プロジェクター
【課題】装着される光学部材の劣化を防止できるプロジェクターを提供すること。
【解決手段】第1画像光を形成し、形成した第1画像光を出射する左用プロジェクター本体(表示装置本体)2Aと、偏光板42および位相差板41を有する第1光学部材4と、を備え、第1光学部材4は、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cに形成された投影口28に装着され、位相差板41は、水晶で構成されるとともに、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cに熱伝達可能に接続されていることを特徴とするプロジェクター。
【解決手段】第1画像光を形成し、形成した第1画像光を出射する左用プロジェクター本体(表示装置本体)2Aと、偏光板42および位相差板41を有する第1光学部材4と、を備え、第1光学部材4は、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cに形成された投影口28に装着され、位相差板41は、水晶で構成されるとともに、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cに熱伝達可能に接続されていることを特徴とするプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーン上に画像を投影するプロジェクター(投射型画像表示装置)と、観察者に装着される偏光眼鏡とを備え、当該偏光眼鏡を通してスクリーン上の投影画像を立体視させる画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたプロジェクターは、2次元画像表示用から、光学部材(偏光面変換部材)をプリズム出射後の位置に装着させて3次元画像表示用に切り替えられる。この画像表示システムにおいては、2台のプロジェクターの内の一方のプロジェクターから出射された出射光(直線偏光)について、その偏光方向を光学部材によって90度だけ回転させて、左目用の画像光(第1直線偏光)とする。他方のプロジェクターから出射された出射光(直線偏光)は、光学部材を介さずにそのまま右目用の画像光(第2直線偏光)とする。そして、前記した2台のプロジェクターから出射された左目用の画像光および右目用の画像光は、スクリーン上で互いに90度だけ偏光方向が異なる直線偏光として結像されるようにしている。特許文献1の光学部材は、1/2波長板が用いられている。また、偏光眼鏡は、第1直線偏光のみを透過させる左偏光レンズと、第2直線偏光のみを透過させる右偏光レンズとを備える。
そして、観察者は、偏光眼鏡を通して、左目にて左目用の画像光(第1直線偏光)のみを視認し、右目にて右目用の画像光(第2直線偏光)のみを視認することで、投影画像を立体視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−36004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたようなプロジェクターの内部では、画像光は、液晶パネルの出射側で偏光板を通過して偏光度が高められるが、その後プリズムや投射レンズ等を通過する過程で偏光方向が乱れてしまう。そのため、光学部材にて画像光の偏光方向を変換した場合でも、右目用画像光と左目用画像光とが混在し、例えば、右目に左目用画像光が入ってしまう所謂クロストークが発生してしまう。
このようなクロストークを防ぐ方法として、1/2波長板の出射側に偏光板を設けた光学部材を用いて偏光度を高める方法が採用されている。また、プロジェクターから円偏光を出射させる場合には、偏光板の出射側に1/4波長板を設けた光学部材が用いる方法が採用されている。
しかしながら、偏光板や1/2波長板等にて光の一部が吸収されるため、光学部材の温度が上昇し、劣化するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、装着される光学部材の劣化を防止できるプロジェクターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクターは、画像光を形成し、形成した前記画像光を出射する表示装置本体と、偏光板および位相差板を有する光学部材と、を備え、前記光学部材は、前記表示装置本体の筐体に形成された投影口に装着され、前記位相差板は、水晶で構成されるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、光学部材の位相差板が水晶で構成されるとともに、表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている。そのため、入射した画像光を吸収して光学部材の偏光板が発熱しても、その偏光板の熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される位相差板へ伝達される。さらに、位相差板に伝達された熱および位相差板で発生した熱は、熱伝達可能に接続されている筐体に対して伝達される。
したがって、本発明によれば、偏光板や位相差板の熱は、筐体に対して伝達されるので、光学部材の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0008】
本発明のプロジェクターでは、前記光学部材は、装着治具にて装着され、前記位相差板は、前記偏光板よりも出射側に位置し、前記装着治具は、前記位相差板を出射側から抑えるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されていることが好ましい。
【0009】
本発明では、水晶で構成される位相差板が光学部材の出射側に配置されている。そのため、偏光板の熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される出射側に位置する位相差板へ伝達されるので、筐体からは離れた方向へと伝達される。
ここで、本発明では、光学部材を表示装置に装着させる装着治具は、出射側の位相差板を抑えるとともに、表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている。そのため、偏光板から出射側の位相差板へ伝達された熱および位相差板で発生した熱は、装着治具を介して筐体へと伝達される。
したがって、本発明によれば、位相差板が光学部材の出射側に位置するプロジェクターにおいても、偏光板や位相差板の熱は、筐体に対して伝達されるので、光学部材の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。位相差板を出射側に配置させる態様としては、例えば、プロジェクターから円偏光の画像光を出射させる場合が挙げられる。この場合、光学部材の入射側に偏光板を配置し、出射側に位相差板としての1/4波長板を配置させる。
【0010】
本発明のプロジェクターでは、前記位相差板は、前記偏光板よりも入射側に位置するとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されていることが好ましい。
【0011】
本発明では、水晶で構成される位相差板が光学部材の入射側に配置されている。さらに、この位相差板が、表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている。そのため、偏光板から入射側の位相差板へ伝達された熱および位相差板で発生した熱は、筐体へと伝達される。
したがって、本発明によれば、位相差板が光学部材の入射側に位置するプロジェクターにおいても、偏光板や位相差板の熱は、筐体に対して伝達されるので、光学部材の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。位相差板を出射側に配置させる態様としては、例えば、プロジェクターから直線偏光の画像光を出射させる場合が挙げられる。この場合、光学部材の入射側に位相差板としての1/2波長板を配置し、出射側に偏光板を配置させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態における画像表示システムの使用形態を示す平面図。
【図2】第1実施形態における第1光学部材の装着状態を一部拡大して示す正面図。
【図3】第1実施形態における第1光学部材の装着状態を一部拡大して示す側面図。
【図4】第1実施形態における第1表示装置本体の構成を示す平面図。
【図5】第1実施形態における第1表示装置本体の光学ユニットの一部拡大した平面図。
【図6】第1実施形態における第2光学部材の装着状態を一部拡大して示す側面図。
【図7】第1実施形態における画像表示システムの構成を模式的に示すブロック図。
【図8】第2実施形態における画像表示システムの使用形態を示す平面図。
【図9】第2実施形態における第1光学部材が装着される状態を示す側面図。
【図10】第3実施形態における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【図11】第3実施形態における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す正面図。
【図12】実施形態の変形における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【図13】実施形態の別の変形における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【図14】実施形態のさらに別の変形における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔画像表示システムの構成〕
図1は、本実施形態における画像表示システム1の使用形態を示す平面図である。
図2は、本実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4が装着された状態を一部拡大して示す正面図である。
図3は、本実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4が装着された状態を一部拡大して示す側面図である。
【0014】
画像表示システム1は、反射型のスクリーンSc上に投影画像を表示するとともに、観察者に投影画像を立体視させる。この画像表示システム1は、図1に示すように、左用プロジェクター1Aと、右用プロジェクター1Bと、画像選択装置としての偏光眼鏡3とを備える。偏光眼鏡3は、左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bとは別体で構成される。
左用プロジェクター1Aは、左用プロジェクター本体2Aと、第1光学部材4とを備える。右用プロジェクター1Bは、右用プロジェクター本体2Bと、第2光学部材5とを備える。なお、左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bは、本発明の表示装置本体に相当する。第1光学部材4および第2光学部材5は、本発明の光学部材に相当する。
【0015】
〔プロジェクターの構成〕
左用プロジェクター1Aは、画像情報(画像データ)に基づく左目用画像光(第1画像光)を形成してスクリーンに投射し、右用プロジェクター1Bは、画像情報(画像データ)に基づく右目用画像光(第2画像光)を形成してスクリーンScに投射する。
左用プロジェクター本体2Aと右用プロジェクター本体2Bは、略同様の構成を備え、左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bのそれぞれの投射レンズ26(図1参照)から出射される画像光の偏光方向は、同一である。左用プロジェクター本体2Aからの画像光を出射する投射レンズ26の後段に形成された投影口28には、図1〜3に示すように、左用プロジェクター本体2Aからの画像光を左目用とするための第1光学部材4が、装着治具6によって装着される。一方、右用プロジェクター本体2Bの投影口28には、図1に示すように、装着治具6によって、右用プロジェクター本体2Bからの画像光を右目用とするための第2光学部材5が、装着される。
【0016】
左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bは、略同様の構成を有しているため、以下では、左用プロジェクター本体2Aを主に説明し、右用プロジェクター本体2Bについては左用プロジェクター本体2Aと異なる点のみを説明する。また、以下の説明および図では、各プロジェクター本体2A,2Bにおいて、同様の機能を有する構成については、同一の符号を付している。
左用プロジェクター本体2Aは、画像情報(画像データ)に基づく画像光を形成してスクリーンSc上に投射する。この左用プロジェクター本体2Aは、図1または図3に示すように、外装を構成する外装筐体2C(図1)と、外装筐体2Cに収納される光学ユニット2U(図4)および制御装置2D(図7)とを備える。
外装筐体2Cには、図1〜3に示すように、投射レンズ26から出射される画像光を外装筐体2C外部へと投影するための投影口28が形成されている。
外装筐体2Cには、第1光学部材4や第2光学部材5の位相差板が熱伝達可能に接続される。そのため、外装筐体2Cは、熱伝導性の良い材料で構成されていることが好ましい。例えば、金属や合金の他、熱導電性プラスチックなどが挙げられる。
【0017】
〔第1光学部材〕
第1光学部材4は、左用プロジェクター本体2Aの投射レンズ26から出射された画像光の偏光状態を変換する。
第1光学部材4は、図1〜3に示すように、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cの投影口28に装着される。つまり、第1光学部材4は、投射レンズ26の後段に配置されることになる。
第1光学部材4は、図2に示すように、第1光学部材4の厚さ方向で見た平面視で、矩形状に形成されている。
第1光学部材4は、図3に示すように、位相差板41と、偏光板42と、基板43とを備える。第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着される際は、図3に示すように、投射レンズ26から出射される画像光に対して、入射側から順に位相差板41、偏光板42、基板43が配置される。
位相差板41は、本実施形態では、水晶で構成される1/2波長板である。位相差板41は、入射される画像光の偏光方向を変換する。本実施形態では、後述するように、左用プロジェクター本体2Aの投射レンズ26から第1直線偏光Sが出射されるので、その偏光方向と直行する方向の第2直線偏光Pへと変換する。すなわち、位相差板41は、第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着された際に、その光学軸が、投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光軸に対して45度傾斜した状態となるように配置されている。また、第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着されると、位相差板41は、外装筐体2Cに接触した状態となる。
偏光板42は、入射側の位相差板41で変換された画像光の偏光方向に対して同一の透過軸を有する。すなわち、偏光板42は、第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着された際に、その透過軸が、第2直線偏光Pの偏光方向と同一になるように配置されている。
基板43は、位相差板41および偏光板42を保持するための部材である。位相差板41および偏光板42は、薄い部材であるため、基板43でこれらを保持することで、第1光学部材4の取り扱い性が向上する。基板43は、透光性の材料で構成される。基板43の材料としては、例えば、サファイア、水晶、石英ガラス、硼珪酸ガラスが挙げられる。
【0018】
〔装着治具〕
装着治具6は、外装筐体2Cの投影口28に設けられている。
装着治具6は、図2に示すように、外装筐体2C外側から投射レンズ26に向かって左用プロジェクター本体2Aを見た正面視で、投射レンズ26に対して上下に設けられた一対の装着部材6Aおよび装着部材6Bで構成される。装着部材6Aおよび装着部材6Bは、図2に示すように、矩形状の第1光学部材4の上側および下側の長辺を抑えることのできる長尺状の部材である。図3に示すように、第1光学部材4は、装着部材6A、装着部材6Bおよび外装筐体2Cとで囲まれるスペースに横方向(装着部材6Aおよび装着部材6Bの並列方向に交差する方向)から挿入されて装着される。
装着部材6Aおよび装着部材6Bは、図2および図3に示すように、それぞれ抑え部61と、接続部62と、連結部63とを備える。抑え部61は、第1光学部材4の出射側に位置する部材(本実施形態では、図3に示す基板43)と接触して、第1光学部材4を外装筐体2C側へ抑え付けるための部位である。接続部62は、装着部材6Aおよび装着部材6Bが外装筐体2Cに対して接触しながら固定される部位である。連結部63は、抑え部61と接続部62とを連結する部位である。
装着治具6は、熱伝導性の良い材料で構成されていることが好ましい。さらに、装着治具6は、第1光学部材4を出射側から抑え付けて、外装筐体2Cに対する接触性を高めるために弾性を有する材料で構成されていることが好ましい。例えば、板バネ材を装着部材6Aおよび装着部材6Bの形状に加工したものなどが挙げられる。
【0019】
〔左用プロジェクター本体の内部構成〕
図4は、左用プロジェクター本体2Aの内部構成を模式的に示す平面図である。
左用プロジェクター本体2Aは、外装を構成する外装筐体2Cと、外装筐体2C内部に収納される光学ユニット2Uで大略構成されている。
光学ユニット2Uは、制御装置2Dによる制御の下、画像情報(画像データ)に基づく画像光を形成して投射する。
【0020】
この光学ユニット2Uは、図4に示すように、光源装置21と、照明光学装置22と、色分離光学装置23とを備える。
光源装置21は、光源ランプ211およびリフレクター212を有する。
照明光学装置22は、レンズアレイ221,222、偏光変換素子223および重畳レンズ224を有する。
色分離光学装置23は、ダイクロイックミラー231,232および反射ミラー233を有する。
【0021】
また、光学ユニット2Uは、リレー光学装置24と、内部光学装置25とを備える。
リレー光学装置24は、入射側レンズ241、リレーレンズ243および反射ミラー242,244を有する。
内部光学装置25は、3つの液晶パネル251、3つの入射側偏光板252、3つの出射側偏光板253、2つの1/2波長板254および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム255(以下、適宜、プリズム255と称する)を有する。
【0022】
さらに、光学ユニット2Uは、投射光学装置としての投射レンズ26と、上述した各光学部品21〜25を内部に収納するとともに投射レンズ26を支持する光学部品用筐体27とを備える。
【0023】
そして、光学ユニット2Uでは、上述した構成により、光源装置21から出射され照明光学装置22を介した光束は、色分離光学装置23でR,G,Bの3つの色光に分離される。また、分離された各色光は、各液晶パネル251にて画像情報に応じてそれぞれ変調される。変調された各色光(各画像光)は、プリズム255にて合成され、投射レンズ26にてスクリーンScに投射される。
【0024】
図5は、図4に示す光学ユニット2Uの一部を拡大した平面図である。
以下、図4および図5を参照して、前述した内部光学装置25の構成について詳細に説明する。なお、図5では、図4に示した内部光学装置25のうち、液晶パネル251、入射側偏光板252、出射側偏光板253および1/2波長板254については、図示を省略している。リレー光学装置24の入射側レンズ241およびリレーレンズ243についても同様である。
【0025】
内部光学装置25は、前述した各部材251〜255以外に、以下の構成を備える。
内部光学装置25は、図4および図5に示すように、色分離光学装置23の光路後段であってプリズム255の光路前段に光学フィルター256を備える。R色光側の光学フィルターを256R、G色光側の光学フィルターを256Gとする。光学フィルター256Rは、R色光の光路におけるダイクロイックミラー232とプリズム255の間に配設される。光学フィルター256Gは、G色光の光路におけるダイクロイックミラー232とプリズム255の間に配設される。
【0026】
この光学フィルター256R,256Gは、特定の波長域の光束を除去する。
光学フィルター256Rは、色分離光学装置23で分離されたR色光から特定の波長域の光束を除去し、他の波長域の光束を透過する。光学フィルター256Gは、色分離光学装置23で分離されたG色光から特定の波長域の光束を除去し、他の波長域の光束を透過する。なお、この光学フィルター256R,256Gの詳細な特性については、後述する。
【0027】
プリズム255は、図5に示すように、平面視で略X字状に交差する一対の誘電体多層膜255A,255Bを有する。一方の誘電体多層膜255AはR色光を反射するものであり、他方の誘電体多層膜255BはB色光を反射するものである。
また、内部光学装置25は、プリズム255の光路後段、具体的には、図4に示すように、プリズム255と投射レンズ26の間に偏光変換装置257を備える。
この偏光変換装置257は、プリズム255から入射される合成後の光束のうち、G色光に対応する波長域の偏光軸を90度回転させる。なお、この偏光変換装置257の詳細な特性については、後述する。
【0028】
ここで、本実施形態では、図4に示す光源装置21から出射された光束は、以下に示すように、偏光方向を変えながら進行する。
なお、以下では、図4中、紙面に直交する偏光方向を有する直線偏光を第1直線偏光S(図5では符号「S」と表記)と記載し、第1直線偏光Sの偏光方向に直交し、図4中、紙面に平行する偏光方向を有する直線偏光を第2直線偏光P(図5では符号「P」と表記)として記載する。
また、以下では、説明の便宜上、R色光側の液晶パネル251、入射側偏光板252、出射側偏光板253および1/2波長板254をそれぞれ251R,252R,253R,254Rとする(図4参照)。G色光側およびB色光側も同様に記載する(図4参照)。なお、図4に示すように、液晶パネル251R、入射側偏光板252R、出射側偏光板253Rおよび1/2波長板254Rで1つの光変調装置25Rを構成している。G色光側の光変調装置25GおよびB色光側の光変調装置25Bも同様である。但し、G色光側の光変調装置25Gについては、1/2波長板254は除かれる。
【0029】
先ず、光源装置21から出射された光束の略全ては、図4に示す偏光変換素子223によって第1直線偏光Sに変換される。そして、偏光変換素子223から出射された光束は、色分離光学装置23にてR,G,Bの各色光に分離され、各色光が第1直線偏光Sとして内部光学装置25に入射することとなる。
3つの入射側偏光板252は、偏光変換素子223で揃えられた光束の偏光方向と略同一方向の透過軸を有する。すなわち、内部光学装置25に入射した各色光(第1直線偏光S)は、偏光方向が変更されることなく、第1直線偏光Sが各入射側偏光板252から出射される。
3つの出射側偏光板253は、入射側偏光板252の透過軸に対して照明光軸A(図4)を中心として90度回転した透過軸を有する。すなわち、各入射側偏光板252から出射され、各液晶パネル251を介して各出射側偏光板253に入射した各色光のうち第2直線偏光Pが、各出射側偏光板253から出射される。
【0030】
ここで、1/2波長板254は、図4に示すように、R,Bの各色光側において、各出射側偏光板253R,253Bとプリズム255との間に配設されている。すなわち、各出射側偏光板253から出射されたR,G,Bの各色光(第2直線偏光P)のうち、R,Bの各色光が1/2波長板254R,254Bによって第1直線偏光Sに変換される。
そして、この1/2波長板254Rおよび前述した出射側偏光板253Gの各色光の出射面には、図4および図5に示すように、前述した光学フィルター256R,256Gが配設されている。光学フィルター256Rは、1/2波長板254Rから入射されたR色光から特定の波長域を除去し、光学フィルター256Gは、出射側偏光板253Gから入射されたG色光から特定の波長域を除去する。
プリズム255は、誘電体多層膜255A,255Bによって光学フィルター256Rから入射されたR色光および1/2波長板254Bから入射されたB色光を曲折させ、光学フィルター256Gから入射されたG色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光を合成する。
【0031】
偏光変換装置257は、プリズム255で合成された光束のうち、G色光に対応する波長域の偏光軸を90度回転させ、当該光束の偏光方向を、図5に示すように、第1直線偏光Sの偏光方向に揃える。このような、偏光変換装置は、波長選択性偏光回転素子とも呼ばれ、例えば、特開2010−204333号公報に開示されている。
偏光変換装置257で偏光方向が第1直線偏光Sの偏光方向に揃えられた画像光は、投射レンズ26(図4)によって投射される。
投射レンズ26によって投射された当該画像光は、図5に示すように、左用プロジェクター本体2Aに装着された第1光学部材4に入射される。
【0032】
〔右用プロジェクター本体の構成〕
図6は、本実施形態に係る右用プロジェクター本体2Bに第2光学部材5が装着された状態を一部拡大して示す側面図である。右用プロジェクター本体2Bは、投射レンズ26の後段に、第2光学部材5が装着される点で、左用プロジェクター本体2Aと相違する。
【0033】
〔第2光学部材〕
第2光学部材5は、図6に示すように、偏光板52と、基板53と、を備える。第2光学部材5は、第1光学部材4とは異なり位相差板41を有していない。
偏光板52は、第2光学部材5の厚さ方向で見た第2光学部材の平面視(以下、第2光学部材平面視という。)で、第2光学部材5が投影口28に装着された際に、投射レンズ26から投射された光束が入射する位置に保持されている。
偏光板52は、右用プロジェクター本体2Bの投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光方向と同一方向の透過軸を有する。すなわち、偏光板52は、第2光学部材5が右用プロジェクター本体2Bに装着された際に、その透過軸が、第1直線偏光Sの偏光方向と同一になるように配置されている。
そのため、第2光学部材5は、右用プロジェクター本体2Bの投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光方向を第2直線偏光Pに変換せずに、偏光板52で偏光度を高めた状態で第1直線偏光Sとして出射する。
【0034】
第2光学部材5は、位相差板を有さない分、第1光学部材4よりも厚さ寸法が小さい。そのため、右用プロジェクター本体2B用の装着治具6は、装着部材6Cおよび装着部材6Dで構成され、それぞれ第2光学部材5の厚さ寸法に合わせて、第2光学部材5を右用プロジェクター本体2Bの外装筐体2C側へ抑え付けることができるような形状に形成されている。その他の点は、左用プロジェクター本体2A用の装着部材6Aおよび装着部材6Bと同様である。
【0035】
〔制御装置の構成〕
図7は、画像表示システム1の構成を模式的に示すブロック図である。
左用プロジェクター本体2Aを構成する制御装置2Dは、CPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)等を有し、左用プロジェクター本体2Aの投影口28に対して装着された光学部材の種類に基づいて、液晶パネル251の動作を制御する。
この制御装置2Dは、図7に示すように、信号判別部291と、画像ROM292(ROM:READ ONLY MEMORY)、信号処理部293と、パネル駆動部294と、タイミングコントローラー295と、を備える。
タイミングコントローラー295は、左用プロジェクター本体2A外部から基準同期信号を入力し、当該基準同期信号に同期して後述するパネル駆動部294を動作させる。すなわち、タイミングコントローラー295は、左用プロジェクター本体2Aと右用プロジェクター本体2BとでスクリーンSc上に投影される左目用画像および右目用画像の表示タイミングを同期させる。
【0036】
信号判別部291は、外部から入力した入力信号に含まれる左右画像信号から、左目用画像信号と、右目用画像信号とを判別する。
そして、信号判別部291は、左目用画像信号を左目用画像データとして、右目用画像信号を右目用画像データとして、それぞれ区別して画像ROM292に記憶させる。
画像ROM292が記憶する左目用画像データおよび右目用画像データは、1フレーム毎のデータの集まりによってそれぞれ構成されている。
信号処理部293は、画像ROM292に記憶された左目用画像データまたは右目用画像データのいずれかを読み出し、読み出した画像データを赤、緑、青の各色信号に変換してパネル駆動部294に出力する。ここで、信号処理部293が出力する画像データを判断するための手段としては、例えば、次のような構成が挙げられる。第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着されたことを検出可能な図示しない検出手段を外装筐体2Cに設ける。信号処理部293は、この検出手段からの検出信号を受信するとともに、受信した信号に基づいて、左目用画像光(第1画像光)をパネル駆動部294に出力させる。検出手段としては、光学式センサーやリーフスイッチ等の接触型センサー等が挙げられる。このような検出手段の他、外装筐体2Cに切替スイッチを設けておき、観察者が第1光学部材4を装着させた後、左目用の第1光学部材4が装着されたことを当該切替スイッチにて選択して、信号処理部293へその信号を送るように構成しても良い。
そして、パネル駆動部294は、信号処理部293から出力された各色信号に基づいて、各色信号に対応する各液晶パネル251を駆動する。
このようにして、第1光学部材4が装着された左用プロジェクター本体2Aは、スクリーンSc上に左目用画像データに基づく左目用画像光(第1画像光)を投影する。
【0037】
右用プロジェクター本体2Bを構成する制御装置2Fは、左用プロジェクター本体2Aを構成する制御装置2Dと略同様の構成を備える。この制御装置2Fにおいても、例えば、第2光学部材5が右用プロジェクター本体2Bに装着されたこと示す信号を上述のような手段で信号処理部293へ入力させる構成を用いることができる。当該信号を受信した信号処理部293は、右目用画像データをパネル駆動部294に出力する。
そして、パネル駆動部294は、信号処理部293から出力された各色信号に基づいて、各色信号に対応する各液晶パネル251を駆動する。
このようにして、第2光学部材5が装着された右用プロジェクター本体2Bは、スクリーンSc上に右目用画像データに基づく右目用画像光(第2画像光)を投影する。
【0038】
〔偏光眼鏡の構成〕
図1に示す偏光眼鏡3は、観察者が装着するものであり、図1および図5に示すように、第1透過部としての左目用透過部31と、第2透過部としての右目用透過部32とを備える。
左目用透過部31は、透過軸が第2直線偏光Pの偏光方向と同一方向となる偏光レンズで構成されている。
右目用透過部32は、透過軸が第1直線偏光Sの偏光方向と同一方向となる偏光レンズで構成されている。
左目用透過部31は、左用プロジェクター本体2Aから投射される左目用画像(第1画像光)を視認するためのものであり、右目用透過部32は、右用プロジェクター本体2Bから投射される右目用画像(第2画像光)を視認するためのものである。
【0039】
〔画像表示システムの動作〕
次に、上述した画像表示システム1の動作について説明する。
左用プロジェクター本体2Aにおいて、投射レンズ26出射時の第1画像光(第1直線偏光S)は、第1光学部材4に入射され、位相差板41によって、第2直線偏光Pに変換される。位相差板41の後段に設けられた偏光板42は、第2直線偏光Pの偏光方向と同一の透過軸を有する。そのため、第1光学部材4から出射される際の第1画像光は、第2直線偏光Pとなっている。このようにして第2直線偏光Pに変換された第1画像光(左目用画像光)は、スクリーンSc上に投影される。したがって、偏光眼鏡3を装着した観察者は、スクリーンSc上の左目用画像を、左目用透過部31を介して左目のみで視認する。
一方、右用プロジェクター本体2Bにおいて、投射レンズ26出射時の右目用画像光としての第2画像光(第1直線偏光S)は、第2光学部材5に入射され、偏光板52を経て、第1直線偏光SのままスクリーンSc上に投射される。したがって、偏光眼鏡3を装着した観察者は、スクリーンSc上の右目用画像を、右目用透過部32を介して右目のみで視認する。
以上のように、観察者は、スクリーンSc上の左目用画像を左目のみで視認し、右目用画像を右目のみで視認することで、視差により投影画像を立体視することとなる。
【0040】
〔第1実施形態の効果〕
上述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第1実施形態では、第1光学部材4の位相差板41が水晶で構成されるとともに、位相差板41は、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cに接触した状態となっている。さらに、装着治具6によって、第1光学部材4は、外装筐体2C側に向かって抑え付けられている。
そのため、投射レンズ26から出射された画像光を偏光板42が吸収して発生する熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される位相差板41へ伝達される。さらに、位相差板41に伝達された熱および位相差板41で発生した熱は、上述のとおり接触している外装筐体2Cに対して伝達される。
したがって、第1実施形態によれば、偏光板42や位相差板41の熱は、外装筐体2Cに対して伝達されるので、第1光学部材4の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0041】
また、第2光学部材5の偏光板52は、右用プロジェクター本体2Bの外装筐体2Cに接触した状態となっており、さらに第2光学部材5は、装着治具6によって筐体に抑え付けられているから、偏光板52で発生した熱は、外装筐体2Cに伝達される。
したがって、第2光学部材5の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0042】
また、装着治具6によって、第1光学部材4および第2光学部材5は、それぞれ左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bに固定されているから、安定した装着が可能である。その結果、投射レンズ26から出射される第1直線偏光Sの偏光方向に対して、第1光学部材4や第2光学部材5の光学軸や透過軸のずれを防止できる。
【0043】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は、省略または簡略化する。
図8は、第2実施形態における画像表示システム10の使用形態を示す平面図である。
図9は、第2実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着される状態を示す側面図である。
第2実施形態は、スクリーンScに投影する画像光が円偏光である点で、直線偏光をスクリーンScに投影する第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、図8に示すように、左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着され、右用プロジェクター本体2Bに第2光学部材5Aが装着される。
【0044】
第1光学部材4Aは、図9に示すように、基板43と、偏光板42と、位相差板44とを備える。第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着される際は、図9に示すように、投射レンズ26から出射される画像光に対して、入射側から順に基板43、偏光板42、位相差板44が配置される。
位相差板44は、本実施形態では、水晶で構成される1/4波長板である。本実施形態では、位相差板44は、第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着された際に、その光学軸が、投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光状態を左回りの円偏光に変換できるように配置されている。また、位相差板44は、第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着されると、装着治具6で抑え付けられた状態となり、位相差板44は、装着治具6の抑え部61と接触した状態となる。
【0045】
第2光学部材5Aは、図示を省略するが、第1光学部材4Aと同様の基板と、偏光板と、位相差板とを備える。第2光学部材5Aが右用プロジェクター本体2Bに装着される際も、入射側から順に、基板、偏光板、位相差板が配置される。
ただし、第2光学部材5Aにおける位相差板も水晶で構成される。第2光学部材5Aにおける位相差板は、第2光学部材5Aが右用プロジェクター本体2Bに装着された際に、その光学軸が、投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光状態を右回りの円偏光に変換できるように配置されている。また、第2光学部材5Aの当該位相差板も、第2光学部材5Aが右用プロジェクター本体2Bに装着されると、装着治具6で抑え付けられた状態となり、第2光学部材5Aの当該位相差板は、装着治具6の抑え部61と接触した状態となる。
【0046】
左用プロジェクター本体2Aに装着された第1光学部材4Aから出射される第1画像光(左回りの円偏光)は、スクリーンScに投射され、スクリーンScにて反射されることで、右回りの円偏光に変換され、第2実施形態の偏光眼鏡3Aに到達する。
一方、右用プロジェクター本体2Bに装着された第2光学部材5Aから出射される第2画像光(右回りの円偏光)は、スクリーンScに投射され、スクリーンScにて反射されることで、左回りの円偏光に変換され、第2実施形態の偏光眼鏡3Aに到達する。
【0047】
〔偏光眼鏡の構成〕
偏光眼鏡3Aは、観察者が装着するものであり、図8に示すように、第1透過部としての左目用透過部31Aと、第2透過部としての右目用透過部32Aとを備える。
左目用透過部31Aは、図8に示すように、位相差フィルム311と、左目用偏光フィルム312とが積層された構成を有する。
位相差フィルム311は、Δndがλ/4に設定された位相差フィルムである。そして、位相差フィルム311は、左目用透過部31Aおよび右目用透過部32Aが水平方向に並列するように偏光眼鏡3Aが観察者に装着された状態で、左回りの円偏光を第1直線偏光Sに変換するとともに、右回りの円偏光を第2直線偏光Pに変換するように、光学軸の向きが設定されている。
左目用偏光フィルム312は、位相差フィルム311に対して観察者側に位置し、上述した状態で、透過軸が第2直線偏光Pの偏光方向と同一方向となるように構成されている。
【0048】
右目用透過部32Aは、図8に示すように、位相差フィルム321と、右目用偏光フィルム322とが積層された構成を有する。
位相差フィルム321は、位相差フィルム311と同様の構成である。
右目用偏光フィルム322は、上述した状態で、透過軸が第1直線偏光Sの偏光方向と同一方向となるように構成されている。
【0049】
偏光眼鏡3Aに到達した左目用の第1画像光(右回りの円偏光)は、左目用透過部31Aにおいて、位相差フィルム311を透過することでλ/4位相がずれるため、第2直線偏光Pに変換され、左目用偏光フィルム312を透過し、観察者の左目にて視認される。
また、偏光眼鏡3Aに到達した右目用の第2画像光(左回りの円偏光)は、右目用透過部32Aにおいて、位相差フィルム321を透過することでλ/4位相がずれるため、第1直線偏光Sに変換され、右目用偏光フィルム322を透過し、観察者の右目にて視認される。
【0050】
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第2実施形態では、第1光学部材4Aの位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板は、いずれも水晶で構成される1/4波長板である。第1光学部材4Aおよび第2光学部材5Aを左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bに装着する際には、第1光学部材4Aおよび第2光学部材5Aの位相差板は、出射側に配置される。そのため、第2実施形態では、第1実施形態において水晶で構成される位相差板41が直接外装筐体2Cに接触するように、位相差板が配置されていない。
しかしながら、第2実施形態では、出射側に配置される位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板は、装着治具6の抑え部61に抑えられて接触している。そのため、偏光板42が吸収して発生する熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板へ伝達される。さらに、位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板に伝達された熱およびこれらの位相差板で発生した熱は、上述のとおり接触している抑え部61から、連結部63を介して接続部62へと伝達され、接続部62と接触する外装筐体2Cへと伝達される。
したがって、第2実施形態によれば、偏光板42等や位相差板44等の熱は、装着治具6を介して外装筐体2Cに伝達されるので、第1光学部材4Aおよび第2光学部材5Aの温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0051】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の構造および同一部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は、省略または簡略化する。
図10は、第3実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着される状態を示す側面図である。
図11は、第3実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着される状態を示す正面図である。
第3実施形態は、第2実施形態とほぼ同様の態様であるが、第1光学部材4Aがその周囲を熱伝達部材45で覆われている点で、第2実施形態の第1光学部材4Aの構成と異なる。
【0052】
熱伝達部材45は、枠状に形成され、偏光板42、基板43および位相差板44の側面を覆うと共に、基板43および位相差板44の表面の一部を投射レンズ26から出射される画像光の光路を塞がないように覆う。偏光板42、基板43および位相差板44は、このようにして熱伝達部材45によって覆われ、熱伝達部材45と接触している。
熱伝達部材45は、熱伝導性の良い材料で構成されている。例えば、熱伝導性の良い材料として、金属や合金などが挙げられる。より具体的な例としては、熱伝達部材45としては、アルミニウム箔が挙げられ、第1光学部材4Aの周囲を枠状にアルミニウム箔で覆う。その他、熱伝達部材45は、第1光学部材4Aの位相差板44側から覆う部材と、基板43側から覆う部材とが、枠状に組み合わされる分割式の部材としても良い。
【0053】
第1光学部材4Aは、熱伝達部材45で偏光板42、基板43および位相差板44を覆われた状態で、図10に示すように、第1光学部材4は、装着部材6A、装着部材6Bおよび外装筐体2Cとで囲まれるスペースに横方向(装着部材6Aおよび装着部材6Bの並列方向に交差する方向)から挿入されて装着される。なお、第1光学部材4Aは、熱伝達部材45が取り付けられている分、厚さ寸法が第1光学部材4Aに比べて大きくなっているので、本実施形態では、第1光学部材4Aが挿入可能なように連結部63を外装筐体2C外側に向かう方向に長くして当該スペースを広げてある。
第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着されると、熱伝達部材45は、図10に示すように、装着部材6Aおよび装着部材6Bの抑え部61によって外装筐体2C側に抑え付けられた状態となる。また、このとき熱伝達部材45は、図10に示すように、外装筐体2Cとも接触している。
【0054】
〔第3実施形態の効果〕
上述した第3実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第3実施形態では、偏光板42で発生した熱の伝達系統が2つになる。偏光板42と接触する熱伝達部材45を介して外装筐体2Cへ伝達される系統および偏光板42から位相差板44側へ伝達し、装着治具6を介して外装筐体2Cへ伝達される系統である。
したがって、第3実施形態によれば、偏光板42等や位相差板44等の熱は、熱伝達部材45や装着治具6を介して外装筐体2Cに伝達されるので、第1光学部材4Aの温度上昇がより効率的に抑制され、その劣化を防止できる。
【0055】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0056】
位相差板を外装筐体2Cに対して熱伝達可能に接続する構成については、前記各実施形態で説明した態様に限定されない。
例えば、図12は、第3実施形態において、装着治具6の接続部62が接続される外装筐体2Cの表面部分に、熱伝導性の材料で構成される被接続部2Eを設けた例を示す側面図である。このように被接続部2Eを設けておくことで、偏光板42で発生した熱を、位相差板44、装着治具6を介して外装筐体2Cにより効率的に伝達させることができる。この場合、例えば、外装筐体2Cの表面部分にアルミニウム製の板や箔を貼り付けて被接続部2Eとすることもできる。
また、例えば、図13は、第3実施形態において、装着治具6を使用せずに、熱伝達部材45だけで第1光学部材4を左用プロジェクター本体2Aに装着させた状態を示す側面図である。この場合、熱伝達部材45には、突出部45Aを形成し、外装筐体2Cには、突出部45Aと係合可能な凹部281を形成しておく。このような態様でも、第1光学部材4Aは左用プロジェクター本体2Aに対して装着可能であり、偏光板42で発生した熱を、位相差板44および熱伝達部材45を介して外装筐体2Cに対して伝達させることができる。
さらに、例えば、図14は、第1実施形態において、投影口28に形成された凹部282に第1光学部材4を装着させた状態を示す側面図である。この場合、凹部282は、外装筐体2Cの表面側から内部側へ向かって第1光学部材4Aの外形と略同形状に窪ませて形成されている。このような態様では、位相差板41が凹部282に入り込んでいるので、位相差板41と外装筐体2Cとの接触面積が増えて、偏光板42で発生した熱の伝達効率が向上する。なお、この態様での装着治具6は、取り外し可能に形成しておき、第1光学部材4を凹部282に係合させたあと、装着部材6Aおよび装着部材6Bで第1光学部材4を抑え付けるようにして固定する。
このように、図12〜14で示した態様は、前記各実施形態のいずれに対しても適宜、適用可能である。
【0057】
前記各実施形態では、本発明のプロジェクターを用いた画像表示システムとして、観察者に投影画像を立体視させる画像表示システムを例示したが、これに限らない。例えば、左目用画像および右目用画像をコンテンツの異なる画像とし、2つの投影画像を表示するデュアル表示システムとして構成しても構わない。
このようなデュアル表示システムとして構成した場合には、偏光眼鏡としては、左目用透過部を左右に設けた偏光眼鏡および右目用透過部を左右に設けた偏光眼鏡の2種類を設ければよい。
【0058】
また、第1光学部材4や第2光学部材5は、上記実施形態のような矩形状に限定されずに、その他の多角形や円形等の形状としてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、偏光変換装置257を用いて、プリズム255で合成された光束の偏光方向を第1直線偏光Sの偏光方向に揃える態様で説明したが、これに限定されない。例えば、偏光変換装置257を用いない構成とすることもできる。この場合、プリズム255に入射する際のG色光を、第2直線偏光Pから第1直線偏光Sの偏光方向に変換させる。
【0060】
また、基板は、位相差板41や偏光板42を全面で保持する形状のものに限定されない。枠状に保持するようにして、画像光の光路上に基板が入らないようにしても良い。例えば、第3実施形態で説明した熱伝達部材45で偏光板と位相差板だけを枠状に保持して、基板を省いた構成とすることもできる。
【0061】
また、装着治具6も上記実施形態のような形状に限定されず、第1光学部材4や第2光学部材5を外装筐体2C側へ抑え付けながら装着させることのできる構成のものを適用できる。
また、第1光学部材4や第2光学部材5を抑え付ける位置も、画像光の光路を塞がない位置であればよく、上記実施形態のように、矩形状の第1光学部材4や第2光学部材5の長辺側を抑えるだけでなく、短辺側を抑えるようにしてもよい。
【0062】
また、第1光学部材4,4Aや第2光学部材5,5Aにおける位相差板や偏光板の配置順は、上記実施形態で示した例に限定されない。
例えば、直線偏光で出射された画像光の偏光状態を円偏光に変換する場合、まず、直線偏光の偏光方向を1/2波長板で変換させてから、1/4波長板に入射されるようにしても良い。この場合の、光学部材における配置順としては、
(入射側)1/2波長板、偏光板、基板、1/4波長板(出射側)、
(入射側)1/2波長板、基板、偏光板、1/4波長板(出射側)、
などが挙げられる。入射側に配置される1/2波長板を水晶で構成すれば、この1/2波長板を介して偏光板で発生した熱を外装筐体2Cへ伝達させることもできる。合わせて、出射側に配置される1/4波長板も水晶で構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、プロジェクターや偏光眼鏡を用いて画像を立体視させる画像表示システムに利用できる。
【符号の説明】
【0064】
1A…左用プロジェクター(プロジェクター)、1B…右用プロジェクター(プロジェクター)、28…投影口、2A…左用プロジェクター本体(表示装置本体)、2B…右用プロジェクター本体(表示装置本体)、2C…外装筐体、4,4A…第1光学部材(光学部材)、5,5A…第2光学部材(光学部材)、41,44…位相差板、42…偏光板、6…装着治具。
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーン上に画像を投影するプロジェクター(投射型画像表示装置)と、観察者に装着される偏光眼鏡とを備え、当該偏光眼鏡を通してスクリーン上の投影画像を立体視させる画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたプロジェクターは、2次元画像表示用から、光学部材(偏光面変換部材)をプリズム出射後の位置に装着させて3次元画像表示用に切り替えられる。この画像表示システムにおいては、2台のプロジェクターの内の一方のプロジェクターから出射された出射光(直線偏光)について、その偏光方向を光学部材によって90度だけ回転させて、左目用の画像光(第1直線偏光)とする。他方のプロジェクターから出射された出射光(直線偏光)は、光学部材を介さずにそのまま右目用の画像光(第2直線偏光)とする。そして、前記した2台のプロジェクターから出射された左目用の画像光および右目用の画像光は、スクリーン上で互いに90度だけ偏光方向が異なる直線偏光として結像されるようにしている。特許文献1の光学部材は、1/2波長板が用いられている。また、偏光眼鏡は、第1直線偏光のみを透過させる左偏光レンズと、第2直線偏光のみを透過させる右偏光レンズとを備える。
そして、観察者は、偏光眼鏡を通して、左目にて左目用の画像光(第1直線偏光)のみを視認し、右目にて右目用の画像光(第2直線偏光)のみを視認することで、投影画像を立体視する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−36004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたようなプロジェクターの内部では、画像光は、液晶パネルの出射側で偏光板を通過して偏光度が高められるが、その後プリズムや投射レンズ等を通過する過程で偏光方向が乱れてしまう。そのため、光学部材にて画像光の偏光方向を変換した場合でも、右目用画像光と左目用画像光とが混在し、例えば、右目に左目用画像光が入ってしまう所謂クロストークが発生してしまう。
このようなクロストークを防ぐ方法として、1/2波長板の出射側に偏光板を設けた光学部材を用いて偏光度を高める方法が採用されている。また、プロジェクターから円偏光を出射させる場合には、偏光板の出射側に1/4波長板を設けた光学部材が用いる方法が採用されている。
しかしながら、偏光板や1/2波長板等にて光の一部が吸収されるため、光学部材の温度が上昇し、劣化するという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、装着される光学部材の劣化を防止できるプロジェクターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプロジェクターは、画像光を形成し、形成した前記画像光を出射する表示装置本体と、偏光板および位相差板を有する光学部材と、を備え、前記光学部材は、前記表示装置本体の筐体に形成された投影口に装着され、前記位相差板は、水晶で構成されるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、光学部材の位相差板が水晶で構成されるとともに、表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている。そのため、入射した画像光を吸収して光学部材の偏光板が発熱しても、その偏光板の熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される位相差板へ伝達される。さらに、位相差板に伝達された熱および位相差板で発生した熱は、熱伝達可能に接続されている筐体に対して伝達される。
したがって、本発明によれば、偏光板や位相差板の熱は、筐体に対して伝達されるので、光学部材の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0008】
本発明のプロジェクターでは、前記光学部材は、装着治具にて装着され、前記位相差板は、前記偏光板よりも出射側に位置し、前記装着治具は、前記位相差板を出射側から抑えるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されていることが好ましい。
【0009】
本発明では、水晶で構成される位相差板が光学部材の出射側に配置されている。そのため、偏光板の熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される出射側に位置する位相差板へ伝達されるので、筐体からは離れた方向へと伝達される。
ここで、本発明では、光学部材を表示装置に装着させる装着治具は、出射側の位相差板を抑えるとともに、表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている。そのため、偏光板から出射側の位相差板へ伝達された熱および位相差板で発生した熱は、装着治具を介して筐体へと伝達される。
したがって、本発明によれば、位相差板が光学部材の出射側に位置するプロジェクターにおいても、偏光板や位相差板の熱は、筐体に対して伝達されるので、光学部材の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。位相差板を出射側に配置させる態様としては、例えば、プロジェクターから円偏光の画像光を出射させる場合が挙げられる。この場合、光学部材の入射側に偏光板を配置し、出射側に位相差板としての1/4波長板を配置させる。
【0010】
本発明のプロジェクターでは、前記位相差板は、前記偏光板よりも入射側に位置するとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されていることが好ましい。
【0011】
本発明では、水晶で構成される位相差板が光学部材の入射側に配置されている。さらに、この位相差板が、表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている。そのため、偏光板から入射側の位相差板へ伝達された熱および位相差板で発生した熱は、筐体へと伝達される。
したがって、本発明によれば、位相差板が光学部材の入射側に位置するプロジェクターにおいても、偏光板や位相差板の熱は、筐体に対して伝達されるので、光学部材の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。位相差板を出射側に配置させる態様としては、例えば、プロジェクターから直線偏光の画像光を出射させる場合が挙げられる。この場合、光学部材の入射側に位相差板としての1/2波長板を配置し、出射側に偏光板を配置させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1実施形態における画像表示システムの使用形態を示す平面図。
【図2】第1実施形態における第1光学部材の装着状態を一部拡大して示す正面図。
【図3】第1実施形態における第1光学部材の装着状態を一部拡大して示す側面図。
【図4】第1実施形態における第1表示装置本体の構成を示す平面図。
【図5】第1実施形態における第1表示装置本体の光学ユニットの一部拡大した平面図。
【図6】第1実施形態における第2光学部材の装着状態を一部拡大して示す側面図。
【図7】第1実施形態における画像表示システムの構成を模式的に示すブロック図。
【図8】第2実施形態における画像表示システムの使用形態を示す平面図。
【図9】第2実施形態における第1光学部材が装着される状態を示す側面図。
【図10】第3実施形態における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【図11】第3実施形態における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す正面図。
【図12】実施形態の変形における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【図13】実施形態の別の変形における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【図14】実施形態のさらに別の変形における第1光学部材が装着される状態を一部拡大して示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
〔画像表示システムの構成〕
図1は、本実施形態における画像表示システム1の使用形態を示す平面図である。
図2は、本実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4が装着された状態を一部拡大して示す正面図である。
図3は、本実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4が装着された状態を一部拡大して示す側面図である。
【0014】
画像表示システム1は、反射型のスクリーンSc上に投影画像を表示するとともに、観察者に投影画像を立体視させる。この画像表示システム1は、図1に示すように、左用プロジェクター1Aと、右用プロジェクター1Bと、画像選択装置としての偏光眼鏡3とを備える。偏光眼鏡3は、左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bとは別体で構成される。
左用プロジェクター1Aは、左用プロジェクター本体2Aと、第1光学部材4とを備える。右用プロジェクター1Bは、右用プロジェクター本体2Bと、第2光学部材5とを備える。なお、左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bは、本発明の表示装置本体に相当する。第1光学部材4および第2光学部材5は、本発明の光学部材に相当する。
【0015】
〔プロジェクターの構成〕
左用プロジェクター1Aは、画像情報(画像データ)に基づく左目用画像光(第1画像光)を形成してスクリーンに投射し、右用プロジェクター1Bは、画像情報(画像データ)に基づく右目用画像光(第2画像光)を形成してスクリーンScに投射する。
左用プロジェクター本体2Aと右用プロジェクター本体2Bは、略同様の構成を備え、左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bのそれぞれの投射レンズ26(図1参照)から出射される画像光の偏光方向は、同一である。左用プロジェクター本体2Aからの画像光を出射する投射レンズ26の後段に形成された投影口28には、図1〜3に示すように、左用プロジェクター本体2Aからの画像光を左目用とするための第1光学部材4が、装着治具6によって装着される。一方、右用プロジェクター本体2Bの投影口28には、図1に示すように、装着治具6によって、右用プロジェクター本体2Bからの画像光を右目用とするための第2光学部材5が、装着される。
【0016】
左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bは、略同様の構成を有しているため、以下では、左用プロジェクター本体2Aを主に説明し、右用プロジェクター本体2Bについては左用プロジェクター本体2Aと異なる点のみを説明する。また、以下の説明および図では、各プロジェクター本体2A,2Bにおいて、同様の機能を有する構成については、同一の符号を付している。
左用プロジェクター本体2Aは、画像情報(画像データ)に基づく画像光を形成してスクリーンSc上に投射する。この左用プロジェクター本体2Aは、図1または図3に示すように、外装を構成する外装筐体2C(図1)と、外装筐体2Cに収納される光学ユニット2U(図4)および制御装置2D(図7)とを備える。
外装筐体2Cには、図1〜3に示すように、投射レンズ26から出射される画像光を外装筐体2C外部へと投影するための投影口28が形成されている。
外装筐体2Cには、第1光学部材4や第2光学部材5の位相差板が熱伝達可能に接続される。そのため、外装筐体2Cは、熱伝導性の良い材料で構成されていることが好ましい。例えば、金属や合金の他、熱導電性プラスチックなどが挙げられる。
【0017】
〔第1光学部材〕
第1光学部材4は、左用プロジェクター本体2Aの投射レンズ26から出射された画像光の偏光状態を変換する。
第1光学部材4は、図1〜3に示すように、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cの投影口28に装着される。つまり、第1光学部材4は、投射レンズ26の後段に配置されることになる。
第1光学部材4は、図2に示すように、第1光学部材4の厚さ方向で見た平面視で、矩形状に形成されている。
第1光学部材4は、図3に示すように、位相差板41と、偏光板42と、基板43とを備える。第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着される際は、図3に示すように、投射レンズ26から出射される画像光に対して、入射側から順に位相差板41、偏光板42、基板43が配置される。
位相差板41は、本実施形態では、水晶で構成される1/2波長板である。位相差板41は、入射される画像光の偏光方向を変換する。本実施形態では、後述するように、左用プロジェクター本体2Aの投射レンズ26から第1直線偏光Sが出射されるので、その偏光方向と直行する方向の第2直線偏光Pへと変換する。すなわち、位相差板41は、第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着された際に、その光学軸が、投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光軸に対して45度傾斜した状態となるように配置されている。また、第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着されると、位相差板41は、外装筐体2Cに接触した状態となる。
偏光板42は、入射側の位相差板41で変換された画像光の偏光方向に対して同一の透過軸を有する。すなわち、偏光板42は、第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着された際に、その透過軸が、第2直線偏光Pの偏光方向と同一になるように配置されている。
基板43は、位相差板41および偏光板42を保持するための部材である。位相差板41および偏光板42は、薄い部材であるため、基板43でこれらを保持することで、第1光学部材4の取り扱い性が向上する。基板43は、透光性の材料で構成される。基板43の材料としては、例えば、サファイア、水晶、石英ガラス、硼珪酸ガラスが挙げられる。
【0018】
〔装着治具〕
装着治具6は、外装筐体2Cの投影口28に設けられている。
装着治具6は、図2に示すように、外装筐体2C外側から投射レンズ26に向かって左用プロジェクター本体2Aを見た正面視で、投射レンズ26に対して上下に設けられた一対の装着部材6Aおよび装着部材6Bで構成される。装着部材6Aおよび装着部材6Bは、図2に示すように、矩形状の第1光学部材4の上側および下側の長辺を抑えることのできる長尺状の部材である。図3に示すように、第1光学部材4は、装着部材6A、装着部材6Bおよび外装筐体2Cとで囲まれるスペースに横方向(装着部材6Aおよび装着部材6Bの並列方向に交差する方向)から挿入されて装着される。
装着部材6Aおよび装着部材6Bは、図2および図3に示すように、それぞれ抑え部61と、接続部62と、連結部63とを備える。抑え部61は、第1光学部材4の出射側に位置する部材(本実施形態では、図3に示す基板43)と接触して、第1光学部材4を外装筐体2C側へ抑え付けるための部位である。接続部62は、装着部材6Aおよび装着部材6Bが外装筐体2Cに対して接触しながら固定される部位である。連結部63は、抑え部61と接続部62とを連結する部位である。
装着治具6は、熱伝導性の良い材料で構成されていることが好ましい。さらに、装着治具6は、第1光学部材4を出射側から抑え付けて、外装筐体2Cに対する接触性を高めるために弾性を有する材料で構成されていることが好ましい。例えば、板バネ材を装着部材6Aおよび装着部材6Bの形状に加工したものなどが挙げられる。
【0019】
〔左用プロジェクター本体の内部構成〕
図4は、左用プロジェクター本体2Aの内部構成を模式的に示す平面図である。
左用プロジェクター本体2Aは、外装を構成する外装筐体2Cと、外装筐体2C内部に収納される光学ユニット2Uで大略構成されている。
光学ユニット2Uは、制御装置2Dによる制御の下、画像情報(画像データ)に基づく画像光を形成して投射する。
【0020】
この光学ユニット2Uは、図4に示すように、光源装置21と、照明光学装置22と、色分離光学装置23とを備える。
光源装置21は、光源ランプ211およびリフレクター212を有する。
照明光学装置22は、レンズアレイ221,222、偏光変換素子223および重畳レンズ224を有する。
色分離光学装置23は、ダイクロイックミラー231,232および反射ミラー233を有する。
【0021】
また、光学ユニット2Uは、リレー光学装置24と、内部光学装置25とを備える。
リレー光学装置24は、入射側レンズ241、リレーレンズ243および反射ミラー242,244を有する。
内部光学装置25は、3つの液晶パネル251、3つの入射側偏光板252、3つの出射側偏光板253、2つの1/2波長板254および色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム255(以下、適宜、プリズム255と称する)を有する。
【0022】
さらに、光学ユニット2Uは、投射光学装置としての投射レンズ26と、上述した各光学部品21〜25を内部に収納するとともに投射レンズ26を支持する光学部品用筐体27とを備える。
【0023】
そして、光学ユニット2Uでは、上述した構成により、光源装置21から出射され照明光学装置22を介した光束は、色分離光学装置23でR,G,Bの3つの色光に分離される。また、分離された各色光は、各液晶パネル251にて画像情報に応じてそれぞれ変調される。変調された各色光(各画像光)は、プリズム255にて合成され、投射レンズ26にてスクリーンScに投射される。
【0024】
図5は、図4に示す光学ユニット2Uの一部を拡大した平面図である。
以下、図4および図5を参照して、前述した内部光学装置25の構成について詳細に説明する。なお、図5では、図4に示した内部光学装置25のうち、液晶パネル251、入射側偏光板252、出射側偏光板253および1/2波長板254については、図示を省略している。リレー光学装置24の入射側レンズ241およびリレーレンズ243についても同様である。
【0025】
内部光学装置25は、前述した各部材251〜255以外に、以下の構成を備える。
内部光学装置25は、図4および図5に示すように、色分離光学装置23の光路後段であってプリズム255の光路前段に光学フィルター256を備える。R色光側の光学フィルターを256R、G色光側の光学フィルターを256Gとする。光学フィルター256Rは、R色光の光路におけるダイクロイックミラー232とプリズム255の間に配設される。光学フィルター256Gは、G色光の光路におけるダイクロイックミラー232とプリズム255の間に配設される。
【0026】
この光学フィルター256R,256Gは、特定の波長域の光束を除去する。
光学フィルター256Rは、色分離光学装置23で分離されたR色光から特定の波長域の光束を除去し、他の波長域の光束を透過する。光学フィルター256Gは、色分離光学装置23で分離されたG色光から特定の波長域の光束を除去し、他の波長域の光束を透過する。なお、この光学フィルター256R,256Gの詳細な特性については、後述する。
【0027】
プリズム255は、図5に示すように、平面視で略X字状に交差する一対の誘電体多層膜255A,255Bを有する。一方の誘電体多層膜255AはR色光を反射するものであり、他方の誘電体多層膜255BはB色光を反射するものである。
また、内部光学装置25は、プリズム255の光路後段、具体的には、図4に示すように、プリズム255と投射レンズ26の間に偏光変換装置257を備える。
この偏光変換装置257は、プリズム255から入射される合成後の光束のうち、G色光に対応する波長域の偏光軸を90度回転させる。なお、この偏光変換装置257の詳細な特性については、後述する。
【0028】
ここで、本実施形態では、図4に示す光源装置21から出射された光束は、以下に示すように、偏光方向を変えながら進行する。
なお、以下では、図4中、紙面に直交する偏光方向を有する直線偏光を第1直線偏光S(図5では符号「S」と表記)と記載し、第1直線偏光Sの偏光方向に直交し、図4中、紙面に平行する偏光方向を有する直線偏光を第2直線偏光P(図5では符号「P」と表記)として記載する。
また、以下では、説明の便宜上、R色光側の液晶パネル251、入射側偏光板252、出射側偏光板253および1/2波長板254をそれぞれ251R,252R,253R,254Rとする(図4参照)。G色光側およびB色光側も同様に記載する(図4参照)。なお、図4に示すように、液晶パネル251R、入射側偏光板252R、出射側偏光板253Rおよび1/2波長板254Rで1つの光変調装置25Rを構成している。G色光側の光変調装置25GおよびB色光側の光変調装置25Bも同様である。但し、G色光側の光変調装置25Gについては、1/2波長板254は除かれる。
【0029】
先ず、光源装置21から出射された光束の略全ては、図4に示す偏光変換素子223によって第1直線偏光Sに変換される。そして、偏光変換素子223から出射された光束は、色分離光学装置23にてR,G,Bの各色光に分離され、各色光が第1直線偏光Sとして内部光学装置25に入射することとなる。
3つの入射側偏光板252は、偏光変換素子223で揃えられた光束の偏光方向と略同一方向の透過軸を有する。すなわち、内部光学装置25に入射した各色光(第1直線偏光S)は、偏光方向が変更されることなく、第1直線偏光Sが各入射側偏光板252から出射される。
3つの出射側偏光板253は、入射側偏光板252の透過軸に対して照明光軸A(図4)を中心として90度回転した透過軸を有する。すなわち、各入射側偏光板252から出射され、各液晶パネル251を介して各出射側偏光板253に入射した各色光のうち第2直線偏光Pが、各出射側偏光板253から出射される。
【0030】
ここで、1/2波長板254は、図4に示すように、R,Bの各色光側において、各出射側偏光板253R,253Bとプリズム255との間に配設されている。すなわち、各出射側偏光板253から出射されたR,G,Bの各色光(第2直線偏光P)のうち、R,Bの各色光が1/2波長板254R,254Bによって第1直線偏光Sに変換される。
そして、この1/2波長板254Rおよび前述した出射側偏光板253Gの各色光の出射面には、図4および図5に示すように、前述した光学フィルター256R,256Gが配設されている。光学フィルター256Rは、1/2波長板254Rから入射されたR色光から特定の波長域を除去し、光学フィルター256Gは、出射側偏光板253Gから入射されたG色光から特定の波長域を除去する。
プリズム255は、誘電体多層膜255A,255Bによって光学フィルター256Rから入射されたR色光および1/2波長板254Bから入射されたB色光を曲折させ、光学フィルター256Gから入射されたG色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光を合成する。
【0031】
偏光変換装置257は、プリズム255で合成された光束のうち、G色光に対応する波長域の偏光軸を90度回転させ、当該光束の偏光方向を、図5に示すように、第1直線偏光Sの偏光方向に揃える。このような、偏光変換装置は、波長選択性偏光回転素子とも呼ばれ、例えば、特開2010−204333号公報に開示されている。
偏光変換装置257で偏光方向が第1直線偏光Sの偏光方向に揃えられた画像光は、投射レンズ26(図4)によって投射される。
投射レンズ26によって投射された当該画像光は、図5に示すように、左用プロジェクター本体2Aに装着された第1光学部材4に入射される。
【0032】
〔右用プロジェクター本体の構成〕
図6は、本実施形態に係る右用プロジェクター本体2Bに第2光学部材5が装着された状態を一部拡大して示す側面図である。右用プロジェクター本体2Bは、投射レンズ26の後段に、第2光学部材5が装着される点で、左用プロジェクター本体2Aと相違する。
【0033】
〔第2光学部材〕
第2光学部材5は、図6に示すように、偏光板52と、基板53と、を備える。第2光学部材5は、第1光学部材4とは異なり位相差板41を有していない。
偏光板52は、第2光学部材5の厚さ方向で見た第2光学部材の平面視(以下、第2光学部材平面視という。)で、第2光学部材5が投影口28に装着された際に、投射レンズ26から投射された光束が入射する位置に保持されている。
偏光板52は、右用プロジェクター本体2Bの投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光方向と同一方向の透過軸を有する。すなわち、偏光板52は、第2光学部材5が右用プロジェクター本体2Bに装着された際に、その透過軸が、第1直線偏光Sの偏光方向と同一になるように配置されている。
そのため、第2光学部材5は、右用プロジェクター本体2Bの投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光方向を第2直線偏光Pに変換せずに、偏光板52で偏光度を高めた状態で第1直線偏光Sとして出射する。
【0034】
第2光学部材5は、位相差板を有さない分、第1光学部材4よりも厚さ寸法が小さい。そのため、右用プロジェクター本体2B用の装着治具6は、装着部材6Cおよび装着部材6Dで構成され、それぞれ第2光学部材5の厚さ寸法に合わせて、第2光学部材5を右用プロジェクター本体2Bの外装筐体2C側へ抑え付けることができるような形状に形成されている。その他の点は、左用プロジェクター本体2A用の装着部材6Aおよび装着部材6Bと同様である。
【0035】
〔制御装置の構成〕
図7は、画像表示システム1の構成を模式的に示すブロック図である。
左用プロジェクター本体2Aを構成する制御装置2Dは、CPU(CENTRAL PROCESSING UNIT)等を有し、左用プロジェクター本体2Aの投影口28に対して装着された光学部材の種類に基づいて、液晶パネル251の動作を制御する。
この制御装置2Dは、図7に示すように、信号判別部291と、画像ROM292(ROM:READ ONLY MEMORY)、信号処理部293と、パネル駆動部294と、タイミングコントローラー295と、を備える。
タイミングコントローラー295は、左用プロジェクター本体2A外部から基準同期信号を入力し、当該基準同期信号に同期して後述するパネル駆動部294を動作させる。すなわち、タイミングコントローラー295は、左用プロジェクター本体2Aと右用プロジェクター本体2BとでスクリーンSc上に投影される左目用画像および右目用画像の表示タイミングを同期させる。
【0036】
信号判別部291は、外部から入力した入力信号に含まれる左右画像信号から、左目用画像信号と、右目用画像信号とを判別する。
そして、信号判別部291は、左目用画像信号を左目用画像データとして、右目用画像信号を右目用画像データとして、それぞれ区別して画像ROM292に記憶させる。
画像ROM292が記憶する左目用画像データおよび右目用画像データは、1フレーム毎のデータの集まりによってそれぞれ構成されている。
信号処理部293は、画像ROM292に記憶された左目用画像データまたは右目用画像データのいずれかを読み出し、読み出した画像データを赤、緑、青の各色信号に変換してパネル駆動部294に出力する。ここで、信号処理部293が出力する画像データを判断するための手段としては、例えば、次のような構成が挙げられる。第1光学部材4が左用プロジェクター本体2Aに装着されたことを検出可能な図示しない検出手段を外装筐体2Cに設ける。信号処理部293は、この検出手段からの検出信号を受信するとともに、受信した信号に基づいて、左目用画像光(第1画像光)をパネル駆動部294に出力させる。検出手段としては、光学式センサーやリーフスイッチ等の接触型センサー等が挙げられる。このような検出手段の他、外装筐体2Cに切替スイッチを設けておき、観察者が第1光学部材4を装着させた後、左目用の第1光学部材4が装着されたことを当該切替スイッチにて選択して、信号処理部293へその信号を送るように構成しても良い。
そして、パネル駆動部294は、信号処理部293から出力された各色信号に基づいて、各色信号に対応する各液晶パネル251を駆動する。
このようにして、第1光学部材4が装着された左用プロジェクター本体2Aは、スクリーンSc上に左目用画像データに基づく左目用画像光(第1画像光)を投影する。
【0037】
右用プロジェクター本体2Bを構成する制御装置2Fは、左用プロジェクター本体2Aを構成する制御装置2Dと略同様の構成を備える。この制御装置2Fにおいても、例えば、第2光学部材5が右用プロジェクター本体2Bに装着されたこと示す信号を上述のような手段で信号処理部293へ入力させる構成を用いることができる。当該信号を受信した信号処理部293は、右目用画像データをパネル駆動部294に出力する。
そして、パネル駆動部294は、信号処理部293から出力された各色信号に基づいて、各色信号に対応する各液晶パネル251を駆動する。
このようにして、第2光学部材5が装着された右用プロジェクター本体2Bは、スクリーンSc上に右目用画像データに基づく右目用画像光(第2画像光)を投影する。
【0038】
〔偏光眼鏡の構成〕
図1に示す偏光眼鏡3は、観察者が装着するものであり、図1および図5に示すように、第1透過部としての左目用透過部31と、第2透過部としての右目用透過部32とを備える。
左目用透過部31は、透過軸が第2直線偏光Pの偏光方向と同一方向となる偏光レンズで構成されている。
右目用透過部32は、透過軸が第1直線偏光Sの偏光方向と同一方向となる偏光レンズで構成されている。
左目用透過部31は、左用プロジェクター本体2Aから投射される左目用画像(第1画像光)を視認するためのものであり、右目用透過部32は、右用プロジェクター本体2Bから投射される右目用画像(第2画像光)を視認するためのものである。
【0039】
〔画像表示システムの動作〕
次に、上述した画像表示システム1の動作について説明する。
左用プロジェクター本体2Aにおいて、投射レンズ26出射時の第1画像光(第1直線偏光S)は、第1光学部材4に入射され、位相差板41によって、第2直線偏光Pに変換される。位相差板41の後段に設けられた偏光板42は、第2直線偏光Pの偏光方向と同一の透過軸を有する。そのため、第1光学部材4から出射される際の第1画像光は、第2直線偏光Pとなっている。このようにして第2直線偏光Pに変換された第1画像光(左目用画像光)は、スクリーンSc上に投影される。したがって、偏光眼鏡3を装着した観察者は、スクリーンSc上の左目用画像を、左目用透過部31を介して左目のみで視認する。
一方、右用プロジェクター本体2Bにおいて、投射レンズ26出射時の右目用画像光としての第2画像光(第1直線偏光S)は、第2光学部材5に入射され、偏光板52を経て、第1直線偏光SのままスクリーンSc上に投射される。したがって、偏光眼鏡3を装着した観察者は、スクリーンSc上の右目用画像を、右目用透過部32を介して右目のみで視認する。
以上のように、観察者は、スクリーンSc上の左目用画像を左目のみで視認し、右目用画像を右目のみで視認することで、視差により投影画像を立体視することとなる。
【0040】
〔第1実施形態の効果〕
上述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第1実施形態では、第1光学部材4の位相差板41が水晶で構成されるとともに、位相差板41は、左用プロジェクター本体2Aの外装筐体2Cに接触した状態となっている。さらに、装着治具6によって、第1光学部材4は、外装筐体2C側に向かって抑え付けられている。
そのため、投射レンズ26から出射された画像光を偏光板42が吸収して発生する熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される位相差板41へ伝達される。さらに、位相差板41に伝達された熱および位相差板41で発生した熱は、上述のとおり接触している外装筐体2Cに対して伝達される。
したがって、第1実施形態によれば、偏光板42や位相差板41の熱は、外装筐体2Cに対して伝達されるので、第1光学部材4の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0041】
また、第2光学部材5の偏光板52は、右用プロジェクター本体2Bの外装筐体2Cに接触した状態となっており、さらに第2光学部材5は、装着治具6によって筐体に抑え付けられているから、偏光板52で発生した熱は、外装筐体2Cに伝達される。
したがって、第2光学部材5の温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0042】
また、装着治具6によって、第1光学部材4および第2光学部材5は、それぞれ左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bに固定されているから、安定した装着が可能である。その結果、投射レンズ26から出射される第1直線偏光Sの偏光方向に対して、第1光学部材4や第2光学部材5の光学軸や透過軸のずれを防止できる。
【0043】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は、省略または簡略化する。
図8は、第2実施形態における画像表示システム10の使用形態を示す平面図である。
図9は、第2実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着される状態を示す側面図である。
第2実施形態は、スクリーンScに投影する画像光が円偏光である点で、直線偏光をスクリーンScに投影する第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、図8に示すように、左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着され、右用プロジェクター本体2Bに第2光学部材5Aが装着される。
【0044】
第1光学部材4Aは、図9に示すように、基板43と、偏光板42と、位相差板44とを備える。第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着される際は、図9に示すように、投射レンズ26から出射される画像光に対して、入射側から順に基板43、偏光板42、位相差板44が配置される。
位相差板44は、本実施形態では、水晶で構成される1/4波長板である。本実施形態では、位相差板44は、第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着された際に、その光学軸が、投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光状態を左回りの円偏光に変換できるように配置されている。また、位相差板44は、第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着されると、装着治具6で抑え付けられた状態となり、位相差板44は、装着治具6の抑え部61と接触した状態となる。
【0045】
第2光学部材5Aは、図示を省略するが、第1光学部材4Aと同様の基板と、偏光板と、位相差板とを備える。第2光学部材5Aが右用プロジェクター本体2Bに装着される際も、入射側から順に、基板、偏光板、位相差板が配置される。
ただし、第2光学部材5Aにおける位相差板も水晶で構成される。第2光学部材5Aにおける位相差板は、第2光学部材5Aが右用プロジェクター本体2Bに装着された際に、その光学軸が、投射レンズ26から出射された画像光(第1直線偏光S)の偏光状態を右回りの円偏光に変換できるように配置されている。また、第2光学部材5Aの当該位相差板も、第2光学部材5Aが右用プロジェクター本体2Bに装着されると、装着治具6で抑え付けられた状態となり、第2光学部材5Aの当該位相差板は、装着治具6の抑え部61と接触した状態となる。
【0046】
左用プロジェクター本体2Aに装着された第1光学部材4Aから出射される第1画像光(左回りの円偏光)は、スクリーンScに投射され、スクリーンScにて反射されることで、右回りの円偏光に変換され、第2実施形態の偏光眼鏡3Aに到達する。
一方、右用プロジェクター本体2Bに装着された第2光学部材5Aから出射される第2画像光(右回りの円偏光)は、スクリーンScに投射され、スクリーンScにて反射されることで、左回りの円偏光に変換され、第2実施形態の偏光眼鏡3Aに到達する。
【0047】
〔偏光眼鏡の構成〕
偏光眼鏡3Aは、観察者が装着するものであり、図8に示すように、第1透過部としての左目用透過部31Aと、第2透過部としての右目用透過部32Aとを備える。
左目用透過部31Aは、図8に示すように、位相差フィルム311と、左目用偏光フィルム312とが積層された構成を有する。
位相差フィルム311は、Δndがλ/4に設定された位相差フィルムである。そして、位相差フィルム311は、左目用透過部31Aおよび右目用透過部32Aが水平方向に並列するように偏光眼鏡3Aが観察者に装着された状態で、左回りの円偏光を第1直線偏光Sに変換するとともに、右回りの円偏光を第2直線偏光Pに変換するように、光学軸の向きが設定されている。
左目用偏光フィルム312は、位相差フィルム311に対して観察者側に位置し、上述した状態で、透過軸が第2直線偏光Pの偏光方向と同一方向となるように構成されている。
【0048】
右目用透過部32Aは、図8に示すように、位相差フィルム321と、右目用偏光フィルム322とが積層された構成を有する。
位相差フィルム321は、位相差フィルム311と同様の構成である。
右目用偏光フィルム322は、上述した状態で、透過軸が第1直線偏光Sの偏光方向と同一方向となるように構成されている。
【0049】
偏光眼鏡3Aに到達した左目用の第1画像光(右回りの円偏光)は、左目用透過部31Aにおいて、位相差フィルム311を透過することでλ/4位相がずれるため、第2直線偏光Pに変換され、左目用偏光フィルム312を透過し、観察者の左目にて視認される。
また、偏光眼鏡3Aに到達した右目用の第2画像光(左回りの円偏光)は、右目用透過部32Aにおいて、位相差フィルム321を透過することでλ/4位相がずれるため、第1直線偏光Sに変換され、右目用偏光フィルム322を透過し、観察者の右目にて視認される。
【0050】
〔第2実施形態の効果〕
上述した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第2実施形態では、第1光学部材4Aの位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板は、いずれも水晶で構成される1/4波長板である。第1光学部材4Aおよび第2光学部材5Aを左用プロジェクター本体2Aおよび右用プロジェクター本体2Bに装着する際には、第1光学部材4Aおよび第2光学部材5Aの位相差板は、出射側に配置される。そのため、第2実施形態では、第1実施形態において水晶で構成される位相差板41が直接外装筐体2Cに接触するように、位相差板が配置されていない。
しかしながら、第2実施形態では、出射側に配置される位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板は、装着治具6の抑え部61に抑えられて接触している。そのため、偏光板42が吸収して発生する熱は、熱伝導性の良い水晶で構成される位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板へ伝達される。さらに、位相差板44および第2光学部材5Aの位相差板に伝達された熱およびこれらの位相差板で発生した熱は、上述のとおり接触している抑え部61から、連結部63を介して接続部62へと伝達され、接続部62と接触する外装筐体2Cへと伝達される。
したがって、第2実施形態によれば、偏光板42等や位相差板44等の熱は、装着治具6を介して外装筐体2Cに伝達されるので、第1光学部材4Aおよび第2光学部材5Aの温度上昇が抑制され、その劣化を防止できる。
【0051】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の構造および同一部材には同一の符号を付して、その詳細な説明は、省略または簡略化する。
図10は、第3実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着される状態を示す側面図である。
図11は、第3実施形態における左用プロジェクター本体2Aに第1光学部材4Aが装着される状態を示す正面図である。
第3実施形態は、第2実施形態とほぼ同様の態様であるが、第1光学部材4Aがその周囲を熱伝達部材45で覆われている点で、第2実施形態の第1光学部材4Aの構成と異なる。
【0052】
熱伝達部材45は、枠状に形成され、偏光板42、基板43および位相差板44の側面を覆うと共に、基板43および位相差板44の表面の一部を投射レンズ26から出射される画像光の光路を塞がないように覆う。偏光板42、基板43および位相差板44は、このようにして熱伝達部材45によって覆われ、熱伝達部材45と接触している。
熱伝達部材45は、熱伝導性の良い材料で構成されている。例えば、熱伝導性の良い材料として、金属や合金などが挙げられる。より具体的な例としては、熱伝達部材45としては、アルミニウム箔が挙げられ、第1光学部材4Aの周囲を枠状にアルミニウム箔で覆う。その他、熱伝達部材45は、第1光学部材4Aの位相差板44側から覆う部材と、基板43側から覆う部材とが、枠状に組み合わされる分割式の部材としても良い。
【0053】
第1光学部材4Aは、熱伝達部材45で偏光板42、基板43および位相差板44を覆われた状態で、図10に示すように、第1光学部材4は、装着部材6A、装着部材6Bおよび外装筐体2Cとで囲まれるスペースに横方向(装着部材6Aおよび装着部材6Bの並列方向に交差する方向)から挿入されて装着される。なお、第1光学部材4Aは、熱伝達部材45が取り付けられている分、厚さ寸法が第1光学部材4Aに比べて大きくなっているので、本実施形態では、第1光学部材4Aが挿入可能なように連結部63を外装筐体2C外側に向かう方向に長くして当該スペースを広げてある。
第1光学部材4Aが左用プロジェクター本体2Aに装着されると、熱伝達部材45は、図10に示すように、装着部材6Aおよび装着部材6Bの抑え部61によって外装筐体2C側に抑え付けられた状態となる。また、このとき熱伝達部材45は、図10に示すように、外装筐体2Cとも接触している。
【0054】
〔第3実施形態の効果〕
上述した第3実施形態によれば、以下の効果を奏する。
第3実施形態では、偏光板42で発生した熱の伝達系統が2つになる。偏光板42と接触する熱伝達部材45を介して外装筐体2Cへ伝達される系統および偏光板42から位相差板44側へ伝達し、装着治具6を介して外装筐体2Cへ伝達される系統である。
したがって、第3実施形態によれば、偏光板42等や位相差板44等の熱は、熱伝達部材45や装着治具6を介して外装筐体2Cに伝達されるので、第1光学部材4Aの温度上昇がより効率的に抑制され、その劣化を防止できる。
【0055】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0056】
位相差板を外装筐体2Cに対して熱伝達可能に接続する構成については、前記各実施形態で説明した態様に限定されない。
例えば、図12は、第3実施形態において、装着治具6の接続部62が接続される外装筐体2Cの表面部分に、熱伝導性の材料で構成される被接続部2Eを設けた例を示す側面図である。このように被接続部2Eを設けておくことで、偏光板42で発生した熱を、位相差板44、装着治具6を介して外装筐体2Cにより効率的に伝達させることができる。この場合、例えば、外装筐体2Cの表面部分にアルミニウム製の板や箔を貼り付けて被接続部2Eとすることもできる。
また、例えば、図13は、第3実施形態において、装着治具6を使用せずに、熱伝達部材45だけで第1光学部材4を左用プロジェクター本体2Aに装着させた状態を示す側面図である。この場合、熱伝達部材45には、突出部45Aを形成し、外装筐体2Cには、突出部45Aと係合可能な凹部281を形成しておく。このような態様でも、第1光学部材4Aは左用プロジェクター本体2Aに対して装着可能であり、偏光板42で発生した熱を、位相差板44および熱伝達部材45を介して外装筐体2Cに対して伝達させることができる。
さらに、例えば、図14は、第1実施形態において、投影口28に形成された凹部282に第1光学部材4を装着させた状態を示す側面図である。この場合、凹部282は、外装筐体2Cの表面側から内部側へ向かって第1光学部材4Aの外形と略同形状に窪ませて形成されている。このような態様では、位相差板41が凹部282に入り込んでいるので、位相差板41と外装筐体2Cとの接触面積が増えて、偏光板42で発生した熱の伝達効率が向上する。なお、この態様での装着治具6は、取り外し可能に形成しておき、第1光学部材4を凹部282に係合させたあと、装着部材6Aおよび装着部材6Bで第1光学部材4を抑え付けるようにして固定する。
このように、図12〜14で示した態様は、前記各実施形態のいずれに対しても適宜、適用可能である。
【0057】
前記各実施形態では、本発明のプロジェクターを用いた画像表示システムとして、観察者に投影画像を立体視させる画像表示システムを例示したが、これに限らない。例えば、左目用画像および右目用画像をコンテンツの異なる画像とし、2つの投影画像を表示するデュアル表示システムとして構成しても構わない。
このようなデュアル表示システムとして構成した場合には、偏光眼鏡としては、左目用透過部を左右に設けた偏光眼鏡および右目用透過部を左右に設けた偏光眼鏡の2種類を設ければよい。
【0058】
また、第1光学部材4や第2光学部材5は、上記実施形態のような矩形状に限定されずに、その他の多角形や円形等の形状としてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、偏光変換装置257を用いて、プリズム255で合成された光束の偏光方向を第1直線偏光Sの偏光方向に揃える態様で説明したが、これに限定されない。例えば、偏光変換装置257を用いない構成とすることもできる。この場合、プリズム255に入射する際のG色光を、第2直線偏光Pから第1直線偏光Sの偏光方向に変換させる。
【0060】
また、基板は、位相差板41や偏光板42を全面で保持する形状のものに限定されない。枠状に保持するようにして、画像光の光路上に基板が入らないようにしても良い。例えば、第3実施形態で説明した熱伝達部材45で偏光板と位相差板だけを枠状に保持して、基板を省いた構成とすることもできる。
【0061】
また、装着治具6も上記実施形態のような形状に限定されず、第1光学部材4や第2光学部材5を外装筐体2C側へ抑え付けながら装着させることのできる構成のものを適用できる。
また、第1光学部材4や第2光学部材5を抑え付ける位置も、画像光の光路を塞がない位置であればよく、上記実施形態のように、矩形状の第1光学部材4や第2光学部材5の長辺側を抑えるだけでなく、短辺側を抑えるようにしてもよい。
【0062】
また、第1光学部材4,4Aや第2光学部材5,5Aにおける位相差板や偏光板の配置順は、上記実施形態で示した例に限定されない。
例えば、直線偏光で出射された画像光の偏光状態を円偏光に変換する場合、まず、直線偏光の偏光方向を1/2波長板で変換させてから、1/4波長板に入射されるようにしても良い。この場合の、光学部材における配置順としては、
(入射側)1/2波長板、偏光板、基板、1/4波長板(出射側)、
(入射側)1/2波長板、基板、偏光板、1/4波長板(出射側)、
などが挙げられる。入射側に配置される1/2波長板を水晶で構成すれば、この1/2波長板を介して偏光板で発生した熱を外装筐体2Cへ伝達させることもできる。合わせて、出射側に配置される1/4波長板も水晶で構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、プロジェクターや偏光眼鏡を用いて画像を立体視させる画像表示システムに利用できる。
【符号の説明】
【0064】
1A…左用プロジェクター(プロジェクター)、1B…右用プロジェクター(プロジェクター)、28…投影口、2A…左用プロジェクター本体(表示装置本体)、2B…右用プロジェクター本体(表示装置本体)、2C…外装筐体、4,4A…第1光学部材(光学部材)、5,5A…第2光学部材(光学部材)、41,44…位相差板、42…偏光板、6…装着治具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像光を形成し、形成した前記画像光を出射する表示装置本体と、
偏光板および位相差板を有する光学部材と、を備え、
前記光学部材は、前記表示装置本体の筐体に形成された投影口に装着され、
前記位相差板は、水晶で構成されるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記光学部材は、装着治具にて装着され、
前記位相差板は、前記偏光板よりも出射側に位置し、
前記装着治具は、前記位相差板を出射側から抑えるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記位相差板は、前記偏光板よりも入射側に位置するとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項1】
画像光を形成し、形成した前記画像光を出射する表示装置本体と、
偏光板および位相差板を有する光学部材と、を備え、
前記光学部材は、前記表示装置本体の筐体に形成された投影口に装着され、
前記位相差板は、水晶で構成されるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記光学部材は、装着治具にて装着され、
前記位相差板は、前記偏光板よりも出射側に位置し、
前記装着治具は、前記位相差板を出射側から抑えるとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記位相差板は、前記偏光板よりも入射側に位置するとともに、前記表示装置本体の筐体に熱伝達可能に接続されている
ことを特徴とするプロジェクター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−83849(P2013−83849A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224591(P2011−224591)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]