説明

プロジェクター、投写システム、プログラムおよび情報記憶媒体

【課題】視聴覚効果が付与された撮像画像をより簡易に投写することが可能なプロジェクター等を提供すること。
【解決手段】プロジェクター100が、撮像対象物の撮像画像および前記撮像画像に付与すべき視聴覚効果を示すコード画像を示す撮像情報を取得する取得部110と、前記コード画像に基づき、前記視聴覚効果を判定する制御部120と、前記視聴覚効果に応じて前記撮像画像を含む画像を生成する画像生成部130を含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター、投写システム、プログラムおよび情報記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2000−115603号公報に記載されているように、書画カメラが撮像対象物を撮像して撮像画像を生成し、プロジェクターが当該撮像画像を投写する投写システムが提供されている。例えば、学校では、先生が印刷資料を書画カメラの台に置き、プロジェクターを用いて印刷資料の撮像画像を拡大して投写している。
【特許文献1】特開2000−115603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような場合、撮像画像にアニメーション効果(動画像による演出効果)を加えるためには、先生は、撮像画像を一旦PC(Personal Computer)に取り込んでPCで編集した後、編集画像をプロジェクターで投写する必要があり、手間がかかっていた。また、ボタンを押してアニメーション効果等を画像に付与する手法も考えられるが、多彩な効果を付与するためにはボタンの数も多くなる上、操作も複雑になってしまう。さらに、近年、PCを用いないPCレスプレゼンテーションも行われるようになってきており、PCを用いないで、プロジェクターだけで撮像画像に視聴覚効果を付与する技術が求められている。
【0004】
本発明の目的は、視聴覚効果が付与された撮像画像をより簡易に投写することが可能なプロジェクター、投写システム、プログラムおよび情報記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクターは、撮像対象物の撮像画像および前記撮像画像に付与すべき視聴覚効果を示すコード画像を示す撮像情報を取得する取得部と、前記コード画像に基づき、前記視聴覚効果を判定する制御部と、前記視聴覚効果に応じて前記撮像画像を含む画像を生成する前記画像生成部と、を含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る投写システムは、上記プロジェクターと、書画カメラと、を含む投写システムであって、前記書画カメラは、前記撮像対象物および前記コード画像を撮像して前記撮像情報を生成する撮像部と、前記撮像情報を前記プロジェクターに出力する出力部と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、取得部を制御するプロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、前記コンピューターを、撮像対象物の撮像画像および前記撮像画像に付与すべき視聴覚効果を示すコード画像を示す撮像情報を前記取得部に取得させる取得制御部と、前記コード画像に基づき、前記視聴覚効果を判定する制御部と、前記視聴覚効果に応じて前記撮像画像を含む画像を生成する前記画像生成部として機能させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、取得部を制御するプロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶したことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、プロジェクター等は、コード画像に基づいて視聴覚効果を判定し、当該視聴覚効果に応じて画像を生成することができるため、視聴覚効果が付与された撮像画像をより簡易に投写することができる。
【0010】
また、前記プロジェクターは、前記視聴覚効果に応じて音声を生成する音声生成部を含んでもよい。
【0011】
これによれば、プロジェクター等は、視聴覚効果に応じて画像に合わせて音声を出力することができる。
【0012】
また、前記取得部は、前記視聴覚効果を除去する効果除去情報を取得し、前記制御部は、前記効果除去情報に応じて前記視聴覚効果を除去する制御を行ってもよい。
【0013】
これによれば、プロジェクターは、一旦付与した視聴覚効果を除去することができるため、プレゼンテーション効果を高めることができる。
【0014】
また、前記取得部は、書画カメラから前記撮像情報を取得してもよい。
【0015】
これによれば、プロジェクターは、書画カメラと接続された状態で、書画カメラの撮像画像に視聴覚効果を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明をプロジェクターに適用した実施例について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施例は、特許請求の範囲に記載された発明の内容を何ら限定するものではない。また、以下の実施例に示す構成のすべてが、特許請求の範囲に記載された発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0017】
(第1の実施例)
本実施例では、投写システムである書画カメラおよびプロジェクターがUSBケーブルで接続され、プロジェクターが書画カメラによる撮像画像を投写する。書画カメラは、通常の撮像画像だけでなく、2次元コードの印刷されたコード用紙を撮像する。プロジェクターは、当該2次元コードの内容に応じて撮像画像の一部を隠したり、撮像画像にアニメーション効果を付与したりする機能を有する。次に、このような機能を有するプロジェクターと書画カメラの機能ブロックについて説明する。
【0018】
図1は、第1の実施例におけるプロジェクター100と書画カメラ200の機能ブロック図である。書画カメラ200は、複数の操作ボタンを含む操作部210と、撮像部220と、撮像情報をプロジェクター100に出力する出力部230を含んで構成されている。
【0019】
プロジェクター100は、撮像情報を取得する取得部110と、撮像情報に含まれる2次元コードの内容に応じた制御等を行う制御部120と、画像生成部130と、投写部140と、記憶部150と、音声生成部160と、音声出力部170を含んで構成されている。また、記憶部150は、画像データ151、音声データ152、撮像データ153、一時表示データ154、付与される効果の内容を示す効果付与データ155等を記憶している。
【0020】
なお、プロジェクター100および書画カメラ200は、これらの各部の機能を、以下のハードウェアを用いて実装してもよい。例えば、プロジェクター100および書画カメラ200は、取得部110、出力部230はUSBインターフェイス等、制御部120はCPU等、画像生成部130は画像処理回路等、投写部140はランプ、液晶パネル、液晶駆動回路、レンズ等、記憶部150はRAM等、音声生成部160は音声処理回路等、音声出力部170はスピーカー等、操作部210は操作ボタン等、撮像部220はCCDカメラ等を用いて実装してもよい。
【0021】
また、プロジェクター100は、制御部120等の機能を情報記憶媒体300に記憶されたプログラムを読み取って実装してもよい。このような情報記憶媒体300としては、例えば、CD−ROM、DVD−ROM、ROM、RAM、HDD等を適用できる。
【0022】
次に、これらの各部を用いた画像の投写手順について説明する。図2は、第1の実施例における用紙400の一例を示す図である。また、図3は、第1の実施例におけるコード用紙410の一例を示す図である。また、図4は、第1の実施例における画像420の一例を示す図である。また、図5は、第1の実施例における書画カメラ200での処理の流れを示すフローチャートである。また、図6は、第1の実施例におけるプロジェクター100での処理の流れを示すフローチャートである。
【0023】
例えば、先生が、書画カメラ200とプロジェクター100を用いて問題を示す画像を投写した後、解答を示す画像を投写するものとする。このような場合、本実施例では以下の処理が実行される。
【0024】
通常の場合、先生は、書画カメラ200の台に用紙を置き、撮像部220は当該用紙を撮像して撮像画像を示す撮像情報を生成し、出力部230は当該撮像情報をプロジェクター100に出力する。制御部120は、当該撮像情報を撮像データ153として記憶部150に記憶し、画像生成部130は撮像データ153に基づいて撮像画像を生成し、投写部140は当該撮像画像を投写する。
【0025】
視聴覚効果を付与する場合、先生は、書画カメラ200の一時停止ボタンを押す。出力部230は、操作部210で一時停止ボタンが押された場合、一時停止情報をプロジェクター100に出力する(ステップS1)。
【0026】
プロジェクター100の制御部120は、取得部110が一時停止情報を取得したかどうかを判定する(ステップP1)。取得部110が一時停止情報を取得した場合、制御部120は、現在の撮像データ153を一時表示データ154として生成し、画像生成部130は一時表示データ154に基づく画像を生成し、投写部140は当該画像を投写する(ステップP2)。これにより、プロジェクター100に入力される(プロジェクター100が取得する)撮像情報とは関係なく、元の撮像画像が一時的に投写され続けることになる。
【0027】
先生は、書画カメラ200の台に撮像対象物として用紙400を置く。用紙400には問題と3つの選択肢が印刷されている。先生は、用紙400を置いた状態で書画カメラ200のスキャンボタンを押す。スキャンボタンが押された場合、撮像部220は、用紙400を撮像して撮像画像を示す撮像情報を生成し、出力部230は、スキャンボタンが押されたことを示す情報および撮像情報を含むスキャン情報をプロジェクター100に出力する(ステップS2)。
【0028】
プロジェクター100の制御部120は、取得部110がスキャン情報を取得したかどうかを判定する(ステップP3)。取得部110がスキャン情報を取得した場合、制御部120は、スキャン情報に含まれる撮像情報に基づき、撮像データ153を更新する(ステップP4)。これにより、撮像データ153が用紙400の撮像画像を示すデータに更新される。
【0029】
先生は、書画カメラ200の表示開始ボタンを押す。表示開始ボタンが押された場合、出力部230は、表示開始情報をプロジェクター100に出力する(ステップS3)。
【0030】
プロジェクター100の制御部120は、取得部110が表示開始情報を取得したかどうかを判定する(ステップP7)。取得部110が表示開始情報を取得した場合、画像生成部130は、撮像データ153と、効果付与データ155に基づき、画像を生成し、投写部140は当該画像を投写する(ステップP8)。なお、この場合、効果付与データ155は初期状態のままなので、視聴覚効果は付与されず、用紙400の撮像画像がそのまま投写される。
【0031】
次に、先生は、書画カメラ200の台に付与すべき視聴覚効果を示す2次元コードが印刷されたコード用紙410を置く。先生は、コード用紙410を置いた状態で書画カメラ200の効果付与ボタンを押す。効果付与ボタンが押された場合、撮像部220は、コード用紙410を撮像して撮像情報を生成し、出力部230は、効果付与ボタンが押されたことを示す情報および撮像情報を含む効果付与情報をプロジェクター100に出力する(ステップS4)。
【0032】
プロジェクター100の制御部120は、取得部110が効果付与情報を取得したかどうかを判定する(ステップP5)。取得部110が効果付与情報を取得した場合、制御部120は、効果付与情報に基づき、効果付与データ155を更新する(ステップP6)。
【0033】
ここでは、例えば、2次元コードは、背景色と同じ色の矩形を追加するものであり、当該矩形の種別、左上座標位置、幅、高さを示すものである。具体的には、例えば、2次元コードは「1,0,121,640,120 1,0,361,640,120」である。すなわち、この2次元コードは、種別が1、左上座標位置が(0,121)、幅が640、高さが120を示すコードと、種別が1、左上座標位置が(0,361)、幅が640、高さが120を示すコードで構成されている。なお、画像420は横640画素、縦480画素である。
【0034】
先生は、再び書画カメラ200の表示開始ボタンを押す。表示開始ボタンが押された場合、出力部230は、表示開始情報をプロジェクター100に出力する(ステップS5)。
【0035】
プロジェクター100の制御部120は、取得部110が表示開始情報を取得したかどうかを判定する(ステップP7)。取得部110が表示開始情報を取得した場合、画像生成部130は、撮像データ153と、効果付与データ155に基づき、画像を生成し、投写部140は当該画像を投写する(ステップP8)。なお、この場合、効果付与データ155は更新されており、視聴覚効果が付与されることにより、画像の上から2/4の部分と4/4の部分が背景色で塗り潰され、画像420が投写される。これにより、問題に対する解答が表示される。
【0036】
解答表示後、先生は、書画カメラ200のクリアーボタンを押す。クリアーボタンが押された場合、出力部230は、クリアー情報をプロジェクター100に出力する(ステップS6)。
【0037】
プロジェクター100の制御部120は、取得部110がクリアー情報を取得したかどうかを判定する(ステップP9)。取得部110がクリアー情報を取得した場合、画像生成部130は、撮像データ153と、効果付与データ155をクリアー(初期化)する(ステップP10)。
【0038】
プロジェクター100は、終了指示が行われたかどうかを判定し(ステップP11)、終了指示が行われなかった場合、処理(ステップP1〜P11)を続行し、終了指示が行われた場合、当該処理を終了する。
【0039】
以上のように、プロジェクター100は、コード用紙410の撮像画像に基づいて視聴覚効果を判定し、当該視聴覚効果に応じて画像を生成することができるため、視聴覚効果が付与された画像420をより簡易に投写することができる。
【0040】
また、本実施例によれば、プロジェクター100は、書画カメラ200と接続された状態で、書画カメラ200の撮像画像に視聴覚効果を付与することができる。特に、プロジェクター100は、PCを用いることなく、視聴覚効果を付与することができるため、ユーザーは、快適にPCレスプレゼンテーションを行うことができる。
【0041】
(第2の実施例)
第1の実施例では、プロジェクター100は、画像を追加することによって解答を示したが、画像を除去することによって解答を示してもよい。
【0042】
図7は、第2の実施例における用紙401の一例を示す図である。また、図8は、第2の実施例におけるコード用紙411の一例を示す図である。また、図9は、第2の実施例における画像421の一例を示す図である。また、図10は、第2の実施例における書画カメラ200での処理の流れを示すフローチャートである。また、図11は、第2の実施例におけるプロジェクター100での処理の流れを示すフローチャートである。
【0043】
先生は、書画カメラ200の一時停止ボタンを押し、出力部230は、一時停止情報をプロジェクター100に出力する(ステップS11)。そして、先生は、書画カメラ200の台に撮像対象物として用紙401を置く。用紙401には上半分に問題が印刷され、下半分に解答が印刷されている。先生は、用紙401を置いた状態で書画カメラ200のスキャンボタンを押す。出力部230は、スキャン情報をプロジェクター100に出力する(ステップS12)。
【0044】
先生は、書画カメラ200の台に付与すべき視聴覚効果を示す2次元コードが印刷されたコード用紙411を置く。先生は、コード用紙411を置いた状態で書画カメラ200の効果付与ボタンを押す。撮像部220は撮像し、出力部230は、効果付与情報をプロジェクター100に出力する(ステップS13)。なお、この2次元コードは、画像の下半分を背景色で塗り潰すことを示す。
【0045】
先生は、書画カメラ200の表示開始ボタンを押し、出力部230は、表示開始情報をプロジェクター100に出力する(ステップS14)。これにより、用紙401の下半分が隠された画像421が表示され、プロジェクター100は、問題のみを表示することができる。
【0046】
解答を表示したい場合、先生は、書画カメラ200の効果除去ボタンを押し、出力部230は、効果除去情報をプロジェクター100に出力する(ステップS15)。制御部120は、取得部110が効果除去情報を取得したかどうかを判定する(ステップP12)。取得部110が効果除去情報を取得した場合、制御部120は、効果付与データ155を更新し(ステップP13)、付与された視聴覚効果を除去する。制御部120は、新しく付与されたものから1つずつ視聴覚効果を除去してもよいし、すべての視聴覚効果を一度に除去してもよい。
【0047】
なお、プロジェクター100におけるステップP12、P13以外の処理は第1の実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0048】
プロジェクター100は、視聴覚効果を除去することにより、用紙401と同様の画像を投写する。これにより、プロジェクター100は、問題と解答を表示することができる。
【0049】
解答表示後、先生は、書画カメラ200のクリアーボタンを押す。クリアーボタンが押された場合、出力部230は、クリアー情報をプロジェクター100に出力する(ステップS16)。
【0050】
以上のように、プロジェクター100は、視聴覚効果を除去して解答を表示することも可能である。また、本実施例によれば、プロジェクター100は、一旦付与した視聴覚効果を除去することができるため、プレゼンテーション効果を高めることができる。
【0051】
(第3の実施例)
第1および第2の実施例では、用紙400、401とコード用紙410、411は別の用紙であったが、用紙の一部に2次元コードが印刷されていてもよい。
【0052】
図12は、第3の実施例におけるプロジェクター101と書画カメラ201の機能ブロック図である。書画カメラ201における操作部211のボタン数は操作部210のボタン数よりも少ない点で第1の実施例と相違している。また、プロジェクター101の制御部121における2次元コードの読み取り方式が制御部120と異なる点で第1の実施例と相違している。プロジェクター101は、制御部121等の機能を、情報記憶媒体301に記憶されたプログラムを読み取って実装してもよい。これら以外の構成は第1および第2の実施例と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
図13は、第3の実施例における用紙402の一例を示す図である。また、図14は、第3の実施例における用紙403の他の一例を示す図である。また、図15は、第3の実施例における書画カメラ201での処理の流れを示すフローチャートである。また、図16は、第3の実施例におけるプロジェクター101での処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
例えば、先生が、書画カメラ201とプロジェクター101を用いて問題を示す画像を投写した後、解答を示す画像を投写するものとする。このような場合、本実施例では以下の処理が実行される。
【0055】
まず、先生は、書画カメラ201の台に用紙402を置き、撮像部220は撮像し、出力部230は撮像情報をプロジェクター101に出力する。制御部121は、当該撮像情報を撮像データ153として記憶部150に記憶し、画像生成部130は撮像データ153に基づいて撮像画像を生成し、投写部140は当該撮像画像を投写する。これにより、プロジェクター101は、用紙402と同様の画像を投写することができ、問題と選択肢を表示することができる。
【0056】
視聴覚効果を付与する場合、先生は、書画カメラ201の一時停止ボタンを押す。出力部230は、操作部211で一時停止ボタンが押された場合、一時停止情報をプロジェクター101に出力する(ステップS21)。
【0057】
プロジェクター101の制御部121は、取得部110が一時停止情報を取得したかどうかを判定する(ステップP21)。取得部110が一時停止情報を取得した場合、制御部121は、現在の撮像データ153を一時表示データ154として生成し、画像生成部130は一時表示データ154に基づく画像を生成し、投写部140は当該画像を投写する(ステップP22)。
【0058】
先生は、書画カメラ201の台に撮像対象物として用紙402を置く。用紙402には問題と3つの選択肢と2次元コードが印刷されている。先生は、用紙402を置いた状態で書画カメラ201のスキャンボタンを押す。スキャンボタンが押された場合、撮像部220は、用紙402を撮像して撮像情報を生成し、出力部230は、スキャンボタンが押されたことを示す情報および撮像情報を含むスキャン情報をプロジェクター101に出力する(ステップS22)。
【0059】
プロジェクター101の制御部121は、取得部110がスキャン情報を取得したかどうかを判定する(ステップP23)。取得部110がスキャン情報を取得した場合、制御部121は、スキャン情報に含まれる撮像情報に基づき、撮像データ153を更新する(ステップP24)。これにより、撮像データ153が用紙402の撮像画像を示すデータに更新される。
【0060】
また、制御部121は、撮像画像に2次元コードが含まれているかどうかを判定する(ステップP25)。例えば、制御部121は、撮像画像の右下の領域を対象として2次元コードが含まれているかどうかを判定する。撮像画像に2次元コードが含まれている場合、制御部120は、当該2次元コードを解釈して効果付与データ155を更新する(ステップP26)。
【0061】
先生は、書画カメラ201の表示開始ボタンを押す。表示開始ボタンが押された場合、出力部230は、表示開始情報をプロジェクター101に出力する(ステップS23)。
【0062】
プロジェクター101の制御部121は、取得部110が表示開始情報を取得したかどうかを判定する(ステップP27)。取得部110が表示開始情報を取得した場合、画像生成部130は、撮像データ153と、効果付与データ155に基づき、画像を生成し、投写部140は当該画像を投写する(ステップP28)。なお、この場合、効果付与データ155は第1の実施例と同様に更新されているため、プロジェクター101は、図4に示す画像420を投写することができ、問題に対する解答を表示することができる。
【0063】
解答表示後、先生は、書画カメラ201のクリアーボタンを押す。クリアーボタンが押された場合、出力部230は、クリアー情報をプロジェクター101に出力する(ステップS24)。
【0064】
プロジェクター101の制御部121は、取得部110がクリアー情報を取得したかどうかを判定する(ステップP29)。取得部110がクリアー情報を取得した場合、画像生成部130は、撮像データ153と、効果付与データ155をクリアー(初期化)する(ステップP30)。
【0065】
プロジェクター101は、終了指示が行われたかどうかを判定し(ステップP31)、終了指示が行われなかった場合、処理(ステップP21〜P31)を続行し、終了指示が行われた場合、当該処理を終了する。
【0066】
また、プロジェクター101および書画カメラ201は、第2の実施例と同様に、問題と解答の印刷された用紙403を用いて視聴覚効果を付与して問題のみを表示した後、視聴覚効果を除去して問題と解答を表示することも可能である。
【0067】
以上のように、本実施例によれば、プロジェクター101は、表示対象と2次元コードが同一の用紙402、403に印刷されている場合であっても、第1および第2の実施例と同様の作用効果を奏する。また、本実施例によれば、書画カメラ201のボタン数を減らしたり、書画カメラ201でのユーザーの操作を減らすことができる。
【0068】
(その他の実施例)
なお、本発明の適用は上述した実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、プロジェクター100、101の音声生成部160は、効果付与データ155と音声データ152に基づき、視聴覚効果に応じて音声を生成してもよい。例えば、2次元コードに生成対象の音声情報の識別番号を含め、音声生成部160が、当該識別番号に対応した音声情報を音声データ152から選択して音声を生成してもよい。
【0069】
これによれば、プロジェクター100、101は、視聴覚効果に応じて画像に合わせて音声を出力することができる。例えば、プロジェクター100、101は、カエルの画像の表示と合わせてカエルの鳴き声を出力することにより、プレゼンテーション効果を高めることができる。
【0070】
また、画像データ151、音声データ152、効果付与データ155は必須ではなく、制御部120が2次元コードの内容に応じて画像生成部130および音声生成部160の少なくとも一方を制御してもよい。また、一時表示データ154も必須ではなく、画像生成部130が常に撮像データ153に基づいて画像を生成してもよい。
【0071】
また、視聴覚効果は、矩形で塗り潰す効果には限定されず、例えば、三角形等の図形を描いたり、下線を引いたりするものであってもよい。また、効果除去ボタンの操作は必須ではなく、付与される視聴覚効果は、表示後に所定時間経過したら自動的に消去されるもの(例えば、解答部分に矩形画像を付加してから30秒後に当該矩形画像を消去する等)であってもよい。
【0072】
また、視聴覚効果を示すコード画像は、2次元コードの画像には限定されず、例えば、バーコード、文字、図形、記号等を示す画像であってもよい。また、視聴覚効果の情報は、上述した形式には限定されず、例えば、文字、図形、記号、色、模様、形状、効果持続時間、エフェクト(ワイプ、フラッシュ等)、音声そのもの等を示す情報であってもよい。例えば、視聴覚効果が特定の画像の追加を示す情報である場合、画像生成部130は、当該特定の画像を生成するための画像データ151を用いて当該特定の画像を付加した画像を生成してもよい。
【0073】
また、プロジェクター100、101に撮像情報を出力する装置は、書画カメラ200、201には限定されず、例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等であってもよい。
【0074】
また、プロジェクター100、101は、液晶プロジェクター(透過型、LCOS等の反射型)には限定されず、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)を用いたプロジェクター等であってもよい。なお、DMDは米国テキサス・インスツルメンツ社の商標である。また、プロジェクター100、101の機能を複数の装置(例えば、PCとプロジェクター等)に分散して実装してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】第1の実施例におけるプロジェクターと書画カメラの機能ブロック図である。
【図2】第1の実施例における用紙の一例を示す図である。
【図3】第1の実施例におけるコード用紙の一例を示す図である。
【図4】第1の実施例における画像の一例を示す図である。
【図5】第1の実施例における書画カメラでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施例におけるプロジェクターでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施例における用紙の一例を示す図である。
【図8】第2の実施例におけるコード用紙の一例を示す図である。
【図9】第2の実施例における画像の一例を示す図である。
【図10】第2の実施例における書画カメラでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】第2の実施例におけるプロジェクターでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第3の実施例におけるプロジェクターと書画カメラの機能ブロック図である。
【図13】第3の実施例における用紙の一例を示す図である。
【図14】第3の実施例における用紙の他の一例を示す図である。
【図15】第3の実施例における書画カメラでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第3の実施例におけるプロジェクターでの処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
100、101 プロジェクター、110 取得部、120、121 制御部、130 画像生成部、140 投写部、150 記憶部、151 画像データ、152 音声データ、153 撮像データ、154 一時表示データ、155 効果付与データ、160 音声生成部、170 音声出力部、200、201 書画カメラ、210、211 操作部、220 撮像部、230 出力部、300、301 情報記憶媒体、400〜403 用紙(撮像対象物)、410、411 コード用紙、420、421 画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像対象物の撮像画像および前記撮像画像に付与すべき視聴覚効果を示すコード画像を示す撮像情報を取得する取得部と、
前記コード画像に基づき、前記視聴覚効果を判定する制御部と、
前記視聴覚効果に応じて前記撮像画像を含む画像を生成する前記画像生成部と、
を含む、
プロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記視聴覚効果に応じて音声を生成する音声生成部を含む、
プロジェクター。
【請求項3】
請求項1、2のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
前記取得部は、前記視聴覚効果を除去する効果除去情報を取得し、
前記制御部は、前記効果除去情報に応じて前記視聴覚効果を除去する制御を行う、
プロジェクター。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、
前記取得部は、書画カメラから前記撮像情報を取得する、
プロジェクター。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のプロジェクターと、
書画カメラと、
を含む投写システムであって、
前記書画カメラは、
前記撮像対象物および前記コード画像を撮像して前記撮像情報を生成する撮像部と、
前記撮像情報を前記プロジェクターに出力する出力部と、
を含む、
投写システム。
【請求項6】
取得部を制御するプロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムであって、
前記コンピューターを、
撮像対象物の撮像画像および前記撮像画像に付与すべき視聴覚効果を示すコード画像を示す撮像情報を前記取得部に取得させる取得制御部と、
前記コード画像に基づき、前記視聴覚効果を判定する制御部と、
前記視聴覚効果に応じて前記撮像画像を含む画像を生成する前記画像生成部として機能させる、
プログラム。
【請求項7】
取得部を制御するプロジェクターの有するコンピューターにより読み取り可能なプログラムを記憶した情報記憶媒体であって、
請求項6に記載のプログラムを記憶した、
情報記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−98645(P2010−98645A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269545(P2008−269545)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】