説明

プロジェクタ、リモコン装置、プロジェクタシステム、プロジェクタの制御方法及びリモコン装置の制御方法

【課題】ユーザが投射領域に進入している状態で画像が投射された場合、ユーザの侵入を検知して対応するまでにタイムラグが発生してしまい、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう可能性があり、安全上の問題がある。
【解決手段】リモコン50において、ユーザから、プロジェクタ10の投射を指示する操作を受け付けたときに、プロジェクタ10に投射指示信号を送信する。そして、プロジェクタ10において、リモコン50からの投射指示信号を受信し、リモコン50の位置情報を取得する。その位置情報に基づいて、リモコン50がプロジェクタ10の光路領域内にある場合は、プロジェクタ10から光を投射することが不可能であると判定し、プロジェクタ10から光を投射する制御を行わない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ、リモコン装置、プロジェクタシステム、プロジェクタの制御方法及びリモコン装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
投射型のプロジェクタにおいては、プロジェクタに備えた光源装置の光を画像信号に応じてスクリーン上に投射する。そして、観察者となるユーザは、スクリーン上に投射された光による画像を見る。このとき、プロジェクタから高輝度の光が投射されることで、ユーザがその光を直接目に受けた場合の安全上の問題が指摘されている。この安全上の問題に対処するために、プロジェクタから投射される光をユーザが直接目に受けないようにする技術が提案されている。例えば、下記の特許文献1に記載されているプロジェクタでは、画像の投射中に、その投射領域にユーザが侵入した場合、ユーザを検知して直ちに投射を遮断するようにしている。また、下記の特許文献2に記載されているプロジェクタでは、画像の投射中に、スクリーン上に投射された画像を撮像し、入力画像信号と撮像した画像とを比較する。この比較の結果、ユーザが侵入したと判定された場合は、投射光を減少させることで眩しさを低減させている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−249399号公報
【特許文献2】特開2004−254145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1及び2に提案される従来の技術では、ユーザが画像の投射中に投射領域に進入した場合については対処できるものの、ユーザが画像の投射前から投射領域に進入している場合については対処できていない。従来の技術では、ユーザが投射領域に進入している状態で画像が投射された場合、ユーザの侵入を検知して対応するまでにタイムラグが発生してしまう。このため、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう可能性があり、安全上の問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、上記した問題に鑑み、ユーザが投射領域に進入している状態で画像が投射されたときに生じる安全上の問題に対処できるプロジェクタ、リモコン装置、プロジェクタシステム、プロジェクタの制御方法及びリモコン装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプロジェクタは、画像信号に応じた光を投射するプロジェクタであって、前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置からの信号を受信する通信部と、前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、前記投射判定部の判定に基づいて光の投射を制御する投射制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るプロジェクタによれば、通信部は、リモコン装置からの信号を受信し、位置情報取得部は、受信した信号に基づいてリモコン装置とプロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する。投射判定部は、この位置情報に基づいてプロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定し、投射制御部は、この判定に基づいて光の投射を制御する。
上記した位置情報により、リモコン装置がプロジェクタに対していずれの位置にあるのかを把握することができる。更に、リモコン装置を操作してプロジェクタの投射開始を指示するユーザの位置が、プロジェクタから光を投射したときに安全な位置にあるのか否かを把握することができる。その結果、安全でない位置にユーザがいる場合は、プロジェクタから光の投射を行わないように制御することができる。これにより、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう安全上の問題に対処することができる。
【0008】
上記した本発明に係るプロジェクタでは、前記リモコン装置からの信号は、前記プロジェクタに光の投射を指示する信号であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプロジェクタによれば、リモコン装置からの信号は、プロジェクタに光の投射を指示する信号であることから、ユーザがリモコン装置を操作してプロジェクタの投射開始を指示したときに、ユーザが危険性のある投射光を目に受けてしまう問題に対処することができる。
【0010】
上記した本発明に係るプロジェクタでは、前記プロジェクタは、前記リモコン装置からの信号のみをトリガにして前記画像信号に応じた光を投射することを特徴とする。
【0011】
本発明に係るプロジェクタによれば、リモコン装置からの信号のみをトリガにして光を投射することから、リモコン装置を操作するユーザが安全でない位置にいる場合に、誤ってプロジェクタ等が操作されることによって投射光を直接目に受けてしまうことがなくなる。これにより、ユーザが危険性のある投射光を目に受けてしまう問題に更に確実に対処できる。
【0012】
上記した本発明に係るプロジェクタでは、前記プロジェクタが待機状態のとき、前記リモコン装置から光の投射を指示する信号を受信して、前記投射判定部によって光を投射することが可能であると判定されたときに、投射を開始することを特徴とする。
【0013】
本発明に係るプロジェクタによれば、プロジェクタが待機状態のとき、光を投射することが可能であると判定されたときに投射を開始する。これにより、ユーザがリモコン装置を操作して、待機状態にあるプロジェクタを作動して投射させようとしたときに、ユーザが危険性のある投射光を目に受けてしまう問題に対処することができる。
【0014】
上記した本発明に係るプロジェクタでは、前記通信部は、前記リモコン装置からの信号を検出する少なくとも2つの検出部を備え、前記検出部のそれぞれは異なった位置に配設され、前記位置情報取得部は、前記検出部のそれぞれが検出した前記信号に基づいて前記位置情報を取得することを特徴とする。
【0015】
本発明に係るプロジェクタによれば、通信部に備えた少なくとも2つの検出部によって位置情報を取得することから、プロジェクタに大掛かりな装置構成を必要としないで、簡易で且つ小型化が可能な装置構成で実現できる。
【0016】
上記した本発明に係るプロジェクタでは、前記投射判定部は、前記リモコン装置が前記プロジェクタから投射される光の光路内にある場合に前記プロジェクタが光を投射することが不可能であると判定することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るプロジェクタによれば、リモコン装置がプロジェクタから投射される光の光路内にある場合に、プロジェクタから光を投射することが不可能であると判定する。このため、ユーザが光路内でリモコンを操作して投射開始を指示しても受け付けられない。これにより、ユーザが光路内で危険性のある投射光を目に受けてしまう問題に対処することができる。
【0018】
上記した本発明に係るプロジェクタでは、前記投射判定部は、前記リモコン装置が前記プロジェクタから所定の距離範囲内にある場合に前記プロジェクタが光を投射することが不可能であると判定することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るプロジェクタによれば、リモコン装置がプロジェクタから所定の距離範囲内にある場合に、プロジェクタから光を投射することが不可能であると判定する。このため、ユーザが危険性のある距離範囲内でリモコンを操作して投射開始を指示しても受け付けられない。これにより、ユーザが危険性のある距離範囲内で投射光を目に受けてしまう問題に対処することができる。
【0020】
本発明に係るリモコン装置は、画像信号に応じた光を投射するプロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置であって、前記プロジェクタと信号を送受信する通信部と、前記プロジェクタから受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、を有し、前記通信部は、前記投射判定部において前記プロジェクタが光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号を前記プロジェクタに送信することを特徴とする。
【0021】
本発明に係るリモコン装置によれば、通信部は、プロジェクタと信号を送受信し、位置情報取得部は、受信した信号に基づいてリモコン装置とプロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する。投射判定部は、この位置情報に基づいてプロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定し、通信部は、光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号をプロジェクタに送信する。
上記した位置情報により、リモコン装置がプロジェクタに対していずれの位置にあるのかを把握することができる。更に、リモコンを操作してプロジェクタの投射開始を指示するユーザの位置が、プロジェクタから光を投射したときに安全な位置にあるのか否かを把握することができる。その結果、安全でない位置にユーザがいる場合は、光の投射を指示する信号をプロジェクタに送信しない。これにより、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう安全上の問題に対処することができる。
【0022】
本発明に係るプロジェクタシステムは、画像信号に応じた光を投射するプロジェクタと、前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置とを含んで構成されたプロジェクタシステムであって、前記リモコン装置は、前記プロジェクタに信号を送信する通信部を有し、前記プロジェクタは、前記リモコン装置の通信部からの信号を受信する通信部と、前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、前記投射判定部の判定に基づいて光の投射を制御する投射制御部と、を有することを特徴とする。
【0023】
本発明に係るプロジェクタシステムによれば、プロジェクタの通信部は、リモコン装置の通信部からの信号を受信し、プロジェクタの位置情報取得部は、受信した信号に基づいてリモコン装置とプロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する。プロジェクタの投射判定部は、この位置情報に基づいてプロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定し、プロジェクタの投射制御部は、この判定に基づいて光の投射を制御する。
上記した位置情報により、リモコン装置がプロジェクタに対していずれの位置にあるのかを把握することができる。更に、リモコン装置を操作してプロジェクタの投射開始を指示するユーザの位置が、プロジェクタから光を投射したときに安全な位置にあるのか否かを把握することができる。その結果、安全でない位置にユーザがいる場合は、プロジェクタから光の投射を行わないように制御することができる。これにより、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう安全上の問題に対処することができる。
【0024】
本発明に係るプロジェクタシステムは、画像信号に応じた光を投射するプロジェクタと、前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置とを含んで構成されたプロジェクタシステムであって、前記プロジェクタは、前記リモコン装置と信号を送受信する通信部と、光の投射を制御する投射制御部と、を有し、前記リモコン装置は、前記プロジェクタと信号を送受信する通信部と、前記プロジェクタの通信部から受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、を有し、前記リモコン装置の通信部は、前記投射判定部において前記プロジェクタが光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号を前記プロジェクタに送信し、前記プロジェクタの投射制御部は、前記リモコン装置の通信部から受信した前記光の投射を指示する信号に基づいて光の投射を制御することを特徴とする。
【0025】
本発明に係るプロジェクタシステムによれば、リモコン装置の通信部は、プロジェクタの通信部と信号を送受信し、リモコン装置の位置情報取得部は、受信した信号に基づいてリモコン装置とプロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する。リモコン装置の投射判定部は、この位置情報に基づいてプロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定し、リモコン装置の通信部は、光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号をプロジェクタの通信部に送信する。
上記した位置情報により、リモコン装置がプロジェクタに対していずれの位置にあるのかを把握することができる。更に、リモコン装置を操作してプロジェクタの投射開始を指示するユーザの位置が、プロジェクタから光を投射したときに安全な位置にあるのか否かを把握することができる。その結果、安全でない位置にユーザがいる場合は、光の投射を指示する信号をプロジェクタに送信しない。これにより、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう安全上の問題に対処することができる。
【0026】
本発明に係るプロジェクタの制御方法は、画像信号に応じた光を投射するプロジェクタにおける制御方法であって、前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置から送信された信号を受信する受信工程と、前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得工程と、前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定工程と、前記投射判定工程における判定に基づいて光の投射を制御する投射制御工程と、を有することを特徴とする。
【0027】
本発明に係るプロジェクタの制御方法によれば、受信工程において、リモコン装置から送信された信号を受信し、位置情報取得工程において、受信した信号に基づいてリモコン装置とプロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する。そして、投射判定工程において、この位置情報に基づいてプロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定し、投射制御工程において、この判定に基づいて光の投射を制御する。
上記した位置情報により、リモコン装置がプロジェクタに対していずれの位置にあるのかを把握することができる。更に、リモコン装置を操作してプロジェクタの投射開始を指示するユーザの位置が、プロジェクタから光を投射したときに安全な位置にあるのか否かを把握することができる。その結果、安全でない位置にユーザがいる場合は、プロジェクタから光の投射を行わないように制御することができる。これにより、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう安全上の問題に対処することができる。
【0028】
本発明に係るリモコン装置の制御方法は、画像信号に応じた光を投射するプロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置における制御方法であって、前記リモコン装置において、前記プロジェクタからの信号を受信する受信工程と、前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得工程と、前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定工程と、前記投射判定工程において前記プロジェクタが光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号を前記プロジェクタに送信する送信工程と、を有することを特徴とする。
【0029】
本発明に係るリモコン装置の制御方法によれば、受信工程において、プロジェクタから送信された信号を受信し、位置情報取得工程において、受信した信号に基づいてリモコン装置とプロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する。そして、投射判定工程において、この位置情報に基づいてプロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定し、光を投射することが可能であると判定されたときに、送信工程において、光の投射を指示する信号をプロジェクタに送信する。
上記した位置情報により、リモコン装置がプロジェクタに対していずれの位置にあるのかを把握することができる。更に、リモコン装置を操作してプロジェクタの投射開始を指示するユーザの位置が、プロジェクタから光を投射したときに安全な位置にあるのか否かを把握することができる。その結果、安全でない位置にユーザがいる場合は、光の投射を指示する信号をプロジェクタに送信しない。これにより、ユーザが危険性のある投射光を直接目に受けてしまう安全上の問題に対処することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタシステムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
<プロジェクタシステムの概略構成>
最初に、本発明に係るプロジェクタシステムの概略構成について説明する。
図1は、本発明に係るプロジェクタシステムの概略構成を示す図である。同図に示すように、プロジェクタシステム1は、プロジェクタ10と、リモコン装置としてのリモコン50とを含んで構成されている。プロジェクタ10は、画像信号に応じた光をスクリーン80に投射するフロント投写型のプロジェクタである。リモコン50は、プロジェクタ10を遠隔操作するための装置であり、ここではユーザ60により操作される。図1に示す2点鎖線は、プロジェクタ10から投射される光の範囲を示す。
【0032】
<プロジェクタ及びリモコンの機能構成>
次に、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ10の機能構成について説明する。
図2は、第1実施形態に係るプロジェクタの機能構成を示す図である。同図に示すように、プロジェクタ10は、通信部11、位置情報取得部12、投射判定部13及び投射制御部14を含んで構成される。
【0033】
通信部11は、例えば赤外線による信号を送受信することで、リモコン50との間で通信を行う。通信部11は、2つの検出部16,17を備えている。検出部16,17は、リモコン50から送信された信号を受光するセンサである。また、検出部16,17は、相互に間隔をあけて異なった位置に配設されている。
【0034】
位置情報取得部12は、プロジェクタ10に対してのリモコン50の相対的な位置を示す位置情報を取得する。このリモコン50の位置情報は、検出部16,17において受光した信号の受光角度及び検出部16,17間の距離を用いて演算(複数センサのそれぞれにおける受光角度と複数センサ間の距離とを計測して演算する公知技術を利用)することにより求める。この位置情報は、プロジェクタ10とリモコン50間の距離、及びプロジェクタ10に対してのリモコン50の位置角度の情報を含む。なお、位置情報の演算には、信号の受光角度及び検出部16,17間の距離の他に、検出部16,17間における受信の時間差を用いることができる。
【0035】
投射判定部13は、位置情報取得部12によって取得したリモコン50の位置情報に基づいて、プロジェクタ10を起動して光を投射することが可能か否かを判定する。ここでの判定は、プロジェクタ10から光を投射した場合に、リモコン50の位置がその光路内にあるか否かによって判定する。図5は、投射判定領域として光路を用いた例を示す図である。リモコン50の位置が、同図に斜線で示す光路領域R1内にある場合は、プロジェクタ10からの光を投射不可能と判定する。他方、リモコン50の位置が、光路領域R1外にある場合は、プロジェクタ10からの光を投射可能と判定する。
【0036】
投射制御部14は、投射判定部13の判定結果に基づいて、プロジェクタ10を起動し、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光を投射する制御を行う。光源15は、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ及びハロゲンランプ等の高輝度が得られる放電式ランプ、又はレーザ光を投射するレーザ光源等である。投射判定部13において、プロジェクタ10からの光を投射可能と判定された場合は、光源15を点灯させて光を投射する制御を行う。他方、プロジェクタ10からの光を投射不可能と判定された場合は、光源15を点灯させる制御を行わない。
【0037】
ここで、プロジェクタ10において、起動操作待ちの待機状態の場合は、電力消費を低減するため光源15等への電力供給を停止している。つまり、光源15を点灯させないで、プロジェクタ10からスクリーン80へ光を投射しない状態にしている。また、この状態において、上記した通信部11、位置情報取得部12、投射判定部13、投射制御部14及び図示しないCPU等へは電力が供給されている。即ち、プロジェクタ10は、リモコン50から信号を受信することによって起動操作を受け付け、光源15を点灯させて光を投射することが可能な状態にある。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態に係るリモコン50の機能構成について説明する。
図3は、第1実施形態に係るリモコンの機能構成を示す図である。同図に示すように、リモコン50は、操作部51と通信部52とを含んで構成される。
【0039】
操作部51は、プロジェクタ10を遠隔操作するための複数の操作用ボタン及びスイッチ等を備えている。
【0040】
通信部52は、例えば赤外線による信号を送受信することで、プロジェクタ10との間で通信を行う。通信部52は、ユーザ60が操作用ボタン及びスイッチ等を操作したときに、これらの操作用ボタン及びスイッチ等に対応した信号をプロジェクタ10へ送信する。これにより、ユーザ60は、操作用ボタン及びスイッチ等を操作することで、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光の投射を指示する信号(以下、投射指示信号と称す)を、通信部52を介してプロジェクタ10へ送信することができる。
【0041】
<プロジェクタ及びリモコンの動作>
次に、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ10とリモコン50との動作について説明する。
図4は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタとリモコンとの動作を示すフローチャートである。同図においてプロジェクタ10側のスタート時、プロジェクタ10は起動操作待ちの待機状態にある。即ち、プロジェクタ10に備えた光源15への電力供給が停止しており、プロジェクタ10から光を投射しない状態にある。
【0042】
最初に、図4に示すリモコン50側において、ステップS110では、リモコン50の操作部51は、ユーザ60から、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光の投射を指示する操作を受け付ける。このとき、操作部51は、投射を指示する操作を受け付けるまで待機した状態にある。投射を指示する操作を受け付けた場合は、次のステップS120へ進む。
【0043】
ステップS120では、リモコン50の通信部52は、プロジェクタ10へ例えば赤外線による投射指示信号を送信する。
【0044】
次に、プロジェクタ10側において、ステップS130では、プロジェクタ10の通信部11は、リモコン50から送信される投射指示信号を受信する。このとき、プロジェクタ10は、リモコン50からの投射指示信号を受信するまで待機した状態にある。
【0045】
ステップS140では、プロジェクタ10の位置情報取得部12は、ステップS130において受信した投射指示信号に基づいて演算することにより、プロジェクタ10に対してのリモコン50の相対位置となる位置情報を取得する。
【0046】
ステップS150では、プロジェクタ10の投射判定部13は、ステップS140において取得したリモコン50の位置情報に基づいて、プロジェクタ10を起動して光を投射することが可能か否かを判定する。ここでは、前述したように、リモコン50の位置が、プロジェクタ10から光を投射した場合に光路領域R1内にあるか否により判定する。
リモコン50が光路領域R1内にあって投射不可能な場合は、ステップS130に戻り、リモコン50からの投射指示信号を再度受信するまで待機する。他方、リモコン50が光路領域R1外にあって投射可能な場合は、次のステップS160へ進む。
【0047】
ステップS160では、プロジェクタ10の投射制御部14は、プロジェクタ10を起動し、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光を投射する制御を行う。これにより、プロジェクタ10からスクリーン80へ光が投射される。
【0048】
<効果>
上述したように、本実施形態に係るプロジェクタシステムでは、リモコン50において、ユーザ60から、プロジェクタ10の投射を指示する操作を受け付けたときに、プロジェクタ10に投射指示信号を送信する。そして、プロジェクタ10において、リモコン50からの投射指示信号を受信し、リモコン50の位置情報を取得する。その位置情報に基づいて、リモコン50がプロジェクタ10の光路領域R1内にある場合は、プロジェクタ10から投射することが不可能であると判定し、プロジェクタ10から光を投射する制御を行わない。
即ち、リモコン50を操作するユーザ60がプロジェクタ10の光路領域R1内に進入している場合は、投射を指示する操作に応じない。これにより、ユーザ60がリモコン50を操作したために、危険性のある投射光を直接目に受けてしまうのを防止することができる。
【0049】
また、プロジェクタ10に対してのリモコン50の位置情報は、プロジェクタ10に備えた2つの検出部16,17を用いて取得する。ここでは、検出部16,17における受光角度及び検出部16,17間の距離を用いて演算して求める。このため、リモコン50の位置取得のために大掛かりな装置構成を必要としないで、簡易で且つ小型化が可能な装置構成で実現できる。更に、リモコン50からの投射指示信号を受信して、その位置情報を取得することから、リモコン50に特別な装置構成を設けることなく従来のリモコンを適用することができる。
【0050】
また、プロジェクタ10の待機状態において、プロジェクタ10から投射される光をユーザ60が危険性のある投射光を直接目に受けてしまうのを防止する処理を行う。更に、この待機状態では、プロジェクタ10の電力消費が低減された状態であることから、前記した防止処理のための電力消費を抑えることができる。
【0051】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタシステムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0052】
本発明の第2実施形態に係るプロジェクタシステムの概略構成は、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタシステム1と同様である。第2実施形態に係るプロジェクタシステムでは、プロジェクタ及びリモコンの機能構成ならびに動作が、第1実施形態の場合と異なる。
【0053】
<プロジェクタ及びリモコンの機能構成>
第2実施形態に係るプロジェクタ10の機能構成について説明する。
図7は、第2実施形態に係るプロジェクタの機能構成を示す図である。同図に示すように、プロジェクタ10は、通信部11及び投射制御部14を含んで構成される。
【0054】
通信部11は、例えば赤外線による信号を送受信することで、リモコン50との間で通信を行う。ここで、プロジェクタ10が起動操作待ちの待機状態にあるとき、通信部11は、リモコン50が受信するための信号となるリモコン受付信号を常時送信している。
【0055】
投射制御部14は、通信部11がリモコン50から投射指示信号を受信したときに、プロジェクタ10を起動し、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光を投射する制御を行う。
【0056】
次に、本発明の第2実施形態に係るリモコン50の機能構成について説明する。
図8は、第2実施形態に係るリモコンの機能構成を示す図である。同図に示すように、リモコン50は、操作部51、通信部52、位置情報取得部53及び投射判定部54を含んで構成される。
【0057】
操作部51は、第1実施形態の場合と同様に、プロジェクタ10を遠隔操作するための複数の操作用ボタン及びスイッチ等を備えている。
【0058】
通信部52は、第1実施形態の場合と同様に、例えば赤外線による信号を送受信することで、プロジェクタ10との間で通信を行う。通信部52は、ユーザ60が操作用ボタン及びスイッチ等を操作したときに、これらの操作用ボタン及びスイッチ等に対応した信号をプロジェクタ10へ送信する。これにより、ユーザ60は、操作用ボタン及びスイッチ等を操作することで、投射指示信号を通信部52を介してプロジェクタ10へ送信することができる。
また、通信部52は、第1実施形態におけるプロジェクタ10の2つの検出部16,17と同様な機能を有する2つの検出部55,56を備えている。検出部55,56は、プロジェクタ10から送信された信号を受光するセンサである。また、検出部55,56は、相互に間隔をあけて異なった位置に配設されている。
【0059】
位置情報取得部53は、第1実施形態におけるプロジェクタ10の位置情報取得部12と同様に、プロジェクタ10に対してのリモコン50の位置情報を取得する。このリモコン50の位置情報は、検出部55,56において受光した信号の受光角度及び検出部55,56間の距離を用いて演算することにより求める。この位置情報は、プロジェクタ10とリモコン50間の距離、及びプロジェクタ10に対してのリモコン50の位置角度の情報を含む。なお、位置情報の演算には、信号の受光角度及び検出部55,56間の距離の他に、検出部55,56間における受信の時間差を用いることができる。
【0060】
投射判定部54は、第1実施形態におけるプロジェクタ10の投射判定部13と同様に、位置情報取得部53によって取得したリモコン50の位置情報に基づいて、プロジェクタ10を起動して光を投射することが可能か否かを判定する。ここでの判定は、第1実施形態の場合と同様に、プロジェクタ10から光を投射した場合に、リモコン50の位置がその光路内にあるか否かによって判定する。
投射判定部54において、プロジェクタ10からの光を投射可能と判定された場合は、通信部52からプロジェクタ10へ投射指示信号を送信する。他方、プロジェクタ10からの光を投射不可能と判定された場合は、投射指示信号を送信する処理を行わない。
【0061】
<プロジェクタとリモコンとの動作>
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ10とリモコン50との動作について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタとリモコンとの動作を示すフローチャートである。同図においてプロジェクタ10側のスタート時、プロジェクタ10は起動操作待ちの待機状態にある。即ち、プロジェクタ10に備えた光源15への電力供給が停止しており、プロジェクタ10から光を投射しない状態にある。
【0062】
最初に、図9に示すプロジェクタ10側において、ステップS210では、プロジェクタ10の通信部11は、待機状態の間、リモコン50が受信するためのリモコン受付信号を常時送信している。
【0063】
次に、リモコン50側において、ステップS220では、リモコン50の操作部51は、ユーザ60から、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光の投射を指示する操作を受け付ける。このとき、操作部51は、投射を指示する操作を受け付けるまで待機した状態にある。投射を指示する操作を受け付けた場合は、次のステップS230へ進む。
【0064】
ステップS230では、リモコン50の通信部52は、プロジェクタ10から送信されたリモコン受付信号を受信する。
【0065】
ステップS240では、リモコン50の位置情報取得部53は、ステップS230において受信したリモコン受付信号に基づいて演算することにより、プロジェクタ10に対してのリモコン50の相対位置となる位置情報を取得する。
【0066】
ステップS250では、リモコン50の投射判定部54は、ステップS240において取得したリモコン50の位置情報に基づいて、プロジェクタ10を起動して光を投射することが可能か否かを判定する。ここでは、前述したように、リモコン50の位置が、プロジェクタ10から光を投射した場合に光路領域R1内にあるか否により判定する。
リモコン50が光路領域R1内にあって投射不可能な場合は、ステップS220に戻り、プロジェクタ10の投射を指示する操作を再度受け付けるまで待機する。他方、リモコン50が光路領域R1外にあって投射可能な場合は、次のステップS260へ進む。
【0067】
ステップS260では、リモコン50の通信部52は、プロジェクタ10へ例えば赤外線による投射指示信号を送信する。
【0068】
次に、プロジェクタ10側において、ステップS270では、プロジェクタ10の通信部11は、リモコン50から送信された投射指示信号を受信する。このとき、プロジェクタ10は、リモコン50が受信するためのリモコン受付信号を常時送信しながら、リモコン50から投射指示信号を受信するまで待機した状態にある。
【0069】
ステップS280では、プロジェクタ10の投射制御部14は、プロジェクタ10を起動し、プロジェクタ10に備えた光源15を点灯させて光を投射する制御を行う。これにより、プロジェクタ10からスクリーン80へ光が投射される。
【0070】
なお、本実施形態では、プロジェクタ10は、待機状態の間、リモコン50が受信するためのリモコン受付信号を常時送信するようにした。しかし、これに限られず、プロジェクタ10からリモコン受付信号を常時送信するのではなく、最初にリモコン50からプロジェクタ10へ信号を送信し、この信号に応じる信号をプロジェクタ10からリモコン50へ返信する仕様としても良い。
【0071】
上述したように、本実施形態に係るプロジェクタシステムでは、リモコン50において、ユーザ60から、プロジェクタ10の投射を指示する操作を受け付けたときに、プロジェクタ10からのリモコン受付信号に基づいてリモコン50の位置情報を取得する。その位置情報に基づいて、リモコン50がプロジェクタ10の光路領域R1内にある場合は、プロジェクタ10から投射することが不可能であると判定し、投射指示信号をプロジェクタ10へ送信しない。
即ち、リモコン50を操作するユーザ60がプロジェクタ10の光路領域R1内に進入している場合は、投射を指示する操作に応じない。これにより、ユーザ60がリモコン50を操作したために、危険性のある投射光を直接目に受けてしまうのを防止することができる。
【0072】
また、プロジェクタ10に対してのリモコン50の位置情報は、リモコン50に備えた2つの検出部55,56を用いて取得する。ここでは、検出部55,56における受光角度及び検出部55,56間の距離を用いて演算して求める。このため、簡易で且つ小型化が可能な装置構成で実現できることから、リモコン50にこれらの装置を搭載することができる。また、プロジェクタ10は、通信部11及び投射制御部14を含んで構成することにより対応できることから、簡易な対応により従来のプロジェクタに適用することができる。
【0073】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタシステムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0074】
本発明の第3実施形態に係るプロジェクタシステムの概略構成は、図1に示す第1実施形態に係るプロジェクタシステム1と同様である。第3実施形態に係るプロジェクタ及びリモコンの機能構成ならびに動作は、第1及び第2実施形態における機能構成ならびに動作のいずれにも適用できる。
【0075】
第3実施形態では、第1及び第2実施形態における投射判定部13及び54の処理が異なる。投射判定部13及び54においては、図5に示すように、リモコン50の位置が、プロジェクタ10から光を投射した場合に光路領域R1内にあるか否かにより判定した。第3実施形態では、リモコン50の位置が、プロジェクタ10から所定の距離範囲内にあるか否かにより判定する。図6は、投射判定領域として距離範囲を用いた例を示す図である。リモコン50の位置が、同図に斜線で示す円形状の距離範囲領域R2内にある場合は、プロジェクタ10からの光を投射不可能と判定する。他方、リモコン50の位置が、距離範囲領域R2外にある場合は、プロジェクタ10からの光を投射可能と判定する。
【0076】
ここで、所定の距離範囲領域R2は、ユーザ60が投射された光を直接目に受けて問題が生じない距離範囲を計測することによって適宜規定すれば良い。また、本実施形態では、プロジェクタ10からの距離範囲領域R2を円形状の領域としたが、これに限られず、スクリーン80側のみの半円形状の領域としても良いし、更に狭い領域としても良い。また、リモコン50の位置情報には、プロジェクタ10とリモコン50間の距離情報のみが必要なことから、リモコン50の位置情報を例えば信号の受信強度等を判定する簡易な機構等によって求めても良い。
【0077】
上述したように、本実施形態に係るプロジェクタシステムでは、プロジェクタ10からの光を投射可能か否かの判定を、リモコン50の位置が、プロジェクタ10から所定の距離範囲内にあるか否かにより判定する。このため、高輝度の光となるプロジェクタ10に近い距離範囲のみを投射判定領域とすることができ、プロジェクタ10から遠い位置にある例えばスクリーン80近辺の領域を投射判定領域から外すことができる。
これにより、ユーザ60が光路領域内に進入していても、実際には危険性のない位置である場合、ユーザ60は、リモコン50を操作してプロジェクタ10から光を投射することができる。また、リモコン50が所定の距離範囲内にあるか否かにより判定することから、リモコン50の位置情報を取得して投射可能か否かを判定する機構が、更に簡易な装置構成で且つコストを抑えて実現できる。
【0078】
(変形例1)
上記した実施形態では、リモコン50を操作するユーザ60がプロジェクタ10の光路領域R1内や距離範囲領域R2内に進入している場合は、投射を指示する操作に応じないようにしている。このとき、リモコン50による操作ではなく、例えば、プロジェクタ10を操作することにより、プロジェクタ10から光が投射されてしまう問題が考えられる。
このような問題に対処するために、プロジェクタ10からの光の投射は、リモコン50からの投射指示信号のみがトリガになるようにプロジェクタ10において制御しても良い。これにより、誤ってプロジェクタ10等が操作されることにより、ユーザ60が危険性のある投射光を直接目に受けてしまうのを更に確実に防止することができる。
【0079】
(変形例2)
上記した実施形態では、通信部に2つの検出部を備えて、各検出部が受光した信号の受光角度及び検出部間の距離を用いて演算し、プロジェクタ10に対してのリモコン50の位置情報を求めている。しかし、通信部に備える検出部は2つに限られず、3つ以上でも良い。この場合、3つ以上の各検出部において受光した信号の受光角度及び各検出部間の距離を用いて演算し、リモコン50の位置情報を求める。
また、リモコン50の位置情報を求める方法は、これらの複数の検出部を用いる方法に限られない。例えば、GPS衛星からの電波を受信して利用するGPS機構をプロジェクタ10及びリモコン50のそれぞれに備えて、これらのGPS機構を用いることにより、リモコン50の位置情報を求めても良いし、電波到達時間差方式や電波受信強度方式等の別の方法によって求めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明に係るプロジェクタシステムの概略構成を示す図。
【図2】第1実施形態に係るプロジェクタの機能構成を示す図。
【図3】第1実施形態に係るリモコンの機能構成を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタとリモコンとの動作を示すフローチャート。
【図5】投射判定領域として光路を用いた例を示す図。
【図6】投射判定領域として距離範囲を用いた例を示す図。
【図7】第2実施形態に係るプロジェクタの機能構成を示す図。
【図8】第2実施形態に係るリモコンの機能構成を示す図。
【図9】本発明の第2実施形態に係るプロジェクタとリモコンとの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0081】
10…プロジェクタ、11…通信部、12,53…位置情報取得部、13,54…投射判定部、14…投射制御部、15…光源、16,17,55,56…検出部、50…リモコン、51…操作部、52…通信部、60…ユーザ、80…スクリーン、R1…光路領域、R2…距離範囲領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号に応じた光を投射するプロジェクタであって、
前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置からの信号を受信する通信部と、
前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、
前記投射判定部の判定に基づいて光の投射を制御する投射制御部と、を有することを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記リモコン装置からの信号は、前記プロジェクタに光の投射を指示する信号であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記プロジェクタは、前記リモコン装置からの信号のみをトリガにして前記画像信号に応じた光を投射することを特徴とする請求項1又は2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記プロジェクタが待機状態のとき、前記リモコン装置から光の投射を指示する信号を受信して、前記投射判定部によって光を投射することが可能であると判定されたときに、投射を開始することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記通信部は、前記リモコン装置からの信号を検出する少なくとも2つの検出部を備え、
前記検出部のそれぞれは異なった位置に配設され、
前記位置情報取得部は、前記検出部のそれぞれが検出した前記信号に基づいて前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記投射判定部は、前記リモコン装置が前記プロジェクタから投射される光の光路内にある場合に前記プロジェクタが光を投射することが不可能であると判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記投射判定部は、前記リモコン装置が前記プロジェクタから所定の距離範囲内にある場合に前記プロジェクタが光を投射することが不可能であると判定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
画像信号に応じた光を投射するプロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置であって、
前記プロジェクタと信号を送受信する通信部と、
前記プロジェクタから受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、を有し、
前記通信部は、前記投射判定部において前記プロジェクタが光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号を前記プロジェクタに送信することを特徴とするリモコン装置。
【請求項9】
画像信号に応じた光を投射するプロジェクタと、前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置とを含んで構成されたプロジェクタシステムであって、
前記リモコン装置は、前記プロジェクタに信号を送信する通信部を有し、
前記プロジェクタは、前記リモコン装置の通信部からの信号を受信する通信部と、
前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、
前記投射判定部の判定に基づいて光の投射を制御する投射制御部と、を有することを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項10】
画像信号に応じた光を投射するプロジェクタと、前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置とを含んで構成されたプロジェクタシステムであって、
前記プロジェクタは、前記リモコン装置と信号を送受信する通信部と、
光の投射を制御する投射制御部と、を有し、
前記リモコン装置は、前記プロジェクタと信号を送受信する通信部と、
前記プロジェクタの通信部から受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定部と、を有し、
前記リモコン装置の通信部は、前記投射判定部において前記プロジェクタが光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号を前記プロジェクタに送信し、前記プロジェクタの投射制御部は、前記リモコン装置の通信部から受信した前記光の投射を指示する信号に基づいて光の投射を制御することを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項11】
画像信号に応じた光を投射するプロジェクタにおける制御方法であって、
前記プロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置から送信された信号を受信する受信工程と、
前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定工程と、
前記投射判定工程における判定に基づいて光の投射を制御する投射制御工程と、を有することを特徴とするプロジェクタの制御方法。
【請求項12】
画像信号に応じた光を投射するプロジェクタを遠隔操作するためのリモコン装置における制御方法であって、
前記プロジェクタからの信号を受信する受信工程と、
前記受信した信号に基づいて前記リモコン装置と前記プロジェクタとの相対位置を示す位置情報を取得する位置情報取得工程と、
前記取得した位置情報に基づいて前記プロジェクタが光を投射することが可能であるか否かを判定する投射判定工程と、
前記投射判定工程において前記プロジェクタが光を投射することが可能であると判定されたときに、光の投射を指示する信号を前記プロジェクタに送信する送信工程と、を有することを特徴とするリモコン装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−236595(P2008−236595A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−76112(P2007−76112)
【出願日】平成19年3月23日(2007.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】