説明

プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法

【課題】ダイレクトオンモードで起動したプロジェクターが、一度も画像信号を検出せずに電源オフしたとき、次回起動時に警告する。
【解決手段】商用電源が供給されたときに光源を点灯して起動するダイレクトオンモードに設定(S102)されており、起動(S104)後に画像信号があるか否かを検出し(S105)、画像信号が検出されずに商用電源を遮断された場合、次回起動時に警告メッセージを表示する(S109)とともに、ダイレクトオンモードを解除して通常モードに設定する(S110)プロジェクター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターおよびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクターにおいて、商用電源(AC電源)が供給されたときに、当該プロジェクターの光源を点灯して投写を開始するモード(以降、「ダイレクトオンモード」と呼ぶ)を備えたものが知られている。このようなダイレクトオンモードを備えたプロジェクターによれば、商用電源を供給するだけで投写が開始されるため、電源キーによる電源オン操作が不要になる。よって、例えば、複数のプロジェクターを併用する場合や、プロジェクターを他の機器と併用して使用する場合等に、電源投入や電源切断をシステムとして一括して行うことが可能になるため、有効である。
【0003】
ここで、このようなダイレクトオンモードを備えたプロジェクターが、上述したシステムの態様で使用されている場合、使用者による投写画像の監視が行われていない場合(例えば、アミューズメント施設での使用や電子看板としての使用形態)があった。このように使用者による監視が行われていない場合には、システムに何らかの設定ミス、故障が発生し、プロジェクターに映像信号が入力されない状態になっていたとしても、使用者がその状態に気付かずに、無信号状態で投写され続けてしまい、プロジェクターのランプが無駄に消耗してしまっていた。
【0004】
特許文献1には、ACオンスタート(ダイレクトオンモード)により起動された場合に、映像入力信号が無信号の状態が所定時間継続すると、光源ランプを消灯して待機状態に移行する画像表示装置(プロジェクター)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−72322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなプロジェクターにおいても、使用者が、プロジェクターが無信号状態で投写していることに気づかず使い続ける限り、プロジェクターは、ダイレクトオンモードによって光源を点灯して、少なくとも所定時間の投写を行ってしまい、ランプを消耗してしまう問題は解決されなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、前記モード設定部および、前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合において、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部に警告メッセージを投写させるとともに前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とする。
【0009】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに警告メッセージを表示させ、ダイレクトオンモードを解除する。よって、次回以降は、使用者がプロジェクターの設定を直さない限り、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによってプロジェクターに画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0010】
[適用例2]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、前記モード設定部および、前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、を備え、前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、前記操作部より、ダイレクトオンモードを解除する操作信号を検出した場合に、前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とする。
【0011】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させ、使用者にダイレクトオンモードを解除するかどうかを選択させる。よって、使用者にプロジェクターに画像信号が入力されていなかったことを通知し、画像信号が入力されるように見直すか、ダイレクトオンモードを解除し、システムの使い方を変えるかなどの確認作業、見直しを促すことが可能となる。
【0012】
[適用例3]上記適用例2に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、所定時間内に操作信号を検出しなかった場合、当該プロジェクターの電源をオフするとともに、前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とする。
【0013】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させた後、所定時間内に操作入力がなかった場合、プロジェクターの電源がオフになり、ダイレクトオンモードが解除される。よって、使用者がプロジェクターの確認メッセージ表示に気付かず、操作しなかった場合でも所定時間後に電源がオフされ、次回以降、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによって、プロジェクターに画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0014】
[適用例4]上記適用例2に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、所定時間内に前記信号検出部が画像信号を検出しなかった場合、当該プロジェクターの電源をオフするとともに、前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とする。
【0015】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させた後、所定時間内に画像信号がプロジェクターに入力されなかった場合、プロジェクターの電源がオフになり、ダイレクトオンモードが解除される。よって、使用者がプロジェクターの確認メッセージ表示に気付かず、画像信号を入力させるなどの処置をしなかった場合でも所定時間後に電源がオフされ、次回以降、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによって、プロジェクターに画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0016】
[適用例5]上記適用例2に記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、前記信号検出部が画像信号を検出した場合、前記確認メッセージを消去し、前記画像信号を前記画像投写部により投写させることを特徴とする。
【0017】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させた後で、画像信号が入力された場合に確認メッセージを消去するとともに、画像信号を投写する。これによって、確認メッセージ表示中に画像信号が検出され、正しく投写できる状態に復帰した場合、使用者が操作しなくてもメッセージを消去して通常の投写状態に移行させることが可能となる。
【0018】
[適用例6]上記適用例1から5のいずれかに記載のプロジェクターにおいて、前記制御部は前記信号検出部より所定の第2の時間、信号を検出しない場合に前記信号検出フラグをクリアすることを特徴とする。
【0019】
本適用例によれば、画像信号が入力され、信号検出フラグがセットされた後で、所定時間以上、画像信号が入力されていない状態が継続した場合、信号検出フラグがクリアされる。よって、投写途中になんらかの要因により画像信号が入力されなくなった後で商用電源が遮断された状態においても、ダイレクトオンモードで起動したときに、使用者にその旨を通知し、ダイレクトオンモードを解除することが可能となる。
【0020】
[適用例7]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、前記モード設定部および、前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードまたは前記通常モードが設定されているかを判断するモード判断ステップと、前記信号検出フラグがセットされているか否かを判断する信号検出フラグ判断ステップと、を有し、前記モード判断ステップにおいて前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ、前記信号検出フラグ判断ステップにおいて前記信号検出フラグがセットされていないときに、前記商用電源が供給され、起動した後、前記画像投写部に警告メッセージを表示する警告表示ステップと、前記警告メッセージ表示後に、前記モード設定部を前記通常モードに設定する通常モード設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0021】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに警告メッセージを表示させ、ダイレクトオンモードを解除する。よって、次回以降は、使用者がプロジェクターの設定を直さない限り、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによってプロジェクターに画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0022】
[適用例8]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、前記モード設定部および、前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードまたは前記通常モードが設定されているかを判断するモード判断ステップと、前記信号検出フラグがセットされているか否かを判断する信号検出フラグ判断ステップと、を有し、前記モード判断ステップにおいて前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ、前記信号検出フラグ判断ステップにおいて前記信号検出フラグがセットされていないときに、前記商用電源が供給され、起動した後、前記画像投写部に前記ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させる確認表示ステップと、前記確認メッセージに対して前記操作部より、ダイレクトオンモードを解除する操作信号を検出した場合に前記モード設定部を前記通常モードに設定する通常モード設定ステップと、を有することを特徴とする。
【0023】
本適用例によれば、信号検出フラグがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させ、使用者にダイレクトオンモードを解除するかどうかを選択させる。よって、使用者にプロジェクターに画像信号が入力されていなかったことを通知し、画像信号が入力されるように見直すか、ダイレクトオンモードを解除し、システムの使い方を変えるかなどの確認作業、見直しを促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】プロジェクターの回路構成を示すブロック図。
【図2】適用例1のプロジェクターの動作を示すフローチャートであり、(a)は商用電源供給時、(b)は画像信号検出時の動作を示す。
【図3】適用例1のプロジェクターの通知メッセージ。
【図4】変形例1のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図5】変形例1のプロジェクターの確認メッセージ。
【図6】変形例2のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図7】変形例3のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図8】変形例4のプロジェクターの動作を示すフローチャート。
【図9】変形例5のプロジェクターの動作を示すフローチャートであり、(a)は画像信号検出時を示し、(b)は画像信号非検出時の動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態について説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態における特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプロジェクターの回路構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、光源制御部22、入力操作部23、画像信号入力部2、画像信号処理部3、OSD処理部4、信号検出部5等で構成されており、これらは図示しない筐体の内部に収容されている。
【0027】
画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R、12G、12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等を含んでいる。画像投写部10は、光源11から射出された光を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bで変調して画像光を形成し、この画像光を投写レンズ13から投写することによってスクリーンSC等に画像を表示する。
【0028】
光源11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R、12G、12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R、12G、12Bに入射する。
【0029】
液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R、12G、12Bには、マトリックス状に配列された複数の画素(図示せず)が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。液晶駆動部14が、入力される画像情報に応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラーの画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0030】
上記実施形態では、光源としてランプを用いて投写するプロジェクター1を例示したが、本発明は光源としてLED(Light emitting diode)光源やレーザー光源などを用いて投写するプロジェクターにも適用することができる。なお、上記の実施形態では、画像投写部10は、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いた透過型液晶方式の投写光学系を例示したが、反射型液晶表示方式やマイクロミラーデバイス方式(ライトスイッチ表示方式)など、他の表示方式の光変調装置を採用しても良い。
【0031】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従って動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピューターとして機能する。また、制御部20には、時間の計測を行うためのタイマー20aが備えられている。
【0032】
記憶部21は、フラッシュメモリーやFeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリー)等の書き換え可能な不揮発性のメモリーにより構成されている。記憶部21には、プロジェクター1の動作を制御するための制御プログラムや、プロジェクター1の動作条件等を規定する各種設定データ等が記憶されている。
本実施形態では設定データとして、モード設定部21a、および信号検出フラグ21bが記憶部21に保存される。モード設定部21aは、プロジェクター1に商用電源が供給されたときに光源11を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、商用電源が供給されたときに光源11を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのどちらに切り替えられているかを表す情報である。即ち、ダイレクトオンモードの設定が有効となっているか否かについての情報である。モード設定部21aは、制御部20によって設定される。信号検出フラグ21bは信号検出部5の検出結果に基づき、制御部20によってセットまたはクリアされる。
【0033】
入力操作部23は、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。入力操作部23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを交互に切り替えるための電源キーや、複数の画像信号入力部2に入力される画像入力端子を切り替えるための入力切替キー、各種設定を行うための設定メニューを重畳表示させるメニューキー、メニューからユーザーが設定項目を選択するカーソルキー、決定キー、エスケープキー等がある。
ユーザーが入力操作部23の各種操作キーを操作すると、入力操作部23は、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。なお、入力操作部23は、リモコン信号受信部(図示せず)と遠隔操作が可能なリモートコントローラー(図示せず)を有した構成としてもよい。この場合、リモートコントローラーは、使用者の操作内容に応じた赤外線等の操作信号を発し、リモコン信号受信部がこれを受信して制御情報として制御部20に伝達する。
【0034】
画像信号入力部2は、上述したように複数の画像入力端子を備えており、各画像入力端子より、ビデオ再生装置やパーソナルコンピューター等、外部の画像出力装置から、図示しないケーブルを介して画像情報が入力される。
【0035】
画像信号処理部3は、画像信号入力部2から入力される画像情報を、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R、12G、12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素を透過し射出する光の強弱(階調)が規定される。
【0036】
OSD処理部4は、制御部20の指示に基づいて、投写画像上に、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するための処理を行う。OSD処理部4は、図示しないOSDメモリーを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像情報を記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳表示を指示すると、OSD処理部4は、必要なOSD画像情報をOSDメモリーから読み出し、投写画像上の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部3から入力される画像情報にこのOSD画像情報を合成する。OSD画像情報が合成された画像情報は、液晶駆動部14に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部4は、画像信号処理部3から入力される画像情報を、そのまま液晶駆動部14に出力する。
【0037】
信号検出部5は、画像信号入力部2から有効な画像信号が入力されているか否かの検出結果を制御部20に通知する。
【0038】
液晶駆動部14は本実施形態における画像形成部であり、OSD処理部4から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R、12G、12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R、12G、12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。
【0039】
光源制御部22は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0040】
次に、本実施形態のプロジェクター1の動作を図2のフローチャートを用いて説明する。
〔商用電源供給時の動作〕
図2(a)はプロジェクター1に商用電源が供給されたときの動作を示すフローチャートである。
【0041】
図2(a)に示すように、まずプロジェクター1に、商用電源が供給されると(ステップS101)、制御部20はモード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されているか調べる(ステップS102)。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されていない場合(ステップS102:N)、即ち通常モードに設定されている場合、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行する(ステップS103)。スタンバイ状態では入力操作部23による電源オン操作入力などで起動する。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されている場合(ステップS102:Y)、ステップS104に移行する。
【0042】
ステップS104において制御部20は、光源制御部22によりランプ点灯電源をONすることによって光源11を点灯させ、プロジェクター1を起動する。
【0043】
次に制御部20は信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる(ステップS105)。画像信号が検出されている場合(ステップS105:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS106)、ステップS111に移行する。画像信号が検出されていない場合(ステップS105:N)、ステップS107に移行する。
【0044】
ステップS107において制御部20は、信号検出フラグ21bがセット(ON)されているかどうか調べる。信号検出フラグ21bがセットされている場合(ステップS107:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをクリア(OFF)し(ステップS108)、ステップS111に移行する。信号検出フラグ21bがセットされていない場合(ステップS107:N)、ステップS109に移行する。
【0045】
ステップS109において制御部20は、前回使用時に画像信号が検出されていないのでダイレクトオンモードを解除する旨の警告メッセージを画像投写部10に投写させる。このときの警告メッセージを図3に示す。
【0046】
次に制御部20はモード設定部21aを通常モードに設定し(ステップS110)、ステップS111に移行する。
【0047】
ステップS111において、制御部20は画像投写部10により投写を開始させる。
【0048】
〔画像信号検出時の動作〕
図2(b)はプロジェクター1が投写中に画像信号を検出したときの動作を示すフローチャートである。
図2(b)に示すように、制御部20は、プロジェクター1が投写中において、信号検出部5が画像信号を新たに検出した場合、つまり無信号状態から新たに有効な画像信号を検出した場合(ステップS121)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)する(ステップS122)。
【0049】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクター1によれば、信号検出フラグ21bがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに警告メッセージを表示させ、ダイレクトオンモードを解除する。よって、次回以降は、使用者がプロジェクター1の設定を直さない限り、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによってプロジェクター1に画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0050】
(変形例1)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0051】
上記実施形態では信号検出フラグ21bがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに警告メッセージを表示させ、ダイレクトオンモードを解除するが、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示し、使用者に選択させるようにしてもよい。
【0052】
本変形例のプロジェクター1の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。
図4に示すように、まずプロジェクター1に、商用電源が供給されると(ステップS201)、制御部20はモード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されているか調べる(ステップS202)。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されていない場合(ステップS202:N)、即ち通常モードに設定されている場合、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行する(ステップS203)。スタンバイ状態では入力操作部23による電源オン操作入力などで起動する。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されている場合(ステップS202:Y)、ステップS204に移行する。
【0053】
ステップS204において制御部20は、光源制御部22によりランプ点灯電源をONすることによって光源11を点灯させ、プロジェクター1を起動する。
【0054】
次に制御部20は信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる(ステップS205)。画像信号が検出されている場合(ステップS205:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS206)、ステップS212に移行する。画像信号が検出されない場合(ステップS205:N)、ステップS207に移行する。
【0055】
ステップS207において制御部20は、信号検出フラグ21bがセット(ON)されているかどうか調べる。信号検出フラグ21bがセットされている場合(ステップS207:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをクリア(OFF)し(ステップS208)、ステップS212に移行する。信号検出フラグ21bがセットされていない場合(ステップS207:N)、ステップS209に移行する。
【0056】
ステップS209において制御部20は、前回使用時に画像信号が検出されていないのでダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを画像投写部10に投写させる。このときの確認メッセージを図5に示す。
【0057】
次に制御部20は確認メッセージに対する応答によって、ダイレクトオンモードを解除するか否かを調べる(ステップS210)。
ダイレクトオンモードを解除する選択がされた場合(ステップS210:Y)、モード設定部21aを通常モードに設定し(ステップS211)、ステップS212に移行する。
ダイレクトオンモードを解除する選択がされなかった場合(ステップS210:N)、ステップS212に移行する。
【0058】
ステップS212において制御部20は、画像投写部10により投写を開始する。
【0059】
なお、プロジェクター1が投写中に、画像信号を新たに検出した場合の動作は図2(b)のステップS121からステップS122と同じであるので説明は省略する。
【0060】
以上、説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、信号検出フラグ21bがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させ、使用者にダイレクトオンモードを解除するかどうかを選択させる。よって、使用者にプロジェクター1に画像信号が入力されていなかったことを通知し、画像信号が入力されるように見直すか、ダイレクトオンモードを解除し、システムの使い方を変えるかなどの確認作業、見直しを促すことが可能となるとともに、信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0061】
(変形例2)
上記変形例1において、確認メッセージ表示中、所定時間内に入力操作がないときにダイレクトオンモードを解除し、電源をオフするようにしてもよい。
【0062】
本変形例のプロジェクター1の動作を図6のフローチャートを用いて説明する。
図6に示すように、まずプロジェクター1に、商用電源が供給されると(ステップS301)、制御部20はモード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されているか調べる(ステップS302)。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されていない場合(ステップS302:N)、即ち通常モードに設定されている場合、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行する(ステップS303)。スタンバイ状態では入力操作部23による電源オン操作入力などで起動する。モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されている場合(ステップS302:Y)、ステップS304に移行する。
【0063】
ステップS304において制御部20は、光源制御部22によりランプ点灯電源をONすることによって光源11を点灯させ、プロジェクター1を起動する。
【0064】
次に制御部20は信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる(ステップS305)。画像信号が検出されている場合(ステップS305:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS306)、ステップS314に移行する。画像信号が検出されていない場合(ステップS305:N)、ステップS307に移行する。
【0065】
ステップS307において制御部20は、信号検出フラグ21bがセット(ON)されているかどうか調べる。
信号検出フラグ21bがセットされている場合(ステップS307:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをクリア(OFF)し(ステップS308)、ステップS314に移行する。
信号検出フラグ21bがセットされていない場合(ステップS307:N)、ステップS309に移行する。
【0066】
ステップS309において制御部20は、前回使用時に画像信号が検出されていないのでダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを画像投写部10に投写させる。このときの警告メッセージは前述した図5と同じである。
【0067】
次に制御部20は、タイマー20aによる計時を開始する(ステップS310)。
【0068】
次に制御部20は入力操作部23より、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの入力操作を検出したかどうかを調べる(ステップS311)。
入力操作を検出した場合(ステップS311:Y)、ステップS312に移行する。入力操作を検出していない場合(ステップS311:N)、制御部20はタイマー20aが所定の第1の時間を経過したか否かを調べる(ステップS315)。
タイマー20aが所定の第1の時間を経過していなければ(ステップS315:N)、ステップS311を繰り返す。
タイマー20aが所定の第1の時間を経過していれば(ステップS315:Y)、ステップS316に移行する。
【0069】
ステップS316において制御部20は、モード設定部21aを通常モードに設定し、ステップS317において、プロジェクター1の電源をオフすることで、スタンバイ状態に移行する。
【0070】
ステップS312において制御部20は入力操作部23よりダイレクトオンモード解除が選択されたか調べる。
ダイレクトオンモード解除が選択された場合(ステップS312:Y)、制御部20はモード設定部21aに通常モードを設定し(ステップS313)、ステップS314に移行する。
ダイレクトオンモード解除が選択されていない場合(ステップS312:N)、ステップS314に移行する。
【0071】
ステップS314において制御部20は、画像投写部10に投写を開始させる。
【0072】
なお、プロジェクター1が投写中に、画像信号を新たに検出した場合の動作は図2のステップS121からステップS122と同じであるので説明は省略する。
【0073】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、信号検出フラグ21bがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させた後、所定時間内に操作入力がなかった場合、プロジェクター1の電源がオフになり、ダイレクトオンモードが解除される。よって、使用者がプロジェクター1の確認メッセージ表示に気付かず、操作しなかった場合でも所定時間後に電源がオフされ、次回以降、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによって、プロジェクター1に画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0074】
(変形例3)
上記変形例1において、確認メッセージ表示中、所定時間、画像信号が検出されない状態が継続したときにダイレクトオンモードを解除し、電源をオフするようにしてもよい。
【0075】
本変形例のプロジェクター1の動作を図7のフローチャートを用いて説明する。
図7に示すように、まずプロジェクター1に、商用電源が供給されると(ステップS401)、制御部20はモード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されているか調べる(ステップS402)。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されていない場合(ステップS402:N)、即ち通常モードに設定されている場合、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行する(ステップS403)。スタンバイ状態では入力操作部23による電源オン操作入力などで起動する。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されている場合(ステップS402:Y)、ステップS404に移行する。
【0076】
ステップS404において制御部20は、光源制御部22によりランプ点灯電源をONすることによって光源11を点灯させ、プロジェクター1を起動する。
【0077】
次に制御部20は信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる(ステップS405)。画像信号が検出されている場合(ステップS405:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS406)、ステップS413に移行する。
画像信号が検出されていない場合(ステップS405:N)、ステップS407に移行する。
【0078】
ステップS407において制御部20は、信号検出フラグ21bがセット(ON)されているかどうか調べる。信号検出フラグ21bがセットされている場合(ステップS407:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをクリア(OFF)し(ステップS408)、ステップS413に移行する。
信号検出フラグ21bがセットされていない場合(ステップS407:N)、ステップS409に移行する。
【0079】
ステップS409において制御部20は、前回使用時に画像信号が検出されていないのでダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを画像投写部10に投写させる。このときの確認メッセージは前述した図5と同じである。
【0080】
ステップS410において制御部20は、確認メッセージに対する応答操作を検出したか調べる。応答操作を検出した場合(ステップS410:Y)ステップS411に移行する。応答操作を検出していない場合(ステップS410:N)、ステップS414に移行する。
【0081】
ステップS414において制御部20は、信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる。
画像信号が検出されている場合(ステップS414:Y)、制御部20はタイマー20aの動作を停止し(ステップS415)、ステップS418に移行する。
画像信号が検出されていない場合(ステップS414:N)、タイマー20aが動作中か調べる(ステップS416)。
【0082】
タイマー20aが動作中でなければ(ステップS416:N)、タイマー20aをリセットした後、計時動作を開始(タイマースタート)し(ステップS417)、ステップS418に移行する。
一方、タイマー20aが動作中ならば(ステップS416:N)、ステップS418に移行する。
【0083】
ステップS418において制御部20は、タイマー20aが所定の第2の時間を経過したか否かを調べる。タイマー20aが所定の第2の時間を経過していなければ(ステップS418:N)、ステップS410からの処理を繰り返す。タイマー20aが所定の第2の時間を経過していれば(ステップS418:Y)、ステップS419に移行する。
【0084】
ステップS419において制御部20は、モード設定部21aを通常モードに設定し、ステップS420において、プロジェクター1の電源をオフし、スタンバイ状態に移行する。
【0085】
ステップS411において制御部20は入力操作部23よりダイレクトオンモード解除が選択されたか調べる。
ダイレクトオンモード解除が選択された場合(ステップS411:Y)、制御部20はモード設定部21aに通常モードを設定し(ステップS412)、ステップS413に移行する。
ダイレクトオンモード解除が選択されていない場合(ステップS411:N)、ステップS413に移行する。
【0086】
ステップS413において制御部20は、画像投写部10に投写を開始させる。
【0087】
なお、プロジェクター1が投写中に、画像信号を新たに検出した場合の動作は図2のステップS121からステップS122と同じであるので説明は省略する。
【0088】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、信号検出フラグ21bがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させた後、所定時間内に画像信号がプロジェクター1に入力されなかった場合、プロジェクター1の電源がオフになり、ダイレクトオンモードが解除される。よって、使用者がプロジェクター1の確認メッセージ表示に気付かず、画像信号を入力させるなどの処置をしなかった場合でも所定時間後に電源がオフされ、次回以降、ダイレクトオンモードでは起動しない。これによって、プロジェクター1に画像信号が正しく入力されておらず、ダイレクトオンモードが解除されたことを使用者に通知し、設定を見直すことを促すとともに、無信号状態で投写され続け、ランプが無駄に消耗することを防ぐことが可能となる。
【0089】
(変形例4)
上記変形例1において、確認メッセージ表示中、所定時間、画像信号が検出されない状態が継続したときにダイレクトオンモードを解除し、電源をオフするようにしてもよい。
【0090】
本変形例のプロジェクター1の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すように、まずプロジェクター1に、商用電源が供給されると(ステップS501)、制御部20はモード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されているか調べる(ステップS502)。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されていない場合(ステップS502:N)、即ち通常モードに設定されている場合、制御部20はプロジェクター1をスタンバイ状態に移行する(ステップS503)。スタンバイ状態では入力操作部23による電源オン操作入力などで起動する。
モード設定部21aがダイレクトオンモードに設定されている場合(ステップS502:Y)、ステップS504に移行する。
【0091】
ステップS504において制御部20は、光源制御部22によりランプ点灯電源をONすることによって光源11を点灯させ、プロジェクター1を起動する。
【0092】
次に制御部20は信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる(ステップS505)。画像信号が検出されている場合(ステップS505:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS506)、ステップS515に移行する。
画像信号が検出されていない場合(ステップS505:N)、ステップS507に移行する。
【0093】
ステップS507において制御部20は、信号検出フラグ21bがセット(ON)されているかどうか調べる。信号検出フラグ21bがセットされている場合(ステップS507:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをクリア(OFF)し(ステップS508)、ステップS515に移行する。
信号検出フラグ21bがセットされていない場合(ステップS507:N)、ステップS509に移行する。
【0094】
ステップS509において制御部20は、前回使用時に画像信号が検出されていないのでダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを画像投写部10に投写させる。このときの確認メッセージは前述した図5と同じである。
【0095】
ステップS510において制御部20は、確認メッセージに対する応答操作を検出したか調べる。応答操作を検出した場合(ステップS510:Y)、ステップS511に移行する。応答操作を検出していない場合(ステップS510:N)、ステップS513に移行する。
【0096】
ステップS513において制御部20は、信号検出部5が画像信号入力部2より画像信号を検出しているか調べる。画像信号が検出されている場合(ステップS513:Y)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS514)、ステップS515に移行する。
画像信号が検出されていない場合(ステップS513:N)、ステップS510からの処理を繰り返す。
【0097】
ステップS511において制御部20は入力操作部23よりダイレクトオンモード解除が選択されたか調べる。
ダイレクトオンモード解除が選択された場合(ステップS511:Y)、制御部20はモード設定部21aに通常モードを設定し(ステップS512)、ステップS515に移行する。
ダイレクトオンモード解除が選択されなかった場合(ステップS511:N)、ステップS515に移行する。
【0098】
ステップS515において制御部20は、画像投写部10に投写を開始させる。
【0099】
なお、プロジェクター1が投写中に、画像信号を新たに検出した場合の動作は図2のステップS121からステップS122と同じであるので説明は省略する。
【0100】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、信号検出フラグ21bがセットされていない状態、即ち、一度も画像信号が入力されない状態で商用電源が遮断された状態において、ダイレクトオンモードで起動したときに、ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させた後で、画像信号が入力された場合に確認メッセージを消去するとともに、画像信号を投写する。これによって、確認メッセージ表示中に画像信号が検出され、正しく投写できる状態に復帰した場合、使用者が操作しなくてもメッセージを消去して通常の投写状態に移行させることが可能となる。
【0101】
(変形例5)
上記実施形態、および変形例1から変形例4ではプロジェクター1を使用中に一度でも画像信号が検出された場合、信号検出フラグ21bがセットされ、次回起動時までクリアされないが、画像信号が検出されない状態が所定時間継続した場合に信号検出フラグ21bをクリアするようにしてもよい。
【0102】
本変形例のプロジェクター1の動作を図9(a),(b)のフローチャートを用いて説明する。なお、プロジェクター1に商用電源が供給されてからの動作は省略する。
【0103】
〔画像信号検出時の動作〕
図9(a)に示すように、プロジェクター1が投写中に信号検出部5が画像信号を新たに検出した場合、つまり無信号の状態から有効な画像信号を検出した場合(ステップS601)、制御部20は信号検出フラグ21bをセット(ON)し(ステップS602)、本動作フローを終了する。
【0104】
〔画像信号非検出時の動作〕
一方、図9(b)に示すように、信号検出部5が無信号状態を検出した場合、つまり有効な画像信号を検出しなくなった場合(ステップS611)、制御部20はタイマー20aによる計時を開始(タイマースタート)する(ステップS612)。
【0105】
次に制御部20は信号検出部5が有効な画像信号を検出したか調べる(ステップS613)。画像信号を検出した場合は(ステップS613:Y)、信号検出フラグ21bをセット(ON)する(ステップS614)。画像信号を検出していない場合(ステップS613:N)、タイマー20aが所定の第3の時間を経過したか否かを調べる(ステップS615)。
タイマー20aが所定の第3の時間を経過していなければ(ステップS615:N)、ステップS613からの処理を繰り返す。
タイマー20aが所定の第3の時間を経過していたら(ステップS615:Y)、信号検出フラグ21bをクリア(OFF)し(ステップS616)、本動作フローを終了する。
【0106】
以上説明したように、本変形例のプロジェクター1によれば、画像信号が入力され、信号検出フラグ21bがセットされた後で、所定時間以上、画像信号が入力されていない状態が継続した場合、信号検出フラグ21bがクリアされる。よって、投写途中になんらかの要因により画像信号が入力されなくなった後で商用電源が遮断された状態においても、ダイレクトオンモードで起動したときに、使用者にその旨を通知させ、ダイレクトオンモードを解除することが可能となる。
【符号の説明】
【0107】
1…プロジェクター、2…画像信号入力部、3…画像信号処理部、4…OSD処理部、5…信号検出部、10…画像投写部、11…光源、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…記憶部、21a…モード設定部、21b…信号検出フラグ、22…光源制御部、23…入力操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、
商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
前記モード設定部および前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合において、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部に警告メッセージを投写させるとともに前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部を有するプロジェクターであって、
商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
前記モード設定部および前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、
操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、
を備え、
前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、前記操作部より、ダイレクトオンモードを解除する操作信号を検出した場合に、前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、所定時間内に操作信号を検出しなかった場合、当該プロジェクターの電源をオフするとともに、前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、所定時間内に前記信号検出部が画像信号を検出しなかった場合、当該プロジェクターの電源をオフするとともに、前記モード設定部を前記通常モードに設定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ前記信号検出フラグがセットされていない場合に、前記商用電源が供給され起動した後、前記画像投写部にダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを投写させた後、前記信号検出部が画像信号を検出した場合、前記確認メッセージを消去し、前記画像信号を前記画像投写部により投写させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のプロジェクターであって、
前記制御部は前記信号検出部より所定の第2の時間、信号を検出しない場合に前記信号検出フラグをクリアすることを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、
商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
前記モード設定部および前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードまたは前記通常モードが設定されているかを判断するモード判断ステップと、
前記信号検出フラグがセットされているか否かを判断する信号検出フラグ判断ステップと、を有し、
前記モード判断ステップにおいて前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ、前記信号検出フラグ判断ステップにおいて前記信号検出フラグがセットされていないときに、前記商用電源が供給され、起動した後、前記画像投写部に警告メッセージを表示する警告表示ステップと、
前記警告メッセージ表示後に、前記モード設定部を前記通常モードに設定する通常モード設定ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。
【請求項8】
光源から射出された光を画像情報に応じて画像光に変調して投写する画像投写部と、
商用電源が供給されたときに前記光源を点灯して起動するダイレクトオンモード、または、前記商用電源が供給されたときに前記光源を点灯せずに待機状態に移行する通常モードのいずれかを設定可能なモード設定部と、
外部機器から画像信号を入力する信号入力部と、
前記信号入力部に画像信号が入力されているか否かを検出する信号検出部と、
前記モード設定部および前記信号検出部が画像信号入力を検出した場合にセットされる信号検出フラグを記憶する記憶部と、
操作入力に対応する操作信号を出力する操作部と、
当該プロジェクターの動作を制御する制御部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードまたは前記通常モードが設定されているかを判断するモード判断ステップと、
前記信号検出フラグがセットされているか否かを判断する信号検出フラグ判断ステップと、を有し、
前記モード判断ステップにおいて前記モード設定部に前記ダイレクトオンモードが設定されており、且つ、前記信号検出フラグ判断ステップにおいて前記信号検出フラグがセットされていないときに、前記商用電源が供給され、起動した後、前記画像投写部に前記ダイレクトオンモードを解除するかどうかの確認メッセージを表示させる確認表示ステップと、
前記確認メッセージに対して前記操作部より、ダイレクトオンモードを解除する操作信号を検出した場合に前記モード設定部を前記通常モードに設定する通常モード設定ステップと、
を有することを特徴とする、プロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−133082(P2012−133082A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284269(P2010−284269)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】