説明

プロジェクタ及びその制御方法

【課題】記録媒体の再生を中断又は再開する際の操作の利便性を向上させることができるプロジェクタ及びその操作方法を得る。
【解決手段】レンズカバー開閉検出センサ51がレンズカバー50の開から閉への変化を検出したとき、ランプ11を消灯させると共に、DVD再生部30の再生を中断させ、レンズカバー開閉検出センサ51がレンズカバー50の閉から開への変化を検出したとき、ランプ11を点灯させると共に、所定の条件に応じてDVD再生部30の再生を開始させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタ及びその制御方法に関し、特に、記録媒体再生手段を備えたプロジェクタ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクタとしては、例えば、特許文献1に、「DVD再生部3には挿入口3aが設けられ、DVDの記録媒体Dを挿着し、DVDからの再生またはDVDへの記録ができるようになっている。…DVD再生部3で再生された画像は投写レンズ部2bからスクリーン等に投写される。」ものが提案されている(段落0019、図1を参照)。
【0003】
従来のプロジェクタとしては、例えば、特許文献2に、「シャッタ5の開閉状態が、機械的スイッチ21のオンオフ状態信号として制御部11へ入力されるように構成し、制御部11は、シャッタ5が閉じられたことを検知すると、ランプ6を消灯し、クールダウン動作を開始する。クールダウン動作が終了すると電子スイッチ22をオフし、AC電源8の供給を停止する。」ものが提案されている(要約を参照)。
【0004】
従来の情報再生装置としては、例えば、特許文献3に、「前記再生動作が中断された際に中断された際の再生位置を取得し、取得された情報をもとに次回再生される際の特殊再生動作に必要なアドレス情報を取得し、前記取得されたアドレス情報を不揮発性メモリに格納し、同じ光ディスクの再生が指示された際に、前記不揮発性メモリに格納されたアドレス情報をもとに特殊再生動作を行ったあとに、通常の再生を行うことを特徴とする情報再生装置におけるレジューム再生方法。」が提案されている(請求項1を参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−99617号公報
【特許文献2】特開2007−171885号公報
【特許文献3】特開2002−25235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、例えばDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記録された情報を再生する記録媒体再生手段を備えたプロジェクタにおいては、例えば操作キー(ボタン)により記録媒体再生手段の再生に関する操作を行っていた。また、映像の投写が必要ないときは、投写レンズへの埃の付着や傷を防止するため、レンズカバーにより投写レンズの前方を閉塞していた。
【0007】
しかしながら、記録媒体の再生を中断(一時停止、再生停止、及び電源オフを含む)して映像の投写を行わない場合、記録媒体再生手段の再生中断に関する操作とレンズカバーによる投写レンズの閉塞操作とをそれぞれ別個に行う必要がある。また、再度、再生を再開して映像の投写を行う場合、レンズカバーの開放操作と記録媒体再生手段の再生に関する操作とをそれぞれ別個に行う必要があり、操作が煩雑である、という問題点があった。
【0008】
また、映像の投写を行わない場合、上記操作と共に、投写する映像光の光源となるランプのオフ操作を行い、再度、映像の投写を行う場合、上記操作と共に、ランプのオン操作を行う必要があり、操作が煩雑である、という問題点があった。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、記録媒体の再生を中断又は再開する際の操作の利便性を向上させることができるプロジェクタ及びその操作方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るプロジェクタは、光源と、前記光源を点灯又は消灯させる点灯手段と、記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、前記記録媒体再生手段から入力された映像信号を変換して投写映像用の映像信号を生成する映像信号処理部と、前記映像信号処理部により生成された映像信号に基づき、前記光源からの光を変調して映像光を射出する光変調手段と、投写レンズを有し、前記光変調手段により射出された映像光を拡大投写する投写光学系と、前記投写レンズの前方を開閉するレンズカバーと、前記レンズカバーの開閉を検出するレンズカバー開閉検出センサと、少なくとも前記点灯手段及び前記記録媒体再生手段の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源を消灯させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源を点灯させると共に、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。尚、記録媒体再生手段の再生の一時停止、再生停止、又は電源オフによる中断を「再生の中断」と総称する。尚、光源としては、ランプ、発光ダイオードおよびレーザダイオード等がある。
本発明においては、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、光源を消灯させると共に、記録媒体再生手段の再生を中断させ、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、光源を点灯させると共に、所定の条件に応じて記録媒体再生手段の再生を開始させるので、煩わしい操作を行うことなく、光源の点灯又は消灯、及び記録媒体再生手段の再生の中断又は再開の操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0011】
本発明に係るプロジェクタは、記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、前記記録媒体再生手段から入力された映像信号を変換して投写映像用の映像信号を生成する映像信号処理部と、前記映像信号処理部により生成された映像信号に基づいて光源からの光を変調して映像光を射出する光変調手段と、投写レンズを有し、前記光変調手段により射出された映像光を拡大投写する投写光学系と、前記投写レンズの前方を開閉するレンズカバーと、前記レンズカバーの開閉を検出するレンズカバー開閉検出センサと、少なくとも前記記録媒体再生手段の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、記録媒体再生手段の再生を中断させ、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、所定の条件に応じて記録媒体再生手段の再生を開始させるので、煩わしい操作を行うことなく、記録媒体再生手段の再生の中断又は再開の操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0012】
本発明に係るプロジェクタは、光源と、前記光源を点灯又は消灯させる点灯手段とを更に備え、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源を消灯させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源を点灯させるものである。
本発明においては、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、光源を消灯させ、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、光源を点灯させるので、煩わしい操作を行うことなく、光源の点灯又は消灯の操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0013】
本発明に係るプロジェクタは、光源と、前記光源の光量を制御する点灯手段とを更に備え、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源の光量を減少させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源の光量を増加させるものである。
本発明においては、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、光源の光量を減少させ、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、光源の光量を増加させるので、レンズカバーが開かれた際に、短時間で光源の光量を増加させることができる。
【0014】
本発明に係るプロジェクタにおいては、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光変調手段により、前記投写光学系から射出される光量が、所定の光量を下回るように前記光源からの光を変調させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光変調手段により、前記光源からの光を前記映像信号に基づき変調させるものである。
本発明においては、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、投写光学系から射出される光量が、所定の光量を下回るようにし、レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、映像信号に基づき変調した映像光を射出するので、レンズカバーが閉じられた際、レンズカバーに照射される光源からの光量を減少させることができ、レンズカバーの過熱を抑制することができる。
【0015】
本発明に係るプロジェクタにおいては、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を一時停止により中断させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記一時停止を解除して前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開閉に応じて、記録媒体再生手段の再生の一時停止又は一時停止の解除を行うので、煩わしい操作を行うことなく、前回再生の続きの位置から再生を再開することができる。
【0016】
本発明に係るプロジェクタにおいては、前記記録媒体再生手段は、レジューム再生機能を有し、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を停止(電源オフを含む)させ、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段をレジューム再生させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開閉に応じて、記録媒体再生手段の再生の停止又はレジューム再生を行うので、煩わしい操作を行うことなく、前回再生の続きの位置から再生を再開することができる。
【0017】
本発明に係るプロジェクタにおいては、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出した後、所定の時間経過したとき、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開状態を検出後、光源が点灯され、所定の時間経過したときに記録媒体再生手段の再生を開始させるので、光源の動作が安定した状態で、再生を開始させることができる。
【0018】
本発明に係るプロジェクタにおいては、前記投写光学系により投写された投写映像を撮像する撮像手段を更に備え、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出した後、前記光源を点灯させて前記撮像手段により撮像された投写映像の照度が所定値以上となったとき、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開状態を検出後、光源が点灯され、投写映像の照度が所定値以上となったときに、記録媒体再生手段の再生を開始させるので、投写映像の明るさが所定値以上となった状態で、再生を開始させることができる。
【0019】
本発明に係るプロジェクタにおいては、前記投写光学系により投写された投写映像を撮像する撮像手段を更に備え、前記制御部は、前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出した後、前記光源の光量を増加させて前記撮像手段により撮像された投写映像の照度が所定値以上となったとき、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開状態を検出後、光源の光量が増加され、投写映像の照度が所定値以上となったときに、記録媒体再生手段の再生を開始させるので、投写映像の明るさが所定値以上となった状態で、再生を開始させることができる。
【0020】
本発明に係るプロジェクタの制御方法は、記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、投写レンズの前方を開閉するレンズカバーとを備え、前記記録媒体再生手段から入力された映像信号に基づき、光源からの光を変調して前記投写レンズから映像光を投写するプロジェクタの制御方法であって、前記レンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源を消灯させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップと、前記レンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源を点灯させると共に、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップとを有するものである。
本発明においては、レンズカバーの開から閉を検出したとき、光源を消灯させると共に、記録媒体再生手段の再生を中断させ、レンズカバーの閉から開を検出したとき、光源を点灯させると共に、所定の条件に応じて記録媒体再生手段の再生を開始させるので、煩わしい操作を行うことなく、光源の点灯又は消灯、及び記録媒体再生手段の再生の中断又は再開の操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0021】
本発明に係るプロジェクタの制御方法は、記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、投写レンズの前方を開閉するレンズカバーとを備え、前記記録媒体再生手段から入力された映像信号に基づき、光源からの光を変調して前記投写レンズから映像光を投写するプロジェクタの制御方法であって、前記レンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップと、前記レンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップとを有するものである。
本発明においては、レンズカバーの開から閉を検出したとき、記録媒体再生手段の再生を中断させ、レンズカバーの閉から開を検出したとき、所定の条件に応じて記録媒体再生手段の再生を開始させるので、煩わしい操作を行うことなく、光源の点灯又は消灯、及び記録媒体再生手段の再生の中断又は再開の操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0022】
本発明に係るプロジェクタの制御方法においては、前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップは、前記光源の光量を減少させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップは、前記光源の光量を増加させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、光源の光量を減少させ、レンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、光源の光量を増加させるので、レンズカバーが開かれた際に、短時間で光源の光量を増加させることができる。
【0023】
本発明に係るプロジェクタの制御方法においては、前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップは、前記投写レンズから射出される光量が所定の光量を下回るように、前記光源からの光を変調させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップは、前記光源からの光を前記映像信号に基づき変調させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を開始させるものである。
本発明においては、レンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、投写レンズから射出される光量が、所定の光量を下回るようにし、レンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、映像信号に基づき変調した映像光を射出するので、レンズカバーが閉じられた際、レンズカバーに照射される光源からの光量を減少させることができ、レンズカバーの過熱を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。図に示すように、プロジェクタ1は、光源であるランプ11と、光変調手段である液晶ライトバルブ12R,12G,12B(以下、区別しない場合は単に「液晶ライトバルブ12」という。)と、投写光学系13と、液晶ライトバルブ駆動部14と、制御部20と、記録媒体再生手段であるDVD再生部30と、映像信号処理部32と、フレームメモリ33と、台形歪補正部34と、点灯手段であるバラスト40と、フォーカス制御部41と、ズーム制御部42と、操作信号処理部43と、操作パネル44と、記憶部45と、レンズカバー50と、レンズカバー50の開閉を検出するレンズカバー開閉検出センサ51とを備えている。また、DVD再生部30には再生制御部31を有し、投写光学系13には投写レンズ13aを有している。このプロジェクタ1は、DVD再生部30から供給される入力映像信号に応じた映像光を投射して、スクリーン、白壁又はホワイトボード等の被投写体(以下「スクリーンSC」という。)に拡大投写するものである。
尚、本実施の形態では、光源としてランプ11を用いる場合を説明するが、本発明はこれに限らず、発光ダイオードやレーザダイオードなど任意の光源を用いても良い。
【0025】
制御部20は、映像信号処理部32、台形歪補正部34、バラスト40、フォーカス制御部41、ズーム制御部42、操作信号処理部43、記憶部45、レンズカバー開閉検出センサ51、及びDVD再生部30の再生制御部31と接続され、この制御部20は、マイクロプロセッサ等により構成し、記憶部45に記憶された制御プログラム等を実行して、プロジェクタ1の動作を統括制御し、制御部20に接続された各部から入力される各種データを演算するとともに、演算結果を前記各部に出力する。また、後述する動作により、操作信号処理部43からの操作信号や、レンズカバー開閉検出センサ51の検出結果に基づき、DVD再生部30の動作を制御する。
【0026】
DVD再生部30は、挿入口(図示せず)が設けられており、記録媒体であるDVDが挿入されて当該DVDに記録された情報を再生し、映像信号を映像信号処理部32に出力するものである。このDVD再生部30は、再生制御部31の制御により、DVDの再生、一時停止、再生停止、早送り/巻き戻し再生、スキップ、及びDVDメニュー表示など、各種DVDの再生に関する動作が制御される。また、このDVD再生部30は、レジューム再生機能を有しており、再生停止又は電源オフの際、停止したときの時間情報やトラック情報等をメモリに記憶し、再び再生を開始するときにメモリに記憶された情報を参照して前回再生の続きの位置から再生を可能とするものである。
尚、本実施の形態1では、記録媒体としてDVDを再生する場合を説明するが、本発明はこれに限らず、ビデオテープ、CD(Compact Disc)、HD DVD(High Definition DVD)や、Blu−ray Discなど、任意の記憶媒体を再生するものでもよい。これにより広範な画像または音声等を再生する装置を含むプロジェクタ1を提供することができる。なお、HD DVDはディー・ヴイ・ディー・フォーマット・ロゴ・ライセンシング株式会社の登録商標である。Blu−ray Discはソニー株式会社の登録商標である。
【0027】
映像信号処理部32は、例えばマイクロプロセッサ(例えばDSP)等の信号処理回路から構成され、それに内蔵した記憶部に格納された制御プログラムを実行することにより各種の処理をする。また、映像信号処理部32にはフレームメモリ33が接続されており、DVD再生部30からの映像信号を1フレーム(1映像画面)毎にフレームメモリ33に記憶させるとともに、フレームメモリ33に記憶された映像(以下「フレーム映像」ともいう。)を読み出す機能を有し、また、映像信号の解像度を液晶ライトバルブ12の解像度に合わせる解像度変換処理等の各種の信号処理を施して投写映像用の映像信号を生成する。
【0028】
また、この映像信号処理部32はOSD(On−Screen Display)処理をする機能を備えており、制御部20の制御命令に従って、プロジェクタ1の各種状態を表す文字や記号、画質調整を行う際のメニュー映像のOSD映像信号をフレーム映像信号と合成する処理を行う。具体的には、制御部20が例えば記憶部45からメニュー映像データ等を読み出して映像信号処理部32に供給し、映像信号処理部32は例えばメニュー映像データによりOSD映像信号を生成し、このOSD映像信号をフレーム映像信号と合成する。なお、OSD処理をしない場合には、フレーム映像信号がそのまま出力されることになる。上記のOSD処理によりメニュー画像が表示されると、ユーザーはメニュー画像に従ってプロジェクタ1の各部の機能を設定又は調整することになる。
【0029】
台形歪補正部34は、スクリーンSCに対してプロジェクタ1を傾けた状態で投写(あおり投写)した場合に生じる台形歪を抑制するために、入力される映像信号の補正を行い、補正した映像信号を液晶ライトバルブ駆動部14に出力する。尚、台形歪が生じていない場合には、前記の補正を行わず、映像信号処理部32から出力される映像信号がそのまま液晶ライトバルブ駆動部14に供給される。
【0030】
液晶ライトバルブ駆動部14は、入力された映像信号に応じて、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動する。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、それぞれ、複数の画素(図示せず)がマトリクス状に形成されており、液晶ライトバルブ駆動部14により各画素の透過率が調整されることにより、ランプ11から射出され、色光分離光学系(図示せず)によって各色光に分離された、R(赤)、G(緑),B(青)の各色光を対応する液晶ライトバルブ12R,12G,12Bによって変調する。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bから射出される映像光は、クロスダイクロイックプリズム(図示せず)などの合成光学系により合成され、投写光学系13の投写レンズ13aによってスクリーンSC上に拡大投写される。また、投写光学系13には、投写光の焦点を変更可能なフォーカス機構と、投写光の拡大率を変更可能なズーム機構とが備えられている。
【0031】
バラスト40は、制御部20からの指示に従って、ランプ11を点灯又は消灯させる点灯手段であり、例えばランプ11が高圧放電灯の場合には、始動電圧を印加する点灯回路や、適正なランプ電流を供給する安定器などにより構成される。
【0032】
フォーカス制御部41は、制御部20からの指示に従って、投写光学系13のフォーカス機構を構成するフォーカスレンズを光軸方向に移動させることにより、フォーカス状態を調整することが可能になっている。また、フォーカス制御部41は、フォーカスの調整量、即ちフォーカスレンズの移動量(フォーカス量)を検出することも可能になっており、検出したフォーカス量を制御部20に出力することができる。フォーカス量を検出する方法としては、フォーカスレンズを光軸方向に移動させるための回転カム機構(図示せず)の回転量を検出するロータリエンコーダやポテンショメータ等の検出機構を用いることができる。或いは、フォーカス機構の駆動源であるステッピングモータのステップ数に基づいてフォーカス量を検出するようにしてもよい。
【0033】
ズーム制御部42は、制御部20からの指示に従って、投写光学系13のズーム機構を構成するズームレンズを光軸方向に移動させて焦点距離を変更することにより、スクリーンSCに表示される映像の拡大率を変更することが可能になっている。また、ズーム制御部42は、焦点距離、即ちズームレンズの移動量(ズーム量)を検出するズーム量検出部としても機能し、検出したズーム量を制御部20に出力することができる。ズーム量を検出する方法としては、フォーカス量を検出する方法と同様、ズームレンズを光軸方向に移動させるための回転カム機構(図示せず)の回転量を検出するロータリエンコーダやポテンショメータ等の検出機構によって検出してもよいし、ズーム機構の駆動源であるステッピングモータのステップ数に基づいて検出するようにしてもよい。
【0034】
操作パネル44は、電源オン/オフキー、再生キー、一時停止キー、停止キー、メニューキー、音量キーやスキップキーなどDVDの再生操作に関する操作キーや、台形歪の補正方向に応じた操作を行う台形補正キーや入力切替キーなどプロジェクタ1の状態変更等を行うための各種スイッチ類を有している。そして、ユーザによるキー操作に応じた操作信号を操作信号処理部43に出力する。
また、リモートコントローラ(以下「リモコン」という。)RCは、上記操作パネル44と同様に、各種スイッチ類を有し、ユーザによるキー操作に応じた操作信号を操作信号処理部43に出力する。操作信号処理部43は、操作パネル44又はリモコンRCから入力された操作信号を受信し、これを制御部20に出力する。
【0035】
記憶部45は、制御部20が実行する制御プログラム、画質調整等を行う際のメニュー映像や、台形歪補正量の表示などのOSD映像を生成するためのOSD情報を記憶するとともに、プロジェクタ1の各種設定値等を記憶する。
【0036】
図2は実施の形態1に係るプロジェクタの外観を模式的に示す図である。また、図2(a)はレンズカバー50が開いている状態を示す図、図2(b)は、レンズカバー50が閉じている状態を示す図である。図2に示すように、プロジェクタ1の筐体には、ユーザの手動操作により左右にスライドして投写レンズ13aの前方を開閉するレンズカバー50が設けられている。このレンズカバー50は、映像投写時には、図2(a)に示すように投写レンズ13aの前方を開放し、未使用時又は後述する再生停止時には、図2(b)に示すように投写レンズ13aの前方を閉塞して、投写レンズ13aへの埃の付着や傷を防止するものである。
【0037】
さらにプロジェクタ1には、レンズカバー50の開閉を検出するレンズカバー開閉検出センサ51が設けられており、例えば接点スイッチなどにより構成され、レンズカバーが開状態のとき(図2(a))、当該接点スイッチがオンされることによりレンズカバー50の開放(以下「レンズカバー開」という)を検出し、レンズカバーが閉状態のとき(図2(b))、当該接点スイッチがオフされることによりレンズカバー50の閉塞(以下「レンズカバー閉」という)を検出する。尚、レンズカバー50の開閉を検出するものであれば、機械的な接点スイッチに限らず、電気的、光学的に開閉状態を検出するものを用いても良い。
【0038】
尚、本実施の形態1では、スライド式のレンズカバー50を設ける場合を説明するが、本発明はこれに限らず、投写レンズ13aの前方を開閉するものであれば良く、例えば着脱式のレンズキャップなどでも良い。この場合、レンズカバー開閉検出センサ51は、当該レンズキャップの着脱を検出できるものを用いる。
【0039】
このような構成のプロジェクタ1は、次のような動作により、DVDに記録された情報を再生して映像をスクリーンSCに拡大投写する。
まず、ユーザは操作パネル44又はリモコンRCの電源オンキーを操作してプロジェクタ1の電源を投入する。そして、所望のDVDをDVD再生部30に挿入して、手動操作によりレンズカバー50を開いたあと、再生キーやメニューキーなどを操作する。これにより制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー開の検出信号と、操作信号処理部43からキー操作に応じた操作信号とが入力される。そして、制御部20は、入力された操作信号に応じて、DVD再生部30の再生制御部31に対し、DVDの再生等を指示する。
【0040】
再生制御部31は、制御部20からの指示に従い、DVDを再生させ、当該映像信号を映像信号処理部32へ出力させる。映像信号処理部32は、入力された映像信号を変換して投写映像用の映像信号を生成して、当該映像信号を液晶ライトバルブ駆動部14へ出力する。液晶ライトバルブ駆動部14は、入力された映像信号に応じて、液晶ライトバルブ12を駆動する。液晶ライトバルブ12は、液晶ライトバルブ駆動部14により各画素の透過率が調整されることにより、ランプ11の光を変調して映像光を射出する。この映像光は、投写光学系13を介してスクリーンSCに投射され、入力映像信号に応じた映像がスクリーンSCに拡大投写される。
【0041】
このような動作によってDVDを再生して映像をスクリーンSCに投写中に、例えばユーザがDVD鑑賞を一時中断するような場合、ユーザの操作によりレンズカバー50が閉じられ、DVD鑑賞を再開する場合には、ユーザの操作によりレンズカバー50が開かれる。
以下、レンズカバー50の開閉に応じて、ランプ11及びDVD再生部30の動作を制御する本実施の形態1における動作を図3及び図4に基づき説明する。
【0042】
図3は実施の形態1に係るレンズカバーが閉じられた時の動作フローチャートである。
まず、DVD再生中にレンズカバー50が閉じられた場合の動作について図3により説明する。
ユーザによりレンズカバー50が閉じられると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー閉の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の開から閉への変化を検出すると(S101)、バラスト40に対してランプ11の消灯を指示し、バラスト40はランプ11を消灯させる(S102)。そして、制御部20は、再生制御部31に対し、DVDの再生の一時停止を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、DVDの再生を一時停止させる(S103)。
【0043】
尚、再生の中断は、一時停止に限らず、再生停止を指示しても良い。また、電源オフにより再生を中断させても良い。更に、例えばユーザの設定により、一時停止、再生停止、又は電源オフの何れかを選択するようにしても良い。また、再生停止又は電源オフによる再生の中断の際には、再生制御部31は、停止したときの時間情報やトラック情報等をメモリに記憶する。
【0044】
図4は実施の形態1に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
次に、上記再生の中断後、レンズカバー50が開かれた場合の動作について図4により説明する。
ユーザによりレンズカバー50が開かれると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー開の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の閉から開への変化を検出すると(S111)、バラスト40に対してランプ11の点灯を指示し、バラスト40はランプ11を点灯させる(S112)。そして、制御部20は、ランプ11の点灯後、所定の時間が経過したか否かを判断する(S113)。この所定の時間は、例えばランプ11の再点灯後、所定量の光束を放射するまでの時間など、ランプ11の種類等に応じて設定することができる。
制御部20は、ランプ11点灯後、所定の時間が経過したとき、再生制御部31に対し、DVDの再生開始を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、一時停止を解除してDVDの再生を開始させる(S114)。
【0045】
尚、上述した再生の中断において、再生停止又は電源オフにより再生を中断させた場合、再生制御部31は、再生停止及び電源オフの際に記憶した情報を参照して、前回再生の続きの位置から再生(レジューム再生)を開始させる。
【0046】
尚、上記説明では、制御部20は、ランプ11の点灯後、所定の時間経過を待って、DVDの再生開始の指示をしたが、本発明はこれに限らず、所定の時間がゼロ、即ちランプ11の点灯直後にDVDの再生を開始させても良い。
【0047】
以上のように本実施の形態1においては、レンズカバー50が閉じられたとき、ランプ11を消灯させてDVDの再生を中断し、レンズカバー50が開かれたとき、ランプ11を点灯させてDVDの再生を再開させることにより、煩わしい操作を行うことなく、ランプ11の点灯又は消灯、及びDVD再生の中断又は再開の操作を行うことができ、利便性を向上させることができる。つまり、ランプ11のオフ操作をし、レンズカバー50を閉じ、DVDの再生を中断させる操作を、レンズカバー50を閉じるという1回の操作で行うことが可能となり、ランプ11のオン操作をし、レンズカバー50を開き、DVDの再生を開始させる操作を、レンズカバー50を開くという1回の操作で行うことが可能となる。
【0048】
また、ランプ11の点灯又は消灯、及びDVD再生の中断又は再開の操作を、レンズカバー50の開閉操作により行うことができるので、操作キーなどのボタン操作より、操作を直感的で分かりやすく行うことができる。
【0049】
また、ランプ11の点灯後、所定の時間が経過するのを待って、DVDの再生を再開させるので、ランプ11の点灯が安定した状態で、再生を開始させることができる。
【0050】
また、DVDの再生を一時停止により中断させ、再開時には一時停止を解除するので、前回再生の続きの位置から再生を再開することができる。
【0051】
また、DVDの再生を再生停止又は電源オフにより中断させ、再開時にはレジューム再生機能を用いて再生するので、前回再生の続きの位置から再生を再開することができる。
【0052】
実施の形態2.
図5は実施の形態2に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。
本実施の形態1におけるプロジェクタ1は、上記実施の形態1の構成に加え、投写光学系13によりスクリーンSCに投写された投写映像を撮像する撮像手段であるCCDカメラ52を備えている。
【0053】
CCDカメラ52は、複数の受光素子(図示せず)がマトリクス状に形成されており、この受光素子により光電変換された電気信号の情報を制御部20へ出力するものである。その他の構成及び動作は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0054】
次に、本実施の形態2における、レンズカバー50が開かれた場合の動作について図6により説明する。尚、DVD再生中にレンズカバー50が閉じられた場合の動作については、上記実施の形態1(図3)と同様の動作を行う。
【0055】
図6は実施の形態2に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
上述した実施の形態1と同様の動作により、DVD再生中にレンズカバー50が閉じられて再生が中断した後、ユーザによりレンズカバー50が開かれると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー開の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の閉から開への変化を検出すると(S211)、バラスト40に対してランプ11の点灯を指示し、バラスト40はランプ11を点灯させる(S212)。そして、ランプ11からの光は、液晶ライトバルブ12により変調されて投写光学系13によりスクリーンSCに投写される。このとき、DVDの再生が一時停止により中断されている場合には、一時停止中の当該映像画面の投写映像がスクリーンSCに投写される。また、再生中止又は電源オフによる再生の中断が行われた際には、所定映像画面又はランプ11からの光が変調されることなく白色光がスクリーンSCに投写される。
【0056】
次に、制御部20は、CCDカメラ52により撮像された投写映像の情報に基づき、投写映像の明るさ、例えば投写映像の照度が所定値以上であるか否かを判断する(S213)。そして、照度が所定値以上であると判断したとき、再生制御部31に対し、DVDの再生開始を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、一時停止を解除してDVDの再生を開始させる(S114)。尚、本実施の形態2においても、再生停止又は電源オフにより再生を中断させた場合、再生制御部31は、再生停止及び電源オフの際に記憶した情報を参照して、前回再生の続きの位置から再生(レジューム再生)を開始させる。
【0057】
以上のように本実施の形態2においては、上記実施の形態1と同様の効果に加え、CCDカメラ52により撮像された投写映像の照度が所定値以上となったときに、DVDの再生を再開させるので、投写映像の明るさが所定値以上となった状態で、再生を開始させることができる。
【0058】
尚、上記実施の形態1及び2では、レンズカバー50の開又は閉を検出したとき、ランプ11の点灯又は消灯、及びDVDの再生の中断又は再開を制御する場合を説明したが、本発明はこれに限らず、DVDの再生の中断又は再開のみを制御するようにしても良い。
【0059】
実施の形態3.
上記実施の形態1又は2では、ランプ11を点灯又は消灯する場合を説明したが、本実施の形態3では、ランプ11の光量を変化させる形態について説明する。
【0060】
本実施の形態1におけるバラスト40は、制御部20からの指示に従って、ランプ11の光量を減少又は増加させるものである。例えばランプ11が高圧放電灯の場合には、ランプ電流を増減することにより調光制御する。尚、その他の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0061】
図7は実施の形態3に係るレンズカバーが閉じられた時の動作フローチャートである。
まず、DVD再生中にレンズカバー50が閉じられた場合の動作について図7により説明する。
ユーザによりレンズカバー50が閉じられると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー閉の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の開から閉への変化を検出すると(S301)、バラスト40に対してランプ11の光量減少を指示し、バラスト40はランプ11の光量を減少させる(S302)。この光量減少は、例えばランプ11が高圧放電灯の場合には、放電を継続することができる最低限のランプ電流となるように調光制御する。
【0062】
そして、制御部20は、再生制御部31に対し、DVDの再生の一時停止を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、DVDの再生を一時停止させる(S303)。
【0063】
尚、再生の中断は、一時停止に限らず、再生停止を指示しても良い。また、電源オフにより再生を中断させても良い。更に、例えばユーザの設定により、一時停止、再生停止、又は電源オフの何れかを選択するようにしても良い。また、再生停止又は電源オフによる再生の中断の際には、再生制御部31は、停止したときの時間情報やトラック情報等をメモリに記憶する。
【0064】
図8は実施の形態3に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
次に、上記再生の中断後、レンズカバー50が開かれた場合の動作について図8により説明する。
ユーザによりレンズカバー50が開かれると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー開の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の閉から開への変化を検出すると(S311)、バラスト40に対してランプ11の光量増加を指示し、バラスト40はランプ11の光量を増加させる(S312)。この光量増加は、例えばランプ11が高圧放電灯の場合には、ランプ電流が定格値となるように制御する。
【0065】
そして、制御部20は、再生制御部31に対し、DVDの再生開始を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、一時停止を解除してDVDの再生を開始させる(S313)。
【0066】
尚、上述した再生の中断において、再生停止又は電源オフにより再生を中断させた場合、再生制御部31は、再生停止及び電源オフの際に記憶した情報を参照して、前回再生の続きの位置から再生(レジューム再生)を開始させる。
【0067】
尚、上記説明では、制御部20は、ランプ11の光量増加指示の直後にDVDの再生を開始させたが、本発明はこれに限らず、ランプ11の光量増加指示後、所定の時間経過を待って、DVDの再生開始の指示をするようにしても良い。これにより、例えばランプ11の光量増加させる調光制御が完了して、光量が安定した後に再生を開始することができる。また、上記実施の形態2で説明したように、撮像手段であるCCDカメラ52を備え、CCDカメラ52により撮像された投写映像の照度が所定以上となったときにDVDの再生を再開させるようにしても良い。これにより、投写映像の明るさが所定値以上となった状態で再生を開始させることができる。
【0068】
以上のように本実施の形態3においては、上記実施の形態1の効果に加え、レンズカバー50の開閉操作により、ランプ11の光量を減少又は増加させるので、ランプ11を消灯して再点灯する場合に比べ、ランプカバー50が開かれた際に短時間でランプ11の光量を増加させることができる。
【0069】
また、ランプ11の点滅頻度を減少させることができるので、例えばランプ11が高圧放電灯の場合には、ランプ始動時の負荷を軽減し、ランプ寿命を延長させることができる。
【0070】
実施の形態4.
本実施の形態4では、投写光学系13から射出される光量を変化させる形態について説明する。尚、本実施の形態におけるプロジェクタ1の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
図9は実施の形態4に係るレンズカバーが閉じられた時の動作フローチャートである。
まず、DVD再生中にレンズカバー50が閉じられた場合の動作について図9により説明する。
ユーザによりレンズカバー50が閉じられると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー閉の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の開から閉への変化を検出すると(S401)、投写光学系13から射出される光量が、所定の光量を下回るようにランプ11からの光を変調させる(s402)。この変調は、例えば液晶ライトバルブ12の各画素の透過率が最小となるようなフレーム映像(例えば黒色画面等)を、映像信号処理部32を介して液晶ライトバルブ駆動部14に供給することにより行う。尚、変調方法はこれに限らず、投写光学系13から射出される光量を減少させるものであれば良く、ランプ11からの光の少なくと1部を液晶ライトバルブ12により遮断するようにしても良い。
【0072】
次に、制御部20は、再生制御部31に対し、DVDの再生の一時停止を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、DVDの再生を一時停止させる(S403)。
【0073】
尚、再生の中断は、一時停止に限らず、再生停止を指示しても良い。また、電源オフにより再生を中断させても良い。更に、例えばユーザの設定により、一時停止、再生停止、又は電源オフの何れかを選択するようにしても良い。また、再生停止又は電源オフによる再生の中断の際には、再生制御部31は、停止したときの時間情報やトラック情報等をメモリに記憶する。
【0074】
図10は実施の形態4に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
次に、上記再生の中断後、レンズカバー50が開かれた場合の動作について図10により説明する。
ユーザによりレンズカバー50が開かれると、制御部20には、レンズカバー開閉検出センサ51からレンズカバー開の検出信号が入力される。制御部20は、当該検出信号によりレンズカバー50の閉から開への変化を検出すると(S411)、液晶ライトバルブ12により、ランプ11からの光を映像信号に基づき変調させる(S412)。即ち、映像信号処理部32は、入力された映像信号を変換して投写映像用の映像信号を生成して、当該映像信号を液晶ライトバルブ駆動部14へ供給し、液晶ライトバルブ駆動部14は入力された映像信号に応じて、液晶ライトバルブ12を駆動する。これにより入力映像信号に応じた映像が、投写光学系13を介してスクリーンSCに拡大投射されることとなる。
【0075】
次に、制御部20は、再生制御部31に対し、DVDの再生開始を指示する。再生制御部31は、制御部20からの指示に基づき、一時停止を解除してDVDの再生を開始させる(S413)。
【0076】
尚、上述した再生の中断において、再生停止又は電源オフにより再生を中断させた場合、再生制御部31は、再生停止及び電源オフの際に記憶した情報を参照して、前回再生の続きの位置から再生(レジューム再生)を開始させる。
【0077】
以上のように本実施の形態4においては、上記実施の形態1の効果に加え、レンズカバー50が閉じられたとき、投写光学系13から射出される光量が、所定の光量を下回るようにランプ11からの光を変調するので、レンズカバー50に照射されるランプ11からの光量を減少させることができ、レンズカバー50の過熱を抑制することができる。
【0078】
また、ランプ11を点灯若しくは消灯、又は光量の増減をするための制御を行う必要が無いので、レンズカバーが開かれた際に、短時間でDVDの再生を再開することができる。
【0079】
また、ランプ11の点滅頻度を減少させることができるので、例えばランプ11が高圧放電灯の場合には、ランプ始動時の負荷を軽減し、ランプ寿命を延長させることができる。
【0080】
尚、上記実施の形態1〜4では、液晶ライトバルブ12を用いて、ランプ11から射出された光を変調したが、本発明はこれに限らず、他の空間光変調器を用いても良く、例えば、半導体基板の上に敷き詰められた微小面積のミラーの傾きを映像信号に基づいて制御することによって映像を投写するDMD(Digital Micromirror Device)を用いてもよい。なお、DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の登録商標である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施の形態1に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るプロジェクタの外観を模式的に示す図である。
【図3】実施の形態1に係るレンズカバーが閉じられた時の動作フローチャートである。
【図4】実施の形態1に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
【図5】実施の形態2に係るプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
【図7】実施の形態3に係るレンズカバーが閉じられた時の動作フローチャートである。
【図8】実施の形態3に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
【図9】実施の形態4に係るレンズカバーが閉じられた時の動作フローチャートである。
【図10】実施の形態4に係るレンズカバーが開かれた時の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 プロジェクタ、11 ランプ、12R 液晶ライトバルブ、12G 液晶ライトバルブ、12B 液晶ライトバルブ、13 投写光学系、13a 投写レンズ、14 液晶ライトバルブ駆動部、20 制御部、30 DVD再生部、31 再生制御部、32 映像信号処理部、33 フレームメモリ、34 台形歪補正部、40 バラスト、41 フォーカス制御部、42 ズーム制御部、43 操作信号処理部、44 操作パネル、45 記憶部、50 レンズカバー、51 レンズカバー開閉検出センサ、52 CCDカメラ、RC リモコン、SC スクリーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を点灯又は消灯させる点灯手段と、
記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、
前記記録媒体再生手段から入力された映像信号を変換して投写映像用の映像信号を生成する映像信号処理部と、
前記映像信号処理部により生成された映像信号に基づき、前記光源からの光を変調して映像光を射出する光変調手段と、
投写レンズを有し、前記光変調手段により射出された映像光を拡大投写する投写光学系と、
前記投写レンズの前方を開閉するレンズカバーと、
前記レンズカバーの開閉を検出するレンズカバー開閉検出センサと、
少なくとも前記点灯手段及び前記記録媒体再生手段の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源を消灯させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源を点灯させると共に、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、
前記記録媒体再生手段から入力された映像信号を変換して投写映像用の映像信号を生成する映像信号処理部と、
前記映像信号処理部により生成された映像信号に基づいて光源からの光を変調して映像光を射出する光変調手段と、
投写レンズを有し、前記光変調手段により射出された映像光を拡大投写する投写光学系と、
前記投写レンズの前方を開閉するレンズカバーと、
前記レンズカバーの開閉を検出するレンズカバー開閉検出センサと、
少なくとも前記記録媒体再生手段の動作を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
光源と、前記光源を点灯又は消灯させる点灯手段とを更に備え、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源を消灯させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源を点灯させることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
【請求項4】
光源と、前記光源の光量を制御する点灯手段とを更に備え、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源の光量を減少させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源の光量を増加させることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光変調手段により、前記投写光学系から射出される光量が、所定の光量を下回るように前記光源からの光を変調させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光変調手段により、前記光源からの光を前記映像信号に基づき変調させることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を一時停止により中断させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記一時停止を解除して前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記記録媒体再生手段は、レジューム再生機能を有し、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を停止させ、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段をレジューム再生させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出した後、所定の時間経過したとき、前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記投写光学系により投写された投写映像を撮像する撮像手段を更に備え、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出した後、前記光源を点灯させて前記撮像手段により撮像された投写映像の照度が所定値以上となったとき、前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とする請求項1、3、6、7の何れかに記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記投写光学系により投写された投写映像を撮像する撮像手段を更に備え、
前記制御部は、
前記レンズカバー開閉検出センサがレンズカバーの閉から開への変化を検出した後、前記光源の光量を増加させて前記撮像手段により撮像された投写映像の照度が所定値以上となったとき、前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とする請求項4、6、7の何れかに記載のプロジェクタ。
【請求項11】
記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、投写レンズの前方を開閉するレンズカバーとを備え、前記記録媒体再生手段から入力された映像信号に基づき、光源からの光を変調して前記投写レンズから映像光を投写するプロジェクタの制御方法であって、
前記レンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記光源を消灯させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップと、
前記レンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、前記光源を点灯させると共に、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップと
を有することを特徴とするプロジェクタの制御方法。
【請求項12】
記録媒体に記録された情報を再生して映像信号を出力する記録媒体再生手段と、投写レンズの前方を開閉するレンズカバーとを備え、前記記録媒体再生手段から入力された映像信号に基づき、光源からの光を変調して前記投写レンズから映像光を投写するプロジェクタの制御方法であって、
前記レンズカバーの開から閉への変化を検出したとき、前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップと、
前記レンズカバーの閉から開への変化を検出したとき、所定の条件に応じて前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップと
を有することを特徴とするプロジェクタの制御方法。
【請求項13】
前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップは、前記光源の光量を減少させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、
前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップは、前記光源の光量を増加させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とする請求項12記載のプロジェクタの制御方法。
【請求項14】
前記記録媒体再生手段の再生を中断させるステップは、前記投写レンズから射出される光量が所定の光量を下回るように、前記光源からの光を変調させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を中断させ、
前記記録媒体再生手段の再生を開始させるステップは、前記光源からの光を前記映像信号に基づき変調させると共に、前記記録媒体再生手段の再生を開始させることを特徴とする請求項12記載のプロジェクタの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−135877(P2009−135877A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134101(P2008−134101)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】