説明

プロジェクター及びその操作方法

【課題】プロジェクター及び前記プロジェクターを安全に操作する投影方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施例によるプロジェクターは、光学エンジン、検出器及び制御ユニットを含む。光学エンジンは、前記光学エンジンに投影光束を生成させるための光源を含む。投影光束の通過空間は、投影区域として定義され、投影区域を含み又は投影区域と重なる区域は、警告区域である。検出器は、警告区域内に生命体があるかを検出することを担当する。検出器は、警告区域内に生命体があると検出したときに検出信号を生成する。制御ユニットは、検出信号を受信したときにプロジェクターを制御し保護モードに進入させる。これにより、光源による生命体への傷害を避けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター及び前記プロジェクターを安全に操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクターの光源のエネルギーが通常強いので、人の目に照射されると、目を傷つける可能性が極めて高い。
【0003】
従来の投影技術には、人の目を保護しプロジェクターの強光による傷害を避ける技術が無い。よって、この技術分野では、使用者の安全を保護する技術が極めて必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、プロジェクター及び前記プロジェクターを安全に操作する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の他の目的と利点は、本発明に開示された技術の特徴により更に知られることができる。
【0006】
前述した一又は部分又は全部の目的或いは他の目的を達成するために、本発明の一実施例によるプロジェクターを提供する。このプロジェクターは、光学エンジン、検出器及び制御ユニットを含む。光学エンジンは、この光学エンジンに投影光束を発生させるための光源を含む。投影光束が通過する空間は、投影区域として定義される。検出器は、プロジェクターにより定義される警告区域内に生命体があるかを検出するために用いられる。警告区域は、投影区域を含み、または、投影区域と重なる。検出器は、警告区域内に生命体があると検出したときに、検出信号を生成する。制御ユニットは、その検出信号を受信したときに、プロジェクターを制御し保護モードに進入させる。
【0007】
本発明の実施例において、検出器は、赤外線センサーまたは顔識別撮像機であっても良い。
【0008】
また、光源は、レーザ装置である。検出器は警告区域内に生命体があると検出したときに、制御ユニットは光源をオフする。
【0009】
本発明の一実施例において、光源は、高圧水銀ランプであっても良い。この時、本発明の実施例によるプロジェクターは、光減衰素子をさらに含む。検出器は警告区域内に生命体があると検出したときに、制御ユニットは光減衰素子を制御し光源を遮蔽させる。
【0010】
本発明の実施例において、プロジェクターは、スピーカーをさらに含む。スピーカーは、制御ユニットにより制御され、検出器により生命体が警告区域に進入したと検出されたときに、警告音声を出力するために用いられる。
【0011】
また、本発明の一実施例は、プロジェクターに適用する操作方法も提供する。プロジェクターは、光学エンジン、検出器及び制御ユニットを含む。光学エンジンは、この光学エンジンに投影光束を発生させるための光源を含む。投影光束が通過する空間は、投影区域として定義される。プロジェクターは、警告区域を定義し、この警告区域は、投影区域を含み、または、投影区域と重なる。
【0012】
本発明の一実施例による操作方法は、検出器により警告区域内に生命体があるかを検出するステップと、検出器は警告区域内に生命体があると検出した時に検出信号を生成するステップと、制御ユニットが検出信号を受信した時にプロジェクターを制御し保護モードに進入させるステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、プロジェクター及び前記プロジェクターを安全に操作する投影方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、添付した図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態を詳細に説明し、これにより、本発明の前述の技術と他の技術、特徴及び利点が、より容易に理解できる。
【0015】
なお、次の各実施例の説明は、添付した図面を参照して行われたものであり、本発明の実施可能な特定の実施例を例として示すために用いられる。本発明の実施例に言及した方向の用語、例えば、上、下、前、後、左、右などは、添付した図面の方向を参考するためのみである。よって、以下に使用された方向の用語は、説明のために用いられ、本発明を制限するためのものでない。
【0016】
図1は、本発明の一実施例によるプロジェクターのブロック図である。プロジェクター100は、光学エンジン114、検出器104及び制御ユニット106を含む。光学エンジン114は、光学エンジン114に投影光束を発生させるための光源102を含む。投影光束が通過する空間は、投影区域として定義される。検出器104は、プロジェクター100による警告区域内に生命体があるかを検出するために用いられる。警告区域内に生命体があると検出した場合、検出器104は、制御ユニット106への検出信号112を生成する。制御ユニット106は、検出信号112を受信した後にプロジェクター100を制御し保護モードに進入させ、これにより、光源102が生命体に傷害を与えることを避ける。
【0017】
検出器104は、赤外線センサー(IR Sensor)または顔識別撮像機であっても良い。赤外線センサーは、温度が所定の温度(例えば、約30〜40℃)に接近する物体を検出することができる。顔識別撮像機は、CCD撮影機により実現されても良く、そのうち、CCD撮影機及び識別ユニットを含む。CCD撮影機は、警告区域の映像を撮影し且つ識別ユニットに伝送する。識別ユニットは、映像の中に人の顔があるかを識別することにより警告区域内に人がいるかを判断するために用いられる。
【0018】
光源102は、レーザ装置であっても良い。レーザ装置は、すぐにオン・オフすることができ、暖機時間を要しないので、制御ユニット106は、検出器104が警告区域内に生命体があると検出したときに、光源102を直ちにオフすることができる。
【0019】
本発明の一実施例において、光源102は、高圧水銀ランプであっても良い。高圧水銀ランプは、比較的長い起動時間を要するので、本発明の実施例によるプロジェクターは、さらに、高圧水銀ランプのために光減衰素子108を設計する。制御ユニット106は、検出器104により警告区域内に生命体があると検出されたときに、光減衰素子108を制御し光源102を遮蔽させる。
【0020】
本発明の一実施例において、本発明のプロジェクター100は、さらに、スピーカー110を含む。検出器104は、生命体が警告区域に進入したと検出したときに、制御ユニット106は、スピーカー110を制御し警告音声を出させる。
【0021】
本発明の一実施例において、警告区域は、プロジェクターの投影区域より大きな領域と設計される。図2は、警告区域と投影区域を示す図である。プロジェクター202の映像は、投影区域204内に現れる。人の目が投影区域204内に露出すれば、目に直接入射する光束により傷付けされやすい。そのため、本実施例では、警告区域206を投影区域204より大きく設計することにより、事前警告の機能を発揮する。このような実施例において、検出器104により生命体が警告区域206に進入したと検出されたときに、制御ユニット106は、スピーカー110に警告音声を出させる。光源102は、レーザ装置である場合、制御ユニット106は、検出器104により生命体が投影区域204に進入したと検出されたときに、光源102をオフさせる。光源102は、高圧水銀ランプである場合、制御ユニット106は、検出器104により生命体が投影区域204に進入したと検出されたときに、光減衰素子108を制御し光源102を遮蔽させる。
【0022】
本発明の一実施例は、プロジェクターに適用する操作方法を提供する。プロジェクター100は、図1に示すように、光学エンジン114、検出器104及び制御ユニット106を含む。光学エンジン114は、投影を担当する光源102を含み、光源エンジン114に投影光束を発生させるために用いられる。投影光束の通過空間は、投影区域として定義される。プロジェクターは、警告区域を定義し、この警告区域は、投影区域を含み、又は、投影区域と重なる。
【0023】
図3は、本発明の一実施例による操作方法のフローチャートである。ステップS302では、検出器104を用いて警告区域内に生命体があるかを検出する。検出器104により警告区域内に生命体があると検出されたときに、ステップS304を行い、そのうち、検出器104は、制御ユニット106に入力される検出信号を生成する。ステップS306では、制御ユニット106が検出信号を受信したときにプロジェクターを制御し保護モードに進入させる。検出器104により警告区域内に生命体が無いと検出されたときに、本発明の実施例による操作方法は、ステップS302に戻り、警告区域を検出し続ける。そのうち、検出器は、赤外線センサー又は顔識別撮像機であっても良い。
【0024】
本発明の一実施例において、例えば、光源がレーザ装置である場合、前述した保護モードは、光源を直接オフすることを含む。また、本発明の一実施例(例えば、光源が高圧水銀ランプである場合)において、本発明の実施例による操作方法は、さらに、光減衰素子を提供し、且つ保護モードは、光減衰素子に光源を遮蔽させることを含む。
【0025】
本発明の一実施例において、前述した操作方法は、さらに、スピーカーを提供することを含み、このスピーカーは、検出器により生命体が警告区域内に進入したと検出されたときに警告音声を出力するために用いられる。
【0026】
本発明の一実施例において、警告区域をプロジェクターの投影区域(図2に示すように)より大きく設計させる。この時、プロジェクターの操作方法は、検出器により生命体が警告区域206に進入したと検出されたときに、スピーカーに警告音声を出させるステップと、検出器により生命体が投影区域204に進入したと検出された時に、光源の出力パワーを下げるステップとを含む。光源がレーザ装置である場合、光源を直接オフしその出力パワーを下げることができる。光源が高圧水銀ランプである場合、光減衰素子を用いて光源を遮蔽させその出力パワーを下げることができる。
【0027】
本発明が前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の精神と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うことができるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示された全ての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の部分と発明の名称は、特許文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の権利範囲を限定するものでない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例によるプロジェクターのブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による警告区域と投影区域を示す図である。
【図3】本発明の一実施例による操作方法のフローチャート図である。
【符号の説明】
【0029】
100 プロジェクター
102 光源
104 検出器
106 制御ユニット
108 光減衰素子
110 スピーカー
112 検出信号
114 光学エンジン
202 プロジェクター
204 投影区域
206 警告区域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクターであって、
光源を含む光学エンジンであって、前記光源は前記光学エンジンに投影光束を発生させ、前記投影光束の通過空間は投影区間として定義される光学エンジンと、
前記プロジェクターにより定義される警告区間内に所定の保護体があるかを検出するための検出器であって、前記警告区間は前記投影区間を含み又は前記投影区間と重なり、前記検出器により前記警告区間内に前記所定の保護体があると検出されたときに、前記検出器は検出信号を生成する検出器と、
前記検出信号を受信したときに、前記プロジェクターを制御し保護モードに進入させる制御ユニットと、
を含む、プロジェクター。
【請求項2】
前記検出器は、赤外線センサーである、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記検出器は、顔識別撮像機である、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記光源は、レーザ装置であり、前記保護モードは、前記光源をオフすることを含む、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記光源は、高圧水銀ランプである、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記プロジェクターは、光減衰素子を含み、前記保護モードは、前記光減衰素子が前記光源を遮蔽することを含む、
請求項5に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記プロジェクターは、スピーカーを含み、前記保護モードは、前記スピーカーが警告音声を出力することを含む、
請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項8】
プロジェクターに適用する操作方法であって、
前記プロジェクターは、光学エンジン、検出器及び制御ユニットを含み、前記光学エンジンは、該光学エンジンに投影光束を発生させるための光源を含み、前記投影光束の通過空間は、投影区域として定義され、前記プロジェクターは、警告区域を定義し、前記警告区域は、前記投影区域を含み又は前記投影区域と重なり、
前記操作方法は、
前記検出器により、前記警告区域内に所定の保護体があるかを検出するステップと、
前記検出器が前記警告区域内に所定の保護体があると検出したときに、前記検出器は、検出信号を生成するステップと、
前記制御ユニットが前記検出信号を受信したときに、前記制御ユニットは、前記プロジェクターを制御し保護モードに進入させるステップと、
を含む、操作方法。
【請求項9】
前記検出器は、顔識別撮像機である、
請求項8に記載の操作方法。
【請求項10】
前記保護モードは、前記光源をオフすることを含む、
請求項8に記載の操作方法。
【請求項11】
前記プロジェクターは、光減衰素子を含み、前記保護モードは、前記光減衰素子が前記光源を遮蔽することを含む、
請求項8に記載の操作方法。
【請求項12】
前記プロジェクターは、スピーカーを含み、前記保護モードは、前記スピーカーが警告音声を出力することを含む、
請求項8に記載の操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−69808(P2009−69808A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155765(P2008−155765)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(500093133)中強光電股▲ふん▼有限公司 (53)
【Fターム(参考)】