プロジェクター
【課題】部品構成が複雑化するのを防止しつつ、平面サイズを小型化して設置自由度を高めることができるプロジェクターを提供する。
【解決手段】画像情報に応じて変調された光束を被投射面上に投射する光学ユニットと、光学ユニットの光源装置を駆動する光源駆動装置82と、少なくとも光源駆動装置82へ電力を供給する電源装置81と、光学ユニット、光源駆動装置82、電源装置81を収容する外装筺体3とを備え、外装筺体3には、厚さ方向一側に天面部、他側に底面部12が設けられ、光学ユニットの底面部12側には、電源装置81、および、光源駆動装置82が配置されていることを特徴としている。
【解決手段】画像情報に応じて変調された光束を被投射面上に投射する光学ユニットと、光学ユニットの光源装置を駆動する光源駆動装置82と、少なくとも光源駆動装置82へ電力を供給する電源装置81と、光学ユニット、光源駆動装置82、電源装置81を収容する外装筺体3とを備え、外装筺体3には、厚さ方向一側に天面部、他側に底面部12が設けられ、光学ユニットの底面部12側には、電源装置81、および、光源駆動装置82が配置されていることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光源装置から射出された光束を画像情報に応じて光変調装置によって変調することで画像光を形成し、この画像光を投射光学装置によって拡大してスクリーンなどの被投射面上に拡大投射するプロジェクターにあっては、上記光源装置を電源装置と光源駆動装置(バラスト)とで挟み込んで配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、電源装置と光源駆動装置とを直列に配置して光学ユニットの側方に配設し、吸気口から取り込んだ冷却風により電源装置を冷却した後に、光源駆動装置を冷却するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−268333号公報
【特許文献2】特開2011−002613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記前者のプロジェクターは、光源装置の両脇に配置された電源装置と光源駆動装置とにそれぞれ冷却ファンを設ける必要があり、部品構成が複雑化するとともに、プロジェクターの平面サイズが大きくなってしまうという課題がある。
さらに上記後者のプロジェクターは、電源装置と光源駆動装置とを直列に配置するために外装筺体が大型化してプロジェクターの平面サイズが大きくなってしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、電源装置と光源駆動装置とにそれぞれ対応する冷却ファンを設けることで部品構成が複雑化するのを防止しつつ、平面サイズを小型化して設置自由度を高めることができるプロジェクターを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクターは、上記課題を解決するために、画像情報に応じて変調された光束を被投射面上に投射する光学ユニットと、該光学ユニットの光源装置を駆動する光源駆動装置と、少なくとも前記光源駆動装置へ電力を供給する電源装置と、前記光学ユニット、前記光源駆動装置、前記電源装置を収容する外装筺体とを備え、該外装筺体には、厚さ方向一側に天面部、他側に底面部が設けられ、前記光学ユニットの前記底面部側には、前記電源装置、および前記光源駆動装置が配置されていることを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、光学ユニットの、外装筺体の底面部側に電源装置と光源駆動装置とが配置されることで、光学ユニットを挟んで電源装置ならびに光源駆動装置を配置する場合と比較して、外装筺体の平面サイズを小型化することができる。したがって、部品点数を削減して装置構成が複雑化するのを防止しつつ、外装筺体の平面サイズの小型化を図り設置自由度を高めることができる。
【0008】
また、前記電源装置ならびに光源駆動装置を冷却する冷却ファンを備え、前記電源装置と前記光源駆動装置とは、前記冷却ファンからの冷却風を振り分けて送り込むべく並列配置されていることが好ましい。
本発明によれば、例えば、電源装置と光源駆動装置との一方を冷却した冷却風を他方に送り込む直列配置の場合と比較して、一つの冷却ファンにより電源装置と光源駆動装置とに並行して冷却風を送り込むことができるため、電源装置と光源駆動装置とを均等に冷却することができる。
【0009】
また、前記電源装置の基板は、前記光源駆動装置の基板に対して垂直に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、電源装置の基板と光源駆動装置の基板とがそれぞれ水平に設けられる場合と比較して、外装筺体の平面サイズをさらに小型化することができる。
【0010】
また、外装筺体は、冷却風を導入するための吸気口を有し、前記冷却ファンは、前記吸気口近傍に設けられたエアフィルターを介して前記外装筺体の外部から空気を取り込むことが好ましい。
本発明によれば、光変調装置を冷却するための吸気口およびエアフィルターを介して空気を取り込むことで、電源装置ならびに光源駆動装置を冷却する冷却ファン用に別途吸気口ならびにエアフィルターを設ける場合よりも、部品点数を削減して外装筺体の構造を簡素化して小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係るプロジェクターの使用例を示す図である。
【図2】上記プロジェクターを天面部側の前方から見た斜視図である。
【図3】上記プロジェクターを天面部側の後方から見た斜視図である。
【図4】上記プロジェクターを底面部側の後方から見た斜視図である。
【図5】上記プロジェクターのカバー部材を取り外した状態の斜視図である。
【図6】筺体本体部に収容される光学ユニットを後面部側からみた分解斜視図である。
【図7】上記光学ユニットの投射光学装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【図8】上記光学ユニットを筺体本体部に収容した状態を示す斜視図である。
【図9】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図10】光学ユニットと電源ユニットとの相対的な位置関係を示す斜視図である。
【図11】電源ユニットと冷却ファンおよび排気ファンとの配置を示す斜視図である。
【図12】上記図11に示す各部を右側面部側から見た斜視図である。
【図13】上記図11に示す各部を底面部側から見た平面図である。
【図14】外装筺体から蓋体および光源駆動装置を取り外した状態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下で用いる図面において、矢印FRはプロジェクター1の前方を示し、矢印UPはプロジェクター1の上方を示し、矢印RHはプロジェクター1の右方を示している。
【0013】
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の使用例を示す図である。
プロジェクター1は、スクリーン等の被投射面SCに光束PLを照射することで、PC(Personal Computer)などから受信される画像情報に応じた画像を被投射面SCに投影する。
図1に示すように、プロジェクター1は、例えば、その天面部11を下方に向けた状態で、天面部11とは反対側の底面部12が、被投射面SCの上方の壁面Hから水平方向に延びる金具2に支持されている。金具2は、壁面Hから離間・接近する方向に伸縮可能なアーム部2aを有しており、当該アーム部2aの伸縮により壁面Hからプロジェクター1までの距離が調整可能になっている。なお、プロジェクター1は、天面部11を上方に向けた状態で床面に載置して被投射面SCに画像を投影することも可能である。
【0014】
図2は、プロジェクター1を天面部11側の前方から見た斜視図であり、図3は、プロジェクター1を天面部11側の後方から見た斜視図である。さらに図4は、プロジェクター1を底面部12側の後方から見た斜視図である。
プロジェクター1は、その外装を構成する例えば合成樹脂製の外装筺体3を備える。外装筺体3は、その厚さ方向一側である上側に天面部11、他側である下側に底面部12を有している。また、外装筺体3は、その幅方向一側である左側に左側面部13、他側である右側に右側面部14を備え、前後方向一側である前側に前面部15、他側である後側に後面部16を有している。なお、前後方向は、プロジェクター1が金具2により被投射面SCに対して離間および近接される方向である。
【0015】
天面部11には、前後方向中央よりも後面部16側に、幅方向に延びる断面略V字状の凹部17が形成されている。凹部17は、後方に配置される第1傾斜面18及び、前方に配置される第2傾斜面19を有している。さらに天面部11には、後面部16から第1傾斜面18に至る範囲内の右側に操作パネル25が設けられている。この操作パネル25には、プロジェクター1を操作するための複数のキーが配設されている。
【0016】
第1傾斜面18には、その左側面部13側に、後述する光学ユニット50の反射部材59により反射された画像すなわち光束PLを通過させるための開口部21が形成されている。この開口部21は、外装筺体3の厚さ方向で最も外側となる最外側位置(図示せず)よりも底面部12側に配置されており、開口部21の周縁は、外装筺体3の内側に向かって傾斜して形成されている。開口部21を通過した光束PLは、外装筺体3の後方側から前方側斜め上方に向かって投射される。なお、第1傾斜面18には、ユーザが操作するレーザーポインタ(図示せず)の動きなどを検出するカメラ23が配置される第2開口部24が上述した開口部21の右側に形成される。プロジェクター1は、カメラ23の撮像結果に基づきレーザーポインタの軌跡を示す線などを被投射面SCに投影される画像上に重ねて表示する機能を有している。
【0017】
第2傾斜面19は、上述した開口部21から投射される光束PLを避けるための傾斜面であって、開口部21よりも光束PLの投射方向に位置し外装筺体3の厚さ方向に対して傾斜して形成されている。より具体的には、第2傾斜面19は、その後縁が上述した第1傾斜面18の最も底面部12側の下縁に接続され、光束PLの投射方向に向かうほど底面部12から離れるように傾斜して形成されている。
【0018】
左側面部13には、複数のスリット状の開口部31が略矩形の範囲に配列された第1吸気口32ならびに第2吸気口33が前後方向に並んで形成されている。第1吸気口32は、第2傾斜面19の側方に位置し、第2吸気口33は、第1吸気口32よりも前方側で且つ、第1吸気口32よりもやや天面部11側にずれて配置されている。これら第1吸気口32および第2吸気口33にはそれぞれエアフィルター(図示せず)と吸気ファンF(図6参照)とが取り付けられている。吸気ファンFには吸気ダクトD(図6参照)が取り付けられており、この吸気ダクトDの噴出口が後述する光学ユニット50の各液晶ライトバルブ(図示せず)の下方にて上方を向いて開口される。これにより、吸気ダクトDを通じて供給される冷却風は、各液晶ライトバルブの下方から上方に向かって噴出されることとなる。なお、第1吸気口32の上方で且つ第2吸気口33の後方側のスペースには、吸気口開閉レバー34が配設されている。また、上記複数の液晶ライトバルブは光変調装置52を構成する。
【0019】
右側面部14には、上記第1吸気口32および第2吸気口33に略対向する位置、換言すれば、後述する光学ユニット50の光源装置51の光軸後方の位置に、複数のスリット状の開口部35が略矩形の範囲に配列された排気口36が形成される。この排気口36には、外装筺体3内部に取り込まれた冷却空気を一括排気する排気ファンユニット54(図6参照)が取り付けられている。
上記構成によれば、第1吸気口32および第2吸気口33からエアフィルターを介して吸気ファンFにより取り込まれた冷却空気によって光学ユニット50の光変調装置52を構成するRGB毎の液晶ライトバルブ等を冷却することができ、さらに冷却に供された冷却空気を排気ファンユニット54により排気口36から外装筺体3の外部に排出することができる。
【0020】
後面部16には、上記操作パネル25の天面部11側の後方位置に、複数の丸孔37が略矩形の範囲に配列されたスピーカー用のメッシュ部38が形成されている。このメッシュ部38の内部には、スピーカーユニット(図示せず)が配置され、このメッシュ部38を介してスピーカーユニットからの音声出力が外装筺体3の外部へと伝達されるようになっている。
【0021】
底面部12には、複数のボス39が形成されている。これらボス39は、金具2のアーム部2aの複数の取付座(図示せず)にそれぞれ対向する位置に配置され、ボス39にアーム部2aの取付座を当接させてビス等で締結することで、プロジェクター1が金具2を介して壁面Hに支持されていわゆる壁掛け状態又は天吊り状態とすることができる。さらに底面部12には、その前面部15側に、メンテナンス用の蓋体40が着脱可能に取り付けられている。この蓋体40は、底面部12から下方に突出して形成されており、この突出する部分は、プロジェクター1が金具2に支持される箇所を避けて当該箇所よりも前面部15側に配置されている。蓋体40の突出する部分は、プロジェクター1が金具2に支持された状態において、金具2と底面部12との間に生じる隙間に配置され、上記隙間を有効利用することが可能となっている(図1参照)。なお、この蓋体40は、水平面41を有しており、プロジェクター1を床面に載置して使用する際に、底面部12の前方側の凸部42とともに外装筺体3を下方から支持する脚部として機能する。
【0022】
図5は、プロジェクター1のカバー部材43を取り外した状態の斜視図である。
図5に示すように、外装筺体3は、第1傾斜面18の右側の一部を構成する壁部43aと、第2傾斜面19の右側の一部を構成する壁部43bと、右側面部14の排気口36よりも後方側の一部を構成する壁部43cとを有するカバー部材43を着脱可能に備えている。このカバー部材43は、外装筺体3の筺体本体部44に対して側方から着脱可能とされる。このカバー部材43の底面部12側には、ケーブル挿通用の底部開口部45が形成されており、カバー部材43の内側の筺体本体部44側には、複数の外部端子を備えるインターフェース部46が配設されている。
【0023】
図6は、プロジェクター1の筺体本体部44に収容される光学ユニット50を後面部16側からみた分解斜視図である。
図6に示す光学ユニット50は、プロジェクター1の装置本体を構成し、上下分割可能な筺体本体部44の内部に収容される。装置本体は、光学ユニット50の他、吸気ファンFなどを有する冷却機構、光学ユニット50や冷却機構などに電力を供給する電源ユニット80(後述する)、および、これら光学ユニット50、冷却機構の駆動制御を行う制御ユニット(図示せず)などを備えて構成される。
【0024】
光学ユニット50は、光束PLを射出する光源装置51と、この光源装置51から射出された光束PLを外部から入力される画像情報に応じて変調する液晶ライトバルブ等を備える光変調装置52と、この光変調装置52により変調された光束PLを被投射面SCに投射する投射光学装置53等を備えて構成される。
ここで、外装筺体3の前後方向一側である前面部15側には、外装筺体3の幅方向一側である右側面部14側に光源装置51が配置されるとともに、幅方向他側である左側面部13側に光変調装置52が配置され、さらに、外装筺体3の幅方向他側である左側面部側には、投射光学装置53が前後方向に延在して配置される。つまり、光学ユニット50は、天面部11あるいは底面部12側から見て略L字状に形成されている。なお、図6では、筺体本体部44のロアケースのみを示している。
【0025】
図7は、光学ユニット50の投射光学装置53の内部構成を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、光学ユニット50は、光変調装置52を介した光源装置51からの光束PLが入射される複数のレンズ58と、レンズ58からの光束PLを反射する反射面59Aを有する反射部材59と、レンズ58及び反射部材59を収容する収容部材60とを有する。
反射面59Aは、凹面を含み、反射部材59は、非球面ミラーである(以下、反射部材59を適宜、非球面ミラー59と称する)。反射面59Aは、回転対称でない自由曲面形状の反射面であり、非球面ミラー59は、投射光学装置53における光路最下流において、反射面59Aが斜め上方を向くように配置される。非球面ミラー59は、複数のレンズ58により導かれた光束PLを反射して、図7中の斜め上方側に折り返すとともに広角化する。
【0026】
投射開口部61及び開口部21は、収容部材60の上方側に配置され、非球面ミラー59で反射した光束PLを通過させることができる。投射光学装置53は、非球面ミラー59で反射した光束PLが、収容部材60の上方側において投射開口部61及び開口部21を通過できるように、外装筺体3の内部に設置される。非球面ミラー59(反射面59A)は、レンズ58からの光束PLを反射して、投射開口部61及び開口部21へ導く。投射開口部61は、光束PLを透過可能な透過部材22により閉塞されている。反射部材59からの光束PLは、投射開口部61の透過部材22を通過した後、開口部21を通過して、外装筺体3の外部空間に射出される。
投射開口部61は、非球面ミラー59の反射面59Aで反射した光束PLが集光する集光点Pの近傍に形成され、これにより投射開口部61の面積を小さくすることが可能となっている。
【0027】
図8は、上述した図6の光学ユニット50を筺体本体部44に収容した状態を示す斜視図であり、図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。さらに図10は、光学ユニット50と電源ユニット80との相対的な位置関係を示す斜視図である。
図8〜図10に示すように、外装筺体3の筺体本体部44には、光学ユニット50の底面部12側に電源ユニット80と、この電源ユニット80を冷却するための冷却ファン84が配置されている。より具体的には、電源ユニット80は、光学ユニット50の光源装置51から光変調装置52に至る部分の底面部12側の蓋体40内に収容されており、光学ユニット50と電源ユニット80との間には、外装筺体3の隔壁83が形成されて光学ユニット50に対して電源ユニット80が隔離されている。
【0028】
電源ユニット80は、主に電源装置81と光源駆動装置82とを備えて構成される。
電源装置81は、商用の交流電力を電圧変換して光源駆動装置82や制御基板(図示せず)などへ電力供給を行う。電源装置81は、パワートランジスタや整流用のキャパシタなどの各種電子部品が実装された電源基板81aを備えている。
光源駆動装置82は、電源装置81からの供給電力を安定化して光源装置51へ供給する装置である。光源駆動装置82は、パワートランジスタやダイオードなどの各種電子部品が実装された光源駆動基板82aを備えている。なお、上述した光源装置51においては、主に光源駆動装置82からの供給電力により光束PLが射出されている。
【0029】
光源駆動装置82の光源駆動基板82aは、外装筺体3の幅方向が長手方向となる略矩形に形成され、その長手方向が、光学ユニット50の光源装置51から光変調装置52に延びる方向を向くように配置されている。光源駆動基板82aは、その表裏面が外装筺体3の前後方向を向くように略鉛直に延在され、電源装置81よりも前面部15側に配置されている。
電源装置81は、電源基板81aの前面部15側と後面部16側と底面部12側とをそれぞれ覆う金属製の壁部85a〜85cを有した断面略コの字状のケーシング85を備えている。そして、このケーシング85の壁部85aが、電源装置81の電源基板81aと光源駆動装置82の光源駆動基板82aとを隔てる隔壁となっている。
【0030】
図11は、電源ユニット80と冷却ファン84および排気ファン54aとの相対配置を示す左側面部13側から見た斜視図であり、図12は、電源ユニット80と冷却ファン84および排気ファン54aとの相対配置を示す右側面部14側から見た斜視図である。さらに図13は、電源ユニット80と冷却ファン84および排気ファン54aとの相対配置を示す底面部12側から見た平面図である。
【0031】
図11〜図13に示すように、電源基板81aは、光源駆動基板82aに対して略垂直に配置されている。このように配置された電源基板81aと光源駆動基板82aとは、上述した壁部85aにより隔てられており、この壁部85aの作用により、電源基板81aからの電磁誘導等による影響が光源駆動基板82aへ及ばないようになっている。
【0032】
冷却ファン84は、電源装置81ならびに光源駆動装置82に対して冷却風を供給するいわゆる遠心ファン(換言すれば、シロッコファン)であり、その回転軸が、外装筺体3の厚さ方向を向いた姿勢で筺体本体部44に固定されている。また冷却ファン84は、その吹き出し口84aをやや電源装置81側に傾斜させた状態で、吹き出し口84aが壁部85aの端縁に向くように配置されており、この吹き出し口84aの配置により、吹き出された冷却風が、図13の矢印に示すように、壁部85aにより二分されてそれぞれ電源装置81ならびに光源駆動装置82に略均等に流れ込むようになっている。つまり、上述した電源装置81と光源駆動装置82とは、冷却ファン84からの冷却風が振り分けられて送り込まれるべく並列配置となっている。
【0033】
電源装置81においては、上述したケーシング85が冷却風の流路となり、冷却ファン84が配置された流路の一側から流入される冷却風は、排気ファンユニット54の排気ファン54aが配置される流路の他側から流出される。そして、排気ファン54aを介して外部へと排出される。光源駆動装置82においては、主に、上記壁部85aと光源駆動基板82aが固定されるフレーム86とにより流路が形成され、電源装置81と同様に、冷却ファン84が配置された流路の一側から流入される冷却風は、排気ファン54aが配置される流路の他側から流出される。
【0034】
排気ファン54aは、いわゆる軸流ファンであり光源装置51の光軸方向の後側にその軸線が配置され、さらに電源ユニット80の光源駆動装置82よりも電源装置81に近い位置に配置されている。このような配置の場合、冷却ファン84から排気ファン54aまでの流路長は、排気ファン54aが配置される側である電源装置81経由の流路長の方が光源駆動装置82経由の流路長よりも短くなり、流量が多くなる傾向がある。そのため、冷却風の流量を均等化するべく、光源駆動装置82の流路の他側には、当該流路を電源装置81側に拡張する拡張部81bが形成されている。この拡張部81bは光源駆動装置82の流路出口側に向かって徐々に拡幅するように形成されており、これにより光源駆動装置82の流路の方が、電源装置81の流路の断面積よりも大きくなり、これにより電源装置81への流量が若干絞られるとともに光源駆動装置82への流量が若干増加されて、電源装置81と光源駆動装置82とに流れる冷却風の流量が均等化されている。
【0035】
図14は、外装筺体3から蓋体40および光源駆動装置82を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図14に示すように、上述した蓋体40は、筺体本体部44に対してビス(図示せず)等を介して着脱可能に固定される。この蓋体40の内側には、電源ユニット80を構成する電源装置81と光源駆動装置82とが収容されるとともに、その左側面部13側には、これら電源装置81と光源駆動装置82とに冷却風を供給する冷却ファン84が配設される。冷却ファン84は、上述した光変調装置52用の第1吸気口32および第2吸気口33の底面部12側の近傍に配置されており、これら第1吸気口32、第2吸気口33およびエアフィルター(図示せず)を介して外装筺体3の外部から空気が供給される。
【0036】
光源駆動装置82は、前面部15側からビス86により電源装置81のケーシング85に着脱可能に固定され、その固定された状態で、底面部12側に設けられたヒンジを介して揺動可能に支持された開閉部87によって前面部15側が覆われる。さらに、電源装置81に対して光源駆動装置82が取り付けられた状態において、電源ユニット80の底面部12側および前面部15側を覆うフレーム部材88が取り付けられている。このフレーム部材88は、筺体本体部44に固定され、このフレーム部材88が筺体本体部44に固定された状態で、蓋体40を底面部12側から筺体本体部44に取り付けることで、電源ユニット80および冷却ファン84が外装筺体3内部に収容される。これとは反対に、蓋体40およびフレーム部材88を筺体本体部44から取り外して、開閉部87を開き、さらにビス89を離脱させることで、光源駆動装置82を外装筺体3の内部から取り出すことができる。
【0037】
以上説明した本実施形態のプロジェクターによれば、光学ユニット50の底面部12側に電源装置81と光源駆動装置82とが配置されることで、光学ユニット50を挟んで電源装置81ならびに光源駆動装置82を配置する場合と比較して、外装筺体3の平面サイズを小型化することができる。さらに、電源装置81と光源駆動装置82とを両方とも光学ユニット50の底面部12側に配置していることで、一つの冷却ファン84によって電源装置81と光源駆動装置82とに冷却風を送風することができる。この結果、部品点数を削減して装置構成が複雑化するのを防止しつつ、外装筺体3の平面サイズの小型化を図り設置自由度を高めることができる。
【0038】
さらに、例えば、電源装置81と光源駆動装置82との一方を冷却した冷却風を他方に送り込む直列配置の場合と比較して、一つの冷却ファン84により電源装置81と光源駆動装置82とに冷却風を並行して送風することができるため、電源装置81と光源駆動装置82とを均等に冷却することができる。
【0039】
また、電源装置81の電源基板81aと光源駆動装置82の光源駆動基板82aとがそれぞれ略水平に設けられる場合と比較して、光源駆動基板82aを電源基板81aに対して垂直に配置した分だけ外装筺体3の平面サイズを更に小型化することができる。
電源ユニット80は、光学ユニット50の光源装置51から光変調装置52に至る部分の底面部12側の蓋体40内に収容されている。よって電源ユニット80は、プロジェクター1が金具2に支持された状態において、金具2と底面部12との間に生じる隙間に配置されているので、底面部12から突出して設置されていてもプロジェクター1の設置に影響を及ぼすことがない。
そして、光変調装置52を冷却するための第1吸気口32、第2吸気口33、およびエアフィルターを介して空気を取り込むことができるため、電源装置81ならびに光源駆動装置82を冷却する冷却ファン84用に別途吸気口ならびにエアフィルターを設ける場合よりも、部品点数を削減して外装筺体3の構造を簡素化して小型化することができる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0041】
3…外装筺体、11…天面部、12…底面部、21…開口部、32…第1吸気口、33…第2吸気口、50…光学ユニット、51…光源装置、81…電源装置、82…光源駆動装置、84…冷却ファン、SC…被投射面、
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
光源装置から射出された光束を画像情報に応じて光変調装置によって変調することで画像光を形成し、この画像光を投射光学装置によって拡大してスクリーンなどの被投射面上に拡大投射するプロジェクターにあっては、上記光源装置を電源装置と光源駆動装置(バラスト)とで挟み込んで配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、電源装置と光源駆動装置とを直列に配置して光学ユニットの側方に配設し、吸気口から取り込んだ冷却風により電源装置を冷却した後に、光源駆動装置を冷却するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−268333号公報
【特許文献2】特開2011−002613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記前者のプロジェクターは、光源装置の両脇に配置された電源装置と光源駆動装置とにそれぞれ冷却ファンを設ける必要があり、部品構成が複雑化するとともに、プロジェクターの平面サイズが大きくなってしまうという課題がある。
さらに上記後者のプロジェクターは、電源装置と光源駆動装置とを直列に配置するために外装筺体が大型化してプロジェクターの平面サイズが大きくなってしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、電源装置と光源駆動装置とにそれぞれ対応する冷却ファンを設けることで部品構成が複雑化するのを防止しつつ、平面サイズを小型化して設置自由度を高めることができるプロジェクターを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクターは、上記課題を解決するために、画像情報に応じて変調された光束を被投射面上に投射する光学ユニットと、該光学ユニットの光源装置を駆動する光源駆動装置と、少なくとも前記光源駆動装置へ電力を供給する電源装置と、前記光学ユニット、前記光源駆動装置、前記電源装置を収容する外装筺体とを備え、該外装筺体には、厚さ方向一側に天面部、他側に底面部が設けられ、前記光学ユニットの前記底面部側には、前記電源装置、および前記光源駆動装置が配置されていることを特徴としている。
【0007】
本発明によれば、光学ユニットの、外装筺体の底面部側に電源装置と光源駆動装置とが配置されることで、光学ユニットを挟んで電源装置ならびに光源駆動装置を配置する場合と比較して、外装筺体の平面サイズを小型化することができる。したがって、部品点数を削減して装置構成が複雑化するのを防止しつつ、外装筺体の平面サイズの小型化を図り設置自由度を高めることができる。
【0008】
また、前記電源装置ならびに光源駆動装置を冷却する冷却ファンを備え、前記電源装置と前記光源駆動装置とは、前記冷却ファンからの冷却風を振り分けて送り込むべく並列配置されていることが好ましい。
本発明によれば、例えば、電源装置と光源駆動装置との一方を冷却した冷却風を他方に送り込む直列配置の場合と比較して、一つの冷却ファンにより電源装置と光源駆動装置とに並行して冷却風を送り込むことができるため、電源装置と光源駆動装置とを均等に冷却することができる。
【0009】
また、前記電源装置の基板は、前記光源駆動装置の基板に対して垂直に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、電源装置の基板と光源駆動装置の基板とがそれぞれ水平に設けられる場合と比較して、外装筺体の平面サイズをさらに小型化することができる。
【0010】
また、外装筺体は、冷却風を導入するための吸気口を有し、前記冷却ファンは、前記吸気口近傍に設けられたエアフィルターを介して前記外装筺体の外部から空気を取り込むことが好ましい。
本発明によれば、光変調装置を冷却するための吸気口およびエアフィルターを介して空気を取り込むことで、電源装置ならびに光源駆動装置を冷却する冷却ファン用に別途吸気口ならびにエアフィルターを設ける場合よりも、部品点数を削減して外装筺体の構造を簡素化して小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係るプロジェクターの使用例を示す図である。
【図2】上記プロジェクターを天面部側の前方から見た斜視図である。
【図3】上記プロジェクターを天面部側の後方から見た斜視図である。
【図4】上記プロジェクターを底面部側の後方から見た斜視図である。
【図5】上記プロジェクターのカバー部材を取り外した状態の斜視図である。
【図6】筺体本体部に収容される光学ユニットを後面部側からみた分解斜視図である。
【図7】上記光学ユニットの投射光学装置の内部構成を模式的に示す断面図である。
【図8】上記光学ユニットを筺体本体部に収容した状態を示す斜視図である。
【図9】図8のA−A線に沿う断面図である。
【図10】光学ユニットと電源ユニットとの相対的な位置関係を示す斜視図である。
【図11】電源ユニットと冷却ファンおよび排気ファンとの配置を示す斜視図である。
【図12】上記図11に示す各部を右側面部側から見た斜視図である。
【図13】上記図11に示す各部を底面部側から見た平面図である。
【図14】外装筺体から蓋体および光源駆動装置を取り外した状態の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下で用いる図面において、矢印FRはプロジェクター1の前方を示し、矢印UPはプロジェクター1の上方を示し、矢印RHはプロジェクター1の右方を示している。
【0013】
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の使用例を示す図である。
プロジェクター1は、スクリーン等の被投射面SCに光束PLを照射することで、PC(Personal Computer)などから受信される画像情報に応じた画像を被投射面SCに投影する。
図1に示すように、プロジェクター1は、例えば、その天面部11を下方に向けた状態で、天面部11とは反対側の底面部12が、被投射面SCの上方の壁面Hから水平方向に延びる金具2に支持されている。金具2は、壁面Hから離間・接近する方向に伸縮可能なアーム部2aを有しており、当該アーム部2aの伸縮により壁面Hからプロジェクター1までの距離が調整可能になっている。なお、プロジェクター1は、天面部11を上方に向けた状態で床面に載置して被投射面SCに画像を投影することも可能である。
【0014】
図2は、プロジェクター1を天面部11側の前方から見た斜視図であり、図3は、プロジェクター1を天面部11側の後方から見た斜視図である。さらに図4は、プロジェクター1を底面部12側の後方から見た斜視図である。
プロジェクター1は、その外装を構成する例えば合成樹脂製の外装筺体3を備える。外装筺体3は、その厚さ方向一側である上側に天面部11、他側である下側に底面部12を有している。また、外装筺体3は、その幅方向一側である左側に左側面部13、他側である右側に右側面部14を備え、前後方向一側である前側に前面部15、他側である後側に後面部16を有している。なお、前後方向は、プロジェクター1が金具2により被投射面SCに対して離間および近接される方向である。
【0015】
天面部11には、前後方向中央よりも後面部16側に、幅方向に延びる断面略V字状の凹部17が形成されている。凹部17は、後方に配置される第1傾斜面18及び、前方に配置される第2傾斜面19を有している。さらに天面部11には、後面部16から第1傾斜面18に至る範囲内の右側に操作パネル25が設けられている。この操作パネル25には、プロジェクター1を操作するための複数のキーが配設されている。
【0016】
第1傾斜面18には、その左側面部13側に、後述する光学ユニット50の反射部材59により反射された画像すなわち光束PLを通過させるための開口部21が形成されている。この開口部21は、外装筺体3の厚さ方向で最も外側となる最外側位置(図示せず)よりも底面部12側に配置されており、開口部21の周縁は、外装筺体3の内側に向かって傾斜して形成されている。開口部21を通過した光束PLは、外装筺体3の後方側から前方側斜め上方に向かって投射される。なお、第1傾斜面18には、ユーザが操作するレーザーポインタ(図示せず)の動きなどを検出するカメラ23が配置される第2開口部24が上述した開口部21の右側に形成される。プロジェクター1は、カメラ23の撮像結果に基づきレーザーポインタの軌跡を示す線などを被投射面SCに投影される画像上に重ねて表示する機能を有している。
【0017】
第2傾斜面19は、上述した開口部21から投射される光束PLを避けるための傾斜面であって、開口部21よりも光束PLの投射方向に位置し外装筺体3の厚さ方向に対して傾斜して形成されている。より具体的には、第2傾斜面19は、その後縁が上述した第1傾斜面18の最も底面部12側の下縁に接続され、光束PLの投射方向に向かうほど底面部12から離れるように傾斜して形成されている。
【0018】
左側面部13には、複数のスリット状の開口部31が略矩形の範囲に配列された第1吸気口32ならびに第2吸気口33が前後方向に並んで形成されている。第1吸気口32は、第2傾斜面19の側方に位置し、第2吸気口33は、第1吸気口32よりも前方側で且つ、第1吸気口32よりもやや天面部11側にずれて配置されている。これら第1吸気口32および第2吸気口33にはそれぞれエアフィルター(図示せず)と吸気ファンF(図6参照)とが取り付けられている。吸気ファンFには吸気ダクトD(図6参照)が取り付けられており、この吸気ダクトDの噴出口が後述する光学ユニット50の各液晶ライトバルブ(図示せず)の下方にて上方を向いて開口される。これにより、吸気ダクトDを通じて供給される冷却風は、各液晶ライトバルブの下方から上方に向かって噴出されることとなる。なお、第1吸気口32の上方で且つ第2吸気口33の後方側のスペースには、吸気口開閉レバー34が配設されている。また、上記複数の液晶ライトバルブは光変調装置52を構成する。
【0019】
右側面部14には、上記第1吸気口32および第2吸気口33に略対向する位置、換言すれば、後述する光学ユニット50の光源装置51の光軸後方の位置に、複数のスリット状の開口部35が略矩形の範囲に配列された排気口36が形成される。この排気口36には、外装筺体3内部に取り込まれた冷却空気を一括排気する排気ファンユニット54(図6参照)が取り付けられている。
上記構成によれば、第1吸気口32および第2吸気口33からエアフィルターを介して吸気ファンFにより取り込まれた冷却空気によって光学ユニット50の光変調装置52を構成するRGB毎の液晶ライトバルブ等を冷却することができ、さらに冷却に供された冷却空気を排気ファンユニット54により排気口36から外装筺体3の外部に排出することができる。
【0020】
後面部16には、上記操作パネル25の天面部11側の後方位置に、複数の丸孔37が略矩形の範囲に配列されたスピーカー用のメッシュ部38が形成されている。このメッシュ部38の内部には、スピーカーユニット(図示せず)が配置され、このメッシュ部38を介してスピーカーユニットからの音声出力が外装筺体3の外部へと伝達されるようになっている。
【0021】
底面部12には、複数のボス39が形成されている。これらボス39は、金具2のアーム部2aの複数の取付座(図示せず)にそれぞれ対向する位置に配置され、ボス39にアーム部2aの取付座を当接させてビス等で締結することで、プロジェクター1が金具2を介して壁面Hに支持されていわゆる壁掛け状態又は天吊り状態とすることができる。さらに底面部12には、その前面部15側に、メンテナンス用の蓋体40が着脱可能に取り付けられている。この蓋体40は、底面部12から下方に突出して形成されており、この突出する部分は、プロジェクター1が金具2に支持される箇所を避けて当該箇所よりも前面部15側に配置されている。蓋体40の突出する部分は、プロジェクター1が金具2に支持された状態において、金具2と底面部12との間に生じる隙間に配置され、上記隙間を有効利用することが可能となっている(図1参照)。なお、この蓋体40は、水平面41を有しており、プロジェクター1を床面に載置して使用する際に、底面部12の前方側の凸部42とともに外装筺体3を下方から支持する脚部として機能する。
【0022】
図5は、プロジェクター1のカバー部材43を取り外した状態の斜視図である。
図5に示すように、外装筺体3は、第1傾斜面18の右側の一部を構成する壁部43aと、第2傾斜面19の右側の一部を構成する壁部43bと、右側面部14の排気口36よりも後方側の一部を構成する壁部43cとを有するカバー部材43を着脱可能に備えている。このカバー部材43は、外装筺体3の筺体本体部44に対して側方から着脱可能とされる。このカバー部材43の底面部12側には、ケーブル挿通用の底部開口部45が形成されており、カバー部材43の内側の筺体本体部44側には、複数の外部端子を備えるインターフェース部46が配設されている。
【0023】
図6は、プロジェクター1の筺体本体部44に収容される光学ユニット50を後面部16側からみた分解斜視図である。
図6に示す光学ユニット50は、プロジェクター1の装置本体を構成し、上下分割可能な筺体本体部44の内部に収容される。装置本体は、光学ユニット50の他、吸気ファンFなどを有する冷却機構、光学ユニット50や冷却機構などに電力を供給する電源ユニット80(後述する)、および、これら光学ユニット50、冷却機構の駆動制御を行う制御ユニット(図示せず)などを備えて構成される。
【0024】
光学ユニット50は、光束PLを射出する光源装置51と、この光源装置51から射出された光束PLを外部から入力される画像情報に応じて変調する液晶ライトバルブ等を備える光変調装置52と、この光変調装置52により変調された光束PLを被投射面SCに投射する投射光学装置53等を備えて構成される。
ここで、外装筺体3の前後方向一側である前面部15側には、外装筺体3の幅方向一側である右側面部14側に光源装置51が配置されるとともに、幅方向他側である左側面部13側に光変調装置52が配置され、さらに、外装筺体3の幅方向他側である左側面部側には、投射光学装置53が前後方向に延在して配置される。つまり、光学ユニット50は、天面部11あるいは底面部12側から見て略L字状に形成されている。なお、図6では、筺体本体部44のロアケースのみを示している。
【0025】
図7は、光学ユニット50の投射光学装置53の内部構成を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、光学ユニット50は、光変調装置52を介した光源装置51からの光束PLが入射される複数のレンズ58と、レンズ58からの光束PLを反射する反射面59Aを有する反射部材59と、レンズ58及び反射部材59を収容する収容部材60とを有する。
反射面59Aは、凹面を含み、反射部材59は、非球面ミラーである(以下、反射部材59を適宜、非球面ミラー59と称する)。反射面59Aは、回転対称でない自由曲面形状の反射面であり、非球面ミラー59は、投射光学装置53における光路最下流において、反射面59Aが斜め上方を向くように配置される。非球面ミラー59は、複数のレンズ58により導かれた光束PLを反射して、図7中の斜め上方側に折り返すとともに広角化する。
【0026】
投射開口部61及び開口部21は、収容部材60の上方側に配置され、非球面ミラー59で反射した光束PLを通過させることができる。投射光学装置53は、非球面ミラー59で反射した光束PLが、収容部材60の上方側において投射開口部61及び開口部21を通過できるように、外装筺体3の内部に設置される。非球面ミラー59(反射面59A)は、レンズ58からの光束PLを反射して、投射開口部61及び開口部21へ導く。投射開口部61は、光束PLを透過可能な透過部材22により閉塞されている。反射部材59からの光束PLは、投射開口部61の透過部材22を通過した後、開口部21を通過して、外装筺体3の外部空間に射出される。
投射開口部61は、非球面ミラー59の反射面59Aで反射した光束PLが集光する集光点Pの近傍に形成され、これにより投射開口部61の面積を小さくすることが可能となっている。
【0027】
図8は、上述した図6の光学ユニット50を筺体本体部44に収容した状態を示す斜視図であり、図9は、図8のA−A線に沿う断面図である。さらに図10は、光学ユニット50と電源ユニット80との相対的な位置関係を示す斜視図である。
図8〜図10に示すように、外装筺体3の筺体本体部44には、光学ユニット50の底面部12側に電源ユニット80と、この電源ユニット80を冷却するための冷却ファン84が配置されている。より具体的には、電源ユニット80は、光学ユニット50の光源装置51から光変調装置52に至る部分の底面部12側の蓋体40内に収容されており、光学ユニット50と電源ユニット80との間には、外装筺体3の隔壁83が形成されて光学ユニット50に対して電源ユニット80が隔離されている。
【0028】
電源ユニット80は、主に電源装置81と光源駆動装置82とを備えて構成される。
電源装置81は、商用の交流電力を電圧変換して光源駆動装置82や制御基板(図示せず)などへ電力供給を行う。電源装置81は、パワートランジスタや整流用のキャパシタなどの各種電子部品が実装された電源基板81aを備えている。
光源駆動装置82は、電源装置81からの供給電力を安定化して光源装置51へ供給する装置である。光源駆動装置82は、パワートランジスタやダイオードなどの各種電子部品が実装された光源駆動基板82aを備えている。なお、上述した光源装置51においては、主に光源駆動装置82からの供給電力により光束PLが射出されている。
【0029】
光源駆動装置82の光源駆動基板82aは、外装筺体3の幅方向が長手方向となる略矩形に形成され、その長手方向が、光学ユニット50の光源装置51から光変調装置52に延びる方向を向くように配置されている。光源駆動基板82aは、その表裏面が外装筺体3の前後方向を向くように略鉛直に延在され、電源装置81よりも前面部15側に配置されている。
電源装置81は、電源基板81aの前面部15側と後面部16側と底面部12側とをそれぞれ覆う金属製の壁部85a〜85cを有した断面略コの字状のケーシング85を備えている。そして、このケーシング85の壁部85aが、電源装置81の電源基板81aと光源駆動装置82の光源駆動基板82aとを隔てる隔壁となっている。
【0030】
図11は、電源ユニット80と冷却ファン84および排気ファン54aとの相対配置を示す左側面部13側から見た斜視図であり、図12は、電源ユニット80と冷却ファン84および排気ファン54aとの相対配置を示す右側面部14側から見た斜視図である。さらに図13は、電源ユニット80と冷却ファン84および排気ファン54aとの相対配置を示す底面部12側から見た平面図である。
【0031】
図11〜図13に示すように、電源基板81aは、光源駆動基板82aに対して略垂直に配置されている。このように配置された電源基板81aと光源駆動基板82aとは、上述した壁部85aにより隔てられており、この壁部85aの作用により、電源基板81aからの電磁誘導等による影響が光源駆動基板82aへ及ばないようになっている。
【0032】
冷却ファン84は、電源装置81ならびに光源駆動装置82に対して冷却風を供給するいわゆる遠心ファン(換言すれば、シロッコファン)であり、その回転軸が、外装筺体3の厚さ方向を向いた姿勢で筺体本体部44に固定されている。また冷却ファン84は、その吹き出し口84aをやや電源装置81側に傾斜させた状態で、吹き出し口84aが壁部85aの端縁に向くように配置されており、この吹き出し口84aの配置により、吹き出された冷却風が、図13の矢印に示すように、壁部85aにより二分されてそれぞれ電源装置81ならびに光源駆動装置82に略均等に流れ込むようになっている。つまり、上述した電源装置81と光源駆動装置82とは、冷却ファン84からの冷却風が振り分けられて送り込まれるべく並列配置となっている。
【0033】
電源装置81においては、上述したケーシング85が冷却風の流路となり、冷却ファン84が配置された流路の一側から流入される冷却風は、排気ファンユニット54の排気ファン54aが配置される流路の他側から流出される。そして、排気ファン54aを介して外部へと排出される。光源駆動装置82においては、主に、上記壁部85aと光源駆動基板82aが固定されるフレーム86とにより流路が形成され、電源装置81と同様に、冷却ファン84が配置された流路の一側から流入される冷却風は、排気ファン54aが配置される流路の他側から流出される。
【0034】
排気ファン54aは、いわゆる軸流ファンであり光源装置51の光軸方向の後側にその軸線が配置され、さらに電源ユニット80の光源駆動装置82よりも電源装置81に近い位置に配置されている。このような配置の場合、冷却ファン84から排気ファン54aまでの流路長は、排気ファン54aが配置される側である電源装置81経由の流路長の方が光源駆動装置82経由の流路長よりも短くなり、流量が多くなる傾向がある。そのため、冷却風の流量を均等化するべく、光源駆動装置82の流路の他側には、当該流路を電源装置81側に拡張する拡張部81bが形成されている。この拡張部81bは光源駆動装置82の流路出口側に向かって徐々に拡幅するように形成されており、これにより光源駆動装置82の流路の方が、電源装置81の流路の断面積よりも大きくなり、これにより電源装置81への流量が若干絞られるとともに光源駆動装置82への流量が若干増加されて、電源装置81と光源駆動装置82とに流れる冷却風の流量が均等化されている。
【0035】
図14は、外装筺体3から蓋体40および光源駆動装置82を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図14に示すように、上述した蓋体40は、筺体本体部44に対してビス(図示せず)等を介して着脱可能に固定される。この蓋体40の内側には、電源ユニット80を構成する電源装置81と光源駆動装置82とが収容されるとともに、その左側面部13側には、これら電源装置81と光源駆動装置82とに冷却風を供給する冷却ファン84が配設される。冷却ファン84は、上述した光変調装置52用の第1吸気口32および第2吸気口33の底面部12側の近傍に配置されており、これら第1吸気口32、第2吸気口33およびエアフィルター(図示せず)を介して外装筺体3の外部から空気が供給される。
【0036】
光源駆動装置82は、前面部15側からビス86により電源装置81のケーシング85に着脱可能に固定され、その固定された状態で、底面部12側に設けられたヒンジを介して揺動可能に支持された開閉部87によって前面部15側が覆われる。さらに、電源装置81に対して光源駆動装置82が取り付けられた状態において、電源ユニット80の底面部12側および前面部15側を覆うフレーム部材88が取り付けられている。このフレーム部材88は、筺体本体部44に固定され、このフレーム部材88が筺体本体部44に固定された状態で、蓋体40を底面部12側から筺体本体部44に取り付けることで、電源ユニット80および冷却ファン84が外装筺体3内部に収容される。これとは反対に、蓋体40およびフレーム部材88を筺体本体部44から取り外して、開閉部87を開き、さらにビス89を離脱させることで、光源駆動装置82を外装筺体3の内部から取り出すことができる。
【0037】
以上説明した本実施形態のプロジェクターによれば、光学ユニット50の底面部12側に電源装置81と光源駆動装置82とが配置されることで、光学ユニット50を挟んで電源装置81ならびに光源駆動装置82を配置する場合と比較して、外装筺体3の平面サイズを小型化することができる。さらに、電源装置81と光源駆動装置82とを両方とも光学ユニット50の底面部12側に配置していることで、一つの冷却ファン84によって電源装置81と光源駆動装置82とに冷却風を送風することができる。この結果、部品点数を削減して装置構成が複雑化するのを防止しつつ、外装筺体3の平面サイズの小型化を図り設置自由度を高めることができる。
【0038】
さらに、例えば、電源装置81と光源駆動装置82との一方を冷却した冷却風を他方に送り込む直列配置の場合と比較して、一つの冷却ファン84により電源装置81と光源駆動装置82とに冷却風を並行して送風することができるため、電源装置81と光源駆動装置82とを均等に冷却することができる。
【0039】
また、電源装置81の電源基板81aと光源駆動装置82の光源駆動基板82aとがそれぞれ略水平に設けられる場合と比較して、光源駆動基板82aを電源基板81aに対して垂直に配置した分だけ外装筺体3の平面サイズを更に小型化することができる。
電源ユニット80は、光学ユニット50の光源装置51から光変調装置52に至る部分の底面部12側の蓋体40内に収容されている。よって電源ユニット80は、プロジェクター1が金具2に支持された状態において、金具2と底面部12との間に生じる隙間に配置されているので、底面部12から突出して設置されていてもプロジェクター1の設置に影響を及ぼすことがない。
そして、光変調装置52を冷却するための第1吸気口32、第2吸気口33、およびエアフィルターを介して空気を取り込むことができるため、電源装置81ならびに光源駆動装置82を冷却する冷却ファン84用に別途吸気口ならびにエアフィルターを設ける場合よりも、部品点数を削減して外装筺体3の構造を簡素化して小型化することができる。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0041】
3…外装筺体、11…天面部、12…底面部、21…開口部、32…第1吸気口、33…第2吸気口、50…光学ユニット、51…光源装置、81…電源装置、82…光源駆動装置、84…冷却ファン、SC…被投射面、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報に応じて変調された光束を被投射面上に投射する光学ユニットと、
該光学ユニットの光源装置を駆動する光源駆動装置と、
少なくとも前記光源駆動装置へ電力を供給する電源装置と、
前記光学ユニット、前記光源駆動装置、前記電源装置を収容する外装筺体とを備え、
該外装筺体には、厚さ方向一側に天面部、他側に底面部が設けられ、
前記光学ユニットの前記底面部側には、前記電源装置、および前記光源駆動装置が配置されていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記電源装置ならびに光源駆動装置を冷却する冷却ファンを備え、
前記電源装置と前記光源駆動装置とは、前記冷却ファンからの冷却風を振り分けて送り込むべく並列配置されている請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記電源装置の基板は、前記光源駆動装置の基板に対して垂直に設けられている請求項1又は2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記外装筺体は、冷却風を導入するための吸気口を有し、
前記冷却ファンは、前記吸気口近傍に設けられたエアフィルターを介して前記外装筺体の外部から空気を取り込む請求項1乃至3の何れか一項に記載のプロジェクター。
【請求項1】
画像情報に応じて変調された光束を被投射面上に投射する光学ユニットと、
該光学ユニットの光源装置を駆動する光源駆動装置と、
少なくとも前記光源駆動装置へ電力を供給する電源装置と、
前記光学ユニット、前記光源駆動装置、前記電源装置を収容する外装筺体とを備え、
該外装筺体には、厚さ方向一側に天面部、他側に底面部が設けられ、
前記光学ユニットの前記底面部側には、前記電源装置、および前記光源駆動装置が配置されていることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記電源装置ならびに光源駆動装置を冷却する冷却ファンを備え、
前記電源装置と前記光源駆動装置とは、前記冷却ファンからの冷却風を振り分けて送り込むべく並列配置されている請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記電源装置の基板は、前記光源駆動装置の基板に対して垂直に設けられている請求項1又は2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記外装筺体は、冷却風を導入するための吸気口を有し、
前記冷却ファンは、前記吸気口近傍に設けられたエアフィルターを介して前記外装筺体の外部から空気を取り込む請求項1乃至3の何れか一項に記載のプロジェクター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−41134(P2013−41134A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178268(P2011−178268)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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