インクを噴射して微細線幅パターンを図化する段階;を含み、上記ストライプパターンの等間隔(d)と図化された微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足し、上記基板上に図化される導電性インクはストライプパターンが形成された領域内で異方性流動されることを特徴とする。
【0014】
本発明において、(A)段階のストライプパターンを形成する段階は、(A1)基板上に反射防止層を形成する段階;(A2)上記反射防止層の上にフォトレジスト層を形成する段階;(A3)上記フォトレジスト層が反射防止層を周期的に露出させる繰り返された帯状のフォトレジストパターンを持つようにレーザー干渉リソグラフィー処理する段階;及び(A4)上記フォトレジストパターンが形成された基板を現像及びエッチングして、上記基板上にストライプパターンを形成する段階;を含む。
【0015】
望ましくは、上記ストライプパターンは、ポジティブまたはネガティブタイプであり、谷とリッジとからなる凹凸形状に形成される。
【0016】
本発明によれば、上記導電性インクは、谷に沿って異方性流動し、上記リッジによって拡散防止される。
【0017】
望ましくは、上記ストライプパターンは、インプリンティング(imprinting)またはロールプリンティング(roll printing)によって形成される。
【0018】
本発明の他の側面によれば、基板上に微細線幅パターンが図化された導電性基板において、繰り返された帯状のストライプパターンを持つ基板;及び上記ストライプパターンが形成された領域内で異方性流動して微細線幅パターンを形成した導電性インク;を含み、上記ストライプパターンの等間隔(d)と微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足することを特徴とする導電性基板を提供する。
【0019】
望ましくは、上記ストライプパターンは、リソグラフィー、インプリンティングまたはロールプリンティングによって形成され、上記リソグラフィーは、レーザー干渉リソグラフィーである。
【0020】
本発明によれば、上記微細線幅パターンは、カラーフィルターパターンまたは電極配線パターンである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術によるインクジェット印刷方法を説明するための図面である。
【図2】本発明の望ましい実施例によるストライプパターン形成前の基板を示す斜視図である。
【図3】本発明の望ましい実施例によるストライプパターン形成方法で用いられるAr(351nm)レーザー干渉リソグラフィー装置の構成図である。
【図4】本発明の望ましい実施例によるレーザー干渉リソグラフィー工程を通じて露光及び現像されたストライプパターンをAFM(Atomic Force Microscopy)で測定した結果を示すグラフである。
【図5】本発明の望ましい実施例によるプレパターンされた基板を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI'線による断面図である。
【図7】本発明の望ましい実施例によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法を説明するための図面である。
【図8】本発明の望ましい実施例による高解像度インクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【図9】本発明の望ましい実施例による高解像度インクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【図10】従来のインクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【図11】従来のインクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0023】
本発明によるプレパターンされた基板は、リソグラフィー、インプリンティングまたはロールプリンティング工程のうち選択された何れか一つの工程により製造でき、本発明の実施例においてはレーザー干渉リソグラフィー工程を用いる。
【0024】
レーザー干渉リソグラフィーは、マスクを用いずにフォトレジストパターンが形成可能な工程であって、マスクのない状態で相異なる方向で2個のレーザービームを照射すれば、レーザー光源の特性である干渉現象によってレーザー波動が重畳された部分のフォトレジスト層が感光される。その後、フォトレジスト層を現像すれば帯状の開口が規則的に繰り返されるフォトレジストパターンが形成される工程に進む。
【0025】
本発明による高解像度インクジェット印刷は、プレパターンされた基板を製造する過程と、上記プレパターンされた基板上に微細線幅パターンを図化する過程とに分けることができる。まず、図2から図6を参照しながらプレパターンされた基板を製造する過程を説明する。
【0026】
図2に示すように、基板100上に微細膜形態の反射防止層110を形成し、上記反射防止層110上にスピンコーティング処理してフォトレジスト層120を形成する。
【0027】
本発明の実施例において、上記基板100は、ガラスまたは多様な透明フィルムであり、上記反射防止層110は、入射光の反射を防止しながら透過光量を増加させるために基板100の表面にコーティングされる反射防止膜(anti‐reflective coating)として酸化膜素材の透明材質であることが望ましいがこれに限定されない。例えば、ディスプレイモジュールに用いられ得るように透明性が要求されるカラーフィルターまたは電極配線基板ではない場合、不透明な材質で構成できる。
【0028】
また、上記フォトレジスト層120の臨界感光特性は、所望の形態の凹凸やアスペクト比(aspect ratio)を考慮してI‐Line(365nm)系列のフォトレジストを用いることが望ましい。
【0029】
次いで、レーザー干渉リソグラフィー工程を通じて基板上にストライプパターンを形成するが、図3に示すように、レーザー生成器Lから放出されたレーザービームは鏡面光学系M1、M2を通過しながら経路が変更された後ビームスプリッター(Beam Splitter:BS)に入射される。
【0030】
上記ビームスプリッターBSに入射されたレーザービームは、干渉パターンを形成するために第1レーザービームAと第2レーザービームBとに分離される。上記第1レーザービームAは、鏡面光学系M4、M6を経て第1オブジェクトレンズL1を通過しながらビーム幅が拡大され、上記第1オブジェクトレンズL1の焦点面に位置した第1ピンホールSP1を通過しながらノイズが除去される。
【0031】
同様に、第2レーザービームBも鏡面光学系M3、M5、M7、第2オブジェクトレンズL2及び第2ピンホールSP2を通過しながらビーム幅が拡大されノイズが除去される。上記ノイズが除去された第1レーザービームAと第2レーザービームBとは上部にフォトレジスト層120が形成された基板Sの表面と所定角度をなしながら同時に照射される。上記第1及び第2ピンホールSP1、SP2を通過した第1及び第2レーザービームA、Bのエネルギー分布は理論的なガウシアン(Gaussian)分布に殆ど類似しているので、基板Sに照射された2個のレーザービームA、Bは規則的な干渉パターンを形成する。
【0032】
したがって、上記基板S上部のフォトレジスト層120は上記規則的な干渉パターンによって感光され、上記感光されたフォトレジスト層120を現像すれば、上記反射防止層110を周期的に露出させる、すなわち、帯状の開口が規則的に形成されたフォトレジストパターンが得られる。
【0033】
このとき、上記フォトレジスト層120の露光時に351nmのArイオンレーザーを用いることが望ましいがこれに限定されない。
【0034】
図4は、レーザー干渉リソグラフィー工程を通じて露光及び現像されたフォトレジストパターンをAFMで測定した結果を示す。図4の左側写真は、フォトレジストパターンを上部で撮影したものであって、黒色帯は帯状の開口を、明るい色の帯は開口間に位置したフォトレジスト層を示す。そして、図4の右側グラフは、AFM測定結果を定量的に示したグラフである。図4を参照すれば、レーザー干渉リソグラフィー工程を用いてフォトレジストをパターニングする場合、均一な深さとピッチとで微細なパターンが形成できることが分かる。
【0035】
上述したレーザー干渉リソグラフィー技術は理論的にレーザー波長の1/2までパターニングが可能なので、高い解像度を持つ周期的パターンを形成することができる。但し、パターンの解像度を高めるためにレーザーの波長を減少させれば、ターゲットから反射されるビームによって多重干渉効果が発生してパターンの解像度が劣化される恐れがある。したがって、高解像度パターンを形成するためには、レーザービームの位相を固定しターゲットにビームの反射を防止するコーティングをして多重干渉効果を減少させることが望ましい。
【0036】
一方、本発明の実施例において、上記レーザー干渉リソグラフィー工程を通じて得られたフォトレジストパターンはストライプパターンとして定義され、図5及び図6に示すように、谷121とリッジ122とからなる凹凸構造を持つ。
【0037】
もう一方で、上記ストライプパターンは、フォトレジスト層120の現像及びエッチング過程で除去される領域に従って谷121とリッジ122とが相互対称するように構成できる。すなわち、上記ストライプパターンはポジティブまたはネガティブタイプで構成できる。
【0038】
さらにもう一方で、基板100上に反射防止膜110のコーティング処理なくフォトレジスト層120を直接スピンコーティング処理し、上記フォトレジスト層120が形成された基板100をレーザー干渉リソグラフィー、現像及びエッチング工程を通じてストライプパターンを形成することができる。
【0039】
前述のように、上記レーザー干渉リソグラフィー工程を通じてその表面に繰り返された帯状のストライプパターンを持つプレパターン基板を用意した後、上記プレパターン基板はインクジェットヘッドと駆動ステージを含むインクジェット印刷装置によって導電性基板として製造する。図7を参照しながら微細線幅パターンを図化する過程を説明する。
【0040】
図7を参照すれば、プレパターン基板100'は、インクジェットヘッド300と相互対向するように配置された駆動ステージ(図示せず)の上に固定される。
【0041】
次いで、上記インクジェットヘッド300は、プレパターン基板100'のストライプパターンの方向に導電性インク400を噴射して微細線幅パターンを図化する。このとき、上記インクジェットヘッド300から連続的に吐き出される導電性インク400は、金属ナノ粒子及び添加物からなり、所定の粘度及び表面張力を持つ。
【0042】
本発明の実施例において、上記導電性インク400は、微細線幅パターンの領域に連続的に弾着されて弾着グループを形成し、上記弾着グループによって微細線幅パターンを図化する。上記微細線幅パターンの領域に弾着された導電性インク400'は、弾着と同時にストライプパターンに形成された谷121'に沿って長手方向に異方性流動し、上記ストライプパターンに形成されたリッジ122'によって微細線幅パターンの区画線を越えなくなる。
【0043】
すなわち、上記弾着された導電性インク400'は、微細線幅(D)の境界にあるリッジ122'による毛細管現象により、その境界を越えて拡散されず、その弾着された領域に複数形成された谷121'に沿って流動する。
【0044】
このとき、上記谷121'及びリッジ122'は、微細線幅パターンが形成される領域に等間隔(d)で配列され、上記等間隔(d)と弾着された導電性インク400'によって図化される微細線幅(D)とはd<<Dの関係式を満足する。
【0045】
一方、上記ストライプパターンを形成する谷121'及びリッジ122'は、少なくとも微細線幅パターンよりは広い領域にわたって形成されることが望ましい。
【0046】
前述のプレパターンされた基板を製造する過程と、上記プレパターンされた基板上に微細線幅パターンを図化する過程を通じて高解像度インクジェット印刷を具現することができる。図8から図11を参照しながら本発明によって製造された導電性基板と従来技術によって製造された導電性基板とを比較すれば以下のようである。
【0047】
まず、本発明によって製造された導電性基板を図8及び図9を参照しながら説明する。図8に示すように、インクジェットヘッドから連続的に吐き出されたインクが微細線幅パターンの領域に弾着されるとき、上記領域に形成されたストライプパターンによって異方性流動され、図9に示すように、上記領域の境界線に沿ってインク弾着グループが一定のパターンで図化されたことが分かる。
【0048】
次いで、従来技術によって製造された導電性基板を図10及び図11を参照しながら説明する。図10に示すように、インクジェットヘッドから連続的に吐き出されたインクが基板の微細線幅パターンの領域に弾着されるとき、上記基板の平坦な構造によってインクが等方性流動され、これによって図11に示すように、上記インクが微細線幅パターンの領域を越えて滲むようになってブラー現象を加重させることが分かる。
【0049】
前述のように、本発明によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法は、基板上にストライプパターンを形成し、上記ストライプパターンが形成された領域内でインクが異方性流動して微細線幅パターンを形成することができるようにすることで、インク及び基板の特性に関係なく高解像度を持つ微細線幅パターンを持つ導電性基板の製造が可能である。
【0050】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上述のように、本発明は、インク液滴が弾着される基板の面上に異方性微細パターンを形成することで、基板の面上に弾着されたインクが毛細管現象により異方性微細パターンに沿って微細線幅内で異方性流動すると同時に、インクが滲むことが防止される長所がある。
【0052】
また、本発明は、基板の特性及びインクの種類に関係なく高解像度の微細線幅を持つようにインクジェット印刷することができる。
【0053】
さらに、本発明は、基板及びインクの複合的なファクターを考慮しなくても良いので、従来に比べて安価な費用で高品質・高解像度のディスプレイモジュールを製造することができる。
【符号の説明】
【0054】
100:基板
110:反射防止層
120:フォトレジスト層
100':プレパターン基板
121、121':谷
122、122':リッジ
200:レーザー干渉リソグラフィー装置
300:インクジェットヘッド
400:吐出インク液滴
400':弾着インク液滴
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレパターン(pre‐pattern)された基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板に関するものであって、さらに詳しくは、電極またはカラーフィルターのインクジェットパターン印刷時に高解像度のパターン具現が可能なプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置産業は、LCD、PDP、OLEDなどのディスプレイモジュールの製造産業を始めとして、これの前方産業であるTV、ノートPC、PCモニター、PDA、携帯電話などとともに後方産業である部品素材及び製造装備などの産業界を総括的に含んでいる。
【0003】
ディスプレイモジュールの装置構成は、パネル、ブラックマトリクス及びカラーフィルターを含む。パネルは、バックライトユニットから入射された白色平面光を駆動回路ユニットから入力された個別画素の信号電圧に応じて画素に透過される光を制御してカラー形状を形成する。そして、ブラックマトリクスは、カラーフィルターのピクセル間に形成されて各画素から出た光が互いに干渉しないように遮断し、外部から入ってきた光が反射されないように吸収する。そして、カラーフィルターは、三種類の基本色(R、G、B)の染料や顔料を含む樹脂フィルムであって液晶を通過した光が色を持つようにする。
【0004】
最近、LCDを含んだ平板ディスプレイ分野及び電子産業分野において原価節減は重要な問題として台頭しており、原価節減のためにカラーフィルターのパターン形成の際にインクジェット印刷技術が適用されている。すなわち、カラーフィルターのパターンを簡単で且つ安価で製造するために、生産工程を単純化し、大面積化にも容易なインクジェット印刷技術が原価節減面で既存の技術に代替しており、ディスプレイ分野を始めとして拡大適用されている。
【0005】
一般に、インクジェット印刷は、微細ノズルを通じて溶液や懸濁液を数ないし数十pl(Pico Liter)の滴で噴射する非接触式パターニング技術であって、数十マイクロメーターの解像度で自由に印刷することができる。
【0006】
このようなインクジェット印刷技術は、PDP、LCD、OLEDなどのようなディスプレイ分野におけるカラーフィルター及び電極の形成を始めとしてE‐PaperまたはRFIDを含むフレキシブル電子機器及び半導体回路に至るまで多様に適用される。
【0007】
インクジェット印刷技術は、フォトリソグラフィー方法またはスクリーンプリンティング方法と比較して、微細ライン形成のためのマスクが必要なく、印刷する基板の大きさに影響されず、印刷時間が短くて工程が簡単である。
【0008】
従来技術によるカラーフィルターの製造のための印刷方法は、図1に示すように、インクジェットヘッド1から順次吐き出されるインク液滴2が透明基板3上の投光領域に弾着されるようにし、弾着されたインク液滴、すなわち、樹脂組成物2'を乾燥させて画素パターンを形成する。
【0009】
しかし、従来技術による印刷方法は、インクジェットヘッドから吐き出されて基板に弾着されたインク液滴は、基板の面に接触時、基板の平坦な面特性により等方性を持って広がるので、解像度を高めるための微細線幅のラインでは高解像度の具現が難しい限界がある。すなわち、インク液滴の弾着時、線幅の限界を超えて印刷されるのでブラー(blur )現象が発生する問題点がある。
【0010】
一方、高解像度のパターン印刷のためにインク液滴の特性を向上させる方法があるが、これを具現するためにはインクの噴射性、動粘度(dynamic viscosity)、基板の粗さ特性を含む複合的なファクターを考慮しなければならない限界がある。
【0011】
すなわち、インクの噴射性確保のために、塗布物質の粒子大きさ、溶剤や分散剤などの添加物の特性及びインクの粘度や表面張力などのインク特性を考慮しなければならず、またインクの吐出後しっぽのようなリガメント(ligament)長さ及び吐出速度(frequency)を考慮しなければならず、さらにインクの濡れ性を共に考慮しなければならないので、高解像度のパターン印刷のために多くの時間と努力とが必要となる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような問題点を解決するために創案されたものであって、インク及び基板の特性に関係なく高解像度を持つ微細線幅パターンをインクジェット印刷することができるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法及びこの方法により製造された導電性基板を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するための本発明によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法は、導電性インクを吐出させるインクジェットヘッドと、上記導電性インクが図化される基板を支持する駆動ステージを備えるインクジェット印刷装置を用いて、上記基板上に微細線幅パターンを図化するインクジェット印刷方法において、(A)微細線幅パターンを形成する基板の表面に繰り返された帯状のストライプパターンを形成してプレパターンされた基板を用意する段階;(B)上記基板をインクジェット印刷装置にローディングする段階;及び(C)上記基板のストライプパターンが形成された領域に導電性インクを噴射して微細線幅パターンを図化する段階;を含み、上記ストライプパターンの等間隔(d)と図化された微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足し、上記基板上に図化される導電性インクはストライプパターンが形成された領域内で異方性流動されることを特徴とする。
【0014】
本発明において、(A)段階のストライプパターンを形成する段階は、(A1)基板上に反射防止層を形成する段階;(A2)上記反射防止層の上にフォトレジスト層を形成する段階;(A3)上記フォトレジスト層が反射防止層を周期的に露出させる繰り返された帯状のフォトレジストパターンを持つようにレーザー干渉リソグラフィー処理する段階;及び(A4)上記フォトレジストパターンが形成された基板を現像及びエッチングして、上記基板上にストライプパターンを形成する段階;を含む。
【0015】
望ましくは、上記ストライプパターンは、ポジティブまたはネガティブタイプであり、谷とリッジとからなる凹凸形状に形成される。
【0016】
本発明によれば、上記導電性インクは、谷に沿って異方性流動し、上記リッジによって拡散防止される。
【0017】
望ましくは、上記ストライプパターンは、インプリンティング(imprinting)またはロールプリンティング(roll printing)によって形成される。
【0018】
本発明の他の側面によれば、基板上に微細線幅パターンが図化された導電性基板において、繰り返された帯状のストライプパターンを持つ基板;及び上記ストライプパターンが形成された領域内で異方性流動して微細線幅パターンを形成した導電性インク;を含み、上記ストライプパターンの等間隔(d)と微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足することを特徴とする導電性基板を提供する。
【0019】
望ましくは、上記ストライプパターンは、リソグラフィー、インプリンティングまたはロールプリンティングによって形成され、上記リソグラフィーは、レーザー干渉リソグラフィーである。
【0020】
本発明によれば、上記微細線幅パターンは、カラーフィルターパターンまたは電極配線パターンである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来技術によるインクジェット印刷方法を説明するための図面である。
【図2】本発明の望ましい実施例によるストライプパターン形成前の基板を示す斜視図である。
【図3】本発明の望ましい実施例によるストライプパターン形成方法で用いられるAr(351nm)レーザー干渉リソグラフィー装置の構成図である。
【図4】本発明の望ましい実施例によるレーザー干渉リソグラフィー工程を通じて露光及び現像されたストライプパターンをAFM(Atomic Force Microscopy)で測定した結果を示すグラフである。
【図5】本発明の望ましい実施例によるプレパターンされた基板を示す斜視図である。
【図6】図5のVI−VI'線による断面図である。
【図7】本発明の望ましい実施例によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法を説明するための図面である。
【図8】本発明の望ましい実施例による高解像度インクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【図9】本発明の望ましい実施例による高解像度インクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【図10】従来のインクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【図11】従来のインクジェット印刷方法に従って図化された微細線幅パターンを示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
【0023】
本発明によるプレパターンされた基板は、リソグラフィー、インプリンティングまたはロールプリンティング工程のうち選択された何れか一つの工程により製造でき、本発明の実施例においてはレーザー干渉リソグラフィー工程を用いる。
【0024】
レーザー干渉リソグラフィーは、マスクを用いずにフォトレジストパターンが形成可能な工程であって、マスクのない状態で相異なる方向で2個のレーザービームを照射すれば、レーザー光源の特性である干渉現象によってレーザー波動が重畳された部分のフォトレジスト層が感光される。その後、フォトレジスト層を現像すれば帯状の開口が規則的に繰り返されるフォトレジストパターンが形成される工程に進む。
【0025】
本発明による高解像度インクジェット印刷は、プレパターンされた基板を製造する過程と、上記プレパターンされた基板上に微細線幅パターンを図化する過程とに分けることができる。まず、図2から図6を参照しながらプレパターンされた基板を製造する過程を説明する。
【0026】
図2に示すように、基板100上に微細膜形態の反射防止層110を形成し、上記反射防止層110上にスピンコーティング処理してフォトレジスト層120を形成する。
【0027】
本発明の実施例において、上記基板100は、ガラスまたは多様な透明フィルムであり、上記反射防止層110は、入射光の反射を防止しながら透過光量を増加させるために基板100の表面にコーティングされる反射防止膜(anti‐reflective coating)として酸化膜素材の透明材質であることが望ましいがこれに限定されない。例えば、ディスプレイモジュールに用いられ得るように透明性が要求されるカラーフィルターまたは電極配線基板ではない場合、不透明な材質で構成できる。
【0028】
また、上記フォトレジスト層120の臨界感光特性は、所望の形態の凹凸やアスペクト比(aspect ratio)を考慮してI‐Line(365nm)系列のフォトレジストを用いることが望ましい。
【0029】
次いで、レーザー干渉リソグラフィー工程を通じて基板上にストライプパターンを形成するが、図3に示すように、レーザー生成器Lから放出されたレーザービームは鏡面光学系M1、M2を通過しながら経路が変更された後ビームスプリッター(Beam Splitter:BS)に入射される。
【0030】
上記ビームスプリッターBSに入射されたレーザービームは、干渉パターンを形成するために第1レーザービームAと第2レーザービームBとに分離される。上記第1レーザービームAは、鏡面光学系M4、M6を経て第1オブジェクトレンズL1を通過しながらビーム幅が拡大され、上記第1オブジェクトレンズL1の焦点面に位置した第1ピンホールSP1を通過しながらノイズが除去される。
【0031】
同様に、第2レーザービームBも鏡面光学系M3、M5、M7、第2オブジェクトレンズL2及び第2ピンホールSP2を通過しながらビーム幅が拡大されノイズが除去される。上記ノイズが除去された第1レーザービームAと第2レーザービームBとは上部にフォトレジスト層120が形成された基板Sの表面と所定角度をなしながら同時に照射される。上記第1及び第2ピンホールSP1、SP2を通過した第1及び第2レーザービームA、Bのエネルギー分布は理論的なガウシアン(Gaussian)分布に殆ど類似しているので、基板Sに照射された2個のレーザービームA、Bは規則的な干渉パターンを形成する。
【0032】
したがって、上記基板S上部のフォトレジスト層120は上記規則的な干渉パターンによって感光され、上記感光されたフォトレジスト層120を現像すれば、上記反射防止層110を周期的に露出させる、すなわち、帯状の開口が規則的に形成されたフォトレジストパターンが得られる。
【0033】
このとき、上記フォトレジスト層120の露光時に351nmのArイオンレーザーを用いることが望ましいがこれに限定されない。
【0034】
図4は、レーザー干渉リソグラフィー工程を通じて露光及び現像されたフォトレジストパターンをAFMで測定した結果を示す。図4の左側写真は、フォトレジストパターンを上部で撮影したものであって、黒色帯は帯状の開口を、明るい色の帯は開口間に位置したフォトレジスト層を示す。そして、図4の右側グラフは、AFM測定結果を定量的に示したグラフである。図4を参照すれば、レーザー干渉リソグラフィー工程を用いてフォトレジストをパターニングする場合、均一な深さとピッチとで微細なパターンが形成できることが分かる。
【0035】
上述したレーザー干渉リソグラフィー技術は理論的にレーザー波長の1/2までパターニングが可能なので、高い解像度を持つ周期的パターンを形成することができる。但し、パターンの解像度を高めるためにレーザーの波長を減少させれば、ターゲットから反射されるビームによって多重干渉効果が発生してパターンの解像度が劣化される恐れがある。したがって、高解像度パターンを形成するためには、レーザービームの位相を固定しターゲットにビームの反射を防止するコーティングをして多重干渉効果を減少させることが望ましい。
【0036】
一方、本発明の実施例において、上記レーザー干渉リソグラフィー工程を通じて得られたフォトレジストパターンはストライプパターンとして定義され、図5及び図6に示すように、谷121とリッジ122とからなる凹凸構造を持つ。
【0037】
もう一方で、上記ストライプパターンは、フォトレジスト層120の現像及びエッチング過程で除去される領域に従って谷121とリッジ122とが相互対称するように構成できる。すなわち、上記ストライプパターンはポジティブまたはネガティブタイプで構成できる。
【0038】
さらにもう一方で、基板100上に反射防止膜110のコーティング処理なくフォトレジスト層120を直接スピンコーティング処理し、上記フォトレジスト層120が形成された基板100をレーザー干渉リソグラフィー、現像及びエッチング工程を通じてストライプパターンを形成することができる。
【0039】
前述のように、上記レーザー干渉リソグラフィー工程を通じてその表面に繰り返された帯状のストライプパターンを持つプレパターン基板を用意した後、上記プレパターン基板はインクジェットヘッドと駆動ステージを含むインクジェット印刷装置によって導電性基板として製造する。図7を参照しながら微細線幅パターンを図化する過程を説明する。
【0040】
図7を参照すれば、プレパターン基板100'は、インクジェットヘッド300と相互対向するように配置された駆動ステージ(図示せず)の上に固定される。
【0041】
次いで、上記インクジェットヘッド300は、プレパターン基板100'のストライプパターンの方向に導電性インク400を噴射して微細線幅パターンを図化する。このとき、上記インクジェットヘッド300から連続的に吐き出される導電性インク400は、金属ナノ粒子及び添加物からなり、所定の粘度及び表面張力を持つ。
【0042】
本発明の実施例において、上記導電性インク400は、微細線幅パターンの領域に連続的に弾着されて弾着グループを形成し、上記弾着グループによって微細線幅パターンを図化する。上記微細線幅パターンの領域に弾着された導電性インク400'は、弾着と同時にストライプパターンに形成された谷121'に沿って長手方向に異方性流動し、上記ストライプパターンに形成されたリッジ122'によって微細線幅パターンの区画線を越えなくなる。
【0043】
すなわち、上記弾着された導電性インク400'は、微細線幅(D)の境界にあるリッジ122'による毛細管現象により、その境界を越えて拡散されず、その弾着された領域に複数形成された谷121'に沿って流動する。
【0044】
このとき、上記谷121'及びリッジ122'は、微細線幅パターンが形成される領域に等間隔(d)で配列され、上記等間隔(d)と弾着された導電性インク400'によって図化される微細線幅(D)とはd<<Dの関係式を満足する。
【0045】
一方、上記ストライプパターンを形成する谷121'及びリッジ122'は、少なくとも微細線幅パターンよりは広い領域にわたって形成されることが望ましい。
【0046】
前述のプレパターンされた基板を製造する過程と、上記プレパターンされた基板上に微細線幅パターンを図化する過程を通じて高解像度インクジェット印刷を具現することができる。図8から図11を参照しながら本発明によって製造された導電性基板と従来技術によって製造された導電性基板とを比較すれば以下のようである。
【0047】
まず、本発明によって製造された導電性基板を図8及び図9を参照しながら説明する。図8に示すように、インクジェットヘッドから連続的に吐き出されたインクが微細線幅パターンの領域に弾着されるとき、上記領域に形成されたストライプパターンによって異方性流動され、図9に示すように、上記領域の境界線に沿ってインク弾着グループが一定のパターンで図化されたことが分かる。
【0048】
次いで、従来技術によって製造された導電性基板を図10及び図11を参照しながら説明する。図10に示すように、インクジェットヘッドから連続的に吐き出されたインクが基板の微細線幅パターンの領域に弾着されるとき、上記基板の平坦な構造によってインクが等方性流動され、これによって図11に示すように、上記インクが微細線幅パターンの領域を越えて滲むようになってブラー現象を加重させることが分かる。
【0049】
前述のように、本発明によるプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法は、基板上にストライプパターンを形成し、上記ストライプパターンが形成された領域内でインクが異方性流動して微細線幅パターンを形成することができるようにすることで、インク及び基板の特性に関係なく高解像度を持つ微細線幅パターンを持つ導電性基板の製造が可能である。
【0050】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上述のように、本発明は、インク液滴が弾着される基板の面上に異方性微細パターンを形成することで、基板の面上に弾着されたインクが毛細管現象により異方性微細パターンに沿って微細線幅内で異方性流動すると同時に、インクが滲むことが防止される長所がある。
【0052】
また、本発明は、基板の特性及びインクの種類に関係なく高解像度の微細線幅を持つようにインクジェット印刷することができる。
【0053】
さらに、本発明は、基板及びインクの複合的なファクターを考慮しなくても良いので、従来に比べて安価な費用で高品質・高解像度のディスプレイモジュールを製造することができる。
【符号の説明】
【0054】
100:基板
110:反射防止層
120:フォトレジスト層
100':プレパターン基板
121、121':谷
122、122':リッジ
200:レーザー干渉リソグラフィー装置
300:インクジェットヘッド
400:吐出インク液滴
400':弾着インク液滴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性インクを吐出させるインクジェットヘッドと、上記導電性インクが図化される基板を支持する駆動ステージを備えるインクジェット印刷装置を用いて、上記基板上に微細線幅パターンを図化するインクジェット印刷方法において、
(A)微細線幅パターンを形成する基板の表面に繰り返された帯状のストライプパターンを形成してプレパターン(pre‐pattern)された基板を用意する段階;
(B)上記基板をインクジェット印刷装置にローディングする段階;及び
(C)上記基板の上記ストライプパターンが形成された領域に導電性インクを噴射して微細線幅パターンを図化する段階;を含み、
上記ストライプパターンの等間隔(d)と図化された微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足し、上記基板上に図化される導電性インクは上記ストライプパターンが形成された領域内で異方性流動されることを特徴とするプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項2】
上記(A)段階のストライプパターンを形成する段階は、
(A1)上記基板上に反射防止層を形成する段階;
(A2)上記反射防止層の上にフォトレジスト層を形成する段階;
(A3)上記フォトレジスト層が上記反射防止層を周期的に露出させる繰り返された帯状のフォトレジストパターンを持つようにレーザー干渉リソグラフィー処理する段階;及び
(A4)上記フォトレジストパターンが形成された上記基板を現像及びエッチングして、上記基板上にストライプパターンを形成する段階;を含むことを特徴とする請求項1に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項3】
上記ストライプパターンは、ポジティブまたはネガティブタイプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項4】
上記ストライプパターンは、谷とリッジとからなる凹凸形状に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項5】
上記導電性インクは、上記谷に沿って異方性流動し、上記リッジによって拡散防止されることを特徴とする請求項4に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項6】
上記ストライプパターンは、インプリンティングまたはロールプリンティング工程によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項7】
基板上に微細線幅パターンが図化された導電性基板において、
繰り返された帯状のストライプパターンを持つ基板;及び
上記ストライプパターンが形成された領域内で異方性流動して微細線幅パターンを形成した導電性インク;を含み、
上記ストライプパターンの等間隔(d)と微細線幅パターンの微細線(D)はd<<Dの関係式を満足することを特徴とする導電性基板。
【請求項8】
上記ストライプパターンは、リソグラフィー、インプリンティングまたはロールプリンティング工程によって形成されることを特徴とする 請求項7に記載の導電性基板。
【請求項9】
上記リースグラフィー工程は、レーザー干渉リソグラフィー工程であることを特徴とする請求項8に記載の導電性基板。
【請求項10】
上記ストライプパターンは、ポジティブまたはネガティブタイプであることを特徴とする請求項7に記載の導電性基板。
【請求項11】
上記ストライプパターンは、谷とリッジとからなる凹凸構造であることを特徴とする請求項7に記載の導電性基板。
【請求項12】
上記導電性インクは、上記谷に沿って異方性流動し、上記リッジによって拡散防止されることを特徴とする請求項11に記載の導電性基板。
【請求項13】
上記微細線幅パターンは、カラーフィルターパターンまたは電極配線パターンであることを特徴とする請求項7に記載の導電性基板。
【請求項1】
導電性インクを吐出させるインクジェットヘッドと、上記導電性インクが図化される基板を支持する駆動ステージを備えるインクジェット印刷装置を用いて、上記基板上に微細線幅パターンを図化するインクジェット印刷方法において、
(A)微細線幅パターンを形成する基板の表面に繰り返された帯状のストライプパターンを形成してプレパターン(pre‐pattern)された基板を用意する段階;
(B)上記基板をインクジェット印刷装置にローディングする段階;及び
(C)上記基板の上記ストライプパターンが形成された領域に導電性インクを噴射して微細線幅パターンを図化する段階;を含み、
上記ストライプパターンの等間隔(d)と図化された微細線幅パターンの微細線幅(D)はd<<Dの関係式を満足し、上記基板上に図化される導電性インクは上記ストライプパターンが形成された領域内で異方性流動されることを特徴とするプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項2】
上記(A)段階のストライプパターンを形成する段階は、
(A1)上記基板上に反射防止層を形成する段階;
(A2)上記反射防止層の上にフォトレジスト層を形成する段階;
(A3)上記フォトレジスト層が上記反射防止層を周期的に露出させる繰り返された帯状のフォトレジストパターンを持つようにレーザー干渉リソグラフィー処理する段階;及び
(A4)上記フォトレジストパターンが形成された上記基板を現像及びエッチングして、上記基板上にストライプパターンを形成する段階;を含むことを特徴とする請求項1に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項3】
上記ストライプパターンは、ポジティブまたはネガティブタイプであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項4】
上記ストライプパターンは、谷とリッジとからなる凹凸形状に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項5】
上記導電性インクは、上記谷に沿って異方性流動し、上記リッジによって拡散防止されることを特徴とする請求項4に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項6】
上記ストライプパターンは、インプリンティングまたはロールプリンティング工程によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のプレパターンされた基板を用いた高解像度インクジェット印刷方法。
【請求項7】
基板上に微細線幅パターンが図化された導電性基板において、
繰り返された帯状のストライプパターンを持つ基板;及び
上記ストライプパターンが形成された領域内で異方性流動して微細線幅パターンを形成した導電性インク;を含み、
上記ストライプパターンの等間隔(d)と微細線幅パターンの微細線(D)はd<<Dの関係式を満足することを特徴とする導電性基板。
【請求項8】
上記ストライプパターンは、リソグラフィー、インプリンティングまたはロールプリンティング工程によって形成されることを特徴とする 請求項7に記載の導電性基板。
【請求項9】
上記リースグラフィー工程は、レーザー干渉リソグラフィー工程であることを特徴とする請求項8に記載の導電性基板。
【請求項10】
上記ストライプパターンは、ポジティブまたはネガティブタイプであることを特徴とする請求項7に記載の導電性基板。
【請求項11】
上記ストライプパターンは、谷とリッジとからなる凹凸構造であることを特徴とする請求項7に記載の導電性基板。
【請求項12】
上記導電性インクは、上記谷に沿って異方性流動し、上記リッジによって拡散防止されることを特徴とする請求項11に記載の導電性基板。
【請求項13】
上記微細線幅パターンは、カラーフィルターパターンまたは電極配線パターンであることを特徴とする請求項7に記載の導電性基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−511905(P2010−511905A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540150(P2009−540150)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006275
【国際公開番号】WO2008/069565
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006275
【国際公開番号】WO2008/069565
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】
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