プログラム実行装置、データ処理装置、プログラム実行方法及びデータ処理方法
【課題】各家庭のゲーム機を通信回線等を介してホストコンピュータに接続してゲーム機システムとし、ゲームソフトウェアに商業広告を組み込むことが出来るゲーム機システムを提供することを目的とする。
【解決手段】ゲーム機システムが、送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備え、送信側機器は、ゲームソフトのメインプログラムに関する固定データを蓄積した記憶装置と、ゲームソフトの商業広告に関する可変データを蓄積した記憶装置と、これら固定データと可変データを適宜切換送信する手段を有し、受信側ゲーム機器は、送信される固定データと可変データを蓄積する記憶手段を有し、送信側でゲームソフトの固定データ及び更新された可変データを受信側ゲーム機器に送信することにより、常に最新の可変データに基づく画像がゲーム画像の一部に現れる。
【解決手段】ゲーム機システムが、送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備え、送信側機器は、ゲームソフトのメインプログラムに関する固定データを蓄積した記憶装置と、ゲームソフトの商業広告に関する可変データを蓄積した記憶装置と、これら固定データと可変データを適宜切換送信する手段を有し、受信側ゲーム機器は、送信される固定データと可変データを蓄積する記憶手段を有し、送信側でゲームソフトの固定データ及び更新された可変データを受信側ゲーム機器に送信することにより、常に最新の可変データに基づく画像がゲーム画像の一部に現れる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商業広告を表示可能なゲーム機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーム機に関しては、最近では市中の専用ゲームコーナのみならず一般家庭においてもゲーム機が普及し、これに伴って自動車のレーシングゲームソフト,飛行機のフライトシミュレータゲームソフト等の各種のゲームソフトが大量に販売されている。
【0003】
ゲーム機で、例えば自動車のレーシングゲームソフトを起動すると、表示装置(ディスプレイ)上に現実のF1レース場を忠実に再現した臨場感あふれる風景が映し出され、操作者がジョイステック等の操作盤を介して指示する命令に従って、各レーシングカーがサーキットコースを疾走する。
【0004】
しかし、現実のF1レース場では背景のサーキットコース脇の塀,看板,広告塔及びレーシングカーの車体等に商業広告が成されているが、ゲームソフトにおいてはこれに相応するような積極的に商業広告を組み込んだ例はみられない。
【0005】
現在、ゲームソフト上に組み込まれている広告としては、ゲームソフトのゲームの開始前,終了後又は場面変更(シーンチェンジ)の際にそのソフト製作会社の企業広告が映し出される例が見られる程度であり、ゲームソフト中に積極的な商業広告が成されている例は存在しない。文献上も、ゲーム終了後やゲームをしていないときにゲームの映像を広告等の映像に切り替えて表示する例が見られる程度である(特許文献1参照)。また、背景中に広告が映し出される例があるとしても、収益を考慮した商業広告としての例はみられず、あくまでサーキットコース等の実景を忠実に模写するための形式的な広告である。
【0006】
また、ゲームソフトでは一度製作されると、ソフトウェアに問題点がない限り変更されることはほとんどない。ソフトウェアの変更を行わない場合、たとえ背景などに商業広告を入れたとしても、時間が経つに連れその広告は時代遅れのものになってしまい、広告の実効が上がらなくなってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開昭62−84792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が成された動機は、現在の民間TV放送はコマーシャル(企業広告)収益で運営され、受信者からは放送料を徴収していない。これと同様に、仮にゲームソフトの例えば背景のサーキットコース脇の塀,看板,広告塔等に他社企業の需要に応じて商業広告を組み込むことが出来るならば広告料収入が得られ、結果的にゲームソフトの販売価格を下げ、或いは無償にすることが出来るであろう、ということに基づいている。更に、特定のゲームソフトは、通常何回も利用されることが予想され、この広告の内容を随時変更・更新出来るようにしたならば、商業広告としての実効が上げられ、期待する広告収入が得られるであろう、ということに基づいている。
【0009】
そこで、本願発明は、各家庭のゲーム機を通信回線等を介してホストコンピュータ(コントローラ)に接続してゲーム機システムとし、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに企業の需要に応じて商業広告を組み込むことが出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することを目的とする。
【0010】
更に、本願発明は、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに組み込まれた商業広告を適宜容易に更新出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかるゲーム機システムは、送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムにおいて、上記送信側機器は、ゲームソフトのメインプログラムに関する固定データを蓄積した記憶装置と、ゲームソフトの商業広告に関する可変データを蓄積した記憶装置と、これら固定データと可変データを適宜切換送信する手段を有し、上記受信側ゲーム機器は、送信される固定データと可変データを蓄積する記憶手段を有し、送信側でゲームソフトの固定データ及び更新された可変データを上記受信側ゲーム機器に送信することにより、常に最新の可変データに基づく画像がゲーム画像の一部に現れる。
【0012】
ゲームソフトの商業広告に関するデータは可変データとしているので、これと固定データであるメインプログラムとを組み合わせて初めてゲームが開始されることにより、常に更新された商業広告が入ったゲームソフトが利用できる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によれば、各家庭のゲーム機を通信回線等を介してホストコンピュータ(コントローラ)に接続してゲーム機システムとし、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに企業の需要に応じて商業広告を組み込むことが出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することができる。
【0014】
更に、本願発明によれば、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに組み込まれた商業広告を適宜容易に更新出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる好適な実施例に関し、添付の図面を参照しながら説明する。
ゲームソフト中の商業広告の内容
最初に、本実施例に利用されるゲームソフトの商業広告の態様に関して説明する。図1は、或るレーシングゲームのゲームソフトをゲーム機システムで起動させた場合に表示装置の画面(ディスプレイ)上に映し出される一場面であり、サーキットコースとコース脇に立っている看板を想定した図である。図1(a)の画面に映し出された看板には「A」なる商業広告が画面上に現れている。図1(a)の場面の商業広告Aの部分のみの画像データを入れ替えて商業広告「B」にすると、図1(b)に示すように図1(a)と同じ場面でBの商業広告を行うことが出来る。
【0016】
図2は、このレーシングゲームのゲームソフトをゲーム機システムで起動させた場合に表示装置のディスプレイ上に映し出される一場面であり、F1レーサ等の登場人物(キャラクタ)が動いている部分を想定した図である。図2(a)の画面には、キャラクタの胸の部分に「C」なる文字の商業広告が現れている。図2(a)の場面の商業広告Cの部分のみの画像データを入れ替え商業広告「D」にすると、図2(b)に示すように図2(a)と同じ場面で商業広告Dを行うことが出来る。
【0017】
ゲームソフトのデータ構造
上述のような商業広告を適宜更新可能なゲームソフトの2種類のデータ構造を、図3及び図4を用いて説明する。図3(a)及び(b)は、図1及び図2に示すような画像中の広告部分のデータのみを入れ替える(貼り替える)ことが出来るゲームソフトのファイル構造を表す。図3(a)のファイル構造は、メインプログラムM(固定データ)とは別個に、広告部に貼り込みを行う画像データのファイルA,C(可変データ)が追加されている。この場合、メインプログラムMのデータ量に対して、データファイルA,Cのデータ量は1%にも満たない。また、メインプログラムMには、後で図8乃至図10に関連して説明するゲームソフトの種類を表示する識別記号を必要に応じて入れることが出来る。
【0018】
図3(b)のファイル構造は、図3(a)のファイル構造と比較して、メインプログラムMは全く同じであるが、番地A0にある貼り込み部分のデータファイルAの内容(商業広告A)がデータファイルBの内容(商業広告B)に変更(更新)され、同様に番地C0にあるデータファイルCの内容(商業広告C)がデータファイルDの内容(商業広告D)に変更されている。
【0019】
図3のプログラム構造を、図1(a)及び(b)の例に対応して説明すれば、メインプログラムMは上述の貼り込み部(商業広告部分,可変データ)を除いたレーシングゲームのゲームソフト全体のメインプログラムM(固定データ)であり、データファイルA及びCは図1(a),図2(a)に示す看板の張り込み部の画像データ(可変データ)であり、その内容は商業広告A及びCが夫々表示されている。また、データファイルB及びDは図1(b),図2(b)の貼り込み部分の画像データ(可変データ)であり、その内容は商業広告B及びDが夫々表示されている。なお、データファイルA及びCの開始番地はA0であり、データファイルB又はDの開始番地はC0である。
【0020】
図4のフローチャートを用いて、図3のデータ構造を持つゲームソフトのゲーム進行を説明する。
(1)ゲーム機システムの電源をONにして動作状態にし、メインプログラムMを起動させると、レーシングゲームはメインプログラムMで定められた仕事の手順に従って実行される(ステップS41)。
【0021】
(2)メインプログラムMの番地が図1(a)に示すサーキットコースと看板の場面に至ったところで、メインプログラムMは、番地A0にあるデータファイルを参照しにいく(S42)。番地A0のデータファイルの内容が画像データAならば、メインプログラムMはサーキットコースと看板の場面をデータファイルAの内容を取り込みながら生成する(図1(a)参照)。これとは異なり、番地A0のデータファイルの内容が更新されて画像データBならば、メインプログラムMはサーキットコースと看板の場面をデータファイルBの内容を取り込みながら生成する(図1(b)参照)。
【0022】
(3)図1のサーキットコースと看板の場面の終了後、更にメインプログラムMは定められた手順を続行する(S43)。
【0023】
(4)メインプログラムMの番地が図2(a)に示すキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面の表示に至ったところで、番地C0にあるデータファイルを参照しにいく(S44)。番地C0のデータファイルの内容が画像データCならば、メインプログラムMはキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面を、データファイルCの内容を取り込みながら生成する。これとは異なり、番地C0のデータファイルの内容が画像データDならば、メインプログラムMはキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面を、データファイルDの内容を取り込みながら生成する。
【0024】
(5)図2のキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面の終了後、メインプログラムMは、更にゲームが終了するまで続行する(S45)。
【0025】
こうして、最初はメインプログラムM及びデータファイルA,Cを用いることにより、ディスプレイ上では、図1(a)及び図2(a)のように商業広告「A」,「C」の宣伝がされる。そして、適当な期間経過後、データファイルの内容が更新されると、メインプログラムM及びデータファイルB,Dを用いることにより、ディスプレイ上では、図1(b)及び図2(b)のように更新された商業広告「B」,「D」の宣伝がされる。
【0026】
図5(a)及び(b)に示す別の種類のファイル構造は、図3(a)及び(b)で説明したファイル構造とは異なり、選択する広告の画像データを入れ替え(更新)するのではなく、可変データはいずれの広告を選択するかを決定する選択コードのみとしたゲームソフトのファイル構造を表す。図5(a)のファイル構造では、メインプログラムMに、広告部に貼り込みを行う複数の広告部分画像データA,B,C,Dを予め一緒に組み込んだ構造になっている(固定データ)。また、このメインプログラムMとは別個に、選択コードのデータのみをもつ選択コードファイルS(可変データ)を有し、この選択コードファイルSの内容が画像データA,Cを選択するコードファイルSacとなっている。この場合、メインプログラムMのデータ量は図3のメインプログラムMのデータ量に比較して相対的に大きくなるが、その分、選択コードファイルSのデータ量は、図5の更新可能なデータファイルA,Cに比較して、極めて少なくなっている。
【0027】
図5(b)の場合は、メインプログラムMは図5(a)のメインプログラムMと全く同じである。メインプログラムMとは別個に設けられた選択コードファイルSは、画像データB,Dを選択する内容Sbdである点で異なっている。
【0028】
図1及び図2の例で述べれば、メインプログラムMは上述の張り込み部(商業広告部分)を除いたレーシングゲームのゲームソフトプログラムであり、データAは図1に示す商業広告Aのデータである。データBは商業広告Bのデータであり、データファイルCは商業広告Cのデータであり、データファイルDは商業広告Dのデータである。
【0029】
図6のフローチャートを用いて、図5のデータ構造を持つゲームソフトのゲーム進行を説明する。
(1)ゲーム機の電源をONして動作状態にし、メインプログラムMを起動させると、レーシングゲームはメインプログラムMのメインルーチン部分で定められた仕事の手順によって実行される(ステップS61)。
【0030】
(2)メインプログラムMの番地が図1に示すサーキットコースと看板の場面に至ったところで選択コード読み込みが命令され、コードファイルSを参照しにいく(S62)。コードファイルSの内容が判別され(S63)、選択コードSが画像データAを選択するように指示している場合(S=Sac)、画像データAの内容の内容を取り込みながら図1(a)のサーキットコースと看板の場面を生成する(S64)。これとは異なり、選択コードSが画像データBを選択するように指示している場合(S=Sbd)、画像データBの内容の内容を取り込みながら図1(b)のサーキットコースと看板の場面を生成する(S65)。
【0031】
(3)更に、メインプログラムMは定められた手順を続行する(S66)。メインプログラムMの番地が図2に示すキャラクタディスプレイ上に映し出される場面の表示に至ったところで選択コード読み込みが命令され、コードファイルSを参照しにいく(S67)。コードファイルSの内容が判別され(S68)、選択コードSが画像データCを選択するように指示している場合(S=Sac)、画像データCの内容の内容を取り込みながら図2(a)の場面を生成する(S69)。これとは異なり、選択コードSが画像データDを選択するように指示している場合(S=Sbd)、画像データDの内容の内容を取り込みながら図2(b)の場面を生成する(S65)。
【0032】
(4)更に、メインプログラムMは定められた手順をゲーム終了まで続行する(S71)。
【0033】
予め画像データファイルA,B,C及びDを含むメインプログラムM及び更新可能な選択コードファイルSを用いることにより、ディスプレイ上では、図1及び図2のように商業広告A,C又はB,Dの宣伝がされる。
【0034】
図3及び図4で説明したファイル構造に関しては、商業広告(可変データ)の個数はA〜Dに限定されず、所望に応じて多数の商業広告のデータを設けることが出来ることは勿論である。また、可変データは、画像データ形式として説明したが、メインプログラムM(親プログラム,固定プログラム)に対してサブプログラム(子プログラム,更新可能プログラム)というようなプログラム形式で設けることも出来る。この場合、メインプログラムMは商業広告表示箇所でサブプログラムに飛び、サブプログラム実効後、再びメインプログラムMの当該商業広告表示箇所の次のステップに戻る態様となる。
【0035】
使用されるゲーム機システム
次に、上述したような、更新可能な商業広告を組み込むことが出来るゲームソフトを利用し得る典型的な3種類のゲーム機システムについて説明する。
【0036】
最初に、図7に示すゲーム機システムは、ゲームソフト会社,商業広告を請け負う通信会社等の企業である送信側で適宜更新された商業広告を含んだゲームソフト全体を用意し、このゲームソフトを通信回線を介して家庭内のゲーム機に送信することを特徴とするシステムの構成を示している。このゲーム機システムの構成は、企業に配置された送信側機器と、各家庭に配置された受信側機器と、送信側機器と受信側機器を接続する通信回線とを備えている。
【0037】
送信側機器は、送信側機器を制御するコントローラ2と、可変データである図3の画像データA,B,C,D又は図5の選択コードS(可変データ)が蓄積され且つディスク交換可能な光磁気ディスクドライブ(MO)4と、固定データであるゲームソフトのメインプログラムM(固定データ)を蓄積したハードディスクを駆動するハードディスクドライブ(HD−M)6と、MO4に接続されたハードディスクドライブ(HD−S)8と、一方の可変端子MにHD−M6からの固定データを受け取り、他方の可変端子SにHD−S8から可変データを受け取り、コントローラ2からの切換信号9により切換制御して出力固定端子に接続するスイッチ手段SW10と、SW10からの出力データを使用する通信回線16に応じて符号化するエンコーダ(ENC 変調器)12と、符号化データを通信回線16に出力する通信機手段14とを有している。
【0038】
通信回線16としては、この分野で良く知られたISDN(integrated services digital network サービス総合ディジタル網)等を利用できる。
【0039】
家庭内に配置された受信側機器としては、通信回線16に接続された受信機手段18と、通信回線16,受信機手段18を介して送信されたゲームソフトデータを復号するデコーダ(DEC)20と、ゲーム機22とを有する。ゲーム機22は、通信回線16を介して送信されたゲームソフトを蓄積する書換可能な光磁気ディスク(MO−G)24を持っている。
【0040】
送信側のMO4の交換可能なディスクには、図3又は図5のメインプログラムM(可変データ)が蓄積される。搭載ディスクを交換することにより、図3及び図5で説明した可変データを適宜更新することが出来る。即ち、商業広告の内容が図1(a),図2(a)から図1(b),図2(b)に示すように適宜更新される。
【0041】
送信側のMD−M6のディスクには、図3及び図5で説明した固定データであるメインプログラムM(固定データ)が蓄積されている。送信側のMD−S8のディスクは、MO4から転送される可変データが蓄積される。
【0042】
図7に示すゲーム機システムの動作について説明する。予め、コントローラ2からのデータ転送命令(又は起動命令)3に従って、MO4の適宜更新されたデータが、一方のHD−S8に転送される。他方のHD−M6に挿入したディスクには、メインプログラムMが蓄積されている。
【0043】
ゲームソフト起動時に、コントローラ2の切換信号9によって、図7に示すようにSW10の可動端子Mが出力用固定端子に接続され、同時にコントローラ2からHD−M6に転送命令(又は起動命令)5が発せられる。HD−M6のデータ(メインプログラムM)は、SW10を介し、通信用ENC12により符号化され、送信機手段14から通信回線16にのせられる。通信回線16により、データは受信側に送信される。
【0044】
通信回線16を介して送信されたデータは、一旦受信側の受信機手段18で受信される。送信用に符号化された送信データは、DEC20により復号される。復号化データは、ゲーム機22内のMO−G24のディスクに蓄積される。メインプログラムMは送信側から受信側に順次転送され、メインプログラムMの転送が終了する。
【0045】
メインプログラムMの転送が終了した時点で、コントローラ2からHD−S8に対して転送命令(又は、起動命令)7が発せられ、同時にコントローラ2からSW10に対して切換信号9が発せられ可変端子Sが出力用固定端子に接続される。HD−S8のディスクに蓄積された可変データが、同様にSW10,ENC12,送信機手段14,通信回線16,受信機手段18,DEC20を介してゲーム機22内のMO−G24のディスクに蓄積される。可変データが蓄積された時点で、ゲーム機24のMO−G24には、更新された商業広告を含むゲームソフトが蓄積される。
【0046】
上述した図7に示すゲーム機システムでは、送信側が、MO4のディスクを交換することにより、図1及び図2で説明した商業広告の更新が適宜可能になる。
【0047】
図8は、別のゲーム機システムの構成を部分的に示す図であり、ゲームの利用者が識別記号が付されたゲームソフト(メインプログラムM,固定データ)を購入し、ゲームソフトの商業広告部分(可変データ)として通信回線を介して送信側から逐次更新されたデータを受け取ることを特徴とする。
【0048】
このゲーム機システムでは、企業側が有する送信側機器と、家庭内に配置された受信側機器と、送信側機器と受信側機器とを接続する通信回線とを備えているが、図8では送信側機器については図示を省略している。
【0049】
通信回線25は、図7の通信回線と同様であり、ISDN等を利用できる。
【0050】
受信側機器としては、受信機側機器を制御するシステムコントローラ(シスコン)30と、このシスコン30に接続されたRAM28と、このRAM28に接続され且つ通信回線に接続された受送信機手段26と、同様にシスコン30に接続され、RAM28との間でデータのやり取りをする光磁気ドライブ(MO)38とを有している。シスコン30には、キーボード(図示せず)を介して入力された指示された命令,データ等のキー入力を適宜変換出来るキー入力変換器32が付設されている。更に、RAM28からのデータをシスコン30の制御の下に復号する復調器34と、復調されたデータをディスプレイ(表示装置,図示せず。)に表示するための画像コントローラ36を有している。
【0051】
キー入力変換器32は、ゲームソフト間で相異なるキーボードの入力キーの機能・役割を所望の機能に変更・整合し得るものであり、MO38にゲームソフトディスクを挿入した時、シスコン30により判断され初期設定される。
【0052】
図8に示すゲーム機システムの動作を説明する。ゲーム利用者が、ゲームソフト(メインプログラムM,固定データ)が書き込まれたディスクをMO38に挿入し、ゲームソフトを起動する。このゲーム機システムで使用するメインプログラムMの先頭には、ゲームソフトの種類を識別し得る識別記号が書き込まれている。ゲームソフトを起動すると、この識別信号がRAM28に転送される。この識別信号は、受送信器手段26,通信回線25を介して、一旦送信側のホストコンピュータ(図示せず。図7のコントローラ2に相当する。)に転送される。識別記号を受け取ったホストコンピュータは、図3又は図5で説明した更新された可変データの転送を開始する。
【0053】
受信機側では、通信回線25を介して転送される可変データを受送信器手段26を介してRAM28に蓄積する。RAM28に蓄積された可変データは接続37を介してMO38のディスクのゲームソフトの所定の可変データエリアに書き込まれ更新される。即ち、利用者は、送信側より更新された商業広告に関する可変データを受信しない限りゲームソフトを実行出来なく、またゲームを実行する度にゲームソフトの可変データは最新の又は送信側の意図したデータに更新されることになる。以上の動作により、更新されたゲームソフトプログラムが完成するが、これら一連の動作はゲームソフトの初期動作として行われるようにすることが好ましい。
【0054】
ユーザに関する動作としては、MO38に蓄積されたゲームソフトのデータはRAM28に送られ、接続33,復調器34を介して画像コントローラ36に送られ、モニター(ディスプレイ)(図示せず。)で出力される。また、キーボード(図示せず。)のキーからの入力はキー入力変換器32で必要に応じて変換され、シスコン30ではその内容を判断し、順次必要な部分のデータをMO38から得て、RAM28上のデータを書き換えていく。
【0055】
図9に示す更に別のゲーム機システムは、図8のゲーム機システムと同様にゲームの利用者がゲームソフトを購入するシステムであるが、ゲームソフト中の可変データを放送を介して更新することを特徴とするシステムの構成を部分的に示す図である。放送は送信側から受信側に向けての一方向送信であり、非常に低価格であり、この点で図8のゲーム機システムが比較的費用のかかるISDN等の双方向通信可能な回線を利用しているのと異なっている。このゲーム機システムでは放送回線を利用して、常時、図3又は図5の可変データを継続的に送信している。
【0056】
このゲーム機システムは、企業側が有する送信側機器と、家庭内に配置された受信側機器と、送信側機器と受信側機器とを接続する放送回線とを備えているが、図9では送信側機器については図示を省略している。
【0057】
受信側機器としては、送信側から送られた可変データをアンテナ53を介して受信する受信機手段38と、受信機手段38のデータを蓄積するHDドライブ40と、画像出力のため固定データ及び可変データを一時的に蓄積するRAM42と、復調器44と、画像コントローラ46とを有している。
【0058】
これら受信機手段38,HDドライブ40,RAM42及び復調器44は、受信機側機器を制御するシステムコントローラ(シスコン)48により制御される。シスコン48には、ゲーム利用者が購入したゲームソフトディスクを挿入するCD−ROMドライブ52が接続されている。更に、図8と同様に、シスコン48にはキー入力変換器50が付設されている。
【0059】
図9に示すゲーム機システムの動作を説明する。利用者は、購入したゲームソフトが入っているディスクをCD−ROMドライブ52に挿入する。このCD−ROMにはゲームソフトのメインプログラムM(固定データ)が記憶されている。CD−ROMドライブ52によりゲームソフトを起動すると、ゲームソフトの先頭部分に記憶されたソフト識別データ(識別記号,ゲームソフトの種類によって異なる識別記号が付されている。)は接続41を介して一旦RAM42に送られる。RAM42のソフト識別データは、接続45を介してシスコン48に送られる。シスコン48は、このソフト識別データに対応してこのソフト識別データの可変データ(変更データ)が放送されるチャンネル番号を判断し、このチャンネル番号及びソフト識別データを接続37を介して受信機手段38に指示する。
【0060】
図10を参照願いたい。送信側で放送するチャンネルは1又は2以上のチャンネルが用意されている。複数チャンネルの場合、例えば、チャンネルG(図10(a))とチャンネルH(図10(b))があるとする。
【0061】
チャネルGではソフト識別データJを送った後、2つの変更データ(J−1),(J−2)を送っている。次に、ソフト識別データKを送った後、3つの変更データ(K−1),(K−2),(K−3)を送っている。ソフト識別データのデータ量は一定であるが、変更データはゲームソフトによって種類もデータ量も異なる。ゲームソフトを起動するタイミングは任意なので、一つのゲームソフトの送るタイミングが空き過ぎると、変更データの更新前に予定画面が現れてしまうので、チャネルGではソフト識別データKの変更データの後、再びソフト識別データJの変更データ(J−1),(J−2)を送る繰り返し動作を行っている。チャネルHでは、同じくソフト識別データP,Q,Rの変更データを放送している。
【0062】
利用者が購入したゲームソフトのソフト識別データが例えば「Q」であると、これに対応して受信機手段38はチャンネルHにセットされる。チャンネルHの放送は、ソフト識別データQを含む種々のゲームソフトの可変データ(変更データ)が放送されている。
【0063】
図9に戻り、受信機手段38はチャンネルHの放送の内、ソフト識別データ「Q」に対応する変更データ「Q−1」が送られて来た瞬間から、この変更データ「Q−1」をHDドライブ40に蓄積する。この時、HDドライブ40には更新された商業広告データが蓄積され、CD−ROMドライブ52に挿入されたディスクにはメインプログラムMが記憶されている。この2つのデータによりゲームソフトが完成し、実行される。
【0064】
シスコン48は、CD−ROMドライブ52の固定データであるメインプログラムMを起動しRAM42に読み込みながら、可変データである商業広告をHDドライブ40からRAM42に読み込み、ゲームソフトを実行する。RAM42のゲームソフトデータは復調器44,画像コントローラ46を介してディスプレイ(図示せず。)上に映し出される。
【0065】
CD−ROMドライブ52のメインプログラムM単独では、ゲームソフトは実行できない。このため、更新された商業広告が必ずゲーム利用者の目に触れることとなり、商業広告の収入によりゲームソフトの価格は低く抑えられ、又は無償化される。
【0066】
図11は、上述したゲーム機システムの概念図であり、複数台の家庭内のゲーム機が接続されている。
【0067】
以下に、上述した実施例の効果を挙げる。
(1)ゲームソフト内での商業宣伝活動が可能になり、ソフトの低価格化或いは無償化などが可能になる。
(2)最新の広告宣伝活動を可能にし、常に新しい宣伝活動を可能にする。
(3)通信のほかに、放送による商業広告も可能になる。この場合、チャネルが自動的にセットされるので利用者は全く意識せずに操作が出来る。
(4)図5のファイル構造を使用するゲーム機システムでも、更新データが少ないので、通信回線の使用時間が短い。
(5)図9のゲーム機システムでは、更新データが少ないので、1つの放送チャネルで、いくつものソフトに対応出来る。
(6)図9のゲーム機システムでは、チャネルとソフトの対応データも放送で送られるため、ソフトの発売に応じた対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】レーシングゲームソフトでゲーム機システムのディスプレイ上に映し出された一場面を表わす図である。
【図2】レーシングゲームソフトでゲーム機システムのディスプレイ上に映し出された別の一場面を表わす図である。
【図3】図1及び図2に示すゲームソフトのファイル構造を示す図である。
【図4】図3のファイル構造をもつゲームソフトの実行手順を説明する図である。
【図5】図1及び図2に示すゲームソフトの別のファイル構造を示す図である。
【図6】図5のファイル構造をもつゲームソフトの実行手順を説明する図である。
【図7】ゲーム機システムの構成を示す図である。
【図8】ゲーム機システムの別の構成を示す図である。
【図9】ゲーム機システムの更に別の構成を示す図である。
【図10】図9に示すゲーム機システムで、送信側より放送によって送られるゲームソフトの変更データを説明する図である。
【図11】複数台のゲーム機が接続されたゲーム機システムの概念図である。
【符号の説明】
【0069】
2 コントローラ、 4,38 光磁気ディスク(MO)、 6 ハードディスクドライブ(HD−M)、 8 ハードディスクドライブ(HD−S)、 10 切換スイッチ(SW)、 12 エンコーダ(ENC)、 14 送信機手段、 16,25 通信回線、 18 受信機手段、 20 デコーダ(DEC)、 22 ゲーム機、 24 光磁気ディスク(MO−G)、 26 受送信機手段、 28,42 RAM、 30,48 システムコンピュータ(シスコン)、 32,50 キー入力変換器、 34,44 復調器、 36,46 画像コントローラ、 38 受信機手段、 40 HDドライブ、 52 CD−ROMドライブ、 53 アンテナ、 54 ホストコンピュータ(ホスト)、 56,58,60 ゲーム機
【技術分野】
【0001】
本発明は、商業広告を表示可能なゲーム機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーム機に関しては、最近では市中の専用ゲームコーナのみならず一般家庭においてもゲーム機が普及し、これに伴って自動車のレーシングゲームソフト,飛行機のフライトシミュレータゲームソフト等の各種のゲームソフトが大量に販売されている。
【0003】
ゲーム機で、例えば自動車のレーシングゲームソフトを起動すると、表示装置(ディスプレイ)上に現実のF1レース場を忠実に再現した臨場感あふれる風景が映し出され、操作者がジョイステック等の操作盤を介して指示する命令に従って、各レーシングカーがサーキットコースを疾走する。
【0004】
しかし、現実のF1レース場では背景のサーキットコース脇の塀,看板,広告塔及びレーシングカーの車体等に商業広告が成されているが、ゲームソフトにおいてはこれに相応するような積極的に商業広告を組み込んだ例はみられない。
【0005】
現在、ゲームソフト上に組み込まれている広告としては、ゲームソフトのゲームの開始前,終了後又は場面変更(シーンチェンジ)の際にそのソフト製作会社の企業広告が映し出される例が見られる程度であり、ゲームソフト中に積極的な商業広告が成されている例は存在しない。文献上も、ゲーム終了後やゲームをしていないときにゲームの映像を広告等の映像に切り替えて表示する例が見られる程度である(特許文献1参照)。また、背景中に広告が映し出される例があるとしても、収益を考慮した商業広告としての例はみられず、あくまでサーキットコース等の実景を忠実に模写するための形式的な広告である。
【0006】
また、ゲームソフトでは一度製作されると、ソフトウェアに問題点がない限り変更されることはほとんどない。ソフトウェアの変更を行わない場合、たとえ背景などに商業広告を入れたとしても、時間が経つに連れその広告は時代遅れのものになってしまい、広告の実効が上がらなくなってしまう。
【0007】
【特許文献1】特開昭62−84792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が成された動機は、現在の民間TV放送はコマーシャル(企業広告)収益で運営され、受信者からは放送料を徴収していない。これと同様に、仮にゲームソフトの例えば背景のサーキットコース脇の塀,看板,広告塔等に他社企業の需要に応じて商業広告を組み込むことが出来るならば広告料収入が得られ、結果的にゲームソフトの販売価格を下げ、或いは無償にすることが出来るであろう、ということに基づいている。更に、特定のゲームソフトは、通常何回も利用されることが予想され、この広告の内容を随時変更・更新出来るようにしたならば、商業広告としての実効が上げられ、期待する広告収入が得られるであろう、ということに基づいている。
【0009】
そこで、本願発明は、各家庭のゲーム機を通信回線等を介してホストコンピュータ(コントローラ)に接続してゲーム機システムとし、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに企業の需要に応じて商業広告を組み込むことが出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することを目的とする。
【0010】
更に、本願発明は、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに組み込まれた商業広告を適宜容易に更新出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかるゲーム機システムは、送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムにおいて、上記送信側機器は、ゲームソフトのメインプログラムに関する固定データを蓄積した記憶装置と、ゲームソフトの商業広告に関する可変データを蓄積した記憶装置と、これら固定データと可変データを適宜切換送信する手段を有し、上記受信側ゲーム機器は、送信される固定データと可変データを蓄積する記憶手段を有し、送信側でゲームソフトの固定データ及び更新された可変データを上記受信側ゲーム機器に送信することにより、常に最新の可変データに基づく画像がゲーム画像の一部に現れる。
【0012】
ゲームソフトの商業広告に関するデータは可変データとしているので、これと固定データであるメインプログラムとを組み合わせて初めてゲームが開始されることにより、常に更新された商業広告が入ったゲームソフトが利用できる。
【発明の効果】
【0013】
本願発明によれば、各家庭のゲーム機を通信回線等を介してホストコンピュータ(コントローラ)に接続してゲーム機システムとし、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに企業の需要に応じて商業広告を組み込むことが出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することができる。
【0014】
更に、本願発明によれば、ゲーム機システムにおいて利用されるゲームソフトウェアに組み込まれた商業広告を適宜容易に更新出来るゲーム機システム及びこれを利用したゲーム方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明にかかる好適な実施例に関し、添付の図面を参照しながら説明する。
ゲームソフト中の商業広告の内容
最初に、本実施例に利用されるゲームソフトの商業広告の態様に関して説明する。図1は、或るレーシングゲームのゲームソフトをゲーム機システムで起動させた場合に表示装置の画面(ディスプレイ)上に映し出される一場面であり、サーキットコースとコース脇に立っている看板を想定した図である。図1(a)の画面に映し出された看板には「A」なる商業広告が画面上に現れている。図1(a)の場面の商業広告Aの部分のみの画像データを入れ替えて商業広告「B」にすると、図1(b)に示すように図1(a)と同じ場面でBの商業広告を行うことが出来る。
【0016】
図2は、このレーシングゲームのゲームソフトをゲーム機システムで起動させた場合に表示装置のディスプレイ上に映し出される一場面であり、F1レーサ等の登場人物(キャラクタ)が動いている部分を想定した図である。図2(a)の画面には、キャラクタの胸の部分に「C」なる文字の商業広告が現れている。図2(a)の場面の商業広告Cの部分のみの画像データを入れ替え商業広告「D」にすると、図2(b)に示すように図2(a)と同じ場面で商業広告Dを行うことが出来る。
【0017】
ゲームソフトのデータ構造
上述のような商業広告を適宜更新可能なゲームソフトの2種類のデータ構造を、図3及び図4を用いて説明する。図3(a)及び(b)は、図1及び図2に示すような画像中の広告部分のデータのみを入れ替える(貼り替える)ことが出来るゲームソフトのファイル構造を表す。図3(a)のファイル構造は、メインプログラムM(固定データ)とは別個に、広告部に貼り込みを行う画像データのファイルA,C(可変データ)が追加されている。この場合、メインプログラムMのデータ量に対して、データファイルA,Cのデータ量は1%にも満たない。また、メインプログラムMには、後で図8乃至図10に関連して説明するゲームソフトの種類を表示する識別記号を必要に応じて入れることが出来る。
【0018】
図3(b)のファイル構造は、図3(a)のファイル構造と比較して、メインプログラムMは全く同じであるが、番地A0にある貼り込み部分のデータファイルAの内容(商業広告A)がデータファイルBの内容(商業広告B)に変更(更新)され、同様に番地C0にあるデータファイルCの内容(商業広告C)がデータファイルDの内容(商業広告D)に変更されている。
【0019】
図3のプログラム構造を、図1(a)及び(b)の例に対応して説明すれば、メインプログラムMは上述の貼り込み部(商業広告部分,可変データ)を除いたレーシングゲームのゲームソフト全体のメインプログラムM(固定データ)であり、データファイルA及びCは図1(a),図2(a)に示す看板の張り込み部の画像データ(可変データ)であり、その内容は商業広告A及びCが夫々表示されている。また、データファイルB及びDは図1(b),図2(b)の貼り込み部分の画像データ(可変データ)であり、その内容は商業広告B及びDが夫々表示されている。なお、データファイルA及びCの開始番地はA0であり、データファイルB又はDの開始番地はC0である。
【0020】
図4のフローチャートを用いて、図3のデータ構造を持つゲームソフトのゲーム進行を説明する。
(1)ゲーム機システムの電源をONにして動作状態にし、メインプログラムMを起動させると、レーシングゲームはメインプログラムMで定められた仕事の手順に従って実行される(ステップS41)。
【0021】
(2)メインプログラムMの番地が図1(a)に示すサーキットコースと看板の場面に至ったところで、メインプログラムMは、番地A0にあるデータファイルを参照しにいく(S42)。番地A0のデータファイルの内容が画像データAならば、メインプログラムMはサーキットコースと看板の場面をデータファイルAの内容を取り込みながら生成する(図1(a)参照)。これとは異なり、番地A0のデータファイルの内容が更新されて画像データBならば、メインプログラムMはサーキットコースと看板の場面をデータファイルBの内容を取り込みながら生成する(図1(b)参照)。
【0022】
(3)図1のサーキットコースと看板の場面の終了後、更にメインプログラムMは定められた手順を続行する(S43)。
【0023】
(4)メインプログラムMの番地が図2(a)に示すキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面の表示に至ったところで、番地C0にあるデータファイルを参照しにいく(S44)。番地C0のデータファイルの内容が画像データCならば、メインプログラムMはキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面を、データファイルCの内容を取り込みながら生成する。これとは異なり、番地C0のデータファイルの内容が画像データDならば、メインプログラムMはキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面を、データファイルDの内容を取り込みながら生成する。
【0024】
(5)図2のキャラクタがディスプレイ上に映し出される場面の終了後、メインプログラムMは、更にゲームが終了するまで続行する(S45)。
【0025】
こうして、最初はメインプログラムM及びデータファイルA,Cを用いることにより、ディスプレイ上では、図1(a)及び図2(a)のように商業広告「A」,「C」の宣伝がされる。そして、適当な期間経過後、データファイルの内容が更新されると、メインプログラムM及びデータファイルB,Dを用いることにより、ディスプレイ上では、図1(b)及び図2(b)のように更新された商業広告「B」,「D」の宣伝がされる。
【0026】
図5(a)及び(b)に示す別の種類のファイル構造は、図3(a)及び(b)で説明したファイル構造とは異なり、選択する広告の画像データを入れ替え(更新)するのではなく、可変データはいずれの広告を選択するかを決定する選択コードのみとしたゲームソフトのファイル構造を表す。図5(a)のファイル構造では、メインプログラムMに、広告部に貼り込みを行う複数の広告部分画像データA,B,C,Dを予め一緒に組み込んだ構造になっている(固定データ)。また、このメインプログラムMとは別個に、選択コードのデータのみをもつ選択コードファイルS(可変データ)を有し、この選択コードファイルSの内容が画像データA,Cを選択するコードファイルSacとなっている。この場合、メインプログラムMのデータ量は図3のメインプログラムMのデータ量に比較して相対的に大きくなるが、その分、選択コードファイルSのデータ量は、図5の更新可能なデータファイルA,Cに比較して、極めて少なくなっている。
【0027】
図5(b)の場合は、メインプログラムMは図5(a)のメインプログラムMと全く同じである。メインプログラムMとは別個に設けられた選択コードファイルSは、画像データB,Dを選択する内容Sbdである点で異なっている。
【0028】
図1及び図2の例で述べれば、メインプログラムMは上述の張り込み部(商業広告部分)を除いたレーシングゲームのゲームソフトプログラムであり、データAは図1に示す商業広告Aのデータである。データBは商業広告Bのデータであり、データファイルCは商業広告Cのデータであり、データファイルDは商業広告Dのデータである。
【0029】
図6のフローチャートを用いて、図5のデータ構造を持つゲームソフトのゲーム進行を説明する。
(1)ゲーム機の電源をONして動作状態にし、メインプログラムMを起動させると、レーシングゲームはメインプログラムMのメインルーチン部分で定められた仕事の手順によって実行される(ステップS61)。
【0030】
(2)メインプログラムMの番地が図1に示すサーキットコースと看板の場面に至ったところで選択コード読み込みが命令され、コードファイルSを参照しにいく(S62)。コードファイルSの内容が判別され(S63)、選択コードSが画像データAを選択するように指示している場合(S=Sac)、画像データAの内容の内容を取り込みながら図1(a)のサーキットコースと看板の場面を生成する(S64)。これとは異なり、選択コードSが画像データBを選択するように指示している場合(S=Sbd)、画像データBの内容の内容を取り込みながら図1(b)のサーキットコースと看板の場面を生成する(S65)。
【0031】
(3)更に、メインプログラムMは定められた手順を続行する(S66)。メインプログラムMの番地が図2に示すキャラクタディスプレイ上に映し出される場面の表示に至ったところで選択コード読み込みが命令され、コードファイルSを参照しにいく(S67)。コードファイルSの内容が判別され(S68)、選択コードSが画像データCを選択するように指示している場合(S=Sac)、画像データCの内容の内容を取り込みながら図2(a)の場面を生成する(S69)。これとは異なり、選択コードSが画像データDを選択するように指示している場合(S=Sbd)、画像データDの内容の内容を取り込みながら図2(b)の場面を生成する(S65)。
【0032】
(4)更に、メインプログラムMは定められた手順をゲーム終了まで続行する(S71)。
【0033】
予め画像データファイルA,B,C及びDを含むメインプログラムM及び更新可能な選択コードファイルSを用いることにより、ディスプレイ上では、図1及び図2のように商業広告A,C又はB,Dの宣伝がされる。
【0034】
図3及び図4で説明したファイル構造に関しては、商業広告(可変データ)の個数はA〜Dに限定されず、所望に応じて多数の商業広告のデータを設けることが出来ることは勿論である。また、可変データは、画像データ形式として説明したが、メインプログラムM(親プログラム,固定プログラム)に対してサブプログラム(子プログラム,更新可能プログラム)というようなプログラム形式で設けることも出来る。この場合、メインプログラムMは商業広告表示箇所でサブプログラムに飛び、サブプログラム実効後、再びメインプログラムMの当該商業広告表示箇所の次のステップに戻る態様となる。
【0035】
使用されるゲーム機システム
次に、上述したような、更新可能な商業広告を組み込むことが出来るゲームソフトを利用し得る典型的な3種類のゲーム機システムについて説明する。
【0036】
最初に、図7に示すゲーム機システムは、ゲームソフト会社,商業広告を請け負う通信会社等の企業である送信側で適宜更新された商業広告を含んだゲームソフト全体を用意し、このゲームソフトを通信回線を介して家庭内のゲーム機に送信することを特徴とするシステムの構成を示している。このゲーム機システムの構成は、企業に配置された送信側機器と、各家庭に配置された受信側機器と、送信側機器と受信側機器を接続する通信回線とを備えている。
【0037】
送信側機器は、送信側機器を制御するコントローラ2と、可変データである図3の画像データA,B,C,D又は図5の選択コードS(可変データ)が蓄積され且つディスク交換可能な光磁気ディスクドライブ(MO)4と、固定データであるゲームソフトのメインプログラムM(固定データ)を蓄積したハードディスクを駆動するハードディスクドライブ(HD−M)6と、MO4に接続されたハードディスクドライブ(HD−S)8と、一方の可変端子MにHD−M6からの固定データを受け取り、他方の可変端子SにHD−S8から可変データを受け取り、コントローラ2からの切換信号9により切換制御して出力固定端子に接続するスイッチ手段SW10と、SW10からの出力データを使用する通信回線16に応じて符号化するエンコーダ(ENC 変調器)12と、符号化データを通信回線16に出力する通信機手段14とを有している。
【0038】
通信回線16としては、この分野で良く知られたISDN(integrated services digital network サービス総合ディジタル網)等を利用できる。
【0039】
家庭内に配置された受信側機器としては、通信回線16に接続された受信機手段18と、通信回線16,受信機手段18を介して送信されたゲームソフトデータを復号するデコーダ(DEC)20と、ゲーム機22とを有する。ゲーム機22は、通信回線16を介して送信されたゲームソフトを蓄積する書換可能な光磁気ディスク(MO−G)24を持っている。
【0040】
送信側のMO4の交換可能なディスクには、図3又は図5のメインプログラムM(可変データ)が蓄積される。搭載ディスクを交換することにより、図3及び図5で説明した可変データを適宜更新することが出来る。即ち、商業広告の内容が図1(a),図2(a)から図1(b),図2(b)に示すように適宜更新される。
【0041】
送信側のMD−M6のディスクには、図3及び図5で説明した固定データであるメインプログラムM(固定データ)が蓄積されている。送信側のMD−S8のディスクは、MO4から転送される可変データが蓄積される。
【0042】
図7に示すゲーム機システムの動作について説明する。予め、コントローラ2からのデータ転送命令(又は起動命令)3に従って、MO4の適宜更新されたデータが、一方のHD−S8に転送される。他方のHD−M6に挿入したディスクには、メインプログラムMが蓄積されている。
【0043】
ゲームソフト起動時に、コントローラ2の切換信号9によって、図7に示すようにSW10の可動端子Mが出力用固定端子に接続され、同時にコントローラ2からHD−M6に転送命令(又は起動命令)5が発せられる。HD−M6のデータ(メインプログラムM)は、SW10を介し、通信用ENC12により符号化され、送信機手段14から通信回線16にのせられる。通信回線16により、データは受信側に送信される。
【0044】
通信回線16を介して送信されたデータは、一旦受信側の受信機手段18で受信される。送信用に符号化された送信データは、DEC20により復号される。復号化データは、ゲーム機22内のMO−G24のディスクに蓄積される。メインプログラムMは送信側から受信側に順次転送され、メインプログラムMの転送が終了する。
【0045】
メインプログラムMの転送が終了した時点で、コントローラ2からHD−S8に対して転送命令(又は、起動命令)7が発せられ、同時にコントローラ2からSW10に対して切換信号9が発せられ可変端子Sが出力用固定端子に接続される。HD−S8のディスクに蓄積された可変データが、同様にSW10,ENC12,送信機手段14,通信回線16,受信機手段18,DEC20を介してゲーム機22内のMO−G24のディスクに蓄積される。可変データが蓄積された時点で、ゲーム機24のMO−G24には、更新された商業広告を含むゲームソフトが蓄積される。
【0046】
上述した図7に示すゲーム機システムでは、送信側が、MO4のディスクを交換することにより、図1及び図2で説明した商業広告の更新が適宜可能になる。
【0047】
図8は、別のゲーム機システムの構成を部分的に示す図であり、ゲームの利用者が識別記号が付されたゲームソフト(メインプログラムM,固定データ)を購入し、ゲームソフトの商業広告部分(可変データ)として通信回線を介して送信側から逐次更新されたデータを受け取ることを特徴とする。
【0048】
このゲーム機システムでは、企業側が有する送信側機器と、家庭内に配置された受信側機器と、送信側機器と受信側機器とを接続する通信回線とを備えているが、図8では送信側機器については図示を省略している。
【0049】
通信回線25は、図7の通信回線と同様であり、ISDN等を利用できる。
【0050】
受信側機器としては、受信機側機器を制御するシステムコントローラ(シスコン)30と、このシスコン30に接続されたRAM28と、このRAM28に接続され且つ通信回線に接続された受送信機手段26と、同様にシスコン30に接続され、RAM28との間でデータのやり取りをする光磁気ドライブ(MO)38とを有している。シスコン30には、キーボード(図示せず)を介して入力された指示された命令,データ等のキー入力を適宜変換出来るキー入力変換器32が付設されている。更に、RAM28からのデータをシスコン30の制御の下に復号する復調器34と、復調されたデータをディスプレイ(表示装置,図示せず。)に表示するための画像コントローラ36を有している。
【0051】
キー入力変換器32は、ゲームソフト間で相異なるキーボードの入力キーの機能・役割を所望の機能に変更・整合し得るものであり、MO38にゲームソフトディスクを挿入した時、シスコン30により判断され初期設定される。
【0052】
図8に示すゲーム機システムの動作を説明する。ゲーム利用者が、ゲームソフト(メインプログラムM,固定データ)が書き込まれたディスクをMO38に挿入し、ゲームソフトを起動する。このゲーム機システムで使用するメインプログラムMの先頭には、ゲームソフトの種類を識別し得る識別記号が書き込まれている。ゲームソフトを起動すると、この識別信号がRAM28に転送される。この識別信号は、受送信器手段26,通信回線25を介して、一旦送信側のホストコンピュータ(図示せず。図7のコントローラ2に相当する。)に転送される。識別記号を受け取ったホストコンピュータは、図3又は図5で説明した更新された可変データの転送を開始する。
【0053】
受信機側では、通信回線25を介して転送される可変データを受送信器手段26を介してRAM28に蓄積する。RAM28に蓄積された可変データは接続37を介してMO38のディスクのゲームソフトの所定の可変データエリアに書き込まれ更新される。即ち、利用者は、送信側より更新された商業広告に関する可変データを受信しない限りゲームソフトを実行出来なく、またゲームを実行する度にゲームソフトの可変データは最新の又は送信側の意図したデータに更新されることになる。以上の動作により、更新されたゲームソフトプログラムが完成するが、これら一連の動作はゲームソフトの初期動作として行われるようにすることが好ましい。
【0054】
ユーザに関する動作としては、MO38に蓄積されたゲームソフトのデータはRAM28に送られ、接続33,復調器34を介して画像コントローラ36に送られ、モニター(ディスプレイ)(図示せず。)で出力される。また、キーボード(図示せず。)のキーからの入力はキー入力変換器32で必要に応じて変換され、シスコン30ではその内容を判断し、順次必要な部分のデータをMO38から得て、RAM28上のデータを書き換えていく。
【0055】
図9に示す更に別のゲーム機システムは、図8のゲーム機システムと同様にゲームの利用者がゲームソフトを購入するシステムであるが、ゲームソフト中の可変データを放送を介して更新することを特徴とするシステムの構成を部分的に示す図である。放送は送信側から受信側に向けての一方向送信であり、非常に低価格であり、この点で図8のゲーム機システムが比較的費用のかかるISDN等の双方向通信可能な回線を利用しているのと異なっている。このゲーム機システムでは放送回線を利用して、常時、図3又は図5の可変データを継続的に送信している。
【0056】
このゲーム機システムは、企業側が有する送信側機器と、家庭内に配置された受信側機器と、送信側機器と受信側機器とを接続する放送回線とを備えているが、図9では送信側機器については図示を省略している。
【0057】
受信側機器としては、送信側から送られた可変データをアンテナ53を介して受信する受信機手段38と、受信機手段38のデータを蓄積するHDドライブ40と、画像出力のため固定データ及び可変データを一時的に蓄積するRAM42と、復調器44と、画像コントローラ46とを有している。
【0058】
これら受信機手段38,HDドライブ40,RAM42及び復調器44は、受信機側機器を制御するシステムコントローラ(シスコン)48により制御される。シスコン48には、ゲーム利用者が購入したゲームソフトディスクを挿入するCD−ROMドライブ52が接続されている。更に、図8と同様に、シスコン48にはキー入力変換器50が付設されている。
【0059】
図9に示すゲーム機システムの動作を説明する。利用者は、購入したゲームソフトが入っているディスクをCD−ROMドライブ52に挿入する。このCD−ROMにはゲームソフトのメインプログラムM(固定データ)が記憶されている。CD−ROMドライブ52によりゲームソフトを起動すると、ゲームソフトの先頭部分に記憶されたソフト識別データ(識別記号,ゲームソフトの種類によって異なる識別記号が付されている。)は接続41を介して一旦RAM42に送られる。RAM42のソフト識別データは、接続45を介してシスコン48に送られる。シスコン48は、このソフト識別データに対応してこのソフト識別データの可変データ(変更データ)が放送されるチャンネル番号を判断し、このチャンネル番号及びソフト識別データを接続37を介して受信機手段38に指示する。
【0060】
図10を参照願いたい。送信側で放送するチャンネルは1又は2以上のチャンネルが用意されている。複数チャンネルの場合、例えば、チャンネルG(図10(a))とチャンネルH(図10(b))があるとする。
【0061】
チャネルGではソフト識別データJを送った後、2つの変更データ(J−1),(J−2)を送っている。次に、ソフト識別データKを送った後、3つの変更データ(K−1),(K−2),(K−3)を送っている。ソフト識別データのデータ量は一定であるが、変更データはゲームソフトによって種類もデータ量も異なる。ゲームソフトを起動するタイミングは任意なので、一つのゲームソフトの送るタイミングが空き過ぎると、変更データの更新前に予定画面が現れてしまうので、チャネルGではソフト識別データKの変更データの後、再びソフト識別データJの変更データ(J−1),(J−2)を送る繰り返し動作を行っている。チャネルHでは、同じくソフト識別データP,Q,Rの変更データを放送している。
【0062】
利用者が購入したゲームソフトのソフト識別データが例えば「Q」であると、これに対応して受信機手段38はチャンネルHにセットされる。チャンネルHの放送は、ソフト識別データQを含む種々のゲームソフトの可変データ(変更データ)が放送されている。
【0063】
図9に戻り、受信機手段38はチャンネルHの放送の内、ソフト識別データ「Q」に対応する変更データ「Q−1」が送られて来た瞬間から、この変更データ「Q−1」をHDドライブ40に蓄積する。この時、HDドライブ40には更新された商業広告データが蓄積され、CD−ROMドライブ52に挿入されたディスクにはメインプログラムMが記憶されている。この2つのデータによりゲームソフトが完成し、実行される。
【0064】
シスコン48は、CD−ROMドライブ52の固定データであるメインプログラムMを起動しRAM42に読み込みながら、可変データである商業広告をHDドライブ40からRAM42に読み込み、ゲームソフトを実行する。RAM42のゲームソフトデータは復調器44,画像コントローラ46を介してディスプレイ(図示せず。)上に映し出される。
【0065】
CD−ROMドライブ52のメインプログラムM単独では、ゲームソフトは実行できない。このため、更新された商業広告が必ずゲーム利用者の目に触れることとなり、商業広告の収入によりゲームソフトの価格は低く抑えられ、又は無償化される。
【0066】
図11は、上述したゲーム機システムの概念図であり、複数台の家庭内のゲーム機が接続されている。
【0067】
以下に、上述した実施例の効果を挙げる。
(1)ゲームソフト内での商業宣伝活動が可能になり、ソフトの低価格化或いは無償化などが可能になる。
(2)最新の広告宣伝活動を可能にし、常に新しい宣伝活動を可能にする。
(3)通信のほかに、放送による商業広告も可能になる。この場合、チャネルが自動的にセットされるので利用者は全く意識せずに操作が出来る。
(4)図5のファイル構造を使用するゲーム機システムでも、更新データが少ないので、通信回線の使用時間が短い。
(5)図9のゲーム機システムでは、更新データが少ないので、1つの放送チャネルで、いくつものソフトに対応出来る。
(6)図9のゲーム機システムでは、チャネルとソフトの対応データも放送で送られるため、ソフトの発売に応じた対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】レーシングゲームソフトでゲーム機システムのディスプレイ上に映し出された一場面を表わす図である。
【図2】レーシングゲームソフトでゲーム機システムのディスプレイ上に映し出された別の一場面を表わす図である。
【図3】図1及び図2に示すゲームソフトのファイル構造を示す図である。
【図4】図3のファイル構造をもつゲームソフトの実行手順を説明する図である。
【図5】図1及び図2に示すゲームソフトの別のファイル構造を示す図である。
【図6】図5のファイル構造をもつゲームソフトの実行手順を説明する図である。
【図7】ゲーム機システムの構成を示す図である。
【図8】ゲーム機システムの別の構成を示す図である。
【図9】ゲーム機システムの更に別の構成を示す図である。
【図10】図9に示すゲーム機システムで、送信側より放送によって送られるゲームソフトの変更データを説明する図である。
【図11】複数台のゲーム機が接続されたゲーム機システムの概念図である。
【符号の説明】
【0069】
2 コントローラ、 4,38 光磁気ディスク(MO)、 6 ハードディスクドライブ(HD−M)、 8 ハードディスクドライブ(HD−S)、 10 切換スイッチ(SW)、 12 エンコーダ(ENC)、 14 送信機手段、 16,25 通信回線、 18 受信機手段、 20 デコーダ(DEC)、 22 ゲーム機、 24 光磁気ディスク(MO−G)、 26 受送信機手段、 28,42 RAM、 30,48 システムコンピュータ(シスコン)、 32,50 キー入力変換器、 34,44 復調器、 36,46 画像コントローラ、 38 受信機手段、 40 HDドライブ、 52 CD−ROMドライブ、 53 アンテナ、 54 ホストコンピュータ(ホスト)、 56,58,60 ゲーム機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームソフトのプログラムにおいて、
ゲームの主体となる第1のプログラムと、
上記ビデオゲーム画像の特定の部所の広告情報に関する第2のプログラムとを有し、
該第2のプログラムを書き換え可能にしたビデオゲームソフトのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載されたビデオゲームソフトのプログラムにおいて、
上記広告情報に関する第2のプログラムが、商業広告の画像データを有しているビデオゲームソフトのプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載されたビデオゲームソフトのプログラムにおいて、
上記第1のプログラムが、複数種の商業広告の画像データを有し、
上記広告情報に関する第2のプログラムが、いずれの商業広告の画像データを選択すべきかを指示する選択データを有しているビデオゲームソフトのプログラム。
【請求項4】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムにおいて、
上記送信側機器は、ゲームソフトのメインプログラムに関する固定データを蓄積した記憶装置と、ゲームソフトの商業広告に関する可変データを蓄積した記憶装置と、これら固定データと可変データを適宜切換送信する手段とを有し、
上記受信側ゲーム機器は、送信される固定データ及び可変データを蓄積する記憶手段を有し、
送信側でゲームソフトの固定データ及び更新された可変データを上記受信側ゲーム機器に送信することにより、常に最新の可変データを含む画像が画像に現れることを特徴とするゲーム機システム。
【請求項5】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムにおいて、
上記受信側ゲーム機器は、利用者が所有するゲームソフトを蓄積した書換可能な記憶装置を有し、該ゲームソフトにはゲームの種類を表す識別記号が書き込まれており、上記ゲームソフトを起動した時、上記識別記号を上記送信側機器に送り、
該送信側機器は上記ゲームソフト中の商業広告に関する可変データを上記ゲームソフトを蓄積した記憶装置に送り、該ゲームソフト中の可変データを更新することを特徴とするゲーム機システム。
【請求項6】
放送手段と、この放送を受信する1又は2以上の受信側ゲーム機器とを備えたゲーム機システムにおいて、
上記放送手段は、複数のゲームソフト識別データとそれに対応する商業広告に関する変更データとの情報を継続的に放送し、
上記受信側ゲーム機器は、受信機手段と記憶手段とを有し、
利用者所有のゲームソフト起動時に、上記放送を受信して該ゲームソフトに対応する変更データに基づきゲームソフトの可変データを更新した後、該ゲームソフトが開始されるゲーム機システム。
【請求項7】
請求項6に記載されたゲーム機システムにおいて、
上記受信側ゲーム機器の受信機手段は、利用するゲームソフトの識別記号に基づき受信するチャンネルを自動的にセットし、利用するゲームソフトの変更データのみを上記記憶手段に蓄積するゲーム機システム。
【請求項8】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムを使用し行われるゲーム方法において、
上記送信側機器が、ゲームソフトの内、固定データであるメインプログラムと商業広告に関する可変データとを上記受信側機器に順次送信し、その後、受信側ゲーム機器でゲームが開始されるゲーム方法。
【請求項9】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムを使用し行われるゲーム方法において、
上記受信側ゲーム機器で、利用者所有のゲームソフトを起動し、該ゲームソフトに書き込まれたゲームソフトの種類を表す識別記号が上記送信側機器に送信され、
上記送信側機器は、上記識別記号に対応し且つ更新された商業広告に関する可変データを受信側ゲーム機器に送信し、その後、ゲームが開始されるゲーム方法。
【請求項10】
放送手段と、この放送を受信する1又は2以上の受信側ゲーム機器とを備えたゲーム機システムを使用し行われるゲーム方法において、
上記放送手段からは、複数のゲームソフト識別データとそれに対応する商業広告に関する変更データとの情報を継続的に放送し、
上記受信側ゲーム機器では、ゲームソフト起動時に、上記放送を受信して該ゲームソフトに対応する変更データに基づきゲームソフトの可変データを自動的に更新し、その後、該ゲームソフトが開始されるゲーム方法。
【請求項1】
ビデオゲームソフトのプログラムにおいて、
ゲームの主体となる第1のプログラムと、
上記ビデオゲーム画像の特定の部所の広告情報に関する第2のプログラムとを有し、
該第2のプログラムを書き換え可能にしたビデオゲームソフトのプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載されたビデオゲームソフトのプログラムにおいて、
上記広告情報に関する第2のプログラムが、商業広告の画像データを有しているビデオゲームソフトのプログラム。
【請求項3】
請求項1に記載されたビデオゲームソフトのプログラムにおいて、
上記第1のプログラムが、複数種の商業広告の画像データを有し、
上記広告情報に関する第2のプログラムが、いずれの商業広告の画像データを選択すべきかを指示する選択データを有しているビデオゲームソフトのプログラム。
【請求項4】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムにおいて、
上記送信側機器は、ゲームソフトのメインプログラムに関する固定データを蓄積した記憶装置と、ゲームソフトの商業広告に関する可変データを蓄積した記憶装置と、これら固定データと可変データを適宜切換送信する手段とを有し、
上記受信側ゲーム機器は、送信される固定データ及び可変データを蓄積する記憶手段を有し、
送信側でゲームソフトの固定データ及び更新された可変データを上記受信側ゲーム機器に送信することにより、常に最新の可変データを含む画像が画像に現れることを特徴とするゲーム機システム。
【請求項5】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムにおいて、
上記受信側ゲーム機器は、利用者が所有するゲームソフトを蓄積した書換可能な記憶装置を有し、該ゲームソフトにはゲームの種類を表す識別記号が書き込まれており、上記ゲームソフトを起動した時、上記識別記号を上記送信側機器に送り、
該送信側機器は上記ゲームソフト中の商業広告に関する可変データを上記ゲームソフトを蓄積した記憶装置に送り、該ゲームソフト中の可変データを更新することを特徴とするゲーム機システム。
【請求項6】
放送手段と、この放送を受信する1又は2以上の受信側ゲーム機器とを備えたゲーム機システムにおいて、
上記放送手段は、複数のゲームソフト識別データとそれに対応する商業広告に関する変更データとの情報を継続的に放送し、
上記受信側ゲーム機器は、受信機手段と記憶手段とを有し、
利用者所有のゲームソフト起動時に、上記放送を受信して該ゲームソフトに対応する変更データに基づきゲームソフトの可変データを更新した後、該ゲームソフトが開始されるゲーム機システム。
【請求項7】
請求項6に記載されたゲーム機システムにおいて、
上記受信側ゲーム機器の受信機手段は、利用するゲームソフトの識別記号に基づき受信するチャンネルを自動的にセットし、利用するゲームソフトの変更データのみを上記記憶手段に蓄積するゲーム機システム。
【請求項8】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムを使用し行われるゲーム方法において、
上記送信側機器が、ゲームソフトの内、固定データであるメインプログラムと商業広告に関する可変データとを上記受信側機器に順次送信し、その後、受信側ゲーム機器でゲームが開始されるゲーム方法。
【請求項9】
送信側機器と、1又は2以上の受信側ゲーム機器と、これらを結ぶ通信回線とを備えたゲーム機システムを使用し行われるゲーム方法において、
上記受信側ゲーム機器で、利用者所有のゲームソフトを起動し、該ゲームソフトに書き込まれたゲームソフトの種類を表す識別記号が上記送信側機器に送信され、
上記送信側機器は、上記識別記号に対応し且つ更新された商業広告に関する可変データを受信側ゲーム機器に送信し、その後、ゲームが開始されるゲーム方法。
【請求項10】
放送手段と、この放送を受信する1又は2以上の受信側ゲーム機器とを備えたゲーム機システムを使用し行われるゲーム方法において、
上記放送手段からは、複数のゲームソフト識別データとそれに対応する商業広告に関する変更データとの情報を継続的に放送し、
上記受信側ゲーム機器では、ゲームソフト起動時に、上記放送を受信して該ゲームソフトに対応する変更データに基づきゲームソフトの可変データを自動的に更新し、その後、該ゲームソフトが開始されるゲーム方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−229383(P2008−229383A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159719(P2008−159719)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【分割の表示】特願2008−23245(P2008−23245)の分割
【原出願日】平成7年6月30日(1995.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【分割の表示】特願2008−23245(P2008−23245)の分割
【原出願日】平成7年6月30日(1995.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]