説明

プロジェクタ

【課題】 内蔵する音声装置を有効活用して、投影するスクリーン周辺等の経路内に人が侵入するとそれを検知し、これに対応して投影を遮断又は減光し、投影光内に侵入した人の眩惑等を防ぐことが可能なプロジェクタを提供する。
【解決手段】 プロジェクタ10は、プロジェクタ筐体と、プロジェクタ筐体内に収納される各光源を有する光源ユニットと、表示素子と、光源ユニットから表示素子に光を導光する光源側光学系と、表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、光源制御手段を備えるプロジェクタ制御手段と、を有したプロジェクタであって、スクリーンの投影範囲及び侵入禁止範囲を示す侵入禁止範囲データを格納する侵入禁止範囲データ格納手段と、侵入禁止範囲データ格納手段に格納された侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人の移動を検出する移動検出手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影範囲への人の侵入を検出するプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、さらにメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させる。そして、これらのプロジェクタでは、従来高輝度の放電ランプを光源とするものが主流であったが、近年、光源装置の発光素子として発光ダイオード(LED)やレーザー発光器、或いは、有機EL等の半導体発光素子、励起光を吸収して所定波長帯域の光を発光する蛍光体等を用いる種々のプロジェクタの開発や提案がなされている。
【0003】
ただし、これらのプロジェクタでは、高輝度の投影光を照射していることから、人がスクリーン周辺に立って誤って投影光を見てしまうと、眩しい思いをさせてしまうことがあった。
【0004】
そこで、下記に示す特許文献1によれば、プロジェクタに内蔵するCCDカメラで人による投影光への覗き込みを検出すると、投影光の減光または消灯制御を行うこととし、覗き込みを行った人に対して眩しい思いをさせることがないプロジェクタが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−233076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、プロジェクタに内蔵されるCCDカメラで、人による投影光の覗き込みを検出することから、投影している画像と人の覗き込みを区別するのが困難な場合がある。しかも、CCDカメラを内蔵させる必要があり、プロジェクタ自体が高価なものとなってしまう。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、音声装置を有効活用して、投影するスクリーン周辺に人が侵入するとそれを検知し、これに対応して投影を遮断又は減光し、投影光内に侵入した人の眩惑等を防ぐことが可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプロジェクタは、プロジェクタ筐体と、該プロジェクタ筐体内に収納される各光源を有する光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットから前記表示素子に光を導光する光源側光学系と、前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、光源制御手段を備えるプロジェクタ制御手段と、を有したプロジェクタにおいて、前記スクリーンの投影範囲及び侵入禁止範囲を示す侵入禁止範囲データを格納する侵入禁止範囲データ格納手段と、前記侵入禁止範囲データ格納手段に格納された侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人の移動を検出する移動検出手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプロジェクタにおける前記移動検出手段は、音声スピーカーとマイクとからなる。
【0010】
さらに、本発明のプロジェクタにおける前記マイクは、所定の取り付け位置で着脱可能とすることがある。
【0011】
そして、本発明のプロジェクタにおける前記移動検出手段は、前記音声スピーカーにより超音波パルスを発し、前記人により反射した超音波パルスを前記マイクにより受けて、侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人の移動を検出することが好ましい。
【0012】
また、本発明のプロジェクタにおける前記マイクは、3個で構成されており、少なくとも2個のマイクを所定の取り付け位置に着脱可能とすることがある。
【0013】
さらに、本発明のプロジェクタにおける前記移動検出手段は、2個の前記音声スピーカーと1個の前記マイクとすることがある。
【0014】
また、本発明のプロジェクタは、前記移動検出手段で人の移動を検出すると前記人の移動方向を検出する移動方向検出手段を備えることが好ましい。
【0015】
さらに、本発明のプロジェクタは、前記移動検出手段で人の移動を検出すると前記人の移動速度を検出する移動速度検出手段と、前記移動方向検出手段により人がスクリーンの方向に接近していることを検出すると前記移動速度検出手段による人の移動速度を検出して、人がスクリーンの投影範囲に侵入するまでの時間を算出する移動時間算出手段と、を備え、前記光源制御手段は、前記移動時間算出手段による算出した時間の経過により前記光源ユニットを消灯又は減光させることが好ましい。
【0016】
また、本発明のプロジェクタは、前記侵入禁止範囲データを前記移動速度検出手段による人の移動速度が基準速度よりも速い速度で接近するときは、侵入禁止範囲を広げるように変更設定することが好ましい。
【0017】
さらに、本発明のプロジェクタは、前記侵入禁止範囲データを前記投影側光学系における投影画角に対応させた所定の侵入禁止範囲に変更設定することが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、音声装置を有効活用して、投影するスクリーン周辺に人が侵入するとそれを検知し、これに対応して投影を遮断又は減光し、投影光内に侵入した人が投影光によって眩惑することを防ぐことが可能なプロジェクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係るプロジェクタの機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図4】本発明の実施例に係るプロジェクタの投影範囲の周辺で人の侵入を検出する構成の説明図である。
【図5】本発明の実施例に係るプロジェクタの投影範囲の周辺で移動速度の遅い人が接近する場合の説明図である。
【図6】本発明の実施例に係るプロジェクタの投影範囲の周辺で移動速度の速い人が接近する場合の説明図である。
【図7】本発明の実施例の変形例に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図8】本発明の実施例の変形例に係るプロジェクタの投影範囲の周辺で人の侵入を検出する構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。本発明のプロジェクタ10は、プロジェクタ筐体と、該プロジェクタ筐体内に収納される励起光源71であるレーザー発光器を有する光源ユニット60と、表示素子51と、光源ユニット60から表示素子51に光を導光する光源側光学系170と、表示素子51から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系220と、光源制御手段を備えるプロジェクタ制御手段と、を有する。
【0021】
また、プロジェクタ10は、スクリーンの投影範囲34の領域を示すとともにこの投影範囲34を含む侵入禁止範囲33を示す侵入禁止範囲データを格納する侵入禁止範囲データ格納手段とされるRAMを備える。そして、プロジェクタ10は、RAMに格納された侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人90の移動を検出する移動検出手段とされるマイク49a、49b、49cと音声スピーカーであるスピーカ−48とを備える。
【0022】
そして、移動検出手段は、1個のスピーカー48により超音波パルスを発し、人90により反射した超音波パルスを3つのマイク49a、49b、49cにより受けて、侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人90の移動を検出する。
【0023】
さらに、プロジェクタ10は、人90の移動方向を検出する移動方向検出手段とされる制御部38を備える。
【0024】
また、制御部38は、人90の移動速度を検出する移動速度検出手段としても機能する。そして、制御部38は、移動方向検出手段として人90がスクリーンの方向に接近していると判断すると、移動速度検出手段として人90の移動速度を検出し、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入するまでの時間を算出する移動時間算出手段としても機能する。そして、制御部38は、移動時間算出手段として人90がスクリーンの投影範囲34に侵入するまでの時間を算出し、算出した時間の経過により光源制御手段とされる光源制御回路41を制御して、光源ユニット60の各光源を消灯又は減光させる。
【0025】
また、侵入禁止範囲データを移動速度検出手段による人の移動速度が基準速度である歩く速度の4.5(km/h)よりも速い速度で接近するときは、侵入禁止範囲33を広げるように設定変更する。
【0026】
さらに、侵入禁止範囲データを投影側光学系220における投影画角に対応させて所定の侵入禁止範囲33に設定変更する。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施例において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0028】
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0029】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0030】
さらに、筐体の上面パネル11には、略中央に位置して、プロジェクタ10による投影画像に応じた音声をプロジェクタ10の上面から全方向に発する発音手段であるプロジェクタ10内蔵の音声スピーカーであるスピーカー48が配置されている。そして、筐体の上面パネル11には、スピーカー48を取り囲むように位置し、投影画像の解説又は、会議等において使用可能にプロジェクタ10の上面に比較的広範囲であっても指向性を有して集音が可能なマイク49a、49b、49cが配置されている。マイク49a、49b、49cは、120度ずつ異なる方向に向けて音声データを収録する集音手段として3個配置され、指向性を有するマイク49a、49b、49cは、スピーカー48からの音の集音を低く抑えつつ、スピーカー48を除く方向の範囲で、広く周囲の音を集音可能としている。
【0031】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子、音声出力端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0032】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。この制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0033】
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0034】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0035】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものであり、光源ユニット60から射出された光線束を導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0036】
また、画像圧縮伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。さらに、画像圧縮伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0037】
そして、筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0038】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカー48を駆動して拡声放音させる。
【0039】
また、このスピーカー48は、プロジェクタ10の安全モードによる画像投影時に、スクリーンの投影範囲の周辺で人の移動を検出する移動検出手段として超音波パルスを発する。
【0040】
そして、この音声処理部47には、3個のマイク49a、49b、49cが接続されており、これらのマイク49a、49b、49cは、会議等における音声データを収録するための集音手段である。音声処理部47は、収録された音声データをデジタル化してワークメモリに格納し、所定のメモリーに保存したり、或いは音声出力端子等を介して外部機器に出力する。
【0041】
また、3つのマイク49a、49b、49cは、スクリーンの投影範囲の周辺で人の移動を検出する移動検出手段として、スピーカー48が発する超音波パルスが人に反射して戻ってくる反射波を夫々のマイク49a、49b、49cで検出する。そして、制御部38は、これらの移動検出手段を制御して、超音波パルスの送信から受信までの時間を夫々に計測する。
【0042】
さらに、制御部38は、この計測結果により、反射波を返した人と夫々のマイク49a、49b、49cとの距離を算出し人の位置を検出する。
【0043】
また、先述のRAMは、プロジェクタ10の安全モードによる画像投影時に、スクリーンの投影範囲を示すとともに、投影範囲よりも広い範囲となる侵入禁止範囲を示す侵入禁止範囲データを格納している侵入禁止範囲データ格納手段である。制御部38は、RAMに格納される侵入禁止範囲データを展開し、侵入禁止範囲データが示す範囲に接近する人の移動を移動検出手段を用いて検出する。
【0044】
そして、制御部38は、後述する人の移動方向を検出する移動方向検出手段、人の移動速度を検出する移動速度検出手段、及び人がスクリーンの投影範囲に侵入するまでの時間を算出する移動時間算出手段として機能する。
【0045】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60を制御する。この光源ユニット60は、レーザー発光器を備えた励起光照射装置70と、後述の蛍光ホイール101を備えた蛍光発光装置100と、赤色光源装置120と青色光源装置300と、を備える。
【0046】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、或いは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0047】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0048】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、この蛍光発光装置100から射出される光線束と平行となるように正面パネル12の近傍に配置される青色光源装置300と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光、青色光源装置300からの射出光の光軸が夫々同一の光軸となるように変換して各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光する導光光学系140と、を備える。
【0049】
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置された半導体発光素子による励起光源71と、励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75と、反射ミラー群75で反射した励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78と、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81と、を備える。
【0050】
励起光源71は、3行8列の計24個の半導体発光素子である青色レーザー発光器がマトリクス状に配列されており、各青色レーザー発光器の光軸上には、各青色レーザー発光器からの射出光を平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてなり、励起光源71から射出される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に射出する。
【0051】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
【0052】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、を備える。
【0053】
蛍光ホイール101は、円板状の金属基材であって、励起光源71からの射出光を励起光として緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する環状の蛍光発光領域が凹部として形成され、励起光を受けて蛍光発光する蛍光板として機能する。また、蛍光発光領域を含む蛍光ホイール101の励起光源71側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されることで光を反射する反射面が形成され、この反射面上に緑色蛍光体の層が敷設されている。
【0054】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接励起光源71側へ、或いは、蛍光ホイール101の反射面で反射した後に励起光源71側へ射出される。また、蛍光体層の蛍光体に吸収されることなく、金属基材に照射された励起光は、反射面により反射されて再び蛍光体層に入射し、蛍光体を励起することとなる。よって、蛍光ホイール101の凹部の表面を反射面とすることにより、励起光源71から射出される励起光の利用効率を上げることができ、より明るく発光させることができる。
【0055】
なお、蛍光ホイール101の反射面で蛍光体層側に反射された励起光において蛍光体に吸収されることなく励起光源71側に射出された励起光は、後述する第一ダイクロイックミラー141を透過し、蛍光光は第一ダイクロイックミラー141により反射されるため、励起光が外部に射出されることはない。そして、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。
【0056】
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。また、赤色光源121は、赤色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての赤色発光ダイオードである。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0057】
青色光源装置300は、蛍光発光装置100からの射出光の光軸と平行となるように配置された青色光源301と、青色光源301からの射出光を集光する集光レンズ群305と、を備える。そして、この青色光源装置300は、赤色光源装置120からの射出光と光軸が交差するように配置されている。また、青色光源301は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色レーザー発光器である。さらに、青色光源装置300は、青色光源301の正面パネル12側に配置されるヒートシンク310を備える。そして、ヒートシンク310と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって青色光源301が冷却される。
【0058】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸として、ライトトンネル175に入射するためのダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0059】
また、青色光源装置300から射出される青色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色波長帯域光を透過し、緑色及び赤色波長帯域光を反射してこの緑色及び赤色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、第一ダイクロイックミラー141と第二ダイクロイックミラー148との間には、集光レンズが配置されている。
【0060】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、左側パネル15の近傍に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0061】
この照明側ブロック161は、導光光学系140を備えた光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175、このライトトンネル175に光源ユニット60の光を集光して入射させる集光レンズ173、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0062】
画像生成ブロック165は、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する照射ミラー185とを、照明側ブロック161が備える上述した光源側光学系170の一部と合わせて光源側光学系170とするように有している。さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0063】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0064】
ここで、本実施例におけるプロジェクタ10の投影範囲への人90の侵入を検出する構成について、図4乃至図6を用いて説明する。上述のとおりプロジェクタ10の上面には、人90の位置を検出することが可能な移動検出手段であるスピーカー48と、そのスピーカー48の周囲に位置し、120度ずつ異なる方向に向けて音声データを収録するマイク49a、49b、49cとが配置されている。
【0065】
スピーカー48は、プロジェクタ10が安全モードに設定されて画像投影を行うと、人90の耳には聞こえない可聴範囲外である20(KHz)から40(KHz)程の波長域の音声信号による超音波パルスを周期的に発する。
【0066】
そして、図4(a)に示すように3つのマイク49a、49b、49cは、少なくとも2個のマイクによって、スピーカー48が周期的に発する超音波パルスが人に反射して戻ってくる反射波を検出する。そして、制御部38は、これらの移動検出手段による超音波パルスの送信から受信までの時間を夫々に計測する。これにより、制御部38は、反射波を返した人90と夫々のマイク49a、49b、49cとの距離を算出し、又は、集音できる各マイクからの距離と集音できないマイクの指向性の方向により、人90の位置を検出する。つまり制御部38は、これを繰り返し行なうことにより、人90の移動を検出する。
【0067】
そして、侵入禁止範囲データ格納手段としてのRAMは、スクリーンの投影範囲34の領域を示すとともに、投影範囲34を含む範囲よりも広く設定される侵入禁止範囲33を示す侵入禁止範囲データを格納している。制御部38は、侵入禁止範囲データを読み込み、侵入禁止範囲データが示す範囲の位置を把握する。そして、制御部38は、侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で移動検出手段による人90の移動を検出すると、移動方向検出手段として、人90の移動方向が、スクリーンの投影範囲34の領域に接近しているか否かを検出する。なお、侵入禁止範囲33は、投影範囲34と一致させて設定することもある。
【0068】
そして、制御部38は、人90の移動方向がスクリーンの投影範囲34の領域に接近していると判断すると、移動速度検出手段として、人90の移動速度を検出する。さらに、制御部38は、人90の移動速度を検出すると、移動時間算出手段として、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入するまでの時間を算出する。
【0069】
制御部38は、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入するまでの時間の経過により、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入する直前の例えば1秒前に、光源制御手段とされる光源制御回路41を制御して、光源ユニット60の各光源を消灯又は減光させる。
【0070】
なお、制御部38は、反射波を返した人90と夫々のマイク49a、49b、49cとの距離を算出し、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入した場合には、直ちに光源制御手段とされる光源制御回路41を制御して、光源ユニット60の各光源を消灯又は減光させる。
【0071】
また、侵入禁止範囲データは、図5に示すようにスクリーンの投影範囲34の領域を侵入禁止範囲33として設定される。しかし、移動速度検出手段による人90の移動速度が歩く速度4.5(km/h)を基準として、それより速いと判断されると、図4(b)及び図6に示すように投影範囲34のスクリーン全周囲で例えば50(cm)程の安全範囲を設けて広げられた侵入禁止範囲33に設定される。
【0072】
さらに、侵入禁止範囲データは、プロジェクタ10の投影画角をズーム等の操作により広がるように変更されると、スクリーンの投影範囲34が広がることから侵入禁止範囲33を広げるように設定することとなる。
【0073】
このようにして、プロジェクタ10は、スピーカー48やマイク49a、49b、49cを有効活用して人がスクリーンの方向に接近していることを検出し、人90が投影範囲34に侵入する直前に光源ユニット60の各光源を消灯又は減光させることができる。
【0074】
また、マイク49a、49b、49cやスピーカー48などの音声装置を有効活用してプロジェクタ10の投影範囲34への人90の侵入を検出する構成については、以上の構成に限定されることなく、例えば、図7に示す変形例のプロジェクタ10のように、プロジェクタ10の左右方向に所定の距離を有して設置されたステレオ式の2つのスピーカー48a、48bと、その2つのスピーカー48a、48bの中間位置でプロジェクタ10の前方よりに位置する1つのマイク49dとをプロジェクタ10の上面に設けた場合にも適用できる。その際、このマイク49dは、プロジェクタ10の前方方向の広範囲の収録を可能とするものである。ここで、変形例のプロジェクタ10に関して先のプロジェクタ10と同様な部分については、符号を同じくして説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0075】
2つのスピーカー48a、48bは、プロジェクタ10が安全モードに設定されて画像投影を行うと、人90の耳には聞こえない可聴範囲外である20(KHz)から40(KHz)程の波長域の音声信号により、例えば、左右で異なる周波数の超音波パルスを同タイミングで発したり、左右で同周波数の超音波パルスをタイミングをずらして発する。これにより、図8(a)に示すようにマイク49dは、夫々のスピーカー48a、48bからの超音波パルスが人90に反射して戻ってくる識別可能な反射波を受信することとなる。
【0076】
そして、制御部38は、移動検出手段による超音波パルスの送信から受信までの時間を計測する。これにより、制御部38は、反射波を返した人90と夫々のスピーカー48a、48bとの距離を算出し、人90の位置を検出する。つまり、制御部38は、図8(a)、図8(b)に示すように、これを繰り返し行なうことにより、人90の移動を検出することができる。
【0077】
また、侵入禁止範囲データは、スクリーンの投影範囲34の領域を侵入禁止範囲33として設定される。しかし、移動速度検出手段による人90の移動速度が歩く速度4.5(km/h)を基準として、それより速いと判断されると、図8(b)に示したように投影範囲34のスクリーン全周囲で例えば50(cm)程の安全範囲を設けて広げられた侵入禁止範囲33に設定される。
【0078】
なお、プロジェクタ10の左右方向に所定の距離を有して設置された2つのスピーカー48a、48bから超音波パルスを発し、その2つのスピーカー48a、48bの中間位置でプロジェクタ10の前方よりに位置するマイク49dで人90に反射して戻ってくる識別可能な反射波を受信して人90の位置を検出する際に、検出される人90の位置は、プロジェクタ10の前後方向の2箇所に特定されるが、マイク49dがプロジェクタ10の前方方向の広範囲について収録可能とされることから、スクリーンの投影範囲34方向のみに特定することができる。
【0079】
以上のように、本発明によれば、マイクやスピーカー48などのプロジェクタ10が備える音声装置に容易に追加できる機材と既存装置を有効活用して、投影するスクリーン周辺等に人90が侵入するとそれを検知し、これに対応して投影を遮断又は減光させることにより、投影光内に侵入した人90が投影光によって眩惑することを防ぐことが可能なプロジェクタ10を提供することができる。
【0080】
そして、本発明のプロジェクタ10によれば、音声装置を有効活用して投影するスクリーン周辺等に人90が侵入することを検出することができることから、人90を検出するためにCCDカメラ等を設ける必要がなく経済的である。
【0081】
また、本発明のプロジェクタ10によれば、所定の取り付け位置に着脱可能なマイクを配置できるようにして会議中の発言者のために自在にマイクを移動させることも可能にしながら、マイクを所定の取り付け位置に配置すれば投影するスクリーン周辺等に人90が侵入することを検出することができる。
【0082】
さらに、本発明のプロジェクタ10によれば、スピーカー48から可聴範囲外の超音波パルスを発してマイクで反射波を検出するようにしたことから、プロジェクタ10を使った会議の参加者に聞かれることなく、投影するスクリーン周辺等に人90が侵入することを検出することができることから、騒音がなく会議の妨げとならない。
【0083】
そして、本発明のプロジェクタ10によれば、3個のマイク49a、49b、49cの内2個又は3個全てを着脱可能にして会議中の複数の発言者のために自在にマイク49a、49b、49cを移動させることを可能にしながら、マイク49a、49b、49cを所定の取り付け位置に配置すれば投影するスクリーン周辺等に人90が侵入することを検出することができることから、プロジェクタ10に予め複数のマイクを内蔵させる必要がなく経済的である。
【0084】
また、本発明によれば、ステレオ式のスピーカー48a、48bとマイク49dを内蔵したプロジェクタ10であっても投影するスクリーン周辺等に人90が侵入することを検出することができることから、プロジェクタ10の音声装置を有効活用することができ経済的である。
【0085】
さらに、本発明のプロジェクタ10によれば、人90の移動方向を検出する移動方向検出手段を備えることから、投影するスクリーン方向に人90が移動しているかどうかを正確に認識することができる。
【0086】
そして、本発明のプロジェクタ10によれば、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入するまでの時間を算出し、算出した時間の経過により各光源を消灯又は減光させることから、人90の侵入直前に各光源を消灯又は減光をさせることができる。
【0087】
また、本発明によれば、侵入禁止範囲データを人90の移動速度が基準速度よりも速い速度で接近するときは、侵入禁止範囲33を広げるように設定変更することとなり、侵入禁止範囲33に人90が侵入したら各光源を消灯又は減光させることとなるから、人90が投影光によって眩惑することを防ぐことができる。
【0088】
さらに、本発明によれば、侵入禁止範囲データは、投影画角に対応させて所定の侵入禁止範囲33を設定変更することとなるから、例えば、投影範囲34の周辺でプレゼンテーションを行っている人90がいるときにプロジェクタ10の投影画角を広げた際に、その人90の立っている位置が誤って投影範囲34となったときでも、直ちに投影を遮断又は減光させることができる。また、その場合には投影画角を広げるのを停止させても構わない。
【0089】
また、上記実施例におけるプロジェクタ10は、人90の位置、距離及び移動速度を算出し、人90がスクリーンの投影範囲34に侵入するまでの時間から各光源の消灯又は減光を行うものとしたが、これに限らず、人90の存在している角度(方向)を算出し、予め設定されている侵入禁止範囲データの角度(方向)と比較することでより簡易に人90が侵入禁止範囲データ或いはその近傍に位置しているか否かを判定することもできる。
【0090】
すなわち、侵入禁止範囲33を示す領域は、投影光の主光軸に対して為す角度で規定することができるため、人90の距離や移動速度を算出せずとも、人90の位置を同様に投影光主光軸に対して為す角度で規定することにより、両角度を比較して人90が侵入禁止範囲データ或いはその近傍に位置しているか否かを判定することができる。また必要に応じ、スピーカー48の設置位置に基づいて、人90の配置角度を補正してもよい。
【0091】
なお、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 プロジェクタ 11 上面パネル
12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮伸長部
32 メモリカード 33 侵入禁止範囲
34 投影範囲 35 Ir受信部
36 Ir処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源制御回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカー
48a,48b スピーカー 49a,49b,49c,49d マイク
51 表示素子 60 光源ユニット
70 励起光照射装置 71 励起光源
73 コリメータレンズ 75 反射ミラー群
78 集光レンズ 81 ヒートシンク
90 人 100 蛍光発光装置
101 蛍光ホイール 110 ホイールモータ
111 集光レンズ群
120 赤色光源装置 121 赤色光源
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 導光光学系 141 第一ダイクロイックミラー
148 第二ダイクロイックミラー
160 光学系ユニット 161 照明側ブロック
165 画像生成ブロック 168 投影側ブロック
170 光源側光学系 173 集光レンズ
175 ライトトンネル 178 集光レンズ
181 光軸変換ミラー 183 集光レンズ
185 照射ミラー 190 ヒートシンク
195 集光レンズ 220 投影側光学系
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
241 制御回路基板 261 冷却ファン
300 青色光源装置 301 青色光源
305 集光レンズ群 310 ヒートシンク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクタ筐体と、該プロジェクタ筐体内に収納される各光源を有する光源ユニットと、表示素子と、前記光源ユニットから前記表示素子に光を導光する光源側光学系と、前記表示素子から射出された画像をスクリーンに投影する投影側光学系と、光源制御手段を備えるプロジェクタ制御手段と、を有したプロジェクタにおいて、
前記スクリーンの投影範囲及び侵入禁止範囲を示す侵入禁止範囲データを格納する侵入禁止範囲データ格納手段と、
前記侵入禁止範囲データ格納手段に格納された侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人の移動を検出する移動検出手段と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記移動検出手段は、音声スピーカーとマイクであることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記マイクは、所定の取り付け位置で着脱可能であることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記移動検出手段は、前記音声スピーカーにより超音波パルスを発し、前記人により反射した超音波パルスを前記マイクにより受けて、侵入禁止範囲データが示す範囲の周辺で人の移動を検出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記マイクは、3個で構成されており、少なくとも2個のマイクを所定の取り付け位置に着脱可能であることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記移動検出手段は、2個の前記音声スピーカーと1個の前記マイクであることを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記移動検出手段で人の移動を検出すると前記人の移動方向を検出する移動方向検出手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記移動検出手段で人の移動を検出すると人の移動速度を検出する移動速度検出手段と、
前記移動方向検出手段により人がスクリーンの方向に接近していることを検出すると前記移動速度検出手段による人の移動速度を検出して、人がスクリーンの投影範囲に侵入するまでの時間を算出する移動時間算出手段と、
を備え、前記光源制御手段は前記移動時間算出手段による算出した時間の経過により前記光源ユニットを消灯又は減光させることを特徴とする請求項7に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記侵入禁止範囲データを前記移動速度検出手段による人の移動速度が基準速度よりも速い速度で接近するときは、侵入禁止範囲を広げるように変更設定することを特徴とする請求項8に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
前記侵入禁止範囲データを前記投影側光学系における投影画角に対応させた所定の侵入禁止範囲に変更設定することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のプロジェクタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−257644(P2011−257644A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133102(P2010−133102)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】