説明

プログラム可能な仮想書籍システム

電子コンテンツを提示するための書籍のようなインターフェイス(仮想書籍)を提供する電子情報閲覧システム。より詳細には、使用者が動的ファイル形態内に被包されたデータ及びプログラム仕様を介して動作を構成することを許容する電子情報閲覧システム。構成可能な動作は、仮想書籍内に表示されるべきコンテンツの種類、書籍寸法のような仮想書籍の静的特徴、並びに、ページがいつ捲られるか及びページ捲りが特定の事前設定事象の実行にどのように付随するか等のような仮想書籍の動的特徴を含むが、これらに限定されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は以下の同時係属特許出願に関係し、それらの全てが参照として本明細書に引用されるものとする。即ち、2002年3月19日出願の米国特許出願番号第60/365,186号、2002年3月28日出願の米国特許出願番号第60/367,765号、2002年9月13日出願の米国特許出願番号第60/410,278号、2002年5月13日出願の米国特許出願番号第10/142,996号、2002年5月13日出願の米国特許出願番号第10/142,858号、2002年5月13日出願の米国特許出願番号第10/143,005号、2000年10月12日出願の米国特許出願番号第09/686,965号、2002年10月30日出願の米国特許出願番号第10/283,084号、2000年10月12日出願の米国特許出願番号第09/686,902号、2000年7月14日出願の米国特許出願番号第09/617,043号、2002年1月23日出願の米国特許出願番号第10/052,387号、2001年12月13日出願の米国特許出願番号第10/029,868号。本願は以下の特許にも関係し、それらの全てが参照として本明細書に引用されるものとする。即ち、1999年6月1日発効の米国特許第5,909,207号、2000年5月16日発効の米国特許第6,064,384号、2002年1月22日発効の米国特許第6,340,980号、2002年6月18日発効の米国特許第6,407,757号。
【0002】
本発明は、インターネット上のみならず独立型装置上の電子コンテンツへの迅速なアクセス及び視聴を提供するソフトウェアシステムに関する。より詳細には、本発明は、電子コンテンツを通じたナビゲーションを容易にするために、仮想書籍のようなインターフェイスを提供する。存在するコンテンツ及びコンテンツの構成に対する迅速な視覚のみならず包含されるコンテンツ内の事項への迅速なアクセスを許容するように、これは電子コンテンツの閲覧を容易にする。仮想書籍システムはアプリケーションプログラミングインターフェイスを通じてプログラム可能である。仮想書籍インターフェイスのディスプレイモードの設定、仮想書籍ディスプレイへの変更の制御、仮想書籍内のコンテンツと仮想書籍外部からのプログラム及びデータとの相互作用、並びに、仮想書籍システムのインターフェイス及び他の部分へ適用されるべき他の所望の静的及び動的効果は、全て、プログラム可能なシステムによって柔軟に達成され得る。
【背景技術】
【0003】
現在、コンピュータに記憶された文書の視聴はコンピュータモニタスクリーンを通じてなされる。1つのスクリーン内に包含され得るよりも長い/大きい文書のために、(例えば、スクリーン上に表示された文書の縁部にあるスクロールバーと結び付けられた「マウス」の使用を通じて、或いは、ハイパーテキストリンクの使用を通じて)文書を上下にスクロールする、或いは、文書中の特定地点にジャンプするための手段が提供されている。
【0004】
しかしながら、書籍と比較すると、大部分の人々はこれを文書視覚のための特に便利な方法とは思わない。これが正しいことは、コンピュータがより頻繁に用いられるようになったという事実にも拘わらず、それに応じて紙の使用が減少していないどころか、視覚用に一見容易且つ柔軟に操作され得るようコンピュータ内に便利に記憶されたものを印刷する必要のために紙の量が増大していることによって証明されている。何かの表面(例えば、壁)に貼り付けられるべき紙シート上に画像を印刷する場合、殆どの考え得る状況及び場所で読むために比較的軽く頑丈なペーパーバック書籍を有することが便利である場合のように、包含されている情報を印刷したものが必要であることもあるが、読者がデスクトップコンピュータの正面の机に座り或いは机から離れてノートブックコンピュータを操作することで満足しているときに、読者が依然として手持ち形態である文書の印刷されたものを好むときが度々ある。これは、装置又はソフトウェア・アプリケーションの操作方法を理解するために、ソフトウェア取扱説明書を含む取扱説明書に目を通す場合に特に当て嵌まる。皮肉なことに、コンピュータのソフトウェア・パッケージには、軽量なCD−ROMに容易に記憶され得る情報を包含する重厚な取扱説明書が同梱されているのが普通であり、仮に取扱説明書がCD−ROMの形態で頒布されることがあるとしても、読むことを容易にするために、大抵の場合、人々はそれらをハード・コピーの形態に印刷する。
【0005】
人が書籍中の印刷物と交流するときに含まれるものは難解で複雑な工程である。先ず初めに、ページからページへの要素の継続性をもって、書籍中の要素が順次的に提示され、要素内の着想がある種の着想階層で相互に関連し合うので、(要素が章、区分、サブ区分等に組織されるように)提示される要素内に階層構造もある。人間の知覚システムはデータを順次的に入力する。よって、書籍が初めから終わりまで順次的に読まれた後で、包含される構成内容の視覚後に、頭脳は着想階層を再生成する。しかしながら、人は初めから終わりまで読まない(或いは包含される情報を入力しない)ことが極めて多い。何故ならば、(a)人は要素が提示する概観を有することを欲する、(b)人は彼/彼女が興味のある何かを調べている、或いは、(c)(例えば、何かの操作方法を理解するために取扱説明書を読む場合に)人は書籍の部分のみを読むことに興味がある、からである。これらの場合には、人は、その読者に特に興味のある要素を見出すために、主題の書籍を閲覧する。
【0006】
閲覧工程では2つの基本な事が達成される。第一に、閲覧者は書籍形式の文書のコンテンツが何であるかの瞥見を有する。第二に、閲覧者は興味のある事項が凡そどこに存在するかの考えを有することによって、閲覧者は、(a)後に必要な場合に、戻ってそれらを捜すことができ、(b)現在視覚されている要素と他の要素との間の関係についての理解(即ち、包含される階層構造の理解)を得ることができる。ページを捲るために、且つ、ページによって与えられている固有の順序と共に、閲覧者が包含される要素の本質、場所及び組織に関する理解を有することを極めて迅速に許容するために、書籍形式の文書を閲覧するときには、多くの指の動作が閲覧者に求められる。
【0007】
書籍を閲覧する工程において、人は以下の操作を遂行し得る。
【0008】
(a)人が書籍中の要素を視覚するのに望む詳細レベルに依存して可変速度でページを捲ること。
【0009】
(b)興味のある事項の凡その場所にジャンプすること。
【0010】
(c)極めて迅速に捲り方向(前後方向)を変化すること。何故ならば、
(i)人は異なるページ上の要素を比較対照することを欲するからであり、
(ii)興味のある幾つかの事項の凡その場所にジャンプした後、人は正確な場所を見出すことを欲するからであり、
(iii)人は興味のある事項がどこにあるか不確かであり、それを捜している過程にあるからである。
【0011】
(d)人が後に戻ることを欲する興味のある幾つかのページに印しを付ける。
【0012】
これらの全ての操作は、指が捲れるページと相互作用して、且つ、指及び手の不必要な動作を最小限にして、極めて迅速に遂行される。興味深いことに、柔らかく可撓なページを有する書籍/雑誌は取扱いがより難しい。何故ならば、それを閲覧するためにより多くの指及び手の動作が必要だからである。これに対し、頑丈なページを有する書籍は殆ど手の動作なく閲覧され得る。
【0013】
例えば、コンピュータスクリーン上のスクロールバー及びボタンに組み合わされたマウスの使用のような、コンピュータ内に記憶された文書の現在利用可能な閲覧方法において、上述の操作を実現するために、手のより多くの動作が必要である。また、スクリーン上の所定位置にカーソルを移動するために、マウスが手の動作を用いるか或いはトラックボールの場合のように指の動作を用いるかに応じて、手又は指の精細な制御も必要である。工程は長く不恰好である。工程の長さは、事項間の関係を構築する目的のために近接過去に直面した事項を記憶する人間の短期記憶能力に大きな負担をかけ、工程の不恰好さは妨げを生成し且つ短期記憶工程と干渉する。これは知覚心理学において周知の効果である。
【0014】
書籍中の要素はページに組織されるので、それは包含される要素の様々な部分の場所をより良く記憶する読者の能力も増進する。また、ワードプロセッサで普通なされているような、コンテンツが不鮮明になり且つ読むことが不可能である、スクリーン上の文書をスクロールする工程と異なり、人がページ捲りを通じて書籍中の要素を移動すると、詳細でなくとも、人は依然として少なくとも凡そのコンテンツを読むことができる。書籍を閲覧する人がそのコンテンツ、特定事項の場所及び要素の組織に関する良好な理解を得ることができるのは、これらの機能の故である。
【0015】
上述された理由の故に、現在利用可能な方法を用いてコンピュータスクリーン上に表示される文書イメージよりはむしろ、人々は依然として書籍を自分の手で読むことを好む。
【0016】
米国特許第5,467,102号(Kuno et al.)は、文書を見るための装置を開示し、この装置は2つのディスプレイスクリーンを含む。2つのディスプレイスクリーンを用いることの目的の1つは、使用者が文書の2つの異なるページを表示することを許容することによって、それらが並列して読まれ得るようにすることである(例えば、図表及びそのテキスト形式の説明)。他の目的は、大きな画像が同時に両ページに表示されることを許容することである。Kuno et al.の装置は、圧力センサによって、使用者が文書を通じた動作速度を変えることを許容する。この圧力センサの故に、より大きな圧力が加えられると、文書内のページがより速く進められる。Kuno et al.の装置は、前進センサ領域又は後進センサ領域の各々を押すことによって、文書が前方向又は後方向に見られることも許容する。スクリーン上に表示されているアイコンを押すことによって、人はジャンプ先のページを選択し得る。しかしながら、Kuno et al.の装置は、依然として、書籍を閲覧するのと同一の便利さは提供しない。異なる制御(文書を通じての動作速度、見る方向の変化及び文書の異なる部分へのジャンプ)のための操作間を切り替えるとき、物理的な書籍を操作する場合よりも、より多くの手及び指の動作があるからである。
【0017】
米国特許第5,417,575(1995年)において、McTaggartは、書籍の形態に結合されたラミネート加工シートを含む電子書籍を開示している。これらの各シート上において、印刷された要素が上層に配置され、その層の下には、薄い発光ダイオード(LED)を含む電子背景部材があり、感圧スイッチが背板に固定されている。LEDは、印刷された要素の部分を強調する目的のために、上層を通じて見ることのできる視覚的な信号を発生する。印刷された要素内の特定事項の下に位置付けられた感知スイッチは、これらの事項の使用者選択を感知する目的のためにある。テキストを説明し或いは使用者に音声フィードバックを与えるための音声信号を発生するために、スピーカも書籍上に設けられている。接点又は感光スイッチもページに組み込まれ、どのページが現在見られているかを電子回路が識別することを許容することで、適切な音声及び視覚的信号が発生され得る。印刷された要素の視覚的及び音声強化並びに使用者のフィードバックを受容する装備を用いることで、この装置は人が装置を典型的な書籍を取扱うように取扱うことを許容する形態であるが、それは基本的にハードワイヤされた装置であり、再プログラムが可能ではなく、異なるコンテンツを備えた書籍のために異なるハードウェアが構成されなければならない。電子書籍上に表示するためにコンピュータから文書ファイルをダウンロードするために何らの装備も利用可能でなく、電子書籍は任意の文書ファイルを表示可能ではない。よって、この装置はコンピュータ内に記憶された文書を閲覧するのに適していない。
【0018】
米国特許第5,909,207号(Ho)は、コンピュータに基づいたシステムを開示しており、使用者が電子仮想書籍の形態の文書を見たり操作することを許容し、電子媒体中の情報を閲覧する上での上記問題の解決を試みている。この仮想書籍システムは極めて綿密に紙書籍を真似ており、2つの主要構成部材を有する。1つはコンピュータスクリーン上での紙書籍の描写であり、写実的なページ捲り及び厚さ描写を備える。他は閲覧装置の使用であり、それは1)捲り方向の迅速な変化、2)捲り速度の迅速な変化、3)任意の所望ページの選択及び任意の所望ページへのジャンプ、並びに、4)ページのブックマーク処理を許容する。閲覧装置は、紙書籍の場合と大体同じように、人が指で書籍のページを操作することを許容する。従って、ページの仮想操作はスクリーン上の書籍イメージと共に仮想書籍システムを構築する。この仮想書籍システムは、情報閲覧の容易性が紙書籍によって得られるものに接近し得る程に、情報閲覧の現在の電子手段において用いられている方法を極めて顕著に向上する。これによって、使用者は大量のページ(おそらく数千ページ)の情報を素早く閲覧し、包含される構造及びコンテンツに関する概念、よって、「仮想書籍」中の要素の全体的集合の良好な概観を得ることが可能とされる。包含されるようその構造及びコンテンツの良好な概念を有し得ること以外に、紙書籍の場合に相当類似する仮想書籍の形態で提示された要素を閲覧する工程は、それに引き続く要素内の事項の検索も容易にする。
【0019】
米国特許第5,909,207号(Ho)において、仮想書籍システムは、仮想書籍インターフェイスの生成及び仮想書籍のページ上のコンテンツの表示をもたらすソフトウェアモジュールに依存している。仮想書籍システムは、ハードディスク又は(インターネットのような)他のソースからのデータを読込み、(仮想書籍の寸法のような)仮想書籍ディスプレイのための特定の基本パラメータを設定する。しかしながら、仮想書籍システムは、仮想書籍システム内で複雑な静的及び動的効果を達成するために、外部プログラムが基本仮想書籍ディスプレイソフトウェアモジュールと相互作用し、基本仮想書籍ディスプレイソフトウェアモジュールを制御し、且つ、基本仮想書籍ディスプレイソフトウェアモジュールに命令することを許容するプログラム可能なインターフェイスを提供しない。より複雑な動作を達成し、或いは、仮想書籍システムの既存動作を変更するために、基本仮想書籍ディスプレイソフトウェアモジュールは再プログラムされなければならない。これは追加的な努力、費用及び時間を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従って、発明者は、外部プログラム及びアプリケーションからのコマンド及びデータと相互作用し、且つ、外部プログラム及びアプリケーションからのコマンド及びデータを受信する能力を含めて、全体的な仮想書籍システムの所望動作を迅速に再構築するために、再プログラム可能な仮想書籍システムの必要性があることを識別した。
【課題を解決するための手段】
【0021】
電子コンテンツの表示及び閲覧のための仮想書籍システムを提供するための現在利用可能な枠組みの上述の欠点に鑑み、本発明の1つの目的は、仮想書籍システムの所望動作を迅速に構成するために、プログラム可能な仮想書籍システムを提供することである。
【0022】
本発明の他の目的は、仮想書籍システムの動作の静的及び動的側面の仕様を含む、仮想書籍動作仕様方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0023】
本発明の追加的な目的は、書籍動作仕様方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトの構造のための仕様を静的及び動的部分を含むデータ及びプログラムファイルの形態で提供することである。
【0024】
本発明のさらに追加的な目的は、書籍動作仕様の動的仕様部分がどのように外部プログラム及びデータと相互作用するかの仕様を提供することである。
【0025】
本発明の他の目的は、書籍動作仕様の動的仕様部分が、アプリケーション・プログラム・インターフェイスを通じて、基本仮称書籍ソフトウェアとどのように相互作用するかについての仕様を提供することである。
【0026】
本発明のさらなる他の目的は、書籍動作仕様の動的仕様部分が、仮想書籍インターフェイスの特定の特徴を制御する制御信号をどのように発生するかについての仕様を提供することである。
【0027】
本発明の他の目的は、プログラム可能な仮想書籍システムのためのアルゴリズムを提供することである。
【0028】
本発明の追加的な目的は、仮想書籍システム中の特定の所望動作を引き起こすための特定の事象のための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0029】
本発明のさらなる他の目的は、仮想書籍システム内のページの1つ又はディスプレイスクリーンの他の場所でビデオ又はオーディオファイルの再生の完了のような特定事象の完了後、仮想書籍システムに表示されている仮想書籍内の所望ページへの捲りを活性化するための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0030】
本発明の他の目的は、仮想書籍システムにおける特定事象の実行の結果としての特定動作の実行のための一般的なアルゴリズムを提供することである。
【0031】
本発明の追加的な目的は、ディスプレイスクリーン上に表示された仮想書籍を拡大するための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0032】
本発明の他の目的は、全ての包含されるデータが収集され且つ統合され得るよう、仮想書籍が1つのページから他のページに捲られるときに、幾つかの収集データ、即ち、特定ページを見ることが後のページで依然として可能である間にシステムに入力されたデータを持続的にするための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0033】
本発明の他の目的は、プログラム又は仮想書籍システムの外部のアプリケーションにおいて情報を引き出すための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供し、それを仮想書籍システム内の仮想書籍に表示することである。
【0034】
本発明の追加的な目的は、仮想書籍システムの外部のプログラム又はアプリケーションから電子メール情報を引き出し、それを仮想書籍システム内の仮想書籍に表示するための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0035】
本発明の他の目的は、仮想書籍システム内の仮想書籍における仮想書籍システムの外部のプログラム又はアプリケーションから生成された調査結果を表示するための方法、システム及びコンピュータプログラムプロダクトを提供することである。
【0036】
添付の図面と共に以下の詳細な記載を参照することによって本発明及びその多くの付随的な利点がより良く理解されるときに、それらのより完全な理解が容易に得られるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
図面を参照すると、同等の参照番号は、幾つかの図面を通じて、同一又は対応する部材を指し示しており、より具体的には、図1Aは、本発明に従った仮想書籍システム100を描写しており、仮想書籍システムは、コンピュータ又は他の電子システムに記憶された文書又はいなかる情報をも閲覧する目的のために、既存のコンピュータ又は他の電子システムと共に用い得る。
【0038】
ディスプレイスクリーン11上に表示された仮想書籍インターフェイス100は、2つの側部、即ち、左側部101及び右側部102から成る。左側部101及び右側部102に各々関連付けられた左側部厚み103及び右側部厚み104がある。左底部厚み105及び右底部厚み106もある。如何なる数のブックマーク(例えば、107及び108)をも左側部103(又は105)に位置付けることが可能であり、如何なる数のブックマーク(例えば、109及び110)をも右側部厚み104(又は106)に位置付けることが可能である。
【0039】
ジャンプ先の所望ページを選択するために、左側厚み103及び右側厚み104の各々の上にあるジャンプカーソル120,121を用い得る。ジャンプカーソル120,121は、ページ101,102の仮想縁部に対して直交する方向に、厚み103,104上で「上下」に移動し得る。(左側ジャンプカーソル120のための方向123,124及び右側ジャンプカーソル121のための方向125,126。)厚み上の「上下」動作によって、ジャンプカーソルはジャンプ先の文書(仮想書籍100)内の所望ページを選択し得る。
【0040】
図1Bは、以前は見られなかった文書の他の部分を見せるために、仮想書籍内のページが捲られている状態を描写している。1ページ又はそれ以上のページ(例えば、130乃至133)が同時に捲られ得る。矢印134乃至137は、捲られるページ130乃至133方向を各々示している。この場合、ページ130乃至133は書籍102の右側部102から左側部101へ進んでいる。ページが書籍の1つの側部、例えば、書籍の右側から他の側部、例えば、書籍の左側に移動されると、書籍の両側部の厚み103,104はそれに応じて変化する。この場合、もしページが右側部から左側部に進むならば、右側部厚み104の幅が減少し、ページ130乃至133が左側部101に載った後、左側部厚み103の幅が増大する。左側部101から右側部102へ捲れるページに関しては逆である。
【0041】
ジャンプ先の所望ページが(例えば、ジャンプカーソル120,121又はブックマーク107乃至110を用いることによって)選択され、ジャンプが活性化されると、ページは最終目的ページへ捲れ、同時に、図1Cに描写されているように、現在見られているページとジャンプ先のページとの間の要素の分量/ページの数を表現する厚み140が、それに応じて書籍を横断して捲れるよう示されている。図1Cでは、ジャンプ先の所望ページは書籍の右側部102にあり、捲り厚み140が書籍102の右側部から左側部101に捲れるように示され、捲り厚み140が右側部102を離れて左側部101上へ移動すると、右側部厚み104は減少するよう示されている。捲り厚み140が左側部上に載ると、左側部厚み103の幅が増大する。左側部101から右側部102へ進む捲り厚みに関しては逆である。
【0042】
図1Dは、ページの集まり140が自由に捲れて書籍100の左側部101又は右側部102に載るのが許容される代わりに、ページの集まり140がある種のポインタ142によって保持され、且つ、周囲に捲られている状態を描写している。これによって、様々な可視的なページ上のコンテンツが比較対称されることが可能とされている。図1Dは、書籍100の左側部101からページの集まり140に向かって捲られている単一ページ145を描写している。書籍100の左側部101又は右側部102からの1ページ又はそれ以上のページが集まり140に加えられることができ、或いは、書籍100の左側部101又は右側部102に戻すために、集まり140からの1ページ又はそれ以上のページが集まり140から取り除かれることができる。これは、書籍100内のページの視覚及び比較を容易にするためである。
【0043】
図1Eは、書籍100内のページを操作する他の方法を描写している。書籍100の右側部102から左側部101へ初期的に捲れるページ150乃至155の一部は方向転換され、反対方向に捲れている。ページ153乃至155は書籍100の右側部102に向かって捲れるよう方向転換されている。これが起こるのは、読者/閲覧者が、ページ150乃至155を捲っている途中に、例えば、ページ152と153との間に見られるべき興味深いものがあり、見ること/読むことを容易にするために、それらのページをこの時点で「開かせる」ことを欲することを決めるときである。書籍100の左側部101方向へのページ150乃至152の継続的な移動及び書籍100の右側部102方向へのページ153乃至155の移動の結果、ページ152と153との間のコンテンツは、読者/閲覧者が見るため/読むために平坦に配置される。
【0044】
図2は、仮想書籍100の他の実施態様200を描写している。仮想書籍200の左側部203は、それが殆ど見えなくなるまで後方に屈曲されている。これは一種の「片側」書籍ディスプレイを容易にする。このディスプレイでは、1つの側部(この場合では右側部204)のみが見える。これは、ディスプレイスクリーン上の領域が限定的であり且つ書籍の片側のみを表示し得るときに有用である。ページ235,236は、書籍200を横断して右側部204から左側部203へ捲られるよう示されている。他の実施態様において、仮想書籍200の左側部203は見えないようにされることで、それはディスプレイスクリーン上の如何なる空間をも占有しない。
【0045】
図3は、ディスプレイスクリーン上のディスプレイフレーム、例えば、301内に仮想書籍300を生成するソフトウェアシステムを描写している。ソフトウェアシステムの中心は書籍ビューアソフトウェア310である。書籍ビューアソフトウェア310は、仮想書籍300インターフェイスを生成し、他のソースからコンテンツを取り込み、それらを仮想書籍300上に表示する。コンテンツソース340はインターネット、コンピュータのハードディスク、コンピュータに挿入されたCD、他のメモリソース又は他のソースからコンテンツを引き出し得る。書籍形式仕様330があり、それはインターネット、コンピュータのハードディスク、CD、他のメモリソース又は他のソースの何れかに存在するデータファイルである。書籍形式仕様330は2つ又はそれ以上の区域を包含する。これらの区域の1つは書籍属性区域331である。書籍属性区域は、仮想書籍300の寸法、ページの表示モード(例えば、コンテンツが分割されて2ページ、即ち、右側及び左側ページに表示されるモードであるべきか、或いは、コンテンツが左側及び右側ページの双方に跨る単一の「中心展開」モードで表示されるべきか)、並びに、書籍が(フレーム301のような)その周囲を囲むウィンドウフレームを有するべきか或いは書籍自体で表示されるべきか等に関する仕様を包含する。他の区域はコンテンツソース区域332である。コンテンツソース区域は、コンテンツのソース、例えば、ページ1,2,3等のコンテンツがどこから(即ち、インターネット、ハードディスク等上のどの場所から)来るかに関する仕様を包含する。
【0046】
書籍形式仕様330は、基本的に、コンテンツを備えた仮想書籍300をディスプレイスクリーン上にどのように生成するかを、書籍ビューアソフトウェアに命令する。仮想書籍300がディスプレイスクリーン上に表示された後、それは操作され得る、即ち、ページ捲り及びコンテンツ検索等がなされ得る。制御信号発生器350は、マウス又は他の入力装置であり得る。これは、図1B及び1Eに描写された捲り動作を発生する捲りコマンド、図1Aに描写されたジャンプカーソル制御コマンド、図1Cに描写されたジャンプコマンド、図1Aに描写されたブックマーク処理コマンド、並びに、図1D及び1Eに描写された複合ページ操作コマンド等のような、仮想書籍300を操作するコマンドを発生し得る。
【0047】
図3に描写されている書籍形式仕様330は比較的静的である。そのコンテンツは静的データであり、書籍ビューアソフトウェアによって読み込まれ、且つ、比較的静的な仮想書籍300を生成するために用いられる。あるビデオデータが表示されるときのように、このように生成される仮想書籍300上のコンテンツの一部は動的であり得るが、(書籍の寸法等のような)書籍の基本特性の大部分は書籍形式仕様330内のデータによって変更されない。何故ならば、データは静的であるからである。(フレームの寸法、よって、仮想書籍300の寸法を変更するためにフレーム301の隅部上でドラッグするためにマウスを用いることのように、仮想書籍300の一部の基本特性は、制御信号発生器からのコマンドと連動して、書籍ビューアソフトウェアによって依然として変更され得るが、この信号は書籍形式仕様330からは来ない。)
図4は、ディスプレイスクリーン上に表示された仮想書籍400のより柔軟な制御を許容するシステムを描写している。書籍ビューアソフトウェア410に命令して仮想書籍400を生成する書籍動作仕様430は、静的仕様区域431と、動的仕様区域435とを含む。静的仕様区域431は、書籍属性仕様432と、コンテンツソース仕様433と、他の使用とを含む。動的仕様区域435は、仮想書籍400の動的及び実行時動作を特定する1つ又はそれ以上のプログラム、例えば、プログラム1 436、プログラム2 437等を含む。
【0048】
プログラム436,437等は、解釈され且つ実行されると、特定の動的動作が、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて、仮想書籍400上で達成されることを命令し、アプリケーションプログラムインターフェイスは命令を書籍ビューアソフトウェア410に送信する。これは経路461,462等を通じて達成される。
【0049】
仮想書籍400のより一層柔軟な制御を許容するために、プログラム436,437等は、書籍動作仕様430内の動的仕様区域431も変更し得る。これは経路463,464等によって示されている。もし書籍属性432の1つが、例えば、仮想書籍400の寸法であるならば、1つ又はそれ以上のプログラム436,437等は、実行中(即ち、仮想書籍400の生成及び閲覧工程中)、経路463,464等を通じて書籍属性432内の寸法の値を変更することによって、仮想書籍400の寸法の変更を達成し得る。プログラム436,437等自体によるプログラム436,437等の変更も経路463,464等を通じて可能である。
【0050】
他の制御ソース及び書籍動作仕様430の動的仕様区域435内のプログラム436,437等を通じて発信されるデータは、仮想書籍システム外部の他のプログラム及びデータ470であり得る。これは図4において経路471,472等で描写されている。これは他のプログラムに組み込まれた一方向データであり、アプリケーションは仮想書籍400に導入されることが可能であり、仮想書籍400の動作は基本の書籍ビューアソフトウェア410システム外部の他のプログラム及びデータの動作に付随し得る。
【0051】
アプリケーションプログラムインターフェイス460を用いることで、仮想書籍400を操作するための制御信号は、マウス又は他の入力装置のような一部の外部装置(即ち、外部制御信号450)で発生する代わりに、今や、プログラム436,437等で発生し、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて達成され得る。
【0052】
書籍動作仕様430の動的及び静的仕様431及び435は、図4に示されるように、共に被包される必要はない。それらは書籍ビューアソフトウェア410にリンクされた別個の構成要素であり得る。
【0053】
書籍動作仕様430の動的仕様区域435内のプログラム436,437等の1つは、ジャバスクリプトであり得る。ジャバスクリプト436,437等を解釈する1つの方法は、マイクロソフト社のInternet Explorer(R)を使用することである。本発明に従ったジャバスクリプトの4つの例が付属書類Aとして添付されている。
【0054】
図5は、書籍ビューアソフトウェア410が仮想書籍400を生成し且つ操作する工程の1つの実施態様が示している。工程はステップ501で開始する。工程は次にステップ502に進み、そこでは、書籍動作仕様430が読み込まれ且つ解釈される。工程は次にステップ503に進み、そこでは、初期的な静的仕様431に基づいて、仮想書籍400が生成される。この後、工程はステップ504に進み、そこでは、動的仕様区域435内のプログラム436,437等が解釈される。工程は次にステップ505に進み、そこでは、プログラム436,437等によって、他の外部制御信号450によって、或いは、他のソースによって命令された変更があれば、そのような変更は、アプリケーション・プログラム・インターフェイス460を通じて、仮想書籍400上に、コンピュータシステム上に存在する他のデータ上に、ディスプレイスクリーン上の他の表示された事項上に、メモリ又は他の装置上に、配線又は他の手段でコンピュータシステムに接続された他の構成要素上に、或いは、他の種類の構成要素上に達成される。この後、工程はステップ506に進み、そこでは、プログラム435,437等によって、他の外部制御信号450によって、或いは、他のソースによって特定された変更があれば、そのような変更は、書籍動作仕様430内の静的仕様431又は動的仕様435上で達成される。工程はステップ507に進み、工程はそこで終了する。
【0055】
図6は、図4に描写された可撓なプログラム可能な仮想書籍システムの適用を描写している。書籍動作仕様430の動的仕様区域435内のプログラム(436,437等の1つ)が図6に示されるような工程を実施する。工程はステップ610で開始する。工程は次にステップ611に進み、そこでは、ページXが捲られている。工程は次にステップ612に進み、そこでは、ビデオファイルがページX上で再生される。これは、仮想書籍600内のページ601上で再生されているビデオファイル602に対応する。この後、工程はステップ613に進み、そこでは、再生されているビデオの状態がチェックされる。このチェック作業は、書籍動作仕様430(図4)の動的仕様区域435に組み込まれたプログラム(436又は437)によって達成され得る。プログラム436は、例えば、仮想書籍600のページ601上のビデオファイル602を再生する外部ビデオ再生プログラム(このビデオプレーヤーは他のプログラム及びデータ区画470に対応する)から再生しているビデオの状態を読み込み得る。もしビデオが終了していないならば、工程はステップ612に戻り、そこでは、ビデオは継続して再生される。もしビデオが終了しているならば、工程はステップ614に進み、そこでは、ページYへの捲り動作が達成される。この捲り動作は、書籍動作仕様(図4)の動的仕様区域435内に組み込まれたプログラム436によって達成され得る。このプログラム436は、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて、捲りを達成するためのコマンドを送信し、次いで、捲りを達成するために、それはコマンドを書籍ビューアソフトウェア410に送信する。これは経路605に例示されており、そこでは、ビデオの終了は、仮想書籍600内におけるページのページ604(ページY)への捲りを引き起こす。厚み603は、1ページ以上がこの工程中に飛び越され得ることを表わすものとして示されている。この後、工程はステップ615で終了する。図6に描写されているような工程は、「事象誘発捲り」工程である。
【0056】
図6に描写されている工程の多くの反復部分の連続は、多くの適用を有し得る。1つの例では、物語が語られ、それが展開すると、ページが仮想書籍内の各場所に捲られ、そこでは、異なるビデオ、音声、テキスト又は他の情報が物語を継続する。これは自動捲り及び自動叙述物語を供給する。
【0057】
図7は、図4に描写されたプログラム可能な仮想書籍システムのために用いられる一般的な工程の実施態様を示している。工程はステップ701で開始する。工程は次にステップ702に進み、そこでは、事象Xが実行される。事象Xはビデオコンテンツ、音声コンテンツ、テキストコンテンツ又は仮想書籍のページ上で表示される他の種類のコンテンツ、例えば、ページ捲りのような、書籍ビューアソフトウェア410によって生成される他の事象、或いは、例えば、図4に描写されている他のプログラム及びデータ470のような、現在の書籍ビューアソフトウェア410の外部の他のプログラムによって生成された事象であり得る。工程は次にステップ703に進み、そこでは、事象Xが終了したかどうか、事象Xの状態がチェックされる。もし終了していないならば、工程はステップ702に戻り、事象Xが継続する。もし事象Xが終了しているならば、工程はステップ702に進み、そこでは、動作Yが実行される。動作Yは、仮想書籍400上で実行されるさらなる事象(例えば、ページ捲り又は一部ページの削除)、書籍ビューアソフトウェア410によって仮想書籍400の外部の構成要素上で遂行される動作、或いは、図4に描写されている他のプログラム及びデータ470のような、書籍ビューアソフトウェア410の外部の他のソフトウェア/アプリケーションによって実行される動作であり得る。
【0058】
図8は、仮想書籍800のために「ズームイン」効果を生成するために、図4に描写されているプログラム可能な仮想書籍システムを使用することを描写している。ウィンドウ801内に含まれる元の仮想書籍800は拡大され、拡大された仮想書籍802となる。拡大された仮想書籍802上のページは、元の仮想書籍800の場合と全く同じように操作される完全な能力を有する。即ち、拡大されたコンテンツを見ている間、読者/閲覧者は、依然として、ページを捲り、ジャンプカーソルを用い、複数ページを捲り、ページを前後に操作する等、図11A乃至1Eで描写されているような動作を行い得る。
【0059】
上述されたようなズーム機能を実施するために、1つの方法は、機能性において、書籍ビューアソフトウェア410にハードワイヤすることである。しかしながら、より良いアプローチは、一連の標準的な基本機能(ズーム機能を含まないかもしれない)を書籍ビューアソフトウェア410に組み込むことであり、次に、書籍動作仕様430の動的仕様区域435内に組み込まれたプログラム436,437のようなプログラムを書き込む(或いは、他の外部プログラムを書き込む)ことで、ある方法及び組み合わせで、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて、これらの基本機能を呼び出し、ズームのような複雑な機能を達成する。これは、図4に描写された仮想書籍システムに新規且つ特別の機能が望まれる(例えば、様々な状況に応じて仮想書籍400に特定の動作が望まれる)毎に、並びに、これらの機能が書籍ビューアソフトウェア410にハードコード又はハードワイヤされる毎に、コーディング、デバッギング及び品質制御工程の全体サイクルを必要とするからであり、それはかなりの時間及び費用が包含されることを意味する。他方、もしある数の基本機能が初めに書籍ビューアソフトウェア410にコード化され、書籍ビューアソフトウェア410がプログラム(436,437等)又は他の外部プログラムによって再プログラムされ得るならば、多くの時間、労力及びコストを節約し得る。
【0060】
図9は、データがページからページへ保持され得るよう、仮想書籍900のページにデータを入力するための持続効果を実施するために、図4に描写されるプログラム可能な仮想書籍システムを使用することを描写している。図9に描写されている仮想書籍900において、読者/閲覧者がデータを入力することを許容し得るテキストボックス及びラジオボタン910,911を有するページ901,902がある。これらのデータは、幾つかの質問に対するはい/いいえの答え、並びに、読者/閲覧者によってテキストボックス内に提供され且つ入力されるテキスト形態の情報等であり得る。そのようなデータを収集する1つの方法は、各ページ上でデータを処理するために活性化され得るマイクロソフト社のInternet Explorer(R)の構成部材を用いることである。よって、各ページは、マイクロソフト社のInternet Explorer(R)の構成部材に通され得るHTMLファイルであり得る。しかしながら、各ページはマイクロソフト社のInternet Explorer(R)の構成部材の1つインスタンスのインスタンシエーションであるので、各ページに収集されたデータは持続的ではない。即ち、焦点が他のページに移動されると、それらは消失する。よって、もし、例えば、ある種の調査用紙が仮想書籍900の多くのページに亘って広がるならば、データは同時に共に収集、記憶及び送信され得ない。
【0061】
図9に描写されている状態においてデータの持続性を実施するために、一時データ記憶装置950が図4に描写されているプログラム可能な仮想書籍システムによって生成され得る。データが入手可能になると、書籍動作仕様430内のプログラム(436,437等の1つ)はデータを各ページに引き出し、次に、それらを一時データ記憶装置950に記憶する(データ経路951,952等)。この「一時データ記憶装置」モジュール950は、図4における他のプログラム及びデータモジュール470に対応する。図9の下半分は仮想書籍920の他の状態を描写している。そこでは、ページ921,922が表示され、一時データ記憶装置950(データ経路952)内に記憶するよう、より多くのデータを収集するために用いられ得るより多くのテキストボックス931,932,933,934がある。ページ922には提出ボタン935があり、それがクリックされると、さらなる処理のために、それは一時データ記憶装置950内のデータをある所定場所に転送する(データ経路953)。従って、この方法を用いることで、多くのページに亘るデータが持続可能とされ、望まれる場合には、全ての所望のデータが同時に収集され且つ提出され得る。
【0062】
図10は、図4において描写されているプログラム可能な仮想書籍システムの他の使用を描写している。そこでは、データの転送は(Microsoft Outlook(R)のような)電子メールソフトウェアから仮想書籍1000のページ上に達成され得る。多くのソフトウェアは、電子メールソフトウェアを含めて、他のソフトウェアがそれらの工程及びデータと相互作用するのに利用可能な「フック」を有する。仮想書籍1000の書籍動作仕様430内に存在するプログラム(436,437等の1つ)は電子メールソフトウェア1010内のこれらのフックを呼び出し、対応する電子メールメッセージ1011,1012,1013,1014等を各々ページ1001,1002,1003,1004等に転送し得る。これを達成するために、プログラム(436,437)は、利用可能な「フック」を通じて、電子メールソフトウェア1010(これは図4における他のプログラム及びデータ部分470である)と通信することによって、電子メールコンテンツ1011,1012,1013,1014等を読み込み、次に、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて、データを書籍ビューアソフトウェア410に転送し、相応して、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて、電子メールメッセージ1011,1012,1013,1014等をページ1001,1002,1003,1004等上に配置することを、書籍ビューアソフトウェア410に命令する。これを行うことによって、元のソフトウェア1010内のデータは、より使用者に優しい仮想書籍インターフェイス1000内でより良好に閲覧され且つ検索され得る。
【0063】
図11は、図4において描写されているプログラム可能な仮想書籍システムのさらに他の使用を描写している。そこでは、第三者検索エンジンの出力に基づいて生成され、且つ、仮想書籍形態1100で表現されている。工程は、インターネットからのコンテンツを表示する能力を有する検索書籍で開始する。初期的に、検索エンジンサイトがアクセスされ、2ページ展開方式1100で貼り付けられる。検索書籍は検索エンジンサイトのホームページ1110以外のデータを現時点で有さないので、検索書籍の厚みはゼロである。ところで、検索キーワードが検索テキストボックス1111内に入力され、且つ、検索を遂行するためにコマンドが与えられると想定しよう。次に、検索結果が仮想書籍1101内の多くのページ上に貼り付けられ、仮想書籍1011は、検索結果を含むページに対応するかなり大きな厚み1113を示す。検索サイト1110のホームページには、検索結果の幾つかの部分も表示1115される。ホームページ1110の底部には、残余の検索結果の様々なページを指し示す幾つかのボタン1117が表示されている。そのようなものは周知の検索エンジンサイト(例えば、www.google.com)が検索結果を表示する典型的な方法である。即ち、結果の一部はホームページ上に表示され、残余は多くのページの「背後」に置かれ、底部のボタン1117がクリックされると、それらは呼び出される。しかしながら、今や、仮想書籍1101においては、1ページずつ呼び出し且つボタン1117のクリック後にそれを表示する代わりに、全ての結果が事前生成され且つ仮想書籍1101上に表示される。このようにして、使用者はいつでも任意の所望ページにジャンプ可能であり、残余の検索結果は瞬時に利用可能である。仮想書籍1102において、ボタン1117の1つがクリックされると、仮想書籍1102は検索結果の一部が表示されたページ1020を捲る。アクセスされるときに結果の1つのページのみが表示される元の検索及び表示機構と異なり、仮想書籍1102の検索結果表示方法は、使用者が見ることを望むときに、全ての検索結果が瞬時に利用可能であることを許容する。さらに、インターネットの遅延の故に、これらのページがインターネットブラウザにダウンロードされ且つ表示され得るまでに、使用者は著しい時間を待たなければならないことが多い。仮想書籍システムでは、インターネットの遅延は、他のページが見られている間に結果のページ事前ロードされるという事実によって克服される。
【0064】
図11の機構を実施するために、プログラム(436,437等の1つ)が、仮想書籍1100の動的仕様区域435内の書籍動作仕様430に組み込まれる。このプログラム(436,437等の1つ)は、(図4に描写されている経路471,472等を通じて)検索エンジンと相互作用する。検索エンジンは、他のプログラム及びデータ区画470に対応し、検索結果を収集し、それらを仮想書籍1100内の多くのページ上に配置し、仮想書籍1101内に示されるように、これらのページは生成され、且つ、仮想書籍に加えられなければならない。これは書籍動作仕様430の動的仕様区域435内のプログラム436,437等の良い例であり、アプリケーションプログラムインターフェイス460を通じて、書籍ビューアソフトウェア410と相互作用し、且つ、書籍ビューアソフトウェア410に命令することで、ページ数の増大及びこれらのページへの幾つかのコンテンツのロードのように、仮想書籍1100の幾つかの基本特性に変更をもたらす。よって、図4に描写されているようなプログラム可能な仮想書籍システムは、仮想書籍を生成する点で多くの柔軟性を提供し、それは、電子コンテンツを閲覧し、検索し、且つ、読む上での利便性を使用者に提供する。
【0065】
図6乃至11に記載された全ての機能性は、所望の動作及び機能性を生成するために、書籍ビューアソフトウェア410をハードコードすることによっても実施され得る。よって、その結果、書籍動作仕様430の動的仕様区域435内に組み込まれるプログラムは必要ではない。しかしながら、これは、上述のように、概して、ソフトウェア開発でより多くの時間と費用を使うことにつながる。
【0066】
本明細書において記載された方法に加えて、対応するコンピュータシステム(例えば、デスクトップ、ラップトップ、ノートブック、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、テレビジョン等)、コンピュータソフトウェアプロダクト(ソフトウェア、ファームウェア、ネットワークダウンロード可能プロダクト、携帯媒体上で利用可能な製品(例えば、CD、DVD、ディスケット))が考えられる。
【0067】
本発明の特別な実施態様が例示され且つ記載されたが、数々の変更及び修正が当業者によってなされ、添付の請求項は本発明の精神及び範囲に含まれるこれらの変更及び修正の全てをカバーすることが意図されていることが理解されよう。
【0068】
本発明の数々の修正及び変形が上記の教示から可能であるのは明らかである。従って、添付の請求項の範囲内において、本発明は本明細書内に特別に記載されている他にも実施され得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1A】厚み、ブックマーク及びジャンプカーソルのような様々な構成要素を表わす仮想書籍ディスプレイの実施態様を示す上面斜視図である。
【図1B】ページ捲り及び厚みの変化を表わす仮想書籍の実施態様を示す上面斜視図である。
【図1C】飛び越されるページ数に比例する厚みの横断的な捲りを表わす仮想書籍の実施態様を示す上面斜視図である。
【図1D】保持され且つ周囲に捲れているページの集まり及びページの集まりに向かって捲られている単一ページを表わす仮想書籍の実施態様を示す上面斜視図である。
【図1E】複数ページがスクリーンを横断して1つの方向に同時に捲られ、次に、一部のページが捲り方向を変更しているのを示す上面斜視図である。
【図2】片側だけの仮想書籍ディスプレイの実施態様を示す上面斜視図である。
【図3】仮想書籍システムをディスプレイスクリーン上に発生するソフトフェアシステムの実施態様を例示する概略図である。
【図4】仮想書籍システムをディスプレイスクリーン上に発生するプログラム可能なソフトウェアシステムの実施態様を示す概略図である。
【図5】仮想書籍システムをディスプレイスクリーン上に発生するプログラム可能なソフトウェアシステムによって用いられる工程の1つの実施態様を示すフロー図である。
【図6】AおよびBは、プログラム可能な仮想書籍システムにおけるビデオ事象の完了に基づいて、仮想書籍のページを所望場所に捲るための工程の1つの実施態様を示すフロー図である。
【図7】プログラム可能な仮想書籍システムにおける特定事象の完了後に動作を引き起こすための工程の1つの実施態様を示すフロー図である。
【図8】AおよびBは、仮想書籍の拡大を表わす仮想書籍ディスプレイの実施態様を示す上面斜視図である。
【図9】データを多くのページの捲り及び表示に亘って持続させるための方法を表わす仮想書籍ディスプレイの実施態様を示す上面斜視図である。
【図10】情報を外部電子メールソフトウェアから仮想書籍のページに転送するための方法を表わす仮想書籍ディスプレイの実施態様を示す上面斜視図である。
【図11】A乃至Cは、外部検索エンジンソフトウェアからの検索結果を仮想書籍のページ上に表示するための方法を表わす仮想書籍ディスプレイの実施態様を示す上面斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静的仕様を含む電子書籍動作仕様を用いて電子書籍を制御するステップと、
動的仕様を用いて前記電子書籍を制御するステップとを含み、
前記動的仕様は、使用者開始コマンド又は自動開始コマンドを介して、電子書籍動作が再プログラムされることを許容するよう構成されている、
ことを特徴とする電子書籍を制御するための方法。
【請求項2】
前記電子書籍動作仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子書籍属性を制御するステップと、コンテンツソースを制御するステップとの少なくとも1つを含む静的仕様を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子書籍実行時動作を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子書籍ビューアソフトウェアモジュールに命令を送信するよう構成されたアプリケーションプログラムインターフェイスを通じて、前記仮想書籍上で達成されるべき所定の動的動作を命令するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、前記電子書籍動作仕様内の前記静的仕様を変更するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、外部モジュールによって提供された動的仕様を用いて前記電子書籍を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、外部入力装置又は外部プログラムからの制御信号を用いて前記電子書籍を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子書籍動作仕様によって提供された動的仕様を用いて前記電子書籍を制御するステップから成ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記動的仕様及び前記静的仕様は、共通のソフトウェアモジュール内に被包されるか、或いは、各ソフトウェアモジュール内に被包されていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、事象によって引き起こされるページ捲りを制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子書籍自動捲りと、電子書籍自動叙述との少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子書籍自動ズームを制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
所定数のページに亘る使用のために、前記静的仕様及び前記動的仕様の1つを一時的に記憶するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、電子メールを介した、ページへのデータの転送を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するステップは、ページに基づく検索を制御するステップを含み、該ページに基づく検索は、検索エンジンを介して行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
初期的な静的仕様を含む電子書籍動作仕様を読み込み且つ解釈するステップと、
前記初期的な静的仕様に基づいて電子書籍を生成するステップと、
電子書籍動作が使用者開始コマンド又は自動開始コマンドを介して再プログラムされることを許容するよう構成され、且つ、前記書籍動作仕様、外部書籍動作仕様及び入力装置の少なくとも1つによって提供される、動的仕様を解釈するステップと、
前記動的仕様に対応して前記電子書籍動作を変更するステップと、
を含むことを特徴とする電子書籍を制御するための方法。
【請求項17】
前記動的仕様に対応して前記静的仕様を変更するステップをさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
静的仕様を含む電子書籍動作仕様を用いて電子書籍を制御するための手段と、
動的仕様を用いて前記電子書籍を制御するための手段とを含み、
前記動的仕様は、使用者開始コマンド又は自動開始コマンドを介して、電子書籍動作が再プログラムされることを許容するよう構成されている、
ことを特徴とする電子書籍制御システム。
【請求項19】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するための手段は、電子書籍実行時動作を制御するための手段とを含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
初期的な静的仕様を含む電子書籍動作仕様を読み込み且つ解釈するための手段と、
前記初期的な静的仕様に基づいて電子書籍を生成するための手段と、
電子書籍動作が使用者開始コマンド又は自動開始コマンドを介して再プログラムされることを許容するよう構成され、且つ、前記書籍動作仕様、外部書籍動作仕様及び入力装置の少なくとも1つによって提供される、動的仕様を解釈するための手段と、
前記動的仕様に対応して前記電子書籍動作を変更するための手段と、
を含むことを特徴とする電子書籍制御システム。
【請求項21】
前記動的仕様に対応して前記静的仕様を変更するための手段をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
コンピュータ装置によって実行されるときに、該コンピュータ装置が電子書籍を制御し得る命令を記憶するよう構成されたコンピュータプログラムプロダクトであって、
静的仕様を含む電子書籍動作仕様を用いて前記電子書籍を制御するための命令と、
動的仕様を用いて前記電子書籍を制御するための命令とから成り、
前記動的仕様は、使用者開始コマンド又は自動開始コマンドを介して、電子書籍動作が再プログラムされることを許容するよう構成されている、
ことを特徴とするコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項23】
前記動的仕様を用いて電子書籍を制御するための命令は、電子書籍実行時動作を制御するための命令を含むことを特徴とする請求項22に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項24】
コンピュータ装置によって実行されるときに、該コンピュータ装置が電子書籍を制御し得る命令を記憶するよう構成されたコンピュータプログラムプロダクトであって、
初期的な静的仕様を含む電子書籍動作仕様を読み込み且つ解釈するための命令と、
前記初期的な静的仕様に基づいて前記電子書籍を生成するための命令と、
電子書籍動作が使用者開始コマンド又は自動開始コマンドを介して再プログラムされることを許容するよう構成され、且つ、前記書籍動作仕様、外部書籍動作仕様及び入力装置の少なくとも1つによって提供される、動的仕様を解釈するための命令と、
前記動的仕様に対応して電子書籍動作を変更するための命令と、
を含むことを特徴とするコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項25】
前記動的仕様に対応して前記初期的な静的仕様を変更するための命令をさらに含むことを特徴とする請求項24に記載のコンピュータプログラムプロダクト。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【公表番号】特表2007−503663(P2007−503663A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536503(P2006−536503)
【出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/000202
【国際公開番号】WO2004/068303
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(303013707)イー−ブック システムズ ピーティーイー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】