プログラム死リガンド1(PD−L1)に対するヒトモノクローナル抗体
本開示は、高い親和性でPD-L1に特異的に結合する、単離されたモノクローナル抗体、特にヒトモノクローナル抗体を提供する。本開示の抗体をコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞、および本開示の抗体を発現させるための方法もまた、提供される。本発明の抗体を含む、免疫複合体、二重特異性分子、および薬学的組成物もまた、提供される。本開示はまた、抗PD-L1抗体を使用する、PD-L1を検出するための方法、ならびに、癌および感染症を含む様々な疾患を治療するための方法も提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトPD-L1に特異的に結合し、かつ以下の特性のうち少なくとも1種を示す、単離されたヒトモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)1×10-7Mもしくはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する;
(b)混合リンパ球反応(MLR)アッセイ法においてT細胞増殖を増加させる;
(c)MLRアッセイ法においてインターフェロン-γ産生を増加させる;または
(d)MLRアッセイ法においてインターロイキン-2(IL-2)分泌を増加させる。
【請求項2】
アイソタイプIgG1、IgG2、またはIgG4の完全長抗体である、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
抗体断片または単鎖抗体である、請求項1記載の抗体。
【請求項4】
5×10-9Mもしくはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項5】
2×10-9Mもしくはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項6】
PD-L1への結合に関して、以下を含む参照抗体と交差競合する、単離されたヒトモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むヒト重鎖可変領域、ならびに
(b)SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、およびSEQ ID NO:20からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むヒト軽鎖可変領域。
【請求項7】
ヒト重鎖可変領域が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含み、かつヒト軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体。
【請求項8】
ヒト重鎖可変領域が、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み、かつヒト軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体。
【請求項9】
ヒト重鎖可変領域が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含み、かつヒト軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体。
【請求項10】
ヒトVH1-18遺伝子の産物であるか、またはヒトVH1-18遺伝子に由来する重鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項11】
ヒトVH1-69遺伝子の産物であるか、またはヒトVH1-69遺伝子に由来する重鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項12】
ヒトVH1-3遺伝子の産物であるか、またはヒトVH1-3遺伝子に由来する重鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項13】
ヒトVKL6遺伝子の産物であるか、またはヒトVKL6遺伝子に由来する軽鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項14】
ヒトVKL15遺伝子の産物であるか、またはヒトVKL15遺伝子に由来する軽鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項15】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)ヒトVH1-18遺伝子の重鎖可変領域;および
(b)ヒトVkL6遺伝子の軽鎖可変領域。
【請求項16】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)ヒトVH1-69遺伝子の重鎖可変領域;および
(b)ヒトVkL6遺伝子の軽鎖可変領域。
【請求項17】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)ヒトVH1-3遺伝子の重鎖可変領域;および
(b)ヒトVkL15遺伝子の軽鎖可変領域。
【請求項18】
CDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域;ならびにCDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)重鎖可変領域のCDR3配列が、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50、ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域のCDR3配列が、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、およびSEQ ID NO:80、ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み;かつ、
(c)抗体が、ヒトPD-L1に特異的に結合する、
単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項19】
重鎖可変領域のCDR2配列が、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、およびSEQ ID NO:40のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ、軽鎖可変領域のCDR2配列が、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:70のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項18記載の抗体。
【請求項20】
重鎖可変領域のCDR1配列が、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、およびSEQ ID NO:30のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ、軽鎖可変領域のCDR1配列が、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、およびSEQ ID NO:60のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項19記載の抗体。
【請求項21】
重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
(a)重鎖可変領域が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10からなる群より選択されるアミノ酸配列に少なくとも80%相同であるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、およびSEQ ID NO:20からなる群より選択されるアミノ酸配列に少なくとも80%相同であるアミノ酸配列を含み;かつ、
抗体が、1×10-7Mまたはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する、
単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項22】
以下より選択される1種または複数種の特性をさらに含む、請求項21記載の抗体:
(a)抗体が、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ法においてT細胞増殖を増加させる;
(b)抗体が、MLRアッセイ法においてインターフェロン-γ産生を増加させる;および
(c)抗体が、MLRアッセイ法においてIL-2分泌を増加させる。
【請求項23】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、およびSEQ ID NO:30からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域のCDR1;
(b)SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、およびSEQ ID NO:40からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域のCDR2;
(c)SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域のCDR3;
(d)SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、およびSEQ ID NO:60からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域のCDR1;
(e)SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:70からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域のCDR2;ならびに、
(f)SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、およびSEQ ID NO:80からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域のCDR3。
【請求項24】
以下を含む、請求項23記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:21を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)SEQ ID NO:31を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)SEQ ID NO:41を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)SEQ ID NO:51を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)SEQ ID NO:61を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)SEQ ID NO:71を含む軽鎖可変領域CDR3。
【請求項25】
以下を含む、請求項23記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:22を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)SEQ ID NO:32を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)SEQ ID NO:42を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)SEQ ID NO:52を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)SEQ ID NO:62を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)SEQ ID NO:72を含む軽鎖可変領域CDR3。
【請求項26】
以下を含む、請求項23記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:23を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)SEQ ID NO:33を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)SEQ ID NO:43を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)SEQ ID NO:53を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)SEQ ID NO:63を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)SEQ ID NO:73を含む軽鎖可変領域CDR3。
【請求項27】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分
(a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;ならびに、
(b)SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、およびSEQ ID NO:20からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項28】
以下を含む、請求項27記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および
(b)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項29】
以下を含む、請求項27記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および
(b)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項30】
以下を含む、請求項27記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および
(b)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項32】
治療物質に連結された請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を含む、免疫複合体。
【請求項33】
請求項32記載の免疫複合体および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項34】
治療物質がサイトトキシンである、請求項32記載の免疫複合体。
【請求項35】
請求項34記載の免疫複合体および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項36】
治療物質が放射性同位体である、請求項32記載の免疫複合体。
【請求項37】
請求項34記載の免疫複合体および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項38】
抗体またはその抗原結合部分とは異なる結合特異性を有する第2の機能的部分に連結された、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を含む二重特異性分子。
【請求項39】
請求項38記載の二重特異性分子および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項40】
請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分をコードする、単離された核酸分子。
【請求項41】
請求項40の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項42】
請求項41の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項43】
請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体を発現する、ヒト免疫グロブリンの重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むトランスジェニックマウス。
【請求項44】
抗体を産生する、請求項43記載のマウスから調製されたハイブリドーマ。
【請求項45】
対象における免疫応答を調整する方法であって、対象における免疫応答が調整されるように、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項46】
対象において腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、治療的有効量の抗PD-L1抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項47】
抗体がキメラ抗体である、請求項46記載の方法。
【請求項48】
抗体がヒト化抗体である、請求項46記載の方法。
【請求項49】
抗体が完全なヒト抗体である、請求項46記載の方法。
【請求項50】
腫瘍細胞が、黒色腫、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、結腸癌、および肺癌からなる群より選択される癌のものである、請求項46記載の方法。
【請求項51】
腫瘍細胞が、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、皮膚または眼内の悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、ファロピウス管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、腟癌、外陰癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性の白血病、幼児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎う癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されるものを含む環境的に誘発される癌、および前記癌の組合せからなるリストより選択される癌のものである、請求項46記載の方法。
【請求項52】
対象において腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効な量の、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項53】
対象において感染症を治療する方法であって、対象の感染症が治療されるように、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項54】
感染症が、以下からなるリストより選択される、請求項53記載の方法:HIV、インフルエンザ(Influenza)、ヘルペス(Herpes)、ジアルジア(Giardia)、マラリア(Malaria)、リーシュマニア(Leishmania);肝炎ウイルス(A、B、およびC)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、およびCMV、エプスタイン・バー(Epstein-Barr)ウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コルノウイルス(cornovirus)、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デング熱ウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、およびアルボウイルス脳炎ウイルスによる病原性感染症;クラミジア(chlamydia)、リケッチア細菌、ミコバクテリア(mycobacteria)、ブドウ球菌(staphylococci)、連鎖球菌(streptococci)、肺炎連鎖球菌(pneumonococci)、髄膜炎菌(meningococci)およびコノコッカス(conococci)、クレブシエラ(klebsiella)、プロテウス(proteus)、セラチア(serratia)、シュードモナス(pseudomonas)、レジオネラ(legionella)、ジフテリア(diphtheria)、サルモネラ(salmonella)、桿菌(bacilli)、コレラ菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、炭疽菌、ペスト菌、レプトスピラ菌、およびライム病菌による病原性感染症;真菌のカンジダ属(Candida)(アルビカンス(albicans)、クルセイ(krusei)、グラブラタ(glabrata)、トロピカリス(tropicalis)など)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス(Aspergillus)属(フミガーツス(fumigatus)、ニガー(niger)など)、ケカビ目(Mucorales)の属(ケカビ属(mucor)、アブシディア属(absidia)、クモノスカビ属(rhizophus))、スポロスリックス・シェンキー(Sporothrix schenkii)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、ブラジル・パラコクシジオイデス(Paracoccidioides brasiliensis)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)およびヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)による病原性感染症;ならびに、寄生虫の赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、大腸バランチジウム(Balantidium coli)、ネグレリア・フォーレリ(Naegleria fowleri)、アカントアメーバ(Acanthamoeba)種、ランブル鞭毛虫(Giardia lambia)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)種、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、ネズミバベシア(Babesia microti)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)、クルーズ・トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)、トキソプラズマ・ゴンジ(Toxoplasma gondii)、ブラジル鉤虫(Nippostrongylus brasiliensis)による病原性感染症。
【請求項55】
対象における抗原に対する免疫応答を増強する方法であって、対象における抗原に対する免疫応答が増強されるように、(i)抗原、および(ii)請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項56】
抗原が、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、または病原体由来の抗原である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
対象において炎症性疾患を治療または予防する方法であって、対象の炎症性疾患が治療されるように、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項58】
炎症性疾患が扁平苔癬(LP)である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
以下の段階を含む、抗PD-L1抗体を調製するための方法:
(a)(i)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、およびSEQ ID NO:30からなる群より選択されるCDR1配列、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、およびSEQ ID NO:40からなる群より選択されるCDR2配列、ならびにSEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50からなる群より選択されるCDR3配列を含む重鎖可変領域抗体配列、または(ii)SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、およびSEQ ID NO:60からなる群より選択されるCDR1配列、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:70からなる群より選択されるCDR2配列、ならびにSEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、およびSEQ ID NO:80からなる群より選択されるCDR3配列を含む軽鎖可変領域抗体配列を提供する段階;
(b)重鎖可変領域抗体配列および軽鎖可変領域抗体配列より選択される少なくとも1つの可変領域抗体配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を変更して、少なくとも1つの改変抗体配列を作製する段階;ならびに
(c)改変抗体配列をタンパク質として発現させる段階。
【請求項60】
腫瘍細胞の増殖を阻害する方法において使用するための、抗PD-L1抗体またはその抗原結合部分。
【請求項61】
腫瘍細胞の増殖を阻害するための医用薬剤を調製するための、抗PD-L1抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項62】
腫瘍細胞の増殖を阻害する方法において使用するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。
【請求項63】
腫瘍細胞の増殖を阻害するための医用薬剤を調製するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項64】
感染症を治療する方法において使用するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。
【請求項65】
感染症を治療するための医用薬剤を調製するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項66】
炎症性疾患を治療する方法において使用するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。
【請求項67】
炎症性疾患を治療するための医用薬剤を調製するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項1】
ヒトPD-L1に特異的に結合し、かつ以下の特性のうち少なくとも1種を示す、単離されたヒトモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)1×10-7Mもしくはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する;
(b)混合リンパ球反応(MLR)アッセイ法においてT細胞増殖を増加させる;
(c)MLRアッセイ法においてインターフェロン-γ産生を増加させる;または
(d)MLRアッセイ法においてインターロイキン-2(IL-2)分泌を増加させる。
【請求項2】
アイソタイプIgG1、IgG2、またはIgG4の完全長抗体である、請求項1記載の抗体。
【請求項3】
抗体断片または単鎖抗体である、請求項1記載の抗体。
【請求項4】
5×10-9Mもしくはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項5】
2×10-9Mもしくはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する、請求項1記載の抗体。
【請求項6】
PD-L1への結合に関して、以下を含む参照抗体と交差競合する、単離されたヒトモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むヒト重鎖可変領域、ならびに
(b)SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、およびSEQ ID NO:20からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むヒト軽鎖可変領域。
【請求項7】
ヒト重鎖可変領域が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含み、かつヒト軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体。
【請求項8】
ヒト重鎖可変領域が、SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含み、かつヒト軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体。
【請求項9】
ヒト重鎖可変領域が、SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含み、かつヒト軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含む、請求項6記載の抗体。
【請求項10】
ヒトVH1-18遺伝子の産物であるか、またはヒトVH1-18遺伝子に由来する重鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項11】
ヒトVH1-69遺伝子の産物であるか、またはヒトVH1-69遺伝子に由来する重鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項12】
ヒトVH1-3遺伝子の産物であるか、またはヒトVH1-3遺伝子に由来する重鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項13】
ヒトVKL6遺伝子の産物であるか、またはヒトVKL6遺伝子に由来する軽鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項14】
ヒトVKL15遺伝子の産物であるか、またはヒトVKL15遺伝子に由来する軽鎖可変領域を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分。
【請求項15】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)ヒトVH1-18遺伝子の重鎖可変領域;および
(b)ヒトVkL6遺伝子の軽鎖可変領域。
【請求項16】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)ヒトVH1-69遺伝子の重鎖可変領域;および
(b)ヒトVkL6遺伝子の軽鎖可変領域。
【請求項17】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)ヒトVH1-3遺伝子の重鎖可変領域;および
(b)ヒトVkL15遺伝子の軽鎖可変領域。
【請求項18】
CDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を含む重鎖可変領域;ならびにCDR1配列、CDR2配列、およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域を含み、
(a)重鎖可変領域のCDR3配列が、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50、ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域のCDR3配列が、SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、およびSEQ ID NO:80、ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み;かつ、
(c)抗体が、ヒトPD-L1に特異的に結合する、
単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項19】
重鎖可変領域のCDR2配列が、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、およびSEQ ID NO:40のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ、軽鎖可変領域のCDR2配列が、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:70のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項18記載の抗体。
【請求項20】
重鎖可変領域のCDR1配列が、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、およびSEQ ID NO:30のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、かつ、軽鎖可変領域のCDR1配列が、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、およびSEQ ID NO:60のアミノ酸配列ならびにそれらの保存的改変体からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項19記載の抗体。
【請求項21】
重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
(a)重鎖可変領域が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10からなる群より選択されるアミノ酸配列に少なくとも80%相同であるアミノ酸配列を含み、
(b)軽鎖可変領域が、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、およびSEQ ID NO:20からなる群より選択されるアミノ酸配列に少なくとも80%相同であるアミノ酸配列を含み;かつ、
抗体が、1×10-7Mまたはそれ以下のKDでヒトPD-L1に結合する、
単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合部分。
【請求項22】
以下より選択される1種または複数種の特性をさらに含む、請求項21記載の抗体:
(a)抗体が、混合リンパ球反応(MLR)アッセイ法においてT細胞増殖を増加させる;
(b)抗体が、MLRアッセイ法においてインターフェロン-γ産生を増加させる;および
(c)抗体が、MLRアッセイ法においてIL-2分泌を増加させる。
【請求項23】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分:
(a)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、およびSEQ ID NO:30からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域のCDR1;
(b)SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、およびSEQ ID NO:40からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域のCDR2;
(c)SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域のCDR3;
(d)SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、およびSEQ ID NO:60からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域のCDR1;
(e)SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:70からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域のCDR2;ならびに、
(f)SEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、およびSEQ ID NO:80からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域のCDR3。
【請求項24】
以下を含む、請求項23記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:21を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)SEQ ID NO:31を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)SEQ ID NO:41を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)SEQ ID NO:51を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)SEQ ID NO:61を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)SEQ ID NO:71を含む軽鎖可変領域CDR3。
【請求項25】
以下を含む、請求項23記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:22を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)SEQ ID NO:32を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)SEQ ID NO:42を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)SEQ ID NO:52を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)SEQ ID NO:62を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)SEQ ID NO:72を含む軽鎖可変領域CDR3。
【請求項26】
以下を含む、請求項23記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:23を含む重鎖可変領域CDR1;
(b)SEQ ID NO:33を含む重鎖可変領域CDR2;
(c)SEQ ID NO:43を含む重鎖可変領域CDR3;
(d)SEQ ID NO:53を含む軽鎖可変領域CDR1;
(e)SEQ ID NO:63を含む軽鎖可変領域CDR2;および
(f)SEQ ID NO:73を含む軽鎖可変領域CDR3。
【請求項27】
以下を含む、PD-L1に特異的に結合する単離されたモノクローナル抗体、またはその抗原結合部分
(a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;ならびに、
(b)SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、およびSEQ ID NO:20からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項28】
以下を含む、請求項27記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および
(b)SEQ ID NO:11のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項29】
以下を含む、請求項27記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および
(b)SEQ ID NO:12のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項30】
以下を含む、請求項27記載の抗体:
(a)SEQ ID NO:3のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および
(b)SEQ ID NO:13のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項32】
治療物質に連結された請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を含む、免疫複合体。
【請求項33】
請求項32記載の免疫複合体および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項34】
治療物質がサイトトキシンである、請求項32記載の免疫複合体。
【請求項35】
請求項34記載の免疫複合体および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項36】
治療物質が放射性同位体である、請求項32記載の免疫複合体。
【請求項37】
請求項34記載の免疫複合体および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項38】
抗体またはその抗原結合部分とは異なる結合特異性を有する第2の機能的部分に連結された、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を含む二重特異性分子。
【請求項39】
請求項38記載の二重特異性分子および薬学的に許容される担体を含む、組成物。
【請求項40】
請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分をコードする、単離された核酸分子。
【請求項41】
請求項40の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項42】
請求項41の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項43】
請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体を発現する、ヒト免疫グロブリンの重鎖導入遺伝子および軽鎖導入遺伝子を含むトランスジェニックマウス。
【請求項44】
抗体を産生する、請求項43記載のマウスから調製されたハイブリドーマ。
【請求項45】
対象における免疫応答を調整する方法であって、対象における免疫応答が調整されるように、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項46】
対象において腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、治療的有効量の抗PD-L1抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項47】
抗体がキメラ抗体である、請求項46記載の方法。
【請求項48】
抗体がヒト化抗体である、請求項46記載の方法。
【請求項49】
抗体が完全なヒト抗体である、請求項46記載の方法。
【請求項50】
腫瘍細胞が、黒色腫、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、結腸癌、および肺癌からなる群より選択される癌のものである、請求項46記載の方法。
【請求項51】
腫瘍細胞が、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頸部の癌、皮膚または眼内の悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、ファロピウス管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、腟癌、外陰癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性または急性の白血病、幼児期の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌、腎う癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫、脳下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストによって誘発されるものを含む環境的に誘発される癌、および前記癌の組合せからなるリストより選択される癌のものである、請求項46記載の方法。
【請求項52】
対象において腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、腫瘍細胞の増殖を阻害するのに有効な量の、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項53】
対象において感染症を治療する方法であって、対象の感染症が治療されるように、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項54】
感染症が、以下からなるリストより選択される、請求項53記載の方法:HIV、インフルエンザ(Influenza)、ヘルペス(Herpes)、ジアルジア(Giardia)、マラリア(Malaria)、リーシュマニア(Leishmania);肝炎ウイルス(A、B、およびC)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6、HSV-II、およびCMV、エプスタイン・バー(Epstein-Barr)ウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、コルノウイルス(cornovirus)、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デング熱ウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス、JCウイルス、およびアルボウイルス脳炎ウイルスによる病原性感染症;クラミジア(chlamydia)、リケッチア細菌、ミコバクテリア(mycobacteria)、ブドウ球菌(staphylococci)、連鎖球菌(streptococci)、肺炎連鎖球菌(pneumonococci)、髄膜炎菌(meningococci)およびコノコッカス(conococci)、クレブシエラ(klebsiella)、プロテウス(proteus)、セラチア(serratia)、シュードモナス(pseudomonas)、レジオネラ(legionella)、ジフテリア(diphtheria)、サルモネラ(salmonella)、桿菌(bacilli)、コレラ菌、破傷風菌、ボツリヌス菌、炭疽菌、ペスト菌、レプトスピラ菌、およびライム病菌による病原性感染症;真菌のカンジダ属(Candida)(アルビカンス(albicans)、クルセイ(krusei)、グラブラタ(glabrata)、トロピカリス(tropicalis)など)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス(Aspergillus)属(フミガーツス(fumigatus)、ニガー(niger)など)、ケカビ目(Mucorales)の属(ケカビ属(mucor)、アブシディア属(absidia)、クモノスカビ属(rhizophus))、スポロスリックス・シェンキー(Sporothrix schenkii)、ブラストミセス・デルマチチジス(Blastomyces dermatitidis)、ブラジル・パラコクシジオイデス(Paracoccidioides brasiliensis)、コクシジオイデス・イミチス(Coccidioides immitis)およびヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)による病原性感染症;ならびに、寄生虫の赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、大腸バランチジウム(Balantidium coli)、ネグレリア・フォーレリ(Naegleria fowleri)、アカントアメーバ(Acanthamoeba)種、ランブル鞭毛虫(Giardia lambia)、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)種、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、ネズミバベシア(Babesia microti)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)、クルーズ・トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovani)、トキソプラズマ・ゴンジ(Toxoplasma gondii)、ブラジル鉤虫(Nippostrongylus brasiliensis)による病原性感染症。
【請求項55】
対象における抗原に対する免疫応答を増強する方法であって、対象における抗原に対する免疫応答が増強されるように、(i)抗原、および(ii)請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項56】
抗原が、腫瘍抗原、ウイルス抗原、細菌抗原、または病原体由来の抗原である、請求項55記載の方法。
【請求項57】
対象において炎症性疾患を治療または予防する方法であって、対象の炎症性疾患が治療されるように、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分を対象に投与する段階を含む方法。
【請求項58】
炎症性疾患が扁平苔癬(LP)である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
以下の段階を含む、抗PD-L1抗体を調製するための方法:
(a)(i)SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、およびSEQ ID NO:30からなる群より選択されるCDR1配列、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、およびSEQ ID NO:40からなる群より選択されるCDR2配列、ならびにSEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:49、およびSEQ ID NO:50からなる群より選択されるCDR3配列を含む重鎖可変領域抗体配列、または(ii)SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:59、およびSEQ ID NO:60からなる群より選択されるCDR1配列、SEQ ID NO:61、SEQ ID NO:62、SEQ ID NO:63、SEQ ID NO:64、SEQ ID NO:65、SEQ ID NO:66、SEQ ID NO:67、SEQ ID NO:68、SEQ ID NO:69、およびSEQ ID NO:70からなる群より選択されるCDR2配列、ならびにSEQ ID NO:71、SEQ ID NO:72、SEQ ID NO:73、SEQ ID NO:74、SEQ ID NO:75、SEQ ID NO:76、SEQ ID NO:77、SEQ ID NO:78、SEQ ID NO:79、およびSEQ ID NO:80からなる群より選択されるCDR3配列を含む軽鎖可変領域抗体配列を提供する段階;
(b)重鎖可変領域抗体配列および軽鎖可変領域抗体配列より選択される少なくとも1つの可変領域抗体配列内の少なくとも1つのアミノ酸残基を変更して、少なくとも1つの改変抗体配列を作製する段階;ならびに
(c)改変抗体配列をタンパク質として発現させる段階。
【請求項60】
腫瘍細胞の増殖を阻害する方法において使用するための、抗PD-L1抗体またはその抗原結合部分。
【請求項61】
腫瘍細胞の増殖を阻害するための医用薬剤を調製するための、抗PD-L1抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項62】
腫瘍細胞の増殖を阻害する方法において使用するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。
【請求項63】
腫瘍細胞の増殖を阻害するための医用薬剤を調製するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項64】
感染症を治療する方法において使用するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。
【請求項65】
感染症を治療するための医用薬剤を調製するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分の使用。
【請求項66】
炎症性疾患を治療する方法において使用するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分。
【請求項67】
炎症性疾患を治療するための医用薬剤を調製するための、請求項1〜30のいずれか一項記載の抗体またはその抗原結合部分の使用。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図39D】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39A】
【図39B】
【図39C】
【図39D】
【図40】
【図41A】
【図41B】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公表番号】特表2008−544755(P2008−544755A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519704(P2008−519704)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/026046
【国際公開番号】WO2007/005874
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(506199879)メダレックス インコーポレーティッド (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/026046
【国際公開番号】WO2007/005874
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(506199879)メダレックス インコーポレーティッド (30)
【Fターム(参考)】
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