プロジェクター
【課題】設置姿勢(投写方法)に適した駆動制御を行うことで、ユーザーにとって使いやすいプロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、互いに対向配置された第1ケースと第2ケースとを組み合わせることによって構成される外装筐体と、外装筐体内に配置され、光束を射出する光源と、光源からの光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、全体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、姿勢検出手段は、その姿勢検出面が外装筐体を構成する第1ケースおよび第2ケースの組み合わせ方向に沿うとともに投写光学系の光軸に沿うように配置されていることを特徴とする。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、互いに対向配置された第1ケースと第2ケースとを組み合わせることによって構成される外装筐体と、外装筐体内に配置され、光束を射出する光源と、光源からの光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、全体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、姿勢検出手段は、その姿勢検出面が外装筐体を構成する第1ケースおよび第2ケースの組み合わせ方向に沿うとともに投写光学系の光軸に沿うように配置されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、展示会や学会、会議等のプレゼンテーションに、あるいはホームシアター等にプロジェクターが用いられている。近年では、店頭広告などにもプロジェクターの使用用途が広がっている。プロジェクターを用いると、ディスプレイなどの直視型表示装置よりも大画面表示が容易であるため、より多人数に対して同じ画像を見せることが可能であり利便性が高い。近年では、高品質な投写画像を求める市場要求に対して、様々な開発がなされている。
【0003】
また、プロジェクターの設置状態は、設置環境や用途に合わせてより制限のないものになりつつある。据置姿勢や天吊姿勢、上方投写姿勢、下方投写姿勢等、自由な設置形態を可能とするプロジェクターが開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−325768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いかなる設置形態であっても一定の駆動制御で表示が行われるとすると、以下のような不都合が生じる。
例えば、設置姿勢によっては、外装筐体内の投写光学系から光束を射出させるための投写窓の近傍に異物が載置されるおそれがあり、この場合には、外装筐体内に熱がこもって光学部品に影響を与えてしまうばかりか、光束によって異物が加熱されて発煙してしまう心配もある。
【0006】
また、設置姿勢によっては、被投写面との距離が非常に近くなることがあり、この場合には、被投写面の近傍にてユーザーが視認することが多い。一般的に、高輝度で表示を行うことが良好とされているが、被投写面の近くでユーザーが視認するような投写形態である場合はかえって明るすぎて見難くなってしまう。このため、設置姿勢に応じて輝度制御を行う必要がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、設置姿勢(投写方法)に適した駆動制御を行うことで、ユーザーにとって使いやすいプロジェクターを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプロジェクターは、互いに対向配置された第1ケースと第2ケースとを組み合わせることによって構成される外装筐体と、前記外装筐体内に配置され、光束を射出する光源と、前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、全体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、前記姿勢検出手段は、その姿勢検出面が前記外装筐体を構成する前記第1ケースおよび前記第2ケースの組み合わせ方向に沿うとともに前記投写光学系の光軸に沿うように配置されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、姿勢検出面が投写光学系の光軸に沿うように配置されていることにより、姿勢検出が容易に正確にできるようになり、姿勢検出手段からの検出結果に応じて各投写方向に適した制御を行うことによって、ユーザーにとって使いやすいプロジェクターとなる。
【0010】
また、前記投写光学系の射出側における前記光束の光路上の異物を検出する異物検出手段をさらに備え、前記制御部は、前記姿勢検出手段において、前記光路上に異物が載置されるおそれのある姿勢以外の姿勢が検出されると、前記異物検出手段の動作を停止させる機能を備える構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、姿勢検出手段によって、投写窓の近傍に異物が載置されるおそれのある第1姿勢以外の姿勢であることが検出された場合には、異物の検出が不要になる。このため、異物検出手段の動作を停止させることによって他の検出手段に影響が及ぶのを防止することができる。これにより、プロジェクターの誤作動を抑制することができる。
【0012】
また、前記外装筐体内に外気を取り込むとともに当該外装筐体内の空気を外部へ排出する冷却装置と、前記外装筐体内に配置された温度検出手段と、を備え、前記制御部は、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記冷却装置の駆動制御を行う機能を有する構成としてもよい。
【0013】
この構成によれば、温度検出手段による検出結果に応じて冷却装置の駆動制御を行うことによって、外装筐体内の温度上昇を抑えて内部に設置された光学部品の劣化等を防止することが可能である。
【0014】
また、前記制御部は、前記温度検出手段において検出された検出温度と、前記設置姿勢に応じて予め設定された基準温度とを比較して、前記検出温度が前記基準温度以上である場合に前記冷却装置の出力を高めるよう駆動制御する機能を有する構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、温度検出手段によって外装筐体内の温度を監視し、検出温度が例えば基準温度以上になった場合に冷却装置の出力を高めるような制御を行うことによって、外装筐体内の冷却効率を高めることが可能となり、外装筐体内に配置された光学部品の寿命を長くすることが可能となる。
【0016】
また、前記姿勢検出手段が4方向センサーである構成としてもよい。
この構成によれば、姿勢検出手段として4方向センサーを使用することによって、プロジェクター本体の4方向の設置姿勢を検出することが可能となる。例えば、外装筐体の一面が上方に向けられた状態で側方投写される第1姿勢(据置姿勢)、外装筐体の一面が下方に向けられた状態で側方投写される第2姿勢(壁吊姿勢)、光束が上方に向けて射出される第3姿勢(机上姿勢)、光束が下方に向けて射出される第4姿勢(机下姿勢)が挙げられる。
【0017】
また、前記投写光学系が、前記光変調素子からの前記光束を反射させる反射ミラーを有する構成としてもよい。
【0018】
この構成によれば、短焦点投写型のプロジェクターとなり、投写距離が短くなることで、被投写面に近づけて使用することが可能となる。その結果、部屋を広く使ったり、机の上が広くなるなど、スペースユーティリティーを最大限に活用した投写を実現することが可能となる。
【0019】
本発明のプロジェクターは、光束を射出する光源と、前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記プロジェクター本体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記姿勢検出手段からの検出結果に応じて投写される前記光束を低下させる機能を有することを特徴とする。
【0020】
プロジェクターの設置姿勢に応じて光束の輝度を低下させるように制御することによって、近距離表示を行う短焦点タイプのプロジェクターであっても良好な表示を行うことができる。例えば、被投写面に近い位置において表示を行う設置姿勢であることが検出された場合に光束の輝度を低下させることにより、被投写面に近い位置において画像を視認するユーザーの眼に負担を与えることのない表示が行える。
【0021】
また、前記制御部は前記姿勢検出手段が縦置設置状態であることを検知した時に投写される前記光束を低下させる機能を有する構成としてもよい。
【0022】
プロジェクターを縦置設置状態とした場合には被投写面に近い位置において表示を行うこととなるため、投写される光束を低下させることにより、画像を視認するユーザーの眼に負担を与えることのない表示が行える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態のプロジェクターの構成を示す斜視図。
【図2】プロジェクターの概略構成を模式的に示す図。
【図3】プロジェクターの内部構成を示す図。
【図4】各種インターフェース端子を備えるインターフェース基板とメイン回路基板との接続状態を示す斜視図。
【図5】外装筐体内におけるインターフェース基板の位置を示す斜視図。
【図6】一般的な4方向センサーの原理を説明するための図。
【図7】(a)〜(c)は、プロジェクターの設置状態の一例を説明するための図、(a)は、据置設置された状態、(b)は、壁面設置(壁吊設置)された状態、(d)は、縦置設置(下投写設置)された状態。
【図8】プロジェクターにおける異物の監視制御を行うフローチャート図。
【図9】姿勢検出センサーの結果に応じて輝度制御を行う場合のフローチャート図。
【図10】設置姿勢に応じたファン駆動制御を行う場合のフローチャート図。
【図11】直線光学系を備えた通常のプロジェクターにおける設置姿勢例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0025】
[プロジェクター]
以下、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光束を形成し、その光束を拡大投写する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの構成を示す斜視図であり、ケーブルカバーを取り外した図である。図2は、プロジェクターの概略構成を模式的に示す図である。
【0026】
図1に示すように、プロジェクター1は、本体(プロジェクター本体)1Aが外装筐体2で囲まれた構成になっている。外装筐体2は、合成樹脂製であり、筐体上部を構成するアッパーケース(第1ケース)21、筐体下部を構成するロアーケース(第2ケース)22等を備えており、これらは、ネジ等により固定されている。
【0027】
また、外装筐体2内には、図2に示すように、制御部10、光学ユニット3(図2)、電源ユニット4、冷却ファン51、および排気ファン52等が配置されている。光学ユニット3は、平面視略L字状に構成され、光源311を有する光源装置31、電気光学装置35、および投写光学装置(投写光学系)36を備えている。光学ユニット3は、制御部10による制御の下、光源311から射出された光束を画像情報に応じて電気光学装置35にて変調し、この変調された光束を投写光学装置36によってスクリーン等に投写して画像を表示させる。
【0028】
光源装置31は、外装筐体2の端部に配置され、投写光学装置36は、外装筐体2の略中央部に配置される。なお、以下においては、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を+X方向、電気光学装置35から光束が射出される方向を+Y方向とし、外装筐体2の各ケース21,22の組み合わせ方向をZ方向とする。
【0029】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が実装された回路基板として構成される。制御部10は、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、投写に関わる制御等を行う。なお、図2中に示す制御部10の位置は模式的に示すものであって実際の位置とは異なっている。詳しくは後述するが、実際に制御部10は光学ユニット3を覆うようにして配置される。
また、制御部10には、後述する異物検出センサー(異物検出手段)85および姿勢検出センサー(姿勢検出手段)89等が接続されており、これら各センサーの検出結果に基づいて駆動制御を行う。
【0030】
そして、図1に戻り、上記各部品を収容している外装筐体2のアッパーケース21の上面21Aには、Y方向に傾斜面210a、210bを有する凹部210が形成され、この凹部210を構成する一方の傾斜面210a側には、さらに平面視矩形状の凹部211が形成されている。そして、この凹部211の底面には投写窓201が設けられており、投写光学装置36から射出された光束は、この投写窓201から外装筐体2の後方(図2のランプカバー24側)に向かって射出される。ここで、投写光学装置36の光路上である投写窓201上に光束を遮る物がユーザーによって置かれた場合には、上記した異物検出センサー85によって検出できるようになっている。制御部10は、異物検出センサーから異物検出信号が入力されるとユーザーへ警告する。
【0031】
アッパーケース21の上面21Aの前方面211aには、プロジェクター1の各種設定を行うための複数の操作キー23Aによって構成される操作部23が設けられている。また、アッパーケース21の上面21Aの後方面211bには、光源装置31の交換用の開口部212が形成されており、この開口部212は、ランプカバー24(図2)がアッパーケース21に装着されることによって閉塞される。
【0032】
外装筐体2の側面2Bには、外気を取り込むための吸気口220が設けられている。吸気口220は、複数の矩形状のスリット孔で形成されており、この吸気口220の内側には、図示しない、防塵フィルターが配置されている。そして、光学ユニット3は、この吸気口220から取り込まれて防塵フィルターを通過した空気によって冷却される。
【0033】
外装筐体2の側面2Cには、内部の暖気を排出するための排気口222が設けられている。排気口222は、複数のスリット孔で形成されており、光源311(図2)の点灯等によって温まった外装筐体2内の空気は、この排気口222から外部に排出される。ロアーケース22には、排気口222の前方に矩形状の凹部211が形成されており、この凹部211によって形成される空間内にプロジェクター1に接続される複数のケーブル等が収容されている。
【0034】
[光学ユニット]
次に、光学ユニットの各構成要素について詳しく説明する。
図2に示すように、光学ユニット3は、光源装置31、照明光学装置32、色分離光学装置33、リレー光学装置34、電気光学装置35、投写光学装置36、およびこれら各光学部品31〜36を所定位置に配置する光学部品用筐体37を備える。
【0035】
光源装置31は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源311およびリフレクター312等を備える。そして、光源装置31は、光源311から射出された光束をリフレクター312によって射出方向を揃え、照明光学装置32に向けて射出する。
【0036】
照明光学装置32は、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322、偏光変換素子323、重畳レンズ324および調光装置325を備える。
第1レンズアレイ321は、光源311から射出された光束の光軸L方向から見て略矩形の輪郭を有する小レンズがマトリックス状に配列された構成を有しており、光源装置31から射出された光束を複数の部分光束に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、部分光束を後述する液晶パネル(光変調素子)352の表面に略重畳させる。偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム偏光光を液晶パネル352で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
【0037】
調光装置325は、光源311から射出された光束の一部を遮光する遮光部材を備え、光束の通過光量を調整する機能を有している。調光装置325は、遮光部材が第1レンズアレイ321と第2レンズアレイ322との間に配設され、制御部10による制御のもと、この遮光部材の位置が変更される。つまり、調光装置325は、光源311から射出され、第1レンズアレイ321を透過した光束の一部を遮光部材にて遮光して第2レンズアレイ322に入射する光量、ひいては、電気光学装置35に入射する光量を調整し、投写画像のコントラスト向上に寄与する。
【0038】
色分離光学装置33は、2枚のダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333を備え、照明光学装置32から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
【0039】
リレー光学装置34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、および反射ミラー342,344を備え、第2のダイクロイックミラー332を透過したR光をR光用の液晶パネル352Rまで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学装置34がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
【0040】
電気光学装置35は、入射側偏光板351、光変調装置としての液晶パネル352、射出側偏光板353、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム354を備え、色分離光学装置33から射出された各色光を画像情報に応じて変調する。
【0041】
投写光学装置36は、複数のレンズを組み合わせた組レンズと、非球面形状の反射ミラー38を有して構成されている。投写光学装置36は、電気光学装置35にて変調された光束を組レンズから反射ミラー38に射出し、反射ミラー38によって光束を広角化するように反射して投写する。このような構造とすることにより、投写距離の短い、いわゆる短焦点プロジェクターとして構成することができる。なお、組レンズから反射ミラー38に射出する光束の方向を投写光学装置36内の投写方向という。
【0042】
電源ユニット4は、外部の商用電源から供給された交流電力を整流、平滑化し、光源311および制御部等に出力する。電源ユニット4は、図2に示すように、光源装置31の下方に配設されている。具体的には、ロアーケース22の底部に装着される電源ケース20内に収容されている。
【0043】
冷却ファン51は、回転軸方向から吸入した空気を回転接線方向に吐出するシロッコファンで構成され、図2に示すように、吸気口220の内側であって、リレー光学装置34の近傍に配置されている。この冷却ファン51は、外気を吸入する吸入口511が吸気口220側を向き、空気を吐出する吐出口512がリレー光学装置34側に向くように配置される。そして、冷却ファン51は、吸入口511が取り込んだ外気を発熱するリレー光学装置34に向けて吐出することによって、リレー光学装置34を冷却する。
【0044】
排気ファン52は、軸流ファンで構成され、図2に示すように、排気口222の内側であって、光源装置31との間に配置される。この排気ファン52は、光源装置31等を冷却して温められた空気を、排気口222を介して外装筐体2の外部に排出する。
【0045】
上記した冷却ファン51および排気ファン52には、それぞれ温度センサー(温度検出手段)71,72が接続されており、各温度センサー71,72において検出した温度データが制御部10に出力されるようになっている。冷却ファン51および排気ファン52で冷却装置が構成される。
【0046】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等が実装されたメイン回路基板53およびドライバー基板54を備えて構成され、使用者の操作に応じて、或いは、自律的に、プロジェクター1を制御する。
【0047】
例えば、制御部10は、前述の光源装置31の点灯を制御するほか、操作部23を介して入力される画像信号に応じた画像を生成し、当該画像に応じた駆動信号を照明光学装置32に出力する。この画像生成の際に、制御部10は、使用者により設定されたパラメーターに応じた画質調整等の処理を実行する。このような制御部10は、例えば、記憶部、情報取得部、画像生成部、駆動制御部及び情報保存部等を備える。
【0048】
図3は、プロジェクターの内部構成を示す図であり、図4は、各種インターフェース端子を備えるインターフェース基板とメイン回路基板との接続状態を示す斜視図である。図5は、外装筐体内におけるインターフェース基板の位置を示す斜視図である。図6は、一般的な4方向センサーの原理を説明するための図である。
【0049】
図3および図4に示すように、メイン回路基板53には、プロジェクター1と画像出力装置等の外部機器とを接続するための複数のインターフェース端子が、直接あるいはインターフェース基板55を介して接続されている。
【0050】
メイン回路基板53に直接実装されるオンボード端子としては、LAN端子80、USB端子81(A)、USB端子81(B)、HDMI端子82等があり、拡張カード等を必要としないことから、拡張カードの接続不良による動作不良の減少や、部品点数の減少および製造工程の簡略化による低価格化などのメリットが得られる。これら複数の端子をメイン回路基板53の裏面側に実装することで、各端子に接続されるケーブル75が邪魔にならないようにまとめやすくなっている。
【0051】
インターフェース基板55は、メイン回路基板53の基板面に対して垂直に起立するようにしてメイン回路基板53の一端側に固定されている。このインターフェース基板55には各種端子が設けられており、各端子それぞれに各種ケーブルが接続される。
インターフェース端子としては、D−SUB端子83a,83b,83c、RS−232C端子84、RCA端子(画像音声入力端子)85R,85W,85Y、S端子86、フォーン端子(音声入力端子)87a〜87c、マイク入力端子88などがある。これら端子をインターフェース基板55に設けることで、各端子に各種ケーブルを抜き差しする際の衝撃がメイン回路基板53に影響を与えるのを抑えることができる。
【0052】
上記した複数のインターフェース端子は、メイン回路基板53の側方においてインターフェース基板55の表面を覆うようにして取り付けられた化粧基板56の各貫通孔55aから接続側が露出している。
【0053】
ここで、図5に示すように、本実施形態のインターフェース基板55には、プロジェクター1の取り付け姿勢を検出する姿勢検出センサー89が実装されている。この姿勢検出センサー89は、プロジェクター1の上下左右の姿勢を検出する4方向センサーであって、その検出結果を制御部10に出力する。制御部10は、姿勢検出センサー89の検出結果に基づいて、光学ユニット3からの投写画像を回転させてスクリーンに投影させる。
【0054】
本実施形態において姿勢検出センサー89をインターフェース基板55に実装したのは、このインターフェース基板55が外装筐体2の上下方向(ケース21,22の組み合わせ方向)に沿うようにして起立状態で設置されているとともに、その基板面が投写光学装置36の投写方向と平行して設置されているからである。これにより、投写光学装置36の上下左右の姿勢を検出することが可能となり、投写状態を判別し得る。
【0055】
この姿勢検出センサー89は、図6に示すように、センサー本体内部の空間KにLED72、2つのフォトトランジスター73A,73B、および遮蔽ボール74が設けられた既存の4方向センサーであって、遮蔽ボール74が転がり収まる場所によってプロジェクター1が上下左右の姿勢を検出するというものである。
つまり、姿勢検出センサー89を遮蔽ボール74の転がり平面(姿勢検出面:YZ平面)がプロジェクター1の回転平面に平行するように設置する必要がある。これにより、プロジェクター1の設置姿勢に応じて空間K内で遮蔽ボール74が重力方向下方へ転動することになるため、その停止場所に応じてプロジェクター1の姿勢を検出することが可能である。
このため、必ずしもインターフェース基板55に姿勢検出センサー89を設置する必要はなく、上記作用を得ることができれば他の場所に実装しても構わない。例えば、姿勢検出センサー89を設置するための専用の基板を別途設けるようにしてもよい。
【0056】
図7(a)〜(c)は、プロジェクターの設置状態の一例を説明するための図である。
図7(a)は、据置設置された状態であり、床面や机上に設置されたプロジェクター1から壁面やスクリーン19に向かって、破線で示す如く光束が投写される。
図7(b)は、吊下げ設置(壁吊設置)された状態であり、壁面または天面に設置される取付け治具を介して吊下げ状態で設置され、壁面やスクリーン19に向けて投写される。
図7(c)は、縦置設置(上投写設置)された状態であって、被照射面とされた机110の天板111の表面に向かって下向きに光束が投写される(テーブル投写)。ユーザーは、天板111の表面に映し出された画像をその上方から視認する。
図7(d)は、縦置設置(下投写設置)された状態であり、透明な天板112のリア側から上向きに光束が投写され(テーブルリア投写)、ユーザーは、天板112に映し出された画像をその上方から視認する。
【0057】
このように、本実施形態のプロジェクター1にはいくつかの設置方法があり、この設置姿勢を姿勢検出センサー89によって検出することによって、複数の制御を行う。
まず1つ目は、姿勢検出センサー89によって据置姿勢と検出された場合に、異物検出センサーによって光路上に「異物あり」と判断されると、制御部10は、その検出結果に基づいて、プロジェクター1の温度上昇を抑制するための適切な措置を講ずる。反射式投写レンズを備えたプロジェクター1においては、投写窓201付近に本やノートなどが投写光を遮るように置かれた場合、熱がこもり、発煙してしまう可能性がある。このため、制御部10は、異物検出センサーから「異物あり」の信号が入力されると、例えばユーザーに向かって警告表示を行う等の措置を講ずるようになっている。
【0058】
2つ目は、姿勢検出センサー89による検出結果に基づいて投写画像の輝度を調整することである。通常、デフォルトの明るさは高輝度に設定されている。据置姿勢や天吊姿勢の場合、投写画像はユーザーから離れた壁面やスクリーン等に映し出されることになるため高輝度表示であってなんら問題はないが、テーブル投写やテーブルリア投写の場合には、ユーザーは投写画像を近い位置で視認することになるため、低輝度モードに変更するように制御される。これにより、明る過ぎて見にくいなどの不都合を解消することができる。
【0059】
特に、テーブルに対してリア投写する場合には、プロジェクター1の投写窓201が上側に向くように設置されるため、ユーザーの眼に投写光が直接入射しやすい。このため、テーブルリア投写の場合には、より投写画像の輝度を低下させてユーザーにまぶしさを感じさせることのない表示を行うようにする。
【0060】
3つ目は、姿勢検出センサー89の検出結果に基づいて(プロジェクター1の設置姿勢に応じて)、冷却ファン51や排気ファン52の駆動制御を行う。上述したようにプロジェクター1は、設置場所によってその姿勢が異なる。光源311の点灯等によって温まった外装筐体2内の空気は上方へと対流するため、光学ユニット3において鉛直上方は鉛直下方よりも高温になる。つまり、光学ユニット3で高温になる部位が設置姿勢に応じて変化する。すると、冷却条件が光学ユニット3の温度分布と整合しなくなり、光源装置31が効果的に冷却されず短寿命になってしまうおそれがある。そこで、プロジェクター1の設置姿勢に応じて冷却ファン51や排気ファン52の回転数を制御することとした。
【0061】
(制御方法)
次に、プロジェクターの制御方法について述べる。
[異物監視制御]
最初に、姿勢検出センサーの検出結果に応じて異物検出センサーのON/OFFを制御する方法について述べる。
図8は、プロジェクターにおける異物の監視制御を行うフローチャートである。
図8に示すように、プロジェクター1が起動されると同時に異物検出センサー85および姿勢検出センサー89がONになり(ステップS1)、まず、姿勢検出センサー89においてプロジェクター1の姿勢検出を行う。
【0062】
そして、制御部10において姿勢検出センサー89からの検出結果が据置姿勢か否かを判断し(ステップS2)、据置姿勢でない(NO)と判断された場合には、異物検出センサー85をOFFにする(ステップS3)。ステップS2において姿勢検出センサー89からの検出結果が据置姿勢である(YES)と判断された場合には、ステップS4へ移行して、異物検出センサー85をONにする。
【0063】
次に、制御部10において、異物検出センサー85からの検出結果がプロジェクター1の投写窓201上に異物があるか否かを判断し、異物なし(NO)と判断された場合には、ステップS2に戻り、姿勢検出センサー89において据置姿勢以外の信号が検出されるまで異物の有無の監視を行う。姿勢検出センサー89において、プロジェクター1の姿勢が据置以外の姿勢に変化したことが検出されると、異物検出センサー85をOFFにする。
【0064】
一方、異物検出センサー85において異物有り(YES)と検出された場合には、制御部10はユーザーに対する警告表示を行う(ステップS6)。そして、異物検出センサー85において異物有り(YES)と検出されている間は、ステップS6へ戻って警告表示を続行する。制御部10は、異物検出センサー85から異物なし(NO)の検出結果が出力されるまで、警告表示を継続し、ユーザーに対して異物の除去を促すようにしている。このように、警告表示を実施している間、ステップS6とステップS7のルーチンを繰り返し、異物検出センサー85において異物の有無を常時監視する。
【0065】
そして、異物検出センサー85から異物なし(NO)との検出結果が出力されると、制御部10は警告表示をOFFにする(ステップS8)。
【0066】
[輝度調整制御]
次に、姿勢検出センサーの検出結果に応じてプロジェクターの輝度を制御する方法について述べる。
図9は、姿勢検出センサーの結果に応じて輝度制御を行うフローチャート図である。
図9に示すように、制御部10は、プロジェクター1が起動されると同時に姿勢検出センサー89をONにして(ステップS1)、姿勢検出を行う。そして、姿勢検出センサー89からの検出結果が据置姿勢や縦置姿勢であるかを判断し、いずれの姿勢でもない(NO)と判断した場合には、通常輝度モードでの駆動を実施し(ステップS3)、予め設定された高輝度なデフォルト表示を行う。
【0067】
また、ステップS2において、姿勢検出センサー89からの検出結果からプロジェクター1の設置姿勢が据置姿勢および縦置姿勢のいずれかである(YES)と判断された場合には、ステップS4へ移行して、その姿勢が具体的に据置姿勢であるのか縦置姿勢であるのかをさらに判断する。そして、据置姿勢である(YES)ことが判明すると、制御部10は第1低輝度モードに設定を切り替える。一方、縦置姿勢である(NO)と判明した場合には、制御部10は第2低輝度モードへ設定を切り替える。
【0068】
[ファン駆動制御]
図10は、設置姿勢に応じたファン駆動制御を行う場合のフローチャート図である。
図10に示すように、制御部10は、プロジェクター1が起動されると同時に姿勢検出センサー89をONにして(ステップS1)、姿勢検出を行う。
次に、冷却ファン51および排気ファン52を第1出力で駆動する(ステップS2)。
次に、光学ユニット3の温度分布の監視を行う。制御部10の記憶領域には、プロジェクター1の姿勢に応じて予め設定された各ファン51,52の基準温度が格納されている。制御部10は、この設置姿勢に応じて予め設定された冷却ファン51および排気ファン52の基準温度と、各ファン51,52に接続された温度センサー71,72から入力される実際の検出温度とを比較する(ステップS3)。温度センサー71,72における検出温度が基準温度以上である(YES)と判断されると、制御部10は、冷却ファン51および排気ファン52を、第1出力よりも回転数の高い第2出力で駆動させる。
【0069】
そして、温度センサー71,72による検出温度が基準温度よりも低下した(YES)と判断されると(ステップS5)、ステップS2へ戻って制御部10は、冷却ファン51および排気ファン52の出力を第1出力へと変更する。なお、ステップS5において各温度センサー71,72における検出温度の方が基準温度よりも高い場合には、継続して各ファン51,52を第2出力で駆動させる。
【0070】
本制御ルーチンは、少なくともプロジェクター1に外部装置から映像信号が入力されている間は実施される。
【0071】
本実施形態のプロジェクター1によれば、姿勢検出センサー89を具備することによって自動的に投写方向の検知を行い、各投写方向に適した制御を行うことによって、ユーザーによってより使用しやすいプロジェクター1となる。
本実施形態では、姿勢検出センサー89における検出平面(遮蔽ボールの転がり平面)が、外装筐体2の上下方向に倣うとともに投写光学装置36の投写軸に平行するように、姿勢検出センサー89を設置していることから、プロジェクター1の設置姿勢を正確に捉えることが可能である。姿勢検出センサー89として採用した4方向センサーは安価で実装も簡単である。
【0072】
プロジェクター1が据置姿勢で設置された場合には、異物検出センサー85により光路上における異物の有無を常時監視して、異物が検出されるとすぐさまユーザーへの警告表示を行うこととしたので、光路上に載置された異物が光束によって発熱および発煙するような問題が生じるのを回避することが可能である。ここで、警告表示のみならず警告音も同時に発生する設定にしてもよい。これにより、ユーザーは、異物の存在を直ぐに認識することができるため、異物をプロジェクター1上から迅速に除去することが可能となる。
【0073】
あるいは、プロジェクター1が据置姿勢で設置された場合には、自動的に電源がOFFになるような制御にしてもよい。上述したように、据置姿勢とされたプロジェクター1の投写窓201上に何らかの物体が載置されてしまうと、光束の熱によって物体が加熱されて発煙などが起こるおそれがある。このような問題を根本的になくすために、姿勢検出センサー89において据置姿勢であることが検出された場合には自動的にプロジェクター1の電源が切れるような設定にしておき、据置姿勢では使用できないようにしてもよい。これにより、上記問題は確実に解決される。
【0074】
また、プロジェクター1の電源を切る設定以外にも、据置姿勢で設置された場合には表示輝度を極端に低下させるようにしてもよい。例えば、表示画像全体を黒表示にすることで異物が加熱されてしまうことを防止できる。ここで、据置設置された場合には黒表示にする設定にしておいてもいいし、据置設置された状態で異物が検出された場合に黒表示にする設定にしておいてもよい。
【0075】
このような制御は、異物検出センサー85を備えていないプロジェクター1にも応用することが可能である。つまり、異物検出センサー85を備えていなくても、低輝度にすることで、据置姿勢で設置されたプロジェクター1の投写窓201の近傍に置かれた物が加熱されてしまうのを防止することが可能である。またこの場合、異物検出センサー85が不要になることで部品点数が削減されるとともにこれに伴うコスト低減が図れ、さらには制御が容易になる。
【0076】
さらに、本実施形態のプロジェクター1は、据置姿勢以外の姿勢で、投写窓201の近傍に異物が載置されるおそれのない姿勢で設置された場合に異物検出センサーをOFFにすることで省電力化を図る構成となっている。
また、据置姿勢以外のときに異物検出センサー85をOFFにしておくことで、例えば、投写窓201上に不意に手をかざしてしまった場合などにこれが異物として検知されてしまって、プロジェクター1の輝度制御が実行されてしまうようなことを防止することができる。
さらに、赤外線を検出する他のセンサーとの光の干渉を避けるために不要なセンサーは極力OFFにして、誤動作等を防止することが好ましい。
【0077】
また、プロジェクター1としては投写画像が高輝度で表示されることが好ましいが、例えば、縦置姿勢で設置された場合、つまり、基本的に表示領域が小さいテーブル投写を行う場合は被投写面に非常に近い位置でユーザーが視認することになるため、デフォルトの高輝度表示では明るすぎてかえって見難くなってしまう。そのため、プロジェクター1がテーブル投写姿勢、つまり縦置姿勢で設置された場合には、低輝度モードに移行するように制御する。これにより、投写画像を近距離で視認するユーザーの眼に負担を与えることのない最適な輝度で表示を行うことが可能である。
【0078】
プロジェクター1において、光源311によって温められた空気は上方へと対流することから、プロジェクター1内の温度分布は設置姿勢によって変わってくる。例えば、据置設置と壁吊設置、あるいは、机上設置と机下設置では、その姿勢が鉛直方向で反転する。発熱する光学ユニット3において、その鉛直上方は鉛直下方よりも高温になるため、高温になる部位が設置状態によって変化する。すると、冷却ファン51および排気ファン52による冷却条件が光学ユニット3(プロジェクター1内)の温度分布と整合しなくなり、光学ユニット3(光源装置31)が効果的に冷却されなくなって、短寿命になってしまうおそれがある。
【0079】
そこで、プロジェクター1の設置姿勢ごとに設定された基準温度と、温度センサー71,72によって検出された実際の温度とを比較して、検出温度が基準温度以上である場合に冷却ファン51や排気ファン52の出力を高めるよう駆動制御することとしている。このように、検出温度に応じて、冷却ファン51や排気ファン52の回転数を制御することによって、光学ユニット3に対する冷却効率を高めることが可能となり、外装筐体2内に設置された光学部品の寿命を長くすることが可能となる。これにより、プロジェクター1内部の温度分布が均一になり、光源311が短寿命になるのを可能となる。
【0080】
このように、一定の出力でしか各ファン51,52を駆動制御できない場合、外装筐体2内の光学部品の寿命が短くなってしまう可能性があるが、それぞれの投写方向(設置姿勢)に適したファン駆動制御を行えば、どのような設置状態であっても光学部品の寿命を長くすることが可能である。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0082】
例えば、先の実施形態では、被照射面に対して近距離から映像光を投写する短焦点光学系を備えた近接照射型プロジェクターの構成について述べたが、一般的なプロジェクターにも応用することが可能である。
図11は、通常のプロジェクター200における設置姿勢例を説明するための図である。図11(a)は据置姿勢、図11(b)は天吊姿勢であって、それぞれスクリーン19や壁面に投写する。図11(c)は第1縦置姿勢であって例えば天井面120aに投写する。図11(d)は第2縦置姿勢であって例えば床面120bに投写する。このような各設置姿勢を検出し、それぞれの投写方向に応じてプロジェクター200の駆動制御を実施することによって、良好な表示を実現できるとともに、上記したような不具合をなくすことが可能となる。これにより、高品質なプロジェクター200を得ることができる。
【符号の説明】
【0083】
1…プロジェクター、1A…本体(プロジェクター本体)、2…外装筐体、L…光軸、10…制御部、21…アッパーケース(第1ケース)、21…ケース、22…ロアーケース(第2ケース)、36…投写光学装置(投写光学系)、38,333,342…反射ミラー、51…ファン、71…温度センサー(温度検出手段)、75…平面(姿勢検出面)、85…異物検出センサー(異物検出手段)、89…姿勢検出センサー(姿勢検出手段)、201…投写窓、311…光源、352…液晶パネル(光変調素子)
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、展示会や学会、会議等のプレゼンテーションに、あるいはホームシアター等にプロジェクターが用いられている。近年では、店頭広告などにもプロジェクターの使用用途が広がっている。プロジェクターを用いると、ディスプレイなどの直視型表示装置よりも大画面表示が容易であるため、より多人数に対して同じ画像を見せることが可能であり利便性が高い。近年では、高品質な投写画像を求める市場要求に対して、様々な開発がなされている。
【0003】
また、プロジェクターの設置状態は、設置環境や用途に合わせてより制限のないものになりつつある。据置姿勢や天吊姿勢、上方投写姿勢、下方投写姿勢等、自由な設置形態を可能とするプロジェクターが開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−325768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、いかなる設置形態であっても一定の駆動制御で表示が行われるとすると、以下のような不都合が生じる。
例えば、設置姿勢によっては、外装筐体内の投写光学系から光束を射出させるための投写窓の近傍に異物が載置されるおそれがあり、この場合には、外装筐体内に熱がこもって光学部品に影響を与えてしまうばかりか、光束によって異物が加熱されて発煙してしまう心配もある。
【0006】
また、設置姿勢によっては、被投写面との距離が非常に近くなることがあり、この場合には、被投写面の近傍にてユーザーが視認することが多い。一般的に、高輝度で表示を行うことが良好とされているが、被投写面の近くでユーザーが視認するような投写形態である場合はかえって明るすぎて見難くなってしまう。このため、設置姿勢に応じて輝度制御を行う必要がある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、設置姿勢(投写方法)に適した駆動制御を行うことで、ユーザーにとって使いやすいプロジェクターを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプロジェクターは、互いに対向配置された第1ケースと第2ケースとを組み合わせることによって構成される外装筐体と、前記外装筐体内に配置され、光束を射出する光源と、前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、全体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、前記姿勢検出手段は、その姿勢検出面が前記外装筐体を構成する前記第1ケースおよび前記第2ケースの組み合わせ方向に沿うとともに前記投写光学系の光軸に沿うように配置されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、姿勢検出面が投写光学系の光軸に沿うように配置されていることにより、姿勢検出が容易に正確にできるようになり、姿勢検出手段からの検出結果に応じて各投写方向に適した制御を行うことによって、ユーザーにとって使いやすいプロジェクターとなる。
【0010】
また、前記投写光学系の射出側における前記光束の光路上の異物を検出する異物検出手段をさらに備え、前記制御部は、前記姿勢検出手段において、前記光路上に異物が載置されるおそれのある姿勢以外の姿勢が検出されると、前記異物検出手段の動作を停止させる機能を備える構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、姿勢検出手段によって、投写窓の近傍に異物が載置されるおそれのある第1姿勢以外の姿勢であることが検出された場合には、異物の検出が不要になる。このため、異物検出手段の動作を停止させることによって他の検出手段に影響が及ぶのを防止することができる。これにより、プロジェクターの誤作動を抑制することができる。
【0012】
また、前記外装筐体内に外気を取り込むとともに当該外装筐体内の空気を外部へ排出する冷却装置と、前記外装筐体内に配置された温度検出手段と、を備え、前記制御部は、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記冷却装置の駆動制御を行う機能を有する構成としてもよい。
【0013】
この構成によれば、温度検出手段による検出結果に応じて冷却装置の駆動制御を行うことによって、外装筐体内の温度上昇を抑えて内部に設置された光学部品の劣化等を防止することが可能である。
【0014】
また、前記制御部は、前記温度検出手段において検出された検出温度と、前記設置姿勢に応じて予め設定された基準温度とを比較して、前記検出温度が前記基準温度以上である場合に前記冷却装置の出力を高めるよう駆動制御する機能を有する構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、温度検出手段によって外装筐体内の温度を監視し、検出温度が例えば基準温度以上になった場合に冷却装置の出力を高めるような制御を行うことによって、外装筐体内の冷却効率を高めることが可能となり、外装筐体内に配置された光学部品の寿命を長くすることが可能となる。
【0016】
また、前記姿勢検出手段が4方向センサーである構成としてもよい。
この構成によれば、姿勢検出手段として4方向センサーを使用することによって、プロジェクター本体の4方向の設置姿勢を検出することが可能となる。例えば、外装筐体の一面が上方に向けられた状態で側方投写される第1姿勢(据置姿勢)、外装筐体の一面が下方に向けられた状態で側方投写される第2姿勢(壁吊姿勢)、光束が上方に向けて射出される第3姿勢(机上姿勢)、光束が下方に向けて射出される第4姿勢(机下姿勢)が挙げられる。
【0017】
また、前記投写光学系が、前記光変調素子からの前記光束を反射させる反射ミラーを有する構成としてもよい。
【0018】
この構成によれば、短焦点投写型のプロジェクターとなり、投写距離が短くなることで、被投写面に近づけて使用することが可能となる。その結果、部屋を広く使ったり、机の上が広くなるなど、スペースユーティリティーを最大限に活用した投写を実現することが可能となる。
【0019】
本発明のプロジェクターは、光束を射出する光源と、前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記プロジェクター本体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記姿勢検出手段からの検出結果に応じて投写される前記光束を低下させる機能を有することを特徴とする。
【0020】
プロジェクターの設置姿勢に応じて光束の輝度を低下させるように制御することによって、近距離表示を行う短焦点タイプのプロジェクターであっても良好な表示を行うことができる。例えば、被投写面に近い位置において表示を行う設置姿勢であることが検出された場合に光束の輝度を低下させることにより、被投写面に近い位置において画像を視認するユーザーの眼に負担を与えることのない表示が行える。
【0021】
また、前記制御部は前記姿勢検出手段が縦置設置状態であることを検知した時に投写される前記光束を低下させる機能を有する構成としてもよい。
【0022】
プロジェクターを縦置設置状態とした場合には被投写面に近い位置において表示を行うこととなるため、投写される光束を低下させることにより、画像を視認するユーザーの眼に負担を与えることのない表示が行える。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態のプロジェクターの構成を示す斜視図。
【図2】プロジェクターの概略構成を模式的に示す図。
【図3】プロジェクターの内部構成を示す図。
【図4】各種インターフェース端子を備えるインターフェース基板とメイン回路基板との接続状態を示す斜視図。
【図5】外装筐体内におけるインターフェース基板の位置を示す斜視図。
【図6】一般的な4方向センサーの原理を説明するための図。
【図7】(a)〜(c)は、プロジェクターの設置状態の一例を説明するための図、(a)は、据置設置された状態、(b)は、壁面設置(壁吊設置)された状態、(d)は、縦置設置(下投写設置)された状態。
【図8】プロジェクターにおける異物の監視制御を行うフローチャート図。
【図9】姿勢検出センサーの結果に応じて輝度制御を行う場合のフローチャート図。
【図10】設置姿勢に応じたファン駆動制御を行う場合のフローチャート図。
【図11】直線光学系を備えた通常のプロジェクターにおける設置姿勢例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0025】
[プロジェクター]
以下、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターは、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光束を形成し、その光束を拡大投写する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの構成を示す斜視図であり、ケーブルカバーを取り外した図である。図2は、プロジェクターの概略構成を模式的に示す図である。
【0026】
図1に示すように、プロジェクター1は、本体(プロジェクター本体)1Aが外装筐体2で囲まれた構成になっている。外装筐体2は、合成樹脂製であり、筐体上部を構成するアッパーケース(第1ケース)21、筐体下部を構成するロアーケース(第2ケース)22等を備えており、これらは、ネジ等により固定されている。
【0027】
また、外装筐体2内には、図2に示すように、制御部10、光学ユニット3(図2)、電源ユニット4、冷却ファン51、および排気ファン52等が配置されている。光学ユニット3は、平面視略L字状に構成され、光源311を有する光源装置31、電気光学装置35、および投写光学装置(投写光学系)36を備えている。光学ユニット3は、制御部10による制御の下、光源311から射出された光束を画像情報に応じて電気光学装置35にて変調し、この変調された光束を投写光学装置36によってスクリーン等に投写して画像を表示させる。
【0028】
光源装置31は、外装筐体2の端部に配置され、投写光学装置36は、外装筐体2の略中央部に配置される。なお、以下においては、説明の便宜上、光源装置31から光束が射出される方向を+X方向、電気光学装置35から光束が射出される方向を+Y方向とし、外装筐体2の各ケース21,22の組み合わせ方向をZ方向とする。
【0029】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が実装された回路基板として構成される。制御部10は、コンピューターとして機能するものであり、プロジェクター1の動作の制御、例えば、投写に関わる制御等を行う。なお、図2中に示す制御部10の位置は模式的に示すものであって実際の位置とは異なっている。詳しくは後述するが、実際に制御部10は光学ユニット3を覆うようにして配置される。
また、制御部10には、後述する異物検出センサー(異物検出手段)85および姿勢検出センサー(姿勢検出手段)89等が接続されており、これら各センサーの検出結果に基づいて駆動制御を行う。
【0030】
そして、図1に戻り、上記各部品を収容している外装筐体2のアッパーケース21の上面21Aには、Y方向に傾斜面210a、210bを有する凹部210が形成され、この凹部210を構成する一方の傾斜面210a側には、さらに平面視矩形状の凹部211が形成されている。そして、この凹部211の底面には投写窓201が設けられており、投写光学装置36から射出された光束は、この投写窓201から外装筐体2の後方(図2のランプカバー24側)に向かって射出される。ここで、投写光学装置36の光路上である投写窓201上に光束を遮る物がユーザーによって置かれた場合には、上記した異物検出センサー85によって検出できるようになっている。制御部10は、異物検出センサーから異物検出信号が入力されるとユーザーへ警告する。
【0031】
アッパーケース21の上面21Aの前方面211aには、プロジェクター1の各種設定を行うための複数の操作キー23Aによって構成される操作部23が設けられている。また、アッパーケース21の上面21Aの後方面211bには、光源装置31の交換用の開口部212が形成されており、この開口部212は、ランプカバー24(図2)がアッパーケース21に装着されることによって閉塞される。
【0032】
外装筐体2の側面2Bには、外気を取り込むための吸気口220が設けられている。吸気口220は、複数の矩形状のスリット孔で形成されており、この吸気口220の内側には、図示しない、防塵フィルターが配置されている。そして、光学ユニット3は、この吸気口220から取り込まれて防塵フィルターを通過した空気によって冷却される。
【0033】
外装筐体2の側面2Cには、内部の暖気を排出するための排気口222が設けられている。排気口222は、複数のスリット孔で形成されており、光源311(図2)の点灯等によって温まった外装筐体2内の空気は、この排気口222から外部に排出される。ロアーケース22には、排気口222の前方に矩形状の凹部211が形成されており、この凹部211によって形成される空間内にプロジェクター1に接続される複数のケーブル等が収容されている。
【0034】
[光学ユニット]
次に、光学ユニットの各構成要素について詳しく説明する。
図2に示すように、光学ユニット3は、光源装置31、照明光学装置32、色分離光学装置33、リレー光学装置34、電気光学装置35、投写光学装置36、およびこれら各光学部品31〜36を所定位置に配置する光学部品用筐体37を備える。
【0035】
光源装置31は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源311およびリフレクター312等を備える。そして、光源装置31は、光源311から射出された光束をリフレクター312によって射出方向を揃え、照明光学装置32に向けて射出する。
【0036】
照明光学装置32は、第1レンズアレイ321、第2レンズアレイ322、偏光変換素子323、重畳レンズ324および調光装置325を備える。
第1レンズアレイ321は、光源311から射出された光束の光軸L方向から見て略矩形の輪郭を有する小レンズがマトリックス状に配列された構成を有しており、光源装置31から射出された光束を複数の部分光束に分割する。第2レンズアレイ322は、第1レンズアレイ321と略同様の構成を有しており、重畳レンズ324とともに、部分光束を後述する液晶パネル(光変調素子)352の表面に略重畳させる。偏光変換素子323は、第2レンズアレイ322から射出されたランダム偏光光を液晶パネル352で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。
【0037】
調光装置325は、光源311から射出された光束の一部を遮光する遮光部材を備え、光束の通過光量を調整する機能を有している。調光装置325は、遮光部材が第1レンズアレイ321と第2レンズアレイ322との間に配設され、制御部10による制御のもと、この遮光部材の位置が変更される。つまり、調光装置325は、光源311から射出され、第1レンズアレイ321を透過した光束の一部を遮光部材にて遮光して第2レンズアレイ322に入射する光量、ひいては、電気光学装置35に入射する光量を調整し、投写画像のコントラスト向上に寄与する。
【0038】
色分離光学装置33は、2枚のダイクロイックミラー331,332、および反射ミラー333を備え、照明光学装置32から射出された光束を赤色光(以下「R光」という)、緑色光(以下「G光」という)、青色光(以下「B光」という)の3色の色光に分離する機能を有する。
【0039】
リレー光学装置34は、入射側レンズ341、リレーレンズ343、および反射ミラー342,344を備え、第2のダイクロイックミラー332を透過したR光をR光用の液晶パネル352Rまで導く機能を有する。なお、光学ユニット3は、リレー光学装置34がR光を導く構成としているが、これに限らず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
【0040】
電気光学装置35は、入射側偏光板351、光変調装置としての液晶パネル352、射出側偏光板353、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム354を備え、色分離光学装置33から射出された各色光を画像情報に応じて変調する。
【0041】
投写光学装置36は、複数のレンズを組み合わせた組レンズと、非球面形状の反射ミラー38を有して構成されている。投写光学装置36は、電気光学装置35にて変調された光束を組レンズから反射ミラー38に射出し、反射ミラー38によって光束を広角化するように反射して投写する。このような構造とすることにより、投写距離の短い、いわゆる短焦点プロジェクターとして構成することができる。なお、組レンズから反射ミラー38に射出する光束の方向を投写光学装置36内の投写方向という。
【0042】
電源ユニット4は、外部の商用電源から供給された交流電力を整流、平滑化し、光源311および制御部等に出力する。電源ユニット4は、図2に示すように、光源装置31の下方に配設されている。具体的には、ロアーケース22の底部に装着される電源ケース20内に収容されている。
【0043】
冷却ファン51は、回転軸方向から吸入した空気を回転接線方向に吐出するシロッコファンで構成され、図2に示すように、吸気口220の内側であって、リレー光学装置34の近傍に配置されている。この冷却ファン51は、外気を吸入する吸入口511が吸気口220側を向き、空気を吐出する吐出口512がリレー光学装置34側に向くように配置される。そして、冷却ファン51は、吸入口511が取り込んだ外気を発熱するリレー光学装置34に向けて吐出することによって、リレー光学装置34を冷却する。
【0044】
排気ファン52は、軸流ファンで構成され、図2に示すように、排気口222の内側であって、光源装置31との間に配置される。この排気ファン52は、光源装置31等を冷却して温められた空気を、排気口222を介して外装筐体2の外部に排出する。
【0045】
上記した冷却ファン51および排気ファン52には、それぞれ温度センサー(温度検出手段)71,72が接続されており、各温度センサー71,72において検出した温度データが制御部10に出力されるようになっている。冷却ファン51および排気ファン52で冷却装置が構成される。
【0046】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等が実装されたメイン回路基板53およびドライバー基板54を備えて構成され、使用者の操作に応じて、或いは、自律的に、プロジェクター1を制御する。
【0047】
例えば、制御部10は、前述の光源装置31の点灯を制御するほか、操作部23を介して入力される画像信号に応じた画像を生成し、当該画像に応じた駆動信号を照明光学装置32に出力する。この画像生成の際に、制御部10は、使用者により設定されたパラメーターに応じた画質調整等の処理を実行する。このような制御部10は、例えば、記憶部、情報取得部、画像生成部、駆動制御部及び情報保存部等を備える。
【0048】
図3は、プロジェクターの内部構成を示す図であり、図4は、各種インターフェース端子を備えるインターフェース基板とメイン回路基板との接続状態を示す斜視図である。図5は、外装筐体内におけるインターフェース基板の位置を示す斜視図である。図6は、一般的な4方向センサーの原理を説明するための図である。
【0049】
図3および図4に示すように、メイン回路基板53には、プロジェクター1と画像出力装置等の外部機器とを接続するための複数のインターフェース端子が、直接あるいはインターフェース基板55を介して接続されている。
【0050】
メイン回路基板53に直接実装されるオンボード端子としては、LAN端子80、USB端子81(A)、USB端子81(B)、HDMI端子82等があり、拡張カード等を必要としないことから、拡張カードの接続不良による動作不良の減少や、部品点数の減少および製造工程の簡略化による低価格化などのメリットが得られる。これら複数の端子をメイン回路基板53の裏面側に実装することで、各端子に接続されるケーブル75が邪魔にならないようにまとめやすくなっている。
【0051】
インターフェース基板55は、メイン回路基板53の基板面に対して垂直に起立するようにしてメイン回路基板53の一端側に固定されている。このインターフェース基板55には各種端子が設けられており、各端子それぞれに各種ケーブルが接続される。
インターフェース端子としては、D−SUB端子83a,83b,83c、RS−232C端子84、RCA端子(画像音声入力端子)85R,85W,85Y、S端子86、フォーン端子(音声入力端子)87a〜87c、マイク入力端子88などがある。これら端子をインターフェース基板55に設けることで、各端子に各種ケーブルを抜き差しする際の衝撃がメイン回路基板53に影響を与えるのを抑えることができる。
【0052】
上記した複数のインターフェース端子は、メイン回路基板53の側方においてインターフェース基板55の表面を覆うようにして取り付けられた化粧基板56の各貫通孔55aから接続側が露出している。
【0053】
ここで、図5に示すように、本実施形態のインターフェース基板55には、プロジェクター1の取り付け姿勢を検出する姿勢検出センサー89が実装されている。この姿勢検出センサー89は、プロジェクター1の上下左右の姿勢を検出する4方向センサーであって、その検出結果を制御部10に出力する。制御部10は、姿勢検出センサー89の検出結果に基づいて、光学ユニット3からの投写画像を回転させてスクリーンに投影させる。
【0054】
本実施形態において姿勢検出センサー89をインターフェース基板55に実装したのは、このインターフェース基板55が外装筐体2の上下方向(ケース21,22の組み合わせ方向)に沿うようにして起立状態で設置されているとともに、その基板面が投写光学装置36の投写方向と平行して設置されているからである。これにより、投写光学装置36の上下左右の姿勢を検出することが可能となり、投写状態を判別し得る。
【0055】
この姿勢検出センサー89は、図6に示すように、センサー本体内部の空間KにLED72、2つのフォトトランジスター73A,73B、および遮蔽ボール74が設けられた既存の4方向センサーであって、遮蔽ボール74が転がり収まる場所によってプロジェクター1が上下左右の姿勢を検出するというものである。
つまり、姿勢検出センサー89を遮蔽ボール74の転がり平面(姿勢検出面:YZ平面)がプロジェクター1の回転平面に平行するように設置する必要がある。これにより、プロジェクター1の設置姿勢に応じて空間K内で遮蔽ボール74が重力方向下方へ転動することになるため、その停止場所に応じてプロジェクター1の姿勢を検出することが可能である。
このため、必ずしもインターフェース基板55に姿勢検出センサー89を設置する必要はなく、上記作用を得ることができれば他の場所に実装しても構わない。例えば、姿勢検出センサー89を設置するための専用の基板を別途設けるようにしてもよい。
【0056】
図7(a)〜(c)は、プロジェクターの設置状態の一例を説明するための図である。
図7(a)は、据置設置された状態であり、床面や机上に設置されたプロジェクター1から壁面やスクリーン19に向かって、破線で示す如く光束が投写される。
図7(b)は、吊下げ設置(壁吊設置)された状態であり、壁面または天面に設置される取付け治具を介して吊下げ状態で設置され、壁面やスクリーン19に向けて投写される。
図7(c)は、縦置設置(上投写設置)された状態であって、被照射面とされた机110の天板111の表面に向かって下向きに光束が投写される(テーブル投写)。ユーザーは、天板111の表面に映し出された画像をその上方から視認する。
図7(d)は、縦置設置(下投写設置)された状態であり、透明な天板112のリア側から上向きに光束が投写され(テーブルリア投写)、ユーザーは、天板112に映し出された画像をその上方から視認する。
【0057】
このように、本実施形態のプロジェクター1にはいくつかの設置方法があり、この設置姿勢を姿勢検出センサー89によって検出することによって、複数の制御を行う。
まず1つ目は、姿勢検出センサー89によって据置姿勢と検出された場合に、異物検出センサーによって光路上に「異物あり」と判断されると、制御部10は、その検出結果に基づいて、プロジェクター1の温度上昇を抑制するための適切な措置を講ずる。反射式投写レンズを備えたプロジェクター1においては、投写窓201付近に本やノートなどが投写光を遮るように置かれた場合、熱がこもり、発煙してしまう可能性がある。このため、制御部10は、異物検出センサーから「異物あり」の信号が入力されると、例えばユーザーに向かって警告表示を行う等の措置を講ずるようになっている。
【0058】
2つ目は、姿勢検出センサー89による検出結果に基づいて投写画像の輝度を調整することである。通常、デフォルトの明るさは高輝度に設定されている。据置姿勢や天吊姿勢の場合、投写画像はユーザーから離れた壁面やスクリーン等に映し出されることになるため高輝度表示であってなんら問題はないが、テーブル投写やテーブルリア投写の場合には、ユーザーは投写画像を近い位置で視認することになるため、低輝度モードに変更するように制御される。これにより、明る過ぎて見にくいなどの不都合を解消することができる。
【0059】
特に、テーブルに対してリア投写する場合には、プロジェクター1の投写窓201が上側に向くように設置されるため、ユーザーの眼に投写光が直接入射しやすい。このため、テーブルリア投写の場合には、より投写画像の輝度を低下させてユーザーにまぶしさを感じさせることのない表示を行うようにする。
【0060】
3つ目は、姿勢検出センサー89の検出結果に基づいて(プロジェクター1の設置姿勢に応じて)、冷却ファン51や排気ファン52の駆動制御を行う。上述したようにプロジェクター1は、設置場所によってその姿勢が異なる。光源311の点灯等によって温まった外装筐体2内の空気は上方へと対流するため、光学ユニット3において鉛直上方は鉛直下方よりも高温になる。つまり、光学ユニット3で高温になる部位が設置姿勢に応じて変化する。すると、冷却条件が光学ユニット3の温度分布と整合しなくなり、光源装置31が効果的に冷却されず短寿命になってしまうおそれがある。そこで、プロジェクター1の設置姿勢に応じて冷却ファン51や排気ファン52の回転数を制御することとした。
【0061】
(制御方法)
次に、プロジェクターの制御方法について述べる。
[異物監視制御]
最初に、姿勢検出センサーの検出結果に応じて異物検出センサーのON/OFFを制御する方法について述べる。
図8は、プロジェクターにおける異物の監視制御を行うフローチャートである。
図8に示すように、プロジェクター1が起動されると同時に異物検出センサー85および姿勢検出センサー89がONになり(ステップS1)、まず、姿勢検出センサー89においてプロジェクター1の姿勢検出を行う。
【0062】
そして、制御部10において姿勢検出センサー89からの検出結果が据置姿勢か否かを判断し(ステップS2)、据置姿勢でない(NO)と判断された場合には、異物検出センサー85をOFFにする(ステップS3)。ステップS2において姿勢検出センサー89からの検出結果が据置姿勢である(YES)と判断された場合には、ステップS4へ移行して、異物検出センサー85をONにする。
【0063】
次に、制御部10において、異物検出センサー85からの検出結果がプロジェクター1の投写窓201上に異物があるか否かを判断し、異物なし(NO)と判断された場合には、ステップS2に戻り、姿勢検出センサー89において据置姿勢以外の信号が検出されるまで異物の有無の監視を行う。姿勢検出センサー89において、プロジェクター1の姿勢が据置以外の姿勢に変化したことが検出されると、異物検出センサー85をOFFにする。
【0064】
一方、異物検出センサー85において異物有り(YES)と検出された場合には、制御部10はユーザーに対する警告表示を行う(ステップS6)。そして、異物検出センサー85において異物有り(YES)と検出されている間は、ステップS6へ戻って警告表示を続行する。制御部10は、異物検出センサー85から異物なし(NO)の検出結果が出力されるまで、警告表示を継続し、ユーザーに対して異物の除去を促すようにしている。このように、警告表示を実施している間、ステップS6とステップS7のルーチンを繰り返し、異物検出センサー85において異物の有無を常時監視する。
【0065】
そして、異物検出センサー85から異物なし(NO)との検出結果が出力されると、制御部10は警告表示をOFFにする(ステップS8)。
【0066】
[輝度調整制御]
次に、姿勢検出センサーの検出結果に応じてプロジェクターの輝度を制御する方法について述べる。
図9は、姿勢検出センサーの結果に応じて輝度制御を行うフローチャート図である。
図9に示すように、制御部10は、プロジェクター1が起動されると同時に姿勢検出センサー89をONにして(ステップS1)、姿勢検出を行う。そして、姿勢検出センサー89からの検出結果が据置姿勢や縦置姿勢であるかを判断し、いずれの姿勢でもない(NO)と判断した場合には、通常輝度モードでの駆動を実施し(ステップS3)、予め設定された高輝度なデフォルト表示を行う。
【0067】
また、ステップS2において、姿勢検出センサー89からの検出結果からプロジェクター1の設置姿勢が据置姿勢および縦置姿勢のいずれかである(YES)と判断された場合には、ステップS4へ移行して、その姿勢が具体的に据置姿勢であるのか縦置姿勢であるのかをさらに判断する。そして、据置姿勢である(YES)ことが判明すると、制御部10は第1低輝度モードに設定を切り替える。一方、縦置姿勢である(NO)と判明した場合には、制御部10は第2低輝度モードへ設定を切り替える。
【0068】
[ファン駆動制御]
図10は、設置姿勢に応じたファン駆動制御を行う場合のフローチャート図である。
図10に示すように、制御部10は、プロジェクター1が起動されると同時に姿勢検出センサー89をONにして(ステップS1)、姿勢検出を行う。
次に、冷却ファン51および排気ファン52を第1出力で駆動する(ステップS2)。
次に、光学ユニット3の温度分布の監視を行う。制御部10の記憶領域には、プロジェクター1の姿勢に応じて予め設定された各ファン51,52の基準温度が格納されている。制御部10は、この設置姿勢に応じて予め設定された冷却ファン51および排気ファン52の基準温度と、各ファン51,52に接続された温度センサー71,72から入力される実際の検出温度とを比較する(ステップS3)。温度センサー71,72における検出温度が基準温度以上である(YES)と判断されると、制御部10は、冷却ファン51および排気ファン52を、第1出力よりも回転数の高い第2出力で駆動させる。
【0069】
そして、温度センサー71,72による検出温度が基準温度よりも低下した(YES)と判断されると(ステップS5)、ステップS2へ戻って制御部10は、冷却ファン51および排気ファン52の出力を第1出力へと変更する。なお、ステップS5において各温度センサー71,72における検出温度の方が基準温度よりも高い場合には、継続して各ファン51,52を第2出力で駆動させる。
【0070】
本制御ルーチンは、少なくともプロジェクター1に外部装置から映像信号が入力されている間は実施される。
【0071】
本実施形態のプロジェクター1によれば、姿勢検出センサー89を具備することによって自動的に投写方向の検知を行い、各投写方向に適した制御を行うことによって、ユーザーによってより使用しやすいプロジェクター1となる。
本実施形態では、姿勢検出センサー89における検出平面(遮蔽ボールの転がり平面)が、外装筐体2の上下方向に倣うとともに投写光学装置36の投写軸に平行するように、姿勢検出センサー89を設置していることから、プロジェクター1の設置姿勢を正確に捉えることが可能である。姿勢検出センサー89として採用した4方向センサーは安価で実装も簡単である。
【0072】
プロジェクター1が据置姿勢で設置された場合には、異物検出センサー85により光路上における異物の有無を常時監視して、異物が検出されるとすぐさまユーザーへの警告表示を行うこととしたので、光路上に載置された異物が光束によって発熱および発煙するような問題が生じるのを回避することが可能である。ここで、警告表示のみならず警告音も同時に発生する設定にしてもよい。これにより、ユーザーは、異物の存在を直ぐに認識することができるため、異物をプロジェクター1上から迅速に除去することが可能となる。
【0073】
あるいは、プロジェクター1が据置姿勢で設置された場合には、自動的に電源がOFFになるような制御にしてもよい。上述したように、据置姿勢とされたプロジェクター1の投写窓201上に何らかの物体が載置されてしまうと、光束の熱によって物体が加熱されて発煙などが起こるおそれがある。このような問題を根本的になくすために、姿勢検出センサー89において据置姿勢であることが検出された場合には自動的にプロジェクター1の電源が切れるような設定にしておき、据置姿勢では使用できないようにしてもよい。これにより、上記問題は確実に解決される。
【0074】
また、プロジェクター1の電源を切る設定以外にも、据置姿勢で設置された場合には表示輝度を極端に低下させるようにしてもよい。例えば、表示画像全体を黒表示にすることで異物が加熱されてしまうことを防止できる。ここで、据置設置された場合には黒表示にする設定にしておいてもいいし、据置設置された状態で異物が検出された場合に黒表示にする設定にしておいてもよい。
【0075】
このような制御は、異物検出センサー85を備えていないプロジェクター1にも応用することが可能である。つまり、異物検出センサー85を備えていなくても、低輝度にすることで、据置姿勢で設置されたプロジェクター1の投写窓201の近傍に置かれた物が加熱されてしまうのを防止することが可能である。またこの場合、異物検出センサー85が不要になることで部品点数が削減されるとともにこれに伴うコスト低減が図れ、さらには制御が容易になる。
【0076】
さらに、本実施形態のプロジェクター1は、据置姿勢以外の姿勢で、投写窓201の近傍に異物が載置されるおそれのない姿勢で設置された場合に異物検出センサーをOFFにすることで省電力化を図る構成となっている。
また、据置姿勢以外のときに異物検出センサー85をOFFにしておくことで、例えば、投写窓201上に不意に手をかざしてしまった場合などにこれが異物として検知されてしまって、プロジェクター1の輝度制御が実行されてしまうようなことを防止することができる。
さらに、赤外線を検出する他のセンサーとの光の干渉を避けるために不要なセンサーは極力OFFにして、誤動作等を防止することが好ましい。
【0077】
また、プロジェクター1としては投写画像が高輝度で表示されることが好ましいが、例えば、縦置姿勢で設置された場合、つまり、基本的に表示領域が小さいテーブル投写を行う場合は被投写面に非常に近い位置でユーザーが視認することになるため、デフォルトの高輝度表示では明るすぎてかえって見難くなってしまう。そのため、プロジェクター1がテーブル投写姿勢、つまり縦置姿勢で設置された場合には、低輝度モードに移行するように制御する。これにより、投写画像を近距離で視認するユーザーの眼に負担を与えることのない最適な輝度で表示を行うことが可能である。
【0078】
プロジェクター1において、光源311によって温められた空気は上方へと対流することから、プロジェクター1内の温度分布は設置姿勢によって変わってくる。例えば、据置設置と壁吊設置、あるいは、机上設置と机下設置では、その姿勢が鉛直方向で反転する。発熱する光学ユニット3において、その鉛直上方は鉛直下方よりも高温になるため、高温になる部位が設置状態によって変化する。すると、冷却ファン51および排気ファン52による冷却条件が光学ユニット3(プロジェクター1内)の温度分布と整合しなくなり、光学ユニット3(光源装置31)が効果的に冷却されなくなって、短寿命になってしまうおそれがある。
【0079】
そこで、プロジェクター1の設置姿勢ごとに設定された基準温度と、温度センサー71,72によって検出された実際の温度とを比較して、検出温度が基準温度以上である場合に冷却ファン51や排気ファン52の出力を高めるよう駆動制御することとしている。このように、検出温度に応じて、冷却ファン51や排気ファン52の回転数を制御することによって、光学ユニット3に対する冷却効率を高めることが可能となり、外装筐体2内に設置された光学部品の寿命を長くすることが可能となる。これにより、プロジェクター1内部の温度分布が均一になり、光源311が短寿命になるのを可能となる。
【0080】
このように、一定の出力でしか各ファン51,52を駆動制御できない場合、外装筐体2内の光学部品の寿命が短くなってしまう可能性があるが、それぞれの投写方向(設置姿勢)に適したファン駆動制御を行えば、どのような設置状態であっても光学部品の寿命を長くすることが可能である。
【0081】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0082】
例えば、先の実施形態では、被照射面に対して近距離から映像光を投写する短焦点光学系を備えた近接照射型プロジェクターの構成について述べたが、一般的なプロジェクターにも応用することが可能である。
図11は、通常のプロジェクター200における設置姿勢例を説明するための図である。図11(a)は据置姿勢、図11(b)は天吊姿勢であって、それぞれスクリーン19や壁面に投写する。図11(c)は第1縦置姿勢であって例えば天井面120aに投写する。図11(d)は第2縦置姿勢であって例えば床面120bに投写する。このような各設置姿勢を検出し、それぞれの投写方向に応じてプロジェクター200の駆動制御を実施することによって、良好な表示を実現できるとともに、上記したような不具合をなくすことが可能となる。これにより、高品質なプロジェクター200を得ることができる。
【符号の説明】
【0083】
1…プロジェクター、1A…本体(プロジェクター本体)、2…外装筐体、L…光軸、10…制御部、21…アッパーケース(第1ケース)、21…ケース、22…ロアーケース(第2ケース)、36…投写光学装置(投写光学系)、38,333,342…反射ミラー、51…ファン、71…温度センサー(温度検出手段)、75…平面(姿勢検出面)、85…異物検出センサー(異物検出手段)、89…姿勢検出センサー(姿勢検出手段)、201…投写窓、311…光源、352…液晶パネル(光変調素子)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向配置された第1ケースと第2ケースとを組み合わせることによって構成される外装筐体と、
前記外装筐体内に配置され、光束を射出する光源と、
前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、
プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記プロジェクター本体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、
前記姿勢検出手段は、その姿勢検出面が前記外装筐体を構成する前記第1ケースおよび前記第2ケースの組み合わせ方向に沿うとともに前記投写光学系の光軸に沿うように配置されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記投写光学系の射出側における前記光束の光路上の異物を検出する異物検出手段をさらに備え、
前記制御部は、前記姿勢検出手段において、前記光路上に異物が載置されるおそれのある姿勢以外の姿勢が検出されると、前記異物検出手段の動作を停止させる機能を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記外装筐体内に外気を取り込むとともに当該外装筐体内の空気を外部へ排出する冷却装置と、
前記外装筐体内に配置された温度検出手段と、を備え、
前記制御部は、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記冷却装置の駆動制御を行う機能を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記制御部は、前記温度検出手段において検出された検出温度と、前記設置姿勢に応じて予め設定された基準温度とを比較して、前記検出温度が前記基準温度以上である場合に前記冷却装置の出力を高めるよう駆動制御する機能を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記姿勢検出手段が4方向センサーである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記投写光学系が、前記光変調素子からの前記光束を反射させる反射ミラーを有する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項7】
光束を射出する光源と、
前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、
プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記プロジェクター本体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記姿勢検出手段からの検出結果に応じて投写される前記光束を低下させる機能を有する
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
前記制御部は前記姿勢検出手段が縦置設置状態であることを検知した時に投写される前記光束を低下させる機能を有する
ことを特徴とする請求項7に記載のプロジェクター。
【請求項1】
互いに対向配置された第1ケースと第2ケースとを組み合わせることによって構成される外装筐体と、
前記外装筐体内に配置され、光束を射出する光源と、
前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、
プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記プロジェクター本体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、
前記姿勢検出手段は、その姿勢検出面が前記外装筐体を構成する前記第1ケースおよび前記第2ケースの組み合わせ方向に沿うとともに前記投写光学系の光軸に沿うように配置されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記投写光学系の射出側における前記光束の光路上の異物を検出する異物検出手段をさらに備え、
前記制御部は、前記姿勢検出手段において、前記光路上に異物が載置されるおそれのある姿勢以外の姿勢が検出されると、前記異物検出手段の動作を停止させる機能を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
前記外装筐体内に外気を取り込むとともに当該外装筐体内の空気を外部へ排出する冷却装置と、
前記外装筐体内に配置された温度検出手段と、を備え、
前記制御部は、前記温度検出手段の検出結果に応じて前記冷却装置の駆動制御を行う機能を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記制御部は、前記温度検出手段において検出された検出温度と、前記設置姿勢に応じて予め設定された基準温度とを比較して、前記検出温度が前記基準温度以上である場合に前記冷却装置の出力を高めるよう駆動制御する機能を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記姿勢検出手段が4方向センサーである
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記投写光学系が、前記光変調素子からの前記光束を反射させる反射ミラーを有する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のプロジェクター。
【請求項7】
光束を射出する光源と、
前記光源からの前記光束を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
前記光変調素子によって変調された光束を投写する投写光学系と、
プロジェクター本体の設置姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記プロジェクター本体の動作を駆動制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記姿勢検出手段からの検出結果に応じて投写される前記光束を低下させる機能を有する
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
前記制御部は前記姿勢検出手段が縦置設置状態であることを検知した時に投写される前記光束を低下させる機能を有する
ことを特徴とする請求項7に記載のプロジェクター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−44917(P2013−44917A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182403(P2011−182403)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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