説明

プログラム、情報記憶媒体及び電子機器

【課題】複数の表示部を利用して同時に複数の画面を表示する場合に、ユーザの視線を注目対象の表示部にスムーズに誘導するための汎用性のある技術の提供。
【解決手段】今シーンとなるゲーム画面を表示する際、次シーンとなるゲーム画面がどの表示部に表示されるかを判定する。判定の結果、上側表示部の場合には第1矩形6が特別な表示形態とされた第1種進行操作アイコン4aを選択して、今シーンのゲーム画面内に含ませて表示する。反対に、次シーンを下側表示部に表示する場合には第2矩形8が特別名表示形態とされた第2種進行操作アイコン4bを選択して、今シーンのゲーム画面内に含ませて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の表示部を有するコンピュータに、所定のシナリオに従った複数のシーン画像を表示制御させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の表示部を有する携帯型のゲーム装置で実行されるゲームの1つとして、所定のシナリオに従った複数のシーン画像を表示制御させるゲームが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。
【0003】
公知のゲームでは、ストーリを進める上で図18に示すようなテキスト表示部2が含まれるゲーム画面W1が表示されるのが一般的である。テキスト表示部2には、当該シーンに登場する人物の台詞やシーンの状況説明文、操作ガイドになるメッセージ等が表示される。プレーヤはテキスト表示部2のテキストを読んでゲームを進める。
【0004】
テキストを読み進めるペースはプレーヤによって異なる。そのため、プレーヤの任意のタイミングでゲームを進行させることができるように、テキスト表示部2にテキストが表示されると、ページ送りに相当する進行操作の入力が可能であることを示すアイコン3が表示されてゲームの進行は待機状態となる。そして、プレーヤが進行操作入力をすると新たなゲーム画面が表示されてゲームが進行する。
【0005】
公知のゲームで採用されるアイコン3は、ストーリの進行をイメージさせるマーク(例えば、右向き三角マークや、下向き矢印マークなど)や、所定のボタンスイッチの操作を促すために、当該ボタンスイッチに描かれているマーク(例えば、丸印やバツ印など)をデザインしているものが多い。プレーヤはそれらのマークで、ゲームを進める操作が必要であることをデザインから認識したり、その為にどのボタンスイッチを押したら良いかを知ることができる。
【0006】
こうしたテキスト表示部2と進行操作を促すアイコン3との組み合わせは、プレーヤの好むペースでテキストを読みつつゲームを進められる点では大変優れており、今日多くのゲームで採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−175289号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】ニンテンドーDS用ソフト「名探偵コナン&金田一少年の事件簿」取扱説明書、株式会社バンダイナムコゲームス、2009年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1で示されるような複数の表示部を備えたゲーム装置でゲーム等を実行すると、プレーヤは何れかの表示部に注視するのが通常である。その一方で、同様のゲーム装置で実行されるゲームでは、複数の表示部にそれぞれ異なる情報が表示されることが多い。例えば、一方の表示部で登場人物の会話シーン(モノローグを含む)が示されつつ、他方の表示部ではプレーヤキャラクタの行動操作の入力画面が表示されるケースや、或いは両方の表示部に会話シーンが表示されるケースもある。
その為、プレーヤが一方の表示部に注視している合間に、他方の表示部でゲーム攻略やゲームストーリの理解のために重要な台詞やメッセージが表示されても、プレーヤがそれらを見逃してしまうおそれがあった。
【0010】
特許文献1の技術では、メッセージウィンドウなどを表示する際に、プレーヤが現在注視している表示部の画面内に生成したうえで、そのメッセージウィンドウを他の表示部へ移動するように表示制御することでこうした課題に対応しようとしている。
特許文献1の技術によれば、確かに重要な台詞やメッセージの見逃しを防止する効果を得ることができるが、メッセージウィンドウの生成と移動制御は、ゲーム作品によっては必ずしも適当な演出効果を生むものではなく汎用性に欠けるところがあった。
【0011】
本発明はこうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の表示部を利用して同時に複数の画面を表示する場合に、ユーザの視線を注目対象の表示部にスムーズに誘導するための汎用性のある技術の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以上の課題を解決するための第1の形態は、複数の表示部(例えば、図1の第1液晶ディスプレイ1406,第2液晶ディスプレイ1408)を有するコンピュータ(例えば、図1の携帯型ゲーム装置1400)に、所定のシナリオに従った複数のシーン画像を表示制御させるためのプログラムであって、
前記複数の表示部の中から注目対象とする表示部を切り替える順番である注目順番(例えば、図6のシーンカウンタ518)を制御する注目順番制御手段(例えば、図6の処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS2,S20,S28)、
前記注目順番に従って注目対象の表示部を指示する指示標識(例えば、図2の進行操作アイコン4)を表示制御する指示標識表示制御手段(例えば、図6の処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS12,S14)、
前記指示標識により指示された注目対象の表示部に表示されているシーン画像を、前記所定のシナリオに従った次のシーン画像に更新制御する表示更新制御手段(例えば、図6の処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS4)、として機能させるためのプログラムである。
【0013】
また、別形態として、複数の表示部を有し、所定のシナリオに従った複数のシーン画像を表示制御する電子機器であって、
前記複数の表示部の中から注目対象とする表示部を切り替える順番である注目順番を制御する注目順番制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図6の処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS2,S20,S28)と、
前記注目順番に従って注目対象の表示部を指示する指示標識を表示制御する指示標識表示制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図6の処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS12,S14)と、
前記指示標識により指示された注目対象の表示部に表示されているシーン画像を、前記所定のシナリオに従った次のシーン画像に更新制御する表示更新制御手段(例えば、図1の制御ユニット1450、図6の処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS4)と、を備えた電子機器を構成することができる。
【0014】
第1の形態によれば、注目順番を基準にして複数の表示部の中からユーザに注目してほしい注目対象とする表示部の切り替え順番を管理するとともに、その注目順番に従って注目対象の表示部を指示する指示標識を表示させることができる。そして、指示標識で指示した注目対象の表示部に次のシーン画像を表示させることができる。ここで言う「シーン画像」とは、1つのシーンを形成するために関連づけられた、作品世界の様子を描写するための単数又は複数の画像である。
つまり、シナリオに従って新たなシーン画像が表示される表示部を指示標識の表示によってユーザに通知することで、ユーザの視線をスムーズに誘導し、シーンで描かれる内容は勿論、そこに含まれる台詞やユーザへのメッセージの見落としなどを防ぐことができる。
しかも、画面に表示されるのは指示標識だけであり、どのようなゲーム作品でもその世界観を邪魔せず利用できる。つまり、高い汎用性を実現できる。
【0015】
第2の形態は、前記指示標識表示制御手段が、現在注目対象となっている表示部に前記指示標識を表示制御するように前記コンピュータを機能させるための第1の形態のプログラムである。
【0016】
第2の形態によれば、第1の形態と同様の効果を得られるとともに、指示標識を現在の注目対象となっている表示部に表示させることで、指示標識が自然にユーザの目にとまるようにできる。
【0017】
第3の形態は、前記コンピュータが、前記複数の表示部を所定の位置関係に設けて有し、前記指示標識表示制御手段が、前記複数の表示部それぞれを表す識別子(例えば、図3の第1矩形6、第2矩形8)を前記位置関係に従って配置したアイコンを前記指示標識とし、当該アイコン中の識別子のうち、前記注目順番に従った次の注目対象の表示部に対応する識別子の形態を変化させて表示制御するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の形態のプログラムである。
【0018】
第3の形態によれば、第1又は第2の形態と同様の効果を得られるとともに、どの識別子の形態を変化させたかによって、ユーザが次に複数の表示部のどれに注目するべきか、そして、今注目している表示部から相対的にどの方向へ視線を持って行けば良いかを一度に示すことができる。よって、ユーザはより一層スムーズな視線移動が可能になる。
【0019】
第4の形態は、ユーザによる進行操作の入力を受け付ける進行操作受付手段(例えば、図6の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、図9のステップS18、S24)として前記コンピュータを機能させ、
前記表示更新制御手段が、前記進行操作受付手段による受け付けがなされた場合に、前記注目順番に従って、次の注目対象の表示部の表示を更新するように前記コンピュータを機能させ、
前記指示標識表示制御手段が、前記進行操作受付手段による受け付けがなされた場合に、前記注目順番に従って、前記指示標識の表示を更新するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第3の何れかの形態のプログラムである。
【0020】
第4の形態によれば、第1〜第3の形態の何れかと同様の効果を得られるとともに、ユーザが進行操作を入力すると、表示の更新を行うとともに指示標識の更新を行うことができる。よって、進行操作入力を契機に、ページ送りのようにして次々にシーン画像が更新されて進行する形式のゲーム等を実現することができる。また、ユーザの進行操作に従ってシーン画像及び指示標識が更新されるため、ユーザのスムーズな視線移動を促し、重要な台詞やメッセージの見逃しを防止することができる。
【0021】
第5の形態は、ユーザによる進行操作の入力を受け付ける進行操作受付手段(例えば、図13の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、図14のステップS54、S70)、
前記注目順番に従って現在注目対象となっている表示部と次の注目対象の表示部との異同を判定する異同判定手段(例えば、図13の処理部200、ゲーム演算部210、表示位置異同判定部216、図14のステップS52)、
として前記コンピュータを機能させ、
前記指示標識表示制御手段が、1)前記異同判定手段により同じと判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、現在注目対象となっている表示部を指示する第1の指示標識を現在注目対象となっている表示部に表示制御し、2)異なると判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、次の注目対象の表示部を指示する第2の指示標識を現在注目対象となっている表示部に表示制御し、
前記表示更新制御手段が、1)前記異同判定手段により同じと判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、現在注目対象となっている表示部の表示を更新制御し、2)異なると判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、次の注目対象の表示部の表示を更新制御する、
ように前記コンピュータを機能させるための第1〜第4の何れかの形態のプログラムである。
【0022】
第5の形態によれば、第1〜第4の形態の何れかと同様の効果を得られるとともに、現在注目対象となっている表示部と、次に注目対象となる表示部との異同を判定し、判定結果に応じた種類の指示指標を表示することができる。
【0023】
上述した第1〜第5の形態において、前記シナリオが、複数の登場人物が登場するシナリオであり、
前記複数のシーン画像は、前記登場人物ごとの行動、表情変化及び心情の何れかを表す複数のシーン画像を含んで構成されてなる、
プログラムとして第6の形態を構成してもよい。
【0024】
なお、第6の形態における行動とは、例えば、発言や、仕草、挙動などを含む意味である。
【0025】
第7の形態は、前記注目順番制御手段が、同一の登場人物のシーン画像が連続する場合には、同じ表示部に当該連続するシーン画像を表示させるように前記注目順番を制御する、ように前記コンピュータを機能させるための第6の形態のプログラムである。
【0026】
第7の形態によれば、第6の形態と同様の効果を得られるとともに、同一の登場人物のシーン画像が連続する場合には、1つの表示部にそれら連続するシーン画像が連続して表示されるようにできる。よって、次々にシーン画像が更新されても登場人物の発言や心情の表現を見落としにくくすることができる。また、ユーザのストーリの理解を助けるといった作用効果もある。
【0027】
第8の形態は、前記注目順番制御手段が、前記複数の登場人物のうちの一の登場人物のシーン画像を前記複数の表示部のうちの一の表示部に切り替えるように前記注目順番を制御し、
前記表示更新制御手段が、前記注目順番に従って、前記一の表示部に表示されるシーン画像を前記一の登場人物のシーン画像となるように更新制御する、
ように前記コンピュータを機能させるための第6の形態のプログラムである。
【0028】
第8の形態によれば、第6の形態と同様の効果を得られるとともに、特定の登場人物のシーン画像を特定の表示部に表示させるように制御できる。よって、様々な登場人物が登場する物語で、特定の登場人物への感情移入をユーザに感じさせたい場合には有効である。更には、その特定の表示部が複数の表示部のうち、視聴スタイル上、最もユーザと物理的距離が近い表示部であればより一層効果的である。
【0029】
第9の形態は、前記一の登場人物のシーン画像を表示させる前記一の表示部をユーザの選択操作に従って設定する設定手段(例えば、図10の処理部200、ゲーム演算部210、特定キャラクタ設定部220、特定キャラクタ設定データ530、図12のステップS1)として前記コンピュータを機能させるための第8の形態のプログラムである。
【0030】
第9の形態によれば、第8の形態と同様の効果が得られるとともに、一の登場人物が登場するシーン画像を表示させる一の表示部をユーザが選択設定できる。
【0031】
第10の形態は、第1〜第9の何れか形態のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。第10の形態によれば、第1〜第9の何れかの形態のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜第9の形態の何れかと同様の効果を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】携帯型ゲーム装置のシステム構成例を示す図。
【図2】ゲームプレイ中の画面表示例を示す図。
【図3】第1実施形態における進行操作アイコンの例を示す図。
【図4】本実施形態におけるゲーム画面の表示例を時系列に示した図
【図5】図4より続くゲーム画面の表示例を時系列に示した図
【図6】第1実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図
【図7】第1実施形態におけるシークエンスデータのデータ構成例を示す図。
【図8】第1実施形態における進行操作アイコン設定データのデータ構成例を示す図。
【図9】第1実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図10】第2実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図11】第2実施形態におけるシークエンスデータのデータ構成例を示す図。
【図12】第2実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図13】第3実施形態における機能構成例を示す機能ブロック図。
【図14】第3実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図15】上側表示部を仮想的に区画して独立した表示部とする場合の表示部のレイアウト例を示す図。
【図16】上側表示部を仮想的に区画して独立した表示部とする場合の進行操作アイコン設定データの例を示す図。
【図17】次表示位置通知アイコンの例を示す図。
【図18】従来のゲームにおける進行操作を促すアイコンの表示例を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〔第1実施形態〕
本発明を適用した実施形態として、電子機器の一種である携帯型ゲーム装置においてテキストアドベンチャーゲームを実行する例を説明する。
ここで言う「テキストアドベンチャーゲーム」とは、ユーザであるプレーヤがゲーム画面内に表示された登場人物の台詞や状況説明文等を読み進めながら(或いはそれらを声優が読み上げた音声を聴きながら)、コマンドや行動選択をすることを繰り返して所定のストーリを仮想体験するゲームである。ストーリのテーマとプレーヤの操作内容によって、単にドラマを読ませる形式や、探偵に扮した主人公がナゾを解き明かす形式、コマンドや行動の選択に応じてプレーヤキャラクタの能力値が変動され、それに伴って各種イベントが発生し、イベントにおけるコマンドや行動の選択によってゲームストーリが分岐するシミュレーションゲーム形式(例えば、異性への告白を1つのゴールとする恋愛シミュレーション形式)、育成ゲーム形式など様々な形式が可能である。
【0034】
[ゲーム装置の構成]
図1は、携帯型ゲーム装置の構成例を説明するための外観図である。本実施形態における携帯型ゲーム装置1400は、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404と、第1液晶ディスプレイ1406と、第2液晶ディスプレイ1408と、スピーカ1410と、制御ユニット1450とを、ヒンジ1414で開閉自在な折り畳み型の装置本体1401に備えている。
そして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示面上には、スタイラスペン1416などで触れることによって表示画面の任意位置を接触入力することのできるタッチパネル1407、1409がそれぞれ装着されている。
【0035】
また、装置本体1401には、コンピュータ読み出し可能な情報記憶媒体であるメモリカード1440にデータを読み書きできるメモリカード読取装置1418が備えられている。メモリカード1440には、携帯型ゲーム装置1400の制御ユニット1450がゲームプレイに係る各種演算処理を実行するために必要なプログラムや各種設定データが記憶されている。またその他、装置本体1401には図示されていない内臓バッテリーや電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
【0036】
タッチパネル1407、1409は、表示画面を遮蔽することなくそれぞれ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408の表示画面のほぼ全域を被い、プレーヤがスタイラスペン1416(或いは指など)で触れる接触操作を行うと、左上を原点とする直交座標系における接触位置座標を制御ユニット1450へ出力することができる。
【0037】
制御ユニット1450は、ゲーム装置の制御基板に相当し、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリを搭載する。
また、制御ユニット1450は、無線通信モジュール1412や、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408のドライバ回路、タッチパネル1407及びタッチパネル1409のドライバ回路、方向入力キー1402及びボタンスイッチ1404からの信号を受信する回路、スピーカ1410へ音声信号を出力するためのアンプ回路、メモリカード読取装置1418への信号入出力回路といった所謂I/F回路(インターフェース回路)を搭載する。これら制御ユニット1450に搭載されている各要素は、それぞれバス回路を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。
【0038】
そして制御ユニット1450は、メモリカード読取装置1418によってメモリカード1440に格納されているプログラムやデータを読み出して、搭載するICメモリにこれらを一時記憶する。そして、読み出したプログラムを実行して演算処理を実行し、方向入力キー1402やボタンスイッチ1404、タッチパネル1407及び1409からの操作入力に応じて携帯型ゲーム装置1400の各部を制御してゲームを実行する。
【0039】
尚、本実施形態では、携帯型ゲーム装置1400は必要なプログラムや各種設定データをメモリカード1440から読み出す構成としているが、制御ユニット1450に搭載されている主要なプログラムやデータをICメモリに予め記憶している構成とすることができる。或いは、無線通信モジュール1412を介して、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの有線/無線の通信回線1に接続して外部装置からダウンロードして取得する構成としても良い。
また、液晶ディスプレイの数は二つに限らず3以上でも良い。或いは、1つのディスプレイを仮想的に切り分けて使用することで仮想的な複数ディスプレイとすることもできる。
【0040】
[ゲームの概要]
本実施形態では、プレーヤの行動選択操作によって、ストーリの展開が分岐されるストーリ分岐型のテキストアドベンチャーゲームを実行する。第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408には、ゲームストーリを展開させるゲーム画面(シーン画像に相当)が次々に切り換え表示されてゲームが進行する。
【0041】
ゲーム画面としては、例えば図2に示すように、タイトル画面W2であったり、ゲーム世界の様子を表示するとともに、当該シーンにおける台詞や状況説明をテキスト表示してプレーヤに読ませるテキスト表示欄2を含む画面(W4)等を構成することができる。勿論、公知のテキストアドベンチャーゲームと同様に、テキスト表示欄2に代えて、或いはテキスト表示欄2と共に、コマンドやプレーヤキャラクタの行動を選択する選択表示などを含む画面構成とすることもできる。
【0042】
ゲームの進行は、一部強制イベントのようにしてプレーヤの操作入力無しに自動的に進行する箇所も有るが、基本的にはプレーヤが所定の進行操作(一般的には「送り操作」とも呼ばれる)を入力することによって進行し、新たなゲーム画面が表示制御される。本実施形態での進行操作は、スタイラスペン1416によって第2液晶ディスプレイ1408のタッチパネル1409をタッチすること、又は所定のボタンスイッチ1404を押すことで実現される。
【0043】
本実施形態では、ゲームを進めるために進行操作が必要なゲーム画面W4には、同操作を促すための指示標識として進行操作アイコン4が表示される。進行操作アイコン4の表示位置は適宜設定可能であるが、テキスト表示欄2に表示されたテキストの行末部(左上から右下へ読み進めるテキスト表示形態ならば右下端)や画面右下隅に表示すると好適である。
【0044】
図3は、本実施形態における進行操作アイコン4の例を示す図である。
進行操作アイコン4は、上下二つに並んだ第1矩形6及び第2矩形8と、ペン型マーク10との複数の識別子を備えており、それぞれ縦に並んだ第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408と、スタイラスペン1416とをプレーヤにイメージさせるようにデザインされている。
【0045】
本実施形態の進行操作アイコン4は、第1矩形6が他の部分よりも目立つ表示形態(例えば、色相違い、色彩違い、明滅パターン、移動や振動、拡大縮小運動などの違いなど。図中ではハッチングで示している。)に設定された第1種進行操作アイコン4aと、第2矩形8が他の部分よりも目立つ表示形態に設定された第2種進行操作アイコン4bとの2種類が設定されている。
【0046】
前者は、当該アイコンの表示によって、進行操作入力が必要であることをプレーヤに通知するとともに、進行操作の入力の後、次のゲーム画面が第1液晶ディスプレイ1406に表示されることを通知し、上側表示部に注目するようにプレーヤに促す働きをする。
後者は、進行操作入力が必要であることを通知するとともに、次のゲーム画面が第2液晶ディスプレイ1408に表示されることを通知し、下側表示部に注目するようにプレーヤに促す働きをする。
つまり、進行操作アイコン4は次の注目対象とすべき表示部をプレーヤに指示する指示標識として作用する。
【0047】
尚、本実施形態では、第1液晶ディスプレイ1406と第2液晶ディスプレイ1408とが相対的に上下位置関係を為しているので、進行操作アイコン4でも第1矩形6と第2矩形8とを上下に配置したデザインとなっている。しかし、携帯型ゲーム装置1400を横倒しにして、第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408が相対的に左右位置となるようにしてプレイするゲームであれば、第1矩形6と第2矩形8とを左右に配置するように進行操作アイコン4をデザインすると良い。
【0048】
図4〜図5は、本実施形態におけるゲーム画面の表示例を時系列に示した図であり、上下二つの画面がそれぞれ上側表示部・下側表示部に相当し1組を成す。白矢印で次の表示例に進行するように示している。
【0049】
先ず、図4のタイトル画面W2とゲーム画面W4の組では、上側表示部(第1液晶ディスプレイ1406)にはタイトル画面W2が表示され、下側表示部(第2液晶ディスプレイ1408)には冒頭シーンに相当するゲーム画面W4が表示される。
【0050】
先に述べたように、ゲーム画面W4ではテキスト表示欄2が含まれ、主人公であるうさぎキャラクタの台詞(発言される台詞と、心の中で思っている台詞とを含む)がテキスト表示されるとともに、その行末部には進行操作アイコン4が表示される。本実施形態では、うさぎキャラクタの様子を示す画像は基本的に下側表示部に表示されるようにゲーム画面の配置が制御される。
【0051】
本実施形態では、タイトル画面W2とゲーム画面W4の組が表示された状態から進行操作を入力すると、第2シーンに相当する次のゲーム画面W6が上側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W4に表示される進行制御アイコン4は第1種進行操作アイコン4aとなる。
【0052】
この状態からプレーヤが進行操作を入力すると、ゲーム画面W4の第1種進行操作アイコン4aの表示が解除されるとともに、上側表示部にタイトル画面W2に代えて新たなゲーム画面W6(図中、画面枠を示す線を二重線に強調)が表示され、一時的にゲーム画面W6とゲーム画面W4との組を形成する。
【0053】
新たなゲーム画面W6でも、下側表示部のゲーム画面W4と同様にゲーム世界内の様子が描かれるとともに、テキスト表示欄2に当該シーンの登場人物(この場合、いぬキャラクタ)の台詞と進行操作アイコン4とが表示される。本実施形態では、上側表示部には、主人公以外の登場人物の様子を示すゲーム画面が優先的に表示されるように画面配置が制御される。
【0054】
そして、本実施形態ではこの次のシーンを描くゲーム画面が下側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W6の進行操作アイコン4は第2種進行操作アイコン4bである。
【0055】
ゲーム画面W6とゲーム画面W4の組の状態からプレーヤが進行操作を入力すると、ゲーム画面W6の進行操作アイコン4の表示が解除されるとともに、下側表示部にゲーム画面W4に代えて第3シーンに相当する新たなゲーム画面W8が表示されて、一時的にゲーム画面W6とゲーム画面W8との組を形成する。
【0056】
新たなゲーム画面W8でも同様に、画面中にはテキスト表示欄2と進行操作アイコン4とが表示される。本実施形態では、ゲーム画面W8と次シーンのゲーム画面とは続き関係にあり、連続してうさぎキャラクタのアクションの続きが描かれる。よって、次の第4シーンに相当するゲーム画面W10は下側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W8の進行操作アイコン4は第2種進行操作アイコン4bが表示される。
【0057】
次いで、ゲーム画面W6とゲーム画面W8の組の状態からプレーヤが進行操作を入力すると、ゲーム画面W8の第2種進行操作アイコン4bの表示が解除されるとともに、ゲーム画面W8に代えて新たなゲーム画面W10が下側表示部に表示され、一時的にゲーム画面W6とゲーム画面W10との組を形成する。
【0058】
新たなゲーム画面W10でも同様に、画面中にはテキスト表示欄2と進行操作アイコン4とが表示される。本実施形態では、この状態から進行操作を入力すると、第5シーンに相当する次ゲーム画面W12(図5参照)が上側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W10に表示される進行制御アイコン4は第1種進行操作アイコン4aとなる。
【0059】
ゲーム画面W6とゲーム画面W10の組の状態(図4参照)からプレーヤが進行操作を入力すると、図5に示すように、ゲーム画面W10の進行操作アイコン4の表示が解除されるとともに、上側表示部にはゲーム画面W6に代えて新たなゲーム画面W12が表示され、一時的にゲーム画面W12とゲーム画面W10との組を形成する。
【0060】
本実施形態では、この状態から進行操作を入力すると、次の第6シーンに相当するゲーム画面W14が下側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W12に表示される進行制御アイコン4は第2種進行操作アイコン4bとなる。
【0061】
ゲーム画面W12とゲーム画面W10の組の状態からプレーヤが進行操作を入力すると、ゲーム画面W10の進行操作アイコン4の表示が解除されるとともに、下側表示部にはゲーム画面W10に代えて新たなゲーム画面W14が表示され、一時的にゲーム画面W12とゲーム画面W14との組を形成する。
【0062】
ゲーム画面W14は、台詞無しのシーンなのでテキスト表示欄2は設定されていないが、進行操作アイコン4は表示される。本実施形態では、この状態から進行操作を入力すると、第7シーンに相当するゲーム画面W16が上側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W14に表示される進行制御アイコン4は第1種進行操作アイコン4aとなる。
【0063】
ゲーム画面W12とゲーム画面W14の組の状態からプレーヤが進行操作を入力すると、ゲーム画面W14の進行操作アイコン4の表示が解除されるとともに、上側表示部にはゲーム画面W12に代えて新たなゲーム画面W16が表示され、一時的にゲーム画面W16とゲーム画面W14との組を形成する。
【0064】
本実施形態では、この状態から進行操作を入力すると第8シーンに相当するゲーム画面W18が下側表示部に表示されるように制御されるので、ゲーム画面W16に表示される進行制御アイコン4は第2種進行操作アイコン4bとなる。
【0065】
ゲーム画面W16とゲーム画面W14の組の状態からプレーヤが進行操作を入力すると、ゲーム画面W16の進行操作アイコン4の表示が解除されるとともに、下側表示部にはゲーム画面W14に代えて新たなゲーム画面W18が表示され、ゲーム画面W16とゲーム画面W18との組を形成する。
【0066】
ゲーム画面W18では、うさぎキャラクタの心情を表現するシーンと共に、心の声を示すテキスト表示欄2と、タッチ操作で選択可能な行動選択ボタン9が表示されている。本実施形態では行動選択ボタン9の何れを選択するかによって、その後のストーリ展開が変わる(シナリオ分岐となってサブシナリオへ分岐する)ようにシナリオが構成されている。
以下、同様にストーリが終りに至るまで、上側表示部と下側表示部とにゲーム画面を次々に更新しつつゲームが進行する。
【0067】
こうしたゲームを堪能するためにはプレーヤは、次々に更新される画面を見落とさないようにしなければならない。しかし、公知の複数画面を利用したアドベンチャーゲームでは、進行操作アイコン4として進行操作の入力そのものを促す表示(例えば、右向き矢印マーク)や、進行操作入力が割り当てられたボタンスイッチ1404の表示がなされるだけであった。そのため、今現在どの位置の表示部を見れば良いか分かりづらく、また、次のタイミングでどの位置の表示部に新たなゲーム画面が表示されるかも認識できなかった。このため、ゲーム画面全体に目を配りつつその場その場で判断して視線を移動しなければならなかった。
【0068】
プレーヤによる画面の見落とし対策としては、例えば、人は動きの有るものに自然と視線を向け易い習性があることを利用して、新しいゲーム画面を表示する際に画面切り換えエフェクトを適用したり、新しいゲーム画面の表示冒頭に何らかのアニメーションを付与するといった手法で、プレーヤが新しいゲーム画面へ注意を向け易くすることも考えられる。しかし、こうした手法は逆に画面演出の表現を制限することとなる。
【0069】
これに対して本実施形態では、今現在の注目対象の表示部に進行操作アイコン4を表示するため、プレーヤは今現在の注目対象の表示部を一目で理解できる。また、進行操作アイコン4に次にどの画面が更新されるか、プレーヤに次に注目するべき表示部を案内する機能を付与している。よって、進行操作アイコン4を一瞥するといったアドベンチャーゲームをプレイする上ではごく当たり前の行為で、プレーヤに次の新しいゲーム画面をスムーズに注目させることができる。プレーヤにしてみれば、新しいゲーム画面の位置を探す必要が無くスムーズな視線運びができるので、ゲーム進行において画面の見落としが無く、ストレスを感じることがない。
【0070】
[機能ブロックの説明]
次に、上述のようなゲームを実行するための機能構成例について説明する。
図6は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0071】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。例えば、ボタンスイッチや、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、2軸以上の検出軸を有する多軸検出型加速度センサ又は検出軸方向を違えて組み合わされた単軸検出型加速度センサユニット、少なくとも2方向以上の検出方向を可能にする多方向検出型傾斜センサまたは検出方向を違えて組み合わされた単方向検出型傾斜センサユニット、などによって実現できる。図1の方向入力キー1402やボタンスイッチ1404はこれに該当する。
【0072】
そして、操作入力部100は、接触位置検出部102を含む。
接触位置検出部102は、表示画面範囲への接触位置を検出することのできるデバイスで実現される。図1のタッチパネル1407,1409がこれに該当する。
【0073】
処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む携帯型ゲーム装置1400の各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、携帯型ゲーム装置1400の動作を制御する。図1では制御ユニット1450が処理部200に該当する。
そして、本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0074】
ゲーム演算部210は、ゲームの準備及び進行に関する各種処理を実行する。
本実施形態では、記憶部500に記憶されているシナリオデータ508に従って、(1)複数の表示部の中から注目対象とする表示部を切り替える順番である注目順番を制御する処理と、(2)操作入力部100からの進行操作入力(一般的に「送り操作の入力」と言われることもある)や、主人公キャラクタの行動選択入力の受け付け処理と、(3)進行操作入力や行動選択操作入力を検知したことを契機に、注目順番に従ってストーリ分岐を判定する処理、(4)判定されたストーリの流れに従って、進行操作アイコン4(指示標識)により指示された表示部に表示されている画像を次シーンに相当するゲーム画面に更新制御する処理と、を実行してゲームを進行させる。
そして、本実施形態のゲーム演算部210は、進行操作アイコン選択部212と、進行操作アイコン表示制御部214とを含む。
【0075】
進行操作アイコン選択部212は、注目順番に従って注目対象の表示部を指示するための進行操作アイコン4(指示標識)を選択する。
より具体的には、今回表示させるシーンのゲーム画面の更に次のシーンのゲーム画面が表示される側の表示部が、上側表示部か下側表示部かを判定する。そして、判定結果に応じて記憶部500に記憶されている進行操作アイコン設定データ512から何れかの進行操作アイコンを選択する。本実施形態は、第1種進行操作アイコン4a又は第2種進行操作アイコン4bを選択することになる。
【0076】
進行操作アイコン表示制御部214は、今回表示させようとするシーンのゲーム画面内に、進行操作アイコン選択部212により選択された進行操作アイコン4を表示させ、操作入力部100から進行操作入力が為された場合には、表示中の進行操作アイコン4の表示を解除するように表示制御する。
【0077】
換言すると、進行操作アイコン選択部212と進行操作アイコン表示制御部214とによって、現在注目対象となっている表示部に、前記注目順番に従った次の注目対象の表示部を指示する指示標識を表示制御することができる。
【0078】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、音声合成ICなどのプロセッサや、音声ファイル再生可能なオーディオコーデックによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音の音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0079】
音出力部350は、音生成部250から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図1ではスピーカ1410がこれに該当する。
【0080】
画像生成部260は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデックなどのプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0081】
画像表示部360は、画像生成部260から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
本実施形態では、上側表示部362と下側表示部364とを含み、それぞれ図1の第1液晶ディスプレイ1406及び第2液晶ディスプレイ1408が該当する。
【0082】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0083】
通信部370は、通信回線1と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図1の無線通信モジュール1412がこれに該当する。
【0084】
記憶部500は、処理部200に携帯型ゲーム装置1400を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図1では制御ユニット1450が搭載するICメモリやメモリカード1440がこれに該当する。
【0085】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。システムプログラム501は、携帯型ゲーム装置1400のコンピュータとしての入出力の基本機能を実現するためのプログラムである。ゲームプログラム502は、処理部200が読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトであるが、システムプログラム501の一部として組み込まれた構成であっても良い。
【0086】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとして、シナリオデータ508と、進行操作アイコン設定データ512とが記憶されている。更にゲームの準備や進行に伴って随時生成や更新が行われるデータとして、プレイデータ514が記憶される。また、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり必要となるデータ(例えば、タイマー値やカウンタ)なども適宜記憶されるものとする。
【0087】
シナリオデータ508は、複数のシークエンスデータ510と、ストーリ分岐設定データ511とを含む。
【0088】
1つのシークエンスデータ510は、当該シークエンスを構成する各シーンのゲーム画面を順番に表示させるためのデータやゲーム音を出力させるためのデータを格納する。ゲーム内でプレーヤが行動選択する構成の場合には、行動選択肢と分岐先とを対応づけた情報を含む。
【0089】
1つのシークエンスデータ510は、例えば図7に示すように、シークエンスを識別するための情報を格納するシークエンスID510aを含む。また、シーン番号510bと対応づけて、表示先となる表示部の識別情報を格納する表示先510cと、ゲーム画面を表示させるための情報を格納するゲーム画像データ510dと、テキスト表示欄2に表示されるテキストデータ510eと、行動選択肢510fとを対応づけて格納する。
尚、ゲーム画面は静止画でも、動画でも良く、その形式は適宜設定可能である。また、ここではゲーム音についての説明は省略するがゲーム音を再生させるためのデータも同様に対応づけて格納することができる。
【0090】
ストーリ分岐設定データ511は、主人公キャラクタ(本実施形態ではプレーヤキャラクタと同義)の行動選択と、その選択結果により次に進むシークエンスデータ510のシークエンスID510aとを対応付けしたデータであり、公知のストーリ分岐型テキストアドベンチャーゲームにおける同様のデータと同じように実現することができる。
【0091】
進行操作アイコン設定データ512は、ゲーム中に表示される進行操作アイコン4を定義する情報を格納する。例えば、図8に示すように、選択条件512aと対応づけて進行操作アイコン512bとを格納する。
【0092】
プレイデータ514は、ゲーム進行状態を示す情報を格納する。例えば、図6に示すように、現在実行中のシークエンスデータの識別情報を格納する実行シークエンスID516と、注目順番に相当する次に表示すべきシーン番号を格納するシーンカウンタ518とを含む。その他、適宜タイマーやカウンタ、フラグなどゲーム進行に必要な情報を含めることができる。
【0093】
[処理の流れの説明]
次に、本実施形態における処理の流れについて説明する。ここで説明する一連の処理の流れは、処理部200がゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。尚、ゲーム音の出力に関する記述は省略するが、公知のテキストアドベンチャーゲームと同様に適宜ゲーム音を再生制御する構成として良い。
【0094】
図9は、本実施形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、プレイデータ514を記憶部500に生成し、実行シークエンスID516を最初のシークエンスを示すように設定し、シーンカウンタ518の値を「1」に設定して初期化する(ステップS2)。
【0095】
そして、シナリオデータ508から、現在の実行シークエンスID516に該当するシークエンスデータ510を選択し、当該シークエンスデータ510を参照して、現在のシーンカウンタ518の値に対応するシーンのゲーム画像の表示を開始する(ステップS4)。より具体的には、シークエンスデータ510から現在のシーンカウンタ518(注目順番相当)の値に合致するシーン番号510bを抽出し、当該シーン番号510bに対応するゲーム画像データ510dを、今回表示させるシーン画像(以下、このシーンのことを「今シーン」という。)として表示先510cの示す側の液晶ディスプレイに表示させる。この時、ゲーム画面内のテキスト表示欄2には、当該シーン番号510bに対応するテキストデータ510eが表示される。
【0096】
次に処理部200は、現在の実行シークエンスID516に該当するシークエンスデータ510を参照して、今回表示したシーンの次シーンのゲーム画面を表示させる表示部を判定する(ステップS10)。そして、進行操作アイコン設定データ512を参照して、判定した表示部が選択条件512aに合致する進行操作アイコン4を選択し(ステップS12)、今回表示させたゲーム画面内の所定位置に選択した進行操作アイコン4を表示させる(ステップS14)。
【0097】
次に、今シーンに行動選択肢510f(図7参照)の設定の有無を判定する(ステップS16)。もし、今シーンに行動選択肢の設定があると判定された場合には(ステップS16のYES)、処理部200は行動選択肢入力を検知して(ステップS18のYES)、ストーリ分岐設定データ511で定義されている分岐設定に従って、入力のあった行動選択肢に対応する分岐設定を選択し、実行シークエンスID516を変更するとともに、シーンカウンタ518を「1」に初期化する(ステップS20)。そして、ステップS4に戻り、新たに選択されたシークエンスデータ510の最初のシーンに相当するゲーム画面を表示させる。
【0098】
一方、行動選択肢の設定が無いと判定されれば(ステップS16のNO)、処理部200は進行操作の入力を検知すると(ステップS24のYES)、現在表示中の進行操作アイコン4の表示を解除して(ステップS26)、シーンカウンタ518を「1」加算する(ステップS28)。
【0099】
そして、シナリオがまだ終了していない場合には(ステップS32のNO)、ステップS4に戻り、「1」加算されたシーンカウンタ518の値に対応するシーン番号のゲーム画面を新たに表示させる。
【0100】
一方、ステップS28でシーンカウンタ518を「1」加算した結果、シークエンスデータ510に対応するシーン番号が無い場合には、シナリオ終了と判断して(ステップS32のYES)、所定のエンディングを表示させるなどしてゲームを終了させ(ステップS34)、一連の処理を終了する。
【0101】
以上、本実施形態によれば、複数の表示部を有するコンピュータにおいて、複数の表示部の内、何れか1つの表示部に対してゲームストーリの進行に伴って新たなゲーム画面を更新表示させることを繰り返して進むゲームを実行させることができる。そして、プレーヤへ進行操作を促すとともに、現在注目すべき表示部(ゲーム画面)がどの表示部なのか、更には、次に表示されるゲーム画面がどこの表示部になるかを通知することで、プレーヤの視線を次ゲーム画面が表示される表示部へスムーズに向けさせることができる。よって、新たに表示されるゲーム画面の位置が変化するゲームであってもゲーム画面の見落としを抑制し、ストレスの無い視線誘導でスムーズなゲームプレイを実現することができる。
【0102】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、次シーンが表示される表示部を、次シーンに登場する人物に応じて判定する機能を備えた点、更にはプレーヤが選択した特定の登場人物のシーンを特定の表示部に表示させる機能を備えた点が異なる。尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとし、ここでは第1実施形態との差異についてのみ説明する。
【0103】
図10は、本実施形態における機能ブロック図である。
同図に示すように、本実施形態のゲーム演算部210は、特定キャラクタ設定部220と、特定表示位置設定部222と、表示位置選択部224とを含む。
【0104】
また、本実施形態における記憶部500のプレイデータ514は、プレーヤが選択した特定のキャラクタの識別情報を格納する特定キャラクタ設定データ530と、特定のキャラクタが登場するシーンを表示させる表示部の識別情報を格納する特定表示位置設定データ532と、次のシーンに相当するゲーム画面を表示させる表示部の識別情報を格納する次表示位置設定データ534とを含む。
【0105】
また、図11に示すように、本実施形態のシークエンスデータ510は、表示先510cに代えて、登場人物の識別情報を格納する登場人物種類510gを含む。
【0106】
特定キャラクタ設定部220は、プレーヤが登場人物の内の何れかを特定キャラクタとして設定する。具体的には、ゲーム開始前に、シークエンスデータ510の登場人物種類510gを参照して、登場人物の一覧を表示させて、その中からプレーヤに何れかを選択させる処理を実行する。そして、選択されたキャラクタの識別情報を、プレイデータ514に特定キャラクタ設定データ530として参照可能に記憶する。尚、登場人物の一覧を表示させて、ストーリ展開上、事前に明かすべきでないキャラクタについては選択対象外とすることも可能である。また、特定キャラクタは主人公のキャラクタ(例えばうさぎキャラクタ)として、選択不可として、特定表示位置のみをプレーヤが選択設定可能にしてもよい。
【0107】
特定表示位置設定部222は、特定キャラクタ設定部220による選択設定処理された特定キャラクタが登場するシーンをどの表示部に表示させるかプレーヤに選択させる処理を実行する。例えば、ゲーム開始前に、複数の表示部の一覧を表示して、プレーヤに何れかを選択させる。選択された表示部の識別情報は、プレイデータ514の特定表示位置設定データ532として格納される。
【0108】
表示位置選択部224は、現在の実行シークエンスID516に該当するシークエンスデータ510を参照して、現在のシーンカウンタ518の値に該当するシーンの登場人物種類510gに基づいて、次シーンのゲーム画面を何れの表示部に表示するか選択する。
具体的には、例えば特定キャラクタ設定部220で選択設定された特定キャラクタに該当する登場人物であれば、特定表示位置設定部222で選択設定された表示部を選択する。また、連続するシーンで同じ登場人物の場合には同じ表示部となるように選択する。そして、選択された表示部の識別情報は、次表示位置設定データ534に格納される。
【0109】
図12は、本実施形態における処理流れを説明するためのフローチャートである。
本実施形態の処理の流れは基本的には第1実施形態のそれと同様であるが、先ず、処理部200の特定キャラクタ設定部220が、登場人物の中から特定キャラクタをプレーヤに選択させる特定キャラクタ設定処理を実行する(ステップS1)。
【0110】
また、ステップS2の後、処理部200は特定キャラクタの設定処理でプレーヤが選択した登場人物が登場するシーンを表示させる特定の表示部の選択設定処理を実行する(ステップS5)。
【0111】
次いで、処理部200はプレイデータ514の次表示位置設定データ534を第1シーンの登場人物の種類に応じて初期化する(ステップS6)。
具体的には、現在の実行シークエンスID516の示すシークエンスデータ510を参照し、第1シーンの登場人物が特定キャラクタ設定データ530に設定されているキャラクタと同じであれば、ステップS5で設定された特定表示位置設定データ532に設定されている表示部とし、異なれば特定表示位置設定データ532に設定されている表示部以外の表示部に設定する。
【0112】
次いで、処理部200は、現在の実行シークエンスID516の示すシークエンスデータ510を参照し、現在のシーンカウンタ518の値に対応するシーン番号510bに対応づけられたゲーム画面を次表示位置設定データ534の示す表示部へ表示制御するようにする(ステップS8)。
【0113】
そして、今シーンのゲーム画面を表示制御したならば、処理部200は次シーンの登場人物に応じて次表示位置設定データ534を更新する(ステップS11)。
より具体的には、現在の実行シークエンスID516に合致するシークエンスデータ510を参照し、更に当該シークエンスデータ510において現在のシーンカウンタ518の値に合致するシーンの登場人物種類510gを参照する。登場人物種類510gが特定キャラクタ設定データ530と同じキャラクタを示していれば特定表示位置設定データ532に設定されている表示部、異なれば特定表示位置設定データ532に設定されている表示部以外に更新する。その場合、今シーンと次シーンで同じ登場人物が登場するならば、今シーンが表示されている表示部と同じ表示部となるように選択するものとする。
以下の処理は、第1実施形態の処理の流れと同様である。
【0114】
以上のように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得られるとともに、登場人物の種類に応じて次シーンに当るゲーム画面を何れの表示部に表示するか選択制御することができる。更には、プレーヤが選択した特定の登場人物(特定キャラクタ)の登場するシーンを特定の表示部に表示させるように制御できる。これによって、登場人物と表示部の位置とに有る程度のルール付けをすることで、どの登場人物が話しているかを分かり易くし、スムーズなストーリ理解を手助けすることができる。
【0115】
もし、特定の表示部をゲームプレイスタイル上、物理的に最もプレーヤに近い表示部(本実施形態の場合には、第2液晶ディスプレイ1408に当る下側表示部)にデフォルト設定した構成とするならば、プレーヤと特定プレーヤキャラクタとの距離感を近づけて演出し、特定キャラクタへのプレーヤの感情移入度合いを高めることができる。
【0116】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、一部機能部の構成と処理の流れを説明するためのフローチャートとが異なる。
尚、第1実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与して説明は省略するものとし、ここでは第1実施形態との差異についてのみ説明する。また、本実施形態では単独のシークエンスからなるものとして説明するが、第1実施形態と同様にシナリオを複数のシークエンスから構成し、行動選択によって分岐する構成としても良いのは勿論である。
【0117】
図13は、本実施形態における機能ブロック図である。本実施形態のゲーム演算部210は、表示位置異同判定部216を含む。
表示位置異同判定部216は、注目順番に従って現在注目対象となっている表示部と次の注目対象の表示部との異同を判定する。
そして、進行操作アイコン選択部212は、表示位置異同判定部216による異同判定の結果に応じて進行操作アイコン設定データ512より表示する進行操作アイコンを選択する。
【0118】
図14は、本実施形態における主たる処理の流れを説明するためのフローチャートである。処理部200は先ず、プレイデータ514を生成して記憶部500に記憶し、シーンカウンタ518の値を「1」に初期化する(ステップS50)。
次いで、現在のシーンカウンタ518の値に対応するシーン番号510bのゲーム画面(今シーン)を表示制御する表示部と、現在のシーンカウンタ518の値に「1」加算したシーン番号510bに対応するゲーム画面(次シーン)を表示制御する表示部との異同を判定する(ステップS52)
【0119】
異同判定の結果、「同じ」と判定された場合(ステップS52のYES)、処理部200は進行操作の入力を検知すると(ステップS54のYES)、現在表示されている進行操作アイコンの表示を解除して(ステップS56)、今シーンのゲーム画面をシークエンスデータ510の表示先510cの示す表示部に表示制御する(ステップS58)。
【0120】
そして、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部が上側表示部の場合(ステップS60の「上側」)、処理部200は第1種進行操作アイコン4aを選択し、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部に表示制御する(ステップS62)。反対に、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部が下側表示部の場合(ステップS60の「下側」)、処理部200は第2種進行操作アイコン4bを選択し、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部に表示制御する(ステップS78)。
【0121】
一方、異同判定の結果、「異なる」と判定された場合(ステップS52のNO)、処理部200は進行操作の入力を検知すると(ステップS70のYES)、現在表示されている進行操作アイコンの表示を解除して(ステップS72)、今シーンのゲーム画面をシークエンスデータ510の表示先510cの示す表示部に表示制御する(ステップS74)。
【0122】
そして、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部が上側表示部の場合(ステップS76の「上側」)、処理部200は第2種進行操作アイコン4bを選択し、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部に表示制御する(ステップS78)。反対に、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部が下側表示部の場合(ステップS76の「下側」)、処理部200は第1種進行操作アイコン4aを選択し、今シーンのゲーム画面を表示させた表示部に表示制御する(ステップS62)。
【0123】
第1種進行操作アイコン4a又は第2種進行操作アイコン4bを表示制御したならば、処理部200は次に、シーンカウンタ518を「1」加算する(ステップS90)。
ここで、シナリオがまだ終了していない場合には(ステップS92のNO)、ステップS52に戻り、「1」加算されたシーンカウンタ518の値に対応するシーン番号のゲーム画面を新たに表示させる。
一方、シーンカウンタ518を「1」加算した結果、シークエンスデータ510に対応するシーン番号が無い場合には、シナリオ終了と判断して(ステップS92のYES)、所定のエンディングを表示させるなどしてゲームを終了させ(ステップS94)、一連の処理を終了する。
【0124】
尚、本実施形態に、第2実施形態が有する次シーンの登場人物種類に応じた次シーンを表示させる表示部の選択機能を付与することも可能である。
【0125】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1〜第3実施形態について説明したが、本発明の適用可能な実施形態がこれらの構成に限定されるものではなく、適宜、構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0126】
例えば、上記実施形態ではテキストアドベンチャーゲームを例に挙げて説明したが、本発明はテキストアドベンチャーゲームのように所定のシナリオに沿って順番づけられた複数のシーンが進行操作入力を契機の1つとして次々に表示されてゆく要素を含むゲームや電子コミックに、同様に適用することができる。例えば、RPGで登場人物達が会話する場面、シミュレーションゲームやシューティングゲームのイベントシーンなどが含まれる。電子コミックの場合には、1コマずつ各表示部に順次表示していくことで同様に適用することができる。
【0127】
また例えば、上記実施形態では物理的に分かれた二つの液晶ディスプレイを備え、それぞれを個別の画像表示部(上側表示部、下側表示部)として扱う構成としたが、1つの液晶ディスプレイの表示領域を複数の区画に分けて、各区画を個別の表示部とする構成とすることができる。
【0128】
具体的には、例えば図15に示すように、携帯型ゲーム装置1400の第1液晶ディスプレイ1406の表示領域を左右二つに区画して、それぞれ右上側表示部・左上側表示部として異なる表示部とする構成も可能である。この場合、それら右上側表示部・左上側表示部に加えて第2液晶ディスプレイ1408を下側表示部として、次ゲーム画面が何れの表示部に表示されるか(或いは表示部の異同判定)によって、進行操作アイコンを選択する。そして、この構成の場合、例えば図16に示すように、右上側表示部・左上側表示部・下側表示部の相対位置関係をイメージさせるデザインで、何れかの表示部が特別な表示形態で表示される3種類の進行操作アイコン4(4d,4e,4f)をデザインし設定すると良い。
【0129】
また、上記実施形態ではシーンが変わる毎に進行操作アイコン4を新たに表示させていたが、進行操作アイコン4を必ずしも表示させる必要は無く、強制的に表示されるイベントシーンなどでは適宜、進行操作アイコン4の表示を省略することができる。
また、複数の表示部の何れかに次々に新たなゲーム画面を自動進行的に表示させるイベントシーンなどにおいて、進行操作の要求が不要だが次ゲーム画面の表示位置の通知は行いたい場合には、図17に示すように、進行操作アイコン4からペン型マーク10を省略した次表示位置通知アイコン5(5a,5b)とし、これを用いる構成としても良い。その場合、次表示位置通知アイコン5は予め表示されるゲーム画面内に組み込んでおくと良い。
【0130】
また、上記実施形態では、進行操作アイコン4を表示部の相対位置が分かるように複数の識別子で構成するデザインとしたが、単に次に表示される表示部の方向を示す矢印で代用する構成としても良いのは勿論である。
例えば、上記第1実施形態の場合ならば、第1種進行操作アイコン4aとして上向き矢印、第2種進行操作アイコン4bとして下向き矢印で代用できる。また、第2実施形態のように表示部の異同判定を行う場合には、今シーンのゲーム画面を表示する表示部と、次シーンのゲーム画面を表示する表示部とが同じならば右向き矢印、今シーンのゲーム画面を表示する表示部が上側表示部で、次シーンのゲーム画面を表示する表示部が下側表示部ならば下向き矢印、今シーンのゲーム画面を表示する表示部が下側表示部で、次シーンのゲーム画面を表示する表示部が上側表示部ならば上向き矢印、を表示するように構成しても良い。
【0131】
また、上記実施形態では、各シーンのゲーム画面として、登場キャラクタの発言(例えばW12)や表情変化(例えばW14)、心情(例えばW18)を表すゲーム画面を例に挙げて説明したが、実現可能なゲーム画面がこれに限定されるものではない。例えば、登場キャラクタの仕草や挙動といった行動(発言も行動の1つと言える。)を表すゲーム画面を表示することとしてもよい。
【0132】
また、上記実施形態ではゲーム装置として携帯型ゲーム装置1400を例示したが、家庭用ゲーム装置や業務用ゲーム装置1300ゲーム装置などを用いることができる。
更にはゲームを実行する電子機器は、“ゲーム装置”として販売される電子機器に限らず、アプリケーションソフトが実行可能な携帯電話機やコンパクトデジタルカメラ、音楽プレーヤ、パソコンと言った電子機器も、プログラムを実行可能なコンピュータを内蔵している、或いはコンピュータそのものと言えるため、本発明を実現する電子機器とすることができる。
【符号の説明】
【0133】
2 テキスト表示欄
4 進行操作アイコン
100 操作入力部
110 撮像部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 進行操作アイコン選択部
214 進行操作アイコン表示制御部
216 表示位置異同判定部
220 特定キャラクタ設定部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
510 シークエンスデータ
512 進行操作アイコン設定データ
514 プレイデータ
518 シーンカウンタ
1400 携帯型ゲーム装置
1401 装置本体
1404 ボタンスイッチ
1406 第1液晶ディスプレイ
1407 タッチパネル
1408 第2液晶ディスプレイ
1409 タッチパネル
1450 制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部を有するコンピュータに、所定のシナリオに従った複数のシーン画像を表示制御させるためのプログラムであって、
前記複数の表示部の中から注目対象とする表示部を切り替える順番である注目順番を制御する注目順番制御手段、
前記注目順番に従って注目対象の表示部を指示する指示標識を表示制御する指示標識表示制御手段、
前記指示標識により指示された注目対象の表示部に表示されているシーン画像を、前記所定のシナリオに従った次のシーン画像に更新制御する表示更新制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記指示標識表示制御手段が、現在注目対象となっている表示部に前記指示標識を表示制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータは、前記複数の表示部を所定の位置関係に設けて有し、
前記指示標識表示制御手段が、前記複数の表示部それぞれを表す識別子を前記位置関係に従って配置したアイコンを前記指示標識とし、当該アイコン中の識別子のうち、前記注目順番に従った次の注目対象の表示部に対応する識別子の形態を変化させて表示制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
ユーザによる進行操作の入力を受け付ける進行操作受付手段として前記コンピュータを機能させ、
前記表示更新制御手段が、前記進行操作受付手段による受け付けがなされた場合に、前記注目順番に従って、次の注目対象の表示部の表示を更新するように前記コンピュータを機能させ、
前記指示標識表示制御手段が、前記進行操作受付手段による受け付けがなされた場合に、前記注目順番に従って、前記指示標識の表示を更新するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
ユーザによる進行操作の入力を受け付ける進行操作受付手段、
前記注目順番に従って現在注目対象となっている表示部と次の注目対象の表示部との異同を判定する異同判定手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記指示標識表示制御手段が、1)前記異同判定手段により同じと判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、現在注目対象となっている表示部を指示する第1の指示標識を現在注目対象となっている表示部に表示制御し、2)異なると判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、次の注目対象の表示部を指示する第2の指示標識を現在注目対象となっている表示部に表示制御し、
前記表示更新制御手段が、1)前記異同判定手段により同じと判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、現在注目対象となっている表示部の表示を更新制御し、2)異なると判定されている場合に前記進行操作受付手段による受け付けがなされたときには、次の注目対象の表示部の表示を更新制御する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記シナリオは、複数の登場人物が登場するシナリオであり、
前記複数のシーン画像は、前記登場人物ごとの行動、表情変化及び心情の何れかを表す複数のシーン画像を含んで構成されてなる、
請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記注目順番制御手段が、同一の登場人物のシーン画像が連続する場合には、同じ表示部に当該連続するシーン画像を表示させるように前記注目順番を制御する、ように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記注目順番制御手段が、前記複数の登場人物のうちの一の登場人物のシーン画像を前記複数の表示部のうちの一の表示部に切り替えるように前記注目順番を制御し、
前記表示更新制御手段が、前記注目順番に従って、前記一の表示部に表示されるシーン画像を前記一の登場人物のシーン画像となるように更新制御する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項6に記載のプログラム。
【請求項9】
前記一の登場人物のシーン画像を表示させる前記一の表示部をユーザの選択操作に従って設定する設定手段として前記コンピュータを機能させるための請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項11】
複数の表示部を有し、所定のシナリオに従った複数のシーン画像を表示制御する電子機器であって、
前記複数の表示部の中から注目対象とする表示部を切り替える順番である注目順番を制御する注目順番制御手段と、
前記注目順番に従って注目対象の表示部を指示する指示標識を表示制御する指示標識表示制御手段と、
前記指示標識により指示された注目対象の表示部に表示されているシーン画像を、前記所定のシナリオに従った次のシーン画像に更新制御する表示更新制御手段と、
を備えた電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2010−263951(P2010−263951A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115644(P2009−115644)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】