説明

プロジェクタシステム及びプロジェクタ

【課題】端末装置に設定される仮想表示領域のサイズがプロジェクタの投影画像領域のサイズよりも狭い場合であっても、当該端末装置からプロジェクタの投影画像領域全域に亘る操作が可能なプロジェクタシステムの提供。
【解決手段】表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域45を設定する仮想表示領域設定部を有する複数の端末装置2と、これら複数の端末装置2から各仮想表示領域45にある画像の画像データを取得し、これらの画像データを合成して生成した画像を投影するプロジェクタ1とを備えたプロジェクタシステムにおいて、プロジェクタ1の投影画像領域60上に、各端末装置2から操作可能な操作領域46を、各端末装置2の仮想表示領域45のサイズに応じて端末装置2ごとに割り当てる操作領域割当部と、割り当てられた操作領域46の投影画像領域60上の位置を変更する操作領域位置変更部とを有するプロジェクタシステムS。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想表示領域を設定可能な複数の端末装置と、各端末装置の仮想表示領域にある画像の画像データを合成して生成した画像を投影するプロジェクタとを備えたプロジェクタシステム及びこれに用いられるプロジェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンピュータ装置等から画像情報を入力して液晶表示素子に当該画像を表示し、この液晶表示素子に光を照射して投影スクリーン上に拡大投影するプロジェクタが広く使用されている。このプロジェクタは、複数人が参加して行われる会議等において多く使用されており、かかるプロジェクタを用いることにより、拡大投影された一つの画像を複数の参加者が同時に見ながら議論を進めていくことができる。
【0003】
さらに、近年においては、端末装置の表示部に隣接した仮想表示領域にある画像やカーソルを、プロジェクタの投影画像領域に投影することのできるプロジェクタシステムが考案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
かかるプロジェクタシステムを用いることにより、端末装置の利用者は、例えば、プレゼンテーションを行うための画像のみをプロジェクタの投影画像領域に投影表示させ、逆に、端末装置の使用者のみがプレゼンテーション中に参照するための情報を端末装置の表示部の表示領域に表示させることができるため、当該プレゼンテーションをより円滑に行うことができる。
【特許文献1】特開2007−101852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、かかるプロジェクタシステムにおいては、投影画像領域内での操作(例えば、カーソルの移動等)を端末装置に設定されている仮想表示領域内でしか行うことができないという問題があった。そのため、投影画像領域のサイズ(解像度)が端末装置に設定されている仮想表示領域のサイズ(解像度)よりも大きい場合、当該端末装置の利用者は、例えば、図28(a)に示すように、カーソル81を仮想表示領域80外(図中、破線矢印で示す方向)に移動させようとしても、図28(b)に示すように、カーソル81の移動が仮想表示領域80のサイズ内に制限されるため、当該カーソル81を所望の場所へ移動させることができなかった。
【0006】
かかる問題は、特に、複数の端末装置の仮想表示領域にあるカーソルや画像の画像データをプロジェクタが取得し、当該取得した画像データを合成して生成した画像を投影することによって、複数人がスクリーン等の大画面に拡大投影された合成画像を見ながら共同作業等を行う場合、当該共同作業の円滑な進行を著しく妨げるものであった。
【0007】
そこで、本発明は、端末装置に設定される仮想表示領域のサイズがプロジェクタの投影画像領域のサイズよりも狭い場合であっても、当該端末装置からプロジェクタの投影画像領域全域に亘る操作が可能なプロジェクタシステム及びこれに用いられるプロジェクタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、表示部とこの表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部とを有する複数の端末装置と、これら複数の端末装置から通信経路を介して各前記仮想表示領域にある画像の画像データを取得し、これらの画像データを合成して生成した画像を投影するプロジェクタと、を備えたプロジェクタシステムにおいて、前記プロジェクタの投影画像領域上に、各前記端末装置から操作可能な操作領域を、各前記端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて前記端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、前記操作領域割当部により割り当てられた操作領域の前記投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、表示部とこの表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と複数の端末装置と、これら複数の端末装置から通信経路を介して各前記仮想表示領域にある画像の画像データを取得し、この画像データに基づいた画像を合成して投影するプロジェクタと、を備えたプロジェクタシステムにおいて、前記端末装置は、前記仮想表示領域にある画像の画像データと前記仮想表示領域のサイズと前記操作の情報とを前記通信経路を介して前記プロジェクタへ送信する送信処理部を有し、前記プロジェクタは、前記複数の端末装置の仮想表示領域にある画像の画像データと前記仮想表示領域のサイズと前記操作の情報とを前記通信経路を介して受信する受信処理部と、前記プロジェクタの投影画像領域上に、各前記端末装置から操作可能な操作領域を、各前記端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて前記端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、各前記端末装置の仮想表示領域にある画像の画像データを合成することにより投影用画像データを生成する画像生成部と、前記画像生成部で生成した投影用画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、前記操作領域割当部により割り当てられた操作領域の前記投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記端末装置は、前記操作領域の位置を変更するための操作部を備え、前記操作領域位置変更部は、前記操作部への操作に応じて前記操作領域の位置を変更することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記操作部は、前記仮想表示領域にあるカーソルの位置座標を移動操作するためのものであり、前記操作領域位置変更部は、前記操作部が前記仮想表示領域の座標内を超えて前記カーソル位置を移動しようとする操作を検出すると、その操作に応じて前記操作領域の位置を変更することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記操作部は、ポインティングデバイス又はキーボードであることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明において、前記カーソルの位置座標を移動操作するためのリモコン装置を備え、前記操作領域位置変更部は、前記リモコン装置が前記仮想表示領域の座標内を超えて前記カーソル位置を移動しようとする操作を検出すると、その操作に応じて前記操作領域の位置を変更することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記操作領域割当部により前記投影画像領域上に割り当てられる操作領域と同じ場所に、前記仮想表示領域にある画像を表示する画像領域を割り当てる画像領域割当部と、前記操作領域位置変更部による前記操作領域の位置の変更に伴って前記画像領域の前記投影画像領域における位置を変更する画像領域位置変更部と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、表示部とこの表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部とを有する複数の端末装置から通信経路を介して各前記仮想表示領域にある画像の画像データを取得し、これらの画像データを合成して生成した画像を投影するプロジェクタにおいて、前記プロジェクタの投影画像領域上に、各前記端末装置から操作可能な操作領域を、各前記端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて前記端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、前記操作領域割当部により割り当てられた操作領域の前記投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プロジェクタの投影画像領域上に、各端末装置から操作可能な操作領域を、各端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、操作領域割当部によって割り当てられた操作領域の投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部とを備えることとしたため、端末装置に設定される仮想表示領域のサイズがプロジェクタの投影画像領域のサイズよりも狭い場合であっても、操作領域位置変更部により投影画像領域上における操作領域の位置を変更することで、当該端末装置からプロジェクタの投影画像領域全域に亘る操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[1.プロジェクタシステムの概要]
以下に、本発明の実施の形態におけるプロジェクタシステムについて、図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態におけるプロジェクタシステムの全体的なシステム構成を示す図であり、図2は本実施形態におけるプロジェクタシステムに用いられるプロジェクタの概略構成図であり、図3は本実施形態におけるプロジェクタシステムに用いられる端末装置の概略構成図であり、図4は操作領域位置変更部によって操作領域の位置が変更された状態を示す図であり、図5は端末装置に設けられたキーボード或いはリモコン装置による操作に応じて操作領域が移動する様子を示した図であり、図6は端末装置に設けられたマウスの操作により他の端末装置の操作領域を移動させる様子を示した図であり、図7は端末装置に設けられたマウスの移動操作に応じて操作領域が移動する様子を示した図である。
【0018】
本実施形態にかかるプロジェクタシステムSは、図1に示すように、プロジェクタ1と、このプロジェクタ1と通信経路4を介して接続された複数の端末装置(ここでは端末装置2a,2b)と、プロジェクタ1を操作することができる一又は複数のリモコン装置(ここではリモコン装置3a,3b)とにより構成されるものであり、複数の端末装置2a,2bの仮想表示領域45a,45bにあるカーソル5a,5bや、各端末装置2a,2bで実行されるアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリケーション」と呼ぶこともある。)によって生成される画像のうち、各端末装置2a,2bの仮想表示領域45a,45bにある画像30a,30bの画像データを1つの画像データとして合成し、当該合成した画像データに基づく画像をスクリーン等の大画面上に投影するシステムである。
【0019】
そして、本実施形態にかかるプロジェクタシステムSは、特に、投影画像領域60に割り当てられた、端末装置2a,2bから当該投影画像領域60上に操作可能な領域である操作領域46a,46bの位置を変更可能に構成することにより、端末装置2a,2bの仮想表示領域45a,45bのサイズがプロジェクタ1の投影画像領域60のサイズよりも狭い場合であっても、当該端末装置2a,2bから当該投影画像領域60の全域に亘る操作を可能とするものである。
【0020】
なお、本実施形態においては、プロジェクタ1に2台の端末装置が接続されている場合について説明するが、プロジェクタ1に接続される端末装置の数はこれに限ったものではない。また、以下において、端末装置2a,2bの任意の一つを表す場合には端末装置2と表現することがあり、仮想表示領域45a,45bの任意の一つを表す場合には仮想表示領域45と表現することがあり、リモコン装置3a,3bの任意の一つを表す場合にはリモコン装置3と表現することがあり、カーソル5a,5bの任意の一つを表す場合にはカーソル5と表現することがあり、操作領域46a,46bの任意の一つを表す場合には操作領域46と表現することがあり、画像30a,30bの任意の一つを表す場合には画像30と表現することがある。
【0021】
本実施形態にかかるプロジェクタシステムSにおいて、プロジェクタ1は、図2に示すように、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ及びカーソル5の位置座標と、仮想表示領域45のサイズとを通信経路4を介して受信する受信処理部10と、プロジェクタ1の投影画像領域60上に、各端末装置2から操作可能な操作領域46を、各端末装置2の仮想表示領域45のサイズに応じて端末装置2ごとに割り当てる操作領域割当部11と、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像30の画像データを合成することにより投影用画像データを生成する画像生成部12と、画像生成部12で生成した投影用画像データに基づいた画像を投影する画像投影部13と、操作領域割当部11により割り当てられた操作領域46の投影画像領域60上の位置を変更する操作領域位置変更部14と、操作領域割当部11により投影画像領域60上に割り当てられる操作領域46と同じ場所に、仮想表示領域45にある画像を表示する画像領域を割り当てる画像領域割当部15と、操作領域位置変更部14による操作領域46の位置の変更に伴って画像領域の投影画像領域60における位置を変更する画像領域位置変更部16と、を備えている。
【0022】
また、端末装置2は、図3に示すように、表示部20と、当該表示部20の表示領域に隣接した仮想表示領域45を設定する仮想表示領域設定部21と、仮想表示領域45にある画像の画像データ及びカーソル5の位置座標と、仮想表示領域45のサイズとを通信経路4を介してプロジェクタ1へ送信する送信処理部22と、操作領域46の位置を変更するための操作部23と、操作部23の操作に応じて、カーソル5の座標位置を変更したり、アプリケーションを実行することにより画像データを生成したりする処理部24と、を備えている。
【0023】
すなわち、プロジェクタ1の投影画像領域60及び各端末装置2の仮想表示領域45には、それぞれ、領域の左上部を原点とし、1画素(1ピクセル)を最小単位とする座標領域(すなわち、設定されている解像度に応じた大きさの座標領域)が規定されており、仮想表示領域45にあるカーソル5や画像30を合成する際は、先ず、端末装置2が、送信処理部22により、仮想表示領域45にある画像の画像データ及びカーソル5の位置座標と、仮想表示領域45のサイズとを通信経路4を介してプロジェクタ1へ送信し、プロジェクタ1が、当該送信された情報を受信処理部10により通信経路4を介して受信する。
【0024】
そして、プロジェクタ1が、画像生成部12により、受信処理部10で取得した各情報に基づいて、これらカーソル5や画像30の画像データを、仮想表示領域45上の座標位置に対応する投影画像領域60上の座標位置にそれぞれ配置して合成することにより投影用画像データを生成し、さらに、画像投影部13により、投影用画像データに基づいた画像を投影することで、各端末装置2の仮想表示領域45にあるカーソル5や画像が合成されて投影画像領域60に表示されることとなる。
【0025】
また、本実施形態にかかるプロジェクタシステムSは、各端末装置2a,2bからプロジェクタ1に対して、操作位置の情報や当該操作の内容に関する情報等を含んだ操作情報(画像操作命令)を送信することにより、各端末装置2a,2bから投影画像領域60への操作を可能としている。
【0026】
ここで、各端末装置2からプロジェクタ1に対して送信される位置座標情報は、各端末装置2の仮想表示領域45に規定された座標内に制限されるため、各端末装置2が仮想表示領域45上において操作可能な領域が、投影画像領域60上で各端末装置2が操作可能な領域46(以下、「操作領域46」とする。)となる。
【0027】
かかる場合、例えば、端末装置2aの仮想表示領域45aのように、投影画像領域60よりも解像度が低い(サイズが狭い)場合、当該仮想表示領域45aにあるカーソル5aや画像30aは、仮想表示領域45aのサイズに応じた操作領域46a内でしか移動させることができず、これらカーソル5aや画像30aに対する所望の操作が阻害されるおそれがあった。
【0028】
そこで、本実施形態にかかるプロジェクタシステムSは、当該各端末装置2の仮想表示領域45の座標領域の大きさ(サイズ)に応じた操作領域46を、各端末装置2ごとに投影画像領域60上に割り当てる操作領域割当部11を備え、さらに、操作領域位置変更部14により、投影画像領域60上に割り当てられた操作領域46の位置を変更する(すなわち、操作領域46を投影画像領域60上で移動させる)ことで、図4に示すように、端末装置2に設定されている仮想表示領域45のサイズが、投影画像領域60のサイズがよりも狭い場合であっても、当該端末装置2からプロジェクタ1の投影画像領域60全域に亘る操作を行うことが可能となる。
【0029】
本実施形態にかかるプロジェクタシステムSにおいて、操作領域位置変更部14は、端末装置2の有する操作部23への操作に応じて操作領域46の位置を変更するものである。
【0030】
すなわち、例えば、操作部23としてキーボードを用いた場合、図5(a)に示す状態において、所定の操作コマンド(以下、「操作コマンド」とする。)として、例えばCtrlキーを押下した状態で十字キーのうちの何れかを押下する操作を行うことにより、押下された十字キーと、当該十字キーを押下した回数或いは十字キーを押下している時間とに応じて、図5(b)に示すように、操作領域46の位置を変更することができる。
【0031】
また、例えば、操作部23として他の端末装置2のマウスを用いた場合、図6(a)に示すように、端末装置2bのカーソル5bが、端末装置2aの操作領域46aの境界部分にあるときにドラッグ操作を行うことによって、図6(b)に示すように、当該操作領域46aを所望の場所に移動させることができる。かかる構成とすることにより、端末装置2の操作領域46を当該端末装置以外の端末装置2の利用者であっても移動させることが可能となる。
【0032】
また、操作領域位置変更部14は、端末装置2の有する操作部23が仮想表示領域45の座標内を超えてカーソル位置を移動しようとする操作を検出すると、その操作に応じて操作領域46の位置を変更することとしてもよい。
【0033】
すなわち、例えば、図7(a)に示すように、端末装置2aの利用者が、操作部23としてのマウスを用いて、カーソル5aを仮想表示領域45a外である投影画像領域60の右端(破線矢印が示す方向)に移動させようとした場合、図7(b)に示すように、仮想表示領域45aの境界部分までカーソル5aが移動したときに、当該カーソル5aをさらに領域外へ移動させようとすると、プロジェクタ1は、当該操作を検出し、その操作に応じて操作領域46の位置を変更することによって、図7(c)に示すように、カーソル5aを所望の位置まで移動させる。
【0034】
かかる構成とすることにより、当該端末装置2の利用者は、端末装置2の仮想表示領域45のサイズが投影画像領域60のサイズよりも狭いことを意識することなく、通常のカーソル移動操作と同様の操作でカーソル5を所望の場所に移動させることができるため、本実施形態にかかるプロジェクタシステムSを用いた会議等を円滑に行うことができる。
【0035】
ここで、本実施形態にかかるプロジェクタシステムSでは、端末装置2の利用者が操作部23によるカーソル移動操作を行うと、当該操作に応じてカーソル位置座標の情報がプロジェクタ1へ所定の間隔で送信される構成となっており、プロジェクタ1は、X座標又はY座標の何れかの値が同じであるカーソル位置座標の情報を所定回数以上受信したとき、操作部23が仮想表示領域45の座標内を超えてカーソル位置を移動しようとしていると判定することとしている。
【0036】
なお、カーソル5aが仮想表示領域45aの境界部分に位置したとき、当該境界部分には、操作領域46aのサイズの大きさを視認させるための枠47が表示される。かかる構成とすることより、カーソル5aが操作領域46aの境界にあることを事前に知ることができ、当該操作領域46aが意図せず移動してしまうといった事態を防止することができる。
【0037】
このように、本実施形態において、端末装置2の有する操作部23としては、マウス、トラックパッド或いはトラックボール等のポインティングデバイス、又は、キーボードを用いることができる。このように、操作部23として、ポインティングデバイスやキーボードを用いることとしたため、操作領域46の位置を変更するための装置を別途設ける必要がない。
【0038】
また、操作領域位置変更部14は、カーソル5の位置座標を移動操作するためのリモコン装置3による、仮想表示領域45の座標内を超えてカーソル位置を移動しようとする操作を検出すると、その操作に応じて操作領域46の位置を変更することとしてもよい。
【0039】
すなわち、例えば、図5(a)に示す状態において、リモコン装置3に設けられた十字キーのいずれかを押下する操作を行うことにより、当該操作(以下、「操作コマンド」とする)に基づいて、図5(b)に示すように、操作領域の位置を変更することができる。
【0040】
かかる構成とすることにより、端末装置2の利用者ばかりでなく、当該利用者以外の第三者であっても容易に当該端末装置2の操作領域46を移動させることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態にかかるプロジェクタシステムSでは、画像領域割当部15により、操作領域割当部11により投影画像領域60上に割り当てられる操作領域46と同じ場所に、仮想表示領域45にある画像を表示する画像領域を割り当てるとともに、画像領域位置変更部16により、操作領域位置変更部14による操作領域46の位置の変更に伴って画像領域の投影画像領域60における位置を変更することとしている。
【0042】
すなわち、本実施形態においては、操作領域46と画像領域とは常に一致しており、端末装置2の操作領域46の位置が変更されると、当該変更に伴って当該端末装置2の仮想表示領域45にある画像の投影画像領域60における位置も変更されることとなる。
【0043】
かかる構成とすることにより、例えば、端末装置2からの操作により他の端末装置2の操作領域46の位置が変更された際に、操作領域46が画像領域から離れて当該他の端末装置2が自己の仮想表示領域45にある画像を操作することができなくなるといった事態を防ぐことができる。
【0044】
[2.プロジェクタシステムの具体的構成]
(プロジェクタ1の構成について)
次に、プロジェクタ1の構成について説明する。図8は本実施形態におけるプロジェクタ1の構成図であり、図9は本実施形態におけるプロジェクタ1に記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図であり、図10は本実施形態における端末装置2aの仮想表示領域45aに規定された座標を説明するための図であり、図11は本実施形態における端末装置2bの仮想表示領域45bに規定された座標を説明するための図であり、図12は本実施形態におけるプロジェクタ1の投影画像領域60に規定された座標を説明するための図であり、図13は本実施形態におけるプロジェクタ1に記憶される接続情報管理テーブルの一例であり、図14は本実施形態におけるプロジェクタ1に記憶されるカーソル情報管理テーブルの一例であり、図15は本実施形態におけるプロジェクタ1に記憶される仮想表示領域管理テーブルの一例を示す図であり、図16は投影画像領域にある画像と操作領域とを一致させる操作が行われた際の、当該操作領域の位置が変更される様子を示した図である。
【0045】
図8に示すように、プロジェクタ1は、各種操作を行うための操作パネル101と、設定情報やデータファイルなどを保持するための不揮発性メモリである記憶部102と、赤外線による無線通信を行う赤外線通信部103と、端末装置2と通信するためのインターフェイス104と、外部から映像信号を入力する映像信号入力回路105と、映像信号入力回路105を介して入力される映像信号やインターフェイス104を介して取得した画像データに所定の処理を施す画像処理回路106と、この画像処理回路106から出力される画像信号に基づいた画像を投影する画像投影部107と、プロジェクタ1全体を制御する制御部108とを備えており、これらはハウジングに内蔵される。
【0046】
操作パネル101は、各種操作を行うためのボタンや表示部(例えば、LCD)などから構成され、プロジェクタ1において使用者がこの操作パネル101を操作することによって、その操作内容に応じた制御を制御部108が実行することになる。
【0047】
記憶部102は、フラッシュメモリ(Flash Memory)などから構成され、プロジェクタ1に設定されている解像度の情報、各端末装置2のカーソルの画像データ、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを記憶する他、当該画像の位置情報、サイズ情報等を管理する画像属性情報管理テーブルを記憶する画像属性情報記憶領域110、プロジェクタ1に接続している端末装置2の接続状況を管理する接続情報管理テーブルを記憶する接続情報記憶領域111、カーソルの位置情報等を管理するカーソル情報管理テーブルを記憶するカーソル情報記憶領域112、各端末装置2に設定されている仮想表示領域45のサイズや当該仮想表示領域45の投影画像領域上での配置位置等を管理する仮想表示領域情報管理テーブルを記憶する仮想表示領域情報記憶領域113を有する。
【0048】
赤外線通信部103は、赤外線LEDなどから構成される赤外線受光部131と、赤外線受光部131により受信した赤外線信号をデータに変換する処理を行う赤外線制御部132とを備えている。
【0049】
インターフェイス104は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部108によって用いられる。なお、インターフェイス104としてUSBインターフェイスに代えて、無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
【0050】
映像信号入力回路105は、コンポジット映像信号(例えばNTSC映像信号)やコンポーネント映像信号(例えばRGB信号)などの映像信号を入力する。
【0051】
画像処理回路106は、制御部108による制御に基づいて、映像信号入力回路105に入力された映像信号或いはインターフェイス104を介して取得した画像データに対して、複数の画像データの合成等の加工を行う。このように加工されて生成された画像信号は、画像投影部107に入力される。
【0052】
画像投影部107は、ランプ駆動回路120と、光源121と、照明光学系122と、透過型液晶パネル123(以下、「LCD123」とする。)と、結像光学系124と、LCD駆動回路125と、ピント調整回路126とを備えている。
【0053】
光源121は、ランプなどから構成され、制御部108によって制御されたランプ駆動回路120から出力される信号に基づいて、点灯駆動されて発光する。光源121で発光された光は、照明光学系122によって、照明光としてLCD123に照射される。
【0054】
LCD123は、LCD駆動回路125によって駆動され、その表示面に映像を表示する。このように表示された映像は、照明光学系122を介して光源121から出射される照明光によって照射され、これにより画像光が生成される。続いて、この画像光は、結像光学系124及びハウジングの投影用開口部(図示せず)を通って、スクリーン(投射面)に投影される。このように、LCD123に表示される画像がスクリーンに投影される構成となっている。なお、ピント調整回路126によって、スクリーンに投影する画像のピントを調整することができる。
【0055】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などを内蔵しており、CPUがROMに予め格納されたプログラムを読み出して実行することによって、プロジェクタ1を、受信処理部、画像生成部、操作領域割当部、操作領域位置変更部、操作命令処理部、画像領域割当部、画像領域位置変更部等として機能させる。
【0056】
制御部108は受信処理部として、複数の端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ及びカーソル5の位置座標や仮想表示領域45のサイズ或いは画像操作命令をインターフェイス104及び通信経路4を介して受信する。なお、画像操作命令は、リモコン装置3から取得することもできる。
【0057】
また、制御部108は画像生成部として機能することにより、各端末装置2の仮想表示領域45にあるカーソル5及び画像30の画像データの合成を行う。この画像生成部による画像データの合成は、記憶部102に記憶された画像属性情報管理テーブルと接続情報管理テーブルとカーソル情報管理テーブルとに基づいて実行される。
【0058】
ここで、画像属性情報管理テーブルについて、図9を参照して説明する。
【0059】
図9に示すように、画像属性情報管理テーブルには、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像を送信した端末装置2(オーナーPC)の名称、当該画像のサイズ及びこの画像を表示すべき位置に関する情報、画像データのファイル名に関する情報、及び画像生成部により複数の画像データを合成する際に、各画像データを重ね合わせる順番(階層レベル)に関する情報が、当該画像を識別するための情報(ウィンドウID)と関連付けて記憶されている。
【0060】
各端末装置2の仮想表示領域45にある画像を表示すべき位置に関する情報は、投影画像領域60上の座標位置及び仮想表示領域45上の座標位置によって表される。
【0061】
本実施形態において、各端末装置2に設定される仮想表示領域45の座標は、その左上の頂点を原点として規定されており、1画素(1ピクセル)を最小単位とし、当該仮想表示領域に設定されている画素数に応じてその上限が決められている。
【0062】
例えば、端末装置2aに設定されている仮想表示領域45aの画素数が800×600である場合、図10に示すように、当該仮想表示領域45aに規定される座標(X2,Y2)は、1画素を1単位として、(X2,Y2)=(0,0)から(X2,Y2)=(800,600)までの領域として表される。また、同様に、端末装置2bに設定されている仮想表示領域45bの画素数が1280×1024である場合、図11に示すように、当該仮想表示領域45bに規定される座標(X2,Y2)は、1画素を1単位として、(X2,Y2)=(0,0)から(X2,Y2)=(1280,1024)までの領域として表される。
【0063】
また、仮想表示領域45にある画像の位置情報は、当該画像の左上の頂点の座標情報であり、画像のサイズ情報は、当該画像の幅(W)及び高さ(H)を座標の数値で表した情報である。例えば、図10に示すように、端末装置2aの仮想表示領域45aにある画像30aは、画像位置が(X2,Y2)=(250,30)となり、画像サイズが(W,H)=(380,500)となる。同様に、図11に示すように、端末装置2bの仮想表示領域45bにある画像30bは、画像位置が(X2,Y2)=(550,620)となり、画像サイズが(W,H)=(700,380)となる。
【0064】
さらに、プロジェクタ1の投影画像領域60の座標も、各端末装置2に設定される仮想表示領域45と同様に、その左上の頂点を原点として規定されており、1画素(1ピクセル)を最小単位とし、当該投影画像領域60に設定されている画素数に応じてその上限が決められている。例えば、図12に示すように、投影画像領域60上において、画像30aの位置座標は、(X1,Y1)=(250,50)であり、画像30bの位置座標は、(X1,Y1)=(550,600)となる。
【0065】
また、画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)の名称は、図13に示す接続情報管理テーブルと関連付けられている。この接続情報管理テーブルには、図13に示すように、プロジェクタ1に接続している端末装置2の名称が、接続状況(プロジェクタ1と接続中か非接続中かの別)及び各端末装置2に割り振られたIPアドレスと関連付けられて記憶されている。
【0066】
また、制御部108は、画像生成部として、端末装置2の送信処理部により送信された操作部による操作情報に基づいた位置にカーソル5の画像を、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データと共に合成する。ここで、このカーソル5の画像の合成は、カーソル情報管理テーブルの情報に基づき実行されるものである。
【0067】
カーソル情報管理テーブルは、図14に示すように、プロジェクタ1に接続されている端末装置2に割り当てられるカーソル画像の画像ファイル名、プロジェクタ1で投影される投影画像領域60におけるカーソル画像の位置情報(X1,Y1)及び各端末装置2の仮想表示領域45におけるカーソル画像の位置情報(X2,Y2)が、端末装置2の名称と関連付けられて記憶されている。
【0068】
ここで、本実施形態では、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データ毎に異なる階層レベルを割り当て、画像データの合成を、階層レベル順に画像データを重畳合成することによって行うこととしている。すなわち、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データを合成する際、画像属性情報管理テーブルに記憶されている階層レベルの情報を参照し、この階層レベルが高い順に画像を重ね合わせて出来たような画像の画像データを生成する。
【0069】
そして、制御部108は、これらのテーブルを参照して、各端末装置2の仮想表示領域45にあるカーソル5や画像30を合成する。
【0070】
この際、制御部108は、これらカーソル5や画像30の仮想表示領域45上における位置座標を、プロジェクタ1の投影画像領域60上の位置座標に変換することにより、これらカーソル5や画像30が当該投影画像領域60上の対応する座標位置にそれぞれ配置された投影用画像データを生成する。
【0071】
これにより、各端末装置2の仮想表示領域45にあるカーソル5や画像30は、それぞれの仮想表示領域45上での位置座標(X2,Y2)に対応する投影画像領域60上での位置座標(X1,Y1)の座標位置に配置されることとなる(図10〜12参照)。
【0072】
また、制御部108は、操作領域割当部として、プロジェクタ1の投影画像領域60上に、各端末装置2から操作可能な操作領域46を、各端末装置2の仮想表示領域45のサイズに応じて端末装置2ごとに割り当てる。ここで、投影画像領域60への操作領域46の割り当ては、仮想表示領域管理テーブルに基づいて実行される。
【0073】
仮想表示領域管理テーブルは、図15に示すように、各端末装置2の仮想表示領域45に割り当てられる領域IDと、仮想表示領域45のサイズ(W,H)に関する情報と、各仮想表示領域45の投影画像領域60上への配置位置に関する情報としての、投影画像領域60上における各仮想表示領域45の左上部の位置座標(X1,Y1)とが、オーナーPCの名称に関連付けられて記憶されている。
【0074】
そして、制御部108は、この仮想表示領域管理テーブルに記憶されている各仮想表示領域45の投影画像領域60上への配置位置に関する情報を参照して、図14のカーソル情報管理テーブルに記憶される、カーソル5の仮想表示領域45上の位置に関する情報を決定する。
【0075】
すなわち、制御部108は、カーソル情報管理テーブルに記憶される、カーソル5の仮想表示領域45上の位置座標に、投影画像領域60上における各仮想表示領域45の左上部の位置座標を足すことによって、当該カーソル5の仮想表示領域45上の位置座標を投影画像領域60上の位置座標に変換する。
【0076】
例えば、図15に示すように、端末装置2aの仮想表示領域45aの投影画像領域60上への配置位置に関する情報が(X1,Y1)=(0,0)である場合、制御部108は、操作領域割当部として、カーソル情報管理テーブルに記憶されるカーソル5aの仮想表示領域45a上の位置座標(X2,Y2)=(180,240)に(X1,Y1)=(0,0)を足すことにより、当該カーソル5aの投影画像領域60上の位置座標(X1,Y1)=(180,240)を決定する。
【0077】
また、制御部108は、操作領域位置変更部として機能することにより、端末装置2の有するキーボード206やマウス207、或いは、リモコン装置3による操作に応じて、端末装置2の仮想表示領域45の投影画像領域60上への配置位置に関する情報を変更する。これにより、投影画像領域60に割り当てられた操作領域46の位置を変更することが可能となる。
【0078】
例えば、端末装置2のマウス207によって、操作領域46の位置が(X1,Y1)=(0,0)から(X1,Y1)=(100,100)に変更する操作がなされた場合、制御部108は、仮想表示領域管理テーブルに記憶されている、端末装置2aの仮想表示領域45aの投影画像領域60上への配置位置に関する情報(X1,Y1)=(0,0)に(100,100)を足すとともに、当該仮想表示領域管理テーブルの情報を参照して、カーソル情報管理テーブルに記憶されるカーソル5aの仮想表示領域45a上の位置座標(X2,Y2)=(180,240)に(X1,Y1)=(100,100)を足すことにより、当該カーソル5aの投影画像領域60上の位置座標(X1,Y1)=(280,340)を決定する。
【0079】
このように、プロジェクタ1の制御部108が操作領域位置変更部として機能して、端末装置2の仮想表示領域45の投影画像領域60上への配置位置に関する情報変更することにより、各端末装置2に割り当てられた操作領域46が投影画像領域60上で移動可能となり、端末装置2の仮想表示領域45のサイズが投影画像領域60のサイズよりも狭い場合であっても、当該端末装置2から投影画像領域60全域への操作が可能となる。
【0080】
ここで、操作領域46の位置の変更方法としては、(1)端末装置2のマウス207による自己の仮想表示領域45の座標内を超えてカーソル位置を移動しようとする操作に基づいて操作領域46の位置を変更させる方法、(2)カーソル5が他の端末装置2の操作領域46の境界にあるときに当該カーソル5を操作する端末装置2のマウス207によるドラッグ操作に基づいて操作領域46の位置を変更させる方法、(3)操作コマンドとして、例えば、キーボード206のCtrlキーを押下した状態で十字キーのうちの何れかを押下する操作に基づいて操作領域46の位置を変更する方法、(4)リモコン装置3から送信された操作領域46の位置を変更するコマンドに基づいて操作領域46の位置を変更する方法、或いは、(5)端末装置2のマウス207により、他の端末装置2の保有する画像データに基づく画像をクリックする操作に基づいて操作領域46の位置を変更する方法がある。
【0081】
ここで、(5)にかかる操作領域46の位置変更方法は、例えば、図16に示すように、端末装置2aのカーソル5aが端末装置2bの保有する画像データに基づく画像30b上にあるとき、端末装置2aのマウス207によってクリック操作が行われると、端末装置2aの操作領域46と画像30bとの位置が一致するように操作領域46の位置を変更するものである。なお、かかる場合、操作領域46aの位置は、当該操作領域46aの右上部の位置座標と画像30bの右上部の位置座標とが一致する位置に変更されるものとする。
【0082】
このように、本実施形態にかかるプロジェクタ1は、投影画像領域60上に、各端末装置2から操作可能な操作領域46を、各端末装置2の仮想表示領域45のサイズに応じて端末装置2ごとに割り当てる操作領域割当部と、操作領域割当部により割り当てられた操作領域46の投影画像領域60上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を備えたプロジェクタである。
【0083】
また、制御部108は、インターフェイス104と共に操作命令処理部として機能することにより、画像投影部107で投影している画像のうちの任意の画像を操作するための画像操作命令を取得したとき、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信する。
【0084】
ここで、本実施形態においては、画像操作命令を端末装置2へ送信する際、この画像操作命令による操作対象となる画像の画像データ、及び当該画像操作命令を送信すべき端末装置2を、受信処理部で取得した画像属性情報に基づいて判断することとしている。
【0085】
かかる構成とすることにより、操作対象の画像の画像データを判断するための情報をその操作毎に各端末装置2に対して別途要求する必要がなく、通信経路4にかかる負担を軽減させることができる。
【0086】
また、制御部108は、画像領域割当部として機能することにより、投影画像領域60上に割り当てられる操作領域46と同じ場所に、仮想表示領域45にある画像を表示する画像領域を割り当てる。ここで、投影画像領域60への画像領域の割り当ては、仮想表示領域管理テーブルに基づいて実行される。
【0087】
すなわち、制御部108は、この仮想表示領域管理テーブルに記憶されている各仮想表示領域45の投影画像領域60上への配置位置に関する情報を参照して、図9の画像属性情報管理テーブルに記憶される画像30の投影画像領域60上の位置に関する情報を決定する。
【0088】
すなわち、制御部108は、画像属性情報管理テーブルに記憶される画像30の仮想表示領域45上の位置座標に、投影画像領域60上における各仮想表示領域45の左上部の位置座標を足すことによって、当該画像30の仮想表示領域45上の位置座標を投影画像領域60上の位置座標に変換する。
【0089】
例えば、図15に示すように、端末装置2aの仮想表示領域45aの投影画像領域60上への配置位置に関する情報が(X1,Y1)=(0,0)である場合、制御部108は、画像領域割当部として、画像属性情報管理テーブルに記憶される画像30aの仮想表示領域45上の位置座標(X2,Y2)=(250,30)に(X1,Y1)=(0,0)を足すことにより、当該画像30aの投影画像領域60上の位置座標(X1,Y1)=(250,30)を決定する。
【0090】
そして、制御部108は、画像生成部として機能することにより、端末装置2aの仮想表示領域45aにある画像30aの画像データを、当該変換した位置座標にカーソル5の画像を配置して合成した投影用画像データを生成する。
【0091】
また、制御部108は、画像領域位置変更部として、操作領域46の位置の変更に伴って画像領域の投影画像領域60における位置を変更する。
【0092】
例えば、端末装置2のマウス207によって、操作領域46の位置が(X1,Y1)=(0,0)から(X1,Y1)=(100,100)に変更する操作がなされた場合、制御部108は、操作領域変更部として機能することにより変更した仮想表示領域管理テーブルの情報を参照して、画像属性情報管理テーブルに記憶される画像30aの仮想表示領域45上の位置座標(X2,Y2)=(250,30)に(X1,Y1)=(100,100)を足すことにより、当該画像30aの投影画像領域60上の位置座標(X1,Y1)=(350,130)を決定する。
【0093】
(端末装置2の構成について)
次に、端末装置2の構成について説明する。図17は本実施形態における端末装置2の構成図であり、図18は本実施形態におけるリモコン装置の構成図である。
【0094】
本実施形態における端末装置2は、一般のパーソナルコンピュータ或いは専用端末を適用することができ、図17に示すように、表示部であるLCD200、LCD200を駆動するためのグラフィックスコントローラ201と、各種データ等を記憶するハードディスク装置202と、通信経路4を介してプロジェクタ1との間で通信を行うためのインターフェイス203と、USBデバイスとデータの入出力を行うためのUSBバスコントローラ204、これに接続する接続ポートとしてのUSBコネクタ205と、使用者の操作により所定の情報を入力可能なキーボード206及びマウス207(操作部に相当)と、端末装置2全体を制御する制御部208とを備えて構成され、これらの各種要素は第1のバス209、第2のバス210を介して相互に接続される。なお、図中、211は、第1のバス209と第2のバス210との間のデータの授受を行うためのバスコントローラである。
【0095】
ハードディスク装置202は、記憶部として機能するものであり、このハードディスク装置202には、端末装置2のオペレーティングシステム(OS)プログラム、文書作成ソフトウエア、プレゼンテーションソフトウエア、表計算ソフトウエア、図形作成ソフトウエア等の各種アプリケーションプログラムの他、このアプリケーションプログラムにより作製されるデータファイルが格納されている。また、上記アプリケーションプログラムとは別に、本実施形態におけるプロジェクタシステムS用の処理プログラムとしての画像共有プログラムが格納されている。
【0096】
なお、この画像共有プログラムは、例えば、通信経路4に接続されたサーバ(図示せず)から、インターフェイス203を介して、制御部208のハードディスク装置202にダウンロードされるようにしてもよく、又CD−ROM等の記録媒体に記録されてから記録媒体ドライブ(図示せず)を介して、制御部208のハードディスク装置202に読み込まれるようにしてもよい。
【0097】
インターフェイス203は、外部装置との通信を行うことができるUSBインターフェイスであり、端末装置2から画像データや画像操作命令等を取得したり、外部のコンピュータ装置と通信したりするときに制御部208によって用いられる。なお、インターフェイス203としてUSBインターフェイスに代えて、無線或いは有線のLANインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
【0098】
制御部208は、CPU,ROM,RAMなどを内蔵しており、CPUがハードディスク装置202に格納された画像共有プログラムを読み出して実行することによって、端末装置2を、送信処理部、仮想表示領域設定部等として機能させる。
【0099】
また、制御部208は、CPUがハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを読み出して実行することによって、画像生成処理部、編集処理部等として機能させる。
【0100】
制御部208のCPUは、ハードディスク装置202に記憶した各種アプリケーションプログラムを実行して画像生成処理部として機能し、データファイルに基づいた画像データを生成する。生成された画像データは、表示部としてのLCD200及びグラフィックスコントローラ201によって、当該画像データに基づく画像としてLCD200に表示される。
【0101】
制御部208は、インターフェイス203と共に送信処理部として機能することによって、仮想表示領域45にある画像30の画像データ及びカーソル5の位置座標と、仮想表示領域45のサイズとを通信経路4を介してプロジェクタ1へ送信する。
【0102】
画像データを送信する場合は、仮想表示領域45にある画像をキャプチャして得られるBMP(Bit Map)データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)データに変換する。このように、プロジェクタ1に送信する画像データを圧縮することにより、通信経路4への負荷を軽減させることができる。
【0103】
また、制御部208は、編集処理部として機能することにより、プロジェクタ1から画像操作命令を通信経路4を介して受信したとき、この画像操作命令から操作入力を再生し、この操作入力に応じてデータファイルを編集する。この画像操作命令の受信は、インターフェイス203により行われる。
【0104】
また、制御部208は、インターフェイス203と共に送信処理部として機能することにより、カーソル5が仮想表示領域45に位置している場合に、キーボード206又はマウス207により所定の操作が行われると、その操作に応じた画像操作命令をプロジェクタ1へ送信する。なお、ここで「操作」とは、自端末装置又は他の端末装置のアプリケーションで実行中のデータファイルを編集するための命令、もしくは、プロジェクタ1が投影している画像を指し示すカーソル5を表示又はその移動のための命令である。
【0105】
なお、制御部208は、キーボード206及びマウス207の操作に応じた処理を行う。例えば、制御部208は、端末装置2の使用者からのマウス207への操作に応じてカーソル5の座標位置を算出する。そして、カーソル5が仮想表示領域45に位置している場合には、当該算出されたカーソル5の座標位置は、画像操作命令として送信処理部によりプロジェクタ1へ送信される。
【0106】
また、仮想表示領域45は、制御部208のCPUがハードディスク装置202に記憶された画像共有プログラムを実行して仮想表示領域設定部として機能することで設定される。
【0107】
(リモコン装置3の構成について)
リモコン装置3は、カーソル5の位置座標を移動操作するためのものであり、図18に示すように、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示手段である表示装置301、電源スイッチ302、上下左右キーである十字キー303、決定キー304、赤外線通信部305などを備えている。
【0108】
(プロジェクタの具体的動作について)
次に、プロジェクタ1の具体的動作の一例について、図19〜図23を参照して説明する。図19は、本実施形態におけるプロジェクタ1のメイン処理フローチャートである。
【0109】
図19に示すように、プロジェクタ1の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、プロジェクタ1の制御部108は、接続処理を行う(ステップS100)。
【0110】
この接続処理は、プロジェクタ1が端末装置2と通信経路4を介して接続するための処理である。具体的には、プロジェクタ1の制御部108は、先ず、端末装置2から送信された接続要求信号を受信すると、接続情報管理テーブルを更新する。すなわち、制御部108は、接続情報管理テーブルに、プロジェクタ1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2のIPアドレス及び接続状態に関する情報を当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。次に、制御部108は、カーソル情報管理テーブルを更新する。すなわち、制御部108は、カーソル情報管理テーブルに、プロジェクタ1と新たに接続した端末装置2の欄を新たに設け、当該端末装置2に割り当てられたカーソル画像の画像ファイル名及びカーソル画像の位置情報を、当該端末装置2の名称と関連付けて記憶する。そして、制御部108は、接続処理が完了したことを端末装置2に対して通知して、接続処理を終了する。
【0111】
ステップS100の接続処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を行う(ステップS110)。この画像投影処理は、端末装置2から送信される情報に応じて画像属性情報管理テーブルやカーソル情報管理テーブルの更新等を行い、これらテーブルの情報に基づき、複数の端末装置2から取得した画像データ、及びカーソル画像の合成を行い、合成した画像データに基づく画像の投影を行うものである。この処理は、図20におけるステップS200〜S210までの処理であり、後述する。
【0112】
ステップS110の画像投影処理を終了すると、制御部108は、端末装置2から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS120)。この処理において、端末装置2から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS120:Yes)、制御部108は、操作命令振り分け処理を行う(ステップS130)。この操作命令振り分け処理は、端末装置2から受信した画像操作命令による操作対象となる画像の画像データを送信した端末装置2へ、この画像操作命令を送信するものである。この処理は、図21におけるステップS300〜S305までの処理であり、後述する。
【0113】
ステップS130の処理を終了したとき、或いはステップS120において、端末装置2から画像操作命令を受信していないとき(ステップS120:No)、制御部108は、電源がOFFされたか否かを判定し(ステップS140)、電源がOFFされていないとき(ステップS140:No)、処理をステップS100に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS140:Yes)、制御部108は、メイン処理を終了する。
【0114】
次に、ステップS110における画像投影処理について、図20を用いて具体的に説明する。図20は、本実施形態におけるプロジェクタ1の画像投影処理フローチャートである。
【0115】
図20に示すように、画像投影処理を開始すると、制御部108は、端末装置2から画像属性情報を受信したか否かを判定する(ステップS200)。この処理において、端末装置2から画像属性情報を受信したと判定すると(ステップS200:Yes)、制御部108は、受信した画像属性情報に基づいて、画像属性情報管理テーブルの更新を行う(ステップS201)。例えば、受信した画像属性情報が、画像の投影画像領域60への新規追加にしたことより送信されたものである場合、制御部108は、仮想表示領域45に新たに位置することとなった画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルに新たに追加し、さらに、当該画像の画像データの保存領域を確保する。また、制御部108は、画像属性情報管理テーブルで管理されている各画像の階層レベルの情報を更新する。すなわち、制御部108は、仮想表示領域45に新たに追加された画像の階層レベルを「1」とし、その他の画像については、現在割り当てられている階層レベルよりも一つ下の階層に順次繰り下げて更新される(例えば、階層レベルが「2」に設定されていた画像は、「3」に更新される)。仮想表示領域45に新たに追加された画像が最前面に表示されるようになるため、複数人による共同作業をスムーズに行うことができる。
【0116】
また、受信した画像属性情報が、画像を投影画像領域60から削除したことにより送信されたものである場合、制御部108は、削除対象となっている画像の画像属性情報を画像属性情報管理テーブルから削除するとともに、他の画像の階層レベルを更新する。
【0117】
ステップS201の処理を終了すると、制御部108は、画像30の画像データの送信を要求する画像データ要求信号を端末装置2に対して送信する(ステップS202)。
【0118】
次に、制御部108は、端末装置2から画像データを受信すると、当該受信した画像データの伸長を行う(ステップS203)。これは、後述するように、端末装置2から送信される画像データは、圧縮された状態で送信されるためである。
【0119】
次に、制御部108は、画像属性情報更新処理において確保した画像データの保存領域に受信した画像データを保存し(ステップS204)、当該画像データを指定された表示領域に貼り付ける(ステップS205)。次に、制御部108は、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの貼り付けが全てなされたか否かを判定する(ステップS206)。この処理において、当該画像データの貼り付けが全てなされたと判定すると(ステップS206:Yes)、制御部108は、処理をステップS210に移行し、当該画像データの貼り付けが全てなされていないとき(ステップS206:No)、処理をステップS202に移行する。すなわち、ステップS202〜S205までの処理は、各画像データごとに行われるものであり、ステップS205において、各画像データを表示領域に貼り付けていくことにより、各端末装置2の仮想表示領域45にある画像の画像データの合成が行われる。
【0120】
一方、ステップS200において、画像属性情報を受信していないとき(ステップS200:No)、制御部108は、端末装置2からカーソル情報を受信したか否かを判定する(ステップS207)。この判定において、端末装置2からカーソル情報を受信したと判定すると(ステップS207:Yes)、制御部108は、受信したカーソル情報に基づいてカーソル情報管理テーブルの情報を更新する(ステップS208)。そして、制御部108は、カーソル情報管理テーブルに記憶された情報に基づいて、カーソル5の画像データをプロジェクタ1の投影画像領域60に投影される画像の画像データと合成し(ステップS209)、処理をステップS210に移行する。
【0121】
ステップS210において、制御部108は、合成された画像データ(投影用画像データ)に基づく画像を画像投影部107より投影する。この処理を終了すると、制御部108は、画像投影処理を終了する。
【0122】
次に、ステップS130における操作命令振り分け処理について、図21を用いて具体的に説明する。図21は、本実施形態におけるプロジェクタ1の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0123】
図21に示すように、操作命令振り分け処理を開始すると、制御部108は、操作領域位置変更操作検出処理を行う(ステップS300)。この操作領域位置変更操作検出処理は、端末装置2やリモコン装置3により行われた操作領域の位置を変更する操作を検出し、当該操作に基づく操作領域46の移動量の算出を行うものである。この処理は、図22におけるステップS400〜S408までの処理であり、後述する。
【0124】
ステップS300の操作領域位置変更操作検出処理を終了すると、制御部108は、操作領域46の位置変更操作を検出したか否かを判定する(ステップS301)。この処理において、操作領域46の移動を検出したと判定すると(ステップS301:Yes)、制御部108は、処理をステップS302に移行する。
【0125】
ステップS302において、制御部108は、操作領域位置変更処理を行う。この操作領域位置変更処理は、操作領域位置変更操作検出処理により算出された操作領域46の移動量に基づいて、操作領域46の位置の変更を行うものである。この処理は、図23におけるステップS500〜S508までの処理であり、後述する。
【0126】
一方、ステップS301において、操作領域46の移動を検出していないとき(ステップS301:No)、制御部108は、カーソル情報管理テーブルを参照して、画像操作命令を送信した端末装置2のカーソルの位置情報を取得する(ステップS303)。次に、制御部108は、取得したカーソルの位置座標を含む画像データを画像属性情報管理テーブルを参照して特定することにより、当該画像データを送信した端末装置2(オーナーPC)を特定し(ステップS304)、特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS305)。
【0127】
ステップS302、ステップS305の処理を終了すると、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0128】
次に、ステップS300の操作領域位置変更操作検出処理について、図22を参照して具体的に説明する。図22は、本実施形態にかかる操作領域位置変更操作検出処理フローチャートである。
【0129】
図22に示すように、操作領域位置変更操作検出処理を開始すると、制御部108は、カーソル5が他の端末装置2の操作領域46の境界に位置しているか否かを判定する(ステップS400)。この判定は、制御部108が、カーソル情報管理テーブル及び仮想表示領域管理テーブルを参照して、カーソル5の投影画像領域60上における座標位置が当該カーソル5を操作する端末装置2以外の端末装置2の操作領域46の境界上に位置しているか否かにより判定するものである。この処理において、カーソル5が他の端末装置2の操作領域46の境界に位置していると判定すると(ステップS400:Yes)、制御部108は、処理をステップS402に移行する。一方、カーソル5が他の端末装置2の操作領域46の境界に位置していないとき(ステップS400:No)、制御部108は、処理をステップS401に移行する。
【0130】
ステップS401において、制御部108は、カーソル5が自己の仮想表示領域45の境界に位置しているか否かを判定する。この判定は、制御部108が、カーソル情報管理テーブル及び仮想表示領域管理テーブルを参照して、カーソル5の投影画像領域60上における座標位置が当該カーソル5を操作する端末装置2の操作領域46の境界上に位置しているか否かにより判定するものである。この処理において、カーソル5が自己の仮想表示領域45の境界に位置していると判定すると(ステップS401:Yes)、制御部108は、処理をステップS402に移行する。一方、カーソル5が自己の仮想表示領域45の境界に位置していないとき(ステップS401:No)、制御部108は、処理をステップS405に移行する。
【0131】
ステップS402において、制御部108は、境界にカーソル5が位置している操作領域46に枠47(図7参照)が表示されているか否かを判定する。この処理において、当該操作領域46に枠47が表示されていないとき(ステップS402:No)、制御部108は、当該操作領域46に枠47を表示する(ステップS403)。一方、当該操作領域46に枠47が表示されているとき(ステップS402:Yes)、処理をステップS404に移行する。
【0132】
ステップS404において、制御部108は、操作領域46の移動コマンドを受信したか否かを判定する。ここで、移動コマンドとは、(1)端末装置2のマウス207による自己の仮想表示領域45の座標内を超えてカーソル位置を移動しようとする操作、又は、(2)カーソル5が他の端末装置2の操作領域46の境界にあるときに当該カーソル5を操作する端末装置2のマウス207によるドラッグ操作を言う。この処理において、操作領域46の移動コマンドを受信したと判定すると(ステップS404:Yes)、制御部108は、処理をステップS408に移行する。なお、(1)の操作について、制御部108は、端末装置2から送信される画像操作命令に含まれるカーソル5の位置座標のうち、X座標又はY座標が所定回数以上同じ値であったとき、端末装置2のマウス207による自己の仮想表示領域45の座標内を超えてカーソル位置を移動しようとする操作であると判定するものとする。
【0133】
一方、ステップS401において、カーソル5が自己の仮想表示領域45の境界に位置していないとき(ステップS401:No)、制御部108は、操作領域46の境界に表示された枠47を非表示にする(ステップS405)。なお、この処理は、当該操作領域46に枠47が表示されていない場合は行われない。
【0134】
ステップS405の処理を終えると、制御部108は、端末装置2又はリモコン装置3から操作領域46の位置を変更するための操作情報(すなわち、「操作コマンド」)を受信したか否かを判定する(ステップS406)。この判定は、(1)例えば、キーボード206のCtrlキーを押下した状態で十字キーのうちの何れかを押下する操作を受信したか否か、或いは、(2)リモコン装置3から操作領域46の位置を変更するコマンドを受信したか否か、によりなされるものである。この処理において、端末装置2又はリモコン装置3から操作コマンドを受信したと判定すると(ステップS406:Yes)、制御部108は、処理をステップS408に移行する。一方、端末装置2又はリモコン装置3から操作コマンドを受信していないとき(ステップS406:No)、制御部108は、処理をステップS407に移行する。
【0135】
ステップS407において、制御部108は、他の端末装置2から送信された画像データに基づく画像への移動要求を受信したか否かを判定する。この判定は、端末装置2のマウス207により、他の端末装置2の保有する画像データに基づく画像をクリックする操作が行われたか否かによりなされるものである。この処理において、当該移動要求を受信したと判定すると(ステップS407:Yes)、制御部108は、処理をステップS408に移行する。
【0136】
ステップS408において、制御部108は、端末装置2から受信した移動コマンド、操作コマンド、移動要求、或いは、リモコン装置3から受信した操作コマンドに基づいて、操作領域46の移動量の算出を行う。
【0137】
具体的には、端末装置2から自己の操作領域46の位置を変更するための移動コマンドを受信した場合、(ステップS404:Yesの場合)、制御部108は、端末装置2からX座標又はY座標の値が同じ値であるカーソル5の位置情報が送信されている間だけ、当該カーソル5の位置座標の変化に応じた操作領域46の移動量を算出する(すなわち、図15に示す仮想表示領域管理テーブルの「投影画像領域上の位置」の情報を変更する)。また、端末装置2から他の端末装置2の操作領域46の位置を変更するための移動コマンドを受信した場合、(ステップS404:Yesの場合)、当該端末装置2から送信されるカーソル5の位置座標の変化に応じた操作領域46の移動量を算出する。
【0138】
また、端末装置2又はリモコン装置3から操作コマンドを受信した場合(ステップS406:Yesの場合)、リモコン装置3の十字キー303或いは当該端末装置2のキーボード206の十字キーが押下された回数、又は、押下されている時間に応じて操作領域46の移動量を算出する。
【0139】
また、端末装置2から他の端末装置2から送信された画像への移動要求を受信した場合(ステップS407:Yesの場合)、当該画像の右上部と操作領域46の右上部とが一致するように操作領域46の移動量を算出する。
【0140】
ステップS407において、他の端末装置2から送信された画像データに基づく画像への移動要求を受信していないとき(ステップS407:No)、或は、ステップS403、S408の処理を終了したとき、制御部108は、操作領域位置変更操作検出処理を終了する。
【0141】
次に、ステップS302の操作領域位置変更処理について、図23を参照して具体的に説明する。図23は、本実施形態にかかるプロジェクタ1の操作領域位置変更処理フローチャートである。
【0142】
図23に示すように、操作領域位置変更処理を開始すると、制御部108は、位置変更後の操作領域46が投影画像領域60内にあるか否かを判定する(ステップS500)。この処理において、位置変更後の操作領域46が投影画像領域60内にないとき(ステップS500:No)、制御部108は、投影画像領域60の境界と操作領域46の境界とが一致するよう、当該操作領域46の移動量を算出し直し(ステップS501)、処理をステップS502へ移行する。一方、位置変更後の操作領域46が投影画像領域60内にあると判定すると(ステップS500:Yes)、制御部108は、処理をステップS502に移行する。
【0143】
ステップS502において、制御部108は、操作領域位置変更操作検出処理において算出された操作領域46の移動量に基づき、仮想表示領域管理テーブルの更新を行う。例えば、操作領域46の移動量が(X,Y)=(100,100)であった場合、制御部108は、仮想表示領域管理テーブルの「投影画像領域上の位置」の欄に記憶されている座標情報に(100,100)を足すことにより、仮想表示領域管理テーブルの更新を行う。
【0144】
次に、制御部108は、仮想表示領域45にある画像のウィンドウID及びカーソル5の位置情報を取得し(ステップS503)、当該画像及びカーソル5の投影画像領域60上の位置を更新する(ステップS504)。
【0145】
次に、制御部108は、画像と操作領域46とを一致させる操作がなされたか否かを判定する(ステップS505)。この判定は、図22のステップS407において、他の端末装置2から送信された画像への移動要求を受信したか否かによりなされるものである。この処理において、画像と操作領域46とを一致させる操作がなされたと判定すると(ステップS505:Yes)、制御部108は、カーソル情報管理テーブルに記憶されている仮想表示領域45上のカーソル5の位置座標を更新し(ステップS506)、端末装置2に対して当該更新したカーソル5の位置座標を通知する(ステップS507)。
【0146】
一方、ステップS505において、画像と操作領域46とを一致させる操作がなされていないとき(ステップS505:No)、制御部108は、カーソル情報管理テーブルに記憶されているカーソル5の投影画像領域60上の位置座標の情報を更新する(ステップS508)。この処理を終了したとき、或いは、ステップS507の処理を終了したとき、制御部108は、操作領域位置変更処理を終了する。
【0147】
(端末装置の具体的動作について)
次に、端末装置2の具体的動作の一例について、図24を参照して説明する。図24は、本実施形態における端末装置2のメイン処理フローチャートである。
【0148】
図24に示すように、端末装置2の電源スイッチ(図示せず)が押下されたとき、端末装置2の制御部208は、接続処理を行う(ステップS1000)。この接続処理は、プロジェクタ1と通信経路4を介して接続するための処理である。すなわち、制御部208は、プロジェクタ1に対して自端末装置のIPアドレスの情報を含んだ接続要求信号を送信し、プロジェクタ1から接続完了通知を受信すると接続処理を終了する。
【0149】
ステップS1000における接続処理が終了すると、制御部208は、画像属性情報が更新されたか否かを判定する(ステップS1001)。この判定は、使用者のマウス207等による操作によって、LCD200の表示領域にある画像30を仮想表示領域45に移動させる操作がなされたか否か(仮想表示領域45に画像30が新たに追加されたか否か)、仮想表示領域45にある画像30が移動又は削除されたか否か、或いは、仮想表示領域45にある画像30の位置やサイズが変更されたか否かにより判定される。この判定において、画像属性情報が更新されたと判定すると(ステップS1001:Yes)、制御部208は、当該更新された情報に基づき画像属性情報を生成し、当該画像属性情報を通信経路4を介してプロジェクタ1に送信する(ステップS1002)。すなわち、仮想表示領域45に新たに画像が追加された場合は、追加された画像の画像属性情報のうち、当該画像のウィンドウID、位置情報、サイズ情報、画像データのファイル名の情報、及び画像属性情報の追加フラグデータを含む画像属性情報通知データを作成し、プロジェクタ1に送信する。また、仮想表示領域45にある画像が仮想表示領域45外に移動されたとき、或いは削除されたときは、移動、或いは削除された画像のウィンドウID、及び画像属性情報の削除フラグデータを含む画像属性情報通知データを作成し、プロジェクタ1に送信する。また、仮想表示領域45にある画像30の位置やサイズが変更されたときは、当該変更された画像30の画像属性情報を含む画像属性情報通知データを作成し、プロジェクタ1に送信する。
【0150】
ステップS1001において、画像属性情報が更新されていないとき(ステップS1001:No)、制御部208は、カーソル5の移動操作が行われたか否かを判定する(ステップS1003)。この処理において、カーソル5の移動操作が行われたと判定すると(ステップS1003:Yes)、制御部208は、当該カーソル5の移動操作に基づきプロジェクタ1に対してカーソル情報を送信する(ステップS1004)。
【0151】
ステップS1002、S1004の処理が終了したとき、或いは、ステップS1003において、カーソル5の移動操作が行われていないとき(ステップS1003:No)、制御部208は、キーボード206或いはマウス207によってプロジェクタ1で投影されている画像に対して操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS1005)。この処理において、操作入力が行われたと判定すると(ステップS1005:Yes)、制御部208は、この操作入力に基づく操作入力情報及びカーソル5の位置情報を取得し、これらの情報に基づき画像操作命令を作成する(ステップS1006)。そして、制御部208は、作成した画像操作命令をプロジェクタ1に対して通信経路4を介して送信する(ステップS1007)。
【0152】
ステップS1007の処理が終了したとき、或いは、ステップS1005において、操作入力が行われていないとき(ステップS1005:No)、制御部208は、プロジェクタ1から仮想表示領域45にある画像の画像データの送信要求があったか否かを判定する(ステップS1008)。この判定は、プロジェクタ1から、画像データ送信要求信号を受信したか否かにより判定される。この処理において、画像データの送信要求があったと判定すると(ステップS1008:Yes)、制御部208は、受信した画像データ送信要求に基づき、仮想表示領域45にある画像の画像データをプロジェクタ1に対して通信経路4を介して送信する(ステップS1009)。
【0153】
ステップS1009の処理が終了したとき、或いは、ステップS1008において、プロジェクタ1から仮想表示領域45にある画像の画像データの送信要求がないとき(ステップS1008:No)、制御部208は、プロジェクタ1から画像操作命令を受信したか否かを判定する(ステップS1010)。この処理において、プロジェクタ1から画像操作命令を受信したと判定すると(ステップS1010:Yes)、制御部208は、受信した画像操作命令を再生することにより、操作の対象となるデータファイルに応じたアプリケーションプログラムに対して、当該画像操作命令に基づく編集操作を実行させる(ステップS1011)。
【0154】
ステップS1011の処理を終えたとき、或いは、ステップS1010において、制御部208は、プロジェクタ1から画像操作命令を受信していないとき(ステップS1010:No)、制御部208は、プロジェクタ1との接続状態が解除されたか否かを判定する(ステップS1012)。この処理において、プロジェクタ1との接続状態が解除されていないと判定すると(ステップS1012:No)、制御部208は、処理をステップS1001に移行する。一方、プロジェクタ1との接続状態が解除されたと判定すると(ステップS1012:Yes)、制御部208は、メイン処理を終了する。
【0155】
(他の実施形態について)
上記実施形態においては、画像領域割当部により、投影画像領域60上に割り当てられる操作領域46と同じ場所に、仮想表示領域45にある画像を表示する画像領域を割り当てるとともに、画像領域位置変更部により、操作領域46の位置の変更に伴って画像領域の投影画像領域60における位置を変更することとしたが、これに代えて、操作領域46の位置を画像領域の位置とは無関係に変更することとしてもよい。
【0156】
すなわち、かかる構成とした場合、例えば、図25(a)に示すように、端末装置2aの利用者が、操作部23としてのマウスを用いて、カーソル5aを仮想表示領域45a外である投影画像領域60の右端(破線矢印が示す方向)に移動させる操作を行い、図25(b)に示すように、操作領域46aの位置が変更された場合であっても、当該端末装置2aの仮想表示領域45aにある画像30aの投影画像領域60上の位置は変更されないこととなる。
【0157】
かかる構成とすることにより、操作領域46の位置が変更されたとしても投影画像領域60にある各画像の全体的な配置関係は変化しないため、当該プロジェクタシステムを用いた会議等をより円滑に行うことができる。
【0158】
かかる場合、プロジェクタ1は、画像領域割当部と画像領域位置変更部とを有しない構成とすれば良く、また、プロジェクタ1の操作命令振り分け処理及び操作領域位置変更処理を以下のように変更すればよい。なお、上記実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すこととし、その説明を省略することとする。
【0159】
先ず、本実施形態にかかるプロジェクタ1の操作命令振り分け処理について、図26を用いて具体的に説明する。図26は本実施形態にかかるプロジェクタ1の操作命令振り分け処理フローチャートである。
【0160】
図26に示すように、本実施形態にかかる操作命令振り分け処理において、ステップS700〜S704までの処理は、図21のステップS300〜S304までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0161】
ステップS705において、制御部108は、受信した画像操作命令が自己の保有する画像データに基づく画像を操作するためのものであるか否かを判定する。この処理において、受信した画像操作命令が自己の保有する画像データに基づく画像を操作するためのものであると判定すると(ステップS705:Yes)、制御部108は、処理をステップS706に移行する。
【0162】
ステップS706において、制御部108は、自己の保有する画像データに基づく画像に対して特定操作がなされたか否かを判定する。ここで、特定操作とは、画像領域と操作領域46とを一致させるためになされる操作であり、本実施形態では、カーソル5が自己の保有する画像データに基づく画像上にある状態でのマウス207によるダブルクリック操作である。この処理において、自己の保有する画像データに基づく画像に対して特定操作がなされたと判定すると(ステップS706:Yes)、制御部108は、当該画像の仮想表示領域45上における位置座標を算出し(ステップS707)、算出された位置座標と画像属性情報管理テーブルに記憶された当該画像の仮想表示領域45上の位置座標との差を算出する(ステップS708)。
【0163】
そして、制御部108は、ステップS708で算出した位置座標の差分に基づいて、仮想表示領域管理テーブルに記憶された「投影画像領域上の位置」に関する情報を更新し(ステップS709)、端末装置2に対して画像の移動量を通知するステップS710)。
【0164】
一方、ステップS705において、受信した画像操作命令が自己の保有する画像データに基づく画像を操作するためのものでないとき(ステップS705:No)、或いは、ステップS706において、自己の保有する画像データに基づく画像に対して特定操作がなされていないとき(ステップS706:No)、制御部108は、ステップS704において特定した端末装置2に対して画像操作命令を送信する(ステップS711)。
【0165】
ステップS702、S710、S711の処理が終了したとき、制御部108は、操作命令振り分け処理を終了する。
【0166】
また、本実施形態における操作領域位置変更処理は、図27に示すように、図23におけるステップS503及びステップS504の処理を省略したものである。その他の処理は、図23における操作領域位置変更処理と同一であるため、その説明を省略する。
【0167】
以上、本発明の実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0168】
例えば、本実施形態では、操作領域割当部及び操作領域位置変更部をプロジェクタ1が有することとしたが、これに限らず、端末装置2が有することとしてもよい。かかる場合、各端末装置2の制御部208は、自己の仮想表示領域45の投影画像領域60上での位置座標(X1,Y1)をそれぞれ管理し、各端末装置2やリモコン装置3からプロジェクタ1を介して送信される画像操作命令(移動コマンドや操作コマンド等)に基づいて、自己の仮想表示領域45の投影画像領域60上での位置座標(X1,Y1)を変更することとすればよい。
【0169】
また、カーソル5が操作領域46の境界に位置したときに当該境界部分に表示される枠47は、当該カーソル5が自己の端末装置2が操作するカーソル5であるか、又は、他の端末装置2が操作するカーソル5であるかによって、表示方法(例えば、色や模様等)を変更させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本実施形態におけるプロジェクタシステムの全体的なシステム構成を示す図である。
【図2】本実施形態におけるプロジェクタシステムに用いられるプロジェクタの概略構成図である。
【図3】本実施形態におけるプロジェクタシステムに用いられる端末装置の概略構成図である。
【図4】操作領域位置変更部によって操作領域の位置が変更された状態を示す図である
【図5】端末装置に設けられたキーボード或いはリモコン装置による操作に応じて操作領域が移動する様子を示した図である。
【図6】端末装置に設けられたマウスの移動操作に応じて操作領域が移動する様子を示した図である。
【図7】端末装置に設けられたマウスの操作により他の端末装置の操作領域を移動させる様子を示した図である。
【図8】本実施形態におけるプロジェクタの構成図である。
【図9】本実施形態におけるプロジェクタに記憶される画像属性情報管理テーブルの一例を示す図である。
【図10】本実施形態における端末装置の仮想表示領域に規定された座標を説明するための図である。
【図11】本実施形態における端末装置の仮想表示領域に規定された座標を説明するための図である。
【図12】本実施形態におけるプロジェクタの投影画像領域に規定された座標を説明するための図である。
【図13】本実施形態におけるプロジェクタに記憶される接続情報管理テーブルの一例である。
【図14】本実施形態におけるプロジェクタに記憶されるカーソル情報管理テーブルの一例である。
【図15】本実施形態におけるプロジェクタに記憶される仮想表示領域管理テーブルの一例である。
【図16】投影画像領域にある画像と操作領域とを一致させる操作が行われた際の、当該操作領域の位置が変更される様子を示した図である。
【図17】本実施形態における端末装置の構成図である。
【図18】本実施形態におけるリモコン装置の構成図である。
【図19】本実施形態におけるプロジェクタのメイン処理フローチャートである。
【図20】本実施形態におけるプロジェクタの画像投影処理フローチャートである。
【図21】本実施形態におけるプロジェクタの操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図22】本実施形態にかかるプロジェクタの操作領域位置変更操作検出処理フローチャートである。
【図23】本実施形態にかかるプロジェクタの操作領域位置変更処理フローチャートである。
【図24】本実施形態における端末装置のメイン処理フローチャートである。
【図25】他の実施形態における操作領域の位置変更の様子を示す図である。
【図26】他の実施形態におけるプロジェクタの操作命令振り分け処理フローチャートである。
【図27】他の実施形態におけるプロジェクタの操作領域位置変更処理フローチャートである。
【図28】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
S プロジェクタシステム
1 プロジェクタ
2 端末装置
3 リモコン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部とこの表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部とを有する複数の端末装置と、
これら複数の端末装置から通信経路を介して各前記仮想表示領域にある画像の画像データを取得し、これらの画像データを合成して生成した画像を投影するプロジェクタと、を備えたプロジェクタシステムにおいて、
前記プロジェクタの投影画像領域上に、各前記端末装置から操作可能な操作領域を、各前記端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて前記端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、
前記操作領域割当部により割り当てられた操作領域の前記投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を有する
ことを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項2】
表示部とこの表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部と複数の端末装置と、
これら複数の端末装置から通信経路を介して各前記仮想表示領域にある画像の画像データを取得し、この画像データに基づいた画像を合成して投影するプロジェクタと、を備えたプロジェクタシステムにおいて、
前記端末装置は、
前記仮想表示領域にある画像の画像データと前記仮想表示領域のサイズと前記操作の情報とを前記通信経路を介して前記プロジェクタへ送信する送信処理部を有し、
前記プロジェクタは、
前記複数の端末装置の仮想表示領域にある画像の画像データと前記仮想表示領域のサイズと前記操作の情報とを前記通信経路を介して受信する受信処理部と、
前記プロジェクタの投影画像領域上に、各前記端末装置から操作可能な操作領域を、各前記端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて前記端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、
各前記端末装置の仮想表示領域にある画像の画像データを合成することにより投影用画像データを生成する画像生成部と、
前記画像生成部で生成した投影用画像データに基づいた画像を投影する画像投影部と、
前記操作領域割当部により割り当てられた操作領域の前記投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を有する
ことを特徴とするプロジェクタシステム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記操作領域の位置を変更するための操作部を備え、
前記操作領域位置変更部は、
前記操作部への操作に応じて前記操作領域の位置を変更する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタシステム。
【請求項4】
前記操作部は、前記仮想表示領域にあるカーソルの位置座標を移動操作するためのものであり、
前記操作領域位置変更部は、
前記操作部が前記仮想表示領域の座標内を超えて前記カーソル位置を移動しようとする操作を検出すると、その操作に応じて前記操作領域の位置を変更する
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクタシステム。
【請求項5】
前記操作部は、ポインティングデバイス又はキーボードであることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のプロジェクタシステム。
【請求項6】
前記カーソルの位置座標を移動操作するためのリモコン装置を備え、
前記操作領域位置変更部は、
前記リモコン装置が前記仮想表示領域の座標内を超えて前記カーソル位置を移動しようとする操作を検出すると、その操作に応じて前記操作領域の位置を変更する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロジェクタシステム。
【請求項7】
前記操作領域割当部により前記投影画像領域上に割り当てられる操作領域と同じ場所に、前記仮想表示領域にある画像を表示する画像領域を割り当てる画像領域割当部と、
前記操作領域位置変更部による前記操作領域の位置の変更に伴って前記画像領域の前記投影画像領域における位置を変更する画像領域位置変更部と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタシステム。
【請求項8】
表示部とこの表示部の表示領域に隣接した仮想表示領域を設定する仮想表示領域設定部とを有する複数の端末装置から通信経路を介して各前記仮想表示領域にある画像の画像データを取得し、これらの画像データを合成して生成した画像を投影するプロジェクタにおいて、
前記プロジェクタの投影画像領域上に、各前記端末装置から操作可能な操作領域を、各前記端末装置の仮想表示領域のサイズに応じて前記端末装置ごとに割り当てる操作領域割当部と、
前記操作領域割当部により割り当てられた操作領域の前記投影画像領域上の位置を変更する操作領域位置変更部と、を備えた

ことを特徴とするプロジェクタ。

【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図26】
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【図27】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図24】
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【図25】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−186827(P2009−186827A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27833(P2008−27833)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】